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1949-12-01 第6回国会 参議院 本会議 第23号
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昭和二十四年十二月一日(木曜日) 午後一時三十二分開議 ━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第二十二号 昭和二十四年十二月一日 午後一時開議 第一 旧軍関係債権の処理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告) 第二
復興金融金庫法
の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告) 第三 復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告) 第四
価格調整公団法
の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告) 第五 私立学校法案(内閣提出、衆議院送付(委員長報告) 第六
国有鉄道運賃法
の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告) 第七
図書館運営委員長報告
第八 失業対策確立に関する請願(委員長報告) 第九 土建労働に関し
労働基準法特例設置等
の請願(委員長報告) 第一〇 賃金遅拂および
分割拂解消対策
に関する請願(委員長報告) 第一一 建設省職員中
特殊作業従事職員
に
特殊勤務手当支給
の請願(委員長報告) 第一二
国際無線通信士
の待遇是正に関する請願(委員長報告) 第一三 佐賀県有田、
東有田両町官公吏
の地域給引上げに関する請願(委員長報告) 第一四
鹿兒島市営電車軌道敷設費起債許可
に関する請願(委員長報告) 第一五 警察法改正等に関する請願(委員長報告) 第一六 警察制度の改革強化に関する請願(委員長報告) 第一七
国会議員選挙執行費全額国庫負担
に関する請願(委員長報告) 第一八 起債の大幅許可と
償還期限延長等
に関する請願(委員長報告) 第一九 住民税の賦課期日変更および
賦課方法簡素化
に関する請願(委員長報告) 第二〇 法定外独立税中行為税としての養ほう税廃止に関する請願(委員長報告) 第二一 需給調整規則により交付する
登録票交付手数料免除等
の請願(委員長報告) 第二二 府県に対する国庫支出金の算定基準適正の請願(委員長報告) 第二三 接收土地家屋の地租、家屋税減免に関する請願(委員長報告) 第二四 原始産業の事業税撤廃に関する請願(委員長報告) 第二五 福井県三国町に簡易裁判所および区検察庁設置の請願(委員長報告) 第二六 広島県吉田町に
簡易裁判所設置
の請願(委員長報告) 第二七 岐阜県
中津簡易裁判所
に
岐阜地方裁判所
、家庭裁判所両支部併置の請願(委員長報告) 第二八
岐阜地方裁判所大垣支部
を甲号支部に昇格等の請願(委員長報告) 第二九 靜岡市に
東京高等裁判所支部設置
の請願(委員長報告) 第三〇 戸籍法中一部改正に関する請願(委員長報告) 第三一 金十丸返還に関する請願(委員長報告) 第三二
在外公館等借入金支拂促
進に関する請願(二件)(委員長報告) 第三三 機帆船積貨物の
海上保險料率引下げ
に関する請願(委員長報告) 第三四 超過供出に対する課税および桑園の二重課税撤廃の請願(委員長報告) 第三五
所得税調査委員制度設定
に関する請願(委員長報告) 第三六 豪風雨被害者に対する税金減免の請願(委員長報告) 第三七
国民金融公庫拡充
に関する請願(二件)(委員長報告) 第三八 所得税の
同居家族合算申告制廃止
に関する請願(委員長報告) 第三九 大阪市
高速鉄道工事促進
に関する請願(委員長報告) 第四〇
国民金融公庫宮崎支所設置
に関する請願(委員長報告) 第四一 福岡県添田町
二又トンネル爆発り災者
の救済更生に関する請願(委員長報告) 第四二
織物消費税引下げ
による交付金算定の請願(委員長報告) 第四三 自動車産業に対する
月賦販売資金融資
の請願(委員長報告) 第四四 六・三
制整備予算復活
に関する請願(委員長報告) 第四五
暦法審議会設置
に関する請願(委員長報告) 第四六 六・三
制建築予算増額
および定員額制廃止に関する請願(四十件)(委員長報告) 第四七 六・三
制建築費国庫補助
に関する請願(二件)(委員長報告) 第四八
義務教育費国庫負担法
に伴う定員額制廃止の請願(五件)(委員長報告) 第四九 科学研究等に必要な経費の増額に関する請願(委員長報告) 第五〇 旧
大村海軍航空隊跡
に国立学校設置の請願(二件)(委員長報告) 第五一 六・三
制建築予算増額
に関する請願(三件)(委員長報告) 第五二 山口県下積雪地方の学生および教職員にゴム長靴を配給するの請願(委員長報告) 第五三 福島県営競輪場建設に伴う史せき一部現状変更の請願(委員長報告) 第五四 六・三
制教育予算増額
に関する請願(八件)(委員長報告) 第五五 教員の定額引上げに関する請願(委員長報告) 第五六 義務教育費の国庫負担金の配分に関する請願(委員長報告) 第五七 六・三
制建築費国庫補助復活
に関する請願(二件)(委員長報告) 第五八
私学戰災復興国庫貸付金復活
に関する請願(委員長報告) 第五九 六・三
制教育費国庫補助復活
に関する請願(委員長報告) 第六〇
新制中学校建築費国庫補助
および起債の継続助成に関する請願(委員長報告) 第六一 六・三
制教育予算復活
に関する請願(二件)(委員長報告) 第六二 不良出版物、紙芝居等の取締励行に関する請願(委員長報告) 第六三 鹿兒島県下の豪風雨による被害学校等の
復旧工事費国庫補助増額
に関する請願(委員長報告) 第六四 六・三
制教育整備予算復活
および増額に関する請願(委員長報告) 第六五
国宝嚴島神社大鳥居修理費国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第六六 奈良市に
国立美術研究所設置
の請願(委員長報告) 第六七 姫路城の補修、
保護施設費国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第六八 大
日本育英会奬学金
に関する請願(委員長報告) 第六九 六・三
制教育予算増額等
に関する請願(委員長報告) 第七〇 国民健康保險に対する
国庫補助増額等
の請願(委員長報告) 第七一
国民健康保險法中
一部改正に関する請願(三件)(委員長報告) 第七二
国民健康保險事業費全額国庫補助
に関する請願(三件)(委員長報告) 第七三
国民健康保險事業費国庫補助増額等
に関する請願(委員長報告) 第七四
国民健康保險直営診療所施設費特別国庫補助増
に関する請願(委員長報告) 第七五
国民健康保險等
の政府支拂促進に関する請願(委員長報告) 第七六
国民健康保險事業費
および
保健婦施設費全額国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第七七
国立療養所患者賄費予算増額
に関する請願(委員長報告) 第七八
看護婦休養所設置
に関する請願(委員長報告) 第七九
国立看護教員養成所設置
に関する請願(委員長報告) 第八〇 助産婦等の
業務用必需品配給
に関する請願(委員長報告) 第八一 助産婦等の再
教育費国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第八二
国立宮崎療養所再建
に関する請願(委員長報告) 第八三 櫻島、指宿、開聞、屋久島一帶を国立公園に指定の請願(委員長報告) 第八四 妙高高原一帶を国立公園に指定の請願(委員長報告) 第八五 上野公園不忍池埋立反対に関する請願(委員長報告) 第八六 上野公園不忍池に
野球場建設反対
の請願(委員長報告) 第八七 高知県須崎町の
上水道増補改良工事費国庫補助等
に関する請願(委員長報告) 第八八 地方公共団体が公共施設として利用する普通国有財産を行政財産に変更するの請願(委員長報告) 第八九
消費生活協同組合法改正
に関する請願(委員長報告) 第九〇
未亡人母子保護
に関する請願(委員長報告) 第九一 長期入院者に対する
生活扶助基準引上げ
の請願(委員長報告) 第九二
社会事業基本法制定等
に関する請願(委員長報告) 第九三
授産事業法制定
に関する請願(委員長報告) 第九四 傷い者福祉法制定および予算増額に関する請願(二件)(委員長報告) 第九五
身体障害者福祉法制定
及び予算増額に関する請願(九件)(委員長報告) 第九六
身体障害者福祉法制定
に関する請願(四件)(委員長報告) 第九七
身体障害者福祉法制定促進
に関する請願(委員長報告) 第九八
製めん機械取扱法改正
に関する請願(委員長報告) 第九九 開拓行政の充実拡大に関する請願(委員長報告) 第一〇〇 奈良県十津川村
開発電化事業費国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第一〇一
奈良県内稻熱病
の被害対策に関する請願(委員長報告) 第一〇二 奈良県十津川村
花瀬地区開拓事業促進
に関する請願(委員長報告) 第一〇三 開拓者の
新規入植継続実施等
に関する請願(委員長報告) 第一〇四 千葉県
東葛飾利根遊水地
区堤防工事等に関する請願(委員長報告) 第一〇五 松炭の
買上げ停止反対等
に関する請願(委員長報告) 第一〇六 開拓地の
電気導入施設費国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第一〇七 土地改良および
災害耕地復旧事業費国庫補助復活
に関する請願(委員長報告) 第一〇八 兒島湾第七区干拓事業促進に関する請願(委員長報告) 第一〇九 富山県下の農村経済救済に関する請願(委員長報告) 第一一〇 ヘスター台風による滋賀県下耕地災害の
復旧費国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第一一一 干拓営農に対する国庫補助の請願(委員長報告) 第一一二
耐雪耐寒性げんげ種子増産施設確立
に関する請願(委員長報告) 第一一三 北海道てん
さい耕作業振興
に関する請願(二件)(委員長報告) 第一一四 京都府槇木島村
巨椋池耕地整理組合排水場
に
排水ポンプ増設
の請願(委員長報告) 第一一五
食糧事務所出張所職員増員
に関する請願(委員長報告) 第一一六 福島県中野村地内の
かんがい用水路工事施設
に関する請願(委員長報告) 第一一七
農業災害補償法改正
に関する請願(二件)(委員長報告) 第一一八
農業災害補償事業強化
に関する請願(委員長報告) 第一一九
土地改良事業費
、
災害復旧事業費国庫補助増額等
に関する請願(委員長報告) 第一二〇 香川県の
農業水利改良事業費全額国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第一二一
土地改良事業費
、
耕地災害復旧事業費国庫補助増額等
に関する請願(委員長報告) 第一二二 山梨県下の
土地改良事業費
、
災害復旧事業費国庫補助増額等
に関する請願(委員長報告) 第一二三 山梨県下の
耕地災害復旧事業費国庫補助復活
に関する請願(委員長報告) 第一二四 長崎県新
御厨町営郭公尾ため池
築設工事促進に関する請願(委員長報告) 第一二五
食糧管理費国庫補助
ならびに
農業調整委員会
に対する補助金増額の請願(委員長報告) 第一二六 主食の
持込配給完全実施等
に関する請願(委員長報告) 第一二七 市営競馬存続に関する請願(委員長報告) 第一二八 滋賀県下の
耕地災害復旧費国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第一二九
食糧事務所職員
の整理反対に関する請願(委員長報告) 第一三〇 鹿兒島県の昭和二十四年度農業計画変更に関する請願(委員長報告) 第一三一
鹿兒島県開墾事業
の風水害予防に関する請願(委員長報告) 第一三二 鹿兒島県の
耕地整理費国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第一三三
鹿兒島県北薩一帶
を国営開拓地区に指定の請願(委員長報告) 第一三四
出水干拓事業促進
に関する請願(委員長報告) 第一三五 福島県相馬郡
内干拓地排水施設費国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第一三六
災害耕地復旧事業費国庫補助復活
に関する請願(委員長報告) 第一三七 米の供出補正割当に関する請願(委員長報告) 第一三八
農業共済団体事業費全額国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第一三九 土地改良および
災害耕地復旧事業費国庫補助復活
に関する請願(委員長報告) 第一四〇
供出さつまいも
の
全量政府買上げ等
に関する請願(委員長報告) 第一四一 主食供出に関し公約履行の請願(委員長報告) 第一四二 主食作物の
病虫害防除薬国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第一四三 農地改革による売
渡登記事務費国庫補助増額
の請願(委員長報告) 第一四四 落花生の統制解除促進に関する請願(委員長報告) 第一四五
鵠戸沼干拓事業促進
に関する請願(委員長報告) 第一四六
土地改良事業費
、
災害耕地復旧事業費国庫補助増額
に関する請願(委員長報告) 第一四七
災害耕地復旧事業費国庫補助復活
に関する請願(委員長報告) 第一四八
一ノ谷沼干拓地
の
排水機場用水機設置費国庫補助
の関する請願(委員長報告) 第一四九
農地改革打切り反対
に関する請願(委員長報告) 第一五〇
国営宮崎競馬再開
に関する請願(委員長報告) 第一五一 山形県
塩ケ沢貯水池完成
に関する請願(委員長報告) 第一五二 樽石川
防水ため池新設
に関する請願(委員長報告) 第一五三
丹生川防水ため池新設
に関する請願(委員長報告) 第一五四 東北鉱山の鉱業政策確立に関する請願(委員長報告) 第一五五 中小企業に対する融資促進の請願(委員長報告) 第一五六
天然ガス開発事業
に対する融資の請願(委員長報告) 第一五七
上椎葉水力発電所建設工事促進
に関する請願(二件)(委員長報告) 第一五八 寒冷地に衣料等特配の請願(委員長報告) 第一五九
広畑製鉄所早期再開促進
に関する請願(委員長報告) 第一六〇 自動車の輸出促進に関する請願(委員長報告) 第一六一
小名浜海上保安署
を保安部に昇格の請願(委員長報告) 第一六二
郡山駅舎改築促進
に関する請願(委員長報告) 第一六三 吹田駅北出口地下道掘さく工事促進に関する請願(委員長報告) 第一六四
網代岬観音島燈台新設
に関する請願(委員長報告) 第一六五
紀伊東線始発駅
を松坂駅まで延長の請願(委員長報告) 第一六六 郡山市に測候所設置の請願(委員長報告) 第一六七 松阪港改修工事施行に関する請願(委員長報告) 第一六八 塩釜港の第
一種重要港湾認定等
に関する請願(委員長報告) 第一六九 様似、広尾両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告) 第一七〇 遠別、築別両駅間に鉄道敷設促進の請願(二件)(委員長報告) 第一七一
国有鉄道用品購買制度改正
に関する請願(二件) 第一七二 大越駅名の呼称訂正に関する請願(委員長報告) 第一七三 野沢、萩野両駅間に新駅設置の請願(委員長報告) 第一七四 草軽
電気鉄道株式会社営業線路縮
少反対に関する請願(委員長報告) 第一七五 陸中黒崎に燈台設置の請願(委員長報告) 第一七六 湯の元駅に急行列車停車の請願(委員長報告) 第一七七 久之浜駅にこ線橋架設の請願(委員長報告) 第一七八 板橋駅
旅客ホーム改造
に関する請願(委員長報告) 第一七九 要田駅確認に関する請願(委員長報告) 第一八〇 相生、西大寺両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告) 第一八一 中村、新地両駅間に駒ケ嶺駅設置の請願(委員長報告) 第一八二 大垣駅、
樽見間鉄道敷設
に関する請願(委員長報告) 第一八三 福岡県脇田、中久原間に
国営バス運輸開始
の請願(委員長報告) 第一八四 朱鞠内、羽幌両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告) 第一八五 大橋、足ケ瀬両駅間に上有住駅設置の請願(委員長報告) 第一八六 岐阜駅改築工事促進に関する請願(委員長報告) 第一八七
北陸線増設工事完成
に関する請願(委員長報告) 第一八八 浜松、米原両駅間および米原、姫路両
駅間鉄道電化促進
に関する請願(委員長報告) 第一八九
機帆船燃料割当増加等
に関する請願(委員長報告) 第一九〇 堺港
臨港線完成促進
に関する請願(委員長報告) 第一九一
観光事業振興緊急対策
に関する請願(委員長報告) 第一九二 陶磁器の
貨物運賃通算制実施
に関する請願(委員長報告) 第一九三 酒田港の
国有鉄道用石炭陸上輸送切替
に関する請願(委員長報告) 第一九四 奈良県大淀町下渕郵便局の昇格等に関する請願(委員長報告) 第一九五 広島県大林村に
簡易郵便局設置
の請願(委員長報告) 第一九六 大阪市此花区に二等郵便局設置の請願(委員長報告) 第一九七
須賀川町有須賀川郵便局舎等
の敷地買上げに関する請願(委員長報告) 第一九八 福島県大里村に無
集配郵便局新設
の請願(委員長報告) 第一九九 福島県滝根町菅谷に無
集配特定郵便局新設
の請願(委員長報告) 第二〇〇 新庄市金沢に郵便局設置の請願(委員長報告) 第二〇一 南海大地震に伴う地盤沈下および
隆起対策事業費国庫補助
の請願(委員長報告) 第二〇二 亀崎、高浜町間に衣ケ浦橋架設の請願(委員長報告) 第二〇三
旭川改修合同用水
両
工事費国庫補助増額等
に関する請願(委員長報告) 第二〇四 接收土地家屋借上料増額に関する請願(委員長報告) 第二〇五 滋賀県愛知川総合開発に関する請願(委員長報告) 第二〇六 女鳥羽川附近の治山治水対策に関する請願(委員長報告) 第二〇七 宮崎県の
治山治水事業費国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第二〇八 宮崎県の
災害復旧事業費全額国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第二〇九 和歌山県の
災害復旧事業費国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第二一〇 潤川治水事業促進に関する請願(委員長報告) 第二一一
四国中央産業道路改修
に関する請願(委員長報告) 第二一二 広島県下の砂防事業促進に関する請願(委員長報告) 第二一三 東京都西部地区各か
川改修工業施行
に関する請願(委員長報告) 第二一四 キテイ台風による東京都葛飾区
災害復旧費国庫補助
に関する請願(委員長報告) 第二一五 山形県
最上地域総合開発促進
に関する請願(委員長報告) 第二一六 千曲、犀両川の
根本的治水工事施行
に関する請願(委員長報告) 第二一七 愛媛県西條、
高知両市間連絡道路改修促進
に関する請願(委員長報告) 第二一八 冷凍水産物の検査に関する請願(委員長報告) 第二一九 茂生港船入ま修築に関する請願(委員長報告) 第二二〇 漁業金融に関する請願(委員長報告) 第二二一
まき網漁業許可方針確立
に関する請願(委員長報告) 第二二二 魚族資源の維持培養に関する請願(委員長報告) 第二二三 漁船法および
漁船船員法制定
に関する請願(委員長報告) 第二二四
さんま漁解禁日変更
に関する請願(委員長報告) 第二二五
根白漁港修築工事促進
に関する請願(委員長報告) 第二二六 磯鶏漁港修築に関する請願(委員長報告) 第二二七 田老漁港修築に関する請願(委員長報告) 第二二八 岩手県下の漁港、船だまり
船揚修築国庫補助等
に関する請願(委員長報告) 第二二九
瀬崎漁港施設災害復旧
に関する請願(委員長報告) 第二三〇 小
濱港船揚場施設工事促進
に関する請願(委員長報告) 第二三一 岩手県崎浜の防波堤延長および物揚場築設に関する請願(委員長報告) 第二三二
吉里吉里漁港修築工事継続
に関する請願(委員長報告) 第二三三 太田名部港船だまり工事継続に関する請願(委員長報告) 第二三四 野田港に漁港および避難港の施設実施の請願(委員長報告) 第二三五
水産業協同組合法
の改正に関する請願(委員長報告) 第二三六
失業救済事業実施
に関する陳情(委員長報告) 第二三七
官公吏勤務地手当支給区域
より島根県除外反対の陳情(委員長報告) 第二三八
復興都市計画事業
の
地元負担金起債認可
に関する陳情(委員長報告) 第二三九
自治体消防機構強化
および経費国庫補助に関する陳情(委員長報告) 第二四〇
飮食営業臨時規正法
中一部改正に関する陳情(委員長報告) 第二四一
住民登録法制定
に関する陳情(委員長報告) 第二四二 戰災都市の
火災保險料率変更
に関する陳情(委員長報告) 第二四三 六・三
制建築予算増額
および
定員定額制廃止
に関する陳情(三件)(委員長報告) 第二四四
新制中学校建築費国庫補助復活
に関する陳情(委員長報告) 第二四五
国民健康保險法中
一部改正に関する陳情(二件)(委員長報告) 第二四六 広島県の
治山事業費国庫補助増額
に関する陳情(委員長報告) 第二四七
農用造林費国庫補助
に関する陳情(委員長報告) 第二四八
農地委員会経費全額国庫補助
に関する陳情(委員長報告) 第二四九 福島県
井田川浦干拓耕地災害復旧事業費等国庫補助
に関する陳情(委員長報告) 第二五〇
早期供出奬励金制度改正等
に関する陳情(委員長報告) 第二五一 甘しよ沖繩百号の二等格上げに関する陳情(委員長報告) 第二五二 そば、あずき等の統制撤廃に関する陳情(委員長報告) 第二五三
上水道供給電力割当制度改正
に関する陳情(委員長報告) 第二五四 度量衡法中一部改正に関する陳情(委員長報告) 第二五五
松尾鉱山鉱毒対策費国庫補助
に関する陳情(委員長報告) 第二五六 中小企業の金融難打開に関する陳情(委員長報告) 第二五七 山形、北山形両
駅間府県道大曾根街道山形停車場踏切
にこ線橋架設の陳情(委員長報告) 第二五八 多治見、名古屋両駅間鉄道電化に関するする陳情(委員長報告) 第二五九 宮津港湾修築に関する陳情(委員長報告) 第二六〇 浜原、備後十日市両
駅間鉄道敷設予定路線
中一部変更等に関する陳情(委員長報告) 第二六一
小野田市内道路補裝補修工事等
に関する陳情(委員長報告) 第二六二
府県道大田小野田線
中御釈迦堂とう
げ改修工事施行
に関する陳情(委員長報告) 第二六三
府県道小郡吉部線改修工事促進
に関する陳情(委員長報告) 第二六四
府県道俵山古市停車場線改修工事継続
