運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-11-01 第6回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月一日(火曜日)    午後一時五十四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○政府側出席に関する件 ○引揚者に対する失業保險適用に関  する件 ○引揚者に対する予算措置に関する件 ○未復員者給與法の一部改正に関する  件 ○引揚援護庁機構縮小に関する件 ○特別未帰還者給與法に関する件 ○引揚同胞対策審議会に関する件 ○医師国家試験受験回数緩和に関す  る件   —————————————
  2. 千田正

    委員長千田正君) それでは特別委員会を開きます。本日の議題とする問題は引揚者に対する予算措置に関する件、未復員者給與法の一部改正に関する件、引揚者に対する失業保険に関する件の三題でありますが、只今関係当局といたしましては、大蔵省厚生省労働省からおのおの見えておられますが、労働省からは職業安定局失業保険課長龜井事務官が見えておられますが、すぐGHQの方に喚ばれているので、ここのの説明が済んだら向うに帰して頂きたいが御了解願いたいというお話でありますから、失業保険に関する問題を先に片附けますか。
  3. 岡元義人

    岡元義人君 その前に厚生省大蔵省労働省から出ておられる方を委員長から知らして頂きたい。
  4. 千田正

  5. 岡元義人

    岡元義人君 案件を失業保険関係を先に取上げて頂くごとに異議はないのであります。ただ大蔵省がお見えになつておられますから、どうせ大蔵省関係して行くと思うのですが、私はこの機会に大蔵省方々、今日は幸いに出て頂きましたけれども、これは休会中も勿論でありますが、前国会委員会も一番出席が惡かつたの大蔵当局なんであります。なぜ大蔵省関係はあれ程前以て連絡が取つてつた委員会出席されなかつたか、その点から明らかにして頂きたい。これは委員長からも要望して頂きたい。と申しますのは特別委員会と申しますのは、これは国会ごとに設けられる委員会であつて常任委員会とその性質は異なつてるのでありまする然るにそれだけ必要に応じて作られている、それ程重要性を持つている委員会に対してややもすると大蔵省が軽視する傾向が見えるのであります。この点につきまして片前の第三国会の終りだつたと思うのでありますが、遂に我々といたしましては委員長初めしばしば主計局長の部屋しまで押かけて行つて、あそこで委員会を開くということまで敢てしなければこれが開けなかつた前例があるのであります。前の委員会にもあのとき大蔵省が出ておりますならば、我々としてはもつと早く事務が進んでおつた筈であります。而も今度の会期は僅か一ケ月、その間に法律案を提出しなければならないという状態に置かれているのに拘わらず、そうして而もその委員会が始まりましてからも、しばしば事務当局から連絡したに拘わらず、何らの誠意のある連絡もなければ又遂に出席しなかつた。この点について委員長から一つ大蔵当局の前の委員会出席しなかつた理由を一つ質して頂きたい。
  6. 千田正

    委員長千田正君) 只今岡元委員から大蔵省出席に関する問題について質疑がありましたが、大蔵省としてのお考えを……。
  7. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 只今岡元委員からいろいろ大蔵省、特に事務当局の、特別委員会出席が誠に悪いということでお叱りを頂戴いたしまして誠に恐縮いたします。勿論私共といたしまして、国会、特に特別委員会を軽視いたしておるというようなことは毛頭ございませんのでありまして、できる限り私共といたしましても出席をいたしまして、いろいろ御意見を拝承いたし、又考えておりますことはお答え申上げなければならないことは当然の責務であると深く自覚いたしております。前回の委員会出席がなかつた引はないかという只今のお叱りでございまするが、丁度実は二十五年度予算、或いは本年度補正予算につきまして、一応の政府といたしましての案を得まして、じつは日夜いろいろと関係方面説明を申上げておるような事情にございまして、その辺の関係もございまして思うに任せず、大変失礼を重ねております点は深くお詫びをいたします。何卒御了承を頂きたいと思います。
  8. 千田正

    委員長千田正君) 委員長から特にお願いして置きますのは、この国会も頗る短い会期のうちに相当の議案が成られてありますので、このことについて大蔵省におかれましてもぜひ御出席を願いたいと思います。
  9. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) かしこまりまました。
  10. 千田正

    委員長千田正君) では先程皆さんに御了解願いましたところの引揚者に対する失業保険に関する件につきまして、職業安定局の龜井失業保険課長対しまする質疑をして頂きたい、そのように存じまするが、お差支ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 千田正

    委員長千田正君) それでは龜井課長さんに引揚者に関する失業保険に関する件につきまして御質問の方は…。
  12. 岡元義人

    岡元義人君 これはもう以前から各委員とも御了承になつてつて、又この委員会で一番問題にして取上げらて来ておつたのでありますが、今度失業保険法改正の中にも、日雇者の特典その他をば十分考慮に入れられたのであります。然るにあれ程この委員会がしばしば要望しておりますところの、未復員者失業保険の問題につきましては、何ら今度も改正のめどがいていないというふうに見受けられのですが、これは労働省も、厚生省大蔵省も、一体どのような考えを持つておられるのか。而も今度帰つて来る者に対しては当然今までの四ケ年間の労苦を重ねて来ておられるのだから、これに対しては相当のいわゆる定著後の援護という面までも強化しなければならんということは、新聞紙上にも出ております。又政府もしばしば言明している。それを一体どのようにするかと申しますと、何といつても一番手つ取り早いのは、失業保険適用いう問題だと、これは誰しもが考えられておつたのであります。併しながら政府当局は何らこれに対してやろうというような気構えは私には見受けられない。その後の経過につきまして、これは多少ごまかされるというような気がいたしますが、我々が折衝いたしました経過は途中で打切られておりますけれども、フーヴアー・セクシヨンに至るまでの経過及びGHQからの御者見、こういうものによりますれば、ただ予算措置上引つ掛つた程度でありまして、当然支給しても差支ないということは、はつきり私は自分で聴いて参つているのであります。その後解釈一違うとか何とかとようなお話があつたということを承わつておりますけれども、私がはつきり聴いて参つているのでありまして、私はその点においては責任を持つて委員方々にも言明して置きたいのであります。多少その他において変つているということは私自身が聽心ておらない。その後の経過につきまして、一応各省関係から私は訟明して頂きたいと思う。
  13. 千田正

