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1950-02-23 第7回国会 衆議院 議院運営委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月二十三日(木曜日)     午前十一時三分開議  出席委員    委員長 大村 清一君    理事 福永 健司君       大橋 武夫君    岡延右エ門君       岡西 明貞君    菅家 喜六君       倉石 忠雄君    篠田 弘作君       島田 末信君    田渕 光一君       塚原 俊郎君    寺本  齋君       中川 俊思君    山本 猛夫君       土井 直作君    松井 政吉君       園田  直君    長谷川四郎君       梨木作次郎君    林  百郎君       竹山祐太郎君    黒田 寿男君  出席国務大臣         国 務 大 臣 増田甲子七君  委員外出席者         議     長 幣原喜重郎君         仮  議  長 庄司 一郎君         議     員 井出一太郎君         議     員 松本六太郎君         議     員 佐竹 晴記君         議     員 金子與重郎君         衆議院参事         (事務総長職務         代行者)    西澤哲四郎君 二月十一日  委員林百郎君辞任につき、その補欠として梨木  作次郎君が議長指名委員に選任された。 同月二十三日  委員神山茂夫辞任につき、その補欠として林  百郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  税制関係法案提出時期に関する件  国政調査承認要求に関する件  委員派遣承認申請追認に関する件  本院予備経費支出承認に関する件  專門員の格付けに関する件  本日の本会議の議事に関する件  院内交渉団体報告に関する件     —————————————
  2. 大村清一

    大村委員長 これより会議を開きます。  まず院内団体報告に関する件を議題といたします。
  3. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 先般小委員会の席上におきまして御報告申し上げたことでありますが、一応この運営委員会におきまして正式に院内団体異動について御報告申し上げておきたいと思います。  ケースがたくさんございます。最初民主党第十控室関係から申し上げておきたいと思います。二月十日付をもちまして、民主自由党幹事長民主党連立派幹事長の御両名の連名をもつて別紙議員二十三名の方は今後民主自由党として一切の行動をいたしますのでお届けいたしますというお届けが出て参りました。その後に至りまして、この二十三名の中に異動がございまして、あとから久野さんが入られ、それから大西正男さんと中村又一さんのお二人の方が、この別紙のリストの中から除かれましたので、結論といたしまして二十二名の方が民主自由党として今後行動をなさることになりました。それは本日の公報に掲載いたしましたが、ただ本日の公報に残念なことをいたしましたのは、私ども申訳ないと思つておりますけれども名前の間違いがございますので、おわびを申し上げますかたがた訂正させていただきます。すなわちこの中に大西禎夫さんと書くべきところを大西正男さんと書きましたことは、はなはだ申訳なく考えております。その点御了承願います。ただ大西正男さんにつきましては、すぐあとの方で民九の方に入つておられることで明らかになつておりますから、幾分誤解は少くなると思います。はなはだ恐縮に存ずます。  それから別に民主党連立派からは、昭和二十五年二月十一日党議をもつて民主自由党と一体化して、民主自由党所属いたしましたからお届けいたしますというのが、民主党幹事長として出ております。  それから十一日付で犬養健さんが民主連立派を離党されております。その後の所属については何にもお届けがございませんから、私ども無所属に取扱つております。  それから二月二十二日付をもちまして、民主党第九の幹事長から早稻田柳右エ門さん、鈴木幹雄さん、大西正男さん、中村又一さんの四人の方が、新たに民九の所属なつたというお届出がございます。ただいま申し上げましたところによりまして、従来民十といつてつた院内団体が、すつかりなくなつたことになります。今後は民九という名前民主党ということになるのではなかろうかと考えております。それだけ申し上げておきます。  次に新政治協議会関係のことを申し上げておきます。これは先般やはり一応御報告申し上げましたが、二月十六日付をもちまして新政治協議会所属しておられました国民協同党関係の方の十四名が、新政治協議会を脱退せられまして、国民協同党という院内団体をおつくりになつたというお届けでございます。それと同時に新政治協議会所属でありました寺崎覺さんと中村寅太さんが、農民協同党所属に相なりました。以上が去る十日以来の所属変更に関する御報告でございます。  この際念のためにただいま現在の各党派所属議員数を申し上げておきたいと考えます。民主自由党二百八十七名、日本社会党民主党ともに四十七名、日本共産党三十六名、国民協同党十四名、農民協同党九名、労働者農民党六名、新政治協議会社会革新党ともに五名、公正倶楽部三名、無所属二名、こういう現在の状態でございます。  なおこれらの所属異動に伴いまする議席変更は、全部昨日終了いたしました。本日の本会議から新たな議席にお着席願うことに相つております。  もう一つの問題は控室の問題がございます。この点につきましては、新政治協議会関係のものは関係各派の間でお話合いが済みまして、そちらの方におのおのわかれていただきましたが、民主党関係の方は、旧民主党の十控室の方から、控室変更するのはいま少しく猶予してくれないかというお話がありましたので、事務的にはちよつととりはからいかねまして、そのままに相なつております。
  4. 園田直

