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1949-11-24 第6回国会 参議院 電気通信委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十四日(木曜 日)    午前十時五十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○警察用電話等処理に関する法律案  (内閣提出)   —————————————
  2. 大島定吉

    ○委員長(大島定吉君) これより電気通信委員会を開会いたします。警察用電話等処理に関する法律案の質疑をいたします。
  3. 小林勝馬

    小林勝馬君 先般から質問されたかと思いますけれども、重複するかもしれませんが、警察電話專用料金は年額四億八千六百万円だという御説明でございましたが、この專用料金では到底やつて行けないんじやないかと思いますが、これを上げられる御意思があるかどうか。その上げられるとすれば、大体どのくらいの御予定か、一つ承りたいと思います。
  4. 肥爪亀三

    政府委員肥爪亀三君) 只今お尋ねでございますが、実は非常な手違いでございまして、その方の問題の主管の者が参つておりませんので、尚後程連絡をいたしまして、正確にお答え申上げたいと思いますが、私経理局長といたしまして了承いたしておりまする範囲のことを簡單にお答え申上げたいと存じます。  警察電話関係は、従来の料金は非常に低率でありますので、十分な保守ができませんので、約倍程度に値上げをいたしまして、それでも十分とは申せないのでありますが、併し一般会計の方の都合もございまして、一応その程度に上げればまあ何とかできるだろうという程度であります。そういう意味合におきまして、考慮いたしておる次第であります。
  5. 小林勝馬

    小林勝馬君 昭和二十三年度中にこの警察電話調査その他にお使いになつ費用の総額は大体どのくらいでありましたか。その又項目は何の項目でお出しになつておられる。
  6. 肥爪亀三

    政府委員肥爪亀三君) その数字は、今ちよつとここに持ち合せておりませんので、大変恐縮でございますが、早速取調べました上でお答え申上げます。二十三年度中でございますか。
  7. 小林勝馬

    小林勝馬君 二十三年中でございます。  次のこの警察電話に関連いたしまして、施設管理費等、二十四年度分の補正予算の御説明を願いたい。
  8. 肥爪亀三

    政府委員肥爪亀三君) 本年度補正予算のお尋でございましたので御説明申上げますが、お手許に、二十四年度電気通信事業特別会計補正予算要求書という参考書が参つておりますか。まだお手許に差上げていないようでございますが、それでは大体御説明申上げます。  本年度補正予算を提出いたしました理由は、大体郵政省に業務委託いたしておるのでございますが、委託経費が足りませんので、それを補足する意味合と、それから二十四年度施設をやりましたものが早くできますので、それに伴いまして経費が要るという関係で、その経費を要求いたしましたのと、それから共済組合の金が余計要るということがはつきりいたしましたので、その経費を要求するということと、それからこの貯蔵品を使います場合には、通信事業特別会計法でそれを使いまする勘定の支出に立てなければならんということに法律上なつておりますので、それに伴いまして経費を要求するのと、大体この四つの点で補正予算をお願い申上げている次第であります。  そこでこの各項目の御説明を申上げますが、委託業務関係では、大体最初に計上すべきものが計上漏れであつたというものと、その後確定いたしましたので、その確定に基きましてお願いするというのとに大別できるわけでございますが、当初に計上すべきものが漏れておりましたものとしては、各所修繕経費等でございます。各所修繕につきましては、特定局電気通信事業をやつて頂いておりますが、その特定局の庁舎の修繕もございますが、その他に普通郵便局電報局、或いは電信電話局、今電信電話局は共同してやつておりますものがございまして、その共同して同じ棟の下でやつております場合に、その各所修繕は一応郵政の方でやつて貰いまして、分担金を取入れるというのでございますが、そういう二つの種類の各所修繕があるのでございます。  その次はその後確定いたしたものでございますが、それには退官退職手当、或いは休日勤務に伴いまする超過勤務手当、或いは職員俸給等でございます。貯蔵品関係につきましては、先程も大体申上げたのでございますが、撤去いたしました品物は、それは一応雑益といたしまして歳入にいたしまして、そうしてそれを工作勘定で修理をいたしまして、そうしてこれを使いますときに、損益勘定で使いますときは損益勘定歳出となるわけでありますが、そういうものといたしまして約四億円あるわけでございます。その次は二十四年度施設に伴いまするもの、それから共済関係でございます。その数字を一応申上げますと、郵政事業特別会計への繰入金の増加といたしまして八億円お願いいたしておる次第であります。それから共済組合交付金増加といたしましては二億二千九百万円。それから二十四年度電信電話増加設備維持に要しまする経費といたしまして二億八千五百万円。それから貯蔵品使用関係増加は先程申上げました四億円ということになつております。でこれだけ金が要るわけでございますが、併し損益勘定におきまして減ずる部分もあるわけでありまして、例えば事業費につきましては六億八千五百万円程剰余が出るということがございます。こういう関係もございまして、差引いたしまして十一億三千万円の経費を要しますのでありますが、これに対しまする歳入は先程申しました貯蔵品関係の四億円は、これは全く見せかけのものでありまして、四億円の歳出に対しまして丁度増額雑益がございます。それが四億円。残りの七億三千万円は、本年度電信電話施設増加に伴いまして本年度内に收入がございますが、その收入を以て充てるということにいたした次第であります。
  9. 小林勝馬

    小林勝馬君 只今説明の中に剰余金云々という御説明がありましたが、一体何の分の剰余金が出て来るのでありますか。
  10. 肥爪亀三

    政府委員肥爪亀三君) それは事業費の中で、この内訳を申しますと、事業費、主として物件費でありますが、それでは一億五千三百万円余計要るわけでございますが、人件費関係におきまして少し余剰が出るわけであります。その内容を少しく申上げますと、俸給の方で二億八千百万円余剰が生じます。それから特殊勤務手当で一億四千万円余剰を生じます。それから扶養手当で六千万円余剰を生じます。それから退官退職手当で一億五千六百万円生じます。それから需品費で五千万円。それから債券取扱費で一億五千万円余剰を生じます。でこの俸給の方では、結局單価がもう少し安くて済んだということで余剰を生じたわけでございます。それに退官退職手当相当減じておりますが、これも当初の行政整理より、電気電信省におきましては、最初自然減耗もそのままにしておきましたので、大臣からもしばしば御説明があつたのでありますが、実際の整理人員が少くて済んだということで余剰を生じておるわけであります。又債券取扱費の中で相当減じておりますが、これは見返資金の借入が公債の現物を発行しないで登録公債ということになりましたので、証券の発行はなくて済んだ、それで余剰を生じた、こういう次第でございます。事業費増加いたしておりまするのは、休日勤務に伴いまする勤務手当、これが一億一千五百万円殖えております。それから賠償及び償還金で八百万円、それから補償及び補填金不足で三千万円、これだけ余計に要つておりまして、差引きいたしまして先程申しました六億八千五百万円であります。
  11. 小林勝馬

