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1950-04-11 第7回国会 衆議院 議院運営委員会 第44号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月十一日(火曜日)     午後零時十五分開議  出席委員    委員長 大村 清一君    理事 石田 博英君 理事 菅家 喜六君    理事 倉石 忠雄君 理事 佐々木秀世君    理事 寺本  齋君 理事 福永 健司君    理事 林  百郎君 理事 石田 一松君       今村 忠助君    岡延右エ門君       篠田 弘作君    田中  元君       田渕 光一君    塚原 俊郎君       中川 俊思君    山本 猛夫君       井上 良二君    松井 政吉君       園田  直君    米原  昶君       石野 久男君  出席国務大臣         国 務 大 臣 増田甲子七君  委員外出席者         議     長 幣原喜重郎君         副  議  長 岩本 信行君         考査特別委員長 鍛冶 良作君         海外胞引揚に         関する特別委員         会理事     玉置 信一君         議     員 大橋 武夫君         議     員 高倉 定助君         議     員 中村 寅太君         議     員 水野彦治郎君         議     員 浦口 鉄男君         事 務 総 長 大池  眞君     ————————————— 四月七日  委員井手光治君及び仲内憲治辞任につき、そ  の補欠として岡西明貞君及び石田博英君が議長  の指名委員選任された。 同月八日  委員福田篤泰辞任につき、その補欠として今  村忠助君が議長指名委員選任された。 同月十一日  委員三宅正一君及び梨木作次郎辞任につき、  その補欠として松井政吉君及び米原昶君が議長  の指名委員選任された。 同日  石田博英君、倉石忠雄君、佐々木秀世君及び福  永健司君が理事補欠当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事互選  小委員長及び小委員補欠選任  回付案取扱いに関する件  永年勤続議員田中萬逸君表彰の件  議員丹羽彪吉死亡につき弔詞贈呈の件  国会閉会委員会審査を行う場合の委員の手  当に関する法律の一部を改正する法律案起草の  件  衆議院事務局職員定員規程改正の件  委員派遣承認申請に関する件  国会議員退職金に関する法律案起草の件  事務局人事承認に関する件  本日の本会議の議事に関する件     —————————————
  2. 大村清一

    大村委員長 これより会議を開きます。  まず理事補欠選任についてお諮りいたします。先日委員異動がありました結果、自由党の理事が四名欠員なつておりますが、この補欠委員長において指名いたしてよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 大村清一

    大村委員長 それでは  石田 博英君  倉石 忠雄君  佐々木秀世君  福永 健司君 の四君を理事指名いたします。     —————————————
  4. 大村清一

    大村委員長 次に福利小委員及び小委員長選任について、お諮りいたします。山本猛夫君が福利小委員長及び小委員辞任せられ、また委員異動によりまして、民主党及び農民協同党を除く小委員欠員なつておりますので、その補欠選任しなければなりませんが、これも委員長において指名いたしてよろしゆうございますか。     〔「異議なしと呼ぶ者あり」〕
  5. 大村清一

    大村委員長 それでは福利小委員に  今村 忠助君  松井 政吉君  林  百郎君  石田 一松君  石野 久男君 を指名いたし、小委員長今村忠助君にお願いすることにいたします。     —————————————
  6. 大村清一

    大村委員長 次に海外胞引揚に関する特別委員会委員派遣承認申請の件について議長から諮問があります。初めに事務総長より説明を願いまして、次に海外胞引揚に関する特別委員会より玉置理事が見えておられますから、特に派遣の理由について承ることにいたします。
  7. 大池眞

    大池事務総長 中山海外胞引揚委員長から委員派遣承認申請が参つております。派遣せられます目的は、引揚げ状況並びに引揚者收容状況調査、こういうのであります。そこで、第一班は玉置信一君、岡良一君、吉川久衛君、この三人が四月十七日から五日間舞鶴へ行きたい、第二班といたしまして、中山委員長坂口主税君、竹村奈良一君、この三人が二十二日から五日間行きたい、こういうふうに二班にわけまして、五日間ずつ舞鶴委員派遣したい、こういう申出であります。
  8. 玉置信一