    園田委員 ただいまの事務次長報告に関連して事務次長ちよつとお伺いいたします。今報告された通り民主党旧十というものは、それぞれ民主党に帰られた者及び民主自由党の方に入党された者とわかれておりますが、新聞等で見ますと、あるいは合同とか、その他の問題で、いろいろもめておるようになつておりますが、こういう点はわれわれの関知するところじやない。しかし最初二月十日に両党の幹事長名前をもつて民主自由党に一体化したという報告が出、続いて二月十一日に民主連立派幹事長名前をもつて民主自由党と一体化したという報告が出されて、すでに院内においては民主自由党というものがあつて民主連立派というものはないというのが、事務局としての見解だろうと思う。またそれ以外の解釈法はないと思います。その場合に議席変更了承いたします。だがその控室の問題になると、民主旧十から注文があつて控えておると言われたが、事務局としては今すでにない民主十から、控室変更割当を待つてくれと言われて待つておられるということは、われわれとしては了解しがたい。さつそく事務局としては届け出られた通り事務局の手続によつて院内交渉団体控室割当を、ただちに変更されんことを望みます。
  5. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 ただいまの園田さんの御希望ごもつともと考えます。事務的にはなるべくすみやかにこれを進めたいつもりでおります。
  6. 島田末信

    島田委員 今すぐということであるが、移転先がはつきりするまで、われわれの準備が完了するまでは動いては困る。これは個人ではない、党としての一体化した立場の面から、三月二、三日ごろまでは当然今の者はおらなければならぬという希望があるのです。これもひとつ御了承願いたい。
  7. 園田直

    園田委員 事務局としては旧民主連立派控室の名札を、至急変更されんことを望みます。
  8. 土井直作

    土井委員 どういうわけで控室をかえるわけに行かないのですか。
  9. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 事務上、私どもはかえたいと思つたのですが、前の民十の所属の方がちよつと待てくれというお話でございますから……
  10. 土井直作

    土井委員 きわめて簡單なことじやないですか。
  11. 寺本齋

    寺本委員 ぼくはあとから来て最初お話を聞いていないからわからないけれどもちよつとまだ党内事情もありますし、すぐ民九からどうと言われても、ちよつと困る事情があるのです。それは今までだつて、われわれの方で人員に比例すれば、あれの五分の一はこちらの方で使用してよかつた。それをやはり讓つておるのだから、それを紳士的に考えてもらつて、それくらいは讓つてもらう方がいい。今開き直つて来られると困るのです。
  12. 大村清一

    大村委員長 この問題はなるべくすみやかにおきめ願うことにいたします。     —————————————
  13. 大村清一

    大村委員長 次に移ります郵政委員会国政調査承認に関する件について議長から諮問があります。事務総長より御説明を願います。
  14. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 郵政委員会から国政調査承認要求が参つております。調査する事項郵政行政に関する事項調査目的郵政事業運営状況調査し、その改善を図るため、調査の方法、関係方面より説明並びに意見の聽取、資料の要求等調査の期間は本会期中ということになつております。
  15. 大村清一

    大村委員長 御意見はありませんか。
  16. 大村清一

    大村委員長 それでは郵政委員会国政調査承認の件につきましては、議長においてこれを承認すべきものと答申するに御異議ありませんか。
  17. 大村清一

    大村委員長 御異議がなければさように決しました。     —————————————
  18. 大村清一

    大村委員長 先般法務委員会より委員派遣承認申請がございました。緊急の場合でありましたので各派の御了承を得ておいたのでありますが、委員会を招集する運びに至らなかつたので、ここに事後ではございますが、御承認をお願いいたしたいと思います。この際事務総長より御説明を願います。
  19. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 二月十日でございましたか、法務委員会から委員派遣申請が参りまして、しかも非常に急いでおられたのでございます。目的地は栃木県喜連川町であります。そこの人権蹂躙等調査のために、委員の方四名を派遣いたしたいという申出でございました。派遣せられる委員の方は北川定務君、松木弘君、石川金次郎君、加藤充君、この四名の方であります。予定は五日間ということに相なつておりまして、非常に急いでおられました関係上、一応各派の御了承を得ましたので、議長においてこれを承認いたした次第でございます。当委員会追認方をお願いいたしたいと思います。
  20. 大村清一

    大村委員長 ただいま事務総長より説明された通りでありますので、この際御了承をお願いいたします。御異議ありませんか。
  21. 大村清一

    大村委員長 それではそのように決しました。     —————————————
  22. 大村清一

    大村委員長 次に国会予備経費使用承認の件を議題といたします。事務総長説明を願います。
  23. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 ただいまお手元に配付いたさせますが、先般北二郎さんがおなくなりになりましたのにつきまして、法律の規定によりまして、弔慰金を一年分すみやかに差上げたいと考えます。つきましては財源がありませんので、この際国会予備経費の中から、その支出をいたしたいと考えております。これを御承認願いたいと考えます。
  24. 大村清一

