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1949-11-09 第6回国会 参議院 郵政委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月九日(水曜日)    午後一時二十七分開会   —————————————   委員の異動 十一月八日(火曜日)委員下條恭兵君 の辞任につき、その補欠として中村正 雄君を議長において選定した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事の互選 ○連合委員会開会の件 ○郵政省所管事項に関する件 ○郵便物運送委託法案内閣提出) ○お年玉つき郵便葉書等発売に関す  る法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 山田佐一

    委員長山田佐一君) それでは只今から郵政委員会を開きます。会議に先だちまして、下條理事が辞任せられました。委員会委員の選考でありまして、中村君がそのあとへ入られましたのでございます。理事選挙につきましてどういたしましようか。お諮りいたします。
  3. 渡邊甚吉

    渡邊甚吉君 只今理事選挙委員長の指名に一任したいと思います。
  4. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 別に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 御異議ないものと認めまして、それでは指名いたします。中村正雄君に理事をお願いいたします。よろしくお願いいたします。   —————————————
  6. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 次に郵政大臣所管事項説明を求めるのでありますが、まだ大臣が御出席になりませんが、尚お年玉つき郵便葉書等発売に関する法律案については、第五條の社会事業との関係より、厚生委員会連合委員会を開きたいと存じますが、如何いたしましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 山田佐一

