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1949-11-15 第6回国会 参議院 水産委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十五日(火曜日)    午前十時三十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○漁業法案内閣送付)   —————————————
  2. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 只今から水産委員会公聽会を開会いたします。公述人の各位には御多用中遠路わざわざありがとうございました。  議題漁業法案でございますがお手許に配付いたしました問題は六つに亘つておりますが、これを全部お願いいたさんでもよろしうございます。そのうちで特に御意見のある問題をお選びになつても差支ございません。公述時間は委員会決定によりまして一人当り十分間、公述人に対する委員質疑応答も一人当り十分間、こうお願いいたしたい。それでは只今から始めます。岩手菅原順平君。
  3. 菅原順平

    公述人菅原順平君) 御指名によりまして意見を述べさして頂きます。  第一番目に問題になつております漁業法の基本的な事項について申上げますが、今回の漁業法案を拝見いたしますと、從来我々が親しんで来た現行漁業法明治初年におけるところの改革に対して、つまり半世紀時代の封建的な残滓を整理しようとする御努力に対しては我々もありがたいと思う者なのでありますが、併しながら総体的に見ますと、漁業法案そのもの明治漁業法範囲を一歩も出でおらない。つまり従来の免許漁業を主体としてその封建的な残滓を沸拭しようとする点に対してだけ努力が傾注されて、他のことは顧みでおられない。そういう意味におきましてその顕著な例は、今日非常に問題化して来ておりますところの許可漁業の問題が、現行漁業法と何ら変るところがないままに放任されているのであります。こういう面から見まして只今上程されておりますところの漁業法案は、第一條において漁業生産に関する基本的な制度であるということに対しては、遺憾ながら全面的な賛意を表するわけには行かない。  次に基本的な問題となります点につきまして申上げますと、この法案現行法から見ましたときに、従来漁民自分の手で管理しておつたところのいろいろな漁業管理権というようなものを取上げられておる。これについて申上げますと、従来我が国漁業というものは、獲ることにだけ専念しまして繁殖というものを考えなかつた。その結果が今日諸外国から侵略的な、帝国主義的な漁業であるというようなことを言われている。この面に対しても何ら今日の漁業法案がこれを改めようとする処置一つも認められない。むしろそれに拍車をかけるような点がある力という点を申しますと、先ず第一番目に従来専用漁業権に入れられておりましたところの定着漁業であります。これを取り外すことによつて許可漁業の面を殖やして来たということは、沿岸における零細漁民圧迫する結果を招来する。而もこれに対する規定については第六條の五項の第一号、第一種共同漁業権の中において、何のために主務大臣指定しなければ定着性水産物を共同漁業権に入れられないのか、我々は先ずこれを疑問に思うのであります、それからそれに関連しまして、第十六條の五項第二号であります。ここにおきましては定置漁業権免許されました場合において、地元漁民がそれによつて生業を奪われるというような規定ができております。同じような規定が第十九條の四項の号にも出ております。こういうようなことは要するに今回の漁業法の改正によつて、場合によつて地元沿岸漁民圧迫を受ける、こういうことすらも認められる、こういうふうに考えられるのであります。而も零細漁民協同組合を作ることによつていろいろな漁業権を獲得する上において、優先権を與えられておりますが、今日のような漁村経済情勢においではこれは空文に等しい。こういう面から持つて行つて漁業生産に関する民主化云々というものに対しても、私は遺憾ながら賛意を表することはできない。で、この二点を先ず基本的な問題として申上げまして次にこの定置漁業の問題であります。  定置漁業は、私これは非常に疑問に思つておりましたが、十五メートルを二十七メートルにするか否かという件でありますが、十五メートルといいますと中型定置漁業であります。これは私としましてはすべでの定置漁業権というようなものは、漁業兵庫組合なり若くは地元漁民管理するような方向にあるならば、これを敢て問題にすることはない。併しながら今日のような情勢においては、私は本心は二十七メートルを主張したいのであります。むしろそれよりも深いものを求めたい。併しながら半面これが共同漁業権に入れられて打つた場合においては、抵当権設定行為が認められておらない。こうしますと半面において金融的なそこ困難を伴わせられております。こういうふうに十五メートルを二十七メートルにしたい、そう考え範囲においてそれを非常に懸念させられる。而もこういう経済情勢の下において、この地元管理の手からこれを移して行つた場合に、恐らくは資本的な圧迫零細漁民にかかつて来る、こういうことが考えられるのであります。この問題については私は若し全面的に漁民管理が認められるという立場においてならば、敢て何をか言わんやでありますが、それでなくて漁民管理が認められない、こういうふうのだつたらば止むを得ず二十七メートルを賛成したい、こういうふうに考えております。  次に内水面漁業でありますが、これにつきましては区画漁業権だけが認められて、従来河川における漁業組合に対して認められた専用漁業権が取上げられる。而も水産増殖管理委員会のような、漁場管理委員会のようなものを作つてやるということになつておりますが、恐らくはこれは私は不可能である、やはりこれも共同漁業権を付與して地元漁民によりて共同管理の態勢を実施させながら、半面増殖條件にして持込んで行つた方がい、というふうに考えます。  それから次の真珠湾の問題でありますが、これは私共の方にはありませんので何とも申上げ兼ねますが、ただ私の感じたところを申上げますと或る特定の資本家を擁護するためにだけこの規定ができております。特に技術を要するものであるとか何とかいうような場合はどうか知りませんが、これだけの規定に見ますと従来ならば漁業共同なりておる。而も個々の新らしい企画であるとか、それから従前の生業を奪われるというような規定までも設けてあります。これに対しては遺憾ながら私は一般漁民に與えるような方法を取つて貰いたい。  次に漁業調整委員会でありますが、これは何のために市町村漁業調整委員会を削除したのであるか。漁業調整委員会の海区というものは、私が聽いておる範囲におきましては郡を單位にして考えるというようなことであります。七人の漁民代表というものは私の方の郡を例に申上げますと、一町村から一名も出てないところがあるのであります。而も出るところにして見ましても恐らくそこの勢力家というものが出て来る。こういうことになりますとこの漁場管理というものは漁民管理の手を離れて行つてしまう。そうして徒らに漁業資本によるところの圧迫をもたらすだけである。こういう意味におきましては、私は漁業調整委員会というものは、少くとも漁民によるところの漁場管理委員会のような形において市町村にこれを設置して貰いたい。而もこれは單なる行政面におけるところの補助機関ではなくて、或る程度の決定権を賦與して貰いたい。こういういわゆる支障がないからこれは決定権まで與えられて行つて差支えないのじやないか。殊に先程申上げましたところの定着性水産動物というような問題を取上げます場合には、そこの漁民がそれを定着性水産動物として申請する場合においては、調査の上これを認めるような方向行つてもいいのじやないか、こういうふうに考えられます。  それから次に許可料免許料であります。これに対しましては大部分の金は水産行政費用であります。従来この漁民が持つていたところの権利まで奪われ、その上に何ら水産に対する課税が変えられないにも拘わらず、而も行政費用を今度は負担させられる。これは当然いわゆる政府の費用でやるべきであつて許可料免許料を取つたならば、このくらいのところはせめて水産業の今後の保障手段であるとか厚生施設であとか、いろいろな面に向けるというならばいざ知らず、ただ三十年間に割つて拂われる金と行政費用にこれを向けられる。つまり現在においてすらも重税に困つておるところへ別の形を持つて来て又税金をかけられる。而もその半面においては、その税金の操作によつて零細漁民立場におきまして自分達権利を剥奪されて行くというような形においては、私はこの免許料許可料というものは、この法案に示される限りにおいては賛成することはできない。而も先程申上げましたようないわゆる許可漁業と、この沿岸零細漁業の面におけるところの調整面というものは、本法案には何もないのであります。そうして而も六十五條において、漁業許可中央許可都道府県許可二つに分れておるならば、どつちが中央許可でどつちが都道府県許可になるものやら、これも全然分らないというところにおいて、許可漁業でどんどん圧迫されて行くということになる。而もそれに入つてしまつてしまうことになりますと、漁民に対する重圧だけが考えられて、私はここの中から新らしい民主化されたところの漁村が生れて来るなどということは考えられないのであります。もう少し本法案は徒らにいわゆる漁業独占資本家だけを助長する面だけではなくて、零細漁民の生活を保障し、而も協同組合を通じて、この法案に多少でも認められておるところの自分達権利を主張し得るような方向に持つて行かれるように、この許可料とか免許料についても考えて頂きたい、こういうふうに考えるのであります。  以上の通りであります。
  4. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 菅原公述人に対する御質問がありましたらお願いします。
  5. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 水深二十七メートルを限界とする定置漁業権の問題について、二十七メートルということにすることによつて定置漁業の数が少くなつて来ると、従つて抵当権対象となることができないものが多いことによつて漁村却つて資金面において非常に困難を来すというように受取つたのでありますが、そういう意味でございますか。
  6. 菅原順平

