運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-11-30 第6回国会 参議院 農林委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月三十日(水曜日)    午後二時十一分開会   —————————————   委員の異動 十一月二十九日(火曜日)委員岩傳 一君辞任につき、その補欠として板野 勝次君を議長において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○委員長の報告 ○食糧需給に関する件   —————————————
  2. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 只今から農林委員会開会いたします。最初に御報告申上げて置きますが、食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案は、本日午前衆議院を通過いたしまして、本院に回付され、本委員会に付託せられました。それから衆議院議員の提案にかかる競馬法の一部を改正する法律案が本日予備付託になりました。右御報告申上げます。   —————————————
  3. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 本日はかねて懸案になつておりました食糧需給の問題につきまして、農林当局から説明を伺い、それについての質疑をお願いいたしたいと思います。農林大臣はこの委員会と参議院の予算委員会との間をかけ持ちせられておりますので、必要に応じてこの委員会にも出席して貰うことにいたしております。先に食糧庁長官から説明を伺い、そしてそれに従つて質疑をお願いいたしたいと存じます。食糧庁長官からは、先ず以て本年度食糧需給計画、又食糧輸入の問題、その他関連した問題について説明を伺うことにいたします。
  4. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 昭和二十五米穀年度に入つたわけでございますが、この二十五米穀年度需給推算を、例年でありますと十一月早々に立でましてお示しをいたしているのでありますけれども、今回は国内の供給力の大宗でありまする昭和二十四年産米補正供出量が漸く昨日決まつたような状況でありまして、尚それに來年のです類の統制問題が関係方面折衝中でもありまするので、こういう需給推算であるということをはつきりいたしましてお示しできないような実情にあるのであります。  概要を申上げますと、供給の面におきましては、昭和二十四年産米、それから甘藷、それから二十五年の麦は、これは事前割当通り出る、それから二十五年の馬鈴薯も、昭和二十四年の馬鈴薯事前割当通り供出があるというふうに一応仮定いたしまして、供給量から工業用種子用及び飼料用に充当せられるもを除きまして、飯用として充当可能量を算出いたして見ますと、米につきましては、夏作の雑穀を含めまして、石数で申上げますと、三千六十二万二千百三十六石というふうに推定されるわけであります。それから……これは書いたやつがお手許行つておりませんか。それは二十四年度のもので、二十五年度のこの欄に相当したやつをきちんと入れることができれば、これは入れて出したいのでありますが、今申しましたような事情で、この二十五年の分につきまして、これをきちんと入れましてお示しができないので、大体の想定を入れまして、概要を申上げているわけでありますから、その点御了承願います。米は大体三千六十二万二千百三十六石、これは事前割当通り出るという想定であります。それから麦は七百九十五万八千六百二十七石、それから甘藷は、米石に換算いたしまして、三百六十万九千百九十五石、それから馬鈴薯は百三万三百三石、こういう供出を見られると思うのであります。これを合計いたしますと四千三百二十二万二百六十一石、これから輸送或いは加工、配給過程におきまするロスを見込みますと、差引四千百九万五千二百六十一石というのが供出として見られると思うのであります。  それから需要の面でありますが、これは一般消費者用農家家庭配給用と総計いたしまして四千七百九十一万九千石、これは勿論二合七勺ベースであります。それから労務加配その他は五百四十万一千石、総計いたしますと五千三百三十二万石になります。供給面が四千百九万五千二百六十一石であつて需要面が五千三百三十二万石でありますので、差引をいたしますと千二百二十二万四千七百三十九石の不足ということになるわけであります。これをトン数に換算いたしますと、百八十三万三千七百十一トンの不足になるわけであります。併しこの輸入につきましては欠減を見なければなりませんので、この欠減を見込みますと、要するに要補填量不足量は、トン数で申上げますと百八十八万八千七百二十二トンということになるわけであります。従つて供出事前割当通りに達成されて、来年の甘藷馬鈴薯総合配給用として配給されるとしましても、結局百八十八万九千百八十九万トン程度補正を要するというのが見通しであります。これは先程も申上げましたように、供出補正等が昨日決まつたばかりで、この点の手入れもいたしておりませんし、又全般の数字のつき合せについて関係方面ともまだ折衝を開始しておらん段階でありますので、私共の従来の需給推算に基く大まかな見通しだというふうに御了承願いたいと思うのであります。  尚この外に、年度が違いますが、二十五会計年度の、一つ主食需給推算というものが考えられてきておるのであります。これは会計年度でありますから、二十五年の、来年の四月一日を基準としまして、二十六年の三月末日に至る間の需給推算でございますが、これは予算編成上その他の関係から、一応この需給推算をいたしておるのでありまして、米穀年度需給推算よりは尚確実性がないということは言えると思いますけれども、予算面からして一つ需給推算をしておるのであります。これは公表いたしておりませんが、御参考までに概要を申上げてみますと、この需給推算につきましては、甘藷を四億万貫、馬鈴薯一億五千万貫を主食用として計上いたしておるのであります。それから輸入食糧は、玄穀にいたしまして三百四十万トンというものが輸入されるという前提供給高を見込みますと、八千六百六十四万七千石の供給高になります。米は勿論来年の米でありますから、事前割当もいたしておりませんので、大体、今年程度のものを見込みその他のものも推定をし、それから外国産の輸入食糧については三百四十万トンの輸入があり、又甘藷馬鈴薯只今も申上げましたように、四億万貫と一億五千万貫のものが主食用として使うという前提供給高を見ますと、八千六百六十四万七千石の供給高があるのであります。それに対しまして、需要が六千百八十二万七千石、そうしますと、年度末の持越と申しますかが、差引二千四百八十二万石ということになるわけであります。これは甘藷四億万貫と馬鈴薯一億五千万貫を主食用に計上しておりますために、この持越は相当高まつておるのであります。いろいろ現在論議されておるのでありますが、甘藷馬鈴薯は、政府配給食糧の枠からは差引くと、差引くと申しますか、外すというような措置を講じますると、この持越高はずつと減つて来ると、併し赤字にはならないということに会計年度としての見通しは持つている次第であります。まだ数字がかたまりませんで、非常に雑駁な推算を申上げた次第で、この点恐縮でありますが、現在の段階におきまして、この程度見通しであります。御了承を願います。
  5. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 御質問があつたら……ちよつとその前にですね。この前板野さんから質問がありまして、この次にはできるだけ取調べたい、取調べて報告したいということで、その問題がありますが、それは来年の三百四十万トンの中で、ガリオア・フアンドによるものが幾らコンマーシヤル・アカウントによるものが幾ら等数字が分れば知らして貰いたいということでありましたが、若し分つておればついでに。
  6. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) あどで…
  7. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それじやあとで……
  8. 岡田宗司

    岡田宗司君 ちよつとお伺いいたします。只今の御説明によりますと、二十五年度末の持越高が二千四百八十万石という、非常に莫大な数字になることが計算上出ているのであります。これはまあいろいろ仮定の点もありますので、正確とは存じませんが、尚ここでですね。芋、薩摩芋、馬鈴薯がですね、米石にいたしまして、三百六十万石、馬鈴薯の方が百三万石ですか、両方合せましても、四百六十万石、これを主食に加えないでも、尚且つ二千万石ぐらいの持越高になるわけですが、恐らく今までに例のない莫大な持越高になる。そうなつて参りますとですね、これは倉庫の問題もありますし、いろいろあつて、非常に多いことになつて困るんじやないかと思うのですが、先ずその際において主食増配ということが考えられるのじやないですかな、その点どんな見通しですか。
  9. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 二十五会計年度と申しますと、食糧年度といたしましては二十六米穀年度が入つて来るわけであります。それで少くとも二十五食糧年度におきましては増配ということは考えておりません。二十六米穀年度、来年の十一月という時から増配をするかしないかということは、これはやはり相当研究問題であろうと思います。只今のところ増配をするということには決めておりませんけれども、いろいろな事情を考え合わしますならば、そういう希望も持てるのではなかろうかというふうに考えております。それからさつきのガリオアとコンマーシヤルとの関係でありますけれども、これは又年度が実は違いまして一九五〇年のフイスカル・イアー、今年の七月から来年の六月という、つまりアメリカ会計年度であります。これの数字を申上げますと、結論においてさつき三百四十万と申上げましたが、フイスカル・イアーの方でとりますと大体三百十万程度になります。この三百十万トンのうちガリオア・フアンドによるものが百六十万トン程度、残り百五十万程度コンマーシヤル・アカウントというふうに見ております。これはアメリカ会計年度によるものであります。只今日本の二十五会計年度の分についてはございませんので、この辺で御推定を願いたい。
  10. 板野勝次

    板野勝次君 その次の年は分りませんか。
  11. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) その次の年は只今手許にありませんから調べて。
  12. 岡田宗司

