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1949-11-22 第6回国会 参議院 電気通信・地方行政連合委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十二日(火曜 日)    午後二時四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件警察用電話等処理に関する法律案  (内閣提出)   —————————————
  2. 大島定吉

    ○委員長(大島定吉君) これより電気通信地方行政連合委員会を開会いたします。昨日に引続き警察用電話等処理に関する法律案の質疑を継続いたします。
  3. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 電気通信大臣が来られます前に、つまらんことですけれども、少し條文の字句についてお伺いいたします。第二條の第二号に「交換機に接続され、且つ、その交換機同一建造物内又は構内にある電話機及び同一建造物内又は構内に終始する線路に接続する電話機以外の電話機」、この「交換機に接続され」というのはどこに続くのですか。
  4. 花岡薫

    説明員花岡薫君) 交換機に接続される電話機でございます。「電話機及び」というところの上の電話機でございます。
  5. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 「及び」の前の電話機ですか。構内にある交換機に接続される電話機とこういうわけですか。
  6. 花岡薫

    説明員花岡薫君) その最後のところに来ましてそういう「電話機以外の電話機」というのは締括りになつておりまして一番最後に出ております。何何と並べまして「電話機以外の電話機」、この電話機譲渡の対象にするという趣旨でございます。
  7. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 只今質問をした、交換機に接続される電話機以外の電話機でございますか、そうなるのですか。
  8. 花岡薫

    説明員花岡薫君) さようでございます。
  9. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 実例的に交換機に接続される電話機以外の電話機というのはどういうのですか。
  10. 花岡薫

    説明員花岡薫君) 簡単に申しますと、建物の中に交換施設がありまして、その交換機に繋つている一連の電話機それを除外した建物外に亘る施設、つまり線路並びに電話機そういうものが電通省移管されるわけでございます。ここに書いてございますのは、建物の中に終始する建物線路、これも除外されます。建物の中にある交換機、これは勿論除外されます。その交換機に附いております電話機、これも除外されます。
  11. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 そうしますと、物置に隠納してある電話機、そういうものですか。
  12. 花岡薫

    説明員花岡薫君) 素材か又別に表現してございまして、施設としてでなしに素材としての物は又別でございまして、只今申上げたのは、施設として有形的に機能を発揮している状態のものでございます。素材は別でございます。
  13. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 次にもう一つ聞きますが、我々素人だからよく分らないのです。この第條の三号の搬送装置というのはどういうのですか、
  14. 花岡薫

    説明員花岡薫君) 昨日ちよつと申上げました通り線路には実際の線を使つて電話回線を構成する場合と、その実際の線路の上に更に電波を通じまして周波数を抑えて架空に実線の上に回線を構成するものといたしまして、この搬送装置はその実線を更にもう一回線を使用するために使うものであります。電気通信省でやつておりますのはもつと複雑した経済的のものがございますが、警察の場合には一つ電話回線にもう一つ搬送によつて回線を作る場合がございます。その場合でございます。
  15. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 次に第二條の第二項の但書ですが、「同一電話加入区域内又は同一自治体警察管轄区域内に終始する線路及びこれに接続する電話機については、この限りでない。」というのは、支拂わなくてもいいとこういうわけですね。その理由を承わりたい。
  16. 花岡薫