    小林勝馬君 大臣が見えておりますが、人件費その他で可なりの余剰金が出るということは、結局地方において定員不足で困つておるような面もあるのに、余剰金を出さなくて、そういうようなのを補充する余地があるかどうか、それから今の現状からいたしまして、補正予算にはどうかと思いますが、電話公債相当数民間に売付けてあるのは、一体いつ頃これを御返済になる御予定か、それを伺いたい。
  12. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) たびたびお話し申します通り、現在の定員法凸凹というものは、御承知のように配置転換を予測して整理をいたしましたから、従つて或る一定の局では新定員の増、そうして或る一定の局では新定員の減、これが凸凹を生じた原因でありまして、今の定員法に基く定員余剰を全部取つておりますのは、これを削るわけではございませんから、新しく補充した場合でも、この補正予算による減によつて定員が少くしか採用できないということはございません。定員法に基く新定員は全部取つてあるわけです。ただ一番多いのは最初両方合せて四万八千人というものが三月一日現在が整理の対象になる、その四万八千人の給料というものは九月末日まで取つております。而もこれに対する退職手当も取つております。ところが私の方で二月から自然減というものを抑さえておりますから、この人達に対して退職手当においても支拂わずに済みますし、俸給の方、三月、四月、五月、六月、七月、八月、九月というように余つております。そういう面が大きな余剰を生ずる原因であります。定員法に基く現在の凸凹調整のために欠員を生ずる部分に対する余りではありませんので、従つて定員法に基く分だけで、この余剰を引きましても尚定員法までには採用できるということになつております。  それから電話公債の問題ですが、これが全部で大体三十四五億でございますが、成る程期限は十五年の期限でありますけれども、今年度から電話公債制度は廃止いたしましたから、昨年架けた人は二万五千円とか三万円という公債買つて初めて電話が利用できた。今年度からは千八百円でできるというのは如何にも不公平だから、公平の原則に反するという面から見ますと、十五年目に支拂えばよろしいのですが、これは私共は非常に不公平であるから、少くとも幾分ずつでも償還する方法を採ることが公平なやり方であるという見地から、今年度予算が大体一億程度のものをこの償還金に計上しておるのであります。その償還方法は、これは止むを得ませんから抽籤かなんかで、抽籤に当つた人に第一に返す。予算では明年度にも一億円くらい計上し、この不公平の現状を公平の姿にいたしたいと思つております。
  13. 小林勝馬

    小林勝馬君 大臣の今の御説明によりますと、抽籤その他において償還するという説明のようでありますが、これは初年度最初からやつておる人、いわゆる初め拂つておる人の、期限の経過した人から拂つて行くのが当然だと私達は思うのですが、極端に申しますと、一昨年やつた人と昨年やつた人と同一に抽籤するのでなく、やはり前年度の人から拂つて行くべきだと思います。  それから今の補正予算の中で、今年度電話局の開設とか今の局舎接收とか、いろいろの問題があると思いますが、そういうものは後程書類にして一つ委員に御提出願いたいと思いますが、よろしうございましようか。  それから最後にいま一つ、この警察用電話等処理に関する法律案の点で御質問申上げますが、これは標題におきましては「警察用電話等」ということに相成つておりますが、第一條におきましては「警察用有線電気通信」というふうに相成つております。で、先般からの御説明を聞いておりますと、殆んど警察用有線電話だということに御説明になつておりますが、これはどれが本当であるのか、私共はちよつと迷うような次第でございます。第九條におきましては「何時でも、国家公安委員会又は市町村公安委員会若しくは特別区公安委員会申出により、警察目的を達するのに必要な電気通信設備」ということになつておりますが、この場合におきましては、電気通信設備であるから、有線無線電信電話もみな含まれると私は解釈いたします。それからこの標題におきましても「警察用電話」ということになつておりまして、警察用無線電話であるのか有線電話であるのか明記していない。これはどれが本当であるか。御説明大分食い違いがあるように思いますが、この点を詳細に御説明願いたいと思います。
  14. 林一郎

    説明員林一郎君) この字句の点でございますが、今までの経過からいたしまして、私共は有線施設をこちらに讓渡して頂く、こういうふうに解釈しておつたわけであります。でありますので、おつしやるように電気通信設備となると両方含みますから、考慮しなければならんのでないかと考えている次第であります。
  15. 小林勝馬

    小林勝馬君 考慮するだけでは、この法案余りに粗雑にでき上つておるように私は思います。ただ有線設備だけでいいという今の御答弁では、この條文標題と先般からの御説明相当開きがあるのでないか。有線電気通信設備の中には電信もあれば電話もあるというふうに相成つておりまして、先般の御説明は第二條にあります搬送装置までであるという御説明であつて、殆んどが電話のことをおつしやつておるようでございますから、この法案における「警察用有線電気通信設備」というものは警察用有線電話設備というふうにこれはするのが当然じやなかろうかと思うのですが、その点御説明願います。
  16. 花田薫

    説明員花田薫君) 只今の御質問は一昨日千葉さんからお尋ねのこととやや内容が同じかと思いますので、この「有線電気通信設備」の中には、電話だけでなしに電信も入り得る言葉でございますけれども、実際問題といたしましては殆んど全部が電話になつております。ただ仔細に隅々まで調べますれば、或いは一つ二つ電信回線がありはしないかという感じがいたしますけれども、そういう一つ二つのことは今精密な調査もございませんので、一応電信も包含し得る言葉を使つてございます。無線の方は第一條で除かれておりますので、以下出て参ります言葉無線については考えておりません。
  17. 小林勝馬

    小林勝馬君 そうすると、第八條の三行目の「電気通信設備」という字句と、第九條における「電気通信設備」という字句は、これは有線無線含まれるものだと私共は解釈するのです。そうなると、こういう特別の場合は、何時でも電気通信省有線無線も何でも貸せる、貸してやるんだという御意向であるかどうかということを訊いておるわけであります。
  18. 花田薫

    説明員花田薫君) 八條は実は第二條の「公衆電気通信系に併合して使用することのできるもの」こういう言葉に相照されてできておる條文でございますが、第二條の「併合して使用することのできるもの」という裏には、併合して使用することのできないものということが生じて参りますので、そういつた場合に対する補償規定が必要になりまして、第八條は、既設の警察通信設備があつたが、併しながらそれは使用に耐え得ない程度に老廃しておる、そういう場合に、然らばその区間における警察通信業務を中絶するかという問題が起りますが、そういう場合におきましては警察通信業務を中絶させないでそれに必要な手段を採れということでありまして、八條最後に出て来る「電気通信設備」或いは九條に出て来る「電気通信設備」は、余り言葉をフルに用いますと、四角四面過ぎまして少し固苦しくなりまして、前を承けた意味になつておりますので、單に電気通信設備のことだけ書いてありますが、その土台になつております言葉には、無線は無論入つておりません。
  19. 小林勝馬