に関する陳情(委員長報告) 第二六五
下関市内道路補裝補修工事等
に関する陳情(委員長報告) 第二六六 名古屋、
新潟両市間国道改修工事施行
に関する陳情(委員長報告) 第二六七
田出川改修工事施行
に関する陳情(委員長報告) 第二六八
嘉瀬川改修工事施行
に関する陳情(委員長報告) 第二六九
城原川改修工事施行
に関する陳情(委員長報告) 第二七〇 文教地区整備に関する陳情(委員長報告) 第二七一
水産業協同組合法
中一部改正等に関する陳情(委員長報告) ━━━━━━━━━━━━━
佐藤尚武
1
○
議長
(
佐藤尚武
君) 諸般の
報告
は朗読を省略いたします。 —————・—————
佐藤尚武
2
○
議長
(
佐藤尚武
君) これより本日の会議を開きます。 この際、
日程
第一、旧
軍関係債権
の
処理
に関する
法律案
、
日程
第二、
復興金融金庫法
の一部を
改正
する
法律案
、
日程
第三、
復興金融金庫
に対する
政府出資等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(いずれも
内閣提出
、
衆議院送付
)以上三案を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤尚武
3
○
議長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。
大蔵委員長櫻内辰郎
君。 ————————————— 〔
櫻内辰郎
君登壇、拍手〕
櫻内辰郎
4
○
櫻内辰郎
君
只今議題
となりました旧
軍関係債権
の
処理
に関する
法律案
の
大蔵委員会
における
審議
の経過並びに結果を御
報告
いたします。 先ず
提案理由
並びに内容について申上げます。旧
陸軍省
、
海軍省
及び
軍需省
にかかる未
徴收
の
債権
を迅速に
徴收
整理いたす必要上から本
法律案
を制定いたそうというのであります。この
債権
を発生の
原因
により分類いたしますと、一、
戰争中
の物品の
製造等
の
契約
について、
終戰
による
契約解除
のため生じた前金拂及よび
概算拂金額
の
返済請求権
に基く
債権
、二、
戰争中
及び
戰争後拂下げた軍需品
の
代金請求
に基く
債権
、三、以上各号の
契約
に基く誤拂による
返還請求権
に基く
債権等
でありまして、以上の
原因
に基いて生じた
債権
の金額は、
政府
の計算によれば、現在約十六億四千万円、件数にいたしましては約八千八百件あるのであります。これらの未
徴收
の
債権
中には、
債務者
が
特別経理会社
又は
閉鎖機関
に
指定
され、
債務
の弁済が制限又は禁止されているものが多額に上り、又その他の
債権
についても
終戰後
の変動により、
債務者
の住所、
居所不明等
の
障害
があり、極力
徴收
に努めているにも拘わらず、その
処理
が思うように進行しない次第であります。
閉鎖機関
又は
特別経理会社
に
指定
中のもの等は、それぞれ当該法令により
処理
する外はないのでありますが、かかる制限のない場合につきまして、その
徴收
方法について延納、分納、免除等を認めると共に、国税滯納処分の手続に準ずる
徴收
の処分ができることとなし、以て迅速なる
徴收
と整理の進捗を図ることといたしたのであります。 さて本案は衆議院において修正送付されたのでありますが、その修正の第一点は、第一條第一項における旧
軍需省
にかかる
債権
の範囲を明確に規定したこと、第二点は、同條第二項中大蔵大臣が定める金利の基準を明確にしたこと、第三点は、第七條に一項を加え、
債務者
の住所、居所不明の場合における等の措置を明確にしたことであります。 本案十月二十九日より十一月三十日まで愼重に
審議
し、各委員より熱心なる質疑がありましたが、その詳細は速記録により御承知を願います。かくて十一月三十日質疑を終局し、討論、採決の結果、全会一致を以て
衆議院送付
案通り可決すべきものと決定した次第であります。 次に
復興金融金庫法
の一部を
改正
する
法律案
の
審議
の経過並びに結果を御
報告
いたします。 先ず本
改正
案の
提案理由
及び内容について申上げます。
改正
の第一点は、
復興金融金庫
審議
会の去る十月七日の決定により、
復興金融金庫
は爾後新規業務を一切停止することとなり、これに伴つて不要となる未拂込資本金が
昭和
二十五年三月末現在で約二百五十億円に上る見込であるので
復興金融金庫
の現在の資本金一千四百五十億円から二百五十億円を減資して千二百億円とすることにいたしたのであります。
改正
の第二点は、
復興金融金庫
は本年度予算からその剩余金を国庫に納付することになつておるのでございますが、補正予算からは
融資
の回收金も国庫に納付しなければならないこととなり、従つてこの回收金を国庫に納付した場合には、その相当額を減資する必要が生じたのであります。 さて本案は十一月二十五日より十一月三十日まで愼重に
審議
し、各委員より熱心なる質疑がありましたが、詳細は速記録により御承知を願います。かくて十一月三十日質疑を終局し、討論に入り、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。 次に
復興金融金庫
に対する
政府出資等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
の
審議
の経過並びに結果を御
報告
いたします。 先ず提案の理由並びに内容について申上げます。本
改正
案の第一点は、
復興金融金庫
に対する
政府出資等
に関する
法律
第二條の規定により、毎事業年度における剩余金はこれを国庫に納付することになつているが、今回
復興金融金庫法
第十七條第二項の規定に基く復興金融
審議
会の決議によつて、本年十月以降は新たに資金の融通、
債務
の引受又は保証を行わず、單に従前の保証、
債務
の履行及び
債権
の保全にかかる振替貸付のみを行い得ることとなりました関係上、今後各事業年度において回收いたしました元金は、当該年度における復興金融債券の償還に要する
経費
、本金庫において従前引受けた保証
債務
の履行に要する
経費
及び本金庫に属する
債権
の保全に要する
経費
に充当し、その残余を国庫に納付させることといたしまして、これは剩余金の国庫納付とは別に国庫に納付させることを規定いたしたのであります。第二点は、右の
改正
による
昭和
二十四年度における国庫納付額は五十億円の増加が予定され、
昭和
二十四年度一般会計予算補正(第一号)及び
昭和
二十四年度
政府
関係機関予算補正(機第一号)において、これに関する措置を講じたのでありますが、国庫納付の額は、決算の結果、右の五十億円を超過する可能性もあるので、その予算額を超過する額につきましては翌年度において納付し得るように規定いたしたのであります。 本案は十一月二十五日より十一月三十日まで愼重に
審議
し、各委員より熱心なる質疑がありましたが、詳細は速記録により御承知を願います。かくて十一月三十日質疑を終局し、討論、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御
報告
いたします。(拍手)
佐藤尚武
5
○
議長
(
佐藤尚武
君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。先ず旧
軍関係債権
の
処理
に関する
法律案
全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔起立者多数〕
佐藤尚武
6
○
議長
(
佐藤尚武
君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。 —————・—————
佐藤尚武
7
○
議長
(
佐藤尚武
君) 次に
復興金融金庫法
の一部を
改正
する
法律案
及び
復興金融金庫
に対する
政府出資等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
佐藤尚武
8
○
議長
(
佐藤尚武
君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。 —————・—————
佐藤尚武
9
○
議長
(
佐藤尚武
君)
日程
第四、
価格調整公団法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)を
議題
といたします。先ず
委員長
の
報告
を求めます。 経済安定
委員長
佐々良作君。 ————————————— 〔佐々木良作君登壇、拍手〕
佐々木良作
10
○佐々木良作君
只今議題
となりました
価格調整公団法
の一部を
改正
する
法律案
の委員会における
審議
の経過と結果を御
報告
いたします。 この
改正
法案の内容は、従来価格調整公団の運転資金は
復興金融金庫
からの借入金によつて賄つていたのでありますが、同金庫の貸出停止に伴いまして、これに代るべき金融の方策として、国の機関又はこれに準ずるものからの借入金によることができる。こういうふうにしたものであります。これは同公団の業務遂行上、巨額の運転資金を要するものでありますが、復金の貸出停止によつてこれが逼迫を来たしたこと、更に従来の買取り売戻し制から差金決済制に移行することによつて、認証手形残高の減少を図つて来たのでありますけれども、最近の金詰りによつてこれを強行することが困難となつたこと、更に又公団取扱品目の
統制撤廃
に伴い、従来循環的に決済されていた認証手形の決済が不能となる懸念がますます大きくなつたことなどから、復金以外に同公団の資金を賄う途を開くことができるようにしよう、こういう趣旨であります。 これに対しまして各委員から質疑があり、討論に入りましたところ、藤井委員から、原案について賛成であるが、同公団の金融の円滑化と、統制廃止に伴う同公団の資金回收の困難打開について、
政府
の特段の努力を希望する。こういう希望意見を附しての賛成意見が述べられたわけであります。次いで採決に入りましたところ、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定した次第であります。 以上御
報告
いたします。(拍手)
佐藤尚武
11
○
議長
(
佐藤尚武
君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔起立者多数〕
佐藤尚武
12
○
議長
(
佐藤尚武
君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。 —————・—————
佐藤尚武
13
○
議長
(
佐藤尚武
君)
日程
第五、
私立学校法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)を
議題
といたします。先ず
委員長
の
報告
を求めます。文部
委員長
田中耕太郎君。 ————————————— 〔田中耕太郎君登壇、拍手〕
田中耕太郎
14
○田中耕太郎君
議題
となりました
私立学校法案
の文部委員会におきまする
審議
に関しまして御
報告
を申上げます。この法案は附則を除きまして第六十七條に及ぶ広汎なものでございまして、戰後の教育関係立法中の重要なものの一つと申し得るのでございます。 提案の趣旨について考えて見ますると、そもそも私立学校はその数におきまして、新制高等学校以上の学校に関する限りその半数以上に及んでおりまして、それぞれの学校に固有な精神、学風並びに伝統におきまして。国立や公立の画一的な傾向に対しまして著しい個性を持つておりまして、かような意味におきまして、我が国の教育の発達及び人材の養成に多大な貢献をなして参りましたことは疑いを容れないところでございます。この故に私立学校の振興を図りますことは、国家の極めて重要な文化政策の一環だと申さなければならないのであります。この法案の意図をするところも、要するに私立学校を振興し、私学教育の健全な発達を図ることに存しておるのでございます。 先ず本法案の構想を申述べますると、要点は大体三つに盡きておると思われます。その第一は、第二章が規定しておりまする教育行政に関するものであり、その第二は、第三章第一筋乃至第四筋の規定する学校法人に関する事柄でありまして、その第三は、学校法人の助成及び監督でございまして、これは第三章第五節が規定しております。 以上のうち教育行政に関しましては、私立学校の自主性の尊重ということがその精神となつております。従つて従来長年の間存在して参りました多数の監督事項を整理いたしまして、私立学校を中央及び地方の官僚的統制から最大限度に解放いたしまして、監督が止むを得ない場合にも、主として私立学校の代表者、殊に教育者を中心として構成せられまする私立学校
審議
会、又は私立大学
審議
会に諮問すべきものといたしまして、尚、
審議
会の委員中の私立学校関係者につきましては、任命は関係団体からの推薦によるものといたしておるのであります。 次に学校法人に関しまする詳細な規定がなされておりますのは、その経営する学校教育事業の特異性、殊にその強度の公益的性質に基くものでございます。それはかような意味におきまして民法上の公益法人中の財団法人と軌を同じくするものでございますが、本法案におきましては、これを民法上の法人とは違つた特別法人として取扱いまして、その財産関係や取引関係の方面を除きまして、組織や内部的運営その他の点におきまして、学校教育の公益性の見地からして寄附行為のみに委せず、相当詳細なる規定を置いておるのでございます。尚、学校法人の経済的基礎を鞏固にするために、教育上支障のない限り、收益事業をも行うことができるものといたしたのでございます。更に本法案は、国又は
地方公共団体
が補助、貸付等の方法で私立学校の助成をなし得ることを認めました。これで以て憲法第八十九條の解釈といたしまして、私立学校が公の支配に属するものと言えるかどうか、従つて助成ができるかどうかという点に関しまする従来の疑義を解決し、助成ができるものといたしたのであります。その他、学校法人の所得で收益事業から生じたもの以外については、
所得税
及び法人税が免除されております。 次に法案
審議
に際しましての質疑応答によつて明らにせられました重要なる数点について申上げますと、 一、本案を
政府
におきまして起草する際に当つては、特に私学校総連合の意見を多分に取入れたということでございます。 二、公立学校につきましては教育委員会が所轄庁であるのに、私立大学を除く私立学校については都道
府県
知事になつておるのに、学校教育法の建前がそうなつておるからということでございます。 三、学校法人の理事の資格については詳細なる規定があるが、監事についてそれがないのは、どういうわけかと申しますると、寄附行為に譲つた趣旨でございます。 四、補助金及び貸付金の分配については十分填重を期し遺憾なきようにすることということが要望され、又さような答弁がございました。その他詳細は速記録に讓ることといたします。 尚、本法案
審議
の過程におきましては、四名の学識経験者を招致いたしまして、参考のために意見を聽取いたし、
審議
の愼重を期したのでございます。 かくて討論に入りまして、岩間委員から、本法案は戰災、インフレ等によつて経済的に窮迫しておる私学に対し、不十分な補助や貸付をすることによりまして、それを口実に官僚的支配権が復活する虞れがある、或いは又本法案の定めた
審議
会は諮問機関で無力である、或いは又本法案
審議
の過程において
教員
や生生の意見を聽かなかつたことはよくないというような理由を以て、
反対
の意見が表明されました。 次に小野、河野、大隈、鈴木、藤田、堀越の各委員からこもごも賛成の発言がございました。賛成者の発言内容の要点を総合して申上げますると、本法案においては、種々の点、例えば文部省における立案過程が大学管理法案の場合のように民主的でなかつたこと、所轄庁による学校の閉鎖を命令し得ることは不賛成である。私立大学に関する教育行政は別個に規定するを必要とすること。学校法人に関しては、法制上公益法人と会社との二つの建前の混乱があるじやないか。その他
法律
技術的不完全、不満足な欠点がある。併しながら本法案は大体において私学の自主性を重んじ、公共性を高める要求を充たしておる。又憲法八十九條の解釈上の疑義を解決し、一般的世論に答えて私学に対する助成を可能ならしめてある。更に本法案において私学に対する監督は
終戰
前よりも遥かに緩和され、更に学校教育法に比較しても一層緩和されており、私学の現状においては本法案程度の監督は止むを得ないというような理由によつて、賛成の意思が表明せられました。 尚、賛成者各委員から
政府
に対し、私学助成のための予算上の金額を大幅に
増額
するように努力すべきこと、助成金額は他の団体等の仲介なしに直接に学校に交付せらるべきこと、法案
審議
中指摘せられた法案の不備欠陥は、研究の上次の機会において速かに修正すべきこと、その他本法の適正な運用をなすようにと強く要望をなされたのであります。 かくて採決に入りましたところ、本法案な多数を以て可決すべきものと決定いたしました。 これを以ちまして
私立学校法案
に関する文部委員会の
審議
の経過及び結果の御
報告
を終ります。(拍手)
佐藤尚武
15
○
議長
(
佐藤尚武
君) 本案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。岩間正男君。 〔岩間正男君登壇、拍手〕
岩間正男
16
○岩間正男君 私は日本共産党を代表いたしまして、本法案に対しまして
反対
するものであります。 私立学校の果して来た役割につきましては、今更私がここで強調する必要はないと思うのであります。独自の学風を以ちまして、日本の文化のために多くの貢献をして来たのであります。併しながら
終戰後
におけるところの経済的ないろいろな破壊的な現象、惡性インフレの高進によりまして、最近の私学はこのような伝統を負い、一つの機能を持つたところの役割を果すことができないような態勢になつておる。至るところで学園の経営難ということが伝えられておるのであります。又これと共に、そこに学んでおりますところの生徒達の間におきましては、学資の不足から最近はアルバイト生活に追いやられておる、そのアルバイトも現在におきましては失業者が非常に殖えておるので、その圧迫によつてこれを続けて行くことができない、こういうような態勢になつております。これに対して育英資金はどうかと言いますと、育英資金は非常に少い。要求の額のこれは十分の一にも満たないというような様子でありまして、新規採用は不可能だというような現状になつております。これが戰後の私学の状態であります。時間が余りございませんので、いろいろ詳しい例を挙げたいのでございますが、沢山の例がございますが、ここでは省いて置きます。で、当然この私学に対するところの助成ということが、やはり日本の政治の重要な一つの国策として当然取入れなければならないこの問題が、今までその要求をどのように果すかということが論議されて参つたのでありますが、なかなかそういうような様子には行かなかつた。今度これらの私学に対する助成を誠にほんのちよつぴり餌程度のものを與えるということによつて、それを法制化しなければならぬという口実の下に、この
私立学校法案
が法制化されたのであります。併しここで我々は考えて見なければならぬのは、この法案の持つておるところの意味なのであります。又この法案の、現在の情勢において反動的な政治情勢の中において果す役割であります。この点を先々は検討して見なければならぬと思うのであります。この法案の中で最も注意すべき点は、今後私立大学並びに私立学校を監督する文部省並びに都道
府県
知事におきまして、その命令に違反するというような場合におきましては、これに閉鎖を命ずることができる。或いは解散を命ずることができる。このような強硬な條項が挿入されておる点であります。この点は曾ての私学の政策にもないような條項でありまして、私学が今日のような経済的行詰りから、何とかして、ここを切抜けるということのために、背に腹は代えられないというような立場から一刻も早くこの助成金を望んである。そういうことのためにこの法案を何とか通すというようなことで、一部におきましては、この法案を早くここに上程し、そうしてこれを通過させようとされておるのでありますけれども、併しながら我々はこの点について十分に考えて見なければならぬ。果してこれだけの少額の貸付金が私学を救うに足るかどうかという問題、それだけのものによつて今後学園の自主性、学問に対する自由というものを完全に保障されるかどうか。この点は非常に大きな問題だと思うのであります。私は單にこれを私学法というような狭い範囲内で考えない。最近行われておりまするところの労働法、労働基準法、それから人事院の現在の実際的な運用の状況から見ますというと、いずれもその本来の謳つておりますところの法案の條項とは背反するような方向で進められておる面がある。例えば人事院におきましては、当然公務員の給與、生活、待遇改善、こういうような問題と並行して、初めて公務員の或る程度のいろいろな職務上の拘束が有効な筈なのでありまするけれども、公務員法のこれが現在において実施されておる姿を見ますというと、公務員のいろいろな制限の方においては強力にその力を発動しておる。併しながらその待遇改善の方面におきましては、一切これを閑却しておる。こういうような、つまり法案の一部分だけを捉えて、そうして最もその支配者が自分に都合のいい面だけを強化して、そうして
反対
の都合の惡い面はこれを問題にしないで置く、こういうような使い方にこの私学法案がされる危險性が十分にある。これは多くの例を引くまでもなく、すでにこういうようなことは最近の大学におけるところの進歩的な教授の追放、並びに小中学校におきますところの広汎な首切の中にはつきり現われておる。こういう形から見まして、現在の政治情勢の中でこのような私学法案が出されるこの現在的な意味におきまして、私は非常に大きな危險を感ぜざるを得ないのであります。大体このような情勢に追い込んだものは何であるかというふうに飜つて考えて見ますというと、これは吉田内閣の文教政策の貧困であります。私学がこれまでひどいところに陥つておるのに対しまして、今まで具体的に何らの措置がなされていなかつた。私学が成り立つて行くようなところの予算の面における措置が何らなされない。国家の私学に対する助成というものが十分になされない。だからして私学はその経営面において非常に苦しみ、殊に最近におきましては、その全体の二割くらいがもうやめておるというところのひどい状態に陥つておりますから、止むを得ず目前にぶら下つておるところの餌には何とかして、これは背に腹は代えられないので食い付くという形になる。併しその餌の後には、今申しましたところの官僚の学校に対するところの支配権というものが非常に拡大され、現在起つております官立の、国立の大学に起つておりますところの学園の自由、学問の自由の彈圧の方向が、このような法案を法的根拠といたしまして強化されるということを、私は今からはつきり予想することができると思います。こういうような形におきまして、我々は今日このような法案が、このような態勢において上程されることに対しましては絶対に