    大村委員長 ただいまの北二郎君の弔慰金に関する予備経費使用承認の件について、これを承認するに御異議ありませんか。
  25. 大村清一

    大村委員長 御異議がないようでありますから、さよう決します。  この際お許しを得まして委員長からちよつと発言をいたしたいと思います。それは国会闘争共同委員会の点につきましてであります。これは国会内の組織団体であるかどうかということにつきまして、疑問を持たれておる点がありまして、お尋ねを委員長が受けておるのであります。なおGHQ側におきましても同様の疑問がだんだんあるように聞いておるのであります。この国会闘争共同委員会という名前では、大して疑問は起らぬと思いますが、国会共闘委というように簡單に報道されるために、多少疑問が起るのではないかと思います。またアメリカ側におきましては、ニッポン・タイムスあたりにこれを英訳した場合、ジョイント・ダイエト・ストラッグル・コミッティーというような名前なつておりました関係で、ことにアメリカでは、上院下院共同委員会が広く行われておるというようなことで、疑問が起るのではないかと思うのであります。なお一部の新聞におきまして、議事堂内に事務所があるというようなことも報道されておつたことがあるように記憶いたしておりますので、そういうようなことも誤解もとだと思います。これらの点につきまして事務総長の方で、何かお調べになつたりお考えなつたことがありますならば、この際ひとつ御説明願いたと思います。
  26. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 今私ども手元にありまする材料と申しますか、私どもの手の届く範囲内で調べました事柄につきまして、一応お話してみたいと考えます。  国会闘争共同委員会は、日本労働組合総同盟ほか二十三の労働組合が加盟してつくられております任意団体でございまして、もちろん国会には全然関係のない組織でございます。この国会闘争共同委員会目的というものは、私たちの聞いておりまするところによりますと、労働組合がその諸要求を、共同闘争組織を通じまして国会に反映さす、これを法制化させることがその目的であるというふうに伺つております。従いまして国会内の組織でないことはもちろんございまして、国会に働きかけるという意味のものであろうと私ども考えております。なほ先ほど委員長からお話のありました事務所の問題につきましても、私ども調査いたしましたところでは、ただいまのところでは事務所議事堂内にはないようであります。以前のことはちよつとわかりかねておりますが、ただいまのところは全然ないようでございます。この点だけは私たちといたしましてはつきり申し上げておきまして、この際皆様方の方も、やはり何らかの疑問的なことが投げかけられるのではなかろうかと考えておりますが、その際には誤解を解いていただきたい、かようにお願いしたいのであります。
  27. 大村清一

    大村委員長 ただいま事務総長から御説明がありましたように、この国会闘争共同委員会は、国会及び衆議院参議院に、全然関係のない組織であることは明瞭であるように思います。つきましては国会内の組織であるというような疑問を持つておるような方々がありました場合には、委員各位におかれましても、その誤解を解くように御協力をお願いいたしたいと思います。議会内部のことにつきまして、外からいろいろ疑問のあります問題でございますので、この際このことを明らかにいたしまして皆さんの御了解を得、また御協力をお願いする次第であります。     —————————————
  28. 大村清一

    大村委員長 林君から御要求がありました官房長官が御出席になりましたので、この際御質疑を願います。
  29. 林百郎

    ○林(百)委員 税制関係のことで、この前の私の出た運営委員会でも官房長官にお聞きしたのですけれども、実は予算委員会では税制の出るのを待つて予算審議が、今待期の姿勢にあります。大体所得税法富裕税法の、吉田内閣考えておる税制改革の一部のものは出ましたが、あとは全然出ておらない。このたびの税制改革で、最も重要な部分である地方財政に関する地方税法の方は、全然出ておらない。これについては予算は来週の二、三日ごろまでには、何とか衆議院を上げなければならぬという情勢もあります。ところがこの重要なる地方税制に関する法案が出ないということになると、これは予算審議にも重大な関係が起きて来ると思うのであります。聞くところによると、政府は第十三次案まで出して向う折衝しておるという。そうすると二日に一回ぐらいこちらの態度がかわつておるというようなことにもなるわけであります。これは相当重大な問題だと思いますが、向うとの折衝がどうなつておるか、大体いつごろ出せるのか、予算審議とどういう関係に置こうと考えておるのか、この辺をひとつはつきりと官房長官にお聞きしたいと思います。
  30. 増田甲子七

    増田国務大臣 林君にお答え申し上げます。税制のうち国税に関する部分は八法案であります。地方税に関するものは一つ法案があるだけであります。国税に関する八法案のうち、六法案まではすでに国会提出済みであります。でありまするから、予算委員会、あるいは大蔵委員会等において審議を御継続願いたい。あるいは休憩していらつしやる委員会においても、審議を御開始願いたいということを、政府は一昨日以来一生懸命懇請しておる状態であります。というのは一昨日で六法案が出ております。あと法案が残されておる次第であります。そこで今御指摘の地方税に関する問題ですが、地方税は各種の税制が内容をなしておりまするけれども法案としては一つ法案であります。條文は七百箇條から成り立ち、いわゆる地方税の法典とも申すべき革命的の税制改革であります。これにつきましては、今もつて折衝を継続中であります。本日も関係大臣もとより、主務大臣である本多国務大臣が、みずから関係方面折衝をいたしておる状況であります。実は一昨日までは政府といたしましては、あまり国会提出が遅れてはいけないから、一応折衝を打切りまして、国会段階におきまして折衝を願おうかという考えも持たなかつたわけではありません。しかし政府といたしては、できるだけのことをしてそして担税者期待と御希望に沿うようにしてから法案を出したい。こう考えております。  そこで予算と税との関係の御質問に対する答弁の方に移りまするが、われわれといたしましては、国の歳入基礎である税制といえば、やはり国税である。その国税に関する八法案のうち、六法案までは出ておりまするから、これで一応御審議を御継続願いたい。ただしかしながら、もとより地方税関係がないとは言えないと思います。間接関係もとよりあります。平衡交付金等とからみ合いまして、将来地方財政はどうやつて行くのだという目途がついて、それが予算委員なり、あるいは国会議員の御参考になつて予算案が議決さるべきものということは、私ども考えておりますが、何しろ地方民諸君の非常な希望なり、陳情なり、期待がございまして、政府としては今すぐ法案を出してしまうということは、形式的の法案は、きようでも出せるけれども、そうしたのでは市町村県民諸君の御期待にも沿い得ないうらみがあると考えておりますために、一生懸命努力しておることでありますから、地方税が出て来ない間は、間接関係があるのだから予算審議は結了し得ないというような御態度は、もとよりとられないと思いますけれども、どうか予算の直接の基礎である国税に関する法案は、そろつたというわけではないが、ほとんど大部分出たのでございますから、この際予算審議を御開始になり、議決されまして、参議院の方に御送付願う。参議院審議中にはもとより出ます。遅れておるのは、繰返して申しますけれども地方担税者諸君期待に沿いたいから、一生懸命努力しておるのでございますから、出て来ない間は審議はしないということはおつしやらないで、政府の意のあるところを御了承くださいまして、この際衆議院においては予算審議をあそばされ、かつ議決あそばされて参議院に御送付あらんことを、切に懇請する次第であります。
  31. 林百郎