    説明員花岡薫君) 第二條第二項の但書につきまして、只今お尋ねのことを若干補足して申上げますと、同一電話加入区域内と、更に又警察署管轄区域内がございまして、これが一致しない場合もありまするので、いずれその場合にも一応これを市内における通信施設と見まして、これを譲渡価格から除外することになつておりますが、その除外の電話はこれを国が買収をいたしまして、資本を増加いたします場合には、自分の新らしく創設をしたものとして現在の電話の法令上取扱われますので、そういたしますと新らしく装置をした資本的に投下をして、そこに電話施設としての創設料を支沸つて頂くこどになつております。その創設料は相当多額の金に相成りますので、この代価差引きをするのが最も適切である。代価の値段と今の創設料と比較いたしますと、創設の方は、一応新らしく創設する場合を予定しておりますので、相当の金額であります。これを更に実際の価格に合せるように仮に値引きをして考えて見ますというと、結局その現物の代価と同じ価格に落ち着いて来るのではないかと一応考えられますので、これにいずれにせよ相殺をして、無計算がよろしい。これは両主管庁間のやはり意見が一致いたしまして、無用の手数を省略するための規定でございます。一方におきまして市外に亘る回線の方は又この料金の立て方が違つておりまして創設費を全面的に支拂つて頂くということになつておりませんので借料だけ支拂つて頂くので、その場合は起きないのでございます。
  17. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 大臣も出席されましたので、昨日大臣が座をお立ちになりましてから、国家地方警察の方の樺山警備部長から答弁があつたんですが、今日は大臣もお見えになつており、又国家地方警察本部溝淵次長も来ておられるので、改めてお尋ねしいてみたい。これは昨日大臣がこの法案提案理由説明をなさいましたのにもあります通り、この法案目的とするところは警察通信設備整備強化、そうして警察通信のためによりよきサービスを提供するということが目的でありまして、そうして結局新しい警察制度の完成に資するという目的だ。そこで地方行政委員会において新警察制度一つの欠点として今まで考えておりましたことは、従来の旧警察制度のときにおけるよりも警察通信秘密保持の点において非常に欠けるところが出て来た、そういうところにあるのであります。そこでこの点において今度いよいよ本当に警察電話の主なる部分電気通信省の方に移管をするのでありますが、この秘密保持の点において十分な対策を講じて頂きたいと思うのであります。そこで溝淵次長に改めてお訊きすることは、我々が従来扱つて来た重大な治安に関する事件におきまして、ややもすれば通信設備秘密保持の点及び今まで通りこれが完全に通信が行われないというような点について、各公安委員会から陳情が出ておつたのでありますが、この点についてどういうように国家地方警察の方では考えておられるか、この点を伺つて置きたい。
  18. 溝淵増己

    政府委員溝淵増己君) 只今警察通信秘密保持につきまして非常にお考え下さつて、同情あるお尋ねを頂きましたが、実は警察通信秘密保持ということは我々としましては非常に重大な問題でありまして、これについては相当注意を拂つておるわけでありますが、地方におきましてそういう意味の、心配のあるという意味の情報は時時来ておりますが、現実にどこで秘密が漏れたという事態につきましては、現在はつきり証拠がないのであります。殊に最近においては電気通信省におかれましても相当関心を持つて監督されておりますので、そういう懸念が比較的なくなつておるような状況でありますが、何といたしましても通信は、無線にしましても有線にしましても、これを秘密に取ろうとすれば、いろいろ技術を用いれば、取られる虞れがあるのでございまして、この点につきましては我々の方でも非常に研究いたしまして、具体的な方法についてはまだ申上げる段階に達しておりませんけれども、言葉を隠して通信するというような方向に向いつつありますので、重要な通信については今後におきましては漏れないようにやれるというように考えております。
  19. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 尚溝淵次長お尋ねして置きますが、昨日の私からの質問によりますと、電気通信省の方では警察電話交換作業には、現在までと雖も、又将来に亘つても、交換作業には電気通信省の方から全然介入しないという確言があつたのであります。それでこの警察電話移管しても、線路建設保守だけを電気通信省でやつて交換作業の方には一切電気通信省の方からは介入しない、こういうことに昨日答弁があつたのでありますが、従来はどうであつたか、それをお尋ねしたいのであります。
  20. 溝淵増己

    政府委員溝淵増己君) 警察電話交換につきましては警察職員ですべてやつておりまして、電通省の方の職員は介入いたしておりません。
  21. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 それから昨日の樺山警備部長答弁によりますと、電気通信省の方に仮移転をした後においては、一級線及び二級線は改良の跡が顕著である。併し三級線についてはまだ改良して頂くところが残つておるし、又改良が必ずしも捗々しく行つていないというような状況に聞いておりますが、この点に関して電気通信省の方におきまして、どのくらいの見込で以てこの三級線の方が改良ができることになるか、そのお見込を聞いて置きたい。
  22. 平井始

