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1950-04-30 第7回国会 衆議院 運輸委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月三十日(日曜日)     午後一時四十八分開議  出席委員    委員長 稻田 直道君   理事 大西 禎夫君 理事 岡村利右衞門君    理事 關谷 勝利君 理事 前田  郁君    理事 米窪 滿亮君 理事 林  百郎君       岡田 五郎君    尾崎 末吉君       尾関 義一君    黒澤富次郎君       土倉 宗明君    坪内 八郎君       畠山 鶴吉君    滿尾 君亮君  出席政府委員         運輸事務官         (大臣官房観光         部長)     間嶋大治郎君         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      足羽 則之君         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  石井 昭正君         海上保安庁長官 大久保武雄君  委員外出席者         議     員 今村 忠助君         運輸事務官         (民営鉄道部監         理課長)    梶本 保邦君         運輸事務官         (中央気象台人         事課長)    大山 平敏君         運 輸 技 官         (港湾局管理課         長)      松村 清之君         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 四月二十九日  委員黒澤富次郎辞任につき、その補欠として  清水逸平君が議長指名委員に選任された。 同月三十日  委員清水通平岩及び片岡伊三郎辞任につき、  その補欠として黒澤富次郎君及び田中豊君が議  長の指名で委 員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  地方自治俵第白三十六條第四項の規定に基き、  海上保安監部及び海保安部設置に関し承認  を求めるの件(内閣提出承認第六号)  閉会中の審査に関する件   請願  一 山陰線電化促進に関する請願稻田直道君    外七名紹介)(第二四〇〇号)  二 運輸省施設火災による類焼建物及び商品の    損害賠償に関する請願今村忠助紹介)    (第二八二二号)  三 戦時買収運輸省用地拂下げに関する請    願(今村忠助紹介)(第二八二三号)  四 草軽電気鉄道国営移管に関する請願(中曽    根康弘肴紹介)(第二六六五号)  五 草軽電気鉄道営業路線縮小反対等に関す    る請願田渕光一紹介)(第六三六号)  六 地方鉄道豊練買上げに関する請願大野    伴睦君外一名紹介)(第二八三七号)  七 私鉄会社に対する石炭補給金復活に関する    請願西村榮一紹介)(第二八六七号)  八 気象官署拡充に関する請願門司亮君外六    名紹介)(第六一九号)  九 北海道における気象官署職員定員増加に    関する請願浦口鉄男紹介)(第二四五    八号) 一〇 気象関係職員給與改善に関する請願(田    代文久君外一名紹介)(第六八四号) 一一 同外十三件(土橋一吉紹介)(第六八五    号) 一二 同(福田繁芳紹介)(第七六一号) 一三 同(島田末信紹介)(第七九六号) 一四 同(成田知巳紹介)(第一〇五一号) 一五 江口港導流堤災害復旧工事実施促進請願    (岩川與助紹介)(第九九三号) 一六 師崎港修築請願久野忠治紹介)(第    二六〇七号) 一七 小倉港修築に関する請願平井義一君紹    介)(第二八二四号) 一八 廣島港を塩輸入港に指定請願森戸辰男    君外一名紹介)(第六七三号) 一九 職人食糧仲継港として舞鶴利用に関する    請願大石ヨシエ紹介)(第一七〇一    号) 二〇 輸入塩仲継港として舞鶴利用に関する請    願(大石ヨシエ紹介)(第一七〇二号) 二一 油津、細島両港を沖縄向け輸出港に指定の    請願(川野芳滿存外五名紹介)(第二五八    二号) 二二 函館港を観光港指定並びに道南地帶の観    光施設整備に関する請願冨永格五郎君外    二名紹介)(第一一三八号) 二三 瀬戸内海沿岸観光港及びヨソトハーバー    整備に関する請願塩田賀四郎紹介)(    第一四三九号) 二四 瀬戸内海港岸地域観光ホテル設置請願    (塩田賀四郎紹介)(第一四三九号) 二五 熱海竹之沢に国際観光ホテル建設に関する    請願畠山鶴吉紹介)(第一七八一号) 二六 熱海湾競船場設置に関する請願畠山鶴吉    君紹介)(第二八三三号) 二七 元船舶運営会船員退職手当金に関する請    願(米窪滿亮紹介)(第一二〇四号) 二八 船員に対し越冬生値補給金即時支給請願    (米窪滿亮存外四名紹介)(第五六九号) 二九 港湾法案の三都修正に関する請願三浦寅    之助君外二名紹介)(第一〇〇〇号) 三〇 同(松澤兼人君外一名紹介)(第一〇〇一    号) 三一 五大都市港湾協議会からの港湾法案に対す    る修正案反対請願前田郁紹介)(第    二三四六号)     ―――――――――――――
  2. 稻田直道

