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1949-11-25 第6回国会 両院 厚生委員会合同審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十五日(金曜 日)    午前十一時三十三分開会   ―――――――――――――  委員氏名   衆議院    委員長     堀川 恭平君    理事      青柳 一郎君    理事      大石 武一君    理事      田中 重彌君    理事      中川 俊思君    理事      松永 佛骨君    理事      岡  良一君    理事      金塚  孝君    理事      苅田アサノ君    理事      橘  直治君    理事      金子與重郎君            今泉 貞雄君            田中  元君            高橋  等君            幡谷仙次郎君            丸山 直友君            亘  四郎君            堤 ツルヨ君            川崎 秀二君            伊藤 憲一君   参議院    委員長     塚本 重藏君    理事      今泉 政喜君    理事      谷口弥三郎君    理事      岡元 義人君            中平常太郎君            姫井 伊介君            山下 義信君            草葉 隆圓君            黒川 武雄君            中山 壽彦君            竹中 七郎君            藤森 眞治君            井上なつゑ君            小杉 イ子君            穗積眞六郎君   ―――――――――――――  出席委員   衆議院    理事            青柳 一郎君            大石 武一君            田中 重彌君            中川 俊思君            岡  良一君            苅田アサノ君            金子與重郎君    委員            丸山 直友君            亘  四郎君            堤 ツルヨ君            伊藤 憲一君   参議院    委員長     塚本 重藏君    理事            谷口弥三郎君            岡元 義人君    委員            姫井 伊介君            中平常太郎君            山下 義信君            井上なつゑ君            小杉 イ子君   出席政府委員    大蔵事務官    (日本專売公社    管理官)    冠木 四郎君    厚生事務官    運輸事務次官    (鉄道監督局国    有鉄道部長)  石井 昭正君   委員外出席者    参議院議員   小林 勝馬君    参議院法制局参    事    (第一部第一課    長)      中原 武夫君    厚生事務官    (社会局厚生課    長)      黒木 利克君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○身体障害者福祉法案塚本重藏君外  十五名発議)   ―――――――――――――    〔塚本重藏会長席に着く〕
  2. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) それではこれより参議院厚生委員会衆議院厚生委員会との合同審査会を開きます。議題は、参議院提出にかかりまする身体障害者福祉法案議題にいたします。尚、これと同様の案が衆議院からも提出せられて、予備審査付託になつて参議院厚生委員会付託になつておりますが、便宜上参議院提出案議題にいたします。尚、提案理由説明につきましては、各院のそれぞれにおいて御説明があつたものと承知いたしまするので、省略するごとに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。  それでは直ちにこれより審議に入ります。尚、この法案の作成につきましては、厚生省なり両院のそれぞれ関係者の間において立案せられたものであります関係からいたしまして、葛西厚生次官黒木厚生課長等説明員として説明に当ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。  尚、下島業務課長説明員になりますから、御了承願います。  どうぞ御発言をお願いいたします。
  5. 小林勝馬

    委員外議員小林勝馬君) 列席発言の許可を求めて置きたいと思いますが、御異議ございませんか。
  6. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) 委員外議員といたしまして、参議院小林勝馬君が委員外発言を求めておられますが、これを認めてよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) 御異議ないと認めます。
  8. 岡良一

    岡良一君 どういうふうな順序でお尋ねをすることになつておるのでしようか。運びにつきまして……。
  9. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) 皆さんにお諮りいたしますが、大体最初に総括しての御質疑がありますならば、一応総括的な質疑を行なつて頂き、適当な機会から逐條審議に入つては如何と思いますが、皆さんの御意見、どうでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) 御異議ないものと認めてさように取計らいます。  尚説明員石井国有鉄道部長でありますが、運輸委員会から呼ばれてありますから、若し石井氏に質問なさる方がいらつしやいましたら、最初に……。
  11. 岡良一

    岡良一君 運輸関係政府委員お尋ねいたしたいと思いますが、本法案によりますと、身体障害者にして重度であつて介添を要する者につきましては、国有鉄道運賃が半減されることになつておるのですが、これは先般私共の委員会においても、全額免除さるべきではないかということをお尋ねを申上げましたときに、アメリカの例を引かれまして、半減が適当であろうというお答がありましたが、その後、他の諸外国の例を徴しますると、現にフランスあたりは、身体障害者に対しては全額免除をいたしておるようであります。まして諸外国と違いまして、我が国のような鉄道公共企業体として運営されておりまするところにおいては、当然これを全額免除いたされて然るべきではなかろうかというふうな点につきましては、身体障害者の団体におきましても、かねてより強い要望があるのでありますが、この点、なぜ半額にいたされたものであるか。でき得べくんば全額免除なさるべきではないかということにつきまして、運輸省方面の御意向を承わりたいと思います。
  12. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 只今身体障害者運賃減額について御質問がございましたのでありますが、国有鉄道におきまして、身体障害者の方に対しまして、福祉法案精神に則りまして、運賃減額をいたさなければならないということにつきましては、その精神については私共決してこれに対しまして異議のあるわけではございませんし、又喜んで心からそういう措置に御協力申上げなければならないと思つておるのでございます。併しながら国有鉄道は、本年六月にパブリック・コーポレーションとなりまして、一応政府機関から切離されまして、法人として独立いたしまして会計経理をやつておりますのみならず、最近におきましては、特に経済上の要請から独立採算建前要求せられまして、財政上の均衡を得るために格段の努力をいたさなければならないことになつております。赤字が出たからといつて直ちに国庫から補給を受けるというわけに参らない状態でございます。一方国有鉄道運賃につきましては、両院の御審査を願いました国有鉄道運賃法を以ちまして定められてございまして、この運賃法によつて運賃收入を指定されております。この收入に基きまして予算上の收入源がはつきりいたしました。これと見合いまして、支出経費等の査定を受けておるわけでございます。従いましてやはり財政上の観点から相当の考慮をいたさなければならないことではないかと考えております。今何故に全額免除をしなかつたかというお話もございましたが、国有鉄道におきましては、やはり如何なる場合におきましても一応運賃を取つて頂く、運賃を取らせて頂くことが企業上の建前としては一応当然ではないか、かように考える次第でございまするが、併しながも介護者を同行するような非常にお気の毒な方々に対しましては、当然相当程度割引をいたしたいと思いますがこの点は、やはり所要の財源と彼此勘考いたして行わなければならないことであろうと考えた次第でございます。従いまして、若しこの負担国家に対して負担になるものであるという建前でございますならば、これは当然国鉄運賃のごとき、如何よう割引いても差支えないのではないかと思うのでございますが、今までの御折衝の経緯は、当然この減額分建前といたしましては私共国家において、企業体補償せられる性質のものではあるけれども、国鉄といろ事業の公共性に鑑みて国鉄において負担すべきものである。国家補償をなさない、かようなお話のように承つておるのでございます。さような建前から見まするならば、減額に止めて置くべきではないかと思うのであります。曾て空襲中に罹災者無賃輸送をやつたこともございます。又今日引揚の方々輸送もやつておりまするが、これらはいずれも一応御本人は無賃ではございまするが、当然所要機関から相当の対価の支拂いを受けておるわけでございまして、そういう観点から見まして、私共今日この法案精神に全く賛成で御協力申上げなければならないということを感じておるのでございますが、先ず御提案程度で以て御了解を願いたい。かように考えておるのでございます。
  13. 岡良一

    岡良一君 減額と仰せられましたが、大体どの程度減額をするお気持でいらつとやいますでしようか。
  14. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 私案は御提案法案只今拜見いたしました。それによりますると、半額というふうになつておられるようでございます。私共実は事前に御折衝を受けました際におきましては、命令の定めるところに従つて減額するのだというふうに拜聽いたしておつたのでありまするが、併しながらこの場合におきましても、私共の考は五割程度、いわゆる半額でございますが、そういう考をしていたのでございまして、実態としては一別段私は御提案になりましたものと考え方は違わないのでございますが、ただ御提案法案の中にはつきり半額と書かれているということは、実は只今承知いたした次第でございます。
  15. 岡良一