    説明員平井始君) お答え申上げます。電通省といたしましては、先ず警察の方で最も必要とされます一級線、二級線の整備に今まで力を入れて参つたのでありまして、今後三級線或いはそれ以下の線にも力を入れて行きたいと考えまして、国警の方と申合せておるわけでありますが、ただこの建設も相当大きな金が要ります。又警察側からの要求も非常に大きいのでありまして、我々といたしまして、現在の我々に與えられまする予算、それに比べて警察側の御要求になるその数量を全面的に満足させるということはできないのは甚だ遺憾に存ずる次第でありますが、我々としてはできるだけ多く御要求に応じて行きたいと、こういうつもりでおります。
  23. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 これは大臣にお願いして置きますが、この三級線と申すのは、府県の本部から各警察署、そういうところに通じておる線でありまして、これが本当は一番活動することが必要なんであります。それでこの線路を十分早く予算を取つて頂いて、そうして改良して頂くことが必要だと私も委員会でも考えております。それに対する大臣の御見解を伺いたいと思います。
  24. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) 只今お話平井君の答弁で大体盡きるのでありますが、言うまでもなく治安維持ということは国家生活には必要欠くべからざるものであります。従いまして一般公衆の利便に供する電話よりはできるだけ優先的にこの方向に工事の進行を図りたいと考えております。併しながらそれはどの時期に、どの程度予算というような問題につきましては、今申上げます資料はございませんけれども、気持はそういう精神で進んで行きたいと考えております。
  25. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 昨日も問題に出ました都道府県警察電話電気通信省移管するに当りまして、その評価の問題でありますが、この問題については、昨日大臣から一々御説明がありました。それで大臣がお留守のうちに、私は外の政府委員並びに説明員の方に質問したのでありますが、大臣のその評価に当つては数十億円という評価が立ち、又は見方によつては一億何ぼという評価であり、又時には六億というので、いろいろその評価の仕方に見解の相違があるというお話があつたのでありました。でそれに対しまして、私はそれはこの法案ができます前の評価であつて、この法案を出される、而も第四條に「国が譲り受ける警察用有線電気通信設備代価は、この法律施行の日における創設費からその耐用年数により算出した減価部分を控除した額を基準とし、その設備の利用できる程度を参しやくして評価審議会で定める額とする。」とこういうふうに立案されております。そうすると、これは昨日質疑応答しましてはつきりしたのであります。「この法律施行の日における創設費」というのは、「これはこの法律は、公布の日から」ですから、いずれ十二月一日頃から公布されるとして、この十二月一日において譲り渡す警察電話が作られたとすれば、幾らかかるであろうかというその費用、それから「耐用年数により算出した減価部分を控除した額を基準とし、」とあるのでありますから、十二億といい、一億というそんな大きな開きができるわけがないのですから、大臣が昨日おつしやつたのは、この四條ができる前のことであつて、そうしてこの四條ができたならば、割合はつきり額が言えるのじやなかろうかと、そういうふうに思うのであります。それでそれについて資料を頂きましたのでは、この仮移管によつて電気通信省移管された電話回線市内の專用が八千八百十八回線市外は四千八百三十回線でありますと、こういうふうに、これは大臣の御説明に述べておられるのでありますが、そんな大きな回線移管されたとすれば、たつた一億とか何とかいうようなことは、当然問題にならないのであつて、やはり十数億とか、少くともその中間をとつた六億くらいのところは出て来るんじやないかと、私共素人ですけれども、考えられるのです。そういうことをよく御考慮下さつて、そうして疲弊しておる都道府県財政に余り迷惑を掛けないように一つして頂きたい。これをよくお願いして置いて頂きたい。
  26. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) 昨日、十二億という意見もあれば、六億という意見もあるし、一億五千万円というような意見もあるということは、今までの経過を是非お話しろという、こういうことから話したのでありまして、今までの話が、この委員会に決して予断をいたしてどうこうというような趣旨で申上げたのではないのでありまして、そういうふうに意見の懸隔があるから、この法案で公正な委員会利害関係者集まつ委員会で適正な価格に決めることが適当だという趣旨でありまして、十二億というものにもこだわらなければ、六億にもこだわりませんし、又一億五千万円というようなことにもこだわるのでなくて、要はこの委員会の公正妥当な、四條の法律精神に基いて適切な金額に決定することを我々も希つておりますし、又そうしなければならんと考えております。
  27. 千葉信

