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1949-10-26 第6回国会 参議院 逓信委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月二十六日(水曜日)    午前十時三十一分開会   —————————————  委員氏名    委員長     大島 定吉君    理事      中村 正雄君    理事      小林 勝馬君    理事      渡邊 甚吉君            下條 恭兵君            松嶋 喜作君            加藤常太郎君            深水 六郎君            橋上  保君            尾崎 行輝君            新谷寅三郎君            松平 恒雄君            千葉  信君   —————————————   委員の異動 十月二十五日(火曜日)委員加藤常太 郎君の辞任につき、その補欠として橋 本萬右衞門君を議長において選定し た。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○派遣議員報告通信事業復興促進に関する決議に対  する回答に関する件   —————————————
  2. 大島定吉

    委員長大島定吉君) 只今から逓信委員会を開会いたします。本日の公報に記載いたしました件を議題といたします。去る六月二十日、中国九州北海道東北通信事業復興状況並びに二省分割状況視察のため派遣されました議員の方から御報告を求めます。 先ず中国九州班からお願いいたしたいと思います。
  3. 小林勝馬

    小林勝馬君 第一班の中国九州視察の御報告を申上げます。  只今委員長がお話のように、六月二十日から月末まで、派遣議員大島委員長並び小林理事両名でございます。院議によりまして調査派遣された問題でありまして、この調査條項その他は八項目から相成つておりますが、先ず地方機構における調査事項は、第一は、二省分割に伴う機構及び人事決定状況、二といたしまして、二省分割に伴う資産施設決定状況、三、管理部門における事務運行状況、四、現業部門における管理部門との事務連絡状況、五、復興状況電信電話復旧新設状況及び疏通状況電信主要回線主要都市間の所要時分郵便主要都市間における所要日時数等、六、各部門事業成績郵便値上げ後における利用並びに收入状況有線無線電信利用及び収入状況有線無線電話利用及び収入状況貯蓄目標額達成状況保險年金本年度割当及び達成状況、七番に、労務状況、八番に、その他の復旧状況一般。先ず調査條項別に御報告を申上げますれば、機構及び人事関係、又これが現業に及ぼす影響等につきまして申上げますと、郵政関係はそれ程でもありませんでしたが、電気通信の方は、私共が非常に懸念しておりましたように、余りにもその機構屋上屋の感が深くありまして、旧逓信局の例を取つて見ましても、従来十局八十八部三百二十九課一出張所であつたものが、郵政監察局郵政局電気通信局電波管理局の四つに分け、又電気通信局には次長制を新たに設けたり、資材部を切離して、本省施設局出張所として、十の資材部と五十二の配給局を置いたことであります。これらを合計して、従来の逓信局の場合と比較して見ますと、三十人の局長、二十人の次長、百五十人の部長、六百八十四人の課長が殖えたことになります。  それから府県單位に五十二の電気通信部新設をされました外に、電信電話局の中の庶務、会計厚生の各課を持つて行き、従来電気通信工事局でやつて来たものとを併せて、電気通信管理所を二百五十八ヶ所設けましたことは、皆様すでに御承知通りであります。現場でもこのような組織にする必要があるかどうかというような声を大分聞かされたような状態であります。人事関係は、幹部級決定しておりましたが、管理職の下の方は殆んど決まつておりませんし、旧逓信局は、先程も申上げましたように分割されましたので、多少ごたついたようでありますが、現業方面郵政はそのままでありますので、別段問題はありませんが、電気通信の方でも、電信局電報局名称変つたくらいのもので、内部的には局長を置かないで業務部門責任者業務長とし、施設部門施設長を置くことになつたので、人事面で幾分の動きはあつたようでありますが、公衆即ち利用者の側におきましては、二省分割のために、何らの影響もないように見受けられました。尚その部局の中におきまして、数名ぐらいを以つて一課を構成しているような面が非常に多かつたことと、それから又人事決定につきましても、不適当と思われる点が見受けられたことであります。  次に、二省分割により、旧逓信局郵政電気通信にて適当に分割使用しておりまして、今のところ支障はないようであります。逓信病院診療所などを二省に分割して、資産分割をやつておりましたが、将来はこれは考えさせられる問題であろうと思うのであります。大体審議会財産分割審議会にて決定される様子でありましたが、目下のところ資産分割状況は大きいもののみでありまして、支障はないようでございます。  次に、通信部管理所現業なつておりますが、本省の指令がまだ末端に着いていなかつたため、事務分担決定その他の不明なものが多く、現地におきましては、通信部又は通信所のいずれか、不必要に見受けられる点が非常に多かつた。現業におきましても、従来のままで事務運行中でありまして、一切新発足機構なつていないため、ただ名称等変つた程度であつたのであります。徒ずらに局課が多くなつた感が非常に深かつたのでございます。  次に、電話復旧状況は、中国電気通信局においては、約七九%の復旧でありました。九州電気通信局においては、約八〇%でありました。一応昨年度までの受理された分は、特殊の事情によりまする、佐世保とか、佐賀とか、そういう局を除きまして、殆んど完了しているようで、接続所要時分戰後より相当の進歩の跡が見受けられましたが、まだ四、五時間で、改善の必要があると思われました。いずれの局においても、基礎設備の不良又は不足は相当なもので、これが復旧を遅延し、又新設を不可能とならしめている状態でありました。特に九州におきましては、長崎福岡西熊本の大きな局の交換機ですら、耐久年限をオーバーして、損傷が甚だしいものが多かつたように思います。電信回線におきましては、殆んど戰前回線復旧しておりまして、線路の障害も多いとのことでありましたが、経過時分戰前の域に達していないのは甚だ残念に思いますが、理由といたしましては、戰後線路の配置の不備もあろうと思いますが、従業員の未熟練及び従業員勤労意欲と申しますか、責任程度が薄いと申しますか、誤謬を極度に少くするため、スピードの低下のためでありますと思われるような点が非常に多かつた。私共が現業におりました頃と通数におきましては大差はない。設備印刷電信機等の高速度のものと一部を取替えられて、人員におきましては何パーセントかの増員をしておるにも拘わりませず、この状態であるということは、従業員各位におきましても、一段と工夫改善すべきであろうと私共感ぜられたような次第でございます。  郵便におきましては、広島において検閲ができず、博多まで転送する関係上、相当日数を要しており、九州におきましては、全部博多検閲にかかるため日数を要するわけで、大体、大阪、東京間の特別速達のようなものが、これを大都市、広島博多等にも実施されたらいいのではなかろうかという感じがいたしました。併し最近数日前からこの検閲が廃止されたという問題を昨日耳にいたしましたので、この点は今後十分改善せられることと私共は思つておる次第でございます。  