    ○林(百)委員 これは重要ですから、別にあなたとけんかするつもりではない。国会議員責任として聞いておきたいのですが、国税でまだ出ない法案というと何ですか。再評価に関する法案と、もう一つは何ですか。
  32. 増田甲子七

    増田国務大臣 再評価税ともう一つありますけれどもちよつとど忘れしております。きようあたりまでは出したいと思います。
  33. 林百郎

    ○林(百)委員 そうする国税関係法案は全部きよう、あすぐらいに出るのですか。予算は大体四日に本会議を通すという予定ですが、これまでには国税関係のものが出るか出ないかということが、一つ、もう一つ地方税関係ですが、そうすると予算衆議院を通過するまでは、結局地方税関係のものは、今の見通しでは、衆議院には出ないというように見てよいかどうかという点が一つ、もう一つは、国税関係の残りの法案は、少くとも来月の四日、衆議院予算が通過するまでには出せるかどうかという問題が一つ、次は地方税関係のものは、結局予算衆議院を通過するまでは衆議院には提出されない。それでもとにかく予算だけはなんとか通過するように努力してもらいたいのかどうか。これは結局野党側から、税関係法案が出なければ予算は通過させることができないという声があるから、とにかく並行審議でもよいから出して置こう、あとで適当に直して行けばよいから、とにかく税法国会に出たという体面だけ備えようということで出すので、これは結局は向うとの接衝関係その他で大分修正されるのだ、今はほんのお義理で出しておるのだというように、極言すれば考えられるわけです。そうすると、われわれの今審議しておるこの税法関係も、これは確定的なものではないということになりますが、それに対して政府は絶対そういうことはない。今出しておる法案については、政府は確定的なものであつて、あくまでも責任を負うと言い得るかどうか、この三つです。
  34. 増田甲子七

    増田国務大臣 林君にお答えいたします。国税については今二法案残つております。これは日にちは正確には申し上げかねますが、大体申し上げますと一両日中には必ず出します。でございますから、もとより三月三日とか、四日とか言われる予算の通過までには、非常に日を余して提出し得る状況であります。すなわち予算基礎をなす歳入の大部分である税制に関する法案は、全部出そろいます。しかも相当の余裕を持つて出そろいます。これが第一の質問に対するお答えであります。  第二に、地方税衆議院において予算審議が結了し得るまでに出し得るのかどうか、その見込を問うという御質問でありますが、実は一昨日あたりは、一応関係方面折衝も時間がかかるようだからして、国会法案を提案して、あと国会段階において御審議を願い、あるいはそれぞれ地方担税者期待に沿うような修正を願おうかというような考えも、なかつたわけではなかつたのでありますが、それではいかぬということで、先ほどもお話申し上げました通り、一生懸命、今日もまた、明日も折衝を継続するわけであります。でありますから、三月三日とか四日とか言われる日には、出し得るかどうかということは、今のところちよつとわかりかねる。なるべく出したいと思つておりますが、出し得ないかもわかりません。しかしながら予算審議が全体を結了するまでには、もとより顔を出しますし、相当時間をおいて御審議を両院においてお願いするつもりであります。  最後に現在提出しておるところの国税関係法案は、まだ生のものであつて政府としては確信を持つて出していないのかどうかという御質問にお答え申し上げます。これに対しましては地方税等につきましては、そういうような経緯で林君もおわかりの通り、多少確信なしでも出そうかといつたようなこともございましたけれども、今はそうではございません。国税については全然そういう事実はございません。 現在提出にかかるもの、また将来提出せんとするものは、政府はこれで最もよろしいという確信に基くものであります。もとより国会において修正なり何なりされることは御自由であります。
  35. 林百郎

    ○林(百)委員 増田官房長官も、地方行政官として苦労なさつておるので御存じだと思いますが、国家予算の中でも平衡交付金の問題、あるいは公共事業費の問題、あるいは預金部の運用の問題というようなものは、やはり地方財政がどうなるかということに非常に大きな影響をもつので、これとにらみ合さないと、予算審議はできないと思います。地方財政に関する法案がまだ出なくて、昭和二十五年度の地方財政見通しがつかないのに、国家予算責任を持つて審議し、しかも通過させるということは、非常に困難です。考えようによると無責任だと思います。考えようによると、予算通つたから地方税のこれも、それにならつて、問題なく法案としては通過させなければいけないのじやないかというような、既成事実をつくることによつて、問題のある地方税法を通過させることになると思う。従つて私の方としては、少くとも予算審議に対してどうしても不可欠な要件である地方税法国会提出されない限り、予算に対する責任ある審議は、われわれとしてはできないと思います。この点に対して将来どういう事態が起きても、政府責任を負われるかどうか、この点をお聞きしておきます。これ以上私はあなたに聞いてもしかたがないと思います。
  36. 倉石忠雄

    ○倉石委員 今の林君の官房長官を責めておるお話は、予算委員会の問題で、運営委員会ではちよつと筋違いだと思います。予算委員会でやつてもらつたらどうですか。
  37. 林百郎

