○受田
委員 放送局の
参考人の方は、まだよく実態をつかんでおられないので、御難儀なさ
つておるようであります。
責任あることをここでお答えになることについても、よほど苦慮なさ
つておると思いますので
——私はこの問題ついて、この前からしばしば申し上げた通り、こういう
見解を持
つておる。
放送局の今の
宮川参考人がおつしやる点は、あの問題は対
日理事会の
数字発表以前の問題であ
つて、
従つてこの点については、渉外局
発表を全面的に肯定する立場がとれなか
つた。一方を刺激するということは、客観的に見ても非常によろしくないというような
見解から、一応これを拒否したのだという論点は、私はある
程度うなずけると思うのであります。なぜかというと、倭島さんもここにおられるが、対
日理事会の様子を私が
質問したとき、まだ正確な
数字はここで
発表できない、明日何か対
日理事会で
発表があるだろうということを言われたのであります。この実態調査が
はつきりしていなか
つた。その実態調査は未帰還の
数字の実態の明らかなものを、まだ示す時期に達していないと言われておる。そういう点については、対
日理事会で
数字的根拠が明らかにされたような
関係にな
つておるので、それ以後
放送局は、客観情勢は三十七万を正当なものと認めるように
考え直されたという点は、情勢を的確につかんでいると思うのです。なおこの
原稿拒否、
放送拒否の問題に関して、
長野の島立さんの請願書が電通
委員会へ出ておるのですが、その
内容は、全面的に
放送させろということでなしに、こういうことが書いてあるのです。「今後
引揚げ促進に関する
放送は不可能となり、輿論喚起に一大支障を来し、致命的打撃を受けることになり、しかもこれが本県のみでなく全国的に影響をこうむりますので、貴
委員会において徹底的究明を願い、当方の
原稿に支障のない点のみでも
放送し得るよう御配意を仰ぎたい」こう書いてあるのです。
従つて請願の趣旨そのものが、この
原稿そのものとして
放送させろということでなくして、支障のないところだけでもよいから
放送させてくれるように
委員会はとりはからわれたいというのが請願の趣旨にな
つておる。全面的に
放送させてくれという請願でなしに、適当なところだけでもよいから
放送させてくれという趣旨にな
つている。そういう点からも、この
長野県の請願の趣旨は、この
箇所という不穏当な点があれば、そこを修正して
放送させてくれという趣旨だと思う。そういう
意味からも、客観情勢が対
日理事会の以前と以後で違
つておるから、今後はこの点については、十分われわれ客観情勢と
数字の根拠を明らかにした立場で信用するというような
意味で
放送局が
考えておることになれば、過去のあやまちをあまりここで
云々するよりも、今後の
放送局の
態度に対してわれわれ要望をしておるのであ
つて、過去を責めて
責任の究明ということで言うならば、客観的情勢は、
政府そのものが
数字を
発表していなか
つたわけであり、この点については、その後の情勢とそれ以前の情勢とは
はつきりと変化しておるのだから、これはあまり追究する要はないと私は思うのです。