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1950-04-18 第7回国会 衆議院 運輸委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月十八日(火曜日)     午前十一時二分開議  出席委員    委員長 稻田 直道君    理事 關谷 勝利君 理事 前田  郁君    理事 松本 一郎君 理事 米窪 滿亮君    理事 佐伯 宗義君 理事 木下  榮君       岡田 五郎君    尾崎 末吉君       尾関 義一君    黒澤富次郎君       坪内 八郎君    畠山 鶴吉君       松井 政吉君    石野 久男君  出席政府委員         運輸政務次官  原 健三郎君         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君         運輸事務官         (船員局長)  山口  傳君  委員外出席者         議     員 安部 俊吾君         運 輸 技 官 瀬尾 五一君         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ————————————— 四月十七日  委員尾関義一辞任につき、その補欠として坂  本實君が議長指名委員に選任された。 同月十八日  委員坂本實辞任につき、その補欠として尾関  義一君が議長指名委員に選任された。 四月十七日  海上運送法等の一部を改正する法律案内閣提  出第一七三号) 同日  御殿場線電化に関する請願外一件(勝間田清一  君外二名紹介)(第二四九六号)  国府津機関区存置に関する請願勝間田清一君  紹介)(第二四九七号)  御茶の水、両国両駅間電車運転復活に関する請  願(關谷勝利君外一名紹介)(第二四九九号)  家畜及び畜産物運賃等級引下げに関する請願  (田中啓一君外三名紹介)(第二五一〇号)  新制中学校生徒通学定期券割引率引上げに関  する請願水谷長三郎紹介)(第二五一七  号)  岩本、沼田両駅間上越線路線変更に関する請願  (藤枝泉介紹介)(第二五一九号)  頓別港から上猿拂に至る間に鉄道敷設請願(  佐々木秀世紹介)(第二五六一号)  志布志線延長工事促進請願田中不破三君外  五名紹介)(第二五七七号)  油津、細島両港を沖繩向け輸出港に指定請願  (川野芳滿君外五名紹介)(第二五八二号)  師崎港修築請願久野忠治紹介)(第二六  〇七号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  海上運送法等の一部を改正する法律案内閣提  出第一七三号)  船員職業安定法の一部を改正する法律案内閣  提出第一五七号)(予)   請願  一 奈古町港を指定港湾編入請願吉武惠    市君紹介)(第一一一二号)  二 塩釜港を第一種重要港湾編入並びに修築    に関する請願庄司一郎紹介)(第二三    八号)  三 塩釜修築費国庫補助増額等に関する請願    (庄司一郎紹介)(第二三九号)  四 福江修築費国庫補助請願岡延右エ門    外一名紹介)(第一四九号)  五 同(西村久之紹介)(第一五〇号)  六 松川港拡張工事費全額国庫負担請願(高    木松吉君外一名紹介)(第一八六二号)  七 京泊港施設拡充請願福永一臣君外一名    紹介)(第四一六号)  八 釧路修築促進請願伊藤郷一君紹介)    (第四九六号)  九 江口港導流堤災害復旧工事実施促進請願    (上林山榮吉君外一名紹介)(第八三六    号) 一〇 八木港整備工事継続施行に関する請願(鈴    木善幸君外一名紹介)(第一三二六号) 一一 三石港拡張工事継続施行請願篠田弘作    君紹介)(第一三六二号) 一二 深浦港に防波堤築設の請願奈良治二君外    三名紹介)(第一七四七号) 一三 青森港の施設整備拡張に関する請願(山崎    岩男君紹介)(第一七五〇号) 一四 東中浦村大島に避難港築設等に関する請願    (村上勇吉紹介)(第一七九四号) 一五 佐賀港修築請願長野長廣紹介)(第    二二六七号) 一六 音戸瀬戸開さくに関する請願塩田賀四    郎君紹介)(第一四四〇号) 一七 堀川運河しゆんせつ工事施行に関する請願    (佐藤榮作紹介)(第一四六三号) 一八 海士ヶ瀬暗礁開さくに関する請願坂本實    君外三名紹介)(第二二二六号) 一九 甲浦港口暗礁除去促進に関する請願(長    野長廣紹介)(第二二三三号)     —————————————
  2. 關谷勝利