    委員長千田正君) 岡元委員にお伺いしますが、三省とも関係がありますがへ第一番にどの省に質疑をいたしますか。
  14. 岡元義人

    岡元義人君 労働省関係から先に御回答願いたい。
  15. 亀井光

    説明員亀井光君) 未復員者に対しまする失業保険法適用でございますが、その後の経過を申上げます。先般の国会の本委員会におきましていろいろ御審議をお願いいたしましたし、又事務当局としましてもこれが適用につきまして国内的に、又関係方面とも折衝いたしたのでございますが、法律的にこれを適用するという問題につきましては、これは一応法務庁におきましても、或いは司令部におきましても一応了解をつけたのでございます。ただ問題は“ごの財源を如何にするかという問題が起つたのでございます。と申しますのは、引揚げて参りました方々に一応大ゲ月分保険料を納めて頂くしとし、直ちに給付が始まるといたしますると、その六ヶ月分の給付を賄うだけの財源を購い得ないことは申すまでもないのでありまして、従つて従来積立てて参りましたファンドからその給付に要しまする経費を支出しなければならない。と申しますると、その今まで積立てて参りましたファンドと申しまするのは、内地におりまする労働者並びに事業主がこれを積立てて参つたものであるわけなのでありまして、それを六ヶ月だけの保険料で復員された方にそのファンドから出すことは適当でないのであつて、これについては給付に要する全額経費を国が負担すべきではないかという議論からいたしまして、そこに行き悩みがあつたわけでございます。然るに全額国でこれを持つということが果して財政的に可能であるかど方かという問題につきまして、大蔵省におきまして見通しがつかなかつた。又引揚げた方々について全額国が持つということが果して失業保險法の建前から言つて適当であるかどうかというふうな問題もございまして、まだ最後の結論に立ち至つていなかつたという状態であつたわけであります。
  16. 岡元義人

    岡元義人君 何ら前からちつとも前進していない、その間に恐らく復員業務が終つてしまうでしよう。だから結局そういうことは論議しただけで以て実は結ばないで済んでしまうと思うのですが、これほど私は重要な問題はないと思う。東條次長に私はお伺いしたいのですが、主計局長は今労働省から御回答のありました雇用関係の問題があるし、又解釈方法として未復員者給與法政府職員の一般給與との関連性上おいて多少特色があるのだ、むしろ大蔵省としてはそういうような解釈でなくて退職いわゆる帰つて来た乏きに失業する者を給與の方から関連して退職というようなことで一応考えるのが妥当ではないかということを主計局長は我々にはつきり言われたのであります。その後大蔵省がこの問題についてどのような見解を持つて進んで来ておるか、飽くまで失業保險で行こうとしているのか、それとも退職というような見解の下に給與法と関連した行き方で、の問題を解決付けよう乏しているのか、その点を一つ明らかにして頂きたい。今労働省かちも説明がありました通りに、財源的措置によつてこの問題が棚上げになつてつたということは、これは率直に労働省は認められ、失業保險適用するということが、これはいけないということは絶対にないのだということは明らかにされておるわけです。それ程になつているものを何故日本の国内において、四年間も苦労して帰つて来る者に皆んなか寄つてたかつて何とかしてやろうという気持が起らないのが私は不思議なんてす。これはお互い官庁一つのセクショナリズムと捉われ過ぎているのであります。厚生省厚生省で雇主でなければ困る、或いは労働省労働省大蔵省がこうしなければ困るとかというように、大蔵省厚生省労働省一体なつてこの問題を真剣に考えていないと思う。大蔵省見解一つはつきり聽いて、是非共これを解決に持つて行きたい、はつきりした責任ある回答をして頂くようにお願いする。
  17. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 只今復員者に対しまして、一体大蔵省失業保險法適用があるけれども、財源関係でできないという考え方なのか、それとも言わば退職金と申しますか、そういう考え方でおるのか、こういう御質問と拝聴いたしましたのですが、私共といたしますると、やはり失業保險関係失業保険法適用があるというよりはむしろ失業保険法適用はないので、これに対する若し給付考えるならば、引揚者に対する退職資金的なものであるという考え方が却つて適当ではなかろうかという考え方を持つておりまして、恐らく私直接主計局長から実は賄いでおりませんで恐縮でありますが、岡元委員主計局長からそういうことを申上げたといたしますれば今日におきましても、私共といたしましては、そういう考え方であるということを率直に申上げた方がよろしかろうと思つております。
  18. 岡元義人

    岡元義人君 ちよつと関連してお聽きして置きますが、次の未復員者給與の問題に関係して来るのですが、それ程大蔵省がそういうような見解を持つておられるのであつたなら、何故今度提出されました未復員者給與法改正案に何らそういうようなものが含まれていない、單に六百、六百、四百ああいうものを政府提案で出して貰うのはおかしい話なんである。というのは、私がその折衝に当つてつたりであります。あのときにすでに六百、六百、四百というのはすでに了解を得でおる。單なる議院提出の法案の跡始末をしておるような形、それをば如何にも今度、新らしい試みとして、改正案を出したというような、涼しい顔をして大蔵省が済まそうとしてもそうはいかない。あなたの今おつしやるようなそういう真面目な気持があるならば、どこにそういう気持を織込んで検討されたか一つ御返事を承わりたい。
  19. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 今度の提出案は、いろいろ皆さんの御盡力によつた結果であると私も承知いたしておりますが、一体政府は、大蔵省はそれだけでどうして済ませるんだ、こういう御質問でございます。勿論この特別委員会におきましても、いろいろ御意見がございますことは、私共も十分拝承いたしておりまして、只今失業保険の問題のみならず、もう数点につきまして、かねて来御趣旨は十分承わつておりますが、これらの問題を政府提案法律案といたしまして提出いたすにつきましては、予算関係その他異はいろいろ関係方面との関係におきましても、御承知通り解決を要する点がございます。  私共といたしましてはこの六百、六百、四百の問題は、先程も御指摘の通りに、いわば過去におけるやるべかりしものを種々の関係で今日まで延び延びとなりましたことの補正的措置といたしまして、とにかく何はさて置きましてもこの補正的な措置は速急にこれをお願いいたしたいという趣旨から、この法律案を提出いたしましたわけであります。爾余のいろいろ問題につきましても、かねて政府部内におきましても、厚生省その他関係方面といろいろと相談は、いたしておりまするが、まだ問題が十分ございますことは勿論承知はいたしておりまするが、政府といたしまして、今回併せて提案運びに至らなかつたという実情でございます。
  20. 岡元義人

    岡元義人君 東條次長の話を聞いておると実に僕は誠意のない回答だと思うのです。何故かと申しましたら、あれは取敢ず六百、六百、四百を急いでやらなければいかんと思つて出したと、こういうお話ですが、一体船はいつまで続くと思つておられるか、復員業務はもう来月で終るんです来年に持ち越すのじやない。僕はもつと真面目な回答が欲しいのです。  この臨時国会一ケ月の間に五ケ月という休会の間があつた。この臨時国会にこそかねてあれだけ声明しておるんだつたら、何かもつと実のあり花のあるものを何故出さないか。たとえ六百、六百、・四百でない、外にもう一つでも二つでもついておつたならば、私共は、大蔵省は真面目に復員者のことを考えて下さつておる。こう思う。五ケ月日の休会一体どういう内輪において審議がされたか、もつと真面目な回答が欲しい。六百、六百四百というのは、今申しましたように、これは我々この委員会がすでに了解済みのものであつて、技術的に一日しか残つておらない、会期中には完全に本会議に工程する時間がないので、六百、六百、四百というもので一別にとつて来てあつた。これは六六、四までの線は、その当時にもう了解が済んでおる。その後政府が今年の帰つて来る者に対しては、総理大臣初め十分政府は考慮するつもりでおるということを、はつきり施政方針の中にも謳つてあるし、又中外に新聞紙上等を通じても報告してある。発表してある。一体何が強化されたか、それを聞きたい。大蔵省は何を、一つ考えられたか、私達のこの委員会委員納得の行くような御返事をして頂きたい。もうこの会期は一ヶ月しかないのです。而も船は来月止る。そういうような前提の下におかれておるこの臨時国会に対して、政府が本当に真面目に考えておつたか、我我納得の行くような説明をして頂きたい。
  21. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) お尋ねは重重御尤もでありまして、私共といたしましても問題に残つておる点がございますことは、先程も申上げました通り相当沢山の問題が残つておりますことは承知いたしております。ただこれを関係方面了解を得まして、この特別委員会で御審議を頂く運びに至らなかつたということにつきましては、これはお叱りは勿論頂戴いたさなければなりませんが、そういう運びに至らなかつたということを率直に申上げる外はないと、こう存じまして申山げました次第でございます。
  22. 岡元義人

