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1950-02-10 第7回国会 衆議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月十日(金曜日)     午前十一時二十一分開議  出席委員    委員長 稻田 直道君   理事 岡村利右衞門君 理事 關谷 勝利君    理事 前田  郁君 理事 松本 一郎君    理事 米窪 滿亮君 理事 林  百郎君       岡田 五郎君    黒澤富次郎君       土倉 宗明君    坪内 八郎君       畠山 鶴吉君    滿尾 君亮君       松井 政吉君    河本 敏夫君       飯田 義茂君  出席政府委員         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      足羽 則之君         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  石井 昭正君  委員外出席者         議     員 角田 幸吉君         議     員 佐藤 重遠君         運輸事務官   宮澤 吉弘君         日本国有鉄道経         理局長     三木  正君         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ————————————— 二月九日  渡邊良夫君が議長指名委員に補欠選任され  た。     ————————————— 二月九日  北陸線中津幡高岡間複線工事再開請願(南  好雄君紹介)(第五五二号)  船員に対し越冬生活補給金即時支給請願(米  窪満亮君外四名紹介)(第五六九号)  漆器の貨物運賃軽減請願菅家喜六紹介)  (第五八四号)  西尾、岡崎間鉄道復旧に関する請願千賀康治  君紹介)(第五八六号)  蘇我譽田両駅間にガスカー停留場設置請願(  多田勇紹介)(第五八八号)  片上鉄道延長請願若林義孝君外五名紹介)  (第六〇二号)  気象官署拡充に関する請願門司亮君外六名紹  介)(第六一九号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員会設置に関する件  日本国有鉄道関係予算に関する説明聴取   請願  一 石巻から飯野川、柳津を経て気仙沼に至る    間に鉄道敷設請願角田幸吉君外一名紹    介)(第一二三号)  二 二俣、佐久間間鉄道敷設促進請願(金原    舜二君紹介)(第二八三号)  三 日の影、豊後竹田両駅間に鉄道敷設請願    (佐藤重遠紹介)(第三〇七号)  四 深川、芦別間鉄道敷設促進請願玉置信    一君外一名紹介)(第三〇八号)  五 岩内、黒松内両駅間に鉄道敷設請願(浦    口鉄男紹介)(第三二一号)  六 横須賀線を三崎町まで延長請願岩本信    行君紹介)(第三九一号)  七 高崎線電化請願阿左美廣治紹介)(    第一四号)  八 石巻女川間鉄道電化請願角田幸吉君    紹介)(第一五一号)  九 仙石線の複線化並びに石巻女川間鉄道電    化の請願角田幸吉紹介)(第一五二    号) 一〇 甲府、長野間鉄道電化促進請願小川平    二君紹介)(第一九九号) 一一 中央線電化促推請願樋貝詮三君外一名    紹介)(第二一七号) 一二 勝田駅舎移転請願山崎猛紹介)(第    一一七号) 一三 肥薩線分岐点を湯浦駅に設置請願(福永    一臣君外一名紹介)(第四一七号)     —————————————
  2. 稻田直道

    稻田委員長 これより会議を開きます。  議事に入ります前に御報告を申し上げます。昨年末、委員高橋定一君の逝去によりまして、委員一名欠員なつておりましたが、昨日その補欠といたしまして渡邊良夫君が、議長指名運輸委員に選任せられましたので、お知らせいたしておきます。  なお前回の委員会におきまして、国政調査承認要求をいたしましたところ、これが決定いたしまして、その要求書議長の手元まで提出いたしておきましたが、昨日議長承認を得ましたので、この点も御報告を申し上げます。     —————————————
  3. 稻田直道

    稻田委員長 それではこれより少委員会設置の件に関しましてお諮りいたします。先ほども御報告申し上げましたように、観光に関する事項につきまして国政調査承認を得ましたので、さつそく調査活動を推進して参りたいと思います。その調査方法といたしましては、さきの国会におきましては、本院に委員三十名からなる観光特別委員会設置せられていたことでありますので、この運輸委員会といたしましては、観光小委員会を設けまして、専心観光に関する諸調査観光事業の発達、改善に努力いたすようにしたいと思うのでありますが、この観光小委員会設置することに御異議はありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 稻田直道

    稻田委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。  それではその小委員の数並びに選任方法につきましてお諮りいたします。
  5. 岡村利右衞門

    岡村委員 小委員はその数を十五名とし、委員長において御指名せられんごとを望みます。
  6. 稻田直道

    稻田委員長 ただいまの岡村君の御意見に御異議ありませんか。     「異議なしと呼ぶ者あり〕
  7. 稻田直道

    稻田委員長 御異議なきものと認めます。  それでは小委員はその数を十五名といたし、その氏名は都合によりまして、次会委員長より指名いたすことにいたします。     —————————————
  8. 稻田直道

    稻田委員長 次にこれより日本国有鉄道昭和三十五年度予算につきまして議事を進めます。まず順序といたしまして、当局より御説明を承り、しかる後に質疑を行うことにいたします。それではまず三木経理局長より国鉄に関する説明をお願いしたします。
  9. 三木正