    岡田宗司君 戰争前の、食糧問題がこういうふうに窮迫しておらん時代におきましての大体標準的といいますか、理想的な持越高はどのくらいだつたのですか。
  13. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 戰争前持越高というものと、現在の全面的国家管理をしております際の持越高というものとを比較するのは無理じやないかと思います。政府手持関係から申しまして、米穀統制法政府が運用しておりました時分は、理想持越高八百万石と言われた時代があります。六百万石乃至八百万石というのが操作上の理想持越高と言われたのでありますが、これは十月末日であります。併しその他に米がないわけではありませんので、一般に自由に流れております米がありますから、そういうものを除いて、政府操作できるものがその程度あれば、大体その当時の運用においては理想的なものであつたわけであります。これと今の持越とを直ちに比較することは適当でないと考えますが、そういうふうに……
  14. 岡田宗司

    岡田宗司君 現在の、つまり食糧操作を円滑にやる上においてどのくらい持越高があれば大体うまく行くのですか。
  15. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) この持越高はどこで切るかが非常に問題じやないかと思うのでありまして、現在は全面的に国家管理いたしておりまするので、例えば十月末日等政府手持高というようなことを考えますと、これは本当の出廻期でありまするので、その際の手持高というものは、需給操作の上においては或る意味においてはナンセンスになると思うのであります。それで中間端境期の四、五月頃の政府手持幾ら見たらいいか、幾ら見るように操作を続けたらいいか、或いは本当に大端境期とでも申しますか、八、九月の早場米が出る頃の政府手持をどの程度と見たらいいかということが一番重要な問題であろうと思うのであります。この点を二月分見ればいいか三月分見ればいいか、いろいろ見解もあるし、又輸入状況等もあろうかと思いますが、まあいろいろ御批判は得なければなりませんけれども、二月、三月の操作米を持つということは、やはりその窮迫した時代においても、その程度の窮迫というのか、年度端境期においてもその程度を持つということは、これはどうしても最低限度必要なものじやないかという大体の考えを持つております。
  16. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、今後フイスカル・イアーにして三百十万トン、それからその年度計算による三百四十万トンが今後比較的順調に入つて参りますというと、来年の四、五月の端境期も八、九月の端境期も十分に賄つて、而も米穀年度末において先に言われたような芋を除いての計算は二千万石の持越ができるということになつて来る。そういうわけでございますか。
  17. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) ちよつと説明が悪かつたと思いますけれども、二千四百万石というものは、これは甘藷を四億万貫、馬鈴薯一億五千万貫を主食用として使つた場合の持越が二千四百八十二万になるということでありまして、いろいろ論議されておりまするように、甘藷馬鈴薯を国民の潜在的食糧と申しますか、潜在食糧としまして政府計画面から外して穀類だけでやるという計画を立てまするならば、この二千四百八十二万というものは、ずつと減りまして持越幾らでありましたか、むしろ過半数、もつと以下にこの持越がなるのであります。ただ甘藷馬鈴薯を外しましてもこの持越高を割ると申しますか、ゼロなり或いは赤字にはならない、三百万とか四百万くらいの持越になるというような形になろうと思うのであります。これはつまり二千四百八十二万石の持越という大きい持越になるのは、甘藷馬鈴薯供給面に入れるからこういう持越になるのでありまして、これを供給面から外せばこれはぐつと減つて来るという数字なんであります。
  18. 岡田宗司

    岡田宗司君 ところが先程その供給面のところの御説明によると、芋の方が石数にして、米穀に直して三百六十万石、馬鈴薯の方が百三万石ですから、両方合せて四百六十三万石乃至四万石なんです。そういたしますというと、二千四百万石ということになると、やはり二千万石くらいの持越になるのじやないですか。
  19. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 供給面におきましては、これを外す外に、御承知のように甘藷馬鈴薯農家保有に見込んでおりまするので、この辺をやはり考えなければならん。そうしますと、この米なり雑穀供出が減るという事情一つ出て来ると思うのであります。
  20. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと今後甘藷馬鈴薯を若し統制を外すということになつて来るというと、現在の農家保有食糧においても、甘藷馬鈴薯はその保有量の中に加えない。そうしてやはり米麦において四合のものを保有量として認めるというふうになると承知して置いてよろしいですか。
  21. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) その点は勿論確定いたしたわけでもございませんので、筋合を私から申上げますならば、消費者の方の配給食糧からそういうものを外しまするならば、やはり農家についてもその点は外して考えるのが適当ではなかろうとかと、こう思つております。これは私の一応の私見でありまするので、政府としてこの点が決まつておるわけではありませんから、その点を御承知置き願いたいと思います。
  22. 岡田宗司

    岡田宗司君 只今お話によりますと、若し甘藷馬鈴薯統制が外されると、農家保有量からも甘藷馬鈴薯が除かれる。そうなつて参りまして、今の四合の保有量というものを認めることになりますと、米の供出量というものが、生産がうんと増加しない限りは減ることになつて来る。その場合における理由は、現在三千万石内外のものが供出されておるのでありますが、その場合におきましては供出量はどのくらいになるお見込ですか。
  23. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) まだそこまでの推定をいたしておりません。或いは農家保有で、甘藷を見ておりますものが六十万トンぐらいじやないかと私は記憶しております。そうしますと六、六、三十六の……四百万石くらいのものを、その外に馬鈴薯もございますから、その程度のものが保有として見込まれておるというふうに私は記憶しております。
  24. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしますと、大体甘藷馬鈴薯雑穀保有量を除きますと供給量が減る、大体そうなると米の供出量は現在の状況から見ると五百万石くらい減るので、大体二千五百万石程度供出量になるというくらいに計算できるわけなんですか。
  25. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) まあ大まかに申上げますればそういうことになろうかと思います。六十万としまして四百万石、そうしますと、今の大体供出が三千二百万糸程度でございまするから、四百を引きますと、八百ですか、二千八百、三千万石を割ると思います。そういうことに筋合としてはなつて行きます。
  26. 羽生三七

    羽生三七君 さつき説明の中にちよつと落ちておりましたのですが、アメリカからの輸入額三百四十万トンには、これは米は入つていないのでございますね。ついでにその入つていない場合に、若し南方地域から入つて来る米の量、本年度と、来年度見通し、この前ちよつと承わりましたが、正確な数字をもう一度お尋ねいたしたいと思います。
  27. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) これは米が入つております。
  28. 羽生三七

    羽生三七君 この中に入つておりますか。
  29. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) はい。
  30. 羽生三七

    羽生三七君 それで、先程の三百四十万トンに大豆を入れて約三百七十五万トンの輸入が可能だという場合に、先程岡田君のお話がありましたように、本年度よりもトン換算約百八十三万トン程度不足で、欠減量を含めても百八十八万トン程度、これに三百七十五万トン入つて来た場合を考えますと、どう考えても、これは今の日本需給推算よりは非常に大きい数字になる、そうだと仮定するならば、片柳農林次官アメリカで発表しておりますが、三合配給というようなことを前提としなければ、今のベースでは却つて過剰になるような感じがするのですが、この辺どうですか。
  31. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 二十五米数年度の算定で入れば、米麦の外に勿論芋類総合配給用に廻すといたしまして、百八、九十万、二百万トン弱のものが入る。会計年度でやはり三百四十万トンのものが入るということにいたしますと、甘藷馬鈴薯主食から外さんということにすれば、二千四百万石以上の持越しになるという全体の調子から考えますれば、少くとも来年の十一月一日以降は、増配ということが考えられるのではなかろうかということだと思いますが、この点は二千四百万石というものを持越す観点から言いますと、その点は相当可能性があると思います。その外に又甘藷馬鈴薯総合用からのものを外すという問題が一つ出て来るわけであります。それで甘藷馬鈴薯総合用に入れて増配をするか、甘藷馬鈴薯を外して現行を維持するか、或いは甘藷馬鈴薯を外しても尚且つ増配ができるかというような数個のケースが考えられると思うのであります。この点のいろいろ見通しについては、我々としましては研究過程にありますので、只今直ちに来年の十一月一日以後増配ができるということを、実は申上げる段階ではございません。その辺の実はケースを見合いましていろいろ研究を続けているということでございます。
  32. 羽生三七

    羽生三七君 先程の三百四十万トンのアメリカからの輸入は、これはそういう予想で計画を立てているというだけで、別に何か拘束される性質のものではなくて、若し南方あたりの米が、本年度割当十六万トンが更に増加して何十万トンになる。又価格の点でも輸入として引合う。或いは日本工業製品の見返りとして適当だという場合には、アメリカの三百四十万トンを逆に南方の米の方に繰入れるという可能性はありませんか。
  33. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) そういう可能性はあります。
  34. 羽生三七