    ○林(百)委員 もちろん、倉石君の言うように予算委員の問題でもありますが、国会全体の運用の問題だと思います。これはいつでも予算が出るときに問題になるのは、予算を裏づけはておる実体法が——これで私は懲罰になつたこともあつたのですが、実体法を出さないで予算を通過させるということは、既成事実をつくることによつてあとから出ておる法案審議を無意味にしてしまうおそれがある。だから予算を裏づける実体法は、ぜひとも同時審議並行審議ぐらいはしなければならぬ。ところが先ほど増田官房長官税制の革命的な法案だと言われる、七、八百にも及ぶ條文のこの地方税法が、全然予算審議前に顔を見せない。そして予算だけ通すということは、やはり政府国会を無視する。あるいは政府に政治力がないということになる。これは予算委員会だけの問題ではないと思う。
  38. 倉石忠雄

    ○倉石委員 従つて、今、林君のお説のようなことであるから、これは予算委員会において十分審議されて、予算審議ができないということであれば、これは予算委員会でそういうふうな取扱いをなされることであつて、そのことで今運営委員会でわれわれが論議してみたところで、われわれの力の及ばざることである。審議の対象外です。官房長官質問をしても意味をなさない。
  39. 林百郎

    ○林(百)委員 これは私の考えとしては、むしろ予算委員会よりは運営委員会で、予算審議の問題について、国会政府がどういう立場にあるかということをやるべき問題であると思う。
  40. 倉石忠雄

    ○倉石委員 それならば予算だけではなくして、ほかの重要委員会にかかつておるものの審議をここで全部やつたら、数限りなくやることになる。
  41. 林百郎

    ○林(百)委員 予算審議の問題に対しては、前から国会で問題になつておる。私は議論はやりませんけれども政府予算審議に対して、全然税法に関する法案提出しないということについて、どういう責任を感ぜられるか。
  42. 倉石忠雄

    ○倉石委員 そんなことは予算委員長と話合つてやればよい。
  43. 林百郎

    ○林(百)委員 予算委員長には責任はない。一応増田官房長官の回答を求めておるのだから答弁してほしい。
  44. 増田甲子七

    増田国務大臣 予算委員会において御答弁申し上げます。     —————————————
  45. 大村清一

    大村委員長 次に本日の議事に関する件を議題といたします。
  46. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 お手元に日程が参つておりますが本日は法律案が十四件上つております。日程一は、農林委員長小笠原八十美さんの報告、これは全会一致であります。第二は、通商産業委員会の付託議案、理事の神田博さんの報告であります。これは共産党の風早八十二さんから反対討論の通告がございます。その他は賛成のように聞いております。第三、厚生委員長堀川恭平さんの報告、これは全会一致でございます。第四から第十四までは、全部大蔵委員会に付託されたものでありますが、便宜上、四から八までを一括いたしまして、大蔵委員会理事小山長規さんの報告がございます。全会一致可決になつております。九から十四までを一括いたしまして、大蔵委員会——報告者はわかりませんが、理事が報告になります。九、十、十一、十二は全会一致、十三、十四は共産党が反対と聞いております。これには討論の通告がありまして河田賢治さんがおやりになります。  これと関連いたしまして、先般御報告いたしました南カロライナ州の州議会におきまして、わが国国会議員団の歓迎の共同決議が行われましたが、その後マサチュセッツ州におきましても、ほとんど同様の共同決議がなされましたので、総司令部民政局長から議長あてに、お手元に配布いたしました書面が参つております。つきましては先例によりまして同様にとりはからいたいと思います。     —————————————
  47. 大村清一

    大村委員長 緊急質問の取扱いを議題にいたします。
  48. 倉石忠雄

    ○倉石委員 緊急質問は、きようは大分日程も多いことですから、来週の火曜日にやつたらどうですか。
  49. 大村清一

    大村委員長 それでは来週火曜日、二月二十八日に運営委員会を開いて協議することにしていかがですか。
  50. 大村清一

    大村委員長 それではさように決しました。
  51. 林百郎

    ○林(百)委員 電力問題に関する特別委員会が、われわれの方の提案になつておりますが、これを議題にしてほしい。
  52. 大村清一

    大村委員長 ただいま林君から御提議になりました電力問題調査特別委員会の件は、かねて神山君から運営委員会に御提議になつておりますので、御研究置きを願いまして、二十八日の運営委員会ではつきり御相談を申し上げたいと思います。御研究置きを願います。
  53. 林百郎

    ○林(百)委員 もう一つ提案があるのです。ただいまの増田官房長官お話にもありました通り税制吉田内閣としても非常に大きな政策だと思います。この取扱いも非常に愼重にすべきだと思います。それで税制法案が大体出そろつた——少くとも国税関係法案が出そろつたときには、一度税制に関する政府態度を本会議場で説明してもらつて、これに対して野党代表の質問を適当に許してもらう、これは皆さんの相談の結果によりますが、こういう愼重な取扱いをしてもらいたいという希望がわれわれにあります。
  54. 園田直