    關谷委員長代理 これより運輸委員会を開会いたします  請願審査に入りますが、その前に審査方針についてお諮りいたします。本日審査すべき各請願紹介説明は、紹介議員の御出席がありましたもののみ承ることにいたしまして、他はこれを省略し、ただちに政府の御意見を承ることにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕、
  3. 關谷勝利

    關谷委員長代理 御異議ないようでありますから、そのようにとりはからうことにいたします。請願第一より第一五までは同様趣旨のものでありますので、一括して政府説明を求めます。
  4. 瀬尾五一

    瀬尾説明員 第一から第一五までの間におきます請願要旨につきましては、内容一々ごもつともだと思うのでありますが、何しろ昭和二十五年度におきましては、港湾関係公共事業費が極度に削減されましたので、当初考えました港湾施設整備計画が、実施に移されないような状態に立ち至つたわけでございます。それでここに掲げてあります港湾は、みな重要な港湾でございますので、昭和二十五年度はそういうわけでいたし方がございませんでしたが、昭和二十六年度におきましては、国家財政の許す限り、これを実施に移して行きたいと考えております。この中で第一の奈古町を指定港湾編入する請願でございますが、これは指定港湾になりますためには、一定の港湾資格要件がございますので、それを愼重審議いたしまして、きめて行きたいと考えております。     —————————————
  5. 關谷勝利

    關谷委員長代理 次は日程第一六よより第一九までも同様の趣旨のものでありまするので、この四件を一括して政府の答弁を求めます。
  6. 瀬尾五一

    瀬尾説明員 第一六から第一九までの請願の件でございますが、第一六の音戸瀬戸開鑿及び堀川運河浚渫工事施行に関する請願、その次は海土ヶ瀬暗礁開鑿に関する請願、次は甲浦満目の暗礁除去促進に関する請願でございますが、これらはみな暗礁掘鑿及び運河開鑿でございまして、船舶航行上非常に必要なものでございます。この中では一六、一七はもう一部調査も終つておりまして、昭和二十五年度におきましては一応われわれ予算要求もいたしたのでございますが、港湾関係公共事業費が非常に削減されました関係上、遂に二十五年度におきましては実施するに至らなかつたのでございますが、三十六年度以降におきまして、国家財政都合のつきます範囲におきまして、実施に移して行きたいと思つております。それから第一八、第一九につきましては、この必要性は十分認められるのでございます。特に甲浦港につきましては調査もかなり進みまして、昭和二十四年度以来予算要求中でございましたが、これも予算削減にあいまして、まだ実施するに至つていないような状況でございます。これらの必要性は十分認められますので、二十六年度以降におきましては、財政の許す限り実施に移して行きたいと考えております。
  7. 關谷勝利

    關谷委員長代理 瀬尾説明員に私からお尋ねいたしますが、一から一五までの間のものにおきまして、本年度施行見込みのあるものがあるかないか、それを伺つておきたいと思います。
  8. 瀬尾五一

    瀬尾説明員 昭和二十五年度におきましては、塩釜港の修築計画といたしまして、航路泊地浚渫を計上しております。  それから福江港の修築に関しましては、維持浚渫計画しております。  それから釧路港の修築につきましては、港内の航路泊地浚渫計画しております。  それから十三番目の青森港の施設計画でございますが、これは本年の接岸設備計画は、子算の削減とともに割愛せざるを得なくなりましたが、維持補修程度の作業、すなわち物揚場泊地浚渫程度は、二十五年度実施する予定になつております。
  9. 石野久男

    石野委員 政府委員ちよつとお尋ねいたしますが、請願の第一から第一五までの御説明の中に、それぞれみな必要なものだと思われるけれども、本年度はなかなか予算都合上できない。しかし二十六年度においては実施したい。こうおつしやつたのでありますが、これについては具体的に二十六年度になりましたときに、その予算的措置をするという当局の愼劍なお考えからの御発言でありますかどうか。それとも礼儀的な御発言なのかどうかということについての御所見だ粉を伺いたい。
  10. 瀬尾五一

    瀬尾説明員 これにつきましては、昭和二十六年度予算関係もございますので、はつきりしたことは申し上げられませんが、政府といたしましては、ここにあります請願は、みなそれぞれの意味で重要だと考えておりますので、二十六年度におきましては一応予算要求もいたしまして、この実現をはかつて行きたいと考えております。
  11. 關谷勝利

