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1949-11-11 第6回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十一日(金曜日)    午後一時二十九分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○証人喚問に関する件 ○水産関係緊急定着援護に関する件 ○未復員者給与法の一部改正に関する  件 ○引揚者に対する失業保險の適用に関  する件 ○引揚者団体社会事業団体と認める  ことに関する件 ○引揚促進大会に関する件 ○授産所に関する件   ―――――――――――――
  2. 千田正

    委員長千田正君) それでは昨日に引続きまして委員会を開催いたします  日程の議案に先立ちまして、本日委員長理事会議で打合せました中共地区引揚者証人喚問につきましての候補者の氏名を申上げます。江島治平金子麟大谷百合子北住君枝石堂清倫江口光夫杉田敏次、この七名の方を喚問して報告を受けることに決定いたしましたから、右御報告申上げます。この証人喚問の日は先般も申上げましたけれども、今月の十八日。  それでは本日の議題になりましたところの緊急定着援護に関する件、未復員者給与法改正案に関する件、失業保險適用に関する件、この三つの題目を掲げまして、すでに公報によつてお知らせ申上げて置きましたが、これからこの問題に入力たいと思います。
  3. 岡元義人

    岡元義人君 今審議に入る前に、先程の証人喚問の件について、一応委員長から、この委員会委員長理事決定の件をお諮りしておいた方が後で問題がないと思います。
  4. 千田正

    委員長千田正君) 只今岡元委員からの提案がありましたが、先程申上げた委員長理事会で決定しました証人方々をこの通りに決定してよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 千田正

    委員長千田正君) 御異議ないと認めまして、左様決定いたします。
  6. 岡元義人

    岡元義人君 水産庁関係はよろしうございますか。
  7. 千田正

    委員長千田正君) 只今ここに見えられておられる、政府方々をお知らせいたします。水産庁からは、資材課長一労働省からは職業安定局失業保険課長厚生省からは、援護庁局長、長が見えておられます。
  8. 岡元義人

    岡元義人君 ではかねてから水産庁と、援護庁とが非常に熱心に水産資材の問題を検討されて今日に至つたのですが、休会中から秋季のいわゆる漁期に何とかして間に合わしてやりたいと、こういうふうなことで、委員会としても取り上げて来られたわけであります。然るにすでに漁期に入つてしまつて、今のこの問題が見通しのつく段階に至りながら解決つかないのであります。そこで非常に我々といたしまして、考えなければならないのは、水産庁解釈と、援護庁厚生省当局との考え方が多少食い違つているということであります。その一つ水産庁の方は、いわゆる厚生省の方がやつてくれることになつたから、厚生省の方でこれを全面的にやるんだ、自分の方はこれには関係がないと、関係する部門は、先に引揚者の枠をば作つてつた、その枠が既存業者に流れた分だけを補填する、これが水産庁の仕事である、このような解釈を取つておるやに見受けられるのです。これが委員会考え方とは非常に食い違つておる、又厚生省の方も、連絡が、どのような連絡水産庁と取られておるか知りませんが、非常に漁期を控えまして、緊急処置をしなければならん問題でありますので、そういう点を勘案した、いわゆる厚生省十分含みを持つた連絡水産庁との間に取られておつたのが、その点を一つ明らかにして頂きますと共に、特に水産庁お願いしておきたいことは、この間集めて頂きました資料に基いて関係方面と折衝の件は、十分に引揚者に間違いなく、途中で頭をはねられたり、或いは横流しをせられたり、そういうことがなくて安全に引揚者の手許に割当の漁網が手に入るということであれば、これは問題はないのだということをばはつきりと言われておるのでありますから、そのための資料等は十分にもう備わつたはずであります。そこで第四四半期割当を目前に控えられで、どのような処置をとろうとしておられるのか、これを十分間かして頂きたいと思います。今私が質問いたしました後の質問と、冒頭に述べましたのと、いわゆる根本的な理念が食い違つておるということになりますと、今の私の一番最後に述べました質問はやや変てこなものになるわけでありますが、委員会といたしましては厚生省厚生省独房立場において、別途の方法でこの問題をばやつて行く。水産庁水産庁自体において、でき得る限カのことをしてくれる、こういう言明に基いておりますので、今のような質問をしておるのでありますから、その点十分お含みになつて一つ御解答が願いたいのです。それから前の、引揚者の枠から既存業者の方に流用されて行つたという分に対しては、どのような方法で以て処置をされるか。特に値段の問題がありますので、いわゆる三四半期、それから調整金の交付が停止ざれた後の価額との調節はどのような方法で以て調節されようとしておられるのか。この点等一つ明らかにして頂きたいのであります。  それから、これは先日水産庁次長から私がはつきりと承つたのでありますが、緊急を要するというのに対しては、全面的には非常に整備が遅れるので、重点的にその県單位に文書……ちよつと速記を止めで頂きたい。
  9. 千田正

    委員長千田正君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  10. 千田正

    委員長千田正君) 速記を始めて。
  11. 田邊繁雄

    説明員田邊繁雄君) お答えいたします。漁業用資材綿糸配給について現在水産庁がいろいろと引揚者のために配給するようにという点についても考慮されてやつておられますが、これは水産庁において所管しておるのであります。援護庁といたしましては、現在水産庁でやつておられまする漁業用資材配給やり方について、引揚援護立場から申入れをいたしたのであります。それは資材調整事務所が、綿糸需要者に対七で配給する場合には、引揚者の実情を十分勘案の上で配給して頂きたい。その点については民政部とも緊密な連絡をとつてつて頂きたい、こういうお願いをしたのであります。それに基いて水産庁では、各水産事務所長に対しましてその旨を通牒されたはずでございます。尚同時に引揚援護庁といたしましては、水産庁地方に流されましたその写しを添えて民政部通牒したりであります。これは飽くまでも現在水産庁でやつておりまする綿糸漁業用資材配給のやわ方についての我々の希望を申上げたのであります。それから引揚援護庁としては、それから別途に、できれば引揚援護庁立場から援護用の物資として網を、水産庁は別の系統において手に入れて、引揚者希望者配給をしたらどうであろうかという希望の下に、これはできるかできないか分りませんが、関係方面お願いをしたのであります。従いまして現在やつておる水産庁やり方については、飽くまで現実の問題として行き得る、別途の引揚援護庁関係方面お願いしたというのは、これは別個の立場からお願いした、こういうわけです。
  12. 千田正