    岡元義人君 結局回答というか結論が得られないのですが、この失業保険の問題を取上げておることもう久しいんですが、今申上げましたように、大蔵省主計局長考え方として、とにかく退職手当というような形式で行くべきである、これも一応の理屈は成立つと思うのであります。併し委員会は一時も早く失業保險適用者にしてやりたいという念願の下に、この委員会関係方面とも折衝いたしまして、そうしてそれは適用者に該当するという返事を頂いたのであります力それにも拘わらず大蔵省が尚且この問題を固執して、そうして退職手当で行くべきであるというのでありますならば、退職手当で行けるような方法が当然この五ヶ月の休会中に検討されて、この臨時国会に私は出されたと思う。併しそれも出されず、又失業保険法の問題につきましても、只今労働省から説明がありました通りに、財源的な問題で以てそのままになつておる、こういう御回答なんです。我々委員会は愼重にこの段階をば十分私は追及すべきだと思う。ここまで来ておつてこの委員会がこの問題を解決できないということになりますれば、全くもう長い懸案でもありまするしこれは権威にも係わる問題だと思う。折角ここまで努力して参つた問題でありますので、委員長からも然るべく我々委員会の行くべき態度をば十分御判断して、決定して下さるようにお願いしたい。
  23. 紅露みつ

    紅露みつ君 失業保險の問題は、これは只今岡元委員からもお話がございましたように、昨年来の問題でございます。そうして面もこの引揚の問題というものは、これは申上げるまでもございませんけれども、長く続く問題じやございません。そういうことはもう十分分り切つておりますし、それに本年度引揚状況についても、国民一般或は又政府としても相当これは御心配頂いておると思うんですが、その中で只今これはまあお話が進んでおるのでございますが、失業保険の問題を以て伺いますれば、何か退職金考え方で行こうかというようなことがあり、又これは退職金の問題というようなことで行けば、或は失業保険の問題ということで労働省に廻つて行くかも知れません。こんなことをしているうちに引揚の仕事は終つてしまいます。で、私は全くこれは政府当局誠意がないんだと思いますね。ここへお出になつて、そうして私共かお尋ねする、尋ねられるからお答えになると、いう態度が、ありありと見えるんですけれども、同じ血の通つた引揚者のためにこれは当然もう少し真剣に考えて頂きたいと思います。お互いに各官庁が、それはお忙しいのは分つておりますけれども、その間を縫つてでもですね、それぞれ……先程セクシヨナリズムに囚われているというお話でありましたが、本当にそうだと思います。私共が呼びかけませんでも、これはもう火蓋が切られておる問題、而も迫つておる問題、捨てておけない問題ですから、もう少しお役所同士の間にもみずから是を運んで、そうしてこの問題を解決して行こうという御親切があつて然るべきだと思うのであります。只今つておると全く何もして頂いていないように、これは冷靜に伺つていてそう聞えるのでございますが、特に又大蔵省のお方がああいうような御返答ですから、この上申上げようもございませんけれども、私は強く、親切に考えて、積極的に動いて頂きたいと思うのです。これは希望でございますけれども、幾ら申上げても同じ御返答でございましようから、希望を申上げておきます。
  24. 岡元義人

    岡元義人君 ちよつと念のために私申上げて置きますが、休会中に大蔵大臣会議録がとつてあります。今東條次長回答されたことが、これが本当に権威ある国会において述べられた言葉であつたかどうか、あの会議録一つ読み合せて御検討願いたい。大臣があれだけ失業保險の問題についても、休会中に回答しでおられることが会議録に綴つてあります。然るに今日まるでこの委員会に対して、何らあなた方の誠意の片鱗も窺われないような御回答しか我々は承わらなかつたのであります。かように承知して置きます。
  25. 紅露みつ

    紅露みつ君 それからこういうような言葉人情論になりますけれども、委員の方にも亦政府事務当局方々も十分御承知のことだろうと思いますが、引揚げた方々が、これは実際問題でございますが、あのリユツクサツクですね、あの中に引揚げたときあの舞鶴で支給されました洋服一切を詰めて、そうして売りに出ておるというような記事が新聞にも見えております。これはもう実際問題だろうと思うのですね。それでこんなことはもう昨年来たびたび繰り返されたてとですけれども、待つていて、そうして憧れて帰つて来て、とたんに何の給與も、家族に対する支給も、自分みずからに対する支給も全部これは断ち切られるという状態にあるのです。これは常識で考えてもその後の生活がどうして維持されますか。一つこういうような実際問題からも、もう少し温かい考え一つつて頂きいと私は切に希望いたします。
  26. 千田正

    委員長千田正君) 只今岡元委員並びに紅露委員から、この失業保險に関しまして切戸たる要望がありましたが、今までのお話を承わるというと、労働省の方の龜井課長お話を承わるというと、予算措置の問題において棚上げを食つておるような状況でまだはつきりしない。大蔵省の方ではこれは退職手当とした方が妥当であるという見解のようでありますが、いずれにしでも先程両委員の方から切望されたように、引揚問題がもう最終段階に入つておりますので、この問題を至急取上げて実行に移すお考えがあるかどうかというのが、恐らく委員会の総合した御意見だろうと思いますので、大蔵省としましてはこの問題をどういうふうに解決して頂けるかということについて一応お話願いたいと思います。或いは今会期中にこの問題を政府案として出されるのか、或いはまだ了解を得てないからどうにもならんとおつしやるのか、その点をはつきり委員会においてお答え願いたいと思います。
  27. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 只今岡元委員から私の申上げましたことが、大蔵大臣のお答え申上げましたことと違つておるのではなかろうかというような趣旨のお言葉を頂戴いたしました。そういたしますと私として誠に申訳のないことだと実は存じておつたのでありますが、私といたしましても、実は先程から申上げましたような考え方でおりますのでありますが、大蔵大臣休会中に御答弁申上げましたうちで、それは失業保險適用で参るのだという趣旨のことを申上げておるといたしますると、これは何と申しまするか、大蔵省といたしまして回答が二途に分れておるという由々しい実は結果に相成つて参る次第でございます。そういう関係でもございますれば、私といたしまして早速これは大蔵大臣にお考えの程も承わりまして、善後措置につきましてはいずれの途を選ぶか、十分根本的に再検討し或いは出直さなければならんのじやないかということを、実は只今言葉を承わりまして痛感いたしておりました次第であります。  それで只今委員長からのお尋ねもございましたが、私共といたしまして、勿論引揚げて参りまする方々のためにできるだけのことをいたさなければならんということにつきましては、国民の一人といたしましても勿論そういうふうに考えておる次第でございまして、その辺のことにつきましては私共御信頼を頂きたいと、かように存じております。
  28. 岡元義人