    關谷委員長代理 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止
  12. 關谷勝利

    關谷委員長代理 速記を始めてください。  海上保安庁法の一部改正の問題につきまして、岡田委員より発言を求めておられますので、これを許します。岡田五郎君。
  13. 岡田五郎

    岡田(五)委員 海上保安庁法の一部改正法律に対しまして、次に述べますように改正いたしたいと思うのでございます。  第十一條第一項の改正規定中『「次長一人及び警備救難監一人」に改め、』を『「次長一人及び警備救難監一人」に、同條第二項中「庁務」を「庁務総務部所掌事務を除く。)」に改め、』に改める。かようにいたしたいと考えるのであります。  なお修正理由簡單に申し上げます。政府原案によりますと、次長は第十一條によりまして、長官を補佐し、庁務を掌理するということになつておりますが、次長総務部事務を除きまして、他の一切の庁務につきまして長官を補佐し、長官みずから総務部事務を掌理するということが、海上保安庁行政処理上適当であると考えるためであります。  以上簡單でありますが、修正理由を申し上げます。
  14. 關谷勝利

    關谷委員長代理 ただいま岡田君から御説明のありました通り、この部分修正意見として、昨日の申し入れこ追加して内閣委員会に申し入れをすることに御異議ありませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 關谷勝利

    關谷委員長代理 御異議なしと認めまして、さようにとりはからいをいたします。     —————————————
  16. 關谷勝利

    關谷委員長代理 これより去る十七日、本委員会に付託になりました海上運送法等の一部改正法律案議題として、審査に入ります。まず本案の趣旨につきまして、政府説明を求めます。原政務次官
  17. 原健三郎

    ○原(健)政府委員 海上運送法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  今回わが国の海運は、従来の船舶運営会による定期傭船制度より、船主の責任による完全な自主運航とする体制に移行することになりましたので、日本船による対外定期航路事業並びに外国海運業者の経営する船舶運航事業適用等について、その調整をはかることが必要となつたのであります。  まず外国海運業者海上運送法規定による免許制届出制登録制その他の制限を適用することは、外国海運業者日本において活動する実情にも沿わず、また日本海運業者が海外において今後活動する関例も考慮する必要がありますので、この改正法案により外国海運業者に対して、運送に関する協定等規定を除いて適用しないことに  いたしました。  第二に、日本海運業者の経営する対外定期航路事業につきましては、これを許可制にすることは実情に沿わない点がありますので、届出制をとることにいたしたのであります。  次に、外国船の購入及び日本船外国べの売却並びに傭船許可制につきましては、従来臨時船舶管理法及びポツダム勅令に基く昭和二十年運輸省令第四十号、航海の制限等に関する件に規定せられておいたところでありますが、できうる限り海上運送に関する規定は、海上運送法に統合する趣旨によりまして、これを取入れることとじ、新たに外国船裸傭船につきましては、日本海運の現状より、一年間を限りこれを許可制とする必要がありますので、この改正法案規定することとしたのであります。  本改正法案要旨は以上申し上げた通りであります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかこ御可決あらんことを切望いたましす。
  18. 關谷勝利

    關谷委員長代理 これに対します質疑はあとまわしといたします。     —————————————
  19. 關谷勝利

    關谷委員長代理 これより船員職業安定法の一部を改正する法律案議題として、前会に引続き質疑を行います。質疑の通告があります。これを許します。米窪滿亮君。
  20. 米窪滿亮

    米窪委員 特別審議会は、昭和二十四年一月十三日公布になつておりますが、当時の運輸当局船員局長その他の方々が、こういう大地区と小地区両方の特別な審議会を必要とお認めなつた客観的の條件はどういうところにあつたか、お尋ねします。
  21. 山口傳

    山口(傳)政府委員 当時の考えといたしましては、将来その必要がありはせぬかというような、特に必要不可欠だという強い理由認められなかつたのでありますけれども、将来相関連する地区において大地区を設け、あるいはごく少部分のところで必要がありばせぬかということで、陸上の安定法にならつてつくつたのであります。
  22. 米窪滿亮

    米窪委員 それでこれは政令で第九号で出しておるのですが、これについては、すでにその当時こういう委員会を特定の地域につくられて、委員を任命されたことがあるのですか。
  23. 山口傳

