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1949-12-02 第6回国会 参議院 農林委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二日(金曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件 ○競馬法の一部を改正する法律案(衆  議院提出) ○肥料配給公団令の一部を改正する法  律案内閣送付) ○油糧配給公団法の一部を改正する法  律案内閣送付)   —————————————    午前十一時四分開会
  2. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは只今から委員会開会いたします。  本日は先ず最初競馬法の一部を改正する法律案を御審議を願いまして、次いで肥料配給公団令の一部を改正する法律案及び油糧配給公団法の一部を改正する法律案、この二件を御審議を頂くことにいたしたいと存じます。  それで競馬法の一部を改正する法律案は、御承知のように、衆議院小笠原八十美君外十五名の議員提出法律案でございまして、これは衆議院の方を通過いたしまして、本院に正式に付託になつている法律案でございます。それからあと公団関係法律は、これも御承知のように、本年度補正予算、昨日通過いたしました補正予算に関連をいたしまして当委員会から代表として予算委員会に出ておられまする藤野さんから、補正予算を成立させる上においてこの法律案の必要なことを論ぜられた議案でございますが、それに関連いたしまして政府から急遽提案されたもので、現在衆議院で審査中でございますが、恐らく今日中には上つてこちらの方に参るのではないかと存じております。  そこで最初競馬法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して衆議院山村さんから提案理由の御説明を伺うことにいたします。
  3. 山村新治郎

    衆議院議員山村治郎君) 私、衆議院山村でございます。競馬法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由説明を申上げます。横浜、名古屋、大阪、神戸の四都市は、他の市に比べまして財政支出額が巨額に上つておりまして、市の財政は頗る窮乏いたしておるのでありまするが、いずれも市民の四割以上が戰災者であります上に、現在のような経済状態の下にありましては、これ以上の徴税をいたしますことは到底困難でありまするので、この際競馬法の一部を改正いたしまして、競馬開催日数府県同様に年四回以内に増加いたしまして、その増加收入によりまして市財政の拡充の一助たらしめたいと存ずるのでございます。  御承知のように、これら四都市はいずれも人口六十万以上を有する大都市であります上に、それぞれ競馬同好者も多数あり、且つ肝腎の競馬資源も豊富でありますので、回数増加に伴う出場馬には聊も支障がないと信じておる次第であります。衆議院におきましては、この法案満場一致質疑討論一切を省略いたしまして可決確定いたしました次第でありまするが、会期切迫折柄ではありますが、何とぞ愼重御審議上速かに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
  4. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) この問題につきましては、先般の陳情、請願審議いたします際に、確か一ノ宮市からの請願であつたかと存じますが、その際、この地方競馬開催日数増加の問題は、主として競馬用馬資源と申しますか、頭数が多いか少いか、若し少いようであれば、馬を傷めて結局競馬目的に副わないようなことになる。それからもう一つは、その県内における他の経営主体との競馬開催についてのいろいろな調整問題、こういうことが問題であるのでいそういう問題については、よく事情を確かめ、そうして善処するということで以ちまして、一応保留になつておつたような経過もありますので、問題は、提案理由にもございましたように、出場馬についてどういうような状態であろうか、或いはその地方における各団体競馬開催についてのお互い同士の間の調整の問題、こういうことが問題であろうと思いまするし、このことはむしろ政府のかから詳細お伺いした方がよいと思ひますので、政府に対して御質疑をして頂きたいと存じます。尚、政府の方から若し積極的に御説明することがあれば伺いたいと思います。
  5. 吉崎公明

    説明員吉崎公明君) 私競馬部業務課長であります。御存じ通り競馬運営して行きます上におきましては、競走馬の数とその質でございますが、その質が非常に問題なのでありまして、数の少い馬を以て非常に多数の競馬をやりますというと、自然に馬が疲れて参りますし、故障を起して、あと競馬の続行ができないし、又その競馬自身も面白い、立派な、公正な競馬ができないような立場になるのであります。そこで只今委員長からも仰せられましたように、この開催回数を全面的に引上げるというようなことにつきましては、愼重考慮を要する問題なのでありますが、只今ここに衆議院から御提出になりました法案の要旨は、四大都市限つて開催回数を殖やすというふうに承つておりますので、若しこの程度のことでありますならば、現在の馬の資源から、それ程大した無理にはならんと思われる。かように考えておる次第であります。
  6. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) では途中に入りまして恐縮でありますけれども、政務次官が、衆議院の方の委員会との関係で、この際に是非公団関係法案についての提案理由を先にさして貰いたいという御希望もありますので、一応公団関係法律案についての提案理由だけを伺つて置きたいと思いますから、どうぞ御了承願います。
  7. 坂本實

    政府委員坂本實君) 只今議題と相成りました肥料配給公団令並びに油糧配給公団法の一部を改正いたしまする法律案につきまして、提案理由を御説明申上げます。  先ず肥料配給公団についてでございますが、肥料配給公団運転資金は、從来預金部資金からの借入金で賄うことになつておりましたが、このうち、常時在庫に必要な資金は、借入金によらず基本金を以て充てることが、公団経理健全性を保つのに適当であり、且つ過去の実績より見て、公団に二十六日くらいは、常時在庫として持ち得るだけの金額を、基本金として増額いたしたいと考え今回同公団基本金五千万円を、三十二億七千八百万円増額して、三十三億二千八百万円とすることといたしたのであります。  何とぞ愼重御審議の上御賛同あらんことをお願いいたします。  尚油糧配給公団関係につきまして御説明を申上げます。  油糧配給公団は、設立当初の基本金は、一千万円でありましたが、昭和二十四年五月三十一日、食料品配給公団法等の一部を改正する法律に基いて、第五国会において、十五億円の基本金増額を御承認願いました。これは油糧配給公団が、貿易特別会計に対する輸入油糧買取資金の決済に充当するためであります。  今回の油糧配給公団基本金増額については、本年度中においては、油脂原料並びに、油脂の価格が改訂され、商品販売及び收買金額増加し、又その取扱数量も増大したため、商品販売を最大限に見込んでも尚年度初めに比較すれば、年度末において手持商品等資産勘定は、約二十五億円に達する見込みであります。このような多額の所要資金は、從来金融で賄つておりしたが、更に公団業務運営を円滑健全にするため、基本金を二十五億二千六百万円に増額いたしたいと考えます。これに要する金額十億千六百万円を一般会計から支出するよう補正予算案に討上して別に御審議を願つておるような次第であります。  以上簡單でありまするが提案理由の御説明を終ります。本法案につきましては種々の手続上国会提出が遅延いたしまして誠に申訳なく存じますが、何とぞ愼重審議上速かに御可決あらんことを切望する次第でございます。
  8. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは競馬関係の御質疑お願いいたします。
  9. 羽生三七

    羽生三七君 ちよつと伺いますが、先程のお話では、戰災の四大都市からの今度のこの要求程度ならばまあ差支なかろうというお話でありましたが、他に若し同様な要求が起つて来た場合にはどういうお考えでありましようか承わりたいと思います。
  10. 吉崎公明

    説明員吉崎公明君) 只今申上げましたように、現在地方競馬におきましては府県営競馬を四回と、それから法第一條によりまして戰災を受けました都市競馬が二回ずつ許されておるのでありますが、この合計の回数を算出いたしますというと、全国に亘つて相当な回数に上るのでございます。そこで先程申上げましたように全般的にこの回数を殖やすということになりますというと、現在の競争馬資源或いは馬用頭数の点から考えまして、相当愼重考慮をしなければ容認し得ない問題であると考えるのでありますが、只今お話のように四大都市だけの競馬ということになりますと、それは通算して見ましても年に八回という結果になりますので、その程度のことでありますならば容認し得るのじやないかという考えを持つておるということを申上げたのでございます。
  11. 小川久義

    小川久義君 この四大都市回数を殖やすことには反対じやないのですが、それは收入面や税金の面から殖やすことになるのだと思いますが、元来中央馬事会があつたときには競馬のために損害の行くところは馬事会を通じて助成の途があつたのですが、そういう競馬のために損するところへ補助なり助成をする考えがあるかないか、その点を承わりたいと思います。
  12. 吉崎公明

    説明員吉崎公明君) 只今競馬運営はすべて公共団体であるところの府県並びに市町村がやつておるわけでございます。この府県並びに公共団体に対する配付金という問題は、別途に地方税交付金という制度がありまして、それ以外にはこの公共団体に対して政府から助成するという、競馬に限つて助成するというような途は開けていないのでございます。只今のところ如何ともすることができない状態であります。
  13. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 本案理由にもありました通り大都市財政を豊かにするという意味と同時に、すべてを通じまして競馬場にも差支ないという政府委員の答弁もありましたので、質疑打切つてこのまま承認することにいたしたいという原案賛成の動議を提出いたします。
  14. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 外に御質問はありませんか。
  15. 山崎恒

    山崎恒君 この案には反対でありますが、一応お聽きして置きたいと思いますが、この競馬場に出場するところの馬の資源の問題ですが、いずれもこの四大都市に限らず公営或いは市営等競馬開催がいずれも接近するというような点が伺われるのですが、それに関連いたしまして、馬の資源の問題ですが、只今課長からのお話ではこの四大都市程度を許可する分には差支ないであろうというようなお話でありますが、現在大体国の経営する競馬戰災都市の経営する競馬に、過去一ヶ年間すでに経営しておるのでありますが、それに出場するところの馬の資源状態等一つ説明願いたいと思います。
  16. 吉崎公明

    説明員吉崎公明君) 只今資料手許に持つて参りませんので、甚だ漠然としてお答えしかできないので甚だ恐縮でありますが、競馬は国で経営する国営競馬と、それから府県で経営しております府県営競馬と、それから指定市町村で経営します市町村営競馬と三種類がございますが、そのうち府県で経営する競馬と、指定市町村の経営する競馬を総括して地方競馬と称しておることは御存じ通りでございます。そこで国営競馬に走つておる馬の頭数大約現在で千頭足らずのものでございます。年々これに新馬が入つて来るのでありますが、新馬の入つて来る頭数は現在までのどころ終戰後から現在までのところでは約毎年三百頭の程度でございます。併し、ここ一両年の間にこれが少し殖えまして四百頭くらいになるのではないかという見通しを持つております。それから一方地方競馬の方に走つている馬の頭数大約一万頭ぐらいの頭数全国でおるのでございます。そしてこれに加わつて行きます頭数は推算で、少し大雑把になりますけれども、この国営で走りました馬のうち成る部分のものと、それから初めから国営競走には走らないで、地方競馬にだけ走るというものとがございまして、年々新馬といたしまして、千頭ぐらいのものが入つて来るというふうに考えておるのでございます。御承知通り終戰後この馬の資源というものは戰前に比べまして非常に減つておりますので、大約戰前の半分でありますが、そこで資源を愛護いたしまして、計画的に競馬運営をいたすように我々としては努力をいたしておる次第でございます。
  17. 小川久義

    小川久義君 この四大都市の過去の実績はどうか。それから收入増加を期待し得る根拠がどうかということ。それから只今説明の中にありましたが、戰前の半分に馬が減つておる。これを増殖する計画があるかないか。この三点についてお伺いしたいと思います。
  18. 吉崎公明

    説明員吉崎公明君) 四大都市競馬は、提案理由の御説明にもありました通り、いずれも大都会地でございますので、競馬のフアンと申しますか、そういつたものも相当数ございます関係上いずれも競馬を一回やりますというと、二、三百万から五百万程度利益金が生ずる実情なのでございます。そこでその分だけが一般税收入の中に入つて公共団体財政を潤おしておる、こういう実情のよう考えております。  それから馬の頭数戰前の約半数と申しましたが、私の言葉が少し違つておりまして、この競馬に走る軽種の軽い馬でございます。軽い馬の生産戰前の約半数でありまして、実際の競馬でありますとか農村農耕馬に使います馬は、現在におきまして相当数終戰後増加いたしておりますから、戰前と大なる差違はない状態まで行きつつあるのでございます。併し畜産局といたしましては、この農村農耕馬乃至は都市競馬というものを充足すべくいろいろ計画を立てて、着々実行いたしている次第であります。
  19. 小川久義

    小川久義君 只今お話通り、やはり馬がいない。これが競馬不振の重点な原因になつているかと思います。それは競馬を見ましても、駈歩の競馬回数至つて少い。速歩ぐらいの回数が多い。従つて馬券の売れ高も少くなり、收入も減退すると思いますが、その競馬用の軽い馬の増殖を、育成をお考えかどうか、その点をお伺いいたします。
  20. 吉崎公明

    説明員吉崎公明君) 軽い馬は、日本の国として、一体どれだけの数があつたらよろしいかというようなことは、馬政根本に亘る問題がありまして、只今のところ、そのはつきりした計画を持つていないのでございますけれども、段々競馬をやつて行きますに伴いまして、この軽い種類の馬が多少ずつ現在のところ殖えて参つて生るのでございます。そうしまして、この軽い種類の馬が多少とも農耕馬なり競馬の血液の中に流れ込んで、この農耕馬、輓馬は案外それ程重くしないような作用を現在のところして参つておるので、現在まだ非常に掛離れて、この軽い馬の種類を殖やすというようなことは、今のところ考えていないのでございます。
  21. 板野勝次

