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1949-11-26 第6回国会 参議院 農林委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十六日(土曜 日)    午後一時三十五分開会   —————————————   委員の異動 十一月二十五日(金曜日)委員北村一 男君辞任につき、その補欠として池田 宇右衞門君を議長において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林関係税制に関する件   —————————————
  2. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) それではこれから委員会を開きます。本日はかねてこの委員会でも重大な関心を持つておりました税制改革の問題につきまして、大蔵省から原税制課長がお見えになりましたので、シャウプ勧告中心にいたしまして農業関係における税制改革につき、目下大蔵当局の方において種々御検討中のようでありますが、明年度以来のその問題についての大体の構想を承わることが一つと、それからもう一つはこの国会所得税法臨時特例等に関する法律案と、物品税法の一部を改正する法律案織物消費税法等廃止する法律案、この三つ法律案がかかつておりますが、大体織物消費税法等廃止する法律案は、これは全般に通じた問題でございまするし、特に御説明を伺う程のこともないかと思うのでありますが、所得税法臨時特例等に関する法律案につきましては、勤労所得控除の問題と併せて、その法律の第二條に例の青色申告に関する事柄、それから青色申告ではございませんが、山林所得につきましては一定の帳簿を備えさせて、その帳簿によつていろいろ課税或いは経費控除についての税務署税務執行上の基準にすることになつておるのでありますが、法律規定だけではその内容が明らかでございませんので、その問題に関連して一応の大蔵当局構想なり或いは内容等を伺うというふうにしては如何かと、こう考えたわけでございます。  又物品税等につきましても、農業関係のことにつきまして御説明を伺うことにいたしたいと思います。御説明を一応伺いまして、それから御疑問のところは御質疑を頂きたいと存じます。それではどうぞ。
  3. 原純夫

