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1950-02-08 第7回国会 衆議院 外務委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月八日(水曜日)     午前十時三十五分開議  出席委員    委員長 岡崎 勝男君    理事 菊池 義郎君 理事 近藤 鶴代君    理事 佐々木盛雄君 理事 竹尾  弌君    理事 仲内 憲治君 理事 福田 昌子君    理事 並木 芳雄君 理事 聽濤 克巳君       伊藤 郷一君    大村 清一君       栗山長次郎君    坂田 英一君       中山 マサ君    西村 榮一君       山本 利壽君    木村 俊夫君       玉井 祐吉君    小林  進君       浦口 鉄男君  出席政府委員         外務政務次官  川村 松助君         (政務局長)         外務事務官   島津 久大君         (條約局長)         外務事務官   西村 熊雄君         (調査局長)         外務事務局   与謝野 秀君  委員外出席者         通商産業事務官 羽柴 忠雄君         通商産業事務官 山田樹三郎君         專  門  員 佐藤 敏人君         專  門  員 村瀬 忠夫君 一月二十九日  委員北二郎君は死去された。 二月六日  委員鈴木茂三郎君辞任につき、その補欠として  武藤運十郎君が議長の指名で委員に選任された。 同月八日  理事戸叶里子君の補欠として福田昌子君が理事  に当選した。     ――――――――――――― 二月六日  海外在留同胞帰還促進等に関する陳情書  (第二三二号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  国際情勢等に関する件     ―――――――――――――
  2. 岡崎勝男

    岡崎委員長 ただいまより会議を開きます。  お諮りいたしますが、去る二月一日理事戸叶里子君が委員を辞任せられましたので、理事が一名欠員になつております。それゆえ理事補欠選挙を在わねばなりませんが、これは委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岡崎勝男

    岡崎委員長 異議なしと認め、福田昌子君を理事に指名いたします。     —————————————
  4. 岡崎勝男

    岡崎委員長 なお本日午後一時より外務省設置法の一部を改正する法律案につきまして、この前申し上げました通り内閣委員会連合審査会を開くことになつておりますので、さよう御了承願いまして、委員の方の御出席をお願いいたします。
  5. 聽濤克巳

    聽濤委員 議事運営について……。この間の外務委員会におきまして、ちようど岡崎委員長が退席されたあとでありましたが、議事運営について発言を求めました。それに大体私と同じような趣旨與党側委員からも、また民主野党派の方からも大体同様趣旨発言があつたと思うのでありますが、大体この外務委員会吉田総理外務大臣出席しないということは、当委員会を非常に軽視する傾向が非常に強い。これは今国会だけでなく、今までもそういうことが非常に強かつたと聞いておる。時に国会が始まりますと、外務委員会というのは事実上講和の問題についての特別委員会的性質を持つておるがために、わざわざ三十数名に委員を増加しまして、それに関連してこの間の理事会では、この活動を強化するために、委員会予算についてもいろいろ問題が出ているくらいな状態になつている。われわれはそういう意味でこの委員会活動を十分にやつて行かなければならぬ大きな責任を持つておると思いますが、それにもかかわらず総理大臣出席がない。しかもこれは外務大臣である。それが当委員会に出て来ないということは、はなはだ遺憾に思うばかりではなく、事実上今までの討論の経過を見ましても、総理出席しないために重要問題の討議ができない状態になつている。総理が忙しいことはわかるが、国会が始まつて重要問題が集中して出て来るから、総理出席してやつてもらわないことには、とにかくこの委員会運営ができないと思います。このことについては再三委員長にも要求してあつたのですが、この点どういうふうになつておるか。これは委員長責任であると私は思いますが、御釈明を願いたいと思います。
  6. 岡崎勝男

    岡崎委員長 私は別に委員長責任であるとは思いません。しかしながら総理は出ないとは決して申しておりません。予算委員会が済みましたら出席するということを、始終言つておるのであります。さよう御了承願います。
  7. 聽濤克巳

    聽濤委員 これは何も法律上の責任という意味ではなしに、すべてここの運営については、やはり委員長責任を持つということはあたりまえの話です。あなたは形式的な意味で、私の責任ではないというようなことでつつぱねるつもりで言つておられるかもしれないが、それは私ははなはだ遺憾な発言だと思うのです、そういうふうな御精神であるからこそ、実際上まじめに政府に対しても十分交渉していないのではないかと思います。事実もし委員長責任を持たないというならば、これはまた重大な問題になると思います。あなたはどういうおつもりでそういうふうな軽々しい発言をなされるのか、私は非常に遺憾に思うのです。
  8. 岡崎勝男

    岡崎委員長 私は、当委員会は従来聴濤君がいられる前から、非常に皆さん協力して問題の核心を研究しておられると思いますので、あまり党派が違うからといつて、非常に強い言葉でいろいろ言われることはどうかと考えておりますが、いずれにいたしましても外務大臣は過去においても出席いたしましたし、今度も出席するといつておりますから、さよう御承知願います。
  9. 聽濤克巳

    聽濤委員 もう一つ問題になりますのは理事会をやはり正式に開いてもらいたいということは、私の方からも再三申し入れておるはずですし、それでなくてもこの外務委員会運営をやつて行くために理事会を開いて、やはりいろいろな予定も組んだり方針も立てたりして行くということは、どこの委員会でもやられることなんです。この前も私はあなたの退席後、代理委員長に対し、そのことを十分要望しておいたわけですが、いまだに理事会が開かれない。私はこれも非常に遺憾に思うのですが、どういう事情になつておりますか。
  10. 岡崎勝男

    岡崎委員長 理事会につきましては、本日理事諸君と御相談をしまして、今週中に都合がつけば——あるいは都合がつかなければ来週早々開きたいという考えを持つております。これは一に理事諸君の御都合によります。
  11. 聽濤克巳

    聽濤委員 大体総理出席の問題と理事会の問題とがそのままこんがらがつて、両方とも実現されていないのであります。こういう運営では何をここでやるのか。これではいろいろな諸般の問題をはつきりさせることができません。これをぜひ今週中に緊急に開いてもらいたい。そこでやはりこういう運営全般について、この委員会のはつきりした意向をきめてやつて行くように、ぜひ諮つていただきたい。この点をぜひ委員長から約束していただきたいと思います。そうでないと国会が始まつてから相当日にちがたつておりますから、このままでうやむやにやられたのではまことに困ります。
  12. 岡崎勝男

    岡崎委員長 理事会の方は御心配ありません。これはただ従来の理事会の御出席が非常に少いので、皆さんの一番都合のいい日をきめて開こう、こういうだけのことであります。     —————————————
  13. 岡崎勝男

    岡崎委員長 それでは前会に引続きまして国際情勢等に関する件を議題といたします。質疑の通告がありますのでこれを許します。山本君。
  14. 山本利壽

    山本(利)委員 私はまず最初に日本人戰争犯罪人釈放の問題に関連して、ご質問を申し上げたいと思うのであります。昨年の十二月二十五日マツカーサー元帥は、当時巣鴨拘置所服役中の日本人戰争犯罪人終身刑以下の刑期に服し、かつ服務成績良好のものに対しては刑期を減ずる。また終身刑を含む刑期に服しているあらゆる囚人に対して適用すべき仮出所制も、目下検討中である旨が発表せられ、その発表によつて四年またはそれ以下の刑に処せられた四十六名の下級戰犯釈放されたことは、御承知通りであります。この発表並びに釈放という事実がいかにわれわれ国民に、感謝と将来に対する明朗な感じを與えたかどいうことは、想像に余りがあると思うのでありますが、ただ気にかかりますのは、その発表では巣鴨拘置所以外の場所服役中のものに対して、どうかということであります。その点に対して御答弁をお願いします。
  15. 島津久大

    島津政府委員 山本委員の御質問お答えをいたします。巣鴨以外の戰争犯罪人取扱い状況でございますが、オランダにつきましては蘭印関係戰犯者は、同地区におきまして服役中の者は、服役状況の良好な場合には九箇月をもつて一年と計算せられていたのであります。昨年女王の即位五十年祭にあたりまして、一律に三箇月ないし八箇月の減刑行つております。但し蘭印関係戰犯者は、本年一月全員巣鴨に輸送せられまして、残余の刑期巣鴨服役することになりましたので、今後は同所收容中の米軍関係戰犯者と同一の取扱しを受けるものと考えております。  中国関係でございますが、中国関係戰犯者オランダと同様、昨年二月に巣鴨拘置所に移管されましたので、今後の取扱いは前に申しましたものと同様と考えます。  フイリピンにつきましては、再審に際しまして減刑するほかは、特別の減刑措置はとられておらないようであります。  仏印関係でありますが、正式の通報を得ておりませんので、詳細は判明いたしませんが、大体次のようなものと考えます。昨年七月十四日の革命記念日に際しまして、有期刑戰犯者に対して、次のような割合で一律に減刑行つております。刑期五年未満のものは六箇月、五年から十年までが一箇年、十年から二十年までが二箇年であります。なお服役起算日は、容疑者として抑留されました日の翌日、すなわち未決通算が行われるわけであります。今後毎年同日に何らかの減刑恩典が與えられるようであります。フランス本国におきましては、刑期の二分の一を経過いたしますと、拘置所長権限において宣誓釈放を行う規定が実施されておりますが、これは近く日本人服役者にも適用せられる見込みがあるようであります。  次に英国でありますが、従来特別の減刑措置はとられておりませんでしたが、外電によりますと、本年一月二十五日シンガポール英国極東陸軍司令部は、日本人戰犯者五十七名が減刑されたと発表したそうであります。詳細は不明でございます。  濠州でありますが、濠州も従来特別の減刑は伴われておりませんでしたが、最近の釈放帰還者の談話によりますと、濠州本国には刑期五年未満のものは刑期の四分の三、五年以上のものはその五分の四、終身刑のものは三十年を服役すれば、所長の認可によつて減刑釈放を申請し得るという規定があるのであります。目下この規定日本人戰犯者に適用するよう、本国に要請しておるということであります。
  16. 山本利壽

    山本(利)委員 日本人戰争犯罪人で、現在のところ拘置しておられる場所は、ただいま承わつたところ以外にもありましようか。あるいはそれぞれの場所にどのくらいのものが服役中であるか。もしわかつておれば御発表願いたい。
  17. 島津久大

    島津政府委員 各地戰犯収容者の数を申し上げますと、内地では、場所巣鴨でございまして、既決が千七百四十九、未決が九十二になつております。グアムは米国の関係でありまして、既決が一であります。マニラはフイリピン関係で、既決が百三十二であります。未決はありません。仏印サイゴンプロコンドールの二箇所でありまして、サイゴン既決が五、未決が二十九、プロコンドール既決が七十二、未決がなし。次は英国関係であります。マライのチヤンギー、アウトウラム、ジヨホール・バール、その三箇所合せまして既決が二百三、未決なし。クアラ・ルンプールで既決が五十七、未決なし。タイピン既決が三十二、未決がなし。ピナンで既決が十一で未決がない。英国関係は合計三百三になつております。北ボルネオ、これは英国関係でありまして、ジエツセルトンサンダカン二箇所で、ジエツセルトン既決が十八、未決なし、サンダカン既決二、未決なしであります。香港は英国と濠州の関係でありまして、スタンレー英国関係既決五十六、未決なし、濠州関係スタンレー既決三十一、未決なし。次はラバウルが濠州関係であります。場所はマヌス島でありまして、既決が二百三十二、未決なし。ビルマはラングーンにありまして、既決が四十三、未決なし。合計いたしまして既決が二千六百四十四、未決が百二十一、こういう数字になつております。
  18. 山本利壽

    山本(利)委員 けさの読売新聞に、濠州で日本人戰争犯罪人の九割が釈放されるであろうといろ意味記事が載つておりますが、これは戰争犯罪容疑者でありましようか。あるいはすでに服役中の者でありましようか。これはシドニー七日発UPとなつておりますが、これらの情報が入つておるかどうか。
  19. 島津久大

