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1949-10-31 第6回国会 参議院 文部委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月三十一日(月曜日)    午前十一時五十一分開会   —————————————  委員氏名    委員長     田中耕太郎君    理事      若木 勝藏君    理事      松野 喜内君    理事      木内キヤウ君    理事      岩間 正男君            梅津 錦一君            河野 正夫君            左藤 義詮君            小野 光洋君            大隈 信幸君            梅原 眞隆君            高良 とみ君            堀越 儀郎君            三島 通陽君            山本 勇造君            藤田 芳雄君            鈴木 憲一君            西田 天香君   —————————————   本日の会議に付した事件国立学校設置法の一部を改正する法  律案内閣送付) ○朝鮮人学校の閉鎖問題の件 ○定員定額制問題の件 ○教職員適格者の問題の件   —————————————
  2. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それでは今日の委員会を開会いたします。  先ず第一の議案であります国立学校設置法の一部を改正する等の法律案議題といたします。  先ず文部大臣提案理事の御説明を願います。
  3. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 只今議題となりました国立学校設置法の一部を改正する等の法律案につきまして、御説明申し上げます。  この法律は、商船大学設置し、及び国立学校職員定員行政機関職員定員法の規定に合致させる等のため、国立学校設置法及び運輸省設置法の一部を改正すること等について規定するものであります。  商船大学設置につきましては、昨年以来運輸省及び高等商船学校おいて同校と海務学院とを合わせて学校教育法による国立大学にすることを計画し、本年三月大学設置審議会の審査の結果、適当であるとの答申を得ているのであります。文部省におきましても、さきに第五国会に提出した国立学校設置法案には、これを国立大低として加える考えでおりましたところ、尚研究不十分の点がありましたので、一応保留して今日の至つたのでありますが、その後関係者間で研究を進めた結果、高級海員養成機関は、是非ともこれを学校教育法による大学とすべきであるとの結論に到達し、このたび国立学校設置法改正して商船大学設置を規定することとした次第であります。  次に国立学校職員定員の一部の改正につきましては、国立学校設置法に定める国立学校職員定員は、行政機関職員定員法国立学校職員として掲げられた数と多少の差違がありますので、これを是正するものであります。この差違を生じた理由は、国立学校設置法案提出の際には国立大学附属病院事務職員定員は、行政整理について特別の考慮が拂われる見込がありましたので、それによつて立案提出しましたところ、その後一般方針通り定員法が規定されるにいたりましたので、その分が定員法に定める人数より超過したからであります。このたびの改正は、この差違を是正するものであります。  以上の点がこの法律案骨子でありますが、以上の改正に伴い、運輸省設置法及び教育職員免許法の一部について所要の改正を加える等関係法令を整理いたしました。  以上、本法案提案理由及び内容骨子について御説明申し上げましたが、何とぞ十分御審議の上、速やかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
  4. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) お諮りいたしますが、只今国立学校設置法の一部を改正する等の法律案につきまして、細目説明なり又質疑を今日いたしますか、どうでございましようか。
  5. 河野正夫

    河野正夫君 別に他に御意見がなければ、次の機会細目説明質疑を移して、今回は長い休会中にいろいろな出来事もありましたので、二、三緊急に質問したいという委員もおるようでありますから、その方に時間をお割き下さることを提案いたします。
  6. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 只今河野君の御提案異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) ではさよう取計らいます。従つて第二の議案であります教育文化施設及び文化財保護に関する一般調査の件についても次の機会に延ばしまして差支えございませんか。
  8. 松野喜内

    松野喜内君 これを次の機会にして頂くことに賛成であります。この前から衆参両方文部委員ともお互いに研究、調査いたしまして、段々その研究に進みつつある次第でありますが、ここにその纒つた点を申上げるまでに至つておりませんので、更に重ねて御報告することは必要であると存じますので、次の機会に延ばすことに賛成であります。
  9. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それでは二つの件は次に延ばすことにいたします。
