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1950-04-01 第7回国会 衆議院 運輸委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月一日(土曜日)     午前十一時三十二分開議  出席委員    委員長代理理事 關谷 勝利君    理事 大澤嘉平治君 理事 前田  郁君    理事 林  百郎君       岡田 五郎君    尾崎 末吉君       尾関 義一君    片岡伊三郎君       黒澤富次郎君    土倉 宗明君       坪内 八郎君    畠山 鶴吉君       滿尾 君亮君    淺沼稻次郎君       石野 久男君  出席政府委員         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  石井 昭正君  委員外出席者         專  門  員 岩村  勝君         專  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 三月三十一日  尾関義一辞任につき、その補欠として根本龍  太郎君が議長指名委員に選任された。 四月一日  委員根本龍太郎辞任につき、その補欠として  尾関義一君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 三月二十九日  造船法案内閣提出第一四〇号) の審査を本委員会付託された。 同日  浜松米原間電化促進陳情書(第六四八号)  九州線列車運行に伴う運転区間改正等に関する陳情書(第六五二号)  穴水飯田線省営バス運賃軽減陳情書(第六五七号)  高崎線電化促進に関する陳情書(第六五八号) を本委員会に送付された     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件   請願  一 山田線復旧促進請願山本猛夫紹介)    (第七七二号)  二 雫石、生保内両駅間に鉄道敷設請願(山    本猛夫紹介)(第七七三号)  三 三陸沿岸鉄道敷設促進請願山本猛夫君    紹介)(第七七七号)  四 石巻起点三陸鉄道敷設促進請願内海安    吉君外二名紹介)(第一三〇三号)  五 同(千葉三郎君外四名紹介)(第九七一    号)  六 三江線三次、浜原間鉄道敷設促進請願(    山本利壽君外一名紹介)(第七八〇号)  七 沼宮内、一戸間鉄道路線切換促進に関する    請願山本猛夫紹介)(第八七五号)  八 大間大畑間鉄道敷設並び大間港修築の    請願小笠原八十美紹介)(第一一三三    号)  九 赤穗線敷設工事再開請願(逢澤寛君紹    介)(第九七〇号) 一〇 釧美線敷設促進請願松田鐵藏紹介)    (第一〇三五号) 一一 長倉、大子間鉄道敷設促進請願尾關義    一君外二名紹介)(第一〇六七号) 一二 佐世保相浦間鉄道路線変更並び佐世保    駅拡張請願北村徳太郎君外一名紹介)    (第一一〇四号) 一三 矢部線を矢部村まで延長の請願高橋權六    君外八名紹介)(第一一五六号) 一四 美深、北見枝幸両駅間に鉄道敷設請願(    佐々木秀世紹介)(第一二六〇号) 一五 宝積寺、市塙両駅間に鉄道敷設促進請願    (山口好一紹介)(第一二七七号) 一六 岩国日原両駅間に鉄道敷設請願佐藤    榮作紹介)(第一三二七号) 一七 頸城地方縦貫鉄道敷設請願塚田十一    郎君紹介)(第一三三九号) 一八 札沼線復元に関する請願篠田弘作君紹    介)(第一三六一号) 一九 山川、枕崎両駅間に鉄道敷設請願滿尾    君亮君紹介)(第一三八九号) 二〇 日光、足尾間鉄道敷設請願尾関義一君    外六名紹介)(第一四三六号) 二一 岩国日原両駅間に鉄道敷設請願木村    榮作君名二名紹介)(第一四八二号) 二二 北見枝幸、雄武両駅間に鉄道敷設促進の請    願(松田鐵藏君外一名紹介)(第一五六〇    号) 二三 日の影、豊後竹田両駅間に鉄道敷設請願    (佐藤重遠君外二紹介)(第一五九七号) 二四 伊豆半島循環鉄道敷設に関する請願(小松    勇次君外一名紹介)(第一六〇三号) 二五 伊豆半島循環鉄道敷設促進に関する請願(    畠鶴吉紹介)(第一七六一号) 二六 松前から江差を経て瀬棚に至る間に鉄道敷    設の請願冨永格五郎君外二名紹介)(第    一六〇七号) 二七 野岩羽鉄道全通促進請願尾関義一君外    一名紹介)(第一六二七号) 二八 倉吉、勝山間鉄道全通促進請願(稻田直    道君紹介)(第一六六二号) 二九 松前から江差を経て瀬棚に至る間に鉄道敷    設の請願田中元紹介)(第一八八四    号) 三〇 同(川村善八郎紹介)(第一八一四号) 三一 開発用鉄道建設促進に関する請願降旗徳    彌君紹介)(第一八八七号) 三二 隼人駅から川北を経て佐多町大泊に至る間    に鉄道敷設促進請願前田郁紹介)(    第一九六七号) 三三 宮古、久慈両駅間に鉄道敷設促進請願(    鈴木善幸君外六名紹介)(第一九九三号) 三四 石巻女川間鉄道電化請願角田幸吉君    紹介)(第一五一号) 三五 仙石線の複線化並びに石巻女川間鉄道電    化の請願角田幸吉紹介)(第一五二    号) 三六 高崎横川間電化促進請願武藤運十郎    君外二名紹介)(第六六四号) 三七 浜松米原間鉄道電化促進請願辻寛一    君外四名紹介)(第八九〇号) 三八 米原姫路間鉄道電化促進請願淺香忠    雄君紹介)(第一〇四一号) 三九 四條畷、長尾間電車化請願淺香忠雄君    紹介)(第一〇四二号) 四〇 東北地方鉄道複線化並びに電化に関する    請願内海安吉君外八名紹介)(第一〇七    六号) 四一 浜松姫路間鉄道電化促進請願河原伊    三郎紹介)(第一二六一号) 四二 浜松米原間鉄道電化促進請願江崎眞    澄君紹介)(第一二六二号) 四三 同(辻寛一君外三十二名紹介)(第一四七    四号)四四 堀之内、御前崎間軌道電化に関する請願(    竹山祐太郎君外一名紹介)(第一六三八    号) 四五 岡山市に鉄道局設置請願苅田アサノ君    外一名紹介)(第六五一号) 四六 盛岡市に鉄道局設置請願山本猛夫君紹    介)(第七七四号) 四七 鳥栖町に鉄道局設置請願三池信君紹    介)(第一一三五号) 四八 浜田市に鉄道局設置請願木村榮君外一    名紹介)(第一六七九号) 四九 豊後中川駅から野矢駅に至る区間鳥栖管    理部に移管の請願村上勇紹介)(第一    三九六号) 五〇 山陰本線に準急列車全通並び広島始発東    京間に急行列車運輸開始請願田中堯平    君外一名紹介)(第六五九号) 五一 飯山線に通学列車運転請願倉石忠雄君    紹介)(第八一二号) 五二 名寄経由函館網走間直通列車増発請願    (松田鐵藏紹介)(第一〇三八号) 五三 飯田線急行列車運転請願金原舜二君    外一名紹介)(第一五一四号) 五四 阿久根駅に急行列車停車請願尾崎末吉    君紹介)(第一四六八号) 五五 山陰線淀江駅に準急列車停車請願(門脇    勝太郎君紹介)(第八九七号) 五六 湯の元駅に急行列車停車請願岩川與助    君紹介)(第九九八号) 五七 指宿線にガソリンカー復活請願(上林山    禁吉紹介)(第八七一号)     ―――――――――――――
  2. 關谷勝利