    三木説明員 加賀山総裁は本日監理委員会を開いておりまして、ただいま開会中でございますので、私かわりまして数字説明を申し上げます。   ただいまお配りしました資料をごらんいただきながらお聞き願いたいと存じます。第一表に示しておりますように、本年度日本国有鉄道予算の総額は、運賃収入において一千三百十九億円もそれに雑収入二十一億を加えまして、一千三百四十億の運輸収入見込でおります。その内訳旅客か七百五十一億でございまして、先般の国会で御議決を得ました補正予算の六百九十三億に比べますと、約五十億円の増になつておりますが、これは、二十四年度収入は五月一日から運賃値上げをいたしまして、四月一箇月が旧運賃でございました、その差額がおもな原因でございます。貨物收入が五百六十七億余となつております。補正予算に比べますと約百七十億の増になつておりますが、これは言うまでもなく、先般御審議を願いました貨物運賃値上げによる増収でございます。大体旅客収入輸送人員を約三十一億人、ほとんど補正予算と同じ数量見込みまして、五月の運賃値上げが本年の前例になるというので見込んでございます。貨物につきましても補正予算とやや多い数量見込みまして、これだけの値上げによる増収額を加えてみたわけでございます。  第二、支出に参りますと、経営費補正予算では千九十九億の収入見込みまして、それから約十七億の減が償却費と、百八十二億の特別補充取替費と、予備費の十五億、利子の三十三億というようなものを差引きました千九十三億を経営費に充てて、減価償却費の十七億と特別補充取替費の百八十二億、合計二百億弱の金を工事勘定に持つて参りまして、工事勘定財源とし、さらに米国対日援助見返資金特別会計から受入れます四十億を加えまして、二百三十九億九千六百四十万円、約二百四十億という金を工事勘定財源として、同額の支出見込んでおるというのが、来年度日本国有鉄道予算の全貌でございます。そのうち経営費は、ただいま申しました通り千九十三億五千四百万円でございまして、先般の補正予算に比べまして約六億の減少を見ているわけでございます。その中身は次の紙に書いてあります通りでございまして、人件費におきまして、基本給が二十四年度査定は三百二十三億でございましたものが三百四十五億になつております。この中身は現在の給與ベースをすえ置きにいたしまして、それに対して今年度予算定員より一万三百人余りの減少見込み、それに対して一人当り一箇月間約百六十二円の昇給見込んだ数字があげてあるのでございます。御承知通り昨年の九月末定員法の実施によりまして、国有鉄道予算定員というものが五十万三千二十七人と定められたのでございますが、その後自然に減員して参りますものを、新規採用によつて補充しない。欠員不補充という原則を堅持して進みますために、九月以降来年度一ぱいかかりまして、月々の減員がございますが、その予算定員として年額に直した数を一万三百二十二人減ずる。こういうふうに予定したわけでございます。そのかわりそれによつて生ずる経費節約昇給にまわすという考えで、両者とも約十億の金でございますが、一箇月一人当り百六十二円の昇給資金というものを見込でおるわけでございます。その他各種の手当その他につきましては、大体二十四年度と同様の支給率に従いまして幾分基本給の百六十二円の増額による増、人員の減による減というようなものを差引きまして、計上してあるわけでございます。さらに十番の動力費という欄がございますが、動力費の中には石炭費流動燃料費薪炭燃料費電力費というようなものがございますが、物件費全体のうちでも非常に大きな割合を占め、さらに動力費においてはほとんど非常に大きなウエートを占めております石炭について申しますと、二十四年度年度当初の予算は二百六十九億でございましたが、二十五年度は二百三十五億という金になつておりまして、この金額は六千カロリーの石灰を塊炭、粉炭の割合が五〇%で六百十五万トン使う。そうしてその炭価は取引高税廃止であるとか、あるいは公団の廃止による諸掛の減であるとか、最近の購入値段というものを考慮しまして、購入單価を二千八百十九円とし、さらに山元で買います値段でございますが、それを需要地に送ります運賃諸掛というようなものを加算いたしまして、消費地における価格トン当り三千八百三十円ということで計算しておるのでございます。最近における鉄道石炭購入單価というようなものを考えてみますと、それではやや低過ぎるうらみもあるのでございますが、来年度夏場に向いまして、どういう形になつて行くかということは、非常にわれわれとして、大量の石炭を使う鉄道といたしましては、非常な関心と利害とを考えているのでございますが、この査定は一応そういうふうになつておるわけでございます。  もう一つ人件費石炭費と並んで鉄道の大きな企業の一つをなします修繕費は、二十四年度の当初予算が三百八十二億でありましたのに対しまして、二十五年度は三百五億六千万という金額が計上してございます。御承知通り鉄道は、戰争中並びに戰後、資材の入手不足あるいは経費の切詰められた点というようなことのために、非常に施設車両が荒廃いたしておりますので、これだけでは昔の状態に取返すのには、もちろん十分な金ではございませんが、五年あるいは十年という計画を立てまして、それぞれの種目につきまして、年度制従つて、昔の形に建て直すべき修繕計画を立てておるわけでございます。一年に要する修繕費のほかに、そういう長い間怠つてつた修繕の取返しというものも含んでいる金でございますが、十分ではございませんけれども、これを非常に有効に使つて、少しでもいい汽車にしたいと考えておる次第でございます。  それから二十二番目の減価償却費は、昨年は十三億一千八百万円、今年は十七億六千七百万円でございますが、これは帳簿価格によりまして、国有財産法に定めてございます耐用年限従つて等価償却をいたす必要な経費でございます。しかしながら御承知通り帳簿価格と申しますのは、非常に貨幣価値の変動によりまして、それだけの償却をいたしておりますのでは、財産実体保持に非常に不十分でございますので、さらに特別補充取替費として、百八十二億円を計上してございまして、これによつて非常に老朽した車両新造であるとか、あるいは施設新造、橋梁、隧道等の改築というようなものを、やつて行くために、工事勘定財源に振り当てた次第であります。  三枚目の表は、工事経費内訳でございますが、実はこれにつきましては関係方勢いろいろな指示、サゼスチョン、勧告というようなものがございまして、なお十分検討しなければならぬと思つておりますが、あいかわらず今年も主力老朽施設のとりかえ、安全な運転をするために必要な改良ということに主力を注いで、新規工事といたしましては、釜石線の建設に四億五千万円と、それから信濃川の山辺の発電所発電を遂行して行くというようなものが、目ぼしいものでございまして、その他につきましては、ほとんど全部が老朽施設のとりかえ、更新というようなことを主にいたしております。そういう方針に従つて危険なもの、あるいは非常に修繕費を食うような施設を新しくいたしまして経費節約と同時に安全正確な輸送ができるように、この予算を使わしていただく。こういうような考え方で進みたいと考えております。  はなはだ簡単で恐れ入りましたが、以上大略御説明申し上げました。
  10. 關谷勝利