  10. 岩間正男

    岩間正男君 文部大臣が見えられておりまして、是非緊急に質問したいと思つてつた問題があるのですが、早速朝鮮人学校の帯鎖問題です。このことは国会休会中に取計らわれた次第でありますが、この経過並びにどのように現在これが動いており、どう処置されておるか、こういう点について大臣からお話願いたいと思います。
  11. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) この問題につきましては、新聞事情を発表いたしましたので、皆さんも多分お読み下さつたと思います。事情はその通りでありまして、朝鮮人学校の問題につきましては、森戸文部大臣のときに、昨年の四月一度問題がありまして、そうして文部大臣朝鮮人代表者との間で覚書が取交わされて一応解決しておつたわけであります。このたび御承知のように団体等規正令によりまして、朝鮮人連盟解散をされたということになりまして、それと関連いたしまして、いろいろ朝鮮人学校について処理しなければならない新らしい問題も又起きて来たわけであります。そこで今回の措置は、先ず第一は団体等規正令によりまして、朝連が解散をされた直接の結果について処理しなければならない点が一つあります。それは朝連の設立経営に属しておりました朝鮮人学校に対する処置、これは朝連が設立経営者でありました関係から、朝連が解散される結果といたしまして、経営者がなくなつたわけであります。自然学校としての運命廃校運命になるのであります。それらの学校に対しましては、これが廃校になりました場合に、そこの生徒をどういうふうにするかということを文部省としては当然考えなければなりません。そこでそれらの生徒につきましては、日本公立学校に収容いたしまして、十分勉学機会を與え、日本人の兒童と同じように教育をしようという打合せを、準備をいたしました。そうして今回の処置で朝連直接経営朝鮮人学校に対しましては閉鎖するという処置をとつたわけであります。それから朝鮮人学校の中には朝連の直接経営でない管理組合による経営学校もありますが、これらも実質的には人的或いは指導等関係で、可なり朝連と密接な関係を持つているものも相当に多いのでございます。併しこれらにつきましては、森戸文部大臣当時取り交した覚書の趣旨に則りまして、法人組織を整えて、学校教育法教育基本法に全部則らせるというような処置をするということで、二週間の間にそういう手続を完了するように、こういう処置をとつたわけであります。朝連の直接経営学校開鎖につきましては、新聞で御承知のように幾分問題になつたところもありますが、大体において順調に取運ばれて大部分が完了しているという報告を受けております。それから管理組合等によつて経営されております朝鮮人学校につきましては、二週間の間に手続をするようにということにして処置をいたしまして、その手続が段々に各地方庁に対してとられているという状況であります。
  12. 岩間正男

    岩間正男君 この問題は非常に影響するところが大きいと考えられるわけであります。先ず今の御報告だけではいろいろな点でまだ十分に思えないのであります。二、三の点についてお伺いしたい。この問題の與える影響というものは非常に国際的に私は大きいと思う。こういう点から考えて、十分にこのような考慮文部省がされたかどうか。その後これに該当しておりますところの朝鮮人人達のいろいろな請願、陳情国会に対してもなされているのでありますが、そういう意見を総合しますというと、彼ら自身は今後の教育に対して非常に不安を持つているわけであります。そういう点から考えて十分にこの問題は愼重になされなくちやならないのだけれども、そういう点が相当文部省おいて検討されることが欠けておつたのではないかという点が一点であります。  その次に接收されたところの校舎のようなものは、今後どのようにこれは一体日本政府によつて使われるのであるか。更にそれと連関しまして受入態勢でありますが、この受入態勢が十分にできているかどうか。殊に現在六三制の問題で校舎不足が傳えられている。国内の状態だけでも校舎が足りなくて、そうして非常に困難を起している。そこへこれは数はまだはつきりしませんけれども、数万の朝鮮学童がそこに入つて来るということになりますと、当然設備並びにその教科内容その他いろいろな問題においと十分な態勢が取られなければ、この問題を私は解決し得ないと思うのであります。ただそういうような十分な準備がなされないで、拔打的にこのようなことをなされたために、非常に混乱が起つておる。従つてこれに対する措置文部省はどのようにとり、又今後どのようにこれをいろいろな遺憾のないようにすることを考えておられるかということ、この点をお伺いしたい。
  13. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 朝鮮人学校の問題につきましては、森戸文部大臣の当時一応覚書を交換いたして解決を見たのでありますが、それ以前から随分長い間の問題であつてのであります。いろいろ面倒な問題がありまして、森戸文部大臣当時にああいう可なり社会的に衝撃を與えるような事件が起きました。それが昨年の四月、五月頃一応覚書によつて解決した。そのときの覚書内容は、御承知のように朝鮮人学校日本法令に則つてやられなければならない。学校教育法教育基本法に嚴格に則つてやる。従つて教育内容ばかりでなく、組織につきましても、財団法人としての申請を一ケ月以内に必らずやる、こういうことで決つたわけでありました。ところがその後一年半でありましたが、財団法人手続をして来たものは極めて僅か、まず一、二に過ぎない。