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1949-11-29 第6回国会 参議院 文部委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十九日(火曜日)    午前十一時五十八分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○六・三制整備予算復活に関する請願  (第十二号) ○六・三制建築費国庫補助に関する請  願(第五十三号)(第五十五号)  (第二百九十一号) ○六・三制建築予算増額に関する請願  (第百十五号)(第二百十四号)  (六百六十二号) ○六・三制教育予算増額に関する請願  (第百五十四号)(第百五十五号)  (第百五十六号)(第二百二十三  号)(第三百号)(第四百八十一  号)(第五百五十二号)(第六百二  十三号) ○六・三制教育費国庫補助復活に関す  る請願(第三百二十五号) ○六・三制建築費国庫補助復活に関す  る請願(第三百三十四号) ○新制中学建築費国庫補助および起債  の継続助成に関する請願(第三百五  十六号) ○六・三制教育予算復活に関する請願  (第三百七十八号)(第五百十一  号) ○六・三制教育整備予算復活および増  額に関する請願(第五百五十三号) ○六・三制教育予算増額等に関する請  願(第六百六十三号) ○新制中学校建築費国庫補助復活に関  する陳情(第九十三号) ○義務教育費国庫負担法に伴う定員定  額制廃止請願(第六十一号)(第  二百号)(第二百十三号)(第二百  九十二号)(第三百七十号) ○教員定額引上げに関する請願(第  二百五号) ○義務教育費国庫負担金の配分に関  する請願(第二百二十四号) ○六・三制建築予算増額および定員定  額制廃止に関する請願(第五十二  号)(第六十二号)(第百五十八  号)(第百九十号)(第百九十一  号)(第百九十二号)(第百九十三  号)(第百九十四号)(第百九十五  号)(第百九十六号)(第百九十七  号)(第百九十八号)(第百九十九  号)(第二百九十三号)(第三百十  号)(第三百三十五号)(第三百三  十六号)(第三百三十七号)(第三  百七十一号)(第四百二十六号)  (第四百五十号)(第四百八十二  号)(第四百八十三号)(第四百八  十四号)(第四百八十五号)(第四  百八十六号)(第四百八十七号)  (第四百八十八号)(第五百十二  号)(第五百四十九号)(第五百五  十号)(第五百五十一号)(第五百  九十八号)(第五百九十九号)(第  六百二十四号) ○六・三制予算増額および定員定額制  廃止に関する請願(第二百十八号)  (第二百十九号)(第二百二十号)  第二百二十一号)(第二百二十二  号) ○六・三制建築費増額および定員定額  制廃止に関する陳情(第五十七号) ○六・三制建築予算増額および定員定  額制廃止に関する陳情(第七十三  号)(第九十四号) ○姫路城補修保護施設費国庫補助  に関する請願(第五百六十七号) ○国宝厳島神社大鳥居修理費国庫補助  に関する請願(第五百五十四号) ○奈良市に国立美術研究所設置請願  (第五百六十二号) ○福島営競輪場建設に伴う史せき一  部現状変更請願(第百四十号) ○暦法審議会設置に関する請願(第十  四号) ○科学研究等に必要な経費増額に関  する請願(第九十八号) ○旧大村海軍航空隊跡国立学校設置  の請願(第百七号)(第四百五十四  号) ○山口下積雪地方学生および教職  員にゴム長靴を配給するの請願(第  百三十五号) ○私学戰災復興国庫貸付金復活に関す  る請願(第三百十一号) ○鹿児島県下の豪風雨による被害学校  等の復旧工事費国庫補助増額に関す  る請願(第四百二十号) ○大日本育英奨学金に関する請願(第  六百十五号) ○不良出版物紙芝居等取締励行に  関する請願(第三百八十四号) ○東京杉並竜光寺紛争等に関す  る請願(第六百号) ○山口島地村、月輪寺薬師堂修理  に関する請願(第八十五号) ○宮崎大学に法、文、経済学部併置  の請願(第五百四十三号) ○文化財保護法案中一部修正に関する  請願(第三百八十号) ○国宝保存法律制定に関する陳情  (第五十号) ○私立学校法案内閣提出・衆議院送  付)   —————————————
  2. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) これより文部委員会を開会いたします。最初に請願及び陳情に関する小委員長報告を願います。
  3. 松野喜内

