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1950-03-22 第7回国会 衆議院 運輸委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月二十二日(水曜日)     午前十一時三十九分開議  出席委員    委員長 稻田 直道君    理事 關谷 勝利君 理事 前田  郁君    理事 松本 一郎君 理事 林  百郎君    理事 木下  榮君       岡田 五郎君    尾崎 末吉君       片岡伊三郎君    黒澤富次郎君       坪内 八郎君    滿尾 君亮君       渡邊 良夫君    松井 政吉君       飯田 義茂君  出席政府委員         運輸政務次官  原 健三郎君         運輸技官         (港湾局長)  後藤 憲一君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      足羽 則之君         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  石井 昭正君  委員外出席者         運輸事務官         (港湾局倉庫課         長)      四方田耕三君         專  門  員 岩村  勝君         專  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 三月二十日  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案内閣  提出第一一五号) 同月十八日  電気機関車製作予算増額に関する請願石野久  男君紹介)(第一五五一号)  二俣、気田間に国営自動車運輸開始促進請願  (足立篤郎君外二名紹介)(第一五五五号)  海尻駅を一般駅に昇格請願黒澤富次郎君紹  介)(第一五五七号)  平原信号所旅客駅に昇格促進請願黒澤富  次郎君紹介)(第一五五八号)  北見枝幸、雄武両駅間に鉄道敷設促進請願(  松田鐵藏君外一名紹介)(第一五六〇号)  鋸崎に燈台設置請願奧村又十郎紹介)(  第一五九四号)  日の影、豊後竹田両駅間に鉄道敷設請願(佐  藤重遠君外二名紹介)(第一五九七号)  伊豆半島循環鉄道敷設に関する請願小松勇次  君外一名紹介)(第一六〇三号)  松前から江差を経て瀬棚に至る問に鉄道敷設の  請願冨永格五郎君外二名紹介)(第一六〇七  号)  津ノ井、郡家両駅間のヤナイ谷簡易停車場設  置の請願稻田直道紹介)(第一六二一号)  野岩羽鉄道全通促進請願尾関義一君外一名  紹介)(第一六二七号)  機構改革に伴い舞鶴市に管区海上保安本部設置  に関する請願大石ヨシエ紹介)(第一六二  九号)  堀ノ内駅前広場舗装並びに中ホーム雨天施設設  置の請願竹山祐太郎君外一名紹介)(第一六  三七号)  堀之内、御前崎間軌道電化に関する請願竹山  祐太郎君外一名紹介)(第一六三八号)  筑豊電気鉄道建設に関する請願淵上房太郎君  紹介)(第一六五一号)  倉吉、勝山間鉄道全通促進請願稻田直道君  紹介)(第一六六二号)  国営自動車馬見原派出所昇格並びに宇土、砥  用線延長等に関する請願松野頼三君紹介)(  第一六七七号)  浜田市に鉄道局設置請願木村榮君外一名紹  介)(第一六七九号)  旅客運賃及び貨物運賃値下げに関する請願(田  代文久君外一名紹介)(第一六八〇号)  松前から江差を経て瀬棚に至る間に鉄道敷設の  請願田中元紹介)(第一六八四号) の審査を本委員会付託された。 同月二十日  浜田市に山陰鉄道局設置陳情書  (第六二九号)  好摩、北福岡間鉄道改修に関する陳情書  (第六三一号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  連合審査会開会に関する件  倉庫業法の一部を改正する法律案内閣提出第  一〇五号)  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案内閣  提出第一一五号)     ―――――――――――――
  2. 稻田直道

    稻田委員長 これより運輸委員会を開会いたします。  この際連合審査会開会についてお諮りをいたします。先般来本委員会において審査中の、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案は、大蔵委員会付託になつております米国対日援助見返資金特別会計からする電気通信事業特別会計及び国有林野事業特別会計に対する繰入金並びに日本国有鉄道に対する交付金に関する法律案と表裏一体的な関係にありますので、右の両案について大蔵委員会連合審査会を開いて、法案審査に万全を期したいと思いますが、これに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 稻田直道

    稻田委員長 御異議なしと認め、さようとりはからうことにいたします。  なお両委員会間の協議が整いまして、連合審査会を開くことになりましたならば、大蔵委員長とも相談の上、あらためて開会日時をお知らせいたしますから、御了承置き願います。      ————◇—————
  4. 稻田直道

    稻田委員長 これより去る三月二十日、本委員会付託になりました国も鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査に入ります。  まず本案の趣旨につきまして、政府説明を求めます。原政務次官
  5. 原健三郎

    ○原(健)政府委員 ただいまから、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  今回国有鉄道運賃法改正を提案いたしますのは、ただいま本国会において御審議になつております通行税法改正伴つて国有鉄道旅客運賃の一部を改正し、国民負担軽減をはかろうとする趣旨であります。通行税法改正によりまして、来る四月一日から三等の運賃及び急行料金は無税、一、二等の運賃料金には二〇%の課税がなされることとなるのでありますが、これによりまして一率に旅客運賃引下げるということは、旅客に及ぼす影響の上から見まして、大した効果を期待することができませんので、以下述べるような方法でこれを効果的に一般利用者に還元し、もつて昨年五月に実施しました旅客運賃改正によつて生じました負担の緩和をはかりたいと考えるのであります。  すなわちまづ第一は、遠距離逓減制の強化であります。現行普通旅客運賃は、昭和十七年四月から現行のごとく二地帯制としたものでありますが、今回新たに五百一キロ以上一千キロまでと、一千一キロ以上の二地帶を追加いたしまして、四地帶制に改め、もつて遠距離旅客負担を大巾に軽減したいと存じます。  第二は 一、二等旅客運賃倍率引下げであります。一、二等旅客運賃の三等旅客運賃に対する倍率を、一等は三等の六倍を四倍、二等は三倍のものを二倍に改めたいと考えております。現行倍率は、旅客輸送事情の最も困難をきわめた昭和二十年四月から、利用の制限をはかる趣旨のもとに実施したものでありまして、外国にもその例を見ない著しく高率なものでありますので、輸送事情も緩和して参りましたし、また外客誘致の点からも、倍率引下げをいたしたいと存ずるのであります。  第三は、長期定期旅客運賃割引率の増加であります。現在三箇月、六箇月の定期旅客運賃割引率は、一箇月定期割引率と同率でありますが、長期定期使用者負担軽減をはかりまして、三箇月、六箇月の定期旅客運賃は、一箇月運賃を三倍、六倍したものに対して、それぞれ一割及び一割五分引といたしたいと考えております。  右に述べましたのは、通行税法改正との関連において改正したいと考え旅客運賃改正内容でありますが、さらにこの機会に、普通急行及び準急行については、近距離の利用者の便をはかり、新たに三百キロまでの料金を設定するとか、また航路運賃についても、現在最も収支均衡を得ない二、三の航路運賃を、民間航路との振り合いも考慮して一部改正するとか、その他一、二の点について必要の改正を施したいと考えているわけであります。  以上、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案提案理由と、その内容について御説明申し上げましたが、何とぞ愼重御審議をいただきまして、すみやかに可決あらんことを御願い申し上げる次第であります。
  6. 稻田直道

