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1949-12-03 第6回国会 参議院 法務委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月三日(土曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件仙台大年寺山東北少年院設置反  対の請願(第三百六十二号) ○刑務作業運営に関する法律制定反  対の請願(第七百三号) ○釈放者衣類支給請願(第七百四  号) ○奈良地方裁判所葛城支部甲号支部  に昇格請願(第七百五号) ○福岡地方裁判所田川支部甲号支部  に昇格請願(第八百十四号) ○福島市に高等裁判所高等検察庁両  支部設置請願(第七百六号) ○小委員長報告 ○検察及び裁判の運営等に関する調査  の件   —————————————    午後二時三分開会
  2. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それではこれより法務委員会を開きます。  請願第三百六十二号を審査いたします。速記を止めて。    午後二時四分速記中止    ——————————    午後二時二十四分速記開始
  3. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それじや速記を始めて。仙台大年寺山東北少年院設置反対請願について、只今現地調査出張泉專門員より詳細御報告がありました。これに対して御質疑がある方は御質疑をお願いいたします。
  4. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 二、三点お伺いしますけれども、国見峠の方に入る道は分りましたが、大年寺山の方に行く道路はどうなんでしようか。
  5. 泉芳政

    專門員泉芳政君) お答えいたします。トラツクがその現場の真下まで参ります。
  6. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 それはもう……。
  7. 泉芳政

    專門員泉芳政君) 既設の道路であります。
  8. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 はあ、そうでありますか。
  9. 泉芳政

    專門員泉芳政君) 申し落しましたが未だ工事には全然着手しておりません。それからその大崩れのところは市側の言い分では、專門家に見さしたところが、これは全然農耕に適しないというふうに言つておるということでした。法務府の方では、あちらさんが演習の目的でその大崩れを何か機械を持つて来て、崩して均してやるというふうな話があるのだそうです、それで事は演習だものですから、一遍日が決まつたそうですが、この問題があるために平身低頭してその演習の延期を希つたところが非常に叱られた。併しまあ納得して最近に又その演習が行われる予定になつておるそうであります。併し市側では、法務府はあちらさんを使つてということを申しておりましたが、そして演習にかこつけてその地均しをしようというようなことを申しておりました。併し市は先程申しました通り、県と相談してその点には一指も触れさせないというふうなことを言つておりました。
  10. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 重ねて伺いますが。大年寺山の方に谷があるとおつしやつたようですね、その谷とそれから山の説明をもう一遍して下さいませんか。どれ位の山でしようか。この間から私懸念しておりました。少年が逃走いたしましたような場合にその山に逃げ込みましたときに、その山に登り、谷を渡るというようなことがあの保護、矯正の上に支障を来たすようなものではございませんか。
  11. 泉芳政

    專門員泉芳政君) 今申しましたのは傾斜でございますが、何さま一番高い所で二百メートルをそこそこでした。下は約三十メートル。ですから山という感じというよりもまあ丘陵という感じです。從つてその附近は大体そういつた地形なんですが、山に逃げ込むという感じはちよつと起きません。それから谷と申しますのは、今申しました通り約二百メートル両方から迫つておる。そうして下には二ツ沢という川が流れて、その道路は、トラツクの通れる約九尺ぐらいの幅の道があるというような関係であります。
  12. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 今度は国見峠の方でございますが、国見峠の方は、その少年院を拵えたら、そこから町の方は見えないものですか。それからいま一つ重ねて……、その国見峠の方の山はどうなつておりますか。
  13. 泉芳政

    專門員泉芳政君) お答えいたします。国見峠の道の上から言いまして、太平洋が見える。その太平洋の手前に仙台市街の一部が非常に綺麗に見渡せております。それからその辺一帶はやつぱり丘陵でありまして、未だ以て山という感じはいたしません。併し道の反対側の方は……というのは北側の方は国有林でありまして、それで精々直径二、三寸ぐらいの松が一杯に生えております。併しその中の一部分はすでに開放されたと見えまして、開拓民が入りまして、大分伐り倒して畑に直しております。そうしてその現場から約一キロぐらいの所に開拓世帶が三世帶ばかり簡單な家を造つておりますし、それからその近所に從来の農家も一軒ありました。その極く近くにいわゆる臨済寺の跡もありますし、そうしてその房の一つの弁天堂ですか、現に残つております。大体において逃げて山に入つたら分らんというような状況ではありません。それからその丘陵を越えて大沢村の方に参りますと、ずつと田圃或いは用水というようなものがありまして、丘の方から見た眺めは実に素晴らしい。
  14. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 いま一つ、聞き落したかも知れませんが、大年寺山国見峠両方の方角はどういうふうになつておりますか。つまり少年院を建てれば、どちらに陽を迎えることになりますか。
  15. 泉芳政

    專門員泉芳政君) 大年寺山南面であります。国見峠候補地南面であります。そこで寒さという面においては殆んど変らんだろうと思います。南面でございますから日当りは非常によろしうございまして、どつちも当日は天気がよかつたせいもありますが、歩いて汗ばむ程でございました。
  16. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 それから水の方は。
  17. 泉芳政

