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1949-12-02 第6回国会 参議院 内閣委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二日(金曜日)   —————————————   委員の異動 十一月三十日(水曜日)委員岩本月洲 君辞任につき、その補欠として竹下豐 次君を議長において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○定員法実施後における行政運営並び  に追放者特免に関する審査状況に関  する調査の件   —————————————    午後二時二十五分開会
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それではこれより開会いたします。ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  3. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて。
  4. 池田勇人

    國務大臣池田勇人君) 先程申上げたように、今の予算状況では臨時的のもので間に合うというので予算を組んでいるのであります。併しそれが実際どうなつているかということは、予算委員会においても、調査して見よう、こういうことを言つておるわけです。私の今の答弁でここでもうこれまで決まつたのだということを申上げたわけではない。外にもこういう例があります。実情調査して、来年度の予算を作るときには考えなければならんと思います。何分にも今の仕事を十分にやつて行こうとすれば、それは人が沢山要りましよう。殊に食糧管理特別金計の問題でなしに、税務の方にいたしましても、非常に人が足りないというので、国民に御迷惑をかけておる。併し何といつても、我々の考え方としては、できるだけ少い人で能率を挙げて行きたいという考え方でございますから、財政状況とそれから実際の仕事運び工合考えて、それは来年度の予算案編成のときには考慮しなければならん。今申上げたのは定員法改正のときの事情言つたのであります。  で、今後どうするかということは勿論調査して見なければならんと思いますが、大いに臨時的の人がおるからといつて、直ぐそれを定員法に組んでしまうということは、国費の上からいつても無駄が起り勝ちでございますから、その点は実情に副つたように、例えば七、八千人の臨時雇員がおる、それを皆直ぐ定員法に組んでしまう、或いはその幾分から定員法に組んで、それは臨時にするとかいろいろな問題があると思うのです。こういう問題は農林省の方と、それから定員関係については本多国務大臣の方と主計局の者と相談いたしまして、適当に処理いたしたいと思います。  ここで今食糧管理特別会計が話題になつておりますが、各省関係を通じまして、私今例を話したのでありますが、各省にあることなのです。ああいう思い切つた整理をやつたあとでございますから、これは補正すべきところは補正し、又事務の繁閑によりまして、もつと減らし得るところは減らさなければならん。從つて食糧管理特別会計のように、外から大分あれが来るとすれば、これは定員法改正せざるを得ないのであります。從つて来年度の予算を組みます場合におきましても、商工省などは差引千五、六百人ぐらい減つております。安本も減つております。大蔵省の方も減つております。然るに農林省の方は統制のいろいろな事務がなくなりましても、農林省余り減つておりますまい。余り減つていないと思います。商工省はうんと減りました。だから私は予算のときの閣議でのあの決定につきましても、定員法的にもつと検討を加える必要があるのじやないかというので、今検討いたしておるのであります。今日これから司令部へ参りますのもいろいろな予算の内容につきまして、国会中は余り折衝できなかつたので行つて来るわけであります。詳しくは大蔵省政府委員にお聞き下さればよく分ると思います。
  5. 梅津錦一

    梅津錦一君 ちよつと一言……今三好君が言つたので、大体私の言うことは盡きていますが、ただこの借定員が八百七十一と非常勤職員が六百二十六、これが責任を負えない位地になつておる。定員でないために判こを皆預けてあるわけです。その人達が無責任判こをやつていられるから、この食糧問題に対して非常な齟齬を来しておる。これはやはり定員になつていれば責任で自分の判こを捺すわけです。借定員なり臨時傭員になると、皆判こを借りて仕事をしておる。或いは農協も判こを預け放しで仕事をさしておる。こういうようなことで非常に無責任事務をやつておる。ここを私は考えなければならん。これらは一番大きな問題だ。ここのところなのです。この間から問題になつているのは、僅かばかりの人の責任で、大部分の仕事責任を持たない人がやつておる。実際の仕事責任を持たない人がやつてつて責任を負う人は判こをついておらん。盲判でないような本当の判を捺すような組織の予算を組んで貰いたい。こういう希望なのです。それに対して、ちよつと大臣の御返事を……。
  6. 池田勇人

    國務大臣池田勇人君) 私は食糧管理特別会計人員の増大が幾らだつたか記憶しておりませんが、一村に一人ですか、或いは一人もいないような場合があります。それならば私は何も盲判ということでなしに、事務の閑繁によりまして検査を充実して確実性を期したいと思います。責任所在も明らかにするような方法があると思います。役所仕事というものはやり繰りすれば可なり融通のきくものでございます。その程度で……。
  7. 梅津錦一

    梅津錦一君 もう一言ですね、その一・七の人員では仕事ができないから、判こを貸すわけです。判こを借しては困る。やはり判こを持つた人が本当仕事をして貰いたい、私はこういう希望です。その点で予算編成に対しては十分御研究願いたいと存じます。
  8. 河井彌八

    委員長河井彌八君) そうしますと他の官庁はどうなりますか。会計検査院から第二局長初め見えております。やはりこの件に関して何か説明を求めるならば、この際願うことにしてはどうですか。
  9. 三好始

    三好始君 結構ですね。大蔵省の方から主計局長が来られるのだつたら出席して頂きたい。
  10. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それではそういたしましよう。三好さんから問題の所在をはつきりしてやつて貰います。
  11. 三好始

    三好始君 会計検査院の当局の方にちよつとお伺いいたしたいのでありますが、新集荷制度が実施されたことによりまして、食糧検査員支拂証票発行事務をとつて来たわけでありますが、現在まで一応判明いたしておるところでは、過誤拂相当額に達しておるということで、過般内閣の委嘱に基きまして会計検査院がこの方面の検査をされたと承つているのであります。その検査の現在まで判明しておる結果、どういう事実が明らかになつておるかお伺いいたしたいと思うのです。  それから過誤拂が生じた理由なり原因について、会計検査院はどういう結論に到達しましたか、そのことを先ずお伺いいたしたいと思います。
  12. 小林義男

    説明員小林義男君) お答えいたします。今の御質問の点にお答えいたします前に、私ちよつと会計検査院仕事やり方を、余分でありますがお話しいたします。今の過誤拂のような点の数字で、会計検査院で発見いたしましたと言いますか是正いたしましたものは、いずれこれは国会の方へ検査官会議というものがございまして、三人の検査官会議へ議案を提出いたしまして、そのまとまつたものを、検査報告として国会の方に報告いたすことになつておりまするので、その数字は近々に提出申上げる運びに相成つております。で今会計検査院が発見したというものはそう多くないと思うのですが、そういうことになつております。それからこれに対する今の原因といたしまして、私の方の役所はそういう性質上数字だけを報告いたします役目か決められておりますので、それ以外のことはやや私見に近いわけでございますので、どうも申上げても役所としての証言といいますか、そういうことには相成らん次第でありますが、それでも強いてということになれば、まあ多少考えておる点もございますが、これは極めて御利用なさるにも工合が悪いものじやないかと、かように考えております。
  13. 三好始