    公述人菅原順平君) 只今の御質問でありますが、少し諄くなるようでありますが、漁業協同組合なり漁業生産組合に対する、資金の面とか資材の面が融資に転換されるならば、十五メートルで私は差支ないと思います。併しながら今日においては恐らくはこの十五メートルの水深のものですから、自分経営して行くということは困難ではないか。そうしますと今の中型定置以上のものが資本企業に持つて行かれることになる。そうしますとそれが漁村支配の大きな点になつて来て、この封建制度支配を脱却させる余り半面において資本重圧を受ける。ただ先程の御質問の要点に触れますが、二十七メートルに持つて行きたいのでありますが、そうしますと抵当権は設定することができない。その方面において金融面圧迫があるので、そういう場合になりますとますます今いつたところの経営上の困難さが出て来ますので、止むを得ず十五メートルということも考えられる。これは先程申上げましたように、ただ全面において十五メートル以上に持つて行くことによつて、現情勢の下においては漁村圧迫を受ける、そういう場合においては二十七メートルに持つて行つて貰いたい。そうしてできるだけ漁村共同管理権というものを生かして行きたい。半面今度はもつと資金面とか資材面において面倒を見て貰つて地元漁民が実質的に管理できる立場においては十五メートルに持つて行つて差支ないのでないか。要は資金面関係漁村共同管理の問題と、二つの面から考えてその点非常に私も迷つておるのであります。
  7. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 又重ねてお尋ねしますが、漁業権漁業協同組合に、つまり定置漁業権その他の漁業権漁業協同組合免許するが本筋であるという考えを基本としての、只今の御意見でございますか。それとも漁業権漁業協同組合も享有することができるが、他の個人その他の団体も享有することができるというふうに、漁業協同組合もその外のもも平等に考えてのそういう御意見でありますか。
  8. 菅原順平

    公述人菅原順平君) 私は率直に申上げますと、定置漁業権のような接岸地帯における漁業権は全部漁業協同組合に與えて貰いたい。そうしていわゆる定置漁業権性質として與えられておるところの抵当権設定行為のようなものに至るまで、これを與えて貰いたい、そういうふうにお願いしたいのであります。
  9. 青山正一

    青山正一君 いろいろの関係でちよつと遅れまして失礼いたしましたが、一つ菅原公述人に御質問申上げたいと思いますが、この第六條の「主務大臣指定する定着性水産動物を目的とする漁業」について、これは平素からあなたと私も同様な意見を持つておりますのですが、これはどういうふうな反対の理由を平素から持つておられるのか、一つ具体的に細部の御説明を願いたいと思います。
  10. 菅原順平

    公述人菅原順平君) 只今の御質問でありますが、現在岩手県のような実例をとつて申しますと「たこ」のようなものは全部専用漁業権に入つております。そして「めがら」であるとか「そい」であるとか「あいなめ」のようなものも定着性根付魚と称して、これが専用漁業権に入れられておるわけであります。それから「いりこ」の原料になるところの「なまこ」、そういうようなものも殆んどが現在専用漁業権に入つております。こういうようなものは場合によりましてはちよつと沖合に出たところに、根づいておりますがそういうところに定着しておる魚も、私の方では専用漁業の中に入れておるのがあるのであります。そういうようなものは全部今度の共同漁業権によりますと、主務大臣指定を受けなければ第一種共同漁業権に入れることはできない、こういうような行き方は非常に、いわゆる漁民に取つてみると重圧である。私はそれで敢てこの法案について申上げますならば、「主務大臣指定する」という語は削除して貰いたい。そうしてこの定着性水産動物というようなものは、低地の海区漁業調整委員会のようなものができましたならば、その漁業調整委員会が、定宿性水産動物である、こういう判定を下したならば第一種共同漁業権の中に包含してもいいのでないか。今日のような工合になりますと果して主務大臣から指定を受けるという場合には、どういう工合な手続を必要とするのか、私はよく分りませんが、恐らくこれは行政庁の方で技術的に見て定着性水産動物判定する、若しくは法案の中に明記することが困難である。それで多少ともここで時間を稼がして貰つて、後で主務大臣指定で出す、こういうふうにも取られるのでありますが、恐らくはこれはあらゆる方面から、これを定着性水産動物指定して貰いたい、あれを指定して貰いたいというふうに出て来て、初めてこれが出て来るんじやないか。而もその間においてそれらが若し許可漁業対象に置かれて行つて、大部分が若し許可漁業として許可されておるようなことになつたとしましたならば、これは非常にそこに困難を伴いやしないか、場合によつては紛争さえも惹起する。こういう面から持つて行きまして、せめて接岸地帯におるところのこの根魚類、この定着性水産動物というものは地元漁民率意によつて、これが漁民同士判定上つて、第一種共同漁業権に包含されるようにして行つた方がいいんじやないか。こういうところまで敢て主務大臣から指定を受けなければならないかじという、こういう行政上の細かしい技術を設けてまでいざこざをもたらす。我々が考えると、これは一つ零細漁民圧迫手段になると思うので寄ります。そういう面におきましてこれは地元の自主的な管理に移して貰うようにして、「主務大臣指定する」というのは削除して頂きたい、こういう考え方なんであります。
  11. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 次に参ります。山形県の佐藤儀助君。
  12. 佐藤儀助

    公述人佐藤儀助君) 佐藤でございます。前述者の申されたことと重複するかも知れませんが、一応私の意見として申述べたいと思います。  一番目の漁業権制度根本改革につきましては、最も民主的な組織によりまして誕生した漁業協同組合漁業権の全部を付與し、漁業協同組合の強力な運営をなさしめると共に、漁村発展を希うべきものだと考えますが、現在の我が国の国情よりいたしましては、止むを得ないこともあるので、若干の修正を希望いたしまして、漁業法案を呑むしか止むを得ないのでないかというふうに考えるのであります。  次に諮問事項の外に申上げたいことは、今申上げられたことでありますが、第六條第五項の共同漁業内容に「定着性水産動物」とありますが、半ば定着性に欠けるというような魚族磯付き魚族も含めて頂きたい。第三十條の貸付の禁止でありますが、定置漁業権等漁業権は賃貸できるようにされたいと希望いたします。漁業法施行案の第九條、第十六條、漁業権者に対する補償金関係でありますが、償還期間を短縮いたされまして、現在の漁業権者が新たに免許等を受ける場合には一免許料等補償金と相殺できるようにして行きたいというのであります。  次に二番目の定置漁業関係でありますが、山形県におきましては、この問題のように水深十五メートルで結構であります。  次に第三番目でありますが、内水面漁業協同組合漁業権を中心にしなければ経営は至難と考えまして又将来の河川生産力の増強及び管理保護の面から考察いたしまして共同漁業権認むべきことは当然であります。尚御諮問のように、増殖するということを條件にされても差支ないと考えます。  四番目の真珠養殖山形県においては該当ありませんので、申上げません。  五番月の漁業調整委員会についてでありますが、中央漁業調整審議会委員は、第百十三條第三項第一号に漁業者、及び従事者代表十名を、第四項において「主務大臣申出により、内閣総理大臣が命ずる」とありますが、これは地区別委員の数を定められまして、地区別の海区漁業調整委員投票によつて決定されたいと思います。六番目の問題でありますが、第七十五條第一項によります免許料許可料ですが、この第百二十八條、第百二十九條における料金のうち行政費に相当するものを合せて取るということは不当であると考えます。この点は須らく国庫負担として行政費を以て賄うべきであると一応考えます。  以上申述べます。
  13. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御質問がありましたらお願いいたします。御質問がなければ次に移ります。北海道小池清君。
  14. 小池清

    公述人小池清君) 私は今日まで長い間叫ばれて参りました漁村封建性の打破のために、この法案が一日も早く成立することを望んでおります。併しながら今ここに示されておりまするところの案の具体的な内容につきましては、多少の意見があるのであります。第八十五條つたと思うのでございますが、調整委員会の長を委員が互選するという規定がありまして、それはよろしいのでありまするが、次にその互選できない場合は知事が選任するというふうな規定があるように承知しておるのでありますが、このようなことは民主主義的な訓練を国民の全般に対してこれからますます強化して、我が国民主化方向を進めなければならない際において、民選知事は官ではないでありましようけれども、実質的に申しますれば、やはりこのような民の間で処置がつかないから官の方で決めて貰うんだというようなことを法律で決めるということについては非常に疑問を持つております。須らくこれは国会などにおきましていろいろな長を決める場合には、議員同士で選ぶことができないから大臣に決めて貰うなどということは考えられないのと同様にどうしても議が合わないと申しましても強行的に行うならば、お互いの決選投票とか或いは同点の時には年長者とかというような方法で、自主的な選挙の結果によつて長を決めるということができないことはない。やればできるものだと考えまするので、この点はそのような修正を望んでおるのであります。  それからこの順序が逆になつて申訳ありませんが、第二番目の水深十五メートル問題につきましては、北海道の一般的な案としてはこれに対してはあまり申上げることがないようであります。  次に河川とそれから真珠貝の問題については、当然私共の方では申上げることを持つておりません。  次に免許料の問題に移りますが、これはやはり先程来皆さんが仰せられたような工合に、同じような考えを以て、これは行政費を以てやることが妥当ではないかというふうに考えておるのであります。  簡單でありますが、これを以て終ります。
  15. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 小池公述人に対する質問がありましたら……。ありませんでしたら、次に移ります。岡山県永井寛次君。
  16. 永井寛次

