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1950-03-27 第7回国会 衆議院 運輸委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月二十七日(月曜日)     午前十一時三十四分開議  出席委員    委員長代理理事 關谷 勝利君   理事 大西 禎夫君 理事 岡村利右衞門君    理事 前田  郁君 理事 米窪 滿亮君       岡田 五郎君    尾崎 末吉君       尾関 義一君    土倉 宗明君       坪内 八郎君    滿尾 君亮君       渡邊 良夫君    山崎 岩男君       上村  進君    林  百郎君  出席政府委員         運輸政務次官  原 健三郎君         運輸事務官         (大臣官房長) 荒木茂久二君  委員外出席者         運輸事務官         (港湾局倉庫課         長)      四方田耕三君         專  門  員 岩村  勝君         專  門  員 堤  正威君 三月二十五日  委員林百郎君辞任につき、その補欠として加藤  充君が議長指名委員に選任された。 同月二十七日  委員加藤充辞任につき、その補欠として林百  郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  倉庫業法の一部を改正する法律案内閣提出第  一〇五号)     —————————————
  2. 關谷勝利

    關谷委員長代理 これより運輸委員会を開会いたします。  委員長がお見えになりませんので、私が委員長の職務を行います。  倉庫業法の一部を改正する法律案を議題といたし、前会に引続き質疑を行います。質疑通告があります。これを許します。林百郎君。
  3. 林百郎

    ○林(百)委員 今まで倉庫業法質疑で明らかになりましたことは、将来これを全面的に改正するという建前になつておるのでありますが、ここでとりあえず改正するに至つた理由を簡潔にお聞きいたしたいと思うのであります。それについては、やはり関係方面意向もあつたのかどうかということをお聞きしたいと思います。
  4. 四方田耕三

    四方田説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。倉庫業法改正につきましては、関係方面から特に指示があつたわけではございません。われわれの方で倉庫行政を実際預かつておりまして、倉庫証券発行許可会社のみの事業監督を行つて来たのでありますが、御承知のように政府物資が、倉庫保管物資の大部分を占める状況でございまして、倉庫証券発行することがなくて倉庫営業を慰む者が、終戰後急激にふえて来たのであります。この発券倉庫業者と、倉庫証券発行しない会社との間に、非常にアン・バランスが生れて参りました。かたがた関係方面のいろいろなことがありますので、われわれの方で指定生産資材割当関係から、倉庫需給関係あるいは船舶の出入関係資料といたしまして、倉庫営業の全国的な統計をたびたび要求されるのでありますけれども、現在の法律ではそれが不可能なのであります。そこで差迫つて全国倉庫営業の実体を把握して、その上において倉庫行政というものが行われなければ、非常に科学的な基礎を欠いたものになるというおそれがありましたので、とりあえず本改正案なつたわけであります。
  5. 林百郎

    ○林(百)委員 簡潔でけつこうだと思いますが、そうするとこのたびの倉庫業法改正については、関係方面からサゼスチョンも、あるいはアドバイスというか、何か勧告のようなものも、全然なかつたというように考えていいかどうか。この点をお聞きしたいと思います。
  6. 四方田耕三

    四方田説明員 関係方面から、この倉庫業法改正しろというようなイニシアチーブはとられなかつたのでありますけれども、われわれの方で、今回提出いたしました法案関係筋に提出いたしましたところ、一部古い法律体形でございますので、現在の法律昭和十年の法律でございますので、今の新憲法下時代と大分合わないものがある。たとえば最も指摘されましたのは、現行の第九條でございますと、主務大臣がほとんどオールマイティーの権限を持つている。この点は新憲法下の精神に合わないという意味から、改正案に出しましたことく、時代に合うような法律に直したらどうかという御忠告を受けました。おもな点はそれだけでございます。
  7. 林百郎

    ○林(百)委員 実は本年度、二十五年度見返り資金産業投資として、倉庫業の十億投資をするという計画があるかどうか。その点についてお聞きします。
  8. 四方田耕三