    松野喜内君 只今から請願並びに陳情に関する小委員会における審議の経過及び結果を御報告いたします。  本国会における文部関係請願総数八十六件でありまして、小委員会においては右のうち八十三件を採択し三件を保留といたしました。又陳情総数五件うち四件を採択一件を保留といたしました。  先ず六・三制予算増額等に関するものでありますが、第十二号の六・三制整備予算復活に関する請願は、文化国家建設の基盤を築く義務教育重要性に鑑み、政府はこの際地方の実情に即し適切なる処置を講じて、六・三制整備予算を復活して欲しいとの趣旨でありまして、誠に尤もでありますから、これと同樣趣旨請願二十一件と陳情一件とを一括採択いたしました。  次に第六十一号の義務教育費国庫負担法に伴う定員定額制廃止請願は、同法施行令による教員定員定額制の実施により、地方教育及び財政に支障と混乱を与えるから、同施行令廃止せられたいという趣旨でありますが、シヤウプ勧告の線に副つて平衡交付金制度が実施せられることによりまして事実上定員定額制は一応解消の形となりますので、同樣趣旨請願六件と共に一括採択いたすことに相成りました。  次に請願第五十二号六・三制建築予算増額および定員定額制廃止に関する請願外三十九件並びに陳情第五十七号外二件は、いずれも、さきの請願第十二号と第六十一号の趣旨とを合せたものでございますから、同樣に一括採択いたしました。  次に文化財関係のもの四件を申上げます。請願第五百六十七号の姫路城補修保護施設費国庫補助に関する請願は、同城が各所に生じた損傷によつて崩壊にひんしつつある現状に鑑み、又請願第五百五十四号の国宝厳島神社大鳥居修理費国庫補助に関する請願は、海水風波にさらされて腐朽倒壊の虞れがある、大鳥居、現在修理中の社殿を後廻しにしても急を要する現状でありますので、いずれも文化財保護の見地から採択いたすことにいたしました。請願第五百六十二号の奈良市に国立美術研究所設置請願は、その趣旨に謳つております通り日本美術の宝庫であり且つ優秀な観光地である同県内に研究所を設けますことは、東西古今美術資料を集めて文化財調査研究に便ならしめると共に、文化的水準の高揚に資ずることとなりますから採択いたしました。今一件の請願第百四十号福島営競輪場建設に伴う史せき部現状変更請願は、若松城本丸の一部を変更して競輪場を建設することを認可してもらいたいとの趣旨でありますが、本件はすでに若松市当局と、現状変更についての制限市当局収益の一部を交付して、史せき保存費にあてる等の各条件が妥決を見ておりますから採択することにいたしました。  次に雑件について申上げます。請願第十四号暦法審議会設置に関する請願は、現行暦が(一)年の始めが季節的に無意味であること、(二)各月の長さが不均等であること、(三)暦日と週日との関係が一定していないこと等の欠点がありますから、民主的組織による暦法審議会設置して、広く東西暦法、殊に世界暦及び我が国の中正暦等を慎重に審議してもらいたいという趣旨でありまして、暦の恒久性を季節、産業及び国民の実生活の上から眺めまして、又列国の世界暦運動現状に照しましても、将来予想されまする暦法改正の際に処する準備は必要であると認め、採択致しました。請願九十八号科学研究等に必要な経費増額に関する請願は、昨日採決されました本委員会提出科学技術振興に関する決議の趣旨に合致するものでございますから採択いたしました。請願第百七号及び第四百五十四号は、旧大村海運航空隊跡国立学校設置請願でありまして、自然環境に惠まれた長崎県大村湾に海運航空隊跡尨大な敷地と建造物が空しく放置されているのを利用して国立学校設置してほしいとの趣旨でありまして、水産並びに電気通信等の人材の需要に鑑み将来性を考慮して必要と認めましたから採択いたしました。  請願第百三十五号の山口下積雪地地方学生および教職員にゴム長靴を配給するの請願は、山口県の中央山岳部特殊事情に鑑み山陰地方と同様の配給とすべきものと認めましたから採択いたしました。請願第三百十一号私学戦災復興国庫貸付金輪活に関する請願は、従来の国庫からの貸付金が中断されたため復興工事中止のやむなき状態にあるものでありまして、請願第四百二十号の鹿児島県下の豪風雨による被害学校等復旧工事費国庫補助増額に関する請願はデラ、フエイ両台風の被害復旧費増額請願したものであります。請願第六百十五号の大日本育英会奨学金に関する請願は、学生生活の窮乏により優秀学生勉学中止の傾向を救済してもらいたいとの趣旨でありまして、以上三件はいずれも教育重大性から至極尤もであると認めましたから採択いたしました。次に請願第三百八十四号不良出版物紙芝居等取締励行に関する請願は、最近青少年ごとに児童に悪影響を与える不良出版物や、俗悪な紙芝居等が多くなつたからこの取締を励行してもらいたいとの趣旨でありまして、文化国家建設上由々しい問題でありますから、当然採択すべきでありますし、請願第六百号の東京杉並竜光寺紛争等に関する請願先住職の戦死後、現在の特命住職が、先住職の弟に法燈を継がせようとするだん徒の方針を妨害して、先住職の遺族に対しても精神的迫害を加えており、宗教的社会的にも悪影響を及ぼすものでありますから紛争解決に努力斡旋すべきものと認めて採択いたしました。  以上請願八十三件、陳情四件は採択したものでありますが、次に保留となりました請願三件と陳情一件について申上げます。  請願第八十五号山口島地村、月輪寺薬師堂修理に関する請願は、文化財保護立場から重要ではありますが、未だ腐朽損傷程度が実地調査されていないことと、修理費全額国庫補助を要求している点から、にわかに採択を許さないものがありました。請願第五百四十三号宮崎大学に、法、文、経済学部併置請願は、すでに決定した学芸、農、工、水の四学部に前記の三学部を併置して、個人の円満な常識向上を図らんとする趣旨でありますが、予算等関係上軽々に採択すべきでないと認め保留いたしました。最後に請願第三百八十号と陳情第五十号とは、いずれも文化財保護法案中一部修正に関するものでありますが、無形文化財保護については別法とすること、其他本委員会立案法案趣旨と背馳する諸点が認められますので保留といたしました。  以上御報告申上げます。
  4. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 只今松野委員長報告に対し御異議ございませんか。
  5. 梅原眞隆