    專門員泉芳政君) 水は国見峠の方は地主さんに聞きましたらまあお百姓のことですから至極簡單ですが、一丈も掘つたら飲み水は出ますよという話でした。六年寺の方はこれは法務府の方でお調べだろうと思いますがこれも掘れば出るだろうと思います。
  18. 關之

    説明員關之君) 只今專門員の方から御説明なつたそれに附加えまして、私の方の側から調べたこと、或いは附加うべきこと等数点につきまして申上げておきます。  先ず大年寺山の山崩れの問題でありますが、これは工事を行うにつきましてはやはり根本的な問題でありますから、十分に調査いたしまして、東北大学の教授理学博士半沢さんにちよつと聞きましたところが、どうもそれは今の両方崩れがひつつくであろう、併し私の方でやつているところは、風致地区の三万坪は岩盤でありますからそれは大丈夫である。併し一部が崩れればこつちも崩れはせんかという気もいたしますが、山の崩れた高度が百米の山が八十米位低くなるのであるし、私の方の風致地区の三万坪の最高のところが行くわけですから、そこへは崩れて行かないだろう、こういう判断をして頂いたわけであります。そこでその問題は先ずそういうふうに考え半沢正四郎博士判断を信用いたしまして、私共はそこへ建てると、こういうふうに考えたわけであります。  次に法務府との契約でありますが、市長の方では何か文書僞造とか、不可解な事件があるというような話を市長自身が言つておるようでありますが、その後、又私の方の調べたところでは現に昨日伊達家未亡人の方が刑政長官のところに参りまして、残金を支拂つて下さい、この契約は間違いないものであるから支拂つて下さい、というような現に要求、請求に来られておるのでありまして、どうもその点が仙台市側の言うようなこともないだろうと、現に未亡人のその方が来て刑政長官に会いまして、金を貰いたい、是非早くこれは履行して下さいと、こういうふうに言つておるのでありまして、そこにはどうも何ら未亡人意思に反した各種のことはないだろうと、こういうふうに一応私は考えておるわけであります。  次に国見峠の方に移ります。国見峠の方の地質の問題でありますが、これまた私もよく見まして、そして又帰つて来まして、私共の方の專門技官との間に意見もよく闘わせ、その意見を聞きましたところが、こういうようなことにその地質を解しなければならんことになるのであります。この国見峠の一帶、今の道が泥濘であるということ……そこは粘土であります。それで大体におきましては地質は上に粘土があつて、下に粘土のない層があると、こういう土地柄であるからして、上は全体から言えばじくじくしている。そこで濕地ということではないのであるが、非常にじくじくしている。それで用排水その他の点で余程考慮しなければならないという問題が出ている。それで一体そうであるならば建物の持ちとか或いは住居上の衞生問題ということも余程考慮しなければならん問題であると、こういうことに私共の專門技官意見として申しておるのでありますが、次はこの土質の関係から水の問題でございますが、そうなりますと、その粘土質の中には幾らかの水があるけれども、下の方には水がない。これは自分法務府の各地の建物を見てそう考えざるを得ない。上の方は粘土だから水は出るが、下の方はそうでない層であるから恐らく水を得るには困難ではないか。成る程じくじくしているから一見して水があるようだけれども、真実深く掘つてみると、二百数十人の者を養うだけの水の量が恐らく困難ではないか、こういう見解であるわけです。  次に道路の問題でありますが、一見いたしましたところ、国見峠土地の問題は恐らく道路が致命的な問題ではないかというふうに、私共は考えざるを得ないのであります。今專門員の方の御報告通り相当傾斜がある。そうして二年間一台もトラツクが上らない。現に私共がジープで上つたが、漸くのことで上つたような次第でありまして、そういうようなところに現在日本のトラツクでは不可能ではないかというふうに考えるのでありまして、その点も篤と專門の私の方の技官意見を闘わしてみましたところが、やはりどうも現在のトラツクではあの勾配は資材を運んで上り切ることが困難であるというのが第一点、第二点としまして、あの泥濘の六尺の道を歩くと、膝頭までぐつと突こむところが数ケ所ありまして、総じて粘土で以てずるずるになつておる。そうして突こむ、そういうようなところはなかなか簡單には直らないだろう、仮にどういうふうにしてやるか知らないが、やつてみたところでバラスを簡單に注ぎ込むだけではなかなかこれは期待できない。そういうことになりますれば、おのずから又トラツクを仮にやつたとしても、それは運転できない状況にある。この道路の点につきましては、実際にトラツク使つて上に資材を持つて行つて、建築するというその実際の面を考えてみると、どうも自分としては責任が負えない、こういうふうに判断いたしているわけであります。そうしまして、次に寒さの問題でありまするが、これも仙台市とは恐らく百米かそこら、六年寺とはそのくらいの差があるではないかというように私は考えるのであります。そうすると実は上と下は五度くらいの差があるだろう。その点專門技官意見を闘わしましたところが、大体五度くらいの差が出たようであります。そういたしますと、特別な煖房裝置とかいろいろなことも必要になり、現在予算その他の問題になつて来ると、相当の困難が起ることになる、そうして電気、水道或いは電信、そういうようなものを長距離に亘つて全部施設を設けなければならないという問題が出て来る。こういうことも予算上可なりのネツクになる。こういうふうに專門的な技術の立場から申しているわけであります。そうして次に六年寺の三万坪の風致地方以外の七万坪の風致地区の問題でありますが、私共といたしましては、風致地区内には現在二、三町歩の農耕地があるのでありますが、これは風致地区内の三万坪のところを上つた尾根の続きになつておりまして、仙台市が直接見えるとかいうような関係はないわけでありまして、そこだけは使いたい、かようなふうに考えているのであります。これは土地地形を変更するというようなことにならないわけでありますからして、都都計画法に基く風致地区指定規則によりましても、何ら法律上問題はないものである。だからそこだけは使いたい、こういうふうに考えております。その他の点につきましてはよく市と協議いたしまして、市の意思に反するようなことはいたさないと、かような方向にいたしたいと考えているわけであります。そんなような次第でありまして、国見峠大年寺山はいずれも一長一短でありまして、併しさて実際に工事を施行することになりますると、すべての立地條件を総合的に考えまして、まあどちらがいいか、いろいろな條件から見てベターがということになりますと、今の段階におきましては、やはり大年寺山の方に軍配を挙げざるを得ない、こういうふうに考えているわけであります。それでそういうような考えの下に、今までここで申上げたような方針に從つてやつて行きたい、かように考えているわけであります。
  19. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 ちよつと一点お尋ねいたします。今の立地の問題ですが、それは道路の状態から推理して、国見峠の方の現場濕地という意味ですか。
  20. 關之