    板野勝次君 私は、ちよつと聞いて置きたい点は、回数をお殖やしになることもいいんですが、今の国民生活の現状から見て、今まではよかつたが、来年はよくなるというふうな何か根拠でもあれば承つて置きたいと思います。そうしないと、若し損をしたら、折角地方の自治体がこれで儲けてどうかしようかと思つているのが、逆に赤字が出て泣きつ面に蜂になるというような恰好になりはしないか。
  22. 山村新治郎

    衆議院議員山村治郎君) 勿論利益目的とした回数増加でございますので、その御心配は御尤もでございますが、今のところ国営は勿論、府県営、或いは又市営等競馬状況を見ますときに、非常に隆盛になる模様が見えますので、その御心配はないように我々は考えている次第でございます。
  23. 板野勝次

    板野勝次君 そういうふうに現象的に見えるので、国民の総所得、いろいろなものの計算の上に立つて少くとも科学的な判断の上に立つて、そうでないという根拠を示して欲しいと思います。今のところでは、漠然として、どうもうまく行くだろうかというわけですが、少くとも国がやつて行く以上は、科学的な根拠に立つてこの程度つても損はない、儲かつて行くんだという何か根拠があれば、示して貰いたいと思います。根拠なしに、そうおつしやつているのか、どうですか。
  24. 山村新治郎

    衆議院議員山村治郎君) 根本の御意見は、世の中の経済動向がどうなるかという、非常にむずかしい問題でございますが、併し確かに最近の経済界様相デフレ的様相も見えておりまするし、御心配のような点も多分に見受けられるのでございまするが、半面何と申しましようか、国民の嗜好も非常に平和愛好的と申しましようか、(笑声)或いは又健全娯楽の追求と申しますか、そういうような傾向も非常に見えておりますので、今のところの模様といたしましては、或いは目先的であるというお叱りがあるかも知れませんが、この競馬を四回に増しまして、この四都市がこのために損をするというような状況は今のところこの四都市附近競馬開催状況その他から見まして、万心配はないじやないかという我々は見通しを付けて参つた次第でございます。根本的のこの経済問題の動向からどうなるかということにつきましては、非常にむずかしい問題になりまして、ここで議論を討わさして頂くだけの自信のないことを申上げて置きます。
  25. 山崎恒

    山崎恒君 参考に今少しお聞きしたいのですが、一つ競馬出場馬というものは何頭ぐらいあつたらいいのか。それと新馬の育成でありまするが、新馬の育成只今お話では国営競馬が三百頭乃至四百頭の年間出場ができ得る態勢にある。又地方競馬が一千頭くらいずつ補充ができるというようなお話でございますが、こうした新馬の育成に対して、畜産局では要するに競馬を実施して、利益が無論目的でありまするが、この競馬馬育成に対する何らか助成の方法は何か一頭に対して幾らかというようなそうした予算を組んでやつておるのかどうか、その点を一つ
  26. 吉崎公明

    説明員吉崎公明君) お答えいたします。一回の競馬開催しますのにどれくらいの頭数があつたらいいかと申しますと、無論これは開催日数にもよることでございますが、大体只今のところ一回の日数は六日間でやつておるよりでありますから、六日間を例に取つて考えて見ますと、大体地方競馬の場合は百五十頭から二百頭の馬があれば開催でき得るのであります。国営の場合は大体八日間を本にしてやつておりますから、この場合は少し数字が違いまして約三百頭の馬を要するのでございます。この数字は同じ馬がその一回の開催期間中に何回出走が可能であるかという問題ともからんでおるのでありますが、地方競馬におきましては一回の競馬に同じ馬を三回乃至四回走らせ得るのでありますが、国営の場合にはその回数が減りまして二回乃至三回程度しか出場させられない実情であります。そこで只今頭数が出るわけであります。  それから新馬の問題でありますが、新馬は成るべく多く競馬に出て頂いて、古い馬は新陳代謝をして、要するに競馬で以て非常に優秀な成績を現わしたものは種牡馬にするなり、或いは繁殖用牝馬に廻すなりして、次の時代の競争馬のために活用しなければならんのであります。そのためには新馬というものも毎年相当数入れなければならんというふうに考えておりますが、お尋ねのように別に新馬であるから補助金を出して競馬に持つて来るというような特別な措置は考えていないので、番組を作ります場合に新馬を優遇して成るべく来て走り易いような條件を附けて走らせるというような手段を講じておるわけでございます。
  27. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 先程池田さんからも御希望がございましたが、大体質疑も盡きたようでありますから、質疑打切つて採決に入りたいと思いすすが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 御異議ないようでありますから、これから採決に入ります。  競馬法の一部を改正する法律案議題にいたします。
  29. 板野勝次

    板野勝次君 私はこの競馬については敢て反対するものではないので、消極的には賛成しますが、ちよつと意思表示をして置きたいのですが、畜産振興計画というものにもつと畜産局重点を置いて貰いたい。これを競馬の方にばかり目を注がれないように、重点は飽くまでも畜産振興という点に置いて貰いたいということと、第二点は地方財政を少くとも部分的であつてもこういう競馬等財源によらしめるような途を與えて置くと、いつまで経つてもこの地方財政の破綻をこういうものによつて切拔けようとする下策しか出来ないのでありまして、成るべくそういうふうなものに地方財源を依存しないような施策を確立して貰う、そうして健全娯楽なら健全娯楽というものとは別に切離し得るような体制を作つて行かないと駄目だということ、第三番目にはう投機心をそそつて日本が観光の問題を中心としたと同じように博打の日本にならないように、こういうようなことを十分警戒して貰う、こういうような三つの点を希望いたしまして消極的に賛成いたします。
  30. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは外に御発言もないようでありますから、これから採決をいたします。競馬法の一部を改正する法律案について衆議院送付案通り可決することに御賛成の方の御起立を請います。    〔総員起立
  31. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 総員起立、よつて全会一致を以て本案衆議院送付案通り可決することに決定いたしました。尚多数意見者の御署名を願います。    多数意見者署名      藤野 繁雄  山崎  恒      岡村文四郎  加賀  操      國井 淳一  板野 勝次      小川 久義  柴田 政次      平沼彌太郎  石川 準吉      徳川 宗敏  門田 定藏      羽生 三七 池田宇右衞門
  32. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 又委員長報告もお委せを願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは政事委員の方の都合もありますので、午前中はこの程度にして休憩いたしまして、午後は一時から再開いたします。    午前十一時三十八分休憩    ——————————     午後一時四十五分開会
  34. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは只今から委員会休憩前に引続いて再開いたします。  肥料配給公団令の一部を改正する法律案と、油糧配給公団法の一部を改正する法律案議題にいたします。これは先ず一々の法律案について質疑をして頂きたいと存じますので、最初肥料配給公団令の一部を改正する法律案から御審議をお始め願いたいと思います。
  35. 羽生三七

    羽生三七君 この両方について、ちよつと一括して政府の態度でお尋ねしたいことがあるのですが、法案の内容じやありませんが、取扱について……。
  36. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  37. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。
  38. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 私は肥料配給公団の基金として三十二億七千八百万円を今回計算せられた計算の基礎をお尋ねいたしたいと思うのであります。
  39. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 書いたものがあれば、それをお配りして頂くと非常に便宜なんですが……。
  40. 藤田巖

    説明員藤田巖君) お手許にこういう資料が御配付になつておりませんでしようか。長い昭和二十四年度資金計画、これについて御覧頂きたいのでありますが……。
  41. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 待つて下さい。皆さんお手許に行つておりますか。
  42. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 肥料と書いてございませんので、(「書いてあるよ」と呼ぶ者あり)これは昭和二十四年度肥料公団がその事業を運営いたします上に必要な資金計画でありまして、肥料公団は、現在御承知のように、硫安、石灰、窒素、過燐酸石灰、硝安、加里等肥料の重要なものをすべて扱つておるわけでありまして、相当厖大な資金が要るわけであります。大体二十四年度借入金額を推定いたしますと約四百六十億、四百六十億の資金が要るわけであります。それをこの表で御説明をいたしますと、大体四、五、六、七、八、九この時期は肥料の、何と申しますか、出廻期であります。從つてこれは收入もございますので、この時期におきましては大体借入金もなしに済まして行けるわけでございますけれども、十月以降になりますと生産はどんどん毎月上つて参りますけれども、不利用期になりますので、公団手持をして抱えて置かなければなりません関係上、その借入金がここにございますように十月には三十二億七千三百五六千円、それから漸次、借入金残高のところを御覧頂けば分るのでありますが、十一月には五十四億、十二月には五十九億、一月には六十七億、二月には七十四億、三月にはこれは基本金といたしまして三十二億七千八百万円が計上されましたので、借入金は五十倍で済むわけであります。資金といたしましては大体この時期に七十億ぐらいの金が要るというふうなことになつておるわけであります。從来こういうふうなものは預金部からの借入金によつてつて来たわけでありますが、最近かくのごときものについてもインデペンデントリー・フアイナンスというような建前からいたしまして、その必要な部分についてはこれをむしろ借入金でなく基本金によつて賄うことがよわベターになるというような関係からいたしまして、これを基本金と、そのうち三十二億七千八百万円を今回基本金として認められることに相成つたのであります。それでこの三十二億七千八百万円がどういうふうなことから出たかと申しますと、先程ちよつと御説明いたしましたように、二十四年度の総借入金額が約四百六十億であります。四百六十億でありまして公団が工場から肥料を買いましてからそれが農家に渡り、代金が回收いたされるまでに平均四十五日ぐらいかかると考えております。從来の実績から考えまして十五日ぐらいはかかるわけでありますが、毎月大体十日目ごとに工場から出荷された分についての決算をやつております。十日目十日目の決算でありますので、工場から出荷されました途端に金を拂うのじやありませんので、十日目十日目で決算いたします関係上、約十五旧の余裕、これは拂わなくて済むという余裕があるわけであります。そうして從つて四十五日から十五日を引きました三十日分、この三十日分についての資金考えなければならんのでありますが、これは十月から認証手形が預金部資金に振替わりに相成りまして、代金が支所から直接日銀に拂込まれるようになりました関係上送金日数が短縮いたしまして、それで四日ぐらいの短縮が可能になりましたわけであります。從つて三十日から四日を差引きました二十六日、これが公団の純ランニング・ストツクの期間であるわけであります。從つてこの四百六十億というその一年の総借入金額に対しまして二十六日分、つまり三百六十五分の二十六というものを掛けました金額、これが大体三十二億七千八百万円、かように相成りますわけであります。
  43. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 只今説明によるというと、提案理由に書いてありますように、常時在庫に必要な資金借入金によらず基金によつた方がいいからだということになつて提案理由と一致するのであります。然るに補正予算に出しておられるところの提案理由を拜見して見まするというとこういうようなことを書いてあるのであります。肥料配給公団は、從来農家の需要時期と無関係に毎月平均的に肥料の配給を行なつて来たが、農家経済状況及び一般経済状況の変化に即応しで需要時期に適期に配給を実施することになつた。從つて春肥分は四月以降に配給することとなり、年度末の手持肥料は当初予算における約二十八万トンから約百十二万トンに増加する部分と、こう書いてあるのであります。そうして見まするというと、大蔵省が予算説明説明しておるところの説明と、農林省が今説明されたのは、三十二億七千八百万円を今回基金として繰入れるところの理由が違うようになつて来るのでありますが、この違うところの理由はどこにあるか。この点をお伺いしたいのであります。
  44. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) お答えを申上げます。只今御指摘になりました昭和二十四年度予算補正の説明という先頃お配りをいたしました未定稿ということになつております主計局から出しました参照書の中におきまして、只今おつしやいましたような記事がございますことはおつしやる通りであります。これは甚だ申訳になりまして、恐縮なんでございまするが、補正予算提出をいたしまする時期に、同時にこの予算の解説、説明のようなものを急いで作りまして御審議に間に合うようにいたしたのであります。從いまして卒直に申上げましてこの中にはいろいろ出資金、それの補正額の説明がございますのでありまして、近く未定稿でありません決定したのを差上げまして、それによつて御了承願いたいと思つておりますが、ここでこういうことを書きましたのは、実はこの予算の決定をいたしまする経緯におきましてこういうような考え方で出資金を出さしたことがあつたわけであります。併しながらその後いろいろ関係方面と折衝いたしておりましたりいたします中に、今農林省の方から御説明に相成りましたような金額に落ち着きましたので、非常に取急いでこれを各係から縮めて作りましたのでありまして、全体に最終的な意味におけるところのまだ見直してありませんので、御指摘のような食違いが出たことは甚だ残念でありますが、これは未定稿とありますので、近く決定案が出ますので、それでなんとか御了承願いたいと思います。
  45. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 從来農家が非常に困つておるのは、最近段々段々と農家の金詰りのために肥料の配給があつてもそれを受取ることができないような状況にあるのであります。又現在の肥料の配給は生産があつたならば需要時期前に次から次へと農家に送り込まれ、その送り込まれたところの代金はできるだけ早く支拂をさせなくちやできないと、若し配給されたところのものの支拂ができなかつたならば延滞利息を取ると、こういうふうなことで非常に困つておるのであります。それで農村実情からいたしましたならば、大蔵省が未定稿として説明しておられるように需要期になつてから配給されるのが理想であつて、又そうせなくちやできないと思うのであります。私などは今回三十一億の出資金増加したと、こういうふうなことであつたならば農家が希望するように適期に配給することができ得、公団でストックするものであるとこう信じておつたのであかまするが、そういうふうにされる意思はないのであるか。農林省にお尋ねしたいと思うのであります。
  46. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 只今御指摘のようなやり方で押付け配統ということをやめたいために、私共としてもいろいろこれまで施策を進めておつたわけでありまして、御承知のように公団は相当金が沢山要るわけであります。従つて今回のこの基本金、従来借入金で賄つておりましたものの一部が基本金として認められ、更にその外にもやはり預金部から金を借りるければならんわけであります。そういうように努力をいたしまして、お話のように農家が希望するなら別でありますが、これを施肥期以前に一早く押付けると、こういうことはやらせないようにいたして参りたい、かように考えておるわけであります。
  47. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それで農林省の方針は分つたのでありますが、私などは今後の肥料の配給というものは、農家の需要の適期に配給されるものであると、こういうふうなことを確認していいのであろうと思うのでありますが、それでいいのであるかどうかということ、若し万一適期前に配給された場合においては、その保管料及び金利というものは公団が責任を以で負担するということがこの前の委員会でも農政局長は答弁しておられるのでありまするが、そう確認して差支えないのであるか、その点更にお伺いしたいのであります。
  48. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 私共といたしましても第一点の、適期に配給するとこういうふうな方針で、押付けずにやつて参りたい、勿論これは各、地方々々でそれぞれ何と申しますか、特殊な事情もあるわけでありますから、早く取りたいという農家の希望に対しては、これはその通りして行くというふうにいたして参りたいと思つております。ただ適期以前に配給する場合に金利、倉敷等はこれは公団において負担するかどうかと、こういう点でありまするが、この点は御承知通り、今回は補給金の節減によりまして一月に現在価格が約二割上つた、それから又三月以降に一割五分上つたと、こういうふうな価格の差もあるわけであります。我我といたしましてはそういうふうな関係からいたしまして、特に早く取りましたために更に金利を負担するというふうなことは、これは今回はやらなくても順調に行くのじやないかと、かように思うわけであります。
  49. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 行政管理庁の査察部の公団監査の報告書によつて見まするというと、農薬包装資材というようなものは、相当に品物が出廻つたのであるから、こういうふうなものは取扱わなくてもいいじやないか、とこういうふうなことを発表しておるのであります。今後肥料の方面には相当の資金を要するのでありますから、こういうふうな方面に廻すところの資金はこの方面の取扱をなくしてしまつて肥料資金が十分になるようにされる意思があるかどうか、これをお伺いしたいのであります。
  50. 藤田巖