    委員長山田佐一君) それでは御異議ないと認めまして、厚生委員会連合委員会を開くことに決定いたします。  ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  8. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 速記を始めて。それでは郵政大臣から所管事項についての御説明を求めます。
  9. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 所管事項について大体の御報告を申上げたいと思いますが、御承知のように、先ずこの所管事項につきまして問題になつたのは、今年度予算編成に当りまして考えたことでありまするが、従来逓信事業におきましては、非常に戰後收支バランスがとれませんので、一般会計から七十億乃至百億の繰入金によつて漸くその收支バランスをとつてつたのであります。併し御承知のように経済原則或いはドツジ・ラインの線に従いまして、この事業に対しましても当然独立採算制ということが強く要望されたのであります。でありましたが併しこの独立採算制と申しましても、本年度予算編成時期であつた二月三日にはすでに第三国会第四国会において御審議願つた電気通信省設置法並び郵政省設置法法案として成立いたしておりましたので、当然この独立採算制も、この二省に分割するということを前提にして考慮をしなければならないような立場になつたのであります。従つて予算の御審議願つた当時は、一省でございましたが、あの法律の施行によつて直ちに二つ独立採算制を含んだ予算に分割できるような構想を以て進んだのであります。いろいろ二十三年度の七十億程度の繰入等がありましたので、これに対してあらゆる経費の節約を図り、極力郵便料金値上げ等措置に出ないように、仮に郵便料金値上げをいたすにしましても、最小限度に止めるべく努力をいたしましたが、どうしてもこの四十九億程度のものが不足を生じたのであります。而もこの四十九億という不足を生じたのは、只今のように、二つの省に分割しますと、二つ特別会計に分割することを予想いたしますというと、郵政事業の方に約四十九億の不足が生じておりましたので、当初はこの四十九億を電話料金電報料金その他郵便料金、一切のものの値上げということに一応考えたのでありましたが、只今申上げました通り、将来この会計が更に二つになるということを考慮に入れまして、この四十九億の不足郵便料金値上げにのみ仰いだわけであります。即ち前国会において御審議願いました葉書以外の郵便料金値上げによつて、四十九億の補填をいたしてできたのが、現在の郵政特別会計でありまして、こうした線に沿うて予算の実行をやつて参りましたが、これはいつの値上げの場合でも起る現象でありまするが、いわゆる値上げによるところの利用減というものは、相当予算編成当時から見ておつたのでありますが、この利用減以上に、現在一ケ月一億程度予算数字から見まするというと收入減を来たしております。併しこうした現状に置かれまするので、歳出の面におきましても極力節減を図りまして、現実歳入現実歳出面におきましては決して赤字を作るようなことには現在なつておりません。即ち予算を両方とも下廻つておることによつて予算数字自体からは赤字ということになつておりまするけれども、收支関係においては赤字にならんような状態運行を継続いたしております。更に御承知のようにこの郵便事務量の繁多というようなことを考えて見ますというと、いつもの年でもそうでありますが、大体十月から十一月、十二月、一月にかけてが最も郵便の多く利用される時期でありまして、この時期に参りましたならば、大体予算程度まで追付けて行くのではないかというふうに考えております。このような状態郵政省といたしましては、極力経費節減を図ると同時に、それ以上の馬力をかけまして、たとえ一銭の收入でも増加するような、いわゆる増收対策というものをあらゆる角度から検討いたしまして、実施をいたしておるような次第であります。  その次の問題は、行政整理でありまするが、この問題もすでに第五国会におきまして、定員法の制定によつて審議願つたのであります。この行政整理に際しましては、今年の三月一日の予算定員から四万八千人を引いたものが、即ち定員法に基く定員になつておりまするので、勢いこの四万八千人の整理ということを実施しなければならないことになつてつたのであります。これに先だちまして、私が二月に就任いたしたのでありましたが、当然こうした事態の発生ということを予期いたしまして、当時政府行政整理具体案を決定しておりませんでしたが、少くともこの行政整理によつて整理対象になる人を、たとえ一人でも少くするということは、私の大きな責任であるということを自覚いたしまして、その場合に具えて、二月末から欠員が生じた場合には新規採用を一切しないこと、どうしても採用しなければならん場合においては、如何なる人事においても、本省の具体的な許可を得ることという通牒を各地方局に発しましたところが、各地方局におきましても私の考え方を支持してくれまして、早速現場の各局等にそうした趣旨を徹底させました結果、又職員諸君も、自分達の同僚が一人でも犠牲者になることを少くするということのためには、多少或いはいわゆる労働時間が強化になるような場合であつても、これを我慢我慢を続けまして、只今申上げたように欠員を補充しないで仕事をやつて来て呉れました結果、幸いに八月十二日の行政整理に際しましては、一万一千五百人、四万八千人の整理人員が、従業員諸君の意思に反する整理をしなければならん数というものが、両省で二万三千十二人で止まつたということは、誠に私もこの従業員諸君の御理解に対しまして感謝の意を表しておるような次第であります。以上のような線で行政整理を行ないました結果、漸くその後任意希望者等の辞令の発令等も終りまして、定員法実施時期でありまする九月三十日を以て、一応行政整理は完了いたしたのであります。併しながらこの定員法に基く定員数は、九月三十日で結了いたしましたけれども、御承知のように、この新らしい、旧定員と新定員第一線まで配付したのでありますけれども、第一線におきましては、或る局は定員以上があり、或る局は定員以下で非常なる困難を来たすという実情はあつたのであります。