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1950-02-10 第7回国会 衆議院 議院運営委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月十日(金曜日)     午後三時四十分開議  出席委員    委員長 大村 清一君    理事 石田 博英君 理事 福永 健司君       大橋 武夫君    岡延右エ門君       岡西 明貞君    菅家 喜六君       倉石 忠雄君    篠田 弘作君       田渕 光一君    塚原 俊郎君       山本 猛夫君    土井 直作君       松井 政吉君    園田  直君       長谷川四郎君    神山 茂夫君       林  百郎君    島田 末信君       寺本  齋君    石田 一松君       黒田 寿男君    中野 四郎君  委員外出席者         議     長 幣原喜重郎君         仮  議  長 庄司 一郎君         議     員 河野 金昇君         議     員 小林 信一君         事 務 次 長 西澤哲四郎君 二月九日  委員林百郎君辞任につき、その補欠として梨木  作次郎君が議長指名委員に選任された。 二月十日  委員梨木作次郎辞任につき、その補欠として  林百郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  法律案付託委員会に関する件  緊急質問取扱いに関する件  明日の本会議議事に関する件     —————————————
  2. 大村清一

    大村委員長 これより開会いたします。  神山君から発言の通告がございました。この際これを許可したいと思います。神山君。
  3. 神山茂夫

    神山委員 実は一つ提案をいたしたいのであります。これはすでに各委員においても御承知のように、最近電力問題が非常に重要な意義を持つて来ておるのであります。きようは私あえてくどいことを申すことを避けますが、電気料金の上りましたことや、分割案その他がきまりましたことに関連して、大衆の生活にも非常に響いておるし、中小産業資本家にも打撃を與えるという現実があるわけであります。さらに電源開発問題そのものも、いろいろの角度から問題にしなければならないときであると思いますので、院内、ことに衆議院におきまして、電力問題に関する調査をし、その対策を樹立する特別委員会を設置せられるように提案したいのであります。この点はすでに参議院にもできておりまして、活動を始めておるやに聞いておるのであります。大まかな点だけを申し上げたのでありますが、ぜひとも各党でお持ち帰りになつて、細目の点については十分御相談の上、できれば各党一致委員会設置に至りますように、提案趣旨を申し述べておきます。
  4. 大村清一

    大村委員長 ただいま神山君から電力問題についての特別調査委員会設置提案をされたのでありますが、これは提案者において、後日さらに協議をしてよろしいということでありますが、この際何か御質疑等がありますれば御質疑願いまして、後日あらためて御相談申し上げたい。
  5. 大村清一

    大村委員長 それでは後日お打合せすることにいたします。     —————————————
  6. 大村清一

    大村委員長 次に事務総長より……。
  7. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 昨日電波監理委員会設置法案の修正につきまして同意を得ましたので、それに伴いましてそのときに申し上げましたように、電気通信省設置法の一部を改正する法律案というのが内閣から提出されて参りました。設置法の一部でありますから、従来の取扱いから申しますると、これは当然委員会に付託せらるべきものでございまするが、今の電波監理委員会の方が、電気通信委員会にかかつていた関係上、一応議運委員会でいずれに付託するがよいか御決定を願いたいと考えます。
  8. 林百郎

    ○林(百)委員 これは電波監理法電気通信委員会にかかつていたので、それを修正しただけだから、電気通信委員会でどうでしよう。問題ないと思います。
  9. 松井政吉

    松井(政)委員 これは今まで電気通信委員会電波法案と一緒になつていたものを分離して、通信省設置法案の一部改正となつておるのでしよう、そうするとこれは通信委員会でやることは、私反対するわけではありませんが、常任委員会で取扱う原則というものがきまつておるので、当然各省設置法案は、これは内閣委員会でやつて来ておりますので、各省設置法案改正となると、内閣委員会原則であつて電気通信委員会は、合同審査にならないと筋道が通らないと思う。
  10. 林百郎

    ○林(百)委員 これは電気通信の一部門ができるだけでしよう、新しく機構全体がかわるわけではないのですから、やはり事情の一番詳しい電気通信委員会でやるのが自然だと思う。こだわりませんが……。
  11. 松井政吉