    三好始君 数字はそこへお持ちなのですか。
  14. 小林義男

    説明員小林義男君) ちよつと書類を今忘れて………。
  15. 三好始

    三好始君 只今の御答弁でははつきりしたことは何も掴めないのでありますが、会計検査院の方は恐らく検査院定員のことと御了解の上で出席されてこの問題をはつきり予定されておらなかつたように見受けるのでありますが、そこで念のために、会計検査院の方は一応は御承知と思いますけれども、私の質問に対する政府答弁当の一節を引用しましてこの種の過誤拂がどの程度他で起つておるか、調査の結果はこれだけであるか、或いはその外にも相当これに類するものがあるのか、大体のことを御記憶だつたら、今日資料をお持合せがないとすれば、その程度のことでもお答え頂きたいと思うのでございますが、私の質問に対する政府答弁書によりますというと、「なお食糧事務所において過誤拂処理会計検査院会計実地検査の結果指摘されたものは、広島食糧事務所の四百九十一万八千六百八十九円八銭(五月末)一百六十一件、新潟食糧事務所の一千九百三十九万二千九百五十九円三十四銭(七月末)三百六十件並びに滋賀食糧事務所の五百四十九万九千八百九十七円二十銭等である。」、こういうことが政府答弁書にはつきり明記されておるわけでありまして、この種の過誤拂が他の食糧事務所においても相当あるのではないかというふうに私想像するのでありまして、その状況を承つたのでありますか、本日資料をお持ちでないようでありますから、後程、こうした事実が判明いたしておりますものを承わりたいと思うのであります。それと先程、こうした過誤拂が起つた理由原因については今計検査院は何も調査する立場にないとのお話でありましたが、我々にとつてはそれを一応知りたいわけでありまして、正式には責任を以てお答えできない問題かも分りませんが、先程のお言葉によりますというと、少くとも個人的な立場感じでおられる問題もあるようでありますから、お差支のない範囲でその点も承わりたいのであります。
  16. 小林義男

    説明員小林義男君) お答え申上げます。只今お挙げになりましたように、会計検査院といたしましては年間を通じまして各食糧事務所を、全部ではございませんが、できるだけ実地検査をいたしまして、そうして食糧支拂証票なりについて数日数名の者が検査するわけであります。そういう検査をいたしました結果、只今のような支拂証票の二重発行とかというような問題が分つて参りまするので、今お挙げになりました外に、例えば神奈川県でもそういつたようなものがあるとかということで、これは後程取揃えてお出しいたしたいと存じております。そういうふうに、間違つたことの原因として考えられまする点でありまするが、食糧事務所の支所におきまする一人当り扱い額というものが相当多いのでありまして、これは御承知のように計算上は一村当り一・七人とか、或いは一人当り食糧事務所人間で申しますればたしか六千万円になるとかというような関係でありまして、他面支拂証票というものを見ますと、支拂証票はいわば一つ小切手見たいなような点もありまして、これを一々供出した代金に対して支拂証票発行するという発行業務というものは相当のむずかしいやや経理的には、專門とは言えないか知れませんが、專門的仕事でもありまするので、相当困難な仕事である。のみならず、米の代金支拂暫定価格、それに対しまして本価格が決まり、後から追拂いがある。同じ米に対して早期の早場米奬励金といつたようなふうに非常に支拂関係も複雑しております。で、そういう点もあり、かたがたそこにおける受拂いというものは、これは物品出納簿といたしまして大切な記帳の材料になるのでありますが、現在のところ実際は第一線で買入れたものなんで、政府物品出納簿の台帳はできておらないのでありまして、支拂証票発行いたしましたその支拂証票によつて食糧事務所で記帳しておる。こういつたよう関係にもなつておるわけで、支拂証票だけのことから言つても、今の一・七人の人間では相当無理じやないかということは考えている次第でございます。
  17. 三好始

    三好始君 只今の御答弁によりますと、支拂証票発行業務相当複雑な業務であり、且つ專門的な能力も必要な業務のようなお話であり、而もこれが発行枚数も随分多いわけでありますけれども、人数が足りないじやないかというようなお話でもありますが、実情をいろいろ調べて見ますと、人数が足りない関係もあるのじやないかと思いますが、その重要な小切手に類する支拂証票発行業務食糧検査員がみずから責任を持つてつているわけですが、実情を申しますと、殆んど農業協同組合であるとか、或いは集荷業者なりに記入をさせて判こを捺すだけだ。こういう状態が多い。こういうことになつておるということでありますが、これは会計法規上いいのかどうかと疑問にも思うのでありますが、会計法規上こういうことが許されるかどうか、そのことを一つつて置きたいと思います。
  18. 小林義男

    説明員小林義男君) この法規上違反ではないかという点を端的に申上げますと、これは支拂証票発行して、その責任者が判を捺しまして、そうしてそこの事務所の判ばかりではまだ割引きができないので、割引きと申しますか、支拂いにはならないので、事務所の所長なり、つまり県にあります食糧事務所責任者の判も要ることかと思つておりますので、まあ、とにかく形式的か知れませんが、一応有劾な責任を持つという態勢だけは整えております。ただ問題は……そういう責任だけは持つ仕組になつておるわけでございます。
  19. 三好始

    三好始君 最初にお尋ねいたしました過誤拂の点でありますが、過誤拂が随分沢山起つておるという事情として、この支拂証票発行業務という重大な事務責任者である食糧検査員責任の持てる程度に実際はやつておらない。農業協同組合集荷業者に実質的には委せるより外ない。判を捺す程度仕事をするより外ないという程度に、非常に事務繁忙を極めておる。そういう状態の下で支拂証票発行が行われているので過誤が多いのじやないかと私達は一応想像するのでありますが、会計検査院検査の結果監視されておるのはそういうことなんでありますかどうか、ちよつとお尋ねいたしたいと思います。
  20. 小林義男

    説明員小林義男君) 只今お話の点でございますが、実情といたしましては農業協同組合なり、組合の人に委せている部面が多いと思いますので、又過誤を生じます実情もいろいろありまするが、仰せのような点が大分に多いのじやないかと思いますが、尚実地に担当しました課長が見えておりますので、お差支がなければ過誤原因なりの御説明をいたしたいと思います。
  21. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 如何でしようか。第二局の農林検査課長中島事務官が見えておりますが、中島事務官説明を聽くことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは中島課長から…。
  23. 中島尚文

