○
政府委員(
東條猛猪君)
厚生省側からいろいろ十分委曲を盡した御
説明があ
つたと存じますけれども、蛇足ではなかろうかと存じますが
お尋ねでございますので一応申上げて置きます。本
年度の
補正予算。厚生資金に未復員等を
考えておるようだがどうだ、又それは
一体予算の組み方はどういうふうに相成
つておるかということが御
質問の第一点かと存じますが、御
承知のように
補正予算につきましては、
政府の案について、
関係方面におきましては
相当の日数を経ておりまするが、まだこの内容につきましては
はつきりしたあれには接しておりませんですが、お聞き及びのごとく一応二億円を厚生資金といたしまして、
厚生省所管に別に組んで貰います。これはいろいろ
考え方もございまして、
国民金融公庫というものは公共的性格を帯びておりまする今日において、むしろ一本の支出といたしまして、
大蔵省所管として外の支出に合せて組んだ方がよくはないかという
見解もあるわけでございますが、
引揚者のための厚生に重点を置いた資金であるということを明瞭ならしむる意味において、
厚生省所管に組んだ方がより望ましいのではなかろうか、こいう
考え方もございまして、今申上げましたように二億円は
厚生省所肩に、
大蔵省所管とは別に組んだのでございます。
第二の点は無縁故者の住宅の問題についてどういう整理に相成
つておるかという御
質問であ
つたと思いますが、この無縁故者の住宅の建設につきましては、本
年度予算に計上してございまするところの
引揚関係の
経費が、御
承知のように多少剰余を生じて参るという
関係もございますので、できればこの無縁故者の住宅の建設資金に、この剰余があ
つてはということで、まあサウンドと言いますか、要望と申しますかいたしておりますが、これは誠に
ちよつと何ですが、公共事業との
関係がございまして、この問題についての見通しが困難な情勢に立ち至
つております。では昭和二十五
年度の厚生資金はどうかという、御
質問であ
つたと存じておりますが、明
年度の
予算の今日の
段階、これ亦御
趣旨の
通りでありますが、
政府におきましてはやはり
厚生省所管に五億円を計上しておるのでございます。それで五億円という金額は今までの経緯から鑑みて不十分ではないかと、こういう
お話であ
つたと拜承いたしますが、御
承知のように今までに出ました金が比較的償還が順調に行われておるのでありまして、金がぐるぐる廻
つておるわけであります。それで過去の貸付済の償還の資金を、すべて又新規に
引揚げなさ
つた方の厚生資金に合せますということは、むしろ私共といたしまして無理のな、範囲に合理的に回收いたしましてそれに努めまする外、この五億円を計上いたします。勿論この五億円では不十分ではないかという御
意見は尤もと存じまするが、御
承知のようにいろいろ財政需要も各
方面からございます
関係上、甚だ十分ではないと存じますが、先ずこの程度で御辛抱願いたいということで、
政府といたしましては五億円程度を計上いたしておる次第でございます。
最後の点は実は私余り御
質問の要旨が
はつきり分らなか
つたのでございますけれども、本
年度に
相当の仮に剰余が出た場合に不要の金額をどういうふうに扱うか、
引揚の
関係の
経費であるから、その
趣旨に即したような会計上の処理をいたすべきではないかという御
趣旨でなか
つたかと思うのでありますが、事柄は御
承知のように厳格な国の会計法規がございまして、法規の命ずるところに從いまして私共
事務当局といた、ましでは処理をいたさなければなりませんが、の処理をいたしまするにつきまして長沼次官からどういうふうに申しましたか、直接承わ
つておりませんけれども、私共といたしましても法規の運用上十分御
趣旨に副うよう注意をいたして参りたい、かように思
つております。