    松井(政)委員 これは今の場合は、電波監理委員会設置法の第四項をなくして、電気通信省設置法改正案となつて出て来ておるので、電通省改正法案がそういう形で取扱われますると、農林省関係の問題でも、とりあえず災害特別委員会とか、あるいは建設委員会でやつておるからということになりますると、これは原則筋道が立たないことになるのでないかと思う。
  12. 大村清一

    大村委員長 これはどちらでもよいが、松井君は内閣委員会の方がよかろうと言うのですが、いかがですか。
  13. 林百郎

    ○林(百)委員 私の方もけつこうです。
  14. 大村清一

    大村委員長 松井君の御意見通り、これは内閣委員会に付託することに御異議ありませんか。
  15. 大村清一

    大村委員長 それでは松井君の動議の通り決しました。     —————————————
  16. 大村清一

    大村委員長 それでは明日の本会議議事に関して御協議願いたいと思います。
  17. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 ただいま委員会で審査終了いたしたものを申し上げますると、大蔵委員会大蔵省預金部特別会計昭和二十五年度における歳入不足補填のため一般会計から繰入金に関する法律案、これが一件上つております。それから決算委員会から予備費の使用についての承諾を求めるの件というのが四件上つております。以上が明日の日程に上るわけであります。
  18. 大村清一

    大村委員長 それでは次に懸案になつておりまする緊急質問を、明日どのように上程いたしますか御協議を願います。この問題は速記を中止してしばらく懇談いたします。
  19. 大村清一

    大村委員長 速記を始めてください。
  20. 神山茂夫

    神山委員 一応お尋ねしたいのは、民自党緊急質問第十七項、日本における共産主義活動に関する緊急質問、これについてまず第一にお聞きしたいのは、その緊急性がどういう点から立証されるか、これをお聞きしたい。その場合に内容というものが不可分の問題ですが、どういう点が質問の中心であるのか、これを伺つておきませんと、この処理にあたつて意見の発表ができませんので、要点だけをお聞きしたい。
  21. 石田博英

    石田(博)委員 これはアカハタ紙上においても明瞭に掲載されておる。私実は愛読いたしております。それからいわゆる商業新聞においても掲載されておることでありますが、先般コミンフオルム機関紙において、共産党野坂參三氏所説に対する批判が行われ、その批判に関する共産党側の所感なるものが発表され、続いてその所感の内容にも、外形は別として大分変化を認められる。最近においては野坂氏の名前で、今までの自分の理論的、実際的活動というようなものに対するコミンフオルム批判を容認する御意見表示があつた。この御意見表示は、現在までの占領下という制約された客観的情勢内における活動方針というもの、現在までとつて来られた方針というものは、間違いであつたというような趣旨である。その裏に私どもには、議会主義否定、それから共産主義活動と申しますか、日本共産党政治理想実現手段、その手段が現在の私どもの考えておりまするデモクラシー運営方式範疇外に出られるというような意図を、私どもは考えられる。これは間違いであるか、誤りであるか、どうであるかという議論は別として、私どもにはそういう方向転換というものが感ぜられる。そうすると、現憲法下において許され、そしてまた私どもの考える民主主義の理解の範囲内において、現在の私どもの考えるやり方というもの、また現在の憲法のもとで保障されておる内容というものに、矛盾したり、衝突を来すような部面を、私どもは考えられるのであります。そうしますると、日本の現在の議会政治運営、あるいは憲法の保障の範囲というようなものの中に立つて、私どもの関知する内容というものと、相背馳するということを、明らかに意思表示をされておる状態にある政治結社というものの存在について、いろいろの疑点が出て来るように思うのであります。従つてその取扱いは非常に基本的な問題であり、しかもそれがきわめて最近に野坂氏の意思表示が行われ、かつその意思表示に基けば、必ずきわめて早い機会に、実際面にも何かの変更があると思われるので、われわれとしては重要であり、かつきわめて緊急のものであると考えまするので、政府に対してそれに対する考え方処置というものを明らかにしておかなければならぬ。こう私どもは思つております。従つて重要かつきわめて緊急を要するものと考えておる次第であります。
  22. 神山茂夫