    關谷委員長代理 委員長にさしつかえがありますので、私がかわつて委員長の職務を行います。  これより運輸委員会を開会いたします。  これより請願審査に入りますが、その前にお諮りいたします。ただいままで本委員会付託になつております請願は二百数十件でありまして、今後も相当数付託が予想されるのであります。従いまして本来ならば、各請願について一つ一つ審査を進めて行きたいのでありますが、今後二百数十件の請願についてやつてつたのでは、他に重要法律案審査も山積しております今日、とうていその時間的余裕がないのではないかと思います。のみならず、本日ここに御審査を願う請願については、各位のお手元に配付になつております文書表によつて、十分その趣旨は御承知のことと存じますので、各請願趣旨説明は原則としてこれを省略して、政府の御意見を承ることにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 關谷勝利

    關谷委員長代理 御異議がないようですから、そのようにとりはからうことにいたします。  それではこれより日程一より三二を一括議題といたします。以上の各請願は、新たに鉄道建設してもらいたいという請願、あるいは建設途中で中止になつているのを、すみやかに工事を再開してくれという趣旨のものでありまして、すでに先般来も同様の請願について審査をいたしておるところであり、ほとんど全国各地からこのよう請願が出されているのであります。先般個々請願について政府当局の御意見を伺つたときも、早急実現は困難であるようなことだつたのであります。従いまして個々路線について政府の御意見を聞くことはもちろん必要ではありますが、もう一つ根本にさかのぼりまして、政府はこのような今後の新線建設について、いかなる方針をもつて臨まれんとするのか。この点について御説明を願いたいと思います。
  4. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 鉄道の新線建設の件でございまするが、御承知よう戰争中におきましては、貨物輸送力を増強いたしまして、いわゆる戰時輸送力の強化という点を主眼として、特に必要のありますところの戰時資源開発等につきまして、若干の新線を開通いたしました以外は、すべての能力を貨物輸送力の増強に置いて参つたわけでございます。終戰と同時にこの態勢が切りかえられまして、鉄道の運営も平常状態にもどつて参つて来たのであります。しかしながら御承知よう終戰後におきましては、いろいろの経費の増嵩に比べまして、鉄道運賃の引上げ、是正ということがこれにマツチして参らない。そのために非常に鉄道経営は困難をきわめまして、毎年度経営費においてすら赤字を出しまて、一般会計からも繰入れるとか、あるいは借入金等の処置によつて、けりをつけなければならなかつたわけであります。従いまして新線の建設というごとき、いわゆる新たなる資本を投下いたしますよう工事は、ほとんどこれを抑制せざるを得ない状態になつて参つたわけでございます。かたがた御承知ように、関係方面からの指導方針も、まず鉄道の復興であり、復旧である。リハビリーシヨンを第一とする。それが済んでからその他の次の段階に入るべきだ。まだ鉄道としては、戰時中荒廃から完全に復興いたしておらないということでございまして、まことにその通りなのでございます。そういう意味をもちまして、ただいままで新線の建設につきましては、ほとんどごくわずかな例外を除きましては、全部ストツプして参つたわけでございます。しかしながら昭和二十五年度以降といたしますと、おかげをもちまして運賃のレベルも、ほとんど健全なる経営をいたすに至る程度までの是正を認めていただきました。今後は国鉄当局企業的努力をいたすことによりまして、十分健全なる企業体としての経営がとれるということに相成つて参りました。従いまして一面また戰時中荒廃復旧も大体——完全とは申しませんが、各方面ともほぼ復旧程度も進捗して参りまして、やや戰前の姿に近い鉄道の姿に現在なりつつあるわけであります。そういう状態でございまするので、今後鉄道財政面から見まして、新たなる資本支出というようなことが、不可能ではないというよう時代が近づいて参りました。従つて鉄道復旧に対しまして、過去数年間におけるがごとく、否定的である必要はなくなつて参つたのではないかと思うのであります。しかしながら一面考えなければならないことは、今日におきましては、鉄道企業公共企業体となりまして、独立採算を要求せられたのでございます。従いまして過去におけるがごとく、單に経済政策、あるいは広い意味で国策的な見地というよう意味から、採算を度外視いたしました建設線を敷いて参るということは、公共企業体独立採算立場から、いかがかと思われるのでございます。また関係方面の意向も、新しい資本投下について、そういう点にきわめて重点を置くように指示をされておるような次第でございます。従つて今後建設線考えます場合には、そういう点を考えて、まず第一には戰時中建設に着手いたしまして、それが戰時目的ばかりでない、平時におきましても十分事由のある建設線で、着手いたしまして、しかも戰争中のためにこの工事が打切られた。しかもその工事も、ある程度部分的には竣工しておるという所がございます。こういう点をまず第一に考えなければならぬのじやないか。第二には、戰争中線路を撤去いたしました所がございます。これは戰後になりましてほぼ復旧はいたしておりますが、いまだに復活しておらぬ所もございます。もちろん現在復活して参りましたバス輸送との関係におきまして、あるいはもはや鉄道輸送を必要としない。自動車輸送バス輸送あるいはトラック輸送等をもつて代理する方が、輸送経済の上から申しましても便利であり、地元の方から申しましても便利であるというような点もあると思います。全部が全部復旧するという必要はないかもしれません。なお撤去線にして復活の必要のあるものは、やはりこれは過去の沿革的な権利と申しますか、特権と申しますか、とにかくそういう既成事実を、戰争の秋という事情でゆがめたという点の是正は、いたさなければならぬという感じを持つておるのでございます。  次には、今度は日本国内的に非常に多くの領土を喪失いたしまして、従つてその狭い国土のうちに、多数の人口をもつて生存をしなければならぬ。国内資源開発ということが、何よりも急務でございます。この資源開発ということにつきまして必要な輸送設備ということは、国策的にぜひ推進しなければならぬと思うのであります。ただこの場合におきましては、少くとも政府当局といたしましては、国有鉄道のいわゆる資本が、やはり独立採算建前から申しまして、適正な利潤、あるいは利潤を求めないまでも、とにかく増加資本をふやすだけの経営内容を持たないという場合におきましては、これは建設につきまして、あるいはその後の経営につきまして、国家の一般的な負担において何らかの措置を講ずるということも、考えて行く必要があるのじやないか。そういたしませんと、この資源開発線というようなものについての建設につきましては、なかなか実施するのに困難な問題に当面するのではないかと思つておる次第でございます。  なお昨年の国会におきまして、日本国有鉄道法改正を御承認願いましたその結果といたしまして、国鉄におきましては鉄道債券を発行し得ることになりました。これによりまして、あるいは地元資本を動員いたしまして、地元に直接関係のありますところの建設線などの資金の調達というようなことも、可能になつて参つたと思うのでございます。鉄道公債必ずしも地元資本を主目的としたものではございませんが、地元資本の動員ということにも、鉄道公債は役立つものではないか。やりようによりましては役立つのではないかということも考えられるのでございます。それこれ合せまして、長い間の建設ストップ時代から、ようやく建設につきまして根本的な対策、考え方をきめて参るべき時期に向つて参つた、かよう考える次第でございます。
  5. 坪内八郎