  13. 石川東吾

    説明員石川東吾君) それでは水産庁関係を申上げます。水産庁引揚者に対する考えは、どこまでも引揚者漁業者として考えるのであつて、そういう意味で、地方資材調整事務所がその割当をやる場合には、漁業者としての引揚者考え資材配給を現在までやり、又今後もやらせるつもりであります。それで何かいろいろ話の行き違いその他で誤解があるようでありますが、要するに水産庁としては、特別に引揚者用別枠を設けることはできないという点が一番問題の焦点じやないかと思うのでありますが、それは水産庁としてはどこまでも漁獲の、漁業生産考えての資材割当だから、漁業者としての資材考えるのである。それ以外に特別に引揚者用の、援護用と申しますか、そういうものの資材水産庁では考えない。こういうことでやつておるわけであります。たまたまいろいろな経過つたのでありますが、当初特に引揚者関係に特別の枠を設けて貰いたいという問題も、これも関係方面申入れましたが、且て実は一度そういうことをやつたのでありますが、それはその当時、今までの経過から見て止むを得ないだろうということで、一度だけ司令部の方で認める、その後は絶対にいかんということであつたのであつて、その後再び同じような、いろいろ事情の変化があるから、もう一度やることを関係方面申入れしたんでありますが、それは絶対にいけないということで、今日に至つておるのであります。従つて水産庁としては引揚者用別枠を設ける点については今のところ全然考えてはおらない。たまたまその後厚生省援護庁の方からお話がありまして、特に厚生省の所管の司令部の方から、いろいろ手続上の申入れをするかどうかという話がありましたが、それは水産庁としては、とにかく全体の枠も足りないから、そういうような手続を進められたことは非常に結構だということで御回答申上げた次第であります。それから先刻お話がありましたような通牒によつて、御依頼のあつた件は、地方資材調整事務所長に対して、引揚者に対する割当に遺憾のないようにという趣旨通牒を渡したと思いました。それからもう一つ、この前の引揚者の枠をつけましたときに、引揚者以外の者に行つておる数量を、それだけを引揚者に戻して貰いたいというお話でありますが、これにつきましてはそのお話のありました直後に、地方資材調整事務所にその旨を通牒いたしました。それは中央におきましては各府県引揚者実態が分りませんので、一応その県の引揚者用の枠を決めましたが、その運用については、若し引揚者向け割当した場合に、余つている場合には、その他のものに割当しても止むを得ない、その場合にはその旨を報書して呉れと、こういうことでやりましたもので、地方資材調整事務所の或いは調査の不行届きからそれ以外のものにも割当てをしたのでありますが、その分だけは後に一つ改めて引揚者に対して割当するようにという通牒を出しております。それから尚一番最後に、私の方の次長お話のありました点については、私はまだ具体的に聞いておりませんので、今のところ私としてはそれについての措置は何も考えておりません。その程度でございます。
  14. 岡元義人

    岡元義人君 今水産庁資材課長お話を承わりますと、私の質問いたしました、厚生省の方は別に厚生省としてやられて、自分の方は別にそれには拘束されずに、従来通り考え方引揚者に対してやらなければならん、これは一般漁業者というような見地に立つて処理して行くんだと、このように解釈してよろしいですか。
  15. 石川東吾

    説明員石川東吾君) そういうことであります。つまり私の方では、援護用ということでなくて、どこまでも漁業生産用である、その見地からして、その中の一部門として引揚者考えて行く、こういうことであります。
  16. 岡元義人

    岡元義人君 これはもう、話は又元へ戻るようなことになりますから、議論は止めますが、一体どうしたら引揚者に渡るようになるか、具体的、にどういう工合にすれば引揚者が貰うようになるか。その点御説明願いたいと思う。それから特別の枠を作つてはいかん、枠を作つてはいけないということをばはつきりと向うが言われておると、こういう御説明のようにお聞きしましたが、私達がお聞きしました範囲では多少食い違つておるように考えるが、向うでは、取敢えずこういうようないろんな間違いが起きておる。それが十分に調査された上で完全に、いわゆる本当に引揚者に渡るということをば考えておるのだから、今すぐここで枠を作るということではなくて、十分に我々のいわゆる立場も考慮して、そして地方民事部からも、ここはこういう工合に必要であるということをばこちらの方に申請させるような処置をとつて呉れとまで言われて来たのです。今の課長お話は大分食い違つて来ておりますが、この点一つ明かにして頂きたいと思います。
  17. 石川東吾

    説明員石川東吾君) 結局この今の漁業資材割当の仕方ですが、これは漁業資材配給規則という規則があつて、それに基いて私の方で割当をしているわけなんでありますが、その割当趣旨はどこまでもその府県資材割当はその府県資材調整事務所に委せると、それで水産庁からはその府県資材調整事務所に大きな枠で出すという原則的な拘束があるわけです。そういう面から言つて或る特定のものに対する紐付をやるということが、現存規則の制定の中の趣旨に加わつてないわけです。そういう見地から只今申上げましたようなことが言えるわけです。尚たまたまその後司令部の方にいろいろ打合せしましたところが、そういう話がありまして、或いはその後に岡元さんの行かれたとき何か別に話があつたかも知れません。少くとも私が行きましたときは、先方の担当官言つておりました。
  18. 岡元義人

    岡元義人君 ちよつと速記を止めて下さい。
  19. 千田正

    委員長千田正君) 速記を止めて。    〔速記中止
  20. 千田正

    委員長千田正君) 速記を始めて。
  21. 岡元義人

    岡元義人君 分りました。それでは、もう少し具体的に突込んで行きますが、今度の四、四半期には、この新規着業というものは全然考慮されておりませんか。若し考慮されておるならば、その新規着業の分を、あなたの方で組まれる場合においては、一つ地方からの要望に基くところのデーターを基礎にして、それだけの数が組まれる筈であります。そのデーターに対して、いわゆる組まれるときの引揚者の分というのは、この間の調査によつて明らかにされておりますが、これとこれとは、これだけのデーターによつて、これだけの新規着業の分として、枠を組むのだということになりますれば、それから先は何も関係方面等に一々指令を仰がなくても、それはあなたのところの、本当の水産庁自体において、我々委員会が要望しておるところの目的は達成されるような方法が、当然講じられる筈である。その点は課長はどういうように考えますか。
  22. 石川東吾