    神山委員 さらに伺つておきたいが、すでにこの問題につきましては、総理施政演説に関する質疑の中でも一応触れられておりまして、ある程度まで政府を代表する吉田総理意思表示がございました。また先日は外務委員会でこの問題が一応問題になりまして、それには政府法律顧問である殖田法務総裁見解も発表されておりますが、それにもかかわらず、なおかつ石田君は緊急性があり、かつ重大だとおつしやるか、そこのところを承りたい。
  23. 石田博英

    石田(博)委員 私どもは現憲法下において、政治、言論、結社の自由が認められておる。従つて主義主張相違立場相違ということだけで反対党存在否定するという建前は、私どもは、われわれの政治基本的の信条として持つておりまする自由主義建前と、まつたく相背馳するものとして考えておるわけです。従つてもしも野坂氏の声明内容、あるいはその解釈相違によつて、私どもの考えておる自由主義精神と、まつたく背馳した処置がとられる危險もあるし、他の面におきましては、デモクラシーの円満な、そして完全な発達を試みて参りまする場合においては、暴力というものの否定は、その基本的前提でなければならぬ。さらに私どもは、日本政治運営基礎としまして、議会主義建前各党ともとつておる。そして今議会に席を持つておられる人は、その建前に立てばこそ議会に席を持つておるものと考えております。その基本的の線である議会主義というものを、日本憲法運用機関である議会政治というものを、基本的に否定するという建前になりますると、これは政治的の考え方自身としては、これはまた別個な問題としまして、議会政治運営いたして参りまする、またその運営に一役仰せつかつておるわれわれとしては、これまた重要な問題でなければならぬのであつて政治的な変革、あるいは政治的な意思の透徹のために、現在憲法法律で規定され、かつ許されておる範囲を逸脱するということを、私どもは承認するわけにも行かない。そこで問題は二点、一点はそういうことに籍口して私どもの考えておる自由主義プリンシプルを防がなければならぬということが一つ、いま一つはもしも現実的にそういう議会政治、あるいは民主政治基本日本憲法基本というものをゆるがすようなものが出た場合における態度、この二つをこの際はつきりさせておきたい。今確かにおつしやつたように、外務委員会、あるいは政府の答弁で、散発的にいろいろなことが聞かれておることも承知しておりますけれども、この際その二点において問題を明らかにしておく必要があると私どもは考えるわけです。
  24. 神山茂夫

    神山委員 今の石田君の御意見の中には、大いに討論しなければならぬ問題がたくさんあります。たとえば自由主義原則を侵されたくない、あるいは民自党諸君、ことに自由主義の方方はそうでありましようが、またこれに対して社会主義、あるいは社会民主主義、あるいは共産主義的の思想がある。そこでこれが活動してよいことは憲法が保障しておるところでありますが、この問題については立場が違うことでありますので、あえて論議しません。ただあとでおつしやられた、政治形態変革がよくないとか、議会的の形態変革するのがよくないとかいうことを盛んにおつしやられましたが、それはいかなる根拠に基くか。主義主張立場からでなくして、ポツダム宣言、あるいは日本国憲法、そういうものに基いておつしやるのかどうか、これをひとつ聞いておきたい。
  25. 土井直作

    土井委員 議事進行について、ただいま石田君と神山君との間に質疑応答をやつておられますが、これは、この委員会の性質の上から行きまして、要するに緊急質問として取上げるか取上げないかということの、内容的の問題についての見解議論を進めて行くということは、これは私は異議がないことである。ことに共産党に対して質問をするのでなくして、政府に対して質問をしようというのでありまするから、ここで何か質疑応答のような形で、いたずらに時間を延長することは、これは賛成しがたい。従つて緊急性があるかないかということについて、一応見解は先ほど石田君から表明された。その二点について結局緊急性ありと考えてこれを提案しておるのだから、その二点が緊急性があるかないかは委員諸君の判断に待つべきであつてポツダム宣言がどうであるか、何がどうであるかというようなことは、これは余分のことである。そういうことに言及せられることはこの際避けてもらいたい。
  26. 神山茂夫