殆んど大部分はその手続もして来ない。そうして内容につきましても、学校教育法等に照しまして、甚だ妥当と思われないような内容のものも相当にあることが一般に認められておる。そういうような事実がありますので、これはやはり日本教育としてはどうしても考えなければならない問題であるということは、随分長い間問題となつてつたわけであります。御承知のように義務教育というものは、日本国内に居住する者がどうしてもこの程度の教養、知識というものは持たなければならないという最低の教育内容を與えるものであります。ですから日本としましては、教育上これは余程嚴重に考えて行かなければならない問題であります。それが朝鮮人学校おいと甚だ不完全であつたという場合には、どうしても何とか嚴重処置をしなくちやならなかつたわけであります。昨年の四月から一年ばかりでありますから、どうしようかということは随分愼重文部省としては考えて来たのであります。その結果として取つた処置でありまして、決して不用意に抜打的に突然にやつたというようなわけではないのであります。朝鮮人学校側としましても、若し誠意を以てこの問題を考えておられるとしたならば、昨年四月から今日まで、一年半の期間があるのでありまして、もつと熱心に問題を解決するために努力したろうと思います。その誠意が甚だ足りない部分が多いのであります。そこでこういうふうになつたわけであります。それから接收されました財産は、接收ということは実は文部省がやることではありませんで、団体等規正令によりまして、法務府がやることでありまして、今回の接收に当りましても、文部省がやつたわけでありませんで、法務府がこれを実行したわけであります。法務府がこれを接收いたしますと、国家財産に帰属することになります。文部省の所有に直ぐなるわけではありません。これをどういうふうに使つて行くかということは、今後考えるべき問題で、今決定しているわけではないのであります。それから受入態勢の問題でありますが、これにつきましては、各地方庁の当事者を集めまして、よく相談をして、各地方庁が責任を以て世話をするという話合いになつて処置したものでありますからして、地方庁としては当然これは実行するものと考えられております。只今お話のありましたように、六三制の教室が非常に不十分だというような点から言いまして、只今これを受入れましても、これは教場設備その他が十分完成しておらず、受入れるというわけに行かないのでありますが、その点は甚だ残念でありますけれども、今日の状況から申しますれば、日本学童と平等に、同じ扱いにおい義務教育を施すということで、受入れをするというより外はないと思つております。で今後の処置等につきましては、先程申しましたようなわけでありまして、閉鎖いたしました学童については公立学校受入れて、日本学童と同様にこれを扱つて教育をして行く、その他のものにつきましては、手続きを勧告しておるのでありますから、その結果によりまして考慮しなくてはならないと、こういうわけであります。
  14. 岩間正男

    岩間正男君 期限が非常に近付いて、これは明日からこの手続期間が切れてしまうわけで、いよいよ問題が当面化するわけでありますが、今まで陳情団なんかの人の訴えによりますというと、先程の各地方地方庁で十分に受入態勢を整えて、そうして十分な手続をするというようなことが、文部省話合いになつておるということでありますけれども、実情を聞きますというと必ずしもそうでない、なかなかこの問題は、何か継子扱いのようなことになつて余り熱を入れない。例えば東京都あたりで実際当面者に対しまして、父兄とか、関係者陳情に参る、又文部省あたりにこの問題で参りますというと、なかなかよく会つて呉れない。そういうことのために、非常に父兄なんかの方達は、今後の自分達の子弟の教育のため不安を感じておる。こういう実情が事実あるのであります。でこういう点を私は考えるのですが、問題は朝鮮を今後背負うところの子供達、これは三万以上になると思いますが、在日子供達教育がどうなるかということが一番大きなところじやないかと私は考える。いろいろな手続とか何とかいうことで、問題が先程は抜き打ち的じやないというお話もありましたが、併し抜き打ち的でないとするならば、十分にその期間準備を整えて、そうしてその子供達被害を、それによつて起るところのいろいろな故障というものをなくするように努力されることが必要じやなかつたかと思うのでありますが、そういうことがないために、ここに来て非常に子供達被害を受けておるということになつていると思うのであります。でどうしてもこの点は、これは明日からこういう問題がいよいよ期間が切れる、切迫しているのでありますが、文部省はどういうふうにこれを今後具体的に指導されて行くか、地方庁に任されておつただけではこの問題が非常に円満に解決しないのじやないか。熱意がない、もつとこの問題に腹を入れて解決しなければ、やはり私達が今立つております立場、殊に対外的な、国際的な立場におきまして、十分に他国民のそういうような一つ教育を進めて行くという上に、或いは対日感情というような点を悪化させるということは非常にこれは愚案じやないかと、こういうふうに思われる、でこの点について、明日から起るこの問題について、もつと文部省は積極的に動かれて行く方がいいんじやないか。この点を明らかにして欲しいと思うのであります。ここ二三日見えましたところの陳情者に会いましたところが、どうも学校廻つてつたけれども、学校の方では校舎がないというので、余りいい顔をして受入れない。それからいろいろな点についても十分な快い受入態勢ができていないために、非常に困つているということが報告されておるのでありますが、この点もつとこれは文部省のしつかりした積極的な態度を私は期待したいと、こういうふうに思うのですが、この点について承りたいと思います。