郵便料値上後は、一時收入が低下したというような面も見受けられましたが、大体増加のようでございます。貯蓄目標は大体良好でございまして、広島が四〇%で全国第二位の話でございました。熊本が約三五%ぐらいでございました。簡易保險並びに保險年金の方も広島は三九%、熊本三五%でありました。  労務状況におきましては、部局幹部説明並び全逓各位説明によりますれば、欠員を生じた場合、例えば特定局のごときにおきましても、本省許可を要するため非常に事務支障を来しており、困るということが言われておりました。郵政局範囲以内で許可して貰いたいという希望が非常に多かつたのでございます。郵便電信等の配達員が非常に少くて困難であるという点、保険年金等におきましても、目標増加に対して従事員増加を認められないという点、尚又生理休暇を従前通り認められたいということでありました。次に、全般的に局舎の狭隘であること、例えば福岡郵便局広島電信局郵便局のごとく新築したばかりにも拘わらず、部屋数が非常に不足しておるように見受けられる。今後この点は十分当局においても留意されたい、かように考える次第でございます。福岡電信局並び福岡電話局等におきましても、下駄箱の置場もないような始末で、休憩室の一部を利用して下駄や靴を置いておるような状態でございました。  次に、厚生施設についてでありますが、厚生施設につきましては、慰安施設とか、運動用具設備とか、いろいろと希望要望を訴えられましたが、なかんずく住宅問題につきましては、相当深刻なものがあるようでありました。勤務地の附近に住宅のないために月額二千円近くの交通費を拂つて通勤しおる者もちよいちよいあるような状態でありました。政府当局におきましても、鋭意住宅問題につきましては配意しておられるようでございますが、これが施策には尚一段の意を注がれたいと政府に特に要望する次第であります。又施設として実現しておるものの中に、たまたま広島職員宿舎を拜見いたしましたが、この宿舎のごときは、最近東京でも見られないようなバラック建てでございまして、入室者の話によりますと、雨は漏り、風雨にさらされておるようなものであるとのことでありました。それが丁度皮肉にもお隣りに検察庁の職員住宅がありますが、これは何でも検事級職員住宅という話でございました。これと比較いたしますと、全く気の毒で見ておられないような状態でありました。その他どこの地に参りましても宿舎が少くて、希望者の何パーセントかがこれを満たしておるに過ぎない状態であつたのでございます。通信復興が我が国の再建に主要役割を占めていることからしましても、従事員住宅問題は先ず解決せねばならないし、又逓信従業員結核患者が多いと言いながら、私共が参りました局舎におきまして、収塵装置すら一ヶ所も見受けられない。不衛生に雑居して仕事をしておるという現状でありました。尚病院ばかり完備しても、かかつた者を療養するよりも、かからんような施設が必要ではあるまいかと考えられます。国鉄等に比べまして、療養所等施設が非常に少いように見て参りました。  これは次に一般的の問題になりますが、被服の給與の点でありますが、御承知通り国鉄等におきましては、上は部課長並びに駅長から、下は傭人に至るまで官服が貸與せられておるにも拘わりませず、逓信関係には配達や現業の一部に事務服を貸與せられておるに過ぎない。これも殆んど安いと申しますか、非常に弱い品物であるのでございます。同じ国家の官吏であるならば、一巡査も逓信従業員も同等に及扱つて行くべきではなかろうかということを私共は考える次第でございます。次に、独立採算制の建前からいたしましても、郵政電氣通信共経営合理化を図つて頂きまして、一企業体制を確立して営業方針の樹立をなすべきであろうと考えます。次に、資材配給に関する問題につきまして、ゴム靴や雨具その他の配給も円滑に実施せられておらないような状況でございました。  次に広島長崎復興状況でありますが、広島市は人口において十万、戸数において二万五千程戰前に比しまして不足しておるとのことでありました。まだ原爆の痕跡を残しておる所も多数ありましたが、復興度の高いせいか、商店街至つては殆んど戰前に比べまして、むしろそれよりも綺麗になつておるというような印象を受けました。長崎原爆の際は一万二、三千戸が全滅し、まだその半数も復旧していないとのことでありましたが、被害を蒙むつたというのは可なり人家の密集しておる山麓ではありましたが、市内のいわゆる目抜きの損傷が極めて薄かつたせいか、市の中央におきましては、いずれに被害があつたのか殆んど判別し難いような状態でございました。電信電話復旧振りは、電信の方は両地方共殆んど全部復旧しておりますが、電話の方は復旧程度は大体先程も申しましたように八〇%程度なつております。各地方を実際に視察して見まして痛切に感じましたことは、事業復旧復興業務運営については、物的方面も勿論重要でありますが、特に人的方面に意を用いる必要があると思います。今回の機構改革によりまして管理職が非常に多くなつておりますが、政府従業員、特に管理職に対し、その職責を果すように各自に十分徹底するように特に配意して貰いたいということでございます。  次に、部分的に気が付いた点をこの際申上げて置きたいと思いますが、広島逓信病院は非常に綺麗に完備してやつておられる。これは院長の然らしむるところの思いますが、非常によかつたようでございます。  それから熊本貯金局に参りまして、戰時貯金全国ただ一ケ所の原簿熊本が保存してやつておられるような状態で、多数の原簿を抱えておられるような状態でございましたが、これら戰時貯金の解決を一日も早くして貰いたいという希望がありました。  次に、佐賀電話局並びに電報郵便局に参りまして、佐賀電話局福岡並び長崎に劣らず耐久年限の経過したような電話を、而も部屋も少くて一杯一杯に使つておる。そうして現に佐賀の本部におきましては、新築をするような状態に相成つておるそうでございますが、地所まで買い求めて置きながら、まだその運びに至つておらない。これを至急にやつて貰いたいというような希望がありました。それから福岡郵便局松岡局長が特に変つておられると申しますか、進歩的であると申しますか、局自体といたしまして、これは法案が通過しておらなかつた関係もありますが、報告その他をやつておられました。その収益を以て職員厚生施設並びにサービス施設をやつておられるというような面があつたのでございます。私共こういうふうな進み方は非常に進歩的ではなかろうかと感じたような次第であります。  それから放送局関係の問題でございますが、いずれの放送局に参りましても、中継線の専用と借用の許可の問題が敏速を要するにも拘わらず、非常にこの点が遅れる。数日前から乃至は一ケ月も前から予約して置かなければ線路が買えない。例えば九州方面におきまして野球団が来るとか、いろいろないい芝居が来るとかいうことが突然ありましても、線路がなかなか許可が貰えないために遅れてその用をなさない。今後は各通信部乃至は管理所限りで許可が貰えないだろうかというような点が非常に強かつたような次第であります。  次に、福岡電信局につきまして、沖繩線朝鮮線が現在日本といたしましてはただ一つ晝通信を取扱つておるような話を聞きましたが、先般から二、三質問もしましたように、福岡沖繩線の実情はただ送りつ放し、受けつ放しというような状態で進んでおるような状態でありまして、一体この料金の計算その他如何ように相成つておるか。向うで又どのような処理をされておるか。そういうようなことを一度逓信関係の側といたしましても視察をする必要があるのではなかろうかという感じを持つたような次第であります。甚だ雑駁でございますが、以上で簡単ながら御報告を終りたいと思います。
  4. 大島定吉

