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山口国務大臣 まず鉄鋼
関係でありますが、鉄鋼
関係の賠償指定
工場の生産の状況は、現在のところ極東
委員会の中間案に基いて行われておるのでありまして、これによりますと現在の残存能力は、銑鉄二百万米トン、それから鋼塊が三百五十万トン、圧延二百七十七万五千トンと
なつておりますが、実際においては総司令部からは賠償指定
工場として二十一
工場が指定されております。
これらの
工場を操業するためには司令部の一々の許可が必要でありまして、現在操業
工場十八、休止
工場三と
なつております。ことにわれわれが年来待望しておりました広畑が、来る三月二十八日から火入式が行われて操業されることに
なつております。この点についてわれわれの方としては明るい見通しを立てている
ような次第であります。これらの操業
工場の生産状況は、昨年四月のわが国全体の生産量を基準といたしますと、来る四月以後は、賠償
工場といたしましては銑鉄が六四%、鋼塊が五三%、圧延が三七%こういうふうに
なつているのであります。
続いて賠償の
一般状況でありますが、昨年の五月、いわゆるマツコイ声明によりましてまず第一に、
昭和二十二年末から米国の一方的指令により実施されて参りました前渡し撤去は、現在着手中のものを除いては中止しております。第二にさらに進んで
日本経済をすみやかに自立させるために今後一切の賠償撤去をやめて、
日本の平和産業を無制限に発展させることが
提案されたのであります。現在のところ具体的に実施されておりますのは、主として次の三つであります。賠償撤去につきましては、指令された解体梱包作業を完了し、軍量約九万六千トンを四月に引渡しをやるのであります。残余約一万トンの引渡しを待
つているのでありますが、受取国の配給が進めば本年三月中には引渡しを完了する見込みであります。第二に賠償指定
工場施設の手入れ基準が大幅に切り下げられました結果、
政府の
予算としては約十億円の節約になることに相
なつております。
次に特調
関係についてお尋ねでございましたが、特調
関係について新聞紙上に伝えらるる二千戸の問題、これは
連合軍最高司令官から
政府に対しまして、進駐軍住宅二千戸を建設する命令が参
つております。この資金は約五十三億円でありまして、その資金の出所は見返り資金からこれを充当することに相
なつております。大体資金
計画といたしましては十箇年間に元利が返済されることに
なつております。これは見返り資金の
性質上さ
ようであります。その家賃は一戸平均一箇月未ドルにいたしまして約七十三ドルと仮定されております。しかしてこれが建設につきましては、新たに本
国会に進駐軍住宅公社
法案という案を用意しております。いずれ御
審議を願うことに相なると思いますが、一応この五十三億円をこの公社の財団に繰入れまして、そうして公社自体がこの二千戸の建築及び経営をすることに
なつております。この建築に対しましては、特別調達庁がもちろん関與するのであります。またその人員の面及び、この処理等につきましては、特別調達庁の職員が進駐軍住宅公社の社員を兼務するという建前に
なつておりますから、別に人員を増加する必要はないのではないかと思います。
従つて先方よりの命令としては、三月三十一日までに設計あるいは公社の設立及びその財政的
措置、それから一切の契約、これは公社が入札をも
つて請負人に請負わす、こういうことに相なるだろうと思うのでありますが、そういう諸般の準備を終えて四月一日から正式に公社が成立し、契約が正式に締結され、また建設が開始される、こういうことに相
なつておる
ような次第であります。
それから解除
物件の売拂い状況でありまするが、
並木委員の申された
通り、相当この売拂いに対しましては困難な面がございますが、前
国会において私から御
説明申し上げた
通り、これが保管料、倉庫費だけでも約一箇月に六千万円からを拂
つておるのであります。さ
ような観点から、
政府としては可能な範囲においてすみやかにこれを売拂う
ように
措置いたしておる
ような次第であります。中にはデパート等に委託して売る
ような方法も講じております。なお
一般の
方針としては、公入札をも
つて売拂
つております。その数字等については、最近の集計を後ほどお手元まで御報告いたしたいと思います。
なお特調
関係において各地にいろいろおもしろくない問題が起きているということも承知いたしております。横浜において七名でありましたか、この解除
物件の売拂い等に関しまして、司直の手によ
つて捜査されておる問題もありまして、真に遺憾にたえない次第であります。さきに大阪においても多少問題がありました。なお京都においては支
局長が当局より尋問を受けておるという問題も起きておりますが、これは選挙
関係の問題でありまして、直接特調の所管事項とは
関係がない
ようであります。これを要するに私も総理大臣から直接、この
予算面においても一箇年千二百億円からを費消するところの調達庁といたしましては、かかるスキャンダル等を拂拭する
ように嚴に申されておりますので、十分下僚に対して戒告を加えておる
ような次第であります。今後かかる事態の起きない
ように十分相戒めて参りたいと考えておる
ような次第でございます。