    説明員石川東吾君) いろいろ御質問の内容がはつきり分るためには、漁業用資材の枠は実際の需要量に比べて、非常に小さいというところにいろいろ問題が起きて来ているんであつて、若しその与えられた枠が十分にあるならば、これはもう一般漁業者に対しても、引揚者に対しても、その希望する通り数量割当できると思うのです。ところが現実には、すでに日本にあつて実際の漁業をやつておる者に対する割当も不十分であるというところに、今後新らしくやる者、これは従来は漁業者が新らしくやる場合でありますが、そういう場合も、それから全然そうでなかつた引揚者等が新らしくやる場合もあるわけでありますが、それに対して現実割当するだけの余裕がないところに、いろいろな問題があるわけです。それから第四、四半期割当につきましては、特に第四、四半期からは補給金が外ずれますので、従来と非常に需給の状況が変る、ことが予想されますので、特に地方資材調整事務所に対する一応有効需要調査をいたしたわけであります。それは、その資材調整事務所で、大体その四、四半期資材を凡そ割当てるべきものを対象に調べまして、その資材調整事務所では、四、四半期においてこれだけの資材を貰いたい、こういう数量でありますが、そういう調査をやりましたので、その資料に基き第四、四半期割当をいたしたいと思います。
  23. 岡元義人

    岡元義人君 大分分つて来たようですが、そこでそういうお話のような、実際の需要数において、実際の供給数量が足らないのだ、だからこういういろいろな問題が起きて来るのだという御説明は、これは十分我々は知つておりますが、併しながら、足りないから引揚者云々という問題がどうこうというようなことは、私は当嵌まらないと思う。  而も課長に私が念を押したいのは、今言つたように、新規着業という枠を設けられるならば、新規着業というのは、一体誰と誰が新規着業とするのか、これは当然復員者引揚者漁業に復帰すると、従来朝鮮、台湾その他において漁業をやつてつた者が相当あるということは分つておりますから、その中で必らず復帰するという者が、前のときに洩れた者も十分今度の新規着業のときに考慮してやらなければならんということが考えられると思うのです。而もあなたのお話を聞いておると、一体同胞対策審議会というものはあなたのところの次官が出席しておる筈です。それに審議会でも決議が相当今までなされて来ておるのですが、そういう点はどこに盛られて、どういうふうな方法を探ろうということが検討されたか、我々にはちよつとも分らない。だが本当にあなたのところが真剣にそういう復帰して来る者のことを考えておるならば、何も一々その関係方面指令を仰がなくとも、当然あなたの方の内輪においてそういうことは考慮されて、最善の方法で処理されるベきであるという工合に私は考える。  もう一つは、余り資材が足りなくて、それだけやる資材がなかつたというようなことはおつしやらない方がいいと思う。と申しますのは、あのたつた一つ消えてなくなるところの資材一つだけでも、全国引揚者を潤すに足るだけのいわゆる資材があるにも拘わらず、而もそれが現物化されずに、相当今までの貴重な資料が闇から闇に葬むられておつたという事実は、課長自体がよく知つておられる筈です。そういうことを引揚者の前で堂々とお述べになるということ自体が、我々には全くどういう気持でそういうことをお述べになるか分らなくなつて来る。だから大した量じやないのですから、新規着業の中で、各県から要望されたデーターがありますならば、そのデーターに基いて、これは引揚者の分は三割だ、或いは災害によつて中絶したもので、新規着業を申込んだ者がこれだけ、既存の者がこれだけと、全部で一万要求したものが、一千しか割当られんというならば、そのデーターに対する割合について、十分の一というものは考慮されておる。これはまだ外に技術的な問題が、外にありましようけれども、併しそのような一つの線は引かれる筈です。その線を地方資材調整出張所長審議会決議も出ておるのですから、その決議に基いて、こういう政府部内におけるところの決議もあるんだから、これをこういう具合にしてやろうという、そういうことを技術的に指導されて、私は然るべきじやないかと思う。
  24. 石川東吾

    説明員石川東吾君) 先程申上げましたように、資材割当の実務は、水産庁がどこまでも大枠を地方府県に出し、府県資材調整事務所長にその割当委かすという建前を採つておりますので、結局水産庁としましては、各資材調整事務所長に抽象的に、この引揚者に対する割当考えて貰いたいと、こういうことを示すよりいたし方がないのであつて、一拳に各資材調整事務所長に何割を出せとかいうようなことはできないわけであります。従つて総括的にその割当の中に入つておりますが、その具体的の問題については、資材調整事務所長がいろいろ府県庁厚生関係当局とよく連絡を取り、又団体等とも連絡を取つて適当な割当をして貰いたい。こういうような意味通牒を特に援護庁から申出がありましたので、十月四日附で出しておるわけであります。それで水産庁が特別に引揚者に対して割当するような、そういう制度でもありますと、或いはそういうこともできるかも分りませんが、少くとも現在の考え方としては、どこまでも地方資材調整事務所長がその地方漁業実態に応じて割当をしろと、こういうような建前になつておりますので、私共といたしましては、その制度範囲内においてできる限り適当な合理的な方法引揚者に対して割当が行くようにやつておるつもりであります。
  25. 天田勝正

    天田勝正君 ちよつと速記を止めて。
  26. 千田正

    委員長千田正君) ちよつと速記を止めて頂きます。    〔速記中止
  27. 千田正

    委員長千田正君) 速記を始めて下さい。
  28. 岡元義人

    岡元義人君 今さつきの千田委員のおつしやる通り、非常に矛盾している。自分の省の次官決議しておつて、それが全然考慮されていない。これは本当にその通りなんです。全然課長なんかそういうことをお考えになつたことは殆んどない。これは絶対にないと思う。本当に考えずに、自分立場だけで魚を取ればいいんだと、それだけで一本で押通しておられるのですが、この間通牒を出して頂きましたけれども、あの通牒で実際に引揚者に渡つておるかどうかということは非常に疑問なんです。渡つておらないから問題になつておる。あの通知に対して私は各県について見て来ている。それから只今千田委員に対して課長から回答があつて引揚者には渡つておる。一般の者と紛れ込んでおるのでよく調べて見なければ分らない。それなんか我我二年前に調査したんです。淺岡議員矢野議員特別委員会の各委員全国各県に詳細に調査して来ている。成る程おつしやる通り、そういう者が各県毎にそれは五名や十名の者はおりましよう。併しそういうものは本当に力があつて、そうしてその工作に成功した者がそうして貰つておるに過ぎない。だからそういうものを、こういう者があるのだと言つて鬼の首でも取つたような言い方をされては迷惑だ。だから本当に必要な者こそ裸一貫で歸つて来るのだから、これはこつちから何らか、手を打つてやらなければ手に入らない。だから通牒一本ということでなくて、今度は本当に次官が今言つたよう審議会決議を十分に酌んでおられるならば、あの通牒を出して、その次に資材調整事務所長に対して資材課長は、あの通牒によつてどれ程の品物が引揚者渡つたか回答せよ、こういうような技術的な方法かあると思う。そういうことを真剣に考えて頂くならば、あなたはおやりになつた筈だ。ああ言われたから通牒を出した、あとは地方で枠が決められて、地方へ委かしてあるから仕方がない、そういうことではいつまで経つて解決が付かない。だから向うでは枠を作つてはいけないというが、そうではないということを私は明らかにして置く。資材課長が更に適切な方法であなたの所の農林省自体自分で賛成しておる決議案なのだから、その決議案趣旨従つて方途が盛られて然るべきだと思うのです。どうぞ最も良い方法解決を付けて頂きたい。  それから厚生省の枠というものをば設定しようということでありましたが、その枠の交渉状況はどのように今進展しておるのか、見込があるのかないのか。その点をもう少し援護局長から明らかにして置いて貰いたい。
  29. 田邊繁雄