  15. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 私としましても、閉鎖されたというような学校における子供教育の問題が、只今岩間委員の言われた通り、一番重要な問題と考えておるわけであります。この点について何とか遺憾のないような処置を取つて行きたいということで、文部省も十分その点は熱心に地方庁相談をいたしまして、いろいろと世話をしております。で文部省陳情に来ました朝鮮人人達も沢山にありましたが、それらの人達に対しましては、必ず係りの者が会いまして、よく話をしてやつておりまして、一人も全然無断で追い帰したことはないと言つてよいと思います。それから私も会いました。そのときに代表人達が心配しておられた一番重要な点は、やはり子供受入態勢の問題と、それから朝鮮文化を破壊するというようなことがないようにして貰いたい、こういうような点が一番の重要な点でありました。受入態勢につきまして、地方でも無論六三割等で教場に困つておる関係から、いろいろな困難もあるとは思いますけれども、すでに打合せも済んでおることでありますし、文部省としては飽くまで地方に必ず受入れをさせるという話をしておる。それからその受入れをいたしました場合の教育の仕方が又いろいろ問題があると思います。少数の朝鮮人学童受入れる場合でありますと、極めて簡單でありますけれども、非常に多数の者を一つ学校受入れなければならないという場合には、いろいろ又都合も考えなければならない点もありまして、朝鮮人学童のみを一つのクラスにしてやるのがいいか、或いはこれを一緒にしてやるのがいいかという問題もあります。それらの点も考えていろいろと準備をしておるのであります。  それから朝鮮人文化との関係の問題につきまして、朝鮮語を教えていいのか、或いは朝鮮歴史というようなものも教えてもいいのか、こういう話がありました。それらの点につきましても、文部省もいろいろ考え、研究をいたしておりまして、義務教育である以上、義務教育課程というものは日本法律によつてどうしても完全に実施しなければならないのであります。それらの課程以外におきまして、時間の余裕その他によつていろいろの方法で朝鮮語教育朝鮮語を教えて行く、或いは朝鮮歴史を教えて行くといつたようなことは決して禁止する意思はないという話をしておるわけであります。そういうようなわけで、文部省としては今岩間委員の言われましたように、朝鮮学童の就学につきましては、十分に親切に考えてやらなくてはならないということで、直接は地方が扱うことでありますけれども、積極的に文部省はこの世話をするつもりでやつておるわけであります。
  16. 岩間正男

    岩間正男君 これは一昨日であつたと思いますが、代表文部省に前の日約束をしておつたので行つたけれども会つて貰えなかつたというので、こちらに見えたわけであります。これはたまたまそういうことがあつたのか、今のお話と大分喰い違いがあると思うのでありますが、これは文部省としましても、随分大きな問題ですから、文部省内におきましても何とか対策委員会のようなものを持つて、十分にこの問題を解決するように積極的に動いて貰いたい、こういうことを考えます。  それから大体この問題について、これは朝鮮人人達は一体どういう感想を持つておるか、考え方を持つておるかというようなことを、恐らくこれはよくこういう問題について聞かれていないのじやないかと思いますので、その点を申上げて見ますというと、在日朝鮮人人達は、とにかくこれは日本国民と同じような租税なんかを負担されておる。私今はつきりした数字なんかは覚えておりませんが、租税の負担だけにおきましても、三十億か、もつと……これは具体的に正確な数字は記憶しておりませんが、それははつきり自分達義務は履行しておる。そうして尚自分達子供教育をするために、自分達の手によつて学校を建てておる、それをここでどうも一方的にこの学校が閉鎖されるというようなことについて、非常にこういうような動きに対して不満を持つておるのじやないか、そういうことが表現されておるわけであります。この点は非常に私はやはり大きいと思う。無論私立学校として発足しておるのでありますから、そういう点について国庫からの補助ということは最初から期待しないでやつておるのではありましようが、併し今までのうちで、最近朝鮮人の生活も非常に行き詰つて来ておるので、何とか補助して呉れないか、この解散の問題が起る前にそういう運動が随分起された事実があるのであります。これは例えば北朝鮮におりますところの子供達はどういうふうに教育されておるかというと、北朝鮮ではこれは国費によつて全部賄われておる、こういうことが判明しておるのでありますが、それに対して日本朝鮮人教育に対してはこれは何ら支出等をしなかつた、そういうようなこともあるわけでありまして、やはり一方義務は履行して租税もやつておるんだけれども、教育に対するところの恩惠というものは非常に少ないということが言われておるのであります。そこをしも尚自分達の努力によつて、飽くまで自分のこれは民族的な一つの自覚、起ち上りによつて自分達教育を確立したい、こういう熱望に燃えておる、こういうような点が、今のような態勢になつて来るというと、非常にやはり私は国際的な問題として感情を刺戟する点、こういう点は日本が将来民主的な国家として辺りの国々と飽くまでも友好を結び、そうして平和裡に今後のこの国の方向というものを進めなくちやならない、こういう観点に立つときに、非常に重要な問題だと思う。