    岡良一君 身体障害者半額になりますると、介添を要するので、一人前の運賃支拂わなければならんことになります。従つて両々相俟つて、結局一人前ということになるわけでありますが、この附添を連れ立つて族行をしなければならないという事実、又身体障害者にとつては、單に運賃のみならず幾多の苦難が考えられることでありますので、成る程現在の国鉄といたしましては、独立採算制の下に、財政上の中で極めて窮屈なことはお察しは申上げますが、大体半額ということになりまして、どれくらいのものが、現在の金額を徴收しているところよりも收入の上において減ずるかというようなことについて、何かお見込があればお示し願いたい。
  16. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) これは大変大雑把な推算でございまするが、身体障害者、特に介護人を要される身体障害者の数を大体十万七千人程と教えて頂きました。これに基きまして計算いたしますると、介護人の数を合わせまして、丁度その倍数の二十一万四千人程になるのであります。これが一年間にどの程度乗車されますかということでございまするが、これは我が国人口一人当り平均乗車回数の点では十七回になつております。一回と申しますのは片道でございますので、往復いたしますと、この倍になりますが、身体不自由の方でございまするので、平均して、これは尤も子供から何からすつかり入れての平均でございまして、活動し得る人口に対しましての平均ではございません。而もその平均より多少落しまして十五回、即ち七往復半一年間に乗車いたすという考えで以て計算いたしまして、約三百二十四万回と見込んでおります。一人当り運賃は、只今のところ乗車人員一人当り平均は四十三円五十銭となつております。これを大体積算いたしますと、約一億四千万円になるのであります。従いましてこの半額国鉄において負担するといたしましても、年間七千万円程度負担になるのでございます。七千万円と申しますと、相当大きな額になるのでございまして、この点については、国鉄の方は国家から補償して頂くべき筋合ではないかという意見を持つておるのでございます。理論的に申しますれば、恐らく企業体として国有鉄道を別の法人といたしました建前から見ますると、さようなことも一応の主張は成立つかと思うのでありますが、併しながらその国鉄の持つております精神に鑑みまして、いろいろこの程度のことは当然御協力されるべきではないかと、運輸省といたしては考えるのでありますが、併しながら七千万円というものを、若しこれを予算上に現わしますと、それだけの金額を補填いたしますためには、相当措置を講じなければならないわけであります。国鉄言い分といたしましては、從つてこれを表てに出さずして、実際上運賃割引きには御協力いたしたい。表てに出して、これだけの歳入欠陷があるというふうに、財政上の手段を講じなければならない建前にされるのは甚だ困るという言い分でございまして、その点につきましては、かねがねこの事前審査の際に両者の專門員の方々にも、運輸省といたしまして、勿論この介護者並び介護者を含めました方々に対しまして、相当減額をいたすことは、これは当然御協力申上げる。併し法律で以てはつきりそういうことになりますると、どうしても財政上の欠陷というものを見込まなければならない。それは又そこに新らしい予算上の措置の問題を生じて困る点が生ずるのでありまするから、従いまして実際上御協力申上げるということで、法律にはお書き願わないようにして頂きたいということを再三申上げたのでございまするが、併しながらこれは法律建前上、どうしてもお書きになるというお話でございました。只今拜見いたしました御提案によりますると、聊か技術的にも多少疑問のある点もあるようでございまするので、この点につきまして、一応提案者の技術的な方面を受持つていらつしやる方と一遍お話合いをさせて頂きたい、かように考えておる次第でございます。
  17. 岡良一

    岡良一君 今いろいろと仔細な統計或いは数字でお話がございましたが、併し私共の考えといたしましては、今あなたのおつしやつたような大きな負担にはならないと思つております。と申しますのは、二割或いは次いで六割というふうに鉄道運賃の値上りが行われておりまするが、と同時に、汽車に乗つて旅をするものの頭数も現実には減つておりますので、況んや身体障害者が、従前は普通並み運賃を拂わなければならないという状況の下においては、介護を要するものは二人分を拂わなければならないということは、これは生活上大きな負い目を受けておる身体障害者といたしましては、一般のものに比べて遥かに鉄道利用率が少ないだろうと思いますので、一般人の乗車率を基準といたされまして、身体障害者乗車の率を算定され、又乗車した運賃等を以て鉄道会計における收入減を見込まれるということは、聊か実情に帥さないのじやないかと思うのでございますが、私共としては、願わくば運賃全額免除するというところまで、運輸当局におきましても、一つ御奮発を願いたいということを心からお願いをいたす次第であります。尚これは黒木さんにお尋ねしたのでありますが、この場合、この運賃が仮に半減されるといたしまして、例えば言語障害者、例えば吃音者でありますが、これが甲の地から乙の地へ所用で行くことになるといたしましても、どもりのために発音が十分できないということのために、実際汽車の乗り降りには余り不便はないが、向うに行つて用足しをするときにはできないというような状況のものが予想されるのでありますが、そういう方々運賃減免の恩典に治することができるかどうかという点或いは又駅頭で稀に見受けることがありますが、財布の中からお金を出すことに非常に困難を来しておる、併し両足はぴんとしておりまして、いわば両手の機能に非常な欠陷のあるような方々で、歯で噛んで引出しておるというような状況を見ることもありまするが、こういう方々に対してやはり運賃減免措置が講ぜられるのでありますか。そういう点、実際上、運営の取扱上、一応伺いたいと思うのであります。
  18. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 第五十條で「政令の定める身体障害者」と書いてございますが、これは運輸省当局と交渉いたしまして、その範囲を決めたいと思つておりますが、只今お尋ねの、吃昔者で、切符を買うことの非常に不自由な者が入るかどうかという問題は、当人介護者を同行しなければ交通が困難であるという場合には入ると思いますけれども、通常、例えば吃音で駅の切符が買えるというような場合は入りませんので、その範囲につきましては、これは運輸当局との交渉によつて結局決めざるを得ないと思つております。それから両手先が損傷しておつて切符を買うのに非常に困難な者は、私達は当然入ると考えております。
  19. 小林勝馬

    委員外議員小林勝馬君) 先ずお伺いしたいのは、只今の御説明にもありましたが、介添者を同行しない人に対しては、この割引をしないのかどうなのか、その点が第一点であひます。それから今この法文を見まして感ずることは、介護者身体障害者におのおの半額と相成つております。これは先程岡委員からお話がありました通り、私共といたしましても、全額免除というふうに考えております。現在東京都電その他におきましても、身体障害者半額乃至は介添者半額というのじやなくて、東京都電その他におきましては介添者だけが全然無料になつておりまして、身体障害者は有料になつておる現状でございます。これで何故に半額ずつにしたのか、その点も御説明願いたい。それから今申上げた私鉄関係にはどういうふうに相成るのか、その点も厚生当局のお考えをお伺いしたいと思います。
  20. 黒木利克

    説明員黒木利克君) お答えいたします。五十條によりますと「介護者を同行しなければ乗車又は乗船するとの困難な者」とありますので、運賃割引につきましては必らず同行者がなければならない。従つて同行者介護者と合せて一人分の料金を拂うのが適当であるというので、このようにしたのおります各国の立法例はまちまちでありますけれども、大体アメリカの例にならいまして、このような規定をいたしたのと、もう一つは、運輸省当局に対しまして、できるだけ正当な理由が立つような、つまり身体障害者当人旋行ずる場合に介護者を要するということは、当人にとりましても、これはいわば通常人に比べましてそれだけ不利になるわけでありますから、せめて通常人と同等の取扱いというものを考える、これは無理のない要求であろと思いまして、このような考え盛つたのでございます。
  21. 小林勝馬

    委員外議員小林勝馬君) 運輸当局にお伺いしますが、これは従来東京都電その他でやつておりますように、半額パスを発行される御意思があるかどうか。恐らく身体障害者はあらゆる点におきまして不自由、不便の人が多いので、一々切符を買うということは非常に煩雑であろうと思います。そういう点から、例えば東京都内大阪市内というような省線半額パス、そういうものを発行される御意思があるふどうか承わりたい。半額にしたために、相当の費用がここでかかるんだという御説明でありましたが、現在学生その他の割引相当の人数に対しまして何割引かの割引をしておる。この点からいたしまするならば、この十万そこそこの身体障害者割引は、敢えてそう高価なものではない。このくらいのことはやつて頂いても結構だと私共は思うのでございまして、この点を御説明願いたいと思います。
  22. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) お言葉のように、勿論いろいろな、何と申しますか、特権があればある程、それは御不自由な方に対して結構なことであるということにつきましては、私共何ら異存はございませんのでございます。併しながらやはり企業の一私事に対しまして、法律を以て負担を命ずるときは、当然これに対する損失補償があつて然るべきものだと思うのであります。私共はその損失補償国家において負担をしなければ困るということは申上げません。建前上私はそうであると思うのでございます。さような見解からいたしまして、先程御説明なさいましたように、介護者或いは御不自由の方に対して、それぞれ半額にするという事実につきましては、心から喜んで御協力を申上げるということを申上げたのでございますが、それ以上のことを御要求になるお心持は、十分私共も同感でございまするが、又一面において企業採算というものについて努力しなければならない。又その面の監督もして参らなければならないものといたしましては、やはりこの程度において御辛抱を願いたいと思うのでございますむそういたしませんと、あらゆる場合におきまして、法律を以て決めた場合に、国鉄運賃がどんどん安くなるというようなことになりますると、これは社会政策的、経済政策的な観点から運賃割引をいろいろ御案願つているのが沢山あるのでございますが、併しそれらに対しましては、今日いずれも全部企業採算建前から、これをお断わり申上げておる実情でございます。社会政策的な割引につきましても、先程お話がございました学生通学等につきましては、これはまだ残つておりまするが、それ以外のものは全部お断わりしておる実情でございます。これらがすべて法律を以て補償なしに運賃が下げられて行くのだということが、どんどん実施されるということは建前上、甚だ企業の経営上困るものではないかと思うのでございます。それで先程申上げましたように、実際上におきまして、この点に御協力申上げることは喜んでいたしたいと思いますが、併し法律を以てお決めになりますということにつきましては、国鉄としては非常に異議がございます。又私共といたしましても建前の上から見ますると、甚だどうかというような感じがいたしておるのでございす。その点は十分一つ御了承願いたいと思うのでございます。
  23. 小林勝馬