    説明員田邊繁雄君) 只今いろいろと拜聽いたしたのでありますが、
  30. 田邊繁雄

    説明員田邊繁雄君) 只今いろいろと拜聽いたしたのでありますが若干引揚援護という観念解釈についての食い違いから、いろいろと双方に食い違いがあるようでありますが、私の方で考えておりますのは、引揚援護というのは何も救済するとか、或いは社会生活保護法的な援護ではないのであります。要するに引揚者自立厚生を援助する。こういう観念であります。そうなりますと、自立厚生するためにはどうしても働くことが必要であります。働くということになれば、資金を借りてそうして事業を始めるか、或いはどつかに就職する。就職の問題は別といたしましても、自立するということになりますと、どうしても資材資金というものが必要になつて来る。然るに引揚者内地においては実績のない方達ですが、併し外地においては何れも立派にやつておられた方です。ところがややもすると内地の従来のやり方実績主義、過去における業績というものを重く見ていろいろの配給をやつておる、これが従来のやり方です。これでは引揚者はたまらない。過去の実績だけによらずに、引揚者の持つておる技能経験なり業績によつてなすべきだということが決議趣旨であり、又これは他の行政部門においても当然尊重しなければならん原則であるというふうに考えております。これは公平の観念から言つて当然然るべきであります。従いまして水産庁に対して私共が要望することは、單に引揚者だから援護してくれというのじやないのであります。引揚者の持つておる技能なり経験外地における業績を十分尊重して資材割当てて欲しいということを要求しておるのであります。これは当然然るべきであるので、水産庁においてもそういつた通牒を出したわけであります。従つてこの原則については水産庁も尊重しておられます。問題は第一線においてその実績を十分尊重して頂くように各方面に認識を徹底するということが大事なのであります。我々は引揚者だから特別にやつてくれというのではないので、引揚者の過去の外地における技能経験というものを十分尊重して欲しい、内地における業績がないだけにその点を十分見て欲しい、これを要望しておるのであります。  それから引揚援護庁といたしまして特別の枠というお話でありますが、これは目下資料を十分集めております。水産庁に集まつておる資料は若干ございますが、これだけでは、これを希望しておられる方の、外地における状況内地に歸つてどういうあれが必要であるかということの資料が不十分でありますので、各都道府県の民生部に照会いたしまして詳細なる資料を取つております。この資料を以ちまして更に関係方面に強く要望いたしたいと思います。取敢えず中間報告だけはしております。
  31. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 今田邊局長に更にお尋ねいたしたいのですが、いろいろ援護庁としては、各都道府県の民生部に照会をして、そして資料を集めて、それからいろいろ処理をされるということでありまするが、併し現実の問題といたしまして、この問題はすでに衆参両院の議決にも基いた点から発足しており、而も私水産委員を兼ねておりますが、水産委員会におきましても引揚者全国連合会からも陳情を受けておりますと同時に当引揚特別委員会にもそうした陳情を受けております。ここで各都道府県資料を一括して、集つて来なければこれはできないということになりますと、そこに甚だ空白の間ができるのじやないかと思います。その点につきましては水産長官並びに山本次長とも話をし、更に厚生省援護庁の方から要請があつた場合において処理しようということは八月三十日前後と思いまするが、そういうふうなことも私伺つておるのでありまするが、併し重ねて田邊局長にお尋ねいたしたいのは、全国のそういう資料が集まつてなければできないかどうか、この点を一つお伺いしたいと思います。
  32. 田邊繁雄

    説明員田邊繁雄君) 只今私申上げました調査資料と申しますのは、これは現在水産庁でやつておりますが、資材とは別に、別な一つ系統によつてそういうものを入手できないだろうか、そういう関係から関係方面お願いをしておるわけであります。これは、水産庁の系統を通ずる関係方面とは別途の系統でお願いしておるのであります。将来の希望としてそういうことを申上げたわけであります。従つて現実の問題に対処いたしましては、現在やつております水産庁割当において先程第一に申上げたような方面でするより外ないのじやないか、かように考えております。
  33. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 重ねて田邊局長にお尋ねいたしたいと思いますが、八月の末穗積委員とたまたま同行いたしまして、そうして水産庁にこの申入れをしたのでございますが、そのときにまあいろいろな観点を詳細に説明いたした。その結果、従来第一回第二回と引揚者用として、或いは戦災者用として出された綿糸現実には末端に徹底しなかつたために、受ける方でも、それを出す方でも徹底しなかつたために、そうした特別に設けられた枠が既存業者の方に行つてしまつて、戦災者並びに引揚者が貰うべきものを貰わないような立場に立到つておる。数量はつきり出ておるのだから、その面だけは至急分つた県があれば、分つた県から処理をされたらどうかということを要請いたしましたところが、その面に対してはそういう処置を取りましよう、だから、その面に対して厚生省から一応そうした面をやつて行くということで、その後援護庁の方にも話をして、私はすでにその実施に入つておるかと思つてつたのですが、その実施に入つてないという点にあるならば、これはこの問題を非常に重視されて、私共全連の安部局長を通じて陳情を受けたのでありますが、それが未だになされんということになると、直接どこに隘路があるか、これは私水産委員といたしましても、水産委員会一つ追求しし見たいと思います。当特別委員会として、それはどういう意味か、田邊説明員にお尋ねしたいと思います。
  34. 田邊繁雄