    説明員藤田巖君) との点についてはお説のごとくすでに農薬及び包装資材については、公団は扱わないということに方針を決定いたしました。十月以降さようにいたしておるわけであります。
  51. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 新聞の伝うるところによれば、民自党においては、肥料公団は三月末日までで終つて法律の改年をしない。こういうような方針で進んでおられるように聞いておるのでありますが、政府肥料公団を将来どういうふうにしようというお考えでおるか、政府の方針を承わりたいと思うのであります。
  52. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 民自党の方では公団全般の問題といたしまして極力これを廃止するというふうな方向に考えられておるわけでありますが、私共の考え方といたしましては、その扱いまする物資の統制をどうするかということが先決問題となつて、おのずからそれによつて公団機構の存廃が考らるべきものだと存じております。従いまして我々といたしましては機構の改編に当りましては、さような面は十分見合せまして、無用な混乱を起さないようにやつて行かなければならん。肥料の事情は生産、需給が段々調和するようには相成つて参りましたが、肥料の統制につきましてはう尚暫くの間はこれを存続せしめなければならんわけであります。従つてこれにつきましては、公団を仮に廃止いたします場合には、如何なる方策に移るべきかということもよく検討いたしまして、そういうふうなことを睨み合せまして廃止するか、或いは又この機構の縮少を考えるか、そうして漸進的に廃止する方向にもつて行くかというふうなことについて現在検討を加えておるわけであります。まだ農林省としての意見は確定はいたしておりませんのであります。
  53. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 肥料は農業生産に重大影響を及ぼすのであつて、この公団組織が改廃になるということは、又配給問題についても非常な影響を及ぼすのでありますから、政府は速かに方針を決定せられるようにお願いしたいと思うのであります。  次に肥料公団に対する不正事件が新聞で報ぜられたのでありますが、その内容及び今日までの成行をお伺いしたいと思うのであります。
  54. 藤田巖

    説明員藤田巖君) これは肥料公団昭和二十三年度下半期、つまり昨年の十月から本年三月に至ります期間の決算におきまして、運賃の大運賃、小運賃の未拂漏れとして計上をいたしますに当りまして、当然見込まなければならん金額の外に、更に余分な金がひつついておる。五億六十一万円でありましたか、その分だけが余分に計上してある。これは当然その期の決算においては剰余金として出るべき金を膨らましておるということが問題として挙げられたのであります。これについての事の起りは、農民組合からでございましたか、そういうふうな話が起りましてから、私共の方でも調べ、経済調査庁でも調べました結果、農民組合側の御指摘の金額とは大分違うのであります。確か六億五千万円程度が水増しされておるという話でございましたが、経済調査庁なり、私共の調べでは五億六十一万円であります。金額は若干食違つておりますが、ともかくさような水増しの金が、瘤つきの金があるということが事実であるということが分つたのであります。これにつきましては現在衆議院の農林委員会におかれましても小委員会を設けられまして、いろいろ御調査中であります。私共といたしましても、この結果について尚更に調査もしたいことがございまして、調査は続行いたしておりますが、至急にこの処置については結末を付けたいということで、今安定本部その他とも打合せをいたしております。
  55. 板野勝次

    板野勝次君 その問題に関連しまして、これはもう何ヶ月前か、今資料を持つて来ておりませんけれども、公団の総裁が肥料公団の組合の執行委員長のところへ自動車で使いの者をやつて、そうして会いたいという二とで某所で会つたところが、公団内で運賃諸掛り等をめぐる不正の問題がある。このことを公にしないならば首を切らない。併しそれを飽くまでやろうというならば首だということで、この肥料公団の総裁のおどかしに応じなかつたところが、翌る日には、濫りに職場を離れたということで首を切つた。これは後から資料を出して、当局の方でも調査して貰いたいと思うのですが、只今農政局長から言われましたのは、私の聞いておるのでは、運賃未拂だという恰好で五億一千こ百万円といろものを、無いものをあるような形にしたのであるというので、日本農民組合が抗議して経済査察庁が発見した。それ以外にいろいろな問題がありまして、運賃諸掛りをめぐつていろいろ不正が行われておる。そういう点について農林当局の方では、これ以外にも厳重な調査をされたことがあるかどうか、そういうことを承つて置きたいと思います。
  56. 藤田巖

    説明員藤田巖君) この点につきましては、農民組合からの御指摘によつて調査をいたしました結果、現在はつきり確認をいたしておりますのは、只今申上げましたように、運賃の未拂計上に五億六十一万円だけつまり瘤がついておるというようなことがはつきりいたしております。その外の点につきましては、いろいろの御指摘の点もあつたのでありますが、私共の調べた範囲でははつきりしたことはまだ掴めておりませんわけです。
  57. 板野勝次

    板野勝次君 当局においては今のような事実がある際に、資本金の増額というものは、これはどうかと思うのですが、その実態を明らかにするというのはどういうふうな進め方をされて行くのですか。そうして又いつそれが明らかにされるのか、その時期等についてお示しを願いたいと思います。
  58. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 運賃未卸金に瘤のついております五億六十一万円、これはその後精算によつて多少金額は変るかとは思いまするが、私共といたしましては、このお金は当然その期の剰余金として出すべきものである。従つてこの決算は安定本部の長官の承認を得ることになつて、まだ承認が済んでおりません。我々といたしましてはその機会に昭和二十三年度下半期の決算のやり替えをして、そうしてこの金額はこれを剰余金に改めて追加計上をして政府に納付せしむべきものであるというやり方にいたしたいということで、現在関係方面と打合せをしておるわけです。
  59. 板野勝次

    板野勝次君 このような資金増額は、勿論国民の税金負担ということになるのですが、元来ならばこういうふうな疑わしいというふうなものを明らかにされて、そうしてこういうふうな法律案の改正を御提出になるのが当然ではなかろうか。例えば普通の会社等しにおきまても、資金増額をやるのだ、こういつた場合に、その会社は経理は乱脈を極めておる、それなのに増資をするのだというのでは、果して応募する人達がそれに応じるだろうかどうだろ、つかということは疑問だと思う。これが果して妥当かどうかということを賛否を決する場合におきましても、公団の内容の乱脈な状態がこの工うにされたけれども、こういうふうにして今後は起らないような防止策を持つているのだ、こういうことになつて初めて我々は安心してこの問題を審議することができると思うのですが、そういうことに対して今までの御説明では何ら得心の行くようなものがないわけなんですが、当局においては、そういう乱脈を起さないような、何というのですか、一つの組織でも確立して、もう再びそういうことはないようにするというふうな防禦策はないのですか、不正に対する防禦策というのは。
  60. 藤田巖

    説明員藤田巖君) その点については御説誠に御尤もでございまして、私共といたしましても、再び公団の経理、或いは事業の運営について、従来ありましたことのないように、はつきりした機構を作つて、そうして監督も厳重にして参りたいということで、現在その方策について研究をいたしておりますわけであります。これは至急にそういうふうな点につきましてははつきりと方針を定めてやつて参りたいと思つております。
  61. 板野勝次

    板野勝次君 それではただこれから考究するという、具体的のものはないわけなんですが、そうじないと運賃諸掛りというのは單に肥料公団だけでなくて、いろいろな各種の公団におきましても、運賃諸掛りというふうなものは、薪炭需給特別会計の場合にも問題になつておるのですけれども、どんな不正でもそこの経理をやつておるものが結託すれば、ないものでもあるように、あるものでもないようにすることができるのだと思う。その程度のことは考究しなくなつて直ぐにでもこの問題と関連してこういうふうに機構でそういう心配がないように、これで心配がないようにできるのだ、そういうようなことが明らかにされ得る筈だと思うのですが、只今の御答弁では、ただ考究して見るが、まあとにもかくにも一つ通して貰えさえすればいいのだ、こういうふうにしか聞えない。そうしてこれを来年の三号に取外しまして、いろいろ決算して見ると赤字が出る。大体その赤字の埋合せに三十五億ぐらいのものを出して行つて、そうして政府は責任が解除される。そういうところに行こうとするじやないかというように思うより外ないわけですがわ。そういうふうな誤解を起させないようにして貰いたいと思うのです。
  62. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 実は肥料公団の問題は、赤字の問題で、少し何と申しますか、黒字があり過ぎてそうしてそれを中で留保しておる、こういうふうなことから公団経理としては甚だ不適当な状態なつたのであります。現在のところ、公団の内容につきましては、非常に健実でありまして、赤字を出すというふうなことはございません。むしろ私共といたしましては、その支出の面を大いに戒めて、できるだけその支出を少くするというふうに努力をして行かなければならんと思うのであります。先程御説明のございました点については、今後公団について十分再びこういうふうなことのないように、厳重警戒も與えまして我々といたじましても監督を十分いたさしておるわけであります。万遺憾のないように今後努めて参りたいと思います。
  63. 板野勝次

    板野勝次君 それはまあ具体的のことが伺えないので不満足でありますが、他の質問者もありますから、これでその点については打切ります。  先程藤野委員からも言われましたが、肥料の適期配給の問題、適期配給をするから公団でこの金利若しくは保管の費用をそう負担する必要はないだろう、こういうふうに言われておりましたが、これは間違いがないでしよか。従来ですと適期配給じやない「ずつと早く来てそうして農家が肥料の代金は遅れると金利がたまるというので一切農民に転嫁されておつたのであります。今度転嫁されないということになるとこれは政府の言うことはいつも間違いだらけですから、その点なんですから通牒でも出して適期配給だからそれ以前に農民に早く配給して困らせるということはないようにするということを通牒によつて明らかにして貰いたい。それからもう一つは金利や保管料を公団が負担することはないだろうということは予測されるだけであつてちよつともはつきりしたものがないが、これは元来肥料の資本家の方で持つべきが当然なんですが、その点に対して今の藤野委員、の言われたことを確実に実行する通牒、若しくは何らかの形で意思表示を願いたいのですが、それはやつて貰えるでしようか。
  64. 藤田巖

    説明員藤田巖君) ずつと前にその問題の御質問がございまして、私たしか金利倉敷料等についても考究をして何かやりたいというようなことを話したことを記憶しておりますが、その後肥料の価格がその当時と非常に変つて来たわけであります。経緯を申しますとその当時はもつと早く肥料の価格を上げる、肥料価格の上つたままずつと一本で三月頃まで同じ価格で行くというような情勢が極めて強硬であつたのであります。そういうふうなことに相成りますと、どうしても高くなりました肥料を早く取ることがこれは到底不可能でありますから、そこにおのずから金利保管料を公団が持つというふうなことも当然考えなければならんとこう思つておつたのであります。その後肥料の価格の問題についてこれはその後の計画がございましてむしろ有利に決定をいたしまして十二月までは価格は上げない、それから一月から二割上げる、三月から更に一割五分以上げる、こういうふうに段階がついた価格差というものが設けられたのであります。従つて私共といたしましてはそういうふうに価格差が設けられますならば、最も早く取ります場合はその低い価格で取り得るとこういうふうに相成つたわけであります。従つてそう、うふうな情勢におきましてはこれは更にその上に金利倉敷料というものを見るという必要がなくなつて来たというふうに考えておりますわけであります。
  65. 板野勝次