    千葉信君 只今岡本委員質問にも関連がございまするので、まだ終りにならないかも知れませんけれども、ちよつと質問したいと思うのであります。  もともとこの警察電話移管の問題につきましては、方針としては私は賛成でございますけれども、非常にこの移管には無理がある。この仮移転の当初からいたしましても、例えば当時の警察の方において保持しておつた従事員も、実は十分でないままに逓信省の方に移管なさる。それから又その施設にいたしましても私共の承知しておる限りでは、相当標準命数も盡きたような施設が非常に多い。例えばその中の電柱をとつて見ましても、クレオソートの注入されておらん電柱が五〇%から五五%も使用されておる。こういうようなひどい施設を今電気通信省が正式に移管されて、こういう施設を果して完全に立派なものにして警察当局の要望するような施設に早急に作り換えることができるかどうか。この点について実は私は非常に心配しておるわけなんでございますが、こういうふうな私共の目から見て非常に老廃しておる施設というようなものが、この際或る程度この席上で私は明らかにされた方がいいと思うのですが、この点についてお見込はどうでしようか。
  28. 平井始

    説明員平井始君) 明らかになることが望ましいという今の御質問でございましたが、我々としてそれを明らかにするべく非常に具体的に現わしにくいことでございます。従つて今ございましたような資料が早急にできるとは私は考えておりませんのですが、おつしやるような我々が標準的な建設というものから見ますると、大分程度が落ちておるということは概観的に申上ることができると思います。又先般来の台風等におきましても、移管されました警察線路が相当被害を沢山受けた、我々の施設に比べてその被害が余計多かつたということは、当面その施設が脆弱であつたということの証明にもなるかと存じまする次第でありまするが、具体的にどれくらい無いかということをここで数字で申上げることはちよつとできかねるのでございますが、その程度で…
  29. 千葉信

    千葉信君 只今お話が出ましたデラ台風による被害というようなものは、九〇%の施設被害を受けておるというお話ですが、そういう点から言いまして、今の政府委員答弁は、私実は非常に不満でございまして、こういう移管ということがここまで話が進んでおるときに、どの程度施設であるかということについては、或る程度ここで私は報告できる段階にまで調査ができていなければならんと思いますが、その点はそれといたしまして、それでは二十五年度の損益勘定予算の中で、警察電話の運用が独立採算制でやつて行けるかどうか、その点についてのお見通しを承わりたいということが一つと、それからもう一つ大蔵省に提出した予算案によれば、警察電話補修費中、超過勤務手当一般保守一人当り月千三百円を計上しておつたのが、月百八十四円というように減らされておる、こういうふうな状態で、而も設備が老朽しておる場合に、一般補修費の方に食い込まないでやつて行ける方針が立つておるかどうか、この点について御答弁を願いたいと思います。
  30. 平井始

    説明員平井始君) お答え申上げます。只今質問がありました二十五年度の補修警察電話全体として独立採算制維持するために我々としては組んでおりますが、然らばこれがその通りできるかどうかという御質問と解釈いたしましたが、これは我々は今のところではそれで以てやらざるを得ないというふうに考えております。それで或いは人員共通使役その他によつて多少の入れ繰りがあるかと思いまするが、大体我々の今の考えではそれで以てやつて行こう、こういうふうに考えております。ただ被害等が起りまして、それの復旧を要するというような場合は、これは別かと考えまするが、一般の場合においてはそれで以てやつて行こう、こういうふうに考えております。
  31. 千葉信

    千葉信君 只今の御答弁から行きますと、人員の差繰り等を以てやつて行きたいというお話でございますが、その人員の差繰りということは警察電話従業員も非常に不足であろうし、経費もそういう形になつておりまして、一般の方の、そうでない方の立場の人達に対する労働強化とか、或いは給與の節減というような形になつて行かないかどうか、この点については如何ですか。
  32. 平井始

    説明員平井始君) 若干あるかと思いまするが、そう大きなパーセンテージになるとは考えておりません。と申しまするのは、その人達或いは警察電話維持して行きます人達は、全体にはパーセンテージが割合に少いので、そういうふうに申上げた次第であります。
  33. 千葉信

    千葉信君 独立採算制を採つて行くということに関連するわけでございますが、警察專用線使用料が非常に安くて、そのために独立採算制もむずかしいというようなこともあると思いますが、その使用料については今後どういうふうに考えておるか、上げるつもりでいるか、上げるとすればどの程度に上げるというふうにお考えになつておりますか、その点若し経過がありましたらこの際明らかにして欲しいと思います。
  34. 花岡薫