    説明員關之君) 道路ですね、開さくした道に地肌が出て、そういうところから判断して、そういうふうに考えられる……
  21. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 あなたはおいでになつたのですか。
  22. 關之

    説明員關之君) 私も参りました。
  23. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 現地はどうですか。
  24. 關之

    説明員關之君) 現地の方には非常に水がじくじくしているんです。それでそういうようじやないかと私は思うのでございますけれども……
  25. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 政府委員の方にお伺いしますけれども、この十万菌の大年寺山の方にお求めになりたいという、その十万坪というのは少年院を造りますのに、各所とも十万坪ということが大体の広さなんでございますか。
  26. 古橋浦四郎

    政府委員(古橋浦四郎君) 少年院の代表的な施設から申しますると、大体十万坪ぐらいになつているんでございます。併しその立地條件によりましては、それ以下のところもあるのでございますが、私共の、仙台大年寺山につきましては、只今申上げましたように初めは十万坪、これは全部使えんだろうという考えで、理想的な構想は十万坪と考えたのであります。併しその後の市当局のいろいろな御事情などによりまして、三万坪ということになりましたのでございまするが、三万坪では、上に相当大きな建物ができるんでございます。東京にございます多摩少年院が約三万坪、その他瀬戸、北海、その他は十万坪でございます。そういうような事情でございます。
  27. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 十万坪の計画かも知れませんが、先程関さんの御説明では三万坪の上の方に二、三万坪の耕作地があるからそれは使えるとおつしやいますと、結局は五万坪くらいになるのですか。
  28. 關之

    説明員關之君) さようでございます。先程專門員の方からお話もありましたように、全体の土地が山でございまして、東京のごとく百坪なら百坪に使えるというのではなく、山あり谷あり坂あり、そういう所はどうも、例えば樹木を利用して庭園でも作るとかいうことは利用できますが、いわゆる農耕地として使いますることになりますと、やはり七万坪ありましても、恐らく三万坪、四万坪ということになります。ですから非常に不用な土地が多い、だから平たい土地がありましたら、これを勿論求むべきでありましようけれでも、何といたしましても一番のこの問題の根本は、仙台市の周辺に過当な三万坪、四万坪の私共の方の少年院を造る適地がないというのが根本の理由だと思います。山の如何ともし難い……現地の者も言つておりましたが、これは法務府では六年寺の屑の土地買つたというようなことを申しておりますが、そう言われましたといたしましても、さて現実に仙台市に少年院を造りたい、仙台市の周辺に造ると申しますと公平に見まして、あの土地以外にはよりベターの所はない、こういうふうに私共は考えざるを得ないのであります。少年院はいろいろ考えまして、適当なところに、より住みよい家を作つてやるということが非常に少年院根本考え方でありまして、家が悪ければそこから飛び出すということで、私共は苦い経験から、いい土地により住みよい家を作るということにいたしたい。いろいろ各種條件考えまして、そうして仙台市の周辺で三、四万坪手頃の土地はどうもあり得ない。国見峙も結構でありましようが、今の道路の問題、その他の問題からみると、どうもそこまで行つて、さて後の運営はどうするかというようなことを考えますると、どうもそこまで思い切り兼ねるわけであります。彼此れ考覈してみますると、やはりあの土地しかないじやないかというように考えておるのであります。
  29. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 多摩もそうでありましようが、瀬戸少年院は十万坪の中で、初め買いましたときは、随分山林が入つていたのでございます。それを段々開墾されたように私は存じておりますが、如何でございましようか。
  30. 古橋浦四郎

