○小川友三君
大蔵大臣もいらつしやいますから、
大臣に治水、治山という点につきましてお尋ねを申上げます。この補正
予算では八十五億万円の復旧災害費というものが計上せられておりますので、その点につきまして、極めて敬意を表するものでありますが、国土につきまして少し
大臣にお伺い申し上げまして御協力を賜わりたいと
考えるのであります。それは関東地方を流れている坂東太郎であるところの利根川ですが、これは関東各府県に関係しております。この利根川の復旧費がなかなかはかばかしく
予算が頂けないので、関東地方の府県は非常に困
つておりまして、度々百万人署名運動をやり、国会に陳情に、
政府に陳情、請願に参
つておるのでございます。そこで何としても大きな川でございまして、
昭和二十二年度の決潰箇所はまだ二百二十カ所修繕せられていない危険な堤防地区があるのでございまして、それに対して関東各府県は六億円の要求をいたしておるのであります。これは建設省当局で
調査をしましても当然六億円以上かかるということは事実として証明をされておりますので、特に八十五億円の補正
予算の中から、穴億円を
昭和二十二年度のあの大水害の復旧費として、是非御支出を賜わりたい、この点につきまして
一つと、もう
一つはこの間キティ颱風で利根川の堤防に亀裂を生じた所、いわゆる破損を生じた所の
修繕費が二億四千万円は最低限度かかるのでございまして、これをそのまま放置して置けば、完全堤防でないところの土を重ねた堤防でございますので、ますます崩れて行くというわけで、
費用は二億四千万円でありますが、これを来年に持越したならば又これに損害が重なりまして国民の
負担が又嵩むという状態でございますので、今のうちに折角八十五億
予算がございますので、その一割に満たない
程度の額をも
つて関東各府県の皆さんが助かるのでございますから、是非八十五億の
予算の中から、
大蔵大臣のお計らいによりまして利根川復旧に六億円とキティ颱風のための利根川復旧費二億四千万円。
それからもう
一つは隅田川の上流であるところの荒川の水害の対策でございます。これは日本の
河川が数多しと雖も、荒川の
ような状態に置かれておる
河川はないのでございまして、それは荒川の
河川の特異性は、横の堤防と申しまして、
河川の横に二十三カ所の大堤防が出つ張
つております。荒川の流れを四分の一に速度を緩めるために、ダム式な横の堤防が二十三カ所ございます。これがあるために、荒川の流れを中心とする埼玉県の農村は毎年水害に見舞われまして、昨年も三十数名の尊き犠牲者を出し、田川は泥水化して供出に苦しむという
ような状態を年々繰返しておるのであります。この荒川の横の堤防が二十三カ所あるということは、全国の農村どこを
調べても、或いは世界で唯一の河であると信ずるのであります。東京都民数百万の
財産の擁護と、生命を擁護するために、この荒川の周囲の農民は或いは生命を奪われ、或いは家屋を流され、或いは農地を失うという
ようなことを毎年幾度か繰返しておるという惨状でありまして、この荒川の沿岸の
状況というものはこの間も建設省を訪問をしまして、建設
大臣がお留守でしたから建設政務次官の鈴木仙八先生にお願いをしまして
事情をよく
お話したところが休会になれば観察に行
つて、その
予算を是非取
つてやりたいという御意見があ
つたような状態でございまして、
政府の高官すらもこの荒川に横の堤防が二十三本出ておるという事実をお知りにならなか
つたような状態でありまして、
大蔵大臣も中国地方の方ですからお知りにならないかも知れませんが、どうかこの荒川の堤防の改修というものに対しましては、是非
政府が博愛の大精神を持たれまして、特にこの改修費というものに対しましては御奮発を賜わりたいのであります。実費で改修費が一億六千万円かかるのであります。又キティ颱風によ
つて東京の出水を防止するために非常な大きな損害を農民、町民、県民は受けておるのでありますが、又キティの颱風によ
つて堤防が崩れまして、その改修品費が二千八百万円かかるのであります。合計利根川の各府県の被害と、荒川の埼玉県を中心として大きな犠牲、
河川の犠牲、大都市を擁護するためにこのくらい大きな犠牲を埼玉県が拂
つておるのでありまして、この荒川、いわゆる隅田川の上流を擁護するために県民が毎年何千万円、或は何億という損害を継続いたしておるのでありまして、特に
大蔵大臣におきましてはこの点に十分にお
考えを賜わりまして、僅かに合計十億の金でありますが、八十五億の中から是非十億を出して頂きたい、か
ような考でございまして、世界で三大都市の
一つの東京の
利益を擁護するために埼玉県が拂
つておる大きな犠牲というものをお
考え賜わりまして、
大蔵大臣の手許まで差出してございますところの
河川組合の請願書の御高覽を賜
つておるものと思いますので、まずこの点につきまして
大蔵大臣の御所見を拜聽したいと思います。