    説明員中島尚文君) 今のお言葉のように実情農業協同組合等に手伝わしておる事情だと思いますが、仮に検査院みずからやりましてもとにかく間違い易い仕事じやないかと存じます。それでこれはまあ速記をしておりますので申上げることはどうかと思いますが、とにかく支拂証票制度というものが今まで食糧検査という技術面だけを担当しておつたところの末端食糧検査員に対して、今までの仕事にプラスされて支拂証票制度という検査院関係の、つまり小切手類似の行為をなすこと、つまり仕事が新らしく附加されておる。而も価格が何回も変つて、初め暫定価格支拂つて、又その支拂証票を交付しなければならないとか、或いは早場米奬励金について、或いは超過供出分について複雑な計算をしなければならない。而も村によりましては供出個人別割当関係で極めて零細な端数まで出て来る。俵單位でなくて、何キロといつたよう端数が出て来ます。尚俵に二種類、三種類ありまして、それによつて計算が違つて来るとかいつたように、極めて普通の経理事務に慣れた者ですら相当小面倒な仕事である。それがつまり供出期には大量におつ被さつて来るという実情であります。端的に申上げますると、私共といたしましては末端検査員支拂証票制度という複雑な事務をやらせること自体が非常に無理じやないかというふうに考えておりますが、併しこれが承わりますところによりますと、食糧庁でも相当にまあそういうことではいけないといつたよう実情であつたのでありますけれども、或る事情でどうしてもやらなければならないというような事情であつたと聞いておるのでありますが、私共も実は検査に参りまして支拂証票制度が施行されておつて、そうして国の経理事務を取扱つておるのでありますから、適正な支拂証票発行されておるかどうかということについては嚴格検査をしなければならん。その意味においては検査嚴格にいたしますけれども、片一方ではこういうことを検査員の人にやらせるということがどうも殊に二十年、三十年も米穀検査一本でやつて来た人達が、こういう複雑な仕事を新たに担当しなければならないということについては、非常に気の毒に感じておるわけであります。
  24. 三好始

    三好始君 支拂証票発行業務に関する限り、問題は一応明瞭になつたと思うのであります。この検査院支拂証票発行するという新集荷制度が実施せられるときに、食糧庁ではこの業務のために約一万人の増員が必要だということを主張した模様でありますが、それが定員法制定に当つて全然考慮されなかつたわけでありまして、而も一律的に整理が行われたところに問題の禍根があつたよう感じもするのであります。私はそういう点から少くとも食糧事務所事務のうち支拂証票発行を中心とする問題、特に過誤拂の問題は、理由が明瞭になつたと思いますので、私の会計検査院に対するお尋ねはこれで打切ります。
  25. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 如何ですか、会計検査院に対する御質疑があれば承わりますが……。それでは、ないと認めます。   —————————————
  26. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 丁度本多行政管理庁長官がお見えでございますから、本多長官に御質疑があれば御質疑を願いたいと思います。御異存ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それではどうぞ。
  28. 三好始

    三好始君 私からばかりお尋ねするのは恐縮ですが、今の問題に関連して本多国務大臣一つお伺いいたしたいと思うのであります。  先程大蔵大臣の御答弁を承つておりましても、政府食糧事務所事務実情について、十分の認識を持つていないのではないかという感じがしてならないのであります。大蔵大臣の話では、一町村に一・七人程度あれば十分にやれる筈だ。やり方によつてはやれるんだという意味のことを申しておりましたが、検査院事務状況検査した結果出した結論は先程のお話通りであります。今日の事務実情は決してそんなに生易しいものではないと思うのであります。本多国務大臣は、特に新集荷制度実施に伴う食糧事務所事務実情について、どういうふうに人員の問題をお考えになつておりますか。若し今日の人員で、現在のような複雑な事務を処理して行くことが無理があるという結論になれば、これは何とか定員法改正して問題を解決しなければいかんではないかという気持がするのですが、本多国務大臣はどういうふうにお考えになつておりますか。先般も一応申上げた問題でありますけれども、只今会計検査院からああいうお話がありましたことでもありますから、改めてお考えを承わりたいと思うのであります。
  29. 本多市郎

    國務大臣本多市郎君) 食糧事務所定員につきまして、非常に熱心な御審議を頂いておるのでありますから、私の方でも十分な研究調査をいたしまして、早く政府結論をお諮りいたしたいと、実は心では思つておるのでございますが、未だに政府のこれに対する結論を申上げることができません研究中にありますことは、誠に心苦しく存じておる次第でございます。新集荷制度によりまして、証票の発行事務が殖えたということについて、実は昨年二月、これに対応する予算定員において三千名を認めてあるのでございます。この三千名が昨年予算定員査定の際に問題になりまして、これはすでに政府行政整理方針も織込んで三千名ということに予算定員を査定したのであるから、この三千名に対するあの当時の方針に基く減員はやるべきではないということで、この三千名というものについては整理をしていない。数の上では整理をしていないことになつておるのでございます。それでも併し両院において御審議を頂きました定員法通り定員が勿論減少しておるのでございますが、それが最近に至りまして、三好議員からお話通り、非常に臨時雇い上げの職員が、職員と申しますか、そういう傭員が、非常に殖えているという実情を、私の方でも調査いたしまして、大体のその実情を知ることができたのでありますが、この食糧事務所仕事は、時期的に非常に繁忙を極める仕事でありまして、十月、十一月が毎年峠になつております。こうした峠のところを捉えて一年間の定員に定めて行くということは、これは経済上もとらざるところという感じがいたします。それにいたしましても公務員でなければ処理せしむべきでない事務を、そういう傭員にやらしているという面がありますと、それが原因となつていろいろな過誤も生ずるわけでありますので、この点は政府におきましてもその実情がどこから来ているかということについて、来年度の定員を定めるにつきまして目下鋭意研究中であります。從つて食糧事務所事務簡素化の余地はもうないものか、更に臨時職がで処理させることが不適当な面がどの程度であるかというようなことを、誠意を以て今研究中でありまして、どうかこの結論は、次の国会には成るべく早くお諮りいたしたいと思いますので御了承頂きたいと存じます。
  30. 三好始