    山口(傳)政府委員 この特別地区審議会條文にあるだけで、今日までどこにも設けずに参りました。
  24. 米窪滿亮

    米窪委員 そうすると、機構だけではできておつてその機構実施するだけの職制というのですか。そういう制度はできていなかつたと思うのですが、大体見通しが誤つたということになると思いますが、率直に言つてそういうことになるのですか。
  25. 山口傳

    山口(傳)政府委員 将来船員需給問題の推移いかんでありますけれども、永久にそういうものがいらぬとは断言はできないと思いますが、今日のところは一応まだ設けずともよかろうというので、一方これらのことを審議会に期待をいたします仕事が、当分の間は中央審議会もしくは地方審議会で、ある程度はカバーし得るという見通しで、昨年の暮れ廃止することに結論をきめた次第でございます。
  26. 米窪滿亮

    米窪委員 次にお尋ねしたい点は、昨日關谷委員からも、特に民営還元実施されて、相当の失業船員が出て来ることが予想される。従つてその場合においては、中央及び地方審議会で間に合わないような事態が発生するかもしれないけれども、というお尋ねがあつたのであります。本委員も同じような、非常に危惧と憂慮をしておるのでありますが、その点は特別審議会をやめて何らさしつかえないというお見通しであるかどうか。重ねてお尋ねいたします。
  27. 山口傳

    山口(傳)政府委員 昨日お答えしたようりに、中央審議会で大逐の仕事は相当カバーし得ると思いますし、小地区につきましても、地方審議会がその点を助けて行くことが可能だと思いますので、この中央地方さえかつちり運営して参れば、特に当初予定いたしました各海運局合せた連合会的な大地区審議会、あるいは小ブロックの小地区審議会というものは、なくても済むだろうと考えます。
  28. 米窪滿亮

    米窪委員 この特別審議会廃止改正法案を議会に出される前に、中央審議会あるいはその他の民間との協議をすべきような機関に、廃止をされることについての意見をただされたようなことがあつたかどうか。それをお伺いいたします。
  29. 山口傳

    山口(傳)政府委員 まず組合側関係でありますが、われわれのところに接触のある組合の幹部には、この問題はむろん話をいたして、別段反対の意向はございませんでした。それから審議会の方でありますが、審議会の方には特にあらたまつて條文上あります特別審議会を、今日まで設けておらなかつたが、暮れの閣議決定の線にのつとつて、これをつくることをやめて、従つて法律としては改正するということを、特に議題としてやつてはいなかつたと記憶いたしますが、格別反対はなかつたと思います。
  30. 米窪滿亮

    米窪委員 重ねてお尋ねいたしますが、この廃止法案をお出しになるときには、すでに四月一日から八百トン以上の汽船が、全部運営会の手を離れて民営に還元するということが、大体において決定された後であつたかどうかをお尋ねいたしたいと思います。
  31. 山口傳

    山口(傳)政府委員 今年の四月一日に今度のような新体制実施されて、従つて繋船等が見込まれ、船員失業をするのではないかということを、知つてつたかどうかというお話でございますが、この廃止の腹をきめたのは、昨年の暮れだつたかと思います。御案内のように各省における審議会委員会等で、統合してよろしいもの、もしくはほかの委員会等で間に合うようなものは、極力減そうというようなことから、あの当時、先ほど申し上げるように特別地区はさまで必要なかろう。中央地方とを十分にやつて行けば間に合うというので、その決心をいたしたのでありまして、その当時の予想としては、失業と申しますか、過剰船員繋船等によつて相当出やせぬかということは、若干二十三年あたりについてそういう繋船が出始めておりましたから、考えなかつたこともなかつたわけでありますが、具体的にどのくらいの繋船が出て、それを予備員でかかえるかというような、今日のような深刻な問題は、募れにはそう正確に把握していなかつたと思います。
  32. 米窪滿亮

    米窪委員 最後にお尋ね申し上げますが、はなはだくどいようでありますが、小型船舶船員、特に機帆船等船員が、従来の中央地方二つ職業紹介機関で、将来もさばき得る。小地区特別船舶職員紹介仕事をおやめになつてよろしいとお考えになるかということを、もう一度くどいようでありますが局長にお尋ねいたしまして、私の質問を打切ります。
  33. 山口傳