    公述人永井寛次君) 第一項の全般的な総合的な立場から見た可否については、可といたします。  従来免許或いは許可について、漁民が一切発言の資格がなかつたという非常に不利な欠点が今回是正されまして、調整委員会制度によつて免許につき、或いは許可につき、漁民がこういうふうな発言権があるというような制度ができましたことを可といたします。  併しながら小さな問題については、いろいろな意見があるのでありますが、先ず共同漁業権内容につきまして私は今回改正されました案が、余り魚種が多過ぎるといふような感じがいたします。例えば第二種のいわゆる小型定置、或いはその中にいかりめ刺網袋待網というようなものが入つて来ております。而もこの説明になりますと、漁業性質団体的規則を不可決とするというようなことが書いてございますが、いかりめ刺網袋待網というようなものが、果して団体的にやらなければできないかと申しますと決してそうでなくて、袋待網心いかりどめというようなものは個々にやれるのでございます。従つてこういうようなものを再び第二種共同漁業権の中に入れますことは、徒らに漁業権内容を複雑にして、折角改正されようとする趣旨が徹底しないのではないか。特に第三種におきまして地こぎ網、船びきなんかが第三種共同漁業権として入つて来るということは、私共は賛成し難いのであります。もう少し徹底的に整理をされまして、画期的な漁業法が本当の意味を持つようにやつて行きたいというように考えます。  尚この外特に希望いたします点は、六十五條の一項に「水産動植物に有害な物の遺棄又は漏せつに関する制限又は禁止」ということになつておりますが、この問題につきましては、従来瀬瀬戸内海におきましてはいろいろな議題を起しております。あらゆる場合に漁民が不利な立場に追いこまれておるので、私は單に規則でこういうものができるという制度でなくて、漁業法としてこの法律の中にこういうようなものを強力に制限して頂きたいというように考えます。  それから第二の定置漁業範囲水深十五メートルの問題は、私はできたらやはり二十七メートル乃至三メートル、先ず二十キロ線を境にいたしまして共同漁業権として認めていただきたいというように考えます。  それから第三番に河川の問題でございますが、これはやはり増殖することを條件にしまして生産力発展管理保護というようなもののために共同漁業権を認めて戴きたい、従つて原案による共同漁業権免許しないということにつきましては否といたします。  第四番目は全く関係のないことでございますから省略いたします。  第五番目の漁業調整委員会のことにつきましては、八十六條の第三項に関連しまして員外理事の場合でも協同組合長選挙されているものは選挙権被選挙権があるような制度にして戴きたいと思います。将来の漁業調整漁業協同組合というものは密接な関係がありまして、員外理事と雖もやはり協同組合発展さす上に選挙権並びに被選挙権を與えて頂きたい。  尚百九條でありますが、これは全部瀬戸内海関係だけであります。この百九條の第二項の第一号即ち瀬戸内海の東部の境界線只今問題になつております。この境界線は絶対に瀬戸内海の業者としては確保しなくてはならない線で、いろいろな希望があり運動があるように聞いておりますし、尚昨日神戸におきましてこの問題が論議されたのでございますが、内海の奥の業者としましてはやはり一つ瀬戸内海保護区域といつてはおかしなわけでありますが、内海の漁業に多分な関係があるので、この線を確保しましてこれから北に改正されないように特にお願いしたいのであります。それからその三項に瀬戸内海連合海区漁業調整委員会制度規定されておりますが、この第一号に委員は、瀬戸内海の区域内に設置された海区漁業調整委員会委員が府県ごとに互選した者がおのおの一人出るようになつております。漁業調整委員会の中では三人の府県知事の選任委員と七名の漁民選挙した委員がおりますが、ここで互選し得る資格の者を七名の漁民選挙した委員だけが瀬戸内海委員を互選する資格がある、つまり府県知事が選任した委員というものは学識経験者或いは公益代表者でありまして、こういう人たちが互選して瀬戸内海委員にまで出る必要はない。第二号に学識経験ある者の中かち主務大臣が四人選任できるのでありますから、府県の海区漁業調整委員会委員が互選する者は、漁民選挙した七名だけが互選し得る資格があるというように改正されるように希望したいのであります。それからその第四項に「海区漁業調整委員会委員は、瀬戸内海連合海区調整委員会委員となつたときは、その職を失う。」ということがございます。この解釈は瀬戸内海委員になつた地元の海区の委員は失格するのだというように解釈するのだろうと思いますが、そうなりますと折角地元選挙した委員地元委員でなくなつたならば困るので、二重になれる制度にするかあるいは瀬戸内海へ出る者を全然別個に選挙するようなことにして、折角出た地元の海区漁業調整委員会委員を失格しないような制度に変えて戴きたい、かように考えます。  尚この委員会の全般についてでありますが一般的な連合海区漁業調整委員会という制度ができますが、これは府県ごとに或は関係府県の知事の必要によりて連合海区漁業調整委員会ができます。ところが或問題を協議いたしまして決定しますと、これは常設機関でなくて多分解散をするのだろうというように考えておりますが、折角連合海区漁業調整委員会ができまして決めたいろいろなことを、この委員会が解散してしまつたならば誰が跡始末をやつで行くかというような問題であります。海区漁業調整委員会の指示に従わないときはいろいろな服従命令が出せるというような制度になつておりますが、この連合海区漁業調整委員会は協議がまとまると恐らく解散するのではないか、解散しないとこれは年中あるような制度になりますので、恐らく解散するのだろうというように解釈しておきますが、解散してしまつた後万一服従命令なんか出す場合に一体どういう人が跡始末をやつて行くかという疑問があるのであります。もう少し連合海区漁業調整委員会のこういう機構を文字の上ではつきりして頂きたいというように考えます。  それから第六の免許料及び許可料の可否でありますが、これは論ずるまでもなく当然否でありまして、漁業調整委員会費用などを免許料或は許可料をもつて賄うということは以ての外でありまして、折角私共が期待しておる委員会というものが将来うまく運営され或は発展するかどうか、その財源を漁民が出す免許料許可料に持つて行つたならば、到底委員会内容を強化したり拡充するということは、費用の点と見合せて漁民自体が二の足を踏むのじやないか。そうなりますと委員会というものがどうしてもしつかりしないものになるので、恐らく名ばかりの委員会になつて、実際の力はやはり官庁のほうで握つてしまうというようなことになりはしないかという点を心配しまして、こういう点は是非国費を以てやつて頂きたいというように考えるのであります。  それから尚これ以外のことを申上げてもよろしいですか。
  17. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) どうぞ。
  18. 永井寛次

    公述人永井寛次君) 施行法の第十八條の第七條の七の第二項に、瀬戸内海漁業調整事務局を神戸に置くということが出ております。神戸に置くことにつきまして瀬戸内海関係でもいろいろ論議されまして、率直に申上げますと広島が誘致運動をやる、又私共岡山県といたしましても岡山に欲しいという運動をやつて来たのでございます。ところがこれが單に岡山だけの希望であつたとすると私はこの席でこれを申上げることを非常に憚らなくてはならないのでございますが、先般来内海関係者が集まりましていろいろ協議しました結果、單に岡山県ばかりでなぐ四国地方の香川県、徳島県、現在私共瀬戸内海関係のある高知県などがやはり岡山に賛成いたしまして、漁業の輻湊した瀬戸内海に事務局を置く手前、やはりその中心地に置くべきだというような意見にまとまりまして、委員長のお手許まで是非岡山に置いてくれという陳情書が出ておるのでございます。こういうように單に本県だけの希望でなくて、瀬戸内海の最も中央にある香川県も然り、又徳島、高知というような外の県の意見も岡山に賛意を表して来て参つたので、私も敢てこの場所へ法律の改正を是非お願いしたい。そうして内海漁業者の希望している地点へこの事務局を持つて参りまして、複雑した瀬戸内海漁業調整というものを効果的にやつて行きたいということを希望するのであります。全般的に漁業法法律施行が遅れまして、片方では漁業会がまだ依然漁業権を握つておる。而も協同組合は発足しておるにも拘わらず、漁業法は依然としていつ決まるか分らないというので、漁民は誠に困つているような始末でありまして、一日も早くこの漁業法案決定されまして、漁業権の問題を片付け、将来の漁業調整が民主的に行くようにしまして、漁業協同組合と合せて漁村の繁栄へ或いは漁民の生活の安定ということを図りたいと思います。この点を特に希望申上げまして、意見を終ります。
  19. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 永井公述人に対しまして御質問がございましたらお願いします。
  20. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 共同漁業権の漁種が多というふうにちよつと聞きとれたんでございますが、御承知のようにこの共同漁業権専用漁業権プラス特別漁業権がイコール共同漁業権になつているのではなくて、非常に巾が狭くなついておるのであります。そのことに対する不平も私共しばしば聞いておるのでありますが、今の言葉から判断してこのいろいろな漁種を挙げられて、こういうふうに多いことは却つて煩雑になるので、いけないというふうに聞きとつたのでありますが、そこのところ今少し詳しく御説明願いたいと思います。
  21. 永井寛次