    三好始君 重ねてもう一つお伺いいたしたいのですが、鋭意研究中である、或いは今後研究を続けて行かれるということであります。大蔵大臣も、必要あれば十分に調査の上考慮するというお話なんでありますが、私は今日の事態はそれ程ゆつくり研究できるような事態ではないと思うのでありまして、二十五年度の予算が確定してしまえば、定員法改正することは、これは第七国会中に技術的に可能でありますけれども、それに対する予算裏付がなければ、第五国会で見られたようなふうに、実際問題としては定員法改正すら認められないことになるのでありまして、二十五年度予算決定する以前に問題を解決しなければいけないことになつていると思うのであります。この二十五年度予算決定と申しますのは、決して国会で通過するということではなくして、政府原案決定するまでにこれを解決して置かなければいけない問題だと思うのであります。新聞で見るところによりますと、予算案は十二日に提出される。或いは多少狂うかも分りませんが、政府原案決定する時期は、そうした予定と考え合せますと極く最近のことじやないかと思います。そこで研究するということは、現在切迫しているこの問題の解決には間に合わないのでありまして、その点を十分に政府としては考えて頂かなければいけないと思うのであります。  もう一つ本多国務大臣お話の中にありました点で、念のために申上げて置きたいのですが、十月、十一月が成る程期節的に食糧事務所事務繁忙を極めるということは想像されるところでありますが、必ずしもこの期節だけに事務が集中的に起つて来るというわけではないのでありまして、それは過去の非常勤職員数字調査して見るというと一応分るのであります。ちよつと面倒なことになるかも分りませんが申上げて見ますというと、二十三年度の各月の非常勤職員、当時は臨時職員と称しておりましたが、それを調べますと、四月一千百七十九名、五月一千百七十九名、六月一千四百七十九名、七月一千六百四十九名、八月一千七百七十七名、九月一千九百五十一名、十月一千九百五十名、十一月一千九百五十一名、十二月一千八十四名、一月一千百一名、二月一千四百三十五名、三月二千百七十五名となつております。これを食糧庁長官に聞いて見ますというと、多少は予算技術上の問題から平均的な数字が現われておるようなことにも承つたのでありますが、いずれにしましても二十三年度の実績はこういう数字となつて現われております。二十四年度におきましても九月まで大体ほぼ同様の数字になつておりますが、定員法施行により、人員が減少した後の十月以後のこれは予定された数でありますが、十月は四千名、十一月六千名、十二月六千名、一月六千名、二月五千五百名、三月五千五百名、こういう数字になつておるわけでありまして、決して十月、十一月だけが特別に忙しいのであつて、そのときの状態だけで定員の問題だけ考えるわけにはいかないということは、常識的には一応考えられる問題であるかも分りませんが、実情は決してそんなに生易しい業務にはなつておらないということを特に申上げて置く次第であります。
  31. 梅津錦一

    梅津錦一君 今三好委員からいろいろ出ましたが、一体これは農林大臣がこの責任を負わなければならないと、この数字的な過誤ですが、而もそれが、單なる数字過誤でなくして、国民に直結している数字的な過誤に対して、農林大臣は当面の責任者として責任を負わなければならないが、この定員法を制定した本多国務大臣もその責任の一端はある。若し定員が合理的に行つているならば、今後はこの問題は起らない筈だ。而もこうした過誤は七月現在までで三万五千二百三十三件、この金銭的な数字は知りませんが、これだけの大きな過誤があるということは、明かに定員だけが食糧庁関係には誤つておると思うのでございます。本多国務大臣のそれに対する御意見を承わりたい。
  32. 本多市郎

    ○国務大臣本多市郎君) 原因がそこにのみにあるとすれば全く定員法から来たものと言うことができるかと思いますが、この過誤、不正事件等は薪炭関係にも見られますように、ただそれのみから来るものでなく、何らかこれを合理化し、そして事務の正確な期する方法が他にもあるのではないかというふうにも考えておりますので、それは併せて研究いたしたいと思つております。
  33. 梅津錦一

    梅津錦一君 私はその薪炭特別会計の方にもそれはあると思うのです。ただ事情はいろいろ違うと思うのです。薪炭特別会計はその点了解できるものである。それは終戰後のどさくさから長い間続いておるのです。これは供出が非常にうまく行かないというそれはいろいろの原因は私は或る程度つておる。併しこれは去年の七月現在まで、全然終戰のどさくさに少くも関係がない。而も七月現在までにこうした過誤ができたということはそれはいろいろの原因があると思うのであります。
  34. 本多市郎

    ○国務大臣本多市郎君) 去年の七月までですか。
  35. 梅津錦一

    梅津錦一君 いや今年の七月までです。これはいろいろあると思うのであります。なぜかというとこの定員法は全部の責任ではないと思う。併しながら食糧関係においては特に日常生活、どこの家にも直結している。而もその日その日の生活に直結している。だから国民生活において最も重大な一つの部局だと私は思う。その部局を一般の定員と同じように考えると聊かそこに目方が、バランスが違うのではないか。定員法にはこの食糧関係の問題は相当重要視すべきなのを、一般定員と同じように二割というようなふうに性格を検討しないで、而もその重要性ということを或いは忘れておつたのではないかと考えるので、十分この点を本多国務大臣としてお考え頂きたい。そうしてこの問題は国務大臣責任ではないと………若し農林大臣責任としても、本多国務大臣がこれに対して片棒担ぐだけの御意思があるかどうか、その点をお伺いします。
  36. 本多市郎

    ○国務大臣本多市郎君) これは只今お話通りすべて重大な責任があると考えておりますので、その原因を十分確めまして、速かに善処いたしたいと思つております。
  37. 三好始

    三好始君 只今の速かに善処される御決意には敬意を表するわけでありますが、それは先程私が申上げましたように、二十五年度予算案政府決定するまでに解決されねばならない問題でありますから、そういう意味でそのことを十分御認識の上で努力せられんことを希望いたすのであります。これはこの前にも内閣委員会で問題になり、特に昨日の内閣委員会で十分な論議が行われたのでありますが、まだ解決しておるというところまで行つておらない兼務職員の問題、いわゆる借定員の問題でありますが、食糧事務所事務が非常に繁忙を極めておるために、十月一日現在で調査したところでは、農林省内の他の部局から八百七十一名のいわゆる借定員がある。こういう状態は違法でないかという疑いを私依然として持つておるのでありますが、こうした借定員という事実を本多国務大臣定員法制定に当つて予想しておつたかどうか。或いは現在こういう状態が起つておるのをどういうふうに処置されるお考えであるか、これをはつきり承わりたいのであります。
  38. 本多市郎

    ○国務大臣本多市郎君) これは予想もしておりませんし、定員法の精神に反することであると思います。さようなことがあるかないかということにつきまして、農林大臣に私も三好委員お話を聞きまして質問をいたしたのでありますが、これは兼務ということでやらしておるというようなお話がありました。兼務が人事院において認められる場合には違法ではないと思いますけれども、全く国会で決めた法律を無視して現場職員がそういうことをやつているといたしますと、定員法の趣旨に反するわけでありますから、これも是正しなければならんと考えております。
  39. 三好始

    三好始君 いわゆる借定員の問題は兼務ということで一応合法化されておる。違法でないと考えておるというふうに政府は解釈されておる模様でありますが、定員法の立案者なり、行政官庁の責任者として、兼務ということで了承するお考えでありますか。或いはそういう解釈は無理であつて、これは早急に何らかの措置を講ずる必要があるとお考えなつたか。その点をお伺いしたいのでありますが、実情を申上げますと、兼務ということで正規の職とそれから食糧事務所の職とを事実上兼ねておるというようなのはないのでありまして、形式的には他の部局の職員でありまして、実質的には食糧事務所事務を全面的にとつておるわけでありまして、いわゆる借定員という言葉はこれは食糧庁当局は使つておる言葉なのでありますが、私は非常にぴつたり来る言葉だと思います。全くの借定員なのであります。そういう状態であることを前提といたしまして、これを兼務ということで認めて行かれるつもりであるかどうか、それをお伺いいたしたいのであります。
  40. 本多市郎