    委員長大島定吉君) 次に東北北海道方面の御報告千葉委員から伺いたいと思います
  5. 千葉信

    千葉信君 東北北海道視察して参つたものの立場から御報告申上げる前に、一応当委員会として今度の調査をいたしました方法について、反省を要する点が、実は以下申上げる報告の中にもございますけれども、例えば行政整理の問題にしても、当委員会からの調査報告なるものは、或る程度行政上の一つ示唆となるような問題が可なり含まれておるわけでありますが、そういう問題にいたしましても、事すでに問題が落着してしまつたあと、当委員会における私共の報告というものはもう棚ざらしの状態で、殆んど行政部門における事務運営上示唆とはならない。こういう立場から、私共はこういう調査をした場合には、直ちにこの問題を国会に持ち込んで、これを報告しお互いに検討する、こういう形に持つて行かなければならない。従つてその点から行けば、長い閉会中に殆んどこういう措置が取られないような形で、何らの継続審査も持たないで経過してしまつた。そうして今に及んでから棚ざらしの問題を形式的に報告するというような形に陷らないように、今後は我々委員会としてはこういう問題を一応考えながら、こういう調査をやることにしたい、このことを私この際はつきりと皆さんに希望して置くわけであります。  報告に入りますが、本年六月二十日から同二十八日まで、通信事業復興状況並びに逓信省省分割状況視察のため、東北北海道に参りましたので、この概略を御報告申上げます。御承知のように東北北海道は仙台を除く外、幸いにして戰災に遭つていませんので、復興状況よりは主として二省分割状況と、これが事業運営に及ぼす影響について御報告申上げたいと思うのであります。  第一に、二省分割進捗状況については、四月一日発足の予定がニケ月遅れて六月一日より実施せられたのでありますが、地方決定し得ない各部門重要事項について、本省よりの決定乃至指示に接していないために、六月二十日過ぎに至つて決定されていない点が相当にありました。殊に電気通信省関係地方機構たるべき電気通信局通信部管理所、各現業局との間の分掌が決定通知されていないために、これら管理機構間の職務権限従つて定員等が未だ明確になつていなかつた点がありました。機構としては郵政関係は従来と殆んど変りがなく、電気通信関係では通信部管理所とは、そのいずれか一方の実勢のために、他の一方が浮いたものになるように感ぜられました。尚又地方資材部電気通信局の外にあつて本省施設局地方機構なつておる点は、何らか改善を加えなければ事務運行上の円満を期し難いと思われました。又人事については、郵政関係はほぼ従来のままなのに反し、電気通信関係通信部管理所厖大な新機構実施のため、相当昇格者を出す結果となり、郵政との間に権衡を失することになり、両省間の人事交流は実際には円滑を欠くのではないかと懸念せられました。  第二に、各業務運行状況でありますが、郵政局関係一般に殆んど変りがなく、各部門とも概ね良好の成績收めているものと思われましたが、郵政監察局関係については、全く新店開きの感があり、幹部人事決定したのみの状態であり、すべてを郵政局に依存しておるような状態でありましたが、又これが当然の成り行きと思われましたが、監察が軌道に乗るに従つて、両者間の調整には微妙な問題が起るのではないかと思われました。次に、電気通信関係につきましては、電信電話とも概ね順調でありまして、管理部門如何に拘わらず、現業は平常と変りなく円満に運行せられていたようでありますが、ただ現業部門より優秀なエキスパートを通信部乃至管理所等管理部門に引き拔かれた結果、現業第一主義の現業を却つて弱体化させているのではないかと懸念して見たのでありますが、やはり若干の人員は昇格して管理部門等行つた者相当あり、この点が今後も最も重要な点であろうと思われました。又電波管理局関係につきましては、仕事範囲程度に比較して、これだけの機構が必要であるか否かはちよつと疑問に思われました。  第三に、労務福利厚生施設等については着々と改善せられつつあり、官側従業員組合側もこれが改善に真劍な努力を拂つておるように見受けられましたが、予算の関係で十分とは言えず、殊に北海道寛政は未だしの感がありました。官側は勿論、特に従業員組合の関心は(機構改革そのものよりも、むしろ九月に行なわれるという行政整理に向けられ、東北北海道とも一体何人の犠牲者を出さねばならんか、この点が最も真劍に考えられておりました。殊に東北北海道は地域が広大なのに比し、人口人家が稀薄であるため、従業員の労苦は人口稠密な他管内と異なり、すべての方面に数倍の労働加重を強いられる地理的悪條件に加えて、応召解除者及び樺太、満州等からの引揚者が他管内に比し極めて多く、これをおのおの出身局に引受けさせ、その上に更に現在人員の何割という計算で一率に犠牲者の算出を強行されるときは、おびただしい数の整理者を出すことになるから、これらの特殊事情は特別に考慮の上善処せられるよう本省に要求してあるが、国会においても特にこれが認められるよう今後とも努力せられるよう願いたいとの意見の開陳がありました。尚東北北海道特殊事情としては、例の寒冷地手当及び石炭手当でありますが、すでに第五国会において、国会の力により方針として決定せられたことに関しまして、官側組合側共に深甚な感謝を表明しておりましたが、これが現実の実施については今後とも更に引続き努力せられるよう強い要望がありました。  これを要するに、今回の視察両省分割後僅か二十日しか経過せずに実施せられたのでありますが、大体において良好に進捗しているものと思われました。ただ電気通信関係の大改革は、管理機構として重複且つ厖大に過ぎるごとく思われました。  尚今回の視察に対しては、官側組合側も好意を以て迎え、お互に胸襟を開いて語りあつた点は、双方に取つて極めて有意義であつたと思われました。簡単でありますが、これを以て報告を終る次第であります。
  6. 大島定吉