    稻田委員長 これより運輸委員会を開会いたします。  地方自治法第百五十六條第四項の規定に基きまして、海上保安監部及び海上保安部設置に開し承認を求めるの件を議題といたし、審査に人りたいと思いますが、その前に念のために御報告いたしておきたいのであります。  本件承知通り、去る二十七日内閣より提出せられ、同日本委員会に付託になつたものてありまするが、昨日本件と密接な関係を有する海上保安庁法の一部を改正する法律案が本院において修正議決せられまして、その結果本件はその内容幾分齟齬を生ずるようになつたわけであります。参議院におきましては、本日午前中に内閣委員会て、先ほど申し上げました海上保安庁法の一部を改正する法律案を、本院送付通り議決いたしまして、この法律案参院通過の見込みがほほ確実となつたのであります。従いまして、本日政府が各位のお手元に配付いたしてありますような、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基きまして、海上保安監部及び海子保安部設置に関して承認を求めるの件を修工をいたして提出いたして来たのであります。よつて本件はこの修正されたものが原案となつたわけでありましてこれにつきまして審査をお願いするわけなのであります。念のために御報告いたしておきます。  それではこれより本件趣旨について政府説明を求めます。大久保局長
  3. 大久保武雄

    大久保政府委員 ただいま提案されました海上保安監部及び海上保安部設置に関し承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたしたいと存じます。  海上保安庁法の一部を改正する法律案の施行に伴いまして、海上保安庁法第十三條の規定に基いて、管区海上保安本部事務の一部を分掌させるため、海上保安監部その他の事務所設置する必要があるのであります。  海上保安庁は急速に発足いたしました関係もありまして、地方機関設置におきましてまた業務運営上におきましても、種々不便の点がございましたので、この機会海上保安署とか、船舶検査分室とかの事務所を発展的に解消させ、その実質的な内容盛つた実施機関といたしまして、比較的広い管轄区域を持ち、業務量の多い海上保安監部を大阪に置きますほか、所要と認められる地三十九箇所に海上保安部設置いたしまして、業務運営に遺憾なきを期する必要があるのであります。  以上簡單でありますが、この承認を求めるの件の提案理由の御説明を終ります。何とぞ慎重御審議あらんことを希望いたします。
  4. 稻田直道

    稻田委員長 これより質疑に入ります。
  5. 關谷勝利

    關谷委員 本承認を求めまする件は、当然の処置と考えまするので、この際質疑討論を省略いたしまして、ただちに採決あらんことを望みます。
  6. 稻田直道

    稻田委員長 關谷君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 稻田直道

    稻田委員長 御異議なしと認め、質疑討論を省略し、ただちに採決に人ります。  本件承認を与うるに賛成の諸君の御起立を求めます。     〔賛成者趣立
  8. 稻田直道

    稻田委員長 起立多数。よつて本件承認を与うるに決しました。  なおお諮りいたします。本件に関する委員会報告書の作成は、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 稻田直道

    稻田委員長 御異議なしと認め、さようとりからいます。     ―――――――――――――
  10. 稻田直道

    稻田委員長 なおこの機会にお諮りいたしたいことがあります。近く会期も終了になりますが、本委員会といたしましては、閉会中も適時委員会を開いて、国政に関する調査を進めて参りたいと思いますが、委員会閉会中に審査をいたしますためには、国会法第四十七條第二項によりまして、審査しようとする事件について、特に議院の議決によつて付託されなけばなりません。従いまして、この機会に陸運に関する事項及び海運に関する事項観光に関する事項について、閉会審査をしたいということを、議長まで申し出ることにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 稻田直道