なぜそういうことになりますかというと、できるだけ犠牲者を少くするというような意味から、その凸凹を、配置転換によつて運行することによつて、一人でも犠牲者を少くするという線を狙いました結果、只今のような凸凹がありますので、可成り、極く一部ではございますが、その定員の少いために運行上困難を来たしておるところがありますが、これは十月一日以来極力凸凹を調整いたしまして、従業員諸君納得を得ながら、定員の多いところは少いところに配置転換をするというような方法を講じまして、漸次この凸凹が調整されつつありまするが、今現在において全部終了したとは言えません。現在でもそういう個所がございますが、これはできるだけ従業員納得を得ながら、速かに定員平均化均衡化ということを図つて事務運行支障ないような方法を講じつつあるというような現状であります。  更にこの二省分割の問題でありますが、六月一日を期しまして両省設置法が施行されたのであります。併しながら電気通信省の方におきましては、いわゆる従来の非企業的の企業企業的に改善せられ、従来の非能率的な企業が能率的に改革せられ、又従来ややもすれば官庁行政のような非常な大衆に接しにくい嫌いがございましたものを、できるだけ民主化することによつて、大いに電気通信事業の、或いは郵政事業の発達を期したいという念慮から生じたものでありまするがために、相当電気通信省関係ではそれが準備、それが組織編成に手間どつて行つたのでありますが、幸いに郵政省関係にはそうした組織の移動が著しく行なわれません結果、僅か十日、二十日の準備期間で大体従前と同じような事務をとつて来たことは、とることができたことは誠に幸いであると考えておるのであります。  以上のような次第で、結局今年度予算も、果して予算通り收入があるかどうか、或いは赤字が出ないで済むかということの確然たる見透しは現在ついておりませんが、私共の努力目標といたしましては、若し歳入の面において赤字ができる場合においては、歳出の面において極力これを防ぎながら現実面赤字を出さずして真に独立採算制の実を挙げて行きたいと考えておるのであります。更に政府明年度予算、即ち昭和二十五年度予算につきまして、一応内定をいたしまして、この郵政特別事業関係におきましては、殆んど今年度予算と大差ございません。二、三十億殖えておりますが、大体細目に亙りましては今年度と同じような構想の下に予算編成いたしております。ただ御承知のように、この戰災その他老朽等によつて郵便局局舎が相当低下いたしておりまするので、この改築を、單純な減価償却という小さな金額だけで行つたのではなかなかはかばかしく参りませんので、何とかして、この際二十億程度の見返資金を基礎にした公債を発行して、そうして罹災になつ郵便局復旧、或いは老朽した施設復興等を図ろうと考えまして、大蔵省とも交渉しましたが、大蔵省の方では十億程度ならば、結構であろうというので、大蔵省協議は付きましたけれども、つきまして政府といたしましても、一応この線において内定し、関係方面協議中でございまするが、併しこの案については、今日ちよつと難色があるということも聞かされておりまするけれども、まだ確然たる結論は得ておりません。得ておりませんが、とに角我々といたしましては、できるだけ局舎復旧等も速かになしまして、よつて国民大衆利用に供したいと念慮いたしておるような次第であります。  尚郵便貯金関係につきましては、今年一千億突破というものを目標にいたしまして、昨年来継続して努力いたしておりましたが、これが予想通り非常な能率を挙げまして、昨年の十一月頃には僅か六百億であつたものが、今年の一月一日には七百億、今年の三月末には八百億、今年の九月には九百億、今年の九月二十四日を以ちまして、多年従業員諸君目標としておりました郵便貯金総額が一千億を突破いたしたような次第であります。  一方簡易保險事業関係について申上げますというと、これも今年度予算編成するに当りましては、大体二十億を契約目標にして進んで参つたのでありましたが、関係方面では目標二十億に置くことは結構であるけれども、大体十五億くらいにやる事が適当じやないかというので、予算の作り方もそうした構想で作つておりましたが、今日におきましては、すでに二十億の目標に対して十七億の契約が締結されておりまするので、恐らく本年度中には目標の二十億の締結というのは可能になるのではないかと存じております。従いまして従来赤字を継続して参りました保險事業もここもう少しの努力によつては黒字の特別会計になすことができると同時に、前国会におきましても両院一致決議を以ちまして決定されました保險積立金運用が、従来大蔵省でやつておりましたものが、これを郵政省で扱うことになりますれば、これによる利益というものを大体八、九億新たに生じて来ますので、こうした八、九億の財源というものは、この簡易保險事業制度根本精神に鑑みまして、できるだけ保險契約者の負担を軽減するという趣旨におきまして、漸次利益の配当、或いは利益の償還というような方向に向けて、最小限度保險金で最大の保險料を支拂うという、いわゆる社会保障制度の一環としての簡易保險制度を理想的に活用したいと念願しながら、目下双方共努力いたしておるような次第であります。勿論日本政府といたしましては、国会両院の満場一致の決議でございますから、その線に沿うて大蔵大臣といろいろ交渉をいたしておりましたが大蔵大臣も私の意見に賛成して呉れまして、直ちに閣議決定となつて、この積立金運用が、郵政省に還えするような措置関係方面に講じておるのであります。目下関係方面審議中でありまして、その成否の如何は直ちに予測できませんけれども、我々はこの好機を逸せず幸いこの目的達成にあらゆる手段を盡して現在努力中であるのであります。  以上が大体郵政事業に関する近況、現況でございまして、尚あら筋だけを申上げましたから、若し御質問がございましたならば、お答えすることにして、一応私の報告を終らせて頂きたいと思います。
  10. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 何か御質疑はありませんかちよつとお諮りいたしますが、委員外小林議員から発言を求められておりまするが、許可することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 小林勝馬