    説明員田邊繁雄君) 網の問題につきましては、当委員会においてしばしば政府当局に対して質問があり、又要望があつたのであります。原則的には引揚同胞対策審議会において、資材配給についての原則を確立して、各行政部門にこれがなされておるのであります。従つてその原則従つて、若し資材配給するとして、当然先程私が申上げたような観念においてやらなければならんと思います。その点において当委員会においても御要望があつたように私は拝聴いたしたのであります。問題はそのやり方をどうするかであります。問題は、水産庁といたしまして技術的方法について解釈が違つて来るのであります。過去において一定の枠を作つた事例があるから、今度はやれというお話であります。あれはあのときだけの話であるというのが水産庁考えであります。現段階においては建前から言つても、又いろいろの建前から言つても、中央において特別の枠を作るということは面倒である、不可能であるという御回答であります。併し我々の主張しております実情に即した割当をするということは当然である、こういう解釈でございます。従いまして、その点については水産庁に対しまして援護庁からも公文で申入れをいたしまして、我々の主張するようなやり方を第一線において取つて頂くように、取る場合に民生部と十分連絡を取つて割当を行うということになつております。この点は民生部も知つておりますから、民生部から水産庁連絡を、第一線の調整事務所に連絡を取つて割当をするようにやつておるのであります。勿論それで希望するだけの資材引揚者全部に入手できるかどうか、これはよちつと疑問があると思います。と申しますのは、全体の需要量が多くて、これに対する配当が少いのでありますから、そこにどうしても無理があるのであります。引揚者全部の御希望を満すということは相当困難ではないかと思います。そこに又問題が出て、水産庁から御回答になつたわけであります。そこで引揚援護庁といたしましてはそういつた面を離れて、特別な別途系統においてこういう網の原料を入手できたらという考えを持ちまして、関係方面お願いをしたようなわけであります。それについては十分な資料がなければむずかしいので、向うといたしましてはそういうことをやります場合には、アメリカの本国なり、或いはいろいろな団体に呼びかけるということが必要である。その場合には確実なる資料が必要でありますので、その点については目下調査を進めております。
  35. 千田正

    委員長千田正君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  36. 千田正

    委員長千田正君) 速記を始めて。
  37. 穗積眞六郎

    ○穗積眞六郎君 ただ根本のお考えにつきまして、一つ水産庁の方にもう一遍伺つて置きたいのです。ずつと前に丁度今の資材課長がお代りなる前に、ずつと前からこの問題が出ておりまして、お代りになる直ぐ前の委員会でこの話が出ましたときに、今日本はその資材が非常に少いのだ、その少いので現にやつておる。こつちの漁業者に分けなければいけないのだから、それで歸つて来た人に渡る余地がないのだ、こういうようなお話があつたのです。そこで私が、そのお考えには一つ根本に違いがありはしませんか、又もと朝鮮、台湾がありますときは、朝鮮などには非常に大きな漁場があり、非常に大きな漁網を内地から頂いていたのです。その網がこういうような状態になつて、朝鮮の枠、台湾の枠というものはなくなつたのです。そういう考え方をして行きますと、現実の量は非常に減つておりましようが、割合ということから考えたならば、当然台湾の漁業者はなくなつたのである。逆に割合は内地の取る分が殖えたと言えるのじやないでしようか、そこに向うでやつていた人が歸つて来て又向うに行つて業に服そうというときに、全体量が少くなつているのだからやれないのだということが言えるのでしようか、こういうことを申上げた。それは十分考えなければいけない、こういうことでそのときには終つてしまつたのでございます。それからいろいろお願いしまして、いろいろ御配慮には預つておりますが、今日の御回答を承りますと、どうも根本的に水産庁生産ということを考えてそれから行くのだからということもございますが、これは片方では御尤もですが、そのうちにはやはり前に私が申上げましたように、向う漁業をし、こつちに歸つて来ても漁業をすべき人は当然に考えてやらなければいけないのだというお考えが入つていないように思います。そうして続いてのあれに、自分の方は総体を分けるのだ、そういうような考慮は地方でするのだ、従つて俺の方ではどうも何ともできないのだ、これは私の僻みかも知れませんが、そういうふうに伺えるのです。併しその間にいろいろ通牒も頂くということはこれは分つております。併しどうも伺つておると、根本の考えがやはり内地漁業者を元とし、内地だけの、元から内地にいる人だけの既存業者の維持ということに非常に偏重があり過ぎるのじやないか。それでどうもこの問題がいつまでも解決できないのではないか、こういうような、我々引揚者で僻み心を持つておるのかも知れませんが、どうもじつくり伺つてもそんな気がするのでございます。その点はそういうことは全然ない、こういう御返事が頂けるのでございましようか。
  38. 石川東吾

    説明員石川東吾君) 本年度の綿糸の枠は五万梱なのです。昨年度が約六万三千梱、その前の二十二年度はずつとがた落ちに少くなつておりますが、結局戦争前の大体の年間の需要量が確か約五万梱ちよつとだと思いますが、この程度毎年ずつと出ればまあ現在の日本の漁業の状態からいつても、大体十分じやないかと考えられるわけですが、御承知の通り戦争中を通じて非常に綿糸が枯渇しておりますので、遺憾ながら二十二年度、二十三年度、二十四年度をずつと通じて見ましてもまだ足りないような事情にあることは事実なのです。そこでこういうような枠を決めました考え方は、どこまでも日本は食糧が足りないからその食糧を輸入すべきなのだ、併し水産国だから資材を輸入して魚を獲らせよう、こういうことで資材の輸入をして貰つておるわけですが、従つてこの資材原則としては傷んだものを補充する建前でこの資材を使わないととても足りないのだということで、一年間の枠の決め方は大体そういう建前で枠を決めておるわけです。但し地方府県割当をする場合には、現実にはその割当せられましたその資材範囲内において、或る場合には網の補充量に近い場合には新規の漁業をやつてよろしい、こういうことで従来は指導しておりましたのを、特に八月規則改正のときに、新規漁業をやつてよろしいということを明文に加えたわけでございます。その場合に或いは前の課長が、只今の話によると新規善業は全然許されないのだとか、或いは内地の従来やつておる漁業者に重点を置くのだとか、何かそういうような話があつたかも分りませんが、現在においては少くとも新規着業の点だとか、又は引揚者の点だとかいうことは特別に区別して、差別を設けてやるようなことは、少くとも水産庁考えてないわけです。それで但しどこまでも資材は非常に需要量に比べて少いので、結局それを有効に使うためには大体既存漁業者の補充に向けるものが重点になると思います。それでその与えられた資材範囲内においてできるだけ生産を挙げて行くという建前資材割当をやつて行くことになると思います。併し先刻述べられましたような、既存の、従来内地におります漁業者だけということは今のところ全然考えておりません。そういう趣旨を先般も通牒で各資材調整事務所に特に又流しておるわけであります。
  39. 穗積眞六郎

