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国務大臣(
鈴木正文君) 御
質問に応じて具体的に
お答えして行くのはし易いけれども、短い時間でありまして全体の
情勢をどういうふうに纏めて
お話していいか
ちよつと分りませんが、私から所管の、特に
国会の
関係、
予算等の
関係につきまして今の
段階の
現状を申上げまして、それから
労政の問題、それからその他各局の問題につきましては皆さんの御
質問といいますか、御
要望に応じて、
資料のあるものは
資料を以て予め御
説明を申上げて置くというふうにいたしたいと思います。第一は、
只今も
委員長がおつしやいましたけれども、この
臨時国会には私共の省しては目下のところ
法案はかけないで、つまり
臨時国会には
労働省関係の
法案として新らしく作るものにしろ、或いは一部
改正の案にしろ目下のところかけることを
考えておりません。外の
法案との
関係などで、一部
改正というふうなものが必要にな
つて来た場合には特別でありますけれども、若しありましたならば、この前の第五
国会で以て
相当重要な
法案が
相当大きく修正もされておりますから、この
臨時国会で
法案をいじることは避けまして、今のところどれか必要にな
つて来るか或いは又必要でないかも知れませんが、あればそれはむしろ
通常国会の方に廻して
行つた方がいいのではないかというそういう
考えの下に、
臨時国会には
法案は出さない
方針を今採
つております。
それから
予算の
関係でございますが、これはまだ
関係の
方面との
折衝も残
つておりまするし、
政府の一応の
原案というものは、
補正予算も二十五年度
予算も
新聞等で発表された
通りでありますけれども、いわば最終的には決定しておらないもりでございまして、これを
基礎としていろいろな
計画なり
考え方なりを申上げるのもどうかと思います。但しそれを全然離れて
しまつては会合を開いても殆んど話の中心がない、というようなわけでございますから、あの
原案によれば大体例えば
失業者の
吸収の
計画はこんなふうにな
つて参りますと、いうふうなことを御
説明しておるわけでありまして、昨
日本会議において
緊急質問に対しての
答えもそういう
仮定論の上に立
つたのであり、又最近出張の際に
新聞社方面から
失業問題その他について、又
予算関係等について聞かれたのに対しての
答えにもそういう前提の下に
お答えして置いたわけでございます。
従つて今我々が
考えておるところの
数字は最終的に
予算が動けばそれに
従つて数字も動いて来るということを予め御
了解願いたいと思います。
それから
予算の中で、これはもう決定して来ましたのは例の八億八百方円かの
緊急失業対策費、これは少な過ぎるではないかという
お話もこの前の
国会にしばしばございました。それに対しましてその後の
推移はどう
なつたかと申しますると、八月頃までは大体その
既定計画、つまり八億円を
四半期毎に、二億円ずつに分けて
使つて行くやり方で参りましたけれども、
情勢に鑑みまして繰上げて使うということ、これは当
委員会で以て
門屋さん初め
皆様方から御
要望があ
つたと思います。
情勢に応じては繰上げて使うということも
考えるという御
要望があ
つたと記憶します。それからできるだけそういうふうに善処いたしますということも
お答え申上げて置いたのでありますが、
大蔵省関係方面とも
折衝、いたしまして、それ大体繰上げて
使つてよろしいという
了解を得まして、実際に十月頃からはそういう形で以て繰上げ
使用をしております。
従つてその十月頃から
緊急失業対策費を使う
人達の数は
相当殖える。そのまま行きます、と十二月末までには
使つてしまうということになると思います。今のそれは單なる
計画でなくてそういうふうに動いております。という御
報告であります。
それからそうなると一月以降と申しまするか、
臨時国会の
推移、片付き方によ
つては十二月も入
つて来ましようが、それ以降は十二月まではありますが、一月以降はその金は大体なくなるということになりますので、
補正予算はその
意味からも是非必要であり、又全体の
緊急失業対策量を殖やす点からも必要であると
考えまして、
補正予算の中に新たにこの項目を計上しました。その金額は今申しましたように今後の
折衝によ
つて変更するかも知れませんが、今
原案に計上されておるのに八億五千万円であります。この外に五億円だけ
公共事業費の方に、
都市復興事業という
名前で以て五億円だけ計上されております。これは実は最初合せて十三億五千万円を
補正予算の中に、
緊急失業対策として組もうという
考えもありましたが、いろいろな
関係で以て実質的にはそういうものと心得てよろしい。
労働大臣が
失業情勢に応じて、ここにこういう
仕事をや
つて貰いたいということを
建設大臣に