    小林勝馬君 その御説明はちよつと私共納得行き兼ねるのですが、九條においては、いつでも緊急の用事がある場合は、今の御説明のように、無線でも有線でも何でも、とにかく警察の仕事に差障りないように無線も借してやる場合もあるかも知れないというふうな御説明ならば、その字句で結構でございますけれども、今のように無線も何も入つておらないという御説明であれば、この字句では不適当だと思います。尚さつきから、あなたの御出席前にお伺いしておるのは、標題の「警察用電話」ということは、これは無線も含まれておるような標題になつておりますが、それらの点が余りにこの法案が粗雑にできているのではないかと、それ程検討されて、有線無線電信電話というふうなものを考えておられないというふうに私共思うのですが、その点を、御説明によつては結構でございますが、今の御説明ではこの字句ではどうも工合が悪いのではないか。
  20. 花田薫

    説明員花田薫君) 只今小林さんのお説に満腔の敬意を表します。言葉を極く正確に現わすとすれば、お説のようになりますが、私共この事務を担当いたしておりまして、実は始めから大前提がありまして、現在の警察通信業務通信施設、これの移管範囲考えておりますので、無論無線につきましては、現在日本通信網現状からいたしまして、やろうと思つてもできませんし、将来も当分無線通信網專用ということは困難ではないかと思いまして、そういう場合は実際問題といたしましては起り得ませんですけれども、言葉の使い方が粗雑ではないかと仰しやいますと、始めの方に実はぴしやつと定義的に断つておりますので、後の方は、むしろ余り固苦しくないつもりで実は書いたのであります。標題につきましてはこれは、内容を簡潔に現わせば足りるという考えでありまして、これも余り又定義的に、或いは余りにも科学的な言葉を用いますと、却つてそれは何かと言つて逆に御質問でも出やしないかという懸念もありましたので、警察電話というだけの言葉にいたしたのでございますが、理論的に申せば只今お話のような正確な現わし方の方がいいかと思つております。
  21. 小林勝馬

    小林勝馬君 その名称並びにその字句の点につきましては、今の説明では私共どうしても納得いたし兼ねますので、後刻又相談いたしたいと思いますが、先般からの御答弁のうちで、この二十四年度警察用電話補修費を大体十億くらいだという御説明でございましたので、これの設備の拡充とか、取換工事をやつておられるようでございますけれども、その額乃至はその工程の程度はどのくらいに進んでおる現状であるか、御説明願いたい。
  22. 林一郎

    説明員林一郎君) 本年度の実行といたしましては、警察電話市外回線としましては五千キロメーターの回線延長のものを実施中でございます。又市内におきますが電話回線としましては、二千五百回線予定を以て本年度は進めておるような次第でございます。大体内容はそういう程度になつております。
  23. 小林勝馬

    小林勝馬君 この警察電話のいわゆる壽命相当過ぎた施設、並びに電柱におきましても相当耐久年限の過ぎたようなもの、機械におきましても現在の電気通信省の持つている機械よりも相当老朽したものを、ここで引受けてやるには、相当整備費が要るのではないかと思うのですが、この整備費をどれくらい来年度予算には計上しておるのだろうか。
  24. 林一郎

    説明員林一郎君) おつしやる通り警察電話施設は可なり老朽の程度が酷いのでございますので、できるだけ早くこの状態から脱却したいと思つておるのでございますが、作しながら非常に経費不足である折柄、これのみに相当多くの費用を掛けることもできませんんので、まあ私共としましては、独立採算意味合で収支を見計らつてこの状態を改善したいと考えております。ただこういう利点はあるのでございまして、母体となる電気通信省の従来の施設に対しまして、今度移管をします施設が非常に悪い場合にはそれに切替えて行く、電気通信施設というものは常に一〇〇%それが利用されておるばかりでなく、大体十五ヶ年の計画を以て施設をして参りますので、将来の増に対しての余裕もあることでございますから、非常に悪いものにつきましてはそういう施設に切替えまして、内容を改善して行く、こういうことに相成りますと、こういう状態は年を経る毎にだんだんよくなるであろうと期待いたしておる次第でございます。殊にいろいろ風水害等もございまして、これらがやられました場合には又元のような状態に直すのじやなくて、思い切つていい状態にして行く、こういうことで計画しておりますので、さよう御承知願いたいと思います。
  25. 小林勝馬

    小林勝馬君 非常に補修費も要るし、相当の、何と申しますか、施設費が嵩んでおるのに、專用費を現在の約倍くらいに値上げする予定だというようなお話でございますが、それでやつて行けますか、独立採算制において。
  26. 花田薫

    説明員花田薫君) 実は独立採算制と申しましても、非常に精密な原価計算をした上で申さなければならない筋道のものでございますが、自信のある原価計算の材料は少くとも今後一年くらい掛かりますので、私共普通に独立採算制と申しますのは、極くはつきりした数字で、若干の推定を加える程度でございます。  只今警察電話料金は、これは法外に安い料金でありまして、一般官庁並びに一般民間に対して專用に供しております料金は、一日二百通話分ということになつておりますが、警察に対しましては、四段階毎になつておりますけれども、殆んどその九五%近いものが二十通話分という料金でございます。これは少くとも新聞通信方面に提供しておりますサービス料金、即ち五十三通話分値上げますることについては、何人も異論がなかろう、計算の必要もあるまい、少くとも早急にその程度段階まで料金引上げるべきものである。こういうことで、それぞれの関係の向きも賛成でございまして、今考えておりますのは、一日五十三通話分まで引上げるのでございますが、それで果して十分であるか、独立採算制がそれで趣旨が徹底しておるかというお尋ねでございますが、一番最初に申しました通り、必ずしも徹底いたしておりません。と申しますのは、精密な原価計算はなかなかむずかしい問題でありまして、今後相当期日を要するのであります。殊に見返資金使用して建設するものが本年度から出て参りますので、これはその償還條件その他の関係におきまして、新しい條件を加えて計算しなければなりませんので、そういう多少未知の分子が入つておりますので、極く精密な意味における独立採算制ということは申し兼ねるのでありますが、大体におきまして十億円見当、それに対して料金引上げによりまして十億円に殆んど近い数字が出て来る予定でございます。
  27. 小林勝馬