    ○穗積眞六郎君 長官側のお話を一応伺つておると非常に御尤もであります。併し結論は前と同じことになつてつて、我々は、もつとはつきり申しますれば、そういう差別待遇はしないのだ、こういうお話ですが、差別待遇をしろと言つておるのです。そうして頂くという理由は、先程から申上げるように、向う漁業をしておりましたそのときに日本全体として枠を頂いておりました。それができないことになりましたが、内地に歸つて来て又やることになりました。従つてそれに対しては今のところ何も元がないのです。従つてそれに対しては当然に或る部分は頂いて然るべきなのだ、こう言つておるのでございます。そこに前のように内地の人だけとは言わないのだ、併し差別待遇をしないのだ、こういうことになると、同じことになつてしもうような憂いを非常に感じるのです。
  40. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 資材課長一つお尋ねしたいのですが、資材課長は今のお考えのままお聞きしておられると思いますが、前の長谷川課長既存業者、要するに実績というものを初めに重きを置いたのです。それがために只今穗積委員の言われましたように、曾て朝鮮で、或いは曾て千島、樺太でやつてつた。そのときには内地の人と同じように貰つてつたのだ。それがただ移住したに過ぎない。引揚げて来たに過ぎない。而も実際は強制移住さ趣られた。それは新規着業者の問題には当然出すべきじやなかろうかということを、これは引揚者団体全国連合会からも陳情され、更に委員会としても或いは水産委員会でもこれを言つた結果、一方又国会において衆議院参議院と一字一句違わない同じ決議がなされたときに、資材とか、いろいろな面が出ておつた。その結果昨年の五月二十五日、二十六日の通牒となつて、そうして引揚者、戦災者というもので処理し、定着の面で特に処理されたのですが、処理されたところが、その枠が引揚者とか、戦災者に行かずに、その多くのものが既存業者に行つてしまつたのです。ですからその行つた、一回、二回に行つたものを引揚者に、或いは新規着業者、戦災者というものに渡すべきだと、こういうことを八月の三十日に、水産長官は北海道に出張中だつたと思いますが、その結果そういうものは、これは渡さなければいかんということに結論はなつたのです。そのことを水産長官からあなたが、或いは山本次長からあなたがお聞きになつたかどうか。その点一つ御回答願いたい。
  41. 石川東吾

    説明員石川東吾君) その点は私日は忘れましたが、確かに伺いまして、そういう趣の通牒地方資材調整事務所長に出しました。これは先程淺岡委員がお見えになる前にもちよつとお答えしたのですが、結局当時は一応引揚者の枠はこれこれお前の方の事務所に出すんだが、若しそれが十分間に合つて、尚余りある場合には外の方に使つてもよろしい。但しその結果で、こちらで打合せてもよろしいという意味で、二十三年度の三、四四半期かなんかに引揚者の枠を出しましたときに、そういうことを言つておりましたので、地方資材調整事務所によつて引揚者以外にそれを出した処もあるわけであります。しかし只今のような申入がございましたので、それだけの分は又改めて引揚者の方に廻すようにという意味通牒を出したわけです。
  42. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 重ねてお尋ねいたしますが、それによつて実施されておりますか。
  43. 石川東吾

    説明員石川東吾君) 結局確かあれを出しましたのは九月だつたろうと思いますが、九月ですと、今年の第三四半期割当のすでに発券済みのあとであつて、御承知の通り今年の第三四半期から通商産業省の関係で原料割当が受註生産制になりましたので、最後割当期限が決められる。従つてメーカーの方に切符の行く期限を決めてやりましたから、地方資材調整事務所は八月の三十日までに全部発券が終つておるのです。ですから結局第三四半期ではその調整ができなくて、やれば恐らく今度の第四四半期に行つてやることになるのだろうと思います。
  44. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 そうすると、第四四半期の当初にそれが処理できますか。
  45. 石川東吾

    説明員石川東吾君) それは私の方から地方資材調整事務所に枠を出しますから、その枠の範囲内で繰作して貰えばできる。
  46. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 そうすると第四四半期で処理できるものであるならば、更にそれを繰上げて第三四半期に特別の処理をされるというようなお心持ちはありませんか。
  47. 石川東吾

    説明員石川東吾君) 第四四半期割当は、もう数日中にやりたいと思います。時間的の関係で……ですからそれを更に繰り上げるということはちよつと無意味じやないかと思います。
  48. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 それでは第四四半期の枠で数日中にやるとおつしやいますから、その成果を私期待します。
  49. 岡元義人

    岡元義人君 まだ外に案件が沢山ありますから、一つだけ最後に水産資材課長に私から要望いたします。それから今の問題に関連があります回答を一つだけ承つて打切りたいと思います。それは大体水産庁は、我々議員が一人であなたのところに連絡行つた場合と、国会が委員会で以て要望として、委員会のいわゆる総意によつて言つている場合と常に私は混同されているような傾向を見受ける。何とか言えば関係方面がそれはいけないと言う。併しいやしくも国会がそうしろと、そのようにしろということを、これは行政庁に対して命令ではありませんが、政府に対してそれでは国会として承服できない。どうしても理が立たないから承服できないという点は堂々と関係方面に行つてお述べになつて然るべきだと思います。その線に沿つて努力される、私はまだその姿を見受けられない。水産庁に……だからこの問題は飽くまで遠からずもう一回国会がどうしてもここで承服して呉れないのだ、国会がどうしてもこういうふうにして呉れということを要望しているのだという点を向うに当つて頂きたい。その点はどうも私は水産庁は混同しているように思う。だから国会委員会が取上げて、それでは納得が行かないと言つている以上、飽くまで国会の線に添うまで持つて来るのが水産庁の仕事でなければならん。それを逆に、反対に国会の方へあなたはマイナスになるように、マイナスになるような方向に水産庁が動いているような気がしてしようがない。これは根本的に考えを改めて頂きたい。それから……速記を止めて頂きたい。
  50. 千田正

    委員長千田正君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止
  51. 千田正

    委員長千田正君) 速記を始めて下さい。
  52. 岡元義人

    岡元義人君 今申しましたような次第でありますから、むしろ委員会が要望しておることは、関係方面ではなくて、水産庁自体の中にまだくすぶつているものがあるのではないかという気が我々は非常に強く感じますから、若しそうでありましたならば、どうか我々の気持が、委員会がこういうように要望しているということを強く向う解決がつくまで努力して頂くというような熱意を示して頂きたい。  それから先程淺岡委員の、第四四半期でとにかく出すということでございますが、その価格調整は如阿ようにされるかという点をはつきり承つて置きたい。とにかく前のいわゆる価格調整費を考慮された値段で受けられるべき当然のものを、その当時の間違いによつて、そうして今度の第四四半期で渡すということは、引揚者という一つのハンデイキヤツプがついているところに、又以てそれだけの出血を更に強要して行く。こういうような政策が日本の政府の在り方ではない筈だ。そういうことも十分水産庁は考慮されておるかどうか、その点は一つ是非承つておきたい。それからついでにその点に関連いたしまして申上げておきますが、只今申上げましたように、必ず回答を要求して頂いて、本当の効果を挙げるような方法をば課長は取つて頂くように強く要望しておきたいと思うのであります。
  53. 石川東吾