    梅原眞隆君 第六百号のお寺の問題は、双方事情を詳細に調べないと採択されることによつて更に紛争を強めることがありがちであるから考えねばならない。
  6. 河野正夫

    河野正夫君 私もそう思います。この前朝鮮人学校の問題でも政府憲法違反理由で迫られたことがありまするし、紹介議員大隈さんの了解を得て保留にしたらどうですか。
  7. 大隈信幸

    大隈信幸君 私は直接に調査したのでなく友人でこの寺のだん徒である人から聞いたのですが、ご尤もな意見ですから文部省紛争解決のため斡旋の労をとることを条件として一応保留してもよろしいと思います。
  8. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それでは只今請願第六百号を保留にいたしまして、請願八十二件陳情四件の採択について御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それでは請願八十二件と陳情四件を採択いたし内閣送付と決定いたしました。只今竜光寺の件については文部省双方をよく調査し紛争解決に努力してもらうようにお願いします。   —————————————
  10. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それでは、次に私立学校法案を議題といたします。  今日は第三章学校法人から入ります。第一節通則、二十五条乃至二十九条を問題にいたします。
  11. 三島通陽

    三島通陽君 簡単に御質問いたしますけれども、この第二十五条の「私立学校の経営に必要な財産を有しなければならない」この必要な財産ということは、その次の二項にございます基準というところにあるのだろうと思いますけれども、これが必要以上な財産を若し学校法人が持つた場合は、それはどういうことになるかということを一応伺いたいのであります。という意味は、一例を申上げますと、或るキリスト教団体が一つの大きな会館を持つておる、その中の一部で女子高等学校を経営している。そうすると今度はその女子高等学校だけが学校法人になるわけであります。後はそのまま財団法人で残るわけでありますが、この本法施行の以前におきましては、その学校だけがいろいろな免税特典があつて外部分にはそういう特典というものがなかつた。そうすると今度は学校だけが独立して学校法人になりますから、そうすると外のいろいろな部分をもそれに包含すればいろいろな特典がある。そこでそういうことも考えられ得るのであります。ところが今の場合には財団法人キリスト教の或る団体というものは立派な社会教育をやつておるのでありますが、社会教育にはそういう免税がないわけであります。そこでそのようなものは或る程度学校法人の中に必要以上に入れることを許すことが当然じやないかと思われるのでありますが、そういうようなことはどういうふうに相成つておりますか、一応伺いたいのであります。
  12. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) この二十五条に「必要な財産を有しなければならない」と書きました意味は、むしろ最低線を表わすものがこの立法の本旨でございますが、只今お話のように、必要なというよりも、むしろ多い場面をどう始末するかという場合に収益事業を認めますような関係もございまして、多いこと自体又単にその学校教育自体以外のものも相当含む場合も実は考えて差支ないと思いますが、これは事実について申上げないと抽象的にお話しにくいと思いますので、従来よりはそうした意味には割合に広く取り得る余地があるというふうに御承解願いたいと思います。
  13. 三島通陽

    三島通陽君 今の御答弁でよく分りました。例えば病院なり病院を工場がやつておる場合、学校がやつておる場合、いろいろなことが考えられ得ると思いますから、一概には言えないと思いますけれども、社会教育みたいな財団法人学校法人に今度一部切離してなるというような場合には、十分この点を御考慮に相成つて頂きたいと思います。私の質問はこれで終ります。
  14. 河野正夫

    河野正夫君 根本的なことを一つ伺つて置きたいのですが、学校法人民法法人でもあると思うのでありますが、その民法制約と本章の制約とどういうような関係を持つておるのでありますか、一般的にお答え願いたいと思います。
  15. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 学校法人民法のいわゆる財団法人に対して特別な内容を持つておりますので、この法案に掲げられておりますことは先ず第一次的に適用されまして、それ以外の関係のものは民法の補足的なものによつて補われるというように御解釈願いたいと思います。
  16. 鈴木憲一