    稻田委員長 これより質疑に入りますが、急ぎましたために、まだ質疑の通告もありません。御希望の方に許します。
  7. 滿尾君亮

    滿尾委員 ただいま提案理由伺つただけで、私もきよう準備してないのでありますけれども、こういうことを伺いたいのであります。  鉄道運賃は、旅客といわず、貨物といわず、先般来非常にしばしば改正される。私は前回の改正のときも大臣に御質問申し上げたのですが、国鉄運賃安定性というものを御考慮になる必要がありはしないか。国鉄運賃のごときは、あらゆる経済活動の計算のベースになるものでございますから、よほどの事情のない限り、そうみだりにかえないのだということを、大臣にお考えをいただきたいと思うのであります。ねこの目のかわるごとく、一年に一ぺんずつ運賃がかわるなどということは、実にこれはどういうことであるか。今回の改正国民負担軽減するのでありますから、その改正方向においては全幅的に御賛成申し上げるのであります。しかしながら飜つて考えてみますると、こんなにしばしば運賃をかえねばならぬということは、国鉄当局の認識の不足のいたすところが、およそ收入の見積りということについて、非常に安定性を欠いておるのではないか。もう少ししつかりした見通しを立てて、こんなに国民をしばしば眩惑させるような処置をとらないで済むくふうを、ぜひやつていただきたい。どうもこの点について、私は政府所見というものは、運賃のスタビリテイーというものを忘れておるのではないかと考える。また事務的に御勉強になる点について、もう少し的確を期し得る点があつたのではないかということを考えざるを得ないのであります。将来にわたつて、ぜひこの点について御努力をいただきたいと思うのであります。  それにつきまして、いつもそう思うのですが、旅客運賃改正するとき頂戴する資料は、旅客運賃資料である。貨物運賃改正するとき頂戴するのは、貨物運賃資料である。これだけでは盾の一面であつて、結局收入になつてしまえば、旅客であろうと貨物であろうと同じものである。してみれば、この運賃改正国鉄経済全体に対してどんな意味合いを持つておるか。貨物といわず、旅客といわず、とにかく減收を来す一応の御計画なのである。その総合的な立場における影響、その関係重要性というようなものを明確にした資料を配付していただかなければ、私はこの問題も、やはりほんとう意味の批判ができないのではないか、かように考えます。従つてきよう頂戴したものは、まつたく旅客旅客というふうに切り離しての御資料のように拝見いたしますから、この次までに、今回の改正というものが、国鉄の抱括的な財政的見地におきまして、これがどういう意味合いを持つておるかという資料の御提出をお願い申し上げたいと思うのであります。
  8. 原健三郎

    ○原(健)政府委員 ただいまの滿尾委員の御質問にお答え申し上げます。第一点は、運賃がもう少し安定性を確保しなければならぬという御注意でありまして、まことにお説ごもつともで、同感でございます。当局としましても、運賃をなるべくかえないように、そうして一般の人にも人心の不安動揺を来さないように、いろいろくふういたしておるのでありますが、今までいろいろ財政方面その他の理由でしばしば運賃の値上げをいたしまして、国民多数に御迷惑をかけた点は重々承知いたしております。御希望の点はとくと了承いたしまして、今後そういうことのないようにいたしたいと思つております。  第二の旅客貨物との運賃バランス、それからそういう全般的な運賃についての資料提出せよという御希望でございましたが、ただいま旅客運賃改正資料というのを配付してありますので、これは資料といたしまして必ずしも満足行かないかもしれませんが、これで一応御研究願いたいと思つております。
  9. 滿尾君亮