    羽生三七君 やつぱり政府から出して頂いた統計の中に、南方から入つて来る米の価格が、今の日本現行価格に比較すれば割高のように考えるのでありますが、仮にすべての諸統制が撤廃され、自由貿易なつたときに、農林省として想定される価格はどんなものかちよつと伺いたい。
  35. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) ちよつと今資料を持つておりませんが、南方米価格が今後どうなるか、これは予測を許しませんけれども、現在の状況から申しますと、相当先は下つて来るのだろうと思つております。併しそれがどの程度に下るかというようなことは、これはちよつと私も見当がつきませんし、まだ輸出国におきまするいろいろな経済統制と申しますか、政策の問題も絡んで来ると思いますので、幾らと申上げるわけには行きませんけれども、大勢といたしましては相当下つて参るのだと、こういうふうに思つております。
  36. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) ちよつと十分間休暇いたします。    午後二時四十九分休憩    ——————————    午後三時三十七分開会
  37. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それでは只今から休暇前に引続いて委員会を再開いたします。
  38. 板野勝次

    板野勝次君 もう一度確めて置きますが、これによりますと、二十五年度日本会計年度外国から入つて来る食糧が三百四十万トンと理解しておるのですが、昭和二十四年度飯用需給推算からして百八十二万八千トン、これは差引きの不足輸入食糧でやるのだというのですが、全体として二十四年度のこれ以外の現に入つて来たものと、それから二十四年度中に入ろうとするものとの内訳幾らになるのですか。
  39. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 二十四年度と申すのは、会計年度です。三百四十万トンと申しましたのは、これは日本会計年度でありますから、今年の四月から来年の三月まで……
  40. 板野勝次

    板野勝次君 ですから今年の会計年度の分……
  41. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 今年の四月から来年の三月までの輸入食糧幾らになるかということでございますか。
  42. 板野勝次

    板野勝次君 そうです。
  43. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 只今そういう整理をいたしておりませんので、これは整理をいたしましてお答え申上げます。会計年度でこういう問題を扱いましたのは、二十五年度において初めてのことでありまして、従来は米穀年度で来ておりまして、会計年度整理を実はここにおいてはいたしておりません。新らしく整理して参るのであります。
  44. 板野勝次

    板野勝次君 凡その内訳は分りませんですかね。そうすれば来年度の大体二千五百万石くらい入つて来るというふうな予定からすれば、伝えられているように甘藷統制というものが外されて行つて、且つ食糧増配が可能になるというふうに、先程来の説明からして伺えるわけなんですが、ところがそこで問題になつて来るのは、輸入食糧というものを、こちらの日本飯用需給推算からして食糧輸入計画を立てておられるのか、それとも向うから今年はこれだけやると言つて日本が頼んだ数量を超えても輸入して貰うのか、これは食糧長官に聽くことはちよつと無理かと思うのですけれども、どちらを楯にして、この需給推算との関係において、輸入食糧をどういう関係において……どう言つたらよいのでしようかね、考えたらいいのかどうか。つまり需給推算の側から見て輸入食糧をやられておるのか、輸入食糧がどんどん入つて来るからそれに押されて行つて、いろんな統制なり、需給の問題を考えて計画しておるのか、基本的な構想を伺つて置きたいと思います。
  45. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 私共の申上げますのは、作業の面から見ましての、実態を申上げるのでありまして、基本方針がどうであるかという点には触れないで申上げて置きます。従来でありますと、日本需給推算を立てまして、どうせ足りないのでありますから、足りない食糧をどうしても補填をして貰わなければならんという意味合において、日本側において翌年度なりの需給推算を組みまして、そしてそれに基く不足数量というものを出して、司令部折衝をして、又司令部といたしましてはあちらの方の研究もありますので、その間に折衝を重ねてこの需給推算を作り上げておるのであります。今回の三百万トンの問題も概ねそういうコースで来ておるのでありますが、尚日本の経済安定の意味から、或いは世界の穀物生産状況等からいたしまして、そうした行き方の外に別の考慮も払われておるのではなかろうかという点も、單に従来のようにきりぎり需給推算に基く補填量のみを入れる、これはまあガリオア・フアンドであありますから、アメリカの予算に関係いたしますので、その点はきちんきちんとやつておりませんが、今後コンマーシヤル・アカウントが殖えるということになりますと、更にその点は従来よりも多少ぼけた形において作業が進められて行くように私は思つております。
  46. 板野勝次

    板野勝次君 そうしますと輸入食糧が増大して来て、これが仮に三百四十万トンなり三百七十万トンになつて来ますと、つまり芋類の作付統制というものが勿論不必要になつて来るでしようが、増産して尚且つ余るということになるのじやないのでしようか。
  47. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) この二十五会計年度の計数上から見ますれば、そういう議論もできると思います。それから増配をしても尚且つ余るという数字ではないと思います。
  48. 板野勝次

    板野勝次君 それから先程ちよつと岡田君からも出ておりましたが、農家保有米についても、私はただ米麥四合と思つてよいかどうかということを聞き漏らしたんですが、やはり本年度と同様に、この輸入食糧が増大して来たが、農家保有米というものは現状のまま置かれるつもりですか。或いは一部保有農家に対してもつと飯米を確保するということの理由を……お殖やしになる考えはあるのですか。
  49. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 農家の飯米についてはいろいろ問題がありますし、計数的な基礎も判明いたさない限り、なかなか四合保有の問題を、効果を挙げることは困難だと思いますが、一部保有農家については明瞭な状況でありまして、これを完全保有農家と区別する意図は、根拠というものは余りない。従来需給の緊迫を、需給のバランスをとる意味におきましてそうした措置を講ぜざるを得なかつた事態があつたので、まあこういう結果にもなつておるので、この際は一部保有農家保有量につきましては善処いたしたいと考えまして、只今のところいろいろ関係筋と折衝しておるところでございます。
  50. 門田定藏

    ○門田定藏君 甘藷輸入食糧の問題についてお尋ねしたいのですが、現在の日本食糧事情から申しまして、現に三百六十万トンも海外から食糧輸入せにやならん、こういう立場である日本の現在においては、もつと食糧の増産を図らねばならん、この意味においてこの甘藷というものはもつと増産して、そうして政府は奨励して、これをもつと買入れてこの輸入を縮小するというのが私は本当ではないかと思います。その意味においてこの甘藷統制を撤廃してこういうことをするということは、今の方針で行くというと、食糧の増産について大きな支障が起りはしないか。  それからもう一つお聽きしたいのは、輸入食糧について、三百六十万トンの輸入計画というものは、或いは日本食糧増産のための三百六十万トンの輸入は必要ないという場合の斟酌はどうなつておるか。そうして外国との関係は、一旦これを契約したものならばこれを輸入しなければならんというような立場にあるかないかということについて御方針が承わりたいと思います。
  51. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 国内食糧需給度を高める意味において甘藷馬鈴薯等はやはり配給食糧に入れて、まあそういう刺戟と申しますと変でありまするが、そういう態勢の下にやはり増産を図つて行くということが、適当ではないかというお尋ねでございますが、その点は私共十分了承できるのであります。私共といたしましては、やはり国内食糧の充実、拡充という線が適当であろうと考えまして、いろいろ考えておるのでありますが、そうかと申しまして甘藷馬鈴薯を現在のように全部、例えば工業用等に至るまで政府が買入れ、これを配給して行くということはどうであろうか。主食用程度のものはやはり政府操作をして、主食用以外のものは外すというようなところが現状においては適当じやなかろうかというふうに考えまして、そういう線で実はいろいろ増産を進めておるわけでございます。  それからこれが国内の増産が非常に成功した場合でも、尚且つこの三百四十万トンというものは入れなければならんかどうか。これは勿論特にコンマーシヤル・フアンドにつきましては今後漸次そちらの方にコントラクトする機能も移つて参ろうかと思います。そうしますと一つ一つの契約について審査をし、これを入れるか入れないかという点もこちらでやつて参るようになろうかと思うのであります。そういう段階になりますれば、勿論国内の情勢によりまして、三百四十万トンと決めましても、或いはそれ以下でも済む場合もあるし、もつと殖さにやならん場合もあるという意味においての弾力性を持たせるということは可能であろうと思います。
  52. 門田定藏

    ○門田定藏君 只今のお答えで甘藷の、つまり工業用に使用する甘藷馬鈴薯まで政府の手でやるということは考えていない……これはよく分つていますが、若しこの工業用に廻されるところの甘藷馬鈴薯価格が、政府の決めた価格と、或いは又生産の多い、少いによつて或る一定の商売人に取引させるというと、価格の不公平な取引が将来起らねばよいがと私は考えるのですが、これらについては将来政府が買入れるにしましても、将来自由取引するに当つて甘藷馬鈴薯価格について政府が相当なこれは監督をして、正しい取引をさして、生産者に生産意欲を向上させるのが本当であると考えますので、これらの自由取引についての価格について政府はどういう方針をおとりになる考えであるか、これを一つ承わりたいと思います。
  53. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 価格の問題でございますが、従来のようにこの価格統制というようなことは、やはり適当でないんじやないか、やはり自由価格であるべきだと思います。併しそうかといつてこれが非常に農村に打撃を與える意味もありますので、その観点からもやはり甘藷馬鈴薯につきまして、主食用と申しますと、概ね四億万貫程度のものになりますので、相当大量のものになりますと、或る程度のものを政府が買う。或る意味において挺子入れをしてやるというような措置を講じますれば、全体の大勢に相当いい影響を與えるものであろうと思うのであります。それにしましても、或る地帯においてはいろいろ暴落をして来て、工業原料を必要とする事業家から買い叩かれるという場合も予想される。生産者の立場から見て、こうした問題はひとり価格統制というような面に頼らずして、やはり生産者の自主的な出荷統制なり或いは生産者自体の協同組織による自衛手段というような措置を講じて参りますことがやはり適当なのじやないかと私は思つております。
  54. 山崎恒