    關谷委員 貨物の五百六十七億に対するトン数見込みちよつとお知らせ願いたい。
  11. 足羽則之

    足羽政府委員  一億三千二百万トンの予定でございます。
  12. 岡田五郎

    岡田(五)委員 ちよつと事務的なことでお尋ねいたしたいのですが、工事勘定資金関係の欄にございます二十四年度予算借入金受入れ百五十億四千六百七万一千円、これは私たちが知つている範囲では、見返り資金からの借入金流用による借入金、こういうようなことであつたと思うのでありますが、本年は項を別にいたされまして、米国対日援助見返資金特別会計よりの受入れということで、二十五年度は四十億、こういうふうになつておるようでありますが、こういうようにわけられたわけをちよつと御説明願いたいのです。
  13. 足羽則之

    足羽政府委員 見返り資金からの借入金につきましては、昨年度は百五十億であつたのでありますが、今年度見返り資金から四十億が、国有鉄道の方の工事勘定財源になることになりまして、この取扱いについてどうするかという点の御質問なのでございますが、今年度はこれを借入金としないで、政府からの出資としてこれを扱う、こういうことになつたわけなのであります。今年度政府から、特別会計あるいは国有鉄道に対して見返り資金から出す金は、特別会計に対する交付金、あるいは国有鉄道に対しましては出資という形で出すことに、大蔵省の方と話がございまして、それに関しての法律大蔵省から今度の国会に提出され、また私たちの方といたしましては、出資に関して日本国有鉄道法改正案を御審議願う、こういうふうになつております。
  14. 滿尾君亮

    滿尾委員 特別補充取替費という項目は、今年度初めてできたようでありまするが、これはやつぱり工事勘定の方の資金に上つて来るのですか。経費として落してしまわれるようでございますが、この金の扱いをちよつと御説明願います。
  15. 足羽則之

    足羽政府委員 これは工事勘定の方の資金に上つて参ります。
  16. 滿尾君亮

    滿尾委員 そうしますと普通の今までのような工事勘定と、この特別補充取替費による工事との間に、何か標準を立てて区別しておられるか。どのような標準でこの取替費というわくをお考えなつておるか、御説明願いたい。
  17. 足羽則之

    足羽政府委員 区別をいたしておりません。この百九十九億の損益勘定からの繰入れと申しますのは、その上の方にあります支出減価償却費の十七億六千七百万円と特別補充取替費の百八十二億二千八百万円の合計でございまして、それを工事勘定財源に充てる、こういうふうに考えております。
  18. 岡田五郎

    岡田(五)委員 もう一、二事務的なことを御質問申し上げます。損益勘定経費内訳表でございますが、修繕費車両関係で二十四年度査定額は百二十億あつたのであります。ところが二十五年度予算は九十五億ということで、約二十五億減じておるのであります。先ほど経理局長のお話によりますと、いかにも車両りつぱにして旅客のサービスを向上するということを御説明なつておつたようでありますが、何かこの数字を見ますと、逆のように思われるのであります。この辺の数字上の操作がどういうようになつているか、ちよつと御説明を願いたいと思います。  それからもう一つ、ついでに質問いたしますが、工事費経費の一番末尾に、特別建設改良費として四十億の予算があがつておるのであります。ほかの項を見ますと、概略大きな工事概要が書いてあり、使途を明らかにしてあるのであります。ところがこの四十億に至りましては、白紙のままに提出されておるのでありますが、どういうお考えでこれをおあげになつておるのか。事務当局の一応の御説明を承りたいと思います。
  19. 三木正