    委員外議員小林勝馬君) 先程お伺いしました私鉄の問題は、厚生省はどういうようにお考えでございますか。
  24. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 運輸省の御意見では、私鉄まで法律規定の対象にすることは、最初折衝の経過に鑑みまして、法律規定することの無理を感じております。ただ国鉄に準じて地方の軌道が自発的にこういう処置をお採りになることを期待しておるのであります。
  25. 小林勝馬

    委員外議員小林勝馬君) 恐らくこの身体障害者が実際に御不自由をするのは、省線国鉄じやなくて、むしろ私鉄関係にあると思うのでございます。この私鉄関係が、この法律によつて国鉄に準じてやれるという何かの方法がおありですか、どうでしようか。
  26. 中原武夫

    参議院法制局参事中原武夫君) 憲法の二十九條第三項には(私有財産公共のために使う場合にも、正当な補償が要るという規定がございます。私で経営しておる私鉄について、消極的な侵害と考えられるような役割を命令するためには、国家負担において正当な補償が必要だと考えられます。従いまして予算的なそういう措置が講ぜられない限り、私鉄に対して法律の明文を以て割引をしろというような義務付けをすることは困難であります。そういう意味合から、公共性を持つた国鉄だけにこういう義務付けをしたわけです
  27. 小林勝馬

    委員外議員小林勝馬君) 今の説明で大体分りましたが、公共性を持つた国鉄と言われても、今鉄道当局から言われたように、独立採算制補償なしには困るというふうに言われているような状態でございまして、然らば外の予算措置その他において、そういう面を国家がカヴアーして行ぐという條項を入れて置かなくていいのかどうかということをお伺いしたい。
  28. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) この点につきましては、事前に、打合せをいたしまする前に私共の意見としては、法律でお書きになる場合は、国鉄にも補償をして頂くという規定が必要だと私共は信じているのでございます。併し事実問題として多額の予算をお取りになつて、こういうことに使うということもあれでございましようし、又国鉄といたしましても半額程度の、只今申上げました程度の御協力は、それは何といたしましても御協力申上げるのが当然であるという考えでございますので、法律に書かれますと非常にその点が……そのまま補償なしでやられるということになりますと、外の社会政策、経済政策の場合に影響いたして来ることを非常に恐れるのでありまして、身体御不自由の方々のために決して何と申しますか、そういう利益追求みたいなことを申上げるのではございません。併し社会政策的な観点からの運賃割引の要望ぱ相当あるのでございまして、それがすべて国鉄に対しまして、補償なしに法律で決めたとすれば、運賃割引ができるというような先例になりますことが、甚だ困るのではないかということを再三御交渉申上げたのでございますが、併しながらその点について私共の了解を経ずしてここに御提案になつているのでございます。私といたしましては、この点につきましてもう少しいろいろ御相談を願いまして、先例とならないということをはつきりさして頂きまするならば、それも亦止むを得ない。決して国鉄としても、この半額負けるのを何とか国庫から補助して貰わなければならんとまで強くは申させないつもりでございますが、併し建前として書かれるのは困るのでございます。又国鉄といたしまして、書いてさえ頂かないならば、法律で強制されないならば、事実上こういう割引制度を実施いたしまして、御協力申上げることは何ら異存はないということを申しているのでございます。その辺につきまして私共運輸当局といたしまして一厚生当局と完全なる了解の付いた点まで至つておらないのでございます。この点を一つ御了承願いたいと思います。
  29. 小林勝馬

    委員外議員小林勝馬君) ちよつと厚生当局にお願いしますが、「この政令の定める身体障害者」という問題でございますが、これが非常に身体障害者に対しましては重要な問題になると思うのでございます。この政令に定める大体のアウトラインと申しますか、そういうものがお示し願えれば、是非この次までにお示し願いたいと思います。以上でございます。
  30. 伊藤憲一

    伊藤憲一君 そういうややこしいことになると、僕らの方に言い分がある。若し身体障害者の生活が、社会保障制度その他によつて保障せられれば、運賃を負けて呉れとかいうことは問題にならない。又今石井政府委員説明されたような方法に上りますと、国鉄労働者の労働の成果というものは、全然数字の上に現われて来ないことになる。従つてこれは当然国家として支出をやつて、そして身体障害者を保障して金の支出をして助けてやる。さもなければ、国鉄無賃、或いはこれは我々としても全額負担して貰いたいと思いますけれども、全額負担して、ぞれを場合によつて身体障害者無賃来者の赤字補填の請求をすればいい。現に薪炭の特別会計なんかでも、五十四億七千万円というようなべら棒な予算を国会で支出しておりながら、身体障害者に対しては、そういうことは法律上できないとかいうのでは、これは問題にはならないと思う。それで今この法律の審議をするに当つて、大体もう十二時を過ぎておるのですが、この運賃の問題で過ぎておりますけれども、私はこれはどうしてもさつき石井政府委員説明がありましたけれども、そして岡委員が言われましたけれども、実際上身体障害者が普通健康人の半分で振付する筈はないので、これは絶対額から言つてもそれは問題はないと思う。従つてこれは無賃乗車にして、勿論国鉄の会計の上にもきちんと載せて、この赤字は別の方途で以て国家負担する。これは数字上のことであつて、実際問題としては国家全体として考えれば当然のことだが、社会保障の支出の形で出るか、国鉄の赤字になつて出るかという問題である。取敢えず速急にこれを行おうとするならば、どうしてもこれを全額負担して、こんな半額なんというけちなことを言わないで、全額負担して、赤字に対してそれを当然国家が支出してやるという形態をとつて、そうしてこの問題はこのくらいにして、身体障害者法案の本当の審議に入つて頂きたいと思います。
  31. 小杉イ子

    小杉イ子君 身体障害者必らずしも貧困者とは決まつておりません。又ただ身体障害者の手帳を持つているから半額にせよというのでございますが、又は調べて見たところが余り生活困難者でもなかつたのに、それでも全廃した方がよいという考えになるわけですか、この第五條には授産、就職、この方に非常に力を入れておるのでございますが、この辺を考えて、そうして誰でも彼でもというわけには行かないと、こう私は思います。半額でも余程の特典だと私は思つております。
  32. 岡元義人

    岡元義人君 議事進行について……。すでに十二時を過ぎておりますが、今日の予定をば、委員長から一応お示し願いたいと思いますけれども、まだ逐條審議に入る前に、多少二、三点に耳つて総括的にお聞きしたいことがあるのですが、このまままだ逐條審議に入らずに今日は進めて頂きますか、それとも午後なら午後は逐條審議に入る予定でございますか。一応委員長に伺つて置きたいと思います。
  33. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  34. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) 速記を始めて。それでは午後一時半まで休憩いたします。    午後零時十六分休憩    ――――・―――――    午後一時四十八分開会
  35. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) 午前に引続き、これより開会いたします。  質疑を続行いたします。
  36. 亘四郎

    ○亘四郎君 私は本法案の概略の質問におきまして一、二点お尋ねしたいと思うのでありますが、先ず第一に政府当局にお尋ねしたいのでありますが、本法案の適用を受ける者は、十八歳以上と規定されておるのでありまするが、十八歳以下は当然児童福祉法の適用を受けることとなると思うのでありますが、御承知のように、児童福祉法には、本法案規定しておるような保護規定が、十分私は含まれておらないと、かように考えるのでありますが、その点につきまして、十八歳未満の者で身体障害者に対して児童福祉法の範囲内で如何に調節して行くかというその点について政府の御所信をお聞きしたいと思うのであります。
  37. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 私が答弁をいたしまする筋合いではございませんが、この原案を作ります当時兒童局と話合いまして、児童福祉法を将来強化して身体不自由兒の問題の解決を図りたいから、この法律から児童は除外して頂きたいというような話がありまして、実は政府で最初作られました原案にはこういうわけで除外したのであります。児童局の方針につきましては、あとで連絡をいたしまして、児童局の局長からお答弁なさるようにお願いいたしたいと思います。
  38. 亘四郎

    ○亘四郎君 只今黒木事務官からの御説明では、まだ十分納得が行かないのでございまして、いずれは社会或いは児童関係の局の方がお見えになつたときに改めて明確なる御説明承りたいと思います。  更に本法案の適用を受ける者がいろいろ列挙されてありまするが、結核患者に対しましての適用が余り明確を欠いておると思うのでありますが、この点どの程度まで適用を受けるのか、若しできましたら、御明確に願いたいと思うのであります。
  39. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) 亘委員の今の質問についての御答弁の打合せにつきまして、この点は大石委員からお答え願うようにちやんと用意しておつたのでありますが、今席におられませんから、見えましたときに一つ……。
  40. 岡良一

    岡良一君 実は今の亘さんの御質問も非常に重要な問題でありますが、こういう問題につきましては、大石委員もさることながら、医務局長なり或いは次官なり、でき得べくんば大臣の御出席を願つて念を押して質して置きたいと思うのでありますが、厚生省関係では黒木課長以外お見えにならない。先般我々の委員会におきましては、国際観光ホテル整備法案のときには恐らく不必要と思う程担当の局長なり、或いは課長まで総動員して来られた。こういう重大な問題について極めて審議の不円滑を招くような政府関係の御出席がないのは非常に遺憾でありますから、こういうことで審議が遅れまして、本国会の通過が或いは間に合わないということになれば、これは明らかに政府の大きな責任であろうと思うのでありますから、どうか委員長におか旧れましても、この際関係局長、政務次官、その他大蔵省主計局専売局、各政府関係の御出席について一つ御督励を願たいと思うのであります。
  41. 岡元義人