    政府委員原純夫君) 税制課長の原でございます。シャウプ勧告の中で農業に関連する事項というものを上瀧さんがお書きになつて、お手許農林時報の中に入つておりますが、これを御覧になりながら、シャウプ勧告中心とする税制改革においての農業関係の問題について、その多くは通常国会に提出されます法案で具体化されるということになるわけでありますが、それについてまだ未定の点が多々ございますが、現在の話の進み二合、我々の考え方というようなものを申上げて御参考に供したいと思います。  先ず所得税でありますが、御覧通り税率基礎控除扶養控除勤労控除というようなものがそれぞれ、変つて参ります。これにつきましては新聞で御覧通り政府としましては、歳出を極力節約いたして、財源の許す限りシャウプの言うよりも、もつと出たいという考え方で、今折角努力いたしております。これはどういう結論になりますかまだ何とも申上げることのできない段階にあります。シャウプの言うところによりますれば、基礎控除は、ここにありますように、一万五千円から二万四千円になり、扶養控除は現在は扶養親族一人について所得税額で千八百円引くということになつておりますのが、所得金額で一方二千円引くということに改められ、勤労控除は現在の二五%が一〇%になり、それから税率はそこで御覧通りに、現在は二万円までのところが二〇%、五百万円を超えますと八五%というように、相当上の方まで、そうして相当高い税率まで累進税率が盛られておりますが、シャウプの申しておりますのは、五万円までのところの二〇%から三十万円を超えるところの五五%、それ以上はどこまで行つても五五%一本で行くという考え方を出しておるわけであります。農業の観点から見ますと、そのうちこの先ず終いの方からになりますが、勤労控除が下つたということは、逆に農業営業その他が相対的に優遇されるということになるわけであります。それを本年分の所得税については、特に農業営業等に一五%の控除を與えようというシャウプの案でありましたが、これは御存じのような経緯で遂に日の目を見ずに終ることになつたわけでありますが、来年から農業関係にこの面で相対的に有利なファクターが出て参る。それから扶養控除シャウプの言います改正は、相当扶養親族を持つておる人に有利なようにできております。一万二千円所得控除されますと、最低の税率二〇%のところで控除されましても二割二千四百円税金は下る、これは段々所得が多くなりますと、尚余計下りますので、これは相当有利である。農業御存じ通り扶養親族の数が一般に比べて相当多くなつております。その関係でこの利益も受けることが大きい。尚そこに書いてございますが、我々従来專従者控除と申しておりましたもの、これは今制度にはないわけでありますが、農家において成年子供が父親の手伝いをして農事にいそしんでおる。成年者であるために、この扶養控除は認められない。同時に所得はみんなお父さん所得であるから基礎控除も認められない、何の控除もない。これは非常に酷ではないかという御意見が大分ございました。我々も御尤もと思いまして、これを何とか物にしたいというふうに考えておりましたが、うまい工合にシャウプ勧告もこれを入れるようなことを申しておりますので、これは本国会に提案されます所得税法案には必ず入ることになると考えております。税率あたりでも相当問題がありますが、特に農業の面でいうことは別段ございません。あといろいろこの特別の不具者医療費、火災、盗難等控除というようなこともございますが、その次にあります同居親族合算税という点、これもまるきり田舎の農家はそうではないでしようが、割合に町や市に近いというようなところの農家働きに出ておる、働きにと言いますのは、町の会社や工場に勤めに出ているというような人が、やはりこのお父さん農業所得合算されるということに現在なつておりますのが、これが別々に計算して税を納めればいいという意味相当軽くなるというようなことが出て参ります。総じてこういうその控除税率変更によりまして、シャウプは全体として税額は三分の一ぐらい下るのだということを申しております。この場合、この非常にお耳に入りにくいものと思うのでありますが、法律上の負担軽減と、それから実際の税額負担軽減ということを別にお考え頂きたいと思います。法律上の負担軽減度合は、只今申上げましたような税率控除変更をいたしますと、重いものについては相当つて参ります。勤労控除扶養控除等で有利な影響を受ける度合農業については強いということでありまして、数字で申上げますれば、先ず農業平均所得を十万円と仮に見まして、そして扶養親族が四人おるというところで計算いたしますと、現行税法では所得税が一万六千五十円かかると、これがシャウプ案で行きますと、五千六百円ということに減つて参ります。実に三割五分に減つてしまり。約三分の一に減つてしまうということになるわけであります。そこで法律上の負担は多少減つて参ると、つまり所得金額が同じであるならば、その程度に減つて参るということになるわけでありますが、シャウプは同時にこの実際の現在の申告状況課税状況相当成績が悪いと、従つて正直な申告を出し、又税務署も正確な調査をして決定するならば、実際の所得はもつと殖えるだろう。その結論として、農業については実際納税すべき額はそう大して従来と変らないであろう。営業においてはむしろ従来よりも殖える筈だというようなことを申しておるわけであります。この辺は数字的にはつきりはじいた根拠を置いて言つておりませんし、恐らく大体の直感で言つたものと思いますが、法律上の負担軽減と実際上の税額というものは、その間に、申告の角度、それから税務署決定の確さという問題が入りますので、実際上の税負担は必ずしも法律上の税負担変更通りにはならないという点をお含み置き願いたいと思います。大体所得税については大きな点は、そんなところでありますが、この非常にしやれた制度ではありますが、面倒な制度シャウプ勧告しております。税の変動所得平均課税という問題でありまして、これにはちよつと出ておりませんが、例えば林業所得漁業所得のような、年によつて所得に大きな変動があるというものについては、今年は非常に收入があつたという年にその年だけで税率を適用すると高い累進税率のところまで一ぱいかかつてしまつて気の毒だというようなことで、その所得を数年間にならして、それによつて税率の適用を考えるという制度勧告しておるわけであります。これも所得税改正法案に盛り込んで参りたいと思つておりますけれども、実際上の納税者手数、それから税務署側手数ということも考えまして、この制度勧告した本旨に悖らない範囲において極力簡便な方法によつてこれをやつて参りたいというようなつもりで、只今研究を進めておるわけであります。そこで農業につきましては、特別な問題として例の源泉徴収の問題と納期の問題がございます。源泉徴集につきましてはシャウプは主食及び煙草による所得が総所得の七割以上のものについては源泉徴収をやるようにということを申しておるのであります。いろいろ農家納税上の便宜、或いは資金の出入りというようなことから考えまして、これに長所がありまするし、又課税の上から行きましても、これで相当程度の額が入つて来るということになりますると、農業関係の税の執行がかなり円滑に参るという考え方でこれをやつて参りたい気持も相当強いのでありますけれども、同時に皆樣御存じと思いますが、これに対する農民側反応、又農業団体側反応ということも相当注意をもつて見守つておるわけであります。農民反応というのがどうもはつきり分らないのでありますが、少くともそれを集約する立場にあられる農業団体の側においては、この源泉徴収につきましては、まず消極的な態度を持しておられます。農民自体の声はいろいろな輿論調査式なもので調べたものが、案外やつた方がいいという結論が出て参つておりますが、これは例の超過供出報奨金に対する源泉選択式源泉徴收ということを考えてお答えになつたものかどうかというような疑問もありますし、その辺ちよつとはつきり見当がつかないでおるわけでありますが、この問題は尚これから関係方面とも折衝いたさなければなりませんが、そういう農業団体の御意見というものを十分採入れて、我々といたしましては、この源泉徴収の方式を採るにしろ探らないにしろ、農業課税というものについて、十分農民及び農業団体の協力が得られるように、そうして最もなだらかな方向に行きたいというつもりで、只今案を進めておるところでございます。これをやらないで行くか、どうしてもやるかという、はつきりした点について、只今申し上げられないのが残念でございますが、そういうような状態になつております。納期につきましては、一般納期が六月と十月と一月ということになりますが、これに対して農業では七月と十一月と二月というふうにそれぞれ一月ずつずれるというような納期勧告されております。その通りやるつもりでおります。これが單作農家等につきましては特例のあることは御存じ通りであります。  それから次に執行面青色申告の問題、只今委員長からお話のございました問題であります。これは今回の三つ法案の中の一つに入つているのでありまして、青色申告制度本体は、通常国会にお願いいたします法案で参りたいと思いますが、所得税は暦年で一月から十二月までを基礎といたしますので、何か帳簿について定めておかないと後になつては手当がつかないということを考えまして、所得税法臨時特例等に関する法律案二條としてこの関係のことをうたつておるわけであります。これは本格的にはしつかり帳簿をつけて、そうしてこれでよろしいと認めて青色申告用紙を渡すという方については、損金の繰越しであるとか、或いは償却の問題であるとか、或いは更正決定の際に丁寧な扱いをするというようないろいろの恩典が入るわけでありますが、只今はその本法自体がまだ未定でありますので、ここには帳簿について記載事項その他必要な事項を定めることができるということにいたして、記載事項その他を一般に申し上げて、そうしてこういうようなことを書いた帳簿をつけておいて頂いたらば、後で本法が成立いたしました場合に青色申告用紙基礎になりますということを申し上げて行くわけであります。そこで問題はどういう帳簿をつけておつたらいいかということなのでありますが、誠にこれは遅れておりまして申し訳ないのでありますが、まだ最終的に外部に出せる程度にまとまつておりません。この週来から来週早々にかけて決定いたしまして出したいと思うわけでありますが、いろいろ営業方面でも商工会議所その他で帳簿運動というのが大分最近盛んになつております。シャウプ青色申告のアイデアが出る前から盛んになつております。農業につきましても相当その運動が従来盛んであります。そこで命令規定します記載事項というのは、つまり記載事項であつて、こういう枠、こういう欄を設けて書いて呉れというような帳簿形式、雛形を命令で定めるということはしないつもりでおります。いろいろ業態の区分もございますし、事業の規模の大小もございます。余り画一的、形式的に決めて参るということは如何かと思われますので、こういうことを記載してほしいということをうたいまして、そうして実行上いろいろ民間の団体等でこういう帳簿で行こうじやないかというような何をいろいろお考えになつておる分、又これからお考えになる分、そういうようなものの自然発達に俟つて参る。勿論そういうようなものをいろいろ拜見して、若し御注文があれば、御注文を入れるということになると思いますが、要はそれによつて所得が明確に分るということでありますので、それに必要ないろいろな事項について記載をお願いするという考え方で行きたいと思つております。例えば棚卸しの関係、或いは金の出し入れ、物の出し入れというような関係、いろいろ帳簿につける事項があるわけでありますが、大体所得決定するに必要であるという限りにおいての事項をお願いして参るということになろうと思いますが、一々は細かいものまで申し上げるのを省略いたしますが、大体只今いろいろな団体で指導しておられます樣式相当部分が、この要求に合うのではないかというふうに考えております。若干附加えて頂くというようなところがあるかも知れませんが、現在に行われておりますものも極力尊重して参りたいというふうに考えております。帳簿樣式なり記載事項なりにつきましては、どの程度のものを要求するかというのが非常にむずかしい問題であるのでありまして、農業もそうでありますが、零細な小規模の経営の場合に、どの程度記帳條件というものを要求するかということが相当問題であるかと思いますが、余りに荒唐的なものであつてもいけない、同時にそれによつて所得はつきり分るという要求だけは貫ぬきたいというあたり相当苦心が要るというふうに思つております。或いは段階的にその間の妥協を図るより仕方がないのではないかというようなことも考えながら、今案を最後的にまとめつつあるところであります。  次に法人税関係でありますが、法人税では農業関係としましては、例の特別法人であつたもの、協同組合その他に対する課税がどうなるかという点が問題であろうと思いますが、これは我々も特別の現行の二五%税率というものを止めて三五芳一本で参りたいということを考えております。但し事業分類に応ずる配当損金に見るという規定は、従来通り活かして参るということにいたしたいと思います。これは何か税率の引上げのような感を抱かれますかも知れませんが、法人税につきましては、シャウプは非常に根本的な、革命的なとも言うべき改革勧告しておるのであります。つまり法人税所得税との関係について、法人税というものは所得税源泉徴収みたいなものだという考え方ですね。従つて法人税と、それから法人税を取られた残りの利益配当される、その配当所得税が課かる。その所得税法人税を合わしたものが初めからそういう利益個人に帰属したならば、課かつたであろう所得税と、同じ程度になるようにという考え方配当に対する扱いも、配当額の二割五分を所得税から控除する。何となれば法人で、配当を貰う前に法人源泉徴収をされておるということを言つておるのですよ。そうすると、もう何といいますか、法人税で三割五分を二割五分にして置くという意味が非常に薄くなり、二割五分にして個人配当貰つた場合に、税率を更に課けなければならんということになつて参ります。でこれは一本にやつたらよかろうという考え方を取つておるわけであります。  それから法人共通の問題でありますが、再評価関係では、農業の方はそう大きい関係はないかと思いますが、併し農地やなんかをどうするかというような点で相当問題もありますので申上げますと、農地につきましてはシャウプ昭和二十七年の十月一日まで待つて見ようということを申しておるわけであります。そのときの価格で、そのときにやるという考え方を取つておるわけでございます。そこで農地を別にいたしますれば、この家屋、それから農業用のいろいろな固定資産、ポンプであるとかいうような大農具式的なところのもの、こういうようなものをどうするかという問題になるわけでありますが、先ず農業、五百万戸の農家が再評価という複雑な仕事をどの程度やれるか。又やりたいかというような点も考えなければならん点でありますが、再評価について例の強制の問題がこれにひつからまつて来るわけであります。強制であると農家でも全部強制してやらんければならんということになる。シャウプ強制で行こうという勧告を出しておられますが、我々はとてもそれはできないし、又無理な何が出て参るということで、はつきり任意と言い切つてしまえますかどうか、まだ申上げ切れませんが、もう実質は任意で参るということに行きたいと思つております。従つて農家なんかにつきましても、申告を出さないために再評価更正決定を受けると、税金を取られるというような妙な事態が起らないようにいたしたいと考えております。従つて大体それで問題はないのではないか。非常に進歩した経営農家、或いは法人経営農業というものであつて評価したいというものは勿論できる。ただ土地家屋等を売りました場合の譲渡所得の計算については、いわゆるインフレによる名目利益というものが通常所得として課税されることのないように、それだけの手は打つ考えでやつて参りたいというふうに考えておるわけであります。  次は相続税でありますが、相続税もこの六頁かに簡單に出ておりますが、相続税は非常に根本的な改正シャウプ勧告しております。現在は相続の場合は相続財産を一体と見て、それに税率を適用して行く。ところがシヤウプは相続人が三人あれば、三人がそれぞれ貰う相続分というもの、それぞれ別々に税率を適用して行こう。その代り貰う人は一生二回なら二回相続財産を貰えば、それはその税率に累積して、そうして税額を計算して行こう。贈與についても同様で、贈與した方、やつた方の人が贈與税を取られることになつておりますが、シャウプのは貰つた方の人から取ろう。そうして相続をした、相続財産貰つたというのと累積してかけて参ろうということを申しております。実はこの点は相続法としては非常に根本的な改正でありますが、尚かなり実はこういう改正を根本的にやつて行くことの可否について関係者の間で議論がある点であります。目下まだはつきり結論が出ておらない状態であります。  あと国税といたしましては、取引高税廃止織物消費税廃止砂糖消費税廃止物品税改正というようなことがございますが、余り農業に特に関係のあるという点は少かろうと思います。ただここでこの物品税法の一部を改正する法律案というのがお手許に出ておりますが、これについてちよつと申上げて置きたいと思いますのは、シャウプは実は物品税については、物品税は大体奢侈品に課かつておる。だからもう殆んど変える必要はない。ただまあ靴は目に付いたんでしよう。靴はどうもいかん。我々は、靴の外に下駄というのがあつて、もつとポピュラーなのは下駄なんだが、下駄はいかんと言つたんですが、総額としては二百七十億の予算を減らす必要はない。大体変えるなということを申しておつたのであります。ところが我々この全体の体系的な考え方から見ますと、織物消費税を全廃するのに、物品税の中でいろいろな食糧的な品物とか、その他必需品に近いものが相当ある。これをおいて置くのはいかにも忍びないという考えをもちまして、関係万両とも掛合いました結果、この法案が提出できるようになつたわけでありますが、これは現在の二百七十億を百七十億に縮める。しかも実際はこの課税標準額課税対象を同額と考えますと、もつとずつと減るんです。確か百三十億くらいだつたと思つておりますが、ちよつと手許数字を持つておりませんが、相当つて参る。今度課税充実をやつて御存じのように物品税相当課税が漏れておるのがあります。そのためにいろいろ正直な業者が困るというようなこともありましたので、取るからにはもうちやんと取るということで、課税充実をやつて百七十億ということになりますので、法律上の軽減の歩合は二百七十億が先ず百三十億ぐらいに、半分ぐらいになつたのだというようにお考え頂いてよかろうかと思います。この各品目只今九十七品目あるわけでありますが、その中で全部やめになるものが二十二品目、それから税率引下げになります分が四十五品目、三分の二以上のもの、七割程度のものが廃止又は引下げになるというような、相当広汎な改正案であります。先ずその方針の一つとして、食料品は極力外して、文食料品の中でもまだいろいろな生活程度その他から見てとつて置いた方がいいと思われるものは若干残してありますが、海苔であるとか、お茶であるとか、或いは壜罐詰食料品であるとかいうようなものは全部落ちておるというような関係にあります。その他いろいろなところで、皮革製品その他にいたしましても下つている分がありますが、一つ手許新田対照表というのが行つていると思いますので、これを御覧になりながら一つ御検討願いたいと思います。大体国税関係はこのくらいであります。
  4. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 大体のご説明を伺いましたが、御質問がございますれば委員の方々、それから專門員の方でも御質問あればどうぞ。  先程のお話專従者控除の問題ですね、来年度から大体できそうだというお話なんですか。その形式は、同居親族合算制廃めるというその形式でできると、こういう意味ですか。
  5. 原純夫