  7. 大島定吉

    委員長大島定吉君) 次に通信事業復興促進に関する決議に対する回答に対しまして御発言を求めます。
  8. 小林勝馬

    小林勝馬君 先ず郵政省回答につきまして一応御説明を願います。
  9. 大野勝三

    説明員大野勝三君) 過ぐる第五国会におきまして、本委員会におかれまして、通信事業復興促進に関する決議というものを頂戴いたしたのでございまするが、戰災によります被害は我々の郵政事業の面におきましてもなかなか相当なものがございまして、一日も早くこれを戰前状態復旧し、事業本来の使命といたしまするところのサービスを遺憾なく発揮できますように、鋭意努力を重ねて参つたのでございますが、御承知のまうな戰後の悪條件がございまして、なかなか思うように任せませず、自然国民各位に対しましては非常な御不便と御不満をおかけいたしておりましたことを、私共事業運営の担当をいたしておる者といたしまして、かねがね非常に申わけなく考えておりました際でございましたが、この決議を頂きましたので、一層私共は従前の努力の跡を反省をいたしまして、決議の趣旨に副うよう新たなる施策を立て、その完遂に邁進いたすことといたしまして、爾来どういう方向に郵政事業の将来を持つて行くべきかという具体的内容につきまして種々検討を重ねて参つたのでございます。で只今お手許にお届け申上げました第五国会における参議院の通信事業復興促進に関する決議に対する報告案と申しまするものは、大体におきまして、郵政省内におきまして事務的にいろいろ検討を重ねましたものでございまして、尚正式には、いずれ内閣の方を通じまして本委員会の方に御提出をすることになろうと思いますが、大体只今まで考えておりますところを纏めましたものが、この報告書であるというふうに御了承願いたいのであります。基本的な考え方といたしましては、御承知のように郵政事業郵政為替貯金、その他国庫金取扱業務或いは簡易保險郵便年金事業、それから又電気通信委託業務等、財政的に申しましても、経営的に申しましても、いろいろ性質の異なつたものを包含いたしておるのであります。それらのものを併せまして一般会計から独立をして企業的な経営を行うという、いわば相当複雑な内容を持つた総合的な企業でございます。その特質を十分に汲みまして、郵政事業が社会公共の負託に副う満足な利便を提供しつつ、一方企業的或いは経営的の立場から、その合理化に努めまして、完全な独立採算を維持しつつ事業を発展させて行くことができるように、この各事業部門を有機的に総合運営することを、先ず復興の基本方針といたしておるわけでございます。つまり郵政特別会計を以て運営をいたしておりまする事業内容は、大まかに申しますれば、郵便事業為替貯金事業、保險年金の事業と三つになりますが、その外に電気通信の委託業務があり、国庫金取扱業務とかその他にいろいろ一般会計、他会計に関連を持ちます事業などがありまして、複雑な内容を持つておりますが、会計的にはこれは郵政事業特別会計という一本の会計に纏められております関係上、各事業それぞれの特質を生かしつつ、それらのサービスを完全に提供し得るような施策を進めつつ、而もおのおのが相互に総合的に運営されるような方法をいろいろ考えまして、有機的に合理的にこれらが運営されて参りますようにということを、先ず復興の基本方針の第一と考えておるわけでございます。  第二には、主として郵便でございまするが、この郵便事業サービスにつきましては、生産経済活動とか、文化活動のこれが基本的なものでございまするから、その郵便事業サービスの生命であるところの確実、迅速、そうして安全という三つの点をより一層達成できますように、そうして飽くまでも公益事業としての経営面を合理的にいたしまして、独立採算を確保するということを目標にして復興を進めて行くということを考えておるわけでございます。郵便事業の安全性、迅速性、確実性といつたようなものも、曾ての非常に信頼度の高く、又能率も高く、我が国の世界的水準にも達しておりました郵便事業が、戰争という大きなでき事のあつた関係もございますが、最近におきましては、昔日の水準を遙かに下廻るような状況に相成りましたことは、これは遺憾ながら事実でございますが、一日も早くこれらの点を、迅速性の点においても、確実性の点においても、又安全性の点におきましても、戰前の水準に戻し、更に戰前以上の水準に持つて行こうというのが復興の第二の目標であるわけでございます。  第三といたしましては、為替貯金事業でありますが、この貯金事業を中心といたしまして、簡易で便利で而も確実な貯蓄、送金の手段としての為替貯金事業の使命達成を図り、国民の日常生活に親しまれておりまするこの郵便局の貯金の施設を、都市、農村を通じまして一層普及をいたしまして、そのサービスを一層よりよくいたして行くことに目標を置きたいと思つております。
  10. 小林勝馬