    坪内委員 ただいま政府委員から新規路線計画、あるいはその他戰時中に中止された工事、いろいろなことについてかなりの詳細な説明があつて、要領のいい話だというふうにわれわれは考えているのでありますが、この際一、二お專ねしてみたいと思います。国内では新規路線鉄道建設計画相当あるように思うけれども、ただいまのお話はもちろんのこと、国鉄独立採算建前から、採算とれない計画はしないというよう方針で行くことは、CPSその他の考えもそうだということも聞いております。しかしながらあらゆる科学的な調査資料に基いて、ほんとうに採算がとれるよう路線かある場合は、積極的に調査をするなり、あるいは現状をつぶさに科学的に調査をするなりしなくてはならぬと思いますが、そういつた面国鉄では調査費と申しましようか、そういうものを計上するというよう計画はあるのかどうかということを、第一点にお尋ねしたいと思います。  それから行政整理によつて国鉄あるいは運輸省の定員が削減されまして、今まで戰時中、あるいは戰後でもそうでしようが、建設路線のために相当技師国鉄にいる。その技師の優秀な技術をもつて新規路線計画するに従つて、あらゆる角度から調査研究を重ねる。そういう技師は今一体何をしているのか。なおまたそういつた技術を持つて今まで建設路線を主として担当して来た技師は、まつたく今日においては新規路線がない。二十五年度には釜石の新規計画があつたのみで、他はまつたくないというよう状態であるから、そういう技師などは最近どういう状態で働いているのか。さらにまたそういうものの数字、大体大まかでもわかれば、どのくらいの数になつているか。私の考えでは、むしろ新規路線計画かほとんどできないような今日の状態であるからこそ、こういう際に十分採算のとれる路線調査をしてきちんとした計画を持つていることも必要ではないかと考えますが、その点についてお尋ねいたしたいと思います。
  6. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 第一点の建設採算上有利、適当と認むる路線調査は、相当つつ込んでやるべきではないかということにつきましては、まつたく御同感でございまして、国鉄におきましては技師長という制度を今般設けまして、そういう方面の新線計画等についての任務に当らせている次第でございます。それから予算というお尋ねでございますが、予算工事費の総係費の中に、さよう調査費は含まれていると思います。ただ必ずしもこれだけの予算でこれだけやるということではなくして、国鉄予算をもつていたしますれば、必要が起つた調査を十分完遂するだけの予算の運用は、この間御審議をいただきました分で十出ではないかと思つている次第でございます。  それから技術者の活用についてのお話でございまするが、これはもちろん土木建設改良等に当つております技術家方々は、きわめて優秀な方々が当つてつたのでございます。しかしながら鉄道土木も、必ずしも新線建設ばかりではなくして、改良補修等につきましても、同じ系統の仕事でございます。しかも建設工事の方を担当して来られた技術者方々は、非常に優秀な方々でございますので、それがかりに改良なりあるいは補修方面へ転身されましても、この方面でもきわめて有能な技倆を発揮されるのであります。一部はそういう方へ方面をかえて仕事をねらつておることと思うのであります。今具体的な数字は持ち合せませんので、お答えできないので恐縮でございます。しかしながら技師長の下には、優秀な技術者方々が現在でも配置されておりまして、大きな基本的な工事計画建設計画等について、いろいろ研究をいたしておることを御了承願いたいと思います。
  7. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 今條件を三つあげられたのですが、今出ておる請願の中で第三番目の、日本国際的見地からというのに当てはまるものは、割合に少いと思うのです。これらのものは大体平時目的をもつてつたのが、戰争中中止されたもの、あるいは戰争中線路を撤去したもの等、こういうものに該当するかと思うのですが、これを大体区分したらどういう率になるのでしようか。一々そういうことについて伺えれば非常にいいと思うのです。  それから請願の扱いも、私あまり委員会に出たことがありませんからわかりませんが、紹介諸員があれば、紹介議員が来て一分でも二分でもその点説明するような熱心さがなければ、採択してやらない方が権威があるし、われわれも事情がわかるということでいいのではないかと思います。今のような大体のことでこれを可決したということになると、一般人民の側から見れば、あれは通つたんだから、政府は考慮するだろうというふうに考える。その点委員長考えを承りたい。  もう一つは、やはり鉄道考える場合においては、今政府で大いに考えておる国土計画というか、国土開発の問題と、それから未開発資源開発問題、それらの関連なしに鉄道の問題を末梢的に考えるべきではないと思う。独立採算制ということから考えれば、問題は末梢になりますけれども、われわれが将来日本の国において、多くの人口を養うという大きな見地から考えれば、やはり基本的なそういう鉄道建設考えて行かなければならぬと思う。そこで政府の方では、今までは国土計画委員会というものがありまして、そうして国土計画の中には運輸計画というものが非常に重大な役割をなし、戰後においても内閣の中に国土計画委員会というものがあつてやられたようでありますが、今どういう状況になつておられるのか。そういう問題とどういう関連のもとに鉄道当局考えておるか。これを私は承つておきたいと思う。従つてその基本が出て来て、その基本の上にこういう線路が出て来るということになれば、順序もできて来ると思うのです。考えようによれば 観光事業という面も、やはり日本における国土開発ということになつて、大きな運輸計画の中に現われて来る。そういう系統立つたものはどういう形態で今お考えになつておるか。それを一応お伺いできればけつこうだと思います。あなたに伺うのはむりかもしれませんが、こういう方針は大臣の構想の中にあつていいと思うが、しかしあなたが関與しておる程度において、知つておられることをお話し願えればけつこうであります。
  8. 關谷勝利