    神山委員 私どもにしてみれば、これに対して態度決定しなければならぬ。これが非常によい緊急質問であれば、賛成しなければならぬ。間違つておれば反対しなければならぬ。どうでもよい問題なら、白紙で臨まなければならぬ。こういう態度決定するにあたつて緊急性の存否の問題があります。同時に今石田君のおつしやつた、まことにけしからぬと言われるのは、何に基いて君はそういうことを言うのか聞いておきたい。
  27. 中野四郎

    中野(四)委員 神山君の所説はたいへんおかしい。たとえば態度決定しなければならぬ。それは政府が答えてからでよいと思う。ここで聞く必要はない。一応聞いておくことは基本的の説明がされておるのだ。
  28. 神山茂夫

    神山委員 いかなる精神に基いてやつておるかを聞いておる。
  29. 石田博英

    石田(博)委員 私は今中野君、土井君の仰せられたごとく、この委員会取扱いに同意しなければならぬと思います。ただ神山君のお言葉の中に、私の言葉を誤解せられておる。その点だけ訂正しておきたい。私は政治形態やあるいは政治変革の問題を取上げられること、あるいは政府の機構なり、組織なり、そういう問題を政策とし、政治プリンシプルを取上げられることはけしからぬと申し上げていない。それはそれぞれの主義主張でおつしやつておることはよろしい、ただその手段として取上げられることが、現在の憲法のもとにおいて、私どもの考えておる範疇を逸脱し、現在の憲法精神、あるいは政治基礎というものを乱すおそれがあると感じられるものもあるわけであります。従つてそういうことに対する政府見解解釈、あるいは対策というようなものを明らかにしておかなければならない。あるいは思想右翼であつても、左翼であつても、暴力手段なり、あるいは現在許されておる範囲外に逸脱する方法によつて行われることには、私どもは双方とも反対しなければならないし、それを反対するのが現在の憲法精神であると考えるわけです。そういうことを感ずる基礎はどこにあるか、それは先般のコミンフオルム批判に基き、続いて日本共産党が出された諸文書である。こういうことです。
  30. 神山茂夫

    神山委員 それでは最後にひとつお聞きしておきますが、降伏直後、一九四五年九月二十五日に出された対日基本政策の中に、こういうことがあるのを御承知かどうか、これを聞いておきたい。「日本国における現存の政治形態を利用せんとするものにして、これを支持せんとするものにあらず。封建的及び権威主義的傾向を修正せんとする政治形態変更は、日本国政府によると日本国国民によるとを問わず、許容せられかつ支持せらるべし。かかる変更実現のため日本国国民または日本国政府が、その反対者抑圧のため、実力行使する場合においては、最高司令官麾下部隊の安全並びに占領の他の一切の目的の達成を確実にするために必要なる場合についてのみ、これに干渉するものとする」こういうことを書いてあるのを、もちろん御存じでしようね。
  31. 石田博英

    石田(博)委員 承知しておりまするし、私どももそういうことについては少しも異議を申しておるのではない。問題はその手段であると考える。
  32. 神山茂夫

    神山委員 今石田君が承知しておるとおつしやいますが、この中に明らかに、実力武力行使意味しておることもある。政府形態変更も言われております。これは討論することにして、知つておればまことにけつこうであります。質問そのものは打切つておきます。
  33. 林百郎

    ○林(百)委員 一つの政党の政策方針に関する問題について政府緊急質問をするということ、こういつたことが一体前例があるかどうかこれをひとつ確めたい。これが第一点。石田君は、共産党議会主義否定し、暴力主義を肯定しておるという、その立場からこの質問緊急性があるというが、どの点に議会主義否定され、暴力主義を肯定しておるか、この二つの点を明らかにしないと、われわれは緊急性があるかどうかはつきりしない。
  34. 篠田弘作