    鈴木憲一君 二十六条の収益事業意味でありますけれども、学校法人と不即不離のような形で事実面において現われて来ます学校外郭団体は、例えば後援会とか或いはPTAなどというような、そういつたようなものがいろいろな事業を行う場合には、この審議会は一切関与しない筈だと思うのですが、それで差支ないのですか、そう解釈して。
  17. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 御解釈の通りでございます。
  18. 鈴木憲一

    鈴木憲一君 その場合にどこから学校法人仕事であるか、外郭団体仕事であるかというようなことが分らない場合も出て来るのだろうと思いまするが、その場合に主催者外郭団体であるというような名目でやれば、その収益の目的というようなものは二十六条に規定しており通りであつても、審議会の方には関係なく、許可といいますか、所轄省認可を得る必要はないわけであるのでありますか。
  19. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 今のお話学校法人とどの程度関係のものだということは、ちよつとはつきりいたしませんでしたけれども、学校法人の性質の形でなく、その枠外の法人であれば当然この枠からは外れると考えざるを得ないと思います。
  20. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それでは次に進行いたしまして第二節設立、第三十条乃至第三十四条を問題にいたします。
  21. 大隈信幸

    大隈信幸君 第三十条の学校法人設立するというその設立は、第五条の一号の設置という言葉と、その関係はどういうことになるのですか。設立というものの中の一部を設置という言葉で表わしておるのかどうか、その点を御説明願いたいと思います。
  22. 福田繁芳

    説明員福田繁君) 三十条の場合におきましては、これは法人設立でありまして民法規定と同様な言葉を使つております。第五条の場合は学校設置であります。一応学校とそれを経営する学校法人とは別箇のものと考えております。
  23. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) ちよつと私からお尋ねいたしますが、先程河野委員に対して政府委員答弁された、学校法人民法法人一種になるということについては疑問がある。民法以外の特別の法人ではないか。これは法文全体を見ますとそういうふうに考えられるのですが、第三章の説明理由にも特別法人としてと、こうあるのです。民法による財団法人以上に教育的な又基礎の強固なことを必要とするものであるといい、又法案全体は民法規定を随分変更をしておるわけです。民法による場合には特に準用しておるのです。若し民法財団法人一種だといたしますと準用する必要はないということになるのですが、その点はつきりして貰いたいと思います。
  24. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 先程の答弁が明瞭を欠いたと思いますので補足さして頂きたいと思います。民法法人に対して学校法人は特別の法人を新たにこの法律によつて作り出したわけでありまして、民法のいいますそれぞれの規定は、こちらの法人に対して必要な限度でこちらに準用して来まして、その中にたまたま出ておりませんでも民法規定を準用することによつて補つた、今補足と申しましたので或いは誤解されたものと思います。そういう限度で準用されるということでございます。
  25. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 第二節設立について他に御発言はございませんか。
  26. 大隈信幸

    大隈信幸君 三十一条の第二項の場合、私立学校審議会意見を聞かなければならないというのですが、ここに問題があると思うのですけれども、この一項については私立学校審議会意見だけでいいのでありますか。それと私立大学審議会と何らか関係を持つて来るのかどうか、その辺の御説明を頂きたいと思います。
  27. 福田繁芳

    説明員福田繁君) 第三十一条の二項の場合におきましては、これは学校法人学校認可でございまして、これは当然に私立大学審議会意見を聞かなければならない、こう書いてあります。それから前に返りますが、第八条の二項に規定しておりますのは、大学設置審議会に諮問すべき事項と申しますのは大学設置廃止でございます。従つて大学設置廃止につきましてはこれは大学設置審議会の方に諮問する、こういうような形になるのであります。併しその手続は別でありましても、これは有機的に関連がある、こういう工合に考えます。
  28. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 第二節については、これ以外に御発言ございませんか。ございませんければ第三節管理、第三十五条から第四十五条まで役員関係しておりますから、これだけを一括して問題といたします。
  29. 大隈信幸