    政府委員(古橋浦四郎君) 只今質問通りでございまして、最初は大きな小松林がいつぱいでございまして、漸次開発しまして、畑にしまして、只今畑が非常に沢山になつております。
  31. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 もう一点泉さんに伺いますけれども、まる二年間も手入れしない道路というのですが、それを百万円ぐらいあれば二十日ぐらいでできるというようなことを市当局は話したということがございますけれども、その百万円の予算の話なんかには及ばなかつたのでしようか。その予算市会へ出す云々というようなところまではお話はなかつたのでございますね。ただ百万円かかるというだけだつたのですか。
  32. 泉芳政

    專門員泉芳政君) 予算とか市会とかいう話は出ませんでしたが、要するに先程ちよつと申上げたように、そういうことは條件に持出すものではない、作るということになればどうしたつてやらざるを得んじやないか、或いは俺が陣頭に立てば二十日ぐらいでできるというような……。
  33. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 泉さん、そのようなことですけれども、泉さんはそこまで誠意のある言葉のようにお感じになつたのでしようか。
  34. 泉芳政

    專門員泉芳政君) それは私はちよつと……。御判断にお任せしたいと思います。
  35. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 この請願大分法務府の方も熱情を持つて現地に臨まれておるし、又聞くところによれば、地元の方から市会議員が四、五名この間陳情に来ておりましたが、それも法務府に立ち寄つて、検務長官の了解を得て帰つたというような何があるのですが、それに又これを積極的に大年寺山の方を変更しようとするならば、もう少しやはりこの委員会がいずれか、右か左に決しなければならんとするならば、困難な隘路となる点を確立してかからなければならんと思う。それで衆議院の方でも結局本件の結論をこの国会においては出し得なかつた。で高橋君がこの請願紹介者なつておりますが、そういうふうな事情等を先程高橋君に話しましたら、それならばこの国会では審議未了でも実は止むを得ないということで、紹介議員もよく承知しておりますから、若し皆さんの御意見が積極的か或いは消極的かの結論を出すことに対して、適当な土地もあれば別としまして、請願者の方には先程払はその話をしたところが、それは止むを得ないであろうということで、時間をかすことになれば又法務府の方と地元の方と折衝して、時の力によつて解決できるか知らんとも考えるのであります。法務府の方から強引にこれを実施しようとすると、いろいろな先だつてから陳情して来たような副作用が起つて事業の本質に非常な大きい影響があると思う。さればと言つて法務府にもそういう点はやはり準備はありましようから、ちよつと次の国会も近いことであるから、この国会結論を出すことを暫く見送つたらどうかと思いますが、如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 只今鬼丸委員の御発言の御趣旨の通り取計らつて如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 ちよつと伺いますが、これはここで見送つて、そうしてその結果どういうことになりますものでございましようか、私は今日見ました法務府から出ました統計によりましても、仙台少年観護所なんかは超満員でございまして、十四人收容しなければならないところへ十七人も入つております。そこへ入て来て東北学院がああいう不成績なものでございますから、少年保護という立場から申しましたら、これは一時もゆつくりできない問題じやないかというふうに考えておりますが、如何なものでございましようか。
  38. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 私も全く宮城さんの御説と同感であります。併しながらやはり少年院建設して後の、陳情者が先だつてこちらへ来ての話によりますと、非常に地元が尖鋭化しておる。併しそれを強行することになると、建設後においても、建設途中においても又非常に困難なことができて来やしないかということを憂える。私は先程来政府委員説明を拜聽しておりまするし、又泉さんの今の御報告と、それから市長決議等も聽きましたが、いずれも私はこれは地元とそれから法務府との話合いが必ずできるものだと思います。そうして私は円満にでき得ることならばやつた方がいいじやないか、若しそれが不幸にしてできないということになりまするならば、もう明日から国会に開かれますから、重ねて必ず陳情書が出て来る、それで数日を争うというようなことでもないと思いますので、如何なものでしようか。
  39. 松井道夫

    松井道夫君 ちよつと一、二点確かめて置きたいのですが、今の法務府側で、若し市の言うように今の三万坪以外は一指も手を触れることができないていうような状況つたら、これは少年院運営して行く上に多少困るのですか。
  40. 古橋浦四郎

    政府委員(古橋浦四郎君) 私共の都合におきましては、三万坪で十分初等少年院運営はできるものと思つております。尚これに中等少年院、その他を加えますれば三万坪では如何かと思いますが、要するに收容能力を或る程度制限いたしますればこれでできると私つておるのであります。
  41. 松井道夫

    松井道夫君 当初の計画はどの程度少年院お作りになるおつもりであつたのですか。
  42. 古橋浦四郎

    政府委員(古橋浦四郎君) 当初におきましては、ここに大体総合的に東北方面少年院を集めたいという考えでおつたのであります。倒えて申上げますれば女の少年院もそこに置きたい、病院の少年院もそこに置きたいという工合考えたわけであります。併しその後変更いたしまして、只今では仙台市及び宮城県、大体その附近の地におきまする少年院少年初等又は中等、約二百五、六十名までの少年院にして三万坪を活用いたいといという工合考えております。
  43. 松井道夫