    岡元義人君 今次長ちよつと誤解されたようでありますけれども、そういう意味じやございません。退職手当で行くか失業保険で行くかというような回答はございません。ただ失業保険適用するべきであるという見解について、大蔵大臣はとにかく今後帰つて来る者に対してはそれ相応の、いわゆる帰つて来てからの援護をば強化しなければならん、それで失業保険の問題はどうかという岡元質問に対しまして、今検討中であるから、十分これをば考慮してやつて行くという回答が書いてあるのであります。  然るに東條次長は、ここに五ケ月間の休会を経て参られたのに、大蔵大臣はあれ程考慮して何とかするという回答があるにも拘わらず、大蔵当局は以前のまま、いわゆる六ケ月前のままの御返事つたということが非常に遺憾だというのが私の趣旨です。
  29. 千田正

    委員長千田正君) 他に御質問はございませんか。この失業保險に関する問題につきまして、今あとからお見えになりました淺岡委員、北條委員並びに星野委員に申上げますが、今日の題は引揚者に対する予算措置に関する問題、未復員者給與法の一部改正に関する問題、引揚者に対する失業保險適用に関する問題、こう三つありますが、取敢ず失業保險に関する問題につきまして、先程労働省職業安定局の龜井失業保險課長から説明がありました。大蔵当局からは東條主計局次長が見かておりまして、只今の答弁があつたわけであります。
  30. 岡元義人

    岡元義人君 まだ厚生省回答を承つておりませんので、厚生省かこの雇用者として行く場合にどのような支障があるか。勿論これも給與関係において大蔵当局関係があり、それから厚生省にも責任があるんですが、大体基本給は後から出ますけれども百円なんという金を今まで支給して来ておる。これが本当に真面目に検討されておつたならば、この失業保険にかける掛金の方法つてもつと考慮ざれる余地があつた。僅か百円しか月給をやつていない、あれだけ苦労して四年間働いておる者に。……そういうところにも大きな欠陥がある。それはそれといたしまして、厚生省がいわゆる雇用者となつた場合の見解一つ聞いて置きたい。どういう差支えができて来るか、それとも今の大蔵省労働省との二つの案がありますが、これに対する見解一つ聞かしで頂きたい、厚生省としてどういう工合に考えでおるか。  それからもう一つつけ加えて置きます。あの後厚生省はこの問題についてどのような折衝をされてへどのような審議経過を辿られたか。これは実際に三省打合せを私は何回もお願いして置いたが、三省打合せをやられてどういう結果が出たか、そういうことも併せて一つ御報告願いたい。
  31. 太宰博邦

    説明員(太宰博邦君) 主管の援護局長が今日GHQの方へ行つておりますので、私から十分なお答えはできないかと思つておりますが、一つ了承願いまして、先般の国会後におきまして、この失業保険を何とかして実現すべきであるということに私共も考えまとて、労働省と折衝をいたし、又労働省の善処方をお願いしておるわけでございますが、大体先程龜井課長の申しましたような点に隘路があるということが分りました。爾後の点につきましては労働省の方で極力善処をお願いするということで今日まで参つたわけであります。私の承知しておる範囲においてはそういうふうな状態であります。
  32. 岡元義人

    岡元義人君 太宰課長に余り無理を言うのもどうかと思いますが、併し援護庁の総務課長として、私は皮肉で申上げるのではないんですが、失業保險の今度の改正というようなものをお考えになつて、そうして援護庁の業務をやつておられるあなたのところで、一体今度の改正案比べて、どうして復員者だけがまだこれ以上心除け者にされなければならんということをお考えにならなかりたか。今度の改正案はもう御承知だと思います。一般の日雇者までも適用して行こうという段階に來ているときに、援護庁がこれに対して何らか引揚者の問題について折衝されたことがありますか。その点一つはつきり聞いて置きたい。
  33. 太宰博邦

    説明員(太宰博邦君) このたびの改正案というのは未復員者給與法……。
  34. 岡元義人

    岡元義人君 いやいや失業保險法……。
  35. 太宰博邦

    説明員(太宰博邦君) 先程申上げました以上に格別又申上げることもないのであります。
  36. 北條秀一

    ○北條秀一君 私は後に参りまとたので質問がとんちんかんになるかと思いますが、それをお許し願いたいのですが、失業保険法適用するか否かという問題については、昨年の六月二十五日の引揚同胞対策に関する決議の際に、中平委員長はつきりその点についての趣旨を弁明とているわけであります。爾来との問題は非常にやかましく本委員会において検討されたのでありますが、それから後すでに一年半になる今日になつて依然としてこの問題が今のような大蔵省労働省厚生省回答のような低迷した状態にあるということは、結局政府には隘路はどういう点にあるか知りませんが、理論的にできないというのか、或いは財政的にできないというのか、或いは関係方面においてこれはどうしても了解されないというのか、そのいずれかであると思うのでありますか、その点をもう一度はつきりして頂きたい。重ねて申しますと、この問題が理論的にできないというのか、第二は財政的にできないというのか、第三は関係方面の意向があつてこれが了承されてないというのか、そのいずれなのかはつきりして頂きたい。
  37. 千田正

    委員長千田正君) 今北條委員が後から参られましたが、労働省の龜井失業保險課長からの御説明によりますというと、との問題を取上げて大蔵省に折衝して見たが財政関係でもの措置棚上げになつている、大蔵省からの今の東條次長の御説明によるというと、これはむしろ退職手当とした方が妥当ではないかというところでまだ十分結論を得ていなかつたのでありますが、尚只今の北條委員の御質問に対しまして…。
  38. 北條秀一

    ○北條秀一君 只今委員長の御説明によりますと、大体分つたのですが、それでは理論的にはこれは正しいということは、大蔵省労働省厚生省とも認めているわけですか。それは間違いないのですね。
  39. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 或いは私の申上げようが不徹底であつたかと存じまするが大蔵省といたしましては理論的には失業保険適用するよりも、むしろ退職資金的な考え方の方が妥当ではなかろうかという考え方をいたしておつた次第でございます。それから実は日付かれこれをあまりはつきり覚えておりませんので、先程は申上げなかつたのでございますが、どうも引揚者に対しましては失業保險適用することが適当ではないのじやないかという考え方が、私共の接触しておる限りにおきましては司令部関係方面にもございまして、かたがた私共といたしましては先程申上げておりますように、失業保險適用するよりも退職資金的な考え方の方が、理論的に適当ではなかろうかというふうな考え方をいたしております。前回申上げましたことが不徹底でございましたら訂正さして頂きたいと思います。
  40. 北條秀一

