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1949-11-18 第6回国会 参議院 大蔵委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十八日(金曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件 ○所得税法臨時特例等に関する法律  案(内閣送付) ○物品税法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○織物消費税法等を廃止する法律案  (内閣送付) ○薪炭需給調節特別会計における債務  の支拂財源に充てるために一般会計  からする繰入金に関する法律案(内  閣送付) ○未復員者給與法の一部を改正する法  律案内閣提出) ○政府契約支拂遅延防止等に関する  法律案衆議院提出) ○公聽会開会に関する件 ○小委員長報告地方公共団体公共施設として利用  する普通国有財産行政財産に変更  するの請願(第二百六十八号)   —————————————    午後二時三十二分開会
  2. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 只今から大蔵委員会を開会いたします。先ず所得税法臨時特例等に関する法律案物品税法の一部を改正する法律案織物消費税法等を廃止する法律案の三件につきまして大蔵大臣より提案理由の御説明を願います。
  3. 池田勇人

    國務大臣池田勇人君) 只今議題となりました所得税法臨時特例等に関する法律案外二法律案につきまして、提案理由説明いたします。  政府は、昭和二十五年を期して先に公表を見たシヤウプ税制使節団勧告基本原則を尊重し、更にこれに適当と認められる調整を加えて、現下わが国財政経済実情に即応した国税及び地方税を通ずる税制全面的改正を行い、国民租税負担軽減合理化を図る考えであります。この全面的な税制改正案につきましては、目下愼重に検討中でありますが、今回の補正予算編成に際しましては、右の税制改正一環として国民租税負担軽減及び適正化に資するため、差し当り給與所得に対する所得税源泉徴收について暫定的に軽減を行い、間接税については、運賃、物価改政等関係を考慮し、昭和二十五年一月を期し織物消費税及び取引高税を廃止し、物品税について適当と認められる改正を行うとともに、清凉飲料税物品税に統合すとことといたしました。  先ず所得税につきましては、これが根本的改正につき目下検討いたしているのでありますが、尚その内容が確定いたしておりませんので、昭和二十五年一月一日から同年三月三十一日までの支給に係かる給與に対する所得税源泉徴收につき暫定的に軽減を行う特例を設けることといたしたのであります。即ち取敢ず基礎控除を年二万四千円、扶養控除所得控除年一万二千円、勤労控除を百分の十とし、又税率課税所得金額五万円以下の金額百分の二十から始まり三十万円を超える金額百分の五十五に至る超過累進税率とし、これを基準として負担軽減を図ることといたしました。これがため給與金額並びに扶養親族の有無及びその数に応じ、所得税法別表第二源泉徴收額表月額表甲欄又は日額表甲欄に掲げる税額からそれぞれのこの法律別表に定められた一定面を控除した税額により源泉徴收することといたしたのであります。これによりまして勤務所得者、特に扶養親族の多い世帶租税負担は相当軽減されることとなるのでありまして、例えば扶養親族三人の月收一万円の勤労所得者について見れば、現行の千百九十五円の負担が三百九十五円だけ軽減されて八百円の負担となり、又扶養親族四人の月收一万五千円の勤労所得者負担は、現行二千六百九十一円が九百八十円だけ軽減されて千七百十一円の負担となるのであります。  次に、政府課税適正化を図るため、正確な帳簿記載に基く青色申告書の制度の実施を考慮し、差し当りその準備的な措置として今回法人又は事業所得等を有する個人が所得計算に関して備え付ける帳簿について、その記載事項等を定めることとし、右の帳簿を備え付ける者は政府に届け出ることとしたのであります。  次に物品税でありますが、本税は必ずしも適当でない物品課税の対象としており、又その税率も現在の社会生活実情に照して妥当を欠くと認められる点もありますので、課税物品相互間の権衡等を考慮し、政府は今回の税制改正一環として物品税の大巾な改正を行うことといたしました。即ち日常生活必要性の比較的多いと認められる物品。例えば靴、履物、傘類メリヤス製品、緑茶、壜罐詰食料品歯磨等及び文房具、身辺用細貨類等の一部並びに主として事務用に供せられる物品、例えば計算機謄写器、タイプライター、事務用品等課税物品から除外いたしました。又化粧品サツカリン嗜好飲料、紅茶、扇子、ラジオ聽取機、ミシン、紙、セロフアン、マツチ等に対する税率及び余りに高率と認められる第一種甲類及び乙類税率相当程度引き下げ、新たに従価一割税率を設けることといたしました。尚清凉飲料税は今回これを物品税に統合し、税率相当程度引き下げ課税することともに、他面じうたん、窓飾り等の比較的高級と認められる裝飾用及び調度用織物製品に対して適度な税率課税することといたしました。更に現下取引実情に顧みまして物品税納期調整を図ることとし、納期を一ケ月延長することとしております。  次に、織物消費税及び取引高税につきましては、その性質並びに歳出の状況等に鑑みて今回これを廃止することといたしたのであります。  以上各法律案につきその大要を申し上げたのでありますが、今回の税制改正による減收額は、源泉徴收所得税において約五十六億六千六百万円、物品税において約二十三億八千百万円、織物消費税において約二十五億九千二百万円、取引高税において約九十二億五千六百万円、清凉飲料税において約一億七百万円でありまして、合計約二百億二百万円に達するのであります。他面、本年度予算租税及び印紙收入予算額五千百四十六億六千万円に対し、最近における経済勢情の推移、徴收状況等を勘案して、総額において約二百十三億円程度自然増收見込みましたので、右の申し上げました税制改正による減收額を通算いたしますと、本年度租税及び印紙收入総額は五千百五十九億円程度と相成るのであります。何とぞ御審議上速かに賛成せられるよう切望してやまない次第であります。
  4. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 次は、薪炭需給調節特別会計における債務支拂財源に充てるために一般会計からする繰入金に関する法律案について政務次官から御説明を願います。
  5. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 薪炭需給調節特別会計における債務支拂財源に充てるために一般会計からする繰入金に関する法律案提案理由を御説明申上げます。  政府におきましては、薪炭需給事情の好転に伴い、その需給の統制及び薪炭需給調節特別会計を廃止することを前提といたしまして、昭和二十四年七月三十一日以降新たな薪炭買入を停止すると共に、速かに残務整理し、この会計收支を明らかにすることといたしたのであります。而してこの会計の運営の状況を見まするに、昭和二十三年度以前に生じた損失額は、約三十四億円でありまして、これに残務整理によつて生ずることが予定される現物の不足並びに手持薪炭値引減耗損を加えますると、大体五十五億円の赤字が清算結了時において発生することが見込まれる次第であります。従いましてこの会計残務整理を促進させる必要上、今年度においてその債務支拂財源に充てるために、五十四億七千万円を限り一般会計からこの会計繰入金をすることができる途を開こうとするものであります。  以上の理由によりましてこの法律案を提出した次第であります。何とぞ御審議上速やかに御賛成あらんことを希望致します。
  6. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 次は、未復員者給與法の一部を改正する法律案提案の御説明を願います。
  7. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 未復員者給與法の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明申し上げます。  未復員者に係わる給與につきましては、現在未復員者給與法によつて処理致しているのでありますが、それによりますと扶養手当は、配偶者月額六〇〇円、その他の扶養親族は一人につき月額四〇〇円でありまして、政府職員扶養手当配偶者及び十八才未満の子のうち一人については月額六〇〇円となつているのと比較致しまして権衡を失つておりますので、昨今の物価事情にも鑑み未復員者に対して政府職員と同額の扶養手当を支給するように所要の改正を加えようとするものであります。何とぞ御審議上速かに御賛成あらんことを希望致します。
  8. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 先ず税法に対する御質疑がございましたらこの際に御質疑を願いたいと存じます。
  9. 波多野鼎