    山口(傳)政府委員 米窪委員の御質問審議会としては私は中央地方で十分だろうと思います。職業紹介その他職業指導、補導、あるいは失業等につきましての第一線実務機関としては、公共船員職業安定所というのが、全国十九箇所あります。ただこの十九箇所で、将来十分第一線業務をやつて行けるかということになりますと、私ども自信がないのでありまして、少くとも最小限度に見積りましても、今後の情勢等からいたしまして、安定所をもう十ばかり少くともふやしたいと思つておりますが、遺憾ながら二十五年度予算折衝で、それが新規要求だということで、これはいろいろ考え方はあるのでありますが、一応押えられまして、遺憾ながらわれわれの希望がかなえられなかつたのであります。今後審議会の方は、そのように特別地区はやめましても、安定所の方だけはぜひともふやして参りたい、かように思つております。
  34. 關谷勝利

  35. 石野久男

    石野委員 政府委員にお尋ねいたしますか、もうすでに同僚委員方々から質問が行われておるわけでありますから、簡単に政府提案説明の中に盛られております、この特別地区におけるところの審議会廃止するにあたつては、閣議決定に基いて、しかも現在までのところ運用の必要を認められなかつたのでということでありますが、この必要を認められなかつた事情は、どのようなことからであるかということについての、政府所見を聞きたい。
  36. 山口傳

    山口(傳)政府委員 これはお答えをしておるわけでありますが、最初法律をつくります際には、非常に将来のことを巨細に考えまして、あらゆる面用意されておりますけれども、実際にこれを運用して参りまして、まず中央につくり、地方につくつて始めたのでありますが、中央地方審議会活用をはかることに実は追われまして、また最初考えておつた地区の問題も、これは地方の中の小地区でございまして、特に運用の仕方によつては、地方審議会で代用か十分できます。それからまた大地区については、中央審議会できこれまた運用の行き方によつてはできますので、実は今日まで特にそれを最初見込み通り——見込み違いと言えば見込み違いでございますが、最初考えたような特別地区をわざわざ設けなくともいいと思いまして、今日まで至つた次第であります。
  37. 石野久男

    石野委員 その後その必要を認められないような事態があつたということは、いろいろ御説明はわかるのでございますが、四月一日以降の運営体系が非常にかわつて来たために、海運労働者諸君業務につき得ない事態が、予想以上に起きているわけでありまして、そのためにこれもの諸君職業安定事業というものが、非常に必要度を増して来たということは、お認めにたられておりますかどうか。
  38. 山口傳

    山口(傳)政府委員 御承知の通り、むろん必要は従来にも増して、これからがほんとうに安定所がその職能を発揮して行く時期を迎えているわけであります。だからこの点、特別地区というものを維持して行く必要かあるかどうかは、若干意見か違います。
  39. 石野久男

    石野委員 審議会はやめても、安定事業現地部隊を増して行けば、そういう海運労働者諸君に対する失業を打開する方法は、十分に講ぜられるという御趣旨でありましたけれども、この審議会考えなければならぬものは、当然安定所をいかに活用するかということが、その中で論じられるだろうと思うのであります。従つて今後の自主運営に伴ういろいろなトラブルは、一層強くこの審議会活用を必要とすることになるのではなかろうかと思うのでございまするけれども、その場合中央地方だけですべてが十分だ、こういう御趣旨でございましようか。特別地区は別段そういうことについてけ必要がない。こういう御趣旨であろうかどうか。もう一度お伺いしたいと思います。
  40. 山口傳

    山口(傳)政府委員 先ほどから申し上げるように、特に特別地区というのを設けなくて、中央地方審議会—この審議会と申しますのは、お話通り安定所を十分に活用するために、いろいろ知恵を貸していただくわけでありますが、大臣諮問機関として中央にその委員会がございます。地方では海運局ごと審議会かございますが、そこで十分審議することは可能だと思いますし、かりに大地区、小地区をつくりましても、大地区のごときは、おそらく二つ地方審議会委員、もしくは二つ以上の審議会の連合体というような形になるわけであります。結局全然審議会かなくなるのであれば、やられませんけれども、中央地方とで十分役割は果し得る諮問機関でございます。またこの審議会関係大臣もしくは海運局長へ、進すで積極的な建言もできるようになつておりますけれども、本来は諮問で、政府の方からいろいろお知恵を拜借してれ審議会の方でいろいろ調査研究を立てて御答申するのでございます。地方を強化して行けば、わざわざ特別地区がなくてもいいのではないか、かように考えます。
  41. 石野久男