    滿尾委員 ごの旅客運賃改正資料は、旅客のことしか書いてない。私は目次だけを見たのですが、貨物收入と合せて、国鉄全体の收入のよつて来るところのバランスが、これではわからぬのです。それからもう一言伺いますが、この遠距離逓減は、私たちは年末主張したことでありまして、これは双手を上げて賛成なんです。いやしくも鉄道国鉄の形態をとる以上は、絶対にこれなくしては進まないというふうに、私はかたく信じておるものでありまして、これは非常に賛成で、むしろこの実現の遅れたことを非常に遺憾に思つておる。そこで逓減率についてお尋ねしたいのでありますが、これは昔七段階の逓減をやつておりましたが、これらのものと比較してどういうふうなことになるか。また今回のこの刻みようにつきましては、どういうところに重点を置かれて、こういう刻みを実施されたか。その点についての御説明をいただきたい。
  10. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 ただいま旅客改正資料だけで、国鉄全体の收入についての資料ではないということでございました。国鉄全体の財政についての資料でございますれば、過般来予算案として御審議を願つておりまして、お手元にございます資料に詳細にあると思うのでございます。今回の改正では、ただいま提案理由で申し上げました通り国鉄財政上の観点からいたす改正ではないのでありまして、通行税法の一部改正によりまして、当然国民負担軽減される。ただこれをフラットに五%の逓減をいたすということが、実質的な意味合いから申しまして、ほとんど効果がないので、特に皆様方のお許しを願いましてこういう改正をいたしたいということで、御審議をお願いいたしておる次第でございます。従いまして財政上の観点からいたしますと、今度の国鉄收支の面には影響がないということに相なるので、その意味合い説明は、お手元に差上げました資料の中の第六表に書いてございます。それから遠距離逓減率比較でございますが、それはおわかりをいただくのに都合のいいように、第十三表に回示してございます。これでごらん願いますとわかりますように、大体戦前の七地帶に対して比較いたしますと、ほぼ似て参つたようでございますが、五百キロ地帶におきまして今回の方が高く、千二百キロを越しましてからは今回の方が低くなつて来るようなかつこうになつております。これは一つには、今回の改正が技術的に時日が間に合いません。従いまして五百キロまでを現行の線で押えて、それから先を逓減して行くというやり方にいたしたのでございます。それは一つには收入の問題もございます。いま  一つは実際問題といたしまして、現場の作業等考えますると、五百キロまでがかわらないということの方が、短時日にこの準備ができますので、そういう点もあわせ考えて、多少前のカーブから参りますと円滑さを欠いておる点が、あるいはおしかりを受けるかと思うのでありますが、事情といたしましてはさような事情で、ほぼ戰前の姿に近づけるという意味合いで操作いたした次第でございます。
  11. 滿尾君亮

    滿尾委員 私の本日の質問はこれで終ります。また明日伺います。
  12. 林百郎

    ○林(百)委員 私の方も本日説明を聞いただけで、まだ十分検討してありませんが、次にこういう資料をほしいのです。この中にはないと私は思うのですが、一等、二等、三等の等級別旅客平均乗車キロの表、これが最近のものがありませんので、それをぜひ出していただきたい、これが一つ。それから各等の一車両当り收入比較表、これのごく最近のもの、座席の満員の場合と実際どうなりておるかということ、一等、二等、三等の各等一車両当り收入比較表、これが一つ。それからもう一つは、定員一人当り客車費一等、二等、三等、これがどうなつておるか、これを出していただきたい。
  13. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 最後の定員一人当り客車費とおつしやる意味がわかりかねますが、定員一人に対して、運転費修繕費等を合せまして、どれだけの車両経費が出ておるか、こういう意味でしようか。
  14. 林百郎

    ○林(百)委員 さようです。
  15. 石井昭正

    石井(昭)政府委員 わかりました。
  16. 林百郎

    ○林(百)委員 できるならばその際、二等と三等との比率、パーセンテージを出してもらうと都合がよい。
  17. 岡田五郎

    岡田(五)委員 今林委員から請求されました資料に関連してでありますが、私は一応の車両整備状況についての資料をお整え願いたいと思います。最近における一等、二等、三等の現在車数、及びこれが実際の毎日の稼働数、最近数箇年における客車の廃車及び増備といいますか、新造関係、これをできますれば等級別にお調べを願いたい、かように考えます。
  18. 坪内八郎

    坪内委員 具体的ないろいろな質問事項につきましては、次々の委員会に譲ることといたしまして、この際ちよつとお伺いいたしたいことがあります。この旅客運賃値下げにつきましては、われわれも賛成でありますが、この値下げによつてサービスの点はどうなりますか。今でさえサービスがよくないのに、この点をどういうように考えておるか。たとえばここに前田議員もおられますが、東京、鹿児島間の下り上り急行等の一、二等の客車はしごくよい。しかるに私ども常に長崎から上京するのでありますが、長崎急行ときたら、二等の手洗いの水も出ないというふうに、非常にサービスが悪いのであります。こういう点、一体同じ條件をとりながら、長崎急行車はまつたくまま子扱いというのか、非常に虐待をしておる。こういう点はこの際ぜひとも改めてくれというようなことを、われわれも地元に帰るとさんざん油をしぼられる。だからこの点についてひとつ将来はさようなことのないように、平等にやつていただきたい。特に東海道線におきましては、東京、浜松、あるいは静岡、この間は非常にサービスがよく行つておるが、その他の路線至つてはまつたく言語道断である。これらの点を十分にらみ合せてやつていただかぬと、われわれ地方から来ておる議員はまつたく困る。こういう点について当局はどう考えておるか。この際ちよつとお伺いしたい。
  19. 原健三郎

    ○原(健)政府委員 ただいまの御注意、とくと拝承いたしまして、運賃は安くいたしましても、サービスの方は十分しなくてもよいというふうには決して考えておりませんので、安くいたしましても、サービスは十分いたしたいと、こう思つております。  それから第二点のどうもサービスのいい線と、悪い線とあるという御注意でございまして、若干そういう点があろうかと思いますが、ただいま御注意いただきました長崎から東京行きの急行につきましては、サービス改善するようさつそく調査をし、その指令もし、改善に盡したいと思つております。御了承を願います。
  20. 坪内八郎

    坪内委員 大体、長崎東京間の急行軍を通行するときに、この路線採算がとれないから、あまり注目しないのだというようなことで、急行がなかなか実施されなかつたのであるが、最近の状態において、また事務当局のいろいろな事情を聞いてみると、非常にこの路線採算がとれておる。上り下りも超満員である。われわれが乗つても、事実その通りでありますが、ぜひこの際あの二等車のボロ箱を優秀なものにとりかえてもらうように、強く要望しておきます。
  21. 足羽則之

    足羽政府委員 今の次官の説明に補足してお答え申し上げます。最近旅を楽しくするというので、いろいろ計画しておることを御承知いただいておると思いますが、ことに全国にわたつて主要な列車をまず手初めにして、大体その目標を今御指摘になりました水が出ない洗面所だとか、便所なんかの整備をはかる。こういう点に重点を置いて、特に改善をして行こうというふうに今計画を進めておりますので、その点もあわせて御了承を願いたいと思います。
  22. 滿尾君亮