    大隈信幸君 第三十五条の役員、「学校法人には、役員として、理事五人以上及び監事二人以上を置かなければならない」とありますが、そうすると幼稚園というような非常に小さな場合には相当無理があるのじやないかというような気がするのですが、そういうことをどういうふうに考えておられますか。
  30. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 只今民法財団法人大学建前としても一人でも結構ですけれども、一応これを学校法人として特別な性格のものに考えましたために、少くともどういう小さい場合でも学校法人という形をとる以上は、この定数の役員を持つて貰いたいと考えているのであります。
  31. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 一つお尋ねしたいのは、第三十七条の「理事は、すべて学校法人業務について、学校法人を代表する。但し、寄附行為をもつてその代表権制限することができる」こうありますが、これは若し寄附行為を以て代表権制限は、これは外部に対するものであるかどうか、外部に対するものであるとするならば、重大なる欠陷があるのですが、その点はどうですか。
  32. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) これは外部に対する関係のものではございませんで、外部に対してはそういうことをやつても、代表権制限ではございません、そういうことでございます。
  33. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) こういうふうに書きますと、併し外部に対する代表権制限であるかのように見える。この点につき非常に明瞭を欠くのではないかと思われるのですが、若し外部的の制限ならばこれは当然なし得ることである、この法文の書き方では「代表権制限することができる」というように一般的になつておるから、対内対外両方とも制限になる。これは民法法人対内対外関係に関する非常に重要な法律的の点だと思うのですが、尚それは御研究願つておきたいと思います。  それからもう一つありますが、理事については第三十八条で資格が定められておるのですが、監事についてはどういうことになりますか。
  34. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 監事についてはこれを規定してその資格要件を決めておりませんですが、これは寄附行為役員を決めるようにいたしまして、寄附行為で決めて貰うという建前でございます。
  35. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 理事監事とを区別したゆえんですが、これは別に区別する理由もないじやないかというふうに感ぜられるのですが、或いは忘れているわけじやないですか。
  36. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 学校法人という特別なものを特に考えましたために、その執行機関であります理事という点については、特に重要に考えて格別の資格を一応並べたのでありますが、監事の場合にはその監事仕事性格から考えまして、特に学校法人であるからどうというふうに考えなくてもという建前から、寄附行為に任せようという態度をとりました。
  37. 松野喜内

    松野喜内君 私もその点を質問しようと思つたのですが、一体この私学というものにつきましてもやはり経理方面のことを自主的に是正せねばならん。この点については監事というものが自主的によくやらねばならんが、監事を同族の中から選ばれたりして不明朗のことが起り勝ちであつた過去に鑑みまして、内部的監査を厳にする必要もあると思う。或いは対社会的信用を増するためには第三者的の立場たる公認会計士を中に入れるような規定が必要と思うがその点如何でありますか。今委員長が質問されたときに、理事を非常に尊重されて監事を非常に軽く見られたように聴えたから、その点をお伺いして置きたいと思います。又監事選定手続規定されていないが如何ですか。
  38. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 特に監事を軽く見たという意味ではございませんで、むしろ三十八条の四項、五項といつた制限程度のことを考えれば、あとは学校にお任せして十分でないかと考えたのでございます。
  39. 河野正夫

    河野正夫君 私、言葉の点ですが、第三十七条四項の三号、監事の職務のうち「監査した結果不整の点」という、この不整とはどういう意味ですか。何だか新らしい日本語のような気がするのですが。
  40. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) これは別に新らしい言葉ではございませんで、民法の中にあるのです。
  41. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それではよろしうございますか。では四十一条から四十四条まで問題にいたします。
  42. 松野喜内

    松野喜内君 四十二条の第六号におきまして、「その他学校法人業務に関する重要事項寄附行為をもつて定めるもの」とありますが、その他の中にはどういうことを考えておられるのですか。
  43. 福田繁芳

    説明員福田繁君) これはまあ一号から五号までのもの以外にいろいろな事項があることを予想して、その他と書いてあるのでありますが、これは役員の選任等に関しましていろいろ細かい規定を置く場合であるとかそういうことを予想しております。
  44. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) ちよつと伺いますが監事は評議員であることは必要ないのですか。
  45. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 評議員であることは必要ないのであります。評議員であつても一向差支ございません。
  46. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 監事の選任ということはどういう手続でなされるのですか。理事については職員の中から寄附行為の定めるところにより選任された者ということになつておりますが、監事の選任に関する資格の問題についてもありますが、併し選任の手続について規定が……
  47. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) ……寄附行為に関する規定というものを入れまして、寄附行為の中でさえできる仕事というものを考えたのであります。
  48. 河野正夫

    河野正夫君 第四十四条の第二項の「前項第一号に規定する評議員は、職員の地位を退いたときは」云々とありますが、この職員というのは大学でいえば教授の外に事務員というような者を含みますかどうですか、伺います。
  49. 福田繁芳

    説明員福田繁君) 三十九条におきまして、学校法人の職員という中に括弧書きで説明を加えております。
  50. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それでは四十一条から四十四条まで別に御発言ありませんか。なければ先に進みまして、第四十五条乃至四十九条を問題といたします。
  51. 河野正夫

    河野正夫君 第四十七条ですが、「財産目録、貸借対照表及び収支計算書を作り、常にこれを各事務所に備え置かなければならない」とある。備えて置くのみでなくして例えば評議員というような人々には閲覧の求めに応じなければならんというふうな規定を置いて、その公共性を高めるということは考えられなかつたのでありますか、その点について。
  52. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 評議員なり理事なり、そうした役員関係であれば、当然にそういうことを内容として認め得るというふうに考えております。
  53. 河野正夫