    小林勝馬君 大臣にお伺いしますが、只今当局側の御説明並びに私共の知つておる範囲内では、非常に悪い施設電気通信省は引受けておる。これは皆さんも御承知のことと思いますが、これ程悪い施設を引受けて、今の独立採算制の点においても間に合わないというようなものを今後引受けて行つては、電気通信省としてはマイナスになるという点から考えまして、一そのことまだ地方自治庁にお返しになつた方がよいのではないかと思いますが、こういう点に対しましては何か大臣のお考えを伺いたいと思います。
  28. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) 端的にお話を申上げますと、現在の段階では小林君の御意見のような考も出ないわけはないのであります。併しながら日本国家全体というものを考え、そうしていわゆる治安維持警察の重い任務を考慮しますならば、目的の同じ国家機関である電気通信省が、優秀なる技術を以てそうして電信電話整理に掛かつて、よつて以治安維持に協力するということも亦電気通信省の広い意味における任務でないかと、こういうことも考えられまするので、今のような独立採算制とか或いはプラス、マイナスして損をするからという見地から言うと、お話のような点も考えられのでありますが、警察というものもいわゆる公共性があり、我々のやることも公共性があるのでありまして、そうした面から考えますならば、やはり日本の国民の安全なる生計を営む上に必要なるものであれば、やはり電気通信省も当分の損益にのみ没頭しないで、大きい意味で見て行くことが必要である、こういう見地この審議を願つておるのでありますが、ただ電気通信省独立採算性警察費用というような点だけを考えましたならば、お話のような点が生じます。併しながら私共は眼前の利害はお話通りであるけれども、将来の日本の平和な生活ということを維持する上においては、やはり公共団体の一員として相手の公共団体の機構の整備にも協力する姿がむしろ望ましいのではないかと、こういうふうに考えております。
  29. 千葉信