反対
しなければならぬ。子供が自分で食べたいものがあるからといつて、それを食べれば恐らくおなかを壊すであろうというとき、親はそれに対しまして、その食べ物を與えない筈である。ところがそれと同じようなことが全くこの私学法案においてなされておる。一億二千万円という貧弱な予算が一体私学の、非常に数の多い日本の私学に対して、一体どれだけの救済になるかということを考えて見れば、はつきりするのであります。 次に、この法案の中にいろいろ條項がある。法案の條文の面について簡單にその
反対
の理由を述べて見ますが、先ずこの法案が貸付、免税というような点において法的措置をするということが理由として、挙げられておりますが、これは何もこのような規定を持つておるところの法案と一緒にしなくても、これはこのような貸付とか免税の措置は十分に外の方法でなすことができる筈であります。次に、文部大臣、知事の監督権、命令権というものは非常にこの法案によつては強化されておる、そうしてそれが不当に濫用されるようなときには、先程申しましたところの危險というものが十分に起り得るのであります。更に私立大学の私立大学
審議
会というようなものが、いろいろな今後の行政面においてその機能を果すことになつておりますけれども、併しこれは單なる諮問機関であります。決議機関でない。こういう点からいたしまして、これらの
審議
会が十分にその力を発揮することことができないことは、今までの多くの他のこのような同じ性格のものと引合わせて考えて見れば明らかなのであります。更に今度のこの法案が作られるこの立法までの措置を考えて見ますと、当然この中に民主的に参加しなければならないところの、大学の教授、教官、それから学生諸君というものの意見が何らこれに対して反映していない。今日この法案に対しましては、全国の学生諸君の中から、学園の自由を守るという立場から、広汎な
反対
が起つておるのでありますが、併しそれが十分に聞かれ、そのような意見を民主的にこの立法に反映させるという措置はとられなかつたのであります。従つてこういうような形でありますからして、現在におきまして、この法案の持つておる意味というものは、我々としては絶対にこれはこのままで見逃すことができないのであります。 尚、最後に、この法案に対しましては、全学連の諸君、それから私学法対策全国協議会、関東私立大学教授協議会、それから全国大学教授連合、日本学術会議の諸君がいろいろな角度から
反対
の意向をはつきり伝えられたことを加えまして、私の
反対
討論といたします。(拍手)
佐藤尚武
17
○
議長
(
佐藤尚武
君) 小野光洋君。 〔小野光洋君登壇、拍手)
小野光洋
18
○小野光洋君 私は只今上程せられました
私立学校法案
につきまして、賛成の意を表するものであります。 そもそも本法案は私立学校の自主性を確保し、公共性を高揚すると共に、憲法第八十九條の下において、国又は
地方公共団体
が私立学校に対しまして財政的援助ができることを可能ならしめる、いわゆるさような目的を持つて立案せられたものであります。而して本法案を詳細に検討いたしまするときには、尚細部の点につきまして将来改善を要すべきものがないとは言えません。この点につきましては、先程の
委員長
の
報告
にもありましたのでありまするが、併し現状におきましては、先ず本法案の成立を阻止し
反対
するというような理由にはならないと存ずるのであります。元来私立学校は個人の自由意思によりまして、その教育的理想と、これを遂行せんとする熱意によつて、設立せられたものでありまして、又これに共鳴する幾多の人々が物心両面に互つてこれを援助し、これを発展せしめて現在に至つたものであります。従つて私学本来の立場は自主独往、国家その他の行政機関におきましては、いわゆるノー・コントロール、ノー・サポートの状態にあらねばならないと思うのであります。然るに従来は私立と官公立とは全く同一の取締法規の下に置かれ、従つて法的には私学の自主性のごときは多く認められなかつたのであります。それにも拘わらず私立学校を創立した真摯な教育者、先輩各位は、あらゆる困難と圧迫に堪えて今日に及んだのであります。従つて現在における私立の大学、專門学校等は三百有余校であります。学生、生徒数は二十三万有余名、新制高等学校以下におきましては、校数二千六百余校、生徒、兒童数におきましては七十万有余名に及んでおるのであります。この事実は、言うまでもなく我が国における私学の重要性と、教育界における私学の功績とを証明するに足るものであると思うのであります。特に大学におきましては、全国総数の約六割が私立学校でありまして、日本の文化興隆発展の上に及ぼす私立大学の功績とその影響力の如何に大なるものがあるかを推察するに足るのであります。 さて、
終戰後
私学に対しましても、従来より以上の自由と自治とが與えられるように相成つたのでありまするが、尚、学校行政の上におきましては全面的に学校教育法の適用を受けまして、この点全く公私の別が認められないのみならず、むしろ同法によれば、官公立学校より以上の、私学に対する監督事項が多く列挙せられておるのであります。尚又学校を経営する財団につきましても、民法法人として教育事業遂行上甚だ不適当なる監督條項の適用が相当あるのであります。従つてその自主的、公共的活動等は、これらによつて多く拘束せられておつたのであります。加うるに戰災私学は全校数の三割にも及び、且つ又戰後の惡性インフレーシヨンの高進に伴いまして、私学の復興或いは又学制改革に則つての教育施設の拡充等は実に至難の状態に置かれたのであります。ここに私立学校法の制定を要望する声が私学関係者の間からも又
政府
当局者間におきましても起つて参ることは当然と思うのであります。而して本法案はその第一條に示されておりまするように、先ずその自主性を進め、公共性を高揚し、且つこれによつて私学助成の途を開きまして、これが健全なる発達を図るという趣旨によるものでありまして、誠に当を得た立法であると存ずるのであります。 次に、この法案の内容を見まするに、学校教育法及び学校を経営する法人に対する行政的の監督をできるだけこれを圧縮排除して、私立学校の自主性を尊重するように工夫いたしておること、殊に私立学校関係者を以て構成する
審議
会を所轄庁の下に
設置
して、官僚独善の監督を排除いたしたのであります。又学校法人の運営の機構を民主化し、以て学校の経営を一個人、又は一家族の独裁の下に置かれることのないようにいたしたのでありまして、これらは私立学校を現在より遥かに自由な立場に置くと同時に、他の一面におきましては、従来とかく非難の的となりました学校経営の公供化を拡充いたしたものと思うのであります。 併しながら私立学校の自主性を尊重するという観点から見まするならば、尚一層行政的の干渉を緩和して置きたいという節がないというわけではございません。(「その通り」と呼ぶ者あり)又法文を立法的技術の上から検討いたして見ますれば、意味の不明確な点やら、或いは誤解を生じ易いような個所がないというわけではありません。(「その通りだ」と呼ぶ者あり、笑声)併しこれらは実際の運用に当つて十分注意されることを要望する次第であります。(「そんなことは駄目だ」と呼ぶ者あり、笑声)将来更に大学管理法或いはその他教育行政に関する立法がなされる際におきましては、学術研究機関といたしましての大学の特殊性に鑑みまして、私立大学に関しましては、これを別個の
法律
によつて規定するか、或いは又本法に適当なる修正を施すという措置がとられんことを要望する次第であります。 又本法案制定の上は、その重要な趣旨としての第五十九條の趣旨に則りまして、現下私立学校の重要性に鑑み、その窮乏を打開し健全なる発展を期するために、
政府
は速かに助成貸付等について、又
地方公共団体
と共に飛躍的にその金額を拡大強化して頂くことが、国民の世論に応えるゆえんではないかと思う次第であります。 尚又本法案につきまして主張せられておりまする
反対
論を概括いたしますると、先程岩間委員から述べられましたような、
政府
は本法案が従来のごとき余り過少な助成金の支出に籍口して、特に本法第五十九條のごとき監督規定を設けたことは、窮乏した私学に対しまして助成の美名の下に官僚的支配権を温存せんとするものではないかという点、(「その通り」と呼ぶ者あり)第二には、私学
審議
会、或いは私立大学
審議
会等が、諮問機関であるという性質を有する点に籍口して、これ又事実上は私学の独自性を骨抜きにしてしまうのではないかという点、(「その通り」と呼ぶ者あり)第三には、等しく私立学校というも特に私立大学の特殊性に鑑みて、これに関する別個の
法律
を考えるべきではないかという点、これらが指摘せられると思うのであります。この第一、第二の点につきましては、本法案が委員会において
審議
せられました過程において、しばしば繰返し質疑応答論議せられたのでありまして、
政府
当局の方針は逐次明確化され、従いまして私は
政府
が具体的に例示確言せられた事項の実行を確信するものであります。併しながら苟くも国民負担による公費助成という問題に関しましては、或る程度の私学の公共性と並行して行わなければならないということは、これはけだし当然のことと思うのであります。又第三点につきましては、大学管理法その他関連した
法律
が制定せられました場合には、当然考慮せらるべきだと思うのであります。 最後に私学関係者各位は、本法案の成立によつてその地位が高められ、自主性が高揚せられると共に、又財政的保護の途も開かれるのであります。この際、私学関係者諸君は、祖国再建の上に教育の重大性と、文化国家建設の上に及ぼす私学の影響力の頗る大なるものであることを自覚せられまして、自粛自戒以て今後の振興を図られんことを願つて止みません。 ここに所信の一端を述べまして本案に対する賛成の意を表する次第であります。(拍手)
佐藤尚武
19
○
議長
(
佐藤尚武
君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔起立者多数〕
佐藤尚武
20
○
議長
(
佐藤尚武
君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。 —————・—————
佐藤尚武
21
○
議長
(
佐藤尚武
君)
日程
第六、
国有鉄道運賃法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)を
議題
といたします。先ず
委員長
の
報告
を求めます。運輸
委員長
板谷順助君。 ————————————— 〔板谷順助君登壇、拍手〕
板谷順助
22
○板谷順助君 只今上程されましたる
国有鉄道運賃法
の一部を
改正
する
法律案
に対する委員会における
審議
の経過並びに結果を御
報告
申上げます。 この法案の要点は、日本国有鉄道の貨物運賃を八割値上げしようとするのである。それは現在日本国有鉄道の赤字を補填しようとする国有鉄道の財政上の理由によるものであるが、同時にこれによつて海陸運賃の調整を期待しているのであります。日本国有鉄道の赤字は、去る五月旅客運賃の
改正
を行なつたのでありまするが、その後の経済事情により予定の收入を得られず、本年度大体八十六億の赤字を生ずるに至つたのであります。この赤字補填について、貨物運賃は原価に対し四八%にしか該当しないので、公正な原価を償うという建前から、貨物運賃の値上をしようとするのであります。尚、
政府
の見解によりますれば、貨物運賃の八割値上をいたしましても、物価に対する影響は四・一%であつて、
昭和
十一年の四・六%に比べまして尚低位にあるので、物価に対する影響は僅少であると認めておるのであります。 運輸委員会においては十一月二十四日、この
法律案
が予備審査として付託されてから熱心に審査を続けたのでありますが、尚、各方面の意見を徴する必要を認めまして十一月二十九日、三井船舶株式会社一井保造君、旭海運株式会社小山亮君、東洋経済新報社榎本弘君、日本産業協議会木村宗夫君、全日本中小工業協議会伊藤英男君、日本トラツク協会森田賢君を証人といたしまして喚問して、その意見を聽いたのであります。証人の大部分の意見は、企業の独立採算制の必要と運賃の公正報酬の建前より、又海陸運賃の調整の要ある点から見て、今回貨物運賃の値上は止むを得ざるものとし、更に国有鉄道の経営の合理化を希望せられたのであります。 委員会においては右の意見をも参考にいたしまして、活溌な質疑が行われたのでありますが、その詳細は委員会速記録に讓ることにいたしまして、その主なるものを挙げますれば、飯田委員、早川委員より日本国有鉄道の旅客收入減の
原因
、鈴木委員より減收額算出の基礎、飯田委員より国鉄が経営合理化に努力したか否やの点、前之園委員より旅客運賃引下げの意図の有無、村上委員、鈴木委員よりは、今回の運賃
改正
による利用減に基く減收、又内村委員、前之園委員、鈴木委員より運賃値上の物価に及ぼす影響、殊に木材その他影響度の強いものに対する緩和策、又内村委員よりは海陸運賃の調整につき、それぞれ質疑が行われたのでありまするが、これに対する
政府
の答弁を要約いたしますれば、今年五月旅客運賃の値上を行なつたのであるが、その後の経済事情の変化により旅客の平均輸送距離が想外に減じたことが、旅客收入減少の大きな理由の一つである。これに対して日本国有鉄道は、
経費
の節約、委託業務の還元、修繕体制の刷新、
契約
方式の改善等、経営の合理化を行なつているのであるが、
昭和
二十四年度の予算がすでに前年度に比して二一%の緊縮予算になつているので、減收の調整をなし得ず、本年度末において八十六億の赤字を予想せられるのである。従つてこの際、貨物運賃の八割値上を行うの止むを得ざるに立至つたのである。又旅客運賃の引下げについては別の機会に考えたいと思う。尚これより海陸運賃は調整せられることが期待される。物価に占める運賃の割合は、今回の値上を行つても四・一%であり、
昭和
十一年の同割合四・六%に比較いたしまして低く、従つて物価に対する影響は僅少であると認めるという答弁であつたのであります。尚、個々の物資について影響の大なるものは、等級表を再検討する等の途を講じたいと思うという答弁であつたのであります。 次いで討論に入りまして、社会党を代表して内村委員より、運賃は物価の基礎となるものなれば、その値上りは物価に影響するところが大きく、従つて公共企業たる性質を有する国有鉄道が独立採算を建前にするにしても、漸を追うてなすべきが至当であるとし、本案に
反対
の意見を開陳されたのであります。又鈴木委員よりも、国有鉄道には尚経営合理化の余地あること、物価に対する影響を考慮すべきことを理由といたしまして、
反対
の意見を述べられたのであります。これに対し、飯田委員よりは緑風会を代表して、国有鉄道の値上は独立採算制の下では止むを得ないとしても、一般の影響に対して公平な負担をなさしむるよう、左記要求事項を付して賛成の意見を開陳されたのであります。即ち、 要求事項 一、日本国有鉄道貨物運賃等級表は、貨物運賃
改正
に方り、併せて検討することを適当と認むるので、
政府
は
昭和
二十五年四月一日より新貨物運賃等級表による貨物運賃を実施し得るよう、速かに各方面の專門家を以て構成する
審議
会を設け、貨物運賃等級表の調整をなすよう措置を講ずること。 二、日本国有鉄道貨物運賃の
改正
により、木材、原木その他著しく影響のあるものについて、
政府
は
昭和
二十五年一月一日より前項新等級表の実施せらるるまでの期間、その影響を緩和し得る暫定的措置を講ずること。 又前之園委員は民主党を代表し、加藤委員は民主自由党を代表して、右要求事項を付して本案に賛成の意見を述べられたのであります。 採決に入りましたところ、多数を以て要求事項を付して原案の通り、本案を可決いたすべきものと決定したのであります。尚、右要求事項の実現につき、
委員長
より運輸大臣に対してその所信を質したるところ、これを了承したとの答弁があつたのであります。以上御
報告
申上げます。
佐藤尚武
23
○
議長
(
佐藤尚武
君) 本案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。鈴木清一君。 〔鈴木清一君登壇、拍手〕
鈴木清一
24
○鈴木清一君 只今上程になりました
国有鉄道運賃法
の一部
改正
につきまして、私は
反対
の意思を表明するものであります。 その理由といたしまして、先ず第一に申上げたいのは、今回の貨物運賃の値上については、六月の旅客運賃改訂のときにすでにこの貨物運賃値上も共共、関係当局と又
政府
当局とは話合いが進んでおつたと理解しておつたわけであります。従つて今回上程されまするまでの期間の間におきまして、十分計画をしつつあつた筈であるにも拘わらず、この運賃値上によつて物価に影響するところ多大である法案の提出に当り、御承知のように今会期終末のときにおいてこの問題を提出いたしまして、而も
審議
期間は僅かの日しか與えずしてこの問題を採決に持つて来たということは、すべて今まで出されておりました法案、重要法案がこうした経過をいつもとりつつあつたということに対すると同様に、この問題に対しましても、その意味におきまする遺憾の意を表するわけでありまして、(「その通り」と呼ぶ者あり)私は敢て、今後も必ずこの重要法案の問題のごときを提出する場合は、十分
審議
余裕を與えるべきであるということを
政府
に先ず申上げたいのであります。 第二に、
反対
の理由といたしまして、御承知のようにドツジ・プランによりまするところの二十四年度の緊縮予算実施に伴いまして、国内の経済状態は非常に深刻なものがあります。購買力の不振によりましてすでに滯貨は増大する、或いは生産減退の兆すら見られる今日、
政府
は、価格に占める運賃の割合が現行の二・三%に対して、
改正
後においては四・一%であるので、僅少であるということを言われておる。併しながらお考え願いたいのは、
昭和
十一年を基礎としておつたとするなれば、
昭和
十一年頃におきましての経済安定の時期であるなれば、二・三%から四・一%に対しまする差、僅かに一・八%は僅少であると言えたかも知れない。併しながら今申上げたように経済恐慌、生産不振、この経済状態の中において占むる一・八%の数字というものは、平常時におけるところの十数パーセント、否、数十パーセントの割合に当るものであるということを考えなければならない。(「その通り」と呼ぶ者あり)そうしたことにつきましても、何ら今回の値上について考慮を拂つておらないということに対しまして、
反対
の第二点としたいのであります。 次に
反対
申上げたいのは、特にこうしたインフレ時代におきましての物価に影響する面は、或いは僅かのパーセンテージでも尚インフレを促進するかも知れませんが、今日のごとくデフレ時代におきましてのパーセンテージが物価に占める影響は、ただ單に物価のみでなくて、これを生産するところの中小生産業者に対しても、御承知のように有効需要の関係から、業者圧迫ともなるということを考えなければならないと思うのであります。更に又ポンド切下、欧米諸国の生産過剰により、国際的不況は御承知のように輸出不振となつておりまして、滞貨は激増して深刻なものがあります。これは
政府
の発表によりますところの有効需要の測定等によつても明らかでありまするが、こういう状態の中にあつて運賃の引上げをなすということは、コストの値上りとなり、ますます輸出の不振を伴つて来る、困難を伴つて来るとも言い得ると思うのであります。 又
政府
は運賃の引上げによるところの物価への影響は、原材料より第二次、第三次製品に至る段階において吸收されるということけ言われておりました。従つて直接消費者は余り影響は受けないと言つております。併しながらインフレの高進期ならいざ知らず、デフレ的傾向に入つておる今日におきまして、こうしたことに対しまする心理的影響が先ず第一に考えられなければならない。従つて物価の値上りについても、そうした面から来ますところの、生計費に重大なる影響を心理的の面と共に及ぼすわけであります。且つ交通費の面におきまして、本年四月
政府
提出の資料によれば、原価の二倍半に及ぶということを曾てこの四月に明らかに
政府
の調査によつても示しておるわけであります。このような点につきましても、先ず
反対
の理由もあるわけであります。 又当局の提出によりまするところの資料によりますれば、八十六億五千万円に上る赤字と言われておる。併しながらこの赤字算出の根拠が非常に不明確であります。例えば
政府
の提出されました補正予算実行計画によれば、連合軍收入を除くところの旅客收入、いわゆる七百十六億七千五百万円余であるということになつております。当初予算七百四十三億三千七百万円余からこれを差引きますときには、八十六億という数字は出ずして、二十六億六千二百万円程度にしかならないということであります。従つて赤字が八十七億という基礎については、どう考えても不明確であり、不鮮明であるということも指摘できると思うのであります。又四月の旅客運賃改訂の際にも、当局はこれで当分採算がとれると言明しておる。然るに拘わらずまだ日僅かにして今日の貨物運賃の改訂をしなければならなくなつたということは、如何に当管が独立採算制に対しまして、いつも不合理的、不計画的な面によつてのみ実行しておるかということを明らかに物語つておるものであります。 委員会におきまして、討論のときに、各派を代表されました委員の人達が、国鉄独立採算制の立場から止むを得ず運賃引上げに賛成されるというようなことを大分言われたようでありましたが、例えば赤字が若干生じましても、この公共企業体としての企業の民主的合理化を図つて、十分に赤字を克服するという点についての意見は何ら開陳されておらなかつた。ただ單に公共企業体の独立採算制の立場から、赤字克服に対して止めを得ず賛成するという言葉が多分に出されたのでありますが、そうしたことではなく、もう少し合理的運営に対する建設的意見を出して、そうして又それに熱意を当局が示したときに、初めて止むを得ず賛成するという言葉が出なければならんではないかと思つております。こうした言葉を出されること自体においても、すでに各派の人達がこの運賃値上に対しましては、国民に影響するところ大なるを知るが故に、こうした言葉を以て賛成されておるということを考えなければならないと思うのであります。赤字克服の点につきましては、まだいろいろあります。例えば現在の国鉄の外郭団体的存在といたしまして、鉄道弘済会を初めとし、主なものでも十五に上つておりまする工事会社或いは荷役会社等がありますが、それが御承知のように二十二年度の会計検査
報告
にも指摘されておりましたように、拂下げ等につきまして非常に不正事実があるというようなことも指摘されております。而もその弘済会においても、約一億円というようなことも言われておるのでありますが、こうした外郭団体の整理を、十分に粛正して、そうして会計検査
報告