    河野正夫君 いや私の言うのは役員ばかりじやないのであつて、例えばそれが仮に学生であつても、ときにとつては第三者であつても、或る種の必要がある場合には閲覧の求めに応じ得るくらいにする方が、公共性という意味においていいのじやないかと思うのでありますが、今まで従來私立学校がいわゆる学校屋というものの経営になるという風評がしばしばあつたのであります。もう有力な立派な学校はそうではないとしましても、その途中においてか或いは又設立早々の内容の余り充実しないような学校においては、しばしば収益事業のための学校を営んでおると言われる時代もあつたのであります。今日は全然私立学校の経営難の時代ですからそういうことはありますまいけれども、併し今日と雖も名目は一族ではない、他の人々が役員の位地に就いて、如何にも公共性のあるような形で運用されておりながら、併し一般職員などの給与を非常に低くして、一族と見らるる人人の方面にその金が流れ込んで行くというようなのが、学校騒動の非常に大きな原因であつたことがある。そういう意味ではつまり限定はされてもいいが少くとも或る種の公開ということが必要ではないか。そういうふうなことによつて不正な運用が避けられる、こう考えますが如何でしようか。
  54. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 形がなければ、債権者保護の関係くらいかと思いますが、一応私共の考え方では、評議員というものを相当数、又その範囲も相当広めて、その学校に直接関与できる、又関与して貰うという建前をとりました関係から、その限度で十分ではあるまいかと考えておる次第であります。
  55. 鈴木憲一

    鈴木憲一君 妙なことを聴くようですけれども、学校の校舍とか或いは校地というようなものを借入れておる場合には、学校の重要な資産というふうに認められますか、それとも認められませんか。
  56. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) それはたまたま借物であろうが、学校という建前から申しますと、校地、校舍は重要な財産でございます。
  57. 河野正夫

    河野正夫君 議事進行について、時間も十二時を過ぎましたので、ここらで休憩して頂いて食事にしたら如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それではこの程度で休憩いたしまして午後一時半から引続いて開会いたします。    午後零時四十二分休憩    —————・—————    午後三時五十三分開会
  59. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 休憩前に引続いて私立学校法案審議を開始いたします。
  60. 河野正夫

    河野正夫君 第三十八条の四項の「役員のうちには、各役員について、その配偶者又は三親等以内の親族が一人をこえて含まれることになつてはならない」とこうあるのは、各役員というのは例えば理事幹事おのおのについてという意味か、そうでなくして理事も幹事も含めた役員全体のその個々の或る一人の役員についてと、こういう意味か。具体的に申しますると、配偶者、三親等以内の親族、そういう関係にある者が理事、幹事を含めての役員の中で二名は許すという意味か、三名は許すという意味か。この点について御説明願いたい。
  61. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) すべての役員理事も幹事も含めまして意味で、すべての役員を通じまして具体的な一人の役員に対してこういう制限関係のその人を含めて二人の場合が最高の場合でありまして、それを越えることはないという意味でありまして、各役員は具体的なその人についての意味でございます。
  62. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 四十二条第二号乃至第四号の「寄附行為変更」「合併」「及び特定の事由に因る解散」の場合、評議員会の議決を要するものとせられなかつた理由はどういうものでございますか。
  63. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) できるだけそれぞれの学校の自主的な自立に待ちたいといつたことと、特にこの議決といつたことと、意見を聴くといつたことの間に特別な区別を考えませんでしたことから、聴くという範疇に入れましたからといつて議決よりも軽いという扱いをした区別ではございません。
  64. 河野正夫

    河野正夫君 四十一条の評議委員会のことでありまするが、評議委員会のことについて文部次官説明要旨によりますると、評議委員会には教員学校法人の職員、卒業生とを含めることにしてとこういうふうな意味で運営の民主化を図るという点が一つの目的であると言われているのであります。ところがその構成については詳しい規定がないようでありまするが、この点はどういうわけでありますか。
  65. 福田繁芳

    説明員福田繁君) 只今の点につきましては第三十九条の規定に「学校法人の職員(当該学校法人設置する私立学校の校長、教員その他の職員を含む。以下同じ)」と書いてありますので当然に含まれると思います。
  66. 河野正夫

    河野正夫君 誤解があつたようですが、学校法人の職員や教員や卒業生を含む広範囲なものから評議委員会を成立させるのが一つのこの法案の目的であるとこう説明に謳われておるわけであります。ところがそれがここに明瞭になつていないのはどういうわけであるか、こういう質問なんです。
  67. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 四十四条の一号に「当該学校法人の職員のうちから」とありまして、ここの職員とは三十九条の学校法人の職員の下に括弧して説明してありますそれをそのまま受けているという意味で御指摘の部分については書かなかつたのであります。
  68. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 五十条の第一項第三号の「目的たる事業の成功の不能」これは他の法人の場合においても、かような規定の適用せられる余地は殆んどないわけであります。併し学校を経営する法人である場合におきましては、成功の不能ということは考えられないと思うのですが、特にかような規定を設けられた理由はどこにあるか伺いたい。
  69. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) こういう規定を設けました理由は、他のこうした性格法律にこの事項が上つておりますことをそのまま引用して受けて来ましたことが一つ。が、非常に少いケースであろうと思いますが、事実上こうした規定を引用しなければならない場面もあり得ると考えたのでございます。
  70. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 第四節解散の箇所につきまして別に御発言がありませんければ、第五節助成及び監督を問題にいたします。
  71. 河野正夫

