○
田中(織)
委員 本件につきましては、これは
国会法上初めての
案件でありまして、この
取扱いは法規に
従つてきわめて愼重に取扱わなければならないということは申し上げるまでもないのであります。そういう点から申しまするならば、
政府が初めての事態に直面した
関係もありましようが、
公労法による十日間の期間内に、
政府としての御処置その他の点について最終的な決定を要するところに、本
案件の
国会提出につきましても、きわめて不備な点があり、大きな問題を残しておることは事実であります。しかしその後
政府の努力もありましよう。
政府の方では、
本件の
内容に関する
取扱いについても、やや明確に相なりまして、昨日
本件についての
訂正の手続をと
つて来られたのでございまするが、昨日来の本
委員会における論議を通じて明白であります
通り、これは
公労法第十六條の第二項によ
つて国会の
議決を求める
案件の
内容の重大なる
変更であるということにつきましては、
政府並びに
與党側の
委員諸君もこれを認めておる
通りであります。従いましてその
内容の実質的にせよ重大なる
変更に関する問題でございまするから、これを最も法規に合
つている形において正確なものにするということが、
政府の
訂正申込みの御趣旨だとわれわれは信ずるのであります。そういう点から申しまするならば、
内容における重大なる
変更でございまするから、当然國会法第五十九條に基きまして、
修正の手続きをとられ、本
会議において
議決を求められるのが、私は順序だと思うのであります。もつとも昨日
本件が
運営委員会に諮られたにもかかわらず、昨日は本
会議が開かれておりません。片方
訂正をしなければならない
政府当局の御
説明によりまするならば、当初から予見した誤謬のある
案件が、連合審査
委員会において愼重に審議せられておるというような、嚴然たる事実を否定することもできないのであります。そこで
取扱いの問題について、われわれは
国会運営の見地から惡例を残さない
意味において、愼重に取扱うことはもちろんであり、同時に実質的に
訂正された
案件に基いて、
連合審査会を中心とするところの
本件に対する審議を進めるということも、当然なことであります。その点につきまして、わが党初め
野党各派においても、與党並びに
政府側との話合いにおいて、これに協力することに決してやぶさかでない
態度を、われわれは昨日から表明して参
つたのであります。現に昨日の休憩後の
運営委員会が流会になりまして、本
委員会にな
つたのでありますが、実質的には
本件に対する審査が進行しておるということは、われわれ野党側の協力というものが、具体的の事実にな
つて現われておるということは明らかでございます。そういう点からいたしまして、われわれはこの点につきましては、
国会法第五十九條の
規定を嚴に守り、もしこれが嚴に守られないということになりますれば、
政府が今回のように案の
内容が確定しないままに、いろいろ時間的な
関係、その他の法律的には問題にならない
理由をも
つて、おそまつな
案件を
国会に提出いたしまして、いつの間にかそれが
訂正されるというようなことに相なるのでありまして、これは
国会の権威を無視する重大なる問題だと思います。ことに
理由書における
訂正ないし
修正の問題につきましても、前
国会でありましたか、大蔵省設置法の問題における
理由書の点におきましても、当時すでに本
会議の議案にもな
つておるという次第でありますので、やむを得ざる処置として、正誤表によるところの
訂正を求めましたけれ
ども、あの当時においても現に
事務総長等の
意見によ
つても、これは嚴密に申しまするならば、
国会法第五十九條による
修正の手続をとらなければならないことは明確である。しかし当時の情勢上やむを得ず、今後先例にならないという
意味において、
訂正に落ちついたのであります。今回のような場合におきましては、実質的な面において審議の進行に何らの支障を與えておらないのでありまするから、本日は本
会議も開かれておるのでありまするから、当然私は
国会法第五十九條によ
つて修正の手続をとるべきが至当であると
考えるのであります。従いまして
本件のような
議決の
内容に対しまする重大なる
変更を、言葉を構えて
訂正をも
つて糊塗せんとするがごとき
政府の
態度に対しましては、われわれは遺憾ながら
国会の権威のために反対せざるを得ないのであります。