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天田勝正君 この際希望しておきますが、これは目的別に、又業態の対象別に幾つかの復金のごときものを作る、こういう私は意見を持
つているので、そういう向きにも
一つ御研究を是非願いたいと存じます。今住宅とそれから農村の土地等を対象とする不動産金融、こういうことの御研究をなす
つておる
ようでありますが、やはり都会と一緒になりますと、必ず農村が不利な立場に追込まれて来る現実からいたしまして、こういうものを別個になさる
ように希望いたしておきます。
それから御存じの
通り日本の農業は何と申しましても世界の水準からは遥かに遠いのであります。ところがすでに講和会議近しという声を聞きます
ように、日本の農業は世界の農業と真正面から対面して行かなければならない、こういう
段階を
考えますると、これを急速に国際的水準にまで
引上げるには、現在の情勢からして自己資金を以てこれを行うということは到底困難であります。そこでどうしてもこれを国際水準にまで
引上げるには国家資本の厖大な導入、こういうことがどうしても必要にな
つて来るだろうと思うのであります。さもなければ必ず日本の農業は崩壊する、而も工業立国という立場からすれば、或いは一部分にはそういうことが起きても止むを得ないという
見解の人もある
ようでありますけれども、日本の人口構成は約四割五分を農村人で占めている、こういうことから
考えればやはり農村が崩壊することは日本
経済が崩壊して行く、こういう結論にもなろうかと思います。そういう観点からいたしまして、先に申されました農林中金を強化するという案は一案といたして置きまして、更にこれについては特殊な投資の
方法をお
考え願わなければならんのじやないか、こう
考えるわけでありまするが、なかなかこうした農村金融などの問題で、農林省は一生懸命
考えられても
大蔵省の方でなかなか難点がある、こういうことでありますけれども、これ又
大蔵省の
一つお
考えを伺
つて置きたい。
尚災害復旧等に関しまして
関係方面と折衝して見ますると、堤防を強化するにいたしましても受益農民が支出すべきではないか、こういうことを一貫して今まで実は言われて来ておる。ところかアメリカ、濠洲等の農村のごとく、ここがいけなければ次に直ぐ移る、こういう地域的な自由な立場に置かれておる農民ならばそういう議論でもいいのでありますが、日本の農村のごときは殆んど、その水害地におる者は、そこにおることが宿命という
ような状態にな
つておるのは御
承知の
通りなのです。こういう面にしましても災害復旧費の支出というものがなかなか希望
通り思わしく行かない。これは局長もよく御存じの
通りでありまするから、その裏付けとしてもやはり研究の
段階を飛び超えまして、特に農村方面に対しての資金の放出ということを
考えておられますか伺
つて置きます。