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與謝野政府委員 菊池委員に
お答えいたします。ユネスコの運動も世界連邦運動も、精神的な要素というものを多分に含んでおりますが、お説のようなユネスコ運動は單なる精神運動ではないのでありまして、
日本におきましては、なぜこれが精神運動のような形で全国に普及しておるかと申しますと、まだ
日本はこのユネスコに加盟を許されておらない、従いまして最近ユネスコの事務局から代表が
日本に来て活動を始めておりましても、むしろユネスコ事業の客体と申しますか、そういう形でそういうようなことが行われているのでありまして、
日本人が協力する部分は、主としてユネスコ精神の普及というようなことに力を注がれているのであります。しかしながらそれでもすでにいろいろなことが具体化されておりますし、ことしからはユネスコの総会その他の
会議へも参加が許されるのではないか、こういう希望を持
つておりますし、專門家の観測としては、ことしの三月二十日から二十九日まで。パリで開かれます国際点字統一
会議というのに、すでに
日本盲唖学校の教授が
出席するというような具体的なことも始ま
つておりますし、ことし中にユネスコの費用でも
つて海外への留学生が招聘される、こういうことも具体化しておるのでありまして、必ずしも精神運動とは、考えておりません。ただこれが実際的な活動をするためには、将来加盟が許された後になる、こう考えているのであります。
次に世界連邦の方でございますが、この理想のりつぱなことは
菊池委員のお述べになりました
通りでありますし、また先般国会内にも世界連邦に関する国会の
委員会というものをつくられまして、われわれとして世界連邦の
関係各
団体ないし国会でのいろいろな動きというものについては、いろいろ勉強をいたしておるのでありますが、何分にも世界連邦運動というものこそ、
民間のまた個人の有識者の率先して行うべき運動でありまして、
政府が先頭に立
つて旗を振
つて、さあ世界連邦にみ
なついて来い。こういう運動ではない。こう確信しております。むしろ
政府が陣頭に立つということは差控えておるのであります。ただこの運動の理想ないし従来までや
つて来たいろいろの仕事というものについての勉強はいたしておるのでありまして
政府が冷淡である。こういうことは少し当らない。こう考えております。