    玉置信一君 それでは、引揚委員長中山さんがただいま所用があつて外出されておりますので、私にかわつて説明してもらいたいということでありますから、私より一応概要を御説明申し上げます。  昨日の委員会におきまして、私欠席をいたしておりましたが、ただいま申請して参りましたような舞鶴に対する委員派遣の議が、委員会で満場一致で決定されたわけであります。十八日と二十三日に、明優丸及び信濃丸によつて在外同胞約四千人が引揚げて来られるということでありまして、この調査目的は、長年にわたる抑留生活をして来られた方々のお迎えと、それから敬意と慰問を兼ねまして、さらに進んでは、今日いろいろ問題となつております引揚げ問題に関して、長く抑留されておりました方々から諸般の情勢を直接聽取しようというのが主たる目的でありまして、この意味から、本派遣は時節柄きわめて有意義なものであるという全会一致の結論に到達したわけであります。ぜひこの問題を取上げて御決定に相なりますように、委員長にかわつて説明申し上げます。
  9. 林百郎

    ○林(百)委員 今まで幾たびか舞鶴委員派遣されておりますが、今度行くのは、今度の引揚者について調査する問題があるのですか。参考までに聞かしていただきたいと思います。
  10. 玉置信一

    玉置信一君 私が前段申し上げましたように、決定の場合に欠席をいたしておりましたが、今までの海外胞引揚委員会において、こうした問題を取扱つて参りました状況から見ますると、最近の中共地区残留問題とかいうようなものが特に新たに取上げられておりまして、実質的にどれだけの者が抑留されておるのかという数の把握につきまして、委員会といたしまして非常に問題となつておるわけであります。政府当局のしばしばの説明によりますと、大体の基礎数字を現わしておりますが、しかしこれとても断言できる数字でもないようであります。これを今次の引揚者に直接聞くことによつて、大体正確な残留者数字をつかむことができるのではないかというところに重点を置いて派遣したいというのであります。
  11. 石田博英

    石田(博)委員 ただいま玉置委員からの説明を承つたのでありますが、実は開会中における委員派遣の問題については、その都度かなり問題が起つておる状態であります。さらに議院の運営、また議員職務の遂行という点から勘案いたしましても、開会中に委員派遣されることが一体妥当であるかいなかということも根本的に考えてみなければならない問題だと思います。特にただいまの御説明によると、引揚げ状況並びに引揚者收容状況調査目的だということでありますが、このために何回も舞鶴派遣されておる。ことに二回にわけて行くということになると、なお問題になると思うのであります。それから中共地区あるいはその他におきまする同胞残留状況を聽取するという意味も含まれておるということでありますが、これらの点につきましては、委員会当該官庁である引揚援護庁なり、あるいは厚生省なり、そういうものを督励されてやられるのが当然だろうと考えるのでありまして、私どもといたしましては、委員派遣申請は、これを契機にもう少し嚴重に審査しなければならないように思われるのであります。盲判を押して出すような形をやめて、もう一応この問題について検討する必要上、本日の決定を延期して、各派において賛成をされた上で最終的態度決定をいたしたいと思います。
  12. 大村清一

    大村委員長 それでは石田君の提議のごとくなお研究する必要より、本日はこれを留保することに御異議ありませんか。
  13. 大村清一

    大村委員長 さよう決しました。     —————————————
  14. 大村清一

    大村委員長 次に事務総長より説明を願います。
  15. 大池眞

    大池事務総長 前会から懸案なつております点について御協議を申し上げることがあります。それは、先日の公職選挙法並びに同法に伴う整理関係法案参議院から修正を受けて回付なつております。その修正点は、前会に一応法制局の方へ御付託等説明があつたのでありまして、各党の御態度が御決定になれば、あれを承認するかしないかという態度をおきめ願いまして、適当の時期に——場合によれば本日でもけつこうですから御決定を願いたいと思います。これは選挙も近いことですから、一日も早く決定して知らせる必要があると思います。公職選挙法並び関係整理法案に対する各党態度決定しておればお聞かせ願つて、御決定を願いたいと思います。
  16. 林百郎

    ○林(百)委員 大分各箇所修正なつておりますので、もう少し愼重審議したいという意見もあります。私の方としては、きようでもかまいませんが……
  17. 倉石忠雄

    倉石委員 前回、当委員会で、国協党修正箇所ちよつと研究が足りないからこの次にということで、きように延ばして来たのでありますが、今事務総長の言われたように選挙法のことですから、なるべく早くしたいと思います。
  18. 大村清一