    波多野鼎君 所得税の問題ですが、これについては質問を留保いたして、いろいろの材料が勿論あると思うんですがね、資料があればそれを出して頂いて、我々も研究した上で質問したいと思うんですが、委員長の方から要求をしておいて頂きたいと思います。
  10. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) これに関連しました資料……。
  11. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 資料は、衆議院の各党から要求されました資料は全部できておりますので、そのままこちらへ提出いたしますし、更に参議院で特にこういう資料というものがございましたらお申出でを願いたいと思います。
  12. 波多野鼎

    波多野鼎君 前国会の場合に、衆議院の方に提出した資料参議院の方に提出しなかつたのが大分あつて、あとからやかましく言つて出したことがあるので、そういう点手落ちなく、向うへ出されたものは全部こちらへ出して頂くようにお願いをいたしておきます。
  13. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 承知しました。
  14. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この前に所得税法の一部改正のことについて、休会中に説明を聽いたことがあるのです。そのときに資料要求してあるのですが、未だに資料が出て来ないのですが、重ねてお願いしたいのです。それは所得階級別所得の調査、それは大蔵省にあるわけでして、シヤウプ税制勧告案に対して資料として出しておる筈なんです。それを提出して呉れと、こう要求しておるのですが、まだ提出されていないのです。一つお願いをしたいと思います。
  15. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) それじや今のも……。
  16. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 承知しました。
  17. 小川友三

    小川友三君 今の税法の御説明の中で、政府子供が沢山いれば税金は安いのだ、そうすると子供をうんと生むように奬励しておるわけになりますが、今日本は人口が多くて困つている折から、独身者に対して税金を重くするというような見方は、今の租税に対して独身者をいじめるような勘定になり、独身税的な見方になりますけれども、これについて独身税的な見方でおやりになつたのかどうか。  それから織物消費税の問題ですが、当然十二月から臨時国会でなくなると織物業者は見ておつたのであります。それを一月まで延ばす。一月延ばしたということは、これは織物業界が非常に困つておるのでありますが、それにつきまして十二月からやれないかどうか。
  18. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 子供が多くある場合には税金を減らすということではございませんで、家族の多い者は生活費がかるのですから、それだけ減税しよう、こういうふうに仕組んでやつたもので、独身者が比較的税金が高いということは、これは独身者生活費家族持ちの、家族を多く持つておる人よりは安く上るのですから、当然一定税金負担して貰うということでございまして、別に今の時勢にさからつて特に子供を生めと奬励しておるわけではないと思います。  それから織物消費税の問題ですが、お話通り、これは政府としてはできるだけ早くやりたいということでいろいろ折衝いたしましたが、結局今御審議を願つております補正予算によりまして、減税財源というものが決められておりますので、その範囲で減税処置をするということで、本日提出したような三法案を出すことになりました次第でございまして、どうしても一月からこれをやるというより外に仕方ない立場になつたわけであります。
  19. 小川友三

    小川友三君 これは衆議院の方の水谷さんが質問しているんですが、自然増收というので税金を余計取つてしまう。それで減税するというけれども、それで自然増收をカバーしてしまう。これは盥の水を廻したと同じような結論が出るのでありますが、自然増收の二百十三億という見込は、これはこの申告所得税に対して更正決定という物凄い悪辣なやつで以て追撃戰をやつておりますが、それは殆んど全部だと思いますけれども、これは更正決定という勝手に税務署が決めるやつで以て去年も三百億も多く取つております。今年は二百十三億も取つておりますけれども、これは自然増收のし方が、申告所得税に置いてあるのかどうかということを一つ説明願います。
  20. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 自然増收を二百十三億も立てておつて、二百億二百万円を一方減税したら同じことじやないかというようなお話でございますが、これは自然増收というのは、最初予定したときよりも現実にこれだけ多く税金が集まるということになつたものでありまして、それを自然増收を立てたからといつて税務署更正決定で特にそれだけ多く取るというような処置は絶対にとりません。例えば申告納税の方から見ますと、千九百億円取れると今年の当初予算で見てありましたが、いろいろの実情から考えまして、千七百億円くらいしか申告納税では取れないという見込をつけまして、これは自然減を二百億を二百億も見てあるとこういう事実でありまして、專ら自然増税收法人所得、こういうことになつておりますので、従つて納税者個々から見ましたら、決してそれだけ自然増收を立てておいて、更に減税されたからといつて、全然関係はないというわけじやなくて、はつきり申告者の個々人から見ましたら、二百億二百万円の減税になる。こういうふうになつておりますので、その点を御了承願いたいと思います。
  21. 小川友三