    關谷委員長代理 ただいまの委員会審議方法について御質問がございましたが、大体一件々々審議をいたしまして、なお紹介議員が出て説朗をするのが本来であります。しかしながら本日は公報で発表をいたしておりましても、紹介議員が見えておりませんので、一応の御説明を聞き、採択するかどうかを順を追うて決定する。こういうことにいたしたいと思いますので、御了承願いたいと思います。
  9. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 ただいま御質問のありました国土総合開発ということに対しての関連において、鉄道建設をどう考えておるか。こういう御質問だと思うのであります。まことにごもつともな御質問でございまして、また私ごときがお答えする立場でもないということを、十分御了承のことと思うのでありますが、事務的に申し上げますならば、やはり現在のところは国土開発総合審議会、あるいは安本の建設局等仕事と、密接な関係はとつておるのであります。しかしながらまだ日本国土開発鉄道建設の形において、具体的にどういうふうに解決するかという基本的な線は、出て参つておらないと思います。今後の問題といたしまして、私どももただいまお話のあつたような線と同時に、独立採算立場からしては、建設できない線をどうして建設する方向に持つて行くかということを考えなければなりません。さよう考えております。今後の政策決定にあたりまして、そういう点を十分慎重に計画していただくように、上の方にいろいろ御進言申し上げたい。かよう考えておるわけであります。  ここに出ておる線がどのカテゴリーに該当するかというお話でございますが、私ども考えておりますのと、それから請願者のお考えになつておる建前とは、多少違うからうかがうかと思うのでありますが、たとえば一例を申し上げますと、三陸沿岸鉄道のごときは、これはやはりある意味開発路線ということが言えるのじやないか。それから北海道地帶の御請願は、まず開発的な線である。こういうふうに考えていいのじやないかと思います。それからあと現在開発地帶としては、只見川の水域に関係あります鉄道のごときも、開発的な使命が非常に強いのではないかと考えております。それ以外につきましては、地方運輸計画というような点の方が重点が多い。こう思つておりますが、伊豆半島のごときは先ほどお話がありましたように、ある意味における国土開発のための観光路線というよう意味合いの理由も、相当ありはしないかと考えております。
  10. 尾関義一

    尾関委員 初めに委員会審議の順序をおきめになつたものですから、私が紹介議員であるものが三つばかりあるのですが、申し上げますのを差控えておつたのです。しかし政府委員の御説明を聞きますれば、今後建設に導いて行く條件と申しますか、前提要件と申しますか、三つばかりおあげになつたうち、私の紹介いたしましたのが、お話の戰時において中止したというのに当てはまる路線があるのであります。それは二十七の野岩羽鉄道全通促進請願というのが第一でありまして、この野岩崩鉄道というのは、詳しく申し上げれば長くなりますから差控えますが、明治二十三年に月光線が今市というところまで開通いたしました当時から、御承知の通り日光といわゆる会津との街道、会津街道と称する線路でございます。これは北日本と関東の宇都宮、日光方面を従断ずるところの鉄道として、非常に沿線の有志が努力いだしまして、これが達成に努めまして来た結果、昭和十一年に建設案が通過して、当時の内田信也君が鉄道大臣のときであつたと私記憶しておりますが、それから十六年までに完成するという、すなわち田島と今市間を完成するというので、工事が着手されまして、ある程度鉄道も敷設され、軌道を引きますところの基盤もできたのでありまするが、大戰のために中絶せられて今日に至つております。爾来、そのほとんど窺及し得ないほどの山林資源を有しております資源開発にもなります、あらゆる面から検討して、ぜひ建設してもらわなくちやならぬというので、その都度請願が続けられて、いずれも採択して、今日に至つた路線であります。これは今政府委員のおつしやるように、平和な時代に必要である、産業開発に必要であるという建前から着手せられ、ある程度鉄道もあるにかかわらず、戰争のために中絶せられた路線に属するのであります。最近惡いくせでありまして、選挙の関係でありましようか、その地区地区の代議士あるいは参議院議員諸氏が、田島、今市間の起点と終点を中途に変更して、他に持つて行こうとする運動がありますと同時に、これらの調査をなされておるところの運輸委員並びに鉄道公社の方々も、現場をごらんになつて、今言つたすでにきまつておるところの田島、今市間の線がいいか、あるいはそれを中途から、たとえば西那須野に持つて行くのがいいか、調査するというような言葉を軽々に発せられるために、住民が迷いまして、すでに何十年のさような努力と歴史のある線が、とやかく言われるよう状態になつて、そのためにあるいは建設が遅るのではないかということを、沿線の民は憂えておるのでありますから、ぜひともこの野岩羽鉄道というものについては、特段なるお考えを持つてもらいたいのでありますが、御調直の結果もし田島から今市を終点とする既定の方針を、おかえになるというがごときお考えがあるのでございましようか。さような話を聞いておるのですが、御調査の納采はいかがなものですか。承つておきたいと思います。
  11. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 野岩羽線の計画線の変更をするということでありまするが、そういう西那須野の方面へ出る路線について、調査をしてほしいという請願が出ておるのでございます。しかしながら現在の野岩羽線の計画自体も、御承知よう線路の設計の済んでおるのは、そのうちの一部でございまして、荒海、熱塩、滝原までございますが、それから先につきましては、まだ鉄道といたしまして計画が決定しておるということではありませんので、別に変更いたしたいということにもなりませんし、決定いたしておるということでもないというふうに、御了承願いたいと思います。
  12. 尾関義一

    尾関委員 荒海まではすでに敷設が完了しておるのでありますから、そうすると昭和十年に今市、田島間に鉄道を敷設するという意味建設に着手されて、荒海までできたと承知しておるのでありますが、今のお話ように荒海と田島間の関係であつて、それから先は何ら計画ができていない。予定になつていないという意味でしようか。
  13. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 線路の設計ができておりますのは荒海と滝原間、土工ができておりますのは荒海まで、それから先設計いたしまして土工をいたしたのでありますが、それから先の今市まではもちろん測量も調査もいたしておるのでありますが、ただいま申し上げましたように、その線路が決定しておるという——何と申しますか、もはや敷設中だというよう意味合いで、決定しておるということではない。こう申し上げたのであります。
  14. 尾関義一

    尾関委員 どうも少しわからないのですが、設計はできていないかしりませんが、少くとも今市、田島間の鉄道建設をするという予定で御着手になつたことは、間違いないのでしよう
  15. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 それは間違いありません。
  16. 尾関義一