    岡元義人君 今、岡委員の言われましたこと、非常に私も同感なんです。これは非常にこの法案の内容は各省に跨がつていろいろ聞き質して置かなければならないことが沢山あると思います。それで児童局に関係のある問題承沢山ありますし、又大臣の出席は当然これは出るべきでありまして、支障のない限り速やかに大臣の出席、厚生次官の出席をば今の岡委員提案に賛成いたしまして、速やかに措置をとつで頂くよう要望いたします。
  42. 伊藤憲一

    伊藤憲一君 序でに言つて置きますが、今の岡委員の言には賛成です。若し委員長が言つたので聞かないのだつだら、今日ここでの決議としてたまには顏を出せと言つて貰いたいのです。この措置は直ち、にとつて頂きたい。
  43. 岡元義人

    岡元義人君 厚生当局相当質問がありますが、只今大蔵省から冠木監理官がお見えになつて声られるだけで淑りますから、多少ちぐはぐになりますけれども一先にこの方の質問をさして頂きたいと思います。  冠木監理官にお伺いいたしますが、この法案によりますと、煙草の小売店等をば優先的に身体障害者に先ず與えなければならない、かようになつております。ところが実際に全国の各専滞所の管下におきまして、現在の段階でどのくらいの程度の余裕が残されておるか、この点を私伺つて置きたいので上ります。それからこの法案につきましては、單に売店式のいわゆる小売店という工合になつておりますが、もう一つ立売という範囲があると思うのでありますが、その方面もこの法案の趣旨に従つて考慮に入れて貰えるかどうか、それが又どの程度に余裕が残されているか、その数字を一つできますならば御説明を願いたいと思うのであります。  それからもう一点は、この法案の趣旨に従いまして、専売公社としてはこの法案の趣旨をば、いわゆる実際に目的を達成するような措置として、どのような方法でこれをしようとしておられるのか、その点も併せて御解答が願いたいのです。
  44. 冠木四郎

    政府委員(冠木四郎君) 煙草の小売人の指定の問題でありまするが、現存煙草専売法の既定の法律の上におきましては、一定の欠格條件に該当しないものはすべて認めるということに相成つております。その欠格條件と申しますのは、これまでに煙草専売法に違反をいたしまして、処罰された者とか、それから小売人の指定を取消された者とか、それから営業所の位置又は設備が小売業に不適当な場合でありますとか、その申請者の煙草の販売の予定高が公社の定める標準に達しないと認められます場合、その他営業所で煙草の品質保持上本適当な物品を取扱つております者、それから申請者が破産者で復権を得ていない場合、その他経営の基礎が著しく薄弱であるというような場合におきましては欠格條件に該当するものといたしまして、小売人の資格を認めないことになつておりますが、それ以外の場合はすべて認めるということに相成つております。従いまして、身体障害者の場合におきましても、そういうような欠格條件に該当しない場合にはすべて認めるということになりまして、法律上これを差別待遇をするということは煙草専売法の建前から言いまして、ちよつと困難なような形になつております。ただ実際の問題といたしまして、例えば身体障害者と、そうでない者が二軒並んで煙草の小売人をしたいということで申請をいたして参ります。そういうような場合にどちらをとるかというような問題におきましては、優先的に身体障害者をとるというようなことは考えられると思います。現在煙草小売人の数は全国で大体十二万程ございますが、煙草の販売数量も段々増加して参りまして、小売人の数ももつと多くなつた方が便利であろうかと思いますので、今後これを増加いたしまして、大体十五万人ぐらいまではしてもよいのじやないかというふうに考えて、最近におきましては大分小売人の数も殖えて参つております。それから尚立売の件でございまするが、立売は現在のところ認めたいことにいたしております。立売の変形のようなものでございますが、小売人が適当な場所に出張いたしまして、出張販売という形では認められております。立売は専門という形では現在のところ認めておりませんです。
  45. 岡元義人

    岡元義人君 今の御説明を聞いていると、結局中央から出されます通牒は、共願の際においてはとにかく身状障害者に優先的に取扱わせるという程度の通牒しか結局出されない、折角ここにこういう法案が盛られても実際の活用の面においてはとにかく共願者がある場合には優先的に取扱わせるという程度のものである、かような説明に伺つたのです。ところが私はこれは非常に問題でありまして折角この法案が通過いたしたといたしましても、そのようないわゆる専売公社の考え方でありますならば、恐らく障害者にどれだけりいわゆる煙草小売店の利点にあずかるものが出て来るかということは非常な疑問だと思うのであります。それで私が監理官に聞いておるのは、この法案の趣旨に従いまして、人口の密度或いは距離的な調整、そのようなものもなして、その上に初めて優先的にこの法案の趣旨に従つてへいわゆる小売店等をば勘案してやろうというよろな心組を持つておられたかどうかということをお伺いしたがつたのでありまして、單に共願の場合においては優先的に取扱えということだけでは、折角の法案が通過してもこれは実質的に成果は上げられないと考えられますのですが、この点もう少しこの趣旨をば十分含味して頂きまして、何らか方法を講ずるというようなことをお考えになりませんか。
  46. 冠木四郎

    政府委員(冠木四郎君) 先に御説明いたしましたのは、少し法律的な解釈に過ぎたような感じがいたされたかも知れないと思うのでありますが、この法律上の建前といたしましては、一定の欠格條件に該当しない者は公平に取扱えというのが煙草専売法の建前になつておりますので、それを表立つて身体障害者は優先的に特に待遇するのだということを申しますことは、法律上の建前といたしまして工合が悪いということになるわけでございます。ただこの欠格條件につきましてむ、これは結局いろいろな欠格條件がございますが、その際に公社の認定によつてその欠格條件に該当するかどうかということが決蘇るわけでございますから、そういうような際に、身体障害者につきましては成るべく好悪的に考えるという、気分の上でそういうような気分にして考えるということは当然考えるべきであろうと思われますから、そういうようなつもりで取扱つて行つたら如何かと思います。
  47. 岡元義人

    岡元義人君 もう一つ突つ込んで念を押して置きたいと思いますが一例えば五百メートルの範囲において二つの小売店があつた、たまたま身体障害者がその中間に自分の居住があつて、その居住を離れてはどうしてもできない、併しながらこれをぱ認可しても決して赤字を出さない十分にやれるという場合においては、専売局としてはこのような身体障害者に対してどんな態度をとられるか、この点をこの突つ込んだ一例をとつてお伺いしておるわけです。これに対する回答をお願いします。
  48. 冠木四郎

    政府委員(冠木四郎君) 煙草専売法の中の小売店の指定の場合の欠格條件の中に、その一つといたしまして、「製造たばこの取扱の予定高が公社の定める標準に達しない場合」という規定がございます。それで公社の定める標準と言いますのは、大体例えば銀座のような繁華な通りでありますと、一ヶ月の取扱高が百万円以北とか、それから又山の中の方で人口も少いという方面におきましては一ケ月の取扱高が三万円以上とかいうような標準が定まつております。従いまして只今お話のような場合におきまして、この標準に、その通りによつてつておりまする標準に達すれば、これはすべて認めるというふうに取扱つておるわけでございます。
  49. 小林勝馬

    委員外議員小林勝馬君) ちよつとお伺いしたいのですが、今お話を聞いておりますと、欠格條件その他いろいろあるようでございますが、この法案自体の建前からいたしまして、例えば盲人がこれを申請した場合はどういうことに相成りますか。盲人は多少不便があるといたしましても、その家族その他においてこれを補つて行けばいいという建前でおられるのですか。
  50. 冠木四郎

    政府委員(冠木四郎君) 只今私のお話の点は、盲人であるからといつて特に不利益な待遇をするということでは勿論ございません。家族の人なんかで十分やつて行けるというような場合におきまして、それを普通の場合よりも特に悪い待遇をするということは勿論ございません。
  51. 岡良一

    岡良一君 別な質問でもいいんですか……。黒木さんにお尋ねしたいのですが、関係方々お見えになりませんので、今黒木課長がお見えになつておりますから、多少逐條的のような形にもなるかと思いますが、その点をお許し願つて黒木さんの直蔵な御答弁を願いたいと思うのですが、  第一、この法律は、私共の考えるところでは、身体障害者の福而法案というには非常に物足らない感じがいたすのであります。第一條で「身体障害者の更生を援助し、その更生のために必要な保護を行い、もつて身体障害者の福融を図ることを目的とする。」それを受けて立つ障害者の心構えとして、身体障害者はみずから進んでその障害を克服し、速やかに社会経済活動に参與することができる……。その後の各條章を検討いたしましても、この法案自体が本当に自立し得る可能性のある者を対象として、彼らに対して、或いは職業を與える、その他の措置を講じて自活の能力を助長しようと、こういうところにこの法案が概ね重点を置いておるようでありまして、ところが身体障害者の場合には、やはりこの障害者であるがために、極めて精神的にも又文化的にも恵まれていない、そういう精神的な、或いは文化的な方面に対するこの保護をも全うすることによつて福祉という文字をそのままいろいろな政策の上を通じて本当にこの福祉になると、こういうような建前の下にあるべきが本当だと思うのですが、どうもこの法案を通じて見て、そういう点で物足らない感じがいたして仕ががないのであります。その点をこの法案の立案について、特に又アメリカ等をも十分に御視察になつ黒木さんが、彼の地の事情等をも併せて一つ直截に御見解を先ず承りたいと思います。
  52. 黒木利克