    稻田委員長 御異議なしと認め、さようとりはからうことにいたします。     ―――――――――――――
  12. 稻田直道

    稻田委員長 次にこれより請願審査に入りますが、その前に請願審査方法についてお諮りいたします。本日も前会における審査方法と同様、御出席になりました紹介議員のみ紹介説明を承ることにいたし、他は文書表によつて承知を願うことにいたしまして、ただちに政府の御意見を承ることにいたしたいと思いますが、この取扱いに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 稻田直道

    稻田委員長 御異議なしと認め、そのようにとりはからいます。  日程第一、山陰線電化促進に関する請願稻田直道外七名紹介第二四〇〇号。稻田直道これを説明いたします。  山陰線電化促進に関する請願敗戦日本の急速なる再建をはかるため、官民一致団結して、あらゆる産業を動員し、国をあげてその実現に懸命なる努力を結集しているのでありますが、当山陰地方は、地理的環境から交通運輸機関の恩恵に浴することきわめて少く、従つて地方産業文化振興に多大なる障害を招来しておる現状であります。ついてはこれが唯一打開策は、山陰線電化にありとして、地元各県においては、昭和の初期より機会あるごとにそれぞれ関係方面に対し、至急電化実施方懇請いたしているのでありますが、昨年七月衆議院運輸委員一行の現地調査団来陰を機会に、地元兵庫鳥取、島根の三県相はかり、山陰線電化促進期成同即を結成し、山陰線、特に遂道数において全国第二位を占める豊岡鳥取間電化実現をさらに一段と促進することとなりましたので、事情御賢察の上、何とぞ至急御実施賜りたく、ここに別紙計画概要相添え、表記国会議員紹介により、地元県民三十五万の熱意ある署名とともに、つつしんご請願申し上げますというのが、請願要旨であります。  地元県民、各府県民、三十五万名の熱意になる請願文書が届いておりまするが、この請願文書は別に保管してあります。地元選出議員八名の紹介なつているものでありまして、稻田直道これを紹介する次第であります。  山陰道交通機関は、表日本に比しまして、極度に圧迫されるため、非戰災地であり、かつ生産地であるところの裏日本には、国家再建に必要なる原材料、特に緊急を要する木材、その他農林水産物を豊富に包蔵しておりますが、滞貨の一途をたどり、反面生産に必要なる資材は涸渇して、極度に生産を障害しております。  山陰と京阪神を結ぶ最短距離の当山陰線には、林産資源が未開発のまま残されており、しかして鳥取豊岡間には延長百九十九メートルの桃観トンネルを初め、隧道、急勾配区間多く、D五一機関車牽引常数五十八両、一日わずかに百六十両、二千四百トン程度貨物を輸送し得る程度にすぎません。前記のごとき背後の滞貨は一掃しきれない現状であります。従つてこの線を電化することにより、輸送力を強化し、産業振興に寄与せんとするものであります。  次は保険衛生に関する件でありまするが、鳥取豊岡間八一・九キロのうち、隧道三十六個であり、数においては全国第二位であり、またキロ程に対する隧道の数においては、全国第一位という実情で、全線の二四%までが隧道区間であります。窓外より間断なく侵入する煤煙と高温度に吐き出す蒸気の悪臭に悩まされ、従業員の作業困難となり、旅客並びに乗務員苦痛は甚大なるものがあり、夏季等には窒息状態に陥ることがある。これらの事故は、電化することにより除去され、旅客従業員苦痛もなく、ひいては当地方の人心も従つて明るくなるものであります。山陰の陰という字は、トンネル電化することによりまして、山陽と同じように明るくなるという、山陰人土希望であります。この区間運転用電力は、既設の電力綱が貧弱で、所要電力現地で調達することが困難でありますので、福知山附近より鳥取方面まで送電線を新設し、裏日本山陰電力融通連絡送電線となる利点があります。  その他いろいろ請願書には申し述べてありまするが、これ以外は申し上げませんから、速記だけには載せておいていただくようにお願いいたします。  これに対する政府の答弁をお願いいたします。
  14. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 ただいま御説明にありました通り、同区間は非常にトンネルも多く、また勾配も多い線区でありまして、これを電化いたしますことは、地方産業振興上まことに有益なところと存じておりまして、当局といたしましても、ぜひやりたいと考えておるのでございます。しかしながら御承知のように電化区間は、全区間のいまだ八%にしかなつておらないような状況でございます。特に石炭節約という国家資源的な見地から見まするときは、まず東海道、山陽というような、輸送力の多い線区電化を優先的にいたさなければならない関係に相なつておりまするのでこの練の電化につきましても、十分研究し、できるだけすみやかに御要望に沿うようにいたしたいと存じております。逐次電化の普及と相まつて、御希望に沿うようにいたしたい、かように考える次第てございます。
  15. 稻田直道