    篠田委員 それは日にちは忘れましたが、たとえばアカハタ紙上コミンフオルムの二度目の声明が転載されておるはずである。弱小民族並びに植民地民族希望は、いわゆる人民解放軍をつくらなければならないということが、はつきりコミンフオルムの第二声明によつて発せられ、これが党の機関紙であるアカハタに掲載されておる以上は、すなわちあなたたちのおつしやる人民解放というものは、いわゆる人民解放軍をつくらなければならないというコミンフオルム声明を是認しておると解せざるを得ない。そういう立場からいうと、現在日本武力を放棄しておる。人民解放軍であるか、国防軍であるか知らぬが、軍人を持つということは、明らかに日本憲法を無視し、明らかに暴力行使を是認しておるものであることは明白だと思う。
  35. 神山茂夫

    神山委員 篠田君のおつしやることは行き過ぎだと思う。たしかにコミンフオルム批判は載つておる。これは事実だ。あなたはよく御承知でありましようが、この中には、たとえば吉田総理施政演説、これも載つておリます。またマツカーサー元帥声明、ドツジ氏の声明、これも載つておる。また星島君の緊急質問、これがたくさん載つておる。こういう事実を上げて、これが全部共産党が承認したものだ、共産党方針だとせられるような篠田君の御議論、それは違う。しかし討論はあとでやりたい。
  36. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 ただいま林さんの御話でございますが、私今記憶にございません。調査いたしませんとちよつと何とも申し上げられません。
  37. 林百郎

    ○林(百)委員 共産党コミンフオルム批判以来、議会主義否定し、暴力主義を肯定しておる。このことが君たちの抱懐する自由主義プリンシプルを傷つけることになる、こういうように了解しておる。従つてわれわれはこれに対する緊急質問政府にしたいということを仰せられたが、わが党が議会主義否定し、暴力主義を肯定しておるという根拠はどこから来ておるか。
  38. 石田博英

    石田(博)委員 内容についての議論は申しませんが、私どもはそういうように感ぜられると申し上げました。そういうように解釈せられるという根拠は、それはコミンフオルム批判が行われた以後におきまする共産党関係者意思表示、書簡であるとか、声明であるとか、そういうものによつて発表せられました意思表示によつてそう考えられるのです。
  39. 大村清一

    大村委員長 委員長がここで聞いておりますると、大体質問は明日五人くらいが限度であろうということでありまするが、懇談の際に各派でお出しになりました希望は、集計いたしますると十四あるように思うのであります。これをどういうように整理して行きますか。
  40. 石田博英

    石田(博)委員 大体五人という限度をおきめ願いまして、一人は私どもに、あとの四人は野党の間においていかようにされようともけつこうです。私どもの方はぜひお許しを願いたい。
  41. 神山茂夫

    神山委員 それはあたかも民自党の出されておる緊急質問が承認されておるかのように受取れるが、他の野党側といわれておるものに、共産党が入るのかどうかわかりませんけれども、その解決の仕方によつて話合いもあるわけです。この点を一応はつきりしてもらつたら、四つにしろ、五つにしろ、実際にきめるには都合がよい。この点をきめてもらいたい。
  42. 林百郎

    ○林(百)委員 この十七の項目民自党緊急質問は、わが党としては非常に重要な問題だと思う。これは皆さん御理解願えると思う。そこでわれわれとしては、どういう意図で、どういう内容のものかを聞いただけで、これを許すか許さないか、相当大きな問題だと思う。先ほど事務次長からも話があつた通り、実は先例について記憶がない。政府政策について聞くのは当然であるが、お互い政策を持つてつておる党の政策について質問をするということは、そういう前例もないことだし、異例の形の緊急質問だと思う。そこで、国会でこの問題を許すか許さないかは、相当重要な問題ですから、できれば各党の御意見も聞いて、わが党はわが党で慎重にきめたいと思う。民自党緊急質問をする意図は、われわれは單に緊急質問としては受取り得ない。場合によつてはその背後に何かがあると推測されることもある。そういう意味で、重要な意味を持つておると思うから、これは各党意見も聞いて、公正に国会で扱つてもらいたい。
  43. 石田博英