    公述人永井寛次君) 只今の私の言葉が少かつたので、如何にも協同組合漁業権は要らないのだと解釈されたら困るのでありますが、それと私が瀬戸内海の一番奥にいるということを十分にお考え願いたいと思います。瀬戸内海の奥におきましては御承知の通り非常に漁業権というものが輻湊じまして、いわゆる働く漁民漁業権を持つていないような例がたくさんございます。そこでいわゆる徳川時代、或いは太閤時代から残りました漁業権というものが瀬戸内海で非常に邪魔をいたしまして、片方に埋立の問題があり漁場が減つて来るというので、瀬戸内海は今非常に漁業権を中心といたしまして、いろいろな紛争を続けております。従つて今回一応漁業権を整備して、働く漁民のために漁業権を植え付けて行こうというお考えならば、却つていかりどめ、刺網とか袋待網というものを漁業権として認めて行くと、やはり従来通り葛藤した漁業権が残つて行くのではないか。そこで実際その地元の働く漁民が必要なものは少しでも多く漁業権として残して行きたいのでありますが、そういう意味共同漁業権内容を、団体的規則によらなければならないものだけは残さなくちやなりませんが、そうでない漁業を残して行くことは却つて紛争を又重ねる原因になるのではないかというように考えるのでございます。
  22. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 外にありませんければ次に移ります。島根県、濱浦乙吉君。
  23. 濱浦乙吉

    公述人(濱浦乙吉君) この度私は水産振興委員会にお招きに興りまして、一漁民として水産島根の声を申上げまするが、私は学校もやりませんし、まあ真の漁民でございまするから、お置き苦しい点はありましようが、今水産島根の実情をお話をいたしまする。  我が島根県といたしましては、百二十海里の裏日本に面した海区でございます。それでこの度百三十個の漁業協同組合が生れまして、それで或る部面におきましては明治初年時代の漁業権利を持ち、又漁業会がありまして、非常な摩擦のあるところもありまするが、是非この百三十個の漁業協同組合にこの権利をあなた方のお力を以ちましてお下げ下さるごとき、私としては特にお願いをする次第でございまする。  つきましてこの二の問題でございまするが、我々は漁業を真に営むものでございまして、十五米とか二十七米とかいうような問題がありまするが、我々の島根県といたしましては、非常にこれから天候が荒れまして、零細漁民といたしましては非常に困難な状態でございまする。主として大きな団体は底曳をやり、又いろんな事業をやつておりまするが、これをどうしても三十米乃至四十米にして貰わねば死活問題になるような状態でございまする。それでこの四十米といいましても、我々の沖には島が二つありまして、その島の蔭を大型定置をやるのでありまする。それでどうしてもこの地先をその島より百五十乃至二百間認めて貰いたいと我々は希望をしておるのでございまするから、どうかこの点をよく委員会の方にお含み下さいまして、我々島根の切望を、これは單に浜田だけの問題ではありません、島根県全体に、あらゆる地域にこの定置というものはあるんでありまするから、私は島根県を代表して来まして、決してその濱田の発展とか何とかいうことは考えておりません。去る八月の十五日に御存じの方もありましようが、戦後始めて八束郡の惠曇で水産大会を開きました。これは県下全体の言葉でございまするから、どうかその点をお含みをお願いしたいと思います。それからこの百三十組合の中に実は河川が四つあるのであります。その四つの河川を、この度できました漁業協同組合で認可を頂いて漁業協同組合になつておるのでありまするから、どうかその河川漁業協同組合をあなた方の方でお認め下さいまして、どうか河川にも漁業権を下賜されることを我々切望する次第でございます。  それでこの四の問題でございまするが、我々の方には何ら関係はありませんが、五の問題で海区漁業調整委員を十名拵えると、成程十名は至当でありましようが、七名は我々の業者の代表、又三名は学識経験者、成程学識経験者がなられてもようございまするが、とにかく一応地元なり県なりの漁民に相談をして、県知事さんとよく相談をされてから、その学識経験者の委員さんを選ばれることを私は切望しておるのでございます。それでなぜかと言えば、今まで往々ありますように、その三名の人がその七人の人の力より莫大な力を持つておる。そうすればいろんな工作をしまして自分の方人権利を呉れとか何とかいうようないろいろなことがありまするから、これは是非我々の代表する漁民に相談をして決められることを私は望んでおります。それからこの第六の問題でございまするが、免許料なり許可料の問題は、我々が戰争後漁業協同組合権利貰つておりまするが、この度の改正によりましてこういうように使用料を出せとか何とかいうようなことがありまするが、我々といたしましてはこの問題は大なる不賛成でありまして、とにかく使用料とか免許料とか、いうようなものは取らないで、政府の方でこれを負担をして貰いまして、とにかく行政費とか何とかいうようなことは、まあ我々が今まで持つておりましたる権利を政府の方へ取上げられたような状態でございまするから、とにかく我々は今度の新たに貰いまする許可を無料で頂いて、その前に持つておりまする、その許可補償金というものは、自分らとしては三十年に貰うとが二十年に貰うとかいうようなことは要りませんから、一応政府の方で御破算を願いまして、新たに貰う許可とか使用料とかいうようなものは、取つて頂かないように我々としては切望しておる次第でございまするから、どうかこの委員会でもその点をお含み下さいまして、強く主張して貰うことを重ねて我々もお願いし、甚だ簡単でございますし無学なものでございまするから後先になりまして……。
  24. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御質問ありませんか。
  25. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 ちよつとお尋ねいたしますが、只今のお話の中に十五米とか二十七米とかいうその水深の問題もあるが、併しその岸を離れて百五十間とか、二百間ぐらい離れた所だということも考えて貰いたいというようなことを言われたんじやないかと思うのでございますが……。
  26. 濱浦乙吉

    公述人(濱浦乙吉君) ええ、そう申したのでございます。
  27. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 そこで重ねてお尋ねしますが、岸から二百間ぐらい離れたところで、島根県の実状としてはあなたの所ではその程度ならば差支ないと、こういうことになりますか。
  28. 濱浦乙吉

    公述人(濱浦乙吉君) それは我々の所には沖に燈台のついた島があります。その燈台が確か定置の所に行きましても、我々より七里ばかり西に行きましても、定置の許可を持つておる所があるのでありますが、そこへ行きましても、その岩より百五十間乃至二百間の所へ許可の何がありまして、そこで仕事をやつてつたのでありますから、我々としましては、そのただの我々の魚市場の近所から二百間でないように、その島を基準にして二百間ぐらいの定置の底曳網を認めて貰いたいいます。
  29. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 分りました。
  30. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 外にありませんければ次に移ります。高知県の細木忠雄君。
  31. 細木忠義