    小林勝馬君 発言中ですけれども、それを全部読まれては時間が長くなりますから……。
  11. 大野勝三

    説明員大野勝三君) 大体のこの基本方針を申上げますれば、あとは御覧を願えばよいので、間もなく終ります。  第四といたしましては、保險年金事業でありますが、一般勤労大衆に対し、簡易に利用できる生命保險及び年金を成るべく安い保險料で提供し、以て国民経済生活の安定と福祉の増進を図るため、経営の健全化、サービスの向上、積立金の自主的運用を期し、国営保險としての使命達成に遺憾なきようにいたしたい。こういうことが大体の基本的な考え方でございます。内容はお手許にございますところを一つ御閲覧を願いまして、又いろいろ御意見を伺い、御鞭撻も願いたい。かように考えておる次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  12. 千葉信

    千葉信君 ちよつと速記を止めて下さい。
  13. 大島定吉

    委員長大島定吉君) 速記を止めて……。    〔速記中止〕
  14. 大島定吉

    委員長大島定吉君) 速記を始めて下さい。
  15. 千葉信

    千葉信君 大臣にお尋ねいたしますが、実は寒冷地、石炭手当の問題につきましては、去る二十一日の閣議で暫定措置を御決定願いまして、この決定については大臣並びに両省次官が非常に積極的に御努力をされたのに対しまして、従業員諸君が非常に感謝しておるという情報を私は得ております。更にこの際重ねてお願いしたいことは、寒冷地、石炭手当の実際の支給について、一日も早く実現し得るように御努力を願いたいと思つておるわけでございますが、現在のところ政府部内においては、この問題についてどの程度に愼重を期しておりましようか、経過をお聞きして置きたいと思います。
  16. 小澤佐重喜

    ○国務大臣(小澤佐重喜君) 寒冷地、殊にこの石炭の手当については、御承知のように政府では八月末に一応成案を得まして、そうして関係方面の了解を得に参つたのでありましたが、私共の方と他の省は大体よかつたのですが、運輸省の方がそれに対する予算的措置が講ぜられていないから、これはちよつと困るということがあつたのです。そこで運輸省だけを後廻しにして、よそだけを出すということも非常に同じ政府として……、勿論向うはコーポレーシヨンですが、併し実体的に見ますと同じ政府ということになりますので、どうもこれは歩調を揃えて行くということが適当だという見地から、いろいろ相談して参つたのでありますが、どうしても運輸省の関係が予算化されなければ、現実の支給は困難だということに相成りましたので、今お話のような暫定措置を講じたわけであります。従つて現実の寒冷地手当が、或いは石炭手当が支給せられる時期は、恐らくこの臨時国会で補正予算が終了した後でなければできないのではないかと考えております。というのは、鉄道会計が大体九十億の本年度の赤字見込なんでありまして、この赤字の九十億をどう補填するかと言えば、いろいろまだ議論がありますけれども、一応貨物運賃の八割値上げという方針で、昨日の閣議だと思いましたが、一応決定しまして、関係方面と協議をいたしております。勿論これは最終的のものではございません。例えば運輸省の方では、貨物を九割値上げして、一割分だけを旅客の値下げをやろうじやないかという案が相当強く働いておりますが、その問題は可なり問題だし、貨物を幾らかでも少く上げることが、むしろ物価に対する変動等を考慮した場合に適当じやないかという意見が相当にありまして、一応貨物の八割値上げだけ政府決定して出しております。従つてこの予算が国会の御審議を願いまして、そうしてこの補正予算が通りますれば、一応只今方針によつて石炭手当が鉄道関係の方も予算化されますので、その時期におきましては、勿論可能であると思いまするから、この国会の審議が終了いたしまして、補正予算が成立した直後に支給される時期が来るだろうと思います。
  17. 千葉信

    千葉信君 重ねてお尋ねいたしますが、閣議の決定を見ますると、石炭手当については八月、十月、それから寒冷地手当については九月、十一月という、ふうに考慮されておるようでありますが、若し九月末に至りまして、補正予算が成立の際には、一括支給という形にやつて頂けますか、この点について一つお伺いしたいと思います。
  18. 大野勝三

    説明員大野勝三君) その点につきましては、まだ実は政府全体としてどういう方法になるかということは、はつきり決まつておりませんですが、併し石炭手当につきましては、暫定的な措置がすでに分割支給という形になつております。そこで正式に国費から石炭手当を支出いたしますようにいたすことができるようになりました際には、今回いたしました暫定分と、それから次に支給すべき分とが一括精算されるというようなことがあるかも知れません。そういうふうにも想像されます。それから又寒冷地手当につきましても、時期がずれますれば、自然お話のようになる可能性がないとは言えないと思いますが、只今のところでは私共限りで、いずれに決まるともはつきり申上げ兼ねますので、さよう御了承願います。
  19. 千葉信

    千葉信君 最後に一つお尋ね申上げたいことは、去る九月二十二日の逓信打合会で問題になりました群馬県室田局の問題でありますが、まだその問題は解決されておらないようでございますが、今日は係官もお見えがないようなので、恐らくその後の経過についての御答弁を頂けないかと思いますが、そういう状態でございましたら、一つこの次の逓信委員会までに、できるだけ事態を解決して御報告頂けるように、大臣の方から特に御督励願いたいと、かように思うわけでございます。
  20. 小林勝馬