    島津政府委員 ただいまの点は、まだ情報が何も入つておりませんので事情がわかりかねます。
  20. 山本利壽

    山本(利)委員 この点については、また次の機会情報がわかりましてから御発表願いたいと存じます。  この戰争犯罪裁判の結果及びこういうような中途で減刑されたような場合には、それぞれ留守家族に対して知らされておるものでありましようか。留守家族は知らないものでありましようか。
  21. 島津久大

    島津政府委員 留守家族には知らされております。
  22. 山本利壽

    山本(利)委員 今回のこの減刑については、先ほど来伺いましたところによつて、各地方でそれぞれまちまちになつておるように存じます。減刑恩典に浴した地方もあれば、またそういうことのない地方もあり、その差がいろいろあるようでありますが、ここらの点について、日本政府は最大限に恩典に浴し得るような交渉、または歎願というようなものがなされたものでありましようか。全然各地のなすままに放置してあるものでありましようか。
  23. 島津久大

    島津政府委員 各国の裁判は個別的に別々に行われておりますので、その点に関しては、統一をはかるような方向にわれわれとして向けることは困難であります。
  24. 山本利壽

    山本(利)委員 われわれの方で統一をはかることが困難であるということは、もちろん了承いたしておりますけれども、ある一定地区においてはこれほどの寛大な処置がとられたから、あなたの方においてもとつてもらいたいという希望を申し述べることは、一向その向うの権限に立入ることではないのであります。これは留守家族の者としても、国民全体としてもやつていただきたいことであると考えるし、なお日本政府がそのような努力をしつつあるということを服役者がもし聞いたとすれば、非常に慰められると思いますが、その点に関する御見解を承りたい。
  25. 島津久大

    島津政府委員 御意見はまことにごもつともでありまして、でき得るだけの処置をとりたいと存じます。
  26. 山本利壽

    山本(利)委員 ただいままで申しましたのは終身刑以下の戰犯者についてでありますけれども、なお死刑囚に対しては、今後何らかの考慮がなされ得る可能性があるものでありましようか。全然ないものでありましようか。
  27. 島津久大

    島津政府委員 この点につきましては、ただいま何とも予測がつきかねるところであります。
  28. 山本利壽

    山本(利)委員 先日私の書類箱の中に、比島ですでに絞首刑宣告を受けておる者の名前歎願書が一通入つてつたのであります。それからなおここに岡良一議員に対しても、その選出区である石川県の人で死刑囚となつている者からの歎願書が来ておるということで、私がそれをいただいております。そのほかにもまだあるようでありますが、こういう文書ははたして戰犯者自身が書いて、こちらへ一括して送つてそれぞれの議員に配付されたものか、あるいはその犯罪者名前使つて家族のものからなされたものか、そういうところは私にはわからないのでありますが、外務省の方において、今回こういうふうに議員間に配付されたということについて、何らかの情報を御存じでありましようか。
  29. 島津久大

    島津政府委員 ただいまお話のようなことは、何ら承知をしておりません。
  30. 山本利壽

    山本(利)委員 出所について私自身も正確なる確信を持たないのでありますが、この内容に関しましては、先般比島戰犯局長エンコ大尉日本に来られて、そうして帰られてからの報告に、日本政府議会において、連合国に対して謝罪文を提出することを決議したということを、自分たちは聞いておるというようなことが書いてありますが、はたしてそのようなことがありましようか。
  31. 島津久大

    島津政府委員 ただいまのお話も、われわれのところでは何も聞いておりません。
  32. 山本利壽

    山本(利)委員 この絞首刑——今手元にありますこの二通とも、すでに絞首刑宣告を受けてから一年余もそのままに待機しておるということでありまして、でき得るものならば、日本議会においてこの死刑執行停止であるとか減刑、あるいは内地移管というようなことをとりはからつてもらいたいというような意味のことが、切々とつづつてあるのであります。先ほどお伺いいたしましたように、今のところでは死刑囚に対してどうこうということは知らないということでありますけれども、私自身終戰時においてシンガポール戰争犯罪裁判に立ち会いまして、そうしてあるいはチヤンギー刑務所行つて、一々その犯罪状況を聞きただしたりいろいろしたのでございますが、まことにその裁判状況、あるいは裁判によつて死刑宣告を受ける人々の心情というものは、実に涙なくしては見られない状況であつたのであります。私は決して戰争犯罪裁判というものが、不公正のものであるということは申しません。実は公正なものであり、連合軍において綿密な審理もとに公判にかけられたということを確信いたしておりますけれども、戰争直後の日本人に対するあの感情と、現在の民主主義方向に進むべく努力しておる日本人に対する感情というものは、相当の隔たりもあるかと思うのであります。ことに戰時中日本人で、戰争犯罪裁判に問われた人たちが、みずから残虐行為その他手を下したのではなしに、上部からの命令によつていろいろな行為行つた場合も相当あると思うのであります。御承知通り日本の軍隊では、上官の命令は事のいかんを問わず服従しなければならなかつたという事実がありました。また古来からの日本人のいろいろな風俗習慣というものがありまして、戰争直連合国将校たちによつては不可解な点も多かつたと思うのであります。その間にこの死刑宣告を受けた人たちは、この数年たつた今、もう一度これを再審理でもしていただくことができるならば、かれらはほんとうに喜ぶことであろうと思い、また残つております留守家族の者もほんとうに喜ぶことと思うのであります。この死刑執行停止であるとかあるいは減刑、せめて内地へ移管されて服役するといつたような方面に対して、なおさらにでき得るならば再審理というようなことが行われ得るかどうか。行われ得るならばその方向行つてもらいたいということを、関係方面に向つて日本政府陳情歎願する意思があるかどうか。この点に対して御答弁を賜りたいと思います。
  33. 島津久大

    島津政府委員 ただいまの御意見はごもつともに感ずるのでございますが、再審理ということができるかどうかというような具体的なことになりますと、この際お答えをいたしかねる次第であります。
  34. 山本利壽

    山本(利)委員 私がただいまお伺いいたしましたのは、再審理ができるかどうかということを政府当局から御答弁願おうとしたりではなしに、そういう方向に向つて努力する。少くとも関係方面に嘆願してみて、それができないということであれば、国民日本政府努力を了とするのであります。その努力をする意思があるかどうか。それについての御意見を承つたのであります。
  35. 島津久大

    島津政府委員 でき得る限りの努力もとよりいたす考えでございます。
  36. 山本利壽

    山本(利)委員 先ほど来御質問申上げ、御答弁をいただきましたことについては、いかなる努力がなされたか、どういう関係方面意向であるかということは、この次の機会に御報告願うことといたしまして、問題を他に移したいと思います。  わが国の人口問題並びに経済問題解決一環としての移民問題は、常にわれわれが重大な関心を持つておるところでありますが、一月十八日の毎日新聞に「南の花嫁三百名」というような記事が載つておりまして、その後数回にわたつてこれに関連した記事が載つておりますが、一人でもこの際海外に移住し得るということは、将来に対する移民問題の解決に意義があることと考えまして、この点についての外務省への情報、並びにいかなる手段がとられつつあるかということについて、御意見を承りたいと思います。
  37. 川村松助

    川村政府委員 お答えいたします。現在外務省で取扱つておりまする日本人海外渡航は、一定期間渡航者に限つております。永住いわゆる長く住むための渡航については、現在の段階におきましては、政府はこれに関與することはできない状態になつております。しかし非公式の情報によりますれば、若干の人がアルゼンチン日本人近親者の呼び寄せの形式をもつて渡航を許されておるようなことも聞いておりますし、現に同国の宗教関係団体からは、ただいまお話のように、その家族四百人ばかりの人の呼び寄せの計画があるということを承知いたしております。しかしこの計画アルゼンチン中央政府計画ではありませんで、アルゼンチンのある一州政府の声でありますので、まだアルゼンチン中央政府から承認を得たというようなことについては確報がありません。また花嫁の問題につきましては、新聞報道以上のことは何ら聞いておりませんが、いわゆる夫たるべき人の戸籍に入籍いたしまして、近親者という形式によつて呼び寄せてもらうというようなことを考えておるようであります。
  38. 山本利壽

    山本(利)委員 かつてカリフオルニアにおいて日本移民相当非難を受け、ひいては排日法案の通過というようなこともあつたように記憶いたしておるのであります。こういう際にかりに今の花嫁の問題でありましても、もし可能とすれば、それを送る前にはただ個々の取引によるのでなしに、数百名に上るような場合は、政府あるいは政府意思をくんで行動し得る組合とか協会というものの手を通じまして、一応先方の花嫁となるべき人の性格人柄というようなものも十分に調査して、それに最も適応し教養のある人間を送るということが、将来日本移民に対する声価を増すことであると思いましで、こういう問題が持ち込まれるのが、單に一商人の場合であるとか一個人の場合でありましても、常に将来の日本の移民問題を解決する一環として、日本政府は重大な関心をもつてこれに協力されるように希望するものであります。  次に一月三十一日の毎日新聞では、「ビルマ日本人の入国を許可する」という記事が載つてつたのでありますが、これに対して公式な何らかの通報があつたものでありましようか。あつたとすれば、いかなる人がいかなる手続によつて入国し得るものか。そこらの点についての御答弁を願いたいと思うのであります。
  39. 川村松助

    川村政府委員 あの問題は新聞報道以外に何も情報がありません。
  40. 山本利壽

    山本(利)委員 こういうような報道新聞にありました際に、外務当局はそのままに捨て置かれるものでありましようか。あるいはかかることが真にあり得るかどうかということを、関係方面を通じてでもお調べになるものでありましようか。
  41. 川村松助

    川村政府委員 注意はいたしますけれども、連絡機関が不完全でありますので、十分なことはなしかねております。
  42. 山本利壽

    山本(利)委員 連絡機関が不完全であるということは、われわれには合点のいかぬことでありまして、非常に強力な司令部もあることでありますし、それぞれの国からも代表が参つておられることであると思うのであります。場合によつては従来の日本政府の立場よりも、こういうことについては便宜が多いかと思うのでありますが、その点に対しての御答弁を願いたいのであります。
  43. 川村松助

    川村政府委員 お話はごもつともでありまして、政府としましてはでき得るだけのことはいたしますけれども、それに対する確報がまだ入つておりません。
  44. 山本利壽

    山本(利)委員 先ほど来政府当局はでき得るだけのことはすると言われましたけれども、それではこの問題についていかなることをなされておりましようか。
  45. 川村松助