    ○山崎恒君 芋の問題に入りましたから、芋の問題をお尋ねしたいのですが、来年度の大体予想は四億万貫、馬鈴薯一億五千万貫を買入れたいというような発表であるのでありますが、その買入れの方法及び価格の点ですが、価格は現在の価格の立て方は、米に準じた、バリテイー計算による米に準じた価格に比例したところの価格の出し方をしておるのでありますが、来年度甘藷四億万貫並びに馬鈴薯一億五千万貫の買入れは、価格の点については、現在通りのような価格の立て方をとるのかどうかという点をお尋ねいたしたいと思います。こう思うのであります。  又従来までとつてつたところのです類の特別会計において、巷間伝うるところによると百億内外の赤字があるというようなことが伝えられておるのでありますが、さような線からこれを外すというような時に出て来ておるのじやないかというような懸念も窺えるのでありますが、その点を一つ御発表願いたいと思うのであります。
  55. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 現在の甘藷価格は、米価を基準といたしましてこれの比率でもつてつて来ております。而も食糧事情が随分窮迫して来ておつたのでありますから、対米価比が順次上つて来ておるのが実情であります。来年度におきまして、然らばどういう価格で買入れるか、政府で買う場合にその買入れの方法並びに価格が非常に重要な点になつて来るのでありまして、この点は目下いろいろ研究中でありまするので、具体的に申上げる段階に至つておりませんが、併し甘藷価格が対米価比において少し高くなり過ぎておるという私は感じを持つております。甘藷の用途を拡げ、又甘藷を原料とする各種工業が起きて、甘藷の消化が促進され、而も或る場合には甘藷が潜在的な食糧として供出されて行くというような観点からいたしまするならば、やはり増産に拍車をかけると同時に、かような面において、やはり食糧が非常に窮迫して来た当時のような対米価比の価格よりもやはり下げるべきものではなかろうかという、極端に下げるという意味じやありませんけれども、多少調整する点があるのではなかろうかというふうに考えておるわけであります。ただ極端なことはできませんけれども、需給の緊迫化に即応して甘藷価格が、自由経済当時から見ましても上り過ぎておるのじやないかというふうに私は考えておりますが、この点はもう少し慎重に研究して行きたいと思います。  それからもう一つは、食管特別会計の赤字問題にからんで甘藷統制撤廃の問題が起きたようにも聞いておるが、その間の事情ということでありますが、昨年の特別会計におきまして百億余の赤字が出ております。赤字と申しましても現物がなくてというような意味赤字じやございませんので、消費者価格に織込みました金額を超えて支出された金額と、こういう意味赤字であります。その主なる原因は、昨年の甘藷が非常に超過供出がよく出て、これは一一五%くらいの超過供出を織込んでおつたと思いますが、結果において一四五%になつた。そうしますと三〇%ばかりの数量が非常に、非常にじやありません、倍率を加えた高い価格政府が買入れて、安い価格配給をするという結果になりまするので、その差額が織込み率から見ると赤字の形で出て来た。この事情のために甘藷統制問題が惹起されたかどうかという点でありますが、私はそれのみではないと思いまするけれども、この問題も一つの原因として甘藷統制問題が論議される端緒になつたとは思います。
  56. 赤澤與仁

    ○赤澤與仁君 只今のですの問題でございますが、政府において、供出完了後の自由販売を認めるという、これの法的根拠を一つお教えを願いたいと思いますことが一つと、それからもう一つは、政府といたしましてこの需給推算の上では一応お考えになつていらつしやらないようでありますが、超過供出の量をどの程度期待されておりますか。その点も伺つて見たいと思います。それから第三点は、新聞紙上では輸入食糧が三百七十五万トンというようなことが出ておりまして、一般にはそういうことを期待しておるわけでありますが、今御説明によりますと、二十五年の会計年度で三百四十万トンということになりますと、あの三百七十五万トンという数字輸入の期間のずれとかなんとかがあるのではなかろうかと思いますわけでありますが、これについて一つ……
  57. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 三百七十五万トンと申しまするのは、恐らくこの外に大豆がございますので、主食に充当しますのは三百四十万トンでありますが、この外に大豆等がございますので、それを含めた数字だと御了解頂けばいいと思います。  それから今年の超過供出はどれくらい見込むかというお話でございまするが、これはまあ新聞等でも御了承になられておると存じますが、二十四年産米補正問題について非常に問題を惹起しまして、当初百十四万七百石でやる指令を受けまして知事会議を招集しましたところ、到底収まりがつきませんので、結局二百四十五万石という補正数量で、昨日知事会議の了承を得たのでありますが、この折衝をいたす過程におきまして、本年の超過供出をどう考えるかという問題が実は論議されたのであります。率直に申上げますと、予算上では三百万石程度のものを見ておるかと思つております。私共は実情から見まして百五、六十万石、これは来年の昨柄の如何にもよりますが、来年の九月、十月頃までの出る分を含めましても百六、七十万石程度のものではなかろうかというふうに一応推算はいたしておるのでありまするが、今回の補正に絡みまして一応了解をしております線は二百万石ということになつたのであります。大体超過供出は、本年は二百万石程度を考慮に入れるというふうにいたしておるわけであります。  それから第一点は芋の統制、自由販売の根拠ということでありますが、供出完了後の自由販売ということで、昨日、供出完了後の自由販売の方針を閣議において御決定を願いまして、それに基きまする食糧管理法の規則並びに告示を改正いたしましたわけであります。この規則はいろいろございまするので、食糧管理法の施行規則の二十一条、二十二条、主として二十一条、二十二条……それじやちよつと所管課長から……
  58. 安田善一郎

    説明員(安田善一郎君) 芋の統制の解除でありますが、一部の統制の解除でございます。その関係の法令といたしましては、食糧管理法第三条に基きまして、御承知の食糧確保臨時措置法に基きまする農業計画中の供出数量が、政府に売渡しすべきことが命令されておるわけでありますから、その分は生産者にも供出して頂き、政府も買入れる予定の、それ以上の統制の解除でございまするので、その供出割当数量以外についても政府についても政府に売らなければならんことは、食管法の第九条に基きまする命令が出ておりまする関係上、その命令を改正いたしますればできるのであります。その命令は、政令と規則、正確に申上げますれば、食糧管理施行令と食糧管理法の施行規則及びそれぞれに基きまする農林省の告示によつておるのでありまして、先ず第一に、生産者の政府以外に売ることを許す意味の自由販売といたしましては、その施行規則の第二十二条、これに基く告示十の二というところがありますが、又施行規則二十一条と施行規則三十二条、そういうものも関係しております。いずれも生産者は供出を完了したあとで政府以外に売つてもよろしい、又売る以外の譲渡をしてもよろしいという関係の規定であります。今度は売る方でなしに、買つてもよろしい、政府以外から買つてはいけないという制限が現在はありますので、それを買つてもよろしいというふうに改正いたしまする分は、施行令の第六条にその規定がありますから、政令の改正といたしましてそれを改正いたすのであります。  その他附加えて申上げますれば、移動とか、輸送とか使用の制限がありますが、それはそれぞれ施行規則二十三条、二十九条及びそれぞれに基く農林省の告示であります。
  59. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 多少生産関係がありますから、食糧庁長官お話をすることは無理かと存じますが、併し今までお扱いになつておられたからお分りになると思いますが、二十五年度産からは、甘藷馬鈴薯の澱粉は食糧としてお扱いにならんということに考えられるのですが、そうでありますか。  それから次は種芋を今まで食管で扱われておつてのでありまするが、これも外していいようなことになりますかどうか。
  60. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 澱粉でありますが、芋類を原料といたします製品についての主食としての扱い、これをつまり食管特別会計の扱うものとしての食糧として二十五年度においてどうするのかという点のお尋ねと思いますが、実はこの点は、来年度産の芋についてはいろいろ問題がありまして…
  61. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 来年産のやつです。
  62. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 来年産のやつは、これはこういうことになろうと思います。私共の申上げておりまする各般の情勢なり政策という意味を持つて四億万貫の甘藷、それから一億五千万貫程度馬鈴薯を買うということになりますとそれ以外のものは自由ということになりますから、自由なものによつて生産された澱粉或いはその他のものは自由におのずからなろうと思います。政府がやつた場合にそれを生で配給をやるか或いは加工品でやるかという問題が残ろうかと思います。その際に芋粉、澱粉の形態でやることが適当であるということになれば、政府の委託加工とか何とかいう形で配給することになろうと思うのであります。端的に申しますれば、四億貫買つて政府主食の中に織込むということになれば、それによつて生じた芋の資金というものはやはり政府の枠内に入る、そうでないものは自由になるというふうになろうかと思つております。  それから種馬鈴薯でありますが、これは来年度買うといたしましても、政府といたしましては、これはまあ主食用に充当するものを買う、こういう意味でありますので、種馬鈴薯はやはり外して、別に自主的に出荷計画なり何かそういう形においてやらるべきものではなかろうかと只今のところ考えております。
  63. 小川久義