    小林勝馬君 この回答案に対する質疑を一つお願いしたいと思いますが、戰災並びに老朽局の復旧整備をするというふうに書いてありますが、これは予算との関係如何に調和しておやりになる御予定か、この必要性と維持、改築の問題との関連性を如何ようにお考えになつておるか、先ずお伺いしたいと思います。
  21. 小澤佐重喜

    ○国務大臣(小澤佐重喜君) 本年度の予算では、御承知のようにいわゆる減価償却の方から貰つた金額が、極く少額でありますが、先般もお話しいたしましたように、二十五年度の予算におきましては僅かでありますが、十億だけのこれに要する費用の記載が認められるような措置を講じておりますので、勢いその方に対する金額も本年度よりは増大される見込みでございます。従いまして、そのいわゆる庁舎の復旧或いは復興については、本年度よりは多く二十五年度において計上させることができると思います。尚詳細については次官から一つ……。
  22. 小林勝馬

    小林勝馬君 次にお尋ねしたいのは、巡回健康相談を必要に応じてやるというふうに相成つておりまするが、どういうふうな陣容で……これは多少経費を伴う問題であると思うのですが、おやりになる御予定か、これを従来のような申訳的に行うのでは意味がないので、この点を特に御説明願いたいと思います。尚山間僻地のようなところこそ、こういうようなものが要るのではないかと思いますが、この点を御説明願いたいと思います。
  23. 金丸徳重

    説明員(金丸徳重君) 加入者側の福祉施設を整備したいということはかねがねからの念願でありましたが、戰争中、戰後経営難の関係もございまして、なかなか実現が困難であります。本年度の事業経営状況に鑑みまして、二十五年度におきましては、可なり明るい希望が持たれるというようなことから、二十六年度頃からは……まあ二十五年度あたりにおいては若干の準備に着手いたしまして、福祉施設の方にも手を付けて参りたい。その一つといたしましての巡回相談と申しますか、地方におきまして曾てやつておりましたような健康相談的設備を充実拡張いたしたいという計画を立てておるのであります。それで只今つておりますのは、今の御指摘のように申訳的のものでありますが、できますれば自動車に、例えばレントゲンというようなものを積み込みまして、或いは若干の医療施設を積み込みましたような自動車を備えまして、これを山間僻地あたりまで巡回させて、加入者側の健康増進に資したいというような希望を持つておるので、いつ頃どうなりますかは、今後におきまする収支の状況を見て見ませんと分りませんけれども、できますれば、各県にそうした自動車を一、二台くらいずつ置いて、月に一、二回ぐらいは廻り得るような施設を備えたい、かように考えております。
  24. 小林勝馬

    小林勝馬君 次に業務の正常運行の部におきまして、保險料徴収事務組織の欠陷是正に努力するとあるのですか、どういう欠陷があるのですか。
  25. 金丸徳重

    説明員(金丸徳重君) 戰争中、戰後を通じまして、経営上の困難その他の面からいたしまして、可なり事務を簡素化いたしました。その簡素化するにつきましては、簡素化してもよい点もあるのでありまするが、中には簡素化したがために、殊によると事故を起す心配のあつたのもある。こうしたことにつきましては、経営面が楽になるに連れまして復元いたしまして、事務の整理、従つて事故の防止というような面に資したい。かような考えでおるわけで、その取上げました一番の大きな点は徴収事務の監査の仕事であります。
  26. 小林勝馬

    小林勝馬君 次に会計のこの経理面でありまするが、予算制度の改善並びに事業計画費目の内容に予算的の拘束力を持たせてないように思いますが、これほどういうふうな考えでおられるのでございますか。
  27. 大野勝三

    説明員大野勝三君) 会計部門につきまして、その報告書の中に載せましたことは、実は多分に理想と言いますか、希望的な事項を盛つておりますので、これが直ちに実現できるものとは必ずしも実は私共考えておりませんです。やはり要は企業会計としては、どうしても一般の国の仕事をやります場合とは違いまして、もう少し機動的に、もう少し予算の実行面におきまして彈力性を持たせて欲しいというのが、まあ各国営企業を通じてのこれは強い要望であることは、すでに御承知通りでございます。ところがこれが国の組織にある以上、やはり国の総予算の一内容をなします以上、これだけに、非常に際立つて違つたやり方をするということは、これはいろいろな面から、必ずしも企業運営担当者の側からのみ要求することが実現されるとは限りません。そこで最近では国鉄のごときは公共企業体になり、更に専売事業が公共企業体とされまして、それぞれ今国会に、多分この会計法をうんと特殊なものにいたしました法案が出るように伺つておりますけれども、まあそういつたことを同じような性質の郵政事業におきましても実現したいという希望を盛つたような次第でございますが、その点は前の方の計画と大変違つておりますからどうぞ御了承願います。
  28. 小林勝馬

    小林勝馬君 私共の考えといたしましては、企業会計制度、いわゆる今次官のお話のように鉄道、専売と同様なふうにして欲しい、かように考えます。次に、私共の希望といたしまして、根本問題を一応十分研究を盡して、事業発展と共に国営の経理を考慮に入れて進んで頂きたい。それから企業経営体制の整備と申しますか、そういう点と管理機構の簡素化、これを是非図つて頂きたい。現業の充実強化、それから要員配置の適正化を是非お願いしたい。それから事務能率もそれによつて増進もできるのでありますから、こういう点を要望して置きたいと思います。  次に、電気通信の方で二、三お伺いしたいと思います。電気通信の方におきまして、公衆電話の点でございますが、これは先般も御説明がありましたように、大都市では非常に不足しているし、この整備につきましては相当考慮を拂つておるというお話でございますが、これをやはり大都市は重点的に置かれるけれども、尚又地方におきましても相当考慮して頂きたい。それから先般もお伺いいたしましたが、大体電話交換の開設が許されておる所にも拘わらず、交換手の問題で中止になつているというような面があるのでございますが、これは先般大臣の答弁ではちよつとはつきりしなかつたのでございますけれども、これは如何ようにおやりになる御予定か、又如何ようにしたらこれが実際に開局できるのか、これを御答弁願いたい。
  29. 山下知二郎

