○
加賀山説明員 もちろん何と申しましても、
国鉄だけの
予算の中でまず
考えようとしなければならないのでありまして、その
意味におきまして、まず
損益勘定の中でさらにこれを節約してまわさせるようなものがないかどうか。これをさらによく検討いたしまして、
損益勘定自体といたしましては、先ほ
どもちよつと申し上げましたが、
人件費にいたしましても、結局頭数はこの四月以降人員は一年間で三万人減
つて行く。これは
給与といたしましては、結局一年間を通じて、その半分の一万五千でございますが、もうすでに頭数から落して
計算いたしております。単価といたしましては、これは
大蔵省の
査定を受けた七千五十円
程度のものが見積られておる。そういうことで
人件費はそこに何ら弾力がないことは、おわかりいただけるだろうと思います。それから
石炭費につきましては、これは結局使用量といたしましては、昨年の下半期におきまして、特に非常な節約ができた。その下半期における節約した
ベースに基く使用量を算定いたしておりますが、これには
従事員の努力が非常に入
つておりますので、それ以上の節約はなかなかむずかしいというまでのものに相な
つておる。かように私は
考えるのであります。それでしからば炭価の方はどうかと申しますると、これは最近のやり方といたしまして、オープン・ビッドをいたしておる。炭価におきまして特に大手筋におきまして非常に強気で、なかなか
国鉄にいい條件で安い
石炭を供給してくれない。これを扱う者は少しでも安い価格でということで努力をしておりますが、これも山の
経営士の兼ね合いの問題になるのでありますが、最近の三回行いましたビッドの経験に基きまして、それによ
つて得られた値段を
予算面に計上しております。従
つてこれは経済なり
石炭鉱業の方に非常な激変がない限りは、それよりも非常に高くはならないと私は思いますし、さらにまたこれがそれ以下に安くなるということも、非常にむずかしい。従
つて石炭費自体も節約はむずかしいというふうに
考えております。もう一つの大きな費目で、
国鉄の
修繕費でございますが、これは最近車輌におきましても、車輛を完全にオーバー・ホールする。更新
修繕とわれわれは申しおりますが、生れかわ
つたように、古い台わくを
使いまして、その上の方の部分は全然新しいものをとりかえるようなかつこうで、直して参る。木製車はこれを鋼製にいたしておるというようなこともいたして参
つておるのでございまして、まあ大体において、
修繕費の見積り方は、昨年
程度のものに相なろうかと
考えております。従
つてこれは
修繕費からも、もちろん
工事単価を減らして節約して行くという問題はございますが、節約したものはやはりそれを
修繕費として使
つて、できるだけ補修をよくして行かなければならぬと
考えますので、そうい
つた大きなアイテムだけで、約一千億――一千億越すわけでございますが、ほとんどいわゆる
経営費の大部分を占めておるわけでございます。そういうふうに
経営費には
余裕がないというふうに
考えております。ただそこで問題になるのは、
工事の方をまわすために、二百億の増加という問題にな
つて参る。そうい
つたものは
工事経費の中から出す以外にはない。万一ほかから
鉄道債券とかあるいは
借入れの方法がないといたしますれば、
仲裁の
裁定に従いますためには、ある
工事をやめなけれげならぬという結果になる。その場合やめるとしたならば、どれから先にやめていいかということも、私
どもといたしましては検討をいたしておる次第でございまして、先ほど言われました、たとえば勾配変更等の
工事は、それをやれば輸送力もふえますし、また輸送費も減るというような事情でございますので、その後においては
経営費を助ける性質を持
つておりますが、これは
考え方によ
つては、今日ただちに絶対にやらなければならぬかというと、長年それでや
つて来ておりますので、
考え方に相なろう。そういうようなものは万やむを得ない場合にはやめるより仕方がないというように
考えております。一例として申しましたが、
予算面におきまして、そういうふうな
考え方で落したくはないが、もう万やむを得ない、せつぱ詰ま
つて来れば、こういうものはあるいはやめてもしかたがないのじやないかという
考え方もいたしておるというような実情を申し上げたいと思います。