    説明員花岡薫君) 警察通信維持につきましては、只今千葉委員の御指摘なつたように、独立採算的な計算でやつております。従いまして現在のままの状態に置きますと、只今平井施設部長説明に、ちよつと予算面について漏れた点がございますので申上げますが、現在の料金制度計算いたしますと赤字になります。現在はその赤字を負担しておるのでございます。これにつきましては国警側といろいろ事前に御了解を願いまして、次の国会料金の修正の提案をいたしたい。これに伴なつて必要な予算額は、国警側並びに大蔵省におきまして考慮されておるのでございます。それから人員につきましては、警察当局でやつておいでになつた頃よりも現在は人手は殖えております。これは予算的に殖やしたのでございまして、必ずしも十分とは申せませんが、警察当局で担任しておられた頃よりも保守の成績において手が行き届くということは断言できるところであります。ただそれに対しまして労働過重といつたような問題は、これは労働基準法の枠もございまして、その枠内でやりますので、個人個人の労務の負担ということは増やさないように極力注意しておりまするが、何と申しましても只今指摘のような暴風雨等の災害につきましては、どうしても勢い修復人手を食わざるを得ないのであります。これはたとえ一般通信施設におきましても、そういう応急の場合には或る程度人手を食うのは、これは必然止むを得ない事柄かと存じます。
  35. 千葉信

    千葉信君 この第二條の第一項に「公衆電気通信系に併合して使用することのできるもののうち、」と、こうなつておりますが、この條文から考えれば、併合して使用することのできないものは接収しないというふうな意味が含まれておると思いますが、そういう事実があるかどうかについて…
  36. 花岡薫

    説明員花岡薫君) この法律の中には念のため掲げられた規定も入つておりまして、先刻来の御説明で御了解と存じまするが、非常に老廃した部分もございますので、理論的にはここに書いてございまするような場合があるわけであります。併し実際問題といたしましては、これを成るべく総合的に処理いたしまして、余りに取扱に困難な場合か起らないように、評価などの点につきましても睨み合せて、総合的に円満に業務を終了しなければならんかと思つております。
  37. 千葉信

    千葉信君 それからこれは非常に細かい問題ですが、この法律案の題名は「警察用電話等処理に関する」ということになつております。而も法律條文の方では「警察用有線電気通信施設」、こういうふうになつておりまして、非常に何か食違つた感じが與えられるわけですが、この点はどうしてこういう表現の仕方をしたか、その点をちよつと承わりたいと思います。
  38. 花岡薫

    説明員花岡薫君) 表題は極く内容分り易く簡潔に現わしましたために「電話」ということになつております。又有線とか無線とかいうことも言わずに、普通分り易い表現を用いておりますが、内容につきましては価格決定その他の法律的な問題が発生しますので、非常に技術的な精密な表現をいたしております。従つて有線電気通信設備」或いは素材を別に現わすといつたようなことをいたしておりますが、そういう趣旨でございます。
  39. 三木治朗

    三木治朗君 大臣お尋ねいたしますが、少し筋が違うかも知れませんが、第四国会のときに市町村の警察で使用しておる建造物その他を無償で以て国に委譲したことを記憶しておるのです。今度電話をかけるについては有償でこれを国が譲り受けるというと、前のときに無償で以て取上げて、今度の電話については有償たというと何だかそこに筋が通らんような気がするのですが、その点はどういう…
  40. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) 前の問題を私は不幸にして存じておりませんけれども、まあそういう考え方も出ますけれども、要は地方財政国家財政との睨み合いから、その当時においては地方財政にそこまで行かんでも何とかやれたというような考え方であろうし、これも今申上げた通り地方財政が非常に最近において殊に困憊しておるというような見地から、岡本さんの御意見もありましたが、ただでいいじやないか、困つたら地方財政へ援助すればいいという議論も出ると思います。でありますが、個人の場合と違いまして、同じ地方に対しても政府が責任を持つて地方財政的援助をしておるのでありますから、ただやればただやつたように何かの機会に地方を援助する形もあると思います。要は、理論的根拠はどつちがいいということはできませんけれども、そのときのいわゆる財政とそのときの環境によつて考え方がまあ変つて来たのだろうと思いますが、私の方はいろいろ研究しておりませんから、従つてあなたの希望しておるような答弁はできないのであります。
  41. 三木治朗