    三木説明員 車両修繕費は、二十四年度が百二十億、二十五年度が九十五億でございますが、二十四年度の百二十億の中には車両更生修繕というものを含んでおるのでございます。更生修繕と申しますのは、車両のいたみが非常に多いので、在来行つておりましたような修繕方式では非常に不経済になりますから、自動車でオーバーホーリングと申しますが、車両について徹底的な修繕を行いまして、そのかわり一ぺん更正修繕したものは当分の間、ほんとうのごく簡単な修繕で済ますという考えのもとに、更生修繕というものを本年度から始めておるのでございます。将来は工機部における特に貨車、客車あたり修繕は、この更生修繕に限りまして、あとの手直しは検車区というような駅に非常に近いところでやつて行く。こういう考えでおるのでございます。本年度更生修繕費は十四億くらいだつたと思いますが、来年は約三十一億くらい、更生修繕費見込んでおるわけでございます。そしてそれを本年度の款項目といたしまして、工事勘定の方に計上してございます。工事勘定車両費が八十億となつておりますが、そのうちには今申しました通り更生修繕関係の三十億というものを含んでおる。こういうことになつておるので、かれこれ入り繰つておることになるのであります。  第二点の工事勘定費目の中に、四十億というものが大ざつぱにあげてございますのは、御承知通りこれは財源的に見ますと、見返資金特別会計から繰入れされる額に相当しておるのでございますが、その費途について予算を提出いたします際に、関係方面との打合せも十分できなかつたので、一応こういうふうにあげて、最もその資金に向くような費目使つて行くようにというわけで、こういうふうにあがつておる次第でございます。
  20. 稻田直道

    稻田委員長 それではこの予算の問題につきましては、次会質疑を続行することにいたしまして、請願説明議員も来ておられますので、これより請願審査に入ります。
  21. 稻田直道

    稻田委員長 請願日程第一、石巻から飯野川、柳津を経て気仙沼に至る間に鉄道敷設請願紹介議員角田幸吉君外一名、文書表第一二三号、紹介議員角田幸吉君、
  22. 角田幸吉

    角田幸吉君 ただいま議題となりました請願の趣旨及び理由を簡単に御説明申し上げます。  三陸沿岸を縦貫する鉄道の非常に緊要であることは、政府も認められまして、数回国会において請願採択なつておらのであります。     〔委員長退席岡村委員長代理着席宮城県、岩手県、青森県を結ぶ三陸鉄道のうち、宮城石巻起点として飯野川、柳津志津川津谷を経て気仙沼に至る区間鉄道敷設を、すみやか、に促進していただきたいという請願であります。  理由を簡單に申し上げますと、終戰後国土開発考えますときは、どうしても未開発地に力を注ぐ必要があるのでありまして、東北地方のうち、岩手県、宮城沿岸というものは、物資の点から非常に重要なのであります。ところがこの地帯を通ります海岸線はいまだできておりませんので、産業上においても、交通上においても、非常な不便を来しておるのであります。そこでこの鉄道をすみやかに敷設していただきたいということが理由であります。なおつけ加えて申し上げたいことは、三陸鉄道敷設は、大正十一年法律第三十七号鉄道敷設法別表敷設予定鉄道線路第十七号、宮城気仙沼より津谷志津川を経て前谷地に至る鉄道、こういうふうに別表ができておる川のであります。ところがこれは御承知のごとく大正の初めの事情によつてそういう予定をつくつたのでありますが、この地方人口も稀薄であり、物資も不屈しておるのであります。そこでこの線路を変更されて石巻起点として飯野川、気仙沼に至る方に変更願いたい。こういう請願をしばしばして参つたのであります。これにつきましては、最初この鉄道予定線ができましたとき、当時の宮城県知事でありました森正隆氏が、この鉄道三陸鉄道予定線としてはきわめて不適当である。宮城県においては塩釜、石巻気仙沼が三大漁港である。これを貫く鉄道でなくては、三陸鉄道というものの意味をなさぬからこれはしかるべく変更する方がよろしい。こういうことを当時の森知事から示唆がありまして、昭和十一年に当時の民政党支部長である内ケ崎作三郎氏、それから政友会菅原傳氏が、政党政派を超越いたしまして、この予定線石巻にまわすべきだこういうことで請願に及んだのであります。そのときの宮城県を代表されておりました貴族院議員としては、菅原通敬翁があつたのであります。後に枢密顧問官として国家に功労のあつた人でありますが、この方がまた同様にその請願に盡力してくださいまして、当時石巻漁港に変更するという請願採択なつておつたのであります。その後に至りまして地元の選世でありました故大石倫治君、これは民主自由党であります。それから同じく小山倉之助君、これは民政党であります。こういう次第で、政党政派を超越いたしまして、どうしてもこれは石巻から経て行くのがほんとうである。今日石巻市は、周囲の人口を加えますと、まさに十万にならんとしておるのであります。ところが一寒村の前谷地起点とする線路のごときは、これはほとんど意味をなしませんので、どうかこの昭和十一年法律第三十七号別表十七号というものを変更されまして、そして石巻起点とする鉄道敷設をすみやかに実現せられんことを希望いたします。きわめて簡単でありますが、以上請願いたします。
  23. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 この件につきまして政府意見を聞きます。
  24. 宮澤吉弘

    宮澤説明員 本区間につきましては、ただいま御説明がございましたように、気仙沼から横山に至ります間は、第六十九議会の議を経まして、建設予算に計上されまして、気仙沼から前谷地に至ります間を着工いたしたのでございますが、諸種の事情から、そのうち階上に至る約九キロの間だけ工事を満手いたしましたまま中止なつて、現在に及んでおります。なお津谷横山間につきましては、選定はまだ済んでおりません。現在建設線といたしましては、現在国有鉄道におきまして約四十線、五百何キロに及ぶ区間が着手いたしたまま、中止なつておるような状態でありましてこの区間についても、現在の国有鉄道の財政その他の状況から見て、早急着手は困難でなかろうかと存ぜられます。  なお第二の点につきまして、従来前谷地からになつておりますのを、石巻の方に結んではどうか。こういうのでございますが、この件につきましては、両線を今比較研究中でございます。まだどちらにするかということについては決定を見ておりませんが、今後十分研究いたしたい、かように存ずる次第でございます。
  25. 角田幸吉