    委員外議員小林勝馬君) 只今郵政事業の詳細なる御説明を頂戴いたしまして大体了承いたしました。最後に御説明がありました積立金運用再開に関する問題でございますが、先般の通信事業復興促進に関する決議案答弁の中にも、積立金運用再開を、昭和二十五年度より運用再開するものと見て計算に挙げてあるような状態でございますが、今少し運用再開に関する詳細なる現状を御説明願いたいと思います。
  12. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 速記を止めて。    〔速記中止
  13. 山田佐一

    委員長山田佐一君) では速記を始めて。
  14. 小林勝馬

    委員外議員小林勝馬君) 序でにお伺いして置きたいと思いますが、先般の新聞によりますと、中共地区郵便開始ということが発表されておりますが、これに関する御説明一つ承わりたい。
  15. 浦島喜久衞

    政府委員浦島喜久衞君) 私からお答え申上げます。中華民国の戰况の情勢によりまして、中華民国内の郵便物が杜絶えておつたのでありますが、最近英国香港郵政庁から、自分の方で受取るから中華民国宛郵便物を出して呉れという、こういうふうな連絡があつたのであります。併し中華民国内の中共地区に対しましていろいろな問題があると思いますので、愼重に考えまして、関係方面の意向を聽いておつたのであります。その後スイスの万国郵便連合事務局を通じまして、英国から正式にこういう通知があつたからという連絡がありました。更に改めまして関係方面と打合せまして、大体よかろうということで再開をいたしたわけであります。従つてこれは差出人の責任においてそちらが引受ける、その郵便物は直接中華民国郵政庁との交換ではなくして、香港にあります英国郵政庁交換をする、それから先は香港郵政庁において責任を負う、こういう形になつております。
  16. 小林勝馬

    委員外議員小林勝馬君) 大体了承いたしました。  次に答弁書にもありますように、郵便事業サーヴイス改善ということは再三再四繰返えされております。先般浦島局長立会のあれで御承知のことと存じますが、民間におきましては相当まだ郵便事業に対するいろいろな御意見を出されておるようでございます。今後この問題について、一つ善処して頂きたいと我々は考える次第でございます。この郵便事業復興基本方針の中に、公益事業としての経営面の刷新を図るというふうに相成つておりまして、例えば年賀郵便とか暑中御見舞とかこういうものを奬励するというふうに書いてありますが、如何ようなことでこれを奬励され、これの予算措置その他はどういうふうにおやりになるものかどうかお答え願いたい。
  17. 浦島喜久衞

    政府委員浦島喜久衞君) 郵便利用増進につきましては、特に増收対策として私共いろいろな方策を考えておるわけでありますが、戰後におきまして国内の経済情勢或いは又国民の生活の著しい変化によりまして、郵便利用が減つていることも事実でありますが、その一つ理由として考えられますのは、長い間我が国民の習慣として季節々々に挨拶を交わすということがあつたのでありますが、これが事実杜絶えましたために、利用が減つたためもあるかと存じます。従いまして郵政省としてはそういう場合に極力国民に呼びかけまして、そういう便りを出して頂くということも、郵便の殖える一つ方法でありますので、従いまして今年の夏でございまして、暑中見舞勧奬を極力いたしたのであります。標語も、「一枚の葉書に托す夏便り」というような標語を作りまして、各郵便局で極力これを勧奬いたしました。戰後状態からいたしますと、今年の暑中見舞の数は相当数上つたのであります。尚、後程御審議願うことになつておりまする年賀状の問題、年賀状の差出しの勧奬、こういうことも極力いたしたいと、こういうふうに考えておるわけであります。
  18. 山田佐一

    委員長山田佐一君) もう外に御質疑はありませんか。それでは後にいたします。
  19. 山田佐一

    委員長山田佐一君) お年玉つき郵便葉書等発売に関する法律案、これを議題に供します。つきましては先刻お諮りをいたしましたが、厚生委員との連合委員会に移しまして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 山田佐一