    川村政府委員 司令部と連絡をとりました結果、まだ移民問題の線までは入りかねております。そういう事情で進まないでおります。
  46. 山本利壽

    山本(利)委員 ただいままでの御答弁に関連して、私は講和問題そのものについても考えてみたいと思うのであります。今議会が始まりましてから、講和問題についてはいろいろ理論的な質疑応答がなされております。全面講和か單独講和か、その他いろいろな議論がなされておりまして、このことは不必要なことではないと思いますけれども、常に吉田首相はそれが全面であれ單独であれ、いつでも講和会議に臨み得る態勢を、日本は整えておかなければならないというふうなお言葉があるのであります。その点について真に日本政府が具体的なそういう空気をつくるために、いかなる手段を講じつつあるかということは、一切国民には知らされておらないのであります。常に日本国民はただ連合国の言うがままに、その通報のあるのを手をこぬいて待つておるにすぎないのではないか。この日本の難局を打開し、しかも輝かしいといいましようか、少しでも有利な講和会議を望むために、今の日本政府がいかに活躍しておるかということを国民に知らさなければ、私は国民の現内閣に対する信頼は薄らぐものであると考えるのであります。それで先ほどの理論闘争もけつこうでありますが、同時に具体的な方法の一つといたしまして、私はアメリカヘあれほどたくさんなスポーツであるとか、その他いろいろな使節が送られていて、それが非常な効果をもたらしておるという事実を見るにつけまして、今回の交戰国各国へ向つて、米国以外の国に向つて日本国からできるだけの使節が送られるということが、私は具体的な一方法ではないかと考えるのであります。特に吉田首相も言われますように、対日感情は必ずしもよろしくはないということを言われている。そのことも私は一応了承するのであります。けれども日本人に対して惡い感情を持つておる人があると同時に、あの六百万の人々が海外に出ておりますが、その中にはその地方民に対してよい感情を與えたものもありましようから、われわれはいろいろな点を双方から考えて、施策を立てなければならないと思うのであります。とかく日本内地におります者は、われわれが戰災をこうむつた結果、その他の事情で非常に苦しんだことも身にしみておりますけれども、今回。大東亜戰争によつて、われわれが彼らに與えた苦しみがいかなる程度のものであるかということは、とかくないがしろにしがちなものであります。無條件降伏でありますから、われわれは率直に何らかの使節を送つて、大東亜戰争によつて大東亜地域の各国民がいかなる苦痛をなめたか、しかも一方その後の復興状況はいかにあるかということを視察することは、日本人としては非常に有意義なことであると考えるのであります。こういうことについて私は先般ちよつと関連質問として予算委員会でタツチしたのでありますが、首相はまことにけつこうであると、趣旨においては御同感の意味を言われたのでありますが、この為替相場その他によつて、手続上日本の思うようにばかりはならぬという御答弁があつたと思います。しかしそういうことがよいとするならば、ことにマツカーサー元帥以下一日も早く日本に講和をもたらしてやろうという意思が、明瞭に発表されておるのでありますから、われわれも努力をして各国に向つていろいろな意味の使節を送つて、そうして虚心坦懐にそれぞれの地方の首脳部と会つて日本国民がいかに軍国主義を捨てて、文化主義の国民になりつつあるかということを率直に伝えて、今後手を握つて国際平和に貢献したいという意思表示をここに向つてすることは、私は講和会議を招致する意味において、非常な意義があると考えるのであります。これらの点について外務省といたしましては、マッカーサー司令部その他へ向つて、そういう処置がとりたいというような意思表示、または相談をされたことがあるかどうか。それについて御意見を承りたいと思います。
  47. 川村松助

    川村政府委員 講和條約がまだ具体的になつておりませんので、具体的にどういう場合はどういう準備ということは、お答えいたしかねるのであります。ただ国民感情といたしましては山本議員の御意見通りで、私は同感であります。  それからただいま御意見の親善使節の派遣ということにつきましては、これは現在の状況ではなかなか困難でありまして、相手国の方の了解がなければできないことでありますので、さしあたつてのところでは実現が困難だと考えております。
  48. 山本利壽

    山本(利)委員 川村政務次官にお尋ねいたします。それではどこの国に向つてそういう交渉をいたされましたか。
  49. 川村松助

    川村政府委員 ただいま申し上げましたように、こちらの方からそういうことを申し込むことは、まだ機関がないのでできないのであります。
  50. 山本利壽

    山本(利)委員 では川村政務次官は主義としてはまことにいいことである、賛成であると言われましたから、今後そういう方向に向つての交渉をなされる意思がありますか。ただきようだけの言いのがれで、このままほうつておかれるおつもりでありますか。
  51. 川村松助

    川村政府委員 時期が参りましたならばもちろん努力いたしますけれども、きようのところではまだどうにも方針が立つでおりません。ただ山本議員の御意思は大臣にも伝えたいと思います。
  52. 山本利壽

    山本(利)委員 私は外務当局といいますか、川村政務次官初めとして、まことに講和会議を迎える態度というものが消極的であるように考えるのであります。私が先ほど来いろいろ御質問申し上げておることは、どうしても講和会議を誘致する情勢をつくるのには、われわれが積極的でなければならぬということを申し上げた。ただなるようになるのを待つているだけではないということを申し上げておる。それについて今後確かにこれこれの努力をしよう、努力した結果はこうであるというような意味の御発表が少しもないことを、私はまことに遺憾と思うのであります。第五国会におきまして私は移民問題に対して、あのドツジ案と申しますか、日本人に対する移民法修正法案がアメリカの下院を通過した。上院にこれがまわる状況であるけれども、その後その様子がわからない。これは日本国民が感謝し、非常に期待しておるところであるから、一月も早く通過するように日本政府において努力する問題ではないか、かような意味の緊急質問をいたしたことがあります。その際にもこの問題は米国議会において審議中のことでありますから、われわれとしてはあまり触れぬ方がよろしいでありましようという当局の御答弁でありました。その後ずいぶん月日がたつたわけでありますから、そこらの点についても私はかくすべしということは、日本政治家としてどこの国に向つても言う資格はありませんけれども、日本国民がこういうことを希望しておるのですから、何とかはからつてもらえないかということの意思表示をすることは、決して躊躇すべきことではないと思うのであります。この移民法案等に対しても、その後の経過がわかつておれば御説明を願いたいと思います。
  53. 島津久大

    島津政府委員 ただいまの御質問の問題は、その後の状況につきまして情報が入つておりませんので、事情は判明いたしておりません。
  54. 山本利壽

    山本(利)委員 その後数箇月の間にそれがいかなる状況にあるかということを確めるために、外務省は手段を講じられたでありましようか。講じられなかつたのでありましようか。
  55. 島津久大

    島津政府委員 その点は調査をいたしてお答えをいたします。
  56. 山本利壽

    山本(利)委員 問題を初めに返しまして、今回の戰争犯罪人釈放減刑ということについては、国民全部が感謝しておるところでありますし、それでこれを一律にどこの地区におきますものにも及ぼしてもらいたいというような意味で、この感謝の決議と、さらにこれに対する日本国民の要望を議会を通してなすべきであると考えますが、この点はいかがなものでありましようか。
  57. 島津久大

    島津政府委員 ただいまの御意見議会の方でお取上げになる筋合いの問題と考えます。政府委員としては意見を申し上げかねます。意見を申し述べることは差控えたいと思います。
  58. 山本利壽

    山本(利)委員 われわれは政府と一体となつて、この外交問題を解決しようとしておるのでありますから、私がただいま申しましたことは、いかに議会権限でありましても、これがもし政府当局がまことに迷惑しごくなことであると考えられる場合には、すべきではないと思います。この点において議会がこういうことをしたら、非常に外務当局としても外交上不利益であると考えられるかどうか。その御意見を承りたいと思うのであります。
  59. 島津久大

    島津政府委員 政府としては何らさしつかえないと考えております。
  60. 山本利壽

    山本(利)委員 この問題については委員長の御意見を承りたいと思います。
  61. 岡崎勝男

    岡崎委員長 今私は初めて伺いまして、これは相当私としてはいろいろの関係上、即答することは差控えたいと思います。この次の機会までに考えをまとめまして申し上げましよう。
  62. 山本利壽

    山本(利)委員 では私の質問はこれをもつて終ります。
  63. 栗山長次郎

    ○栗山委員 ただいまの御質問に関連して簡單に申したいことがあります。  講和会議がいつ開かれるかはつきりしておりませんときですが、講和会議の準備中でありますからその一つの研究課題として取上げたいことは、山本委員の御指摘になりました戰争犯罪者、この処理が講和会議の俎上に乘るべきものであろうかどうか。乘るべきものであるとするならば当然講和條約の項目をなすものと想像されるのでありますが、戰争犯罪者の処理が講和会議もしくは講和條約と関連して、取止げられるものであるかどうかということが一点。  それと戰争犯罪者は私どもの知る限りにおいては、戰時国際法により、さらに進んでは人道問題として処理された人々であると思いますが、現在連合国が一体となつて同一方針のもとにこれに当つておるのかどうかという点についても、明瞭を欠いておる点があると思います。これは批評になりますから避けますけれども、今提示しました観点以外に、これは各国の主権の範囲内において処理しておるのかどうかという二つの点について、私どもは研究しておきたいと思いますので、この問題を提起します。
  64. 岡崎勝男

    岡崎委員長 今の栗山君の御意見については、政府委員の見解を求められるのでありますか。
  65. 栗山長次郎

    ○栗山委員 御見解があれば承りたいし、御見解がただちになければ、單なる研究課題として私は発言いたしておきます。
  66. 西村熊雄

    西村(熊)政府委員 即座にお答えいたしますので、ほんとうの当面の見解という程度で軽い意味お答えいたします。栗山委員が御指摘になりましたように、戰時国際法それから従来の平和條約によりますれば、大体平和條約締結後に平和関係が克服と同時に、その戰争中に問題になりました戰争犯罪というものは打切られる。爾後訴追ないし処罰はされないというのが大体の慣行であります。ところが今度の戰争の後にできました平和條約は、今日までの慣行と全然かわりまして、たとえばイタリア平和條約の第三編、戰争犯罪人というところの四十五條をごらんなりますとわかるように、平和條約が締結されたあとも、なおかつ戰争犯罪人を話追処罰をする権限を留保し、それに対する戰敗国の協力の義務を出しております。これは今度の戰争後の新しい事態であるという見地に立つべきものであると考えます。  それから戰争犯罪人の処罰につきましては、連合国が合同して裁判をするというものと、各戰勝国が單独に一国の裁判所によつて裁判をする。この二つの方式がとられておるというふうな点であります。従つて一応の結論としては戰争犯罪人というものも、対日平和條約の問題の一環として取上げられるという気持でいた方がよろしいであろう、こういう考えを持つております。
  67. 岡崎勝男

    岡崎委員長 ただいまの御意見につきましてはさらに研究課題として、われわれの方で留保しておくことにいたします。  続いて菊池義郎君。
  68. 菊池義郎

    ○菊池委員 最初のこの委員会におきまして、ソ連が講和條約を阻止しようとしている資料があるかないかということをお伺いしましたところが、島津局長がそれについてはないと答えられましたが、それではまことに政府の言動の上に大きな矛盾があります。吉田総理もしばしば幾たびかの質問に対して答えられて、いかにもソ連が拒否権を行使して講和を阻害するであろうというようなことをたびたび言われて、昨日の本会議におきましてもある一国ということを言われておる。そういうことを見越しての全面講和には反対である云々ということを言われておる。そういうわけでもつて総理のお言葉と局長のお言葉との間にまつたく矛盾がございますが、ソ進が反対である云々という、資料としては語弊がありましようが、この講和條約を阻止するであろうと考えられるような資料がありますならば、島津局長でもよし、あるいは西村局長でもよし、どなたでもよろしゆうございますが、ひとつお示しになつていただきたいと思うのでございます。
  69. 島津久大