    園田委員 今の問題はわが党も提案したいと思いますから、この問題はいずれあとで願います。
  55. 大村清一

    大村委員長 それでは次回の運営委員会あたりで、はつきり御提議願つてきめたいと思います。     —————————————
  56. 大村清一

    大村委員長 最後にもう一つ專門員の人事に関する件について、事務総長から報告があります。
  57. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 この際常任委員会專門員の格付に関しまして、先般の松井さんの御質問にお答えいたします。お答えいたしますかたがた御報告申し上げておきたいと考えております。  專門員を十五級職に格付いたしますことにつきましては、專門員諸君より強い希望がございまして、專門員は委員会の顧問ともいうべきものであるから、職階制の建前から言つても、また制度としても十五級職としてほしい。但し現在專門員である人々が、すべてそのまま十五級職になるということを意味するものではなく、われわれ一同の專門員制度を確立するためには、相当な決心を持つておるとの申出がございました。この旨は昨年九月の常任委員長打合会におきまして、專門員の代表諸君から申し述べられたことであります。そこで常任委員長会といたしましては、專門員を十五級職にするよう新給與実施本部に申入れをいたしたのであります。この申入れに対しまして昨年十一月下旬になりまして、新給與実施本部長より、專門員は十五級職中一号ないし三号に指定して参りましたが、十五級職に指定するにつきましては、一つの條件がついております。すなわち現在の專門員を十五級職に格付するについては、実施本部長の承認を求められたいということが申し添えてございました。右の実施本部長の申入れに対しまして、常任委員長会におきましては何らかの形で選考することが必要と相なりましたので、常任委員長の中から、内閣、人事、地方行政、予算、議院運営各委員長、それに副議長事務上の必要もあることでございますから、事務総長をも選考委員といたしまして、選考方を一任いたしたのであります。そこで選考委員といたしましては、たまたま今回人事院で実施いたしました一般公務員の上級者の試験のうち、十五級職になる者の受験資格ぐらいはなくてはなるまいという見地からいたしまして、一応右の資格を選考の基準といたしたいという大体の方針をきめたのであります。この経過はその都度当運営委員会に御報告いたしまして、また選考につきまして選考委員に御一任願うこと、並びにその結果を当委員会に御報告申し上げるということを、昨年十二月四日の運営委員会において御了承を願つたわけであります。その後選考委員会におきましては、以上の基準によるのほか、個別的に各委員長の御意見をしんしやくいたす等の手続をとりまして選考を進め、その結果について実施本部長と交渉いたしました。要するにこの問題は衆議院参議院共通の問題でありますので、実施本部におきましては、衆議院参議院の申入れに対する政府職員の一般基準から選考いたしまして、その結果を回答して参りました。それによりますと現在三十五名の專門員中、二十四名が十五級職に格付されることに承認がありましたので、これはすでに発令をいたしております。次に專門員になれなかつた方々の措置につきましては、選考委員ついで常任委員長会議におきまして、愼重検討せられまして、その結果最初の建前通り、專門員制度確立のために、十五級職以外の專門員はあり得ない。かつまた成規の專門員でない者に、專門員という名称を使うことは、いろいろな意味におきまして誤解を生じやすいので、これは認めがたいという結論に達しました。結局十二級の調査員になるか、または非常勤職員ではあるが、專門員心得というような制度を、人事院と交渉して認めてもらうか、あるいは退職するかの三つの方法が残ることになりますが、目下当該委員長の御意向等をも承り、專門員各個人々々につきまして、その措置方法につきまして、事務局といたしまして手続を進めておる次第でございます。なお選考委員並びに常任委員長会の御意向によりまして、今回十二級の調査員となつた者が、引続き一年六箇月在職して場合におきましては、十五級職の專門員となり得るよう、当委員会の御了承を得て、人事院と交渉をいたしたいと考えております。また今回の十二級職の格下げをすることによりまして、級は下りましても現に受けておる俸給等は下げないという建前をとつて行きたいと考えております。右一応この経過を御報告申し上げておきます。
  58. 松井政吉

    ○松井(政)委員 ちよつとお伺いします。今の報告と違つたように私聞いておる点を、一応お尋ねしたいと思います。これは給與実施本部からは、十五級職に相当しない專門員は、十四級職でもよろしいという文書が来ておる。こういうことを伺つておるのであります。従つて参議院の方におきましてはそれを取入れて、十五級職から漏れた者は十四級職の專門員として従来通り置く。こういう決定をなさつたという報告も私は聞いておるのでありますが、これは調査の結果事実であるかどうかお伺いしたい。
  59. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 ただいまの松井さんの御質問にお答えいたします。その通りでございます。
  60. 松井政吉

    ○松井(政)委員 そうすれば、参議院の方は給與実施本部からの文書に基きまして、十五級職から漏れたものは、従来通り十四級職の專門員として置く、衆議院の方の選考委員会では、十二級職の調査員に格下げをする、こういう違つた取扱いが行われておるのでありますが、これは私はどうも取扱いがまずいのではないかと思うが、どうでしようか。
  61. 大村清一