    三木治朗君 実は私は前に無償で以て渡すときに、これは有償でなければならんと強く主張したものであつたのですが、それは容れられなかつた。勿論これは今度は有償でいいことで、有償反対意味お尋ねしておるものではなくて、これは適当な委員会の適正な判断によつて譲り渡すことは私は正しいとこう考える。ただ前の問題と矛盾するのじやないか、筋が難うのじやないかと思つてちよつとお尋ねしたわけです。
  42. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) 尚こういうことは恐らく一般会計同士の問題じやなかつたかと思うのです。でありますから同じ会計一般会計の場合でありますれば、地方交付税も、配付税も一般会計から出ます。又警察も同じ方から出るならば敢てそういうことをせんでも予算編成上の適切な措置をとればいいのじやないか。これは一般会計特別会計自治会計の関係でありますから、多少その点考え方が自然異なつて来るのじやないかと思います。
  43. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 今回国に移管される施設のすべての評価額について先ほど大臣の御答弁では審議会にかけてそこでよく研究するのだというお話でしたが、この法案が出ておる以上は、私は国警側並びに地方自治庁側においては大体評価をどのくらい考えておるかということを伺いたい。
  44. 荻田保

    政府委員(荻田保君) 評価は妥当な評価があれば結構だと思います。特に安く或いは特に高くというじやなくて、公正な値段で買収すればそれでよろしいと考えております。大体その見当といたしましては、先ほどお話いたしました十億台というような数字が出ておりますが、まだ勿論結論を得ておるわけではございません。
  45. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 国警答弁の前に更に伺つて置きますが、買収される方の側からは、この問題について、自治庁なんかについては、大体希望意見やなんかは出ていないのですか。どのくらい買収しておるか。
  46. 荻田保

    政府委員(荻田保君) 具体的にまだ数字を持つて来ておりませんが、正当の値段で買収して貰いたいという強い希望があります。
  47. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 国警側はどうですか。
  48. 溝淵増己

    政府委員溝淵増己君) この有線電話評価額の問題については、今後相当委員会で練つて決めるべきだと思つております。私共の立場としましては、地方の府縣におきまして可なり熱を入れてやつて貰つたものでありまして、国が半分と、地方財政で年分持つて作つたものでありまして、地方でも可なり期待しておるのではないかということも感じますので、できれば成るべく多くを出してやりたいと思いますけれども、一方国の財政の関係もありましようし、又評価の結果がどうなるかということもありますので、ここで嚴密に価格を申上げるということは困難かと存じます。自治庁の方が、一応地方財政の方に最も詳しいのであります。地方自治庁の御意見を妥当として考えるより外ないと思います。
  49. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 更に私はこの法案に対しまして、結論的に伺いたいのですが、大臣提案理由の中には、この法案目的とするところは警察通信施設整備でありますが、警察通信施設を、電気通信省の手によつて整備すれば、警察通信のためによりよくサービスを提供して、新らしい警察制度の完成に重要な意義を持たすというような、非常に大きなことが書いてあるのですが、従来終戰後いろいろの事件が起きたり、治安上のいろいろの問題があつて具体的にいろいろな実例があつたのですが、こういうような、この提案理由説明されておるようなことが、その通り行われれば、我々も常に委員会におきまして、治安の問題に関心を持つてつておりますけれども、非常に結構なことであると思うのですけれども、なかなか先程来の御説明を聞いても、予算の上からなかなか警察の要望通りには行い難いというような御答弁も現にある。そういうふうに考えますし、なかなかこれは、目的は立派な目的だが、実行に移す段になるとなかなか思つたように行かないのだというようなふうにとれるのですが、率直に警察側は、この買上げられるというようなことは、どういうふうに考えておられるか。これを一つ率直に言つて頂きたい。
  50. 溝淵増己

    政府委員溝淵増己君) 警察電話の、有線電話移管の問題について、警察側の気持をお尋ねなつたかと存じますが、実は警察電話の問題は、無論無電その他電送或いは模写電信その他を使つておりますが、何と申しましても、通信有線電話になりまするし、その有線電話を立派に確保するということは、警察の実は生命の問題でもあるわけでありまして、相当我々関心を持つておるものでありますが、何しろ十万キロ以上に亘る有線電話、これが相当古くなつております。戰争中修繕も全然しなかつたというような状況でございまして、終戰後可なり努力をいたしましたが、なかなかうまく行かないのでございます。そこでどうしたらよいかということから、関係方面その他の方の、御指示と申しますか、勧告等がありまして、当時の逓信省移管してやつた方が費材その他技術の面から申しましても、有利ではないかというようなことでありました。我々もいろいろの面を考察いたしまして、警察で果して現在の警察の技術、又警察の今までのやり方等から、完全に直せるものかどうかという一つの疑問を持ちまして、たまたまそういう議が、逓信省移管の問題が議となつて出ましたのであります。そこでいろいろ考察した結果、むしろこの際逓信省移管してやつて貰つた方がよくなるのじやないかというように考え移管に賛成したわけであります。逓信省としても、可なりこの電話を受取ることは問題があつたようでありますが、昨年の八月に閣議決定で解決をいたしましたが、その後の状況は昨日来申上げておりますように、一級線、二級線の線路の改修は非常によくなつておるのであります。それから三級線、四級線はまだ十分とは言えませんが、今後電通省の方面におきまして、非常な努力でやつて頂くようになりますれば、これも又数年ならずして改善されるのじやないか。こういう面からこの移管によりまして、着々警察電話が改善されるだろうということを御期待しておるわけであります。
  51. 大島定吉