    角田幸吉君 ただいま当局から、両線について研究をなさつてくださるということで、非常に喜ばしい次第でありますが、どうか十分研究くださいまして、石巻の方が国家百年の大計を立てるために必要であろうと思いますから、ぜひそう御採択くださいまして願わくば政府原案としてこの法律修正案を、次の機会に御提出あらんことをお願いいたしまして、私の請願を終ることといたします。
  26. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 日程第三、日の影、豊後竹田両駅間に鉄道敷設請願佐藤重遠紹介、これを議題といたします。提出者佐藤重遠君の説明を聞きます。
  27. 佐藤重遠

    佐藤重遠君 紹介申し上げます。本案の要旨は、日豊線の日の影という駅が支線になつておりますが、それと豊肥線の竹田駅との間は、直距離わずかに三十二キロであり、沿道には豊富な林産物を初め、銅、すず、鉛、亜鉛等の鉱物資源が非常に豊富であります。けれども交通不便、未開のために、その生産は微々たるものであります。ついては、これらの豊富な資源を開発するために、日の影線を延長して、竹田駅と結んだならば、森林、鉱山鉄道を開通されることになつて、地方開発に非常に裨益する。そういうようにぜひやつてもらいたいというのが趣旨であります。請願者は、宮崎県の高千穂町の町長甲斐勝美外七名、これはみなその沿道の村長たちで、有力な、まじめな人たちであります。どうかひとつ御採択をお願いしたいというわけであります。  紹介議員としてあわせて御説明をいたしますが、宮崎県は、御承知通り現在の祖国に残された、最も豊富な一つの資源地帶であります。ことに九州で北の方には石炭が非常に豊富でありますが、中央部におけるいわゆる鉱物資源の大きなる地帶として、この開発がすなわち本請願のねらいであるのであります。こまかい数字等は省略いたしますが、紹介議員はいいかげんな紹介で責任は負いません。親しく現地も存じておりますので、皆さんにお願してぜひ御採択を願つて国家再建に御奉仕したい、こういうわけであります。御採択をお願いいたします。
  28. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 本請願につきまして政府意見を聞きます。
  29. 宮澤吉弘

    宮澤説明員 この線路は、豊肥線の豊後竹田駅と、日の影線の日の影駅とを結ぶ新線の御請願でございますが、実はこの区間につきましては、現在敷設法の予定線に編入されておりませんが、当方といたしまして実はまだ調査いたしたことがございません路線の一つでございます。従いまして私どもの方といたしましては、五万分の地図につきまして、図上調査をいたした次第でございますが、御承知のように本区間には、九州でも非常に高いと言われております祖母山のわきを通ります関係で、約八キロの隧道が必要ではなかろうか、かように推定される次第でございます。なお途中の資源の搬出につきましては、現在日の影から中村に至ります間には、森林専用軌道もあるようでございますがそういう点から見ましても、相当森林資源は多かろうということは了解できるのでございますが、先ほど申し上げましたような事情で、着工の建設線につきましても中止のやむなき状態でございますので、そういう面から見ましても、また工事量が非常に過大であるという点から見ましても、ここに鉄道を早急敷設するということはやや困難でなかろうか、かように存ぜられる次第でございます。
  30. 佐藤重遠

    佐藤重遠君 たいへんしつこく申し上げるようで恐縮ですが、ほんのちよつと。ごもつともの御説明でございますが、現に森林鉄道と申しますか、農林省でやつております軌道があるのでありますが、地盤の関係等は、これを少し拡張しさえすれば、鉄道を敷くのにきわめて簡單に行くのだというふうに、私どもは見ておるのであります。ひとつ困難かもしれませんけれども、これをやるという根本的な結論をきめてもらつてその御方針で御調査をお進めくださることをお願いいたします。当局の御意見を伺います。
  31. 關谷勝利

    關谷委員 今の政府の答弁を叩いておりますと、現在のところむずかしいというようなことになつておりますが、今度の予算を見ましても、鉄道新規建設というようなことが、何ら予算に組んでないというようなことでは、まことに私たち遺憾に思つておるのでありますが、鉄道債券の発行ができるように国有鉄道法でも規定せられておるのでありますから、この際鉄道債券等を発行して、民意に沿うて国鉄が採算上不利でないところは、新線をどんどん建設するようにぜひとも御配慮を願いたい。これに対して政府当局はどういうふうに考えていらつしやるか、御答弁を願います。
  32. 足羽則之