    ○北條秀一君 速記を付けない方がいいと思うけれども……。
  41. 千田正

    委員長千田正君) 速記を止めて……    〔速記中止〕
  42. 千田正

    委員長千田正君) 速記を始めて……。
  43. 紅露みつ

    紅露みつ君 先程労働省お話では予算措置で引つ掛つておるのだとこううふうに伺つたのでありますが、そうすると結論は、大蔵省自体の考え一つですね、それと関係方面との了解が付かないこの二つですね。もう一つの各省の関係としては大蔵省だけに問題があることでございますか、その点を一つはつきりして頂きたいと思います。
  44. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 私からお答え申上げるのが適当かどうか存じませんが大蔵省以外のところですべて失業保險適用するのが正しいのだということになつてそう一致しておる。ところが先程来申上げておりますように大蔵省独自と申しますか、関係方面の意向を織り込んだと申しますか、私共の方で失業保險で参るのは適当ではないのじやなかろうかということになつているといたしますれば、只今の御質問に対しましては大蔵省で問題が引つ掛つておるという結果だということを申上げざるを得ないと思います。
  45. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 只今お話では大蔵省失業保險が適当じやなくて、退職手当ということを考えておつて、それの具体的な予算措置の準備をし関係方面と折衝をする、そういうことをされたりか。そういうことをされていないと失業保險にけちをつけただけで全然潰しておるという結果になる。それに変る方が正しいのじやないかと考えられたならばその準備をやつて見て、これだけの可能性があるということを持つていられれば、あなた方の考え方というものは分るのですが、そうでなければけちを付けただけで潰したようになるのですが、どうですか。(「その通り」と呼ぶ者あり)
  46. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 大蔵省と申しますのは、どうちかと申しますといつも受身的な仕事ばかりいたしておりまして、従いまして結局今のお叱もを受けだような事態がしばしば起りましたことは恐縮に堪えないのでありますが、私共といたしましては今申上げましたような考え方を持つておりますし、その後関係各省といろいろ御相談いたしましたが、私共といたしましては何むこの問題だけ取上げて非常に強力に司令部に当つたということは申上げ兼ねるのでありますが、引揚の問題につきましては後からいろいろ問題が出て参ると思いますが、いろいろな問題がありまして、全般的な問題につきましては私共も関係のそれぞれの係官、乃至関係の筋にいろいろと話をいたす機会は戻はしばしばあるのでございます。そういう意味におきましては、私共といたしましてもできるだけ具体的な話をその都度好機を掴んでは持つて行つておる。併しながら日本側の関係各省内部におきまして、それでは主計局に対して大蔵省意見通りの案でもいいからとにかくやれというはつきりした要求があつたかと申しますると、私ちよつとその記憶はございませんが、大体そういう模様でございます。
  47. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 その大蔵省考え方、その案だと退職金やその他ですね、どういう金額をやるとか、そういうような案を調査して……。大体これは、問題は帰つて来るひとが実際困る、これを何とかしなければならん。それの失業保険というもので案が出される。それにあなた方の方ではそれは退職手当の方が本当だろうと言われる。ところがこれに対して案として金額も出ていないし何もしていないのでは、これは全くすつぽかしという外ないので、これは今の話では積極的な要望がなかつたと言うけれども、ともかく失業保険を作れという積極的な要望はあるから、でその要望している根拠は引揚者が実際帰つて来て困るという事実がある。その要望を何ら解決写る案を作つてい場ない。こういうことにあると思います。このもう少しあなた方が考えている案の内容を一つ述べて頂きたいと思います。
  48. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) この席におきまして大蔵省といたしまして、こういふ案を作つたと、こういう案で司令部と交渉をいたす、或いは関係各省はこうやつてはどうかという具体的な案があるかと申しますと、そういう案は用意いたしておりません。
  49. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 それは次長の今の御説明になつた点は分ると思います。これはですね、大蔵省自体においてもう少し愼重に御検討頂きたいと思う。それはこの、一月の丁度二十日前後でありましたが、前委員長紅露委員長並びに岡元委員長と連れ立つて河野主計局長とこの問題で話したのです。そのときですね、この失業の問題において処理をしたらどうかということを強く要請をしたのですところがそののときに局長はこれは一つそうした面で考えてもいいのですが、別途の方法一つ考えましようと、それは手当の方法ということを言つてつたのです。ところが今日年歳を閲してみで、そして今の次長のような御答弁では甚だ委員として或いは委員会としても満足できないと思うのです。この点に対して決して今からでも遅くはないのです。一つ然るべき手当として満足し得るような予算措置大蔵省は講ずべきではないか。私はこう思うのですが、そうした点について今後講ぜられるかどうかという問題し対しての一つ回答を頂ければ仕合せだと思います。
  50. 岡元義人

    岡元義人君 一つ淺岡委員の御回答に私の方から少し補足をさせて頂きまして一緒に答えさせて貰いたいと思いますが一臨時国会補正予算と失業対策と、それから金詰りというところが一番眼目ではないか。労働省もしばしば言明しておられる通りに、失業者の問題の中に引揚者が幾ら幾らあるとはつきり発表しておられる。ところが私は今日の今までの回答をじつと聽いておると墨つぼのような気がする。労働省の方のあの発表になつておりますところの引揚者関係のあれは、一体どういう方法でやろうという考えか。又大蔵省一体この今度の失業対策に対する特別な処置の中に、引揚者の部分をどのような方法でやろうとしておられるか。これだけをはつきり伺えばいいと思う。その点を一つ淺岡議員のあれと一緒にお答え頂きたいとおもいます。
  51. 亀井光

    説明員亀井光君) 引揚者に対しましては、上陸地から本人が家庭に帰りますまでの間、移動的な職業相談をいたしますし、又帰りましてからの職業の斡旋は公共職業安定所を通じまして、それぞれ就職の斡旋をいたしております。更にこれらの斡旋を以ていたしましても、尚且つ就職できない者に対しましては失業対策事業を起しましてこれに吸収し、或いは公共事業にこれを斡旋するというような方法で、今の吸收計画はでき上つておるわけでございます。
  52. 千田正

    委員長千田正君) 只今の淺岡委員岡元委員の御質問に対しまして、大蔵省から東條次長が御答えいたします。
  53. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 本年度予算それから来るべき補正予算につきまして、如何なる予算に内容が盛られておるかということにつきましては、只今労働省の庶務課長からお答え申上げた通りでございます。
  54. 岡元義人

    岡元義人君 丁度厚生省の方も来ておられますから……一体今年庸つて来た帰還者の就職状況大蔵省は持つておられるのか、あなた方の方からそういうことの連絡が取れておりますか。本年度帰還した者が一体何%就職して、何%失職しておるか。これは現実にあるのだから、現実の姿を大蔵省省も労働省はつきり掴えて頂きたい。それをあなたの方で調査して頂きたい。本年帰つて来た帰還者の現在の就職者と現在の失職者が何%あるか。これは労働省で持つておられますか。あなた方の方で持つておられますか。向うの方でもよろしい。
  55. 亀井光