    石田(博)委員 私が申し上げたのは、共産党日本に許されておる。合法的な政綱政策の問題には重要点をおいてない。それはかつて緊急質問としても、農林委員会における質疑として行われた事例があつた、また日本における右翼暴力団体存在について、いろいろな議論が行われた。それと同様に、ポツダム宣言、また日本憲法精神貫徹という意味からの議論であつて共産党主義政策ということをことさらに問題にして、そこに重点をおいておるのでないことを誤解ないように願いたい。そこで内容についてとやかくいうのは打切られて、現実的にこの委員会においては、幾つの緊急質問をやるかという処理の仕方、取扱い範囲についてのお話はやむを得ませんが、一つ事務的に片づけないと、いつまでたつても片づかない、五つぐらいのものだろうと思う。そういう大体のわくをきめて、一つはわれわれに、あと野党の方々の間で御協議を願いたい。
  44. 林百郎

    ○林(百)委員 それは賛成ですが、きめるにあたつてはどうしても十七の問題が問題になるわけです。それをきめるについて、五つにして、当然その中に十七が入ると簡單に片づけられない。前例もない問題である。石田君の言うように、共産主義に関するものであつて共産党関係ないというのは詭弁である。君の出しておる事例は、アカハタ野坂氏のことを出しておるから、一党の方針に対する批判だ。これを国会において政府質問するという形はない。この緊急質問を事務的に取扱うことは賛成であるが、少くとも十七の項目については、新しい形の緊急質問でもあり、異例な事例であるから、参考までに各党意見を聞いてからきめたい。
  45. 土井直作

    土井委員 先ほどからいろいろ議論になつておりますが、明日の日程の時間的関係というものを事務的に一応考える必要があるのではないか、従つて大体五つ程度くらいしかやれないということは、各委員が想像の通りであります。従つて原則として大体五つ程度をやるということに一応御決定願いまして、その五つの中に、民自党から提案されておる十七が来るかどうかということは、第二段の方法として考えてよいのではないかと思う。まず原則として五つということに御決定を願いたい。
  46. 大村清一

    大村委員長 それでは明日上程いたします緊急質問は、大体五件程度を進めることに御異議ありませんか。
  47. 大村清一

    大村委員長 そのように決します。
  48. 中野四郎

    中野(四)委員 その割振りは各党一つずつということで話合いをつけたらどうか。
  49. 石田博英

    石田(博)委員 それは五つ程度ということはきまつた通りであります。それで今中野君から各党一名ずつではどうかという御意見もありますが、その場合にも佐々木盛雄君のだけはお入れを願いたいというのであります。
  50. 神山茂夫

    神山委員 事務総長にお聞きしておきますが、特定の議員の名前が、本会議の議場で問題になりました場合、ことにそれが自己の政治的生命に関係すると思われるときには、一身上の弁明を許されるような前例があるかないか。
  51. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 ただ單に名前に触れたというだけでは、一身上の弁明はできないかと思いますが、今のお話のような場合には、一身上の弁明をなし得ることは事実であります。但しその具体的の場合にあたつて、一身上の弁明を要するやいなやの認定につきましては、これは議長に一任されておるのが従来の先例であります。つまり発言をする時期については議長の権限であります。
  52. 園田直

    ○園田委員 先ほど言われた五つというのは、五つをあすやることにきめて、あと緊急質問は次会に審議するという意味か。
  53. 石田博英

    石田(博)委員 そういう意味です。
  54. 大村清一

    大村委員長 五つのことは皆さんが御承認になつたと思います。五つをどのように割振るか、一つ民自党に予定する。他の四つは中野さん御発議のように、各党一つずつという趣旨できめられても、また民自党以外の野党において適当に割振られて、とにかく四つということでもよろしいということでありますが、その線で一応の御決定を願つていかがですか。
  55. 神山茂夫