    足羽政府委員 先般の国有鉄道法の改正によりまして、鉄道債雰を発行し得る道は法律上開かれたわけなのでありますが、ただ現実に鉄道債券を発行するという問題につきましては、実はまだ詳細な点を政令に規定することを讓つておる点も、ございましてその点目下鋭意審議を進めておるわけであります。従つて手続から申しまして、具体的に鉄道債券を発行するというまでには、まだもう少しやらなければならない法制的な整備を必要とすると考えておるわけであります。  なおこの鉄道債券を発行して、もつと建設線をやつたらどうか、こういう御質問でございますが、問題が非常に大きい問題でございますので、あるいは事務当局だけとしてはお答えいたしかねる点もあろうかと思いますが、そういう意味で私見として聞いていただきたいと思いますが、現在の鉄道財政の実情なり、それから鉄道全体の経営の取扱いからいたしまして、建設線をできるだけやつて行く。鉄道債券を発行してそういうふうにやつて行くというまでには、実はまだなかなか手が届きかねる実情ではないか、こういうふうに私考えております。そういつた問題は、もう少し社会一般の経済情勢の動き方とにらみ合せて——そういうふうに進めて行くことは希望いたしたい点だと思うのでありますが、しかしそういつた諸般の情勢ともにらみ合せて、もう少し愼重に考えらるべき問題ではないか。これは私見でございますが、そういうふうに考えております。
  33. 關谷勝利

    關谷委員 鉄道債券は国有鉄道法ですでに認められておりますのに、いろいろな措置が出握れておるというようなことは、まことに私たち遺憾に思つておるのであります。早急にこれを整備せられまして、鉄道債券はいつ何どきでも発行のできるような準備を整えていただきたい。それができた場合には、ただちにできたということを委員会に対して御報告を願いたい。なおこの新線等の建設ということに対しては、手が届かぬということを簡単に言われておる。そのような事務的な御答弁では、私たち納得行きかねるのでありまして、いかなる理由で手が届かないのか、どういう理由でそういうふうなことに手をつけられないのかということを、本日でなくてけつこうでありますから、国有鉄道の総裁あるいは監督局長の方から、詳細な納得の行く御説明を願いたいと思います。
  34. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 次は日程第一〇、甲府長野間鉄道電化促進請願小川平二君紹介日程第一一、中央線電化促進の請願樋貝詮三君外一名紹介議題といたします。林百郎君の説明を求めます。
  35. 林百郎

    ○林(百)委員 これは小川平二君と樋貝詮三国務大臣の紹介なつておりますが、私も同じ長野県の中央線のまだ電化されない部分におる者でして、住民の気持がよくわかるのであります。ちようど新宿から甲府までは電化されておるのでありますが、甲府から塩尻、長野までが電化されておりません。これは時間の点から言いましても、乗つておる旅客の健康、あるいは気分から言いましても、非常にぐあいが悪い。それのみならず中央線というのは、山間を通じておる日本の唯一の交通線であり、運輸の動脈でありまして、これは時間のスピードアップの点から言つても、あるいは能率の点から言つても、どうしても電化してもらいたいというのが、長野、山梨両県の県民の切実な要求であります。これはずつと昔から運動をしておるのです。途中まで電化して、あとなぜとまつてしまつたかということはわかりませんか、住民が非常に大きな関心を持つておるところでありますから、ぜひこれを実現してもらいたいと思います。どうもこれを運動しますと、いつも当局の御返答は、何だか実現するようなしないような、のれんと腕押しで、どじようを押えておるような感じで、はつきりしないのです。そこで一体今鉄道の電化というものはどういう計画なつて、どういう見通しだということを聞かないと、われわれは県民に責任ある回答ができませんので、ひとつこの点について責任のある親切な御説明を願いたい。いつものようにどじようみたようにのらりくらりと逃げてしまわないで、ひとつ御説明願いたいと思います。
  36. 石井昭正

    ○石井(昭)政府委員 電化の問題でございますが、ただいまお話のありました中央線の甲府、塩尻間及び篠ノ井線の塩尻、長野間の電化問題と関連いたしまして、一般的に電化問題はどうなつておるか。こういうことについて具体的に話せという御質問のようであります。御承知のように終戦後、日本国内の経済再建のために、かつ国内資源の節約と申しますか、有効利用のために、国鉄の電化を計画いたしまして、上越線を初めといたしまして、終戦後大いに電化計画を進めて参つたわけでございます。この点につきましては、電化の新設も相当進んで参りまして、今日では上越南北線、あるいは東海道線の沼津、浜松間、あるいは奥羽線の福島、米沢間等は、すでに電化が竣工いたしまして、電気運転を行つておることは御承知通りであります。現在、終戦までに電化キロは約千六百キロ程度ありましたのを、ひとつ約三千四百キロまでに電化したいという五箇年計画を、国鉄としては持つたわけでございます。これによりまして約四百万トンの石炭節約されるという考え方で、この五箇年計画の線につきまして、いろいろ電化に関します詳細な資料その着手等についての研究も進めて参つたわけでございます。ただいまの中央線の問題も、この五箇年計画の線には上つておるのでございます。そこで最も大切な着手時間の問題でございますが、それについては何よりもまず最も石炭節約量の多いという線を先にやるということで、東海道線の電化に着手し、沼津、浜松間の電化を実施いたしたわけでございます。ところが、最近におきましては、電化については、電源問題から多少疑問が出て参つて、最近の電力の需給状態から見て、必ずしも東海道線を先にやるということがいいかどうかという点の、疑問が出て参つて来ておるのであります。あるいはその意味では、御承知のように信濃川の発電所の第三期工事を竣工させまして、信濃川水系によるところの覚力でもつて、直接利用することのできます高崎線、あるいは関東方面の電化を先にやつた方が、効果的ではないかという議論も出ておるようであります。来年度予算において、どの線を電化するかという点につきましては、目下のところそういういろいろの考慮すべき條件があるので、確定はまだ見ておらない次第でございます。そういう意味におきましてこの中央線の電化は、国鉄としてもやりたいし、政府としてもやりたい。また全般の計画の中に上つておるのではございますが、それならは今明年中に着手できるかということになりますと、その点ははつきり申し上げますと、その段階には中央線は参つていないのではないかということでございます。
  37. 林百郎