    稻田委員長 この際なおお尋ねしておきますが、政府はます第一に全国幹線を先に電化すると言うておりまするが、加賀山総裁裏日本にも幹線あり、表日本にも幹線がある。山陰線裏日本に関する幹線であるから、幹線だという取扱い上には、別に甲乙はないと言うておりまするが、政府もさよう存じておりまするか。
  16. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 私が申し上げました幹線という意味は、非常に輸送力が大きい線路という意味に申し上げたので委員長の誤解をいただきまして、まことに恐縮に存じます。お話通り幹線という建前から見ますと、山陽本線も山陰本線もまつたく同等であろうと私も考える次第であります。
  17. 稻田直道

    稻田委員長 政府並びにその筋の方面におきましても、電力がありさえすれば、鉄道電化はいつでも可能であると言うておられます。もちろん経費もいることでありまするが、地元の方で電力の用意ができましたならば、経費とにらみ合せまして山陰線といえどもなるべく早く電化するという方針に御異議ありませんか。
  18. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 お説の通りでございます。
  19. 稻田直道

    稻田委員長 まことにけつこうでございます。     ―――――――――――――
  20. 稻田直道

    稻田委員長 次に日程第二及び第三を議題といたし、紹介議員説明を求めます。今村忠助君。
  21. 今村忠助

    今村忠助君 この件に関連した事項でありますので、二つ一緒紹介いたしました趣旨を御説明申し上げたいと思います。この事の起りは、戰争の際におきまして、当時の鉄道省で、いわゆる強制的に必要な土地を買い上げたことに関連いたしておるのであります。当時所有者が出征中でありまして、他に適当の同じ本人の所有地がありますのでその方を御使用願うよう再三希望したそうでありますが、最初に測量したということを理由にして、何でもその土地を買い上げるということにしたそうであります。しかも聞けば、それが国営自動車車庫であるというので、家屋等に非常に接近しているから、火事等起きた場合のことを考慮して、いろいろ心配いたして申し上げますと、火災等が起きた場合には、当然責任を持つということも、その際はつきり述べられておつたそうであります。これを何か形式上書類にしてもらいたいことを希望したのでありますが、官庁は個人に対してさようなことはできぬということの理由をもつて書類等にしてはいただけなかつたそうであります。はたせるかなその車庫から火事が出まして、つまり土地を分譲いたしました側の建物も焼いたのであります。当時そのことについて係の者に申し出ますと、それでは損害見積額というものを提出して、その弁償を受けるようにしたらよかろうというおさしずがあつたというので、当時書類を出してあるのだそうであります。爾来何度か督促いたしたのでありますが、遂にそれに対しての御回答がないという状態であるとうことであります。  それと付随してのもう一件は、いわゆる政府買上げ土地は、戰争終つたあとにおいては返すであろうという公約が、当時あつたそうであります。しかるにこの車庫に使いました所は、その後都合上現在隣の村に車庫をつくる工事をいたしておりますので、この際であれば明けていただけるのではないか、こう思われるのでありまして、ぜひともこの二つの、すなわちむりして買い取つた所車庫をつくつて火災を起した類焼損害弁償と、もう一つ戦時中多少むりして買い上げられたところの土地が、今や不要になろうとておりますので、これを元の所有者に払い下げてもらいたいという、この二件を請願いたしておる次第であります。戦時中は多少かようなむりのこともあつたろうと想像されまするしすでに二つとも一応書類等も出して願い出ておるのでありますから。これらもひとつすみやかに解決していただくよう、お願いいたしたいのであります。
  22. 稻田直道