    石野委員 くどいようでございますけれども、審議会運営については、大地区小地区があれば、特別な地区はいらない、こう言われることに対しまして、私は今後の海運労働者諸君の雇用の関係等については、現地部隊である職業安定所々増加するだけでは、なかなか解決できない。その大元であるいわゆる海運労働者諸君の需要の問題、これが非常に大きな問題として浮び上つて来るのではないか、こう考えます。そうすると当然運営体系とか、運航体系とか、それらのものを通ずる大方針の問題に触れて来る問題でありますから、必然的に審議会必要性は増大して来る。その中で特に大地区と小地区で十分にこなせるかどうかという問題以上に、特別地区におけるところの、特にこの法案最初に考慮されたときの必要性が、これからこそむしろ増して来るのだし、現実化して来る時期ではないか、こういうふうに私は考えます。率直に言えば、あるいは見通しの誤りであつたかもしれないという御発言もありましたけれも、むしろ今まではそういうことの必要性はなかつた。今後その必要性が増して来るのではないかというような考えを持つのであにますけれども、いま一度当局のこの点に対する御説明を願いたいと思います。
  42. 山口傳

    山口(傳)政府委員 特別地区の大小地区審議会をかりにつくらないといたしますと、その地区審議会がブランクのようにお考えのようでございますが、これは中央は全国を対象として、全国的にもしくは大地区にかわるような審議もむろんやられるわけであります。それから小地区の方は、地方審議会の中のごく小部分について、特段にその必要があれば設ける予定であつたわけでありますが、むろんこれはなくでも、何もそのブロックについてめんどうな調査研究をしないわけではございませんので、二重にも三重にもなる、こういう状態であります。それを中央地方機構を十分活用すればやつて行ける。かように今日では考えているわけであります。
  43. 關谷勝利

    關谷委員長代理 他に御質疑はありませんか。それではこの船員職業安定法の一部を改正する法律案の本日の質疑は、この辺で打切ります。     —————————————
  44. 關谷勝利

    關谷委員長代理 なおおはかりいたします。先ほどの海上保安庁法の一部を改正する法律案につきまして、多少字句を修正する必要があるのでありまするが、これは委員長に御一任願いたいと思いまするが、御異議ございませんか     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 關谷勝利

    關谷委員長代理 御異議なしと認めまして、そのように決定いたします。     —————————————
  46. 關谷勝利

    關谷委員長代理 なお先ほどの請願審査にあたりまして、政府より意見を承りましたが、日程第二及び第三の紹介議員がお見えになりましたので、この機会にその説明を承ることにいたします。安部俊吾君。
  47. 安部俊吾

    ○安部俊吾君 塩釜修築に関する請願についてお願いしたいのであります。塩釜港は終戰後横浜の補助港であつたのでありまするが、今回完全自由なる独立国際港として、現在一万トン以上の米国の商船あるいは貨物船が入港しておるのであります。昨年度よりは港路、岸壁等の整備復旧に着手されまして、東京以東唯一の国際港たる塩釜港は、復旧工事に着手されましたので、まことに欣幸にたえないのであります。しかし東北六県のヒンター・ランドの宝庫を開発すると重要な使命を持つておる塩竈港は、今後相当の国庫の補助を受けまして、でき得るだけりつぱな国際港として完備したいのでありまするが、しかるに昭和二十四年度におきましては、国家財政都合によるとは言いなから、相当多額の予算削減せられましたのであります。それによつては既家の計画の実行はとうていおぼつかないような状態に立至つたのでありまして、まことに塩竈の築港に対しては、致命的打撃をこうむつたようなわけであります。のみならず目下施工中の工事の効果も発揮することができないのでありまして、以下申し上げまする項目つきまして、十分なる御補助を仰ぎたいのであります。    記  一、塩釜港を第一種重要港湾に認定されたいこと、港湾法施行の際には、東北地方開発に対し地理的に優位にある当港を第一種重要港湾に認定し、もつて日本経済再建に資せられたい。  二、浚渫工事、昭和二十三年度までにおいて浚渫復旧せる航路及び泊地はわずか一部にすぎないので、すみやかに残部の浚渫復旧整備をされた、  三、盛土工事、沈下はなはだしい中埠頭を、二十三年度工事に引続き盛土復旧し、上屋倉庫敷地の整備をさとし孔たい。  四、上屋倉庫設備工事、上屋倉庫設備が不十分のため、やむを得ず他港を利用しておつたのでありますが、現況にかんがみましてすみやかにこれが、設備川をされたい。  五、築港道路復旧整備工事、当港における道路は砂利道外、ありまして、しかも側溝なく貨物運搬にはとうてい耐えられない、困難もはなはだしいのでありますから、すみやかに鋪装整備されたい。以上であります。何とぞ御採択をお願いします。
  48. 原健三郎