    島津政府委員 菊池委員の御質問お答えをいたします。  過日の御質問に対しまして、ソ連がことさら講和條約を遅らしておるという資料はないという御答弁を申し上げたのでありますが、その際米ソ間に講和條約の手続について対立と申しますか、意見が合つていないのは事実であるということも、あわせて申し上げたつもりであります。御承知通り外務省といたしましては、出先の機関も持ちません関係上、そういうような正確な情勢判断をする基礎資料がないのでございます。大体外電を総合して見るほかはないような状況でございます。ただいまのお話で、できる限り講和問題に関するソ連の態度というものも、外電をもとにいたしまして調べてみたのでございますが、その結果を二、三拾いまして申し上げてみたいと思います。  手続問題の対立はそもそもの極東委員会とか、対日理事会ができます当時からあるのでありまして、その後極東委員会ができましていろいろな日本関係の問題が討議をされたのでございますが、その後講和問題が現実の問題になりましたのは、一九四七年七月十一日に米国政府が対日平和予備会議の招集を提案しておるのであります。その際のアメリカの提案の内容は、期日は暫定的に一九四七年八月十九日とする。会場はサンフランシスコまたはワシントンとする。会議は極東委員会とは別個に、極東委員会構成十一箇国で構成をする。決定は三分の二の多数決として、米英ソ華の拒否権を放棄する、こういう提案が七月二十二日に関係の十箇国に送付されております。これに対しまして、一九四七年七月二十二日のソ連の回答は次のようなものであります。この招請問題がアメリカだけで一方的に決定されることは同意しない。外相理事会は無視されてはならぬ。対日平和を審議する外相会議開催の時期は、米国駐在の英ソ華大使が米国外相とともに決定すべきであるという見解を明らかにしておるのであります。その後応酬がありまして、その当時から今日までこの手続の対立は解けないのであります。その間中国から妥協案なども出ておりますが、これも事態を解決することにはなつていないのであります。なおその間講和問題に関連のある事項で、ソ連の態度が察知されるようないろいろな声明ないし主張があるのであります。これも一々あげる煩を避けまして、ただソ連の主張するところは、講和を促進するということはたびたび出て参ります。しかもその内容については一向はつきりいたしておりません。日本の再軍備を可能ならしめるような産業はいかぬけれども、平和産業は全部自由としなければならぬというような主張も出て参るのであります。しかしながらどの程度のものが平和産業であるということは、全然示されておらないのであります。従いましてどの程度の産業を日本に許すかというような点も判明いたしません。なおまた日本人海外派遣につきまして、米国政府から提案がありまして、極東委員会で決定になりまして、現在はマツカーサー司令官が、日本人海外渡航に関する許否の権限を持つておる形になつておるのであります。この決定の際にソ連のみが反対をいたしております。その決定になりましたときは、おそらくは棄権をしたのではないかというふうに考えられるのであります。最近になりましても日本人の国際会議の参加、あるいは日本政府の在外事務所というようなものの設置について、極東委員会で討議が続けられておるのであります。こういうことに対しても、講和会議までは日本が国際社会に復帰するような暫定的措置は、一切認むべきではないというのがソ連の主張のようであります。そういうようなわけで、講和問題に対してことさら講和の遅延をはかつておるかどうかということは、われわれとして明確に申し上げかねるのであります。対立が解けないということは、以上の外電によります資料によりまして確実であろうかと考えるのであります。  なおこの際簡單に対独及び対墺平和條約に対するソ連の態度を御紹介申し上げますと、対独及び対墺平和條約締結の準備は、一九四五年八月二日のポツダム協定に基きまして、外相理事会の仕事とされております。従いましてこれらの條約については、ただいま申し述べましたような対日講和の場合のように、手続問題の各国間の根本的対立はないのであります。この外相理事会は一九四七年三月及び四月モスクワで、また一九四七年十一月及び十二月にロンドンで、また一九四九年五月及び六月にパリで開催されました。このたびたびの会議におきましても、條約の内容となる事項、たとえばドイツにつきましては賠償問題及び統一問題、オーストリアにつきましては国境問題及び対ソ連賠償問題、そういうものについて米英仏三国側とソ連側とに意見の根本的対立がございまして、容易に意見が一致しません。現在に至りましてもまだこれらの平和條約の成立を見ていない状況であります。ドイツにつきましてはその後一九四九年九月二十一日、米英仏三国の占領地域いわゆる西ドイツに統一的なドイツ連邦共和国が生れました。これに対しましてソ連の占領地区には一九四九年十月四日にドイツ民主共和国が生れております。この両地区はまつたく別の行政が行われておるような状況であります。
  70. 菊池義郎

    ○菊池委員 西村局長何か資料がありますか。
  71. 西村熊雄

    西村(熊)政府委員 島津政務局長の御答弁以外に、別につけ加える資料は持つておりません。
  72. 菊池義郎

    ○菊池委員 本日の新聞で見ましたが、いよいよ日本の通商官がアメリカに派遣せられるようであります。われわれかつてこの委員会におきまして、通商官は民間人をもまじえていただきたいということを、繰返し繰返しお願いしておつたのでありますが、顏ぶれを見ますと、民間人が一人もないようでありますが、これに対する御答弁を願いたい。
  73. 島津久大

    島津政府委員 新聞報道されました在海外の事務所の問題につきましては、実情は、この問題が去年からアメリカで考慮されまして、実現が近いと思われておつたのでございますが、その後極東委員会に提案されたようでありまして、その結論はまだ承知していないのでございます。極東委員会で決定した上で実現いたしますか、あるいは極東委員会で決定しないということになれば、別の手段がとられますか、いずれにいたしましても、近い機会に実現することを期待しているのでございますけれども、まだ司令部から何ら正式の指示を受けていないのであります。従いまして人事問題についても何らまだ進んでおりません。新聞に出ました顏ぶれその他も、想像に基くものではないかと存じます。
  74. 菊池義郎

    ○菊池委員 それではどうかこの決定する前に、民間人を出しますようにお骨折りを願いたいと思います。  もう一つ、ソ連地区の抑留同胞の中で十万人も死んだということが、参議院の引揚同胞特別委員会において、種村元大佐が証言されている。もしこれが事実であるといたしますならば、これに対して外務省としてはいかなる手を打たれるつもりであるか。いかなる態度をもつて司令部に臨まれるつもりであるか。この心構え、今後の対策についても何かのお考えがあると思いますが、お漏らしを願いたいと思います。
  75. 島津久大

    島津政府委員 引揚げ問題の担当の管理局長が、ただいま司令部行つておりますので、別の機会に管理局長から御答弁をいたさせたいと考えます。
  76. 菊池義郎

    ○菊池委員 日本の二大漁場の一つでありました東支那海、マツカーサー・ラインとして許されております日本の重要な漁区でありますが、その漁区内におきまして、つまり制限内の漁区内におきまして、中国の海賊船が跳梁跋扈して、機関銃をもつて打ちまくる。それで日本の漁師は出て行くことができないので、日本の食糧の上に非常な支障を来している結果になつているようなわけなのであります。これに対して政府はどういう対策を構ぜられるか。
  77. 島津久大

    島津政府委員 この問題は海上保安庁の問題だと考えます。
  78. 菊池義郎

    ○菊池委員 それではこの次に研究しておいていただきたいと思います。
  79. 岡崎勝男

    岡崎委員長 ちよつとご報告申し上げます。ただいま各理事の御都合を伺いましたところ、十三日月曜日の午前十時から理事会を開くことにいたしましたから、理事諸君は御承知を願います。  なおちよつとおことわりいたしますが、本日は質疑の通告が八人からありまして、ただいまようやく三人だけ済みまして、まだ五人の委員が残つておられます。時間も大分迫りましたので、なるべく時間をとらないように御配慮願いたいと思います。玉井祐吉君。
  80. 聽濤克巳

    聽濤委員 私の方は引揚げ問題を聞きたいと思いまして、倭島局長出席を求めておつたのですが、都合で来られないということになつたので、かわつて川村次官に聞こうと思つてはいたのですが、これは私の方は次の機会に留保いたしますから、そのことをはつきりしておきます。
  81. 玉井祐吉

    ○玉井委員 私はきようは通産大臣にお見えをいただきたいと思つて出席を願つてつたのですが、相かわらずお見えにならず、やむを得ませんので、通産省の方に御出席を願つたようなわけでありますから、そちらの方に御質問申し上げます。ただ私が最初にお願いしたいことは、通産大臣に直接にお伺いしたいということで、再三御出席つたのですが出ておられない。先般やめられて民間の会社の方に行かれたはずですが、小瀧氏にも注文をつけておいたのですが、その点について何らの手配がとられていない。これはかねて最も密接な関係にある貿易によつて起るところのクレーム問題について、日本商工会議所内にあるいろいろな理事会における対立、内乱の問題の片をつけないと、このクレームの問題の解決に困るから、早く処置をするようにということを小瀧氏に注文しておいたのですが、この点について大臣にも連絡するというお話があつたにもかかわらず、現在その対策が何らとられていない。そこでこの点はきようお見えの方に、ぜひとも大臣に直接至急解決をはかるようにしてもらいたいということを、ここでお願いするわけであります。それが第一です。  第二に私が御質問申し上げたいのは、最近特に貿易関係の問題を通じて、公団の方に非常にたくさんのストツクがあるはずであります。これは輸出品と輸入品と両方あるわけですが、特に輸出品の問題についてお伺いしたいのです。現在公団における輸出の滯貨の総額は一体幾らくらいになつておるか。この点を最初にお伺いしたい。
  82. 山田樹三郎

    ○山田説明員 お答えいたします。まず鉱工品貿易公団については、昨年の十二月末のブツク・プライスが九十一億三千八百万円になつております。これはそのうち政府貿易関係というのが七十九億四千五十万円、それでその差額の十一億九千三百万円というのが輸出できない、国内処分を要する滯貨だ、そういうふうな数字と記憶しております。
  83. 玉井祐吉

    ○玉井委員 今のは輸出品についてだけでありますが、公団の保管品の問題で、輸出品の方は私の知つている限りでは二百十億ほどあるように考えておりますが、この点は数字の食い違いがあるのではないかと思うのであります。それから保有品、今のは保管品ですが、保有品の方ではかれこれこの面だけで七十五億八千万円というものが保有品として、つまり公団の所有品として残されておる、こういう状況のように私は調べておるのですが、その点の数字は一応御検討を願いたい。実は私の調査によると今のような数字が出ております。そこで御質問申し上げたいのは、現在輸出することができる品物というものと、それからできない品物というのは、どういうものが区別されておるか。言いかえると輸出できないというのは、品質が悪いとかあるいは規格に合わないとか——合わないものを公団で買い上げるというのはおかしいのですが、おそらくそういうような関係ではなかろうかと想像はしておる。ところが保有しておる品物が、あるいは保管しておる品物が今ほどあるということになると、それを具体的に処分をして行かないと、貿易業者並びにメーカーの方が非常な影響を受けて来ておる。そこで特にこれを処分して行くために、これは具体的にはバイヤーの方からの値段の折合いがつかないために、値段をそのまま引受けて、品質を低下させて、質的な意味における一つのダンピングという形のものが現われて来ると思うのであります。現に私の知つている限りでは一、二そういう徴候が見られる。そうなつて来ると、生産せられる品物の質が悪いために、日本の貿易全体が非常に大きな影響を受けて来るということが当然見込まれるのですが、この点についてお伺いをしたい。特にこういうような事実というものについてお答えを願いたい。同時にこういう傾向は今後さらにとられて行くのかどうか。そうでないとするならばこれらの品物をどう処分するのか。輸出可能であるという品物についての処分でありますが、また輸出できないものを一体どう処分するのかという点について、お答えを願いたいと思います。
  84. 山田樹三郎