    政府委員原純夫君) 合算制度は別なんでございます。こういうふうに行こうと思つているのですがね。扶養控除対象となる者、現在は未成年者、老人、それから不具廃疾というようなものでありますが、これを、納税義務者から経費の半額以上を扶養されておる親族ということにいたします。そうすると成年子供がおつてつておるときには、正にお父さん所得で食べておるわけで、これは扶養親族になる。扶養控除をするということになるわけであります。合算の問題は別に、成年であつて成年でなくとも、一人の子供が町に行つて工場で働いておる。そうすると現在ではその子供所得基礎控除として別に與えて貰えるのです。併し合算をしなければいかんということになつておるのです。これを切つてしまつて、そうして別の低い税率で課ける……
  6. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 私の言うのはその場合に、專従者成年子供扶養控除をして貰わずに、例えばお父さんから給料を貰つてつておるという恰好になれば、これは別個の扱い基礎控除も何もできる。勿論その代り、住民税とか、そういう特別な負担がかかる。そういう形で行けるか……
  7. 原純夫

    政府委員原純夫君) その形の場合でありますが、その形の場合を認めるかどうかということについては我々非常に懸念を持つておるのですが、実際問題としてそういう形式を踏んで、実は生計を一緒にしておるのですね、実態は……、それを用人なんだ給料いくらいくらやるのだというような形を整えて、それによつて基礎控除を別に認める、そうして別の課税にするということは行き過ぎではなかろうかという疑問を多分に持つておるのでございますけれども、この辺はいろいろ御意見のあるところであります。シャウプはおつしやるようなことは言つておりますね。日本の実情と向うの農業の何というのは、よく知りませんけれども、成年子供が別に家を持つて、そこから来て働いているという場合だつたら別ですけれども、一緒に住んでやつておるのをそういう何と言いますか、これは正に無理な法律的な形式を取るわけですね。それで税を何して行くというのは、通るかどうかということは、私非常に疑問を持つております。
  8. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 所得税法の臨時特例に関する法律案の第一條の別表ですね、控除金額の算定算出方法ですね、これも一つ説明を願いたいと思います。
  9. 原純夫

    政府委員原純夫君) これは基礎控除扶養控除勤労控除税率これらについて只今説明いたしましたシャウプ案の線がございますね。それで計算すると減るわけですね。減る額をここに載せておるわけです。ただ若干細かくなりますが、所得税法に付いておりますこれは控除する額でございますね、これだけ安くしますという額であります。ところが所得税法の方に本表があるわけです。  それからこれを引くわけですね。本表の方は刻みがこれよりずつと細かいのです。これは御覧通り五百円置き、上の表に行くと千円置きということになつておりますが、現在の表は百円、玉十円という刻みを付けておる、すでに三月のことでありますので、こういう簡單な表にいたしましたために千円巾の間でも例えば一万円から一万一千円のところ、扶養親族控除のところで八十円と出ておりますが、この辺は十なら十区切りあるとしますると、十に区切つても八十円の人、八十三円の人、八十五円の人がある、いろいろあるわけですね。それを八十円と引過ぎておつて、後で仮りにシャウプ案に最後的になつた場合に後で返して貰わなければならんということは気の毒だからその最低のところを取つてこの表を拵えたというやり方であります。
  10. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 それから続いてこの特例法によつて見ますと、シャウプ勧告案よりも扶養親族の範囲を狭くしておるように考えられるのでありますが、どういうふうな理由で狭くして作られたのであるかシャウプ案と同樣に拡大した方がいいと思うのでありますが、そういうふうなことを、理由を承わりたいと思います。
  11. 原純夫

    政府委員原純夫君) これは只今お話しましたように、扶養親族の範囲の拡張ということは、本国会にお願いします法案で決めざるを得ないというふうに只今のところとしては扶養控除扶養親族の範囲は現行法の扶養親族そのまま取るという考え方であります。本法通常国会通りますれば、これ以上に余計扶養控除が認められる、もつと軽くするということになるわけであります。而もそれは一月から三月までの分も遡つて調整されるということになります。
  12. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 今お話青色申告ですね、青色申告帳簿記載事項を示して、内容についてはその仕事の大小によつて差があるから相当に適当にして貰いたいというふうなお話であつたのでありますが、その点については非常に当局の方でよくお考えつておると思うのでありますが、大体どういう言うな事項記載するかというようなことについて、お考えがありましたら、その内容、又現在私など農村方面でもいろいろ帳簿記載を奨励しておりますけれども、どうも思うように普及せないのでありまするが、こういつたようなことになつたらできるだけ普及をせなくちやできないが、その普及するものについて、どういうふうな方策で行つたらよいか。その案について承わりたいと思つております。
  13. 原純夫

    政府委員原純夫君) 大変恐縮ですが、それにつきましては一つ来週早々固めました後で申上げさして頂きたいと思うのでございますが。
  14. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 そうすると普及方法については何かお考えがありますか。私の方で普及を徹頭徹尾奨励しておりますが思うように進行しませんが……
  15. 原純夫

    政府委員原純夫君) この普及につきましては大変皆さん方の方で非常に熱心にやつて頂いております現在のこの帳簿奨励運動とかいうものに、乘つて参りたいと、そして政府側でこういう帳簿をつけろという形式で決めないで、従来ありますものは大体それで生きて行けると思います。ただそのままでいいか、或いはこういう案を一つ、こういうことを一つ加えてほしいということを、お願いするような何が出て参るかと思いますけれども、そういうことを、お願いいたしましてやつて参る。やはりそれぞれ各業態業種によりまして御專門の見地から御都合のいいようなフォームというようなものがいろいろ考えられておりますが、そういうものを拜見しまして、それに御註文がありましたならば御註文申上げてやつて参りたい。ですからまあ普及につきましては、各団体でやつて頂いておりますものを、是非これからも続けて尚強力にお願いしたい。政府としてその普及の運動が伸びますように、御一緒になつて協力して参りたいというふうに考えております。
  16. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 現在各方面で帳簿を使用しておるのでありますから、できるだけ一つその帳簿を認めて頂くようにお願いしたいと思つております。又その記載方法を変えるというようなことになりましたら、これ又記載方法を変えるのに、指導に若干の時日を要するのでありますから、できるだけ従来のものを使用して行つて、追加すべきものがあつたら幾らか追加していい。こういうふうにお願いしたいと思います。次いでこのシャウプ勧告案によつて全面的に改正せられるところの所得税は、いつ頃から実施される予定であるか。それを承わりたいと思つております。ただそこは農業者方面から考えて見ますというと、勤労所得者は来年の一月から実施されるが、事業所得者は遅れるというようなことであつたら、税率上において片手落ちの行政が行われるのではないかと思つておりますから、事業者に対しても勤労者と同じようにできるだけ同時期にした方がいいと思つておりますがこれらについての一つ考えを承わりたいと思います。
  17. 原純夫

    政府委員原純夫君) それは時期を揃えてやるつもりでおります。つまり事業者につきましても一月から新らしい税率控除でやつて行くようにいたしたいと、今回この特別法案をお願いいたしましたのは、勤労者の方は三月の末に、仮りにこの法案が通るといたしますと、それで一月から適用すると言つても、一月、二月、三月の分はまあ源泉徴收されてしまつておるのですね。後で返すと言えばいいじやないかという考え方もありますけれども、それは気の毒だ、やはり大体この辺までは大丈夫だというところは、もう初つから何して置こうというだけのことでありまして、一月から適用するということは、事業者も勤労者も同じようにいたすつもりであります。
  18. 石川準吉

    ○石川準吉君 さつき委員長からもちよつと触れたようでありますが、扶養控除の分につきまして、シャウプ勧告では現実に世帶主から給與を受けておるものについては、同一の給與所得者というようになつておるんですが、実は農業経営で一番問題になつておるのは、自家労力の経費の問題ですね、例えば経営主の世帯主の子供連が、世帶主から給料を受けて、独立課税を課けられる場合においては、その経費というものは、全部農業経営経費として差引かなければならんようになつておる、これが非常に農業所得の不明朗な点であります。これらの点がはつきりしない。さつきの御意見もありましたが、どういうようにお取扱いになつておるのか伺います。
  19. 原純夫

    政府委員原純夫君) 先程ちよつと申上げたわけでありますが、現在の、これは農業に限りません、営業の場合でも一緒に住んでおる子供が仕事を手伝うということがあるわけでございます。そういう場合に、シャウプの言いますような、そこまで個人主義を発揮して給與を拂つて、そうして使用人だという形態をとるのが、社会的な実態であるかどうかというような点も考えますと、シャウプの言うようにやることについては、多分に我々疑問を持つというふうに考えておるんでございます。これが例えば町の商売屋で、お父さんが大きな店を張つておる、子供は独立して傍に居を構えて、そうしてお父さんのところに通つて来て、使用人として給料を賀つておるというところまで行つておるものでありましたら、これは別にしなければならんと思いますけれども、同居の場合にまでああいう考え方を貫くという考え方には、多分に疑問があると思つて首を捻つておるのであります。
  20. 石川準吉