    大村委員長 いかがですか、本日上程したら……
  19. 大池眞

    大池事務総長 もし本日上程していただくことになれば、あの中で字が一字落ちておつた箇所があります。すなわち「徴税吏員」を「徴税吏員」と書いてあつたと思います。ただいま正誤の手続について参議院側と連絡をとつております。その点御了承願いたいと思います。
  20. 大村清一

    大村委員長 それでは本日上程することに御異議ありませんか。
  21. 大村清一

    大村委員長 上程することに決しました。     —————————————
  22. 大池眞

    大池事務総長 その次に人事承認についてお考えを願いたいと思つております。文部委員会專門員候補者をもつて来られたのであります。これは前例によつて本日御決定を願うことは困難でございますから、各党で御態度を御決定願いたいと思います。文部委員会專門員として推薦を受けておりますのは石井勗君、これはお手元に上げてございます通り帝大の方にずつとおられた方でありまして、帝国大学事務局長といいますか、事務長のようなことをしておられた方であります。次会までに各党の御態度決定していただきたいと思います。
  23. 林百郎

    ○林(百)委員 これは欠員があるのですか。
  24. 大池眞

    大池事務総長 文部委員会では一人死亡して欠けておつたのです。また武藤君が大阪大学に行かれて、その欠員が残つております。  それからこれは前から再々御説明はしておりますが、閉会継続審査等のために委員会を開きました際の委員の手当の件であります。従来の滞在雑費が三百円から五百円に改まりましたが、これは税金を込めた金額で差上げておつたのであります。そこで今度は七百五十円に改めて、二百五十円が税金ということで滞在雑費が実質的に五百円になるように直したわけであります。この法案を、閉会にならないうちに委員長の名前で提出していただいて、適当に直していただきたいと思います。この七百五十円の予算はすでに通つております。従つて、附則で行います場合には、五月二日までが会期でありまして、五月三日から施行すれば間に合いますので、五月三日から施行することにお願いしたいと思います。
  25. 大村清一

    大村委員長 本件提案手続を進めるに御異議ありませんか、     —————————————
  26. 大池眞

    大池事務総長 もう一つ衆議院事務局職員定員規定改正を願いたいと思います。御承知のごとく、事務局職員は従来ずつと特別職なつておりましたものを、一昨年一般職に編入をいたされました際に、そのままの状態においてスライドいたしまして、現在の公務員法によつて級職に割当てられたのでございますが、御承知通り級職に当てはめました当時から数回にわたる賃金ベースの変更があり、それに基きまして、それをそのままスライドして直しておつたのであります。けれども衆議院職員一般はきわめて長年月にわたる者が多く、十五年以上の者が非常に多いのであります。従いまして、従来のスライドされたものが、その級職における最高のところにマル特なつておりまして、その後一昨年十二月から何ら昇給の道がないのであります。従つて、その者の資格を変更する以外にどうしても現在の月給を上げることが絶対に相ならぬ状態なつております。これは御承知通り他官庁と違いまして、非常に長年月同じ職務をとつておる関係から、そういうことになるのであります。そこで、どうしてもこのマル特の連中を何とかして身分を変更する方法をとらなければなりませんが、これは一級から十五級職まで級別予算上の打合せをもつて定員が定められておるのであります。そこで、本年度予算に関しまして人事院と十分打合せをいたしまして、われわれの方で級別定員了承を得て定めたものが、十級職以上が百五十八名ということになつております。この十級職以上の百五十八名は、委員会專属專門員並びに調査員等は除外されておりまして、こういうものを入れますと二百三十八名になります。專門員級では約八十名が十級職以上という定員割当であります。従つて一般職員の十級職以上の級別定員は百五十八名になつております。その十級職以下の九級あるいは七級のところで、マル特で動きのとれない部分は、その身分を振りかえないことには、永久にそのままで何年もおらなければならないという状態で、運営がつかない。そこで、主事定員四百三十七人、この主事の中で十級職以上といえば大体参事以上の一般職になりますが、この四百三十七人というものを四百五人に減らしますと、そこから三十二人生れて参ります。それと第二條の「参事專任五人」を「参事專任二人」に、それから「主事專任二十一人」を「主事專任七人」に改めます。そうして、前の三十二人と、ここから生れた十七人を参事百五人の定員に加えるのでありますが、ここで全部で四十九名生れて来るのであります。そこで、本年度予算で十級職以上を認められた分には、議員会館に一名、議員宿舎に一名、第二議員会館その他人事関係で認められたものは、参事級に二人、主事級に四人、合計六人おりますので、その六人と、今下から削つて参りました三十二人と十七人を合せますと、ちようど五十五人になるのであります。それを参事定員百五人に加えますと百六十人ということに相なるわけでありまして、この定員は、本年度認められた六人以外には全然ふえておりません。ただ現実マル特を何とかしなければならない状態から、これだけの振りかえをお願いしたい、こういう案であります。何分ひとつよろしくお願いいたします。
  27. 大村清一