    公述人(細木忠義君) 私は高知県の状況を以ちまして政府案に対する意見なり御希望を申しますので、或いは狭い見解に陷るかも知れませんが、その点は予め御了承願いたいと思います。先ず根本問題でございまするが、私は第一番に漁業権協同組合保有として、且つ賃貸を認めて貰いたいと思うのであります。政府第四次案では漸次漁民要求の協同組合漁業権保有という方向に移行しておりますことは、我我として誠に力強く喜ばしい次第でございます。ただ定置漁業権の場合の自営ということが條件でございます。凡そ定置漁業の自営には大きな三つの悩みがございます。その一つ資金でございます。定置漁業経営いたしますれば相当多額の資金を要するのでございまするが、零細漁民の結合体でありますところの協同組合は、飽くまでも零細漁民の結合体でありまして、資金の裏付のない限り漁業経営はむずかしいのではないかと考えるのであります。  第二は定置漁業は投機的な事業であるという点であります。よく漁業は水ものとか或いは投機的事業であるということを申されますが、その漁業の中でも定置漁業は当るも八罫当らぬも八罫。いわゆる博打仕事であります。この博打仕事に組合基金を葬つてしまつてはならないというのが漁民の偽らざる心境であり且つ悩みとするところであります。  第三番目の問題といたしましては利益の配当の問題でございます。部落漁民の殆んどすべての者が、この半年の定置漁業の漁獲によつて、一年間を食つて行くというのが実情でございます。即ち定置によりまして生計を立てて行くというのがこの実情でございます。これがためにできるだけの利益を配当して参らなければならないが、協同組合自営といたしました場合に一水産業協同組合法の剰余金の配当の規定を適用されると思いますので、この規定漁業自営ということを余り考えていないところの規定であるというように私は考えます。そうしますなれば漁民の満足するところの配当ができないということになりまして、一ケ年食つて行くことが恐らくむずかしくなりはしないかと、こう考えるのであります。  以上三つの大きな悩の下に定置漁業組合の経営というものは困難であり又危險でもあるのであります。自営できない場合にどうなるかということは、いわゆる漁業権が財政的に有力な個人とか会社というものに行つてしまつて零細漁民というものは飽くまでも労働提供者だというような存在に過ぎはしないかいうことを憂えるものであります故に、定置漁業の自営権というものを廃止して貰つて、賃貸を認めて貰うようにお願いしたいのであります。  第二番目の問題といたしましては、政府は二ケ年の短時日をもちまして全面的な整理をすると、こう申されておりまするが、これには相当の無理も行くだろうし、漁民の混乱ということも考えられるのであります。現存漁業会保有のものを全部一定條件を持つておりますところの協同組合に無償で譲渡し、その他個人の持つておるところのもの、或いは漁場の秩序を託すようなもの、そういうものがありましたならばそういうものだけを新免許方針に則うて整理して行く、こういう方法をとりましたならば補償金も大巾に削減されるであろうし、又その金額も三分の一くらいの低額で済みはしないか、こう考えまする故に、全面的な取消というものを止めて、一部的な再配分ということにして貰いたいのであります。第三番号には本法案には許可漁業についての規定がないようでございまするが、私は許可につきましてもこれを設けて貰いたいと思うものであります。なかんずく機船底曳網漁業は本来ならば全廃の運命にあるべきであるが、戰時の臨時措置令によりまして存命するのみか、現在では戦前以上の数になつておる現状でございます。ために禁止区域への侵漁となり沿岸漁民の相剋摩擦が絶えないのでございます。我々高知県ではこれを海のギャングと申しておりまするが、沿岸漁民の敵でありますところの底曳は、この際に徹底的整理を断行して貰いたいのであります。ために漁業法におきまして遠洋漁業同様の規定を設けまして、ことに操業海区の意見を尊重して貰うようにお願いしたいと思います。  第四番目は補償金の現金拂と支拂期間の短縮についてでございます。補償金は政府発行の漁業権証券で年々償還して行く一方、免許料許可料という。ものは、現金拂とするのは不合理極まるものであります。補償金は現金拂にして而も短期間で交付するようにして貰いたいのであります。而もその証券たるや、担保とするにも金融の途のつかないいわゆる経済価値の殆んどないところの紙切れ同様のものだということを聞くのでありますが、この証券を担保として漁民資金を與え早速に漁業生産に役立たせしめるように、現金化の措置を講じて貰いたいと思うものであります。総合的な意見は以上といたしまして、第二番目の定置漁業範囲水深十五メートルの可否でございます。  高知県の場合、十五メートル以上で適正であると思うのであります。十五メートル以上でございましたならば、高知県の場合を見ますと四級漁場以上が殆んど入つております。若しここにあります二十七メートル、三十メートル以上にされました場合、それらが例えば猪口網等が共同漁業になるのでありますが、これらは独立した権利として保護してやる必要があると思うのでありますが、沿岸十五メートルに賛成するものであります。  三、四は省略いたしまして、第五番目の漁業調整委員会についての意見でございまするが一県単位の漁業調整委員会というものは常置して貰いたいのであります。委員も海区委員選挙によつて臨時的に作るのでなくて、別個に委員も構成し、当該府県の実情に即したところの、水産の根本方針と申しましようか、そういうものを知事に上申し要請する。その他海区の漁業調整委員会に指示するところの権限も與えて貰いたい、こう考えるものであります。又委員会には、専門委員を必ず置くようにして貰いたいと思います。特に定置漁業についてこの必要性を痛感するものであります。  最後に免許料許可料の問題でございまするが、本制度改革の狙いが、漁民への漁場開放であることを立案者は唱えておりますが、免許料を毎年々々徴收するということは、真の意味漁民解放ではなく、漁場の国家管理である、こう言えると思うのであります。本料金徴收の理由としましては、超過利潤の一部徴収ということを言つておりまするが、漁業の不安定は、必ずしも利潤を生ずるものではないのであります。さなくとも漁民には、税金なり資材面なり資金面なりその他あらゆる面において、幾多の困難と重圧を蒙つておるのでございます。それらの面にも、これらの困難なる重圧というものを排除して漁民救済の一策を講じることこそ、漁民の経済的地位を向上せしめ且つ漁業生産力の増強を図るゆえんでありますと考えるのでありますが故に、無料免許を断行して貰いたいのであります。若し取るといたしましても、免許当初或いは許可当初一回だけにして貰いたい、こういうように希求するものであります。殊に委員会等の経費、即ち行政費をこの免許料によつて賄うということは、一般国費のためにすでに重圧を蒙つており、我々漁民といたしまして尚一層経済的負担を過重せしめるものでありますが故に、又一方農地改革にありますところの農地改革費というものは、一般行政費から出ておるということを聞くのでございまするが、ひとり漁民にのみかかる過重なる負担を強いるということは、我々漁民の絶対に納得し得ないところでございまして、免許料等行政費に充当するがごときは絶対に反対するものであります。  以上申上げましたが最後に、漁業権と臨時措置令によりまして漁業権が凍結を蒙つて、新漁場開拓に関しましても十分なる免許をして貰えないというところがございますが協同組合も新らしく発足しまして漁業権の帰属がどうなるかということを案じておる現状でございまするので、一日も早く新漁業法を公布施行されるようにお願いいたしまして、私の意見を終わります。
  32. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御質問ありませんか。
  33. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 すべての漁業権協同組合に共有せしめ、そうして賃貸借を認めるという明確なる線をお示し頂いたのでありますが、私はこのことについていろいろ考えさせられておる点もあるのであり申す。あなたの方の県における現在の定置漁業の共有者は、組合とその他の場合との共有の比率は、どういうふうになつておりますか。  それから合わして漁業権の行使者はどういう人であるか。漁業協同組合漁業権を持つておる場合における漁業権の行使者はどういう人であるかということをお尋ねしたいと思います。
  34. 細木忠義

    公述人(細木忠義君) お答えします。高知県の場合、私も細かい数字は記憶しておりませんが、定置漁業の九割七分通りは組合有でございます。それからその行使方法でございますが、協同組合漁業会、漁業組合でも同じでありまするが、外廓組織といたしまして大式組合を組織いたしております。大式組合員は即漁業会員であり、漁業組合員でも同じでありまするが、大式組合によつて維持し、権利漁業組合が持つておるわけであります。
  35. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御質問ありませんければ、次に移ります。福岡県古賀榮吉君。
  36. 古賀榮吉

    公述人(古賀榮吉君) 漁業法案に対しこの根本の意見といたしまして、つまり今まで日本の漁村というものは非常な封建的で排他的の思想が強かつたのであります。これに対して今度の法案の敏正は一大革新であり、一日も早くこの実現を切望して止まないものであります。総合的な立場から見まして私は非常にこれは賛成でございます。漁業権の根本的改革の問題につきましては、大局的に見て非常に民主的でありよいことと思いますが、海区とか或いは又選挙民においては、これを普偏的に打合せをして、何か特別な法が必要じやないかと思うのでありまして、殊に有明海のごときは四県が入り混つて漁業をやつて関係上、且つ又湖水みたいの狭いところである、それがために魚介を獲るという方よりも、根本的となるのは、これの繁殖保護方法を講じるというのが、大体の狙いにならねば増産はできんのであります。四県漁民が協調をいたしまして繁殖保護を図つて、初めて増産ができ漁民の幸福もなると考えるのであります。一般的の海区のようなところから除外しまして、瀬戸内海同様の調整事務局でも設けて頂いて、是非その繁殖保護を講じ漁民の福祉に副うようにお願いする次第であります。   二番目の定置漁業につきましては、十五メートルというのは大型定置の問題であろうと思いますが、私の方は殊に有明海はひび竹を立てて、有明海では羽瀬というものがありまして、水深が有明海ではみな浅いのでございまして、十五メートルというようなところに定置漁業を置いてあるのは一つもりません。殊に潮の干満が十八尺程ありまして現在やつておりますのが満潮時に十メートルぐらいから七メートルぐらいまででありまして、これは小型定置漁業として共同漁業権内にやらせると言いますれば、つまり沖合に非常に離れてもそういう浅いところばかりでありまして、或いは共同漁業権の設定がその線まで行けるかということになりますと、それが定置共同漁業権小型定置としても入らず、大型の方にも入らん、こういうふうになりやせんかと思います。この点特に有明海の羽瀬というやつは何らかの方法で認めて頂くわけには行きませんでしようが、これを希望するのであります。  三、四は意見ございません。  漁業調整委員会につきまして、第八十二條乃至第百十九條に規定してありまする委員会の機構権限でございますが八十二條の「連合海区漁業調整委員は、瀬戸内海連合海区漁業調整委員会を除き」とありますのを、これを以下調整委員の方に、非常に瀬戸内海の特法が設けられているようでありますが、これを「瀬戸内海及び有明海の調整委員」というようにしで頂きたいのでございます。それから委員会の構成につきまして、その適格性を一ケ年に九十日以上漁船を使用する漁業を営んでいる者に認めてあるのでありまして、委員被選挙権なり選挙権を有するとありますが、これにつきまして、私は我が国漁業を大別して二つに分けて考えた場合、つまり遠洋漁業沿岸漁業とこうなつた場合に、これを沿岸も遠洋もこの適格性から行きますと、調整委員になる資格とか選挙する資格とかできて来ますが、若し遠洋漁業者であつて沿岸漁業の調整に当る、或いは沿岸漁業者であつて遠洋の調整に当るというようなことになりますれば、そこに非常な混乱を来たしはせんか。それで沿岸漁業の場合は沿岸海区には、つまり沿岸漁業者から選出した調整委員を置く、こういうふうにして頂ければ結構だろうと思います。特にこの点は沿岸と遠洋がこんがらがつて非常に問題を起すようなことがありはせんかと思うのであります。この点特に切望する次第であります。  六番目の漁業権の補償問題でございますが、これはつまり政府から補償して頂いて、これを又免許料許可料に入つておる、それよりもいつそ補償金はなしに、免許許可についてもこれを今度は無條件でやつて貰うというように希望するものであります。
  37. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御質疑はありませんか。御質疑がございませんければ、大体午前の口述はこれで終りたいと思いますが、ちよつと委員各位に伺いたいと思いますが、三重県の真珠業者代表の堀口初三郎君が御病気のために出席できない、それで是非片山一男君を代理として採用して貰いたいという陳情がありますが、片山君をこれの代理として公述して頂くことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ないと認めまして、片山一男君を堀口初三郎君の代理として公述をお願いいたします。如何いたしましよう。十二時になりましたが、一時休憩して……。
  39. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 これは皆様御承知のように、参議院としては本日は誠に困難な問題が沢山輻輳いたしておるのでありまして、私共としては多分にそちらの方に気もとられておる点もあります。といつて本公聴会は極めて重要な会議でありまして、私共その点においては熱心に皆様の御公述を承つておるのでありますが、あと二三名のところで終るのでありますから、この方々の公述を私共の方で今少し辛抱して承わることによつて、大変時間的にここにゆとりができて来て、大変都合がいいというような勝手な希望を持つておるのでありますが、併し本日は何といつて公述人の方の御希望というものが非常に重要なんでありますので、勝手なことは申されんわけでありまするが、私個人としてはそういつたような気持を持つているということを以て皆様にお諮りを願いたいと思います。
  40. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) もうお三人でございますが一時間ぐらいかかりますが。
  41. 青山正一