    説明員亀井光君) 労働省におきまして集めました資料につきまして、引揚者の就職状況を数字を以てお示ししたいと思います。本年度六号引揚再開後九月二十日までに引揚げました者の数は、シベリヤ方面から六万一千四百二人、樺太から四千七百十人、大連方面から二千八百本十一人、計六万八千九百七十三人ということになつております。それらの者につきまして、市町村を通じましてどういう就職の状態にあるかというのと、一方公共職業安定所の窓口においてこれをどういうふうに消化しておつたかという二つの面から見て参りますと、これらの中で就職いたした者が市町村の調査では七千百三十五人になつております。その中で自営業者として独立して業務に従事いたしました者が四千百十、それから原職に復帰いたしました者が工千六十五人、新規に就職いたしました者が九百六十人ということになつております。一方公共職業安定所の窓口に現われました求職の状況を申上げますと、公共職業安定所に参りまして、面接、職業指導を行いました者の数が八千五百五十五人、その中で就職を希望いたしました者の数が七千四百八十五人、この求職者に対しまして就職を斡旋いたしました数が一千三百九十六人、即ち、千三百九十六人が就職しておるという状況つております。
  56. 千田正

    委員長千田正君) 皆さんにお諮りいたしますが、龜井課長は三時から帰られますが、龜井課長に御質問の方はどうぞ。
  57. 北條秀一

    ○北條秀一君 先程岡元委員からお話を聞いたのでありますが、これをこの際亀井課長に確認して置きたいのですが、失業保険の問題につきましては、理論的に関係先と労働省が正式に折衝ざれた際には、それが正しいとして了解されたというとは、そういうふうに了解していいのですか。
  58. 亀井光

    説明員亀井光君) ちよつと速記を止めで下さい。
  59. 千田正

    委員長千田正君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  60. 千田正

    委員長千田正君) 速記を始めて。
  61. 紅露みつ

    紅露みつ君 厚生省に申上げますけれども、どうも厚生省はとにかく腰が弱いように思います。直接の所管官庁として、もう少し大蔵省に対しても強い要請を籠めた折衡がなされなければならないと思いますが、太宰総務課長、今日のこの情勢を御覧になつてどうお考えになりますか。
  62. 太宰博邦

    説明員(太宰博邦君) 誠に厚生省腰が弱いと言われまして恐縮でございます。我々努力も大いに足りません点も多々あるごとと存じますので、その点は今後大いに注意をして参りたいと存じます。失業保險。問題は、勿論引揚援護庁所管外であるといつてなおざりにしておるわけではございませんのでありますが、何と申しましても、この失業保險の主管官庁がやはり労働省になつておりますので、私の方の援護庁の立場といたしましては、引揚者の間にこういう要望がある、又輿論としてもこういう声が強い、援護庁としてもまあ失業保險の專椚家という立場ではありませんけれども、非常にこれについても尤もだと思うから是非実現して貰いたい、こういう要望を取次ぐことは大いにいたしたわけでございます。大体先程龜井課長の話がございましたように、衡係先どの折衝の経過などがああいう点に主として現れておる。話を聞いて見ますれば誠に尤もないことありますので、問題はそうしますると財源措置の方になると、その当時私はさように承知しておつたわけであります。従いまして、労働省に対しまして、それでは一つ方面に向いて更にお願いして善処して貰いたいということを要望はしておつたりであります。これもただ要望するだけで放つて置いたのはセクシヨナリズだとか腰が弱いとか言われますれば、それまででございますけれども、さような次第でありまして、尚今後腰が弱い点は大いに錬つて強くするようにいたします。
  63. 北條秀一

    ○北條秀一君 厚生省の担当者にお伺いしますが、国会が設置したところの引揚同胞対策審議会においては、この失業保險の問題は論議されなかつたのでございましようか。これについて厚生省の御回答を願いたいと思います。
  64. 太宰博邦

    説明員(太宰博邦君) 対策審議会におきましても、この点は論議されました。そうしてそれは果たして決議として採り上げられたかどうかは、ちよつと今記録を持つておりませんが、確か私の記憶では、今のような点までも割切つて置きません場合においては、單に決議をしつ放しになつても実を結ばない慮れがあるというようなことで、最後の一線のところで止まつてつたの七やないかという気がいたします。
  65. 岡元義人

    岡元義人君 ちよつと速記を止めて下さい。
  66. 千田正

    委員長千田正君) 速記を止めて     〔速記中止〕
  67. 千田正

    委員長千田正君) 速記を始めて下さい。委員長から申上げますが、この問題は長い間当委員会の懸案でありまして、今日に至つても未だその結論が出ないということは、もうすでに過半数帰つて来たこの復員者に対しても誠に申訳ない話でありまして、この委員会としましても、何とかしてこの結論を具体的に明示する方法大蔵当局に要請したいと思います。皆さんの御賛成を得れば、委員長から改めて大蔵省に要望いたしますが、如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 千田正

    委員長千田正君) それでは、只今委員の御協力を得まして、この問題につきましては大蔵省、殊に本日は東條主計局次長がお見えになつておりますが、当委員会の要望としましては、一日も速かに大蔵省におきましてこの問題を具体化して、できるならばなくて、むしろこの臨時国会政府の案として提案されるようにお願いいたします。
  69. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 御要望承りました。
  70. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 それで承りましたというだけでは甚だ満足できないのですが、その見通しを次の委員会なり或いはその次の委員会なりに一つ報告して頂きたいと思います。それを一つ委員長から重ねて要望して置いて頂きたいと思います。
  71. 千田正

    委員長千田正君) 只今淺岡委員から、大蔵省東條主計局次長から我々の要望に対しまして十分承知した旨のお答えがありましたが、事は急を要する問題でありまして、速かにその見通しにつきまして次の委員会若しくは我々が要求した場合において、これに対してお答えを頂きたい、重ねてお願いしたいと思います。  次に引揚者に対する予算の処置に関する問題を先般は厚生省から御説明を承りましたが、本日は大蔵省からその引揚者に関する予算の処置に対しまして、一応の御説明を頂きたいと思います。
  72. 岡元義人

    岡元義人君 委員長質問してよろしうございますか。
  73. 千田正

    委員長千田正君) 大蔵省説明を聞いてから……
  74. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 前回は出席いたしませんので恐縮でございましたら前回厚生省側から予算の内容につきまして、或いは予算案の大体の内容につきまして、いろいろお話が出たかと思いますが、むしろ私共といたしましては御質疑を頂きましてそれにお答え申上げた方がよろしくはないかと思つております。
  75. 千田正

    委員長千田正君) それでは只今大蔵省からの御答弁のように皆さん方の御質問によつてお答えするそうでありますから…。
  76. 岡元義人

    岡元義人君 それは厚生省から予算説明は一応聞いたんでありまして、その合点の行かんところを大蔵省から回答して頂きたいと思います。第一はこの間休会中にこれも東條次長は見て、おられないだろうと思うのですが、大蔵大臣休会中にお話合いをいたしましたときに、国民金庫の補填財源を、出資をば、相当考慮するというお話で、大体は数字まで会議録に示されておる。大体二十億ということになりますと、十三億に対して七億円、こういうことになつておりますが、そうなると二十億で結構ですが、その中に二億円という厚生資金を含んだ七億円ということになつておるのですが、どうもそこのところが非常にはつきりしない、これはぜひ今日はつきりして頂きたい一七億というものは金庫の金の七億であつて、あの一億は私達別途に考えておつたのであります。ところが二億と五億と一緒にしてそして七億増資し先と、こういう工合に新聞に発表になつておりますが、これは国民金庫の増資と発表されておるのですが非常に曖昧です。この点をはつきりして頂きたい、それから長沼次官にも私は何回も参りましてお願いし、又主計局長にも休会中にお願いして置いたんでありますが、「厚生資金二億円とそれから無縁故住宅の三億六千というものは何とかして考慮しで頂きたいということをばお話申上げて置いたんですが、この点につきましてどういうような処置を大蔵省はとられたかいそれから來年度の厚生資金は大体内示等を見ますと、五億程度しか見てないようでありますが、もう二つ、三つありますから箇條書で、大蔵省のことだから頭がいいと思いますが。
  77. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 個別的に…。
  78. 岡元義人