にまでこのような不正事実に対する指摘を受けるようなことなく、粛正を十分すれば、少くともまだ赤字克服の財源は多分にあるということを私は言い得るかと思うのであります。そればかりでなくして更に石炭費の面についても、本年度の計画ではトン当り平均カロリーは六千五十から六千二百カロリーであるとしておりまするが、昨年度の実績平均五千六百二十カロリーに比しまして相当の上昇をされておりまするので、十分その点からも石炭の節約も出て来るわけであります。 而も御承知のように配炭公団の廃止に伴いまして、公団手数料等も曾てはトン当り六百五十円、これを今回当局は四百十五円と発表されておるが、これも我々の計算によりますれば、少くも三百五十円程度までに削減することができるわけであります。つまり七百万トンを消費するところの国鉄が、トンについて六十五円のそこに利潤を生み出す方法を考えるといたしましても、八十億からの赤字の克服には、何ら運賃を上げなくても解決ができるということも私は附加えて申上げたいのであります。十万人の行政整理をして、そうして赤字を克服して独立採算制を確立するのだといつた当局が、少くとも十万人の人達の行政整理をして、何らその身に対する保障すら今確立しておらない。たまたま僅かの日にちにおきまするところの、僅か三ケ月か四ケ月かの今日において、これに尚加えて、大衆にむしろ犠牲を負わせるところの運賃の値上げ改訂に対しましては、私は無所属懇談会を代表いたしまして、今まで申上げました理由によりまして
反対
せざるを得ないのであります。(拍手)
佐藤尚武
25
○
議長
(
佐藤尚武
君) 内村清次君。 〔内村清次君登壇、拍手〕
内村清次
26
○内村清次君 日本社会党は、
政府
の提出いたしました
国有鉄道運賃法
の一部を
改正
する
法律案
に対しまして
反対
を表明するものであります。 理由の第一は、国有鉄道及び海運事業は公共企業としての特性を持つものでありまして、運賃は物価政策の重要なる基礎となるものであります。そうでありまするから、貨物運賃は十分に経済政策、物価との調整を考慮に入れまして決められなければならないのであります。勿論国鉄並びに海運の運賃は、
政府
の説明するところによるまでもなく、輸送原価よりも低廉でありますることは、国鉄赤字の主因であるということも認めるものであります。併しながら運賃は先程申しましたごとくに物価政策の基礎でありまするから、運賃値上の影響は又各方面に多大のものがあるということを考慮せねばなりません。即ち輸送原価、負担能力の外に、広く一国の経済政策の見地から考慮せらるべきであると思うのであります。 この度の鉄道運賃八割値上が、目下デフレ不況に悩んでおりまするところの国内産業と民生に多大の影響を與える点を考慮に入れなければならないのであります。即ち運賃値上は当然公定価格の値上りを伴いまして、米価、ガス、電気料金その他の公債の値上りに更に拍車をかけることは、必然的であると言わねばならないのであります。一方給與ベースはこれを改訂しない。こういうような状態の下に、又給與の遅配欠配に悩んでおるところの労働者、倒産に瀕しておりますところの
中小企業
者、これらの勤労大衆の生活の上に多大の惡影響を與えることを最も憂慮せねばならないと思うのであります。それと同時に、この運賃値上を公定物価の値上りに吸收いたしましても、一般産業は目下デフレ不況でありまして、有効需要は更になく、その打撃は正に致命的であります、先般の公聽会におきまして、
中小企業
団体代表の言葉は誠に我々の胸に切々と打つものがあるのであります。特に全国二百二十五万の林業関係、木材業を初めといたしまして、鉱石、砂利、バラス、亜炭、家具、農水産物関係等、広汎な一般産業は全く衰退の危機にすら追詰められておるのであります。このような一般産業に大きな打撃を與える点におきまして、我が党はこの八割値上には遺憾ながら
反対
せざるを得ないのであります。 理由の第二点は、日本経済の現状からいたしまして、国鉄の独立採算はむしろ漸を追うて行うことが適切であると信ずるものであります。即ち国鉄の経理面から見まして運賃値上は避け難いということはよく存じておりまするが、一国経済への打撃を軽減するために、これを漸進的に而も計画的に行いまして、特に今日の不況下に悩んでおりまするところのこのときに、運賃値上が却つて国鉄の利用減となりまして、更に收入減を招くことを我々は考えなければならないのであります。先の旅客運賃六割の値上の結果におきましたる事例を見ましても明らかでありまするがごとくに、即に当初旅客運賃六割の値上によりまして二百三十一億の増收を見込んでおつたのが、結局利用減によりまして百四十四億の收入にしかなつておりません。差引八十七億の減收、即ちこの赤字の主困というものがここにあることを我々は銘記せなければならないのであります。今後は更にデフレ不況が深刻になることを見込みましたならば、如何に貨物運賃の利用減の率を少く見積つてはおるといたしましても、やはりそのための影響というものは多大であるということを予想しなければならない。その結果物資の輸送は地域的な変調を来たしまして、日本再建計画のこの常道というものが停頓し、而も又鉄道自体もその結果におきましては、運賃値上が惡影響をして收入減をするというような、こういう結果となりますれば、何のために値上をするのか、その基本的な理由すらなくなりますことを我々は考えなければならないのであります。 以上述べましたような主要な理由によりまして、日本社会党は、日本経済の安定平常化と睨み合せて、計画的に、漸進的に値上を主張するものでありまして、
政府
案のごとき、一挙に八割の値上をする、海運九・三割の値上をするというがごときことに対しましては
反対
を表明するものであります。
佐藤尚武
27
○
議長
(
佐藤尚武
君) 中野重治君。 〔中野重治君登壇、拍手〕
中野重治
28
○中野重治君 日本共産党はこの値上案に
反対
であります。日本共産党は貨物運賃を八割乃至九割三分七厘値上するということに
反対
である。その理由を簡單に述べましよう。 先ず第一に、こういう無茶なことをやれば国の産業が破壊される、これが第一。これは先程
委員長
の
報告
の中にも触れられましたが、木材産業の問題なんかがある。
委員長
は北海道の方だからよく御存じでありましようが、北海道について見ると、こういう値上をすれば、今まででさえ価格の中の運賃部分が八三%であつたのが一一五%に上る。山元価格を更に一五%はみ出るというようなことになる、これは勿論業者の破綻を招きます。現に業者の三五%が仕事をやめ転業、廃業している。これが若し値上されれば転廃業は五〇%になる。そうすると業者二十万が路頭に迷う。山林木材関係の労働者が二百二十五万困つて来る。家族を合せれば千二百万人がその日に困るようになつて来る。関連産業の人を入れれば二千五百万の人々が苦しんで来る。これは皆さん或る程度までどなたもよく御存じのことであります。木材、石炭、セメント、農作物、水生物、こういうものは逆に言えば八千万全同胞に関して来るのであつて、この値上というものは八千万人の我々の生活を破壊するということになる。これが第一の問題です。 第二の問題は、こういうことをやつてみても、それはやれぬ。実際効果がない。赤字を埋めるとか何とか言つておりますけれども、それは実際にできない。これは今度吉田内閣になつてから二度目の値上げでありますけれども、これをやつてもうまく行かないということは、今日までの何度もの値上がどういう結果に立至つたかということで証明されている。五月に、さつきも社会党、無所属の代表の方が言われましたように、六割の旅客運賃の値上をやつている。それでも追つつかない。十万乃至十二万人を相当程度棍棒を動員して首切つたけれども追つつかない。そうしてあの八十七億というような数字が僞りの数字であるということもすでに明らかに証明されている。そういうものをこういう値上で埋めようとしてもそれは駄目だということは、過去の経験から分るだけでなく、運輸省が出した文書によつて証明されている。運輸大臣もよく知つているだろうと思いますが、国鉄の七十五周年記念のとき金を使つて祭をやりましたが、あのドンチヤン騒ぎの祭のとき、仕事の一部としてパンフレツトを作つて我々に配付して来た。諸君すでにこれを読んでいる筈だ。あの中にちやんと書いてある。運賃を値上して金を儲けようという場合には、貨物運賃の値上は駄目だ。旅客運賃の値上をやつた方が儲かる。なぜかと言えば、人間は幾らでもぎゆうぎゆう詰められる。貨物というものは幾ら儲けを上げようと思つても、一定の嵩を持つているからして、これはそう詰め込むことはできないと、ちやんと書いてあります。幾ら吉田総理大臣が民自党の中ではワン・マンであるといつても、一安の容積を持つている貨物を縮めることはできない。(笑声)こういうことは到底できない。若しこういうことをやろうとすれば、それは第一段の問題からも明らかなように、日本の産業を徹底的に破壊する。中小業者を全部ベタ一面にぶつ潰してしまうということをやつて、そうしてこの日本の全経済をどこかに持つて行こうというのでなければこれはできない。これは明瞭であります。このことは民自党の諸君も御承知であつて、この二十八日に木材関係の業者の代表、関係労働組合の代表の方が来られて各党の人が皆会つております。これは緑風会では寺尾議員が会つておる、民自党では西山議員及び淺岡君が会つておる、社会党では木下君、民主党から高橋君、共産党の我々も行つております。従つてこの際この人々が個人としては皆この値上案に
反対
だということを言つておる。現に民自党の西山君のごときは吉田総理大臣の郷里の土佐で木材業を営んでおる。この人は困る々々と言とておる。だから「淺岡君よ、君は我が党の中でも政治力がある。君が一つ奪鬪して貰いたい」と、こう言つておる。その際に淺岡君は、「自分は……」(笑声)これは決して笑い事ではありません。よく考えて頂きたい、「個人としては
反対
だけれども、党には党の意見というものがある。なかなかうまく行かんことがあるのだ」という話があつた。そこで業者並びに組合の代表から、「そういうことはあるだろう。併しながらこの問題は国と人民全体に関することなんだから奮鬪して貰いたい。私は」……私はというのはその発言者ですが……「私は淺岡先生のジヤンバルジヤンを昔見たことがある。非常に感動した。一つそのつもりで国会で奮鬪して貰いたい。」(拍手、笑声)それでですね、その際、淺岡君は言葉に詰つておる。その言葉に詰つたということは、やはり淺岡君の中に一片の良心が残つておる証拠だろうと我々は思う。(「個人的なことを言うな」と呼ぶ者あり、笑声)これを個人的なものだと言おうとする者こそ全く個人的だ。それですから、この問題に関してはすべての党派が事実はよく分つておる。(「人身攻撃をやるな」と呼ぶ者あり)何が人身攻撃だ。それだから、そのときこういうことを言われた。「各党には党の問題があるだろうが、党の分裂を賭しても国と人民を救うというために働くならば、その人人は政治的生命を将来に亘つて持つだろう。又我々はこれを持たせる。そうでなければその政治的生命は失われるだろう」と言明しておる。それですから、この問題は單に一法案の問題ではありません。ここでこれを無理にやれば国の産業が全く破壞される。これをやつたところで実際はうまく行かない。無理にやろうとするならば、国を徹底的に破壞するということでなければやれない。そのことはすべての人がよく分つておる。それだからすべての人がよく分つておるそのことを、彼らの中にある日本人としての最後の良心の一かけを生かす方向へ我々は進めればよい、勇気を持つて……。そうすれば国の産業も破壞されずに済む。国鉄の復興も完全になる。單に木材、砂利、石炭、農水産関係の人々の生活が助かるということだけでなく、それによつて、それと不可分の相当部分を占めるところの日本の全人民の生活が明るい方向に行く。このことをすべての人が分つておるのにやらないとすれば、それは、その心事を疑われるということになります。私は多くの諸君がこのことはすでに御承知のことなんですから、その承知のところを実行するという勇気を振るつてこの案に必ず
反対
されるであろうということを期待して、我が党の
反対
の意見を述べます。(拍手)
佐藤尚武
29
○
議長
(
佐藤尚武
君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔起立者多数〕
佐藤尚武
30
○
議長
(
佐藤尚武
君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。(拍手) —————・—————
佐藤尚武
31
○
議長
(
佐藤尚武
君)
日程
第七、
図書館運営委員長報告
。図書館運営
委員長
三木治朗君。 ————————————— 〔三木治朗君登壇、拍手〕
三木治朗
32
○三木治朗君 図書館運営委員会におきましては、国立国会図書館法の規定に基きまして、国立国会図書館の経過
報告
の件、国立国会図書館組織規程の一部を
改正
する規程案に関する件、並びに国会図書館法による出版物の納入に関する規定に関する件等につきまして審査いたしましたので、その経過並びに結果をここに御
報告
申上げます。 先ず国立国会図書館の経過について、国立国会図書館長より
昭和
二十四年四月以降同年九月まで半ケ年間に亘るところの
報告
を受けたのであります。その大要を申上げますと、国立国会図書館職員の人事については、その数、館長以下四百九十一名、内、主事以下百八十九名、雇用人三百二名となつており、部局長の変更については管理部長と支部図書館部長が交代したとのことであります。次に庁舎については、議事堂内に調査及び立法考査局分室を設けまして、同局の大部がこれに移転し、更に九月に三宅坂に官舎を建築し、分室といたしまして、議事堂内の調査及び立法考査局の大部、国際業務部、一般考査部の官庁出版物課がこれに移転いたしたとのことであります。又図書及びその他の図書館資料は、九月末現在において図書及び、パンフレツト三十五万七千三百七十四冊、雑誌三千五百八十五種、新聞通信類四百二十九種、その他地図、楽譜、レコード等千三百七十二点となつておるのであります。本年度図書館資料受入数は図書二万九千八百二十六冊、雑誌三千七百九十八種、新聞四百四十一種、その他地図、レコード、楽譜等九百三十七種、図書登録数は総計五万四千百二十一冊であります。整理数は和漢書が三万伊千百二十冊、洋書五千九百四十三冊であるとのことであります。国会に対する奉仕といたしましては、調査及び立法考査局がこれに当りまして、本年五月に
法律
資料整備委員会を
設置
いたしまして種々便宜を図ると共に、考査件数も法制、政治、産業、貿易、農業、財政、金融、文教、社会、労働等、その数百十六に亙つておるとのことであります。又立法資料の刊行をなし、その奉仕に努めており、更に行政、司法各部門、一般国民への奉仕についても努力をいたしておるとのことであります。図書の国際交換につきましては、国及び
地方公共団体
の出版物の納入三万三千七百四十一点、国際交換用といたしまして、外国に送付いたしました数二万七千六百七十五点、各国
政府
間交換図書及び逐次刊行物七千六百五十七部となつておりまして、尚又ユネスコ本部より国立国会図書館が日本における図書交換機関に
指定
され、国際交換の斡旋等をもなしておるとのことでありました。委員会としましては別に
異議
もなく、以上の
報告
を了承いたしたのであります。 次に、国立国会図書館組織規程の一部を
改正
する規程案について申上げます。この規程は、行政部門支部図書館の
設置
されている関係省府
設置
法の制定に伴つて支部図書館の名称を変更すること、支部逓信省図書館を支部郵政省図書館及び支部電気通信省図書館の二つといたすこと、及び日本学術会議に支部図書館を
設置
すること等を内容とするものでありまして、本委員会は愼重
審議
の上、所要の措置であることを認めまして、承認を與えることに決定いたしたのであります。 次に、国立国会図書館法による出版物の納入に関する規程は、先に国会において通過いたしました国立国会図書館法の一部を
改正
する
法律
により設けられました出版物の納入に関する規程でありまして、すでに七月一日から施行されているものでありますが、本委員会はこの処置を妥当と認めまして、事営承認を與えることに全会一致決定を見た次第であります。 以上御
報告
申上げます。(拍手) —————・—————
佐藤尚武
33
○
議長
(
佐藤尚武
君) この際、
日程
の順序を変更して、
日程
第八より第十までの
請願
及び、
日程
第二百三十六の
陳情
を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤尚武
34
○
議長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。労働委員会理事平野善治郎君。 ————————————— 〔平野善治郎君登壇、拍手〕
平野善治郎
35
○平野善治郎君
只今議題
となりました
請願
第百十七号、
失業対策確立
に関する
請願
、同第二十一号、
土建労働
に関し
労働基準法特例設置等
の
請願
、同じく第六百二十五号、賃金遅拂および
分割拂解消対策
に関する
請願
及び
陳情
第三十四号、
失業救済事業実施
に関する
陳情
、右の四件につきましては、労働委員会において審査の結果、これを採決し、院議に付し、内閣に送付を要するものと決定いたしました。右御
報告
申上げます。
佐藤尚武
36
○
議長
(
佐藤尚武
君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
及び
陳情
は
委員長報告
の通り採決し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔起立者多数〕
佐藤尚武
37
○
議長
(
佐藤尚武
君) 過半数と認めます。よつてこれらの
請願
及び
陳情
は採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
佐藤尚武
38
○
議長
(
佐藤尚武
君) この際、
日程
の順序を変更して、
日程
第十一より第十三までの
請願
及び
日程
第二百三十七の
陳情
を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤尚武
39
○
議長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。人事
委員長
中井光次君。 ————————————— 〔中井光次君登壇、拍手〕
中井光次
40
○中井光次君
只今議題
となりました
請願
三件、
陳情
一件について、本委員会の
審議
に経過並びに結果について御
報告
申上げます。 先ず
請願
第百五十一号、
建設省職員
中
特殊作業従事職員
に
特殊勤務手当支給
の
請願
であります。この
請願
は、
建設省職員
でその性質上は当然特殊勤務手当を支給されるべき危險作業、防災作業、不健康作業に従事しておりながら、たまたま
政府
職員の特殊勤務手当に関する政令から除外されておるために、全然その支給を受けることができずに放置されておる者があります。でありまするから、速かにこれを是正して、特殊勤務手当を支給せられたいとの趣旨であります。同じ
政府
職員で同じような或いは港湾又は河川の水中における潜水作業に従事しながら、或いは同じような関門トンネルの掘鑿作業に従事しながら、運輸省職員であれば手当が支給され、たまたま
建設省職員
であれば支給されないというのは不公平であるというのであります。本委員会は
請願
の趣旨を妥当と認めました。 次に
請願
第二百三十四号、
国際無線通信士
の
待遇是正
に関する
請願
でありまするが、この
請願
は、
国際無線通信士
が先般の新給與実施に関する
法律
に基く号俸の決定に際しまして、比較的待遇が惡くなつておる現状であり、ために国際通信運営に支障を来す虞れがありまするから、これを一般俸給表より除外して、特別俸給表を適用し、その十級職まで昇進の途が開かれたいとの
請願
でありまするが、
国際無線通信士
の業務の複雑困難なことと、責任の重大なることとに鑑みまして、その昇進の途を開かれたいという
請願
の趣旨は妥当であると認めた次第であります。 次に
請願
第四百五十六号、佐賀県
有田
、
東有田両町官公吏
の
地域給引上げ
に関する
請願
であります。本
請願
は、佐賀県
有田
及び東
有田
町の官公吏の地域給を乙地域に引上げて貰いたいとの
請願
でありますが、
有田
及び東
有田
の両町は、西方に甲地域である佐世保市、東方に乙地域である武雄町を控え、これに隣接し、その中間に位する四面岩石の山岳に囲まれた帶状型の工業地帶でありますので、佐世保、武雄は双方共に相当物価の高いところであり、その影響とその特殊の地理的條件により、二つの町は物価指数の上昇甚だしいところでありまするから、乙地域に引上げられたいという
請願
の趣旨は妥当であると考えられる次第であります。 次に、
陳情
第二十四号、
官公吏勤務地手当支給区域
より島根県
除外反対
の
陳情
でありますが、本
陳情
は、島根県内で従来より支給されていた勤務地手当が近き将来廃止される虞れあるにつき、従来通りの支給を続けて貰いたいとの
陳情
であります。 本委員会は以上
請願
三件、
陳情
一件の
請願
趣旨を妥当とし、
政府
をしてその実情を調査せしめ、適当の措置をとらしめる必要があるので、これを議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。以上簡單でありまするが、委員会における
請願
、
陳情
の
審議
の経過並びに結果を御
報告
申上げる次第であります。
佐藤尚武
41
○
議長
(
佐藤尚武
君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
及び
陳情
は
委員長報告
の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
佐藤尚武
42
○
議長
(
佐藤尚武
君) 総員起立と認めます。よつてこれらの
請願
及び
陳情
は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
佐藤尚武
43
○
議長
(
佐藤尚武
君) この際
日程
順序を変更して、
日程
第十四より第二十四までの
請願
、及び
日程
第二百三十八より第二百四十までの
陳情
を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤尚武
44
○
議長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めます、先ず
委員長
の
報告
を求めます。地方行政
委員長
岡本愛祐君。 ————————————— 〔岡本愛祐君登壇、拍手〕
岡本愛祐
45
○岡本愛祐君
只今議題
となりました
請願
及び
陳情
につき審査の御
報告
を申上げます。
請願
第三百五十七号、
住民税
の
賦課期日変更
及び賦課方法の簡素化に関する件、同第三百四十七号、
法定外独立税
中
行為税
としての養ほう
税廃止
に関する件、第五百七十五号、