    ○山田説明員 ただいま数字の食い違いという第一点がございましたですが、輸出品に関する限りは九十一億と承知しております。それで二百億という数字は纖維貿易公団の数字も一緒に入つてのことじやないかと思いますが、数字の御説明はあとでいたしたいと考えます。それで鉱工品公団の九十一億の帳簿価格の中で、七十九億四千五百万円が輸出可能と申し上げましたが、これが可能という点は、政府貿易の形式が一昨年の八月から全面的に自由ということになりまして、政府輸出として公団を使うというのは船舶、車両、紡績機械というように大きな資金と資材がいるので、業者自体では金融がむずかしいもの、それから例外的にはソ連とか香港とかいうもので、業者自体にLCを発行するのはぐあい惡いので、通産省あてにLCを発行する。つまり実質は民間貿易でありますが、やむをえず政府貿易の形式をとる。そんなものが少しございます。しかしそれはきわめて例外的な問題でありまして、この七十九億四千五百万円というのは、船舶が鋼鉄船、木船を合わせて七十一億、紡機の関係で三億、それから車両——これは機関車その他がタイその他に行つておりますが、これが四億という品別になつておるわけですが、これは政府輸出として確実に輸出できるというものであります。その他の十一億が問題でありますが、これは通産省発足と同時にといいますか、為替も昨年四月にできましたし、民間貿易も全面的にやるという空気で、なるべく政府の公団を利用する輸出はやめる。それで勢いこの輸出滯貨は国内に向けて処分するという方針でやつて来ておるわけであります。それで昨年三月末に大体二十億の滯貨があつたものが、十二月末で十一億になつておりますが、大体十億ぐらいのブック・プライスの滯貨は処分しております。現在も極力これは処分しておるのであります。先ほど御質問の輸出できないものをどうして処分するかという問題でございますが、フロア・プライスも昨年の十一月廃止されまして、ある程度自由価格で輸出もできるという点で、従来フロア・プライスを堅持しておつたために、どうしても輸出できなかつたというものもあるわけでございまして、その点は解消したわけです。しかしそれがダンピングなりやいなやという点は、爾後チエツクするということで現在やつております。それで公団滯貨は非常に品質が惡いとかいうことで、バイヤーの方から相当安い値段でオフアーせられる場合もあるのですが、為替ができた現在におきましては、通産省の方針といたしましては、三百六十円に国内で売れるものだつたらその方をとるといいますか、為替よりも高く売れたら国内に流す。内地にはどうしても規格が向かないとか、これは内地にいくら安く売つても買手がないということで、やむを得ず為替相場によつてどちらが高いかということを標準にして、極力やつているのであります。
  85. 玉井祐吉

    ○玉井委員 今のお話ですが、特にあとの方でお伺いしたところの品質の問題について、検査制度がいろいろ問題になつております。それについては値段を値切られているために、それに合うように品質をあえて落して行く。つまり規格があるにかかわらず、品質の方の規格を踏み破つておいて、価格の面だけ合せて出すということが行われているように、私は聞いているわけです。この面については検査制度との関係で、特に実質的な意味で一つのダンピングだと思いますが、これを通産省としてどういうようにお考えであるかを伺いたい。
  86. 山田樹三郎

    ○山田説明員 私は公団滯貨の整理という部門を担当しておりますので、ただいまの御質問は、民間輸出の検査制度をいかにやつているかという御質問のようでありますから、私としてはちよつと即答ができません。ただ公団滯貨としても、ただいま御指摘ありましたような点が関連しますから御説明を加えますと、たとえばクリスマス電球とかラジオの電球とかは、昨年の三月以降検査制度が十倍くらい嚴重になつております。というのは、終戰後資材その他の関係で非常に粗悪品ができておつた。逆にいうと検査標準が非常に甘かつたということがはつきり申し上げられます。たとえば今の電球の問題でありますが、ラジオの電球が前は百時間持てば検査にパスしたのが、昨年の三月からそれが千時間になつた。十倍嚴重になつた。そのために公団が持つておりますのはその前の商品であつて、検査は的確にパスしている。しかしその後国内の技術が非常に向上し、規格がよくなつたために売れなくなつた商品もあります。それは輸出もできなければ、国内に流すのも非常に困難なものが入つておりますので、それに対してはその部分品を適当に利用するというところで、処分せざるを得ないものもあるわけであります。ただいまの御質問の検査制度がどうなつているかということは、また後ほどお答えしたいと考えます。
  87. 玉井祐吉

    ○玉井委員 貿易公団関係のことでお伺いしたいのですが、この貿易公団自体の運営の仕方が、相当日本の貿易について影響があると考えているわけです。これは問題としてはむしろ労働委員会関係の問題なのですが、最近首切りとかいろいろな形で相当ごたごたしているということを私は知つているわけです。そういう点から見てこの公団の問題を早く的確に処理して、ごたごたを起さないために、通産省の方からこの問題についてぜひともひとつ調査していただきたい。どういう形であるか、私どももある程度調べてはおりますが、通産省の方からも特にその面の調査をしていただくようにお願いするわけであります。  それから外務政務次官にお伺いしたいのですが、先ほどいろいろ論議されましたうちで、特に菊池委員からの質問と関連して、講和條約を行う場合に、ソ連の方で提唱している形と、英米側の提唱している講和條約の方式と、そのいずれが日本の立場としては有利であるかということをお伺いしたい。つまり裏から言うと、ソ連側で特別の方式を主張しているのは、どういう理由だと考えられるかという点をお伺いしたいと思います。
  88. 川村松助

    川村政府委員 ソ連の主張いたしておりますいわゆる拒否権を含む四大国云々という趣旨につきましては、これはいわゆるソ連の意思でありまして、私どもはそんたくしない方がいいじやないかと考えております。
  89. 玉井祐吉

    ○玉井委員 どちらの方が有利だと考えるかということをお答え願いたい。
  90. 川村松助

    川村政府委員 従いまして、向うの趣旨がわかりませんので、どちらが有利であるかということも判断いたしかねます。
  91. 玉井祐吉

    ○玉井委員 向うさんの趣旨ということでなくて、この場合一つの形が出て来たときには、日本としてはどういう方が都合がいいかということは客観的に言える問題で、向うさんの意思がどうあるかということと、別の問題としてお答えを願いたいと思う。
  92. 川村松助

    川村政府委員 せつかくでありますけれども、この問題に対しては答弁を差控えたいと思います。
  93. 玉井祐吉

    ○玉井委員 ちよつとさつきの質問で落したことがあるのでございますが、通産省の方にお願いしたいのですが、特に先ほどの貿易の面における混乱の問題です。公団の中における問題ですが、それはすでに御承知のように、昨年の五月二十七日に東京新聞発表されたように、貿易公団の中で相当大きな輸入の收入に関する疑獄事件があつたわけです。これが検察庁にまわつたのですが、検察庁ではそのまま中央にまで飛火しそうな形勢にあつたのですが、坂調べを中止したというか進んでいない。こういう事実を見ても、事実公団の中で相当不正があるのではないかという疑惑を持たれているわけですが、特に労働組合の人たちの中でこの不正を摘発した人たちがあつた。それと関連して首切りが行われているのではないかという点で、これはどちらの肩を持つかという意味でなくして、日本の貿易を促進させるという意味から言つても、こういうような疑獄事件があつたということは、相当愼重に考えて行かなくてはならぬ。通産省としてはこれは検察庁の権限だということでなくして、徹底的に取調べをしていただきたい。同時に、そういう問題を注意されたからといつて、摘発されたからといつて、首を切るという意向がかりにあつたとすれば、これは日本の貿易を売物にして貿易公団が存在し、同時に業者もすべての人々に迷惑をかけることになるという点をよく考えていただいて、通産省としてはそういう立場で、今度の首切りの問題についても十分妥当な処理をしていただきたいということを、十分な調査とともにお願いするわけです。
  94. 岡崎勝男

    岡崎委員長 それでは次に移ります。
  95. 竹尾弌

    ○竹尾委員 私のお尋ねは国際情勢に関する一般のお尋ねが一つ、あとはソ連をめぐる国際情勢について、若干のお尋ねを申し上げたいと思います。時間がありませんから、簡單にいたします。  なお再質問はできるだけ省きますから、どうぞ政府当局として、私の質問は抽象的ですけれども、お答えをこの前の川村政務次官のように簡單にやられると、また再質問しなければならぬと思います。これは基本的な問題で国民の大いに知らんとすることなんですから、簡單でけつこうです。親切に明快にお答え願いたい。  質問の第一、昨日の衆議院の本会議総理大臣は講和の問題は客観的情勢によつて決するものであると言われた。まさにその通りであります。しかし客観情勢をつらつら見ますと、全面講和はおろか、多数講和、單独講和でさえも非常に困難な情勢に置かれてあると判断するのです。世界人類のすべてが平和を熱求しておるにかかわらず、客観的の情勢は平和反対の方向に進みつつあるように私は思いますが、政府の世界情勢に対する認識はどうでありましようか。これを一つお尋ね申します。
  96. 島津久大

    島津政府委員 ただいまの御質問に対しましては、先ほど菊池委員の御質問に対しまして、講和條約の手続に関して非常な困難があるという資料を御紹介したのでございます。講和條約が今日なかなか進まないというのは、まず手続問題でひつかかつております。その後具体的には一歩も進んでいないような状態でございますが、しかしながら講和條約を進めるという努力は引続き行われておると考えられますので、講和條約は全面、多数、單独いかんにかかわらず、できぬということはまずないと考えます。  なおまた世界情勢に対する認識、どう見るかという御質問でございますが、この点はたびたび申し上げますように、外務当局としては正確なる資料を入手する道がないのでございます。従いまして世界情勢という大きな問題に対しまして、具体的なお答え政府委員としていたしかねるのでございます。御了承を願います。
  97. 竹尾弌

    ○竹尾委員 それではもう簡單に次に移ります。今度はソ連の情勢に関するものですが、一九四七年九月コミンフオルムの設置に関するあのとき、コミユニケと宣言と決議、これだけが採択されましたけれども、ソ連は米英を帝国主義の強化をはかりつつある反ソ陣営である。これはこの問も私ちよつとお尋ねしたと思いますけれども、そういうような強化をはかりつつある反ソ的の陣営である、こう規定しております。これを打倒するために、ヨーロツパの一句の民主主義的な反帝国主義的な勢力を結集して、その協力を求めなくちやならぬ、こういうふうに宣言は説いております。コミンフオルムの本部に関する批判は私はここでいたしません。またこれは別の方が質問されると思いますから、それはいたしませんが、とにかくコミンフオルムが現在米英打倒の強力な組織である、こういうふうに考えることは間違いないと思うのです。ソ連の外交とコミンフオルムは現在表裏一体をなしておる、こういうふうに私は思います。そこでソビエト連邦はコミンテルンの成立当時、つまり一九一九年当時に返つて、ここも詳しく申し上げませんが、民族問題の究極的の解決をめざすところのいわゆる世界赤色化政策、赤化政策の実現の積極的な努力を盡された、こういうふうに私は見ております。ソ連の外交がこの目的実現のために、具体的な動きを見せておると私は考えておるのですが、その点につきまして政府の御見解をお尋ね申します。
  98. 与謝野秀

    ○与謝野政府委員 竹尾委員の御質問お答えいたします。ある外国の外交政策がかくのごときものであるといつて政府当局のものが断定することは非常に機微なのでありますが、御判断の材料としてひとつ簡單に申し上げます。ただいまおつしやいましたように一九四七年九月のコミンフオルムの宣言は、二つの陣営の対立という形で世界をながめ、資本主義の一般的危機が近い将来に激化すると論じておるのでありますが、こういう見解はすでに一九二四年に制定されました昔のソ連の憲法にも、ソビエト諸共和国が結成以来全世界の国家は二つの陣営、すなわち資本主義の陣営及び社会主義の陣営に分裂した。こういうことが憲法に述ベられておるのでありまして、かわりないソビエトの対外政策の一つの基幹をなしておるものだろう、こう思うのであります。ところで先ほど御引用になりましたコミンフォルムの宣言は、大きなスローガンとして民族の独立ということと、反戰平和という二つのスローガンを掲げまして、結成当初におきましては、むしろ重点が民族独立の方に置かれ、マーシヤル計画反対闘争に重点が置かれたように見えたのでありますが、最近ではむしろ反戰平和、こういう名目による戰争防止という方に重点が移つておるのではないか。コミンフオルムの目標は北大西洋同盟條約、またこれに基きますアメリカの対欧武器援助計画を妨害するということが、主たる目標になつて来ておるのではないか、こう思うのであります。昨年以来各国共産党のイニシアチーブによりまして、平和擁護運動というものが非常に行われて来ておるのでありますが、これはまさしくコミンフオルム宣言の線に沿うものでありまして、先ほど御説のようにソ連の外交の裏をなすという関係にあるものと考えていいと思うのであります。前にコミンテルンがございましたときにも、ソ連はコミンテルンと政府とは別であるということを申しておつたのでありますが、対外政策が表裏一体をなす関係において遂行されて来たということは、大体間違いないと思われるのであります。
  99. 竹尾弌