    岡元義人君 とにかく来年度の厚生資金の予算が五億円とこう承わつたのであります。五億円というのは今年も三億円と、二億円の償還金と、五億円の計画で行つて尚且つ足りないで二億円が問題になておるにも拘わらず、而も厚生資金の制度は厚生援護を更に強化しなければならないという建前からは、この五億円というのは非常に納得の行かない金額である。この点について大蔵省一体どういう考えを持つておられるか、以上大体お答えを一つして頂きましで、もう一つそれに関連しますからこれをつけ加えて置きます。今度の未復員者給與法財源の過剰財源を、これもはつきりしたことは知りませんがどうも風聞するところによりますと、来年へ繰越して行くというようなことをちよつと聞いたのです。これは会議録にも出ておりますが、絶対にそういうようなことはしない、而も長沼次官は私に対して特別委員会の問題については自分が管理局長としてやつて来たのだから、そういうことは全然あなたが御心配する必要はありません、私が十分分つておりますから、決してそういうことはいたしませんとまで次官は言つて呉れておる。ところが次官は忘れたかどうか知りませんが、そういう話を聞くのですが、これも本当か嘘か一つ回答して頂きたい。
  79. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 厚生省側からいろいろ十分委曲を盡した御説明があつたと存じますけれども、蛇足ではなかろうかと存じますがお尋ねでございますので一応申上げて置きます。本年度補正予算。厚生資金に未復員等を考えておるようだがどうだ、又それは一体予算の組み方はどういうふうに相成つておるかということが御質問の第一点かと存じますが、御承知のように補正予算につきましては、政府の案について、関係方面におきましては相当の日数を経ておりまするが、まだこの内容につきましてははつきりしたあれには接しておりませんですが、お聞き及びのごとく一応二億円を厚生資金といたしまして、厚生省所管に別に組んで貰います。これはいろいろ考え方もございまして、国民金融公庫というものは公共的性格を帯びておりまする今日において、むしろ一本の支出といたしまして、大蔵省所管として外の支出に合せて組んだ方がよくはないかという見解もあるわけでございますが、引揚者のための厚生に重点を置いた資金であるということを明瞭ならしむる意味において、厚生省所管に組んだ方がより望ましいのではなかろうか、こいう考え方もございまして、今申上げましたように二億円は厚生省所肩に、大蔵省所管とは別に組んだのでございます。  第二の点は無縁故者の住宅の問題についてどういう整理に相成つておるかという御質問であつたと思いますが、この無縁故者の住宅の建設につきましては、本年度予算に計上してございまするところの引揚関係経費が、御承知のように多少剰余を生じて参るという関係もございますので、できればこの無縁故者の住宅の建設資金に、この剰余があつてはということで、まあサウンドと言いますか、要望と申しますかいたしておりますが、これは誠にちよつと何ですが、公共事業との関係がございまして、この問題についての見通しが困難な情勢に立ち至つております。では昭和二十五年度の厚生資金はどうかという、御質問であつたと存じておりますが、明年度予算の今日の段階、これ亦御趣旨通りでありますが、政府におきましてはやはり厚生省所管に五億円を計上しておるのでございます。それで五億円という金額は今までの経緯から鑑みて不十分ではないかと、こういうお話であつたと拜承いたしますが、御承知のように今までに出ました金が比較的償還が順調に行われておるのでありまして、金がぐるぐる廻つておるわけであります。それで過去の貸付済の償還の資金を、すべて又新規に引揚げなさつた方の厚生資金に合せますということは、むしろ私共といたしまして無理のな、範囲に合理的に回收いたしましてそれに努めまする外、この五億円を計上いたします。勿論この五億円では不十分ではないかという御意見は尤もと存じまするが、御承知のようにいろいろ財政需要も各方面からございます関係上、甚だ十分ではないと存じますが、先ずこの程度で御辛抱願いたいということで、政府といたしましては五億円程度を計上いたしておる次第でございます。  最後の点は実は私余り御質問の要旨がはつきり分らなかつたのでございますけれども、本年度相当の仮に剰余が出た場合に不要の金額をどういうふうに扱うか、引揚関係経費であるから、その趣旨に即したような会計上の処理をいたすべきではないかという御趣旨でなかつたかと思うのでありますが、事柄は御承知のように厳格な国の会計法規がございまして、法規の命ずるところに從いまして私共事務当局といた、ましでは処理をいたさなければなりませんが、の処理をいたしまするにつきまして長沼次官からどういうふうに申しましたか、直接承わつておりませんけれども、私共といたしましても法規の運用上十分御趣旨に副うよう注意をいたして参りたい、かように思つております。
  80. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 次長にもう一遍お尋ねして置きたいのですが、今の最後の点ですが、今年は四十六万余帰るというような面からいつて相当予算が組まれておつたのですが、実際には六万八千九百名、十二月の初めになつてつて來たところで九万五千、十万足らずのものですから、相当の剰余というものが出ておるわけです。こうした面についでは真剣に一つ大蔵省はお考えを頂きたい。ちよつど次長、これは実際この点については真剣に考えて貰わないと困る。それは厚生省も確かに腰が弱いでしよう。労働省失業保険その他の面についての点で若干認識不足の点も多いのです。これはとにかく引揚問題ということになると、厚正省だ、或いは引揚援護庁だというようなことになつて、各所管省には関連はあるのだけれども、そう真剣にお考えにならないです。この一点だけは特に大蔵省は真剣に考えて下されば、筆先でちよつとどうにでもなると思うのだ。ところがそこに思いを…、長沼次官なぞも財務局長時代には相当踏ん張つてくれたけれども、今日ではなかなか忙しいのでそこに思いが至らん、会えば一つ何とかしよう…、会わないうちから何とかして貰わないと困るのだ、そこは一つ真剣にお考えを願いたいと考えます。
  81. 岡元義人

    岡元義人君 さつきの質問で次長一つ落しておられるのですが、国民金庫は新聞発表によりますと七億円ということになつておるのです。このうち二億円、五億円、こういう工合に区別してあるのですが、あれは金庫の増資が七億円で今御質問のあつた厚生省の先の二億円とうのは別箇であるか、これはどつちが本当なのですか。
  82. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 御質問落しまして恐縮でございますが、七億円でございますが、そのうち五億円と二億円に分れます。二億円というのが厚生省の生業資金、こういうふうになつております。
  83. 岡元義人