我々が予想しておる以上にこれは重要な大きな国際的な意味を持つた問題だと思うのでありますが、たまたまどうも時代の流れがこういうものに対して、やはり何か圧迫的な方向を取つて行く、それが最近の一つ政府の方策として出されて来ておるというところから起つておるものは、これは非常にこの日本の将来に対して大きな影響を持つものだということを私は考えておるのでありまして、こういう点を飽くまで大きな視野に立つて文部省解決する、積極的にこの問題を解決するというところがなければ、小さい問題の解決の仕方では日本の将来に禍根を残すというような心配が非常に私はあるのであります。こういう点からしまして、この問題を飽くまで大所高所に立つて善処されんことを私は切望したいと思うのであります。  尚この解散の法的な措置とか、こういうような傾向に対しましては、まだ質問をしたいと思いますけれども、この問題は他日に保留したいと思います。
  17. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 只今岩間さんのお話の点で少し申上げて置きたいと思いますが、文部省に一昨日約束してあつて、来られたのに新わなかつたというようなことを聞いたというお話でありますが、只今総務局長から聞きますと、一昨日代表という方が見えたそうであります。けれども別に一昨日合うという約束をしてあつて見えたんではない、併し来られたのでありますから会つて話はしたそうでありますから、全然会わないで帰つたということもないということであります。  それから朝鮮人日本税金等も納めておるという点から、朝鮮人学校に対する補助も当然されなければならない、或いは朝鮮人教育に対して特に経費を国家が出すべきだというような御意見でありましたけれども、朝鮮人学童に対しまして、日本子供と全く平等に日本公立学校教育をする機会は與えてあるのであります。ですからそれは決して拒否するわけではありませんし、差別待遇をするわけでないのであります。そこで教育を受ければ国費による教育が実行されるわけなんであります。特に私立学校としてこれをやろうというのは特殊な場合でありまして、日本でも私立学校でやつておるものもあつて、それは特殊な理由で以て国費によらずしてやつておるわけであります。朝鮮の場合もやはりそういう趣旨でやられておるものと考えておるわけであります。その点少しも違いはないと私は考えております。
  18. 河野正夫

    河野正夫君 若木君の御質問は大臣に対する質問でしたら私の方は後でもよろしいんです。私は事務当局で結構なんです。
  19. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 私は義務教育費国庫負担法の施行令、政令第九十号並びに政令第二百三十三号、これに関連いたしまして大臣に質問したいと思つております。  この義務教育費国庫負担法のいわゆる法律第二十二号が政府から提出された場合に、この職員定員定額は政令で定めるというふうな第二項があつたのです。この際にこの問題は過日必ず問題を生ずるであろうということから私は相当これに対して文部当局に質問を申したのでありますが、俄然この問題は今年度に入りまして、文部大臣の御承知通りの問題が生じたのであります。そこで私の伺いたいと思うところはです。この政令で定めた部分のうちの定員に関するところにあるのでありますが、その政令の中に「第三條法第一條第二項の職員定員は、左の通りとする。但し、その定員が現に職にある職員(以下「現員」という。)の員数を超える場合には、現員を以て定員とする。」そうして表が載つておるのであります。その表の第一項だけ読んでみますが、「小学校職員、毎年度四月一日に億ける学齡兒童のうち、公立小学校に在学するものの数を五十を以つて除して得た数に一、五を乘じて得た数。」こういうふうになつておるのであります。即ち定員を今小学校の例をとつてみますというと、五十人について一、五と決めたのは五十人の生徒教育して行くためには、つまり一学級に対して一、五の教員が必要であるという科学的な根拠の上に立つて定めたものが、全国のその当時の事情から見て大体全国の平均が一、五ぐらいに当るだろうというふうなそういう立場からこれを決めたものか、これに非常な疑義を生じておるのであります。といいますのは、明らかに定員である以上は、科学的な根拠に立つて、五十人の子供教育して行くためには一、五を以てしなければならないという見解に立つのが本当であろうと思うのでありまするけれども、たまたまこの定員の配分というふうな場合に、地方関係者文部省の事務当局との折衝のときに生じておるところの問題は恰もこれを全国の平均である、こういうふうなこの折衝の仕方が文部当局からなされておるやに聞いておるのであります。その点は文部省といたしまして、どういうふうな見解を持つておられますか。若し一、五というふうなものはそういうふうな科学的な立場から立つて定めたものであるとすれば、この政令の第三項、第四項は甚だおかしなものになつて来るのであります。第三項においては「文部大臣は、前二項の規定によつて算定された職員の全国定員の範囲内において、各都道府県別の定員を定める。」第四項におきましては、「都道府県の教育委員会は、前項の規定による各都道府県別の定員の範囲内において、各市町村別の学校定員を定める。」そうすると、全国定員というものが定められて、それから都道府県の定員が定められ、都道府県において市町村の定員が定められる。こうなつて参りますと、何だかどうもそこに根拠が五十人の子供を一・五人の先生で以て教育して行くということが妥当であるというような建前ではなしに、如何にもその事情によつて定員というものは変つて来る。