    ○小川久義君 先程山崎さんの特別会計の赤字の問題のお答えには、超過供出の何かの問題で百億内外の赤字が出たというお話のように聽いたのですが、先般本会議における私の質問に対して大蔵大臣は、芋が腐つたこと及びいろいろな失敗によつて九十億の赤字が出た、その赤字消費者価格に織込んですでに現在はない筈だという答弁をしておるのでありまするが、どちらが本当か、長官のおしやるのが本当か、芋が腐つて赤字が出たのか、超過供出に余計金が要つたから赤字が出たのか、その点を伺いたいと思うこと、それから二十五日の委員会のときにお願いしておつたのですが、二十四年の三月三十一日現在の食糧特別会計の決算書をお出し願いたいということをお願いして置いたのですが、次の委員会あたりに是非お出しを願いたいと思います。
  64. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) この赤字の原因は、勿論この腐敗等もあろうと思います。私は今はつきり覚えておりませんが、併し腐敗というものも一応ある程度見ておりますので、それが消費者価格の中に織込まれておりまするが、それが非常に予定よりも多かつたということであれば、それによつて赤字が出るという場合はあると思います。私の只今までの理解いたしておりまするところは、主としてこの超過供出が予定よりも非常に多く出たための赤字というものが大きいものである、その外に腐敗のやつも若干あろうかと思います。  それから御要求になりました資料は、二十三年度の決算でございましようけれども、これは目下会計検査院に提出いたしておりまして明日は出せると思います。
  65. 小川久義

    ○小川久義君 大蔵大臣は消費者価格に織込んですでになくなつてという答弁をしておりますが、その九十億内外の損害をいつ芋の価格なりに織込むようにお決めになつたのか、三月以降芋の価格の改訂はないと思いますが、その九十億はいつどういうふうに織込まれたか、その点をお伺いいたします。
  66. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 小川さんに申上げますけれども、一応その問題は御欠席の農林委員会のときに取上げまして、農林大臣から詳しく説明を聽いて、大蔵大臣の答弁は全然間違いであるということになつておりますから、御参考までに申上げます。
  67. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) これはもう少しはつきり申上げた方がいいかと思いますので、後にして頂きたいと思いますが、結局二十三年度百二十億くらいの赤字であるが、そのうち半分ぐらいがこれは公団未納金だと思うのです。あとは只今申上げましたような原因による赤字で、公団未納金はそこで切りますから赤字のような形になりますが、その次の年度になつてつて参りますので、これは赤字というわけには行かんので、一定の時期を区切つて締切ると、そういうふうになる、まあそういうことは計数的に別に申上げますけれども……それを消費者価格に織込んでいつ消したかということは、これはまだ消しておりません。今後の消費者価格の際の問題には主としてなるのじやないかと思います。今年の四月に消費者価格を上げましたときに、それまでの分については或る程度消しておる分がございます。それで残りましたもの、そういうものを合わせて今後の消費者価格の際には考えなければならんと思います。だから御質問のように、そうしたものを全部消してしまつておるのでということは言えないと思つております。まあもう少し詳しくは整理をいたしまして次に申上げます。
  68. 小川久義

    ○小川久義君 そうすると大蔵大臣が本会議で答弁したことは、全然嘘だということですね。この点どうですか。
  69. 安孫子藤吉

    政府委員会(安孫子藤吉君) 私は全然嘘だとも思いませんので、要するに腐敗の点も算出の一つの原因になつておりましようし、それから超過供出の点もありましようし、大きい点を私は申上げただけでありまして、これはまあ大蔵大臣が言われて、それから九十億という数字も、いろいろ年度の切り方とか、或いはそれをどういうふうにして消すかという算定の方法によりまして、実態は同じでも計数的に違つたものが出て来るのでありまして、その一つを大蔵大臣で言つておるのだろうと思います。私は大蔵大臣が全然嘘を言つたものだとも考えません。
  70. 小川久義

    ○小川久義君 細かい問題はいろいろありましようが、無くなつてしまつたというのに、あなたの説明ではまだ残つておるのだ、これから芋を売つて赤字を埋め合せるのでというんですが、そこは根本的な相違があると考えますが、これに対してどうお考えになりますか。
  71. 安田善一郎

    説明員(安田善一郎君) 補足して、御参考になるくらいの説明として聽いて頂きたいのですが、大蔵大臣がどうおつしやつたか、正例なことは聞いておりませんので、その意味との関連では御質問に応じ得ないかと思うのでありますが、食糧管理特別会計は、二十三年度末におきまして、従つて本年の三月末になりまして、その前年ずつと続けて、例年の継続として、百二十億の赤字があるのではございません。二十三会計年度だけを捉えますと百二十四億ばかりになるのであります。その内訳の主なるものは、公団未納金、これは約六十三億の筈でありますが、これは前年度は公団の人件費、事務費は国庫の交付金を出しまして、そうしてその公団が販売マージンから得らるべき見返りの引当金は、交付金になつて、国庫に納付することになつてつたのでありますが、国庫の交付を止めまして、政府の米等を売りました代金の延納で、食糧公団だけは措置することになりましたために、公団の人件費、事務費のあと半分は、食糧特別会計が貸した形になつております。従つてこれは本会計年度中に返さるべきものでありまして、その残余が早場米奨励金の超過が予定よりうんとありましたので、約二十一億くらいであります。その外農業保險の支払について、食管会計が共済保險の特別会計に繰入れるものが不足いたしまして、その不足が五億、芋の超過、特に切干しの超過が二億以上も出まして、三十五億、その公団関係以外の分が赤字と言えば赤字であるわけであります。併しながら補正予算或いは将来の米価の予定或いは本会計年度末において赤か黒かとか、どう処理するかということは、別個の問題でありまして、それを御質問になつておると思うのでありますが、その関係におきましては、赤字の百二十四億出ました前年度末におきましては、或る程度の黒字が出ておるのであります。その黒字を繰入れるとか、或いは四月に消費者価格の改訂を主要食糧に行いましたので、そのベースだけでは若干の収入増もありました。それから大蔵大臣の御説明もあつたと思いますが、本年産の米価はパリテイー指数一五六で仮改訂しましたのに応じまして、借入代金も違いますれば、又それに伴つて保管料とか、集荷手数料とか、運賃とかいろんなものが変つて参ります。その関係の諸経費を全部集計いたしまして、そしてどれだけ今後配給する主要食糧では経費が要るであろうか、こういうことを再検討いたしまして、消費者価格を従来の価格にいたしますれば、赤字がどうなるか、その赤字年度末に消そうといたしますれば、何ぼ消費者価格を上げなくちやあいかんかということをこれから決めるのであります。併し補正予算におきましては、原則が、来年三月の本会計年度末におきましては収支のバランスを合せる原則でありますので、従つて一月頃を目途にして約一割の消費者価格の値上げをすれば、昭和二十四会計年度を通じまして赤字は皆消えてしまつて収支のバランスは合う、そういうことになつておるかと思います。
  72. 小川久義

    ○小川久義君 現在はあるわけなんですね。
  73. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 現在どれだけあるとか、どういう原因であるかは正確に出ないわけであります。進行中でありますから。
  74. 小川久義

    ○小川久義君 先程も申上げましたように、大蔵大臣の言うたのは、芋の腐つたのと、いろいろの失敗で赤字が出たと言つておるのですが、食糧庁では失敗から赤字が出たがでない。これ又大蔵大臣はないことを言うておると、こう解釈していいのですか。
  75. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) まあいろいろな見方がありましてですね、赤字が出ればその原因はすべて失敗だという見方もあるだろうと思いますが、例えば私共は芋がうんと出ることは、食糧需給操作の上で非常に結構なことであつて、それによつて赤字が出たことは、これは決して失敗じやないと考えたおるのでありまして、その辺はいろいろ考え方が違います。
  76. 小川久義