    ○石川準吉君 町の商店と農業の御比較でありますが、町の商店では、どつちかというと、利潤の源泉たる資本に課せられるのが多いと思うのでありますが、農業方面の所得というのは殆んど九〇%までは自家労力なんですね、そういう点に絡んで、一般の町のいわゆる資本的な利潤に基く所得と自家労働による所得とが少し曖昧で、それが今農業所得の一番大きな悩みになつておる点なんです。従つてこの点については、農業所得に関して有利になるようにお考を願いたいと思うのであります。
  21. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 今の石川委員お話に敷衍して申上げますと、專従者の問題はこういうことなんです。おつしやるように社会的な通念なり、それから或いは日本の旧来の家族制度的な通念から言うとお考えのようなことに近いと私は思うのです。実際問題として今税の問題で農家が非常に苦しんでおるというのは、苛酷だといいますか、不公平だという点なり或いは苛酷だという点ですね、それが先程のお話になりましたように、法律上の税負担軽減と実際上の税負担軽減とは別だ。そこで法律上の税負担から行くと軽減されたようだけれども、シャウプ勧告にも言つておるように、又今後そういうこともお考えになつておるようにがつちりと抑えて行く。そこで例えば所得についてまあ特に單作地帶のような所ははつきりと分つて来ておつて、大体所得標準というものを事前割当数量に基準を置いて、生産量、或いは供出量と保有量とこういうもので行くから、結局おつしやるように、そういうふうなことを触れておるように、実際の税負担というものは、むしろがつちりと押えられて重くなる。併し一般の商工業の方においては同じようなことを考えておられるけれども、これはなかなか実現は不可能ではないが困難である。そこに又税負担の不均衡という問題が起るわけなんですが、併し農業の面だけを見て行けば、確かに事実上の負担になるということが心配でありまして、今石川委員が言われたように自家労力というものがなんら税負担の税の問題の上においては考えられておらない。一方まあ單作地帶ですから主要食糧、それは強度の国家管理でやられて、がつちり押えられて、超過供出も享受されると、こういうような情勢になつて来ると、むしろこれはそういうことを望むわけじやありませんが、仮りにそういう單作地帶の農家から見れば、むしろ勤労者並に国の強度の国家管理の下における作付けをやつておるんだから、むしろ国営農場に勤務しておるという方がまあ有利だというのは、勤労者並の六千三百円なり、或いはそれに近いベースで朝早くから夜遅くまでやつて、二倍の超過勤務をやつておる。それを勤労者並に貰えばむしろその方が純経済的にのみ見れば有利なことである。にも拘わらず従つて米価は御承知のような状態で押えられて行くと、それじやどうして行くかというと、結局そういう農家は自分の生産を切りつめて、或いは電燈を少なくしたり、学校に上げる子供を奉行にやつたり、そういうことをして口減らしをし、或いは生活程度を下げてやつておるので、決して農地改革をやつても農村の民主化は逆行するのだ。だからそういう意味から特に経費の問題についてなんらかの控除の点に考慮が拂われないと、これはもうまつさかさまに農村恐慌に追い込まれて行くという点が一番心配しておる点なんです。その点から自家労力の問題がすでにやかましく言われたり、それから專従者のこういう問題が言われたり、それは言われるように、又一般的にも考えられるように、従来の家族通念なり、家庭の通念なり、社会通念から行くといかにも突飛なようだけれども、実は深刻な経済問題に出発しておるところに、問題の所在があるわけであります。その点をお考えを頂きたいということなんです。敷衍して申しますと……
  22. 原純夫

    政府委員原純夫君) 確かにこの点は相当問題の点だと思つております。先程まあ法律上の税負担軽減になるが実際は軽減にならんということをシャウプが言つておるというふうに申上げましたが、我々考えておりますのは、やはり我々の計算によりますと、農業は実際上の税負担も、所得税相当軽るくなるというふうに考えております。シャウプ案で正確に計算したものではございませんけれども、まあ今年の農業所得税收入見込が当初予算で四百九十七億、それが補正予算で四百二十億ばかりになつてつておりますが、これが恐らくシャウプ案でやりましたならば、只今專従者控除、これは扶養控除並の專従者控除ということにいたしまして、先ず二百六、七十億でなかろうかと思います。相当やはり下つて来る。これは只今御言及のありました課税標準の価格の増加ということも見込んでの見込で、ございまして、ちよつと御参考までに申上げます。まだ確定した数字ではございませんけれども……
  23. 池田恒雄

    ○池田恒雄君 今のお話でございますが、繰返して恐縮なんですが、農家の支拂う課税を見ますと今高いとか、安いとか言うんですが、それをいろいろ詮索して見ますると、結局労務者の基礎控除という問題が農業者だとか、或いは小商人、ああいうところの税負担が底が高くなつておることになると思うんですね。どうしてもその問題を解決しないで、どういうふうに捻くつて見てもああいう小さい店の税金が高くなる。それは私はいろいろ弁護士の方方に会つて、又税務署の方々にも大分会つたときに調べて見るんですが、結局そこが引つかかつて高くなつておると思うんです。これが非常に重大なことになると思うんです。この税法というものは非常に近代的なものなんですね。税法の構成というものは……ところが農業というやつはちつとも近代的なものじやないんですね。それで農業という経営を非常に近代的な税法というものに合わして行くんですが合わないんですね。合わないからといつてそれなりに農民は高い税金を拂つているんじやないかと思う。これは高いと思うんです。それで併し農業経営を近代的な工場経営と同じように考えてするということになると、誰でも頭を捻られるのじやないかと思うんですが、やはり家族はこれは飽くまで家族なんですねそこに農業経営の特質があるわけです。使用人じやないですね。だからそれは、それを近代的な税法の観念に従つて家族人も使用人だという、こういう考え方を以て税法に適用して行つてもそこに一つの何か無理が起つて来るのじやないか。頭を捻られるという点はよく分るんです。併し更に又やはりこの問題がある限りは、農民税金は安くなるなるといつても決して安くならんと思う。これはやはり頭を捻られなければならんと思うんです。農家所得というものは、今まで税務署だけで計算して見ますと、十万円というのはもう中堅どころになつているんです。この十万円の所得を挙げた農家というものは一町歩前後のもので、決して五段歩きりじやない。一町歩前後で十万円ということになりますと、それは家族労働を絶対的に必要とする。この場合の家族労働というものは子供とか或いは半ば扶養家族的なお舅さんとかこういうものじやない。或いは成長過程にある子供じやない。長男なり次男なり立派な男なんです。これが一町歩前後の経営というものには絶対必要になつているんです。偶然に家に子供がいるから使つているというのじやない。女房もいるから使つているというものじやない。同じ家族労働でも成長過程にある子供が手伝うとか、女房が働けば、これは一応私は見なくてもいいと思うんです。外に出しても立派に堂々と働け得る男、これを使わなければ立たない経営、こういうことを一応見なくちやならないと思う。そうすると、この場合の十万円という所得はおやじさんと長男なり次男なりが働けばこれは三人の共同の所得なんです。だからこの場合は私は何と言うか、家族共同体ですね。そうしてそのおやじさんの名前なんかの、誰かの所得ではない。その家の所得なんです。その家の中を見ると少くとも働いている三人の所得であると思う。これを一人の所得になるというような工合に考えまして、課税して行くと、そうすると要するに高い割合のものになる。若しこれを三等分しますと、非常に安いものになる。これはもういろいろ実例において私達が更正決定なんかの相談を受けた場合、やはり税務署の方々とも一緒になつて実例について仮にこうだつたらこうというふうに調べて見ましても大分開きが出て来る。三人で十万円の所得を分けて計算した場合と、一緒にした場合と、それから仮にその家の三人の共同体の所得ではなくて、一人の所得であるという工合に税法の近代的な解釈でやつてしまいますと、そうすると他の二人はこれは所得のないん間ということになる。僅かに主人公が十万円の所得がある。これははつきりしている。ところがその他の長男と次男は年がら年中働いているけれども、これは無所得の人間ということになつて、この場合はまるで扶養家族みたいになる。ですからここで何らかそこに考えるべきものであつて、一人の所得というふうに見て行つたらいけないのではないか。他の二人の者の所得でもあるということを考えなければならないと思う。もう一つは、他の二人の所得ではないという工合に、現在のようにやつて行くとすれば、他の二人というものは、これは私は無所得の人間……、失業者のようなものです。或いは扶養されているようなものです。つまりおやじさんはその二人に生活をただで保証しているようなものだという、形式論ですがそういうようになつて来ると思う。この点の関係は、これはやはり何らか税法の中に、税法と実際との矛盾した関係を調整して行く工夫をして貰わなければならないと思う。それをやらんと、これは具体的な例を持ち出して計算すると直ぐ分るのですが。どうしたつて税金は安くはならない。つまり他の商品と比較して割高になつてしまう。一定の現状からどうしても下らない。幾ら下げようとしましても、結局税務署の方々はこれは税法の欠点だから何ともしようがないというようなことになる。  それからもう一つこれは非常に大切なのですが、家族をただで使つていると、こう言うのですね。これは本当はこの考え方は非常に間違いです。これは家族というものは有給なんです。莫大な有給なんです。これはいろいろな理窟を言うと、歴史上の、学問的なものになるのでしようが、百姓は決して家族をただで使つておらない。これは大体二十歳ぐらいまで農学校でも出して、そうしてどこか月給取にすれば、これは普通の家族の養い方と同じなんですが、農学校なら農学校を終つてから何年間か使うのですよ。殊にこれは水稻單作地帶で家族扶養数の多いのを見ても分る。無理に置いているわけですね。二十五なら二十五になるまで手伝わせる。その場合五年間手伝う。これはただではない。さつき不定期的な増減的な所得とか何とか言いましたが、これはそれと同じです。二十から二十五までは一銭も拂わない。仮に月に百円や二百円の小遣いで使つても、二十五で家を出るときには五年間の労働に相当する一定の報酬を與える。学校を出て他所に行つた場合はどうとか、出て家で働いた場合はどうとか、それは必ずその地方に慣行がありまして必ずやつておる。だから五年間働いて五万円なり、十万円なりの財産をちやんとやることになる。雇い人と家族との違いはそこにあるのです。雇い人にはその日その日に金を拂つてやる。家族は五年間なら五年間蓄めて置いて拂うのであつて、決してただではない、これはつまり五代的な雇用関係と家族主義的なものの中におけるもののやり方との違いなんです。従つて若しその單作農家が只の労働者を使つて儲けておつたという解釈も立ちまするが、そういう解釈で税金を取つておるのだ。ところがその人は五年なら五年に一回自分の財産を半分に割るような支出がある。これは一つの生産費に入ると思うのです。これは近代的な経営の場合の生産費の立て方と、そういう資本主義以前の経営体における生産費の立て方というものとは違つておると思う。こういうことは私は余りそういうふうの学問的の知識はないのですからはつきりと申しませんが、学問の上からも十分に究明して頂いて、そうしてこういう点の理論の貫くような税法の改正をして頂かなければならないのではないかと、こう思うのです。そうでないというと、冠婚葬祭のために農家が潰れるということを申するのであります。或いは冠婚葬祭のために潰れるのではないが、この冠婚葬祭のために出す金こそ、それこそ一時に支拂つておる労賃なんです。冠婚葬祭のために潰れるということは一年ぐらいの、何年かの生産費に相当する莫大な労賃ですよ家族に対する。そういうこともこれは歴史上の事実として或いは地方の慣行として非常に明らかに出て来ますから、御研究になつて頂きたいと、こう思います。
  24. 門田定藏