    説明員石川東吾君) いろいろ私の仕事のやり方について御批判がありましたが、悪いところは改めて参りますが、悪くないところは従来通りつて参るつもりであります。それで今の補給給金の問題について御意見がありましたが、この補給金は九月の十六日の閣議で以て決定を見まして、その後物価庁といろいろ交渉中でありますが、大体今まで数字的の点についても一応の見透しを得ておるわけであります。閣議の決定は綿絲とマニラ麻と、それからラミーとタンニンエキスとワツトルバートと、この五品目に対し、第三四半期までの分に対して出す、物価庁といろいろ交渉の結果、大体四十五億程度のものが出ることになつておるのであります。水産庁の要求は、補給金はこれは漁業の経営上非常に響くから本年度一ぱいの分、つまり今年の四四半期の分まで出して頂きたい、こういうことで再三物価庁、経済安定本部、大蔵省と折衝しまして、相当大きな会議を三回ばかり開きまして、一遂にまとまらないので、止むを得ずそれぞれ所管の大臣にその政治的の折衝をお願いして、それで第三四半期までということに決つたわけであります。それで、そのためにいろいろ災害復旧用に対するものに対しても出ないし、又只今のこれから操作しようと思うものは全部補給金がはずされるとこういうことになるわけであります。前の引揚者割当の分がその関係以外の分に行きましたものは、その地方においてはその当時は一応引揚者関係には適当な出すところがなかつたのだというので恐らく一般漁業者に出したのではないかと思いますが、その後いろいろ引揚者の数その他の情勢の変化がありましたので、今回そういうものを元に戻すということにしたのでありますが、その間たまたま今のような補給金の問題、水産庁の主張が敗れまして、大蔵省と妥協的な案として、第三四半期までということになりましたので、甚だ残念ながらこの分については、やはり今後のものについては補給金が出ないということになつたのであります。  大蔵省の主張は第二四半期までにして、第二四半期で打切りにしよう、水産庁は第四四半期にして貰いたい、こういうことで政治的に中間的の案が決まつたわけであります。
  54. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 もう既に決まつたことでありまするから、繰返して申しませが、折角引揚者、戰災者が貰ておつた枠がその面に行かずに、既存業者に行つて、それがいろいろ折衝の結果貰える時には、今度は価格の高いものを買わなければならいということは、誠に引揚者とか、戰災者にとつて非常に損なわけです。どうかそういうようなことのないように、今後は、特に重点的に考えて頂きたいとは決して申しませんが、やはり戰争犠牲の公平なる負担という立場において、真剣に考えて頂きたいということを一応申上げまして、私の質問を打切ります。
  55. 千田正

    委員長千田正君) 水産庁に関する質疑の件につきましては、大分時間も、次の時間に差支えて参りますから、この辺で打切りたいと思いますが、如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 千田正

    委員長千田正君) 続いて次の問題に移ります。未復員者給与法改正に関する件を議題にしたいと思いますが、如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 岡元義人

    岡元義人君 ちよつとの間懇談会に移して頂きたいと思います。
  58. 千田正

    委員長千田正君) それでは懇談会に移りたいと思いますが、如何でございましようか。それでは十分だけ懇談会に移ります。   午後二時四十七分懇談会に移る。    ―――――・―――――   午後三時二分懇談会を終る。
  59. 千田正

    委員長千田正君) それでは懇談会を打切りまして委員会を継続いたします。
  60. 岡元義人

    岡元義人君 未復員者給与法の問題はそういう段階に入つておりますので、一応委員長の方で留保して頂きたいと思います。
  61. 千田正

    委員長千田正君) それでは只今岡元委員から要望がありましたので、この未復員者給与法改正に関する件につきましては、なお関係当局、或いは政府当局と折衝する点もありますので、本日の件は一応留保したいと思いますか如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 千田正

    委員長千田正君) 御異議ないものと認めましてこの件は、本日の議題より一応留保いたします。  次に失業保険適用に関する件につきまして、これを議題に供します。
  63. 岡元義人

    岡元義人君 失業保險について、丁度給与局の方から見えておられますが、この点について御回答できますでしようか。予算措置について、その後の進行状況について……  それでは失業保険の問題は、今日は一応留保さして頂きまして、厚生省当局に二、三点に亙つて簡単なことでありますが、要望したいことがございます。
  64. 千田正

    委員長千田正君) 岡元委員ちよつとお待ち願いたいのは、労働省から説明員としまして亀井失業保險課長が見えておられます。
  65. 岡元義人

    岡元義人君 私は労働省来ておられないかと思いまして失礼しました。  それでは亀井課長から其後の一つ経過をば説明して頂きたいと思います。
  66. 亀井光

    説明員(亀井光君) 復員者に対しまする失業保険法の適用に関しまして、その後、司令部との折衝の経過、その後の問題につきましてお話し申上げます。
  67. 千田正

    委員長千田正君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  68. 千田正

    委員長千田正君) 速記を始めて下さい。
  69. 岡元義人

    岡元義人君 ちよつと課長にお伺いしますが、問題が二つ私達疑念を持たされるんですが、一つはこれはフアイナンスを通過いたしましたとした場合に、遡及という問題が起きて来ます。この点について見通しはどうであるか。それからもう一つ、実際の就職九万と算定しての三分の一というのは三万というわけですが、これは就職をしてない者を拾い出すということになると思いますが、拾い出す方法その他についての考え方は、これは事務的には容易にできるか、これは法の改正等も簡単にできるか、この点について一つつておきたい。
  70. 亀井光