    千葉信君 大臣にお伺いいたしますが、内閣行政各部の、例えば北海道開発審議会であるとか、失業対策審議会とか、或いは電信電話復興審議会だとか、いろいろな審議会が設けられておるようでございますが、特に電信電話復興審議会の場合におきましては、本院における二十四年の五月十八日の復興促進決議案に基いて内閣に設けられた、こういう一応の本院に対する報告が電気通信省当局からなされておるようでございますが、この復興審議会のみならず、いろいろな今申上げた審議会は、国会法第三十九條に牴触する虞れがあるという点が目下のところ一つの政治問題化しておる傾向があるのでございますが、政府の御答弁によりますと、国会議員の場合は、例えばオブザーバーの形で設けられておるとか、或いは又それらの審議会が、審議会によつては正式に出発したものではないとかいうような答弁がなされておるようでございますけれども、併し私共この復興審議会に関する限りでは、オブザーバーの中に国会議員が七八名包含せられておるということを承わつておるわけでございまするけれども、その復興審議会の閣議の決定を見ますると、閣議の決定ではこういうふうになつておるのです。構成員は国務大臣、知識経験のある者、或いは関係公務員の中より内閣総理大臣が命じ又は委嘱する。従つて今申上げたオブザーバーというのは、この内閣総理大臣が委嘱をしたものだと思います。そうしますと国会法の第三十九條によりますと、その但書には、「各種の委員、顧問、参與その他これに準ずる職務に就く場合は、この限りでない。」こうなつておりますと、私はこのオブザーバーという言葉は使つておりますけれども、「その他これに準ずる職務に就く場合は、」というこの條文からいたしまして、政府の言われるようにこれが第三十九條の違反ではないという考え方には頗る疑義を持たざるを得ない。形式的には成る程オブザーバーという言葉をよく考えて見ろということを言いたいでしようけれども、併しながら実質的にはこういう委員会も構成員の中に国家公務員国会議員が明らかに含まれておるという点について、私は実際上においては三権分離というこの法の精神が歪められておるということをこの際強調したいと思うのでございますが、むしろこの際政府としては、潔よく国会法第三十九條による承認を国会に求めて、正式に強力にこういう審議会を再出発せしめるだけのお考えがあるかないか、このことについて大臣の御答弁をお願いしたいと思います。  それから第二点は、この復興審議会のオブザーバー並びに正式委員と称するものを含むところの構成の内容でございますが、この構成の内容には現在この新しい民主主義下の時代において、民主団体の代表というものを大抵の場合に包含せられておる。ところがこの場合に、電信電話復興審議会の場合においては、民主団体の代表というようなものが全然考慮されておらない。前にこの問題が本委員会で一応問題になりましたときに、私が申上げたところは、特に全逓信労働組合の諸君の中からどうして代表を選ばなかつたかと言つて聽いたところが、全逓信従業員の場合におきましては、これはいろいろ団体交渉等をやつておるから、その団体交渉を通じてそういう意見を取上げることによつてカバーすることができる、こういう大臣の御答弁でございましたが、單にこれは逓信従業員ばかりではなく、民主的団体、例えば労働組合であるとか、農民組合とかいうような民主的な団体の広汎な立場の人々の意見を採上げるという考え方が一つもこの復興審議会の場合は採られておらない。これが私共の非常に復興審議会に対する不服の点です。それからもう一つは、閣議決定の場合におきましても、学識経験者ということを言われておりまするが、この学識経験者をどういうふうな内容によつて選んだかということについては、私は一応の疑義を持たざるを得ないのでございます。例えば七八名の委員の中にも成る程一二電気通信の復興審議会に非常に適格者と思われるような学識経験者がおりまするが、その他は一般的な経験者が非常に多くて、この電気通信関係の学識経験者という範囲においては、そういう点について、私は又非常に不満を持つておりまするので、この構成の点について大臣考えをもう一度はつきり伺つて置きたい。  それから第三の点でございますが、通信委員会の懇談会の席上におきまして、例えば新しく立案せられた法律案なんかについては、或いは又その他の重要な問題については、逓信当局と我我とが非常に緊密な連絡が必要であるから、できるだけ早く我々の方へ情報を知らせて、情報をお願いしたい、こういうことをお願いしまして、大臣の方からもそういうことについては、緊密な連絡を将来取るというお約束があつたわけでございますが、この復興審議会は、先程申上げたように、本院の決議に基いて、根本的な重大な問題については、この審議会の勧告に基いて、それぞれ具体化する、こういうような御答弁でございましたに拘らず、この復興審議会でいろいろ問題が審議されたり、或いは又設置される時にも、その構成等について私共の方へは事後においても何らの通報を受けておらない。例えば、私が今申上げた復興審議会の構成のいろいろな内容にいたしましても、これは私共の参議院における通信委員会の專門調査員が自分の方から出向いて、誰が一体復興審議会の構成員になつているかというようなことや、或いはこの問題に関する閣議決定がどういうものであつたかということについて調査をしておる。逓信当局の方から、当時の逓信当局の方からは、何らこれに対する通報を受けておらない、こういう形がございまするし、それから又根本的な問題について審議するという、この復興審議会審議内容等については、今もつて何らの我々に対する通報もなければ、第一回、第二回が開かれたか開かれないかさえも我々に対しては何らの通報がないのである。こううい点については我我が委員会の特に要望事項として大臣に申上げ、大臣からも将来緊密な連絡を取るという、ああいう約束はとんと履行されておらない。この審議会に関する限りは履行されておらないという印象を我々は強く受ける者でございますが、この点について、以上三点大臣からの御答弁を承りたいと思います。
  30. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) 先ずこの電信電話復興審議会並びにその他の審議会と国会法の三十九條の問題でありますが、最初我々といたしましては、これは法令に基いた委員だけが三十九條の適用を受けるものだという見解であつたのであります。例えば政令とか法令に基いて、そうして設立された委員会であれば、三十九條の承認を得なくちやならん、こういう見解で一応参つたのであります。従つて閣議の決定で、即ち法令の何ら枠内のものじやなくして、閣議の決定、或いは省議で決めたような委員会というものまでもこの三十九條に入るものではないという見解を採つてつたのでありますが、その後第五国会においていろいろな御意見があつて、それはむしろ入るもんだという御意見があつたので、こういう問題について何も国会議員と対立する必要はないから、我々の解釈は何も変えるわけではないけれども、国会がそういう解釈を採るならばこれに対して喧嘩して行くものじやない、こういうことで、一応この委員の承認を求めたのですが、参議院で審議未了になつたのです。審議未了になつた以上は、同じような形で委員会を継続することは政府としても妥当じやないというので、従つて国会議員というものは一切任命しないという態度に変つてつたのです。従つて今そこで千葉君がお述べになつたような、内閣総理大臣が委任し委嘱するのであるけれども、国会から行つている人に対しては委嘱も何もなされておりません。ただ與党の人達が行つて、その審議会に対して関心を持つから出るという人は出て貰つておりまするけれども、その閣議決定に基いた委任でもなんでもないのであります。であるから、従つて三十九條には当て篏まらぬものである。オブザーバーというか、なんというか知らんけれども、とにかくそういう審議会に関心を持つ、しかも與党の人達が行つて研究したいという人がそこへ出席をしておりますけれども、委員そのものじやないのですから、従つて三十九條に当て篏まるものではないと、こういうように考えております。  それから民主団体の代表をなぜこの審議会に入れなかつたかという御質問でありまするが、これにはまあこの委員会に拘らず、国会でも、殊に社会党、共産党に準ずる人の御意見としていろいろございます。いろいろございまするが、この委員会の目的によつてはそういう方を入れた方がいい場合もあるのであります。しかしながらいわゆる管理関係に属する委員会は必ずしもいわゆる労働組合の団体の代表、こういうようなものを入れなくてもその目的は達成し得るのです。況んや国家公務員法に基く組合関係というものは、御承知通り厚生福祉について自分達の要求するための団体でございまして、逓信行政なら逓信行政の一切に関與すると、こういうものではないのでございまするから、そういうふうに公務員法上の一つの枠があつて設けられておる団体でありまするから、必ずしもこの管理団体にはその民主団体が入ることが適用とは私共は考えておりません。併しながら先程も話した通り、委員会の内容が少くとも厚生福祉に関する委員会であるとか、厚生福祉をどうしようかというような、公務員法で認められた、一つの研究内容がそういうものであれば、やはりこれは入れることがむしろ妥当であるというような結論が出ると思うのであります。要はその委員会の目的、委員会の中核となるものがどういうものであるかということを検討した上でやることが適当でありまして、只今電信電話復興審議会というような問題は、全くこの管理若しくは行政、若くは政治面に関する問題でございまするので、どこまでも国会を中心とした審議の進め方をして行くことが適当だと考えております。  それから学識経験者の中、具体的に言うと電信電話の経験のない人も相当おるじやないかという話でありまするが、電信電話の復興ということは、必ずしもこの電信電話の知識経験だけではいかんのでありまして、むしろそういう復興をする場合における一体経費はどうするのか、その財源はどうするのか、或いはこれに対する行政的措置をどうするかというような方面の知識と合わせて検討しなければ、本来の姿の目的は達成できません。勿論專門的な技術、或いは專門的な事業に関する経験者というものの意見も必要でありまするが、一方広く眺めて、日本の財政上どういう方法によつてこの財源を得ようとか、或いは機構の改革ならばどういう改革が適当であるかといえば、これは電信電話とは別個に、むしろその方の專門的な知識がある人も入ることがよりよくこの委員会の目的を達成し得るもんだと、こういうような考えでこの委員を任命したような次第であります。  それから逓信委員会で、国会の委員会と我々行政庁の者とはよく緊密な連絡協調を取つて、逓信行政の発展に寄與しようというお約束を申上げたことは今千葉君のおつしやる通りであります。従つて私共はその線に添うて、例えば法案が出た場合の、電気通信省の三法案もまだこれは未定稿だけれども、こういうような情勢になつておるから、どうぞ下調べをして御意見があれば御指示願いたいというようにやつて来ております。成る程この電信電話審議会についてはそういうこともしておりませんし、報告もしておりませんが、これはいわゆる閣議で決定した委員会でありまして、言わば政府の顧問的な、我々の知識でも十分であるが、我々も広く知識を得て、そうして過ちのない行政を施行しよういう一つの顧問的な、諮問機関的な委員会でございまして、この委員会の決議を直ちに政府が採用するとも決まつておらないのであります。採用するや否やということは全く政府の自由でございまして、この委員会の決議に政府が拘束されるものではない、即ちこの委員会の意見を参考にして、最後の行政が現われるのでありまして、私共の国会との連絡の範囲は、少とも政府がこうせよという決意の段階にまで行つた連絡でなければ、或いはこういうことも考えており、ああいうことも考えておるというような、何人とも了解を得ないような、実現するかしないか分からないようなものを一々国会に出すとなると際限がないことになりまして、少くとも国会に出す場合には、大体政府の方針はこうなんだ、或いは各省との関係或いは関係方面との折衝で多少違うかも知れませんが、或る程度の政府の決意、と申しましようか或いは決定と申しましようか、そういう大体の方針が付かんうちに委員会に持つて来るようなことになつてしまえば却つて問題になりますので、そういう場合には、問題によつては必らずしもそれをしない方がよいとまでは思いませんけれども、あやふやなものを持つて来ては、政府委員はどこにいるんだ、一体通信大臣もどこにいるんだというような形になりますから、勢い或る程度の確信と方針が決まりかかつたという程度のものを持つて来ようというのであります。従つて今の電信電話委員会のごときは何らのまだ結論を得ておりません。五回も六回も開いておりまするけれども、ただ電信電話現状というものを我々が説明しておる程度であつて、何ら結論に至つておりませんから、やがてこの委員会あたりにこういう考えを持ち出すというような見透しでも付きますれば、勿論政府でこれを採用する前にでも、国会の委員会にこれを御紹介しまして、これに対する国会の議員諸君の御意見を承つて、更に次の段階で政府の方針も決めるということになるのでありましようが、そういうような事情で、少くとも私は皆さんと連絡を取るということは固く約束しましたけれども、その連絡という範囲は、今のように何もかにも思い着いたからさあ持つて来るというのではなくて、或る程度の政府の考が決つたところで持つて来て、そうして皆さまの御意見を承り、最後に決定するというような程度のものをここに持つて来るというような事情になつておりますから、余り固苦しくならず、それでは、委員会をいつ開いたから復興委員会のことを報告せよと言われれば、私の方で報告しますから、どうぞ一つ余り席を改まらずに、こういう問題は千葉君も始終会う度にどんどん突込んで貰えば、できるだけ私の方で報告をする労を厭う者ではありません。
  31. 千葉信