    ○委員長(大島定吉君) 尚この機会に皆さんにお諮りいたします。大臣は衆議院の方に出席の都合がありますので、大臣に御質問のあります方はこの機会にお願いいたします。
  52. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 大臣がおいでになる間に更に私はこの合同委員会の席上で要望して置きたいのは、こういうふうな、今警察側意見もあつたんですが、移管する以上は結果がよくなくちやいかんのですが、予算や何かの方で非常にむずかしいというようなお話もあつて、そういう点もあるかと思うのですが、大臣に特に伺いたいのはこういうふうなことは講和会議の問題等も間近にあるというふうな際に、治安上こういうような施設を完全にするということは非常に急務だと思うのです。こういうふうな、予算の場合なんかに、例えば見返資金なんかをこういつた面にも流用するということはできないものですか。そういうようなことを大臣ちよつと伺つて置きたいと思います。
  53. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) 御承知のように電気通信建設に関しては、今年度も来年度も大量的にその大半というものは見返資金を基礎にした公債でやつております。ただ申すまでもなく、凡そこの公債を発行する場合においては、これに対する期限内償還とか利子というものを考慮せずにはこの公債は発行できませんので、この警察電話に使用するということも先程申上げました料金から実際の工賃を引いて、而もそれに対して利息或いは相当の年限の間に元本を償却するというような計算ができなけれぱできませんので、私共は必要によつてはそういう計算さえ立てば、そういう條件さえ揃えますれば、先程も申上げました通り警察電話というものの緊急性から考えて善処したいと考えております。
  54. 島村軍次

    ○島村軍次君 予算の問題に関連して、仮に十億の評価いうものが出た。その場合における地方自治庁の財源、これを地方庁が受けた場合に、この第五條の規定によると、五分の一ずつの支拂になつておるようですが、この財源の使用について何か制限を設けるかどうかということを一つ。それからもう一つは、もともとの警察というものが、国庫負担が半分と、それから地方費が半分ででき上つたものであります。地方費の財源の捻出の場合におきましても、相当起債によつて財源を得たものが多い。そこで逓信省の方では、この評価に当つては勿論この法律で第四條にはつきりしておりますから、その国庫財源を支出したということの理由によつて評価を下げるということはないと存じますけれども、そういう点に対しては、もとの財源がそういうことであつたからという理由を以て、何か評価上についての問題が、ないと思いますけれども念のためにこの点をはつきり伺つて置きたいと思います。
  55. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) 地方警察の発達が国費の補助と、それから地方費との半々、殊に公債等の発行によつて地方警察施設が拡充されて来たのであるから、従つて一つの財産の一部分であるところのこの警察電話も、やはりそういう意味価格の上に影響しないかというようなお話でありますが、たびたび申上げました通り私共はお互いに不当なことを主張しようとか、電気通信省としても、又国家警察としても地方自治庁としても考えておらんと思うのであります。極めて適切な方法でこの値段が決まることを望んでおりまするから、決して一つの下げる理由を発見して無理に値段を下げようというような考えは、私の方も持たぬと同時に警察の方でも無理して上げようというようなことは考えないと思うのであります。その辺は今のようなことも、或いは参考になるかも知れませんが、申上げると、諸般の事情を考慮して、十二月一日なら十二月一日現在で最も適切だと思うことを、而も円満裡に決めたいというのがあれでありまするから、殊更に私共電気通信省の方で、只今島村君が指摘したような理由で、ぶつたくるというようなことは全然考えておりません。
  56. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 先程大臣から三木君にお答えになりました事柄は、私から一言申上げて置きたいのです。それはこの前府県有の警察財産といいますか、警察署の庁舎なり官舎なり、これを国に移しますときに無償にしたのです。これに対して府県の方では非常に不平がある。殊に官舎のごとき、庁舎、警察署でもそうですが、その町なんかの寄附でやつたものが非常に多いのですから、それを無償で国に移したというので、釈然たらない気分が横溢している。そこで国警の方と自治体警察の方と仲の悪い原因というようなことも一つはそれ出ておる。そのとき私共の委員会で三木君が言いましたように各委員から、そんなけちなことで喧嘩しないで、買つたらどうかということを言つたのです。そうすると先程大臣の御答弁の中にあつたように、それは無償で貰つても、まあ国からいろいろなことをして助けてやるのだからそれでいいじやないか、こう一概に言うのですけれども、そこはなかなか実際上はそうは行きませんし、又多少その心組で国がやられても府県の方ではそう受取らない、又市町村の方では…。だからそこは今大臣最後に島村君の質問に対して答弁なさいましたように、本当に正当な値でやはり国は買う、買つてやるということにどうしてもして頂きたいと思います。それだけ希望して置きます。
  57. 千葉信