    板野勝次君 併しそれはそういう考えだけであつて、若しも肥料の方がどんどん持つて来たということになれば、何にも措置がなければ公団が一応負担しなければならない。公団が負担するということは農民が負担するということであつて、一切のそういう金の繰廻し、いろいろなものを結局は農民が負担する、そうした場合かち見ればなると思うのであります。それに対する何か防禦策というのか、そういうふうにならないように不安のないような措置は外にはないでしようか。
  66. 藤田巖

    説明員藤田巖君) これは安い肥料でも無理には押付けないわけでありますから、若しも農家としては今取れないというふうな場合には、これはその時期は公団が持つていなければならないというふうには相成るわけであ力ます。併しながらその時期々々が参りますと、肥料の価格が値上りをいたしまする関係があるわけであります。そこで私共といたしましては、これはやはり一面は現在やつ、ております農業手形、これがまだ取扱その他も十分でございませんが、こういう、かうなものを更に拡充をいたしまして、そうしてそれによつて引取りたいという農家が資金のために眠れないというふうなことがありまするようなものは救済をして行くこの方法でやつて参りたいと思つております。
  67. 板野勝次

    板野勝次君 局長にさつき聞きました適期配給について予め農民がその受取らなくてもいいようにちやんと通牒を出して貰いたいという、それに対して答弁がなかつたように思うのでありますが、通牒を出して貰えるかどうか。
  68. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 御趣旨がちよつと分らないのでありますが、私共といたしましては無理々々に押付けるようなことのないようにとこういう、ふうなことを公団にはつきりいたさせる。れは通牒を従来も厳重に申しておりますから大丈夫と思いますから、それを通牒する。更にその通知を農家の方面にも徹底せしめる措置をとりたいと思つております。
  69. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 板野委員がいろいろ詳しくお聞きになりたようでありますが、これは局長の方は施肥期でないときに肥料を送つて来たものには金利、倉敷を損するからいけないということで御説明されておりますが、これは国家でそれを補給する以上は公団が損するものではないのでありまして、その金利が公平に取られるか取られんか、倉敷料が公平に取られるか取られんかの違いであつて、施肥期でなくて肥料を取つても今までは金利倉敷を差引かなかつたのでありますが、いずれにしても百姓が皆負担をする全部の金利、全部の倉敷料はこれは負担しなければならんものであつて、私はこれは現実価格を決めなければならんと思つておりますが、それにしても全部金利、倉敷は変つておる筈だ、どこまでたつても金利、倉敷料を補給するということでない以上は全部の農家がこの金利、倉敷料は負担しておると考えておる、これは当然のことだと思うのであります。そうだとするか、どうもそうでないように聞えるように言つておるが間違いであつて一必要でないときに施肥期でないときに送つて来られるから困るが、施肥期のときに送つて来て貰うから、そのときに拂つていいのだということにならんといかんのでありますが、その点局長の方から分るように言うて貰わんと困るのであります。私は先に政府に御注意申上げ、どうなつたか分らんから聞いて置きたいと思いますが、疑わしいもりもありましようし、必ずやつて行くというと司直の手にかけなければならんというものが出て来ると思う。これは肥料公団ばかりでなしに、私は言い過ぎかも知らんが、必ず各公団にそういうものはあると考えております。そこで一番大事なことは肥料公団がいつなくなるかも知らんということであります。そうなりますと、五千人もの職員がいつなくなるかも知らんということであるから、非常に不安の念を持つておりまして、公団のために、或いは百姓のためになるようなことはして呉れないということですから、一刻も早くこれを解決を付けて廃止するなら廃止するように、永続するなら永続するように期限を切つ頂きたいと思います。現在の日本公団の行き方は不都合であつて、職員も何とかするのは当然なことだ、殊に俸給も余り高くありません。そうでありますから肥料公団の方も政府の方でもはつきり腹を決めて民自党がいろいろやつておりますが、それでも結構です。いずれでもいいから先ず期限を切つて行くのだということを方法を早く決めないと、いろいろ穴を空けられ赤字が出るから、あとからやつても何にもならんことでありますから、單に政府が負担ずるだけであるから、その点を政府は十分にお考えになつて一刻も早く措置することが大事だと思うのであります、そのことをお願い申上げ、若しそれに現在御意見があつていつこうするのだということがありますればお伺いしたいと思います。
  70. 藤田巖

    説明員藤田巖君) これは御説御尤もでございまして、肥料公団の存廃の方式、これを至急に立てまして、はつきりさして行きたいとかように思つております。
  71. 山崎恒

    山崎恒君 公団の存廃関係についていま少しお聞きしたいと思いまするが、大体来年三月三十一日までの現行法であるのでありますが、現状からいたじまして、今回提案されておるところの資金の強化策は、要は借入金をなくしようというのが根本のように伺われるのでありまするが、大体この現状の、肥料生産状況からいたしましても、肥料公団の性格からして、肥料公団そのものが成立当初から、資金操作を主としてやるのが私共第一位であるように考えておつた。さような線から行きまして、もはや現在の情勢からいたしますれば成る程資金の金繰り状況から考えますれば中央におけるところの金繰りは、これは確かに必要だと思いますが、地方におけるところの配給過程は、公団の必要を我々は現実においては認めないのであります。さような線から行きまして、恐らく政府におきましても、相当そうした線まで進んだ研究が行つておると思うのでありますが、時期は三月以降の、四月発足、新らしい年度からは地方の出張所を廃止して、中央の線において何とか方法を考えておるかどうか、この点を一つお伺いして置きたいと思うのであります。地方の面については、もうキツパリとこの辺で政府の所信が固つておらなければならないと思うのであります。この点を一つ政府の、局長の御意見一つつて置きたいと、こう思うのであります。  又借入金と基金の考え方でありまするが、借入金は成る程これはもう融資を受けた金でありますので、当然返さなければならんという観念があるのですが、基金に繰入れた場合の観念というのは、我々が資本金は出資金を操作する場合に、借入金は飽くまでも責任上返さなければならんという気持もあるのでありますが、資本金とか、或いは出資金というものは、場合によつては資本金を食うというような点は、借入金を返すよりも考て方が易いような気持があるのであります。そこで、今目先に改革を控えておる公団として、さような、先程も板野議員から話されましたが、資本金を軽々しくこれを繰入れるような嫌いがないかどうか、この辺を一つお聞きして置きたいと思います。
  72. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 公団の存廃の方針は、まだ決定しておりませんが、事務当局として私共の考えております点は、漸進的にやつて参りたいということでございまして、従つて、その際考慮さるべきものは、県段階以下を切離す、これを先にやりたいということが第一点。それからもう一点は、その時期はやはり春肥の終りとか、秋肥の終りとこういうふうな肥料の、非常に何と申しますか溜まる時期はこれは止めて、避けて丁度肥料の一区切りついた時期にやることが混乱を起さないでいいんじやあないかというふうな感じを持つておるわけです。併しながら、これについては尚各方面でいろいろ御意見があるわけですから、尚最終的な決定を至急急いでやつて参りたいと思います。そのくらいしかまだ決定をいたしておりません。  それからもう一つの点でありますが、資本金と借入金について十分これは、一方は利子のつく金であり、やはり返さなければならない。一方は何か返さないでも済むというような考え方が経営者としてはまあ取り易い。そういうこともあるかと思いますが、その点につきましては、私共も十分これは監督しなければならんと思う。実際は従来、先程申しましたように、借入金で賄うといたしますと、八十億に余る金を借りなければならぬ。現在預金部から借りますとしましても、やはり最近の金繰り事情でありますから相当困難であります。そのうちの一部が、三十億程度基本金になつております。尚その外にも相当の借入金が現実に要るわけであります。私共といたしましては、そういうふうな点からいたしまして、尚借入金よりも基本金でありますことがむしろ公団経理としてはベターであるということは間違いない。最近のインヴエントリー・フアイナンスの建前から行きまして、基本金に計上されますことに対しまして私共といたしましては、非常に賛成をする、こういうことなんであります。
  73. 平沼彌太郎

    平沼彌太郎君 いろいろの肥料に対しま下る生産なり配給量が需要に対してどんなパーセンテージになつておるかをお伺いしたい。もう一つこれが今後増産を多少される程度か、その今後の見通しをお伺いしたい。もう一つは価格差補給金が現在どんな工合になつておるのか、そうして価格差補給金は段炎減額するという御方針でありますか、如何なるときにどのくらいずつ減らして、そうして零にする方針なのか、この二つをお伺いします。
  74. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 肥料生産と需要の関係でございますが、最近では生産と需要が非常に調和が漸次とれて参つておるのです。で農林省におきまして有効需要の調査をしたわけであります。それで考えますと、大体現在の有効需要といたしまするものが、大体現在の配給し得る数量に比しまして、約一、二割まだ不足しておる。大体まあ近付いて来ておるというようなことは申せようかと思つております。この事情は今後も生産の方面は相当上つて来るわけであります。従つて私共といたしましても、もう来年、再来年の春肥頃になりますれば、大体におきまして生産と需要の関係は調和がとれるのではないか、まだ、来年一杯は若干不足であるというふうに感じておるわけであります。これも併し有効需要というものは肥料の価格によつて左右されることが非常に大きいのであります。非常に肥料の価格は高くなりまするとやはり買えない。肥料が非常に安ければ又買いたい。いわば技術的に見た基準量から考えて、これくらいは当然技術上節して然るべきであるという数量から考えると又開いております。これは相当の開きがあるわけであります。そういうようなことからいたしまして私共といたしましては、やはりできるだけ肥料を安くして、そうして必要な数量を農家に配給するという方向には持つて参りたいというふうに思つておるのであります。  それからこの価格差補給金の問題でございますが、これは大体春肥においで約二十数億円の節約をいたすことになりました。從つて価格が先程申上げましたように一月に二割、三月に一割五分、それから八月になりまして大体現在価格の更に三割乃至三割五分減という、その位が値上りするということになつております。今のところは補給金は来年の秋肥までは補給金を出すということがはつきりいたしております。即ち再来年の春肥につきまして、これについてはまだ各関係方面とも話合いがはつきさりはいたしておりません。私共といたしましては、補給金はできるだけ続けて行きたいという考え方でありますが、これはまだ確定いたしておりません。
  75. 平沼彌太郎

    平沼彌太郎君 只今説明肥料の全般的なお話であつて一つ一つ分りませんが、相当に不足なのもあるのじやないかと思うのですが、肥料生産量が或る程度までの飽和点に達したときに初めて公団の廃止というふうなことが楽になつて来るのじやないか。それが非常に重大な問題だと思つてお伺いしたのですが、はつきりした御答弁がなかつたようであります。  それから価格差補給金につきましても、無論補給金を外して、公団を廃し、補給金を外せばメーカーが沢山補給されておる部面においては相当波瀾が起るのじやないかと思うのですが、その場合に減産ということも又考えさせられるような面もあると思います。殊に価格差補給金弄廃しながら価格を上げて行くという面については、これは食糧の供出の価格においても非常な反映があると思うのですが、その廃止された後に只今説明があつたように現段階においては公団を廃止するというお話がありますが、そういう場合におきましてもやはり自由販売というふうな方向でおやりになるようなお考えなのか、一定の公定価格を決めて、そうしてそれを抑えながらやつて行くという御方針なのか、その点をちよつとお伺いいたします。
  76. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 末端が外れます場合におきましてもやはり割当制度はこれを存続する。礎つて複数の卸売商から複数の小売商に、現在の協同組合或いは商人系統の小売組合に行き、そうして農家はその登録した小売業者から割当を受けた数量を、購入通帳の提示によつてこれを受ける。そこに私は現在とは何ら変るわけではありません。
  77. 羽生三七

    羽生三七君 先程の価格差補給金を撤廃した場合に、肥料値上りが起つて来るわけですが、それで別に運転資金増加するために又再び予算増額を要するというようなことはないのでございますか。
  78. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 価格差補給金の撤廃が相当もう先のことでございます。従いましてそのときに果して公団機構がどうなるかということも併せて関連しなければならんことであります。そのときに基本金増加になりますか、或いは借入金を以てこれを賄うということにいたしますか、これは今何とも予測ができないと思います。
  79. 羽生三七

    羽生三七君 これは農林大臣のお答え伺つても、農政局長でもどちらでも結構でありますが、この肥料と油糧の両方の公団の経費を増額するために、一般予算に組まれておるもの、この数十億というものは丁度食糧、食管の特別会計の百七十億と同じ性質を持つものと考えるのですが、先程板野君もちよつとお話上があつたように、食管の方の百七十億は場合によると、そのまま又次の会計年度に同七ようなことが要求されるのじやないかというような危険性がなしとはしないのでありますが、これは今年度限りで、逐年こういう予算一般会計要求するような傾向は生じないのかどうかということと、もう一つはこれは速記を止めても構いませんが、私共は何もこれを無理をして一般会計から賄わなくても、特別会計なり或いは借入金なりで賄つて行くべきものだとこう考えておりますが、これもやはり日本予算に自主性がないために、関係筋からの慫慂でこういう結果になつたのかどうか、この点ちよつと伺います。
  80. 藤田巖

