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床次委員 簡単に御質問申し上げますが、第五
国会に衆議院におきまして人口問題に関する決議をいたしたのでございますが、その要旨の第一は、国内でできるだけ人口を養うように
努力する。第二はある程度まで人口増加を抑制する。第三は従来の海外移民に関しまして、その
研究調査準備を行うとともに、
関係方面に対してあらかじめその援助を懇請する、こういうことにな
つておるのでありますが、
政府はこの問題に対しまして、いかなる処置をとられるかということについてお尋ねしたい。また来年度の予算等において考慮しておられることがありますれば、この機会に
お話を願いたいと思います。
第二の問題といたしまして近時
講和問題と同時に移民の問題が論ぜられておりますが、移民問題は
国際的に申しましても非常に微妙なものでありまして、われわれはこれに対しまして愼重な態度をも
つて臨むべきでありますが、人口問題といたしましても、またわれわれ
国民の社会的問題といたしましても、この移民の問題を解決することは、きわめて重要なのでありまして、この点諸外国から移民に対する悪い
意味の批判を受けないように、われわれはこの問題を論じて参りたいと存じます。
従つて将来の移民というものは、今までの移民とは違
つた形の移民であるべきであると思いますが、この点に対しまして
政府はいかように
考えておるか。われわれは将来に出すべき移民という問題につきましては、過去にありましたことく欠陥のある移民は改めなければならぬ。新しい反省を加えられた移民が出るべきであると思いますが、こういうことに対して、
政府は十分に
国民とともにこれを論じていただきたいと思うのであります。なおこの移民問題というものは、もちろん言論の自由でありますから、
国民がその希望を述べることについては、さしつかえないのでありますが、あやま
つて一部の過激な移民論が海外に出て参るというようなことがありましては、これは
世界の輿論を刺激することが多いのでありまして、百害あ
つて一利がないということもあり得るのでありますが、この点
政府といたしまして移民に対する所見を、さしつかえない限度において自由に発表していただきたいと思います。
第三に近ごろ
日本人にして海外渡航を認められる者が相当多いのでありますが、これらの海外渡航者が海外に参りましたときに、非常に好評を得るということになりますと、将来
日本人が引続いて多数渡航して働くことができるようになる、
一つの大きな契機になるものと思います。現在海外渡航をなす場合に、出発前にいかようなる準備をさせておるか。遺憾のない準備をして海外渡航をしておるかどうかということについて、この機会にお尋ねいたしたいのであります。
次に私は留学生の問題について、この機会にお尋ねいたしたいと思います。昨日新聞に発表せられておりますが、百四十何名の留学生が今日
アメリカに派遣せられることを得ますことは、われわれ
国民としてまこと感謝にたえず、喜ばしく
考えておるところでありますが、この留学生は来年度におきましても相当認められるものかどうか。現状とその将来について
お話をいただきたいと思います。
なお今日
アメリカにおきまして、
日本の留学生に対してかかる待遇をしておるので、われわれとして喜びにたえないのでありますが、反面現在
日本には戰時中に
日本に招致いたしました外国の留学生がなおおりまして、今日まで勉学を継続しておるのでありますが、この勉字状況を見て参りますと、学資に非常に苦しんでおるばかりでありませんで、衣食住の生活そのものに対しても、非常に困難を感じておるように認められるのでありまして、私
どもまことに同情にたえないものがあるのであります。これらの留学生は一日も早く学業を終え、あるいは
目的といたしました技術を習得して、それぞれ母国に帰るということになりますと、これは本人並びに家族が喜ぶばかりでなく、将来かの母国の人たちの間におきましても、非常に親善
関係を予想するものであり、われわれ
国民は
外交という立場から申しましても、われわれはこれらの留学生は放置しておけないものと思うのであります。もとより
日本は敗戰によりまして非常に状況がかわ
つて参りました。しかしながら
日本の
政府がこれらの留学生に対して、責任がないということは言えないのではないかと思うのでありまして、今日
アメリカが
日本の留学生に対して、非常に好意を持
つてこれを遇しておられるのと思いあわせますと、私
どもはこの
日本に来ておりまするこれらの外国留学生に対しては、十分なことはできないながらも、最善の
努力は盡さなければならないと思
つております。
政府のこれに対するお
考えはどうか。公私の機関を通じまして、できる限りその
対策を講じていただきたいと思うのでありますが、
政府の御所見をさしつかえない限り伺いたいと思います。