    ○小川久義君 考え方じやない現実の問題です。
  77. 門田定藏

    ○門田定藏君 簡單にお尋ねいたしたい、今年の供出について。収穫の予想が、我々農業者の考えておつたことはですね、非常に減収になつている、約二千万石も全国的に減つている。いずれ実態調査があるだろうと思いますし、実態調査の結果、いよいよ農村が減収であつて事前割当の完納ができないという場合、その場合に私は米の代用供出として甘藷をですね、甘藷馬鈴薯を認めるということを希望するんですが、これについて政府当局のお考えがないか、方針を聽きたいと思う。  尚この本年の減収というものは、我我何十年農業としておる者が稲を刈つて見たところが、稲の束の数は、昨年より相当殖えている、昨年より相当増収になるかも知れんと楽しんでおつた結果が、精米にして見たところが意外に減収になつている。この減収たるや、暴風雨でもないし、虫害でもないのに、今年は減収が実際にある。この減収の原因について、当局は詳細にこの原因を科学的に調査を進めて貰いたい。これについて当局の御意見が聽きたいと思つております。  それからもう一つ輸入食糧の三百四十万トンというものがです、ちよつとさつき長官の説明を聽き落しましたが、日本金にして幾らになるか、日本石数にして二千南百万石と聽いたけれど、はつきり、ちよつと聽き落しましたからその点について一つ説明願いたいと思います。
  78. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 本年の作況に鑑みて甘藷の代替供出を認めるかという点でありますが、これは前年度と同様に甘藷の代替供出は認めないという方針で行く予定であります。ただ本年の米粒が相当薄手であるという実情も分りますので、五等米を設置いたしまして、従来でありますとこれを制限附で買入れておつたのでありまするけれども、これを全面的に各県において買入をして、幾分なりとも生産者の苦しみを緩和いたしたいと考えております。  それから今年の作況の悪かつたことについては、原因を究明するつもりでありますが、農政局所管でありますので、私からも連絡をいたしますが、実際非常に初めはいいということで褒め過ぎちやつて、最後は非常に悪いということになつたんで、いろいろな農業技術の指導上においても問題があるのではなかろうかと思いますので、よく農政局長にお伝えして置きます。  それからさつき数字で三百四十万トン、これを石数に直しますと二千四百……後で申上げます。この価格でありますが、これは品種別にいろいろ違いますし、それから例えば小麦にいたしましても、コンマーシヤル・フアンドの分はどこから入れるか、アルゼンチンから入れるか、オーストラリアから入れるか、これによつて価格が変つて来るわけであります。一応の概数であれば弾き出せるかと思いますが、只今のところ総金額というものを弾いておりませんので概数を弾いて……
  79. 門田定藏

    ○門田定藏君 それでは後日でよろしうございますから、総金額を調査になつてからで結構です。もう一つ伺います。それで重ねてお伺いしたいのですが、我々としてもです、米の供出が可能であれば米を供出するのですが、実際調査の結果、いよいよ供出が、本当にする分がない。甘藷の代替か何かせねば農民は供出する米がないという場合が分つております。はつきり分つて甘藷等の代替は断じて政府はとらない、明年は、明年の生産ができないでも甘藷の代替は認めないという方針ですか、それをはつきり聽いて置きたい。
  80. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) どうしてもないというものはですね、これはまあとるわけには行かないと思うのです。これは従来もそういうことで来ておる。ただそのないという原因が、これはまあいろいろな事情がありまして、本当に穫れないでない場合もありましようし、まあ穫れましても外に使つちやつてなくなつたという場合もあるし、これはやつぱしやかましく言いますれば、一人々々よく実情をはつきりさして、そうして本当に穫れないでないのだというものについては、これはとれないものだと思うのであります。そういう措置も例外的には講ぜざるを得ないかと思つております。
  81. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 二十五年度甘藷四億万貫、馬鈴薯一億五千万貫を買入れるという計画のようでありますが、そこでそれを生甘藷、生馬鈴薯で何ぼくらい食糧配給する御計画がお伺いいたします。これは非常に明年度の農業計画に必要があるので、私は本当なら的確の数字を知りたいのでありますが、そこまでは行つておらんようでありますから、大体のことで結構であります。  それから食糧が非常に緩和されて今までやつておりました米、麦、大豆その他あらゆるものの雑穀、その他までずつと入れておりますが、「とうもろこし」「あわ」「ひえ」のごときものもまだ入つておりますが、例えば落花生まで入つておりますが、この際相当に重要な穀物だけにして、後の物は統制を外すというお気持があるかどうか。殊にえん麦が入つております。このことを一応お伺いしたいと思います。
  82. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 来年四億或いは一億五千万貫うといたしますと、これはやはり原則として私共はそのままの形において配給をしたいと思つております。それで例外的には加工形態を採る場合もありますが、今のところどの程度を加工形態にするかということは決めておりません。今後の問題でございます。それから雑穀で、こういう状態になれば、外していいものが相当あるのじやないか、これは私も御尤もだと思います。それで落花生その他の問題については、やはり向う側と申しますか、関係当局とよく折衝してその辺を決めて参りたいという考えはしておるのでありまして、いろいろ話もしておる段階でございます。
  83. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 明年はえん麦が相当に増産されると思つております。そこで内地の需要は、尤も競馬が盛んになつ関係もありましようが、非常にえん麦を要求しているようでありますが、このえん麦を、これは人間の食糧になる分は微々たるものであります。主として飼料に廻つておるのでありますが、この統制はどうお考えになつておりますか。
  84. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) やはりえん麦は北海道として非常に重要な作物でありますし、尚食糧自給の面から申しましても相当役立つておる。併し又一面馬糧としての性質も相当あるのでありまして、現在の段階においてこれを直ちに外すということは、私はできないと思いますけれども、状況が好展して参りました曉には、再考慮をして行くべき性質の作物であろうと思つております。
  85. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 東京に始終おりますと、オートミールを是非出して来いと、こういう注文が非常にあるようでありますが、オートミールは、御承知のように日本ではそうではありませんが、諸外国では非常に上品な食糧であります。そこでオートミールを出すことに計画するならば、そのような作付をし、種子から選んでかからなければならんと思つておりますが、そういう考えを持つておることは無理かどうか。
  86. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) どうも見込みでありますので、私も何とも申上げかねますが、差当りはちよつと無理じやないかと私は思つております。
  87. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 今のところ無理ですか。
  88. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 来年あたりまではそれは無理じやないかと考えとおります。
  89. 山崎恒

    ○山崎恒君 甘藷類の統制撤廃は、政府としても相当重大決意をして、将来の食糧需給見通しをつけての今度の決断と思われるのでありますが、而もさようなことで、従来の甘藷は三十日前後も配給して初めて日本食糧事情がバランスがとれておつたのを、これを半分以下に買上げを停止し、而も統制を撤廃するということになりますと、強いところのこの供出というものは、強制されないわけになりますが、そこで主としてこれが補いは輸入食糧に仰ぎますということになるのでありますが、この輸入食糧の今度年の三百四十万トンという数字については、少くも本年度は聞くところによりますと、外国の、米穀圏内の穀類の生産状況は非常に好転されておる。併しながらこれが永続的に輸入の見込があるのかどうか。再びこれが輸入がこれ以下に引下つたという場合に、国内のですは外し、従つて再び日本食糧需給が非常に窮迫する虞れがないがどうかというような点を一つお伺いしたいのであります。  引続きまして、芋の買上げの操作の問題が先程、目下研究中だというようなお話があつたのでありますが、少くも商品として買上げます上におきまして、今度は統制が撤廃されて、大枠で恐らく四億万貫或いは一億五千万貫の甘藷並びに馬鈴薯は、政府は予約栽培なり、或いは従来の供出割当の実績によつて特約制度の方法をとろうと思われるのでございまするが、そこで価格の面が、特に私は先程も申上げたのでありまするが、ここで長官は、従来芋類は割り方高価であつたというような発表をされたのでありまするが、ここで急にこの統制を外したために、政府の買上げるところのですの価格を引下げるということがあるとしたならば、農家の蒙むるところの打撃はひとり芋類ばかりでありませんで、非常に大きな打撃を蒙むることに相成ろうと思うのであります。従いましてこの買上値段に関しましては、飽くまでも米に準じたところの価格の取り方を要望いたしたいと思うのであります。  又買上方法につきましては、従来公団の藷類局そのものの取扱が、單に伝票制度のみによつて買上の中間のマージンを主張しておつたというに過ぎないのであつて、ここに私は赤字の原因が相当織込まれておる。例えば七億万貫買上げるところの藷類に対して、五%乃至六%の欠減腐敗量をすでに見込んでおるということが、非常な私は芋類買上の欠陥でなかつたか、かように思われるのであります。さような点から考えますと、現在全国に作られましたところの農業協同組合は、殆ど各町村全部できておりますので、かような組織を十分に活用してこそ、政府食糧政策の強力なるところの私は機関に相成ろうと思いますので、今後の買上方法については、十分政府の考えられる意図をその辺に織込むことを要望いたします。又その点について長官の一つ御意見をお伺いいたしたいと思うのであります。
  90. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 芋を四億万貫だけ買つて、外を外す、外国食糧見通しも今年はいいが、将来に亘つて必ずしもどうとも言えないのだから、その辺はどう考えておるのかというお尋ねだと思います。勿論農作物でありますから、漸く生産条件が回復して参りまして、順次この上昇カーブを辿つていることはこれは否めないのでありまするが、農作物でありますために、どういう年が来るかもこれは分りません。そうした場合に、芋を、つまり現在やつておりますような統制方式から外して、そうして主食用の四億万貫だけを買つてやるということじや不安じやないかというお話でございますが、私は統制を外して四億万貫程度政府が買つた場合に、甘藷の減産がどういうことになるかということが一つの大きな問題だと思います。これはいろいろ見方があろうと思いますが、いろいろな方々の御意見を聞きましても、減るといたしましても一割から二割程度のものじやなかろうかという御意見を承つております。まあ一割合じやなかろうか、又品質は相当よくなるということも言われております。そういうので食糧としてのですが日本からなくなるのではありませんで、これの消費の形態、ルートがつまり政府配給でないという形において消費されるということでありますので、形式的なとも申しますか、二合七勺ペースには入れないけれども、その他はやはり食糧として消化されるものでありますから、その意味においては、そうおつしやられる程悲観すべきものでない。従つて今後努力いたして参ります点は、如何にして芋の生産を保続して行くかという点に政策の重点を置くべきではなかろうかというふうに考えております。  それから芋の買上価格、買上の方法等について、いろいろ御示唆を頂いたのでありますが、これは私共いろいろ各観点から研究いたしたいと思いますので、御意見も十分承わりまして立案したいと考えます。尚価格の点は只今御指摘のありましたように急激にこれを安くするというような方法はとるべきでないと思つております。
  91. 板野勝次