    説明員(山下知二郎君) 公衆電話の件は、お説のように大都市を中心に主として置きますが、地方の方にも置きます。それで二十四年度に一千個、今予定いたしておりますのは、来年度に一千五百個、こういう数字に仕上げ得ますれば、大体公衆が利用し得ます、つまり公衆電話及び簡易電話と併せまして戰前の大体の形に近いところになります。ただボックスのあります公衆電話から見ますると、まだまだ可なり下廻ると思います。できるだけ簡易電話所というものも併設いたしまして、その不便を補いたい、かように考えております。  それから九州方面の交換事務の開局ができなかつたという点につきましては、その実情をはつきり把握して、どういう点に一番ポイントがあつたかということも我々もはつきり認識したいと思いまして、昨日今日通信局長会議をやつておりますが、その席上でも問題にしまして調べるようにいたしております。ただ人だけの問題だけでなく、何か他に問題があつたのではないか、或いは電気と郵政との連絡がどこかにまずいところがあつたのではないかということも考えられます、そういつた事情ははつきりしまして、又適当な機会にお答え申上げたいと思います。
  30. 小林勝馬

    小林勝馬君 今電信監の御答弁でちよつと納得行かないのですけれども、先般私が大臣に御質問いたしましたのは、九州方面熊本管内におきましても七局、東北その他これは全国的ですが、全国的に大体交換事務の開局ができるようにもうなつている。第二四半期からできるとか、第三四半期から、これはできるの荘だというふうな話が、業務局ですか、そこに行けば御答弁があるのですが、そこでは実際に交換手が只今定員がないからできないのだとしいう考えなのです。その交換手は地元負担でやればできるのかできないのか。それで実際問題として、そういうふうな点を今後どういうふうにおやりになる御予定か、お聞きすれば、補正予算が取れればやれる、交換手の定員の問題がないならばもつと簡單にできるのではないかというふうに我々は考えるので、この点を御説明願いたい。
  31. 山下知二郎

    説明員(山下知二郎君) 今調べましたものを持つて参りまして、はつきり数字を申上げますと、まだまだ今お話のよりは数が多いのであります。大体においてやはり交換要員の問題が一番多いのでありますが、私共といたしましては、交換事務を開始する予定のものは予定通りに実はいたしたいのであります。又今後ともそういうふうにやる方針でおります。ただ、今申上げましたように、約四十ばかりのものが同じような條件ばかりであるのか、或いは中に食違いのものがあるとか、或いは人のやり繰りができない所があるのじやないか、或いは今申上げましたように連絡が十分行つていないというような面があるのではないかということをいろいろ懸念いたしましてその一々につきまして、はつきりした事情を確かめたい。それが完全に要員の獲得ができなかつただけであつたならば、或いは要員の養成ができないというような面もありますし、そういう点については方策を十分立てたいと思います。この問題は今回限りにいたしまして、今後はそういうことがないようにやつて行きたいと考えております。
  32. 小林勝馬

    小林勝馬君 ですから、今地方に多数そういう局があつて、例えば通信局の計画部に行きましても、本省の計画部に行きましても、交換手の問題だけだ、定員の問題だという話しか聞かないのです。実際問題としてもう開局できるのだという話なんですが、ただ交換手だけならば、今言うように地元負担で交換手は幾らでも持つて来てやるが、それだつたらいいのかどうかという……。
  33. 山下知二郎

    説明員(山下知二郎君) 交換手の問題でありましても、定員だけに我々はこだわつていないのでありまして、若し定員の枠がはみ出るならば、賃上しましてでもやるということは、現在方針を持つているのであります。ですから定員が取れなければ開始しないといつたような考えは全然ございません。恐らくこれはいろいろのところにおいて相当事情の違つたものを持つていやしないかと思うのでございます。そういう点を調べませんと、ここで余り迂濶なことを申上げて置いても如何かと思いますから、暫く御猶予願いたいと思います。
  34. 小林勝馬

    小林勝馬君 それじやその問題は、あなたの方の計画部の電話課長あたりの方の答弁と大分電信監の答弁と話が違うわけですが、一つはつきりとお調べの上、この次までに御報告願うか、書面ででも至急に御報告願いたい。これだけ申入れて置きます。それから市外電話並びに基礎設備の問題でございますが、これが通信復興に一番重要な点じやないかと思いますが、この点はどの程度にお考えになつておりますか、御報告願いたいと思います。
  35. 米澤滋

    説明員(米澤滋君) 私からお答えいたします。市外線の問題につきましては、現在約八十万キロの市外線があるわけです。これらの負担の状況は、最近非常に負担が過重になつて参りまして、従つて現在の二十三年度末のサービスをやるためには、来年度十五万キロを必要とするといつた程度でございます。その負担の過重の場所は、大都市の近辺もそうでありますし、それから又長距離回線もそうでありまして、例えば東京、大阪の例を取りますと、戰前は二十二分くらいの特急の通話が、現在は特急で四時間かかるといつた状態でございます。これに対しまして、十五万キロの増設が二十五年度にできれば、二十三年度末のサービスがなされるのでありますが、予算の上でそれが現在のところ十一万キロ、更にそれが下つて来るといつたようなことになりますと、そのサービス改善というものは非常に困難な状況であります。
  36. 小林勝馬

    小林勝馬君 それから慶弔電報その他を今度又おやりになるように相成つておりますが、これは非常に結構なことでございますけれども、これは例えば料金を非常に安くしておやりになるのか、それともやはり最低料金でおやりになるのか、こういう電報なんかは多少安くしてやつて、非常に効果を挙げた方がいいのではないかと思うのですが、その点はどういう御意見ですか。
  37. 山下知二郎