    滿尾委員 ただいまの質疑に関連いたしまして、私も二、三お伺いしたいのですが、どうも新聞によつて拝見しておりますと、国鉄が非常に増收をはかるために、いろいろ苦心をしておられる。そのお気持はよくわかるのでありますけれども、ときどき計画の行き過ぎがある。最近も何かよくわかりませんが、レビューのガールか女優か知りませんけれども、そういうものをおとりにした臨時旅客列車計画しておる。私は国鉄増收はぜひ必要なことだとは思いますけれども、その間にその企画一つ倫理性というものがなくてはならぬと実は考えるのでありますが、えてして増収さえはかればよろしい。目的のために手段を選ばずというような傾向にまで、目下行きつつある。国民経済的に見て、不経済なことはやめていただきたい。また非倫理的なと思われるきらいのあるような企画は、嚴重に抑制していただきたいと考えます。実は先般の議会で加賀山総裁の御答弁のうちに、ヒットする計画もあり、ヒットせざる計画もあるというような御答弁があつたのでありますけれども、これは私どもの非常に不満とするところであります。ヒットさえすればいいというような考えで、御指導いただいておるのであるとすると、私は非常にこれは困つたことだということを第一に考える。その点について御当局の明確なる御見解をお示しいただきたいということが一つであります。  それからサービスということにつきまして、国鉄従業員諸君が、サービス改善を世の中の人から、要請せられる。それに無反省について来はせぬかというようなきらいがある。それは必要以上のサービスが、一面においてある。しかし必要なサービスをやつておらぬ。私は国鉄の当事者の皆さんが、自分が旅客立場に立つて、何を一番求めているかということで反省していただいたならば、サービスのピントがはずれないだろうと思う。私ども特に、長途旅行をいたしますときに、便所がきれいであるということ、洗面所がきれいであるということは、絶対の條件なのであります。ところがこういう方面につきましては、長途急行列車であつても、すぐから水が出ない。ほとんど全途水を補給しない。ことに夏の旅行におきましては、これを非常に痛感するのであります。それでむやみと拡声機でガーガーでどなるとか、必要以上な案内をするとか、むだなことにはいろいろ金を使つておられるように私は思う。もつと極端な議論をいたしますと、私は停車場の建物なんか、あまりりつぱにする必要はないと思う。何のために一体停車場をつくるのか。旅客停車場自体に用はない。停車場は切符を買つて、乗るだけの関門にしかすぎない。結局潤沢なる輸送力を用意していただきまして、快適な旅行のできるように、輸送力の拡充に、重点的に経費を使つてほしいと思う。ところがえてして末梢神経的な感覚に災いされて、そういう比較的私どもから見ると不急不要の面に努力が拂われている。ほんとう旅行する人の立場、何を最も緊切に要請しているかということについてのお考えが、少し足りないのじやないかというような感じがいたすのであります。これはぜひひとつお考えをいただきまして、多数の従業員のことでありますから、いろいろ問題がありましようけれどもサービスの理念を統一して、間違いのない方向にこれを御指導いただきたいと考えます。政府所見を伺いたい。
  23. 原健三郎

    ○原(健)政府委員 ただいまの滿尾委員質問にお答え申し上げます。第一に、国鉄独立採算制ばかり言つて増收に専念して、ほかのことを忘れているという御注意がございましたが、どうも今まではサービス本位、公益ばかりを考えておりまして、いつも赤字ばかりを出している。国民大衆に御迷惑をかけておりました。それを緩和するために、今度は独立採算制増收ということを言い出しまして、若干この点に気をとられておる点は、われわれも認めるところでございます。でありますが、ほんとう増收をやろうと思えば、国民大衆が喜ぶようなサービスもあわせやらなければ、増收ができないという点へその注意を若干かえて行きたい。こういうふうに思つておるのであります。そうして鉄道企画についても、倫理性をもう少し強調してもらいたいという御質問でございましたが、その点もわれわれの方面におきましても、反省と申しますか、考慮いたしたいと考えております。  第二点の、ほんとうに必要なサービスをやつてもらいたいということは、過般も滿尾委員から御注意がございまして、何をおいても便所洗面所とをきれいにしてもらいたいという御注意をいただきまして、さつそく国鉄当局と会合しまして、一応やるということに注意は喚起しておきましたが、重ねて今日ただいま御注意いただきましたので、この点につきましてもまたもう一度会議を開き、国鉄当局者と相談して、末端にまでその意向が通ずるようにいたしたいと考えております。
  24. 林百郎

    ○林(百)委員 先ほどの資料でさらに追加したいのですが、今定期が一箇月、一三箇月、六箇月の三種のものが出ているのです。この利用人員数、またその利用率というものがわかるものがあつたら、これをひとつ示してもらいたい。一箇月でいいですが、できるなら三箇月くらいの分をお願いします。どのくらい、この一箇月、三箇月、六箇月のパスを利用しているか、これが一つと、次に旅客輸送のごく最近の、できるなら一月、二月、三月くらいの定期外と定期旅客の人員数、それから旅客運賃收入ですが、これも一月、二月、三月で定期外と定期、それから貨物輸送による最近の收入、これも一月、二月、三月、できるなら一月を基準としての比率も出してほしい。これを資料として要求しておきます。
  25. 關谷勝利