    大村委員長 私がこの選考委員の方に関係をもつておりますので、その点をお答え申し上げます。実はただいま松井さんの御指摘になりまするように、專門員の資格に漏れた人は、暫定措置といたしまして十五級職以外の專門員の名前を認めてもよろしいという通牒が、給與実施本部長から参つておりまして、参議院の方では、ただちにそのような手続をとられたそうであります。ところがもともと專門員制度を打立てる場合におきましては、專門員は十五級職にしてもらいたいという專門員一同の希望であつた。そうしてもしその制度を打立てるために、自分たちがその資格がないということであれば、喜んでこの制度確立のために、退職するなり何なり、別の方途を講ずるから、ぜひ十五級職に格付をするようにという切なる御希望もあり、また衆議院といたしましても、そういうようなりつぱな、十五級職の格付をされるような專門員を持ちますことは、議会の権威を高める上にも適当であろうということで、十五級職にしてもらうということに、運営委員長及び選ばれました選考委員会におきましては、極力努力いたしたわけであります。その努力が報いられまして十五級職ができた。ところがその便法として、漏れた人々がさらに專門員という名前を継続して行くのでは、もともと話がすつかりひつくり返つてしまう。專門員は十五級職に格付せられたならば、それを維持して、漏れた人は專門員以外において適当に始末をすることがよかろう。参議院態度に対しましては、衆議院側の方では賛成者がなかつたのであります。そこでその措置方法といたしましては、先に事務総長から報告のありましたように、一つは十二級職の調査員にするか、ないしは非常勤職といたしまして、人事院との交渉の上で專門員心得というような、專門員と別の名前を使うことを一つ考える。それには不満足で、どうも專門員に漏れた以上は勇退をするという方がありますならば勇退をするか、この三つの方法がきまつておるわけであります。なおまたこの委員会におきましてはいろいろ調べました結果、漏れた人が永久に調査員になるということでは、はなはだお気の毒でございますので、今回選に漏れた人は、引続き一年半以上その職を継続した場合におきましては、十五級職の專門員になり得る道を開く。これは一切無條件にするというわけではございませんが、なり得るという道を開くことも、人事院と交渉をいたすというようなことになつておるのであります。すなわちお尋ねになりましたように、参議院衆議院とが、この経過的措置におきまして意見の不一致の点があつたのでありますが、(これは專門員の御希望でもあり、また議会の重さを維持する上におきましても、)專門員には相当のりつぱな人を入れる。そうしてまた入れる以上は、その名称も画然と專門員というものにいたしまして、別にそれよりも程度の低い者に專門員というような名前をつけることは、この際やらないことにした方がよかろうというように、関係者が結論を得たような次第であります。
  62. 松井政吉

    ○松井(政)委員 りつぱな專門員を置くために選考委員会において十五級職に該当するかしないかという基準を設けて選考したと言いますが、今事務総長報告では、どういう形で査定したか、その基準を報告しておらない。それをひとつ御報告願います。
  63. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 先ほど申しましたように、一応の基準は一般公務員の十五級職の試験を受け得るという資格に置いておるわけであります。これは具体的に申しますと、各省の局長程度一年以上、または部長程度二年以上在職しておることが條件であります。しかしながらその前提といたしまして、最近十五年以内にその同一の職種に八年以上在職したことを要することと相なつております。しかして民間の経験は官におけるものとすべて対等に取扱うことと相なつております。しかしながらこの点につきましては、選考委員会におかれましては、特に民間における経験にウエートを置かれて御選考をなされたように聞いております。
  64. 松井政吉

    ○松井(政)委員 大体私はその基準についても不満であります。なぜかといいますと、国会における專門員というものは、必ずしも官位官級によつてきめられるものではないと私は思う。これは官僚制度——というと語弊があるかもしれないが、官僚制度においては、官位官級というものがあつて、それに人をあてはめて行くのです。国会の專門員というものはそうじやない。專門的な知識をもつて国会運営のために、あるいは国会内の立法部の法律審議等について、專門的な知識があると思う人について、官位官級をつけておるはずです。そこが根本的に私は違うと思うのです。それをたとえば局長、部長の経験を持つ者、あるいは八年間のそうした該当したものに関係を持つ者、あるいは、民間会社における部長、局長の資格を持つ者という、官僚制度的な形において査定基準を設けて査定したというところに、私は大きな誤りがあるのじやないかと思う。これが第一点。もう一つは今十五級職という制度がてきる過程において落されて、十二級職の調査員に格下げをされるということになりまするが、これは專門員として雇い入れる——というのは語弊があるかもしれませんが、そういう形をとる場合には、明らかに專門的な知識を持つておる者として專門員として来てもらつておるのでありますが、それをこういう制度ができたときに、給與実施本部では、十五級職になれない者は十四級職の專門員としてもよいという文書で通告が来ておる。参議院ではすでに決定しておる。衆議院だけが專門員として雇つた者を、全部十五級職にしてほしいという要求があつたという言葉じりをつかまえて、漏れた人を十二級の調査員に格下げをするということは、道義上いいことかどうか、これが第二点。もう一つは專門員の今度の選考の方法からして、あるいはこういう形で、国会事務局に働いておる職員にまで、そのときその折によつて、選考委員会等が與党の人たちによつて持たれて、職員の問題にまで発展して来ることがあると、国会運営上大きな問題になつて来ます。これが第三点。そういうことから言つて私は專門員として来てもらつておる者は、やはり給與実施本部の文書の通り、現在の專門員に限つて十四級職の專門員があつてもよろしいという決定をしてもらいたい。もし專門員として置けないならば、心得の形でもよいと思いますが、たとえば一年なら一年経過したならば、十五級の專門員にするという形をとることが妥当じやないかと思う。十二級職の調査員に格下げをするというような取扱いは、参議院とも異なつており、給與実施本部からの文書とも異なつております。こういう取扱いはもう一ぺん選考委員会を開いてもらつて改めるように願いたいと思います。
  65. 倉石忠雄

    ○倉石委員 今の問題に関連してお伺いしたいのですが、十五級職にしてもらいたいという要求は、どこから出て参つたのですか。
  66. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 ただいまの倉石さんのお話でございますが、これは昨年夏ごろから、專門員の間で強い要望になつておられたように思います。
  67. 倉石忠雄

    ○倉石委員 私どもの承るところによりますると、私はその経過はよく存じませんが、参議院の專門員の方々が私どものところへ来られまして、参議院における專門員というものは、一率に十五級職に決定することになつたから、衆議院の各常任委員長においても、それに同調してもらいたいという熱烈な御要求参議院の專門員の方々からしばしばあつたのであります。いつの常任委員長会議でありましたか、その参議院の專門員の方々の御希望のあることを、私から委員長会議に申し入れたことがあるわけであります。その後の経過はよく存じませんが、事務総長の今のお話のように、そういう御希望と同調されて、衆議院の專門員の方々も熱心に要求をされた。そういう御希望を伺いましたので、いろいろ骨を折られた結果、人事院の関係で、十五級職にいきなり引上げることはできないような結果が出たというのが、今の事務総長の御説明でありますか。
  68. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 そうです。
  69. 倉石忠雄