    説明員黒木利克君) お答えいたします。現在傷痍者の保護更生につきましては、厚生省関係では医務局関係で傷痍の治癒ということを担当しております。それから社会局の関係では生活保護法によりまして、最低生活の保障ということをやつております。労働省の関係におきましては、職業の補導、職業の斡旋ということをやつておるのでありまして、特に社会局の私の方の関係では、直截に申上げますならば、余り出る分野がないのであります。ただ問題は、そういう各省各部局の担当しておりまする分野におきまして、何らか欠くるところを補う、或いはお互いのチームワークを斡旋をするような面しか活動の分野がないという建前から、この法案が当初立案されたのであります。  アメリカにおきましては傷痍者に関する保護更生は傷痍者更生法という法律に上りまして、それを担当しておりまする官庁は連邦政府には職業更生庁、各ステイーツには職業更生局というものがありまして、すべて傷癖者の保護更生につきましてはスティーツ、州の責任において行う。そうして職業の補導、職業の斡旋につきましては、その職業更生局の予算において関係の、例えば労働省に委託をしてその業務を行なつて貰う。或いは衛生医療の関係におきましては衛生関係の部局に依頼をする、委託をする、かような建前になつておりまして、すべて職業更生局の責任の下にやつておるのであります。我が国におきましては、理想としては私の方でそういう国の責任において傷痍者の保護更生は一元的に、一貫的にやるのだという体制を取りたいのでありまするけれども、現在の各省の権限の関係から、先程申しましたような程度しか各省との折合が付かなかつたのであります。それならばどのような分野がこの法で考えられるかと申しますと、現在職業補導所で傷痍者が職業の補導の教育を受けておるのでありますが、十分に所期の目的を達しない。その原因はいろいろあるのでありますが、傷疾が固定して、そういう職業補導所で訓練を受ける間におきまして何らかのやはり或る程度の訓練を要する、生活訓練なり、作業訓練を要すると、そういう段階にある人達の保護をし、更生を援助する施設なり体系がないのであります。先ずそれをこの法律によつて規定しよう。それから第二点はかかる傷痍者を職業補導所で補導教育を行い、そうして就職の斡旋をする段階になりましても、いろんな関係でどうしても一般の通常人に伍して職場が確保できないという人達に対しまして、この法律でそういう報酬ある職場を或る程度確保して上げるというような規定を置いたのであります。それから傷痍者の義肢、義足、或いは補装具等の問題が現在傷痍者の方々が非常に困つておるのでありまして、この問題は、従来は生活保護法で漸く要求を満しておつたのでありますが、これを生活保護から切り離して、この法律によつてその措置をとるというようなことにいたしたのであります。  大体以上がこの法案の現在の各省の権限を侵さないで規定できる範囲でございまして、そのような趣旨でこの法案の立案に実は最初の案は当つたのでございます。
  53. 岡良一

    岡良一君 そういう御意中はよく分つておるのでありますが、ただ問題は、福祉である以上はやはり文化的な保護、精神的な保護と申しましようか。物心二面に亘つての福祉を図るという迫力が亡の法案全体を通じて極めて稀薄である。それが今お話のように官庁の権限を侵さないためにというところから恐らく努めてもこういうふうな低調なものになつて来たというのは、我々はその責任が官庁のセクシヨナリズムにあるならば、今後とも厚生行政は各官庁を統合的な施策として活用さるべき性質のものでありますために、厚生省当局としても十分に今後一つ迫力を以て立派なものを作るよう、又この法案自身に対しても一つ御努力を願いたいと思うのであります。我々も勿論できるだけの力を嘉して行きたいと思います。  そこで今専売局の方の関係の方のお話に関連してでございますが、まあこの頃は何をするにとても資金が必要でありますが、売店を設けたり、煙草の小売店を設けると申しましても、この資金の面が重要だと思いまするが、これは厚生省の更生資金五億円でございますか、或いは又金融公庫等の資金等がこの方へ流れるようなことについてすでに了解があるのでございましようか、資金面の点についてどの程度の御成案がおありでしようか、その点をちよつとお尋ねして置きたいと思います。
  54. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 傷癖者が自営業を行う場合の資金の問題につきましては、経緯を説明いたしますと、当初傷庫者を含めた人達の更生を図るため、更生資金法というようなものの立案を、準備をしておつたのでありますが、身体障害者福祉法案の中にそれを入れるか入れないかで研究をいたしましたのでありますけれども、関係当局との折衝でそれを除くことにいたしたのであります。併し国民金融公庫が身体障害者に対して自営業をする場合の生業資金の請求につきましては、十分に考慮をするということで折衝を終つておりますので、ただ勿論一定の枠内、或いは優先順位という問題はまだ解決はいたしておりませんので、十分に考慮をするということで今後の折衝に実はかかつているのでございます。
  55. 岡良一

    岡良一君 更生資金は大体来年度は三億、その内八五%は、一万五千円を眼目といたしまして、引揚者に重点的に交付されているようでありまするが、この点同じ台所の厚生省のことでありまするから、今年度より二億円増額になつた五億円の更生資金につきましてはやはり身体障害者がただ注文の上で売店を開いたり、煙草の小売ができるということだけを謳わないで、それを実際できるような現実の資金面については是非とも一つ御善処を願いたいと思うのであります。  それからこの法案の中で第十八條の第一号でありますが、「医療保健施設に紹介すること」こういうことになつておりますが、單に紹介をして頂くということだけでは、義眼を持つている人でも年に千円ぐらいのやはり眼科医に支拂を必要とするような形になつているようでございまするが、紹介だけして頂いてもやはり金がなければ紹介ということが空文に終るごとにはなるわけなんですが、この医療費等の減免措置というようなこどについて何かお考えがあるのでございましようか。
  56. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 傷痍者の訓練期間中、或いは傷演者に対する医療措置につきましては、すべてこれは生活保護法の医療券の支給によつて行うという考えで当初立案に参加したのであります。
  57. 岡良一

    岡良一君 身体障害者を全部生活保護法の医療券でやるのですか。
  58. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 身体障害者の中で生活保護法の対象になる者に限るわけであります。
  59. 岡良一

    岡良一君 第二十一條の補装具や安全杖の修理その他に関して負担能力に応じて費用の全部というのはどういう基準で、全部又は一部というような負担減額措置はどういう基準で定められるのでありますか。
  60. 黒木利克

    説明員黒木利克君) この法律の実施面でございますから私から答えさして頂きます。この負担能力は大体生活保護法の救護基準によりまして、生活保護法で採用しております大体困窮の基準によりまして、実施いたしたいと考えております。
  61. 岡良一

    岡良一君 生活保護法でということになると、これは全く福祉法、福祉という気持から程遠いような取扱いになるじやないかと思いますが、どうでしようか。これはやはりもつと枠を拡げて取扱う必要かあるじやないでしようか。黒木さんのお考えはどうですか。
  62. 黒木利克

    説明員黒木利克君) お答えいたします。大蔵省との折衝の際の大蔵省の意見は大体生活保護法は今まで義手義足等については医療券とか、或いは生業扶助とかいうような建前で一部認めておつたけれども、今回はこれを全面的にこの法律によつて取上げてよろしい、ただその基準につきましては、大体負担能力のないもの、つまり生活保護法と同じように最低生活をする上においてどうしても当人負担ができないという場合に一応限つて貰いたいというようなことで予算を取りましたので、今後又折衝によりましてできるだけその範囲は拡げて参りたいと思います。
  63. 岡良一

    岡良一君 これは身体障害者の審議会が審査等についての特別な部会を設けるようなことのでぎる規定もありますが、どうでしよう。審議会あたりがやはり負担能力については審議をして、もつと幅広く鷹揚に取扱うはうに御工夫願いたいと思うのです。  それから第十九條でございますが、「当該施設に収容し、又はそれを利用させなければならない。これもお金のことですが、こういう場合における経費、生活或いは医療に関する経費でございますが、こういう面倒はどういうようなことになつておるのでありましようか。
  64. 黒木利克

    説明員黒木利克君) これも実施面でございますからお答えいたしますが、すべてこの生活保護法の適用を受けるわけであります。最初私達の立案しました当時は、訓練期間中のこういう費用はすべて国の責任において支拂う、併し当人負担の能力ある場合はこの限りではないという規定を置いておつたのでありますが、生活保護法の一体系を紊すことは好ましくないという建前から、すべて生活の面につきましては、生活保護法に一任することにいたしたのであります。
  65. 岡良一