    千葉信君 実は私、昨日の連合委員会には出席できませんでしたが、昨日のことは分りませんけれども、今日の質疑応答の中で、何か通信秘密保持という点について非常に不明朗なものが今日の質疑の中に残されておるように思うのです。先程岡本委員の発言に対する答弁におきまして、国家警察の次長の方からは、通信秘密というものが漏れたことがあつたという答弁がありました。ところがそのあとで直ぐ引続いて、この警察通信交換の方は自分の方でやつているというお話を伺いましたが、通信の方式からいいますと、私の立場で見れば、これはこの警察通信の場合に、交換の方は警察の方でやつていても、その他の担当者の方から秘密が漏れるということもあり得るわけです。この通信秘密保持の問題に関しては恐らく警察通信の問題に関しては過誤の問題であろうと思うのでございますが、電気通信大臣としての立場から果してそういう国家警察の次長が言われたような通信秘密漏洩というような事実があつたか、大臣の所管のうちにおいてあつたかどうかということについて大臣の御答弁をこの際承つて置きたいと思います。
  58. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) これは昨日千葉君は御出席がなかつたのですが、その問題の質問があつて私がお答えいたしました。というのは先だつての行政整理に際して衆議院の考査委員会におきまして秘密漏洩の問題について特にこれを取り上げて審査を始めた。審査を始めて私を証人として喚問することになつた。ところが証人として考査委員会で陳述する際に、いろいろと委員長から、こういう事実があつてこういう状態であるから、これは秘密が漏洩しておるのではないかという理論的に常識的な質問があつた。成る程そういうことが事実であるとすれば、そういうことを前提とすれば漏洩したのかも知れない。併し我々としては具体的に漏洩したかどうかということは、現実に調査してこういう場所でこの人がやつたということでなければ秘密が漏洩したと言うことはできない。従つて今委員長の御質問に対して、ぼんやりしておるなという感じを起すかも知れないが、現実にこの人がどこの場所でやつたということがはつきりするまでは漏洩したということは言えないということを証言しましたが、この証言が、今申上げたことが同時に千葉君に対する回答だと思いましてその例を申上げました。
  59. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 連合委員会はこれくらいで打切ることの動議を提出いたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 大島定吉

    ○委員長(大島定吉君) 御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 大島定吉

    ○委員長(大島定吉君) それでは地方行政との連合委員会はこれを以て打切ります。本日はこれを以て散会いたします。    午後三時二分散会  出席者は左の通り。   電気通信委員    委員長     大島 定吉君    理事           橋本萬右衞門君            小林 勝馬君    委員            深水 六郎君            千葉  信君   地方行政委員    委員長     岡本 愛祐君    理事            岡田喜久治君            鈴木 順一君    委員            三木 治朗君            藤井 新一君            林屋龜次郎君            西郷吉之助君            島村 軍次君            太田 敏兄君   国務大臣    郵 政 大 臣    電気通信大臣  小澤佐重喜君   政府委員    国家地方警察本    部次長     溝淵 増己君    総理府事務官    (地方自治庁財    政部長)    荻田  保君   説明員    電気通信事務官    (業務局周知調    査部長)    花岡  薫君    電気通信技官    (施設施設部    長)      平井  始君