    ○門田定藏君 私も大体池田委員のお説と似寄つておりますが、この農家所得を、例えば一町耕作しておつて一年に十万円、その十万円の所得を主人一人の所得とみなすということは大変な間違いである。現に私は五十年ばかり百姓しておりますが、一町二段作つております。その一町二段の耕作にどれだけの日当が、労賃が、人手が要るかというと、どうしても三名要る。どうしても一年に三名の一人前な労働者がおらなければできない。一町二段で……。そうするというと、今池田委員のお説の通りです。三名の労働者を使つて一町二段を耕作して行かなければならない。そうなるというと、その一年中掛つて得たところの所得は三名の所得になるからして、農家所得を一町作つて十万円の所得があつたものを一人とみなすということはこれは間違つておる。そうしてその三名の労働者は只であるかというと、先づ十五、六で子供を育てて、教育をして十五、六から漸く一人前の人間に育つ。その人間を使つて行くと、どうしてもその三名の労賃ははらつていないが、使うまでの費用は資本を入れてしているのだから、これはどうしても我々の考えでは一人の所得とみなすということは、これは間違いである。他の月給や何かと異りまして、どうしても一町二段の耕作には三名なければならない。一町二段を耕作して行くのに、どうしても一人で三段ぐらいしかできない。又單作地帶もあるし、いろいろありますが、雨もあるし年中仕事はできない。そうするというと、農家所得は主人一人で十万円の年間の所得を産み出すということは不合理である。そうしてもう一つお尋ねしたいのは、この農家勤労所得を資本の中に加えんというのは間違つておりはせんかと思います。我我は学問的には言えませんが、他の大きな会社あたりが、例えば硫安の製造会社にしても労賃を拂わんものはない。労賃は皆拂つて、生産した商品にはその生産費とかその労賃を加算して決める。ところが農家は企業だと言つておるけれども、果してその労賃を除外して残つたものが利益になるかというと、労賃が入らんと利益がないということになる。からしてどうしても我我の考えでは農家の労賃というものを資本の中に加えるのが本当じやないか、こう考えるのです。学問的に考えればどうなるか知りませんけれども、その労賃たるや決してただのものでないのです。十五六まで働くまで消耗して、一町二反耕作するのに三人一年中おらなければその耕作ができない。そういうわけで労賃を資本として加えなければ農家は食つて行けない。何で食つて行くかというと、今の話で、普通な生活ができない。人が一日に百円の生活をするのを五十円にするとかして、人間並の生活ができない。それが農村が疲弊してこれまで来ておる原因であると思う。この点についてよく当局の御考慮を願つてシャウプ勧告について農家勤労所得がどの点まで認められるかということをお聽きしたいし、当局の御意見を私は聽きたいと思います。
  25. 原純夫

    政府委員原純夫君) 只今皆さんからお話のありました点、これはそういうお考え方も十分成立ち得ると思います。御尤もなお考えであるとも思いますと同時に先程も申上げました社会的な実態、それから経済的にも、見様でございますけれども、同居して一緒の何でやつておるというような実態から考えてどうかということもございますし、それから全体の結論とまして出ました税のバランス、これを考えますと、例えば勤労者は今年は千二百億と見ておりましたものが千三百億以上直なつた。来年の税制がシャウプ案通りに行きますか、税率控除シャウプ案通りで止まりますか、或いはもつと行けるか、まだ未確定でありますけれども、先程も申上げましたように、農業の減り方というものは外のものの減り方よりも相当多い。そうすると税全体の結論として出ましたバランスというようなものも、一応一つの何として考える必要がありはせんか。何と言いますか。いろいろな原因であると思うのでございますが、一つこういうことを常々感じておるのでございます。それは例の基礎控除扶養控除というようなものが、農村における場合と物価の高い都市における場合との影響が相当違うということがあるのでございます。同じ一万五千円なり二万四千円なり控除して貰うにしましても、農村におけるその値打と都市の値打は大分違うというような点が相当ある。その辺にてこういう何の出て来る原因の一つはあるのじやないかというふうに思うわけです。今度は扶養控除税額控除でなしに、所得控除になりますから、その影響が特にひどくできるということにもなります。おそらく皆樣のおつしやるように、成年子供がやつておる場合には所得を分割といいますか、給與所得でやるということになりますと、農業税額というものは殆んどもう、何と言いますか、ゼロに近いということになつて参ると思います。そうなりますと、その全体のバランスから更に考え直さなければならんというような亡とにもなつて参りますので、まあ先程申上げましたような点とそういう点ともからめて、この問題はおそらくそういう全体のバランスを考えながら行くという立場もあり得るのではないかということも入れまして、取敢えず扶養控除と同額の控除を與えるということを考えておるわけでありますけれども、この点は一つ尚十分我々も考えたいと思いますし、皆さんからも御意見を伺いたいと思います。
  26. 池田恒雄