    小川友三君 それでは資料一つお願いしたいのですが、申告所得税問題で納税者側がどのくらい昭和二十四年度に申告しておるか、総額は分るのでございまして、その資料と、更正決定をしておる税額総額等資料としてお示し願うことと、それによつてよく分ると思いますから……。それからこの法人所得の問題ですが、これは資産評価に対する税收を幾らか見てありますかどうかお伺いしたい。
  22. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 資料は提出いたします。それから法人税自然増の中に資産評価のあれを見てあるかという御質問ですが、資産評価のあれはまだ現在決まつておりませんので、当然見ておりません。
  23. 森下政一

    森下政一君 私は、先刻波多野さんがいろいろな資料要求されましたし、木村さんからもいろいろな要求がありましたので、それからの資料で出て少し研究させて貰つて、これは非常に大きな問題ですから、質疑をすることにお取計らいを願いたいと思うのです。ただ今たまたま小川さんが発言された中にお取上げになつ自然増收減税財源としての関係、これはたまたま今問題になりましたから、私からもお尋ねしたいのです。今政府次官が、自然増收が恰もこの補正予算における減税財源であるかのように言われましたが、そう見れば見れんことがないくらいの、政府は恐らく説明をされて、やはりこの価格調整費節約額というのが大体減税の主たる財源だ、こういう御説明になるのじやないかと思つてつたのですが、若し自然増收があるから減税するなんというのでは、これはちよつと国民は納得できんと思うのです。今日私は本会議でも大蔵大臣にそのことを質したのですが、自然増收はどこまでもやはり年度末までを見通しての一つ計算推定を持つておいでになるというだけで、今確実に国の手許に入つているわけのものではない。それが二百十三億あるから二百億三百万円の減税をする……。これは若しそうだということならば、年度末までに、どうしてもその額に達するまで徴税施風を吹き荒して、強硬に徴税をして行くということになれば、自然増收が入るに決まつておる。だから、そうしておいて、一方ではどんどん取立てることに懸命になつて、片方では減税するんだなんというのでは辻褄の合わん、本当のたらい廻し、からくりであつて国民を欺瞞するもんだ、こういう印象を私は受けると思うのですが、而も尚大蔵政務次官自然増收減税するんだ、そういうお考をお持ちなんでございますか。
  24. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) それはお聽き違いじやないかと思うのですが、さつき小川さんの質問は、二百十三億の自然増を見ておれば、当然申告所得者に対しても更正決定して、それだけ割りかけを強制的にやるんじやないかというようなことでしたので、それに対するお答としまして、それはやらん、むしろ申告者所得については当初の予算よりも二百億も低く見て、そうしてその外の自然増收を見て、差引二百十三億の自然増見込んだんですが、申積所得税から見たらはつきり二百億の減税見込んで、そうして二百十三億が立つておるんだ。その説明をしただけでございまして、今年の減税の二百億三百万円の減税は何でするかというときに、自然増でするというような説明はしたわけでございません。
  25. 森下政一

    森下政一君 所得税が、今度の二百十三億の自然増收内容ですね、その中に所得税があつて法人税が殆んど大分部つたと思いますが、源泉徴收所得もあつたし、申告納税にも何程かの自然増收見込んでおられるように新聞で見たように思うのですが、そういうことはありませんか。今頂いておる資料の中に書いてあるそうですが、そういうことも私共は十分まだ、今頂いたばかりで目を通すことができないのだから、目を通して、その上で質問を続行さして貰うことにして頂きたい。ですから只今政務次官の御答弁は要りません。
  26. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) これは資料として提出いたしますが、殖えたのと減つたのと、両方で差引二百十三億になつておりますので、今言つた申告の分ははつきり二百億減つておりますので、新聞の記事がそう出おつたとすれば、間違であります。
  27. 木内四郎

    木内四郎君 私もこれは今資料を頂いたので、後から検討した上でお願いしたいのですが、ちよつと今この表を見たからお願いしたいのですが、源泉徴收の百四十九億円自然増というのは、予算編成当時余計にしないでこういう源泉徴收分が殖えるような事態が発生したのですか、そこを主税局の方にお伺いしたい。外の税ならばともかく、源泉徴收所得において百四十九億円も自然増があるというような、予算編成後の事態の変化があつたのかどうか。
  28. 原純夫

    説明員原純夫君) 源泉徴收所得税で百五十億の自然増見込みましたのは、只今御推察のありました通り、基間になる給與額につきまして当初予算に組みました当時の比べて、大分伸びがあつたということでございます。御記憶かと思いますが、本年度予算は、その物価賃金等の水準を昨年の十一月現在を基準として組んでおります。その後実際問題として大分伸びております。そういうようなことから実際の徴收予算を上回るということが確実に見通されますので、百五十億の増を見込んだのであります。
  29. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私もこの問題は非常に重大な問題ですし、森下委員の言われた意見と同様なんですが、愼重審議したいのですが、それについて、地方税の方との振合いを考えてこの問題を検討しませんと分らないので、地方税制に関する何か改正案も出るのではないかと思うのですが、それはどうなつておりますか。それから中央の減税ばかりでなく、地方税金との関係差引減税となるのかどうか。そういう資料を、地方税との関係資料も御提出願いたいのです。
  30. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) では本案に対しまする質疑は次回に繰延べることにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————
  31. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) それから未復員者給與法の一部を改正する法律案の御審議を願いたいと思います。尚申上げたいと存じますが、本案については、引揚同胞特別委員会との連合委員会を開くということに御決定願つたのでありますが、先方の委員会から必要がないということでありますから、本委員会だけで審議をすることにいたしたいと思います。さよう御了承願いたいと思います。
  32. 波多野鼎

    波多野鼎君 この問題は、同胞引揚の特別委員会の方で、何かこの問題について修正案のようなものを作つて関係方面と折衝しておるという政を聞きましたが、この委員会の方でこれを審議する場合において、その関係方面からOKが得られたらそれを一つ考慮に入れて貰いたいという話がありますが、合同審査をやる必要がないというのは向うからですか。
  33. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) そうです。OKが取れたが、これはこちらの大蔵委員会を通過さして貰つて修正点は、又更に修正案を別に出すという考えらしいのです。
  34. 小川友三