    委員長山田佐一君) それでは厚生委員の方の御出席を求めます。
  21. 渡邊甚吉

    渡邊甚吉君 厚生委員の方が来られる前に、郵便物運送委託法案提案理由説明を先に聞いたらどうですか。
  22. 山田佐一

    委員長山田佐一君) それでは議事を変更いたしまして、厚生委員諸君の御出席前に、郵便物運送委託法案について御審議を願います。  大臣の御説明を求めます。
  23. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 只今議題となりました郵便物運送委託法案提案理由を御説明申し上げます。郵便物の取集、運送及び配達は、郵便業務の一部をなすものでありまして、事業独占建前上国において自らこれを行うことが、一応期待されるのでありますが、国有鉄道及び地方鉄道によつて郵便物運送する場合のように当然これらの運送機関郵便物運送委託する必要がある場合、又自動車等郵便物運送に使用する場合、若しくは山間へき地における郵便物の取集、配達の作業の如く事業経済的経営の観点から民間運送業者等にこれを委託するのを適当とする場合が少なくないのであります。  しかして、郵政大臣郵便物運送委託する場合に関する法律としましては鉄道船舶郵便法(明治三十三年法律第五十六号)があります。しかしながら、同法はその規定対象が、地方鉄道法による鉄道運送業者及び商法による船舶運送業者に限られておりまして、自動者運送業者等その他の運送を行う者に及ばないばかりでなく、運送委託する場合、及び委託する方法等についての規定に欠け、又同法に定められております料金率も現下の状勢にそわないのであります。  従いまして、鉄道船舶のみならず、自動車等のあらゆる運送機関利用についても規定するとともに、運送委託の場合、委託方法及び委託の内容につきましても早急に規定する必要がありますので、ここに本法律案を提案した次第であります。  本法律案規定してあります、主要な点につきまして、申し上げれば次の通りであります。  先づ第一に、郵政大臣郵便物運送を他に委託することができる場合の條件を明らかにしたことであります。如何なる場合に委託することができるかと申しますと、委託により業務を運営することが、郵政省の直営とするよりも経済的であり郵便物運送支障がない場合であります。  第二といたしまして郵便物運送委託する方法規定いたしたのであります。運送委託契約によることにいたしてありまして、しかも契約競争によることを原則といたしております。しかしながら、競争に応ずる者がないなどの理由によりまして、競争契約によることができなかつた場合、或は、鉄道又は軌道を使用する必要がある場合等におきまして当該区間にその数が二以上ないときは随意契約によることができるように規定いたしてあります。  しかして、鉄道軌道その他の一般運送事業者が、郵便物運送する場合における運送料金は、一般には郵便物運送原価に公正妥当な利潤を加えた金額基準とし、その資本金政府が全額出資する運送事業者及び地方公共団体については、その事業者の性格上郵便物運送原価のみを基準とすることといたしてあります。なおこの基準の設定にあたりましては、公正を期するため運輸大臣があらかじめ郵政大臣協議して運輸審議会にはかり決定することといたしてあります。  第三に、今申し上げたように郵政大臣契約によろうといたしましても運送事業を営む者が契約に応じなかつた場合には、郵便物運送をどうしても確保しなければなりませんから最後手段として鉄道軌道その他特に指定した一般運送業者に対して、郵便物運送及び運送に関して最低限度必要な事項を要求できるようにいたしてあります。しかして郵政大臣の要求に基いて郵便物運送をし、又施設若しくは役務を提供した運送業者に対しては、さきに申述べました郵便物運送料金基準に基いて補償金額を決定する等正当な補償を行うことといたしてあります。  第四といたしましては、郵便物の安全、正確且つ迅速な運送を確保するため、郵便物運送を行う者に対して例えば郵便物運送途中において事故の発生した場合郵便物の保護、その他必要な措置をとらなければならない等郵便物の取扱上守るべき義務を規定いたしてあります。  以上申し上げましたが外、所要の罰則を規定いたしまするとともに、附則におきましてこの法律施行期日を定めるとともにこの法律施行に際して必要な経過的措置規定いたしてあります。  以上本法提案趣旨及び法案の大要を御説明申し上げた次第でありますが、何とぞ充分御審議上速かに御賛成下さるようお願いいたします。
  24. 渡邊甚吉

    渡邊甚吉君 本法案質疑応答は次回に譲りまして、先程了承せられました厚生との連合委員会に移されんことを提案いたします。
  25. 山田佐一

    委員長山田佐一君) さよういたします。連合委員会に移ります。ついては本委員会暫時休憩をいたします。    午後二時八分休憩    ——————————    午後二時四十八分開会
  26. 山田佐一

    委員長山田佐一君) それでは休憩前に引続きまして本委員会開会いたします。  別に御発言もございませんようですから、質疑はつきたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 御異議ないものと認めます。
  28. 中村正雄

    中村正雄君 本法案については討論を省畧して直ちに採決に入ることの動議を提出いたします。
  29. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 中村君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 御異議ないものと認めます。お年玉つき郵便葉書等発売に関する法律案を、原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。    〔総員挙手
  31. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  尚、本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて、予め多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 御異議ないものと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。    多数意見署名     渡邊 甚吉  中村 正雄     大屋 晋三
  33. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 署名洩れはございませんか……署名洩れはないと認めます。  では本日はこれを以て散会いたします。    午後三時散会  出席者は左の通り。    委員長     山田 佐一君    理事            中村 正雄君            渡邊 甚吉君    委員            大屋 晋三君   委員外議員            小林 勝馬君   国務大臣    郵 政 大 臣    電気通信大臣  小澤佐重喜君   政府委員    郵政事務官    (郵務局長)  浦島喜久衞君   説明員    郵政事務次官  大野 勝三君