    尾関委員 さようつておけばよろしゆうございます。そういう状態でありますがゆえに、この野岩羽鉄道建設については、特段な御配慮にあずかりたいと思うのであります。  それから二〇の日光、足尾間鉄道敷設請願でございます。日光、足尾間の関係は、栃木県におきまして、日本で有名な足尾銅山への物資の供給は、足尾銅山始まつて以来日光方面から輸送しておつた関係が、今日にも伝わつているのでありますが、しかし道路の輸送でありますがゆえに、トラツクが通りますといつたところで十分でありません。こういう山岳地帶でありますから、水害、雪害に非常な困難をしております関係上、年に少くとも二回ぐらい、あるいは雪のため、あるいは水のために、足尾銅山の住民諸君が二日も三日も食糧を絶食しなければならぬというよう状態に置かれているのでありますが、日光、足尾間の鉄道が敷設できますれば、さようなこともなくなりますと同時に、日本の有数な鉱山としての足尾銅山の発展に、非常なる裨益をなすものであることは間違いないのであります。その意味において請願を申し上げた次第であります。  それから長倉、大子間というのは、栃木県の東北部から茨城県に連絡する広茫たる地帶が、非常な交通の不便を感じているのでありまして、たびたびこれは問題になつて、茨城県の住民諸君よりも話がありましたが、栃木県、茨城県を一貫して物資の運搬並びに交通に資したいというのが、請願趣旨であります。はなはだ簡單でありますけれども、私の紹介いたしました請願についてお願いした次第であります。
  17. 石野久男

    ○石野委員 ただいま尾関委員から御説明かありました請願等——の長倉、大子間の鉄道敷設促進の件でございますが、この件についてちよつとお尋ねいたしたいと思います。すでに長倉、大子間の鉄道敷設につきましては、従前から計画が持たれておりまして、戰前におきましては中川を境とする南の方には、もうすでに鉄道敷設の準備までも戰時中に整えた。まくらぎまで持つて来ておるというところまで進行しておるというところまで進行しておつたと思うのでございます。その後終戰と同時に、この問題は相当有望だと聞いておつたのでございますが、当局におかれましては、この問題について今日どのようなお考えをされておるか。ちよつと承つておきたい。
  18. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 お話ように長倉線は、全部で延長六十二キロ九分でございます。昭和十一年の第五十六議会におきまして、これが建設費を予算として一ペン計上されたのでございます。茂木から中川に向つて約六キロ、中川まで土工は済んでおります。中川から長倉までの六キロ四分、烏山、馬頭間の十二キロ四分、これは設計が済んでおります。これはまだ工事には全然手をつけておりません。残金の茂木と烏山をつなぎます十九キロ三分、馬頭から大子に出ます十八キロ八分は、設計が済んでおりません。事実はただいま申し上げたようなことでありますが、当局といたしましては、この工事をただちに再開する用意はただいま持つていないのであります。     —————————————
  19. 關谷勝利

    關谷委員長代理 次に日程第三四より第四四を一括して議題といたします。これらの請願鉄道電化促進の請願でありまして、先ほどの鉄道敷設と同様な問題であると存じます。従いましてこの際鉄道電化に対する政府方針等を承りたいと存じます。
  20. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 鉄道電化につきましては、一つには鉄道自体の経営上の問題で、経営が非常に合理化されるという点もございます。もう一つには日本の石炭資源の将来を考えますときに、日本の石炭の生産額の四分の一近くを消費しております鉄道が、ホワイト・コールである無盡蔵な水力電気に切りかえるということは、資源の確保といいまするか、合理的使用の上から言つても、いいことじやないかと思います。ことに御承知ように、蒸気機関車は、熱効率がきわめて惡い機械でございまして、貴重な石炭のカロリーの五%ないし一〇%程度しか利用できないという機械でございますので、ますます電化の促進が急務となつておるわけでございます。また鉄道の方から見ますると、現在のごとき石炭の価格におきましては、多少資本を投じましても、電力によります方が、採算上も有利であるのみならず、スピード・アツプ等による利便もあるし、また乗客に対するサービス、また都市附近におきましては都市衛生上の点から言つても、きわめてよい結果をもたらすということで、終戰後あらゆる新規工事を差控えましたにもかかわらず、この電化につきましては、極力これを推進するようにして参つたのであります。しかしながら最初のうちは資材の点で相当難関もございました。次に資材の点の見通しが楽になつて参りますと、資金の点で大分問題がむずかしくなつて来ました。そこで昨年度のごときは、既定計画でありますところの東海道線の沼津、浜松間を電化し、それから例の奥羽線の米沢、福島間の電化をしましただけで、その後の工事はいまだ着手せられておらないという状態になつております。これは資金の点で相当困難だつたと思うのでありますが、二十五年度におきましてはいろいろの見通しもございましようし、また見返り資金などの利用等も考えられまするし、また一面民間資本を動員して、電化会社を設立してはという御計画もあるようであります。そういう観点から、資金の点の見通しは若干好転して参つたと思うのでありますが、最近において問題となつておりますのは、むしろ電源関係の問題であります。現在の日本の電力事情をもつてしては、これ以上鉄道電化を進めることは、結局一般産業にまわす電力に食い込むのじやないか。電源の方が解決されて、しかる後に電化考えるべきじやないか。こういう意見が有力になつて、二十五年度の電化工事につきましては、まだ具体的な計画は着手するまでに至つておりません。しかしながら電源の開発につきましても、国鉄自営の信濃川の第三期工事も十分資金の見通しがつきまして、これに着手いたします。この信濃川の第三期工事の発電ができるに伴いまして、関東一円の国鉄電化するだけの能力ができる。そうしてその浮いた分を、何らか技術的な方法で、中部あるいは関西方面へ転換する操作ができますれば、東海道線の延長もできるのではないか。かようないろいろ議論をいたしておるのであります。まだ決定に至つておりませんので、たいへん残念に思つております。ただいまの見通しとしては、東京の山手線は、旅客線の方は電化されておりますが、貨物線が電化されておりませんために、非常に不経済な輸送をやつております。この山手線の電化どもできるだけ早く着手したい。また電源関係から言つて、信濃川水系を使う方が合理的だということになりますれば、東海道線よりはむしろ高崎線の電化を先にしだらどうかという意見も出ておるようであります。具体的にはまだ決定しておりませんが、さよう御了承おきを願いたいと思います。  なおそういう大きな電化計画とは別に、たとえばここにもございまするが、四條畷、長尾間、あるいは女川線のごとく、現在の電車運転区間を多少延長するという問題もございます。これらはさような大きな問題と別でありまするので、予算あるいはその他の設備上の條件が解決できますれば、着手して御要望に沿いたい、かよう考えておる次第であります。
  21. 石野久男