    説明員(亀井光君) 仮りにこの適用がすべての面で実行でき得るといたしますといたしますならば、現在本年度においてすでに引揚げられた者に対するその適用の問題は、遡及適用になるかどうかという問題です。我々の事務的に考えております問題は、遡及適用といたしますと、大きな法律の改正という問題になります。それともう一つは、失業しておる者を拾い出すということも、これはなかなか非常にむづかしいのでございまして、でき得るならば、本年度引揚者は任意加入という方法をとつたらどうか、即ち希望者だけその保険に加入させて、そうして保険料を六ケ月分拂つて頂くという方法もどうだろうか、来年度以降引揚げまする者につきましては、普通の適用の方法、即ち引揚地に引揚げまして、そうして世話課に参りまして、帰郷料その他の支給を受けます際に、保険料を拂う、そうしてその後公共職業安定所に求職の申込をしまして、そうして就職できない場合に、保険金の支給を受けるという普通一般方法ですね、これで行けるんじやないかというふうにまあ考えております。
  71. 岡元義人

    岡元義人君 大体了解しました。亀井課長、労働省初め各関係方々委員会の意のあるところを十分体して頂きまして、ここまでお進め下すつたことに対しまして、厚く御礼を申上げます。問今後共一時も早く実現して頂くように重ねて皆さんの御努力をば要請いたしまして、実現の日の一時も早く来ることをば念願いたします。
  72. 千田正

    委員長千田正君) 一応ここで失業保險に関する問題を打ち切りたいと思いますが……    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 岡元義人

    岡元義人君 外のことでありますが緊急の問題でありまして、援護庁関係を、特にお願いしたいのですが、差支えございませんか、二、三点で済みますが。
  74. 千田正

    委員長千田正君) 只今岡元委員から、援護庁関係に対する緊急質問をしたいという要望でありますが、如何でありますか、お諮りいたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 岡元義人

    岡元義人君 実はここに穗積委員がいらつしやいますが、全国引揚者更生連盟というものは、たびたび申上げますように、引揚団体の各種いろいろなものを統一さして、單一化した団体であつて、厚生大臣が認可を与えておるのであります。ややもいたしますと、引揚者団体社会事業団体という枠から外ずされておるのでありまして、これがどこに欠陷があるのか知りませんが、共同募金の配分等につきましても、全国まちまちであり、或る県の如きはは貰うし或る県の如きは貰わないと、こういうような状態が現在続けられております。而も配分の近い時になりますので、厚生省社会事業団体としてこれは認められるべきものである、通牒その他をもつて全国にこれをば私は出して頂くように要望する。当然社会事業団体である。六百五十万を代表として厚生事業をやつておる団体が社会事業団体でないということはあり得ない、考えられない。当然社会事業団体の中の一つの団体であるということを、厚生省は何らかの形でもつて方法を取つて頂きたい。それからもう一つ、これは非常に遺憾なことでありまして、只今愛の運動を展開されようといたしておりますが、全国引揚促進大会が非常に猛烈に今後、最近のうちに開かれようとしております。これは全国一斉にやつておるようであります。ところがこの大会におきまして、その促進大会の中からスターリン首相に対し、或いは中共主席に対しての陳情請願というものをば出そうとしておりますものに対して、知事或いは副知事等の見解が、そういうことをするためならば、この大会は県としては後援できないというようなことをば、敢えて申しておるところの県が相当ある。こういう認識不足な、いわゆる知事とか副知事とかは怪しからん話なんですが、これを自由に、今まで請願は出して来ておるのであります。そういうことはないように、速かに何らかの通牒を以て、かようなことは差支えないのだということを示す必要があると思います。その手を打つて頂きたいと思います。それからこれは私の県、鹿兒島県でもすでに九州全部の大会を鹿兒島市で開かれました。ところが鹿兒島市に対してそういう請願その他は困るということを知事から申入れました。そういう事実がありますので、速かに何らかの処置をとつて頂きたいと思います。  それから問題の三は授産所であります。これは授産所の問題は、今厚生省で非常に問題になつておりますが、引揚者関係に非常な密接な関係がありますので、今日は時間もありませんから問題にいたしませんが、委員会として委員長お願いしておきますが、授産所に対するところのまだはつきりした問題をこの委員会に持出す段階ではないかと思いますけれども、実質的には非常に緊急な事態に立至つておる、而もこれは引揚者更生上非常に大事な一つの問題でありまするので、この問題について一応委員会でも取上げて頂くと共に、援護庁としても、授産所に対しての今後の処置ということについては、ただ全般的な授産所でなくして、引揚者関係授産所というのが相当数ある。この点を十分考えて折衝をばして頂くように援護庁お願いしておきます。
  76. 田邊繁雄

    説明員田邊繁雄君) 只今承りました点、十分考慮いたします。
  77. 千田正

    委員長千田正君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  78. 千田正

    委員長千田正君) 速記を始めて。
  79. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 今岡元委員からいろいろ要望がありましたが、この点を一つはつきりして置きたいと思うのですが、この、県なり市なりが主催をして引揚促進大会というものをやつたのは殆どないと思います。それは民間の団廟体が極めて民主的に盛上る気持でやつているのです。然るにそれを知事が出てはいかんとか、知事がやつてはいかんとか、その内容にまでタツチするということはどうもこれは我々解し得ないのです、ところがそうした点が地方に行きますと往々見受けられるのです。そこでそうした点に対して、一点差支えないのだということを一つ援護庁から都道府県の知事宛に通牒を発して頂きたい。
  80. 田邊繁雄

    説明員田邊繁雄君) 引揚促進の仕事になりますと、果して厚生省でやるか、私の方でやるか、或いは外務省でやるのかその点ははつきりしないのでありますが、承りました点は皆でよく相談いたしまして、そういう誤解が若しありとすれば、純然たる民間運動であるというものに対して都道府県が余計な干渉をするということがないようにしなければならんと思つております。その方法については考えたいと思います。
  81. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 了承。
  82. 千田正

    委員長千田正君) それでは本日はこれで閉じたいと思いますが、如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 千田正

    委員長千田正君) 次の委員会をいつ開きますか。お諮りいたします。    〔「火曜日」と呼ぶ者あり〕
  84. 千田正

    委員長千田正君) それでは次の委員会は十五日に開きたいと存じます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 千田正

    委員長千田正君) 御異議がなければこれで本日の委員会は閉じます。    午後三時二十一分散会   出席者は左の通り。    委員長     千田  正君    理事            天田 勝正君            淺岡 信夫君            紅露 みつ君            岡元 義人君    委員            草葉 隆圓君            水久保甚作君            木内キヤウ君            穗積眞六郎君            三好  始君   説明員    大藏事務官    (主計局給与課    長)      中西 泰男君    厚生事務官    (引揚援護庁次    官)      宮崎 太一君    厚生事務官    (引揚援護庁    援護局長)   田邊 繁雄君    農林事務官    (水産庁資材課    長)      石川 東吾君    労働事務官    (職業安定局    失業保險課長) 亀井  光君