    説明員藤田巖君) これは借入金によりましても、基本金によりましても実際問題としては利子の問題になるわけでありますが、いずれにいたしましても、必要な資金が出れば、必要はないわけなんです。我々としましては、併し今回の予算編成に当りましてインヴエントリー・フアイナンスの建前からいたしまして、でぎるだけ商品についてもこれを基本金で賄う、つまり自己資金で賄う、こういうふうな建前が取られるように相成りました結果、むしろその方がベターであるということを目標として、これにいたすことに決定をいたしました。
  81. 羽生三七

    羽生三七君 その点は私は大分見解が違うのでありまして、どつちからの資金から出されても結果は同じだが、むしろこの方がベターだと言われるけれども、それは何ら問題のないときでありまして、一面において先般予算問題等で討議されたと同じように、物価の騰貴を招来するような問題を内在せしめ、或いは又賃金ベース等を抑えておる中で、僅か三百数十億の補正予算の中で、この占める地位というものは極めて私は大きいと思います。だからそれはどつかからの会計から出ても同じだという理由は成立たんので、私はこの際日本が今日、日本の今日の現在の、少くとも現在の財政状態においては、やはりこれは別途の金融措置を講ずる方が私は正当だと、こういうふうに考えております。これは御見解どうで、ありましようか。
  82. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 私共といたしましては、肥料は先程申上げましたように、年間を通じまして八十億の借入もしなければならん、こういうことにも相成ります。
  83. 羽生三七

    羽生三七君 お話の途中ですが、先程来借入金ならば八十億、それから一般会計からならばこの程度の補給で済むという、私はその違いが分らないのですが、なぜ借入金ならば八億かかつて一普通一般会計からならば三十三億で済むのでありますか。
  84. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 実は私は基本金ならば三十何億で済むとは申しておりませんのであります。全体の資金がやはりこの表で御覧頂くと分りますように、やはり三十二億の基本金がございましても相変らず五十億の借入はしなければならない。こういうふうな状態になつております。決してこの三十二億でもう借入は一切やらなくて済むという状態ではございません。従つてさような意味からおきまして、できるだけこれを基本金で填めて頂くことは公団経営の確立を期する上に適当だと考えております。
  85. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 昨日通産大臣にお聞きしたのでありますが、それは現在通産省が肥料の方の心配をしておるというのでお聞きをしたのですが、非常に遺憾なお答えがあつたのでありますが、あとから書面で出して貰うようにお願いいたして置きましたが、先程局長が大体肥料は二%ぐらいは足らないが、当分自給の見通しが付いた。こういうお話があつたのでありますが、私はメーカーでなくて肥料を入れておる方面に参りまして、今の過燐酸が非常に悪いが、一体どういうわけかという話をしだところが、それはお話通り悪い。ところがアンガウルの状態が非常に悪くてあれより仕方がない。アンガウルというところは昔は非常に豊富な燐鑛石の採れるところであつて、あれでそんなことがある筈がないじやないか、こういう問をしたところが、丸で投げてあるようなものを今盛んに取つておるのであつて、立派な鑛石を採ろうとするのには、島人をのいて貰つて新らしい試掘をしなければ採れないが、その交渉をしても島人は言うことを聞いてのかない、のかん以上は、現在の燐鑛石より方法がないが、それにしても非常にもう量が少くで、山は見えた。外の良い燐鑛石は全部濠洲に持つてつて日本には来ない。それでは大変だと思つておるから聞いたところが、さつぱりその心配しておるようでなくで、私共まあこまいことは分りませんが、調べて見るという御返事でありましたが、農林省の方で当然心配しておることは当り前であります。お分りになつておりましたら私が考えておるような非常な不安な状態にあるのか、そうでなくて安心できる状態になつておるか、分つておりましたならば、お聞きしたい。
  86. 藤田巖

    説明員藤田巖君) アンガウルで燐鏡石を採掘いたしますのにはやはり島人の力を借りなければならんのでありますが、それが現在では何と申しますか、その島人との関係がうまく行つていないということは事実であります。
  87. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 うまく行つておらんことが事実では困るので、これは局長を責めても出方がないですが、上の方で、これこそ外交で十分心配をして貰いませんと、今の燐鏡石では御承知のように全く戰争前では誰も買手がなかつた。併しながら、ないものですから成分から申しましても非常に低いが実に使いにくい、真黒い泥のようなもので、泥沼から取つたような、投げておつたようなものを持つて来ておるからそうなんであります。それは止むを得んが、その先が見えておるかどうかを聞きたいのです。島人の掘らせんことも聞いております。それは仕方がないのでそれを掘るように交渉をしておるかどうか、まあ仕方がないからと言つて置いておるのか、それをお聞きしておるのです。
  88. 藤田巖

    説明員藤田巖君) この点につきましては、通産省に器いてもその他の各外交方面でも極力やつておられると思うわけでありますが、私共といたしましても今後とも一つ十分にその点について順調に行きますようにその方面へも努力いたしたいと思います。
  89. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 大臣にお願いしたいが、お聞きのようでは非常に不安でそのままで置かれないのでありますから、一つ大臣の方で是非交渉をして頂いて、成るたけ明るい見通しを付けてやつて頂きますことをお願い申上げて置きます。
  90. 森幸太郎

    ○國務大臣(森幸太郎君) 御意見誠に御尤もでありまして、燐鑛石が輸入されるるにつきましては、相当日本側の食糧増産のために政府関係方面に要請いたしまして漸く許されたようなことであります。御承知通り、その当時は恩恵的に日本に輸入してやるというようような立場でありまして、こちらから十分に希望を申入れるということも許されないような状況であるのでありまして、殊に硫化鑛なんかも時によつては輸入されるというような、それには日本内地に生産されたものについても輸入されるということもあり得たのでありますが、今回輸出に関する自主的な立場が許されましたので、審議会によつて十分輸出入品につきましては相当の発言もでき得ることと存じまして、漸次改善して行きたいと考えております。
  91. 羽生三七

    羽生三七君 ちよつと議事進行ですが、この問題に限定してですか、外にまだ委員長において予定があられるのですか。
  92. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) あと肥料公団の方の質疑を片付けて頂いて油糧公団を片付けて頂いて、それから一昨日から引続いての食糧問題に入つて頂きたいと思います。
  93. 羽生三七

    羽生三七君 それではあとで……。
  94. 小川久義

    小川久義君 先程五億六十一万円かの運賃の未拂勘定のあることが農民組合の指摘によつて漸く分つたということなのでありますが、この肥料公団の監督はどこに実権があるのか、そういうことが監督権を持つておる方面で何故事前に防ぐことができなかつたか。それからもう一つは、そういう五億幾らの金が剰余金に計上すべきものであるという局長の御意見でありますが、そういう不実な記載をして五億幾らの金がそういう五億として別の形で出ておる叩こういうものは農家に対しての配給に当つて手数料その他諸掛りが余わにも過大に見積つてつて生れて来る数字だと思いますが、これは農民の負担の軽減の立場からも明らかにしなければならない。従つて手数料関係を明らかにして頂きたいと思います。  それから公団の存廃は成るべく早くやりたいという局長のお話でありましたが、公団の廃止は明年の三月の三十一日と法律に明記してあるのであります。この法律に明記したことを無視してまだ具体的に考えておらんなんて怪しからんことであります。政府自身が法を無視したその考え方を是非是正して三月三十一日に廃止しても混乱しない、差支えのないという計画を直ちに樹立して頂きたい。これに対しての御意見を伺いたいと思います。
  95. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 肥料公団の経理上運賃未拂勘定として五億が出ているということにつきまして、直接主務大臣は農林大臣であります。これが他からの指摘によつて分つたという点につきましては、政府といたしましても監督上甚だ恐縮に存じております次第であります。  それから手数料、つまり運賃支出が当初の見積りよりも少く済んだとこういうことについては、これはその当時の輸送の状況が大分変化を来しておりました関係もあつたと思うのであります。今度の手数料におきまする問題、これは物価庁が決めるわけでありますが、そういうふうな点につきましても私共といたしましても適当な手数料を決めますことについて十分配慮をしてやつて参りたいと思います。  それから廃止の問題についてでございますが、これは先程申しましたように、丁度肥料の需要期でございます三月に機構の切替をいたしますことは、これはやはり非常に混乱を来すようなことになります。我々といたしましてはさようなことからできるだけそういう時期は避けたいというふうに考えております。尚この問題につきましては先程申上げましたように、はつきりいたしました方針をできるだけ早く決定をいたして実施して参りたいと存じております。
  96. 小川久義

    小川久義君 局長の考えでは事務的の取扱によつて法律が改正されるような考えが本になつていると思いますが、三月三十一日限りでこれが若し事務的に考えておるような方向に行かなかつたのでは、尚更混乱がひどいと思うのであります。その点に対しての声答えを願いたいということと、それから運賃諸掛りが初めの見積りより少くて済んだということは、農民から取つて来た金が余つているのだからこれは農民に返すべきだ、余計取つたのだから返すべきである。それを剰余金として計上するなんていうことは僕は根体から間違つていると思う。余計取つてつてそれを儲けたという考え方は間違つていると思う。この点についても御意見を承わりたいと思います。  それから最近食糧事情がよくなつたと言われているが、硝安のようなものが相当配給されている。御承知通りあの硝安は永田に撒いて肥効のあるものじやない。特に富山県のごとき、全耕作地の九割までが水田のところは始末に困つている。そういうものでも無理に取らなければ高利貸のような利息を取られるふうことで止むを得ず取つている。ああいう肥効率の低い厄介な肥料を配給して食糧事情がよくなつたという考えは僕は納得が行かん。この点に対しても御所見を承わりたい。
  97. 森幸太郎

    ○國務大臣(森幸太郎君) 硝安を水田地方に配給いたしておるというお話でありましたが、配給計画におきましては硝安が水田に肥効のないことは分つているのでありまするから、できるだけそうい、りようなものは配給せん方針で割当をいたしておるのであります。畑作の肥料に硝安は使用するという方針を採つておるのであります。又公団廃止の時期の問題でありまするが、これは御承知の立法が臨時立法でありまして、一年々々にこれが期限が定められておるのであります。食糧公団のごときもこの三月末を以て廃止することになつておるのであります。これが臨時的な措置でありましたから、その三月までに廃止し得られる状況になりますならば、勿論この臨時立法の精神に基いて、その年度で廃止するのでありますが、この事業がどうしても三月までに結論が付け得られないという見通しがある場合におきましては、通常国会におきまして適当な措置を御相談願うことに従来ともなつておるわけであります。肥料公団の問題につきましては、いずれ通常国会において御相談申上げることになるのでありますが、農政局長から申しましたのは、肥料配給の性質から、三月三十一日で打切ることは、肥料の期節が七月で打切られておる関係上、混乱を生ずるというような予想を持つて三月三十一日には廃止ができそうにないという予想を申上げたことと御了承願いたいと存わます。  尚肥料公団経理の問題につきまして五億六十万円ですかという金が、運賃の支拂い予想として計上されておつたのであります。これは経理が三月末であるのでありまして、ところが三月末と申しますと、」番春肥の配給の非常に旺盛期と申しますか、忙しいときでありまして、普通の時期とは違つて最も経理の手が不足するような状況と、又春肥の運送いたしましたその数字を各支局から報告いたしますことが遅延するということも予想されるのであります。年々これは大凡そこの支局にはこれだけの運送或いは小運搬等の経費が肥料の配給量に按分いたしまして、これくらいのものがあるであろうという予想の下に、一応の経理を立てましてやるのでありまするが、従来ともその後追い後追いと経理の要求が、運賃の要求増加いたしまして、過年度の運賃の支拂をしなければならないというような前例があります。而も今回肥料公団を打切るというような関係もいろいろ問題にされております矢先で、いわゆる普通の会社の経理であれば、これは問題ないのでありますが、そういうふうな気持で運送費の増嵩を予想して処置をしたのであります。もとよりこれは不正と断じ、或いは不当と断ずるということについては相当議論がありますが、その経費は剰余金として翌年度決算には出て来るわけであります。剰余金はこれは政府に返納することになつておりますので、農家にこれを戻すという性質のものではないと、かように考えておるのでありまして、今この経理のやり方につきましては、いろいろと衆議院の農林委員会でも問題になつて研究いたしております。これは十分行政査察庁等の御意見も徴しまして、適当の処置をいたしたいと考えております。
  98. 小川久義

    小川久義君 農林大臣は水田の方には硝安をやらんように配給しておると申されましたが、決してそうではない。僕は三町九反余りの水田を耕作しておりますが、三十二貫の硝安が来ておる。これは一反八百匁か九百匁と思いますが、富山県の十一万町歩に対しては、どのくらいの数字か大体見当が付く筈と思います。そういう今までのようないい加減な見当ではなく、実態を掴んだ御答弁を御願したい、実態に即した将来の肥料の配給を是非御考慮願いたい。将来に対してちよつと伺いいたと思います。
  99. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 農林省の割当方針といたしましては、水田には硝安は不適でありますわけでありまして、これはやつておりませんわけであります。ただ末端へ行きましたときの各種の肥料の具体的な配給操作等から、或いはそういうふうなことが起つておるかも知れんと思いますがこういう点は十分今後ないように注意して参りたいと思います。
  100. 小川久義

    小川久義君 先程農林大臣の、儲かつたものは国へ納めるということは分りますがその予想をされるときに、そういう過大な見積りをして農民に高い肥料を割当てすることは避けて貰いたい。特に御承知通りいろいろ議論がありますが、米の価格は当然安い価格である。農民の声を無視した価格である。そういう点からも十分御検討になりまして、そういう過大な見積リをして、儲かつただけは政府が取るのだという考えを改めてできるだけ安い肥料を農民に與えるというお考えがあるかないか、その点に対して伺いたいと思います。
  101. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) お答えするまでもないことと存じます。
  102. 山崎恒