    ○原(健)政府委員 ただいま塩竈港の御請願でございましたが、塩竈港の重要性につきましては、しばしば陳情も受けましたり、実際調査もいたしまして、十分認識しておるのであります。ただいま御希望にありました第一種港湾にしていただきたいとか、浚渫工事を定全にしてもらいたい、あるいは土盛り工事、上屋倉庫等々、いろいろ御希望がございましたが、なるべく予算の許す範囲内において御希望に沿うように盡力いたしたい、こう思つております。     —————————————
  49. 關谷勝利

    關谷委員長代理 これより海上運送法等の一部を改正する法律案議題といたし、質疑に入ります。     〔關谷委員長代理退席、松本(一)委員長代理着席〕
  50. 關谷勝利

    關谷委員 この改正案を読んでおりますると、海上運送法を一層複雑化し、かつ改正点等につきまして疑義をさしはさむ点が多々ありますので、かつ運用のいかんによりましては、海運界を撹乱するおそれがあるのであります。その点を明確にいたしたいと存じますので、以下お尋ねをいたしたいと思います。提案理由説明にもあつたのでありまするが、日本海運業者が海外において、今後活動する関係も考慮する必要がある。こういうふうになつておるのでありまするが、日本海運業者が海外で活動いたしまする際には、その国の同じく海上運送法のごとき法令というようなことにつきまして、これを除外せられて自由に航行することができておるのかどうか。この点をまず伺つておきたいと思います。
  51. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 日本海運業者が対外定期航路等を開設いたしまして、他国との関連かできます場合において、戰前におきましてもその相手国から何らの拘束を受けない。相手国の法律の適用を受けないというのが一般の例でございます海上運送法最初の案では、そういう点が明確にしてなかつたのでございまして、海上運送法の解釈の仕方によつては、アメリカの海運業者が日本との間に定期航路を開設した場合に、その定期航路について、海上運送法で許可を受けなければならないような解釈の仕方もできるわけであります。これは海運実情にも沿わないことでありまするし、またもし海上運送法をそういう外国海運会社に適用をいたしますならば、日本海運会社が対外定期航路を開設いたしました場合に、同様に相手国の法律の適用を受けなければならないというおそれもありますので、今回の改正案によりまして、外国海運業者に対する適用を、明確に除外したような次第でありますこれは何ら実質的にわが国海運に惡影響を及ぼす点はないと信じておる次第でございます。
  52. 關谷勝利

    關谷委員 第四十二條の二項を制定することによつて、国内各港間の定期航路を営み、その一端をわが国以外の地域の港に連結することによつて、許認可、運賃料金の認可、運送約款の認可等を受ける義務を免れることになり、まつたく自由に航行することができるのでありまして、国内のみを運航する事業者を圧迫するような懸念はないかどうか。この点をお伺いいたしたいと思います。
  53. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 対外定期航路に対しましては、外国海運会社の対外定期航路との関係もございまするし、これをできるだけ自由に何ら拘来することなく、日本海運業者の力を発揮せしめる必要があるわけでございます。外国海運会社が何らの拘束を受けてない以上、日本海運会社も同様の状態に置かなければならない、かように考えるのでございます。国内航路におきましては、これは別の観点からいたしまして、定期航路は主として旅客を輸送する関係上、その旅客に対する便宜といいまするか、公益性の保持という見地から、詳細なる監督規定を設けておるのであります。その事業の経営の実態が非常に違うものですから、取扱いに差を設けておる次第でございます。
  54. 關谷勝利