    説明員(山下知二郎君) 慶弔電報の点につきましては、方針はやりたいという方針を持つておりますが、関係筋の意向もありまして、まだやれるという段階にまでは至つておりません。これ亦お含みを願います。それから料金の点につきましては、今お言葉のように「安い料金でやるということも考えられますが、今度は符号を二字にしまして間違いのないような方法を取り、且つ文句を非常に丁寧にしまして、そうして又今までの例文も十分に殖しまして取扱いたい、かように考えておりますから、むしろ今の三十円というものをもう少し上げてやるべきじやないか、お示しの点より少し逆のことも一応考えて案を作りつつあるわけであります。
  38. 小林勝馬

    小林勝馬君 次に、国内の今の無線の施設の活用状況をお伺いしたい。これからまだ国内に無線施設をどの程度活用されるのか、その点を承わりたいと思います。
  39. 山下知二郎

    説明員(山下知二郎君) 国内の無線施設は、在来は応急対策的のものに使う傾きがあつたのでありますが、この際折角持つております無線施設を、そういう非常災害だけに使うというのは勿体ない。できるだけこれを活用しようという方針で、主要幹線の疏通を十分に補ないますために、無線と有線とを完全に併用するという方針を立てて、もう実行いたしております。ただ無線を使いますにつきましては、波長の問題がございますために、そうそうあれやこれやと言つて手を拡げるわけには行きませんから、現在持つております回路を十分に活用するという程度が終局のところではないかと思います。東京、大阪とか、或いは大阪、高知とかいうような線につきまして、線のないところは無線を使つて尚よくするというようなことと同時に、有線で働いておるところでも尚無線を使つて、そうして線をあけて将来技術の進歩によりまして、それを若し電話にでも使えるようになればそういう方面にまでも考えて見たいということで、折角研究中でございます。
  40. 小林勝馬

    小林勝馬君 次に、技術の向上の問題でございますが、最近私共電報を貰つて一つも間違いのなかつた電報というものは一つもないくらいで、必ず一字や二字の間違いがある。而も字数においては昔は十九字であるので、必ず十九字でないと配達しなかつたのですが、今字数が十九字になつても、十八字とか、十七字になつて抜けたものでも平気で配達しておるような現状でありますが、この技術の向上に関する当局側の施設と申しますか、練習と申しますか、いろいろなことをどういう程度おやりになるか、勿論電報だけでなくて、電話の点でもそういうことが言えるのじやないかと思いますが、こういう訓練と申しますか、どういうような御予定で再訓練をおやりになるか、現在の訓練所に全部そういうふうに入れておやりになる御予定か、お伺いしたいと思います。
  41. 山下知二郎

    説明員(山下知二郎君) 御指摘のように誤謬が多いという点については甚だ遺憾に存じます。今まで電報が汽車よりも遅い電報という一時悪評を蒙むりましてから、專ら電報の速達化ということに主力を置きまして、お蔭様で電報は現在普通通信で三時間足らず、至急通信で二時間というのが全国平均で到達するように相成りました。ところが一方御指摘のように誤謬というものがまだまだそれと並行しては除去し得ずにおります。この点は我々もしつかり認識いたしておりまして、どうしてもこれはお説のように技術の向上ということに行かなければならん。それからも一つは、モールス符号というこの送信方法というものも亦改善しなければならん、この両面から推して行きたい、そうして電信合理化をする委員会というものを内閣に作りまして、専ら両者を併せて研究いたしております。当面の問題といたしましては、技術者の再訓練ということを強力に推し進めたいと思つております。尚新技術者につきましても、今まで一年九ヶ月乃至二年かかつて教育いたしておりましたのを、専らそのことだけを教育することにしまして、現在では九ケ月で元の一年九ヶ月というような人と同じレベルまで漕ぎ付け得る確信を得ました。これは昨年御審議願いました逓信職員訓練法によりまして作りました訓練所におきまして、専らこの面を強力に推し進めております。新採用者もそういうわけで、相当素質もよくなつておる、かように考えております。又在来の職員にたいしましても、そういう人をできるだけ再訓練しますために、学園の方に又入れまして、短期間に尚技術の錬磨をさせたい、かように考えております。一方今申上げましたように、印刷通信というような面が段々に出て参りますれば、両者相俟つて誤謬という点も早晩なくし得ると確信いたしております。
  42. 小林勝馬

    小林勝馬君 これは従業員の側としましても志気が弛緩しておるというか、そういう面も多々あるんじやないか。御承知通り前欧洲大戰当時なんかは、三ケ月の養成乃至は六ケ月の養成で十分間に合つて通信事務が勤まつて、最近においては相当長期の養成をしておりながら、そういうふうな問題が非常に多い。一つには従業員の面も多少影響しでおるんじやないかと思いますが、尚通信復興は、スピードアップすれば通信復興になるというふうには私共は思わないので、やはり誤謬とか故障が多ければ、それだけに考えて行かなくちやならない問題だと思いますが、今後十分御注意願いたい。時間もありませんから、要望事項といたしまして給與制度、会計対策、例えば予算会計を決算会計に切換えて行くという根本問題、並びに国家事業として民衆の福祉と摩擦の問題、こういう問題を両方の見地に立つて十分調和を図つて頂きたい。それから先程郵政の場合に申しましたように、いろいろな企業の経営、根本方針その他を十分御勘案の上、一つ今後お願いいたしたい、かように思います。以上で私の質問を打切ります。
  43. 大島定吉

    委員長大島定吉君) 外に御発言がなければ、この程度で本日は散会いたします。    午前十一時五十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     大島 定吉君    理事            中村 正雄君            小林 勝馬君    委員           橋本萬右衞門君            深水 六郎君            新谷寅三郎君            千葉  信君   国務大臣    郵政大臣電気通    信大臣     小澤佐重喜君   政府委員    電気通信政務次    官      尾形六郎兵衞君   説明員    郵 政 次 官 大野 勝三君    郵政事務官    (簡易保險局    長)      金丸 徳重君    電気通信事務官    (業務局計画部    長)      米澤  滋君    電気通信事務官   (電気通信監)  山下知二郎君