    山崎恒君 三十二億七千八百万円の基金の問題については大体内容はよく分つたのでありますが、政府の意図するところの一般経済情勢が変つて来た。又農家の経済状態が変つて来たから従来月々配給しでおつたものを、適期配給を下るという方針は了解したのでありますが、適期配給の時期でありまするが適期配給と申しますと、莫としておるのでありまして、いずれ肥料公団は、これは事務的のことと存じまするが、肥料工場から公団が受渡しをする。受渡しをしますれば中央においては公団そのものは貯蔵倉庫がないのでありますので、直ちに現地にそれぞれ発送する。さようなことになりまするというと、現地の協同組合等の倉庫にこれを保管する。保管してあるものを適期に配給するという態勢になろうかと思うのでありまするが、その適期の期日でありまするが、いわゆる全国全般に亘りまして、施肥の時期はおのおの違うと思うのであります。例えば東北地方におきましては、耕作、耕耘する前に、一ヶ月前に施肥するところもありましようし、又関東地方のうちには田植の時期に施肥するところもあるというので、おのおの適期の時期が、施肥の時期が異なろうと思いますが、その適期というのが大凡そ決まらないというと、公団を経営するものは、我々が団体を経営いたじましても、会社を経営いたしましても、いずれその経営者といたじますればやはり赤字を出したくない、経営は円滑にいたしたいということて、農家の損失を考慮せずに成るべく早くこれを配給してしまうというようなことになりますというと、そこに受渡しの時期にまつて農家の蒙る損害が大きくなる。かような面が起るので、この適期というものの、おのおの東北から南は九州に至るまで時期が違うと思うのでありますが、その適期というそれの標準を一つ示しで頂きたい、かように思うのてあります。まあそれだけお聞きして置きたいと思います。
  103. 藤田巖

    説明員藤田巖君) これは最近全農家かち需要量の調査をとりまして、その需要量の調査に、つまりこの月に幾ら欲しい、この月に幾ら欲しいというふうに、月別の需要量の調査を私共とつております。従つて大体それによつて農家の希望する時期が分つておりますから、その需要量の調査に基きまして、私共といたしましてはそれを適期と考えて、その数量をその時期に配給する。こういうふうにいたしたいと考えております。
  104. 山崎恒

    山崎恒君 そうしますと非常に細かな指示になるのでありますが、肥料公団の出張員は、大体地方ごとに非常に少い人員でやつておられるのでありまするが、それを各町村別に各農家の需要ごとの希望別、細目別に、公団の職員自体がやれるかどうか、かような点も一つお聞きして置きたいのであります。これはその配給業者に一任してあるのかどうか、そうした点を一つお聞きしたいと思います。それから肥料の価格が今回変ることになるのでありまするが、それは今回の貨物運賃の値こげがそれに織込まれておるかどうか。又織込まれてあるとしたならば農家におけるところの肥料の価格というものは勢い上つて来るということになるのでありますが、そうなりますというと米の価格等と関連を持つのであむますが、そうした点はどうか。その点を一つお聞きしたいと思います。
  105. 藤田巖

    説明員藤田巖君) これは現在でも各工場別に、或いは行先別の種類別区域別の出荷計画をやつておるわけであります。従つてそれによつてつておりますが、その計画を立てます際に農家から取りました需要量の調査、これに基く数字が全部分つておりますから、それに基いてその指図をして行く。勿論個々の下まで参りますれば、輸送の事情から或る地は非常に多く行つたとか、少く行つたとかということはあろうと思いますわけでありますが、下の調節は、結局農家が希望しない場合はやはり公団が抱いておるとこういうような操作をやつて行くというようなことで何とか行けるのじやないかと思います。  それから貨物運賃、これは肥料価格は御承知通り生産者販売価格の方がずつと高くなつておりまして、肥料価格は昭和九・十一の正度の百十倍というので抑えておる。それがその後上つて来ておるわけであります。礎つて貨物運賃が上りましても肥料の消費者価格、農家渡しの価格には影響がございませんので、その部分は補給金の額に今度影響して来るということに相成りまして農家には関係がございません。それからもう一つ米の価格に肥料価格の値上りが織込まれたかという問題でありますが、これは従来ともやつておりますように合併の際に考慮したいと思います。
  106. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 さつきの小川氏の質問と関連しておりますが、私は実際にそこにおいでになる藤野さんも山崎さんも地方公団の観察のときに私が質問された問題で実際に行われておられたことです。率直に申上げますのでありますが、農政局長といたしまして肥料公団の監督の立場から申して、肥料が適切に配給されておるかどうか、又水田及び畑地と区分けされておるかどうかという実態の調査をその後行われておつたかどうかということを先ずお尋ねする。その内容の一部は福岡において行われておりましたときにおいて、水田に硝安が配給されて農家は非常な迷惑を来したと町村長の代表者が声を高々に主張したのであります。同時に丁寧に協力費まで取つておるというふうなことを申して、農林省は果してこういう方針を御指示になつたか。大臣も局長も誰もさようなことは指示してないということを私が明らかにいたしたのでございますけれども、実際においてはさようなふうに肥料公団公団の配給方法を誤つて、そうして肥料の効果を適切ならしめないような、農家の迷惑するような配給の方法を探られております点が多々見受けるのでありますから、この点は厳重に御監督しなければならないと思います。同時に施肥に当つて生産に対する指導人を活かしで行く上において、当局は生産人とどういう連絡を取つておりますかどうか。若し生産人と連絡を取つて、気候風土おのおの違うところにそれぞれの肥料を配給しなければならないから、この肥料の配給に当りましては最も効果あるところの方法をお採り下さることであろうと思います。若しこれがなかつたならば、折角の肥料もただ農家から肥料代を拂わせるのみで何らの効果ないことを恐れなければなりません。かような意味から申しまして生産人と連絡を取つたかでうか。又配給の場合においてこれが適切に行われておるかどうかという報告をお取りになつてあるかどうか。この点について詳細に一つお述べ下さるようにお願いしたいと思います。
  107. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 硝安のことにつきましては先程お答え申上げましたように農林省の方針としては、これは水田には不向きな肥料でございますので、これは割当はいたしておりませんわけであります。
  108. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 それは分つております。農林省の方針は、違つたことができてからそのあとは監督の方法はどうかということを言つておるのです。
  109. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 從つてそういう御指摘の事実については一つ今後そういうことのございませんように、一つ調査をいたし、又そういうことがありましたら今後そういうことのございませんようによく指導を徹底して参りたいと思つております。それからもう一つ、この肥料種類その他について生産人と申されましたが、改良局の関係………。
  110. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 指導人と連絡を取つておるかどうか。各農協とかその他の指導人と、肥料の効果があるように実態調査をしておるかどうか。そういう報告を取つてやるのが肥料をよりよく利かせることになるのですが、そういう報告まで調査してあるのか。なければないでいいんです。今後取るということで……。
  111. 藤田巖

    説明員藤田巖君) これについては現在は御承知通りまだ徹底していないところがあることは事実でございます。今後ともこの方面にも一層注意をいたして参りたいと思つております。
  112. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 大体肥料関係質疑は出盡したように思いますが、この程度で一応打切りたいと思いますが、一如何ですか。
  113. 板野勝次

    板野勝次君 ちよつとあの肥料の輸出の問題について伺つて置きたいのですが、昨日だつたか過燐酸石灰を輸出するのですか。輸出する肥料と、そのトン数をちよつと明らかにして貰いたいと思います。
  114. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 現在輸出の問題につきましては目下問題になつておりますのは、琉球に約一万トンばかり配合肥料を出す、こういう問題がありますわけでありましてこれについては現在関係方面と折衝をいたしております。これは実行をすることに相成ろうかと思います。
  115. 板野勝次

    板野勝次君 それ以外には何もないのですか。昨日の新聞に、新聞を持つて来ておりませんが、過燐酸石灰も出るように報道されておつたようですが……。
  116. 藤田巖

    説明員藤田巖君) それ以外には私の伺つておる話はございません。
  117. 池田恒雄

    池田恒雄君 今輸出の話が出ましたが、この間私は通産省からお伺いしましたことは、ちよつと数字を忘れましたが、硫安で二十正年度計画ですか一とれは百何十万トンですか、そうしますと、そのうち十万トンが幾らか硫安を輸出するということでございましたな。もう一つは硝安でございますが、硝安は先程小川さんが言うたような肥料であるわけですが、これはどういうものですかと聞いたときは硝安は余りよくない肥料ではあるが、それが必要な場所がある。従つで今まで三十万トンの輸入なんであるが、三十万トンなんかは要らないんで、まあその半分くらいですね。こうしたいんだというような、こういうような話だつたんですがね。過燐酸については輸出をするというような、これは通産省では申しておらなかつたようですが、それでそれは通産省でそのとき聞いた話なんですが、その後農林省側で計画はどうなるのか。これは一回お聞きして聞きたいと思つておつたんですが、それは通産省では、肥料の値段とか配給とかということは、それは農林省の方に聞いて貰いたい、私が答弁しない方がいやでしよう、こういうわけでそれだけのことを教えて呉れたわけですが、通産省の説明の続きを………今ちよつと出ましたからお願いします。
  118. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 私共は通産省とはつきりお打合せをいたしておりますのは、先程申上げました琉球へ配合肥料として一万トンばかり出る、この問題以外は輸出についていろいろ計画を立てる向きもありますけれども、まだ正式な話合いになつておりません。私共の方針といたしましては、やはり国内の生産で足りなくて硝安を入れておるわけであります。從つて、若しも輸出余力あるならば硝安を入れずに国内の硫安生産でそれをカバーして行くということの方が正しいわけであります。そういうふうな意味合から、輸出につきましては非常に消極的に考えております。むしろ国外から硝安を入れるような現状であつて、而も硫安を外へ出すと、うような考え方については、これは困るということで、そういうことで話をしております。
  119. 池田恒雄

    池田恒雄君 硫安の方はまだ我々の常識で以ては国内の需要を満し得るところまで行つておりませんから、輸出ということは或る程度拔いてやると、こういう工合に考えられます。硝安の方は向うから入つて来るのでございますね、これは入つて来ない方が結構なわけですね。けれどももう一つは硫安の方が多少でも増加して行くのですから、最小限度それだけでも硝安が減るということは、大して日本国内の肥料の面ではマイナスにはならないのですね、極く硝安でなければならないようなものについての硝安の量を確保すればいいのであつて、だからそうなつて来るとこれは硝安を徹底的に廃止にした方が、小川さんなんかから大いに憤慨されることがなくなつて結構なことじやないかと思うのですが、農林省は通産省とそういう御計画を以て御努力なさつておらないのですか。
  120. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 御承知のように硝安はアメリカから入つて来ておりまして、昨年は確かあれは三十数万トン正確な数字は分りませんが、そのくらいの数量が入つていたのです。実際に入りましたのはもう少し少いのですが、それで今度の計画では私共といたしましては二十万トン程度を予想しておりましたが、これも率直に申しますと我々としてはもうこのくらいであとは国内の生産で賄うというふうなことの交渉をいたしました結果こういうふうになつたわけであります。従つて硝安で出すというお話でありますか。
  121. 池田恒雄

    池田恒雄君 硝安が入りて来るわけです。出す方は見込みはないけれども入つて来る方は一向こつちは困らんのですから………。
  122. 藤田巖

    説明員藤田巖君) ですから先程私が申しましたように、硝安の輸入は私共の立場から申せばこれは少くいたしまして国内の硫安生産でこれを賄つて行く、そういう方針が望ましいわけであります。從つて国内生産が十分ゆとりがあつて需要を発しました以後において輸出を考えて然るべきで、現在は硫安の輸出は困るということを申しておるわけであります。
  123. 池田恒雄

    池田恒雄君 その望ましい方針のうちその硝安の数量を減らすということについて通産省や関係各省との間で何らかそれを実際に減らす努力をなされておりますかということを伺つておるのです。
  124. 藤田巖

    説明員藤田巖君) ちよつと速記を止めて頂いたらいいと思います。
  125. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) ちよつと速記を止めて………。    〔速記中止
  126. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 速記を始めて………。肥料状況説明につきまして具体的な数字は別途御手許に配るようにいたします。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕  それでは農林省の肥料課長から需給状況説明を伺います。
  127. 大谷一太郎