    大村委員長 本件は御異議ありませんか。
  28. 大村清一

    大村委員長 それでは原案のごとく決しました。     —————————————
  29. 大池眞

    大池事務総長 それからいま一つ御協議願いたいと思いますことは、従来から永年在職議員といたしまして、二十五年以上になれば、当然最近の議会において永年在職の決議をいたしておるわけであります。田中萬逸先生は、とつくに二十五年以上に達しておるのでありますが、たまたま訴訟関係等で保留になつておつたのであります。本日の第一審の決定によりますと無罪になつておりますし、ひとつ適当な機会にこの点は御解決を願つた方がいいのではないかと考えますので、よろしくお願いいたします。
  30. 大村清一

    大村委員長 本件は長く懸案なつておる問題でありますから、なるべくすみやかにおまとめくださるようにして、次会に御決定を願うようにお進めを願います。     —————————————
  31. 大池眞

    大池事務総長 もう一つ御報告申し上げますことは、考査委員会事務局長をやつております明禮輝三郎君から、一身上の都合で辞職をいたしたいという申出議長のところまで参つております。これはこの委員会に一々お諮り申し上げて御決定願うものでありませんで、当然手続を進めることになつておりますが、事務局長という重要な職務でありますので、一応御報告を申し上げて御了承願いたいと思います。  それからもう一つ御報告申し上げたいことは、はなはだ残念なことでありますが、丹羽彪吉さんが数日前発病されまして、ずつと危篤の状態を続けておつたのでありますが、昨晩おなくなりになつたそうであります。まだ正式の死亡通知は私どもの方に届いておりませんので、正式にすぐ取上げることは困難だと思いますが、死亡通知が参りましたならば、適当のときに弔辞演説なりいろいろなことをしなければならないと考えております。従いまして、その点を一応御了承願いまして、適当なときにお願いをいたしたいと思つております。そこであらためて申し上げて御了承願つておいた方がよかろうと思いますことは、従来弔辞演説等は同一選挙区の反対党の方にお願いをすることになつております。丹羽君は岐阜県第二区選出でありますので、順序として社会党の加藤鐐造さんにお願いしたらどうかと考えております。これも適当の時期に本議場で取扱われるように御了承を願いたいと思います。  それからもう一つ丹羽さんのおなくなりになつたことに関連して御了承願いたいと思いますことは、議員がなくなられました際の弔慰金予備金から出すことになつておりますので、これもあらかじめ御了承願いたいと思います。なお議員一人百円ずつお見舞金を出すことになつておりますので、これも前例によりまして御了承を願いたいと思います。     —————————————
  32. 大池眞

    大池事務総長 それからなお緊急質問鍛冶さんの問題が残つておるのでありますが、この前本会議中に運営委員会にかけることになつておりまして、それが実行できませんでしたので、ちようど官房長官も来ておられますから、緊急質問取扱いを御決定願いたいと思います。
  33. 倉石忠雄

    倉石委員 この前は、緊急質問はやめるから、そのかわり次会には官房長官に来ていただいて、事務的にどういうことをやるかきめてくれ、こういうことであつたと思います。
  34. 林百郎

    ○林(百)委員 この前の決定はこういうことだつた緊急質問をさせるかどうかは、この次官房長官を呼んで財政空白の問題を聞いて、それによつて緊急性がないかどうかを決定しようということだつたと思う。
  35. 倉石忠雄

    倉石委員 これは過ぎ去つたことでもあり、ことに全然ここで審議の対象にならない廣川問題というようなことについて緊急質問することはおかしい。そこで、緊急質問はやらないかわりに、次会官房長官に来てもらつて、林君の言葉をそのまま使えば、予算空白の間事務的にどういうふうにやるか、官房長官に聞けばよい、こういうことだつたと思う。
  36. 石田一松