要望した場合に、
建設大臣は
一般の
公共事業費は別の
意味で急速に行う。而もそれは
都市のみにおいて行うという形で以て
補正予算の方に五億円計上されております。これも
原案に計上されておりますということだけでありまするが、その
性質は
緊急失業対策と同じ
性質、若しくはそれに準ずる
性質のものであります。だから昨日も
参議院の本
会議で十二億五千万円という
数字を挙げての御
質問がありましたが、十三億五千万円というのが正確であります。そういう場合には今の
公共事業費の方に入れられておる五億円も加えての
意味であります。
緊急失業対策という
名前で以て挙げられておる金は八億五千万円でございます。大体
緊急失業対策費の
推移はそうでありまして、一口に言いますというと、仮に五億円の方は別だといたしましても二十四年度の当初
予算では
年間八億円であ
つたものが、
補正予算を
年間に直すというと一四年期八億円というのだから大体三十億円前後に、
年間に直すとなるというような計算にあの
通りに行けばな
つて参ります。それから
従つてそれに応じて
雇用料も引上げられるわけであります。正直に申しまするというと、今年の四月頃は
緊急失業対策では二万人前後くらいきり
吸収しておらなか
つたと思います。それが今申しましたように、十月以後は
繰上使用によ
つて四万人前後にな
つておると思います。詳しい
数字は
事務当局から適当な
機会に
お話しま号。それから今申しましたように
補正がその
通りに
行つたといたしまするというと、八万人ぐらいの
吸収にな
つて来る、こういう形で
推移しております。その
外失業対策の
考え方は、
公共事業全体の中に主力を置くべきであるという
考え方の下に、御
承知のような
補正予算の
公共事業費、それから二十五年度
予算の
公共事業費というふうなものが一応組まれたのでございますけれども、その
推移はもう少し見なければ分らないと思います。
失業の
状況、これは全般的に
ぴちつとした数字を捉えるということは御
承知のようにむずかしいのでありますけれども、
安定所に現われて来る
人たちの数の殖え方、それから
失業保険を受取りに来る
人たちの数の殖え方というふうなものからいたしますると、
相当に殖えて来ておる、
頂上に達して来ておると思います。ここらが
頂上であ
つてやや
失業保険その他そのまま横に
行つてそのうちに下
つて来るという時期が来るのではないかと思いますが、
相当に殖えて来ております。これらの点につきましても
数字を以て必要な場合、
事務当局から御
説明いたすようにいたします。
それからあの
引揚者だの
行政整理で以て
整理された
人たちは一体どのくらい就業しておるかということは
相当重要な問題でありますが、
引揚者の方はそうでもありませんけれども、
行政整理の方は案外
就業率はいいということを示しております。八月にこれは我々の
安定所を通じて現地で以て完全なものであ
つたとは申せませんけれども、でき得る限り各
官庁と連絡を取
つて、その
整理された
人たちの行先を
調査した結果によりますというと、八月に大体こういうことにな
つております。
整理された
人達の中で
就職を希望する
人達が大体七〇%、その七〇%の中で以て六八%
就職しております。大体七〇%の又七〇%、だから
整理された人全体に対すると七七、四十九五〇%ぐらい
就職済みにな
つている。
一般の
民間の方の
企業整備の
就職はそれ程には
行つておらないと思います。
行政整理の方は
関係の
共済会とかそうい
つたものの
活動にもよ
つたものでありましようけれども、
相当のいい成績を挙げているというのが事実でありまして、大雑把に申しまするというと、
昭和二十四年度の第四・
四半期に
行政整理の
人達の中で以て
就職を希望しながら
就職できないという
人達は三、四万残るというようなことになるのではないかと思
つております。大体そういう
情勢でございます。
それから
補正予算そのまま
原案のままで行けば、新らしい
雇用が下半期に百二十万人前後予定される。それをそのまま二十五年度の
予算に延ばしたあの案で行くと、二百万人くらいが予定されるということになります。これらのことは別の
機会にどつかですでに一応極く大雑把の見通しとして発表したことがあります。くれぐれも御
了解を願いたいのは、今の案をその
基礎と七て決定したものではありませんけれども、一応の
基礎として現
段階的に
お話を申上げるというだけの
意味でありまして、
政府の最終的の
吸収計画がここに決定したということは言えないわけでありますから、この点は予め御
了解を願いたいと思います。その外いろいろありますけれども、要するにこの
国会関係において
予算関係、
法案関係で申上げておきたいと思うことはこれらの点でございます。尚
労政関係等につきましては、必要がありましたならば
労政局長から大体の
情勢を
お話申上げます。