    ○關谷委員 運賃法の一部改正につきましては、ただいま提案理由説明を受けましたばかりで、質問は次に譲りたいと思つておるのでありますが、先ほどサービスの点につきまして、いろいろ坪内、満尾両委員から要望なり御質問があつたようでありますが、私今朝出て参つたばかりでありますので、ちようど痛切に車内で感じたことなのでありますが、この寒いときでありますのに、車内のスチームが前半夜は通つておりましたのに、後半夜は何ら通らぬということで、乗客がみな不平を言つておつたのであります。そうして耐えかねて、本朝の二時ないし三時ごろであつたと思いますが、車掌に交渉をした。車掌はそんなことがあるのかというようなことで、来てみて実際寒いので驚いたというふうなことで、よく調べてみますと、これは電気機関車になつておりましても、スチームの分だけは石炭をたいておる。こういうわけで、なるほどとこれはうなずけたのでありますが、この節約によつて生じたところの余剰経費というものは、これを従業員のいわゆる年末賞與その他の特別賞與のようなものに振り当てた関係から、こういうことで節約することが最も手取り早い方法だというようなことで、サービスということを忘れて、自分の賞與その他のことに頭を置いて、こういう結果ができたのであろうと私は推察するのでありますが、車掌の言うことをよく聞いておりますと、大体五キロ半なければ、この最後部の車両まではスチームが通らない。しかるに行つてみると、一キロ半しかなかつた。これではとうていできないというので、やかましく言うたのだ。最初に乗客の方から機関士の方に交渉したときには、十分送つてあるのになぜ届かぬか、ふしぎだ、こう言つておりましたので、両方の言つておることが相一致しませんので、よく車掌に聞いてみますと、今のような状態であつたということですが、こういうふうにいろいろ節約というようなことを通り越して、乗客の迷惑も考えず、サービスというようなことを考慮に入れなくしてやるというふうな場合が、往々あるのではないかと思われます。これは現実に私が乗つてつて、そういうふうなことに遭遇をいたしております。けさのことでありますので、私が大阪発十九時の列車で、こちらに五時四十五分に着いたのであります。その間のできごとでありますので、事実を調査していただくとよくわかると思いますが、そういう行き過ぎによつて、節約ということが徹底し過ぎて、サービスということが没却されるということがないように、よく御注意をしていただくと同時に、車掌と機関士の間に連絡がとれておらないということを、現実に目の前に見せつけられたのでありますが、こういうふうなことはどういうふうにして監督をしておられるのか、その点伺いたいと思います。
  26. 原健三郎

    ○原(健)政府委員 ただいま關谷委員からなまなましい体験でおしかりがあつたのであります。その問題につきましては、これは關谷さんのおつしやることで、まことにお間違いのないことだと存じます。私ただいまの意見を拝聽いたしまして、非常にふしぎに思いましたのは、車掌と乗務員との連絡が悪いということもございましようけれども、車掌がしよつちゆう東内を巡回いたしまして、車内の温度等について適当に調節し、熱過ぎれば締めるし、またスチームが通らないならば、さつそく機関士の方に連絡いたしまして、蒸気を送らせちということで、乗客の方々からの御要求によつて熱くするという点につきましては、多少不仕儀なことであつたかもしれませんし、職務上はなはだおもしろくない。十分な行動ではないというように感じております。そういう点につきましては、ひとつ十分今後気をつけて、さつそくただいまの事件を例にいたしまして、全体的にそういう点のないように、注意をいたさせたいと思つております。そういう意味の監督と申しまするか、連絡という点につきまして、これを監督するためには、やはり車掌に対しては、責任の車掌区長が監督をいたしておりまして、これに適当の助役数がついております。特に主要列車には、巡回して乗つてまわつて、順次乗務員の監督をいたしておる次第であります。なおその点につきましても、今後ともそういう監督の励行をさせるように、よく注意いたしたいと思つております。
  27. 稻田直道

    稻田委員長 本案に対する質疑は、本日はこれをもつて中止いたしまして、次会に譲ることにいたします。     …………………………………
  28. 稻田直道

    稻田委員長 次に倉庫業法の一部改正に関する法律案を議題といたし、これより質疑に入ります。關谷勝利君。
  29. 關谷勝利

    ○關谷委員 倉庫業法案につきまして、ひとつお尋ねをいたしたいと思いまする  この法案によりますと、倉庫営業者は第七條の二によりまして、届出制となつておるのであります。小運送業等のごときものは、通運事業法によつて免許制になつておるのであります。自動車あるいはバス等で、簡單に営業のでき得る通運事業というものを免許制にし、倉庫業を單なる届出制と、こういうふうにしておるのは、同じ運輸関係の法律でありながら、この法律というものが常に一貫性を欠いておる。こういうふうに私は考えておるので、陸の方を非常に重点を置いたと申しまするか、営業をするのに、他から割込みますのに、非常にむずかしいような状態に置いてそして海の方にはだれでも自然にやすやすと出て来られる。こういうふうになつておるというのが、現在の法律の行き方でありますが、なぜこのような差別をするのか。この点ひとつ運輸当局の御意見を伺いたいと思います。
  30. 後藤憲一

    ○後藤政府委員 陸運の方の免許制になりましたことにつきましては、私から申し上げる限りでないと思うのでありますが、倉庫業を届出にいたしましたのは、従来倉庫業は完全な自由営業でありましたので、それによりまして、ただ政府としてしつかりつかみ得ますのは、倉庫発券業者の点だけをつかみ得たのでありますために、統計その他倉庫の実態によりますところの経済把握の点に、非常に不便を感じますために、届出制という制度をとらなければならないと思い立つたわけであります。なお免許制にするということも、いろいろとわれわれ仲間も、議論をいたした問題であります。けれども、できるだけ国の立場での事業への容喙ということを避けねばならない。民業というものは、民業おのおのの活撥な動きによつて発達するところに、期待せねばならぬという点におきまして、届出制という制度をとりたいと思つておるわけであります。
  31. 關谷勝利

    ○關谷委員 今言われるように、民業を自由に営業ができるようにしたい、こういうような趣旨であるということは、これは私たち、おそらく吉田内閣で自由党に所属いたしておりまする者は、ことごとくが希望いたしておつたことでありますが、それならば陸の通運事業等のごときも、これを届出制というふうに、簡易にできるというふうな方法を選ばなければならないのであります。すべて関連しておりまするので、どうしてもこれは同じように免許制なら免許制、そうして届出制なら届出制というふうなことで、一貫して運輸事業に関する法律というものは、同じ企画というものをきわめて、そうして同じような基準によつてつて行く。こういうふうなことにしなければならない。非常に不公平がある、こういうふうに考えておりまして、この倉庫業法を届出制のものを免許制にしろ、これをきゆうくつにしろというふうな意味で言うのではないのでありまするが、それならばこの倉庫業法に準じて、他の免許制というふうな複雑な、むずかしい手続を有するものを、これを届出制にして簡素化する。そして自由に営業できる、こういうふうにしてもらいたいと考えるのでありますが、この点は港湾局長にお尋ねするよりも、政務次官が全般的ににらみまして、どういうふうに考えるか、将来またどういうふうにしようとするか、この点を承りたい。
  32. 原健三郎