    ○倉石委員 そういたしますと、私参議院のやり方が少しおかしいのじやないかと思うのです。私どものところでは專門員というものは非常に権威あらしめなければならない。常任委員会の專門員というものは、そのときに私どもにおつしやつた言葉によると、各省にたとえれば、次官あるいは次官以上の人物をもつて当てたい、こういうことでありますが、私どもはそれはまことにごもつともだ。今の松井さんの言われましたように、そのときどきの都合で、というと言葉は惡いかもしれないが、だれでもよいからひつぱつて来るというふうなことのないように、一応何らかの格付といつては失礼でありますが、官歴とかあるいは実業界における御経歴、その他の御経験に徴して、大体こういう程度の方は十五級職になつてしかるべきものじやないかというふうな、個人々々に対する一応の検討を加えて十五級職になつた。それが衆議院側の專門員の方々の御要望にも応ずることでもあるというので、私どもは賛成したのであります。今の参議院の方で、何だか格下げをしても專門員という名前をつけるようにやつたということは、そもそも私は参議院側の專門員がどうかしておると思う。われわれのところへ言つて来たことと全然違つておる。私はやはり衆議院側でとられた態度の方がいいのじやないかと思う。ただ松井君の御心配になるのは、たまたま議院の構成上、甲政党が多いときに、甲政党の委員長ばかり集まつてその選考をすることは、不公平になりはせぬかという御心配でありますが、その点はまた別に考慮すべきものであつて、十五級職にしてくれという熱心なる要望、しかも十五級職にして、專門員の格を引上げて、確固たる権威あるものたらしめるという御希望に沿われたということについては、私は衆議院の方のやり方がよいのであつて参議院は自分で主張しておきながら、今度人事院の関係でそういうことができなくなつたので、にわかにそういう便法を講じておられるそのやり方が、私はおかしいじやないかと思う。私は今の選考の問題について考慮を加えるということについては、それは私どももなるほどと思う節もありますけれども、賛成できません。
  70. 松井政吉

    ○松井(政)委員 今倉石さんの御意見もつとものように考えられまするが、この十五級職にするということ、それから十五級職の一号から三号までの間に、いろいろ段階がある。そのために選考委員会が必要であるということ、選考をして報告をし、この運営委員会で決定しておるのですが、ただ私の言うことは、運営委員会で決定しておることではあるが、選考基準をどういうところに置いて決定したかということは、運営委員会では承知しないことです。ところが今言つたように、たとえば一般公務員の資格の形で取扱つたという問題、それから部長、局長、それから経験者云々で査定したということ、そういうことは、結局国会の專門員と一般公務員との立場というものを、明日に査定の上で区別をして十分考えた、ということにならないような気がするのです。国会の專門員というものは公務員じやない。公務員といえば公務員かもしれないが、たとえば官吏制度における官吏という形の選考で取扱うということは、私は間違いじやないかと思う。それからもう一つ不可解なのは、給與実施本部からは、十五級職に漏れた者は、十四級職の專門員として置いてもよろしいということを文書で書いて来ておる。参議院は給與本部のこの文書に従つてそういう取扱いをしておる。だから倉石君が、参議院のやり方が間違いだということには、ちよつと私は問題があろうと思う。給與本部から十五級職に漏れた者は十四級職の專門員でよろしいということまで言つて来ておるのに、衆議院の方だけがなぜ十二級の專門員に下げるかということを私は言うのです。
  71. 大村清一

    大村委員長 その点ちよつと申し上げます。專門員は特別職であるようなお話でありますが、公務員法では明瞭に一般職であります。そこで資格をつけるにつきましては、次官等の十五級職の試験を受けるにつきましては、先に事務総長からお話になりましたように、今回設けられた十五級職の受験資格になる程度の資格は、一応参考にした方がよかろうというので、選考委員会はその標準を参考といたしまして、その実際の扱いにつきましては、私どももそれにタッチしておりましたが、むしろ民間の方の人は非常に有利な扱いになり、官歴の方につきましては、先に申しますような、はつきりした標準になつておりますから、それに当らぬ者はみた落ちてしまつたけれども、民間の方は相当有利な選考になつたように思つております。その点につきましてやり直せというお話でございますが、これは運営委員会が権限を持つておることですから、皆さんの総意がそうなればやり直すこともよいと思いますけれども、委託を受けた委員会の方で、これが最善なりとして信じてやつたものをやり直させるということは、なかなか困難ではないかと思います。それから参議院の方で扱いましたのは、專門員に対しては十五職級というようなところに扱うべきだということで出発しておつて、たまたま十五級ときまつたのに、十五級以下の者でも專門員を置いてよいということでございまして、一応制度の確立というものはどこへ行くのか、この点は委員会の皆さんの御意向もありますけれども、これは参議院のやり方がおかしい。衆議院としては專門員は十五級職の格付をしたならば、これを維持して、それから漏れた人は何らか救済の方法を考える者ということで始末した方がよかろうということで、関係者が決議された次第であります。その点は受任者が適当なことをやらないから、もう一ぺん解任して運営委員会でやり直すということなら別ですが、ちよつとあなたの御要求に対しては、ただちに応ずるわけには参りません。  ちよつと懇談に移ります。
  72. 大村清一

    大村委員長 速記を始めてください。ただいま問題になつておりますことはなお考究をいたすことにいたしたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十五分散会