    ○竹尾委員 これは批判になりますから、私はあまり申し上げたくないのですが、なるほどコミンフオルムの宣言、あるいは現在も帝国主義者の侵略に対しては絶対に反対するということは、しばしば述べられておりますが、しかしソ連の目ざす世界平和というのは、この間も私ちよつと申し上げたいと思いますけれども、去年の八月に開かれたソ連の平和擁護者大会、あれは相当重要な会議だと思いますけれども、あれには民主主義の確立のために戰うのである、こういうことをはつきり言つておりまして、われわれの考える中和の本質とはすでに本質的に違うように思う。これは問題は別ですからおまり深入りしませんが、時間がありましたら別の機会にお尋ねします。  そこで第三番目は、私は本質においては、やはりコミンフオルムはコミンテルンと質的に同じである、こういうふうに考えております。そこでそういうことになると、ソ連みずからが火中のくりは拾わない。そういうあぶないところには出ない。こう言つておりながらも、みずから火中のくりを拾おうとする態度が具体的に現われておる、こういうぐあいに私は考える。そうなると米英との対立は——もちろんすでに対立はあるのですが、その対立の激化は必至である。その結果が再び熱い戰争を勃発せしめないとは何人もこれを保証することができない。今日展開しつつあるアジアの情勢から見ましても、このことは明らかであります。ソ連は——これはコミンフオルムの問題になりますが、いわゆる新しい民主主義という方式によりまして、今局長さんが言われたように、むしろ温和な漸進的な革命の道を進みつつあるかのごとくにとれる。しかし今の帝国主義者の侵略に全面的に反対しておるということも、これは言葉の上ではそうでありましよう。しかし繰返すようですが、世界の人類の平和に対する意図にもかかわらず、その意図に反対して戰争を惹起せしめるという危險が非常に強い。政府当局は楽観的に考えておられるようですが、そういうふうに私は考えております。そうして米英は、これはまあソ連の極東進出に対して備えんとしておりましようが、アメリカの百腦部の入京ということを見ましても、ソ連の極東進出に対してある程度の備えに乘り出しておるということは、毎日の新聞紙上で報道する通りであります。そこでそういう状態考えると、私はアジアをめぐる情勢は刻一刻危機が伝えられておる、こういうふうに思います。ところが日本の外交当局は非常に楽観的な見解を持たれておるようでありますけれども、日本か叫び戰場と化するのではないか、こういうことを私もしばしば申し上げましたが、この点について非常に国民は心配しておる。そこで米ソの対立に関しまして、私は重ねて、簡單でよろしゆうございますから、明快な政府の御答弁をお願いしたいのであります。
  100. 与謝野秀

    ○与謝野政府委員 お答えいたします。ただいま竹尾委員の言われましたように、米ソの対立、資本主義陣営と共産主義陣営の対立が、日々に激化して参つておるのは事実でありまして、ヨーロツパにおいてもアジアにおいても、あるいは将来これが最悪の事態まで行くのではないか、こういう可能性は一応だれでも考えると思うのであります。ソ連が帝国主義的諸国家と長期にわたつて共存し得るとは考えられない。そこで最後の段階に到達する、ソ連とブルジヨア諸国との間に一種の衝突が起るのは不可避であるということは、これは一九一九年ですか、第八回の共産党大会でレーニンが言つた通りでありまして、この世界赤化という根本方針が今日まで続いておるならば、衝突の可能性がある時期においては起るということも考えられるのでありますが、現在の国際情勢を見まして、まだわれわれは戰争が不可避である、必至であるというような時期ではない。また平和を維持するための努力関係諸国によつてなされるだろう。また人類は大きな観点から戰争という不幸を防止するであろう。この可能性を強く考えておるのでありますが、両陣営の対立が、ヨーロツパにおきましてもアジアにおきましても、日々激化して行つておるということは、御説の通りだと思うのであります。
  101. 竹尾弌

    ○竹尾委員 一九五〇年つまり今年をもつて終ろうとしておるソ連の五箇年計画、これはソ連の説明によりますと期限前に遂行するということを言つておるようですが、この五箇年計画は最初の声明を見てもわかります通り、独ソ戰その他によつて疲弊したソ連の経済を復活させて、ソ連の市民の生活を豊富にする、こういうことを表面的に言つておりますが、今の状態ではこの計画が第二次世界大戰前の、ソ連のいわゆる軍事五箇年計画と名づけられたような五箇年計画の性格を持つていないように思われますけれども、今年あるいは来年から始まるところの長期の計画が、いろいろの情報を総合してみると、多分に軍事的な色彩が強まるような計画になりはせぬかというようなことが言われております。そこでソ連は昨年例の中国共産党の勝利と、さつき御説明のドイツの民主共和国の成立、あるいは昨年の九月の原子爆弾の祕密を知つたというような、ソ連にとりましてはこの一連の成功、そうしてまたそこに問題が持つて行かれるのですが、この一連の成功がソ連をかつて積極的な世界政策の遂行に乘り出さしめるという可能性を十分ここに認める。そこで現在行われつつあるソ連の五箇年計画は、露骨に言うならばその火薬庫となりはせぬかということを私は心配しております。これは非常に時間がかかるでしようが、ごく簡單でけつこうですから、今の五箇無計画の概略をお尋ねします。それと関連しまして、スターリンも七十歳を迎えたので、あるいは人間でありますからいつなくなるかわからぬ。しかしスターリンがなくなつても、ソ連の現在の組織というものは絶対に崩壊するものではないと思う。スターリンのなきあとにだれがあとを継ぐかということは、ソ連の国内問題としては相当重要である。そこで今問題になつておるうわさの人物マレンコフあるいはカガノヴイツチあるいはべリアがとるのか。その点に関してごく簡單にお聞かせ願いたい。
  102. 与謝野秀

    ○与謝野政府委員 五箇年計画について質問がございましたが、五箇年計画の軍事的性格というものは、この計画案の中にも語られておるのでありまして、計画案の中に、国防力を増強し、ソ連軍を最新式の武器をもつて装備するということが、五箇年計画の目的の一つとして強調されておるのであります。またスターリン首相は一九四六年二月に、第二次世界大戰の性格その他につきまして重要な演説を行つたのでありますが、その際にも資本主義の存在する限り、永久平和はあり得ないということを強調して、五箇年計画を含む長期の経済計画について言及しておるのであります。その中に一九六〇年のソ連の工業水準は、戰前の三倍に向上し、年産銑鉄五千万トン、鉄鋼六千万トン、石炭五億トン、石油六千万トンに達すべく、こういう條件下においてのみソ連は一切の不測の事態から保障されるであろうということを演説しているのでありまして、相当長期遠大の計画なのであります。また火薬は常にかわかしておかなければいかぬということが、ソ連の一つの合言葉になつていることを見てもうかがわれるのであります。従いましてこの戰争が済んだ後も、五箇年計画による産業の復興ということは、主として重工業に重点が置かれていたようであります。いろいろこまかい数字をあげて御説明をすると時間をとりますので省略いたしますが、過去四箇年間の実績を見ますと、第一年度、第二年度はあまり成績がよくなく、予定に達しなかつたのでありますが、一昨年から急に成績が上つて参りまして、すでに昨年は予定を突破し、一九四九年の第四・四半期の平均月産高は、戰前の一九四〇年の水準を五三%凌駕しているということが公表されておるのであります。また食糧についても穀物の総收穫高は一億三千万トンに達して、戰前の水準を凌駕している。五箇年計画は大いに成績をあげているというのが実情だと思うのであります。また主力が生産財というものに注がれておりまして、国民の消費その他に充てられる部分においては、上昇のテンポが非常に鈍いということが、公表の数字を当つてみますとよくわかるのであります。
  103. 竹尾弌

    ○竹尾委員 今の五箇年計画の性格については、私は局長と少し意見を異にしておりますが、それは別といたしまして、もう一つソ連と中国との関係をお尋ねしたいと思いましたが、きようは時間がないようですから、最後にコミンフオルムの性格についてお尋ねいたします。  コミンフオルムが最初に設置されたときには、ばらばらになつた各国共産党との情報を交換して、各国共産党の調整をはかるということをうたつて、そのために各加盟国の共産党の独立性というものが非常に保障されておつた。これは一九四七年でしたか八年でしたか、ちよつと忘れましたが、イギリス労働党の何とかという議員が来たときに、スターリンがこれに答えたことがある。今日はコミンテルンの時代とはまつたくその事情が異つている。共産党は幾つかの国で国民を代表する有力な大政党に成長して、それぞれの国にがつちり根を下しておつて、有能な人々に指導されている。だから各国共産党の自主性、独立性を十分認めるということを返答したと私は記憶している。ところがこれは日本の国内問題になりますけれども、野坂氏に対するあの辛辣な批判に照しても、私はかつてのコミンテルン時代が再び来て、コミンフオルムがあの世界政策遂行のために独裁権を振つたところのコミンテルンに転化するのではないか。従つてそうなればただいま加盟している八箇国だけの問題ではなくて、すでにこれが世界各国の共産党に対して、ある種の権力を振つているのではないかと考えられますし、最後にはこれが再びコミンテルンとして復活するのではないかと私は考えますけれども、その点の御見解をお聞きしたいと思います。
  104. 与謝野秀

    ○与謝野政府委員 お答えいたします。コミンフオルムと、かつて存在していて一九四三年に解散いたしましたコミンテルンとは、組織、規模等においては大きな差があるのであります。コミンテルンは六十数箇国の代表からなつております。コミンテルンの本部はモスクワでありまして、コミンフオルムの本部はルーマニアの首府のブカレストであります。また規約というようなものもコミンテルンにはあつたのでありますが、コミンフオルムの規約というものは別段ない。こういう表面の違いというものはあげられるのでありますが、実質的に共産党の指導下にある国際共産党機関という点においては、少しもかわりはないのであります。以前はもつぱらヨーロツパにその活動が集中されていたのでありますが、おそらくまたこれが他の方面にも、その指導性が現われて来るということもあり得ると思うのであります。ちようどコミンフオルムかできましたころに、英国の当局で、これはコミンテルンの復活だということを申したこともあつたように、記憶いたしておるのであります。  なお先ほどのお尋ねのスターリンの死後の指導者はだれかということは、新聞等にマレンコフ氏であろうという推測は載つておるのでありますが、われわれとしては何も申し上げるだけの資料は持つておりません。
  105. 西村榮一

    西村(榮)委員 簡單に議事進行について申し上げます。  先ほど来の質疑応答を承つておりましてしみじみ感じたことは、今日の外交は講和に重点が向けられておるようでありますが、しかしこの問題はわが国の国民がその意のあるところを国際間に明示して、もつて朝野両党の主張を明らかにするとともに、日本国民の希望を列国に認識してもらうというところに、本委員の主たる任務があると思うのであります。私はこれを考えてみるときに、この問題を論議するには、少くとも国際法あるいは従来の外交上の慣例というようなものの、区々たる外交技術の問題を論議するのではなしに、この大きなアジアの平和と、日本の中立性をどう維持して行くかということが、わが国の最高の問題である。この問題を解決せずに、局長や政務次官が御答弁なさるにはもちろん限度があると思う。これは同僚議員からしばしば述べられたと思うのでありますが、少くとも特定の外国の影響下にある政党が、特殊の意図をもつて発言するならばいざ知らず、真に国を憂え、アジアの平和を国民の代表がここに論議せんとするには、わが国現下の政治の最高の重要性を持つたものでなければならぬ。先ほどの御答弁でも、講和会議に対して発言権なしという簡單な御答弁であつたか、一体講和会議に対して、わが国が発言権がないという法律的な根拠がどこにあるのであるか。発言権なしと断定を下される根拠はいずこにありや。法律的には少しもない。こういうような問題も政治の最高の問題であつて、わが国の運命を決する大事な問題である。これに対して局長や政務次官が御答弁なさるには限度を越えた問題である。少くとも法律の解釈、前例というようなものを飛躍した新しい政治的な観点に立つて、わが国の行くべき方向を目ざして行くのが、朝野両党の政治家に與えられた重大な問題であると思うのです。これは同僚議員からもしばしば提言されたと思うのでありますが、外国の影響を受けざる日本社会党として重ねてここに提言いたしたいことは、次の委員会には必ず外務大臣が御出席なさるよう、委員長においておとりはからいを願いたい、こういうことをくどいようでありますが、重ねて議事進行上提案する次第であります。
  106. 岡崎勝男