    石田(一)委員 それは私たちの河野君が発言したことで、予算空白なつた間、ほんとうは政府支拂金に対して利子支拂わなければならぬ規定をつくつておるが、これに対する説明を聞けば緊急質問をしなくてもいいということだつた。だから、官房長官説明を聞けばいいのだと思います。
  37. 増田甲子七

    増田国務大臣 予算が三日間の空白を来したことについては、政府として恐縮に存じております。しかしながら、その善後処置については、別段公法上はもちろん、司法上においても違法になることは一つも惹起いたさなかつた。具体的に申し上げますと、第一に、国債及び借入金利拂いが千二百万円、これは日銀と話合いをいたしまして、日銀の仮拂いとして支拂いをいたしました。第二に、失業保險は、従来の慣例で、支拂い日が月曜日から金曜日まででありますので、四月一日には支拂わなかつた次第であります。すなわち、予算が成立いたしました四月三日以後において、予算に基いて支拂つた次第であります。第三、日雇労務者失業保險は、法規上、連続五日間、断続七日間失業状態がなければ支拂わないのであります。四月一日当時においては、まだ連続五日間、断続七日間という支拂い條件が成立いたしませんでしたので、現実には支拂いはなかつたのであります。第四、恩給及び年金は、法令上四月十一日から支拂い開始と定められておるので、支障ありませんでした。第五、日本銀行のただいま述べました千二百万円の仮拂いは、政府余裕金の預け入れが非常に多いのであります。従つて、四月一日から三日までは、この預入金の中から仮拂いとして拂つた次第であります。
  38. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、大蔵省の河野主計局長は、予算が成立しなければ政府として何らの支拂いができない、一日に支拂うものがある、従つてこれの延滞利子政府として考えなければならないと言つておる。これについて官房長官説明と少し食い違いがありますが、この点いかがですか。
  39. 増田甲子七

    増田国務大臣 先ほど念を押して申し上げました通り、現金の支出を要したものは、国債及び借入金の利拂い千二百万円だけであります。あとは四月三日以後において支拂えば法規上さしつかえないものであります。そこで、千二百万円はどういうふうにして拂つたかというと、もとより予算基礎において拂うべきだ。そこで仮拂いとして日銀拂つた次第であります。しかも、日銀はなぜ仮拂いとして拂つたかというと、政府から預け入れた金がたくさんあるから、その中から拂つたので、従つて延滞利子等は拂う必要がなかつたのであります。
  40. 石野久男

    石野委員 この空白なつた三日間は、たまたま事務手続上支障を来さなかつたことは、現実の問題として今官房長官のお話を聞いて了といたしますが、問題になるのは、三日間の空白ができておることに対する政府見解であります。これはたまたま三日間で済んだが、もし一週間、あるいは十日になつたときの政府の措置について政府見解を聞いておきたい。
  41. 増田甲子七

    増田国務大臣 その場合、連続五日間、断続七日間失業状態というような問題が新たにできて参るかもわかりませんが、幸い三日に予算が成立しましたので、そういう問題はなくて済んだわけであります。
  42. 石野久男

    石野委員 今たまたま三日間にそういうことが起らなかつたというのですけれども、現に日銀で仮拂いをした千二百万円が、政府預入金が過剰であつたからいいようなものの、もしこれがなかつたらどうしますか。現実の問題として、たまたま今度はよかつたけれども、そうでない場合、政府責任がある。その点をぼくは聞きたい。
  43. 増田甲子七

    増田国務大臣 石野さんにお答え申し上げます。あなたの御心配のような事態は起きませんでした。すなわち、責任を負わなければならないような状態が起きなかつたから責任を負わないでもよいのであります。
  44. 林百郎

    ○林(百)委員 官房長官にお聞きしたい。四月一日を契約日としておつた連合国人住宅契約はどうなりましたか。
  45. 増田甲子七

    増田国務大臣 これは国内関係でなく対外関係でありまして、不可能をしいるものではないのであります。予算が成立すれば、遅滞なく住宅契約をして、着々実行しておると思います。
  46. 林百郎

    ○林(百)委員 その契約に基いて日本人が請負い、あるいは請負金支拂いが起きた場合に、その支拂い遅延のために仕事が停滞したというようなことはなかつたのですか。
  47. 増田甲子七