    説明員(大谷一太郎君) 供給の方から申上げまして、窒素肥料これは硫安、石灰窒素、硝安になつております。これはこ月から十一月までの供給を八月乃至十二月の秋肥の引当にしております。これは生産乃至船の入港いたしましてから農家に配給し得る状態に置くまでに約一ヶ月を見込んでおるわけであります。秋肥の供給として見込みましたものは硫安が五十四万四千トン、それから石灰窒素が硫安換算で十五万八千トン、硝安が同じく硫安換算で二十一万五千トン、合計いたしまして九十一万七千トンであります。間本年の十二月乃至来年の六月までの生産をこの春肥の引当に見込んでおりますが、その合計が硫安が七十一万二千トン、石灰窒素二十万三千トン、硝安十三万八千トン、合計いたしますと百五万三千トンであります。この二者を合計いたしますと硫安が、百二十五万六千トン、石灰窒素が三十六万一千トン、硝安が三十五万三千トン、合計百九十こ万トンであります。これは全部硫安換算であります。それから燐酸質肥料は過燐酸に換算いたしまして、本肥料年度に持越し並びにこ月乃至十一月の生産が六十五万八千トン、同様に本年の十二月から来年こ月までの生産が八十方ドン、合計いたしまして百四十五万八千トンでございます。加里は四〇%の加里塩に換算いたしまして全量輸入でありますが、一応この秋肥の期間としての供給が十二万五千トンそれから春肥の期間としての供給が二十万六千トン、合計三十三万一千トンの供給になります。それで需要の方の今度は配給数量であります。これは一般割当、官需、工業用その他を入れまして窒素質肥料は、硫安換算で秋肥に即ち本年の八月乃至十二月の肥料といたしまして、六十五万トン、それからこの春肥に引当てとしまして百二十六万こ千トン、合計いたしまして百九十一万こ千トン、こうなります、その他ありますが、これは省略いたします。それから同様に燐酸質肥料は、過燐酸石灰に換算いたしまして、秋肥が五十六万下ン、春肥が八十五万八千トン、合計百四十一万八千トン、加里質肥料は同じく四〇%の加里塩に換算いたしまして、秋肥が九万一千トン、春肥が二十三万八百トン合計三十二万」千八百トンということになつております。尚この春肥におきましては、春肥の主要の作物である稻に対する割当は、窒素質肥料は硫安に換算いたしましてこ貫、燐酸質肥料は過燐酸石灰に換算いたしまして反当四貫、加里は同様に四〇%の加里塩に換算いたしまして反当一貫、配給割当をする予定になつております。輸出の関係は先程申上げた通りであります。
  128. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 池田さん。
  129. 池田恒雄

    池田恒雄君 あと、やはり通産大臣の話でございましたが、これは私は肥料の価格が甲・乙・丙の三ブロツクになつてつて、そうして、甲が一番安いのですが丙というやつは一番高いのですね。ところが丙の方は一一・三%ぐらいの全体に占める地位を持つておるわけで、比較的少いわけです。量は少いけれども値段は又べらぼうに高いのです。まあそれと補給金の関係が出て来まして、この補給金の関係と又公団関係とか、配給の方法とかいうことがいろいろ問題になるわけです。補給金を減らして行くような場合とか、配給を楽にするような場合は、丙価格は甲価格の方に皺寄せさせて行くことが、誰が考えてもいいわけですが、通産大臣もそういうふうに努力しなければならないと、こういうわけなんですが、ところが現実に存在する丙価格の工場が、これがどうなるかというよりも、最近新らしく肥料工場を興すという相談が相当商工省の方に出ておるというのですね。そういう意味で硫安の増産は図られると。そこで輸出産業としても硫安は考えられるが、こういう非常に明るい希望を申述べられておつたのですが、私はその場合、その新らしい工場というものは一体丙価格なのか、乙価格なのか、甲価格なのかと、こういうお尋ねをいたしましたところが、勿論今日補給金が切られるというところに来ておるのである。そのとき工場を計画するのであるから、それは甲価格である、そういう工場を建てようとするのが相当相談が来ておつて、まあ見込があるのだと、こういうわけなんです。若しそうであるとするならば、これは正に肥料界の朗報なんです。現実のそういうことを、農林省の方では、将来の肥料の対案やいろいろな事柄に検討を加えられておられるかどうか。單にそれは通産大臣の懐の中で相談されておる程度のものかどうか。それを一つ伺いたいと思うのでございますが………。
  130. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 御承知のように今の甲価格、乙価格、丙価格とございます。甲価格というのは、大体電解工場、乙価格は石炭によるところのもので、コストが非常に違うから、これがあるわけです。電解工場を更に新設するという問題ですが、私の方ではまだそういう話は聞いておりません。ちよつとはつきりは分らないのであります。ただ素人考え考えますと、相当この設備資金も高くなつております。これはまあ通産省でいろいろ原価計算されるわけでありますけれども、果して安い価格で肥料ができるかどうか、これはまあよく聞かないと分らないと思います。
  131. 池田恒雄

    池田恒雄君 電解法でやつても新らしい工場ではそういうふうに安くは行かないと、こういうことですか。
  132. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 一般的に考えまして、そういうふうな感じはするわけでありますが、これはまあ通産省の方が專門だと思います。ただ、尤も日本窒素が南多摩に工場を造つております。日窒の発電が行われますれば、あすごは非常に割安にできるわけでありますから、或いはそういうふうな計画であればこれは又收支相償うような計画があるんじやないか、恐らく、だから問題があるとすれば、南多摩、あすこに水力発電の工場を現在やつておりますあれに関連のある電解工場のことじやないかと考えられる、それは可能性があると思います。
  133. 池田恒雄

    池田恒雄君 これは或る意味じや将来の問題になるんですが、それにしても近い将来の問題になるわけですね、そうして若しこれがそういう企業の可能性があつて、それでそういう肥料生産されるであるとするならば、私はこれからの肥料の政策といいますか、そういうものには大きに影響を與えて来ると思うんでございますがね。そういう意味から申しまして、まあ通産省の仕事だというよりも、農林省の仕事の面において非常に重要だと思うんですがね。今大体肥料の補給金の問題にしましても、甲価格ですと、あの制度で行くならば、甲価格における現在の消費者価格と生産者価格の問は四千何百円ございますね。ところが生産者価格で甲価格の生産者価格と乙の生産者価格では、一万何千円ですか、違うのですが、それは大分違う。そういう違いがあるとすれば、これはそれだけ取られても大きい問題でございますね。だからその甲グループの工場がどんどん殖えて行くというのであると、商工省方面の政策にも大きい影響が来まして、つまり丙群の企業合理化ということが必要なくなるのですね。取つて変るわけですから………。同じことが今度農林省の肥料政策の面でも、将来の価格政策やいろいろなものに大きい影響を與えて来ます。簡單に肥料補給金は切つた方が話が早いという考え方も出て来るし一又重要だと思いますね。で非常に近い将来、将来と言つても近い将来の政策になる関係があるから、これはやはり商工省の問題だというてはおられない気がするのでございますがね、やはりこちらの問題のような気がするのですがね。沿らなければしようがないのですが、これは一つ見通しを一応立てて頂きたいと思いますがね。
  134. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 先程小川委員が、公団の黒字は、あれは百姓から来たものだ、こういうお話でありましたが、公団の黒字の出場所は、運賃プールと日通との取扱契約によつてできたものである。そこで政府から還付金を受けておるものは、返還するのは、これは当然であるが、そうでない政府が還付した金以上に出た剰余金は、当然何らかの形で、私は農家に還付すべきだと考えておる。あなた方もこのつもりで仕事をして貰いたいと思うが、それはそれで………。実はこの間肥料公団の存置についてという座談会を開かれてそこへ実は行つたのです。そうして参議院からは私と藤野さんがお出でになり、向うの公団は、藤野さんが農林五公団の証人の関係でお出でになり、私は金融関係で来いというので行つたのです。ところが衆議院からも行つておりましたが、農林省からも行つておられた。そこで公団をどうしたらよいかという、この記録は速記録になつてつておりますから、やがてそれが印刷されて出て来ると思う。そこで、実に残念でしたが、或る人の意見で、公団を廃して、統制指図は農林省でやるべきで、卸しにはどういう方法になつてもよいが、そう行くべきだ。そうすると、農林省の役人は、農林省はできない、農林省には力がないという。私はそこで、そんな筈はない、もともとやつて来たのだから、確かにできる。今の人員でやれということは無理であるが、通産省に行つておる旧農林省におられた方が沢山行つてつて、あれだけ取戻せば完全にできると思う。どうしても農林省から行つて来た人はできないという、あなたは知らないで言つておる、こんなことはない。こういうふうに議論して実は解決付かずに帰つたが、実は昨日通産大臣が、農機具のことで農林省はうまくやれんと言つたので、農林大臣にお聴きしたら大臣はやれると言つたのでありますが、私はやれるとかやれんとかいう話でなくやれるようにすればできると思うのですが、併し肥料の大事な問題に限つて農林省に統制指図をさせようと思うのに、農林省からできませんという議論が出るのは実に心外です。そこで今からそういうことが出ますと、完全にやれると、こういう意思の表示くらいははつきりしていられるくらいでなければ駄目だと思う。農林省内部では実は非常に肥料に詳しいので、よく肥料のことを知つておる人の意見ですから、私も向うえ行つて見て当然聞かなけばならんと思うのですが、現在のところではそれはできんことは当然なんですが、ところが統制指図をするようになれば完全にやり得るという肚で局長も課長も大臣もおつて貰わんと、あれはできませんということでは、我々の言うことは無駄になりますから、そういう点を今から是非一つお心構えを持って頂かなければならんと思う。時期はそう遠くないと思います。そこで話は次に移りますが、この切替え時期でありますが、御心配になつておるようであるが、公団の期限は三月三十一日になつてつて、これは岩上それでやるとすればお話通り非常に悪い事態であります。これでは切替えどきには混乱を起して却つてこつちにその罪を受けるようになつては工合が悪いから、期限は手前の方にやるという形でないといかんと思う。これは一年になつているからもう一年延ばして、そこでぽつんと行くのでないと困ると思うが、その点はよく御承知になつて農林省で切替えられた時分にそら見たかというようなことにならんことを今からお願い申上げで置きます。
  135. 門田定藏

    ○門田定藏君 肥料の問題につきまして大臣に聴きたいのですが、さつき大臣がおられませんでしたが、昨年の水田の肥料につきまして、我々が硫安を注文しておるにも拘わらず、年数以上の硝安が廻つて来まして、そういう永田の肥料として止むなく使わなければならんという、その損害たるや、大したものがある。そうして我々に高い引合わん肥料を余計使わして置いて、でき上つたものは引合いがつかんというようなことを、よく大臣に先ず真先に頭を入れて頂きたいと思う。先の長官の答弁によりますと、水田の肥料として、硝安を配給してはいかんと公団に言つておるに拘わらず配給しておる。将来そういうことがあつたとすれば、ないようにする。こういう無責任なことでは、我々は硫安を注文しておるにも拘わらず硝安を配給して損をさして、そうして公団がそういうことをしたのだから、誰がしたか分らんが、やつた人が、何かそこに不正行為がありはしないか。聞くところによれば、この農民が要求しておる硫安を輸出したというような話もある。ここらに何か不正行為がありはしないか。公団肥料の配給の間に、これらをよく調査して頂きたい。それから来年は必ず水田の肥料として硫安を加えて貰うようにして貰わなければならん。そこで来年の水田に対する硫安が一反にどのぐらい配給せられるお見込でありますか。一反に対する硫安の配給の数が大体の予想ができておりましたならばこれをお示し願いたい。尚この燐酸についてですが、どうも先刻の答弁が曖昧で我々燐酸加里を要求しておる農民にとつては不満足でありますがう将来燐酸肥料が我々農村要求する程度まで供給できるのはいつ頃できますか。そうしてこの最も少いところの加里肥料、本当の收穫を得んと思えば燐酸加里がなかつたならば本当の收穫は得られない、この加里肥料のお見通しについて一反歩についてどのくらいの配給ができるかということの器見通しが長官の方からでぎればそれを説明して頂きたいと思います。
  136. 森幸太郎

    ○國務大臣(森幸太郎君) 肥料の配給につきましては、各府県の水田、畑地、果樹園等の実態調査によりまして、それを基礎として又米の生産を勘案いたしまして割当あるのでありますが、決して水田用としては硝安を配給の計画に入れでおりません。それはどういうふうになつておりますか調べなければ分りませんが、どうも政府といたしましては硝安は絶対に水田にいけないことは誰でも知つておるわけですからそんなものを配給する筈はないし、計画する筈はありません。どういう間違いでありますか、(「間違いどころではない。」と呼ぶ者あり)十分その内容を調査いたしまして責任を明らかにいたしたいと思います。加里肥料の不足は御承知のように資材が一に輸入に仰いでおるわけでありますが、資材がありませんので、先程過燐酸石灰の原鉱石が悪いとお叱りを蒙つたのでありますが、燐鉱石にしろ、加里にしろ、いわゆる殆んど援助物資としてより考えられない場合でありますので、我々はまだまだ燐酸肥料の不足による輸入が必要なのでありますけれども、やきもき思いましても何分こつちから欲しいかち果れと言つても與えられない状況でありますが、農家におかれましても自家生産の加里肥料をできるだけ作るようにして合理化を図つて貰うより今日いたし方ないと思いますが、先程申しましたように輸入に対しまして相当自主的にやられるようになりましたので、加里とか、燐鉱石の輸入等につきましても相当発言し得られるようになつたのでありまするから、できるだけ良質の燐鉱石、又加里原料の増量輸入ということに努力いたしたいと考えております。
  137. 門田定藏