    神山委員 五つということに対しては異議はありませんが、その中に民自党の十七が入ることに対しては反対であります。この点についての態度をまず決定しておいた方が、あとの四つ、あるいは民自党諸君が賢明にも私の言うことを入れられて撤回されました場合は五つ、これをどう処理するかということが、事実上の解決によいと思います。この十七は石田君の意見を聞いておると、日本における共産活動に対する緊急質問ということで、共産党の名前は特別にあげておらないと言われておるが、その説明の中に、野坂君の名前をあげ、野坂君の意見を、あたかもことごとく共産党のものであるというように言われておる点もありますし、さらにこれが拡大されて、日本共産主義拡大に対する緊急質問となつておることは、事実において証明されておる。従つてこの場合に、共産主義活動に関する緊急質問と言われても、共産党をねらつておることは明らかだと思う。この点は先ほど石田君自身も言われました通りポツダム宣言その他降伏諸関係の文書、その他憲法で明らかなように、各個人各政党が、いかなる主義思想を持つかはまつたく自由なことである。ただ党が現実に活動する場合、これらの諸文書に違反する、法規に違反するという場合に、これが対象になるということは明らかだと思う。こういうことを言つては失礼でありますが、いろいろな選挙事犯、それから收賄事件、その他不名誉な事件に関連された方がどの党派にもたくさんおられます。しかしこういう方々があつたからと言つて、その政党そのものが、今まで論議の対象になつたこともありませんし、自由主義そのものの意義を、国会政府に聞いた例もないと思う。こういうことを私たち考えます場合に、思想の自由ということは、石田君も御了解の通りだと存じます。それゆえ私たちは共産主義活動に関する緊急質問というものを、ここに出す根拠がわからない。第二にわが党のことに関連しますると、日本政治形態、及び議会を否認しておるとか、暴力革命を云々しておるということを意味するということをおつしやつておられますが、この点が單なる思想的の問題に関する限り、これが問題にならないということは、私の見解ではなくして、法務総裁そのものも言つておることであります。共産党がどういう思想を持つておるかということは、ここでは問題にならない。いわんや私が先ほど読み上げましたように、アメリカの対日基本政策そのものの中には、政治形態変更実力を伴うことを予想しておる。それが連合軍に直接の関係のない場合には、この点について干渉しないということも明記しておる。こういう事実を見ますと、石田君の言われたように、共産党暴力を使うおそれがあるのではないかということは別個の問題であつて、現在政党として国会活動しておるわが共産党に関して、あたかもこれが暴力行為をやろうとしておるとか、あるいは議会主義を否認するとかいう言いがかりをつけて、これを緊急質問の形でやるということは、特定的にみずから自分で国会の権威を傷つけ、民主主義の権威を傷つけ、石田君の言う自由主義をみずから踏みにじるものだと思う。こういう意味で、私たちはこういうものが出て来ることに対しては、多分どの党派においても、野党諸君も與党の諸君も、冷静に考えれば、こういう緊急質問を出すことは、あまりに行き過ぎであるように考えられると思う。従つて私たちはこの緊急質問は潔く撤回してもらつて、その五つは全部野党に譲られる方が、緊急質問の数の上からいつても正当だと思う。
  56. 石田博英

    石田(博)委員 はなはだ残念でありますが、撤回の意思はございません。
  57. 林百郎

    ○林(百)委員 くどいようでありますが、客観的にどういう思想を持つていようと、それは取締りの対象にはならないのに、こうした質問思想の統制じやないか。昔の治安維持法と同じ精神国会においてやろうということは、重大問題だ。
  58. 石田博英

    石田(博)委員 こういうことの内容について議論をする必要はないと思いますけれども、あなたのおつしやるのは、われわれにへんな言いがかりをつけるが、私どもは、思想である範囲においては、これは完全に自由ですが……。 大村委員長 この際お諮りいたします。第十七の日本における共産主義活動に関する緊急質問を、明日上程することについて意見がわかれております。この際これを採決いたします。
  59. 黒田寿男