    ○池田恒雄君 今ちよつと給與所得という言葉がもう一度あなたからでましたが、私の考え方も同じだと思うのです。我々給與所得という考え方を全然持つていない。家族協同体、こういう日本の農業一つの特徴的経営において、協同の所得という考え方なんです。こういう特殊な所得の方法なのですから、これに応じた税法の組み方が必要だ、こう私は考えておる。決して給與所得……、そうじやないものをそうだとか、幾ら何でも我々は無理は押せないのでございます。そういうふうな考え方で何等かの方法を御研究願いたい。  もう一つ今労働賃金の問題が出ましたですが、これにも問題があるのです。これは労働賃銀だけでなく、いろいろな間金があるのですが、大体一町歩前後の中堅農家が十万円内外の所得である。一体年間十万円の所得というものは、これは鉄道なんかで切符切りしている娘さんも取つておるのです。そうしたら三人もで働く中堅の農家、沢山の人を養つておる農家が十万円という所得の出し方がちよつと見て少い感じがするのです。誰が見てもそうだと思います。ところがこの場合は直ぐに税負担の問題ということにもなります。或いは税負担の各職業別の均衡ということにもなりますが、全体の所得が現金であるものと、農家のように現物であるものとでは、これは違うのです。若し農家が菜ツ葉を作り、大根を作り、菜ツ葉や大根で税金を支拂つてもいいというなら大して苦労はしないわけですが、一切の現物所得を現金化して税金を拂つて行くということになりますと、だいぶあれが違う。それから所得した大根やなんかは現金化し得る場合と化し得ない場合とある。これは今度の野菜の計算なんかでも国税あたりは大分事実にそぐわないやり方をやつた例があるようでございます。そのまま現金化してしまう。だからそういう点は考えて貰わなきやならんと思うのです。それから差押なんの場合も、本来なら売れ残つてつておる大根でも差押えて貰えばいいのですが、箪笥だのを差抑える。若し百姓は大根を作つて儲けたのだからというならば、大根を先に取ればいい、いもなんか供出が余つてつておるのですから、余つておるいもを差押えて貰うなら我々もちつとも困らない。ところが時計を押えたりラジオを押えたりする。これがおかしいことなんです。ラジオを押えられることといもを押えられることは農家にとつて同じことじやないのです。このことについてもう少し税当局は近代的でない特質というものを検討して貰わないと困る。もう一つ今までの生産費の計算では、使用日数とか收入日数というものを厳密に計算しておる。つまり家族三人おる。三人なら一千日働くわけです。ところが三人はおるが、五百五十日しか働いておらない。こういうような計算をするのです。そうすると後の四百五十日は遊んだことになつておりますが、これは失業でもなければ、懶けたのでもない。間年五百五十日の延労働力を必要とする一町歩の水田農家というものは三名の常備の労務者を保有して置かなければならんというになる。だから後の四百五十円は働かなくても食わして着せて置かなきやならん。これが農業の労働の特質だと思うのです。これは他企業のように三十日必要な時だけ使つて高額な賃銀を拂つて、そうして後の生活には責任を持たないというのとは意味が違う。こういう労働の関係はどうだとか、機械なんかも三段歩の麦を作るに何日間機械を使用するか、この日数によつて機械の損耗を計算する。私達が税務署の者と非常に知り合つて民主的になつてその中を打ちわつて私達と相談をしてくれるようのなつたのです。そういう計算のやり方ですね。それから鍬でも鎌でもそうです。何日間稻刈をやつた、なんぼ使つたとこういう計算ですよ。そこから経費を割当てて行くのですがね。これも少々無理泥と思うのです。或る一つ工場は年間機械を運転して行きますが、農業の場合はこの機械を一日しか動かさない場合もある。それでも持つていなければならないのです。そういうものであると、決して一箇の機械を三百六十五日のうち一日だけ必要だつたというふうに計算されると單価が安くなつてしまうのです。そうではない、一日必要なために三百六十五日納屋に入れて管理していろいろ手入れをしなければならんというのでは、大分そこに開きが出て来るのです。私はこのことについて前に税務署に出しましたが税務署は今まで非常に秘密主義です。併し秘密主義ではなくてそれはこういう計算ですよと私の方に見せて呉れるようになつたのです。それを見ましたらそういうわけなんです。これは現地の税務署の人達のやり方はいいとか悪いとかというようなことで喧嘩するわけにはいかないのですよ。国全体がそういう方法でやつているのですから、これはあなたの方で再検討すべき義務があるのだと思うのです。一つこの点は法案が出ますると、法案の結果によつて同じ質問をもう一度繰返すことになりますから、まあさような無駄のないようにうまくやつて頂きたいと思います。
  27. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君  お尋ねしますが、供出代金から源泉徴收をしようということでございますが、その方法をどういうふうにしておやりになるつもりでありますか、私の聞くところでは、まず協同組合に源泉の徴收をさせようという意図があるようですが、そのやり方によると協同組合が又非常に百姓から厭がられることになりはしないかという心配も起るわけです。その方法はどういうふうにするかということをまずお聞きしたい。
  28. 原純夫

    政府委員原純夫君) 源泉徴收の問題は勿論やるやらんという根本的な態度の問題があるわけですが、やります場合には、シャウプの言つております線に、若干一応考慮を加えまして、改善したものでやる。つまり総所得の七割以上が主食又は煙草の代金から来るという、何を七割といたしますか、六割といたしますか、その辺まあ源泉徴收をやるならば、相当部分農家はそれで税を收めるというような程度に、その比率を決めて参りたいというような考え方をまず採つております。それでこの源泉徴收は夏作の源泉徴收と、それから秋作の源泉徴收があるわけですが、如何なる農家源泉徴收対象とするかということは、やはり大体において春作の出て参る時期までに決めなければならんということになつて来るわけですが、この点につきましてのやり方がシャウプのあれでは、はつきりしていないのでありますが、やはりそのときに何といいますか、源泉徴收をするかしないかという意味における予定申告的なものを出して頂く。そうしてそれを税務署が拜見して、どうもこれはこう出ておるけれども、去年はこうだしおかしいという分は税務署意見を言つて源泉徴收をやらしてくれということを言うわけですね。そうしてそれを本人にも通知しますし、それから組合の方にも通知して、この人の分は源泉徴收をやつて貰う。夏作の分はやはりシャウプの言いますように、一定歩合で源泉徴收をして置いて、全体の調整は夏作で調整するという考え方を取つたらどうか。秋作の方は年の所得というものを大体算定しまして、それによつて幾ら税金が納められるべきか、そうすれば供出代金からは何%徴つたらよいかという何が出て来るわけでございますね。それによつてまあ余り納かい端数の付いたパーセンテージはできないと思いますけれども、それによつて丸めました。パーセンテージで徴つてやる。結局そういたしましても、最後に年が済みましたあとの確定申告による調整ということは、やつぱり要るのではないかというふうな段取と考えているのであります。
  29. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 私は、これは意見なんですが、実はいろいろ考えておりますが、源泉徴收をするのは農家の作つているものが全部かかるのでありますが、今度どんどん捉えられて徴られて行きますと、今後麦或いは米という掴み易いものがまず対象になると思うのです。それで源泉徴收をされるということになると、そうしたはつきりしたものを作る者だけが非常に迷惑を蒙つてしまうということになりますから、できれば源泉徴收廃めて貰いたい。全面的の源泉徴收ということは非常に百姓の耕作の場所の部面によつて不公平な結果が出て来るから、源泉徴收ということはせない方がよいということを考えております。  それからもう一つお聞きますが、今年秋田町の單作地帶の調査に参りました。他北郡の横堀村に参りましたところが、村長さんが来られまして、三国の救護法によるところの救護を受けている者は、所得税を徴られている百姓と同数の收入にも拘わらず、救護を受けている者は無税であるのに救護を受けていない百姓に対して税を徴るというのはどういう訳なのかと聞かれて、国会議員として答弁ができなくて困つたのでありますが、大蔵省としてはどう考えておりますか。
  30. 原純夫

    政府委員原純夫君) 生活扶助、救護法による救護というようなものは非課税所得にしてありますから、それは課けない。がその他に所得があるという分はこれは課かるのであります。その場合におつしやる御趣旨は救護の額と他の所得合算したものを基にして税額がどうという御趣旨だと思いますが、それはそういう場合がありましたとすると、私救護なり生活扶助なりの方の実際のやり方を知らないのでありますけれども、他に相当所得のある人にそれをやるのがよいのかどうか、扶助料をやつておるのだつたら非課税とすべきじやないかというので、今非課税としておるのでありますけれども、何か扶助、救護、そちらの方のやり方の問題としては問題がありましようが、その辺少し研究いたしたいと思います。
  31. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 これは田舍の農村ですから日傭に出るのだそうです。ところが日傭に来る者は一々申告するのは日傭する方もされる者も両方共やれないから、村長さんの言い分は、收入が足りなくて日傭に出る者の改入についてはたが見ておつて文句を言うというように言つておりますが、片方は保護法の適用を受けておる五人家族で八万五千円の收入がある。ところがこれは保護法の適用を受けておるので税がかからない。併しこれは日傭をしてるのですから、合算申告をすれば取られましようが、日傭の申告なんかしません。殊に救護を受けておる人のことですから、毎日天気でさえあれば出るというのじやないから、尚更文句がないわけです。片方は百姓をやつておる五人家族、夫婦に子供三人で八万五千円の收入がある場合は税を課けられる、これは一体どうかと言われて、どうも答弁できないのでは国会議員として痛み入つたことですから……
  32. 石川準吉

    ○石川準吉君 結論はこういうことです。まじめに百姓をやつて八万五千円の生活をやつておると税がうんと課けられるものだから、課かつて来た税を家族数で頭割りすると救護を受けた者の方が余程生活力があるということです。だからむしろ百姓を止めて救護を受けた方がよいのだというような結論になるわけです。
  33. 赤澤與仁

    ○赤澤與仁君 資産評価の問題ですが、最近農業協同組合農業会から資産の讓渡を受け、又今後受けるわけですが、今年七月以降の場合におけるその資産の再評価についてはどういう工合にお考えになつておりますか。
  34. 原純夫

    政府委員原純夫君) 資産の再評価につきましては明年一月一日現在においてやはり資産について再評価をするという方式で行きたいと思つております。本年七月一日は再評価の倍率を何倍かに再評価をするということを決定するについては、現在の物価水準というものを見る基準としてこれをとりますけれども、財産を持つてつたかおらなかつたかということは、来年一月一日現在を基準としてやつて参りたいというふうに考えます。
  35. 赤澤與仁

    ○赤澤與仁君 そうすると一月以降にも相当支障が起つて参ると思いますが、そういう場合における取得金額というかその実質上取得した時期における取得金額を標準とされるということになりましようか。
  36. 原純夫

    政府委員原純夫君) 通常の市場価格で取得するという通常の取引形態の場合でありますならば、それは現実の取得価格ということでよろしいと思いますけれども、そうでなくして、前からの安い帳簿価格のついておる資産を、例えば合併その他の事由によつて帳簿価格をそのまま引継ぐというような場合については、取得金額についても前の所有者の位置というものを継承したものとして認めてやらなくてはいかんというふうに考えております。農業会の場合はどつちの例に当嵌りますか存じませんが、そういうふうな方針で参りたいと思つております。
  37. 赤澤與仁