    岡良一君 これは大蔵省の方がお出ましになつてからと思うのでございますが、併しこの前私の頂きました福祉法案では謳われておりながら、今撤去されてありますので、その点その後の御交渉の経過をこの際念のためにお伺いして置きたいと思うのでありますが、それは所得税の基礎控除でございます。この前私の頂きましたあなたの立案せられました福祉法案では、所得税はこれは基礎控除を二万四千円に引上げるということに書いてありました。この間のシヤウプ・ミツシヨンの報告を見ますると、盲人等については特に基礎控除を一万八千円を加算する、そうして又これは言入にのみ適用し、随時その経験に鑑みて身体障害者に及ぼそうというようなことを書いてありまするが、この点この條文が前に項目きましたのに書いてあつたのが引込められたことについて、何か大蔵省の方では特別に今回の税制改革を通じて、税制の面で明確にどういうふうな措置をとるように言明をしておられましたか、恐らく何かそういうおつもりがあつてのことと思いますが、どういう点に基礎控除を認められるのですか、これは国会がまだ議決しない法案でございますが、一応この交渉の経過についてお伺いして置きたいと思います。
  66. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 大蔵当局の御意見では、シヤウプ勧告の通りに所得税法等で規定したい、こういうことを申しております。
  67. 岡良一

    岡良一君 そうしますと、来年度は特に盲人だけに適用されるのは、又この後に讓られる、そういうことになつておるりでございますか。
  68. 黒木利克

    説明員黒木利克君) さようでございます。
  69. 岡良一

    岡良一君 第十三條の身体障害者に関する援護思想を普及するために指導啓発に努めなければならない、これは具体的にどうい与ごとを黒木さんとしては期待せられておるのでございましようか。
  70. 黒木利克

    説明員黒木利克君) これはアメリカにおきましては、トルーマン大統領みずから提唱いたしまして、雇用者の保護或いは雇用の促進の週間をやつておりますが、我が国におきましても、国民が傷犠者の更生について特に雇用主が傷痍者を雇用することにつきまして、全面的に協力して頂くように週間を催したいと思います。尚先般ヘレンケラー女史が来朝されました記念して募金運動をいたしました結果、ヘレンケラー」財団というものができ上つておりますが、これは主として傷痍者のそういう面の国民の啓発の運動を実施するということになつておりますので、そういう面と十分に協力をいたしまして、国民の傷痍者の保護更生に朝する啓発運動を実施する考えであります。
  71. 岡良一

    岡良一君 尚府県におきましては、盲聾唖学校等が中途失明者その他を收容いたしておるようであります。ああいう收容施設というものがこの法案よる收容施設と同様な形で、いわば委託とかいうような形において将来取扱うお気持がございましようか。
  72. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 当初の考えでは盲聾唖者等の訓練する施設に関しましては、児童を收容しておりますものを除いてすべてこの法案の対象とし、それから訓練期間中の生活の問題はすべてこの法律によつて解決するという考えでありましたが、先程申しました生活保護法の体系を紊るというのでそれを撤回いたしまして、その結果文部省関係のそういう施設につきましては、これらに挿入しても実益を失いますので除いたのでございます。将来はこの訓練期間中の生活の保障という問題を是非とも解決したいと思いますが、そういう機会には当然入るもの、考えております。
  73. 岡良一

    岡良一君 是非ともそういうふうにお取計いを願いませんと、現存する盲聾唖学校において非常に不便を感じておるものと考えておるのであります。それから第三十三條と第三十四條に関して些細なことでありますが、点字図書館でありますが、何しろ盲人が図書館へてくてく歩いて行くということは大変なことなんで、図書館というもは巡回的な文庫というものを含めての趣旨であるという点、それからもう一つは点字出版施設でありますが、これは御承知のように点字新聞が廃刊になつ理由は多く財政的の理由に基いえおるように聞いております。在来而出版物に対して九倍乃至十数倍かかるということに聞いておりますが、こういうものについても特別な計らいを以て廉価に普及いたしませんというと、折角の出版施設を設けましても、盲人としてはその恩恵に浴し切れないと思いますが、そういう点について何か目体的のお考えがありますか。
  74. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 先程御質問がございましたこの法案の文化的な色彩の欠如という問題に関係するのでありますが、実は三十三條、三十四條でそういう文化的な色彩というものをこれに相当織込むつもりで予算折衝をしたのでありますが、三十三峰の点字図書館に関しましては、文部省関係で近く図書館に関する立法措置を何か講じたいというようなお話でありますし、国立図書館の問題もございますので、一応その時期まで待つことにいたしたのであります。点字出版施設の問題つきましては、現在我が国で数が少いし、増設の急務を感じております。且つアメリカ等におきましては、連邦政府が直轄にこういう施設を持つておるのでありますが、将来は国の直轄のそういう施設を作りたいと考えておりますが、予算関係上現在はまだ実現を見ないのでございます
  75. 岡良一

    岡良一君 文化施設の点ですが、この法案に関して含めておる文化施設でありますが、今頂きました黒木さんのアメリカ社会事業通信によりますと、ラジオを安く盲人に渡しておるというようなことも出ておりますし、日本のごとき入場税なんかは特に高いのでありますが、身体障害者手帳を持つておるものは入場税なんかを免除してやるとか、ラジオの聽取税を免除してやるということも恐らくお考えなさつたことであつたのじやないかと思いますが、いずれそれはその関係方面の方が出られましたときにお願いをしたいと思いますが、何かその間関係方面の諸君との間にお話合がありましたとしたら、どういうふうな御見解でそういう措置が取られたかということを打明けたところをお伺いいたしたいと思います。
  76. 黒木利克

    政府委員黒木利克君) 実は一番当初の案におきましては、盲人なり身体障害者に関するあらゆる考えられ得る特典の規定を置いていたのであります。ところが御承知のように無差別、或いは優先的な取扱をしてはならないという建前がございますので、それらとの関連でどの程度これを活かし、どの程度これを削除するかというので、関係方面とも大分折衝したのでありますが、根本的な考え方としては、我が国の傷痍者の対策というものは傷痍軍人に対する対策だけであつて、従来は殆んど非軍人に対しては見るべきものがない、従つて傷痍軍人に対する施策の体系なり設備なりというものがすべて現在御破算になつた今日におきましては、先ず無に……傷痍対策につきましては何もないに等しい、従つてこれから地均しをして軌道を敷いて行かなくちやならない、そのためには先ず傷痍者の訓練なり、補導に当る專門家を養成しなくてはならない、従つていろいろな施設を作り、或いはいろいろ文化的な面というものを考えるということは今後に待つべきであつて、取敢ずは地均しをし、レールを敷くという限度に止めるべきである。特に九原則の建前からできるだけ予算的な措置というものは遠慮をして、先ず地均しをしなさいというのが関係方面の意向でございましてそれに対して我々は現在の一年は平時の十年に相当する。アメリカは礎かに三十年の進歩を見ておりますが、それをここ三年の中に追付かなくちやならん、そういう覚悟でやるのだからして、できるだけそういう文化的な面も或いはアメリカでやつておる小くとも限度までは認めて貰いたいという折衝をしたのでありますが、結局その折衝の結果がこういう点に落付いたのであります。尚アメリカの大体の考え方では完全雇用というような考え方から傷痕者問題というものが考えられておるように考えます。特に戰争中労力が足りませんので、傷痍者の労力というものに大きな期待をかけまして、そういう面で今度の戰争になりまして非常な傷癖者に対する施策が進歩しておるのでありまして、我が国は戰争中それから戰後殆んどすべてこういう体系というものが駄目になつてしまいまして、新らしい再出発をしなくてはならない事態でございますので、取計ず体系の形だけを作る、つまり審議会を置き、或いは身体障害者のお世話をする福祉司というものを置き、その他若干の施設を置きまして、取敢ずすべり出して行こう、こういうようなことでこの辺に落付いたのでございます。
  77. 岡良一

    岡良一君 黒木さんのおつしやる通りなんで、現に今與えられておる職業では煙草の小売以外に箒だとか、はたきを作るとか、ぞうきんを作るとか、これはプリミテイブな、原始的な職業のみであるが、やはり片手、片足であつて作業能力においては劣つても、智能力においては劣つておらないわけでありますから、恐らく近代産業が相当高度なものであつても、これが一貫した流れ作業の体系を取つておるところならば、片手、片足でも十分役立つと思うのであります。そういう意味において、こうした極めてプリミテイブな、原始生産のみが身体障害者の職業としてあるということは、この法案では、それの批判よりも日本の現在ぼ産業体系それ自身の非常な低さ、又は利潤的な態勢であつたり、或いは又非民主的であつたりするというふうな要因にもかかわることであると思います。が、その批判はさて置きまして、今後この法案につきまして、灰関するところによりますと、青柳さん、大石さんの非常な努力によつて約一億円の予算が見積られておるということを聞いておるのであります。その一億円は極めて不満足ではありまするが、この一億円が一体どういうふうな法案に立つての施策に用いちれる御構想であるかという点を最後に一言承つて置きたいと思います。
  78. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 只今の質問で少し誤解なさつておる向きがあると考えるのでありますが、先程来申上げ、したように、障害者の職業の補導な就職の斡旋というものは、労働省関の職業安定法によつてつておるのでありまして、十分近代産業にふさわしい職業補導教育を施しておる職業補導施設もあるのでございます。この法案は先程申述べましたように、労働省で完全に措置のできない面、或いは労働省の足りない面を補うということを建前にしております。即ち障害者の職業補導所に入れない人を或る程度訓練をして職業補導教育を受けられるようにする。それから職業補導教育を永久に受けられないような人達に対して收容授産施設というものを作りまして保護をして行く、或いは先程申しましたような売店とかその他報酬のある職場を開拓して行くというようなことにしておるのであります。その他予算の点につきましては、主な内容は、身体障害者の更生等に要する経費どいたしまして、中央身体障害者福祉審議会、都道府県の身体障害者福祉審議会の費用、それから身体障害者の福祉司の費用、福祉司を訓練する費用、それから身体障害者が製作したものを政府なり公衆団体が或るものは買入れなくてはならないのであります。その関係の管理に要する費用、或いは審議会に要する費用、それから国立の身体障害者の更生指導所が現在相模原にできておりますが、これを全面的に強化をしよう。その費用、それから国立の盲人に対する職業補導施設を関西に一ヶ所作りたい、その費用、それが大体中央で要する費用であります。それから都道府県に対する補助といたしましては、身体障害者の收容授産施設、これが約六ケ所、それから現在ありまする十三ケ所の收容授産施設の管理費を昨年の五倍にいたしまして、これが強化充実を図るという費用、それから身体障害者に対する安全杖とか、義手、義足の費用、大体主なるものは以上でございます。
  79. 岡良一