    河野正夫君 この第五十九条の第一項における助成は、もとよりその金額等については、地方庁なり国家の予算によつて決定されるものでありまするけれども、具体的にどの学校にどのくらいの助成なり、貸付金なり、補助金を出すというようなことの決定については、私立大学審議会若しくは私立学校審議会の議を経る必要があると思うのでありますが、その規定がないのは如何なる理由でありますか。又規定がないとしても事実上そういうふうな方法をとることになればこの際明瞭に言明を願いたいと思います。
  72. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私立大学審議会私立学校審議会の方に是非聞かなければならないといつたようなことは、直接的に処分を伴いますような場面の方を特に重視して掲げております関係から、こうした場面の事項が、是非聞かなければならぬということの事例は挙げられておらんわけでありますガ、現在やつております事実と又この法の全体の精神から考えまして、事実上又その運営上、只今御指摘のような方法によりましていろいろな異論のないように運びたいと考えております。
  73. 河野正夫

    河野正夫君 つきましては、過去のいろいろな風評も耳にいたしておるので、今後はこの補助金なり貸付金を支給する場合に、或る一部の団体に手数料を徴せられるというようなことがないように、折角の補助金なり、貸付金なりの予算は全部が直接に学校に廻るように運営をして頂きたいと思いますが、その点について御意見は如何でございますか。
  74. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 従来の関係の点は、必ずしも私明確にしておりませんので、従来の関係と切離してお答えいたしたいと思うのでありますが、一応事務費といつたような線で掲げられておるもの以外の貸付金は、飽くまでも貸付金の形で各学校において十分に利用できるように始末して行きたいと思います。
  75. 小野光洋

    ○小野光洋君 只今五十九条の貸付金について、その割当が国家予算、或いは地方予算によつて総額が決定した場合に、如何にして各学校に割当てるかということについて、私立学校審議会、或いは私立大学審議会にこれを諮つてその割当を決定する方針であるということを言明せられたのですが、誠に尤だと思います。ただ文部省が直接私立大学審議会に対してこれを行う場合には、文部省の意向でそれがはつきりと行われると思いますが、地方におきましてはこの法文のおもての通りにして行つて私立学校審議会にこれを諮らぬというような場合が往々にしてあるのじやないかと思います。この点について十分徹底せられるように図られないというと、却つていわゆる所轄庁が勝手にこれをやるというようなことになつて来ると思います。この点について十分な方法をとられたいと思います。
  76. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 この五十九条を読みますというと、第六項において幾分私立学校審議会或は私立大学審議会、こういうふうなところの意見を聞くことになつておりまするが、併し私はこの五十九条の第一号、第二号のようなところが最も大事な項目でないかと思うのであります。この法案から見ますと、そういう大事な点は審議会にかけるというような恰好をとらずに、如何にもここに官庁の自由な支配に属するような恰好が見えておるのであります。例えば私立学校の備えておる条件について、その助成の目的を有効に達し得るかということを審査しなければならない。その審査とか今前者によつてお話のあつたいわゆる貸付のことに関する事項、その割当の方法、こういうふうなことなどは、全くこの官庁において自由自在にできるような恰好に示されております。こういうところこそ第六項に載せて、審議会に諮るというふうなことがなければならないと思うのでありますが、その点について伺いたいと思います。
  77. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 第六項の規定の仕方は、直接的な処置を伴うようなものを成るたけこちらに挙げまして、是非そういうものについてはこの審議会の議を経て審議会意見を聞いて始末するようにということを強く表わしましたために、お説のように一項なり二項なりのような場合が軽視されたかのようにとれる疑いがありますが、一項、二項といつたようなことはたまたまこの法案ができますについて起つて来たことではなくつて、現にやつておる事実、すでにもう数年やつておることでありまして、その事実に重きを置きまして運営したいということのために、この六の方と絡みましてむしろ六の方を主に考えて、こちらの方は当然事実やつておる通りやるという建前のためにここにわざわざ出さなかつただけでありまして、軽視したという意味じや毛頭ございません。
  78. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 今の御答弁で、当然現実において行われておるからここに現さなかつたということは、今の現実の場合においてはそういうことは言い得るかも知れんけれども、将来に伺つて当事者の方面が変つたときはこの法令によつて処置するということの外にないのであります。そういう点から考えまして非常に私はそこに疑惧の念を持つたので質問したのであります。
  79. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 事実上運営いたしますだけでこの法的根拠がないじやないかという御質問でありますが、二つの審議会が重要なこととして考えられる最もその大きなものの一つに、この予算の関係のこと殊にこの配分といつたようなことがある筈でありまして、そのことについての一応の建議を我々の方で受けるというときどきが一つ、そこから法的な足場を必ず持ち得るという見通しをしております。
  80. 河野正夫