接收土地家屋
の地租、
家屋税減免
に関する件及び第六百五十号、
原始産業
の
事業税撤廃
に関する件の
請願
四件は、いずれもそれぞれ一応尤もの理由に基いて地方税制の
改正
を要望するものであります。
請願
第二十号、
鹿兒島市営電車軌道敷設費起債許可
に関する件、同第二百五十三号、
国会議員選挙執行費全額国庫負担
に関する件、同第三百四十二号、
起債
の
大幅許可
と
償還期限延長等
に関する件、同第四百六十三号、
需給調整規則
により交付する
登録票交付手数料免除等
の件、同第五百四十一号、
府県
に対する
国庫支出金
の算定基準適正化に関する件、及び
陳情
第三十一号、
復興都市計画事業
の
地元負担金起債認可
に関する件は、いずれも地方財政窮迫の現状に鑑み、国家の財政面における善処を要望するものであります。
請願
第百九号、
警察法改正等
に関する件及び同第百十三号、
警察制度
の
改革強化
に関する件は、いずれも現下の治安問題の重要性に鑑み、特に自治体警察を弱体から救つて
警察制度
の改善を図られたいと要望するものでありまして、切実なる地方側の叫びを代表するものと認められます。
陳情
第三十五号、
自治体消防機構強化
及び
経費国庫補助
に関する件は、自治体消防の現状に鑑み、殊に消防組織法第二十五條の規定の建前より見て尤もの要望であると認められます。最後に
陳情
第八十五号、飮食営業臨時規整法中一部
改正
に関する件は、飮食営業臨時規整法実施の経験に鑑み、利用者の不便を除くために同法の一部
改正
を要望するものであります。 以上の
請願
及び
陳情
十四件は、いずれも願意大体妥当なものと認めましたので、これを議院の会議に付して内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。 以上御
報告
申上げます。(拍手)
佐藤尚武
46
○
議長
(
佐藤尚武
君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
及び
陳情
は
委員長報告
の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔起立者多数〕
佐藤尚武
47
○
議長
(
佐藤尚武
君) 過半数と認めます。よつてこれらの
請願
及び
陳情
は採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
佐藤尚武
48
○
議長
(
佐藤尚武
君) この際
日程
の順序を変更して、
日程
第二十五より第十三までの
請願
、及び
日程
第二百四十一の
陳情
を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤尚武
49
○
議長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。法務委員会理事宮城タマヨ君。 ————————————— 〔宮城タマヨ君登壇、拍手〕
宮城タマヨ
50
○宮城タマヨ君 只今上程になりました
請願
六件、
陳情
一件の委員会におきます審査の結果につきまして御
報告
申上げます。
請願
第九十六号は福井県三国町に
簡易裁判所
の
設置
、
請願
第百五十九号は
広島
県吉田町に
簡易裁判所設置
、
請願
第百六十九号は
岐阜
県
中津簡易裁判所
に地方裁判所の
支部併置
、
請願
第五百十三号は
岐阜地方裁判所大垣支部
を
甲号支部
に
昇格
、
請願
第六百五十八号は
靜岡市
に
東京高等裁判所支部設置
の
請願
で、これらはいずれもその趣旨は誠に適切なものと認めました。又
陳情
第四十七号、
住民登録法制定
に関する
陳情
は、現行寄留制度を改革して住民登録法を制定し、常住人口の正確な把握、各種選挙人名簿の作成、生活必需物資の配給事務、徴税事務、予防接種の実施、その他複雑な市町村行政事務の簡素化に資し、市町村の財政的負担を軽減したいという趣旨で、これ又適当なものといたしまして、いずれも採択の上内閣に送付することに決定いたしました。次に
請願
第四百四号
戸籍法
中一部
改正
に関する
請願
は、衛生上の見地から出産には医師、助産婦が立会うように
改正
されたいという趣旨でございます。このことは立法事項でございますから、委員会におきましては、今後立法に当りまして考慮することにいたしまして、採択して、内閣に送付することを要しないものと決定した次第でございます。 右御
報告
申上げます。(拍手)
佐藤尚武
51
○
議長
(
佐藤尚武
君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
及び
陳情
は
委員長報告
の通り採択し、
日程
第三十の
請願
の外は内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
佐藤尚武
52
○
議長
(
佐藤尚武
君) 総員起立と認めます。よつてこれらの
請願
及び
陳情
は全会一致を以て採択し、
日程
第三十の
請願
の外は内閣に送付することに決定いたしました。 —————————————
佐藤尚武
53
○
議長
(
佐藤尚武
君) この際
日程
第三十一及び第三十二の
請願
を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤尚武
54
○
議長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。外務
委員長
野田俊作君。 ————————————— 〔野田俊作君登壇、拍手〕
野田俊作
55
○野田俊作君
請願
第百四十五号は、
鹿兒島県
大島村の村有船金十丸が
昭和
二十一年十月以来連合軍に無料接收されておりまして、同村としては金十丸の使用料が大きな財源であつた関係上、村財政逼迫のこの際同船の返還を取計らわれたいとの趣旨であります。次に
請願
第四百十二号及び第四百六十九号は、前国会を通過した在外公館等借入金整理準備審査会法に基く施行細則を明年三月に繰上げ公布して、
終戰
当時
政府
が在外邦人から借入れた資金の支拂を促進して欲しいとの趣旨であります。委員会は以上の
請願
を
審議
の結果、いずれも願意を妥当なものと認め、これを採決し、議院の会議に付し、且つ内閣に送付すべきものと全会一致を以て決定した次第であります。 以上御
報告
申上げます。(拍手)
佐藤尚武
56
○
議長
(
佐藤尚武
君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
は
委員長報告
の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
佐藤尚武
57
○
議長
(
佐藤尚武
君) 総員起立と認めます。よつてこれらの
請願
は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
佐藤尚武
58
○
議長
(
佐藤尚武
君) この際、
日程
の順序を変更して、
日程
第三十三より第四十三までの
請願
及び
日程
第二百四十二の
陳情
を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 (「
異議
なし」と呼ぶ者あり)
佐藤尚武
59
○
議長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。
大蔵委員会
理事黒田英雄君。 ————————————— 〔黒田英雄君登壇、拍手〕
黒田英雄
60
○黒田英雄君
只今議題
となりました
大蔵委員会
における
請願
及び
陳情
の審査の経過並びに結果を御
報告
いたします。
請願
第二百五十九号、
機帆船積貨物
の
海上保險料率引下げ
に関する
請願
、本
請願
は
機帆船積貨物
の海上保險料率は高過ぎるので引下げられたいという趣旨であります。未だ海上の危險が多く、早急に引下げることは困難でありますが、将来は下げらるべき性質のものでありますので、採択しました。
請願
第三百四十九号、
超過供出
に対する
課税
および桑園の二重
課税撤廃
の
請願
、この
請願
は
超過供出
に対する
課税
を撤廃して生産意欲を向上させると共に、桑園所得と繭の生産所得に
課税
する二重
課税
を撤廃されたいという趣旨であります。食糧生産の緊要なる今日、
超過供出
に対する
課税
の免除は考慮すべきであり、又桑園の二重
課税
については査定の誤まりをなくすため、採択いたしました。
請願
第三百五十四号、
所得税調査委員制度設定
に関する
請願
、この
請願
は各税務署管轄ごとに納税者の公選による事得税調査委員制度を設けられたいとの趣旨であります。現在は税務機構が確立してないので、本制度を採用することは妥当であると認めて採択いたしました。
請願
第四百八号、
豪風雨被害者
に対する
税金減免
の
請願
、本
請願
は前回の台風によつて
鹿兒島県
を中心とした地方は大被害を蒙むつたので、実情に即した減免の処置を早急に講じられたいとの趣旨であります。被害者を若干でも救済する意味で、この趣旨は妥当であると認めて採択しました。
請願
第四百十一号同じく第四百七十号、
国民金融公庫拡充
に関する
請願
、本
請願
は、国民金融公庫の資本金を
増額
し、又支所を増設して大衆の便宜を図られたいという趣旨であります。現在の国民金融公庫は極めて貧弱でありまして、この趣旨を実現させることは妥当であると認めて採択しました。
請願
第四百四号、
所得税
の
同居家族合算申告制廃止
に関する
請願
、本
請願
は、
所得税
について行われている同居家族合算申告制度は、婦人の社会進出の意欲を妨げているから同制度を廃止されたいというのであります。資産所得
課税
については廃止は困難でありますが、勤労
所得税
については適切と認めて採択しました。
請願
第五百四十号、
大阪
市高速度鉄道工事促進に関する
請願
、本
請願
は、見返資金を使つて失業救済に最も効果ある
大阪
市高速度鉄道工事を促進せられたいという趣旨であります。この工事は失業対策に適しているので、見返資金割当の際考慮すべき価値があると認めて採択しました。
請願
第五百四十四号、
国民金融公庫宮崎支所設置
に関する
請願
、本
請願
は、
中小企業
者の多い
宮崎
県に国民金融公庫の支所を設けられたいという趣旨であります。支所の拡張は緊要であると認められるので採択いたしました。
請願
第五百九十四号、
福岡
県添田町
二又トンネル爆発り災者
の
救済更生
に関する
請願
、本
請願
は、元軍用火薬を燒却処分中、爆発して死傷者を出したのみならず、衣類、家具類に大被害を出したので、速かに救済の処置を講ぜられたいというのであります。未だ何らの救済も講じられてないので、早急に補償する必要があると認めて採択しました。
請願
第六百六十四号、
織物消費税引下げ
による
交付金算定
の
請願
、本
請願
の趣旨は、
織物消費税引下げ
に伴う補償について納税証拠書類等により算定されたいというのであつて、適切な算定方法であると認めて採択しました。
請願
第六百七十三号、
自動車産業
に対する
月賦販売資金融資
の
請願
、本
請願
は輸送計画確保のため
自動車
(トラツク、バス等)の月賦販売によつて
自動車
の入手を容易にできるよう、日銀の補償によつて
融資
されたいとの
請願
であります。
自動車
(トラック、バス等)を普及せしめるため、何らか考慮することが適当と認められますので採択しました。
陳情
第四十一号、戰災都市の
火災保險料率変更
に関する
陳情
、この
陳情
は、戰災地は火災防止の態勢が確立せられて、安全度は著しく向上し、非戰災都市と区別する理由を認められないから、火災保險料率を非戰災都市と同率とせられたいというのであります。適当な趣旨と認めて採択しました。 以上十三件は内閣に送付する必要あるものと認めて採択いたした次第であります。(拍手)
佐藤尚武
61
○
議長
(
佐藤尚武
君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
及び
陳情
は
委員長報告
の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
佐藤尚武
62
○
議長
(
佐藤尚武
君) 総員起立と認めます。よつてこれらの
請願
及び
陳情
は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
佐藤尚武
63
○
議長
(
佐藤尚武
君) この際、
日程
の順序を変更して、
日程
第四十四より第六十九までの
請願
及び
日程
第二百四十三及び第二百四十四の
陳情
を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤尚武
64
○
議長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。文部委員会理事松野喜内君。 ————————————— 〔松野喜内君登壇〕
松野喜内
65
○松野喜内君
只今議題
となりました
請願
八十二件、
陳情
四件につきまして、文部委員会の
審議
の経過並びに結果について御
報告
申上げます。
請願
第十二号外六十八件、
陳情
第九十三号外三件は、六・三制予算の
増額
と義務教育における定員定額制の廃止に関するものでございます。
請願
第五百六十七号外三件は、国宝の修理、保存、研究並びに
現状変更
に関するものでございます。
請願
第十四号外八件は、暦法
審議
会の
設置
、科学研究費、育英事業費の
増額
、国立学校の
設置
、戰災学校等に対する復興貨付金の復活及び積雪地方の兒童、教職員に対する
ゴム長靴
の配給等に関するものでございます。 以上につきまして本委員会は十分愼重に
審議
いたしました結果、いずれも
請願
、
陳情
の趣旨を適当と認めまして、これを採択いたし、
政府
に送付すべきものと決定いたしました次第であります。これが
審議
の詳細につきましては委員会の速記録により御了承を願いたいと存じます。以上を以ちまして
只今議題
となりました文部関係の
請願
、
陳情
について御
報告
を終ります。(「うまいぞ」と呼ぶ者あり、拍手)
佐藤尚武
66
○
議長
(
佐藤尚武
君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
及び
陳情
は
委員長報告
の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
佐藤尚武
67
○
議長
(
佐藤尚武
君) 総員起立と認めます。よつてこれらの
請願
及び
陳情
は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
佐藤尚武
68
○
議長
(
佐藤尚武
君) この際、
日程
の順序を変更して、
日程
第七十より第九十七までの
請願
及び
日程
第二百四十五の
陳情
を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤尚武
69
○
議長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。厚生
委員長
塚本重藏君。 ————————————— 〔塚本重藏君登壇、拍手〕
塚本重藏
70
○塚本重藏君 只今上程せられました
請願
四十四件、
陳情
二件につきまして、厚生委員会における
審議
の経過とその結果を御
報告
申上げます。
日程
の第七十より第七十六までの
請願
十一件、及び
日程
第二百四十五の
陳情
二件は、いずれも
国民健康保險
に関するものでありまして、
請願
及び
陳情
の趣旨は、
国民健康保險
に対する
国庫補助
の
増額
、事業費の全額国庫負担、直営診療所
設置
費
国庫補助
等いずれも
予算増額
に関するものであります。
日程
第七十七より第八十七までの
請願
十一件は医療及び公衆衛生に関するものでありまして、療養所の予算の
増額
、看護婦、助産婦の再教育費
増額
及び待遇改善、桜島、指宿、開聞、尾久島一帶及び妙高高原一帶を
国立公園
に
指定
、
上野公園
不
忍池埋立反対
、
高知
県須崎町の上水道増補改良工事費国庫負担
増額
等の要望であります。
日程
第八十八より第九十三までの
請願
六件は社会福祉関係のものでありまして、
請願
の要旨は未亡人母子の保護、入院者の生活扶助基準額の引上げ、社会事業基本法及び授産事業法の制定、消費生活協同組合法の一部
改正
、
地方公共団体
が
公共施設
として利用する
普通国有財産
を
行政財産
に移讓せられたい等の
請願
であります。 以上申上げました
請願
二十八件、
陳情
二件につきまして、委員会におきましては各紹介議員及び
政府
当局よりの説明を聽取し、或いは民間団体の意見を聽取し実情を調査する等、各般に互り検討いたしまして愼重
審議
の結果、いずれも議院の会議に付して内閣に送付すべきもの決定いたしました。
日程
第九十四より第九十七の
請願
十六件は、いずれも身体
障害
者の福祉法を制定して貰いたいとの要望でありますが、本国会にはすでにこれらの要望に応えまして、厚生委員発議にかかります身体
障害
者福祉法案が提出せられまして、只今
審議
中でありまするので、これを院議に付して採択し、内閣に送付を要せざるものと決定いたしました。 以上御
報告
を終ります。(拍手)
佐藤尚武
71
○
議長
(
佐藤尚武
君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
及び
陳情
は
委員長報告
の通り採択し、
日程
第九十四より第九十七までの
請願
の外は内閣は送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
佐藤尚武
72
○
議長
(
佐藤尚武
君) 総員起立と認めます。よつてこれらの
請願
及び
陳情
は全会一致を以て採択し、
日程
第九十四より第九十七までの
請願
の外は内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
佐藤尚武
73
○
議長
(
佐藤尚武
君) この際、
日程
の順序を変更して、
日程
第九十八より第百五十三までの
請願
及び
日程
第二百四十六より第二百五十二までの
陳情
を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤尚武
74
○
議長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。農林委員会理事石川準吉君。 ————————————— 〔石川準吉君登壇、拍手〕
石川準吉
75
○石川準吉君
只今議題
となりました
請願
、
陳情
につきまして、農林委員会におきまする
審議
の経過並びに結果を御
報告
申上げます。 昨十一月三十日までに農林委員会に付託せられましたところの
請願
、
陳情
は、
請願
におきましては六十八件、
陳情
におきましては十二件でありますが、これらにつきまして委員会におきましては愼重
審議
をいたしました結果、
只今議題
となりましたところの
請願
即ち
日程
第九十八以上五十七件、
陳情
日程
第二百四十六以下六件、これらはいずれも
土地改良
或いは災害復旧の完遂、或いは農業補償制度の拡充、或いは食糧政策の刷新等でありまして、農林業の発展及び民生の安定のために極めて重要な事項でありまするので、願意を妥当と認めまして、院議に付し内閣に送付することに決定した次第であります。簡單でありますが御
報告
申上げます。(拍手)
佐藤尚武
76
○
議長
(
佐藤尚武
君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
及び
陳情
は
委員長報告
の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
佐藤尚武
77
○
議長
(
佐藤尚武
君) 総員起立と認めます。よつてこれらの
請願
及び
陳情
は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
佐藤尚武
78
○
議長
(
佐藤尚武
君) この際
日程
の順序を変更して、
日程
第百五十四より第百六十までの
請願
及び
日程
二百五十三より第二百五十六までの
陳情
を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶものあり〕
佐藤尚武
79
○
議長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。通商産業委員会理事廣瀬與兵衞君。 〔
議長
退席、副
議長
著席〕 ————————————— 〔廣瀬與兵衞君登壇、拍手〕
廣瀬與兵衞
80
○廣瀬與兵衞君
只今議題
となりました
請願
及び
陳情
に関する通商産業委員会の審査の結果について御
報告
申上げます。
請願
文書表第百十号、
東北鉱山
の
鉱業政策確立
に関する
請願
、同じく第三百五十三号、小中企業に対する
融資促進
の
請願
、同じく第三百六十五号、
天然ガス開発事業
に対する
融資
の
請願
、同じく第四百十六号、
上椎葉水力発電所建設工事促進
に関する
請願
、同じく第四百六十八号、
上椎葉水力発電所建設工事促進
に関する
請願
、同じく第五百二十七号、
寒冷地
に
衣料等特配
の
請願
、同じく第六百六十号、
広畑製鉄所早期再開促進
に関する
請願
、同じく第六百六十一号、
自動車
の
輸出促進
に関する
請願
、次に
陳情
文書表第三十三号、
上水道供給電力割当制度改正
に関する
陳情
、同じく第四十九号、
度量衡法
中一部
改正
に関する
陳情
、同じく第五十五号、
松尾鉱山鉱毒対策費国庫補助
に関する陳通、同じく第九十一号、
中小企業
の
金融難打開
に関する
陳情
、以上
請願
八件、
陳情
四件は、
政府
委員の出席を求め実情を聽取の上、愼重な
審議
の結果、願意を大体妥当と認め、これを採択、議院の会議に付するを要し、内閣に送付するを要するものと審査決定いたしました次第でございます。 右御
報告
申上げます。(拍手)
松嶋喜作
81
○副
議長
(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
及び
陳情
は
委員長報告
の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔起立者多数〕
松嶋喜作
82
○副
議長
(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつてこれらの
請願
及び
陳情
は採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
松嶋喜作
83
○副
議長
(松嶋喜作君) この際、
日程
の順序を変更して、
日程