    四方田説明員 実は昨年まで復金融資というものがございまして、倉庫業の復興のために非常に有力な作用を行つていたのでありますが、御承知通り昨年限り復金融資が打切られまして、爾後設備資金の不足のために、われわれの方でいい倉庫をつくりたいというように考えても、設備資金供給か絶えていたのであります。従つて見返り資金供給があるということをわれわれは聞きまして、安本大蔵省方面に大分折衝したのでありますが、倉庫営業というものは相当有力者がやつている関係から、自力でやつて行けるではないか。見返り資金供給する必要がないではないかということから、見返り資金供給は今のところ絶望であります。自力で復興しろということになつております。ただ三百万円以下の倉庫業には、中小企業見返り資金から供給することになつておりますが、それ以外の会社は見込みなしということになつております。
  9. 林百郎

    ○林(百)委員 ですから、運輸省ということでなくして、中小企業融資形——それはどういう形でもいいのですが、結局倉庫業者見返り資金が導入されるということはあると思いますが、その点はどうですか。大体あれは総計にして業者からは十億くらい申請をしておるというふうに、われわれの資料にはあるのですが、その点はどうですか。
  10. 四方田耕三

    四方田説明員 その資料は一応の倉庫業界の希望なのでございまして、安本の査定を受けまして、倉庫業には見返り資金を出す必要はなし、中小企業倉庫会社に対してのみ、一部融資を考えるということになつておりまして、今まで見返り資金中小企業へ出しましたのは、ほんの二百万円程度でありまして、ほかには出ておりません。
  11. 林百郎

    ○林(百)委員 その次に、提案理由説明書の中にありますが、第一には「主食繊維等、貴重なる国民の財貨がいたずらに滅失、減耗しつつある状況」である。これは要するに輸入したものの物資滯貨、あるいは輸出すべきものの滯貨、こういうような滯貨が非常にふえて来た。その保管が不十分なために、貴重な品物が傷つけられているのだというようにこれを解釈していいかどうか。
  12. 四方田耕三

    四方田説明員 その点は自由経済機構でありますれば、もつと早く倉庫荷物回転すると思われるにもかかわらず、輸入貿易につきましても管理貿易でありますし、それから主食につきましても供出配給組織になつております関係上、どうしてもこういう品物倉庫に寢るという傾向が、現在のところ終戰以来強いのであります。しかし漸次この傾向自由経済に移行するに従つて倉庫に行く荷物は減つて行くであろうと存じます。しかし現在の状況ではそういう重要な荷物倉庫に寢ていることは事実であります。
  13. 林百郎

    ○林(百)委員 たとえばこの資料を見ましても、政府貨物のおもなる荷主別残高内訳が出ておりますが、このうち一番大きなのは食糧庁の四十五万トン、あとは繊維貿易公団二十七万トン、特別調逹庁十五万トン、鋼工品貿易公団二十四万トンとありますが、これはほとんど八〇%を占めておると思うのであります。そうするとこのうちの食糧庁の四十五万トンというのは、おもに輸入食糧が中心になつておる。それから繊維貿易公団特別調逹庁鋼工品貿易公団、これはおもに輸出向け滯貨であると思うわけです。そうすると大体政府及び公団貨物在庫高、これが貨物のうちの非常に大きな部分を占めておるのでございますが、これがほとんど輸入滯貨輸出滯貨によつて占められておる。しかもこれはあなたの言うように減少するのではなくて、漸次むしろふえる傾向にある。だからこそ証券発行しないような倉庫業者が出て来、十分な施設のない倉庫がふえて行き、設備の不十分な倉庫があるために、中にある在庫品滅失、減耗される。それに対して何とか監督をしなければならぬという情勢になつておると思うのですが、要するに輸入滯貨輸出滯貨が漸次ふえて来ているのじやないか。そのためには設備の不十分な倉庫業者というようなものがだんだんに続出して来る。これに対して政府監督権はある程度強化しなければならぬ。とりあえずここで倉庫業法改正するというふうにわれわれは解釈しているのですが、その点は政府はどういうふうに考えているか。
  14. 四方田耕三