    板野勝次君 先程数字が分らんでありましたからそのままだつたのですが、芋の統制撤廃をして余るのじやないかというのに対して、余らんだろうという御意見でありました。今数字を見たらそれが分つたのでもう一つ確めて見たいと思います。総供給高八千六百六十四万七千石でありました。それに対して需要高が六千百八十二万七千石、差引二千四百万石、そうしてその中から芋が四億貫、馬鈴薯が一億五千万貫で、大体換算すると三百六十九万石になるのであります。そうして差引きましても相当な数値が残るし、仮に平均五勺配給したにしても、その差額は余つて来るような計算になるのでありますが、僕の計算が違うのか、何ぼやつて見ても余る計算が……
  92. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) それは先程申上げましたように、配給の面ではそういうことでありますが、農家保有の方を、まあ芋を外すということになれば、農家保有から外して考えるのが適当じやないか、そうしますと、つまり米とか麦類の供出減がそこに出て来るわけであります。供給量としてその辺を弾き出しますと、そう沢山の持越にはならないということを申上げたのであります。
  93. 板野勝次

    板野勝次君 少し持越しになるわけでありますね。
  94. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 持越になります。
  95. 板野勝次

    板野勝次君 数字が全体として平均五勺ずつということになりますれば、赤児もいるのだし、してみると仮に一千四百万石にして見ると余るだろうし、それから農家がやはり大きな分量を横流しをしているというのも、外国から食糧が入つて来ればやはり出て来るという計算になつて来ると、どうもだぶつくような感じしか出て来ないのですが、農家が完全に飯米を確保して尚且つ食糧が過剰になる計算しか出て来ないのですが、もう少し検討して或る程度輸入食糧と見合わした本当の意味需給推算というものを示して貰いたい。
  96. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) この十一月から来年の十月までの需給推算につきましては、その事情も十分織り込みまして、前提条件が近いうちに必ず整いますから、はつきりしたものをお示しいたします。  それから先程お尋ねのありました二十五会計年度の大体三百四十万トンの金額の推定でありますが、これは非常に概算を弾いたので正確ではありませんが、大体九百億見当になろうかと思います。
  97. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 外に御質疑はありませんか。ちよつと私から確めて置きたいのですが、先程芋の統制の撤廃について、赤沢さんからの話で供出後の自由販売についての法的根拠は分つたのですが、元から全部外すということは法律の改正を要せずしてできるかどうか、それを皆さん前からいろいろ問題にしておられるのですが、その点一つ説明して頂くといいと思うのですが。
  98. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 十分研究はしておりませんが、食確法の建前もありまするので、法律の改正を必要とすると考えております。
  99. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) そうすると法律改正をせず、或いは芋の統制を撤廃するということを決めても、その統制撤廃は意味がないというふうに理解していいのですか。それも聽きたがつておられるのです。
  100. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 若し閣議の最高方針として、芋は買わないのだというような措置を講じますれば、それは法律を改正するという前提で、そういう決定になるのだと思います。
  101. 羽生三七

    羽生三七君 それでどうもやはり芋だけでなしに、農産物全般について、例えば薪炭需給特別会計で一手販売、一手買入の制度を設けられたら強いて買わなければならんということからいろいろ問題が起つたのです。同じような問題が次々と統制撤廃によつてつて来るのだと思うのだが、少し研究して置かんと……
  102. 板野勝次

    板野勝次君 それに関連して、今の計算から行つても、どうしても芋の統制撤廃をやつてしまつても尚食糧が余つて来るというふうな関係になつて来るのに、戰争中から作れ作れと言うて、今羽生君が言うのと同じように、ここで統制を撤廃してしまつて、一体作付の転換と言つたつて、そう芋の作付の転換というものが必ずしもできるとも限らないので、そうすると或る程度まで薪炭の問題と同じようなほうりつ放しにするのじやなくて、或る程度までのこういう転換に伴う芋類の補償制度のようなものも考えられる必要があるのじやないかと思うのです。例えば輸出の滞貨なんかについては、金融の保証とかその他の補償制度というものをどんどん設けて行くけれども、農民の場合には何らのそういう補償制度のようなものを設けて、政府の責任において政策を転換するという場合の補償がない。これはどうしても考究して農民に迷惑のかからないような方法をとつて貰いたいと思うのです。それに対する御見解を一つ、御無理かと思いますけれども……
  103. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 御説のように、戰争中又戰後を通じまして芋の食糧需給緩和の面において果しました役割は非常に大きいと思うのであります。従つて政策の急激な転換をして、これを放任してしまうというようなことは採るべき方針ではないかと思います。その際に補償制度的なことを考えるかどうか、まあそういう意味も兼ね合せまして、やはり一種の価格支持的な政策として、政府が買うという方針も必要じやなかろうかという点からも実は考えておるわけであります。急激に作付転換を考えましても、これはなかなか実行はできないと思います。又そう時間をかけましても、これだけの面積のものを、外に転換する作物というものはそうなかろうかと思うのです。従つて漸進的に参りまして、その間にいろいろ芋を原料といたしまする諸工業の発達なり調整を促しまして、そうして芋の価格が或る程度に保持され、有効に使われるという政策に移行して行くべきものじやなかろうかというふうに考えております。
  104. 板野勝次

    板野勝次君 従つて政府は何かそういうものを具体的に用意して貰わないと、輸入食糧による被害もあるということだから、できれば或る程度までそういうものを立案するような約束がして貰えるというわけには行かないものですか。
  105. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) その点は私共農林省といたしましても、農政局なりその他とも連繋をとりましていろいろ検討を加えておるところであります。
  106. 山崎恒

    ○山崎恒君 今板野さんが御意見を出された芋の生産農家に対する補助政策ですが、これは私は本会議でも申しましたが、政府が今日まで重要視していた芋を急速に統制を撤廃するということになりますれば、勢いこれは買上値段の問題は、一時その線で買上げられるとしても、他のですは必ずこれは叩かれる虞れがある。そこで農家の蒙る打撃は大きい。殊に芋の品質の問題が取上げられるのですが、従来のですは増産一方で、沖繩とか或いは茨城一号とかいうような反当り千貫乃至は千二百貫というようなものができておつたのですが、奨励試作として、政府が種芋の問題について、転換する種芋が、一時どの県でも相当増産用の種が普及されておるので、固いところの農林系統のですの種というものの確保が非常に至難だと思う。でありますので種の面で価格補助の政策をとるとか何とかいうことで、日本全国のですの品種の改良を、政府みずからが政策的に又予算の面で助成的にすることが、転換し又農家のためになるのじやないか、国のためになるのじやないかと思うのであります。そういう点も一つ考えて貰つたらどうかと思うのであります。
  107. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) その通りだと思いまするので、十分研究いたします。
  108. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 食糧庁長官ばかりお聽きして御迷惑をかけておりますが、農政局長がおいでになつたのだが、これからお聽きしたいと思いますが。
  109. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 食糧需給に関連してお聽き下さい。
  110. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 二十五年度の予算が来月の十一日か十二日に提出されるということになつております。予算が提出されるようになつておりますと、日本食糧需給計画が決まつておると考えておる。そこで我々一番心配いたしておりますことは、政府食糧計画は、今までは行きずりばつたりであつて、何らの計画もなかつたということであります。そこで非常に変動期に向いまして、水田か麦を作つておる百姓ばかりならこれは大した計画的なものも要らないと思うのでありますが、いろいろなものを作つておりまして、今農林省で二十五年度食糧増産計画ができておらんということであつてはならんと思います。その点は何より皆さんの狙うところでありますから、今立てております農林省の行きずりばつたりでない、真の日本食糧計画をこうして行くのだという方針をお示しになつてつて、それから徐々にお聽きしたいと思いますから、その点説明を願います。
  111. 藤田巖