    ○石野委員 ただいま電化計画についてのいろいろな当局のお話を承つたのでございますが、最近ではとにかく電源関係が一番電化問題を考えるのに難点であるというお話でございます。しかし石炭の節約あるいはまたスピード・アツプとか、サービスの向上、都市の衞生の問題であるとか、とにかく国鉄自体の独立採算制の観点からいたしまして、電化問題を早急に取上げなければならないことは、当局だけでなく、一般にだれもがみな認めるところだろうと思うのであります。ただいまの計画によりますると、二十五年度は、ただ東京近郊における山手線の貨物線の電化だけが一応考えられている線だ、こういうお話でありまするが、もし地方におきまして電源の確保が、——たとえば最近の石炭事情関係から、確保でき得るような場合における電化というようなことは、当局といたしましては考え得られるのでありましようか。その点について御意見を承りたい。
  22. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 電化いたしますには、相当の固定設備を要しますので、何よりもまず国鉄といたしましても、輸送量の一番多い線区を電化いたしたい。そういたしますれば消費する石炭の節約にもなりますし、また経営上の利点も大きいという点で、東海道線を第一番に着手すべく、浜松まで完成いたしたわけでございます。その基本的な考えから申しますれば、まず東海道線の電化を何をおいても先に完成いたしたい。こういう気持でおるのでございますが、その点について中部及び関西方面の電力事情が、これを許さぬではないかという有力な意見に今ぶつかつております。それを打開する方途さえつきますれば、その電化の推進は可能であると私は考えております。
  23. 石野久男

    ○石野委員 東海道線のように非常に多量の電力を要するところは、ただいまの電力事情からいたしまして、いろいろとさしさわりが各地に出て参りますので、ただいま当局の御説明ような点はごもつともだと思うのでございます。しかし幹線であつても、その地域的な面から、特に電源を活用し得る可能性のあると思われる所、それは発電所が別段国鉄のものでなくとも、いわゆる日発系統から買入れること等によつてできるような場合、こういうようなことが考えられるときのお考えを伺いたいのであります。その例といたしまして、たとえば常磐線等のごときは、非常に輸送量の輻湊するところであることは、自他ともに認めておるところでございますが、これはただいま坂手まで一応電車区間電化が行われておるのであります。あそこの電源は、ただいま信濃川から入つておりますけれども、また他面からいたしますと、常磐地区におけるところの石炭事情等を勘案いたしまして、日立の火力発電所の活用ということが、十分取上げられる問題だろうと思うのであります。これは常時、渇水期を除きましては遊休施設として、待期姿勢にあるわけでございますので、こういう発電所の使用等によつて、たとえばある区間だけを電化していただく。それによつて一般の輸送量の増加というようなことも考えられ得られるというふうにも、私ども考えるのでありますが、当局のお考えを承りたいと思います。
  24. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 電化を短区間いたしますことは、たとえば長大な隧道のございます清水というようなところは、万やむを得ずそういう措置を講じておるのでありますが、固定施設を相当要しまするし、また電気機関車の運行の能率から申しまして、あまりに短区間をやりますことは、経営上から言つても損でありますし、またそれだけの資本を投下するだけの意味がないことになると思うのであります。これは一般的な問題でございますが、ただいまお話のありました常磐線のごときは、取手まで電化しておりまして、これを逐次電車区間を延長して行くということは十分考えられますし、またその方面におきまするいろいろの、ことに東京に対しましての通勤あるいは東京の援護地帶といたしましての、東京をかこむ地帶といたしましての開発地点という意味からいたしまして、常磐線の電化の延長を進めて行くことについてば、十分理由もあり、またやつて行くべきではないかと思つております。この点につきましても、ただいまお話趣旨に基いて研究しております。あるいは案外早く実施する運びになるかもしれないと考えております。
  25. 石野久男

    ○石野委員 電化の問題についての基本的な構想について、政府の持つ考え方等は、なお大臣等からももつと承りたいと思いますが、私はこの際委員長に、これは請願の問題と直接関係はないかもわかりませんが、この委員会においても電化促進ということを取上げるような小委員会の設置等を、御配慮いただけるような御処置をお願いしたいという希望だけを申し上げまして、終らしていただきます。
  26. 關谷勝利