    小川友三君 この案は、政府自然増收が二百十三億もあるのだから、未復員者家族が非常に困つておられるからということは政府も御存じのことと思いますが、特に今までの政府職員はずつと差額だけ余計貰つてつたのです。ですから今後出す場合に、半年なり一ヶ年分なりを余分に今までの分として、つまり余計に割り返すというような形になりますが、余分に是非未復員者家族が非常に困つておりますから、六百円にしたら今まで二百円ずつ少なかつたのですから、少くとも一年分余計やる。そうすれば自然増收二百十三億か、政府税金の取り上が巧いからそれ以上でしよう、その中からとにかく出して貰う。こういう人情のある水田政務次官の素晴らしいところを出して頂きたいと思いますが、如何なものでしようか。
  35. 水田三喜男

    政府委員水田三喜男君) 小川さんのおつしやる通り、できるだけ遡つてやりたいという考えは持つておりますが、財源の点その他で遡つてどうしてもやれないという事情でございます。
  36. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。
  37. 森下政一

    森下政一君 異議なしです。
  38. 小川友三

    小川友三君 森下先生も御異議がないそうですから、これは如何でしよう、質疑を省略して討論に入ることにしては。
  39. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 小川君の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 御異議ないと認めて討論に入ります。
  41. 小川友三

    小川友三君 本案につきましては、政府も十分出したい、遡つて余計出したいという考えもあるが、予算の都合上出せないということでありまして、甚だ残念でありますけれども、本案に対しまして賛成いたします。
  42. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 外に御発言はございませんか。外に御発言もないようでありますから、討論は終了したものと認めて直ちに採決いたします。未復員者給與法の一部を改正する法律案は、原案通り可決することに賛成のお方の御挙手を願います。    〔総員挙手
  43. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 全会一致と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長口頭報告は、委員長において本法案内容委員会における質疑応答要旨討論要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 御異議なしと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名      黒田 英雄  木内 四郎      波多野 鼎  森下 政一      高橋龍太郎  小室山常吉      木村禧八郎  川上  嘉      西川甚五郎  九鬼紋十郎      小川 友三
  45. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 御署名漏れはございませんか。なしと認めます。   —————————————
  46. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 次に政府契約支拂遅延防止等に関する法律案であります。衆議院特別委員長から提出された案であります。本案に対しまして特別委員長がお見えになつておりますから、御説明を願いたいと存じます。
  47. 岡野清豪