    ○林(百)委員 いつもそういうような御答弁を受けているのですが、そうすると大体いつごろ着手されるのかということです。もしわかつたら聞かしてもらいたいと思う。何か電化線の予定線が二十五かありまして大体順位がきまつていて、これは二十五のうち二十三か四らしい、しかしそうはつきり言つたのではぐあいが悪いから、望みのあるようなないような、敷きつけるような敷きつけないような回答を、いつでもしているのではないかというようにも聞いておるのですが、遠慮はありませんから、はつきり忌憚のないところを聞かしてもらつたらいいと思います。
  38. 石井昭正

    ○石井(昭)政府委員 実は決して逃げて御答弁申し上げているわけではないのであります。なるほどおつしやるように、その五箇年計画の線では二十六の線区を考えておりまして一応の順位は付してありますが、それは今申し上げたような考え方で付したのでありまして、すでに第一番に上つております浜松、米原間ですから、あとまわしにしようかというような議論も出て参つておるのでありますら、その順位では、お話のように比較的中央線は高順位になつておりますが、しかしそれだからといつて、これはやらないつもりで、気を持たせるだけでしてあるのだというわけでは決してなく、むしろ国鉄といたしましても、政府といたしましても、このくらいの線は全部早く電化したいという希望には燃えておるのでありますが、資金の点と、それか電化需要の点で、いろいろな難点がございます。そういう難点を打開して、できるだけ早くこういう候補にあげてあります線の電化をしたいという希望に燃えているので、お互いの気持が、地元の方の気持も、国鉄あるいは政府の気持も、そういうところに合致しておりますから、そういう御答弁を申し上げる結果になるのだと思います。決して一時のがれを申し上げているわけではないのであります。
  39. 林百郎

    ○林(百)委員 もう一つ、最後にお聞きしておきたいのですが、やはりこういう鉄道の電化というような問題は関係方面とも折衝し、向うのOKも必要なものかどうか。やはり日本政府考えだけでは、そう簡単に行かないものではないように常識的には思いますが、その点もどうなつているか、お聞きしたい。
  40. 石井昭正

    ○石井(昭)政府委員 ただいまのお答えでございますが、もちろん政府の責任において決定すべきことではございますが、重要な問題につきましては、関係方面等の意向、了解等も十分やつておるということは、現在の日本政府の立場上やむを得ないことだ思う次第でございます。
  41. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 次は日程第二、二俣、佐久間間鉄道敷設促進請願、金原舜二君紹介、第二八三号、紹介者がいませんので、かわつて關谷君からお願いいたします。
  42. 關谷勝利

    關谷委員 本請願の要旨は、静岡県磐田郡二俣町より同郡佐久間村に通ずる国会鉄道敷設は、昭和十九年着工し、同三十三年完成の計画つたが、戦争のために延期せられ、全然未着手のまま今日に至つている。ついては、戦前七回に及ぶ両院への請願採択され、さらに戦後第一回より第五回に至る衆参両院への請願採択されているから、同線の工事をすみやかに着手されたいというのであります。何とぞ委員諸君の御賛同を得まして、採択せられんことを希望いたします。
  43. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 政府説明を聞きます。
  44. 石井昭正

    ○石井(昭)政府委員 この佐久間線は、第五十一議会に建設予算に計上された鉄道でございますが、一ぺんは予算に上つたのでございます。その後情勢の変化に伴いまして、資金、資材等の関係から、計画通り工事に着手することができませんので、今日に至つておるのであります。御承知のようにただいま国鉄といたしまして、建設工事はほとんど全面的に中止のやむを得ない実情にございますので、急速にこの鉄道工事に着手することは、現在国鉄の財政上から見まして、きわめて困難かと存じますが、経済情勢が好転いたしまして、国鉄財政上の見通しもつきますれば、いろいろ財政上の点も考えて、御趣旨に沿い得るように考慮しなければならぬと存じております。なお昭和二十一年十月からは、全線にわたつて国営自動車を運行いたしまして、地元の便宜をはかつておる次第でございます。
  45. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 日程第四、深川、芦別間鉄道敷設促進請願玉置信一君外一名紹介、第三〇八号、紹介者が見えませんので關谷君から説明していただきます。
  46. 關谷勝利

    關谷委員 本請願の要旨は、北海道石狩国空知郡芦別町より同上川郡神居村並びに同室知群音江村を経由、同雨龍郡深川町に至る約三十一キロの区間鉄道は、昭和六年すでに実地測量を終えたまま、戦争によつて着工延期されている。ついては、北海道の資源宝庫開発のために、同鉄道敷設を促進されたいというのであります。委員諸君の御賛同を得まして、ぜひ御採択せられんことを望みます。
  47. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 政府説明を聞きます。
  48. 石井昭正