    國務大臣本多市郎君) 只今お話のような実情にあつたといたしますれば、その借定員を本定員に直すということをやるべきであると考えております。これは農林大臣ともよく実情を聽き協議いたしまして、そういうふうになつておるとしますれば、貸す余裕のあるところから定員を変更するという処置を講ずべきではないかと思つております。
  41. 三好始

    三好始君 そういう実情調査されて解決されることは適当だと思うのでありますが、ただ問題は、予算なのでありまして、定員法改正することは、先程も申しましたようにこれは技術的には容易にできる問題だと思うのであります。ところが食糧庁定員は、本省なり林野庁、水産庁あたりとは別になつておるわけでありますから、定員法改正するだけでは問題は解決しないのでありまして、食糧庁定員が殆んど食糧管理特別会計に属しておるわけでありますから、予算の問題が起つて来るわけであります。二十五年度予算食糧管理特別会計人員の上に一定の枠を設けますと、これは定員法改正と同時に予算措置を講する必要がある。予算の補正を必要とする。こういうことになるわけでありまして、そういう意味で、我々は食糧庁定員の問題を二十五年度予算案決定までに解決しなければいけないというので、非常に熱心に審議をいたしておる状態なのであります。そのことを十分に御認識頂かなければいけないと思うのであります。
  42. 本多市郎

    國務大臣本多市郎君) 只今お話は私共全然そういう心組でおります。併し予算の上において一応の定員が決まりましても、予算には多少のゆとりというものもございますから、必ずしも予算定員と一致しない場合があるか知れませんけれども、少くとも定員を置く以上は、それを実行し得られるだけの裏付予算が必要だと思いますので、その心組で今日研究いたしておるわけでありまして、殊にこの食糧事務所職員につきましては、こういうふうに問題化しておることでもございますので、予算案を立案する大蔵省当局ともその点においてできる限り連絡を取つて行くつもりであります。
  43. 梅津錦一

    梅津錦一君 今三好君の言つた定員の問題はそれで了解いたしましたが、特に非常勤職員定員法施行以前の大体四倍になつておる。現在六千二百六十人という非常に多い数になつておるのは、定員法があのままでやつて行けないので非常勤職員の殖やした、こういう結果だと思う。このまま非常勤職員を六千二百六十人置くならば、曲りなりにも業務差支はないかも知れない。併しこのままで置くならば依然としてこうした会計上の誤りは是正されない。そこで本多国務大臣としては六千二百六十名という定員法以前の四倍をどのくらい定員に持つて来るだけの、或いは全然持つて来ないで、今までのままで置くか、非常勤職員として置くか、或いはこの非常勤職員を、非常勤でなくして常時勤務しておる者が四分の三はある筈だと思う。この四分の三のこの非常勤職員定員法施行以前のように定員として置くかどうかということに対してのお考えをお聞きしたいと思います。
  44. 本多市郎

    國務大臣本多市郎君) 殆んど行政整理が完了いたしました九月末日の翌日、十月一日に食糧管理庁の実人員定員法によつて減員しましたものが、もとの定員と殆んど変らないというような数字も、確かな責任のあるものとして農林省から私が聽取したわけではありませんけれども、私の調査では出て来ておりますので、あの際あれ程政府が決意を以てやつた行政整理食糧事務所が果して行なつておるものであるかどうかということについても調査いたしたいと思います。行政整理が済めば必ず実員は六千人ぐらい減つていなければならん筈であるに拘わらず、その数字を見ますと、全然従来の公務員を臨時職員というのにそのまま振替えただけではないかという感もいたしますので、その辺も調査いたしたいと思つております。今の臨時職員の中のどれぐらいを今度定員を増加することにするかという御質問でありまするが、これが只今のところでは、どれくらいということを今申上げるところまで政府方針決定しておらないのでございます。どこまでも実情に即して行きたいと考えておりますが、御承知通りに、実情の許さないのは止むを得ないのでありますけれども、政府はでき得る限り機構人員を更に縮減したいという考えも持つておりますし、食糧関係におきましても、芋の統制も大体供出完了後は外れ、来年度は主食に入るか入らないかも、どちらかと言えば入らないのではないかという見通しを持つております。そういう点があり、更に検査等が非常に複雑な雑穀等におきましても、相当政府の方でも方針只今研究中でございますので、在来の事務簡素化、更に今後の事務というものも、更に今お話のありました現状というようなものと睨み合せて一つ遺憾のないように決めたいと思います。誠意を以てこれは当るつもりでありまするので、御了承を願いたいと思います。
  45. 梅津錦一

    梅津錦一君 今国務大臣実情に即してというお言葉は非常に私は意義深い言葉だと思いますが、来年度芋の統制が撤廃されても、芋に代るものが必ず入つて来る。それに対する事務はやはり扱わなければならん。ですから芋は外れても、それに代るものが入つて来る。こういうところは結局仕事の上から言えば、そう大差はないではないか。食糧庁においてはその定員法の二割は実員から減つておらないというのは、食糧庁が忠実に定員法を施行しなかつたということになるのですが、併し若しそれをそのままやつてしまつたら二割余をやつてしまつたら、恐らく運転がつかなかつた。その運転がつかないためにこの非常勤職員という六千二百六十人という一つの身分保障もされておらない。ですからその身分保障もされていない職員責任を負わせるわけにいきませんので、この責任問題から言えば、そうした六千二百六十人という無責任者がこの責任ある仕事に携わるということは本多国務大臣としてどうお考えになるか、言い換えれば六千二百六十人に責任ある仕事をさせないというならば問題ないわけなんですが、どうしても責任ある仕事をさせなければ運転がつかないとするならば、どうしても責任ある位地につかせる、私はそう思うのですが、その責任ある位地につかせるお考えかどうか、そのことをお聞きしたい。
  46. 本多市郎

    國務大臣本多市郎君) これは何回お答えいたしましても同じことでございますが、臨時傭員にやらしている仕事が、どうしても常勤の職員にやらすべきものであるという結論に達しましたならば、それに相応する定員法改正はやらなければならんと考えております。
  47. 三好始

    三好始君 この食糧庁定員の問題はしばしば繰返して申しますように、現在の段階では予算が焦点になつておるのでありまして、二十五年度予算決定までに問題を解決しなければいけないということは、何度も申した通りなんでありますが、それに関連して先程本多国務大臣は、予算は、何と言いますか、多少の彈力性があるからというような意味の話があつたと思うのですが、予算の彈力性で或る程度定員を増加することでは、現実の問題の解決には殆んど役に立たんのじやないか、それは極めて僅かの人数に過ぎないのぢやないか、若しこの彈力性のあるものが現実の問題の解決に相当役立つ程度のものであるとすれば、そうした杜撰な予算こそ問題になるわけでありまして、私は政府予算案決定までに是非この問題を解決すべきであるということを考えておるのであります。本多国務大臣に、若し定員法改正を必要とするとお考えになつておるのであつたならば、そういう意味で是非予算案決定までに、国務大臣としての御努力をされたいという希望を申上げて置くのであります。
  48. 本多市郎