    ○原(健)政府委員 ただいまの關谷委員からの御質問でございますが、運輸関係の一切に一貫性を持たせよという御趣旨、それは原則としてはごもつともでございます。でありますが、同じ運輸関係にも陸と海、あるいは倉庫というようにいろいろあつて、たとえば倉庫と小運送、トラックというようなものを比較いたしますと、若干その性質が違うし、営業形態も違うので、これらをにらみ合せまして——非常に競争が激甚になる場合には、かえつてその業務の健全な発達を阻害するというようなことで、小運送あるいはバス、そういうものにつきましては愼重にいたしまして、無用なる競争を避ける意味で、現有免許制にいたしておりますが、倉庫の方は以前から、關谷委員の御趣旨のように、單に届出制だけにとどめておきたい、そう思つております。それでは将来その一貫性を保つために、届出あるいは任意制度にしたらよいであろうという御趣旨のように承りましたが、この点については、まだそういたすともいたさないともきめておりません。原則的趣旨から言いますと、逐次そういうふうに持つて行きたいと考えております。
  33. 關谷勝利

    ○關谷委員 今の政務次官の御答弁で、将来はそういうふうに簡素化の方向に持つて行きたい。こういうことでありますので、通運事業その他交通等の関係におきましても、そういう方向に進んでいただくように格段の御配慮を願いたい。当局者にその点お願いいたしておきます。  次に、この法案の中には、発券倉庫たるの資格を限定していないのであります。これまた比較になりまするが、他の法律あたりではいろいろこれが、需要より上まわるとかいうことで、免許基準を定めて、それによつてつておるのでありますが、この法律には許認可の免許基準というようなものは掲げてないのでありまして、他の運輸関係法令と比較して、非常にあいまいである。こういうことで行きますと、一に当局者の判断にまつだけであつて、法的にこれがこうだから、こうしてもらいたいというようなことは一つも言えない。その判断の基礎がどこにあるかということがわからない、まことにあいまいな法律である。このように考えられますが、この点どういうふうに考えておられるか。どういうふうにその違いを処理されるのか。それを具体的に承りたいと思います。
  34. 後藤憲一

    ○後藤政府委員 倉倉証券発券の許可の基準は、従来は通牒でもつてつておりましたが、この法案の通過後に、省令でもつていたしたいと思つております。大体その省令の内容といたしましては、事業者それ自身の信用ということ、また経営者の能力、さらに倉庫それ自身が十分に保管ができるような構造を有するということに、重点をおきました省令を発布いたしまして、倉倉証券の発行基準を決定いたしたいと思つております。
  35. 關谷勝利

    ○關谷委員 今の御答弁で大体輪廓はわかりかけたのでありますが、省令を出す場合には、出すべきものの内容がほぼわかつておられるはずでありますので、この法案を提出する場合に、大体こういうような内容であるということを同時に示していただきますと、法案審議の上に非常に便利である。かように考えますので、これは確定的なものでなくてもけつこうでありますから、次会にでもこのような内容でやりたいという省令をプリントにして、御提出願いたいと思います。
  36. 後藤憲一

    ○後藤政府委員 關谷委員の御要望、ただいまわれわれとしても腹案持つておりますから、この次に印刷してお手元に差上げたいと存じます。
  37. 關谷勝利

    ○關谷委員 第九條の変更でありますが、何やら流行に追われて、とんでもない流行が入つた、こういうふうな気がするのであります。公聽会制度がほかの法律にもあるから、公聽会制度を設けねばならぬというので、むりやりに公聽会の制度を設けた。しかも必要のない場合に公聽会制度を設けて、必要のある場合には設けてないというふうに考えられるのであります。許認可の際には公聽会が開かれないのにもかかわらず、休止廃止の場合のみに公聽会を開くというふうなことになつておるのでありますが、これは本末顛倒しておるじやないかという気がするのであります。何がゆえに許認可の際に公聽会を開かずして、休廃止の場合のみに公聽会を開くようにしたのか、その理由を承りたいのが第一と、こういうふうに休廃止の場合のみ公聽会を開いて、免許の際に公聽会を開かないというふうな法律があるかどうか、なお休止あるいは廃止の処分をした場合に、不服があるときは、訴願を許すような措置をとつてはどうか。この三つの点についてお尋ねいたします。
  38. 後藤憲一

    ○後藤政府委員 休廃止という点は、業者自身にとりまして非常に重大なことでもありますために、こういうふうな措置をとることにいたしたわけであります。なおただいまおつしやつたような、訴願の道を開くというふうなことも、一つの道ではないかと思うのでありますが、この案ではこのような方法をとつてみたのであります。
  39. 關谷勝利

    ○關谷委員 まことに妙な公聽会で許認可をするのは業者の本意ではないのであります。これが公共の福祉に合致するかどうかということ、そして一般利用者にどれだけ便利になるか、これが基礎にならなければならないのであります。業者にとつて最も重要だから公聽会を開いて、そうして許認可の際に一般公共の利害に反するかいなかということで、公聽会を開くのが最も主あつて、業者がやめるときに公聽会を開くのは、とりつけたような公聽会制度で、まことに不自然なように考えるのであります。そのように思うてこの法律をつくられておるとすると、これはとんでもない法律になるではないか、このように考えますので、この点もう一回伺いたいと思います。
  40. 四方田耕三