    衆議院議員岡野清豪君) 私が衆議院政府支拂促進に関する特別委員長岡野清豪でございます。  只今議題になつております政府契約に対する支拂遅延防止等に関する法律案でございますが、これのできました概要を申上げまして、御説明申上げたいと存じます。  もともとこの委員会ができましたのは、昨年の暮以来金融が非常に逼迫いたしました際、各財界の業者共が金詰りになりましたために、その原因は、大部分が政府の支拂が非常に遅れておるということが原因でございまして、衆議院の方でも何とかして政府の支拂の促進をしなければならないと、こういうような考えになりまして、決議といたしまして、そういうような特別委員会一つ開こうということになりまして、本年の四月末に特別委員会が成立いたしたわけでございます。不肖岡野が委員長になりまして、前国会中並びに閉会以後も審議を継続して参つたのでございます。  先ず審議をいたします方針といたしましては、どういうふうに政府支拂が遅れているだろうか、その原因はどこにあるだろうか、どういう状態であろうか、こういうようなことを先ず調べますために、各官庁から係官即ち会計事務を担当される方、経理局長というような方に御所席を願つていろいろ御報告なり御説明を承わつたのでございます。又その次に各業者の方でお困りの方を参考人として出席頂きまして、これも又いろいろ事情を承わりました。その後新聞広告を出しまして、政府の支拂が遅れておつてお困りの方は事情を具申して貰いたいということで新聞広告も出しました。その他都道府県商工会議所或いは経済団体、各方面に亘りまして消息、事情報告願つたのでございます。これらの、各官庁並び財界方面からの情勢を聽きました結論といたしましては、政府の方で報告をして頂きましたけれども、成る程報告には、契約額、支拂額、未支拂額という三項に分つて詳しく集計して届けられたのでございますけれども、その未支拂額という中に、それでは本当に政府の支拂が遅延して迷惑をかけているのは如何程あるだろうかということを突きとめますのには、どうしても只今の行政機構並びに行政手続の繁雜さの中ではこれが発見できないのでございます。これは御承知の通りに各省、各庁が非常に広汎に分れております。又長年の伝統といたしまして、行政手続が非常に煩瑣になつております結果、どうしてもそれが分らないのでございます。でございますから政府から幾ら報告をとりましても、果して支拂遅延がどの程度ありましてどういうふうになつておるかということは掴めないのでございます。未支拂と称しましても、それは契約してあるけれども、支拂期限が到達しているのか到達していないのかということが分りませんものですから、支拂遅延が起つているということが分らない。でございますから政府報告を以て、我々がこれに勧告をし若しくは促進をするという手が出来ない、こういうことでございます。それからもう一つ各業者からいろいろ聞きますけれども、その業者の方では、殊に財界、金融界に非常な影響を及ぼす大きな政府契約をしているところでは、皆さんも御承知でありましようけれども、各官庁に対して大口の注文を受けている業者でございます。これは一面、政府が御得意様であると同時に監督官庁でございますから、幾ら遅らかされておりましても、これに対して私の方は遅らかされて困つておりますということを申告して来ないのでございます。でございますから蔭では困る困るという声が市中に非常にございますけれども、それは私の方で、どういう事情になつて、どういうふうに遅れておつて、どのくらい遅れておるかということをはつきりと書いて寄越し若しくは委員会に出て話をして呉れれば促進をしてやろうと申しましても、それは私の方だけは御免蒙りたいというような内情がございまして、どうしてもうまく行きません。又中にはこういうこともございます。甚だ奇態なことでございますけれども、行政手続が、先程非常に煩瑣だと申しましたが、成る程業者から申告して来ますところの遅延があります。これを国の方に照会して見ますと、成る程支拂義務を生じて、事実支拂の遅延になつている事実が突きとめられたのでございます。併しこれも亦官庁の報告を詳しく調べて見ますと、即ち予算の源泉を握ぎる大蔵省から、支拂を担当しておりますところの末端の官庁までに行きます資金の受渡しに非常に煩瑣な手続がございまして、そうして成る程この手続を踏まなければ正当に政府は支拂えないという結果になる。でございますから端的に申上げますれば、業者に対してははつきりと国は支拂義務を生じておる、併し各官庁の径路を辿つて見ますと、支拂わないのが合法的である、こういうような奇妙な状態もときには出来るのでございます。そういたしまして我々といたしましては、どうしてもこれは何とか政府の支拂いというものは行政機構を改正し、行政手続を改正して行かなければならないと、こういうような結論に到達したのでございますけれども、長年の伝統でできましたこの厖大なる行政機構並に行政手続を一朝一夕に改正するということは、我々の手でもできませんし、恐らく政府でも相当の年月を要し、相当な期間を持つてやらなければならんと思います。で私達は先ず第一に、政府支拂を促進するためには、先ず政府の契約でぎりぎり一ぱいこのくらいの間にどうしても支拂わなければいけないという一つの枠を作りまして、業者が政府に注文を貰い、そうして物を納入します場合には、先ず第一に契約書を作りますが、その契約書に、これができたならば検收は何日間にしなければならないか、検收した後に支拂の請求書ができたら何日間に拂わなければならない、こう枠を決めてしまいまして、その間に是非政府をして支拂わしめる。若しその枠を超えて延引するようなことがあつたならば、これに遅刻利息を付して、そうして業者に余り迷惑を掛けない、こういうことにする。同時に若し遅延利息を支拂わなければならない程遅れるようなことをした会計官吏は、相当な処罰を受けなければならない。即ち或一つの枠を作つて、その期間には是非支拂つて貰いたい、その期間が過ぎたならば遅延利息を拂う、そして遅延利息を拂わなければならないというようなことをしでかした官吏は懲戒処分を受ける、こういう建前で縛りましたならば、官庁の方でもいろいろ面倒な手続を成るべくそれに合して促進するように改正せなさるだろう、こういうような狙いからこの法案を作つたわけでございます。  私共はそういう意味でこの法案を作つたのでございますが、その要旨を申上げますれば、先ず政府の契約というものを定義を付けまして、こういうものは政府の契約であつて、そうしてこの法律に縛られるものである。同時にこういうような契約をした場合には、自由契約でやつてもよろしいが、併し検收期間は何日々々にしなければならない。支拂請求書を受けた後に何日間に支拂わなければならない。そしてこれが遅れてそれ以上に支拂ができない場合には、政府一定の遅延利息を支拂わなければならない。そうして遅延利息につきましては、大蔵大臣の裁定によりまして、一般市中金利を勘案して利率を決める、こういうことにいたしております。  それからもう一つは、大蔵大臣が各省、中庁に対して政府の支拂が遅れておりはしないだろうか、という情勢になつておるだろうかというようなことを調べる権限を一項目與えてございます。それから先程申上げましたように遅延を来さしめましたところの官吏の懲戒処分をする、こういうようなことが骨子でございます。  それからこれは公平の観念からいたしましたのでございますが、只今までに政府が前金拂いとか概算拂いで相手方に対して金を拂つておりますが、それが精算の結果過拂いになつておることが多いのであります。聞くところによりますれば、只今もでも七億ぐらいな金額政府の過拂いになつておりながらそれが業者の方から政府に返納がない。こういうようなことを聞きます。それでございますから若し政府が支拂を遅延した場合、遅延利息を付けるならば、業者が返納をしなければならないものを、遅れるということはやはり遅延利息でも付けた方がよかろう、こういう公平な観点から一項をやはり前金拂いとか、概算拂いで政府が拂つておりますところの金の拂い適きたのをお返し願いたいという、政府の返納通知書が出ておりながらまだ返納しないものに遅延利息をつける。こういうことにしておるのであります。  尚それが大体私共の提案しました理由並びに内容要旨でございます。若し何か御質問でもございましたら、私から、並びに法制局の方においでを願つておりますから御答弁申上げます。どうぞよろしくお願いいたします。
  48. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 本案に対して法制局長から発言を求めておられます。法制局長の御意見を聽きたいと存じます。
  49. 奧野健一

    ○法制局長(奧野健一君) 今朝程ESSからこの法案について意見があろから来て呉れろということで參りまして、意見を承つてつたのでありますけれども、ここに御報告いたしたいと考えます。  ESSとして全体的には賛成であるけれども、三点について意見があるということであります。その第一点は、二條についてであります。本案の第二條は、書き方が非常に広汎漠然としておるので、例えばこの中に健康保險の診療に対する報酬の支拂等なんかが含まれるがごとき誤解と申しますか、考えられるのであるが、自分としては勿論こうしたものは含まないと解釈しておつたのである。或いは米の購入代金についても同様であるが、こういつたようなものはこの二條の中には含まないというふうに自分は解しておつたのであるが、若しそういう気持がありのであれば、疑問のないように二條を改正する方がいいのではないかというのが第一点であります。まあこれについて財政的な裏付についていろいろ申しておりましたが、法律的に申しますが、二條が漠然としておつて健康保險の診療報酬とか米の支拂代金なんかの含まれる虞れがあるように観察されないように明白にした方がよくはないかと思うのであります。第二点は、附則の第二項、第三項であります。即ちこの法律の施行前の契約でありますが、これについてはこういうことを言つてつたようであります。物価統制に関するいろいろな法律がある、その関係から大臣等が確定し得ないものが相当あると思うのであるが、それがこの二項によつて、早急的にこの法律が適用されるということでは予算的には非常な困難な問題が起るのではないかと思う。例えば例を引いて言つておりましたが、船舶公団が造船に対して支拂をするような場合に、何かその対価の決め難いものがあつたりなんかして、これを早急的に適用することは賛成できない。要するに従来のものには遅延利息を付けないことにするか、或いは、同じことでありますが、二項と三項を削除してはどうかという意見であります。第三は、少さな問題のように思いますが、六條の二項の問題でございます。六條の二項によりますると、請求書の内容が不当である場合においては一応業者にこれを返還いたしまして、改めて正当な支拂請求書を取るのでありますが、その返還した日から是正した支拂請求書を受理した日までの間は、この約定期間に算入しないということになつておりますが、その間だけが抜けるということになる関係から、改めて正当な支拂請求書を受けたときから更に検査をして支拂をするまでの間の期間が非常に短くなると思うのである、それは無理ではないか、結局正当な是正した支拂請求書を受理してから、例えば四十日或いは三十日というふうな期間を置くべきではないかというのが第三点でありまして、大体において賛成であるが、その算定については自分の方としては意見がある。尚自分の方でまだ十分意見を述べないうちにGSの方でクリアランスを與えたような関係もあるので、その意見を是非委員会に伝えて貰いたいということであります。
  50. 木内四郎