第百六十一より第百九十三までの
請願
及び
日程
第二百五十七より第二百六十までの
陳情
を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松嶋喜作
84
○副
議長
(松嶋喜作君) 御
異議
ないものと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。運輸委員会理事小泉秀吉君。 ————————————— 〔小泉秀吉君登壇、拍手〕
小泉秀吉
85
○小泉秀吉君
只今議題
となりました
日程
第百六十一より第百九十三までの
請願
並びに第二百五十七より第二百六十までの
陳情
につきまして、詳細は委員会の速記録を御覧願うことにして、委員会の審査の結果を御
報告
申上げます。
請願
第五号、
小名浜海上保安署
を
保安部
に
昇格
の
請願
外三十四件並びに
陳情
四件は、いずれも願意を妥当と認めまして、議院の会議に付し、内閣に送付を要するものと決定いたしました。 以上御
報告
申上げます。(拍手)
松嶋喜作
86
○副
議長
(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
及び
陳情
は
委員長報告
の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔起立者多数〕
松嶋喜作
87
○副
議長
(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつてこれらの
請願
及び
陳情
は採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
松嶋喜作
88
○副
議長
(松嶋喜作君) この際、
日程
第百九十四より第二百までの
請願
を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松嶋喜作
89
○副
議長
(松嶋喜作君) 御
異議
ないと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。郵政
委員長
山田佐一君。 ————————————— 〔山田佐一君登壇、拍手〕
山田佐一
90
○山田佐一君
只今議題
となりました
請願
について、郵政委員会の審査の経過並びに結果を御
報告
いたします。
日程
百九十四から二百号、以上七件、いずれも所在地の情勢変化に伴う郵政関係の官署又は施設の改善に関するものでありまして、審査の結果、委員会はいずれも願意を妥当と認め、これを採択し、議院の会議に付し、且つ内閣に送付すべきものと、全会一致を以て決定いたしました次第であります。 以上御
報告
申上げます。(拍手)
松嶋喜作
91
○副
議長
(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
は
委員長報告
の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
松嶋喜作
92
○副
議長
(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつてこれらの
請願
は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
松嶋喜作
93
○副
議長
(松嶋喜作君) この際、
日程
の順序を変更し、
日程
第二百一より二百十七までの
請願
及び
日程
第二百六十一より第二百七十までの
陳情
を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松嶋喜作
94
○副
議長
(松嶋喜作君) 御
異議
ないと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。建設委員会理事島津忠彦君。 ————————————— 〔島津忠彦君登壇、拍手〕
島津忠彦
95
○島津忠彦君
只今議題
となりました
請願
十七件及び
陳情
十件につきまして、建設委員会の
審議
の結果を御
報告
いたします。 岡山県旭川改修及び合同用水の両工事、靜岡県潤川治水事業、長野県千曲川、犀川の根本的治水事業、
東京
都
西部地区
各河川の改修、佐賀県田手川、嘉瀬川、城原川の改修、宮城県下各河川、長野県女鳥羽川附近の治山治水事業、
広島
県下の砂防事業に関するものは、河川の改修、砂防工事の施行等、治山治水事業の施行の促進、若しくは
国庫補助
の
増額
を要請するものであります。南海大地震により地盤の沈下、隆起に伴い、四国各地の
漁港
関係に関する障碍対策の外、災害復旧事業の
国庫補助
若しくはその
増額
に関するものは、
宮崎
県、和歌山県及び
東京
都葛飾区より提出せるものであります。道路の改修、橋梁に関するものは、
名古屋
、新潟両市間の国県道の改修、四国中央産業道路、
高知
市、西條市間道路の改修、
府県
道小郡吉部線、俵山古市停車場線、小野田太田線中、御釈迦堂とうげの改修、及び下関市、小野田市内の道路の補裝補修に関するものと、愛知県知多半島亀崎、高浜間の架橋に関するものであります。この外、
山形
県最上地域
総合開発
の促進、
滋賀
県愛知川沿岸の
総合開発
、
東京
都文教地区の整備事業、及び
接收土地家屋
の借
上料増額
に関するものであります。 各諸件は建設委員会において、現下最も緊要なる治山治水、災害復旧の施策として、又地方交通産業の発達のために甚だ重要なものとして、又特定地区の開発、戰災都市復興整備等のために、これを院議に付して内閣に送付することを要するものと決定いたした次第であります。右御
報告
いたします。(拍手)
松嶋喜作
96
○副
議長
(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
及び
陳情
は
委員長報告
の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
松嶋喜作
97
○副
議長
(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつてこれらの
請願
及び
陳情
は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
松嶋喜作
98
○副
議長
(松嶋喜作君) この際、
日程
第二百十八より第二百三十五までの
請願
及び
日程
第二百七十一の
陳情
を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松嶋喜作
99
○副
議長
(松嶋喜作君) 御
異議
ないと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。水産
委員長
木下辰雄君。 ————————————— 〔木下辰雄君登壇、拍手〕
木下辰雄
100
○木下辰雄君
只今議題
となりました
請願
十八件、
陳情
一件に関しまして、水産委員会における
審議
の経過並びにその結果を御
報告
いたします。
請願
九十三号は、
水産業協同組合法
の
改正等
に関する
請願
であります。五百七十四号は
漁船法
および
漁船船員法制定
に関する
請願
であります。
陳情
第二十二号は
水産業協同組合法
中一部
改正等
に関する
陳情
であります。 右三件はいずれも願意妥当としてこれは
水産業協同組合法
中一部
改正等
に関する
陳情
であります。 右三件はいずれも願意妥当としてこれを採択し、議院の会議に付することに決定いたしました。 次に、
請願
第百四十七号は
冷凍水産物
の検査に関する
請願
であります。五百二十九号は、茂生港船入ま
修築
に関する
請願
であります。五百六十九号は、
漁業金融
に関する
請願
であります。五百七十一号は、
まき網漁業許可方針確立
に関する
請願
であります。五百七十二号は、
魚族資源
の
維持培養
に関する
請願
であります。五百九十三号は、
さんま漁解禁日変更
に関する
請願
であります。六百二十六号は、
根白漁港修築工事促進
に関する
請願
であります。六百二十七号は、
磯鶏漁港修築
に関する
請願
であります。六百二十八号は、
田老漁港修築
に関する
請願
であります。六百三十号は、
岩手
県下の
漁港
、船だまり、船揚場
修築
費
国庫補助
等に関する
請願
であります。六百三十一号は、
瀬崎漁港施設災害復旧
に関する
請願
であります。六百三十二号は、小浜港船揚場施
設工事促進
に関する
請願
であります。六百三十三号は、
岩手
県崎浜の
防波堤延長
および
物揚場
築設に関する
請願
であります。六百三十四号は、
吉里吉里漁港修築工事継続
に関する
請願
であります。六百三十五号は、太田名部港船だまり
工事継続
に関する
請願
であります。六百三十八号は、野田港に
漁港
および避難港を施設して貰いたいという
請願
であります。 以上十六件の
請願
は、いずれも願意妥当としてこれを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。以上御
報告
いたします。(拍手)
松嶋喜作
101
○副
議長
(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの
請願
及び
陳情
は
委員長報告
の通り採択し、
日程
第二百二十三及び第二百三十五の
請願
及び
日程
第二百七十一の
陳情
の外は内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
松嶋喜作
102
○副
議長
(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつてこれらの
請願
及び
陳情
は全会一致を以て採択し、
日程
第二百二十三及び第二百三十五の
請願
及び
日程
第二百七十一の
陳情
の外は内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
松嶋喜作
103
○副
議長
(松嶋喜作君) 参事をして
報告
をいたさせます。 〔根本参事朗読〕 本日
委員長
から左の
報告
書を提出した。
昭和
二十四年度一般会計予算補正(第一号)可決
報告
書
昭和
二十四年度特別会計予算補正(特第一号)可決
報告
書
昭和
二十四年度
政府
関係機関予算補正(機第一号)可決
報告
書 —————・—————
松嶋喜作
104
○副
議長
(松嶋喜作君) この際、
日程
に追加して、
昭和
二十四年度一般会計予算補正(第一号)、
昭和
二十四年度特別会計予算補正(特第一号)、
昭和
二十四年度
政府
関係機関予算補正(機第一号)、以上三案を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松嶋喜作
105
○副
議長
(松嶋喜作君) 御
異議
ないと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。予算
委員長
黒川武雄君。 ————————————— 〔黒川武雄君登壇、拍手〕
黒川武雄
106
○黒川武雄君
只今議題
となりました
昭和
二十四年度一般会計予算補正(第一号)、
昭和
二十四年度特別会計予算補正(特第一号)及び
昭和
二十四年度
政府
関係機関予算補正(機第一号)案の予算委員会における
審議
の経過並びに結果を御
報告
いたします。 今回提出されました予算補正案は、シヤウプ勧告の趣旨に則り、国民負担の一部の軽減を本年度内に実現すると共に、本年度予算成立後の諸種の事情に基き、公共事業費、失業対策費、地方配付税配付金の
増額
、その他必要止むを得ない使途に充てるために所要の予算措置を講ずるの必要によるものでありまして、その財源に充当しました主なものは、価格調整費の大幅削減による不用額、前年度剩余金、租税の自然増收等であります。 先ず一般会計予算補正(第一号)について申上げますれば、その内訳は、歳入において追加額七百七十八億五千八百余万円、修正減少額四百十四億七千九百余万円、差引補正増加額三百六十三億七千八百余万円、歳出において追加額六百八十六億千百余万円、修正増加額一億三千二百余万円、修正減少額三百二十三億六千四百余万円、差引補正増加額三百六十三億七千八百余万円でありまして、この補正の結果、
昭和
二十四年度一般会計予算総額は、歳入七千四百十三億千三百余万円、歳出七千四百十億四千六百余万円と相成ります。 次に、予算補正の内容について、その主なるものを述べますれば、歳出増加額は、公共事業費の増加百六億六千万円、その内訳は、災害復旧費八十五億円、一般公共事業費六億六千万円、新制中学校舍建築費補助十五億円、失業対策事業費の増加八億五千万円、地方配付税配付金の増加九十億円、薪炭需給調節特別会計へ繰入五十四億七千万円、食糧管理特別会計へ繰入百七十億九千三百万円、失業保險特別会計へ失業保險金給付財源繰入八億五千八百余万円、郵政事業特別会計へ收入補填財源繰入四億千二百余万円、日本国有鉄道へ收入補填財源貸付金三十億五千二百余万円、船舶運営会補助の増加二十八億四百余万円、国民金融公庫出資金五億円、肥料配給公団及び油糧配給公団出資金四十二億九千四百万円、私立学校建物戰災及び震災復旧費貸付金一億二千四百余万円、更生資金貸付金二億円、行政整理に伴う恩給の増加三億五千余万円等であります。 歳出減少額は、価格調整費の減少二百三十億円、うち安定帶物資に関する分百二十八億五千百万円、輸入物資に関する分百一億四千九百万円、大蔵省証券発行割引差額の減少四億三千二百余万円、引揚人員の予定より減少による同胞引揚費の減少十億二千四百余万円、その他既定
経費
の節約三億七千九百余万円となつております。 次に、歳入予算補正の内訳は、税制
改正
による減税額二百億二百万円、租税の自然増收見込額二百十三億千二百万円、差引租税收入の増加額十三億一千万円、その他官有財産拂下代の増加十四億九千余万円、日銀及び復金納付金の増加八十二億六千万円、価格差益納付金の増加三十五億円、その他雑收入の増加十二億三千四百余万円、煙草及びアルコール專売益金の減少十五億千四百余万円、前年度剩余金受入二百六億五千百余万円となつております。 〔副
議長
退席、
議長
着席〕 次に特別会計予算補正(特第一号)は、今回新たに
設置
することになりました外国為替、輸出信用保險の二特別会計と、地方配付税配付金外十六特別会計に関するもので、いずれも本予算成立後生じた諸般の事情によりまして必要止むを得ない予算措置、又は一般会計予算補正に伴つて補正をする必要が生じたもので、その補正の総額は、歳入増加額千三百八十七億千百余万円、歳出増加額千三百四十六億千六百余万円であつて、この結果、本年度特別会計の歳入歳出予算は、歳入二兆三千三百四十八億九千五百余万円、歳出二兆三千十八億四千六百余万円となります。 又
政府
関係機関予算補正(機第一号)は、本年六月より
政府
関係機関となりましたところの日本專売公社及び日本国有鉄道に関するもの、及び価格調整公団外六公団、
復興金融金庫
、国民金融公庫並びに船舶運営会に関するものでありまして、海陸貨物運賃の改訂、輸入食糧の数量増加、米価の改訂、その他必要止むを得ない事情のために予算措置を講ずることとなつたものであります。 さて本案
審議
に当りましては、十一月十六日以来、連日委員会を開催して愼重
審議
いたし、その性質の重大なるに鑑みまして、特に十一月二十六日公聽会を開いて
審議
の参考に資し、又薪炭需給調節特別会計予算に関する小委員会を設けて、同会計の経理状況の究明を図る等、愼重を期したのであります。而して各委員より災害復旧費、減税、物価、賃金ベース、貿易の振興具体策、為替レート、金詰り、産業資金不足に伴う対策、教育、労働賃金の遅欠配、その他重要問題に関し熱心なる質疑があり、
政府
よりは、これに対し懇切なる答弁がありました。次いで十二月一日、薪炭需給調節特別会計予算に関する小
委員長
高橋啓君より
報告
がありまして後、質疑を終了し、討論に入りましたが、緑風会の飯田委員、井上委員、尾崎委員、西郷委員、高橋委員、伊達委員、田村委員、玉置委員、寺尾委員、久松委員、藤野委員、帆足委員、堀越委員、松村委員、右委員のうち、帆足委員より希望付賛成、共産党の岩間委員より
反対
、民主党の安達委員、岩木委員、小杉委員、櫻内委員、高橋委員、仲子委員、深川委員、藤森委員、油井委員、右委員のうち岩木委員より希望付賛成、社会党の岩崎委員、内村委員、岡田宗司委員、木下委員、栗山委員、波田野委員、森下委員、和田委員、右委員のうち木下委員より
反対
、新政クラブの岩男委員より希望付賛成、無所属懇談会の池田委員、木村委員のうち、木村委員より
反対
新進会の小川委員より賛成、民主自由党の岡田喜久治委員、城委員、田口委員、中川委員、西川昌夫委員、西川甚五郎委員、平岡委員、深水委員、右を代表して平岡委員より賛成の旨を述べられました。かくて、討論を終局し、採決の結果、多数を以て可決すべきものと決定いたしました。 以上本案
審議
に関しますその質疑応答、小委員会の
報告
、討論内容等の詳細につきましては、速記録により御承知を願いたいと存じます。ここに御
報告
を終ります。(拍手)
佐藤尚武
107
○
議長
(
佐藤尚武
君) 三案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。内村清次君。 〔内村清次君登壇、拍手〕
内村清次
108
○内村清次君 私は日本社会党を代表いたしまして、
昭和
二十四年度補正予算に対する
反対
の討論をするものであります。 この度の補正予算は、
政府
の説明によりますると、シヤウプ勧告による二百億の減税を行うために物価と運賃等を再調整し、併せて災害復旧等の緊急止むを得ない支出を補正すると申しておられますが、併し事実は遺憾ながら二百億の減税は、地方において二百十三億の自然増收という名目の下に増徴を伴うものでありまして、而も予算全体が著しくデフレを促進し、勤労大衆の犠牲の上に編成せられておるものであると断ぜざるを得ないのであります。 即ち
反対
の第一点は、
政府
は円の維持という名目の下に、設備資金も出さずに合理化の徹底を行うと言われておるのでありますが、これは労働者の首切りの徹底を意味するものでありまして、更に貿易の打開策にいたしましても、ただローガン方式による自由貿易に期待をかけておられるだけであります。併しこれは自主的な輸出振興ではなくて、
反対
に自由貿易方式によるところの輸入中心主義でありまして、結局は国内において不景気と国内産業の萎縮という結果となり、国外商品の輸入氾濫となりまして、農業恐慌さえも予想せられるものであります。かような国内産業を萎縮せしめるところのデフレ政策を以ていたしましては、日本経済は安定も復興も到底望み得ないのであります。この基本的な点におきまして、この度の補正予算につきましては
反対
を表明するのであります。この点が第一点であります。
政府
は公共事業費百六億が有効需要を起すと答えておられますが、これは本年度の災害復旧の緊急工事と新制中学校舍の建築費若干の支出でありまして、国民経済の再生産循環に直接の有効需要となつておるものではありませずして、目下のデフレ不況に悩んでおります現状におきましては、全く燒石に水と断ぜるを得ないのであります。又更に却つて一般予算より百七十億の食糧管理特別会計支出が認められてありまするが、これが更にデフレ傾向を深めるものであります。この百七十億は本来食糧運転資金でありまして、将来の償還は、確実に行われるのでありまするからして、これは当然日銀の借入金から当面賄うべきであるのが至当でありまするが、補正予算におきましてはこれを限りある税收入の中から賄つているのであります。これを日銀借入金で賄いましたならば、実に百七十億の財源が浮ぶことになりまして、公務員の給與ベースの改訂も更に又減税も十分に行われるものであります。然るに
政府
は逆に百七十億も国民所得を国庫に吸收しようとするところの拙劣な方法をとつているのであります。このようなデフレ促進の予算案でありまする点が
反対
の第二点であります。 第三の
反対
理由といたしましては、一方では減税二百億をやつておりながら、他方におきましては二百十三億の租税及び印紙收入の自然増を名目といたしまして、そうして国民の租税から増徴しているのであります。殊に重要な点といたしましては勤労者の
所得税
であります。源泉分は却つて九十二億の増徴を示しているという点であります。更に又減税の方法につきましても、
政府
はシヤウプ案よりも多く減税したと称しておりまするが、その実はシヤウプ勧告案通りの減税すらしておらないのでありまして、即ちシヤウプ勧告案によりますると、
所得税
の暫定的な軽減は本年の十月からとなつているのを、すべて来年一月からと延ばされている点であります。更に
中小企業
者や農民の申告納税分は一月分以降からさえ見積られていないのであります。又間接税の軽減につきましても、限りある貴重な減税の財源が、全く勤労大衆に縁なき第一類、第二類の高級品を三〇%も軽減をして、貴重な財源を浪費するがごとき愚かな方法を敢てしておらるるのであります。更にこの減税の財源は主として価格調整費の削減に求められておられまするが、この補給金の削減によりまして公債の値上りは生計費へのはね返りとなりまして、結局は再び国民大衆の負担を加重して来るということになるのであります。かかる欺瞞的な減税方法に対しまして社会党は
反対
をいたすものであります。徹底したところの大衆
課税
の軽減を社会党は要求するものであります。 理由の第四点は、補正予算の基礎でありまするところの物価と賃金、米価などがおのおの矛盾しておりまして、そのしわ寄せがすべて勤労大衆の上に蔽い被されて来ているという点であります。即ち基本計数の点につきましても、価格調整費の削減による公債の値上りを初めといたしまして、米価は一一%、貨物運賃は八十%、電力料金は三〇%以上、家賃は三倍、ガス料金が八〇%、郵便料金が四七%、これらの生活に重要な諸
経費
が吊り上つて参りまして、いわゆる
所得税
におきましても月八千円台の独身者で僅かに八十円、二・五人で二百三十円の軽減、間接税におきましても高級文化品、日用品の若干が軽減されるだけでありまして、勤労大衆の生計費が
政府
の言われるような一人当り月三百円というような軽減はどうしても考えられないのであります。まして勤労
所得税
が差引九十二億の増徴となります点から考えまして、年末調整の激しさを想像いたしますると、実質賃金の充実などは到底考えられないと思うのであります。特に低賃金政策はこの度の公務員給與ベースの改訂拒否におきまして全く露骨に現われておりまして、先の国鉄調停案を拒否し、更に人事院の勧告案も抑圧せんとするところのこの
政府
の態度につきましては、これは全く法を考えないところの違法行為であると断ぜざるを得ないのであります。CPIが去年の七月より三七%も上昇している現在、この給與ベースの改訂は当然補正予算に予算化して来なければならないものであると私は思うのでありまするが、こういう点が少しも
政府