    ○四方田説明員 ただいまの關谷委員の御質問にお答えいたします。倉倉証券の発券について許可をする場合には公聽会を開かないで、営業の停止の場合にのみ公聽会を開くのは、アンバランスではないかという点でございますが、現在の法律は、そういう民主的な考慮というか、公聽会というものは全然ございません。ただ今度基本的に倉庫常業そのものにタッチをするような規定が九條でできましたので、その場合には公聽会を開くことが適当であろうという意見が、法制局における審議の際起りましたので、つけ加えたわけであります。倉庫証券の発行という場合は、倉庫常業の反射的な企業でありまして、倉庫営業の停廃止ということは、倉庫業の基本的な問題にもからむという関係から、さつき局長から申しましたように、ウエートの問題として、一方には公聽会規定がなく、一方には公聽会規定を入れたのであります。
  41. 關谷勝利

    ○關谷委員 十分に納得をいたしかねるのでありますが、いずれまた小さいことはあとで御質問することにいたします。  先ほど御答弁がなかつたのでありますが、休廃止の処分をした場合に不服があるときは、これを訴願することができるという措置をしてはどうか、こういうことについての御答弁がなかつたようであります。この点御答弁をお願いしたいと思います。
  42. 四方田耕三

    ○四方田説明員 今の公聽会の不服の場合の訴願の点でございますが、何を申しましてもこの法律は、現在の倉庫業法の欠点を最小限度に是正いたしまして、現在の事態に対応させるというので、実は取急いだ関係もありまして、その辺の考慮が落ちていたかもしれないのでありますが、ただ公聽会という制度が加えられました関係上、十分その実態を調査しまして、納得の上この命令が出るという形になりますので、そういう不服の余地も少いであろうということは一応予想されますので、この法律の運用においておおむね救われるのではないかと考える次第であります。
  43. 關谷勝利

    ○關谷委員 それはほかの運輸関係の法律に照し合せまして、今の御答弁はまことに奇異な感じがするのでありまして、ほかの場合にはそういう條項がほとんど全部あるのであります。ただ今のお話のありました最小限度にこれを改正して、取急いだからというようなお話でありますが、再び倉庫業法というものを改正する要があるのかないのか。その際に、もう少しはつきりしたことで、改正をせられようとするのかどうか。この点を承つておきたいと思います。
  44. 四方田耕三

    ○四方田説明員 実は倉庫業法は相当現在の事態と不向きな点がありますので、全面的な改正をすべく、一応案をつくつたのでありますけれども、先ほど關谷委員が御指摘になりましたことく、免許制なども取入れてみたのでありますが、その時期がまだ熟しないだろうというふうな判断のもとに、とりあえず一部改正によつてその事態の収拾にあたりまして、時期を見まして、全面的改正考えておりまして、御指摘の部分も、全面的改正の場合に十分考慮したいと考えております。
  45. 關谷勝利

    ○關谷委員 次は第十一條についてでありまするが、相続者に対しては、そのまま権利を承継せしむるという点は、他の法令に比較して、まことに簡潔であり、こうあるのがほんとうであると思います。運輸省関係の他の法律によりますと、これが死亡した場合にはまた認可の手続を請求し、そして認可があるまでは被継承者の権利の通りで認めてやるか、それが許可とか不許可とか決定するまでが、許されるということで、これはずつと後継者が引続いて権利を後継することになつております。ことに不適当な場合には、第九條によつて休廃止せしむることができるので、この点は非常に簡便にできておると思います。現在の相続法によりまして、数人の相続人がある場合に、これがおそらく簡單にまとまつておればけつこうでありまするが、数人の相続人がある場合に、これはどういうふうに処置をせられるのか。この点ひとつ承つておきたいと思います。
  46. 四方田耕三

    ○四方田説明員 現在の倉庫業法施行規則によりますと、御指摘のように單独相続の点のみを規定しておりますが、民法の改正に伴いまして、当然均分相続というものも考えられますので、省令の改正のときに、均分相続の場合に、相互に承諾書をとるというふうな規定を考えておりまして、いずれ配付申し上げますが、省令案の中に入れてございますので、その点をごらんくださいますようにお願いします。
  47. 關谷勝利

    ○關谷委員 この改正案は本法中、主務大臣の職権は命令をもつてこれを地方長官に委任することができるということになつておりますが、もちろんこれは港湾法が制定いたされまするというと、管理主体ということになるのであろうと思われます。もつともこれは港湾法ができての仮定でありますので、今港湾法なしとして考えますならば、地方長官に委任するという條文は、これはまことに不合理と申しますか、不便なのではないかと思います。地方にはそれぞれ海運局あるいは陸運局の支局、出張所というものがみんなありまして、なお相当窓口を広げてあるのであります。そういうところに委任する方が非常に便利なのであり、また運輸大臣の主管するものが委任せられる場合には、臨港倉庫等は海運局長、そして奥地の倉庫というものは陸運局、あるいはこれを一括して海運局長に委任する。こういうふうな運輸省の出先機関にこれを扱わすことが、最も便利であり、そして倉庫行政の一貫性から言つても、非常に便利であると思いますが、これを地方長官にと、ことさらに規定しておる理由を承りたいと思います。
  48. 後藤憲一

    ○後藤政府委員 ただいまの点につきましては、まだ現行倉庫業法の方に、地方長官に委任することとしてありますが、実際に施行しておらぬのであります。それで現在の制度でありますれば、運輸省の出先機関でやるのが一番便利でありますけれども、港湾法の制定も目睫に迫つておりますし、また倉庫自体につきましては、臨港倉庫のみでなしに、奥地倉庫もありますから、このままで行きます際には、これらの業務をどうすべきか、あるいは港湾の管理主体にすべきかということについては、議論の余地があるのであります。地方長官と書いてあります事柄に対する改正をいたさなかつたという点については、ただいまのような港湾法のにらみ合いもありまして、そのままにいたしてありまして、実際にはまだ施行しておらない点であります。
  49. 關谷勝利