    松井道夫君 そうすると今の総合少年院はどこへお作りになるのか、その点の計画が立つておられましようか。
  44. 古橋浦四郎

    政府委員(古橋浦四郎君) まだこの変更によりまする特別少年院その他の少年院につきましては、具体的な線は立つておりませんが、今までの他の県にありまする施設を更に拡張いたしまするか、或いは新たに少年院として施設を立てなければならんことになると思います。我々の方の統計によりますると、大体東北方面に四百名以上收容し得る少年施設を設けなければならんと思つておりまするが、差当り仙台の二百名余りの施設を作れば、ここ一年或いは二年はそれでやつて行けると思つておりますが、勿論特別な少年、或いは女子という点につきましては更に考慮しなければならんと思つております。
  45. 松井道夫

    松井道夫君 それから先程鬼丸さんの言われた中にあつたのですが、衆議院でもやはり同じような請願があつて、それは審議未了というように大体決つたわけなんですか。
  46. 牧野寛索

    政府委員牧野寛索君) この点は衆議院では別に質問も出ませんで、ただ私共の方では風致地区を害しない程度においてその建設ができるということをお答えいたしまして、そのことを御了解願いました程度で、まだ採択にはなつておりません。
  47. 松井道夫

    松井道夫君 それからもう一点……この間市会議長ですが、上京されて刑政長官の話を聞いて了承して帰られたという話を一説に聞いておりますし、又佐藤さんが再び現地行つて話されるということで帰られた、こういう話を聞いておりますし、その点はどうなんですか、どういうことで帰つたのでしようか、御承知ですか。
  48. 牧野寛索

    政府委員牧野寛索君) 市会ですか、仙台市の勢力関係と申しますか、或いは誰が一体最後の鍵を握つておるかというような点は、やはり非常に線が幾つかありまして、私の見るところでは、この間市会の四人の方の陳情も、その方々としては確かに了承は頂けたのであります。私の前にも参りまして、成る程そういう話ならよく分りましたというようなラインでお帰り願つたのでありますが、又向うへ行つて見ますと、その意見は必ずしも向うの主導的な、決定的な意見ということになつていないように考えられるのであります。そこでそこらの点が一本筋ではどうも行かない、そうして又市当局といたしますれば、市民の一部の方々の強い反対などの立場もありまして、急に手の裏を返すがごとくに、というわけには相成らないと私は思うのであります。この問題は私共といたしましては、結局妥結をして、円満にそのことを運ぶようにという確信と熱意を以て当るつもりであります。すでに一つの方法といたしましては七万坪の風致地区の処置につきましては、向うの御趣旨が十分通るような方法においてこれを善処いたしたいと考えておるのであります。それで私共といたしましては国会の御心配のことも十分に胸に入れまして、どこまでも現地との妥結を図りまして、そうして事を処して行く。結局それがあそこ以上にはベター土地がないという私共基本的な考え方に基きまして、是非あの土地地元の方との妥結をうまくして、そうして事柄を処置して行きたい。そうしてその方法といたしましても必ずしも方法がないのではない。それから最近、昨日、一昨日からの話によりましても大分その方向に近付きつつある。こういうふうに考えまして、私は妥協ということに対しては、前途に希望を持つて進んでおるわけであります。
  49. 松井道夫

    松井道夫君 それでこの間市会議長が見えて、佐藤さんと会われたという話は承知しておりますか。
  50. 關之

    説明員關之君) 承知しております。
  51. 松井道夫

    松井道夫君 どういう結論であられたのですか。
  52. 關之

    説明員關之君) そのときの結論は、私の方としましては、風致地区の三万坪に建築をいたしたい。風致地区の若干の今使われておる農耕地を使用いたしまして、それ以外の地にはとにかく今は何もしない、手を着けない。それなら分りました。そのときこういう話でありましたが、それならば何も反対することはない、こういうことでした。ところがそれが又昨日聽いて見ますと、必ずしも向うの、市会意見なつておりません。こういう話でありました。
  53. 松井道夫

    松井道夫君 これは今泉さんの報告の中に出て来たのですが、進駐軍の方の後援で今の道路工事簡單に行くというようなことは考えられないのですか。
  54. 關之

    説明員關之君) その問題はちよつと何とも申上げかねます。そういう問題になりますと……。
  55. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 私が聞いておりますところによりますと、結局地元の反対の主なるものとしては、法務府の方で十万坪の土地をすでに買うことに約束をした。そうするとすでに三万坪とは言いながら、やがて拡大される虞れがあるために、地方の方は非常に脅威を持つておる。そこで法務府の方ではもう三万坪以上は絶対に拡大の意思はない、若しそれに対する不安が地元の方にあるのなら残りの七万坪をあなたの方に売つてもよろしい。そうしてその代りこれに代る土地を一つこちらに下さい。こういうようなふうの意見法務府の方でも持たれておると私共聞いております。その線で以て或いは地元の方の解決が穏かに進むのじやないかというふうに考えますが、その点如何ですか。今お話の一部にあつたようですが。
  56. 關之