    關谷委員長代理 承知いたしました。     —————————————
  27. 關谷勝利

    關谷委員長代理 次は日程四五より四九までの間を一括して議題といたします。これらはすべて局設置その他機構の問題でありまするので、これもまた政府から一括して御説明を願いたいと思います。
  28. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 鉄道局設置の問題でございますが、御承知よう国有鉄道の機構改正は、昨年九月に北海週において実施いたしまして、なおその後実施の模様によりまして、本年一月にさらにその形態を改めました。それからこの四月、本日からは四国地方において実施されております。この成績等を勘案いたしまして、今度は全般的に本州、九州に及ぶというようなことになると思つております。この機構の改正は、二つ意味がございまして、一つは従来の現場に至りますところの監督の態勢が、本庁、鉄道局、管理部、それから現場という四段階になつておりましたものを、管理部を廃止いたしまして、そのかわり管理部を二つ、三つあるいは四つ併合いたしました地域を管理する機関を設けたい。そうして結局本庁がら現場に至るまで三段階にする。段階を一つ省きたいということが一つ、それからいま一つは縦割り主義と申しまして、現在は鉄道局長は、すなわち国鉄総裁と同じ幅の内容の仕事を、地域的に分割して受持つておるのでありますが、そういうことをやめまして、仕事の系統に応じて、全部その系統々々で仕事をして行く。従いまして資材方面につきましては資材事務所を設ける、経理方面につきましては経理事務所を設ける、営業方面におきましては営業事務所を設ける、国鉄自動車の経営につきましては自動車輸送事務所を設けるというように、縦に仕事を割つて、地域的におろして行くというかつこうをとるのであります。従いまして今後できますものは鉄道局ではなくして、鉄道管理局と名づけておりますが、單にこれは汽車を動かして行くという仕事を預かる部門だけが、鉄道管理局の名前で残るわけであります。そのほかの仕事は、いろいろ経理方面、運輸方面、別個の機関となるわけでございます。従いまして今までのよう鉄道局ができるというふうにお考えになつては、これは大きな誤解が生ずるのではないかと思う。そこで今度できまする鉄道管理局のごときは、列車を動かし、補修し、運行して参るための機関でございます。部外の方々に接触をし、旅客の方々に接触をいたしまして、鉄道との関係を結ぶ仕事は、営業関係仕事でございまして、これはある地方を限りまして、営業総支配人というものを置きまして、その下に営業事務所を主要の地に設けて行きます。従いまして管理部が廃止されましても、そういう主要の地にはおそらく営業事務所の設置を見ることになりましようし、またただいままでの鉄道局の所在地等に、営業総支配人が置かれるというかつこうになりますので、そういうことになると思います。従いましてそういう点から申しまして、部外の方々鉄道を御利用になるという仕事の面からは、この内部機構の改正によつて、御迷惑をかけるというようなことにはならないのじやないかと思います。そういたしますると、鉄道管理局のごときは、機関車がどこにあるか、あるいは客車の収容所がどこにあるかというようなことと同じ意味合いで、鉄道を動かすことをやつて行く仕事、機関がどこにあるかという問題になつてしまうのでございまして、地方としてあまり御関心を持たなくてもいいのじやないかという感じを持つております。またかりにその鉄道管理局にいたしましても、今度は現在置いてありまする九つの鉄道局の所在地以外に、どこに置くかということでございますが、これはまだ全般的に研究中でございます。ここに御請願になつております所に置くとも申し上げかねますとともに、またここには置かないのだという否定的なお答えもいたしかねる状態でございます。それから一つ理部の移管についての御請願もなさつておるようでございますが、これはただいま申し上げましたような管理部配置というような方向で、機構が改正されると思いますので、今問題にする段階ではないのではないか。かように思う次第でございます。
  29. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 これに関連しまして少し伺つてみたいと思うのですが、運輸省が鉄道監督の機関になり、独立経営公共企業体国有鉄道がなつて、それで機構の問題がいろいろ議論されて行くと思うのですが、はたから見ておりますと、今出ております請願の側に、この機能を一緒に考えているものもなきにしもあらずと思うのであります。またしかし実際からの経営状態を見ておりますと、案外鉄道の方も、独立経営体としての国有鉄道を見る場合において、目分の管理権の方を強く主張することによつて、重複する組織をつくるような結果になりはしないか。従つて今話を伺つておりますと、その説明では、一体日本国有鉄道としての機能であるか、あるいは運輸省としての機能であるかということを、私には把握できないのです。従つてこの次に、一体運輸当局というものがあつて、運輸当局の内部に国有鉄道に関する監督の部門があつて、それがどういうような系統で響いておるのか。国有鉄道というものは、その中央に国有鉄道があつて、総裁があつて、さらに副総裁があり、その管理者があつて、下にどういうような系統で行つておるのか。全国的な系統を図解で示してもらいたいと思うのです。そうでないと、今の説明を聞いておりましても、営業事務所というようなことを言いますけれども、営業事務所は運輸当局の営業事務所ができることであつて従つて国有鉄道のことではないということになるのですね。自然鉄道管理局が問題になることは、これは運輸当局としての鉄道管理をやる。しかしここで話を伺つておりますと、鉄道を動かすとか、いろいろなことを管理局がやるというと、独立経営体であり、一つ公共企業体としての独立性というものは一体どこにあるのか。あまり監督が嚴重になりはしないかという疑問を私は持つのです。そういう意味合いで、これは何か資料みたいなものがございましようと思いますが、あるいは私以外の議員はもらつておるかもしれません。私はこの間北海道に参りまして、北海道の鉄道——これは去年の夏別に行つたのでありますが、最近鉄道理部鉄道局に拡大するところもあり、また移動するところもあるということで、いろいろ地元で問題が起きております。最近になりましてから四国でおやりになつようでありますが、四国でもやはり幾らか、一月か、十二月に参りましたときに、鉄道の従業員の人たちの中に、少し問題があるようでした。しかしその問題を考えてみれば、結局運輸省の機構と、もう一つ自分たちの国有鉄道の機構との交錯した考え方が、非常に心配を起しておるので、その点をやはり明確にする必要があるのではなかろうかと思うのです。それで一体どの程度独立採算制としての公共企業体仕事をやつて行けるか。今のお話を伺つておりますと、ほとんど運輸省の一部局のまるがかえのようなものになつて、その監督がなければ活動ができないというよう状態になつておるようでありますが、独立企業体として一つ公共企業体なつた以上は、相当の幅を持たした経営方針というものもやらしてよいのではないか。ないしは機構問題でも、大いにやらしてよいのではないかという考え方をしておるわけです。そのことはやはり活動行政の上に現われて来て、仲裁委員会を通つても、仲裁委員会の決定に対して国が干與する形において、金がないから自然国有鉄道では問題が起きて来るのであります。あの問題でも、專売公社の問題にしても、そういうことにはどつちが主体であるか、わからぬような結果になつて来ておる点がありますので、その点明確にする必要かあります。われわれでも知りません。何かの機会に全国的の運輸機構はどういうものであつて国有鉄道そのものはどういうものであるか。どの程度の監督機構というものがあるかということを、図解か何かで出してくれると非常によいと思います。
  30. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 ただいまのお話の図解の点は、さつそくとりそろえて差上げることにいたしますが、今の私の説明がたいへんまずかつたので、誤解をしていただきましたので、ちよつと御訂正さしていただきたいと思います。ここに請願に出ております鉄道局と申しますのは、運輸省の下部機構としての行政上の機関ではなくして、日本国有鉄道のいわゆる企業体の下部機構でありますところの鉄道局のことでございます。ただいま私が申し上げましたのは、結局日本国有鉄道という企業体の組織について御説明申し上げた次第であります。国有鉄道の監督いたしておりますのは、運輸本省の鉄道監督局の国有鉄道部でいたしておりますが、それは日本国有鉄道法に定められております鉄道の大綱的の監督をいたしておるのでありまして、一々現実のオペレーシヨンに口を出すという組織ではございません。運輸省の行政機構の地方機構といたしましては、各地に陸運局というのがございますし、陸運局はすべて地方鉄道と自動車運送事業等の行政をやつておりますが、国有鉄道については何ら権限を持つておりません。従いまして国有鉄道は、中央で日本国有鉄道の総裁以下が経営をいたしておりまして、これに対しまして單に運輸省は非常に後見的、ごく行政事務的な手続をしておるだけであります。企業のオペレーシヨンという面から申しますと、自主性はむしろ十分與えてあると思うのであります。ただ予算上の措置につきましては、非常に大きな国家的コントロールがございまして、そのために裁定等の問題、その他定員等の問題につきまして、いろいろ行政上淺沼委員の御不満を招いておることは残念に思います。
  31. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 そうなればあなたの方に出ておる陳情というものは、実際からいえば国有鉄道公社の方に出さなければならぬものである。そうでなくて国有鉄道公社の機構のことについて、政府委員がこれをどうするああするというから、問題が起るのであつて、自然そうなつて来ると、私は鉄道局というものと地方の営業とか、あるいは地方の事務所の問題などは、非常に問題が起きて来ると思います。そうすると屋上屋を架するような組織が、日本国有鉄道の中に出て来るような感じがするのであります。そのことは別として、そうだとするならば、問題の取扱いその他を、あなたの説明をやつておれば自分の仕事をやつておるように聞えるが、自分の仕事をやつておるということになれば、案外行き過ぎておりはしないか。また私の頭の中では、自分の監督下にあるものを、何か運輸省でもつてやれるようなことを、日本国有鉄道の機関と運輸省との関係において話合いをつけるか、あるいは国有鉄道考えて来たものを許可するというような形によつて行われるか、そういうことによつてかわつて行くと思う。そうだとすれば、そういうような扱い方をしなければ、だれしもがあなた方の考え方は、どうも複雑にわたつているような気がする。今の話で行けば、あなたのお話の通りに、なるほど一つの部でやつているには違いないけれども従つて自主権は認めている。しかして議会で議論するときには、その内容まで議論して、答弁は日本国有鉄道でなくて運輸当局がやるというのであれば、非常な干渉ではありませんか。その点はどうですか。
  32. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 昨年の六月に国有鉄道公共企業体にわかれます前は、運輸省が鉄道を直営いたしておりましたので、いわゆるオペレーシヨンの末端に至るまで、運輸省当局が責任を持つておつたわけであります。その結果いろいろただいま出ておりますような御陳情等も、運輸省の責任においてお答えもし、処置もいたしておりました。わかれました以上は、ただいまお話ように、日本国有鉄道に陳情すればまつたくいいことでありまして、運輸省がこれを自分のことであるかのごとく答弁する必要はないということであるかと思いますが、それはまつたくお説の通りで、われわれも同感でございます。しかし御陳情なさる方では、そういうこともあるいはお知りにならずしてお出しになる場合もあるし、お知りになつていても、運輸省は監督当局だから、しかるべく国有鉄道の方に話を通すのではないかというよう意味合いで、お話になつておると思うのであります。私どももこの御陳情を承りますのは、このあとにも出ておりますように、たとえば急行列車をどこにとめてくれというような問題は、まつたく純然たるオペレーシヨンの問題でございますから、日本国有鉄道にいろいろ御陳情なり、御要求になればいいことでありまして、運輸省といたしまして、そのようなこまかなことまでさしずする限りのものではないと考えておりまするが、これは正式の手続を経た御陳情でございますので、日本国有鉄道考え方はこうであり、また監督をいたしておりまする私どもも、かよう考えるが、それで御了承願いたいという意味合いで御答弁申し上げておるので、決して国有鉄道のオペレーシヨンに、これによつて干渉しようというような意図はございませんし、私どもの答弁も、国有鉄道の意向をよく聞きまして、皆様方に御了承願うように申し上げておる次第でございます。     —————————————
  33. 關谷勝利