    ○關谷委員 こういうふうな規定に関しましては、はつきりした規定をいたしておくことが、将来いろいろな点において災いを残さないというふうに考えられますので、この点等は十分に考慮して、改正すべきではなかつたのかと考えられます。もちろん港湾法ができた上でのことではないのでありまして、港湾管理主体もまだ制定せられていないのでありまして、港湾法がないという前提の場合におきまして、これを陸運局、海運局というものを、はつきりと指示しておく、これが最も適当であると思います。こういうところをまことにあいまいにしておつて、そして実際には條文通りにやつていないということで、まことに法案というものに弱みを感ずる。無力な法律であるということになつて来る。すべて倉庫というものは、これに対するはつきりとした監督機関があるということを明示しておかないがゆえに、現在におきまして、行政制度審議会におきましても、倉庫をやつてくれ、あるいは港湾というものを建設してやつてくれなければいかぬというのでありまして、この点内部的にも運輸省の中に、こういうふうな法律を制定する上におきましても、あいまいな点が多い。これがつけ込まれるような原因になる。こういうふうに私たち痛切に感じておるのであります。将来こういうふうな法律というものを改正する場合には、その点を明確にしていただきたい。これを私は希望いたしておきます。この点は希望でありますので、御答弁はいりませんが、将来そういうふうにお考えを願いたいと思います。  次に、この法律は、全般を通じまして非常に簡潔にできておるのであります。昔から法は三章をもつて足るといわれておるのでありまして、これが上手な法律かもわかりませんが、この法律によりますと、将来いろいろな問題が起つて来る。あまりに簡略過ぎて問題が起るというふうな気持が多々あるのでありまして、この点は近い将来にこれを再び全面的な改正をせられるということですから、これ以上多くを言う必要はないかとも思いますが、将来これを改正する場合には、もう少し明確なものにしてもらいたい。これが私の希望なのでありますが、この点に対してどのように考えておられるか、それを承つておきたいと思います。
  50. 後藤憲一

    ○後藤政府委員 その点につきましては、私も關谷さんにまつたく同感でありまして、将来全面的に改正して、もう少し詳細に明確に、法文を読んでただちにわかるようなところまで書いてみたいという気持を持つております。
  51. 關谷勝利

    ○關谷委員 最後に一つ、現在陸運と海運と非常に入り乱れておりまして、陸が海の方に進出を来しておるというようなのも、こういう法律の内容から来るのでありまして、この倉庫業法とか港湾運送業法というものを、免許制にします場合には、現在起つております日通のような大資本のものが、海運関係に出て来て、これをかき荒らすというようなこともないのでありまして、免許制でありますれば、その実情を勘案いたしまして、これを阻止することもできるのでありますが、現在の倉庫業者あるいは港湾運送業者というものは、これはことごとく、日通の独占資本力によつて、これが圧迫せられておるような現状であります。私たちできることなら、こういう日通あたりの方を独禁法によつて細分化し、なおその上においてこの通運事業法を届出制ということにして、ほんとうにそういうふうにやらすのであるならば、自由な競争をやり得るような態勢、片手落ちのないような態勢を整えたい。こういう考えでおりますが、現在通運事業法も通つてあの通りでありますし、日通等の改訂というふうなことも十分できていないのでありまして、この法律あたりも暫定的のものとするならば、その間の事情とにらみ合せて、これは免許制にすべきが当然だ、こういうふうに考えられるのでありますが、これを免許制に修正する意思がないか。こちらでそれを修正した場合に、政府当局としてはこれに応ずる意思があるのかないのか。なお客観情勢が許すのかどうか。客観情勢と申しましてもいろいろありましようが、現在の法律制定の上の客観情勢でありますので、その筋の許可が得られる見込みかどうか。その点詳細に承りたいと思います。
  52. 後藤憲一

    ○後藤政府委員 ただいまの關谷さんのお話は、陸と海の運送関係に対し、十分御理解のある点からの御質問でありますので、われわれ当局として非常に答弁も苦しいわけでありますが、従来自由企業でありましたものを、一応全体の事業にわたつて統計のはつきりとれますような届出にするということが、第一段の措置でありまして、その後事情によつて陸と海とのいろいろな扱い上のバランスのような問題も、逐次改正する際に、そういうふうにすべきか、あるいは免許制にすべきかという点を、考慮すべきではないかと思います。なおその筋の関係については、免許制という問題をただいま持つて行きましても、なかなか骨の折れることだというふうに私は理解いたしております。
  53. 關谷勝利

    ○關谷委員 これは自由営業のものを一応届出制にしたのだ。もちろんその点だけではないのでありまして、近く大巾に改正をせられるのでありましようが、その際には免許制をとられるというお考えであるのかどうか。この点はつきりと承つておきたいと思います。
  54. 後藤憲一

    ○後藤政府委員 その点については免許制をとりたいという感じは持つておりますが、その免許制をとるというについて、その筋を十分に理解せしめるのに骨が折れるのじやないかという感じを持つております。
  55. 關谷勝利

    ○關谷委員 これは港湾局長にお尋ねしたのではちよつと筋違いになるのでありますが、日通が倉庫業あるいは港湾運送業の方に出て来る。これを抑圧するためには、免許制ということにしろというふうに言うたのでありますが、そうはしないで、これは政治的に手を打つて、日通がその海上へは出張らないようにするという約束であつたのでありますが、この点に関してはいまなおほんとうの手が打たれておらないのでありまして、現実に私たちいろいろな大きい資料を持つて来ておるのでありますが、なぜその手を打たないのか。もし具体的の事実があるならば、日通がただちにこういうふうな他の方面を圧迫するような行動に出ておるのを阻止するような政治的な手を、約束通り打つのかどうか。この点は本日原政府委員に御答弁を願いたいと思いますので、帰られましたならばよくこれを御調査の上で、次の委員会にとくと御答弁が願いたいと思います。これで大体おもなところを御質問いたしましたので、あとでまた小さいことについては再び質問をいたすことにしまして、私の本日の質問は打切りたいと思います。
  56. 稻田直道

    稻田委員長 それでは残余の質疑は次会に譲りまして、本日はこれをもつて散会いたします。    午後零時町四十九分散会