    説明員關之君) 今鬼丸さんからお話の問題、その一線が向うの妥結の有力な筋ではないかというように考えておるのでありまして、仙台市の方々が大年寺山が歴史的のゆかりの地である、その歴史的のゆかりの地を買うなら自分達が買いたい。こういうふうに国に取られるのは何だか寂しい。その気持だろうと思いまして、それも土地の方から見れば誠に御尤もの心理でありまするから、私はそういうような、今御指摘のようなラインが一つの解決の方法ではないかと、考えておるわけであります。
  57. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 尤も法務府の方といたしましても、十万坪の中七万坪はいろいろ各種事情によつて使えないということは明らかになつておるのですから、使えない土地を買うということも国家としては損害なんですから、むしろそれは買わないようにして、そうして市の方の感情も柔らげて置くのが、鬼丸さんの御説の通り最も適切じやないかと思うのです。
  58. 關之

    説明員關之君) そういうふうに私もどうせ使えない七万坪の土地を持つておるよりは、市にやつて配置換をした方がむしろ賢明な策だろうと思つております。その線ならば妥結は容易につくのではないかというふうに考えておるわけです。
  59. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 会計検査の方面から申しましても、使えないということが初めから分つておるのを支出するということも将来又問題を起す関係から、そういう点を御了知になつたらいいと思います。  では本案につきましては政府の方において無理押しをしないで、飽くまでも現地と十分お話合い下さつて、そうして妥結をするようにお取計らいの上事業の進行を図られるように希望いたして、本案については一応審議未了にするということで如何でございましよう。    〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
  60. 伊藤修

    委員長伊藤修君) ではさよう取計らうことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 伊藤修

    委員長伊藤修君) ではさよう取計らうことにいたします。    ——————————
  62. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 御迷惑でありますけれども、追加になつ請願が出て参つておりますから御審議を煩わしたいと存じます。  先ず第七百三号、刑務作業運営に関する法律制定反対の請願、これを議題に供します。
  63. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 この請願は私の方の境野君紹介にかかる請願ですが、先程境野君に私よりお話申上げて、すでに政府の上においてこの法案を制定する必要に迫られておつて、政府の方でもすでに確定案となつて、国会に提案する用意が完全にできておると聞いております。その趣旨を更に境野君に申上げましたところが、それならばやつても無駄であるから、然るべく裁いて呉れてよろしいということでしたから、どうぞそのようにお願いします。
  64. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 本請願に申述べられておる事項は、法務府においても只今鬼丸委員から抑せになりましたような趣旨において、近く立法化される運びになつておる次第でありますから、それと相反するところの請願であります次第ですから、鬼丸さんの御説明のごとく、これは採択せずと決定しては如何ですか。
  65. 大野幸一

    ○大野幸一君 採択するということじやないのです。採択せずという決議じやないんですか……。
  66. 伊藤修

    委員長伊藤修君) これは若し採択するということになると、法務府から出て来るこの種の事項に関する法案に対しまして、相反する意見を表示しなければならん。
  67. 大野幸一

    ○大野幸一君 請願を聞き置くという程度に……。
  68. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 紹介議員の出席もありませんから、これは審議未了にして、やはり聞いて置くということで……、採択するということもやはり……。
  69. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それでは本案につきましては後日これに対するところの立法措置が講ぜられることを予想せられまするので、審議未了に取計らうことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 伊藤修

    委員長伊藤修君) では審議未了といたします。    ——————————
  71. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 次に第七百四号、釈放者衣類支給請願を議題に供します。この請願の趣旨は、全国一般的なという趣旨じやなくて、この保護団体に支給して貰いたいというような趣旨であります。現在御承知の通り服役しておるところの囚人の衣類さえないという事情の折柄でありますが、政府委員の御意見を伺いたいと思います。
  72. 牧野寛索

    政府委員牧野寛索君) 衣料事情が一般に苦しいことは御承知の通りでありまして、受刑者の持つ衣料が特に乏しいことも事実であります。季節外れの薄着で受刑者を釈放することが再犯への源となることも請願に謳われる通りであります。監獄法はこの見地から釈放する際相当の衣類を持たない者には給與し得る規定を設け、政府はできるだけ措置を講じ、本年度予算では一人千円で四千人分を用意しておるのでありますが、支給を要する人員は大体三万人くらいに上るので、その必要を滿し得ない実情にあります。現下財政上種々困難はありますが、今後予算の増額を図ると共に、現場ではララ物資等の増配を受けて、漸次充足したいと考えております。尚ララ物資の増配については、中央更生保護委員会とも十分連絡して打開に努めたとい思つております。
  73. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 別に御質問ありませんか。
  74. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうしますとこれは何ですか、大体今年の予算において釈放者に対する一千円程度予算を取つて、政府の方で計画なさつておりますか。
  75. 古橋浦四郎

    政府委員(古橋浦四郎君) ここに書いてありますのは本年度の分の予算でございますが、来年度におきましてもこれ以上入手できる予定になつております。
  76. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 別に御意見ありませんか。では本請願に対しましてはこの保護団体に特別に支給するという意味合いでなくして、全釈放者に対する政府の措置として、この請願の趣旨といたしまして本件を採択して政府に回付することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 伊藤修

    委員長伊藤修君) ではさよう決定いたします。    ——————————
  78. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 次に第七百五号、奈良県方裁判所葛城支部を甲号支部昇格請願を議題に供します。先ず政府と裁判所の両方から御意見を伺います。
  79. 牧野寛索