    ○黒田委員 この問題につきまして取上げるやいなやについての賛否をきめるという話がありましたが、單なる挙手で賛否をきめられる前に、簡單に私意見を申し上げておきたいと思います。私はこの問題は非常に重要な問題であると思う。これはおそらく民主自由党の諸君が考えられるだけでなくして、各党諸君が同様に考えられておると思う。共産党にとつても非常に重要な問題であると考えておられると思う。それで緊急性の存否いかんということについては、いろいろ議論があると思いますが、なお他の観点から、緊急質問はただいまお諮りがありますように、大体各議題について十五分くらいしかできない。おそらく政府の答弁はもつと簡單だろうと思う。そこで私は、この問題については、共産党の方も、いろいろ世間から、今民自党から提出しておりますような疑問も受けておりますから、日本の中において実際に政治活動をせられる上においては、共産党態度を国民に対して示すべきものがありまするならば、これを十分示される必要もありましようし、それからまた疑問を持つという方でも、これは單に十五分くらいの時間で質問して、それに対して政府がもつと短かい時間をもつて答弁する。そんな取扱いをするようなこれは問題じやないと思う。問題の重要な性質から申しましても、もつとこの真相、共産党意思を知るについて、他に適当な方法があるのではないか、こういう重大な問題をわずか十五分以内の質問でやつたところで、おそらく政府はろくに答えはできないと思う。政府においてはそんな研究もできておりませんから、いいかげんの答弁をする。それならやつてみても意義はない。いろいろ弊害が伴うだけであります。これは問題が重要であるだけに、このような短時間において、そして政府はおそらく不用意であると思いますが、そういう中において政府との間に、緊急質問に対する応答を行うことは不適当であると思います。そういう意味で私はこれを明日の緊急質問の議題にしますことに反対であります。
  60. 園田直

    ○園田委員 この緊急質問全般について結論をつけたいと思います。一方民自党から一つの条件が示されておる。この際採決に入る前に休憩して懇談会に移りたいと思う。
  61. 大村清一

    大村委員長 この際暫時休憩いたします。     午後四時四十九分休憩      ————◇—————     午後四時五十六分開議
  62. 大村清一

    大村委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
  63. 土井直作

    土井委員 先ほど明日の日程の時間的関係から、緊急質問五つ程度しかやれないだろうという観測に立つていろいろ話合いをいたした結果、諸般の情勢から勘案して、さらにもう一つだけこの際ふやしていただいて、六つの質問を特に御考慮願いたいということを提案いたします。
  64. 石田博英

    石田(博)委員 これは聞けぬ話だけれども、この際特別のお話でもあるし、一つくらいのことにこだわつておるのはおとなげないと思いますので、やむを得ず同意をいたします。
  65. 大村清一

    大村委員長 それでは明日の緊急質問五つということに一応決定しましたが、六つにすることに御異議ありませんか。
  66. 大村清一

    大村委員長 そのように決定いたします。
  67. 土井直作

    土井委員 それでは明日の緊急質問の件の中で、第一の株価暴落に関する緊急質問、第三の賃金ベース改訂に関する緊急質問、第七の中小企業危機に関する緊急質問、第十二の二十四年度産米の補正供出並びに二十五年度産米の事前割当を許していただきたい。
  68. 神山茂夫

    神山委員 共産党の方では二十一、最近におけるポツダム宣言違反に関する緊急質問を許していただきたい。
  69. 石田博英

    石田(博)委員 第十七日本における共産主義活動に関する緊急質問については御異論があるようであります。これについての議論は盡されておると思います。討論を省略してこれを上程するの可否について採決せられんことを望みます。
  70. 大村清一

    大村委員長 第十七を明日の日程に上程するやいなやについて議論がございますので、この際採決いたします。  第十七の緊急質問を明日の日程に上程することに賛成の方の挙手を願います。
  71. 大村清一

    大村委員長 多数であります。よつて上程することに決します。 お諮りいたします。残りの五つ緊急質問すなわち第一、第三、第七、第十二、第二十一を、明日の本会議に上程することに御異議ありませんか。
  72. 大村清一

    大村委員長 それではこの五つ緊急質問は上程することに御異議ないものと認めます。
  73. 石田博英

    石田(博)委員 順序は会派の所属議員数の順に願います。
  74. 大村清一

    大村委員長 それではそのようにいたしまして、時間は一人十五分以内ということにいたします。  これで散会いたします。     午後五時十二分散会