段々考えて行くと、定員が或いは一・五でもよし、一・四でもよし、一・三でもよしというふうになつて来るではなかろうか。こういうふうな……ところが事務当局が一・三五というのは、それは全国平均だというふうなことに了承させようというような立場が出て来るではないか。私はその点が甚だ疑問に思われるので、その定員に対する見解をはつきりして頂きたい。というのはこれは将来又若しも教育費が地方委譲になり、地方の市町村負担になるというようなことがでてきた場合に、いよいよこの一つ定員に対する確固たる基準がなければ、地方によつては非常にまちまちなる見解が立てられて来るのではないかというようなことも考えられるのであります。こういう面からこの点について大臣の御見解を伺いたいのであります。
  20. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) それは一・五を決めましたときの計算は、私の存在でありませんから、細かいことはよく承知しておりませんが、併し私の解釈するところでは、五十人に対して一・五と言い、一・三五と言いますのは、嚴格な意味における小学校教員の定員の規定ではないと解釈しておるのであります。これは国庫が地方義務教育費を負担する場合、補助する場合、半額を負担しておるわけであります。この場合の基準を示したものであると考えております。従つて文部省から見ますというと、この補助金額を算定するについての基準の数字思つております。で一・五というものが決められた場合に、教育上の見地から科学的に検討して、これだけは是非必要であるというふうで決められたかどうかというお尋ねもありましたが、これも国庫補助の基準を決めたわけでありますから、嚴格な意味で以て教育上これだけの数がなければいけないのだというようなことを十不考慮されたかどうか、疑問でございます。私の考えから言えば、成るべくならば、一つのクラスの人数を少くして、生徒を十分に教育するということが教育上は望ましいのでありまして、一・五でも決して十分に理想的な数でもないだろうと私は考えております。それらの基準は国家の財政の状況から言いまして、大体決められておる数字でありまして、教育的な見地から理想的なものとしてこれを決めたものではないだろうと私は考えておるのであります。今後新しい予算編成の方針が採用をされるということになりますと、或いはこういうやり方も変つて来るのではないかと思いますが、その場合に、義務教育というものが十分に実施されなければ、日本教育としては非常な欠陷になるということは明らかでありますから、文部省立場といたしましては、やはり責任上十分に客観的な検討を加えまして、教育の基準経費というようなものも何とか活用をしたいという考えを持つております。只今それらの研究をし、そうしてそれを如何にして実施して確保して行くかという問題につきまして、法律にどういうふうに現すか、どういう法律で決めて行くか、或いはその他の方法によるかということも、今真劍に研究をして考えているわけでございます。
  21. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 今の大臣の御答弁で以て、大体そういたしますというと、一・五とか或いは一・三五というようなことは、そのときの国庫の財政に関連してこういうふうに基準が変つて来るというふうに受取られるのでありますが、私も恐らくそういうふうに建前で来たのじやないかと実は考えておつたのであります。そういうところに今日教育の振興上非常に禍がある。そのときの財政の事情によつて教育が常に左右されるということが、これがもう何十年来の日本教育行政上の欠陥であると私は考えておる。こういう点については十分今後一つ是正して貰いたい。今のあとの方の大臣の御答弁では、将来においてそういう基準というようなものをはつきりと考えて行きたいというように御答弁がありましたので、是非そういうふうな方向一つ考えて貰いたい。そうして今こんなふうにして定められた定員であるとするならば、この政令はその趣旨に基いて速かにこれを撤廃してしまつたらよかろう、私はそう考える。その点も一つお考え願いたいと思います。
  22. 河野正夫

    河野正夫君 私は本来行政庁の内部のでき事についてとやかく当委員会で問題にすることは好ましくないので、成るべくそういうことには触れたくないと思つてつたのでありますけれども、只今全国に教職不適格者として、大学から小、中学校に至るまで、教員の馘首乃至は処分で下われておるのでありますが、文部当局とすればまあいろいろな弁解、説明もあるでありましよう。先般大臣からもいろいろとその点について緊急質問の際にも承りましたが、一方にそういうことを行われておる半面に、まだまだ文部省直轄学校おいても、又これは文部省に直轄関係ありませんけれども、地方公立学校おいても、他の半面から来る不適格者というようなものを十分に考慮する必要が残つているのじやないか、こう思うのであります。その意味で、私一例としてここに申上げて文部当局の御考慮を煩したいのであります。  その一例と申しますのは、極めて個人的なことになつて恐縮ではありますが、東京学芸大学の追分分校の主事をやつている西岡某という方がある筈であります。この人の問題が一般世間の問題となつたのは、九月の上旬だつたか中旬だつたかに、さる新聞相当大きく出たからでありますけれども、関係者の間にあつては二年程前から非常に重要に考えられておつたのであります。西岡氏は前沖縄師範学校の女子部長であり、兼ねて沖縄の第一高等女学校長であつたのであります。