    増田国務大臣 これは国内関係で、何も問題はありません。向うも予算上実行できるときにしろということで、何もむりをしいていません。
  48. 林百郎

    ○林(百)委員 この問題について、與党側としては、空白を生じたことは、国会審議方法占領政策違反だという声明を出しましたが、これについて政府はどういう考えを持つておるか伺いたい。
  49. 倉石忠雄

    倉石委員 前回運営委員会で、この問題はもうけりがついておる。こんなことをここで審議するのは間違つておる。廣川君の声明なら、廣川君に直接聞けばいい。そんなことに対して官房長官が答えるならどうかしている。
  50. 林百郎

    ○林(百)委員 廣川問題はまだ片づいていない。
  51. 大村清一

    大村委員長 ここで答弁を要することをお尋ね願います。
  52. 林百郎

    ○林(百)委員 廣川問題は一応けりをつけなければならぬ。このことは、参議院運営委員会でちやんと答弁している。だから、衆議院運営委員会でも一応けりをつけたいと思う。この声明が、はたして廣川君個人の意見であるか、または吉田首相との打合せ声明であるか聞いておきたい。
  53. 大村清一

    大村委員長 官房長官のお答えはないようであります。
  54. 松井政吉

    松井(政)委員 共産党と自由党が不規則発言のけんかをやられることは、われわれまことに迷惑だ。ここで質問することは委員の自由であり、またこれに対して答えることも官房長官の自由であります。そこで、不規則発言はやめてもらつて、答えるべき筋のものなら答える。答えるべき筋でないものなら答えないようにしてもらいたい。
  55. 石田一松

    石田(一)委員 この前の運営委員会で、自由党の幹事長の声明だから、この運営委員会で取上げる必要がないということでしたが、先国会の終りに、民主自由党総裁吉田茂という名前で談話を発表したことを取上げて、本会議で質疑がなされておる。だから、党の総裁あるいは幹事長の出した声明だからここで取上げる筋合いのものでないという意思で官房長官の答弁がないということはおかしい。
  56. 石田博英

    石田(博)委員 廣川君の声明をこの委員会で議題にするか、しないかということは、前回委員会で議題になつておりますか。
  57. 大村清一

    大村委員長 なつていません。この問題につきましては採決のお話がありましたが、当時私のところで見ておりますと、與党の方が八人、野党が七人で、当然否決される状態にあつたのであります。そこで、後日に延ばした方がよかろうという皆さんの御意向でありましたから延ばしたのであります。採決直前の状態まで行つておりまして、その採決は議題にするかしないかが問題になつておつたことは、速記録にも明白に出ております。
  58. 石田博英

    石田(博)委員 そうすると、廣川君の声明問題を本委員会において議題にするかいなかは未決定状態にあるわけです。しからば、未決定のものにつきまして、本日委員長はどうして発言を許されたのですか。従つて、まだ議題になつていないことに関連するような発言は整理を願つて、そうして官房長官に出席を求めたことにのみ限局して議事の進行をしていただきたいと思います。
  59. 大村清一

    大村委員長 官房長官の出席を求めたのは、支拂いの点について求めたのでありまして、ただいまの問題については求めておりません。
  60. 石田博英

    石田(博)委員 それなら委員長におかれては、予算空白に関する政府の処置についての質疑に限局されることを望みます。
  61. 林百郎

    ○林(百)委員 だからわれわれは予算空白の問題を参考までに聞いておるので、この前廣川君の問題が取上げられたが、廣川君を呼ぶかいなかは次会に留保しようということになつておる。そこでわれわれは、政府と與党と打ち合わせの結果あの声明を発表した真意はこうだということを官房長官から聞けば、わざわざ廣川君を呼ぶ必要がない。しかしこれは政府の関知しないことだというなら、廣川君をこの委員会に呼ばなければならぬ。それで聞いておる。
  62. 石田博英

    石田(博)委員 今林君のお話だと、廣川君の出席を求めるかいなかがすでに議題になつておるということですが、それは委員長の話と違う。先ほど私委員長説明を求めたところ、採決される寸前にあつたということでありまして、これは明らかに速記録に出ておるそうであります。そこで議題になつていないものに関連してだれを呼ぶというようなことは考えられない。従つて、議題になつていないものについては発言を整理していただきたいと思います。
  63. 石田一松