    木内四郎君 岡野さんにちよつと一二点伺つて置きたいのでありますが、今これを拝見したので、尚詳細の点につきましては、只今法制局長からも意見もありましたが、いろいろ研究して見る点があるのであります。一二伺つて置きたいのでありますが、第六條におきまして、「国が給付の完了を確認又は検査を終了した後相手方から適法な支拂請求書を受理した日から工事代金については四十日、その他の給付に対する対価については三十日以内」ということになつておりますが、給付の完了を確認したり、検査を完了した後、相手方から適法な請求書が出てから尚四十日も間を置かなければならんかというのが一点です。それから第二点は、政府税金の支拂遅延については、現在日歩二十銭、或いは場合によつては、今度修正されれば十銭になるが、非常に高率の遅延利息を取るにも拘わらず、この場合におきましては、さつき説明がありまして、遅延利息を拂う建前は非常に結構でありますが、利率が、銀行の一般貸付利率を決定する金利といいますが、非常に低いものになると思います。国が取るときは非常に高いものを、年何割というものを取つて、拂うときには非常に低いものを拂うということは不公平だというふうな感じを持つておりますが、その二点についてどんなふうなお取扱いをいたされますか。
  51. 岡野清豪

    衆議院議員岡野清豪君) お答え申上げます。この四十日並びに三十日と申しますのは、最大限を規定したものでございます。第四條に、政府契約は自由意思によつて合意的に決めるということを原則といたしておるのであります。従いましてこんなに長くかからんでもいいという工事でありますと、それは業者とそれから国との間において適当な二十日とか十五日とかいうふうに決めることになるわけであります。併し余り長くなつて来ると因るという意味において、最長限を決めますが、いろいろ業者の方並びに国の方の事情を調べて見ますというと、四十日では実は大きな工事では短か過ぎるというような議論もあつたのでございますけれども、大体観察いたしまして、まあ四十日ぐらいなら最長限としていいのではないかということで決定したわけでございます。これは長過ぎるわけではございません。そして小さい工事でございましたら、僅かの工場でありますと、自由意思によつて国と自由に契約させる。こういうことにすべきが適当かと考えております。それで、先程申上げたのは、実は甚だ申上げにくかつたのでございますけれども、日本の伝統といたしまして、どうもまだ官尊民卑の思想が多いのでございまして、国のためには非常に圧迫を感じさせられて業者が泣き寢入りになつて行くというようなこともございますから、この法律でできるだけそれを是正して行きまして、まあ対等な私法上の契約をさせる。こういうことにさせて行きたいという考えから、こんな法律を作つたわけでございます。  それから第二の点でございます。あれは我々もやはりいろいろ意見を聽きまして、国税徴收法では日歩二十銭、それから公団の支拂いの遅延に対しては十銭という高率はなにを課しております。併しあれはまあ公団は別でございますけれども、国税徴收法は、国家の納税業務に対する遅滞ということで、或る意味において懲罰的の意見が含んでおると思います。この法律に規定いたしますところの日歩と申しますのは、これは政府契約とは申しますけれども、全くの私法上の契約であります。対等の地位に立つて商売取引をするのだと、商売取引に対しては、国が一方的に国民に対する納税業務を違反したから取るというような高率の日歩を取るということは妥当でない。同時にシヤウプ勧告案から申しますれば、あの日歩二十銭も高過ぎるから一二%ぐらいにしたらよかろう、こういうような勧告も出ておりますから、恐らくあの国税徴收法の日歩二十銭というのもいつかは低くなることだらうというように考えます。それからもう一つ、国が物を拂下げまして、そうして延納した場合には、約九分ぐらいの率で延滞費を取つております。そういたしますと、国税徴收法によりますところのものも、シヤウプ勧告案によつて、将来は一二%ぐらいになり、それから国有財産を拂下げたものに対する遅延の場合には、九分ぐらいの利率になる。そうしてこれは現在の金利で行きますというと日歩二十銭にはならないのでございまして、利率としては妥当じやないか。こう考えまして、こういう規定をしたわけでございます。只今ここに大蔵大臣の勘案ということになつておりますけれども、これは臨時金利調整法という法律によりまして、只今臨時金利調整委員会が作りました利率が一般金利になつております。多分それが適用されることになると考えて作つたわけでございます。
  52. 木内四郎

    木内四郎君 先ず金利の点のにつきましては大体分りましたが、勧告案で又下げるということになれば妥当じやないかと思うのでございます。  今の六條の問題につきましては、大きな工事など請負つた場合に、これの給付の完了を確認又は検査を終了するために非常に日数がかかるというふうなら私は分ると思いますが、検査をして見て而も品物を受取つて見て、そうして検査をしたらそれでもういいのだということになりながら、支拂が、請求書が出てから四十日も延びるということは、工事の規模には、少しも関係ないと思うのです。その点が一点。  それから先つき申上げた自由契約の内容だから、四十日のその範囲内で、十日でも一週間でも契約したらいいじやないかというお話もありましたけれども、どうもまだ官尊民卑の風がありますし、それから国に供給する方は弱味がありますから、法律で四十日となつておれば、そこまで引きずられる危險が非常に多いと思うのであります。そこで折角拵えるならば十日か二週間にしたらどうかという感じがするのであります。殊に先つき申上げたように、検査に日がかかるなら、これは幾らかかつても仕方がありませんが、検査が終つてそうして適正な支拂請求書が出てから四十日というのは、余りひど過ぎやしないかと思うのでありますが、それはどうでしよう。
  53. 岡野清豪