    政府委員牧野寛索君) これは最高裁判所の権限に属しておりますので、裁判所の方から説明をして頂きたいと思います。
  80. 磯崎良譽

    説明員(磯崎良譽君) 奈良地方裁判所の葛城支部を甲号支部に昇げて貰いたいということについては、すでに現地から相当久して要望されておりますので、裁判所の方でもいろいろ事情調査して現地の所長から報告が出ておりますが、現地の裁判所の方でも甲号に昇げることが妥当であると思われるという回答でございますので、予算的な措置を取つて頂くよう、請願の趣旨に副うよう努力いたしたいと存じております。
  81. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 何か御質疑がありますか、別になければ本件に対しましては最高裁判所におきましても、これに賛成の御意見のようでありますから、これを採択いたしまして政府に回付することに決定することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 伊藤修

    委員長伊藤修君) ではさよう決定いたします。    ——————————
  83. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 次に第八百十四号、福岡地方裁判所田川支部甲号支部昇格請願であります。これは紹介議員の矢野議員、野田議員も先程説明に来ると申されておりましたが、只今出席がないので、趣旨は請願書によつても十分了承できると存じますが、先ず政府委員の御説明をお願いいたします。
  84. 牧野寛索

    政府委員牧野寛索君) 本請願も最高裁判所の権限に属しておりますので、裁判所から御説明を頂きたいと思います。
  85. 磯崎良譽

    説明員(磯崎良譽君) この請願につきましても今年の十一月の中頃に現地の方から御要望がありましたので、早速福岡地方裁判所等にも照会していろいろを事情調査させておりますので、遠からずその事情も判明いたすと存じますので、その結果によりまして努力いたしたいと存じております。
  86. 大野幸一

    ○大野幸一君 私はこの機会にちよつと、福岡県の小倉地方裁判所のことですが、この前個人的にあちらを視察いたしましたときに、とにかく一番日本で、私の今まで見た中で一番悪い庁舎で、ああいうところで、小倉市の現在の地位というものについては十分御存じでしようが、あれを最高裁判所が今まで放任されておるのはどうも片手落のようなことで、他に相当裁判所が立派な権威を保つために費用を使つておいでになるに拘わらず、小倉市だけは非常にみじめである。あれをどうにかされるお考えがあるかどうかを、この機会に一つ伺つて置きたいということ、それからあそこを独立裁判所にしたいという希望があるのですが、これを今までの面子に捉われることなく、必要があればできないこともないのでしようから、これをやる意思があるかどうか、これ二点を伺いたい。
  87. 磯崎良譽

    説明員(磯崎良譽君) 小倉庁舎が非常に傷んでおりますことは、私達もよく存じております。確か本年度の予算には庁舎を造ることが含まれておる筈でありますので、本年度予算でできるものと思つておりますが、詳しい点はいずれ検務局長が出まして、全国的な庁舎の計画について御説明をいたす筈になつておりますので、その際に詳しくはお答えいたしたいと思います。それから尚小倉支部を地方裁判所に昇格して貰いたいというような御要望もすでに久しいのでありますが、何さま大体地方裁判所の本所は一府県一ケ所という原則で、裁判所を設置いたしまして以来ずつて一貫しておりますので、その点についてなかなか最高裁判所でも踏切りがつかないというような事情であります。割合に交通が至便であつて福岡に至るにも本線が通つておりますので、このまま御辛抱願えるのではないかという気持でありまして、早急に地方裁判所の本所に昇げるというふうなところまでには至つていないのであります。御趣旨に副うように努めたいとは思つております。
  88. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 全国の裁判所の建設、その他に対するところの詳細なる説明は次の機会においてするという約束になつておりますから、御承知願います。
  89. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 この際ちよつと政府当局にお願いしたいことがございます。刑務所におります人達に対する衣類の支給のことでございますが、中に夜具蒲団がございませんで、冬に敷張を着て寝るというようなところもございますので、衣類と同時に夜具の点も一つ御考慮願いたいと思います。  それからもう一つ特にお願いして置きたいことは、刑務所で生れ出ます赤ん坊に対しての衣類、おしめの点について是非一つ特別の御配慮を願いたいのでございます。
  90. 磯崎良譽

    説明員(磯崎良譽君) そういたします。
  91. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 他に御発言もなければ、福岡地方裁判所田川支部甲号支部昇格請願、これを採択し政府の回付することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それではこれを回付することに決定いたします。   —————————————
  93. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 次に第七百六号、福島市に高等裁判所高等検察庁支部設置請願を議題に供します。
  94. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 この請願はすでに前回においても出されて、そうして採択回付されておると承知しております。橋岡萬右衞門君の紹介によりまして、当委員会はやはり同様な趣旨の請願が前回に出されて、そうしてやはり採択されておるように聞いておりますが……
  95. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 御発言中ですが、それは郡山市に設置するの請願のお間違いぶはないでしようか。
  96. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 分りました。
  97. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 当委員会におきましては、只今鬼丸委員の仰せのごとく第一回、及び第二回郡山市に高等裁判所及び高等検察庁支部を設置する請願を採央いたしまして、本議会におきましても三度その請願が出ておる次第でありますが、それにつきましては、先の委員会におきまして、本件に対しまして十分細かい研究をして、その採否を決定しよう、從つてその研究のために審議未了ということにしようということに、いわゆる郡山の請願に対しましてもそういう取計らいをした次第であります。本件につきましては郡山と程近いところにありますので、やはりちよつと困難を来して来ることになりますが、如何いたしましようか。
  98. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 これはやはり調査して、少し我々がその知識を持たなければ採否は困難と思いますからそれで……。
  99. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それでは只今鬼丸委員の仰せの通り、尚本件につきましては調査するために、これを審議未了とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 松井道夫