    岡崎委員長 西村君にお答えいたしますが、こういう種類の問題は西村君のおいでになる前にいろいろ議論がありまして、来る十三日の月曜日の理事会でよく御相談することになつておりますので、さよう御承知を願いたいと思います。  時間が大分過ぎておりますか、一時に内閣委員会との合同審査会があるのですが、続いて佐々木君。
  107. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 本日は先ほど竹尾委員からお話のありましたコミンフオルムのアジアにおける活動と、日本における共産主義活動について、外務当局並びに法務府当局の見解をただしたいと考えておつたのでありますけれども、法務総裁は出席がありませず、また私はこれを了承いたしましたので、従つて本日は外務当局に対する一、二の点だけを簡單に質問をいたしたいと考えます。  まず第一にはアジアにおける共産主義勢力の現況につきまして、御説明を願いたいと思うのであります。すなわちソ連共産主義勢力のアジアヘの南進政策は、中国大陸を制圧いたしました。中東を根幹といたしまして、漸次東南アジアに進出の動きを示しておりまして、仏印におけるバオダイ政権対ホー・チーミン政権の争いをめぐつて、非常な世界の注目を浴びておるところであります。もしこの仏印における共産勢力が勝利を得るということになりますと、必ずや仏印を根拠といたしまして、東南アジア全地域の共産主義勢力の進出か活発に行われるものと考えられるのであります。かくのごとき共産主義勢力の増大ということが、日本との講和進行の途上におきましても、幾多はからざるところの障害を若起し、ひいては日本もとより、アジア全域におきます民主主義の正しい発展を阻害することは言うまでもありません。従つて外務当局はこのアジアにおける赤化の現状並びに見通しについて、どのような見解を持つておるかということが、まず承りたい第一点。  さらにコミンフォルムの最近の活動状況についてでありますが、一九四九年コミンフォルムがソ連共産党の指導下において、東ヨーロツパ諸国の共産党によつて結成されましたときに、これと相呼応いたしましてその年の暮れごろでありましたか、極東にも極東コミンフオルムが結成されたという報道があつたのでありますが、その後どういうふうな動きを示しておるか。またコミンフオルムの性格や、最近のコミンフオルムが野坂君に対して與えました痛烈な批判、すなわち野坂理論というものは帝国主義の召使であると罵倒したことや、これに対して野坂君が自己批判におきまして、国際的関連性をもみずから見ておることなどによりまして、日本の共産活動というものも、当然コミンフオルムとのつながりがあると考え、一般に信じられておるわけでありますが、外務当局はこれらに対しましていかなる見解を持つておるかという点につきまして、まず一点承つておきたいと思います。
  108. 与謝野秀

    ○与謝野政府委員 お答えいたします。アジア諸国の共産党はコミンフオルムには正式に参加いたしておらないのでありますが、従来も毛沢東その他中共の幹部というものは、コミンフオルム機関紙に論説を寄稿していたり、密接な連絡があるということをうかがわせる事実があつたのであります。昨年の十一月の後半に、北京で世界労連の主催アジア大洋州労働組合会議というものが開催されまして、ソ連のほかアジアの十三箇国、中国、北鮮、南鮮、蒙古、インド支那、シャム、マレー、インドネシア、フィリピン、ビルマ、セイロン、イラン、インド等の共産党労働組合の代表がこれに参加したのであります。その結集北京に常設機関と、世界労連アジア連絡事務局というものが設置されたということが公表されたのでありますが、本部を北京に置きまして、ことしの一月一日から発足したのであります。イギリスの官辺などでは、これがつまりアジアのコミンフオルムの役目を勤めるものではないか、こうみなしている向きもあるのであります。われわれとしては将来ブカレストにありますコミンフオルムが、直接アジアの共産党を指導するのか、あるいは北京における事務局がこれにかわるというのかということを、的確に申し上げる証拠は何も持つておらないのであります。また従来も極東コミンフオルムというものが、あるいはハルピンとか、あるいはウラヂオにあるのではないかということが、しばしば伝えられたのでありますが、これも何らわれわれとして根拠のある新聞報道というものには、ぶつからなかつたのであります。アジアにおける共産主義運動の性格、これはヨーロツパにおけるものと多少違つておるのでありまして、一方に反帝国主義運動という性格を持つていると同時に、反封建闘争、こういう形態をとつて来て、大体においてヨーロツパよりも遅れている農民運動、また長い間植民地でありました関係から、民族の独立運動、こういう両面から闘争が行われているというのが、アジアの共産運動の特色であると思うのであります。現在共産運動が最も活発なのは、中共と陸続きのインド支那及びビルマでありまして、ビルマでは共産党が政府に対して武力抗争を行つておる。インド支那では共産系のホー・チーミン政権が、フランスのあと押しをしておるバオダイ政権及びフランスの軍隊との間に抗戰を続けておるのであります。最近ソ連並びに中共政府はホー・チーミン政権を正当のヴエトナム政府として承認したのであります。このホー・チーミンの前身につきましては諸説があるのでありますが、モスコーにおいて共産党の指導者としての訓練を受けて来た人物だということが、ほぼ確かなようであります。その他の国においては、共産主義運動はあまり活発ではない。マレーでも一昨年五月以来ゲリラ活動があつたのでありますが、最近は下火になつた。フイリピンにおける共産党の活動は、最近では急激に衰えているというのが現状でありますが、現在一番注目を浴びているのがインド支那、ヴエトナムであります。これは国境まで中共軍が参つておりますし、そのホー・チーミン軍に対する連絡がどうなるかということは、今日のところまだわからないのでありますが、たとえば今日の新聞を見ましても、アメリカ政府はバオダイ政権に対して多額の援助を考えているというようなことが伝えられますのも、共産勢力の南下に対する防壁として、非常に仏印の重要性というものがふえている、こういうふうに考えるのであります。なお日本の共産党とコミンフオルムの関係いかんという御質問があつたのでありますが、これは今年の一月コミンフォルムの機関紙が野坂氏の論文を批判し、最近は野坂氏が自己批判を発表された。その経緯によつて御了解を願いたいと思うのであります。われわれとしてはそれに附加して何も申し上げる材料を持つておりません。
  109. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 よくわかりました。時間の関係上もう一点だけにとどめておきます。マッカーサー元帥が去年の七月四日のアメリカの独立記念日に際しまして、長文の重大声明を発表いたしましたが、この声明の中におきましてマツカーサー元帥は、民主主義と共産主義というものを対比いたしまして、民主主義というものは人類の普遍的原理であるというのに反しまして、共産主義は破壞と暗殺と暴力とを事とするテロリズムである。従つてかくのごとき共産主義活動法律によつて是認し、保護するということは疑問であるとの結論を、われわれ日本国民に投げかけておるわけなのであります。なおまた先ほどから問題になつております野坂君の自己批判におきましても、これはおそらく野坂君個人の自己批判ではありまするけれども、共産党の正式機関紙であるアカハタに野坂君が発表いたしました声明でありまするから、当然これは日本共産党の性格と今後の方針というものをさし示すものであると考えて、さしつかえないと思うものであります。この野坂君の自己批判におきまして、彼は明らかに議会否認の思想を開陳しておる。また暴力革命の方向を示唆しております。なるほど新憲法によりまして思想の自由は保障されております。しかしながらその思想というのは、あくまでも基本人権の擁護の上に立つた民主主義に基くものでなければならないと考えるのであります。思想の自由が保障されておるからといつて、軍国主義や超国家主義が許されようはずはないのであります。われわれはポツダム宣言の命ずるところに従つて、正しい日本の民主化を実行しなければならないと考えております。従つてこのままに共産主義活動というものを放任しておきますることは、單に日本における正しい民主化の発展を阻害するのみでなく、ポツダム宣言の命ずるところの精神そのものにも反するのではなかろうかと考えるのであります。これに対して外務当局はどういうふうに考えるか。とりわけ先般の本会議場におきまする吉田総理大臣の言葉の中にもありまするごとく、講和を阻害するものはむしろ共産党であるということすら言つておられるわけでありまするが、このように講和の前提をなすべきことが国本の正しい民主化であるというときに、その正しい民主化を阻害するものが日本における共産党活動であるというならば、共産主義の活動というものは当然講和を阻害しておるものと考えなければなりません。従つてこの講和を阻害しておる共産党の活動に対して、外政をあずかつておりまする外務当局はどのような見解を持つておられるか。またこれに対していかなる対策を用意せられておるか。本日は法務総裁からも承りたいと考えましたが、これは外政に関する問題でありますから、外務当局責任において御答弁を願いたいと存じます。
  110. 島津久大

    島津政府委員 お答えをいたします。ポツダム宣言の忠実な履行、すなわち民主政治の確立が講和問題の解決を促進する最善の方途のあるということは、総理がたびたび繰返して述べておられるのであります。日本の共産運動がただいま仰せのように、日本の民主政治の確立を阻害するようなものであるといたしましたならば、その場合は講和を妨げる結果になるであろうと考えます。また対策につきましては、外政に関係があるというお話でございますが、これは外務当局ではお答え申しかねるのであります。
  111. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 さらに関連して承りたいのでありますけれども、時間の関係上私はこのへんでとどめておきます。
  112. 聽濤克巳

    聽濤委員 関連して……。今佐々木委員から共産主義の問題、日本共産党の問題、コミンフオルムの関係、ポツダム宣言の関係、いろいろ話が出まして、そうして外務当局のこれに対する意見対策を求められておつたのですが、私はまず委員長にお伺いしたいのですが、この外務委員会日本共産党に対する論議あるいはそういう共産党がどうのこうのという論議をやつて行くというこの空気は、まるで非日委員会か何かのような性格を持つて来てるように思う。一体どういうわけでこういうことが論議されるか。大体あなたはこれを非日委員会的なものにお考えになつておられるのか。こういうことが一体外務委員会の職責の中にあるのかどうか。お伺いしたい。
  113. 岡崎勝男

    岡崎委員長 聽濤君の御質問お答えいたします。外務委員会としては渉外問題についての事柄を担当しておることは申すまでもありません。そこで、佐々木委員の御質問は、講和條約促進に関して日本共産党もしくは一般の共産主義活動が、これを阻害するものであるかどうかという御質問でありますから、その範囲においては外務委員会関係のある事項だと考えております。
  114. 聽濤克巳

    聽濤委員 よろしゆうございます。それなら私もう一つお伺いいたしますが、一体共産党が講和を妨害してるというようなことを首相初め委員諸君が言つておる。しかしどういうことが講和を阻害しておるのか、ちつともはつきりしておらない。しかもわれわれは全面講和を主張しておる。これは社会党でも民主党でも主張しておる。あるいは日本国民全体の要求でもある。ところが実際に講和を阻害し、あるいはポツダム宣言に違反しておる云々のことを言つておりますが、共産党はいつポツダム宣言に違反したか。われわれはポツダム宣言を最も嚴正に実施すベきであるということをほんとう政府に対して要求しておる。一体民自党並びに吉田内閣は何を言つておるか。吉田内閣はいろいろなことを言つておりますが、台湾の問題についていつかこういうことを言つておる。つまり国際関係の推移によつてどうにもなりませんというようなことを言つておる。先ほど私が川村政務次官に対してだめを押したのも、こういう重大な問題について発言できないというようなことは、非常に不明朗なものを残すから、政府のためにはつきりしたことをお答えなさいと言つたにかかわらず、終始一貫発言はできませんというようなことを言つておる。これは決して偶然の発言じやないと思う。これは民主自由党の諸君の中にこそ、ポツダム宣言を否定し、これを破壞するような言動が行われておることははつきりしております。一体共産党の問題を講和と関係のある問題として取扱うことができるというのは、何の意味ですか。そういうことがあなた常識で通りますか。はつきりしたお答えを願いたい。
  115. 岡崎勝男