沖縄戰酣の頃に、いわゆる白百合部隊と称して、この師範学校の女子部の生徒並びに第一高等女学校生徒の篤志看護婦というのか何か、義務的ではなかつたかも知れませんけれども看護婦の部隊、いわゆる白百合部隊と称せられるものを組織して軍に協力したのであります。もとより戰時中、又あの沖縄戰の頃、而もこれは銃を持つて立つのではなくして、看護婦とかそういうような方面において、負傷者をいたわるというような仕事に従事するということは、必ずしも軍国主義的なことではない。その点はよく分るのでありますけれども、この際に師範の校長を初めこの白百合隊に属する殆んど大部分の人が戰死しておるのであります。そうして西岡氏は、文部省の庇護があつたかどうか、とにかく帰国して追分分校の主事となつておるのであります。而も絶えず沖縄戰のときに如何に自分が協力したかということを豪語しておるということも聞いておるのであります。而も実は私一方的な話を聞いて問題にしたくないので、いろいろと調査をいたしました。沖縄における新聞社の社長をやつておる人で、必要があれば名前を申上げてもよろしうございますが、政治的にも枢要な地位を持つている人が、この点について必要とあらば証言をしてもよろしいということも、私直接会つていろいろ話お聞きました。新聞に出ておつたように、当時の軍司令官と非常に密接な関係を持つておる。師範学校長を退けてみずから軍と密接な関係で協力をしておつた。ただ單にあの戰争酣のときに負傷者を救うという人道的立場ばかりではなかつたということが明かにされておるのであります。そうして東京に帰つて参りましても、いろいろな噂が伝わつております。又個人的な行動においても、沖縄における当時さえも可なり疑惑を持ち、多くの噂が流布されておつた方だそうであります。私の問題とするのは、そういうことを今ここに暴露しようとするのではなくて、文部当局はこういうことをすでに十分に知つておる筈である。陳情もあり、いろいろな投書もあつたかと思います。知つておるにも拘わらず、その後数ケ月何らの処置をとつていないように見える。一方において思想的な乃至はまあいろいろな意味の整理が強行されておる際に、少なくともこういう人は道義的に見てその地位にあるのはどうか。少なくとも道義的には不適格であると我々は思う。更にその後のいろいろな教職に適格かどうかということは、それは又それぞれの機関に掛けなければなりますまいけれども、そういう機関に再審をしたときには如何が相成るかと思われるような人について、何らの処置を講じないということは、これは直轄学校の教員でもある関係上、文部当局としては聊か怠慢ではなかろうかと思うのであります。この点について文部当局の御説明を承りたいと、こう思うのでございます。
  23. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 局長からよく事情お話いたします。
  24. 剱木亨弘

    政府委員(剱木亨弘君) 只今御指摘になりました東京学芸大学の追分分校主事西岡氏の問題でございますが、今お話がございましたように、「令女界」でございましたか、それに白百合部隊のことが載りまして、それを契機としまして大分この問題が取上げられて参つたのであります。そこで私共としましては、その新聞記事にもありましたように、この執筆者自身も、必ずしもこれは真相を言つているのではないということを言つておるそうでありますが、文部省といたしましても、これらをいわゆる一方的ないろいろな噂で、人の一身上の問題を処置するということは非常に軽卒な問題になりますので、愼重にその事実を確めたいと実は考えているのであります。尚本人からは十分この問題に対する調査を聽取いたしましたし、その間の事情はいろいろ聞いたのでございますが、我々が本人から聽取した詳細な事情によりましては、あの状態におきましては、例えば西岡氏がその生徒の大部分を篤志看護婦として軍の負傷者を看護するという方面に使いましたことも、これは軍の命令として出されたのでありまして、又その事情も止むを得ない事情があつたものと考えます。尚軍参謀その他に相当密接な関係で協力したのじやないかという点につきましても、西岡氏は沖縄県ですでに二十年の教員生活をやりまして、全く沖縄の事情なり、單に地理的事情ばかりじやなしに、人心の問題につきましても、その方面の一時的に沖縄におつた人と違いまして十分事情を知悉しておりましたので、その点が軍部の方で利用されたために、軍の方に用いられたというような事情があることは承つておりますけれども、併しそれが果していわゆる軍国主義的なものとして、これが排除さるべき筋のものであるかどうかということは、私共といたしましては現在までの調査では、明確に軍国主義者だとして排除さるべきものという具体的な証拠は持ち得ないのであります。ただ一人この沖縄から帰つて参りました関係の教授がおりますが、その教授の証言はむしろ西岡氏に対する有利な証言をいたしておるのでありまして、他に今申されましたような証言を私共むしろ承りたいのでございますけれども、積極的に聞くことができないのでございます。それでこの問題は、西岡氏が軍国主義者なり超国家主義者として教員不適格であるかどうかという問題でございますので、今適格審査の方で相当各方面のデータを集めているのでありますが、特に沖縄の事情につきましては、直接にこの事情文部省として調べかねるのでございまして、2、CIEを通じて、只今先方の事情を聞いているのでございます。まだその報告を受けておりませんので、その沖繩における報告の結果なり、又適格審査の調査の結果におきまして、その結論が出ましたならば、その結論に従つて処置をすべきものであると思いますので、その調査につきましては、十分愼重な態度を取つている次第でございます。