においてされておらないのであります。このような政策は実に農民に対しまするところの低米価政策においても現われておりまして、
政府
はみずから
設置
いたしましたところの米価
審議
会の最低米価の答申すらも一方的に拒否しまして、独断的に四千二百五円のこの米価を強要しております。世界的農作物の過剩から来るところの我が国の農業政策の転換期にも拘わらず、何ら具体策もなく、且つ又この度は公正なる供出補正に対してさえも徒らに責任を他に転嫁して、知事会議の要求すら蹂躙して、その上、供出後の自由販売の公約も放棄して、あの惡法食確法を無理押しに通過せしめんとする森農政に対しましては、国会のみならず、全耕作農民が挙げて忿懣の的であるということを、ここに申上げて置きたいのであります。 理由の第五点は、労働大臣の誇大しておりますところの答弁にも拘わらず、失業対策は何ら確立されておらないのであります。この度の補正予算と本予算の支出額を合計いたしまして、年度内の計算にいたしまして失業対策費は僅かに計十六億でありまするが、これを
政府
案通り一人当り一日百七十二円、月五千円ペースといたしまして、年間僅かに三万人足らずの救済費しかないのであります。然るに
政府
の計算によりますると、失業者が百七十万人より二百万であると申されております。私共は
政府
の統計から見まして約四百万と見ておるのでありますけれどもが、とにかく数百万の失業者に対しまして、約三万人の救済に過ぎないことは驚くべき悲惨な状態であります。更に又失業保險につきましても、本予算と補正予算と合計いたしますと二十九億でありまするが、これを仮に失業者数を
政府
統計のごとく二百万といたしますと、一人当り月僅かに二百四十円の給付しかできません。それも僅か六ケ月間の給付であります。今後のデフレ不況を考えて見ますと、給付金の切れた失業者の生活苦は誠に思い半ばに過ぎるものがあります。全くみずからの責任でもなく、過失によるものでもない、盡く吉田内閣の残酷なるデフレ政策の犠牲となりました数百万の失業者に対しまして、更に又増大するであろうところの、この失業者に対しまして、建設的な就職の道も開かずに無慙に街頭に放り出すということは、実に憲法第二十五條の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」という生活権の侵害であり、更に又第二十七條「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。」というところの勤労権の否定でありまして、重大なる
政府
の責任問題であると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)社会党はこれに対しまして、全面的なデフレ転換と、英国のビーバリツジ案にも比すべきところの完全な社会保障制度の確立の要求をするものであります。 理由の第六点といたしまして、薪炭特別会計五十四億の赤字についての不正を追及いたしたいのであります。即ち新聞、国会におきまして周知のごとく、行方不明になりましたところの薪炭十四億に上る不正については、すでに検察当局の調査において見受けられました通りでありまして、而も本件は目下清算中であります。若し
政府
の責任におきまして支拂うといたしましたならば、生産者支拂分に止めて、他は一切清算の終了後において予算化するのが当然であると思います。これに対して
政府
は未だ確たる態度も責任もとらずに、国民の疑惑のまま五十四億の支出が国会の責任において支出せられるということは、我々は断乎として容認することができないのであります。 以上述べました六つの理由、即ちデフレ恐慌を深めて経済再建の基礎を縮小せしめる点、欺瞞的な減税であつて、却つて十三億の増收が見込まれている点、勤労大衆の犠牲の上の米価、賃金、物価の基礎体系が相互に矛盾しておるという点、失業対策の不完全、特に給與ベース改訂や失業対策の欠如等においては、憲法初め国家公務員法、人事院規則を無視したる点、薪炭特別会計のごとく、不正せも含んだ補正予算であるという、この以上の理由に基きまして、日本社会党は
政府
の提出いたしました二十四年度補正予算に
反対
を表明するものであります。(拍手)
佐藤尚武
109
○
議長
(
佐藤尚武
君) 城義臣君。 〔城義臣君登壇、拍手〕
城義臣
110
○城義臣君 私は民主自由党を代表いたしまして、
只今議題
となりました
昭和
二十四年度補正予算三案に賛成の意を表明するものであります。 顧みまするに、
終戰後
の歴代内閣の使命は、端的に申しまするならば、如何にしてインフレを終熄せしめて国民生活を安定するかにあつたと存じます。この点については国民の誰もが
異議
のないところであります。吉田内閣が先に
昭和
二十四年度当初予算編成に当りまして、この難事中の難事であるインフレーシヨンを克服し、経済の安定を回復することに全力を傾け、その基本方針として、いわゆる経済九原則の線に沿い、真に総合的な予算の均衡を図ることに重点を置かれましたのは、当然過ぎる程当然のことであります。かくしてその施策の効果は次第に現われ、民生安定の基盤である、さしもの惡性インフレも漸く下火となり、
終戰
以来歴代内閣が苦心を重ねたインフレ克服の難事業が、吉田内閣の機宜を得たる政策により、ここに実を結びつつある嚴然たる事実は、(拍手)国民といたしまして衷心より御同慶に堪えないところであります。(拍手、笑声)この歴然たる事実は、祖国の一日も速かなる再建を希う健全にして而も良識ある八千万同胞諸君のひとしく認めるところでありまして、曾てはリユツクを担い、モンペをはいて食糧を漁り廻つたあの悲惨な状況を思い浮べますると、全く隔世の感がいたすのは決して私一人ではないと存ずるのであります。(拍手、笑声)一部の階級的偏見論者の中には、この日本復興の事実や速度に対しまして、故意に目を蔽い、(「ふん」と呼ぶ者あり)又国民をして目を蔽わしめんとする者がないではありませんが、(「それはそつちのことだ」と呼ぶ者あり)大局的見地に立つて考えたならば、如何に詭弁を弄しましようとも、日本復興に嚴然たる事実と速度を無視することはできないと、敢て力説いたしたいのであります。経済安定がその緒に著いたことは、即ち
政府
の施策よろしきを得たと共と、連合軍、特に米国
政府
の理解と援助に待つところが大であつた事実をも併せまして、感謝しなければならないと確信するものであります。(笑声、「靜かにしろ」と呼ぶ者あり) さて、今回の補正予算案も、申すまでもなく、この試験済みの基本的な考え方を踏襲して編成されたものでありまして、即ち本予算の性格を端的に申しますならば、要するにインフレ終熄の予算から復興予算転換への橋渡しであり、而も十五ケ月の予算として明年度予算の全貌をも見ることができるところにその特徴があるのであります。その主眼とするところは、第一にシヤウプ勧告の趣旨に則り、国民負担軽減の一部を本年度内に実現することであり、第二に懸案の価格調整費を大幅に削減すること、第三に公共事業費、失業対策費、地方配付金、その他緊急必要にして当面止むを得ざる
経費
を計上したことであると思うのであります。これが財源としては、価格調整費の削減による不用額の外に、前年度の剰余金及び租税の自然増收等でありますが、その最も主なるものは実に減税でありまして、明年一月を期して暫定措置として、給與所得の源泉
徴收
分の軽減、物品税の軽減、尚シヤウプ勧告案に先立つて取引高税、織物消費税及び清涼飮料税の廃止等によつて二百億の減税を行い、今明年を通じての減税額は九百億円に達しているという実に画期的な国民負担の軽減であります。(拍手)第二点は、価格調整費を二百三十億大幅に削減したのであるが、この際これが削減は最も妥当な措置と言わなければならないと存じます。第三点の公共事業費の追加額百六億六千万円の内訳は、本年度発生した災害復旧費として八十五億円を追加し、都市復興事業に要するものが五億円、新制中学の校舎建設費補助として十五億円、来年度の四十五億円を見込めば合計六十億円となり、明朗な見通しとなつているのであります。又引揚者一万五千人分の住宅建築費七十二億の八割を
国庫補助
として計上するなど、いずれも適切なる予算措置を講じつつ、而も当初予算においてとられた均衡予算の線を堅く守りつつ、更に国土再建の面、教育の面、厚生福利施設の面にも
政府
の努力の跡を認めることができるのであります。以上の施策によつて日本経済の再建も必ずや前途洋々たることを国民と共に確信して疑わないものであります。 最後に、私は補正予算の
審議
中に感じました所見の一端を披瀝いたしたいと考えるものであります。御承知のごとく、予算案の
審議
中しばしば講和問題について同僚諸君から質問があつたのであります。私は質問そのものについてとやかく申すものではありませんが、質問の内容のポイントに国家的見地から遺憾の点があつたことは否めない事実であります。そもそも我が国は憲法第九條に明記したごとく、永久に戰争を放棄し、平和国家としての決意を世界に宣明いたしているのであります。軍備の放棄は憲法によつて嚴粛に宣言したところであり、これに対して我々は一点の疑いを持たず、又持つベきではないと思うのであります。然るに在野党の一部の質問においては、この点について種々の場合を臆測し、とかくの論議が行われたのであります。これはただ單に国民の真意に反するのみならず、更に重大なることは国際間の疑惑を惹起せしめ、我が国に対する諸外国の感情を刺戟し、望ましからぬ影響を與えたのではないかと考えられるのであります。(拍手)現に我が国がポツダム宣言を極めて忠実熱心に実行しつつあることは世界の認むるところであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)これに対して、日本人の中から疑いを差挾むがごとき論議をなす者が出て来ることは甚だ好ましからざることで、(「それは誰の責任だ」と呼ぶ者あり)私は有害なりと極言をいたしたいのであります。(「それは吉田総理だ」と呼ぶ者あり)新憲法の宣言は日常の国民生活における実践により身を以てこれを証明し、諸外国の前に事実によつて示さなければならないことであります。これ即ち我が国が一日も早く平和的国際団体の一員となるゆえんであると確信をするのであります。(「原稿が違つておるんじやないか」と呼ぶ者あり)然るに党略的なる質問があつたことは誠に遺憾千万であります。平和日本が世界に信を得て国際社会への復帰が一日も早からんことを国民と共に切望するならば、この点、大局的見地について考えられ、みずから判断すべきではないかと存ずるものであります。(「賛成」「みずから判断したか」と呼ぶ者あり)私は衷心から遺憾の意を表さざるを得ないのであります。(「予算に対してか」と呼ぶ者あり)私はこのことを附加えまして、本追加予算案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
佐藤尚武
111
○
議長
(
佐藤尚武
君) 木村禧八郎君。 〔木村禧八郎君登壇、拍手〕
木村禧八郎
112
○木村禧八郎君 私は無所属墾談会を会表いたしまして本予算案に
反対
するものであります。
反対
の理由は四つでございます。 その第一は、この補正予算案編成の基礎となりました我が国経済の現状と見通しに対する認識が、独断的で、全く間違つていることであります、即ち我が国経済の現状は、インフレの一挙政策の措置と強制的な資本蓄積方策とによつてデフレーシヨンの状態を呈していることは明らかなんであります。これはインフレ
処理
が通貨面の安定即ちマネタリー・スタビリゼーシヨンに重点が置かれまして、これに対して経済計画即ちエコノミツク・プランニングが裏付けされていないために、裏付けされていないどころでなく、むしろ逆に計画統制を撤廃しまして自由放任経済に移行する政策をとつていることから起る当然の帰結なんであります。このためにデイス・インフレの代りにデフレが招来されているのであります。にも拘わらず
政府
は経済の現状は安定していると強弁しております。その指標として、証拠として、
政府
は通貨、物価の安定を挙げておりますが、これは自然に安定したのではなくて、安定措置によつて通貨が安定せしめられているのであります。問題はドツジ・ラインにより安定措置を講じた結果、即ち通貨増発を一挙に止めた結果として、どういう状態が現われているかということが問題なんであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)その状態が失業と厖大なる滯貨と生産の減退傾向、こういうことになつて現われておりまして、これは明らかにデフレなんであります。この事実の無視して経済の実体は定定していると言うのは、理論的にも実際的にも世間に通用しないのであります。先程民自党の代表の方が声を大にして、安定である、安定しておるんだということを言われましたが、それはやはり独断であろうと思うのであります。経済の見通しにつきましても、自由経済に復帰いたしまして、ローガン方式によつて、恐慌状態を呈しようとする世界経済に入つて行くことによつて、我が国農村或いは産業界その前途には重大な困難が予想されるのであります。にも拘わらず世界経済の実情に目を蔽うて、徒らに今後経済安定が強化されると、希望的独断をしているのであります。この独断を、安定という言葉を声を大にして、多数の力を頼んで強調することによつて正当化しようとしているのに過ぎない。先程の民自党代表の大きな声による予算の賛成演説がありましたが、福澤諭吉先生は「空樽の音は高し」ということを言つております。中味のない空つぽの樽の音ほど徒らに高い。中味の充実した樽はどつしりと落着いて叩いても徒らに音は立てません。本予算によつて示された吉田内閣の現状認識及び政策は、空樽の音に等しいのであります。大朗報とか安定を声を大にして叫んでいるが、中味は空樽政治であり空樽内閣であります。 第二の
反対
の論拠は、この予算がデフレ強化の予算であると先程社会党内村議員からも御指摘がありましたのが、この予算面から例えば食糧管理特別会計百七十億、これを金融措置をやらずに税より取つてこれを一般会計から特別会計に繰入れる。或いは復金の来年度回收するものを本年度に繰上げ回收する。これはデフレ的な影響が財政面からもたらされておる。これに対し
政府
は、金融面によつてこの財政デフレを緩和して行くと言つておりますが、さて金融面を見ますと、著しく金融政策は計画性を欠いておりまして、見返資金におきましても、預金部資金におきましても、復金の回收した金におきましても、これが使われずに、遊金、アイドル・フアンドとなつて使われずにおるのであります。こういうような無計画な金融政策を基にして、更に財政のデフレ的強化が行われるならば、我が国経済のデフレは更に深化するものと断ぜざるを得ないのであります。
反対
論拠の第三は、大蔵大臣は財政演説で、補正予算の眼目とするところは、シヤウプ勧告の趣旨に則つた国民負担の軽減の一部を本年度内において実現すると、こういうように言つておれるのでありますが、本補正予算に現われました二百億円の減税は、單なる税法上の見かけの減税でありまして、国民の大部分を占める勤労者の負担の実質的軽減ではないことが、
審議
の結果明らかになつたのであります。例えば実質賃金の算定に当りまして、CPIの算定方式を変更して、統計の技術的操作によりまして、CPIを低くし、人為的に実質賃金が上つたごとく見せかけまして、勤労
所得税
の自然増收を百五十億円も計上しているのであります。これは実質的には明らかに増税であります。そればかりでなく官庁給與の据置、米価の値上、補給金削減に伴う家計負担の増加、貨物運賃八割値上、海上運賃九割五分の値上の負担等を挙げますれば、国民負担の軽減どころか、むしろ逆に負担の増加となるのであります。
反対
論拠の第四は、この補正予算案はシヤウプ勧告の税負担の公平の精神に違反していることであります。勤労
所得税
を増徴しながら、他方では申告納税について約百九十億円も自然減收を見込んでいるのであります。申告納税の自然減收の根拠は、所得捕捉率の低下したことと所得の見積りを低くしたことにあると
政府
は言つております。これは明らかに政策的な一種の減税措置なのであります。税法によらない見計らいによるこういう減税措置は、不公平、不合理なる措置であります。そればかりでなくして、担税力の乏しい勤労
所得税
を実質的に増税いたしまして、担税力の余裕のある申告納税を軽減するのは、税負担の公平の原則に反し、シヤウプ博士の税制勧告精神にも反するものであると言わざるを得ないのであります。又物品税におきましても、自家用
自動車
の税率を一〇〇%から三〇%に引下げた。この税率の引下げは一番大幅な引下げであります。そればかりでなく真珠とか貴金属或いはゴルフ用の道具、こういうものを大幅に引下げた。而も生活に必要なる品物に対する引下げの余地がまだあるのにそれを講じない。又その他の物品税、織物消費税の軽減にしましても、この恩惠は結局購買力の沢山ある人、織物が沢山買える人、そういう人に恩惠が沢山あるのでありまして、現在購買力の少い勤労者にとつては、これは恩惠には大してならない。こういうような、民主国家におきまして誠に大胆不敵ともいうような非民主的な税制改革を行おうとしておるのであります。 以上の四点に基きまして、無所属懇談会は本予算に
反対
するものであります。(拍手)
佐藤尚武
113
○
議長
(
佐藤尚武
君) 玉置吉之丞君。 〔玉置吉之丞君登壇、拍手〕
玉置吉之丞
114
○玉置吉之丞君 私は緑風会を代表いたしまして、本補正予算案に対して賛成の意思を表明いたしたいと存じます。 それは現内閣は、先に国民に向つて公約いたしましたる減税即ち物品税、織物消費税、取引高税等の廃減税を行なつておるということに対して我々は敬意を表して、これに賛成いたしたいと存ずるのであります。併しながら我々はこれを以て決して満足するものではありません。殊に大蔵大臣は、先日の本議場における財政演説並びにその後における予算委員会その他の委員会におきましての質疑応答に対しましてのお話では、本補正予算の歳入面におきまして租税の自然増收ということを高調されておりますが、この自然増收なるものは、経済の九原則に則りまして、租税
徴收
の強化の線に沿いましたる税務機構の改革による收税官吏の活動と、国民がシヤウプ博士の勧告等による納税に対する思想が高揚した結果と信ずるのであります。但しこの徴税旋風の裏に幾多の悲劇を起し、又多くの犠牲者が出ておるということは現実であります。收税官吏の事務をとる上においての行き過ぎ、越権等につきましては、多くの国民の間に非難のあることも事実であります。私はこれらの点に対して、総理大臣たる吉田さんが、特に大蔵大臣に対して御注意をせられんことをこの際希望いたして置きます。
政府
は国民経済活動の動脈たる金融の政策に対して、甚だこれを無視し、否むしろ忘れておるがごとき政策をとつておることは、甚だ私共の遺憾とするところであります。御承知の通りアメリカの景気が変化を来たして、アメリカの物価が下つた。その結果世界の経済に変化を来たして、而して最近に至りましてはイギリスの大幅なるポンド切下げ等によりまして、輸出の面におきましては相当滯貨が生じ、又輸出産業の面におきましては、あらゆる企業が、輸出の停頓によりまして、これを合理化するためにいろいろと苦心をいたしておりまして、それに巨額の設備資金が要するわけであります。この資金の要望に対しましては、ひとり経営者の声でなく、労働者もこれに協調して、この長期資金の貸出の要望をいたしておるということも事実であります。これに対して
政府
は甚だ積極的なる処置をとらないということに対して、我々は多大の不満を持つものであります。(「同感々々」と呼ぶ者あり)私は、
政府
はこの際に見返資金等の活用、又日本銀行のポリシー・ボードの活躍を促して、市中銀行をしてこの長期資金の貨出を行うような手段をとられんことを切に要望するものであります。尚、
中小企業
等に対しましては、ひとり中央金庫のごとき機関によつて貸出すというようなことだけでは、今日の
中小企業
は救われないのでありますから、これに対しましても私は銀行の窓口を拡げて、ここからの貸出の方策をとらなければならないと思うのであります。(拍手)又銀行本来の使命たる公共性に鑑みまして、私は銀行がもつと積極的に資金の貸出に、その本来の使命に基いて公正妥当なる産業資金を出すことに努力をするように
政府
において努めなければならぬと思うのであります。私は長期資金を興業銀行一本の手によつて独占せしめるがごときことは、すでに我々が苦き経験を持つた
復興金融金庫
の二の舞を踏むものであるということを、この際
政府
に警告をいたして置きたいのであります。国民は戰争前に我が国の無謀なる軍備費の重圧を受けまして、重税に苦しみ、又軍川公債の増発等によつて非常な国御経済に重圧を受けたのであります。然るになすべからざる戰争を行なつた結果、かような悲惨な状態に我々は置かれた。併しながら憲法が
改正
されて、世界に類例なき軍備を放棄した我が国は、少くとも戰前に苦しんだ軍備費の重圧より脱して、これからは幾らか税金の上に楽になるであろうというのが、一般国民の心持、又考え方であつたと私は思うのであります。(拍手)然るに豈図らんや、そのことが
終戰
以来増税に次ぐに増税を以て重圧がますます加わつておるということに対して、非常に何と申しますか、割り切れない気持を持つておるということも、これ又事実であります。
昭和
五年—九年の頃に比しまして、先日波多野君もこの場所で御指摘になりましたが、大体物価の水準が二百倍になつておる。又
昭和
五年—九年に比較いたしまして通貨の発行高も約二百倍である。これが根拠はどこにあるか知らんが、一般国民の常識として考えておられる倍数と私は思うのであります。然るにこの予算の上に現われておりまする国民の税金を考えますときには、どういうことが現われておりますか。即ち今日の国民所得が三兆一千億と申しておりますが、この三兆一千億の中には、私は「たけのこ」生活による所得、又産業界の資本食い潰しによる所得も含まれておると思うのであります。大蔵大臣が今後二十五年度の予算を組むときには、このことをお考えにならなければならぬと思うのであります。大体本予算並びに補正予算を通じまして国家の歳入は七千四百億である。これに地方の財政を入れますと、我々が凡そ一億一千億に近い税金を負担いたしておるということは数字の上に明らかであります。この国民所得三兆一千億に対しまして、前申上げました「たけのこ」所得を含まぬものといたしましても、三二—三%の税を我々は負担いたしておるのであります。而してこの三兆一千億を仮にドルに換算いたして考えますときには、即ち一ドル三百六十円といたしまして、我々国民の所得は僅かに米ドル一ケ年百十ドルしか所得がないということになるのであります。この貧弱なる所得のうちより三五%の税を拂うということは、米国の国民経済の面における一週間の收入くらいにしか該当しないと私は思うのであります。この点は
政府