    松井道夫君 その前にちよつと法務府の御意見を伺つて置きます。
  101. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それでは法務府の御意見を……。
  102. 牧野寛索

    政府委員牧野寛索君) 法務府から申上げて置きますが、只今委員長から申されました通りに、本件についてはすでに郡山市からも出ておる関係もありますので、よくその間の調査をいたしまして最高裁判所と連絡をとりまして考慮いたしたいと存じます。
  103. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 最高裁判所の御意見を……。
  104. 磯崎良譽

    説明員(磯崎良譽君) 郡山につきまして前回に申上げましたことが、大体福島にも当るかと思うのであります。福島は無論本庁でありまして、支部ではございませんが、福島で控訴し得る即ち福島の高等裁判等支部を利用し得る予定管轄区域は、大体福島地方裁判所の管轄に限られるものではないか、いわば利用の箇所が少いのではないかというふうな気用がありまして、他に相当設置の必要があると思われる箇所もありますので、最高裁判所としましては消極的な気持を持つております。
  105. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 尚本件につきましては、十分調査することにいたしまして、この程度において審切未了にすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  106. 伊藤修

    委員長伊藤修君) ではさよう取計らいます。   —————————————
  107. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 次に検察及び裁判の運営等に関する調査の件を議題に供します。先ず青少年犯罪に関する小委員会の小委員長の御報告を求めます。
  108. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 当法務委員会で本年七月に青少年犯罪に関する小委員会が成立いたしまして以来、国会の休日を利用いたしまして、各委員が全国的に調査に取掛りまして、その調査を継続いたしましたのでございますが、今日に至りましてもその調査はまだ終了いたしません。今日小委員会を開きまして協議いたしました結果、尚その調査は継続して欲しいということでございますので、報告いたします。
  109. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 本調査に関するところの経過の概要を御報告いたします。  本委員会は、検察及び裁判の運営等に関する調査について、第五国会以来昭和電工事件、佐々木松夫事件、集団暴力事件、について調査を進めて来たが、各事件はいずれも事案が厖大複雑であり、且つ愼重を要するので、本委員会においては昭和二十四年五月三十一日、議院の議決を経て合三件の外、柳河、香月町事件、岐阜件事、青少年犯罪の一般状況とその処理について閉会中も会議を開き、証人を喚問し、或いは現地に議員、專門員を派遣する等、税意調査を進めて来たところ、昭和電工事件、集団暴力事件、柳河事件、香月町事件、岐阜事件の五件について一応の結論を得るに至つたのである。然るに佐々木松夫事件、柳河、香月町事件、岐阜事件はいずけも暴力団の特殊事件として、集団暴力事件の一環としてその総合的結論の資料とすべきものであるので、この三件は集団暴力事件中に織入んで一件とし、昭和電工事件と共にこれをここに報告する次第である。  尚これら事件調査は、第三国会以来四十数回に亘り、委員会若しくは小委員会又はこれら委員打合会の開会し、百余名に上る証人の証言を求め、或いは現地に出張する等、関係資料の蒐集に当つて愼産且つ精密になし、その結論において検察及び裁判の運営に寄與するところ大なるものがあつたことを確信する次第である。  尚青少年犯罪の一般状況とその処理に関する調査は、未だその結論を得るに至らなかつたので、その他の必要な調査と共に第七国会においても引続き調査を進める予定である。  右報告する。  以上のような経過であります。ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  110. 伊藤修

    委員長伊藤修君) では速記を始めて。  只今経過を御報告申上げました通り、從来調査して参りました二つの一応の結論だけをここに纒めて置きたいと存じますが、先に経過報告で申上げました通り昭和電工事調査報告書及び集団暴力事案調査報告書をここに決定することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 伊藤修

    委員長伊藤修君) ではこの原案通り報告書を決定いたします。御賛成の方は御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     大野 幸一  星野 芳樹     宮城タマヨ  鬼丸 義齊     遠山 丙市  鈴木 安孝     松村眞一郎  松井 道夫
  112. 伊藤修

    委員長伊藤修君) では第六国会委員会は、これを以て終了することにいたします。    午後三時三十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     伊藤  修君    理事            鬼丸 義齊君            宮城タマヨ君    委員            大野 幸一君            鈴木 安孝君            遠山 丙市君            松井 道夫君            松村眞一郎君            星野 芳樹君   政府委員    法務政務次官  牧野 寛索君    法務府事務官    (矯正保護局    長)      古橋浦四郎君   説明員    法務府事務官    (刑政長官総務    室主幹)    關   之君    最高裁判所長官    代理者    (事務総局総務    局第二課長)  磯崎 良譽君