    ○国務大臣本多市郎君) お話通り私も心組でおりますので、努力いたします。
  49. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでどうですか。大体お分りになつたと思いますが、今大蔵省主計局長が見えましたが、数字等についてならば主計局長にお尋ねになる方がいいと思いますが、政治論としてならば大蔵大臣でなければ工合が悪いと思いますが、何か主計局長にお尋ねがあるならば、この際御質問願います。
  50. 三好始

    三好始君 ちよつと主計局長にお尋ねいたしたいのですが、先程来お聞きになつて承知通りだと思うのでありますが、食糧庁定員増加が、今日の食糧事務所事務実情から切実な問題になつて来ておるわけでありますが、問題の焦点が二十五年度の予算でこれを実現するかどうかと、こういうところに来ておるわけでありまして、予算政府原案決定は非常に切迫しておることと存ずるのでありますが、一応食糧庁定員の問題が考慮された予算になつておるのかどうか。或いはまだ全然決定する、そういう予定すらできておらないのだつたならば、予算の案が一応決定するのはいつ頃になる見通しでありますか。そのことをちよつとお尋ねいたしたいのであります。
  51. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 大体予算は内容的に或る程度確定いたしております。それで御趣旨の問題なんでありますが、実は現在進行しております。お叱りを受けるかどうか知りませんが、人を殖やすことは考えておりません。人を殖やすことでなしに、まあ米価の決定、一・三%とか何とかいうものを実は決定しておるのであります。それで本多国務大臣及び大蔵大臣はどういうふうにおつしやいましたか存じませんですが、明年度のですの統制の撤廃の問題と相絡むものでございますから、大体まあ統制を撤廃するという方向に行くのぢやないかと思います。今おつしやいました点でありますが、それに代るべき何物かがあるのぢやないかというお話であるのでございますが、御尤もな点もございますが、今度芋の代りに小麦が入つて来ると、一体小麦も前年度に比較して約五十万トン入つて来る。芋について今問題になりましたのは、農家の細かい小口のものを買わなければならん。それから腐るというような関係、その輸送その他についてその事務が非常に複雑だつたということもあつたのでありますが、それからこれもまだ正式に決まつておりませんが、少くとも普通の工業用のものは全然買わないことになりますし、それから味噌醤油なんかの原料を食管で買うかどうかという問題も、いきなり食糧配給公団の方でやるというようなこともあります。そういつた関係で、その分量が或る程度減るということは私は申上げていいのじやないか。併し、にも拘わらず尚相当な複雑な事務が残るのじやないかという点もないことはないかと思いますが、それともう一つ臨時雇云々の問題があるのでありますが、この食糧供出事務というものは、非常に時期的に片寄つておるわけでございます。それで定員化して置きますと、それだけの者をずつと一年間置くと、まあ言葉は悪いのですが、途中において遊ぶというようなことがありますので、超過勤務的当その他については相当考えるけれども、予算定員を殖やすということは、実は卒直に申上げまして、今の考え方では入つておらない。併いその問題につきまして本多国務大臣その他内閣の御意向で、そういうことになるというふうになりますれば、これは予算を直さなければなりませんので、ただその場合に財源をどうするかという問題ですが、人数にもよりますが、そういうことになりますれば、又更めて考えなければならん問題だと思います。ただ私の方の事務的の考え方としては、こういう食管のみならず、いろいろ今度の定員整理の問題が凸凹になつておる点もありまして、單にこの食管だけの問題でなしに、いろいろな問題がございますので、そういう全般的のものについて内閣として方針決定して、それによつて予算を組むことにいたしたい、こういうお考えでございます。
  52. 三好始

    三好始君 いろいろなお答えがありましたが、その中で芋の統制が撤廃される方向に向いておるから、それによつて事務分量も相当減るのじやないか、こういうようなところから或る程度今日までの事務に応じて行けるようになりはしないか、こういうお考えのようでありますが、現在定員改正が、必要な人数がどの程度であるか、芋の統制撤廃がどの程度人員を調節できるか、こういうことに対する或る程度の科学的な調査に基かなければ、ただ抽象的に芋の統制が撤廃されると、それだけ事務が減るから、人員は減らせるだろう。だからそれによつてどうにかやり繰りができるのじやないか、こういつた大雑把な考え方をせられることは非常に危險なんじやないかと思うのであります。大蔵省の方では、芋の統制が撤廃になるとすれば、どの程度人員が節約できるというようなことを調査されたことがあるかどうか。これを一つお伺いいたしたいのであります。  それからこれは本多国務大臣との間にも質疑応答を繰返し、私の方からも実情を申上げた点でありますが、成る程事務の繁閑があることは確かであります。ところが数字的に調べて見まして、事務の繁閑から過去において存在しておつた臨時職員と、定員法施行によつて人員を削減された統果窮余の策として非常勤職員を著しく増加してどうにか間に合せておるという今日の臨時的な非常勤職員数字との間の一目して顯著な開きがあるのであります。決して食糧事務所事務に繁閑の差があるからどうこうといつたような、これ又抽象的な考え方で片付けるわけには行かないような数字がはつきり出ておるのでありまして、このことについてやはり調査されておるかどうか、この二つをお伺いいたしたいと思います。
  53. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 人の定員をどうするかというような問題は、実際申しまして科学的にその算出が殆んど不可能と申上げてもいいくらいなのであります。例えば鉄道でありますとか、通信でありますとか、通信なんか多少むずかしいのでございますが、ああいう企業官庁でありますと、もとは別といたしまして、戰前の九年から十一年までの統計であれば延長距離がどの程度殖えておる、駅がどの程度殖えておるかというような計算は出るわけです。通信にしましても郵便貯金の册数がどのくらいになつておる。小為替、貯金の増加がどうであるというようなことで一応の過去の目安で算定いたして行きますと、そういう数字は一応出ます。ところが一般の官庁でありますと年々事務に要する人員と申しましても、これはなかなか人というものはそういう機械的な仕事をしているものでありませんで、総合的な或る場合にはこれをやり、或る場合にはこれをやるというようなことで、総合的な人の運営をやつているので、この事務についてこれだけだということは、これは私もそういう点をいろいろ考えて見たこともございますが、結局いわゆる科学的だということは実はないわけでございます。それならば具体的なその食管の問題についてどうかと言われますと、これはまあ戰前と比較して見ました、それから当時の、もとは或る程度農産物検査等をしましたこともございましたし、いろいろやつて見たのですが、何人にも納得し得るといつたような能率計算は実際はできませんのでございます。それで從来行政整理の場合に何割減らすか、二割減らすか、一律天引きであるというふうに非常に科学的根拠がないじやないかと言われますが、これは本当に主観的な問題でございまして、或る官庁では、その事務のとり方にもよりますし、自分の方では二割減らされたら仕事ができないという面もありましようけれども、二割を減らした人でやるのだと、こういうつもりでの考え方もあるわけでございます。それでまあ問題はその食管特別会計については二割ということを、この前の予算のときに一律に政府方針で言つたものですから、現実的にどういう面ができたかというような、おつしやるようなことも出て来たと思いますが、それならば何人がよいかというようなことについて、どうも外の企業官庁と違つて、なかなかその点は合理的には御説明申上げかねるのであります。それで明年度の予算の編成の方針としまして、これは大前提として置かれましたものが、人員は絶対に殖さない。これはもう閣議で決まりましたもので、殊に特別会計は特にでありますが、一般会計においては殆んど人員の増加はございません。全体を通じて、公団を入れますと、恐らく四万人くらいの人員になると思いますけれども、そういうような方針を貫きましたので、たとえ忙しいかも知れませんけれども、これだけの人でやつて貰うのだという考え方をいたしておるわけであります。勿論この整理の結果につきまして、食管当局から確か三千五百人くらいというようなお話を受けたこともございます。併しこれはまあ政府方針であるので、その方針が変らない限り、これは苦しいかも知れないけれども我慢をして頂くのだという私の方としては政府方針從つて予算を編成しているわけでございます。まあ実情はそういうことでございます。
  54. 三好始