においても了解を得る場合に、よくこの点を呑込んで貰うということが、すべて国民負担の軽減を図る上において重大なる要素となると私は思うのであります。(「その通りその通り」「ヒヤヒヤ」と呼ぶ者あり)この点に関して吉田総理大臣は、外交に通じ、その途に長けた人と思うのでありますが、この度の補正予算並びに来年度の予算を通じて、金融の政策について国家の産業を興隆せしむべきところの何らの施策を持たないということに対して、内閣全体の大臣諸公は、ひとりこの問題を大蔵大臣の責任に帰せしむることなくして、内閣一致の力を以て今日金融に国民が喘ぎ苦しんでおることを打開しなければならぬということを、私はこの予算案の
審議
に当つて特に高調するものであります。(拍手「できなかつたならやめちまえ」「それで賛成かなあ」と呼ぶ者あり) 私は最後に、
政府
が公共事業費に相当の金を本予算案に計上いたしましたことに対して多大の敬意を表しますが、ただ一点、今日の農村、山村におきましても、いずれの方面におきましても、非常に待望いたしておりまする、即ち平和国家の第二の国民を養成するところのこの新制中学校の費用に対して、僅かに十五億円しか出しておらぬということは、我々緑風会の一同が非常に不満とするところであります。(拍手)これに対して少くとも来るべき二十五年度の予算において百億以上の予算を計上されんことを特に要望いたしまして、私の本予算案に対する賛成の意思の表現といたす次第であります。
佐藤尚武
115
○
議長
(
佐藤尚武
君) 岩間正男君。 〔岩本正男君登壇、拍手〕
岩間正男
116
○岩間正男君 私は日本共産党を代表して補正予算三案に
反対
の意見を表明するものであります。
昭和
二十四年度補正予算の企図するところは、低賃金、低米価を人民大衆に押付け、購買力の減退によつて国内市場を狹隘化し、以て飢餓輸出を強行せんとするものであります。又この低賃金、低米価こそは、我が国産業の構造を貿易のための賃加工方式に切替え、押付け輸入、恐慌輸入を通じまして、国内の平和産業、
中小企業
を崩壞せしめ、軍需産業の復活、独占的大企業の再建を狙つておるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)而もその貿易は誠に高価に付いておる。而も隷属的な貿易協定によつて行われておる。そして世界のあらゆる国家間の経済関係の拡大を妨害するものであり、広大なる未開拓の中共地区、ソ連地区、北朝鮮等の市場は殊更にこれを避け、労働力をダンピングしてまで世界恐慌の真只中に、まるで夏虫のように飛込もうとする貿易であります。口に
統制撤廃
、自由経済と美辞を並べながら、大衆を收奪し、又自由貿易、民間貿易と耳に麗句を囁きながら祖国を売る。このような醜惡な、このような狡猾な現内閣の性格が、この補正予算には、はつきり出ておる。(「祖国を売るとは何だ、お前はどうだ」と呼ぶ者あり)例えば歳入について見ますと、百九十五億円に及ぶ勤労
所得税
の自然増收は、二十四年上半期における物価の上昇に伴つて、民間賃金の名目的な上昇、資本主義的合理化によつて首切られた者の退職金によつて生じたものである。従つて下半期もそのようなものを見込んでおるということは、正に独占的物価体系による收奪と、首切り、労働強化、実質賃金の切下げを狙つたものと言わなければならないのであります。これに対して約五十六億円の減税も、補給金の減少による物価の上昇によつて、減税どころか、大衆の生活はますます苦しくなり、これを正確に言えば、重税の負担を低賃金、高物価の圧迫に切替え、実質賃金をいよいよ低下させるところの政策を言わなければならないのであります。又薪炭会計五十四億の赤字補填のごとき、政界、財界、官界の不正と腐敗を典型的に現わしたものであります。人民の重税によつてこれらの負担を賄うというようなことは、誠に人を愚弄するも甚だしいと言わなければならない。更に百七十億に達する食管会計繰入は、高い外国食糧を輸入してその結果農村に恐慌を持ち込む、自主的な食糧の増産を破壞するような態勢と緊密に連関しておるのであります。 以上挙げましたのは誠に特徴的な一、二の例でありますが、インチキな出鱈目な予算の背後におきまして、吉田内閣の国を売る政策が着々と実行されつつある。このことを我々は指摘せざるを得ないのであります。即ち新らしい貿易方式による輸入先行による協定貿易によりまして、外国の過剩生産物を輸入し、外国の恐慌をさながらに国内に輸入せんとしておる。この貿易方式こそは日本経済を外国独占資本へ従属させるものであり、国内産業は、外資と結び付いたところの極く少数の独占資本以外は崩壞せざるを得ないというところに特徴があるのであります。吉田内閣のこの買弁政策を最もはつきり現わしたものは、何と言つても昨日この議場におきまして通過を見ました外国為替及び外国貿易管理法と言わなければならないのであります。この
法律
によつて為替と貿易は、資金の豊富な外国銀行、外国商社に握られ、日本経済全体が外銀、外商、及びこれと結んだ外資本に支配されることは余りにも明らかである。こうして吉田内閣の政策は実質的に特定国とのなし崩し講和、即ち單独講和への途を進んでいるものと言わなければならないのであります。吉田首相は本国会においてしばしば全面的講和を希望するということを述べていられる。果して然らばその裏付としての財政政策がどのように具体的に実施されておるかということが最も重要なところである。(「そうだ」と呼ぶ者あり)併しながら今年度のこの補正予算を以て見ましては、その片鱗をだに発見することが極めて困難だと言わなければならない。又首相は、講和会議以前においては経済の自主的体制を云々すべきじやないというようなことを言つておられますが、経済の自主的再建なしに果してどのような全面的な講和が望まれるかということを、私は逆問したいのであります。従つて民族の自由独立政策は見せかけの空念仏に過ぎないことになる。我々は飽くまでもポツダム宣言を守る義務と自由を有するものであるということをはつきり確信したい。従つて全面的講和への態勢を整えるために、はつきり裏付けとしての経済的措置を一日も早く確立すべきであることを、我々日本共産党は強く主張するものであります。 こういうような意味におきまして、日本共産党は本補正予算に対して全面的に
反対
し、強くその撤回を要求するものであります、(拍手、「撤回か
反対
かどつちだ」と呼ぶ者あり)
佐藤尚武
117
○
議長
(
佐藤尚武
君) 高橋啓君。 〔高橋啓君登壇、拍手〕
高橋啓
118
○高橋啓君 冒頭に各党を代表して五人の討論の議員の方が立たれたのでありますが、そのうち民自党を除きまして、或いは
反対
であり、或いは賛成であつても、その内容においていろいろ不満の意を表しておるという事実に対して、先ず
政府
が反省しなければならないということを申上げて置きたいと思うのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)我が党におきましては、本補正予算に対する内容の部門において、はつきりと
反対
すべき事項を指摘したいと思うのであります。(拍手)併しながら予算不可分の理によりまして、結果において賛成することの止むを得ざることをここで申上げる次第であります。(「気の毒の至り」と呼ぶ者あり) この二十四年度の予算補正は、国策の上から見て本予算に劣らない重要性を持つておるのであります。(「然り」と呼ぶ者あり)二十四年度の予算は、経済九原則並びにドツジ・ラインに沿うために收支の均衡を図り、いわゆる形の上でこれを図るところに力を入れ過ぎて無理があつた。そこで、この收支の内容において国民が非常な不満を持つておつたのであります。参議院の予算委員会におきましては、少数の民自党所属の委員を除く全員で修正案を出したのであります。その内容を簡單に申上げますと、歳出の面において、公共事業費目の中に食糧増産の基本的條件となる災害復旧や或いは
土地改良
の費用が足りない。これを増加しろ。地方配付税の配付金が足りないから、これを増加しろ。それから六・三制実施のために中学校舍屋建設の補助費を一文も設けておらないが、日本の六・三制教育完全実施のためにこれが
障害
となるから、これを計上しろということを、我々は修正案で申しておるのであります。又歳入におきましても、
所得税
の見積りが多過ぎる。
政府
は国民所得が前年度より多くなつていると考えるから、
所得税
に七割も大きく枠を設けた。私共はその枠を設けることに非常な不安を持つたのであります。一応
政府
で設けた枠で地方徴税官にその目標を示し、その示された地方税務官は、これを以て納税者に対して遮二無二
課税
技術においてこれを押付けるのであります。そこに貢取り戰法が起きて、今度の自然増收も、このような無理をした結果出て来た部分も相当あると考えるのであります。この際、我々はこの枠を減らせと言つたのであります。併しこれは結局総枠において変更することでなく、我々は国民の要望に応えるために最小限度の修正案を出したことは御承知のことと思うのであります。併しながらこれに対しては手続上どうしてもできない事情がありまして、又
政府
はこれに対して協力をするところがなかつたのでありまして、遺憾ながらこれが闇から闇に消えてしまつたのであります。併しながらそれを若し
政府
が努力してこれが実施に当つたならば、今度の補正予算というものは必要がなかつた。こう思うのであります。(拍手)そのような関係から、この予算の補正は二十四年度の本予算以上に重要なものである。この補正予算を添えて初めて二十四年度の本予算が調整されるということができると思うのであります。然るに、この予算を見ましたときに全く失望したのであります。一般会計の歳出補正の面を見ましても、純支出の約半分はどういうような支出かと申しますと、
政府
機関の事業関係の赤字補填並びに金融の措置であります。特に食糧管理特別会計へ繰入れる百七十億余は、輸入並びに国内産食糧の手持ちに対するものであつて、これは金融で措置され得るのであります。このような非常に緊急必要な資金を必要とする今日において、このようなことに対して国税によつてこれを
処理
するということに対しては、我が党は
反対
であります。又薪炭特別会計に五十四億七千万円を繰入れる問題であるが、薪炭需給調節特別会計の内容を予算委員会の小委員会において具さに調査をいたしたのでありますが、かくのごとき事態に至つた
原因
は、民間事業経営上に見ることのできないような杜撰なものであつた。特に事業の経理に何年か棚卸しをしなかつた。帳簿の上の数字と現物との照合を行わなかつた。それに対して会計検査院も十分な検査ができなかつた。この問題に関しては、先程も言われたように刑事問題も発生しておるのであります。そうして製炭者或いは集荷者等が非常な苦痛を嘗めておるのでありまして、内容な極めて複雑であつて、予算に組み入れるためには熟しておらない事項であつたと思いまして、我が党はこれに対して
反対
をいたしておるのであります。併し私共は、後から結果を申上げるのでありますが、何故にこのような予算に賛成をしなければならなかつたかについて申上げたいと思います。(「それを聞こう」と呼ぶ者あり) 第一に、若しこの二十四年度予算に対する補正予算が通らなかつたと私共は仮定した場合はどういうことになるかというと、これよりも、より惡い二十四年度の本予算が実施されることになるのであります。(「民自党ではそうだよ」「やり直しするのだよ」と呼ぶ者あり)而して今日における社会の状況は、一日も早く補正予算を通して、支拂うべきものは支拂つて貰いたいという要望があるのでありますから、私はこの予算を通さなかつたときの国民の迷惑を考えまして、(「民主党の迷惑だよ」と呼ぶ者あり)この意味において賛成をせざるを得ないのであります。 それから第二点は、本補正予算は特別な性格を持つておりまして、二十五年度の予算に関連を持つておるのでありますから、私共はここで解決する機会もあると考えておるのであります。(「民主党は
反対
したつて駄目だよ」と呼ぶ者あり)さような意味で私は賛成せざるを得ないのでありますが、我が党はこのような條件を
政府
に提出したいと思うのであります。 先ず、年末金融対策を早急に樹立して貰いたい。災害復旧
土地改良
の費用の
増額
をして貰いたい。新制中学校校舎の建築の補助を
増額
して貰いたい。失業対策についてはつきりした方策を講じて貰いたい。(「誰が決めるのだ」「国会が決めるのだよ」と呼ぶ者あり)又
課税
の適正公平を期する方策を講じて貰いたい。この條件を附しまして我が党はこの予算案に賛成いたすものであります。(拍手)
佐藤尚武
119
○
議長
(
佐藤尚武
君) 小川友三君。 〔小川友三君登壇〕 〔「頑張れ頑張れ」「賛成かな」と呼ぶ者あり〕
小川友三
120
○小川友三君
議題
になつております予算案につきまして、本議員は男らしく堂々と満腔の敬意を表しながら賛成の討議をいたします。(拍手、笑声) 現下の日本の置かれておるという状態は、敗戰四年有半、世界の国々で一番貧乏な国であるという事実をはつきりと国民も、私も、
政府
も、認識しておる筈であります。親が貧乏で子供達に金が出せない、無いものは出せないからというので、子供も親の意見に従つているというのが私の家庭だ。私は寺小屋で学んでおる。吉田総理と雖も四国の山奧のバラツクの学校で勉強したればこそ偉くなつておる。(笑声)苦しまなくちやならん。艱難汝を玉にすという言葉があります。国がすでに敗戰で非常に貧乏したんだから、大いに苦労して、そうして偉くなるというような方策を立てなければいかんと私は固く信じております。(「その通り」と呼ぶ者あり)曾て西郷南洲翁が明治維新に人気があつたのは、絣の着物を着て、六疊一間で、繁栄を極める生活をしなかつたところに西郷南洲翁の偉大さがあつたのであります。(「小川友三はどうだ」と呼ぶ者あり)税率が下らない。池田大蔵大臣は病躯を押して交渉し、この補正予算案に対しましては、誠に命がけで闘つたということは、民自党の諸公ばかりでなく、相当国民の大多数が敬意を表しておるのは紛れもない事実です。(笑声、拍手) 現下の日本の状態は、戰いで敗れて四つの島に閉じ込められているということを国民は忘れて、
終戰後
九百五十万人の赤ちやんを増産をして、住宅は三百五十万戸足りない、着る着物が足りない、食糧が三千万人分も足りないというような、この状態を無視して、産めよ殖やせよと、どんどん産んでおる。どこの保健所へ行つても妊娠五ケ月以上の母子手帳を持つている女の人が二万から三万おり、現在全国に約五百万人のお腹の大きい女性がいらつしやる。こういうような状態で人間を増産すれば、新憲法によつて基本的人権はがつちりと保障しておる。お前の国は親米、博愛、勤労というのだから米を配給しないというわけには行かない。平等に配給をする。負担が重なる。そこで大蔵大臣が如何に財政の大家と雖も、
終戰後
引揚同胞が六百二十五万を突破し、赤ちやんは九百五十万人を増加し、又今日もこうして話している間にどんどんどんどん人間ができて来るんだ。この状態では吉田総理が七十二歳の老躯を提げて如何に努力しても、国民各自各自が三年や五年間くらいは子供を産まないような、産兒制限の経論を提げてやらなければ、どの内閣が出ても、この予算問題では非常に苦しんでしまうということを認識しなければならぬと私は思うのであります。そこで現在木村先生から空樽予算ということを聞きましたが、これは空樽ではない。現在の吉田内閣がとつておるところのこの予算案は、国際信用を高めるために緊縮政策のような点をとり、国際信用を高めて外資を導入し、只見川の電源開発は実に大きな問題で、日本産業興隆の本であります。即ちその資本をアメリカのウエステイングハウス会社が来てどんどん入れることを決めているではないか。そして日本の現在の状態を国際的水準にのし上げて、そうして八千二百万同胞の幸福を図るというのが吉田総理の肚に間違いない。現在の吉田内閣の政策は、私は民自党員ではありませんが、みずから超民自党員を以て任じております。(笑声)現在戰い敗れたところのこの日本の状態を本当に救済するのは、この補正予算で以て十分である、満点である。姑のように爪楊枝で突つつけば多少欠陷はあるかも知れないが、先ず大体において満点を付けて差上げたいと私はこう思うのであります。(拍手「ここは参議院だよ」「駅の広場でやれ」と呼ぶ者あり)おかしなこと言うなよ。(笑声) この補正予算で教育問題に足りない、教育費が足りないと言うが、この教育という問題につきまして私は嚴正な批判をいたしますが、明治初年(「六・三制はどうだ」と呼ぶ者あり)伊藤博文公がいた時分も、伊藤博文公の政治でも日本人全部が米を食つていたわけじやない。伊藤博文公の時分には麦飯か粟飯を国民の大多数が食べておつたのであります。伊藤博文相よりもこの吉田大宰相の政治の方を私は遥かに善政であるということをこの際申上げたいのであります。(拍手、笑声、「どこが満点か明らかにし給え」と呼ぶ者あり)大体満点に付けた。そこで今回の補正予算の三案につきましては、私は満腔の敬意を表しまして賛成をするものであります。(拍手) —————・—————
佐藤尚武
121
○
議長
(
佐藤尚武
君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 これより三案の採決をいたします。三案全部を問題に供します。三案の表決は記名投票を以て行います。三案に賛成の諸君は白色票を、
反対
の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。 〔議場閉鎖〕 〔参事氏名を点呼〕 〔投票執行〕
佐藤尚武
122
○
議長
(
佐藤尚武
君) 投票漏れはございませんか……投票漏れはないと認めます。これより開票いたします。投票を計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。 〔議場開鎖〕 〔参事投票を計算〕
佐藤尚武
123
○
議長
(
佐藤尚武
君) 投票の結果を
報告
いたします。投票総数百七十四票、白色票、即ち三案を可とするもの百二十七票、(拍手)青色票即ち三案を否とするもの四十七票、(拍手)よつて三案は可決せられました。(拍手) —————・————— 〔参照〕 賛成者(白色票)氏名 百二十七名 小川 友三君 赤木 正雄君 赤澤 與仁君 井上なつゑ君 岩本 月洲君 宇都宮 登君 梅原 眞隆君 加賀 操君 柏木 庫治君 鎌田 逸郎君 河井 彌八君 木下 辰雄君 小宮山常吉君 小林米三郎君 鈴木 直人君 竹下 豐次君 高瀬荘太郎君 高田 寛君 高橋龍太郎君 伊達源一郎君 田中耕太郎君 田村 文吉君 野田 俊作君 早川 愼一君 久松 定武君 藤井 丙午君 藤野 繁雄君 帆足 計君 三島 通陽君 村上 義一君 矢野 酉雄君 山崎 恒君 山本 勇造君 阿竹齋次郎君 飯田精太郎君 伊藤 保平君 奥 むめお君 岡本 愛祐君 岡元 義人君 小野 哲君 九鬼紋十郎君 楠見 義男君 來馬 琢道君 大屋 晋三君 中山 壽彦君 島村 軍次君 宿谷 榮一君 新谷寅三郎君 松嶋 喜作君 森田 豊壽君 小林 英三君 玉置吉之丞君 寺尾 博君 徳川 宗敬君 玉屋 喜章君 水久保甚作君 徳川 頼貞君 一松 政二君 穗積眞六郎君 堀越 儀郎君 町村 敬貴君 松井 道夫君 田口政五郎君 岡田喜久治君 團 伊能君 渡邊 甚吉君 横尾 龍君 中川 以良君 寺尾 豊君 大野木秀次郎君 遠山 丙市君 加藤常太郎君 西川 昌夫君 城 義臣君 淺岡 信夫君 池田宇右衞門君 堀末 治君 西川甚五郎君 大島 定吉君 鈴木 安孝君 黒田 英雄君 平沼彌太郎君 草葉 隆圓君 石坂 豊一君 柴田 政次君 小杉 繁安君 板谷 順助君 今泉 政喜君 松野 喜内君 黒川 武雄君 石川 準吉君 紅露 みつ君 深川タマヱ君 木内キヤウ君 藤井 新一君 深水 六郎君 平岡 市三君 北村 一男君 藤森 眞治君 中川 幸平君 左藤 義詮君 西山 龜七君 橋本萬右衞門君 佐々木鹿藏君 重宗 雄三君 廣瀬與兵衞君 小串 清一君 山田 佐一君 大隅 憲二君 尾形六郎兵衞君 田中 信儀君 谷口弥三郎君 油井賢太郎君 星 一君 前之園喜一郎君 竹中 七郎君 入交 太藏君 高橋 啓君 門屋 盛一君 鈴木 順一君 岩木 哲夫君 林屋亀次郎君 中井 光次君 稻垣平太郎君 岡村文四郎君 —————————————
反対
者(青色票)氏名 四十七名 島田 千壽君 村尾 重雄君 塚本 重藏君 大畠農夫雄君 岩崎正三郎君 島 清君 山田 節男君 天田 勝正君 吉川末次郎君 羽生 三七君 内村 清次君 栗山 良夫君 下條 恭兵君 河野 正夫君 和田 博雄君 板野 勝次君 細川 嘉六君 中野 重治君 岩間 正男君 兼岩 傳一君 鈴木 清一君 水橋 藤作君 木村禧八郎君 堀 眞琴君 赤松 常子君 池田 恒雄君 星野 芳樹君 太田 敏兄君 小泉 秀吉君 大野 幸一君 千田 正君 藤田 芳雄君 羽仁 五郎君 伊藤 修君 森下 政一君 中平常太郎君 川上 嘉君 佐々木良作君 中村 正雄君 原 虎一君 梅津 錦一君 若木 勝藏君 三木 治朗君 木下 源吾君 門田 定藏君 河崎 ナツ君 鈴木 憲一君 —————・—————
佐藤尚武
124
○
議長
(
佐藤尚武
君) 本日の
議事日程
はこれにて終了いたしました。次会は明日午前十時より開会いたします。
議事日程
は決定次第公報を以て御通知いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十七分散会 —————・————— ○本日の会議に付した事件 一、
日程
第一 旧
軍関係債権
の
処理
に関する
法律案
一、
日程
第二
復興金融金庫法
の一部を
改正
する
法律案
一、
日程
第三
復興金融金庫
に付する
政府出資等
に関する
法律
の一部
改正
する
法律案
一、
日程
第四
価格調整公団法
の一部を
改正
する
法律案
一、
日程
第五
私立学校法案
一、
日程
第六
国有鉄道運賃法
の一部を
改正
する
法律案
一、
日程
第七
図書館運営委員長報告
一、
日程
第八乃至第十の
請願
一、
日程
第二百三十六の
陳情
一、
日程
第十一乃至第十三の
請願
一、
日程
第二百三十七の
陳情
一、
日程
第十四乃至第二十四の
請願
一、
日程
第二百三十八乃至第二百四十の
陳情
一、
日程
第二十五乃至第三十の
請願
一、
日程
第二百四十一の
陳情
一、
日程
第三十一及び第三十二の
請願
一、
日程
第三十三乃至第四十三の
請願
一、
日程
第二百四十二の
陳情
一、
日程
第四十四乃至第六十九の
請願
一、
日程
第二百四十三及び第二百四十四の
陳情
一、
日程
第七十乃至第九十七の
請願
一、
日程
第二百四十五の
陳情
一、
日程
第九十八乃至第百五十三の
請願
一、
日程
第二百四十六乃至第二百五十二の
陳情
一、
日程
第百五十四乃至第百六十の
請願
一、
日程
第二百五十三乃至第二百五十六の
陳情
一、
日程
第百六十一乃至第百九十三の
請願
一、第二百五十七乃至第二百六十の
陳情
一、
日程
第百九十四乃至第二百の
請願
一、
日程
第二百一乃至第二百十七の
請願
一、
日程
第二百六十一乃至第二百七十の
陳情
一、
日程
第二百十八乃至第二百三十五の
請願
一、
日程
第二百七十一の
陳情
一、
昭和
二十四年度一般会計予算補正(第一号) 一、
昭和
二十四年度特別会計予算補正(特第一号) 一、
昭和
二十四年度
政府
関係機関予算補正(機第一号)