    石田(一)委員 ただいまの石田博英君の御説明ごもつともと思います。それでは私はあらためて予算空白に関して官房長官に御質問をいたします。予算空白という事実ができたことについて、自由党の幹事長廣川氏がこの問題をとらえて、野党の行為は占領政策違反行為であるというような声明をされておりますが、このことについて政府はどうお考えになるか伺いたいと思います。
  64. 増田甲子七

    増田国務大臣 お答え申し上げます。政府といたしましては、国会の行動に対する見解、ないし批判はなるべく避けたいと思つております。
  65. 林百郎

    ○林(百)委員 この際鍛冶考査特別委員長の問題を取上げてもらいたい。
  66. 大村清一

    大村委員長 お諮りいたします。御異議がなければ、この際懸案なつております鍛冶考査特別委員長の件を議題にいたしたいと思います。
  67. 倉石忠雄

    倉石委員 鍛冶考査特別委員長の問題につきましては、なおゆつくり懇談をして、各党の御意見を承つた上で適当な処置をとる方がいいと思いますので、本委員会の議事の全部を議了したあとで懇談会をやつていただいて、そこで隔意なき意見の交換をいたしたいと思います。
  68. 林百郎

    ○林(百)委員 やる時期はもちろんそれでけつこうです。それから懇談会もいいと思いますが、やはり重要な結論は正式な委員会でやるように願いたい     —————————————
  69. 大村清一

    大村委員長 それでは本件はあとまわしにして、本日の議事について御協議願います。
  70. 大池眞

    大池事務総長 それでは本日の日程について御説明を申し上げ、御協議を願います。  その前にちよつと御了解を願いたいと思いますことは、この前、五月三日の憲法施行三周年目の記念式典をあげることについての議題その他について御了承願つたのでありますが、それと並んで、憲法週間といいますか、五月一日から七日まで、憲法の式典を通じて憲法の再確認的なポスターを内閣が中心になつて全国に張りたいということであります。そのポスターは、憲法に認められた男女同権というような意味を表示したものでありまして、男子並びに女子の顔を描き、憲法に保障されたわれわれの自由並びに権利をわれわれみずからの手で守ろうという言葉がただ入つておるだけであります。そのポスターを張ることにつきましては、内閣の創意でもないのでありまして、関係方面としばしば打合せをいたしまして、ポスターの絵の問題につきましても十数回にわたつて修正をしたり、描き直したりしまして、一応案ができて、これならということになつておるのであります。そこで、ポスターの一番下に、国会と内閣と最高裁判所という三つの字を入れる、要するに今度の憲法記念式典を行います主催者側の名前だけを入れさしてもらいたいということで相談に来ておるわけであります。その内容的なものにつきましては、関係方面と内閣側とで種々交渉の結果、そういうことになつたのだそうであります。この点についてポスターを張ることと、そのポスターに国会という名前を入れるということだけの御了承を願いたいということであります。従つて衆議院の方でかりによろしいと言つても、参議院がいかぬということになるともちろんいけませんが、衆議院側として、これに対する御意見を承りたいと思います。
  71. 石田一松

    石田(一)委員 ポスターの実物はありませんか。
  72. 大池眞

    大池事務総長 ポスターはありません。図案は内閣にあると思いますが……
  73. 大村清一

    大村委員長 本件について御異議ありませんか。
  74. 大村清一

    大村委員長 承認することに決しました。
  75. 大池眞

    大池事務総長 次に本日の議事について御説明申し上げます。本日の議事は二つありまして、日程第一は配炭公団の損失金補てんのための交付金等に関する法律案、これは社会党、民主党、共産党が反対でありまして、討論が四人ございます。反対討論は社会党の勝間田さん、民主党の橋本金一さん、共産党の竹村奈良一さん、賛成討論が自由党の甲木保さんということになつております。それから日程第二の旧軍港市転換法案、これについては共産党が反対でありまして、反対討論は共産党の田島ひでさん、賛成討論は、今通告のありますのは自由党の岡延右エ門さん、社会党の前田榮之助さんがされることになつております。これは両方とも大蔵委員会でありますが、日程第一と第二とわけて、大蔵委員会理事前尾繁三郎さんが御報告に相なるということであります。
  76. 石田一松