    青山正一君 外の方にもやはり約束というものがあるだろうと思いますから、今一人やつて頂いてそうして時間が十一時二十分ぐらいで終るだろうと思いますから、それから三十分なり四十分なり休憩して、御飯を召上つて頂くとか或いはその方が頂いてずつと公述を続けていくとか、その点は委員長において適宜にお諮り願いたいと思います。
  42. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) もう一人午前中におやり願うことに御異議ございませんか。
  43. 尾形六郎兵衞

    ○尾形六郎兵衞君 やはりやるならばずつとやつて頂いた方がいいでしよう。
  44. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 全部やれば一時間ぐらいかかる。
  45. 千田正

    ○千田正君 委員長の最初の提案通りやられたらどうですか。
  46. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは午前中はこれで一先ず休憩いたしまして、正一時から開会いたしたいと思います。成るべく正一時に委員各位もお越し願いたいと思います。それでは一時休憩いたします。    午前十時五十八分休憩    —————・—————    午後一時二十一分開会
  47. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 午前に引続き会議を開きます。長崎県の松永健哉君。
  48. 松永健哉

    公述人(松永健哉君) この法案を拝見いたしまして私共働く漁民立場から非常にいろいろな希望があるわけであります。只今たびたび言われておりますような漁業権協同組合に渡して貰いたい、少くとも共同漁業権を拡げて貰いたい。又これは協同組合法なんかとも関連しますが、幾ら漁業権を貰いましても資金資材の裏付けもないようなことでは結局無意味になりますので、そういう面もやはり考慮して欲しいと思うのであります。又殊に共同漁業権から浮魚をはずしておるというような問題は、私共の漁村の実情を考えると非常にいろいろの問題が起つてくると思うのであります。又調整委員もやはり村にも置いて貰いたいとも思うのであります。漁民はなかなか海区となりますと関心が薄い、自分の村の調整委員となりますと非常に利害がはつきりしておりますので、やはり村からもんで行つて、そして上の方へ行く、そういうふうな点も欲しいと思うのであります。それから沖合漁業のあぐりとかそれから遠海の底曳、こういうふうな問題、日本の漁業法と銘打ちながら漁業のむしろ大宗であるところの、そういうふうな問題を殆んど含んでいないこの法律というものに非常に不満を持つ者であります。実際漁業権とからんでこのあぐり、底曳なんかの問題は或いは沿岸を荒らし、或いは集魚燈の問題とからんで非常に大変な問題を起しております。沿岸漁民と底曳と血の雨を降らすようなことも私たちの間にたびたび起るのであります。ですからやはり漁業法というからにはそういうふうなものを含んでやはり作つて貰いたいという希望を持つのであります。  又許可料の問題、これなんかも私共から見れば当然無償で取扱う、無償で許可して貰いたいといろいろ思うのであります。併しながらそういうふうな法案の中に盛るべきいろいろな問題を検討して行きますときに、この法案の根柢に横たわつているものにどうしてもぶつかつて来るのであります。と言いますのは、この法律ばかりでなく終戰後のいろいろな法律が大部分そうでありますが、この中には大前提といたしまして生産の増大ということとそうして漁業漁村民主化という二大目標を掲げておりますが、これが立案者の頭の中で又これをああする、こうする、議員の皆様方の頭の中でこの二つの大きな目標が矛盾しておる、二つの矛盾が概念として捕えられておるというところに、この法案のいろいろな細かい問題にまで、これが又第一次案から第四次案に変つて来たという経緯がそこにあると思うのであります。このことは決して私のただ憶測というようなものでなくして、現に水産庁の飯山長官が衆議院だつたと思いますが、委員会がわざわざ速記を止めさせて、民主化と増産とは決して一致するものではないということを明言していらつしやる、こういうふうな頭でこの法律を立案されたのでは、ますますこれは改悪されて行くと思うのであります。ところが実際は決して私共働く者の立場というそうした一方的な立場からではなくして、これは皆様方漁業に実際当られておる方々はよく承認して頂けると思うのでありますが、民主化を徹底させることこそが実は増産を徹底させることなんです。今日増産を妨げておるものは漁業漁村の非民主主義なんです。ですからこの二つの目的というものは決して矛盾するものではなく、漁村漁業の民主主義を徹底させることによつて増産がむしろおのずから起つて来るという観点に、私はやはり立つて頂きたいと思うのであります。例えばいろいろの禁漁の問題があります。やつてはならないいろいろな漁業規則がある、ところがこれを実際はいろいろ法規を破つてやる。ところがこういう問題もやはり民主化がなされてないから、幾ら厳重に取締りましても、漁民自身の自発的な、自分の漁場を枯渇させることに対する民主的の組織というものがないものだからそういうことが起つて来るのです。私共のところでも漁民自身もいろいろな増産についての考えは持つておる。ところがそういうふうなものを実際に生産に活かすという機会は殆んどない。もう彼等は非常に悪條件の下で如何にしてずるく立廻るか、例えば買付け「ぶり」のかたまりを船の底に隠して持つて来る、そうしなければやつて行けない。私の所なんかは「いわし」が化物のように取れて困つている。それで漁師は近頃適当に取ることをやつております。余り取ると値が安くなる。こういうことは一漁村漁業民主化だけじやありませんが、やはり民主主義の不徹底にそういうこともやはり原因していると思う。或いは技術の非公開、非常に優れた技術を隠し合つている。こういうこともやはり非民主的の漁村と漁場から生れて来ている。増産の隘路となつている。  それで私としましては、いろいろのそうしたこの細かい條文の中の内容、それについては先程申上げた通り、或いはそれ以外にもまだまだいろいろの希望がありますが、ここでただ一つ私は是非この法案に盛つていただいて、それさえ盛つて頂ければこのままでも、或いは現行法でも活し方はある。幾らこの法案を立派に作りましても第一これは漁民は読みやしません。読んで理解できません。それがどういう実情かということは、漁業協同組合法が、あの法律の実施状況をお分りの方はよくお分りの筈であります。分りません。漁師は時間もなければそういう教養もない。申請書を一つ書く能力もありません。確か明治八年だつたと思いますが、大体これと同じようなことを太政官布告でやつたことがあります。国家で漁業権を取上げる、そうして力のあるものに配つたことがあります。これは一年間でやめてしまいましたけれども、そのときに大きな定置なんかの漁業権というものは県会議員、後の県会議員その頃のつまりボスが自分達の持つている智恵や陰謀で取つた漁業権というものが非常に多い、それと同じことが私はやはりなされると思う。それで私が是非ここに盛り込んで頂きたいと思いますのは、例えばこの中でも優先順位を規定した中に労働條件というのがあります。これは文字だけあつて内容がない。一体労働條件というものをどういうふうに考えられるか、この問題に私は内容を持たせることによつて十分できると思うのであります。一口でいいますと、この沿岸漁民の組織、漁民組合と普通なされておりますこの沿岸漁民の組織を何らかの形で法制化して頂きたいと思うのであります。この点がなされましたならば、私は組織を作らせてそうして教育して行く、今漁村に行かれまして、皆さん方が漁民を集めましても、二十人の漁民を集めようとしても大変だ、組織がない、ばらばらだ、この漁民組合を労働組合もそうですが、これも一般労働法は非常に不確実で、漁民に対しては困つておりますが、併しながら沿岸漁民は全然ない、全くの任意組合になつております。これを丁度極東委員会が農民に対しても漁民組合に対しても、労働組合的な組織を勧告しておりますように、是非この問題を何らかの形で入れて頂きたいと思います。それは労働條件内容というような形でもよいと思うのであります。そうすればその教育された自分達で作つているその団体の力で彼らは自覚し、そうして闘いとるべきところは闘いとつて行くであろうと思うのであります。それから條文の直接の問題としましては委員、調整委員、これが生命だと思うのです。この調整委員内容を是非これも、この農地の場合と同じように、勤労漁民、労働者漁民、これが小作に当つております、それから自営漁民これがいわば自作、それから資本家代表私はこの三者、各層から選んで頂きたいと思うのです。そうしませんと、絶対これはできません。漁民から選ばれておりながら、その内容がどんなものか御覧になれば分る。是非これを各層から選んで頂きたい。数は萩はもつと多くして頂きたいと思うのであります。各層から五名くらい選んで頂きたい。そして学識経験者これも是非選挙して頂きたい。やはり官僚の支配というものをこういう形で入れると非常にまずいと思う。  それから委員には経済的な裏付けをして頂きたいと思う。いくら漁民代表が出ましても、それで飯は食つて行けない。今の教育委員なんかと同じように結局暇のある隠居仕事でこれをやるということになりますと、本当にやはり代表というものはそれに専念できません。是非どうにか食つて行くだけの基礎というものはこれを是非保障して貰いたいと思うのであります。まあこの二つ、実際の基礎としての沿岸零細漁民だけの組織、やはり漁民組合を何かの形で法律としてこの中に盛り込んで頂きたいということを、この法案の中心であるところの漁業調整委員会只今申上げましたような内容選挙方法などを一つ書いて頂きたい。以上でございます。
  49. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 何か御質問はありませんか。(「進行」と呼ぶ者あり)
  50. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御質問がありませんようですから次に移ります。島根県齋藤顯三君。
  51. 斎藤顕三