    稻田委員長 本件に対し、政府説明を求めます。
  23. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 最初自動車車庫火災のために、みそ貯蔵室二むねを類焼いたしたということであります。お話のように戦時中日本鋼管鉱石運搬のため、いわゆる戦力増強という、一日もゆるがぜにできないという当時の状況に非常に切迫されましてたいへん急いだために、あるいはお話通りに多少ごむりなような取運び方をいたしたということもあり得ることではあろうと私とも推測いたすのでありますが、しかしながらこの火災原因は、実は当時検察庁で原因を取調べまして、結局原因不明ということで法律的には、法律上の賠償責任が一応ないということになつております。当時名古屋鉄道局におきましては、その損害に対しましてお見舞金を持参したそうでございまするが、おそらく少額というようなことで拒絶せられ、正式に損害賠償を御要求になつているものと思うのでございますが、国鉄の見解としては、さように申しておるのでございます。しかしながらこの件につきまして、運輸省といたしましてお話を承りますのに初めてでございまして、特に今は御懇切なる、非常に御詳細なるお話がございましたので、ただいま私どもの承知しでおりますてんまつはその通りでございますが、もう一ぺん精査いたしてみたい、かように考える次第でございます。  それから用地払下げの問題でございまするが、これは現在ちの自動車営業所の本庫の用地として、戰時中買収いたしたものでございまするが、近い将来他へ移転する計画があるそうでございます。その際は時価をもつて元の所有者にお払下げをするということにつきましては、何ら異存はないようでございます。なお買収の際には、これもあるいは当時の事情から言つて、強制的ということかもしれませんが、一応條件というものは何もついていないそうでございます。しかしもちろん不要となつたものを払い下げる際には、旧所有者を優先する方針には、決して異存はないのであります。
  24. 今村忠助

    今村忠助君 この際申加えて、切にお願いしておきたいのでございますが、かようなことは、今度の新しい憲法における基本的人権の中にも明記され、またその他公のために土地を収用するについての規定等にも、大分修正が加えられまして、官庁といえどもやはり国民の所有するものを使用する場合には、当然法律にあることを守つてやらねばならぬと考えますので、どうかひとつ、国民が安心して憲法のもとよき文化生活のできるよう、官庁の側においては、かようなことの起きた場合においては、できるだけ寛大な御処置に出られるよう、この際重ねてお願いいたします。     ―――――――――――――
  25. 稻田直道

    稻田委員長 次は日程第六、地方鉄道豊州線買上げに関する請願大野伴睦君外一名紹介、第二八三七号でありますが、提出者にかわつて租田委員より説明をいたします。  本請願要旨は、豊州線は明治四十五年資本命三十万円で設立され昭和二十四年大分交通株式会社吸収合併をされ、大分県の穀倉宇佐郡を縦断する唯一交通機関であるが、軌道間二フイート六インチの簡易線で、しかも国鉄線に連結しないため、農産物の輸送等に大きい不便を感じている。ついては同豊州線の軌間を拡張され、並びに国鉄線乗入れのため、同線を買収されたいというのであります。  政府説明を求めます。
  26. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 豊州線国鉄買上げでございまするが、現在の国有鉄道といたしまして、新たに線を建設するとか、あるいは新たに地方鉄道買収いたしすことにつきましては、終戦後今日まで、いまだ実際に着手していないのでございます。しかしながら国有鉄道財政もほぼ均衡を得るようになつて参りまして、いわゆる健全財政の線に沿つて参りましたので、今後はそういう方面についていろいろ検討をいたさなければならぬと思うのであります。本件につきましても、その際にあわせて研究することといたしたいと思う次第であります。     ―――――――――――――
  27. 稻田直道

    稻田委員長 日程第四、日程第五について政府の御意見を求めます。
  28. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 草軽鉄道でございますが、本件につきましては、非常に経営が国難であるから、路線の一部を撤去したい、こういうことを申しておるのと、いま一つは、従つてそういう話があるから、国営に移管してほしい、こういうお話でございます。  一部営業廃止の申請につきましては、目下愼重事務当局審議中でございまして、いずれ運輸審議会に諮問して、運輸審議会意見によつてこれを処理することになると存ずる次第でございます。  国鉄移管の問題につきましては、ただいま豊州鉄道の際に申し上げましたと同様、将来研究問題として、ひとつ研究の時間を与えていただきたい、かように考える次第であります。     ―――――――――――――
  29. 稻田直道