    岡良一君 その中央、地方の審議会の費用、その他管理に関する費用と申しますか、直接身体障害者の福祉に関係ないこともないのですが、極めて間接的な費用と、直接的な費用とのパーセンテージはどういうことになつておりますか。
  80. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 比率はあとで計算してお答えいたしたいと思います。大体障害者に関する直接の食費或いは障害者の牧容に要する費用、それが大半を占めております。
  81. 伊藤憲一

    伊藤憲一君 大体審議会と福祉用並びにそれの訓練に必要な費用、その金額を大体でいいですから……。
  82. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 身体障害者の更生指導の職員の講習会費が中央におきまして約五十三万円であります。それから身体障害者の福祉司の、今度は直接の指導費でありますが、これが約二万円であります。それから都道府県がそういう職員を指導し、或いは講習をする費用というものが約三十七万五千円でございます。
  83. 伊藤憲一

    伊藤憲一君 審議会はどうですか。
  84. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 審議会は、中央審議会が約六万円、地方の審議会に対する補助が約六十七万円でございます。これが補助分でございまして、これの率は二分の一でございます。
  85. 伊藤憲一

    伊藤憲一君 福祉司の人件費はどうなんですか。
  86. 黒木利克

    説明員黒木利克君) これは社会局の庶務課の予算で、有給職員の予算がございますが、その中に一緒に含めてございます。二百三十五万円ばかりでございます。
  87. 小杉イ子

    小杉イ子君 ちよつと話が後戻りいたしますけ恥ども、私はこの法案につきましては、岡委員とはちよつと見解を異にするのでございます。この法案の根本は身体障害者とは申せ、さように重患者のようなものとして作られたものではないと、こう思うのでございます。そのために職業補導などが種々具体的に教えられてあるのでございます。而もごの問題の原案を見ますと、如何に障害者と雖も余り保護々々と言つて甘やかしてはいけないということで、どうかしてこれを援助して、朗らかに職業させて朗らかに生かすというような方法が大変詳しく書いてあつたと私は思つております。これは外の兒童とかいうものの福祉法とは大分異なると、こう思つておるのでございます。それでこの法案についてはできるだけ職業を與えて朗らかに暮す方法を研究することだと、こう思つておるのでございます。
  88. 伊藤憲一

    伊藤憲一君 これは共同提案になつておるのでね。そういうことを言うと、共産党はオーケーを取るためには共同すると言つたですけれどもね、ずるずるべつたりに共同提案者になつておるけれども、若し小杉委員の言うふうなことでは共同提案者から除外して貰いたいと思います。どうであろうとも実際上はこれは身体障害者の少しでも福祉になるようにこの法案を改良して行く方向に持つて行く方が必要じやないかと思います。先程も小杉委員運賃の問題についても身体障害者でも貧乏人とは限つていないと言つておられるけれども、ちやんと政令で身体障害者規定してある。鈴木仙八君とか、橋本龍伍君など代議士で身体障害者であるけれども、こういう者は政令で除外すればいい。だからそういう特別な場合を除いて、一応身体が障害しておるといろいろの生活に不便でありますから、これはいろいろな予算その他の措置関係もありますけれども、一般的にでき得る限り身体障害者の福祉になるような、文字通り福祉になるような方向で少くとも我々議員としては共同して行きたいと思う。そうであれば、我々としてもこれに賛成することができるけれども一若し小杉委員の言うようなことで、おまけに一億円程度予算で以てこういうことをやるというならば、実際問題として身体障害者の福祉に名を借りて、世間で言うように選挙運動をするというような結果になつて、意図がどうであろうとこうであろうと……ですからこの審議会においては、殊に共同提案になつておるようなことでありますから、こういう方向に進んで貰いたいと思う次第であります。(「議事進行」と呼ぶ者あり)続いて質問したいのですが、身体障害者審議会というのがありますが、これが單なる諮問機関でありまして、各條項に亘つて大体において厚生大臣並びに都府県知事の権限が非常に拡大されておるのでありますが、これは当然普通の人間でも役所に行つたり、殊に大臣だとか、都府県知事の権限ということになりますと、これを直接担当するのは官僚ということになりますけれども、普通人でもこの官僚というのは手を燒いているのです。況んや身体障害者が非常に手を燒くので、これは常にいろいろな、例えば身体障害者手帳の交付、返還についての規定、それから身体障害者範囲を決めるための審議、それから福祉司を任命するときは大体大臣及び都府県知事はそれぞれ意見を聞いて任命するというようなことになつておりますが、これは承認を経てやるというふうに、これは非常に拡大される必要があるのじやないかと思うのですが、どういうふうにお考えになつておるか。  それからもう一つは更生であります。更生事業にタツチしておるとか、学識経験者とか、或いは身体障害者、労働者、こういうものを雑然と並べて、その割振りが言われておらないのですが、この割振りをどうするかということが必要です。それからもう一つは、これもやはりこの審議会の議員が任命されることに、大臣並びに都府県知事によつて任命されることになつておりますが、これでは非常に非民主的だと思う。これまでこういつたものの審議会なんかの方行を辿つて見ますと、例えば米穀審議会がいい例と思います。任命した審議会が審議したことを無規して、別にもつと低い状態で糸価を決めておる。或いはこれは非常に多い例でございますけれども、労働委員会なんかでもこういう問題が多いわけです。これは是非身体障害になる可能性のある職務、例えば最近非常に工場災害が起きておりますけれども、労働者なんかは直接の関係がある、こういう労働者の団体、それから身体障害者の直接の意思が反映するようにするためには、これは選出、或いは当該団体の推薦というふうな、民主的な方法に改められる必要があると思いますけれども、これに対してどういう考えでこういう規定をされたか、これを伺つて置きたいと思うのです。  ついでに申上げますが、こういうことの自然的な結果として、費用の負担について地方財政負担することになつているのですが、これはどうしても本当に実際のことを考えるような中央審議会がこれを運営して行く、そういう建前からすれば、国家全額負担をして、地方に財政負担をさせない、即ち都府県知事の権限を及ぼさないようにするためにはそうさしたい。況んやこれは十分の一とか八分の一とかというように非常に少い額でありますから、尚更そういうことが必要だと思うのですが、その間の事情を一つお聞かせ願いたい。
  89. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 審議会は飽くまでも諮問機関という考えであります。併し民主的に行うために、この法令の重要な実施事項は殆んどすべて審議会の意見を聞いて行う建前を取つております。  それから審議会の構成のメンバーでありますが、各職域の代表その他につきましては、まだ人数の割振りは考えておりません。ただ雇用主と労働者を加えましたのは、労使双方の代表という意味でありまして、身体障害者の福祉も結局は職業の安定に帰着するという意味でこういう規定を置いたのであります。  それから予算措置につきまして、中央と地方の負担の問題でありますが、この法律建前は傷痍者の保護更生に関しましては、中央と地方と利害が共通である。従つてお互いが負担をし合うという建前を取つております。併し国の責任を相当重く見まして、施設の設置につきましては十分の八、その他運営指導につきましては半々というような規定をいたしておるのであります。
  90. 伊藤憲一

    伊藤憲一君 今質問として、返事だけを伺つて置きます。  で第一條に、「すべて身体障害者は、自ら進んでその障害を克服し、すみやかに社会経済活動に参與することができるように努めなければならない。」こうなつておるのでありますが、これは單なる御説教です。実際身体障害者のために国の支出、つまり金を出すようなことをしないで、法律で以て御説教するなんて馬鹿気た話はないと思う。一体どういう根拠でこういうことをやられたか、ちよつとお伺いしたい。身体福祉に何の関係もないのです。これは……。
  91. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 予算関係につきましては、この法に関しては」億円と身体障害者の費用が別にございますが、この法律と共同して、身体障害者の更生を図ります予算としては、生活保護法の適用、その他職業安定法の適用があるのでありまして、この問題は單にこういう一片の法律或いは單に一つの省一つの部局でできるものではない。各省或いは国民挙げてこの問題を協力して解決しなくちやならない。こういう建前からこういう規定の仕方をしたのであります。  尚第二條の規定につきましては、これは身体障害者の保護更生に関しましては、根本は身体障害者は障害を受けておりますが、この障害は例えば手足がなくなつても、それは義手義足によつては補えるのでありますけれども、銘々の手足が還るわけではないのでありまして、結局はそういう弱点は弱点として止むを得ないのでありまして問題は傷痍者の中に隠された力というものを発見し、それが十分に発揮できるように保護更生の手を差伸べるということが根本だという建前で、問題は身体障害者の單なる保護、或いは單に身体障害者の経済的問題を解決して上げるというのでなくして、身体障害者の中に持つた力を発見し、或いはその能力を十分に発揮せしめるように協力する、援助するということを建前にしておりますので、こういう規定を置いたのでございます。
  92. 伊藤憲一