    ○門田定藏君 そうしますると、昨年の水田に対する硝安の配給については大臣は、農林省としては、水田の配給は命令してない、断じてしていないということでありますが、一般の各県に我々は廻つて見ますると、この非難の声があるのであります。その場合において大臣が申されたことを、決して農林省としては、水田肥料として硝安を配給したことはないということをこれは言明して差支あれませんか。よろしうございますね。
  138. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) この程度肥料配給公団令の一部を改正する法律案についての質疑を打切りたいと思いますが………。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  139. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 御異議ないようでありますから打切りにいたします。
  140. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 次に油糧配給公団法の一部を改正する法律案につきまして御質疑をお願いしたいと思います。
  141. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 油糧配給公団についても、肥料公団の場合に質問したと同様な質問をして見たいと思うのであります。  先ず油糧公団に十億一千六百万円増資せられた算定の基礎であります。この基礎がどこにあるかということをお伺いしたいと思います。  第二の点は、この油糧配給公団法の一部を改正する法律案提案理由と、補正予算に書いてあるところの提案理由が違つているのでございます。先刻主税局からの話によつて見まするというと、補正予算説明は末定稿であるからということでありますが、この違つているところの理由がどこにあるかということを先ず御説明をお願いしたいと思うのであります。
  142. 矢野外生

    説明員(矢野外生君) 御説明申上げます。実は従来油糧公団基本金は、今年の三月までは主として什器備品というようなものに充てておつたのでありまするが、その後運転資金借入金によつて賄うべきでない、正当の運転資金は自己資金によつて賄うべきであるという方針になりまして、実は五月になりまして、十五億の増加をいたしまして、今回更に十億余の増加をいたすことになつたのであります。その理由といたしましては、二十四年度におきましては、油糧原料或いは油脂の価格が上りましたことと、それから取扱いの数量が増加いたしましたこと、実はその価格の点はレートが三百六十円に決まりました関係上、大体におきまして平均いたしまして二・三倍ぐらいの価格の増加になつて偽りますが、取扱いの数量におきましても、昨年度におきましては、天体油脂として公団で販売いたしましたものが八万トン余でございましたが、本年度におきましては十四万トン、それに伴います原料の販売或いは油粕の販売、こういうようなものが増加いたしまして、二十三年度末、二十四年度末の間において、資産の合計で約二十五億の純増ということになつております。お手許に差上げました油糧公団の貸借対照表の丁度中間に資産勘定合計というところに、期首におきまして七十一億九千こ百三十四万八千円、それから期末におきまして九十六億九千八百九十六万一千円、この差額が大体二十五億余になります。従いまして、その純増の資産増の分は、これは基本金としてこれを公団において賄うべきであるという点から、二十五億の基本金が出たわけであります。  第二点の補正予算との差異につきましては、先程大蔵当局から御説明がありましたような事情だと私承知いたしております。
  143. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そういたしますと、提案理由書の「油脂原料並びに油脂の価格が改訂され」ということは、為替レートが三百三十円から三百六十円になつたからということではないということに考えていいのであるか、その点をお伺いいたしたいと思うのであります。
  144. 矢野外生

    説明員(矢野外生君) 主として価格の値上りいたしましたのは、昨年度におきましては、輸入の為替レートが油糧につきましては大体平均百五十円程度でございましたのが、今回為替の單一レートの三百六十円になりました、そういう関係で、而も油脂というものは国外からの輸入に俟つ点が多いのでありまして、そういう為替レートの変更に伴いまして、大体価格というものが、先づ種々いろいろの物資がございますが、平均いたしまして油脂として大体二・三倍になつているわけであります。
  145. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 閣議決定の方針をお伺いしまするというと、公団はできるだけ簡素化するという方針のようでありますが、現在もその方針に相違がないか、お伺いいたしたいのであります。
  146. 森幸太郎

    ○國務大臣(森幸太郎君) できるだけ簡素化して行きたいという方針には変りありません。
  147. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 若し簡素化するという方針であつたならば、現衣油糧公団取扱つている菜種の取扱は繁雑で、この上ないところの繁雑を極めているのであります。簡素化する方針が政府の方針であつたならば、菜種の取扱根本的に変えられる意思があるかどうかをお伺いいたしたいのであります。
  148. 森幸太郎

    ○國務大臣(森幸太郎君) 菜種は全額供出になつておつたのでありまするが、これはむしろ協同組合等にも相当の設備ができているわけであるし、油が必要であれば油で供出を願つてもいいわけであるから解除するということを一応考えたのでありますが、関係方面との折衝の上、日本の食糧事情に油というものが非常に必要であるという考えの下に、絶対にこれは受入れなかつたのであります。併し或る一定量を決めまして、それだけは割当てして買入れる、それ以上のものは手持自由ということに変更いたしたのであります。これは一般から非常に希望もありましたので、その程度に緩和いたしまして割当をいたしました。菜種を若しも麦の代替として供出をなすことを認めて、その場合にその菜種によつて代替された麦の分に対しましては、特別に輸入食糧によつてこれを補給して行くという方針に定められまして、一応菜種は或る限度だけは買入れてあとは保有さす、こういう方針に変更いたしたわけであります。
  149. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 我が国に油の少いということは、私なども承知いたしているのでありますが、この油を現在よりもより多く出させて、国民希望に副わするためには、私は現在の菜種で供出して、供出したところのものを更に温として農家に戻すというようなことでなくて、農林大臣は農村工業を非常に奨励せられる意思があるのでありますから、又奨励せなくちやできないのでありますから、菜種は各地方で農民の希望するようなところで油に製造し、その製造したところの油の一定量を供出させ、油粕は全部農民に戻すというようなことであつたならば、現在よりもより以上の油の供出ができると思うのであります。又農民も非常にこれを希望しているのであります。そうしたならば、閣議決定の公団取扱も簡素化にみるのであります。農民が希望し、政府の方針に副うところの方法であつたならば、政府はこの際断固として農民の希望するように、農村工業化によつて農民の希望するように油を製造させ、それによつて得たところの油粕は全部農民にそのまま與え、一定量の油を政府が供出ざせるというようなことが時宜に適したところの措置と考えるのでありますが、そういうようなことをされる御意思があるかどうか、明確に御返答をお願いしたいと思うのであります。
  150. 森幸太郎

    ○國務大臣(森幸太郎君) 菜種の供出は、結論において油が欲しいという、」とでありますから、油さえ政府が確保すればそれで目的が達成するわけであります。戦時体制以来いろいろ供出が政府計画通りに自由にして置いてはいけないというので、こういう統制が行われて来たのでありますがう今申しました通り、油さえ集荷すればそれで目的が達成されるのでありますから、これは関係方面に強く主張をいたしているのでありますが、十分考慮いたしまして、できるだけ速かに皆さんの御意見のように、油さえ取れればいいではないか。油粕は必要ではないのでありますから、そういうふうに努力いたしたいど考えております。
  151. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 只今の大臣の答弁の通りであるといたしましたならば、私などはできるだけ政府の方針に従つて油の供出に努力したいと思うのであります。ただ聞くところによれば、できるだけ菜種を余計に多く供出せしめるために食糧確保臨時措置法によつて業種の供出を考慮しようというような噂もあるのでありますが、そういうふうな計画があるのであるか、ないのであるか、その点をお伺いしたいのであります。
  152. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 全然ありません。
  153. 石川準吉

    ○石川準吉君 今のに関連したことでちよつと御質問いたしますが、今農林大臣は菜種の或る一定パーセント以下はこれを自由にするというような御方針であつたようでありますが、その意味ではその自由にされた菜種から採つた浪も自由にする、こういう方針かその点もお伺いいたします。
  154. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 自由であります。
  155. 山崎恒

    山崎恒君 只今菜種の問題に入りましたので、尚希望等も申上げて、政府の確固たる方針を聞かせて頂きたいと思いますが、菜種の現在の集荷状況から見ますというと一非常に菜種は全国的に混沌たるものがあろうと思うのであります。政府の意図しているところの数量は公団に集まつておらない。殊に菜種そのものによる闇が非常に多いということは、恐らくこれは農林大臣も耳にし、或いは目撃しておる問題であろうと思うのであります。で農家が何故この業種の供出を全面的に供出したがらないかということは、問題は油を確保したいということと、業者はこれに便乗いたしまして、とにかく三升なり四升なり端数のものもこれを集めて一定のルートに乗せないということは、これが闇の原因だということはもう明らかであります。これは事務的に亘る問題でありますが、これも全国的にその問題が大きいということはこれは政府も認めているだろうと思いますが、少くも政府関係筋の要望もあつて日本国民の体位の点から考え油脂原料がどうしても必要だということでありますれば、やはり先程藤野委員が話されましたように百完全にこれを油として配給し得る方向に向かせることが最も適切な方法であろうと思うのであります。それには只今状況では殆んどこの搾油場の分布状況は各町村なり、或いは部落なり、殆んど一町村一ヶ所ぐらい業種の生産地では持つている状況にあるのであります。又最近の搾油の機械の設備等は非常に簡單な設備が施こされまして、従いましてこの資金等も余り要らずにこの搾油設備はできるのてありますので、さような線、いわゆる小規模な農村工業というようなことから考えましても、農村工業の振興を図る点から行きましても、これは漁でむしろ供出を求めるというような方向に持つて行く方が、政府が意図するところの油を一定数量把握する面から行きましても、むしろ闇を撲滅する、その方が数倍に政府の意図する点に合致するであろうと思うのであります。要はこの業種の問題が一番只今農村の大きな闇の根源になつているということはこれは見逃せない事実でありますので、農村工業の振興の面からも、又農家に油を一定量持た起るということと肥料を持たせるという面から見ましても、そういう方向に浩つて行きますことは農家も業種の生産に意欲が出るという点になりますので、是非その方向に持つて行くように一つ御研究願いたいと、こう思うのでありますが、同時に昨日も岡村委員から申されました雑穀の統制の問題で去りますが、油脂原料として一部見られておりますところの落花生のごときは、すでにこれは市場に氾濫しておりまして、これは統制があるのかどうか一般の市民は知りません。それがあのように氾濫しておりますので、これは一時も早く雑穀の統制を撤廃して頂をたいと、かように思うのでありますが、こうした点等の御意思をお聞かせ願いたい、こう思うのであります。
  156. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 雑穀の点は今後の食糧事情により統制を今直ちに外すべきというものも、外してはならないというようなものもあるわけでありますが、一般の今現在雑穀として取扱つているものの中には、食糧として考えなくてもいいのではないかというようなものも相当ありますので、十分検討を加えて早く措置をいたしたい、かように考えます。
  157. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) ちよつと御勉強を願つて恐縮でありますけれども、できるだけ油糧関係については質疑が打切れる程度にまで一つ御勉強を頂きたいと思いますので、余り大して御質問もないと思いますけれども、どうぞもう暫く御勉強願います。
  158. 小川久義

    小川久義君 議事進行について、先日当院の事務総長が向うさまに呼ばれまして、参議院のあり方に対して非常に褒められて来たそうであります。それは衆議院のように夜中までかかつたり夜通しやらんということを褒められたと思いますので、日本の勤務時間は四時でありまして………。
  159. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 五時です。
  160. 小川久義

    小川久義君 まあ四時は二十分経過いたしましたので、散会をお願いいたしたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  161. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) どうですか。もう少し………。
  162. 羽生三七

    羽生三七君 質疑はこの問題に限定するという意味でもう少しというのですか、油糧の問題に関係して………。
  163. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 私の言つているのは油糧公団の、油糧の問題について、大体これは補正予算も通つておることだしいたしますから、できるだけ質疑を打切れる程度にやつて行きたい。なければこれで打切ります。
  164. 板野勝次

    板野勝次君 そうじやない、明日にしては………。
  165. 山崎恒

    山崎恒君 只今大臣がこの一定量の数量を自由にする、又一定量の数量を農家に持たせる。こういうようなお話であつたのですがその一定量の数量というのはどの程度の数量か、これも御発表願いたいと思います。
  166. 安孫子藤吉

    政府委員(安孫子藤吉君) 生産の目標が九十三万俵であります。供出の目標が五十七万俵でありますので、差引きますと三七%程度が保有になると思います。総量が九十三万俵の生産目標でありまして、供出の目標が五十七万俵、その差額は結局保有でありまするので、その保有のパーセントは三七%程度というふうな計画であります。
  167. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 板野さん、何か御質問ございませんか。
  168. 板野勝次

    板野勝次君 私は保留して、明日に廻して頂きたいと思います。
  169. 門田定藏

    ○門田定藏君 場合によつては今日はこの程度で………。
  170. 小川久義

    小川久義君 満場一致だから、明日に継続して頂きたい。
  171. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 折角農林大臣が出席していられるのだからあつたらやつて下さい、若しなかつたら……。
  172. 小川久義

    小川久義君 それはいかん。それは無理ですよ。
  173. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 大分お疲れのようでありますから、本日はこの程度で終りたいと思います。明日は午前十時から開会いたします。    午後四時二十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     楠見 義男君    理事            羽生 三七君            平沼彌太郎君            石川 準吉君            藤野 繁雄君    委員            岡田 宗司君            門田 定藏君           池田宇右衞門君            柴田 政次君            星   一君            赤澤 與仁君            加賀  操君            徳川 宗敬君            山崎  恒君            板野 勝次君            池田 恒雄君            國井 淳一君            岡村文四郎君            小川 久義君   衆議院議員    山村治郎君   国務大臣    農 林 大 臣 森 幸太郎君   政府委員    大蔵事務次官    (主計局次長) 石原 周夫君    農林政務次官  坂本  實君    食糧庁長官   安孫子藤吉君   説明員    農林事務官    (農政局長)  藤田  巖君    農林事務官    (農政局肥料課    長)      大谷一太郎君    農林事務官    (畜産局競馬部    業務課長)   吉崎 公明君    農林事務官    (食糧庁食品部    長)      矢野 外生君