    四方田説明員 ただいまの御指摘の点は、実はわれわれも判断に苦しんでいるところでありますが、実は今の食糧庁関係荷物が多いのは、輸入食糧もございますけれども、農村から供出いたしました主食を、全部営業倉庫に入れるという体形終戰以来とられて来ておりまして、これが輸入食糧が放出されますと、それの見返りといたしまして、日本国内産の主食倉庫の中に凍結されるという関係がございまして、これは貿易関係があるとは言いながら、国内物資であります。それから特別調逹庁関係、これは進駐軍関係のいろいろな家具でありますとか、建築用資材、そういうふうなものを預かつておりまして、これも貿易関係はございません。貿易関係があるのは、今の繊維貿易鋼工品貿易公団、こういうものでありますが、これは御承知のように公団が本年度末において解散をされますし、また主食供出制度につきましても、目下再検討されておりますやに承つておりますので、徐徐に昔の体形にかえるのではないかと存じますけれども、ここ当分は今御指摘のように、急激にその荷物が減るとは思えないのでありまして、たとい政府の手を離れまして、民間の業者に放出されるといたしましても、倉庫荷物をそのまま引継ぐということになりますので、その点は今後荷物がふえるものなりや、減るものなりやにつきましては、今後の経済情勢によつてかわつて行くのではないかと考えております。
  15. 林百郎

    ○林(百)委員 われわれそこを少し聞きたいのでありますが、そういう倉庫在庫品が、これから先は別としても、少くとも昨年度の後半期から今年にかけてふえておるのか、減つておるのか。倉庫に寢ておる期間が、回転率が短いのか、長いのか。そういう点をお開きしたいと思います。そういう倉庫の中にあるものの動き、そういうことからやはり倉庫業現状、将来の見通しがつく。それに基いて法律的措置が出て来ると思いますから、倉庫の荷動きの状況、これを知りたい。
  16. 四方田耕三

    四方田説明員 倉庫内に入つておる品物の増減、あるいは回転率の問題でありますが、われわれの方の統計で見ますと、最近の傾向は、価格においては少しずつ減つておりますが、トン数はほんの少しふえておるという状況でございます。インフレ時代には、たとえば貨物価格というものが相当上昇いたしたのでありますが、最近のディス・インフレでありますか、デフレでありますか、そういう傾向によりまして、倉庫に預かつておる品物価格は減つております。品物は減つていないで、むしろ少しふえておりますが、今後の政府施策によつては、これが相当変化があるのではないかと思つております。回転率につきましては、これは平均年回転というのが平均でございますが、最近は——昨年の十二月末までの数字しか出ておりませんけれども、回転率も今のところはむしろおそくなつてこそあれ、早くはなつていないという数字であります。
  17. 林百郎

    ○林(百)委員 その次に提案理由の中に、もう一つの点でありますが、「配船、特に外国貿易船の入出港を遅延し、積みおろしの澁滯を招来した例があります。」その前を読みますと、「また主要臨港地帶において、せつかく倉庫がありましても坪数が少な過ぎたり、あるいは設備が劣悪であつたりいたしますために、」云々とあるのでありますが、これは具体的にどういうことがあつたのか。この点を少し説明してもらいたいと思います。
  18. 四方田耕三

    四方田説明員 一番適例といたしましては、昭和二十二年にアメリカから輸入食糧横浜港に入港いたしましたところが、優秀な倉庫は大体特殊需要の方に提供しておりましたし、残つた倉庫は焼けてしまつていたという関係から、船は入つたが、倉庫がないので、一時輸入小麦粉野積みにされたということから、現地の港湾司令官から、早く倉庫を建てろという嚴重な指令が出まして、実は私どもの方であわてて公共事業費をもつて国立倉庫を建てて、その急場をしのいだという例であります。そのほかに港に倉庫がないために、船が入つて荷物の積みおろしが遅れるという関係から、外国貿易船をどこの港に入れるかという場合に、必ずわれわれの方から資料を提供いたしまして、たとえば横浜、神戸のどこの地区に空坪がどれだけ余つておるかということを、必ず貿易庁の方に連絡いたして、配船資料といたしておりますが、港の倉庫が完備していないと、ややもすると配船関係が遅れるという状態が起きます。最近は倉庫が整備されて参りましたので、若干そういうことも少くなつて参りましたが、近く輸入食糧あるいは輸入綿花が入るという話もありますので、倉庫の整備を重点的にはからなければならないのではないかと思います。
  19. 林百郎