    衆議院議員岡野清豪君) ところが支拂請求書というものに対して、その精査に非常にかかるんです。只今の行政機構におきましては……。手続がこれでまだ足りないかも知れんと思います。中には支拂請求書を受けて支拂うまでに七十五判を官庁でつかなければ支拂ができないという情勢になつておりますから、それで只今の行政機構を改正するために作つた法案ではございますけれども、もう少しあなたのおつしやる常識的に行きましたならば、国は支拂遅延の利息ばかりで財政破綻になるという情勢でございますから、一応はこれでやつて行きまして、段々と行政機構を改めて行つたらよくはないかと思つております。
  54. 木内四郎

    木内四郎君 岡野委員長の言われることも誠に尤もな点もあろうと思います。現在はそうあろうと思いますが、それを我々は肯定して、この法律を決めるということはどうかと思うんです。やはり若し官庁がそうなら、それを改めさせるのが我々立法者の任務であると思うんです。それを肯定して、それだからこれは延びてもいいんだというのじや、私はちよつと理解しかねるんです。
  55. 岡野清豪

    衆議院議員岡野清豪君) それでは申上げますが、実は法律百七十一号というものを廃止しようということを、この委員会で出したのでございますけれども、OKが来なかつたのでございます。ところが百七十一号というものは、非常に複雑なものでございまして、若し或る工事をしますというと、トラツク一台ぐらいの書類を持つて行かなければ支拂がして貰えんという情勢であつたんです。どうしたつてあれを改正しなければ、国の支拂というものは促進できないのです。先ず第一着に我々が着目しましたのは、百七十一号の廃止案でございます。ところがこれはOKがとれませんでした。OKがとれないとしますれば、非常に大きな金額を国が支拂わなければならん、その中の、百七十一号に出ますところの支拂手続というものは、実に煩瑣、複雑を極めたものでございまして、この四十日でも恐らく間に合わないんじやないかという感じもするのでございますけれども、まあ常識として大きな工事なら四十日ぐらいで仕上げて貰わなければ困ると、こういうことに実はなつたわけでございます。
  56. 小川友三

    小川友三君 政府側も見えておりますから、両方にお聞きしたいんですが、今まで、この法律を作らなければならなくなつた時代が来たのですが、どのくらいの調子で支拂をしておつたのですか、それをお伺いしたいんですが……、これができた場合に、何億ぐらいの金を支拂わなければならんかということですが……。
  57. 岡野清豪

    衆議院議員岡野清豪君) 私は大蔵省の官吏でございませんから、はつきりそういうことを……権威ある御返事にはなりませんけれども、大体において三百億ぐらいの支拂が溜つておるというように感じます。そうしてその中で支拂遅延になるのが百億ぐらいじやないかと思います。そうして百億ぐらいでございますと、それが又促進することになれば、五十億ぐらいに減るだろうと思います。それで若し支拂遅延利息を拂わなければならんというような情勢になりますならば、一年四億九千万円くらいの遅延利息を現状においては支拂わなければならぬ。でそれをこの法律によつて政府の方でどんどん促進して頂けば、無論要らなくなるけれども、まあ只今の現状で打つちやつて置いて、そうして遅延利息を拂わなければならぬという場合には、四億九千万円くらい一年に支拂わなければならぬと考えております。それでその予算を取るので、先程申上げましたように七億くらい溜まつておる金がございますから、それを一つ引上げれば、それでたとえ政府が怠つても、段々余つて来はせんかというふうに考えたわけでございます。
  58. 小川友三

    小川友三君 それからこの第十三條でございますが、十三條で官吏を首切るやつですね、懲罰するわけですが、懲罰結構ですけれども、支拂を著しく遅延させたというのは、幾日ぐらいを著しくと見ますか。
  59. 岡野清豪

    衆議院議員岡野清豪君) これは遅延利息を拂わなければならないようにしたのを著しくと認めようと私は思つております。ですから遅延利息を支拂わなければならんというようなことをしでかしたというようなことは、これは著しく遅延したと当然認めていいと思います。その期間に、私も木内さんのおつしやるように、少し長過ぎるのじやないかというような期間を付けておるのですが、そのうちで是非支拂つて貰わなければならない、遅延利息を支拂わなければならないようにするということは、これはどうしても懲戒処分だと考えております。
  60. 小川友三

    小川友三君 それは課長級ですか、局長級ですか、大臣ですか。
  61. 岡野清豪

    衆議院議員岡野清豪君) 懲戒処分を受ける人ですか。
  62. 小川友三

    小川友三君 そうです。
  63. 岡野清豪

    衆議院議員岡野清豪君) これは支出負担行為をする官庁、即ち政府を代表して業者と契約をする官庁でございます。
  64. 小川友三

    小川友三君 成る程。
  65. 波多野鼎

    波多野鼎君 今ESSの方の意見としてここに紹介されましたですがね、やはりあの点についてどうも疑問を持つてつたので、第二條の、先程例に出ておつた健康保險の診療費の支拂が非常に遅延して、これはお医者さん達は皆健康保險なんかは扱わないというくらいになつておるのですが、立案者の方ではこれをどういうふうに考えておられるのですか。入れるつもりだつたのですか、入れないつもりだつたのですか。
  66. 岡野清豪

    衆議院議院(岡野清豪君) お答えいたします。只今ESSから、そういうものが出たということは、私としても誠に遺憾でございますが、併し健康保險の医者が非常に困つておるということは事実でございまして、これは非常な陳情が来ております。最近に至りましては、健康保險が殆んど医者の取扱います八割に上つておりまして、もう殆んど健康保險のことばかりということになつております。それにも拘わらずあの支拂が非常に遅れて、医者も病院も立ち行かなくなつているということを聞きますので、実はあれもやはり診療契約に入るわけでございますから、入れた方がいいと私は考えております。
  67. 波多野鼎