    岡崎委員長 通ると私は考えております。
  116. 聽濤克巳

    聽濤委員 事実ははつきりしておる。こういう外務委員会のやり方というものは、明らかに非日委員会的な方向に向けようとする陰謀だ。許すことはできない。大きな問題だ。  もう一つ川村政府委員にお聞きしたいのだが、今佐々木委員質問趣旨にもあつたように、外務省は何か共産主義に対する対策を考えておるかのごとき発言をしておるが、いつあなたは法務府と同じようになつた。一体共産党に対する対策を研究し、これを準備しつつあるのか。具体的な事実を述べてもらいたい。
  117. 川村松助

    川村政府委員 お答えいたします。共産党の対策ということになりますと、外務省の所管でありません。もし必要があれば法務府の方で所管するものと思います。
  118. 並木芳雄

    ○並木委員 私はきよう大事なことであるけれども、微妙であるから質問をやめようと思つていたのですが、先ほど西村さんからもちようど発言がありまして、やはりこれは確かめておかなければいかぬということがわかりましたので、特に政府当局にお伺いいたします。西村さんの発言の中に、講和会議に対して発言権がないという根拠もないということがあつたのです。私どもは大体講和会議に対しては発言権はない。しかし国民の希望、熱意、こういつたものは十分意見を闘わし、発露して、そして向うである程度それをしんしやく、あるいは受入れるであろうと解釈しておつた。ところが西村さんが断定されましたように、発言権がないという根拠もないのだということがこの委員会で取上げられて、これが私たちが默つておりますと、国民はやはり講和会議に対して発言権があるのかというふうに、解釈される向きがあるかもしれないと思うのです。この間実は吉田首相が降伏文書は一種の條約である、あるいは契約であるからというような答弁をされていると私記憶しております。これにも関連して来るのでございまして、連合国最高司令官の権限に関するマツカーサー元帥の通達という一九四五年九月六日の文書によりますと、こういうことが書いてあります。われわれと日本との関係は契約的基礎の上に立つているのではなく、無條件降伏を基礎とするものである。それからその下の方へ行つてポツダム宣言に含まれている意向の声明は完全に実行される。しかしそれはわれわれがその文書の結果として、日本との契約的関係に拘束されていると考えるからではない、こういうことがあるのです。こういうような一連の行き方から見ますと、吉田総理大臣答弁された條約的なもの、あるいは契約的なもの——どういうふうに言われたか正確なことは速記録を見なければわかりませんが、それがやはり誤りではないかと私は思うのです。ですからそういう答弁をされますと、やはり国民の間では降伏文書でさえもそういうような関係に立つものならば、講和條約もまた対等のものではないか、そうするとわれわにも発言権ができて来るのではないかと思うのですが、この点をひとつこの機会に明らかにしていただきたいと思います。
  119. 西村熊雄

    西村(熊)政府委員 並木委員の御質問の第一点に対してお答えいたします。たしか前国会でございましたと記憶しておりますが、参議院の太田委員の御質問に対しまして、総理から、講和会議については連合国の方で大体平和條約というものは、その永続性のためにはできる限り敗戰国国民国民感情、ないし要望というものを虚心担懐に聞いて、それを入れた趣旨の條約がでることが、けつきよく條約そのものの永続性のために望ましいということを考えて、十分日本側の希望などを聞いていただけるものと自分は思つております、そういう趣旨の御答弁がございました。それを答弁にかえたいと思います。  第二点の、先日の予算委員会でございましたか、西村委員の御質問に対しまして、総理お答えになりました点をお取上げになりました。私もそのときの議事録を拝見いたしましたが、議事録によりますと、総理は御答弁中に、自分は法理論はよくわからないから、法理論をやるのではありませんということを述べておられます。また繰返し降伏文書は国際法で言う條約ではありませんかという西村委員の御質問に対しまして、條約ではある。しかしながらその内容は無條件降伏を内容とする條約である。内容が無條件降伏であるということを総理は繰返し御答弁なさつております。その点をまず申し上げたいと思うのでございます。  御承知のように今度の戰争で、連合国は無條件降伏で戰争を終結させるという建前で一貫して参りました。日本に対しましても同様でございます。ただ日本の場合には他の国の場合と違いますが、降伏後の日本取扱いにつきまして、米英華三国間で方針を決定いたしまして、ポツダム宣言といたしまして発表し、日本がこの宣言を受諾するならば、戰争終結の機会を與える、こう言つたのでございます。日本は二十年八月十四日にこの宣言を受諾いたしました。九月二日の降伏文書はこの受諾を確認したものでございます。この文書はごらんになりますとわかりますが、まず第一に日本の代表が、天皇、政府、大本営の名において、三国政府の首班が発布し、その後ソ連が参加いたしました。ポツダム宣言を受諾しますということをはつきり書いております。そのあとに日本側でとります措置、具体的に申しますと、軍隊の無條件降伏の布告をする。軍隊及び臣民の敵対行為の終止、各種資材の保存、政府機関の連合国よりの要求に応諾せよとの命令を出す。軍隊の無條件降伏の命令を出す。官庁、軍隊の職員は連合国最高司令官の命令を遵守しろという命令を出すということをうたつております。そうしてその次にポツダム宣言を日本は忠実に履行するということを約束いたしまして、日本の支配下にある連合国の捕虜及び抑留者の解放を命じますということをはつきりし、最後に天皇及び政府の統治権が連合国最高司令官のもとに立つものであるということをはつきりさせております。そういうふうな條項のあとに、日本代表が署名しております。そうしてそのあとに承諾する、アクセプタブル、承諾すると言つて連合国軍の代表が九国のために署名しております。すなわち日本の降伏をよろしいと受諾した形式をとつておるのでございます。言いかえれば、八月十四日のわが国のポツダム宣言受諾による無條件降伏の確諾であると考えます。しかしながらわが国が受諾しましたポツダム宣言は、連合国の間で協定いたされました日本処理の基本原則を確定したものでございまして、自然連合国相互間には法的拘束力があると考えてよろしいでしよう。これを日本は受諾しているのでございますから、連合国——これは全然ないと思いますが、かりにポツダム宣言の原則にもとるというようなことがありと——私の方から仮定するのはまことに恐縮でありますが——仮定しますれば、たとえば四国を日本の領土から離すというようなことをしようとする。あるいは日本兵の帰還を遅らすというようなことがあつたり、また日本人を奴隷化しようというような政策をとるということがあつたり、または日本経済を破壊する措置をとるというようなことがあつたり、または非民主主義的の政策を立てようということがあつた、こういうことがあつたとするならば、これは日本としてそれはポツダム宣言の條項と話は違います。私どもの了解とは違います。こういうことは言えるのであろうと、こう思います。こういつた意味総理の御答弁を御解釈願いたいと思います。なお無條件降伏につきましては、余談にわたりますが、ハル長官の回悲録におもしろい長い記事が載つておるのでございます。この方式が採用されました経緯について詳しい論述がありますし、連合国の指導者の考えもよくそれでわかるのでございます。同長官は日本の場合につきまして、日本は條件付で無條件降伏の関門をくぐつたというような意味のことを申しておられます。その本は朝日新聞社から飜訳が出ておりますから、その飜訳書の無條件降伏という章をぜひ読んでいただきたいと思います。ことに並木委員にお願いいたします。そうしますと、総理がお言いになつた言葉の意味、気持もよくおわかりになるかと思います。以上をもつて答弁といたします。
  120. 並木芳雄

    ○並木委員 他の委員会が始まつておるからということで時間を制限されて来ましたから、ごく簡單に申しますが、今の御説明の中で最初の結局発言権はあるとか、ないとかいうことは、総理答弁を引用されて言われましたので、ぴんと来ない節もあつたのでありますが、結局そうすると、ないという結論ですか。それとも西村さんが言われるように、ないという根拠もないというはつきりした、つまり根拠というものはどうなんですか。それから第二点の方の、それでは総理が法理論はわからぬと断られたからしかたがないけれども、條約であると言つた点は、それはやはり誤りである。條約ではない。これはやはり條約でないのじやないのですか。條約ではないけれども、今西村さんの説明のように、われわれの発言は出て来る。こういうような解釈ですか。
  121. 西村榮一

    西村(榮)委員 議事進行について——関連しておるのですが、今の並木さんの質問はきわめて重要な問題であります。これは事務当局がお答えになるべき範囲ではない、かように考える。従つて国家の運命を決するこの重要なる問題は、よく主管大臣とお打合せになつて責任ある答弁が必要ではないか、こう思うのです。どうかひとつ並木委員におかれましてもこの点を了承されて、総理大臣から直接答弁せられるように御協力願いたいと思うのであります。何だか私がこういうことを申し上げると——かなり問題の重要性がありますから、さようにお願いいたします。
  122. 並木芳雄

    ○並木委員 なおその点は今後の研究にまつことにして、もう一つ簡單なことでありますが、この前天皇の細菌戰術について、戰争裁判ということについて政府は調査中である、こういうことでありましたが、その経過、結果及びこの間のボストン市会における国会議員の見学を拒否されたことについてのその後の情報が何かありましたならば、この機会にお尋ねいたします。
  123. 川村松助

    川村政府委員 天皇の戰犯裁判についての調査の件を御報告申し上げます。パーニユシキン駐米ソ連大使が、去る一日に天皇の戰犯に関するソ連政府の覚書を米国務省に手交したのであります。アメリカ国務省はこれに対しまして去る三日に声明を発表いたしまして、米国政府の態度を明らかにいたしました。その米国政府の声明の内容の一部を申し上げますならば、連合国の最高司令官は、極東委員会が新たに政策の決定を下すまでは、日本の天皇に対しましてどのような処置もとることはできない旨をはつきりしております。英国の官辺におきましては、英国政府が天皇戰犯裁判に不同意の意向を明らかにいたしております。その他フイリピンのキリノ大統領は、三日にソ連の要求を支持しない旨を発表いたしております。濠州もまた同様、その消息筋におきましては、アメリカ、イギリス両国が支持しない限り、反対するだろうということを発表いたしております。現在のところそういう状態でありまして、極東委員会スポークスマンも一日に、ソ連の態度が極東委員会の戰犯裁判についての政策決定と矛盾する旨を発表いたしております。天皇戰犯裁判の問題は連合国が決定する性質のものでありまして、連合国の見解が以上のような次第でありますと、その事情から判断いたしまして、ソ連の天皇戰犯裁判の要求は拒否されるものではなかろうかというような判断を下しております。
  124. 島津久大

    島津政府委員 ボストンの件に関しましては、その後も詳しい事情を聞いておりません。ただ議員のその後の行動につきましては、きわめて円滑に行つているように承知をいたしております。
  125. 並木芳雄

    ○並木委員 ボストンの問題はわれわれ非常に残念な遺憾な問題ですから、政府においても機会あるごとに、もしああいうふうな誤解——もちろん誤解でありますが、誤解の生じないようにおとりはからい願いたい。
  126. 岡崎勝男

    岡崎委員長 それでは本日はこれにて閉会いたします。次回は公報をもつてお知らせいたします。     午後一時三十三分散会