    千葉信君 第一問に対する答弁の中で、委嘱するかしないかということが水掛論になる虞があるかも知れませんが、私はこのことについては余り追及する必要はないと思いまするけれども、考え方の一つといたしましては、この第三十九條におけるところの行政各部の委員とか、或いはその他のこれに準ずる職務に就く場合には、私は当然法令によるようないに拘わらず、行政各部のうちに国会議員を含む場合には、この條文に牴触するという形になるというような意見を持つておりますので、この点についてはこれ以上論議を避けて、後の問題に移りたいと思います。  それから第二の民主団体の問題で、只今大臣国家公務員だけを対象にして考えられたようですが、私の質問いたしましたのは、その他の広汎な民主団体、例えば農民の代表であるとか、或いは一般労働者の代表であるとか、そういう広汎な通信そのものに直接生活に影響のある代表という意味を指したものでございますから、その点についても大臣の一考を煩はして置きたい。  それから第三の点でございますが、この第三の点につきましては、只今大臣答弁は一応了承するといたしましても、私共は実はつい最近通信事業復興促進に関する決議に対する回答というものを大臣のお手許から頂いております。その一応の同答の中にはこういう言葉がある。電気通信事業の復興整備を急速に推進するため、新たに電気通信復興審議会内閣に設置し、政府としては当面直ちに実施し得る具体的施策は本年度より強力に実行すると共に、根本問題については右審議会に諮り、その審議の結果に基きそれぞれ具体化し、以て国民の輿望に副うよう努力する所存である。こういう御答弁がなされております。こういう答弁がなされておつて、單に抽象的な答弁だけによつてこういう同答を得ております。併し私共の希望するところは、私が先程申上げましたように、当委員会から特に一般問題について大臣に終始連絡を願いたいということについては私只今答弁で了承するとしまして、少くともそうなれば、この同答におけるところの回答の仕方が非常に抽象的です。今承わりますれば、第五回、第六回と開いておりますようですが、私共国会議員の立場から言いましても、会議の内容については、重大な関心を持つておるわけであります。従いまして私はこの点につきましては、回答がもう少し懇切丁寧を極めたものでなければ回答として素直に受取るわけには行かない。若し大臣只今の御答弁に十分に将来連絡を取りたいということでありますれば、更にこの決議に対する内容を回答の一端といたしましても、審議会審議の経過につきましては、今後絶えず連絡を取つて頂きたいと希望するわけであります。  それからその次にお尋ねいたしたいことは、実は私共この審議会の第一回か第二回の討論において、電気通信事業の民営化の問題が審議されたということを承つたわけであります。ところが私共は電気通信事業の民営化ということについては、一つには二省分離ということが実はこの事業の民営化の一つの発端ではなかつたかということに多少疑念を持つていました。次には民営化ということはポツダム宣言に反して経済の民主化を阻むものではないか、こういう点から、最初からこの問題に対して大きな関心を持つております。従いまして外資を導入して、その外資に便乗して利益を図ろうとする人達の一部を除きましては、この問題に関しましては、国民大衆が重大な関心を持つておるという立場から、私が前に降旗逓信大臣に対しましても、この問題について質問したことがあります。一体二省分離ということが民営化して或いは私企業化して発展をするという前提に立つているのではないかということを私は質問いたしました。そのことは当時の降旗逓信大臣は、今はそのことは考えていない、こういう御答弁でございました。それから更に小澤逓信大臣にこの問題について同様に質問いたしましたときには、同様に、今は考えておらん、併し将来民営化がむしろ事業の発展興隆に有利であるという條件が出て来れば、或いは考えるかも知れん、こういう御答弁がございました。それから前に逓信委員会で同様に問題になりましたように、実は吉田総理大臣が閣議の席上ではなく、何かの会合の席上において新聞記者に対して、民営化の問題、このことについて言及されております。煙草の民営化、或いは国有鉄道の民営化、或いは電気通信事業の財産の民間への譲渡、こういう問題を吉田総理大臣が発言されたことがございましたが、このことについては、私が小澤逓信大臣質問いたしましたところが、小澤逓信大臣は、これは閣議にも掛かつていないし、内閣でも方針としては決定していない、むしろそれは單に総理大臣のたつた一人の意見である、こういうお話がございましたが、併し私共はやはり依然としてこの問題に対しては、国民大衆が非常に重大な関心を持つておるという点に関しては、絶えず国会として問題にせざるを得ないという立場から考えておつたのですが、一体復興審議会においては取立てる事実であるかどうか、又取立てるとすればどの程度にその委員会において論議されたか、その点について大臣の御答弁を承つて置きたいと思います。
  32. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) この電信電気の民営の問題でございまするが、これは今千葉君のお話の大体の通りであります。又私も現在直ちに民営にしようというような簡單な結論は出しておりません。併しながら恐らくこの電信電話の復興というものは、日本の政治、経済、文化活動の基本であるばかりでなく、延いては日本の経済発展に重大な影響のあることは何人も異論はないのでありまして、こうした意味から先程の電信電話復興決議も第五国会で出たと思うのであります。では復興とは何ぞやということになりますと、これ又分かつているようで、現在のような不十分な設備を十分に設備して国民活動に支障がないようにすることであります。例えば、箇数を例にして申上げますならば、現在の百万箇の電話が果してこの日本の国民の要望に応える数であるかどうか、これでは足らんではないか。少くとも現在の経済状態においても二百万箇が必要ではないか、或いは三百万箇が必要ではないかというようないろいろな御意見があると思うのであります。若しそうであるとすれば、我々は何とかして現在の百万箇の電話を二百万箇にし、三百万箇にするという明日の計画を立てなければならんと思うのでありまして、三百万箇電話を増設するには、一体どれだけの資本が要るか、どれだけの資材が要るか、さて、その資本といい、資金というものが現在の日本で得られるのかどうか、又現在のような官庁機構で公債として発行が可能なのであるかどうか、又外債によつたらば果して得られるかどうかということを検討することは当然でありまして、従つて私共は常にそうした電気通信事業の発展というものに、常に心を痛めております。従つてこの経営体の問題、即ち官庁経営が適当か、或いはコーポレーションにすることが適当か、民営にすることが適当か、民営にした場合、どういう欠陥があるか、又コーポレーションにした場合、どういう欠陥があるかということに、常に私共は検討を続けております。今、お話の中心は電信電話復興審議会の問題でありまするから、その問題に直ち移りますが、この電信電話復興審議会も今私共が迷つておるところの、一体日本電話というものは現在の経済情勢において、現在の社会情勢において、どの程度まで拡張することが適当かということが先ず第一番に審議されております。審議して貰いたいと思うのであります。まだそこまで行きません。そうして若し電信電話が大体三百万箇なら三百万箇がどうしても日本に必要なのだという結論が出た場合には、今申上げた通り、その拡張にはどれだけの資材が要るか、どれだけの資金が要るか、この資材と資金の総量が分りましたならば、どうしてその資材を得るか、資金を得るかということに、具体的に皆の知識を借りて意見を求めまして、そうした意見を斟酌して行きたいと思いますが、その場合に、たまたま経営体が現在のように国営体では、到底この資金が、厖大な資金が入らないのだとうような結論に達し、而もコーポレーションにするとか、民営にするとか、これだけの資材が外資なり或いは内資の形で入つて来るというような見透しがはつきり付きましたならば、私は、国民の利益のためにその経営体について固執する必要はない。ただ徒らに民営がいいだろう、徒らに官営がいいだろうというような何らの理論的根拠もなく、何らの説明もしないでやることは暴論であります。私共はどこまでも理論的に、又実際的に可能な面に、国民に対する最高のサービスをしたいというのが念願でありますが、今委員会におきましては先程も申上げました通り電信電話の過去現在の状況のあらゆる資料を出して説明しております。そこへ持つて来て、今度は近い中に決定されようと思うのは、一体近い日本の将来において、又日本の経済状態を考慮し、或いは人口の増加というようなものも考慮に入れて、大体どの程度電話が必要であるかという点を、一番先に審議会として結論を出して、一応目安がその場合に出ましたならば、これにもいろいろ御意見がありましようが、とに角委員会としての考え方がまとまりましたならば、そうしたならばその次には、それを一体拡張するのには、どれだけの資金が要るか、どれだけの資材が要るか、どれだけの年限が掛かるかということを具体的に検討して貰いたい。そういうことを検討しながら途中においてこれだけの資金が要る、さてその資金というものを現在の経営体で果して吸收できるかどうかというようなことに入つて来まして、而も現在の官庁組織では、経営体ではできないけれども、コーポレーションになればこういうことがあるから入る、或いは民営に移せばこういう方法によつて資金が得られるのだというような具体的の見透しを付けますれば、而もサービス等においても低下しない、料金においても上らないというような点が見透し付きますれば、その点を更に練つて研究をして貰う、そうしてそこに結論が出ました場合、経営機構はこうあるべきだ、資金はこうして入れるべきだ、そうして電話の増設はこうあるべきだという結論が出ますならば、その結論に基いて政府が更に再検討を加えて、具体的な施策を実行しようと考えておるのでありますが、要は千葉君の御質疑は、この電信電話復興審議会において、どの程度審議状態にあるかという御質問ですが、これはまだ私の考えるところまで行つておりません。今電気通信事業の過去、現在を丸裸になつて説明をしております。その説明の基礎の上に立つてだんだんと私が希望しておるような検討をして頂いて、その結論を得ましたならば、その結論を再検討して政府で適当な施策を講じたい。こういう状態であります。
  33. 千葉信