    ○林(百)委員 私が最初お聞きしたのはその点であつて、実は外国から輸入する物資保管が、日本倉庫現状では設備も不十分だし、面積も少い。それが單に貿易ばかりでなくて、その他の物資であるとすれば、なおその点に重大な関心を持たなければならない。それで日本国内産業滯貨保管と同時に、外国貿易品のみならず、他の目的に供する物資輸入積込みという点からも、日本倉庫が非常に不十分であり、面積が足りないということで、関係方面から日本倉庫に関する何らかの指示があつたのではないかとわれわれは考えておるわけであります。この提案理由の中には配船、ことに外国貿易船の入出港を遅延して、積みおろしの澁滯を招来した例がある。この際に関係方面からいろいろ注意を受けたということ自体、やはり関係方面意向もあつて日本倉庫行政について何らかの手を打たなければならない問題が起きたのではないかと考えるのですが、その点はどうですか。
  20. 關谷勝利

    關谷委員長代理 ちよつと速記をとめて懇談に入ります。     〔速記中止
  21. 關谷勝利

    關谷委員長代理 それでは速記を始めてください。
  22. 上村進

    上村委員 林君の質問で盡きたと思いますが、一点お伺いいたします。私は倉庫業のしろうとでありますが、今度の改正は重点が無発券者というものを対象にして、無発券者をなくするようにして取締つて行こうということにあると思うのですが、今までたくさんの無発券者が営業しておるのです。それで倉庫業の全体としての運営が行き詰まるとか、あるいは衰微するとかいうことになるのではないかと思うのですが、結局小さな倉庫業は無発券でやつて行こう。つまり中小的な倉庫業は無発券でやることによつて、大きな独占的な倉庫業者との競争に耐えて、そうしてそれがきわめて中小業の保護になる。それが全体として、現在設備の足りないところもそういう関係補つて行つた方が、むしろいいのじやないかと思われるのですが、それらの点をしいて無発券者に集中して行かなければならぬということの根拠を、もう少し御説明願いたいと思います。
  23. 四方田耕三

    四方田説明員 ただいまの御質問は、実は誤解があるのではないかと存ずるのであります。現在の倉庫業倉庫証券発行する会社だけを対象としてできているのでありますが、先ほどから申しましたことく、倉庫証券発行する会社だけを法律対象としておつたのでは、倉庫行政というものは科学的に行われないという立場から、倉庫証券発行を伴えない倉庫営業者も、法律対象にしようというわけでありまして、倉庫営業全般倉庫業法対象とするという点でありまして、決して倉庫営業者許可制にするとかいう関係ではございませんので、倉庫営業の実態をまず法律上明らかにし、倉庫証券発行を行う会社は今まで通りでありまして、全然変動はございません。その点御了解願いたいと思います。
  24. 關谷勝利

    關谷委員長代理 他に質疑はありませんか。——なければこれをもつて質疑を終局いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 關谷勝利