    石田(一)委員 日程第一についての討論は、国民協同党は保留させていただきたいと思います。
  77. 石野久男

    石野委員 労農党も同じです。
  78. 大村清一

    大村委員長 討論時間は例によつて十分以内ということにいたします。
  79. 大池眞

    大池事務総長 公職選挙法案は参議院回付案をのむだけでありますから、公職選挙法案の参議院回付案に対する承諾の件は日程に追加いたしますが、一番最初にお願いをいたしたいと思います。従つて、最初に公職選挙法で起立採決、次に日程第一、日程第二という順序になりますが、日程第一も第二も起立採決でよろしゆうございますか。
  80. 大村清一

    大村委員長 それでは本会議開会時刻は二時として、それまでの間懇談をいたします。
  81. 倉石忠雄

    倉石委員 この懇談会は個人の一身上にわたる問題でありますから非公開に願います。
  82. 大村清一

    大村委員長 倉石君の御発言に御異議ありませんか。
  83. 大村清一

    大村委員長 それでは非公開にいたします。傍聴者の退席を願います。      ————◇—————     〔午後一時二十分懇談会に入る〕     〔午後二時十七分懇談会を終る〕      ————◇—————
  84. 大村清一

    大村委員長 それでは懇談会を終ります。  ただいまの懇談会におきまして、先般院内でなされた検事の捜査に関する鍛冶委員長の措置に関していろいろ御相談があつたのでありますが、この際本件につきまして鍛冶君の御所見を伺いたいと思います。
  85. 鍛冶良作

    鍛冶考査特別委員長 考査委員会で偽証ありとして告発した事件につきまして、その事実を参考までに確かめるため、会期中であるから特に検事が出かけて来て調べたいとのことであつたので、むしろ調べられる方の便宜のためにとつた処置でありましたが、院内で調べることを認めるについて、あらかじめ関係者の了解を得た上、議長にお断りしてなすべき手続をしなかつた点は手落ちでありました。この点遺憾の意を表します。
  86. 大村清一

    大村委員長 いかがでしよう。ただいま鍛冶委員長は、あの扱いについては手落ちを認められて、遺憾の意を表しておられるのであります。将来議長承認を経るという手続を正確に履行いたしますならば、このような問題は再び起きることはないように考えられるのでありまして、この程度で、本件はこれ以上追究しないことにいたしたらいかがかと思いますが……。
  87. 林百郎

    ○林(百)委員 先ほどの懇談会でもいろいろ問題になりましたが、私の方の党としては、これが單なる偶発的な問題でなく、日ごろの様子から現われた一つの事例である。なお国会の権威のために、また将来の司法権、立法権峻別のためにも、この際はつきりした責任鍛冶委員長にとつてもらいたいというのが、わが党の意見であります。はつきりした責任をとるということは、将来再び国会内においてこういう事例を起さないという意味で、考査委員長としての地位を捨てられるという責任のとり方をしてもらいたいというのがわが党の意見でありますから、これを皆さんに諮つていただきたいと思います。
  88. 石野久男

    石野委員 わが党としましても、今鍛冶委員長から遺憾の意を表示せられましたが、この件につきましては、先ほど懇談会のときにいろいろ話し合つたわけであります。ただ本件は将来の前例となることを非常におそれるのでありまして、そういう意味におきまして責任を明確にされることを希望するのであります。陳謝だけでなく、もつと明確な形が残されることを、将来の国会運営及び立法府と司法部の関係とにらみ合せて期待したいと思うのであります。その点、党の意見として一応皆さんの御了解を得たいと思います。
  89. 大村清一

    大村委員長 お諮りいたします。本件につきましては、鍛冶委員長が遺憾の意を表されました釈明によりまして将来に対し保障も得られるというような御意見の方もおありのようであります。これに対して、さらに責任を明らかにする必要があるという反対意見の方もあります。しかし委員長は、鍛冶委員長が遺憾の意を表された釈明を信頼いたしまして、これ以上追究しないという説が多数だと思いますので、そのように決します。
  90. 今村忠助

    今村(忠)委員 福利小委員会で、前国会から懸案なつております国会議員退職金に関する法律案の研究を進めてみたいと思います。
  91. 大村清一

    大村委員長 この件につきましては、当運営委員会におきまして議題となり、各党の意見をまとめるところまで進んでおつたのであります。それはよほど前のことでありまして、時日も経過しておりますから、再び福利小委員会に回付して研究をお願いいたしたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時二十分散会