    關谷委員 その場合に、国内相互間を連結し、なおその一端を国外へ延ばす場合に、この国内相互間だけはこれをこの改正案から除外をいたしまして、取締りができる、許認可制ということをとることが至当だと考えるのでありますが、この点もう一回伺つておきたいと思います
  55. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 この海外定期航路の場合に、たとえば蘭印方面に定期航路を開設したと仮定いたしまして、今お尋ねの趣旨は、横浜を発して神戸に寄航して、さらに蘭印方面に寄るという場合に、横浜と神戸の間は国内定期航路になるから、一般国内定期航路と同じように取扱つてはどうか。こういう御趣旨の御質問かと思うのでございますが、実際の実情からいいまして、そういう場合に旅客が横浜から神戸の間を利用するというようなことは、きわめてまれなものと考えるのでございます従来の例から申しましてもさようでございます従つて特にそれだけのために、海外航路の全体を嚴重な管理下に置く必要はないと考えておる次第でございます。
  56. 關谷勝利

    關谷委員 この規定を見ますと、外国人の経営いたしますものは、何ら拘束を受けないということになるのでありますが、国内の業者がこの海上運送法の義務を免れるために、外国商社の支店とかあるいは出張所というような名を借りて、これによつて国内の定期海上運送業者を圧迫するようなことはないか、これを取締る方法があるのかないのか。どのようにして取締るのか。この点を伺つておきたいと思います。
  57. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 日本の業者が、外国商社の名前で経営をするという点でございますが、これはこの法律をごらん願いましてもわかりますように、定期航路の場合だけ非常に嚴重な監督をしておるのでございます。外国商社が定期航路を営みます場合に、今お尋ねのありましたような日本の業者に名前を借してやる、あるいは日本の業者が外国業者の名前を借りて定期航路を行うということは、ほとんど考え得られないことだと思うのでございます。と申しますのは、定期航路を営みます場合には、相当の企業危險があるわけでございますから、そういうあぶない形態をとることは、ほとんど考え得られない、かように思うのでございます。定期航路以外の場合においては、日本海運業者はただ届出だけをもつて経営するのでございましてあえて外国業者の名前を利用する必要はないわけでございます。従つてまたお尋ねのような御懸念はないものと考えております。
  58. 關谷勝利

    關谷委員 この四十四條の二でありますが、この中に船舶の讓受、または借受というので、これは以前の案文でありますが、以前に私たちが聞いておりましたのは、期間傭船も含むということになつておりましたのが、今回これを削除せられておるのであります。これを削除した理由はどうであるか。また提案理由説明にもありましたように、裸傭船については、日本海運の現状より、一年間を限りこれを許可するということになつておるのでありますが、どのような情勢から割り出して、一年間ということを規定せられたのか。その点もあわせて承りたいと思います。
  59. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 私どもの一番最初の原案におきましては、お説のように期間傭船を含むという考えもあつたのでございますが、期間傭船となりますと、そのときどきのほんとうの経営の緩急応じて、海運会社が期間傭船をいたすものでございまして、これを一々許可制にさせます場合には、海運業の経営が非常にきゆうくつなものになつて十分なる海運の活動ができない。こういう懸念がございますので、期間傭船はこれを削除して、ただ裸傭船だけを許可制にしたのでございます。裸傭船になりますと、これは船員を全部こちらが招きますという性質からいたしまして、どうしても一年あるいは二年、長いのは三年、五年という長期のものになるのでございます。こういう長期の裸傭船は、日本船腹の需給に非常に影響をいたしますので、その点だけを許可制にしたような次第でございます。しかしこの裸傭船自体も、やはり経営の緩急に応じて、自由に海運業者をして行わしめるべきものでございまして、政府がこれに介入することはできるだけ避けたいと考えるのでございます。ただ現実のわが国海運の情勢を見ます場合に、なお外航に出るには幾多の制限がある。日本船の就航する範囲というものも限定されておりますし、また対象となる貨物も非常に局限された状況にありまして、船腹の需給という点を十分考えなければならぬ。しかしそれはあくまでも過渡的なものであるというので、一応一年に限りまして、一年後はこれを自由にしたい。但し一年後の情勢において、なおその必要がありますならば、そのときにまた国会の御審議を願いまして、延長をする必要が生じて来るかと思いますが、とりあえず一応一年と限つて、この暫定的な改正をしたいと考えております。
  60. 關谷勝利

    關谷委員 なお許可に引続いて質問いたしたいところがあるのでありますが、やむを得ぬ事情がありますので、私の質問はきようはこれで打切りまして、次会に質問することにいたします。
  61. 松本一郎

    ○松本(一)委員長代理 本日はこの程度で散会いたします。次会は追つて公報で御通知申し上げます。     午後零時九分散会