    千葉信君 大臣が所管大臣として電気通信事業復興促進ということに非常に熱心に考えておられることに対しては敬意を表する次第でございます。併し如何にも自由経済主義者らしく、本当は政治的にも、経済的にも、文化的にも日本を徹底的に民主化しなければならないという大事な眼目については、いささか大臣はお忘れになつておられる傾向があるのじやないか、只今答弁から私はそういう感を受けたわけであります。この点については、私はもう一度大臣に再考を促して置きたいと思うわけであります。  併し私その次に質問いたしたいことは、実は先程も小林委員の質問に対して御答弁がありましたことと関連するわけでございますが、実は今度警察用電気通信設備がこちらの方に移管されるということにつきまして、昨日の連合委員会においても、通信の祕密保持という問題が一応上程されたようであります。実はそのときに大臣からははつきりと、そういう具体的な事実は我々は掴んでおらないという答弁がございまして、一応そういう通信の祕密が逓信従業員の方から漏洩されたというようなことについては、私はなかつたという確信を得て非常に喜んだわけでございますが、併しやはりあのときの国警の次長の答弁からしますと、国警の次長の答弁は、こういう答弁でございました。確かにそういう傾向のことはあつた。而もです、自分の方では交換だけを扱つておるけれども、そちらの方から漏れてはおらないと言つて、そういう通信の祕密保持というものが一応崩れたというような印象を與える答弁があつたのであります。従つて私共は、このことについては非常な重大な関心を持つておるわけでございますが、先程小林委員から、経費の点からも非常に困難であるから、今度のこの問題は打切つて地方財政にこれを還元してはどうか、地方行政にこれを還元してはどうかというような意見があつたわけでありますが、そのときにも大臣は、大きな国家治安見地からしても、これは当然我々の方でやつたらよろしい、将来の治安の点から言つても、これは我々がそういう大きな大局的の立場からこの問題はこのままずつと続けて行きたい。こういう御答弁があつたのでありますが、それでは一体将来共に大臣が、国家治安の立場を考え接收されながら、むしろ逆に国家治安を阻害するような、通信の祕密が漏洩するというようなことが起りはしないか。こういう点について大臣はどういう具体策を持つておられるか、私は一応伺つて置きたい。  それからもう一つは、民営化ということが若し起つて来ると、今折角ここで大臣がおつしやられたように、大きな国家治安の立場から接收するのだと言つておられながら、民営化が実現するということが起つ場合に、民営化ということになれば当然に通信の祕密保持という問題が、現在よりも或る程度影が薄くなるのではないか、こういうことが考えられるが、その点についても大臣はどういうふうにお考えになつておられるか、御答弁をお願いしたいと思います。
  34. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) この民営ということ、或いは基幹産業の国営というような問題は、いわゆるイデオロギー的の議論でありまして、これは千葉君といくら議論したつて解決つかないと思います。今まで申上げたことで御判断願いたいと思います。つまり民主化とは何ぞやということになつて来ますと、非常な議論になりますので、これはこれ以上申し上げません。この祕密の漏洩問題ですが、先達て私が言つたのは考査委員会でいろいろな資料を集めて、その資料を見るというと、どうも我々の方の従業員が洩らしたような形になつております。それで私が証人として呼ばれたのですが、併しながら自分が電気通信事業を預つておるから何人がやつたという事実を発見しないうちに、私の方で何人が洩らしたというようなことは、想像でそういう点を申上げることはできないから、これは私の方でやつた事実は少しもないということを申したのでありまして、要するに初めから調べても私のいうことが本当ではないかと思うのです。また祕密漏洩というような問題をばなくするというような意味では、公務員或いは電気通信事業に携わる従業員そのものが自分の職務というものを十分意識して、そうして我々は公衆の祕密を確保するという大きな責任者であるということを一人一人が考えた時でなければ完全にはできません。どういう文化的な施設をしましても、どんなことをしましても、従業員自身がやろうという気持でおらなければ、電気通信大臣がどう考えてもできない。要は今申上げました通りに、通信事業に携わる従業員諸君が自ら大衆のために祕密を守つてやろうということが俺の任務であるというような自覚を保持するような施策を講ずることが、祕密漏洩ということをだんだん、若しあつたとすれば少くすることになるだろうと思います。その他客観的な装置或いは人員の配置等についても考えられますが、これは根本策ではないと思うのであります。従つてまあ恐らく今後はそうした問題は、この前からはつきりあつたかどうか分りませんが、今後もそういうことはだんだん少くなつて来る、今現在の従業員諸君は非常に自身の職責というものを、即ち公務員たることを自覚してやつておるものでありますから、こういうことはだんだん薄らいで来ると思うのであります。それから若し現在の電気通信設備を民営にする場合には、この警察電話を引受けても機密の保持ができないじやないかというような問題になりますが、これは既に御説明申上げました通り電気通信省で引受けるのは建設と保持だけでございますが、建設と保持でございますから、できるだけ経験者の多い、或いは大きな事業を持つて結局設備も整つた、而も熟練した技師、熟練した職員諸君が携わるなら、優秀な技能、優秀な設備でやり得るから、警察でやるよりは我々がやつた方がいいということになるわけであります。機密の問題は潔い関係はないと思います。併しながら私は民営になつた場合には、警察電話はどうするかということは実際考えてもおりません。ただ千葉君からそういう質問を受けたから言いますが、それほど民営ということは具体的になつていないという証拠であります。従つて本当に民営にすれば、少くとも警察電話は除いて行かなければいけない。電気通信省が確保するというときには、そういう問題は眞劍に考えてやりたいと思います。
  35. 千葉信