    三好始君 私が申上げました科学的に検討したかどうかという問題は、完全に教学的な計算に基いて教字を出して見たかどうかという程嚴密な意味でお尋ねしたのではないのでありまして、或る程度科学的なという言葉を使つたのは、やはりそういう意味から使つたのでありまして、芋の統制が撤廃されたらその範囲で事務が減る、だから何とか辻褄が合うのではないか、こういう考え方をされるとすれば、事務実情から増員が一応必要と認められる数字を、それから芋の統制が撤廃になれば節約される人数と一応は比較した上で一応問題は考えて見たのではないか。それすらしていないとすれば甚だ杜撰な考え方と言わなければならない、こういう意味でお尋ねいたしたのでありまして、そのことをどの程度に考慮されたか、こういう点をお尋ねしたのであります。簡單で結構ですからもう一言お答え頂きたいと思います。
  55. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 芋の買入数量は七億貫でございます。前年度に七債貫といたしますとこれを百五十貫、もう少し多いのでございますが、百五十貴換算といたしましても約五百万石でございます。そういたしますと米の全体の買入数量は全体三千二百万石でありますから分量的に申しますとそれだけのものは三千七八百万石のうち、これは五百万石相当分は減るのだということは一応理窟的には数量だけで申上げますと一応考えられるわけであります。それならはこれを三十七分の五だけ、即ち七分の一だけ減らし得るか、即ち現在食管にいる人員は二万何千かと思いますが、それだけ減らし得るかというとそれは絶対にできません。殊にああいう役所というのは総合的にお互いに彼此融通できる役所でございませんで、各郡各町村に一人か二人ずつのものがあるのでありまして、一人を半分にすることはいかんから結局できない。それから今の事務でどうなつておるか私は現実の実施当局でありませんので知りませんが、併し数量の計算でとてもいけない、併しそれならば幾らで行けるか、教量計算以外のものでもなかなか実際できて来ない。特別の事務所を置く以上一人は庶務会計とか或いは経理などがいるわけなんであります。それに一日中いるとは限らない。或る程度その人が供出なり買入れの仕事をやらなければならんわけでございますから、そういつたような点も考えまして、まあまあこのままでよいのじやないか、勿論来年度におきまして、芋の統制が撤廃になるかどうかという問題につきましても、まだ本当に確定的じやありませんし、それから確定的でもありませんのでやらない。そういつた点も勘案しまして、それがはつきり決まれば又別の考え方もあると思つたのでありますが、この際はそういう事情を彼此勘案して一応そのままにして置く。そうして状況によつて、場合によつては補正予算或いは予備金等で考えられるのじやないか、そういう考え方を一応とつたわけであります。
  56. 三好始

    三好始君 もう一つお尋ねいたしたいのでありますが、食糧管理特別会計予算案も、一応内定しておるようなお話でありますが、從つて定員を増加するという改正定員法改正によつて実現しようとする場合に、正式には新たな財源を求めて予算案を修正しなければいけない。こういうことになるわけですが、若し財源の問題が非常に困難である場合に、現在の予算の総額の範囲内で例えば予備費の方に繰替える、こういう技術的の操作によつて定員の増加が可能であるかどうか、そういう予算案決定する上の技術的な操作の可能性についてお尋ねいたします。
  57. 河野一之

    政府委員(河野一之君) それは今年度でございましようか、明年度でございましようか。
  58. 三好始

    三好始君 二十五年度予算でございます。
  59. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 金額によりますが、予備費は確か明年度十億程度にいたしたいと思つておりまするので、これはまあ運送貸でありますとか、それからそういつた輸送教量の増加によつて、不測の支出があるというようなことも考えられますが、明年度見ておりますのは、二十四年産米が二千九百万石、超過供出が二百二十七万石と、輸入食糧が大豆を除きまして三百四十万トンと、まあこう考えておりますので、若し供出がそれ以上あるということになりますと、運送費であるとか廻送費、保管費というものは当然要るわけでございまして、そういつた程度の予備費を取つて置かなければなるまいかと思われます。若しそれが五千人ということに相成りますと、一人当り六千三百円といたしまして月額三千六百万円要るわけでございます。そうしますとこれを年額に直しますと四億何がしになるわけでございます。まあそれだけのものが中から割けますかどうですか、それを一つ検討して見なければなりません。殊に二十五年度、これは年度が相当過ぎてからでありますれば或る程度の見通しが付くわけでございますが、まだ相当先のことでございますからその点がございます。それとたしか予算のときには、今大体考えております予算では米価が四千五百五円ということで実は組んでありすが、確定いたしましたのは四千五百三円でございます。その二円の差は三千万石といたしましても六千万円でありますから、そこに多居の余裕はございますが、そういつた点で尚技術的に検討を要する点があろうかと思います。結局やはり定員の方も実情をよく調べませんと……実は私共実情をよく知りませんので、そういうことをよく考えましてそういう点で政府方針に從いたいと思つております。
  60. 三好始

    三好始君 食糧管理特別会計には二十四年度予算の実施の結果余剰があつた場合に繰越すというようなことはないですか、その点お伺いいたします。
  61. 河野一之

    政府委員(河野一之君) これは繰越ができます。併しその繰越は支出未済額の繰越でございまして、年度内に支出に至らなかつたものを翌年度において支出することができるというわけでございまして、二十五年度に起つた新らしい歳出と申しますか、そういうものについてはちよつとできない建前になつておるのであります。
  62. 梅津錦一

    梅津錦一君 米価ですね、その一石は現在どう決まつておるのですか。
  63. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 生産者価格は四千五百三円ということに決まつております。
  64. 梅津錦一