    稻田委員長 次は日程第七について御説明を求めます。
  30. 梶本保邦

    梶本説明員 石炭補給金につきましては、運輸省としまして、大体におきまして電気動力とする私鉄は旋客輸送が主であり、石炭動力とする私鉄貨物輸送を主といたしております建前上、大ざつぱなわけ方てはございますが、貨物運賃が原価をはるかに下まわつた運賃しか収取していないから、せめて動力費として電力よりも高い石炭費について補給金をもらいたいということを、再三再四物価庁の方の関係官、あるいは大蔵省折価を続けて参つたのでございます。過去におきましては昭和二十三年から二十四年へかけての一年間につきまして、石炭補給金約一億六千万円を、全国石炭動力とする私鉄人十七社に分配いたしましたのが先例としてございますが、その後はいわゆる価格差補給金というものについての関係方面からの指元の次第もございまして、今日まで強い要望にもかかわらず、いまだ廃止されたまま復活に至つていない次第でございます。機会あるごとに運輸省としては補給金の復活について、関係方面と今後とも折衝を続けて行きたいと考えております。     ―――――――――――――
  31. 稻田直道

    稻田委員長 日程第八より第一四までは気象関係でありますので、一括議題といたします。
  32. 大山平敏

    ○大山説明員 一貫いたしまして、気象官署の整備拡充、定員増加というふうな問題が要点であろうと思います。この気象官署の現状といたしましては、昨年の行政整理によりまして、約二割の人員整理がございまして、それに対しまして、災害防止とか民生協力その他の面におきまして、最近の気象気するいろいろな要望というものに応じますためには運営方法の合理化とか、あるいは機械化といつたような方法によりまして、やはり与えられた定員で最善を盡し、国民の期待に沿うように努力しておる次第でありまして、この縮小という問題はやはり国家財政に基くむやを得ない要請のおもむくところと考えますが、今後財政の上におきまして認められるような機運の際には、もちろん定員の増加あるいは機構の拡充という面につきまして、よりよきものにしたいという希望を持つて現状は最善の努力をしておる次第でございます。     ―――――――――――――
  33. 稻田直道

    稻田委員長 次に、日程第一五より第一七までは港の修築関係でありますので一括議題といたします。政府説明を求めます。
  34. 松村清之

    ○松村説明員 江口川河口の導流提百四十七メートルは、昭和二十四年七月十七日のフエイ台風により流出いたしまして、すでに災害復旧工事として採択済みであります。現存江口港船だまりは流失して、漁獲高も減少している状況でありますので、緊急整備の必要性を認め、昭和二十五年度において災害復旧工事を実施すべく、予算を計上中でございます。  師崎港につきましては、離島連絡上、また漁港といたしましても、その重要件は認められますが、港湾施設が整備されていないため、これが利用上相当の支障があるものと思われます。今後は十分調査研究の上、財政の許す範囲内におきまして、緊急を要するものより逐次実施に移して行きたいと考えております。  小倉港に関しましては、その重要性はつとに認めておりまして、毎年度相当の工事を実施して参りておりますが、二十五年度におきましては、総体の予算制減の関係上、十分所期の目的に沿わなかつたと存じますが、後日機会がありますときには御希望に沿うようにやつて行く考えております。     ―――――――――――――
  35. 稻田直道

    稻田委員長 次は、日程第一八より二一を一括議題といたします。政府説明を求めます。
  36. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 広島港を塩輸入港に指定すること、並びに舞鶴港を輸入食糧中継港とすること、及び塩輸人中継港に指定することにつきましては、大蔵省並びに農林省とも協議の上、あとう限り御請願趣旨に沿うようにいたしたいと考えます。  なお油津、細島両港を沖縄向けの輸出港に指定する件でございまするが、両港と沖縄との荷物の動き状況をよく検討いたしまして、これまた御請願趣旨に港うようにいたしたいと思つております。     ―――――――――――――
  37. 稻田直道