    波多野鼎君 もう一つ第十四條にですね、「日本專売公社、日本国有鉄道及び地方公共団体のなす契約に準用する。」とあるわけなんですが、そうだとすると、先程これも例として出た米の買上代金、供出代金といいますか、これなどもやはりこの中に入るつもりで立案者はお考えになつたのですか。
  68. 岡野清豪

    衆議院議員岡野清豪君) 入るつもりでしております。
  69. 波多野鼎

    波多野鼎君 若し先程のESSのような考えを仮に我々がとるとした場合、この法律案は、第二條だけではなしに、相当広範囲に亘つて修正をしなければならんことになるのではないかと思う。私まだ十分見ておりませんが、ちよつと受けた感じでは、立案者の方で今のESSの意見をここで我々と同時にお聞きになつたのだが、どういうようなお考えを持つておられますか。その点ちよつと伺つて置きたい。
  70. 岡野清豪

    衆議院議員岡野清豪君) これは実はこの案ができますのは第十三番目でございまして、いろいろ修正したのでございます。で、OKが来たのでございます。そうして私の方では、そういう考えでやつてつたのでございますけれども、或いは外からそういうことでは困るというような異論が出て来て、そういう意見が出たのかと思いますけれども、併しこれは政府の支拂が遅延して、財界、金融界に非常な迷惑を及ぼす、そのためには末端に行つて賃金の支拂もできないようなことになつて来る、これでは財界の運営もうまく行かないし、一般国民の生活権も擁護されないというような意味でこの法律を作ろうとしたものでございますから、ただ單に大口の契約者であつて、そうして金融の大元締若しくは大きな金融の動きだけに影響させるためのものじやなくて、国民一般の生活権も擁護しよう、こういう意味から、農家が供出代金をいつまで経つても拂つて貰えんとか、甚だしくなりますれば、農地改革によりまして土地を買上げられて、而も一年も二年もその代金が拂つて貰えないとかいうようなこともよくないし、それから又健康保險医があれだけ働いておりながら、その料金も拂つて貰えない、病院としてはもう経営ができなくなるというようなことも、甚だ政治として面白くないという意味で、われわれ委員会としましても、それも含めた方がいいのじやないか、こういうような意見に一致したわけでございます。御了承を願います。
  71. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 外に御質疑はありませんか。
  72. 森下政一

    森下政一君 岡野さん、ちよつとお尋ねしますが、今ESSの意見ですが、私らと一緒にお聞きになつたわけですが、衆議院の方としては決めてしまつたのだから、ESSからどういうふうな意見が出ても、重ねてこれを撤回してどうこうするということをなさることにはならんでしようね。どうですか。
  73. 岡野清豪

    衆議院議員岡野清豪君) 私ESSの方へ行つて見ましよう。それの方が穏やかでございましよう。若し工合が悪うございましたら、参議院の方で御修正下すつてもいいと思いますけれども、併し只今申上げましたように、衆議院委員会としましても、両方とも含めまして、そうして国民各層の生活権擁護の意味においては、ずつとその末端までこの法律が役に立つようにという考えでやつておるわけでございますから……。
  74. 波多野鼎

    波多野鼎君 速記を止めて下さい。
  75. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  76. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) それでは速記を付けて。それでは本案に対しましては、更に次回に質疑を続行することにして、中止をいたします。  それからこの際お諮りをいたしたいと存じますことは、税の三案に対して公聽会を開くということでありますが、開くか開かんかということを御協議をいたしたいと存じます。衆議院の方は二十一日に公聽会を開くということになつておるわけでございます。先ず開くということにいたしまするか、どういたしましようか。先程理事会では大体御異議がなければ二十二日頃に開きたいという意向ですが。御異議ありませんか。
  77. 森下政一

    森下政一君 賛成です。どうぞさようにお諮り願います。
  78. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) それでは二十二日に公聽会を開くことにいたします。つきましては、やはり適当な意見を述べられる人がありましたら、御推薦を願いたいと考えております。  それから今一つ、請願に関して、請願陳情小委員長から付託替えをしたらばという御意見も出ておりますから、ちよつとお述べ願います。
  79. 黒田英雄

    ○黒田英雄君 請願は、今日の日程に上げて御報告するつもりであつたのですが、時間もありませんので、延ばしまして、ただその中で請願第二百六十八号、これは地方公共団体公共施設として利用する普通国有財産行政財産に変更するの請願でありますが、この請願は、地方公共団体が旧軍用土地建物等の国有財産を利用して戰災者、引揚者等の共同住宅その他の公共施設を経営する場合に、その国有財産が普通財産であるために使用料、火災保險料等を負担しなければならない、及び地方公共団体が経営するので、多額の経営費を負担しながら、国家は何らの代償をせず不合理であるから、前に述べたような国有財産は、国の行政財産に編入すると共に、その経営を厚生省その他の関係官庁で行われたいとの趣旨であるのであります。調査いたしたのでありまするが、厚生省が行政財産に移管することに決めますれば、本請願の趣旨は達成することができるのでありますから、むしろこれは大蔵委員会よりも厚生委員会に付託替えをされるということが適当であると存ずるのであります。ここで委員会でそういうふうに御決議願いますれば、付託替えのことを委員長から御要求を願いたいと思うのであります。
  80. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) 御異議ございませんか。    〔「異議ありません」と呼ぶ者あり〕
  81. 櫻内辰郎

    委員長櫻内辰郎君) それでは小委員長只今の御報告通りに付託替えをすることに決定いたしたいと存じます。それでは本日はこの程度で散会をいたします。次回は公報を以て御通知いたします。    午後三時五十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     櫻内 辰郎君    理事            波多野 鼎君            黒田 英雄君            伊藤 保平君            九鬼紋十郎君    委員            森下 政一君            玉屋 喜章君            西川甚五郎君            木内 四郎君            小宮山常吉君            高橋龍太郎君            川上  嘉君            木村禧八郎君            小川 友三君   衆議院議員    関する特別委員    政府支拂促進に    長       岡野 清豪君   国務大臣    大 蔵 大 臣 池田 勇人君   政府委員    大蔵政務次官  水田三喜男君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君   説明員    大蔵事務官    (主税局税制課    長)      原  純夫君