    梅津錦一君 その四千五百三円ですね、この三円という端数は、これは事務上非常に問題になつている。この三円がなければ非常に簡單に計算ができるのですが、この三円があるために計算が進みませんので、受取る方もなかなか受取れない。計算する方で御承知のように非常に問題が起つているわけです。こういう煩瑣な事務をやることによつて、大変な誤りがあると思うのです。この桁違いの大きな差が起きる、こういう点から考えますれば、人員が現在減れば、尚ここにこの煩瑣な事務が軽減されない。例えば芋の問題にしてもそうだと思う。芋の端数があるために、その計算が非常にむずかしい。これはこの貫目に対する端数が非常に計算がむずかしいのです。これは非常に困つたものだという話を聞いたのです。これを是非、生産者の方も、三円とか二円とかいうのは切つてつて、早く渡して貰いたい。併し米価がそう決したのならば、これは止むを得ないと思いますが、先程の話でこれだけの人員を決めれば、これだけの人員はどうしてもやらなければならないというわけですね。人員は枠をしつかり決めれば、それだけは泣いても吠えてもやらなければならない、こういう形になると思う。併しそこに誤りがあると思う。なぜこの誤りを是正しなければならないかといえば、食糧庁関係はこうした問題を大変胎んでいると思う。胎んでいるところを最も早急に手を着けなければならないと思うのです。而もその手の着け方も、親切丁寧に一つ一つを検討して、そうしてその支出に対する検討を加えて行くということが、先程本多国務相の言われた実情に副うということだと私は思うのです。で最も実情に即さなければならないのは、現在この食糧関係だと思うのです。これは私は單に政府の方の問題じやないと思うのです。生産者の問題であり、或いは消費者の問題だと思うのです。消費者或いは生産者に直結していて、而も一日も切離せない重要な食糧庁関係の現場事務であると考えるのです。であるから主計局長としてもこれを……まあ主計局長はよくお分りだと思うのです。(笑声)特にこうした点は大蔵関係としては税務関係の方も相当あると思うのです。こうした問題の起つているところが一番重要だと私は思うので、主計局長として最も現場に直通し事務に対して明るいところなのでありますから、そういう点から仔細に検討を加えて、早急にこの食糧需給の態勢を完備するようにお願いしたいと思うのですが、局長としてのこれに対する御所見如何、これについて願いします。
  65. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 私としては勿論この事務を動かなくするというつもりはございません。私共の希望といたしましては現在のこの職員を、これは食管ばかりでなしに、外の方にいろいろお苦しいところもありますものですから、できるだけ努力してやつて頂きたいということでありますが、それがために国民の生活に最も密接な関係を持つている食糧問題というものがうまく行かん、配給問題がうまく行かんというようなことは決して本意でありませんので、そういう点について食糧庁当局とよくお話をし合つて見たいと存じます。
  66. 佐々木鹿藏

    ○佐々木鹿藏君 三好君の質問に対する局長のお答えが簡明卒直でありますが、仮に閣議或いは議院提出によつて承認された場合には、十億の予算があつて、いろいろ余裕があるだろうと思う。これでできるのだというふうに私は了承したい。そのように了承いたしまして私共は態度を決めたいと思います。
  67. 河野一之

    政府委員(河野一之君) その十億の予算があるからいいのだというふうにおとりになつて頂いても、私達としては困るのでありますが、十億程度のものは本当を申しますと動くのでございます。今年も予備費で以ていろいろなものを支出いたしまして、十億というものは年間を通じて千八百億、食糧全体から考えて三千八百億円くらいの食糧を買うわけであります。年度末におきましても、千三百五十億百の食糧のストツクを持つているわけです。約二千八百万石です。そういう歳入歳出の中で十億というものは非常に余裕があるというふうにお考え頂きましてはちよつとその……。    〔佐々木鹿藏君「いや、さように思いません」と述ぶ〕
  68. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 行過ぎではないかというふうに私は思います。
  69. 佐々木鹿藏

    ○佐々木鹿藏君 さように思いません。そのように了承しただけで……。
  70. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 予備費で以て定員を出すということは、從来やつたことはございません。
  71. 佐々木鹿藏

    ○佐々木鹿藏君 それではもう一遍お尋ねしますが、閣議決定がされたら十二日頃に提案される……間に会いますか。変更することを……。
  72. 河野一之

    政府委員(河野一之君) これは卒直に申上げますが、関係方面との関係がございまして、私の独断では……。
  73. 佐々木鹿藏

    ○佐々木鹿藏君 あなたにお尋ねするのは無理かも知れませんが、事務的に処理ができるか、閣議決定……大臣の肚を聞くのは大臣に聞ますけれども、若し閣議決定で三千人なら三千人増員するということが決まれば、事務当局としてそのような処置がとれるかどうか、こういうことです。
  74. 河野一之

    政府委員(河野一之君) そういうふうに閣議で決まりますれば、これは事務当局はそれに反対する筋はございません。
  75. 佐々木鹿藏

    ○佐々木鹿藏君 ただ事務的に処理できますか。
  76. 河野一之

    政府委員(河野一之君) ただもう殆んど内容的には決まつております。予算としては、ただその一部のですね、些細なものが決まつておらないだけでございまして、例えば公共事業費の問題でありますとか、見返資金が決まつておらないので、外は計数的には確定したという状況でございます。これは事務的なお話でございますけれども……。
  77. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 如何ですか、この程度で、主計局長の御説明は……。
  78. 梅津錦一

    梅津錦一君 今朝の新聞を見ますとですね。農林大臣食糧庁関係において、定員を四千何ぼ殖やすというようなことが新聞に出ておる。主計局長の方はほぼ決定したということになると、大蔵大臣の疎漏か、或いは主計局長の方が現場を持つておるが、どつちが正しいかということに迷うのですが、まだその点ははつきりしておるかおらないか。主計局長として御意見を伺います。
  79. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 予算というものはですね、一部では決まりませんで、これは計数でございまして、全部は彈きだせないわけで、その面においては決まらない、その通りであります。個々の会計がありますから話をいろいろ続けておりますから、これはこれで行こうとか、何とかということで、勿論最後の段階まで動かし得ます。動かし得ますけれども、一つずつとしては話が進んで行つておると、こういう意味合にお解りを願いたいと思います。
  80. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これでよろしうございますか。それでは定員関係の問題はこれでお終いにいたします。速記を止めて。    午後四時二分速記中止    —————・—————    午後四時三十二分速記開委
  81. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて。本日はこれで散会いたします。    午後四時三十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            中川 幸平君            佐々木鹿藏君    委員            梅津 錦一君            城  義臣君            紅露 みつ君            竹下 豐次君            町村 敬貴君            三好  始君   国務大臣    大 蔵 大 臣 池田 勇人君    国 務 大 臣 本多 市郎君   政府委員    行政管理庁次長 大野木克彦君    大蔵事務官    (主計局長)  河野 一之君   説明員    会計検査院事務    官    (検査第二局    長)      小林 義男君    会計検査院事務    官    (検査第二局農    林検査課長)  中島 尚文君