    河野正夫君 この学校法人については、三十条で寄附行為について所轄庁の認可を必要としているのであります。ところが三十三条では学校法人の成立要因は登記であると、こうなつておるのでありますが、認可寄附行為が決まるものとするならば、六十二条で解散の命令を所轄庁に認めているのは少しおかしくはないか、むしろを取消すことができると、こうあつてもいいんじやないかと思うのですが、その点如何でございますか。
  81. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 学校法人の成立は認可の上に登記を絡ましております関係から、一応解散という明確な形をとりたいという立場に立ちましたのと、最近のこうした関係の立法例がこの形をとつておりますのに倣いましたわけでございます。
  82. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 外に御質問ございませんければ、第四章雑則。
  83. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 私は第六十五条について質問したいと思うのでありますが、この第六十五条によりますと、「学校法人でない者は、その名称中に、学校法人という文字を用いてはならない。但し、前条第四項の法人は、この限りでない。」ところがこの前条第四項の法人というようなものについては、第六項におきまして、「学校法人及び第四項の法力は、寄附行為の行めるところにより必要な寄附行為変更をして所轄庁の認可を受けた場合には、それぞれ第四項の法人及び学校法人となることができる」と明瞭に規定してあるのであります。この規定によりますと、寄附行為変更によつて学校法人が第四項の法人になつたり、或いは第四項の法人学校法人になつたりするというふうに極めてこの二者の間に明瞭な区別があるのであります。然るに拘わらずその名称を同一にしてよろしいというようなことについては、どういうふうな見解があるのか、お聞きしたいと思います。
  84. 久保田藤麿

    政府委員(久保田藤君) 第六十五条がこの学校法人の名称について限定的な形をとつておりますのは、各種学校設立いたします場合に、学校法人に準ずる法人といつたような意味を主体にしておるのでなくして、むしろ学校法人が持ちます特別な性格を、外の社団法人財団法人といつたようなものに対して強く考えたのでございます。只今御指摘のように、第六項は、この学校法人と準学校法人との二つの関係が如何にも明確なように見えるというお説でありますが、ここで内容的に一方に明確にしながら、又その二つの学校関係は、たまたま学校教育法の第一条に申す学校と、各種学校という区別だけでありまして、学校という範疇から申せば、むしろ二つは同一の形にできるだけ置きたいという趣旨から、六項で以て容易に異動ができるようにして置きながら、その実質的な点をそこで区別しながら、第六十五条で以て、各種学校とは言うが、事実それは内容的に見て、学校教育法第一条の学校と、この法人という性格からは成るたけ近いものに置きたいという意味で、学校法人という名前をこの場合に限つて認めるという態度をとつたのでございます。
  85. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 第五章罰則に進んでよろしゆうございますか……では第五章罰則に移ります。別に御発言ありませんければ、附則に入りましてよろしゆうございますか……それでは附則を問題といたします。別に御発言がございませんか。
  86. 小野光洋

    ○小野光洋君 本法の第九条と第十八条に私立学校審議会私立大学審議会は、おのおの都府県知事或いは文部大臣に対して建議をすることができる、重要な事項について建議をすることができるという、この建議の中に重ねてお伺いするわけでありまするが、第五十九条の第一項及び第二項の事項がはつきりと含まれているのだということを確認してよろしゆうございますか。
  87. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 建議の重要な事項の一つとして当然それは含まれておるものと解釈いたしております。
  88. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それでは私立学校法案の逐条審議はこの程度で以て終了いたしたものといたしてよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 御異議ないものと認めます。
  90. 左藤義詮

    ○左藤義詮君 本日は逐条審議を終りましたので、この程度で散会いたしまして、明日衆議院の修正案、その他のまだ問題もあるようでありますがそれを終りまして、討論採決に入りますように、本日はこの程度で散会されんことを希望いたします。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  91. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 左藤君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それでは御異議ないものと認めます。本日はこの程度で散会いたします。明日は午前十時から開会いたします。    午後四時十七分散会  出席者は左の通り    委員長     田中耕太郎君    理事            若木 勝藏君            松野 喜内君            木内キヤウ君            藤田 芳雄君    委員            河崎 ナツ君            河野 正夫君            左藤 義詮君            小野 光洋君            大隈 信幸君            梅原 眞隆君            西田 天香君            堀越 儀郎君            三島 通陽君            山本 勇造君            鈴木 憲一君   政府委員    文部事務官    (管理局長)  久保田藤麿君   説明員    文部事務官    (管理局庶務課    長)      福田  繁君