○園田
委員 先ほどから
院内秩序に関して御
発言がありましたが、一昨日の本
会議におけるわが党の態度について一言申し上げます。
御承知の
通り施政方針
演説において総理
大臣が講和
会議の問題に論及し、それより各党から講和
会議に関する質問がそれぞれ展開されました。
野党の一員として、終戰後今日に至
つて、初めて総理
大臣の施政方針
演説において、講和
会議の問題に論及せられたことは、まことに喜びにたえません。なおこれに
関連して各党が質問するということは、総理
大臣が言われる
通りいよいよ講和
会議のときに、わが国がいかなる
発言権があるかということを考えるならば、今このときにおいて、それぞれわが国の意のあるところを表明するための論議が展開されることは当然であ
つて、まことに喜ばしいことであります。これに
関連して一昨日の本
会議において、御承知の
通りいよいよ質問
演説が終了する日にな
つて、一度放棄された
民主自由党が質問された。これについては手続上とかくの
議論があ
つたが、これは当然
與党として質問するのも正当であるので、われわれは
了承した。これに対して
野党の質問
演説は公平に許されたことは感激にたえない。しかしいよいよ本
会議が始まりまして、星島
議員の
演説が終り、これに
関連して講和
会議の問題に関して北村、神山両
議員の質問
演説が始ま
つたのであります。二十九日各新聞は一齊にこの場合の
国会の態度について非難を浴びせておりますが、
議会を構成しておるわれわれ
議員として、
野党與党を越えて、嚴正にこれに対して批判を加えなければならぬ。少くとも講和
会議の問題は重大であれば重大であるだけ、しかもこれは国際舞台を背景にするものでないから、これの討論については嚴正に公平でなければならぬ。しかも各党とも日本民族の
立場を考えるなら、それぞれの主張がある。アメリカに依存せんとする者、ソ連に依存せんとする者、あるいは中間にあ
つて永世中立をはかろうとする者、真劍に国を憂うる者ならば、それぞれ激しい主義主張がある。これを国民に訴え、国民の判断に基いて国論の一致をすることは、政府並びに
與党の重大なる責任でなければならぬ。この重大なる問題にあたりましての
国会のと
つた態度はまことに遺憾である。か
つての戰時中の東條軍閥が、言論を封圧して一つの御用的政党をでつちあげて行
つた。このようなおそるべき方向に行くような態度を来したことは、まことに遺憾である。各新聞にも明瞭に書いてあるように、わが党の北村君の質問
演説は聞き取れない。われわれどころでなく、数メートルしか離れていない総理
大臣にすら、ほとんど聞き取れないから
あとで答弁すると言
つておる。
議長はみずから
秩序維持のために
議場整理をや
つておられたことはもとより認めておるが、総理
大臣初め
議員にも聞えなか
つたことは、
議長として責任をとらなければならぬ。なおその際新聞その他で承るところによりますと、質問
演説が済んだ
あとの緊急質問に対して、これを計画的に封圧する計画もあ
つたやに聞いておりますが、事実としては読売新聞に書いてあ
つたような、
集団的雑音によ
つて議員並びに傍聽者に聞かせまいとする態度があ
つた。今
委員長席にすわ
つておられる方の名前をあげることは、
議員の末輩としてまことに遺憾でありますが、
石田博英君が先頭に立
つて、北村
議員の
発言中「時間だ時間だ」とわめいてお
つた。これはさしずしたとは言わないが、
議長が注意を與え、
議長が制止すべきであ
つて、
與党の運営
委員といえ
ども、これに対してさしずを加えたり、
議員の
演説を妨害するがごとき態度は、私は運営
委員としてはなはだ遺憾に思う。運営
委員自体が暴力的な
行為に及ばんとして、警備員から拉致された事実がある。少くとも運営
委員は各党を代表して、各党の
意見を述べると同時に、主義主張を異にした者が、熱意のために火花を散らすのをうまく調節して行くのが任務であり、これがまた誇りでなければならぬ。それが壇上に上
つて、警備員から拉致されるということはまことに醜態であり、責任上の問題である。わが党は一昨日の本
会議に対する
議長並びに
集団的な雑音によ
つて、全然
演説を聞かせなか
つたところの
民主自由党、並びに運営
委員でありながらそういう態度をされた方々の、誠意ある態度の披瀝を
お願い申し上げます。これがない以上、われわれはいかようなことに対しても折衝をお断り申し上げます。