    關谷委員長代理 次は日程第五〇より第五七までを一括して議題といたします。これらは運転業務に関する件でありまするので、これまた一括して政府の答弁を求めます。
  34. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 大体御請願の御趣旨は、列車の運転に関するものが多いようでございます。これらにつきましては、御請願の御趣旨日本国有鉄道当局によく伝達いたしまして、十分研究いたさせたいと思つております。なお急行列車の増発等につきましては、本年の九月を目途といたしまして、旅客列車約二万五千千口の増キロを計画しておりまして、ただいままで相当御不便をかけておりました地区の列車の増発なり、あるいは列車系統の是正なり、あるいは急行列車の増発なりをいたす予定になつておりまして、これができますれば、御要望の大半は沿い得るのではないかと思つております。なおガソリン・カーなどにつきましても、燃料事情の好転とにらみ合せまして、ガソリンカー、代燃ガス車、あるいはこれをディーゼル化いたしましたディーゼル車等の復活も、ただいま計画いたしておりまするので、この点につきましても逐次御要望に沿つて行けるのではないかと思つております。まだ具体的にどの線にどうするという程度までお答えできないのを、残念に思つておる次第でございます。
  35. 坪内八郎

    坪内委員 相当時間も経過いたしましたので、簡單に申し上げます。私の質問は、直接急行列車の停車の件ではありませんけれども、これに関連して、この前も四月一日からの運賃値下げの場合に、サービスの点で質疑をしたのでありますが、御承知のごとく九州の方に急行列車が、鹿児島と長崎に二本通つておるのであります。ところが鹿児島の方は一、二等もあり、寝台車もあるのに、長崎は二等で、寝台車もない。なぜ寝台をつけてくれないのか。おそらくこれは採算がとれないからというよう考え方であろうと思いますけれども、私はたびたび上京するとき、あるいは下るときもよく研究いたしておるのでありますが、ほとんど半分くらいは、急行で長崎に帰る人は、鹿児島の寝台車を利用しておるというような現状である。そこでこの二十五年度の年度がわりからは、何かそういうことも考慮されておるというようなことも聞くのでありますけれども、なるべく長崎の急行列車に寝台をつけてもらうように願いたい。  もう一点は、あの急行車には二等車が一つついており、その箱も気のきいた三等車よりもずつと惡いボロの車がついておる。洗面所では水も出ないというようなことで、この前から問題になつておつたようですが、きよう請願委員会でありまして、まことに恐縮ではありますけれども石井部長から国鉄の方に、そういう点を厳重に伝言していただいて、あの急行列車をどういうふうに考えておるか、その寝台車と箱のとりかえ、その点をちよつとお伺いいたしたいと思います。
  36. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 御趣旨のあるところをさつそく研究いたさせまして、次の機会に具体的に御答弁申し上げます。
  37. 石野久男

    ○石野委員 私案は請願のほかに、委員長にお願いしまして、船舶局長あるいは船員局長においで願つて、若干の質問をいたしたいと思つてつたのでございます。しかしいろいろな都合でおいでが願えないのでありまするが、ちようど本委員会が開会される前にも、本日の日程に上つておりますよう請願審議をするにあたつて政府当局が来ていないことを問題にしたのでございまして、そのために本日は予定された日程を一部行わずして、次会にまわすというよう状態になつております。これらのことを含めて、政府委員会に対する態度は、さきの委員会のときにも林委員から非常に巌重な警告を、委員長を通じてしていただくようにということが出されてあつたにもかかわらず、相かわらずのこういう委員会を軽視する態度がとられておることは、われわれとしても非常に不満でありまするので、どうかひとつ委員長から重ねて、この点の御忠告をしていただきたい、こういうふうに思つております。ことに私が本日お聞きしたがつた海運問題については、前々の委員会でありましたか、大屋運輸大臣から、四月一日のスキヤツプ・イン実施にあたるまでの間に、なお努力するということのお約束をいただいておりまして、それまでにできる限り、不満な点について、——スキヤツプ・イン実施にあたつて日本の海運界が受ける打撃を少くするよう努力するということの、お約束をいただいておつたわけであります。またその御答弁をいただくことにもなつておりましたので、もし責任ある大臣の態度があるといたしまするならば、本日この委員会にはぜひ出席されて、われわれにその方途を明示していただくべきであつたと思います。どうかひとつ委員長から、この次の会合には、ぜひ大臣及び関係職員の方々のおいでを願うようにお願いしたいと思います。
  38. 關谷勝利

    關谷委員長代理 ただいまの石野君から御発言のありました通り、大臣、政務次官等の出席に関しましては、厳重に申入れをいたしまして、この委員会を重視するようにいたさせます。  なお本日から運航態勢が切りかえになりまするために、海運局長あるいは船員局長等は、その筋の折衝等で本省におりません関係上、出席が不可能でありましたが、これまた次の委員会におきましては、出席をせしまして、十分石野君の御質問にお答えいたさせたいと思います。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時五十一分散会