○森下政一君
農林大臣にお伺いいたして置きたいと思いますが、本年度の補正
予算を見ましたときに、たまたま五十四億七千万円というものが
一般会計から
特別会計の方へ繰入れられる段々御
説明を聽くと、
薪炭証券が現在五十四億七千万円、丁度その
金額が一致しておる、そこで
一般会計から繰入れたもので一応
薪炭証券を償還してしまう。これはドツジ方針を徹底的に貫くという
政府の方針に合致することなんで、そうかと思
つておりましたらそうでなくて、段々御
説明が進むに從いまして五十四億七千万円のうちから約二十三億の
債務を、焦眉の急に迫
つておる中にも、春以前からの
生産者に未拂にな
つておるものを早急に
支拂う、今の波田野
委員の
質問に対しても年内に必ず拂うということをおつしや
つておるのでありますが、そうするとそれを差引くと償還し得る
薪炭証券というものは全額を賄うて十分である、十二月償還期間の来るものはこれはどうなるでございますか。この
会計をいよいよ締切るということになると、
決算がまだできていないというわけですから、尚
相当額の
赤字が出るということが予想される、先日来の
政府委員の
説明を聽いておりましても、まだ
赤字の全貌もはつきり掴められない。併しながら
赤字が出ることには間違いなさそうだという
状態なんでありますが、そうすると今一番焦眉の急に迫
つておる零細なる
生産者に
支拂わなければならんようなものであるとか、或いは運送
関係に拂わなければならんものというふうなものは、この際国民が納めておる税金によ
つて一応決済をしてしまう、これは忍ぶとして、その外のものはやがてこの
会計の始末の
決算をしたときに損失が現われて来るということになれば、この損失も何とか処理しなければならんということを考えると、この際
薪炭証券の償還というのは一時借替えをするとか何とかいうことにしておいて、すべての
会計の結末のつくというときに何もかもきれいにしてしまうことのできるようなときに、一応更に処置をお考えになるということの方が妥当じやないかというふうに思いますが。どうしても
薪炭証券というもは償還期が来て返さなければならん、おそらくこれは大部分が日銀手持のものだろうと思いますが、税金で取
つた金をわざわざそういうことに充ててやる必要はない。それからこれが済んでしま
つて何と
かまだこの
会計を
清算して見ると若干の損失が出て来るだろうということが予想される。世間では五十四億七千万円は
赤字の補填のためだというような噂が立
つておりますが、それで事が済んだとしてやがて将来において
赤字特別会計の終末をつけるために多額の損失のカバーをしなければならんというようなことが出て来るといよいよ世間が又かというような奇異の感を持つだろうと思う。そういうことを考えて見ますと今どうしても
拂つてやらなければ零細な
生産者に対するところの未拂金、そういうふうなものじやこの際に
一般会計から繰入れて来るのが妥当だと思います。外はいつでも借替その他の便法で忍んでおいてその事の決済のつくというときに善処する、このことの方が遥かに妥当だと思いますが、そういうことがいけないのでありましようか。どうしても
薪炭証券の一部を償還して行かなければならんのですか。この点に対するお考あはどうでしようか。