    ○赤澤與仁君 それにつきまして、例えば農業会から……。今農業会は清算中にあるわけでして、清算を完了いたすためのその資産の評価というものが、その後の方針自体の内容によつて左右せられておるわけなんです。従つてこの資産の再評価をいたしまして、地均しをいたしました一定のポイントから出発いたしますという価格にはなりかねないと思うのでございます。そういうようなことがあります場合に、ただ取得した時期における金額ということになりますと、その措置に相反するのではなかろうか。併し又一方讓り受ける農業協同組合におきましては、その一月一日に遡及したポイントにおいて、計算をするというような場合におきましては、その評価益は解散された農業会の清算利益となるものであつて、現在持つておりまする新たな農業協同組合には何らの評価益を受けていないということにもなるわけであります。従つてその点につきまして、双方に問題があろうと思うわけでありまして、今日農業協同組合におきましては、その評価の取得時期というものを明確にやつて貰わなければ、或いは農業会自体の帳面価格によるのだとか、或いはもう少し特殊な関係からして遡及した産業組合時代における取得価格から起算するのだというような事柄で、今のところ迷つておるような事柄に相なつておりますので、その点を一つ御研究頂きまして、明確にして頂きたいと存じます。
  38. 石川準吉

    ○石川準吉君 それと関連しますが、再評価の基準として、「農地以外の土地家屋については賃貸価格の一、〇〇一〇倍」、「その他の固定資産については各都市の常設の評価人団による評価額」「農地については公定価格に二五倍以下の調整係数を乗じた額を最高とする」と、こうなつておりますが、それは恐らく大蔵省から出された資料によつては、こういう倍数は決まらないと思いますが、千倍とか、或いは二十五倍以下の調整係数というようなことは実際はどういうことなんですか。
  39. 原純夫

    政府委員原純夫君) その数字は実は我々いろいろ資料を出しましたが、何倍にしたらよかろうという意味の相談は別段受けておりませんし、そのために資料として出したことはないので、実はこの出ました結論について、後から私シャウプに、これは相当問題があるよと、私としてはもつと研究して違つたものにしたいと思つたらしてもよいかということを言つたような次第であります。非常に短い時間に作業をいたしましたので、先ず非常に大まかなところで出したという程度しか申上げられません。我々これに具体的な基礎付けを與えておりません。むしろ土地と家屋でしたら、家屋は償却の関係もあるというようなことから必ずしも單純に昔の賃貸価格を千倍してよいかどうか。実際には逆にこの土地よりも家屋の方が強含みだというようなこともありますし、現実の時価というものをいろいろ調べて見ますと、千倍じやなかなか無理だというようなケースが相当多いということを承知いたしております。
  40. 石川準吉

    ○石川準吉君 千倍というのは特殊な資料から出たのじやないかと思いますが……
  41. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 簡單なことを二、三……。一つ控除すべき経費の問題ですが、これはシャウプ勧告でも三つほどの方法を練つて、その中で適当な方法をやつたらよかろうというようなことを言つておるようですが、大体大蔵省の考え方としては、そういうようなことをお考えになつておるのか。これはいろいろ農業関係の中でも議論があると思いますが、できれば農業協同組合とか、それから税務署とか、或いは農業調整委員とか、村役場とか、そういうところで相談して一定の標準倍率というものを引いた方が簡單でよいじやないかと思うのですが、シャウプ勧告にもその一つの方法として載つておるのですが、そういうことをどういうふうに考えておるのか、それが一つですね。  それから一つ法人税の問題に関連しておるのですが、事業所得に対する利子課税ですが協同組合あたりが法定料、いろいろ留保すべき例えば特別積立金の積立だとか、事業税とかいう法律上命ぜられた留保金があるわけであります。一般の商事会社だとまあ脱税なり隠匿の意味で内部留保にしてそれに税をかけるというのは当り前のことでありましよう。農業協同組合には今言うような法律上の義務づけに対する留保金などということは、これは課税ということになると或いは実際考えなければならんと思うのでありますが、その点が一つとそれから最後に税の問題はこれはひとり農業協同組合に限りません、特に農業に大きな関係を持つておる問題で、それは單作地帶一般の問題でありますが、單作地帶は御承知のように他の温暖地方に較べると、農産作業にしても或いは取入れにしても運搬にしても特別の費用というものが実はかかるわけであります。今までは二千年来こういうことをやつていたからというので特別に控除を認められない、実際問題として見れば買うものは東京から較べるとそれだけ高くなつておるとかそういう問題も正にその通りでありますが、特別に積雪寒冷地帶については、勤労者にはああいう手当も出るが、農業者或いは事業者についてはそういうものの考慮が殆んど拂われないということについて、我々としては今回の画期的な税制改革に対してそういう問題を一つ解決してもらいたいという希望を持つておるのであります。その点についてどういうふうにお考えになつておるか簡單にお話願いたいと思います。
  42. 原純夫

    政府委員原純夫君) 第一の経費の問題につきましては、当然各村なら村の農業関係団体なり、村役場なりというような関係の方々と御相談して御意見を伺つて決めて参りたいということにやつてもらいたいと思うのであります。それから二番目の利子附加税の問題、あれは我々といたしましては、この單純に留保された命がいずれ個人配当になると、その場合の所得税が今年すぐ配当してくれれば今年入るのが遅れるから利息をとりたいという考えでありますので或いは特別控除にして特殊な扱いをするということは別段今まで考えておりません。一つそういう留保の性質その他についても研究いたしたいと思います。第三の積雪寒冷地帶の経費支給の問題でありますが、これはそういう地帶で特別な余計な経費がかかるという事実がありますれば、当然所得を得るために要する経費であるならば、所得から控除するというのが当然であると思います。ただ御存じのように税務行政も何分まだ十分具体的な妥当性を一々の場合にとるというところまで考えておりませんので、この辺相当我々の努力も要ると思いますが、もう事柄は現実に経費がかかれば当然含まれると思いますので一つその方向に実際の検討を進めて参るべきであるというふうに考えます。
  43. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 今委員長からお尋ねの所得税の算定の方法の際に控除すべき事項、これとこれとは控除するというようなことが実際上からいえば各税務署ごとによつて違うのであります。それだからできるだけ控除すべきものは一定の事項を決めて定めて置いて、それからすべてのものが同一の歩調で行くように税務署ごとに差を付けないようにして頂きたいと思います。
  44. 原純夫

    政府委員原純夫君) 非常に御尤もな御意見だと思います。現在税法が可なりそういう意味で簡單な規定になつております。実はそのどの收入を見てどの経費を落すかということが、この税の一番中心になるわけでありますが、それが現在の税法は非常に簡單でそのためにいろいろな通牒だとか、内規だとかいうものを出しますけれども、それがなかなか必ずしも統一していけないという憾みが多分にございます。これは大きく言いまして日本の税法のあり方を将来に亘つて規定する態度の問題になるわけで、我々も十分その点痛感いたしております。極力そういう方向につまり控除すべき経費は何と何であるか、或る種類の経費につきましてはこういう基準によつて落すんだというようなことを、成るべくはつきりいたすようにいたして参りたいと思います。何分非常に大きな問題でありまするので一朝一夕にしてということにはできませんのでありまして、その方向に向つてつて参りたいと思います。
  45. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君  今度の税制改革農業の方は源泉徴收をするという案が出ておるのでありますがこれは結論から言えば收入があつたときに税金を取るという意味だろうと思つております。そういうふうなことであるというと、現在農業課税をやつておるところの所得税というものはいずれ計算になつて收入があつたときの計算ではない、ただ予想收入を土台にして税金を課けておる、こういうふうなことになつておりますから、これを私等から度々希望しておるように收穫時の課税ではなくて、実際にその品物を売拂つたときに税金を課ける、こういうふうに改たむべきじやないかと思つておるのであります。たださつきも申しましたように源泉課税であつたならば売つたときに取られ、然るに源泉課税しない、ということであるというと前年の收入があつたということで現金は入らないけれども税金を出さなくてはいけない。結論から言えば收入がないところに対して税金が課かつて来る、又別の言葉で言えば借金して税金を拂わなくちやいけないということになつて来るのでありますから、現在の所得税の徴收方法を改ためて行かなくちやいけないじやないかと思つておりますが、この点について改ためられる意思があるかどうか又改ためられる意思がないとすれば何故改めることはできないかという、こういうようなことも御尋ねいたしたいと思います。
  46. 原純夫

    政府委員原純夫君) お説の立場も勿論あると考えておりますが、只今のところこの現金收入收入を以つてその所得一つとするということには遽かに参りかねるというふうに考えております。これは何と申しますか、見解の相異ということになるかも知れませんが、農業所得で秋に取入れがあるという場合に、やはりそれはそのときに所得があつたんだと考えられるという、非常に何といいますか、余り理論的の言葉で申上げ切れないと思いまするけれども、そういう考え方でやつて参りたいというふうに只今考えておるわけでございます。
  47. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 物品税でお尋ねしたいと思いますが、新旧対照表を見て見ますというと、ページの三十九です。これには紅茶、或いは烏龍茶何々と書いてありますが、緑茶は税金がかからないのでございますね、
  48. 原純夫

    政府委員原純夫君) 緑茶は只今税を課けておりますが、今度ので税を課けないことにしようというつもりでございます。今は課かつておりますが、この法案で外れることになります。
  49. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 それから四十七に陶磁器というものがありますが、私共は毎日毎日茶碗で御飯を食べなければならないのだから、そういうふうな日用品に対しても税金を課けられる方針でありますか。私などはこういうふうなものこそ免税しなくちやいけないと思つておりますが、(笑声)四十七の陶磁器にはそういうふうなものを含んでおるのか、おらないのですか。
  50. 原純夫