    公述人(斎藤顕三君) 今回り漁業法改正に当りましては、水産庁初め参議院の皆様方には特に河川漁業に対しましても終始お骨折願いましたことを厚くお礼申上げて置きます。尚その他関係者のお方にも非常に御迷惑をかけましたことを恐縮に存じております。私は各位からいろいろ御説明がありましたので、一、二省略さして頂きまして河川関係にあります関係上、河川の方でちよつと私の意見を申上げまして御静聴を煩わしたいと考えております。  河川におきましては区画漁業権以外を認めないということは適正でないと考えます。全国の河川を一律にみなすことは妥当でありませんけれども、河川の実情によつて特異性がありますので、従つて降雨ごとにつまり出水の都度、魚族というものは移動棲息しておるのでありまして、適当なる位置を求めて成長し、且つ又出水によつて棲息を平均ならしめるものでありまして、故に魚族を区画してこれを採捕し管理するということは、魚族の成長を害するものでありまして、滑川関係町村の実情から推しましても、要するに地理的からいたしまして河川の、或いは町村の境界が、左岸はA村右岸はB村であるという状態になつております関係上、或る町村においては非常に有利にできておるが、又その半面或る町村においては非常に不利な町村ができる。併しこれは町村自治の上にも又漁民といたしましても、上下流の対立、或いは漁法によりましてはその統数制限り融和のとれない点が出て来るわけであります。特に條件のいい急流においては御承知のように、各地に水力発電所が設置されておるのでありまして、この水力発電所の設置の河川にありましては、要するに発電所の設置で、つまり被害地先の漁民といたしましては、非常に今日高津川におきましては、窮乏が甚だしい状況になつておるのであります。従いまして、高津川といたしましては、現在の実情から申上げますなれば、これが対策といたしましては、各出張所を四つ持つておりますが、本社、並びに出張所ごとに漁民の宿泊施設を設置いたしまして、そうして漁業に従事させておるわけであります。而も又敗戦後におきまして帰還された専業者の方があり、又出征された後におきまして、その他の漁民許可を受けております関係上どうしても員数的に多くなつておる。併しながら魚獲続数を三百五十統以内となつて制限されておる。これらの点におきましても、どうしてもこれは交代制の漁業経営が必要になつて来ましたので、統数は事実個人的には殖えておりますけれども、実際問題としては漁業を営む関係におきましては、そういうふうにお互いに遠慮し合つてそうしてさし網のごとき操業状態をやつておるわけであります。これを理論的に伸しましても、或いはその朝その晩の漁獲を実状によつて共同で分けるというようにしているので一区別することは以上の事情より推して、さし網、竿掛けにしても、理由は同じでありますので妥当でなく、若し現行法のままで置くならば、乱獲、違法漁法を余儀なくし、増殖、生産、保護管理は到底不能であるということを私は信じておるのであります。  その次には協同組合共同漁業権を與えて頂きたいということにつきましては、生産力の増強と管理保護を図るためには共同漁業権を認めて貰うべきであり、農山村の栄養の補給と沿川経済の助長のために、各河川の特質性を活かして頂きまして、当然増殖することを條件として、これに與えて貰いたいということを深く考えておるわけであります。申すまでもありませんが、我が国の国土は非常に狭小でありまして、どうしても我が国にあつては、農、林、水一体となつて、最高度の研究、利用をすることが望ましいのであります。特に河川の場合は非常に皆さん御承知のごとく、水産のレベルから全体的に見まして非常に遅れておる感があります。只今のところではこの河川を大別して見まするに、漁業権を持つて一定の條件を備えて或る程度までは進出しておる河川と、又能力は持ちながら放任されておる河川と、又漁業権を持つていながらも実績の上らない河川、大体の三つに大別することができると思うのであります。今次の漁業法改革こそは真に農民の農地改革と等しく、最も我が国民主化の点から申上げましても、緊急を要する重大問題でありまして、現在実際問題といたしまして漁民の最も関心を持つておるところであります。私は今日の席上を拝借しまして最も河川漁民の要望を代表いたしまして、御承知のように島根県には高津川を始め江川、三隅川、周布川、神戸川は、いずれも今回の協同組合の発足に当りましても、協同組合が設立されておるのであります。又高津川といたしましては{過去三十年の歴史を持つております関係上、島根県下におきまするところの各河川も私の方に見習いまして、協同組合の在り方も相当進んで来ておるわけであります。従いまして、高津川といたしましては、この漁業法案につきまして各沼川町村を巡回いたしまして、各上、下流のいずれを問わず漁民意見を総合いたしまして…どうしても御承知のように我が高津川においては一高津川において喰つて行くという漁民が三百人以上ありますし、漁業、林業共に経営しまして事業的にやつておるものが七十ばかりあります。高津川を基盤として立つている者が千人余りありますので、どうしてもこの漁業権は農民の農地の自由を認められておるものと等しいので、河川に絶対に共同漁業権を與えて貰いたいというのが、高津川全体の漁民意見でありまして、又県下各河川漁業者意見といたしまして妥当なものでありますので、どうしてもこの共同漁業権を我々に與えて頂きたいという要望なんであります。高津川におきましては、大正年間から昭和十二年までは高津川水産会とか或いはその他の名目でいろいろこの発展のためには力が注がれて来たのでありますが、実際問題といたしましては、大事なこの販売の点におきまして、仲買商人にどうしても圧迫されまして、その清算金のごときに至りましても、非常に漁業者の現実受ける収入というものは微々たるものでありまして、従いまして経済的に実に貧困な状態で生活をして来たのであります。それがずつと続いて参りまして、そうしてこの最近と申上げましても、大正九年以来どうしてもこれはいけないというので、漁民の奮起するところとなりまして、河川の秩序を保つ上に、要するに管理する上に、或は増殖の上に、生産の上に非常に痛切に不利なことを感じまして、そうして昭和十三年に漁業権を返して頂きまして、今日に至つておるわけなんであります。その間におきまして非常に区々まちまちの意見もあり、上、下流の対立がありましたが、続々と漁業権の要望がありました。併しながらこれは何と申上げても、法は別といたしまして、漁民みずからの手において、本当に沿川漁民の責任においてこれをなさなければ立派な法ができ上つても駄目なのでありまして、これは高津川の過去の歴史を辿つて見ますと私は当然のことと信じておるわけであります。  そこで私は政府におかれましても、今後の内水面漁業発展のためには、どうしてもこの漁民の団結力をますます強固ならしめて貰いまして、政府におかれても、国の産業計画の一つに織込んで予算を計上して頂きまして、各河川に適合したところの増殖事業を指導奨励をして頂きまして、そうして沿川漁民みずからの共同の責任において開発せしめ、河川、湖沼いずれも荒廃並びに遊休水面の合理的発展を期すべきが、今次民主的漁業法の改正の真に意義ある目的が達せられるものと思考するものであります。従つて沿川も実情に応じた協同組合を組織するように奨励して頂きたい。そうしてこれに対するところの河川に適合したところの共同漁業権を與えるべき、又與えて頂きたいということを要望するのであります。  実際問題といたしまして、漁業協同組合の力でないと事業ができないということは、高津川におきましても、販売施設、購売施設、或いは造船施設、或いは増殖施設、漁法と漁業秩序、管理、共同利用施設、組織と向上研究会というようなものは、これを具体的に、作つて今日以て進んで来ておるのでありますが、実際問題といたしまして、お互いの自己の力において共同出資で、どうしても資金というものがないと事業の計画がやれませんので、どうしても協同組合の必要を痛感して参つておるわけであります。今次の私共の協同組合の発足に当りましても、漁民みずからにおきまして、今度は資本金も大体高津川の出資は、出資金百万円と借入金百五十万円で新発足をすることになつてつておるわけでありますが、併しながらこれに関連いたしまして、どうしても根本的なこの只今申上げました施設を遂行して行きます関係におきましては政府におかれまして漁業権を持つておられまして、そうして末端におきましては旧来の施設は破壊状態になるわけでありまして、一定の條件を備えて、共同漁業権河川についてはより以上一つこれを助長して頂きたいということを要望するものであります。大へん駄弁を弄しましたが以上申上げまして、是非とも河川には共同漁業権並びに今日の協同組合に対しては共同漁業権を與えて頂きたいということをお願いいたしたいものであります。大へん駄弁を弄しまして……。(「質問なし」と呼ぶ者あり)
  52. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御質問ありませんか。ありませんければ次に移ります。三重県片山一男君。
  53. 片山一男