    説明員(藤田巖君) 日本食糧事情も非常に変つて参りましたし、将来の農業計画は、やはり世界農業の一環としての日本農業というように結びつけて考えなければならん面もあるわけでありまして、お説のような従来の一定の米麦等を非常に偏重いたしますような政策につきましては、これは漸次変つて行くべきものであろうと思つております。従つて私共といたしましては、やはり農家経営に弾力性をつける、そうして農業計画というものが本当に農家の自主的な計画によつて立てられる、そういうふうな方向に行くことが適当である、我々といたしましてもそういうふうな面から、将来の農業計画を立てます場合には、單に主食偏重というふうなことでなく、できるだけそういうふうな農家の自主的な経営を採入れて作つて参りたいという気持でおるわけであります。それにつきまして北海道なんかでは五カ年計画というふうなものをすでにお立てになつております。私共も趣旨においては非常に賛成でございまして、今後漸次各地方庁においてああいうふうな計画が立てられ、それができるだけ採入れられるように進んで参りたいと考えております。
  112. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 今の局長のお話では、農家が自主的に計画を立てて、それを成るべく採入れて行きたいというお話でありまして、日本政府としては何等の計画もないようでありますが、適地適作に我々の方で立つたままを採用してそれによつて計画を立てられるということは、簡單ではありますが、それでは国の政策ではないのであります。もう今日になつて、予算が提出されるのに確たる方針がないというような政府では困る。農林大臣にお聽きしてもこれも余り分らんと思う。それより事務家の方がいいと思うのだが、その事務家も同じ。それではどうするか。そんなことでは日本の国は相変らず行きずりばつたりをやつておることになる。そこで百姓の今後の一番困ることは、農村の経済恐慌ということでありますが、一昨日の討論会で増田官房長官は、農村に恐慌は来ておらん、そんなことを言われては困る、そんなことを言つておられましたが、全く知らんにも程がある。日本の農村の実情は、去年は農業手形を二十四億借りて事は済んだ。何とかそれが減るように願つておりましたが、二十四年度は百五、六十億にも達したということで、段々深みに入つております。そこでそういう高い、生産に必要なものを使つて生産したものは下るに決まつておる。インフレでありませんから、デフレになつて来る以上は、そういうことになつて来ると思う。百姓は予想以外の迷惑を蒙ります。そこで百姓は米麦の外何を作るがいいかということを考えねばならんと思う。それを我々が中間におつて何とか示唆をし農業経営に遺憾なからしむるようにすることが我々の責任であるに拘わらず、あなた方の立てたものを総合的に考えてみて、それによつて行こうというものがちつともない。それでは日本の将来は非常に不安であるから、局長は一刻も早く総理大臣なり閣僚に相談するなりして日本の農業の大方針を立てて貰わんと、ないというならそれでいい、立たんというならそれでいい、それでよければ結構だが、きよう日になつて予算がもう十日くらいで出るというのに何もないということは甚だ遺憾だと思う。その点僕の考が違うかどうか聽きたい。
  113. 藤田巖

    説明員(藤田巖君) 御意見は私共全然同感でございまして、正しくそういう方向に行かなきやならんと考えております。各種の農作物につきまして、やはり一定の何と申しますか、需給の面を見合いまして、この程度生産であるならば、農産物価格も維持され、又安定するというふうなことを、これは国際農業とも通じてこれを考えて行かなければならないと思うわけです。将来の農業政策の基礎というものは、やはりそういうふうな計画が立つて、それに基いて大体こういう作物はこれくらい作ることが望ましいという計画を指示いたしまして、そうしてそれによつて農家がおのずと自主的な経営を、それを目標にしてやつて行くという方向に私共はやつて参る必要があると思つております。お話の点については、私共は十分研究いたしておるわけでありまして、至急これがそういうふうな方針が確定いたしまして、指示できるようなふうにしたいと思つております。
  114. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 実はひとり局長ばかり責めてもいかんのですから、これ以上申上げませんが、そこで農林大臣と安本長官を呼んで貰わなければいかんと思う。これは安本長官の計画数というものを出しております。それでこれを実行するについては予算が伴わなければできないので、五ケ年計画などがある。それで安本長官か、できれば大蔵大臣も呼んで来て膝詰め談判をしてでつち上げるということにしたいと思います。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  115. 門田定藏

    ○門田定藏君 運営について、今日は大臣も見えんようですし、大体他に会合もあるし、いつまで委員会を続けられる積りですか。今日はこの辺で打切つて貰いたいと思いますが。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  116. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 今の安本長官、農林大臣は明朝出席を要求いたします。   —————————————
  117. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それからちよつとこの際御報告申上げておきますが、たびたびこの委員会で薪炭需給特別会計の問題について御審議を煩わしまして、その際にその都度当局から参考資料を徴しておつたのでありますが、今お手許にお配りいたしました薪炭対策沿革というこの綴りでありますが、これは私共の委員会で要求された資料を便宜とりまとめてお手許にお配りいたしましたので、今までやりました委員会における資料と重複しておるものもあると思いますが、御参考のためにお配りいたしましたから、御覧を頂きたいと思います。   —————————————
  118. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それから最後に問題になつておりました單作地帯の明年度の予算につきましていろいろな経過がございましたので、その経過を簡單に農政局長から御報告を承わることにいたします。
  119. 藤田巖

    説明員(藤田巖君) それではちよつと單作地帯の折衷苗代或いは紫雲英の種の生産助成の予算が、今年度は一億でございましたのが、昭和二十五年度には大体二億四千万円ということで、一応日本政府部内においてはまとまりまして、司令部の方に今それのアプルーブの手続が進められておるわけでございますが、それに関いたしまして、單作地帯の予算という、むしろこれはさしてこの際重要でない、重要でないと言うよりも、他に必要な予算の増加をしなければならん関係上、而もそれを一応認められました農林省予算の範囲内でこれを認めなければならんという関係上、何かすでに認められたものから削減をしなければならんというふうなことがございまして、單作地帯の予算を、昨年も認められました北海道の分と併せまして全部で二億四千万円、これを削つて、これをそれだけの必要な予算、例えば農地関係の予算でありますとか、改良局の予算でありますとか、農林省の行政滲透の問題でありますとか、そういうふうな方面の支出増に振向けたいという話があつたわけであります。一度、それは私共といたしましても非常に困るということでお話をいたしました。これについては楠見委員長からもわざわざおいで頂きまして、いろいろお話も頂いたのであります。一時それで御了承を得ておりましたのでありますが、一昨日又NBSの方からお話がございまして、どうしても外の方を認める関係上、財源としてこの分の削除をしたいという話が又起つてつておりますので、これにつきましては私共といたしましては、すでに認められた予算については、これは日本部内においてすでに必要ありとして決まつたことであるからして、これはそのまま認めて頂きたいという話をしておるわけであります。昨日私は参りませんでしたが、会計課長がNRSへ行つてお話をいたしましたときには、やはり非常にむずかしいような様子であつたのであります。本日も確か大蔵省の財務官、それから主計局関係の人と、それから会計課長と揃いまして、全部行きまして交渉を確か続けられておるわけであります。会計課長が行かれました結果は、まだ交渉中で決まらないというふうなことに相成つております。非常に我々の予算が危くなつておりますわけであります。その点を一つ御了承頂きたいと思います。
  120. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それではこの程度にしまして、明朝は十時から開会いたします。本日はこれにて散会いたします。    午後五時八分散会  出席者は左の通り。    委員長     楠見 義男君    理事            羽生 三七君            平沼彌太郎君            石川 準吉君            藤野 繁雄君    委員            岡田 宗司君            門田 定藏君           池田宇右衞門君            柴田 政次君            高橋  啓君            星   一君            赤澤 與仁君            加賀  操君            徳川 宗敬君            山崎  恒君            板野 勝次君            池田 恒雄君            國井 淳一君            岡村文四郎君            小川 久義君   政府委員    食糧庁長官   安孫子藤吉君   説明員    農林事務官    (農政局長)  藤田  巖君    農林事務官    (食糧庁企画課    長)      安田善一郎君