    關谷委員長代理 御異議なしと認めます。  よつてこれより討論に入ります。討論通告があります。これを許します。林百郎君。
  26. 林百郎

    ○林(百)委員 私は本倉庫業法案について、左の三点から反対するものであります。  一つは、この改正が結局日本の国の貿易が、外国からの押しつけ的な強行輸入日本の国の飢餓輸出、いわゆるソーシャル・ダンピング、この二つの柱でできておつた日本貿易が、大体不可能になつて来た。そのために非常な大きな滯貨日本国内に充満して来た。従つてこれは日本の国の経済を十分発展させることによつて、むしろ滯貨を一掃することに努力すべきであるにもかかわらず、倉庫業法改正して、この倉庫の中に品物を入れて、強行飢餓輸出貿易の不可能を一時糊塗しようというようなものであつて、これは決して日本産業発展させるための施策でないのである。しかも問題になることは、今言つたよう滯貨処理をするためであるということと、一つ倉庫を整備しまして、この中に入れる物資には戰略的物資が相当多い。従つてこのたびの倉庫業法改正は、この滯貨処理戰略物資貯蔵という二つの線から、日本の国全体がむしろアジアにおける滯貨処理と、戰略物資倉庫になろうとしておるのでありますが、その一環としてなされておる。要するに反対理由の第一点は、この倉庫業法改正滯貨処理戰略物資処理貯蔵のためのものであつて日本の国の発展のために意図されるのでないということが第一。  それから第二としては、こういう方向へ行きますから、日本の平和的な産業発展、それから日本の平和的な産業物資の円満なる流通経済発展に寄與するものでないということ、平和産業の無制限拡大という、あのポツダム宣言によつて日本の国に許されておる産業発展のためになされるものでないということ、この二つの点。  さらに第三としましては、こうした日本の国全体が外国押しつけ輸入物資貯蔵所あるいは外国戰略物資貯蔵所になろうとするからこそ、この貯蔵するための施設に対して、政府が何らかの手を打たなければならない。その手を打つために政府倉庫業を一手に統制把握して、むしろ倉庫業の国家的な統制監督強化しようということがもくろまれておるのであります。しかも政府倉庫業に対する統制強化、あるいは監督強化というふうなものが、まつた外国からの押しつけ輸入物資、あるいはソーシャル・ダンピングするための滯貨処理貯蔵のためであるというのであります。  以上三点、すなわち第一にはただいま申しましたように滯貨処理戰略物資処理貯蔵のためであるということ、第二にこのことが平和産業発展のために、平和産業の物品の流通経済発展のためでないということ、第三として押しつけ強行輸入ソーシャル・ダンピングあるいは戰略的物資貯蔵をますます促進するために、政府統制あるいは監督強化しておる。この三つの点から言いまして、われわれとしてはこのたびのこうした倉庫業法改正については、賛意を表することができないのであります。以上の三点をもつて反対理由とするのであります。
  27. 關谷勝利

  28. 岡田五郎

    岡田(五)委員 私は自由党を代表いたしまして、倉庫業法の一部改正法律案賛成意見を申し上げたいと思います。  御承知のように現在の倉庫業法昭和十年に制定せられまして、以後一度も改正を見ていないのであります。しかもその当時の倉庫は全部発券倉庫業春倉庫営業といえばほとんど発券倉庫でありまして、倉庫事業重要性は、この倉庫業法によつて十分監督指導を受けておつたのでありますが、終戰後群小倉庫が発生いたしまして、ややもすると倉庫事業重要使命を非常に阻害し、これを害しておつた点が現実に見受けられておるのであります。申すまでもなく倉庫営業運輸交通一環といたしまして、また生産消費の間に介在する価格調整、あるいは消費調整の重要なる経済機関であります。しかも他人のために善良に貨物保管し、先ほど申し上げましたような社会的な、国家的な、公益的な使命を十分果さなければならないにかかわりませず、非発券倉庫、これが戰後発生群小木造不完全倉庫に対する監督指導の方法がなかつたのであります。われわれとしては一日も早くこれら公益的倉庫事業監督指導を要望いたしてやまなかつたのでありますが、このたび政府におきまして倉庫業法一部改正によりまして、これら群小不完全倉庫指導監督をさせることにつきましては、われわれは満腔の賛意を表するのであります。ただ私たちといたしましては、先ほど申し上げました倉庫事業公益性公共性にかんがみまして、一挙免許制、または許可制に行くべきであると信ずるのでありますが、これは理想の形でありますが、さしあたり届出制によりまして、われわれの希望するる初期の効果を上げられることを希望いたす次第であります。近き将来におきましては、この届出制による倉庫事業指導監督の実績を十分御検討願いまして、一日も早く免許許可制に、これが倉庫事業全面的改正を希望いたしまして、私は賛成意見を申し上げたいと思います。
  29. 關谷勝利

    關谷委員長代理 以上をもつて討論は終局いたしました。  これより倉庫業法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案を原案通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  30. 關谷勝利

    關谷委員長代理 起立多数。よつて本案は原案通り可決するに決しました。  なおお諮りいたします。本案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 關谷勝利

    關谷委員長代理 御異議なしと認めます。さようとりはからいます。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時二十四分散会