    稻田委員長 日程第二二より二六までは、観光関係請願でありますのて、一掃して議題といたします。政府説明を求めます。
  38. 間嶋大治郎

    ○間嶋政府委員 二二は、函館港を観光港指定並びに道南地帯の観光施設整備に関する請願でございますが、函館港は北海道の表玄関でございまするし、またその背後には大沼公園並びに最近指定を受けました洞爺の国立公園がございまして、全国的に見ましてもすぐれた観光地帶を形成いたしておるのでございます。この函館港を観光港指定するというような問題につきましては、全国的に海上の観光港及び遊覧港というようなものの整備計画を立てますることは、現在また当省におきましても研究中でございまするので、今後十分検討いたしました上、実現に努めたいと考えております。また道南地帯の観光施設全般につきましても、急速施行は困難かとは存じまするが、できるだけ早くその実現に努力いたしたいと考える次第でございます。  二三の、瀬戸内海沿岸観光港及びヨツト・ハーバー整備に関する請願につきましては、瀬戸内海は申すまでもなく世界的に申しましても、有数な海上観光地帶でございまするので、これを開発いたしまする上におきまして、観光港あるいはヨツト・ハーバーというものを整備いたすことは、非常に必要だと思うのでございます。当省におきましてもいろいろ計画を立てまして、昭和二十五年度におきましては、最初は少くとも芦屋港はヨツト・ハーバーとして整備いたしたいということて、計画を進めておつたのでありますが、港湾に関する公共事業費が大福に削減を受けまして、二十五年度はとうとう計上いたさなかつたのであります。二十六年度以降におきましては、できるだけ早く瀬戸内海のこういつた港湾施設が整備されますように、努力いたしたいと考えております。  二四の、瀬戸内海港岸地域観光ホテル設置請願につきましては、瀬戸内海はただいま申し上げました通り、壯界的な海上観光地帶でございますが、戦争前からこの地帯には非常にホテル施設が乏しかつたのでございます。現托におきましても、この沼岸地帯でホテルといたしましては、大阪、神戸以外にはないというふうな実情でございますので、この地帯にホテル施設を整備いたすということは、緊急の必要があると考えておる次第でございます。なおこれにつきましては、現在計画といたしましては、大阪と神戸にそれぞれ一つずつは、二十四年度に見返り資金でホテルを新築あるいは増築いたす予定になつておつたのでありまするが、手続等が遅れまして、二十四年度はとうとう見返り資金を出すことができませんした。本年度におきましては、できるだけ早くこの二つには見返り資金が出るように努力いたしたいと考えております。なおそれ以外にいおきましても、民間のいろいろの計画に対しましては、大蔵省及び日本銀行と連絡いたしまして、こういつたホテル施設に対して、本年度の融資順位を甲種に引上げるとか、あるいはまた日本銀行の融資あつせんというふうなものを実施中でございまして、現在瀬戸内海澁岸にも幾つかのホテル開設の計画がございまするが、これにつきましても今後できるだけ強力に援助いたしまして、一刻も早く実現いたしたいと考えておるのでございます。二五の、熱海竹之沢に国際観光ホテル建設に関する請願でございまするが、熱海は日本でも有数の温泉観光都市でございまするが、終戰後にさらにその重要性が増しまして、外人の来遊もはなはだ多いのでございます。現在この地のホテル施設といたしまして一般に開放せられておりまするのは、熱海の観光ホテル一つでございまして、その他三つのホテルは、現在接収せられておるのであります。今後の外客の来遊予想というものから考えましても、この都市にホテルの設置は、喫緊の要務であると考えております。なおこれ以外にも二、三現在熱海にホテル開設の計画がございまするが、この御請願のホテル設置の計画が具体化いたしまするならば、資金のあつせん等につきましても、てきるだけ援助をいたしたいと考えておる次第でございます。  二六の、熱海湾に競船場設置に関する請願につきましては、熱海市におきましても、かねがね熱海に観光港並びに遊覧港をつくるという計画がございまして、委員会までつくつて熱心なる御審議をせられ、また当省及び関係の専門家を集めた委員会等で、いろいろ具体的な計画を立てておられるのでありますもちろん熱海のような国際的な観光温泉都市にこういつた施設が必要だとは行じまするが、先ほども申し上げました通り、港湾の経費というものが大幅に削減せられました現在においては、急速に施行することは困難でありますが、財政の許す限度におきまして、できるだけ早く実現に努力いたしたいと考えておる次第でございます。     ―――――――――――――
  39. 稻田直道