    公述人(片山一男君) 只今国会に御上程中の漁業法改正法案中の、真珠業者に対する区画漁業権免許の問題に関しまして、私共真珠業を経営してお力まする立場から、その意見を述べまする機会を與えられましたことに対して、誠に感謝する次第であります。  私は只今公聴会の問題となつておりまする、第四項と第五項に関してのみ意見を申述べたいと思いまするが、この第四項の真珠養殖免許が、ひび建養殖やかき養殖等と別個に適格性に優先順位を規定しているが、この点がどうかという問題でありまするが、これは私は、法第十九條第二項に定められておりまするところの原案、即ち業者並びに経験ある者に優先的にその免許権を附與するということが、一今日の養殖事業を経営しておりまする者から考えまするとぎ、又今後の国家の真珠に対する施策を考えまするときに、最も適正妥当である、こう考えておるのであります。そこで真珠の養殖に対する区画漁業権が真珠業者に免許せられることに仮に相成つたといたしましたときに、もう一つここにお願を申上げたい問題が残つておりまするが、この養殖真珠業というものは、大体海中に吊り下げて養殖をいたしておるのでありまして、ただ吊り下げるだけの許可を得たのでは作業の過程においてどうしても海底の一部が絶対に必要なのであります。そこで共同漁業権者との摩擦を避ける意味においてこの真珠区画漁業権者に漁業権の下付がありまするときに、吊り下げ養殖のみを許されることと、工場附近の一区画を限つて、特に海底の一部の使用を許すというようなことの扱いが、施行細則か何かによつて扱われるようにお考えを願つておくことが、この法案が通過後において共同漁業者と真珠免許者の間に紛糾が起きなくていいと、こう考えております。で、この点を特にお願い申上げておきたいのであります。そこでその免許を與えるのが最も適正妥当であるという理由について申述べたいと思うのでありまするが、第一に、真珠養殖業者は、従来も又現在におきましても、漁業権漁業協同組合から賃貸いたしまして下そうして事業を行なつて来ておつたのでありまして、従つてこの賃貸期限が更新される、こういうような場合には、私共の事業というものは漁業協同組合に死活の権があつたわけでありまして、従つてこの真珠業というものそれ自体が実に弱い立場になる。そうして非常に基礎が不安定である。そういう関係から、経営して参りますにも根本的な施策或いは施設、経営ができなかつた従つて真珠業は金融業者のいわゆる金融面対象になつていなかつた。こういう工合で、これらの経営をして参ります上において多大な幾多の困難があつたのでありまするが、従つてこれらに対することが今日の法案によつて許可されるならば、除去せられて、そうして今日のこの不安状態を取除くことができ、従つて今日の日本の真珠業の基礎というものが確立せられて来ると確信するのであります。我が国真珠養殖業という心のは、世界のいずれの国にも真珠はできるのでありまするけれども、産業的に、企業的に経営が成立つのはただ日本だけであるのでありまするかち、この日本の養殖真珠業というものは、いわゆる世界の国のいずれにもできないところの、我が日本国の独自の産業である、こう申して差支ないのでありまして、この法案が通過いたしまして、真珠業者に区画漁業権免許が許されるならば、ますます真珠業は発展し得るということを私は期待する者であります。  戰前は真珠業者の一番多かつた時分は昭和十六年頃でありまして、三百七、八十名の業者があつたのでありまするが、その当時の一番生産高の多かつたのは真珠の原珠の生産量が三千貫乃至三千三百貫程度あつたのであります一これを今日の真珠の値段から計算いたして見ますると、大体五十億円に達するのでありまして、日本中の養殖業者が三百六十軒といたしまして、それに大体の従業する者が平均十五名乃至二十名と仮定いたしましても、漸くまあ五千人ばかりの労働者でありまし光。その者が一年間の成績において五十億円の生産を上げて而も外貨の獲得にそれがなるとするならば、今日の日本のいずれの産業よりも一人当りの稼働率というものは、大変なものであろうと私は考えるのであります。こういう意味から考えましても真珠は最も必要な産業でありますが、丁度支那事変の当時から順次縮小せられまして、太平洋戰争時分には真珠を禁止されておりました。やや学用真珠の一部のみが許されておつたのでありますが、終戰以来順次復活いたしまして、今日は約三百名の業者が復活しておるのであります。そうして二十一年頃から従来の手持しておつた少量の真珠と以後に生産いたしました少量の真珠とを以て取敢ずCPO等に納めておりましたが、昨年の十二月から業者みずからが貿易を許されました結果、昨年の十二月から今年の九月までにはすでに十三億の真珠が輸出せられておるのであります。これを昭和十三年頃の先に申上げました三千貫程度のものを作るといたしまするならば、今後の業者の努力は勿論でありまするが、国家といたしましても最大限の補助育成をして貰つてこの真珠業の発展を期して頂きたいと、かように考えておる者であります。真珠が我が水産業界におけるところの貿易対象の事業としては相当重大なる一事業であるというように私は考えておるのであります。  そこで真珠養殖業は現在の過程においてはどういうことが必要であるかと考えまするときに、先ず第一に技術の優秀ということが最も必要なんであります。養殖技術は一般にすでに知れ亘つて誰でもできるのだ、かように申される方があるのでありまするが、これは一つの見方でありますると同時に、ただ一般的技術のみが公開されておるのでありまし又実際の秘術というものは各業者がそれぞれ温存してなかなか公開していないのでありまして、この技術の優秀なる点が真珠を作つて行く上に最も必要なんでありまして、今後はますますこの技術の研究と学術の研究、実地の養殖等を相総合いたしまして、そうして改良すべき点は改良してますます優良な品物を作つて行かなければならんと考えるのであります。  第二には今日の養殖事業は漸次改良研究せられました結果、製品の優秀なるものを生産いたしますには漁場から漁場、いわゆるAの漁場からBの漁場に移つて養殖いたしませんと優良なるものができないのであります。そこで今日の養殖業者は一漁場ではどうすることもできない、二、三ケ町村に亘る漁場で、而も二、三個の漁場を獲得して置かなかつたならば優良なる真珠を作ることはできない。更に又連等のことを考えますときに自己の養殖場のみではどうすることもできない。これは温い海に冬期におきましては保管せしめねばならない。こういうことを考えますときに真珠業者の区画漁業権を附與いたして頂きます上においても、二、三ケ村の漁場が必要であるということがはつきり申上げられるのであります。  更に又今日の真珠業は、相当多額の資本が要る、このことが最も必要條件であります。而も一貫した計画生産でなければ真珠業というものは成立たない。と申しますのは真珠を養殖いたしまして、採集と同時にこれを加工して行かなければならない。加工いたします一番大きな加工品はネツク・レースであります。これを加工いたしますには、どうしても先端から漸次小さいものを造つて行かなければならん。加工の過程におきましても大変な必要な資金が要つて参りますから、どうしても非常な資金が要るのでありまして、これらの資金が今日の許可に基きまして資金の融通ができるのでありますから、最も必要な事項となつておるのであります。  最近真珠養殖区画漁業権免許当りまして、一部に優先順位の点について、漁業協同組合に優先順位を與えるべきであるという声がありますが、それは真珠養殖の実体を熟知しない人の私は声であると思います。真珠養殖事業はひびの養殖やかきの養殖と同様な事業であると、早合点されておる方々の御意見であろうと思うのでありますが、真珠養殖事業は水面中にその設催を設けておるのでありますが、普通の養殖と違いまして、生きた貝に一つ一つ外科の皮下手術によるような手術をいたしまして、そうしてそれを順次籠の中に納めて養殖しておるのでありまして、これらをやります場合には、どうしても先に申上げました優秀なる技術と、そうして多額の資本とそうして……。
  54. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 片山さん大分時間が過ぎました。
  55. 青山正一

    青山正一君 片山さんの御意見は、この間あなたの方の陳情書を全部各議員に頂いたわけなんで、要するにあなたの方の御意見は、現行法漁業協同組合の方を擁護しておるから困る、今度できる法案自分達を擁護してくれているから、成るたけ今度の法案を通してくれと、こういう意見なんですか。
  56. 片山一男

    公述人(片山一男君) ええ、そうです。
  57. 青山正一

    青山正一君 その意味合で、その陳情書を各委員にみんな読んで頂くというふうにして頂きたいと思います。以上。
  58. 片山一男

    公述人(片山一男君) それじや私はこれで失礼します。
  59. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) これで大体全部終りました。公述の各位は長い間誠に御苦労さんでございました。皆さんの深き体験による御意見委員会として今後の審議に際して、有力なる資料として私共は尊重したい、かように考えております。誠に有難うございました。厚く御札申上げます。  本日はこれを以て散会いたします。    午後二時七分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事           尾形六郎兵衞君            千田  正君    委員            青山 正一君            松下松治郎君            西山 龜七君            田中 信儀君            江熊 哲翁君            矢野 酉雄君   公述人    岩手漁業共同   組合連合会職員  菅原 順平君    山形県漁船保險    組合専務理事  佐藤 儀助君    北海道新聞社社    員       小池  清君    岡山県漁業共同    組合連合会長  永井 寛次君    島根県浜田漁業    協同組合長   濱浦 乙吉君    高知県漁業協同    組合連合会指導    課長      細木 忠義君    福岡県山門郡沖    沖端村漁業協同組    合長      古賀 榮吉君    長崎県漁業労働    組合長     松永 健哉君    島根県高津川漁    業協同組合長  斎藤 顯三君    ミツワ真珠株式    会社社長    片山 一男君