  25. 河野正夫

    河野正夫君 文部省愼重に調査をしておられるということを聞いて、事を等閑に附していないということに滿足の意を表します。但し西岡氏なり、更にもう一教授の話、私大方大体察しがつきますが、それだけではこの辺は私は真想を把握できないのではないかと思うのであります。特に西岡氏については或る種の噂がありまして、非常に多方面に運動をしておるというふうなことを聞くのであります。それでこれは文部省の名譽のためにも是非、事を明らかにして頂きたいのでありますけれども、文部省の去る高官が彼を庇護しておるというような噂さえ飛んでおります。これはデマではないかと私も思いますけれども、そういうようなこともあるのであります。そうして今日で言えば、沖繩は外国というわけでもありせんが、位地は不定でしようけれども、まあ言つて見れば一種の国際的問題を捲き起しておりまして、沖繩人の間にも非常に問題を起しておるという情報が入つております。更に在留沖繩人の間に憤激の念を抱かせておるということを、私直接会つてその事実であることを確かめました。ただ新聞学校内の分派争いではないかというようなことも出たので、私その辺も相当深りを入れたのでありますけれども、私個人の調査能力も微々たるものであるのでありますけれども、そうではなくして、確かに私自身から見ると、更に一歩進んで文部省の調査をお願いしたい。單に教職追放に値いするか否かということみのでなくして、いわゆる軍国主義とか、そういう方面のことだけでなくて、真に教職に適するか否かということについてももう少しお調べを願いたいとこう思います。必要とあらば個人的に資料は提供してもよろしうございます。
  26. 岩間正男

    岩間正男君 私も今の問題について関心を持つておるものであります。河野君がさつき指摘されましたように、追放に該当するかどうかというような法的の問題からこれを究明するということも非常に重要であります。併しいろいろな情勢を総合して見るに、大体道義的に一体教職に堪え得るかどうかというこの点が非常に大きいのじやないかと思うのであります。さつきの河野君の話にもありましたように、一方でこれは広汎な教員の追放がされて、その手続なんかを見るというと、必ずしもその手続が合法的にやられていない、それからいろいろな不当なことについても我々は今日耳にするのでありますが、そういうような措置を一方でして置きながら、而も私もいろいろな人に会い、そういう情報を耳にしておりますから、十分にこれは他日他の機会に申上げようとは考えるのでありますけれども、現在の行動の中においてもそういうような動きが非常にあるというようなことを聞いておる。問題は尚私は深刻だと思うのであります。現在の職場における動静についても私は全然聞いていないわけでやない、このような形でそういうような過去の軍国主義的ないわば指導者、あの「白百合の塔」というようなことは令女界の九月に出ておるやつを読んだわけでありますが、あれを見ますというと、これは今の劔木局長のお話では、あれは必ずしも真相ではないというお話がありましたけれども、あれはレポート文学ですね。相当あの中にも断つておるように、事実に基き調査して、そうしてそれによつて物語に書かれてあるというようなことが言われておる、そのことがわざわざ断わられておる。そういう点からも考えますというと、非常に軍国主義的な傾向を持ち、そうしてあの中で指導的な立場を取つてこの問題に処して来た。こういうような形の人が教育機関に尚残存しておる、而も何か文部省がそれを庇護しておるというような話を、今尚そういう噂があるということまで承わつたのでありますが、これは河野君は文部省のために取らないところであると言いました。こういう情報の中でそういうような過去の日本を破壊に導いたような思想の持主が残存されないように徹底的に調査をする、而もこれは非常に急ぐ問題だと私は思います。それでできましたら、この問題について若し必要でしたら、当委員会なんかでも当人、並びにそういうような多くの情報を持つておられる方の意見を聽取することも必要じやないかと、こういうふうに考えられるのであります。非常に簡單な、單に一人の問題じやなくて、今後の教育の動向を決定する大きな問題だと思います。無論これは飽くまでも基本的な人権というものは尊重されなくてはなりませんから、十分にこの問題については愼重を必要とすると思いますけれども、これはとにかく教育の中から過去のそのような思想を、文部省が積極的にそういうようなものを排除する決意を以て進まれんことを切望するわけであります。
  27. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それでは大分時間も経過いたしましたから、御異議がなければ、本日の委員会はこの程度で散会いたしたいと思います。    午後一時一分散会  出席者は左の通り。    委員長     田中耕太郎君    理事            若木 勝藏君            松野 喜内君            木内キヤウ君            岩間 正男君            河野 正夫君            小野 光洋君            堀越 儀郎君            三島 通陽君            山本 勇造君            藤田 芳雄君   国務大臣    文 部 大 臣 高瀬荘太郎君   政府委員    文部事務官    (大学学術局    長)      剱木 亨弘君