    稻田委員長 次に、日程二七、二九、三〇、三一の各案は、この種の関係事項法律案がすでに本院を通過いたしたものでありまするからして、この際この種の請願については説明の要もないと思いますので、政府に対しても別に説明は求めぬことにいたします。     ―――――――――――――
  40. 稻田直道

    稻田委員長 次にまた、日程第二八、船員に対し越冬生活補給金即時支給の請願は、これは昨年十二月に出た請願でありまして、大体昨年十二月の越冬云々ということも、時期も過ぎておりまするし、なお爾余のことにつきましては、本委員会におきまして今後適当に尽力することといたしまして、この種のことにつきましても政府に対し説明は求めぬことにいたしたいと思います。     ―――――――――――――
  41. 稻田直道

    稻田委員長 去る九日政府の答弁を留保いたしておきました次の請願について、この際政府意見を承りたいと思います。  第一に、和田村に停車場設置請願について、政府意見を求めておきます。
  42. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 和田村に停車場設置請願につきましては、停車場設置全般について過般御説明申し上げました通り地元の御要望もさることながら、国鉄といたしまして、一応採算上の見地からとくと検討いたさなければならぬ情勢下にございます。本件につきましては、特に地元の御要望も熾烈なものであり、またその間に停車場を設置いたしますることは、地方の利便を非常に増すことに相なるのでございまするので、できるだけ御趣旨に沿うように研究させたい、かように考える次第でございます。
  43. 稻田直道

    稻田委員長 次は、下市、赤崎両観間に簡易停車場設置の件について政府意見を求めます。
  44. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 本件につきましても、前申し上げましたと同様なことが申し上げられるのでありますが、請願の御趣旨にかんがみまして、特に本件につきまして、できるだけ御要望に沿うことができまするように、十分研究いたしたい、かように考えておるのでございます。
  45. 稻田直道

    稻田委員長 停車場を設置する場合に、八キロとか何キロとかいう大体内規があるそうでありますが、それらにかんがみまして、何か本件につきまして政府の御意見はないでしようか。
  46. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 八キロというのは一応の目安てございまして、別に八キロに拘泥はいたしておりませんが、特に本件のごとき場合におきましては、十分両駅間のキロ程度の問題も考慮に入れて、できるだけ御要望に沿うように研究いたしたいと考える次第でございます。
  47. 稻田直道

    稻田委員長 そういう場合におきまして、最近においては全部地元負担ということが前提になるのですか。
  48. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 停車場の設置の費用の問題でございますが、工事費を地元負担にいたしましたのは、これは国鉄財政が非常な赤字でございまして、工事費に余裕がなかつたので、地元として設置を御要請せられますところは、特に自発的にお申出があつて地元工事費を負担する、こういうことになれば、勢い開設が早くできるというわけでございまして、地元負担を原則にいたして、地元負担ならするという趣旨ではございません。たまたま結果としてそういうふうに見えるようなことになつたのてございます。
  49. 稻田直道

    稻田委員長 本件は十数年前から数回請願も通過しておるそうでございますから、政府におかせられましても、特段の御配慮を願つておきたいと思います。     ―――――――――――――
  50. 稻田直道

    稻田委員長 次は、古河駅東口開設促進に関する請願について説明を求めます。
  51. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 本件につきましては、現地を十分に調査いたしまして、東口の開設を必要と認めるならばいたしたいと思つておりまするが、何分にも開設をいたしますにつきましても、人員の点、あるいは工事経費の点、いろいろ勘案をいたしまして、経営の相つぐなうというような点も考えなければなりませんので御要望にできるだけ沿うように研究しまするが、今ただちに実現するということをお答えいたしかねるのを、たいへん遺憾に存ずるのであります。     ―――――――――――――
  52. 稻田直道

    稻田委員長 次は、仙台駅東昇降口の設置促進に関する請願について、説明を求めます。
  53. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 本件につきましてもただいま申し上げました御説明と同様でございまして、できるだけ、十分具体的な調査をいたしまして、経費なり採算上許しますならば、御要望に招いたいと考える次第でございます。
  54. 稻田直道

    稻田委員長 本日はこれをもつて散会いたします。     午後二時四十一分散会