    政府委員原純夫君) 含んでおらないと申上げてよろしいと思います。と申しますのは例の免税点制度というものがございます。陶磁器にしましても、日常の生活にどうしても必要な程度の茶碗その他ですね、こういうものは免税点で外して参る、只今の陶磁器でいいますと、食器類の免税点というのは三十五円でございます。これを今度の機会に若干上げて五十円程度にしようと考えております。五十円にしますと、生産者価格が五十円でありますから、小売に参りますと倍以上になります。恐らく百二、三十円にはなろうかと思います。一つ百二、三十円の茶碗といいますと、我々官吏の給料じやなかなか買い得ない。(笑声)その程度まで落ちればですね、御指摘のような生活、まあ極くモデストな生活に必要なものは落ちるという考えで、そのつもりでやつております。
  51. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 戊の六十一ですが、食品加工……これは料と書いてありますが、料ですか。
  52. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) 加工料です。
  53. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 加工料の免税でございますか。
  54. 原純夫

    政府委員原純夫君) 食品加工料には免税点はございません。
  55. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 それから六十二の敷物類ですね、この敷物類の中には藺で作つたござのようなものにも税金を課けられるお考えでございますか。
  56. 原純夫

    政府委員原純夫君) ござは只今も課けておりません。たしか先般の改正のときだつたと思いますが、落しました。その前は免税点制度でやつておりましたが、普通のござは落そう、ただ花ござは現在も課けておりますし、将来も課けるつもりです。
  57. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 花ござというその花ござの範囲ですがね、花ござの中にも青いか赤いか、一線か二線入つたようなものまでも、これを花ござとして課税をしておられるわけですが、こういうふうなものは課税すべきものではないじやないか、ただ色が着いていないところの花ござは縁起が悪い、普通の場合には人が死んだときに敷く。それで線が入つているのは普通の場合に敷くのだから、死んで敷くところのござには税金を課けないが、生きておるときに敷くところのものには税金を課ける。(笑声)ただ色がちよつと着いているだけで、これが花ござとして税金を課けるのはおかしいと思つておりますが、ただちよつと色を入れただけのござも花ござとして税金を課けなければならないか、この点を一つ御検討願いたいと思つております。
  58. 加賀操

    ○加賀操君 今の花ござですが、これは大体国全体として二、三千万円らしいですよ。ですからこれは生産地方面で非常に強い要望があるので、これは一つカットするように、特に一つ研究して貰いたいと思うのですが……
  59. 原純夫

    政府委員原純夫君) この税制全般、特に物品税はそうですが、花ござと普通のござとの境、それからほかのものにしましても、ソーセージ、べーコンというようなものが今あるのですが、ソーセージというのと、何かわけが、分らん肉をくしやくしやしたものの境というようなことになると、実に頭を悩ます(笑声)ものなのであります。えてして税務官吏はとにかく取つてしまえというようなことになりかねないような感じを(笑声)お持ちでございましようが、花ござと普通のござとの関係などは、やはり物品税法の精神に従つて奢侈的なものには課けるという、それでも非常に判断はむずかしうございますが、それで大きなところから判断して参りたいというふうに思います。
  60. 永田龍之介

    ○專門員(永田龍之介君) 山林の所得税のことについて一、二お伺いしたいと思うのですが、例のシャウプ勧告案によりますと、均分年数を二十年というふうに一応考えられておるようでございます。その後これを五年にするか、十年にするかいろいろ御検討になつたようでありますが、業者の意見としては大体伐期を以て均分せられたいという希望が非常に多いのであります。ところが我々としても、その点は必ずしも伐期によらなくても、ときによれば伐採頻度を基準にして決められるというような方法をお考えつたらいいのじやないか、こういうふうに思つておるのです。二、三の実例を申上げますと、大体二十年から二十五年くらいというのが、いわゆる林業地、経済林業をやつておる地方の伐採頻度になつておるように聞いておるのでありますが、そういう意味合からいうと、やはり二十年というようなものを御採用下さることがいいように思うのです。ただ二十年間に亘つて調整する問題が非常にあとまで残るので、この調整はときによれば希望によつて五ケ年に短かくするとか或いは所得のあつたときに全部納めて、あとは徴税しないというような方法も便宜考えられるのじやないか、こう思つておるのです。でこの五年という数字については、何か大蔵省の方では基礎がおありになるのでございましようか。
  61. 原純夫

    政府委員原純夫君) この変動所得平均課税の問題は、全体として相当技術的の問題が多いのでありますが、五年を考えましたのは殆んど全部行政上の便宜ということを考えたわけであります。五年でも実はとてもこれは大変だ、三年くらいにしたいというのが実際面の意見なのでございますけれども、まあ一応五ケ年くらいのところで行こうかというようなところを考えておるわけであります。林業につきまして二十年ということをシャウプは申しておりますし、その御要求お話の御趣旨も分る気もいたすのでありますが、これを調整するとなるともうとてもできませんし、又調整せんということになりますと、シャウプの方式では実は余り正確でないのでございます。  それからもう一つ根本的には、そういう変動所得のうち林業の所得或いは株の讓渡所得というようなものは、実際はすでに何年かに亘つて蓄積されたものが、その年に入るわけです。そうするとさつき言つた、何といいますか、所得の実体的な根源は前にできておるのです。だからそれは売つたときに所得と見るわけですけれども、あとに延ばして何するというのは、本当はそれから考えるとおかしいのでございましようね。讓渡所得なんかにしてもそうでございますし、そのようなことも考えて、行政上の便宜も絡み合わせて、大体妥当な税率のところに緩和されればよろしいのじやないかというような考えを持つておるのでございますが……
  62. 永田龍之介

    ○專門員(永田龍之介君) 一応今の御説明で、課税技術上の立場から当然のことだとは思うのですが、ただ今の所得が蓄積されたがためにその收入所得があつたときに一どきに拂うという建前から行くと、そこで一応所得税を拂つてあとの方へ調整することを止めることで、調整を止めて均分は二十牛にするとか、伐期にするとかいう考え方はできないものでしようか。
  63. 原純夫

    政府委員原純夫君) その点は只今申上げたのは、所得の実態が前の年度にあつたのだとすると利息を貰はなければならぬということになりますが、そういうような考慮も働いて来ると、そうすると、それらも考え合せて五年で均分して、何したら大体妥当なところが出やせんかと、只今申上げたつもりなんですが。
  64. 永田龍之介

    ○專門員(永田龍之介君) それでは次は継承税の問題であるのですが相続が起きた場合に、今度の税法で参りますと、非相続人が価額許価益税六%拂つて、そして更に所得税を拂つて、そして相続を受けたものが、相続人相続税を拂う。そしてその相続税を拂うかために山林を処分したときに、所得税を拂うという四つの税が一度に固まるという、一応理論的な答が出るわけですが、そういつた場合にこれは無償讓渡と考えられるのですが、無償讓渡のときに、その所得税まで負担しなければならぬというのが、理窟はあるんでしようが、拂いにくいという点で何とか考慮ができないかという意見が出て参つておるのですが、それが一つと、この場合に相続財産として山林立木の売買価格、そのものを全部相続財産と見るかという問題なんです、この中には相当所得の部分も入つているので、結局売買価格全体を相続財産として継承税を課け、又それを処分したときに、その評価額全体を所得の対照と見て所得税を課けると、結論において一〇〇何%というような税金負担しなければならぬということになる矛盾が起ると思うのですが、この点二つお伺したいのですが。
  65. 原純夫

    政府委員原純夫君) 第一の相続に際しまして、讓渡所得を計算して課税するということは、シャウプも言つておりますように、所得税、つまり所得は、本当はもう所得の実態は出来ておる。それを何代も累納させるのはいかんと、所得、その他の無相続の場合にも、これを課税しようという考えからであります。  それから第二の点はちよつと御質問の趣旨がはつきりしなかつたのですが、山林なんかが相続財産にある場合には、その中に所得分がある筈だ。それに相続税が課かる、そうして後に又それをとると、山林所得として所得税川課かり、合計で一〇〇%以上にならんかという話と思いますが、これは相他税としては所得分もあるかも知れませんが、第一段に申上げました何で、この讓渡所得の計算上拔かれる分は拔かれることになるのですね。山林の場合にこれを拔くということになりますか外の何だつたら拔ける。山林の場合はそれは財産であるとして、財産には違いないわけでありますね、課かると、後何と言いますかその税を相続財圧のどこから納めるかということも、第二の点は関連して来るわけでございますね。山林を売つて納めるということになりますと、この売つたことによる所得に対する所得税と、相続税とり関係はこれはダブらないように只今手を打つてあります。それはこの他の財産で相続税を納めたという場合に保、あながち全部相続税がこの山林の部分で評価するというように考えないでもよくはないかというふうに感じますが、尚一つ研究して考えて見たいと思います。
  66. 永田龍之介

    ○專門員(永田龍之介君) 山林の継承税の場合に課税対象をどうするかという点で、我々としては立木というものか法律の建前からいつて、動産だが不動産だか分らないし、税の立場からいうごときによると所得とみる、ときによれば全部財産とみるというような格好にあるように見受けられるわけです。そこで何か適当な方法を、例えば立木のうちで半分だけは所得で半分だけは財産だという手が打てればいいだろうと思うのですが、
  67. 楠見義男

    委員長(楠見義男君) もう少しこれは研究して下さい、——大分長く御勉強を頂いたようでありますから、本日はこの程度にいたしたいと思います。    午後三時四十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     楠見 義男君    理事            石川 準吉君            藤野 繁雄君    委員            門田 定藏君            柴田 政次君            高橋  啓君            星   一君            赤澤 與仁君            加賀  操君            山崎  恒君            板野 勝次君            池田 恒雄君            岡村文四郎君   政府委員    大蔵事務官    (主税局税制課    長)      原  純夫君   事務局側    常任委員会專門    員       永田龍之介君