    伊藤憲一君 意見はあとで審議のときに述べます。  第四條に「「身体障害者」とは、別表に掲げる」云々と書いてありまして、その別表の確か九に、「胸かくに変形があるもので厚生大臣の指定するもの」というのがありますが、これには結核によつて胸かく整形又は肺摘、それから最近プロンベという、充填術というのを行なつておりますが、この手術を行いますと、極めて胸かくに変形を来たして、実際上普通人ではなくなるのですが、これを含めておられるかどうか。
  93. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 主としてそういう人達を対象にいたしております。
  94. 伊藤憲一

    伊藤憲一君 同じく、四條に「十八歳以上の者」というとふうに規定しまして、十八歳未満を除いてあるのですが、これは主として職業補導その他のことを考えておられるから、こうされたとも考えられるのですが、それにしても少しおかしいし、それから前條の差別取扱いの禁止という規定の趣旨にも反すると思いますが、これはどういう根拠でしようか。
  95. 黒木利克

    説明員黒木利克君) お説の通り労働年齢の以前にある者を主として対象にいたしたのであります。身体不自由兒の問題は、児童福祉法の改正、或いは適用によつて解決して行く、こういうふうにいたしたのでございます。
  96. 伊藤憲一

    伊藤憲一君 労働年齢と申しますと、満十六歳になつておると思うのですが、それは身体障害者と健康者とどういう差別をしたのですか。
  97. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 児童福祉法年齢と申しますか、児童福祉法の対象にしておる者は、児童福祉法の適用なり改正なりによつて解決されて行く、このような意味でございます。
  98. 伊藤憲一

    伊藤憲一君 條文は忘れましたが、更生施設云々ということがありますね。これは大体どこに何ケ所ぐらい設置するという計画がおありですか、若しおありでしたらそれをちよつとお聞かせ願います。
  99. 黒木利克

    説明員黒木利克君) 現在あります施設は参考資料を差上げてございますが、あとに作る国立の一ヶ所と、他の六ケ所、国立の一ヶ所は大体神戸に作る考えでおります。あとの六ヶ所の県立の收容所、授産施設は各ブロツク別に一ヶ所ずつ大体置きたいという考えで、現在その設置の場所のないブロツクは、九州、中国、山陰、北陸、東北、中部の大体六ブロツクの県のうちで決めたいと思つております。これはまだ安本方面と細部的な打合せができておりませんが、大体希望する県で各ブロツクの県の意見を聞きまして決めたいと思つております。
  100. 岡元義人

    岡元義人君 少し議事進行について述べさして頂きたいと思います。この法案は飽くまでも議員提案でありましていろいろこの法案最初に盛られております実際の趣旨に対しましての裏付けどなるところの予算処置は非常な削減を余義なくされておる。そこでこの法案を我々委員が少くとも一つの橋頭堡を打込むというような観点から、この法案の通過に努力するということが先ず考えられなければならないと思うのでありますが、併しながら実際に先程の簡單な予算説明におきましても明らかなことく、この盛られておりますところの、この法案自体がすでにむしろ障害者と同じような考えが我々にはするのであります。そこで我々この委員におきましては、少くとも或る程度までの裏付けをば技術的にもあらゆる努力をして、この際はつきりさして置く必要がある、そういう観点から速やかに各省の関係省の政府側の出席をば要請してあつたのであります。先程来黒木課長の説明を聞いておりましても甚だ腑に落ちない点が多々ある。我々合点行かないことが沢山聞かされました。こういう点につきまして黒木課長に質問して見ても、これは到底得られない結果であります。速やかに各省の責任者を呼んで大体の裏付けの見通しがついてから、議員提出でありますれば、そのように十分に我々合同審議会において、この委員会において審議が盡されて行くべきと考えるのであります。併しながら各省の裏付けも付けられないうちに逐條審議に我々は入るということも十分考えなければならないので、この際十分間休憩して構いませんから、事務当局は速やかに委員長の鞭撻によつて、政府当局の出席を要請されたいと思うのであります。ここに十分だけ休憩を、一つ動議として提出いたします。
  101. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) 岡元委員の動議が出ておりますが、十分間休憩して、関係者をそれぞれ出席を求めるということでありますが、今までの関係者出席を要請いたしました経過を申しますと、厚生次長並びに児童局長は、只今司令部のネフ課長とお話中である。それが済めば直ぐ来るということであつて、まだ見えませんのでそれから大蔵省税関係では辻事務官が出席するとの返事がありましたが、予算委員会関係で、まだ手が抜けない、主計局長又同様であります。速やかに努めて出席するように要請しているのですが、そういうような状況に置かれております。地方自治庁の方にも連絡したんですが……。
  102. 伊藤憲一

    伊藤憲一君 そんならね。もう休憩でなく散会して、明日は午前十時でも九時でもやると、参議院の本会議のこともありますが、我々も衆議院の方で、本会議を投げ出してやつている。ついでにお伺いしますが、正確に言うと、今日の委員会は成立するのですか、どういうことですか。合同審査会は、委員数の半分が出席しなければ成立しないんでしよう。これは政府委員の出席を求めると同時に、各党では委員の出席も要求されたいと思います。
  103. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) 最初は中数以上確かに御出席がありました。
  104. 伊藤憲一

    伊藤憲一君 そうですが。
  105. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) 成立いたしました。ときに、休憩して他の政府職員の出席を促しますか。
  106. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 休憩しても、十分間ぐらいで来る見込はないでしよう、いつそのこと明日にしたらどうですか。
  107. 山下義信

    山下義信君 議事進行について発言さして頂きますが、第一点は、政府の出席を要求すべき大臣なら大臣でも決めましてですね、改めて委員長を通じて出席を促して頂きだいと思います。それが今日の間に合わなければですね。これは明日の午前でも改めて開会して頂きたいと思います。  それから定員数の問題が伊藤君でありますか、出たようでありますが、合同審査というものは御承知のように、必ずしも両院の厚生委員が全部でなくても、おのおのの厚生委員会が出席すべき員数というものを決めて出すということになつておりますので、衆議院の方は、この委員会の出席の員数をどういうようにお決めになりましたか、それを念のために承つて置きたいと思います。
  108. 青柳一郎

    青柳一郎君 その点私から今のお話につきまして、先般委員会を開きまして、合同理事会でお決めを願つたように、全員出席すると、そういうようにいたしました。
  109. 山下義信

    山下義信君 では一この員数は全員と、こういうように決議ではなつているようでありますから、やはり定員数がないと、これは開会ができないだろうと思います。その点も運営上一つ注意して頂きたいと思います。いずれにしましても、改めて明日責任ある政府の当局表の出席を求めまして、厚生大臣或いは大蔵大臣等の、若しくは政府代表の、官房長官でもよろしい、この法案を執行する上において政府はどういうようにするかという、政府の意向も確かめて置くということは必要であると思います。然るべき責任者を揃えるということが必要であろうと思います。お諮りを願いたいと思います。
  110. 伊藤憲一

    伊藤憲一君 ただ一言申上げて置きますがね。こういう問題を審議するんですから、全員出席するのが望ましいし、一つ政府委員の出席を促しながら我々がいないと、甚だ不体裁なので申上げた。私共本来ならば全部出席すべきですが、御承知のように会議の後半というか、しまいの方になつて来て、非常にばたばたいろいろなことが出て参りまして、欠席せられている諸君も、恐らく他の委員会その他で多いのじやないかと思いますが、そういうこともありますけれども、政府委員を呼んだら少くとも定足になるくらいは我々も出たいという自意識で申し上げたわけです。それからもう一つは、やはり身体障害者も注視しておられるその中でやられるのでありますから、成るべく出られた方がいいんではないかと、こういう意味で申上げたのであります。
  111. 亘四郎

    ○亘四郎君 午後再開になりましてから相当の時間も経過いたしましたのでありますが、あいにく政府委員の方の御出席も十分ございませんし、本日衆議院の方も本会議で相当重要な問題を控えておるような状態でございますから、できましたらこの際本委員会は散会といたして、明日改めて政府委員の方の出席を求めますと共に、我々委員会の方も十分態勢を整えてここへ出席をして審議を進めた方が一番有効的だと考えられるのでありまして、この際本委員会はこれを以て閉会ということに取計つて頂きたいと思います。
  112. 岡元義人

    岡元義人君 私は、先程休憩の動議が成立しておりませんので、只今の亘委員の動議に賛成いたします。
  113. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) それでは多数の方が本日はこの程度にして明日に延会したいとの御意向のようでありますが、さように了承してよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 塚本重藏

    会長塚本重藏君) それでは明日午前十時に開会することにして、本日は散会いたします。    午後三時十三分散会