    千葉信君 ただ一点だけ大臣に御注意申上げて置きたいと思います。  大臣は建設、保持だけであるから、祕密の問題は関係がないという御答弁ですけれども、実は通信の專門家的な立場からいたしまして、保持と建設の場合において一番大きなことは実際のオペレートよりもむしろそちらの方が大きく関連するということを御注意申上げて置きたいと思います。
  36. 深水六郎

    ○深水六郎君 ちよつと、大臣が来ておりますから、電信電話の問題で、私たちがよく独立採算とか申しますと、頭に大都会の方が直ぐ浮びますが、地方をよく廻つて見ると、村落その他で非常に電信電話の要望をしておるところが多いのでございまして、特に距離が遠いとか、独立採算制なつたからそういうことができないとか、非常に通信の文化に浴していないところがあつて、或いはできれば資材、労力、資金まで自分達で持つてもいいのだがそういうことできないかという質問を受けるのであります。今寄附という問題は、何か寄附なんかのできないようになつておるようでございますけれども、少くとも公共団体、その他ではそういうものからいろいろな資金を寄附するからこういう電話をやつて貰いたいというような場合には、何とか電気通信省の方でそういうような便宜な措置を取つて、その村落、山村の田舎の人もそういう文化に浴させ、そうして実際一里も二里も電話がないために役場の人が走つて行くとか、或いは雪の中を飛んで行くということが沢山あるのでありますが、そういうような便宜な方法を或いは考えられるようなことはないのかどうか。ちようど小沢大臣はこの前簡易郵便局という措置も考えられましたが、そういうようなふうなことを電信電話について、特に電話についてでございますが、そういうことについて山村の村落を救うような電話考えられておるのかどうか、或いはそういうことをやられるような意思があるかという点についてちよつと御意見を承わりたいと思います。
  37. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) この問題は実際問題としては相当にあるのでありまして、例えば二里三里距つたところに一本の電話があれば、その一つ電話で部落の全部の人が恩典に浴するというような場合、而もその電話を掛けるのは公共的団体である、農業協同組合とか、或いは役場の出張所とかというようなところが非常に多いのであります。ところが一応従来の電気通信省の方針といたしましては、機材機器の寄附を受けて電話を架けることはいけないというような建前になつております。併し今深水さんのお話のように、私も知つておるように、実際上これが公共団体であつて、そうして而も一定電話があるために部落何千人という人が利益にあずかるというような場合に、何とかして実現する方法がよいのではないかということを私自身も考えております。現在のやり方を、今の客観情勢から今直ちに変更することはできませんけれども、その範囲は、少くとも利益を目的とする商事会社とか何かでは非常に誤解を受けまするけれども、その加入申込者が公共的な団体、例えば農業協同組合とか、水産協同組合とか、或いは役場というので、部落の公衆全体についての、そうした利益を受けるような場合の指令の除外というような意味で進むことがよいのではないかというような考えを持つておりまするが、正式には地方へは書面を出すことができませんが、内容を研究した上でできるだけそれは今までの指令に該当しないで扱いたいということを非公式に述べて指令を出して、その不調和を調和を取ることに努めておるのであります。具体的にはそういうことがありますれば、何とかそういうことで進みたいと思います。
  38. 深水六郎

    ○深水六郎君 只今村に通話事務所のようなところがある。五百戸、三百戸の総戸数があれば、それが一里なり二里なりを離れておつて、それが大きく分れておるのでありますが、今その部落の人が全部この役場の出張所に来なければならんというようなことは沢山ある。恐らく岩手県あたりは相当にあると思うのであります。私のところでも何とかして貰いたいとか、いろいろな問題がありますので、個人のことはよろしゆうございますけれども、公共団体の場合には何とか便宜な方法考えて貰いたいということが、地方に行きますと有らゆる人から言われておる問題ですから、その点は是非何とか実現できるように御考慮願いたいと思います。
  39. 大島定吉

    ○委員長(大島定吉君) 本日は時間の関係上この程度で散会したいと思います。御異議はありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 大島定吉

    ○委員長(大島定吉君) ではさように取計らいます。それではこれを以て散会いたします。    午後零時十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     大島 定吉君    理事            小林 勝馬君    委員            深水 六郎君            千葉  信君            木檜三四郎君   国務大臣    郵 政 大 臣    電気通信大臣  小澤佐重喜君   政府委員    電気通信政務次    官      尾形六郎兵衞君    電気通信事務官    (経理局長)  肥爪 亀三君   説明員    電気通信事務官    (施設局長)  林  一郎君    電気通信事務官    (業務局周知調    査部長)    花田  薫君