    ○石井(昭)政府委員 この区間敷設法の予定線ではございませんが、御要望によつて調査をいたしたことはございます。延長は約三十五キロほどでございまして、農産物、森産物のほか、三井鉱山株式会社で石炭の採掘を行つておるようでございますが、石狩、空知という二つの河川に、長大な橋梁をかけなければならぬという、相当経費のかかる線でございます。当局といたしましては、現下の情勢では、急速にこの鉄道敷設するというわけにいたしかねると存じております。
  49. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 次に日程第五、岩内、黒松内両駅間に鉄道敷設請願、浦口鉄男紹介、第三一二号、紹介者が見えませんので、關谷君から説明を聞きます。
  50. 關谷勝利

    關谷委員 本請願の要旨は、北海道岩内郡岩内駅から壽都郡壽都町を経て同郡黒松内駅に至る地区は、水道水産の宝庫であり、農林鉱産物の産出もまた大である。しかるに、本地区は交通不便のため、海陸資源は需要都市及び集散市場に移出できず、関係住民及び旅客の不便は大きい。ついては、地方産業開発のためすみやかに岩内、黒松内間に鉄道敷設されたいというのであります。
  51. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 政府説明を求めます。
  52. 石井昭正

    ○石井(昭)政府委員 この鉄道延長約四十七キロほどありますが、鉄道敷設予定線なつておりません。沿線には相当資源があるようでありますが、経過地は一貫して海岸地帶で、途中岩内、礎内の郡界附近に険しい断崖がありまして、約一キロ余の隧道と、尻別川に長大な橋梁ができる見込みであります。当局といたしましては、現在の国内情勢では、早急実施は困難ではなかろうかと考慮しております。
  53. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 次は日程第六、横須賀線を三崎町まで延長請願岩本信行君紹介文書表第三九二号を議題といたします。
  54. 關谷勝利

    關谷委員 本請願の要旨は、三浦半島は後方に大消費地たる京浜地区を擁し、生鮮食料の生産地並びに観光地として重要であるが、交遊機関に恵まれず、僅かに自動車でその需要を満している状態で、同半島全般に大なる支障を與えている。ついては、すみやかに横須賀線を三崎町まで延長されたいというのであります。
  55. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 当局説明を聞きます。
  56. 石井昭正

    ○石井(昭)政府委員 この鉄道敷設予定線なつておりませんが、調査いたしました路線であります。本区間は京浜急行電鉄が敷設免許線を持つております。経過地は小起伏の多い丘陵地帶でございますが、比較的土工工事少く、工事は容易と思われます。当局といたしましては、この延長線については、京浜地区の住宅地及び養魚地、並びに魚の補給地として、高速輸送機関の必要性は認めておりますが、京浜急行事鉄との関係もあり、また目下の経済情勢とにらみ合せ、今後研究してみたいと存じます。
  57. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 次は日程第七、高町線電化の請願阿左美廣治紹介文書表第一四号を議題といたします。
  58. 關谷勝利

    關谷委員 本請願の要旨は、高崎線電化は、電力需給の確定を見るまで、工事を延期する由であるが、同線は輸送並びに産業開発上、多大の支障を来している現状であるから、失業者救済のためにも、すみやかに同線の電化を実現されたいというのであります。
  59. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 当局説明を聞きます
  60. 石井昭正

    ○石井(昭)政府委員 高崎線上野、高崎間の電化につきましては、輸送状況その他の実情から、最優先的に実施す必要がありますので、早急に工事に着手できるよう、関係方面と折衝中であります。
  61. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 次は日程第一二、勝田駅舎移転請願山崎猛紹介文書表第一一七号を議題といたします。
  62. 關谷勝利

    關谷委員 本請願の要旨は、常磐線勝田駅は、勝田町の表玄関として、また那珂線と常磐線との接続駅として、日に一万の乗降客があるが、駅舎が狭いため、場内は混乱をきわめ、列車発着に際しては、危険さえ感ずる状態である。このため、同町は新駅舎の建設予定した都市計画を立て、第一期計画を完成した。ついては、昭和二十五年度において、同駅舎の移転ができるようとりはからわれたいというのであります。
  63. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理  当局説明を聞きます。
  64. 石井昭正

    ○石井(昭)政府委員 勝田駅本屋の移転については、請願の位置に明廿五年度に実施するよう、予算の面で目下検討中であります。なるべく御希望に沿いたいと思つております。
  65. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 次は日程第一三、肥薩線分岐点を湯浦駅に設置請願、福永一臣君外一名紹介文書表第四一七号を議題といたします。
  66. 關谷勝利

    關谷委員 本請願の要旨は、球磨川ダムを建設のため、薩肥線分岐点を、熊本県佐敷駅とする一説があるけれども、次の理由によつて鹿兒島本線湯浦駅を分岐点と決定されたいというのである。一、工事費が節減される、三、佐敷は人口及び海産物がまさつているか、湯浦は面積及び農産物、林産物にすぐれており、また温泉が湧出する、三、天然の良港京泊港があつて、海陸の交通運輸に至便であるというのであります。
  67. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 当局説明を聞きます。
  68. 石井昭正

    ○石井(昭)政府委員 球磨川ダムが築造されますと、水位上昇のため、現在り肥薩線の一部が浸水して使用不能となりますから、当然線路変更ということが考慮されますのでこの件につきましては、ダム築造実現の際に、とくと研究してみたいと思つております。
  69. 岡村利右衞門

    岡村委員長代理 本日はこれをもつ、散会いたします。     午後零時三十七分散会