    岡元義人君 そうしますと国民金庫の資本金が全部で十八億円になる、こういうことになるのですか。
  84. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 仰せの通りでございます。十三億円でございますが合せまして出資といたしましては十八億。
  85. 岡元義人

    岡元義人君 それでは新聞の記事は全部間違いですか、あれは大蔵省から注意して欲といと思います。あれは全部で五十億円に増資になつておる、そうしてその七億円のうち五億円は厚生資金とすると書てある、それは間違いですか。
  86. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) お言葉尻を捉まえるようで恐縮でございますけれども、私の方の補正予算の内容は大蔵省といたしまして決して発表いたしておりません。いろいろ観測記事がございまして、ややもすれば当局の意図のように取扱われる場合が多いのでございますが、今の御指摘のような発表はいたしておらんつもりでございますから念のため蛇足でございますが……。
  87. 北條秀一

    ○北條秀一君 この際東條次長に確めて置きたいのですが、生業資金の二億円は確実に補正予算で出し得るという見通しがついているんでしようか。
  88. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 政府といたしましては引揚者のための生業資金、厚生資金が喫緊のものであるという確信の下に、閣議の決定を経まして関係方面に提出し、その承認を目下要請いたしているところでございます。併しながらこれが確かに政府の要望通り実現されるかどうかという点につきましては、私只今この席上で何とも申上げかねます。(「了解」と呼ぶ者あり)ただ大蔵省としては先程ちよつと御説明を落しましたので、この機会に附加えさせて頂きたいのでありますが、引揚関係経費相当不要を生じて参りますと、実は本年度補正予算関係方面での審議に当りまして、補正予算財源が実は相当苦しい点がございまして、この金がぽつぽつと話題に上がつている、但し確定的に只今どうこうということは(「とんでもない」と呼ぶ者あり)ございませんか、そういう空気もございますから、御参考までに申上げておきます。
  89. 岡元義人

    岡元義人君 私はそれを心配しているからさつきから言つているので、それは今から沢山申上げなければならないのですが、是非東條次長に問いで貰いたいというのは、この委員会で特別に未復員者給與法の一部改正案が前の国会のときにアプルーヴアルを取つちやつて、ちやんとこの渉外課に預けて、只今これもがければ通るのだが、あれじやまだ足りないからかけなかつた、この臨時国会にどうしてもあれ以上のものを出さなければならない状態にある。これも一つあなた方主計局の方で忘れてもらつてはとんでもない亡とになる。それで今日の案件になつております未復員者給與法がありますから、それまで望みませんけれども、併して三億六千万のあれは是非とも一つ骨を折つて頂きたい。この無縁故住宅は何と申しますと、今度の災害なんかでも実際おかしいのです。それは災害の人も気の毒です。併し災害の人達は、たとえ災害を受けても必ず建つ、直ぐ家が建つ、災害の方は併し四年間も順序を待つて橋の下とか、ガードの下で暮して來ている引揚者、そういう人が二十万人といるのです。片方は災害を受けたら直ぐその家が建つ、併し四年も順番を待つているガードの下、橋の下或いはお寺で暮している。そういう者はいつ順番が来るか、その点真剣に考えで頂きた。大蔵省は筋道ばかり言えば何とか理屈は成り立ちましようけれども、理屈じやない、現実の問題として二十数万人、現にあなた方の目にちらつくところに引揚者は家がなくてガードの下で暮している、四年も順番を待つている。今まで立派な家に住まつていた人が災害で潰れてしまうと、直ぐ家が建つ、こういう矛盾した現実の問題をよく捉えて頂きたい。この三億六千万円はなんとかやつて頂きますように私は次長のお骨折を切望して止みません。
  90. 千田正

    委員長千田正君) この問題つきまして御質問ございませんか。一応これでこの予算措置に関する大蔵省の御答弁を打切りまして、未復員者給與法の一部改正に関する件に移りたいと思いますが、よろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  91. 千田正

    委員長千田正君) では本日の議題のうち未復員者給與法の一部改正に関する件につきまして、各委員から御質問若しくは御要望をお伺いしたいと思います。
  92. 北條秀一

    ○北條秀一君 これは委員長の提出ですか、それとも勿論理事諸君と委員長が打合せて作られたのでしようが、その結果を出されたのですか。
  93. 岡元義人

    岡元義人君 北條委員は出すまでに出席しなかつたと思うのですが、今日の委員会で一応大蔵省提案の未復員者給與法は留保して置いて、そうして我我委員会でかねて折衝し、又考えておつた案をば速かに出すべきである、こういうところから二案を出した方がいいと、その二葉につきまして一応骨子を作つて、今日の委員会にお配りしようということでお配りしたのがお手許の要綱案なんです。勿論この中で十分検討をばされてそれから行くわけであります。だから骨子としての案を二つ出したわけであります。
  94. 千田正

    委員長千田正君) 委員長から尚お伝え申上げますが、この未復員者給與法の一部改正に関する法律案の問題につきましては、先に当委員会として大蔵委員会に申入れをしてあつたのであります。それは大蔵委員会の方においてもこれを取り上げておりますので、でき得れば当委員会において立法した方がよろしいだろうという皆さの御意見もありますし、又強い要望もありましたので、大蔵委員長とも相談の結果一大蔵委員長の方では委員会並びに理事会においでこの問題を討議した結果、一応時間を置いて、そうしてあと当委員会と合同の審査会をして、而して後にこの特別委員会の方へ、この問題は最後の結論特別委員会へお譲りしたい意向であると、こういう意味の御意向を伝えて参つたのであります。その前に事前審査として、只今岡元君よりここに要綱案を皆さんのお手許に配つて頂いたのでありますが、これについて皆さんに十分御討議願いたい一かように存じます。
  95. 岡元義人

    岡元義人君 ちよつと簡單に骨子をば内容を説明して置いた方がいいかと思うのでですが。
  96. 北條秀一

    ○北條秀一君 ちよつとその前に……私先程申上げましたことは、委員長並びに理事会において決定した案を出されるかどうかということを聞いたのは、とかく今まで、私はここで出席が遅れたりして何か事前に相談がなくて、余計な発言を繰り返したくないから私は申上げたのですが、本日初めて岡元理事なら岡元理事の案として出るなら、私はこれに対して意見を言う余地があるのですが、その余地があるかどうかいうことを先程聞いたのですが、余地があることが分りましたから、その通り進めて頂きたい思います。
  97. 岡元義人

    岡元義人君 ちよつと最初の間だけ速記を止めて頂きたいと思います。
  98. 千田正

    委員長千田正君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  99. 千田正

    委員長千田正君) 速記を始めて下さい。
  100. 岡元義人

    岡元義人君 これは当然問題なく今政府提案としてここに出ておるわけですから、これは問題はない。それから三番に移りまして、帰郷旅費ですが、これは大体帰郷旅費は郷里までの距離に応じて千円乃至三千円を舞鶴、函館、佐世保を、これを上陸地を考えて、それから郷里までを計算して出し、それ以外は別表にしてこれに入れたわけであります。  それから四番目の遺骨引取経費を千五百円を千七百円に改める。この間改正になりました鉄道運賃、四月三十日の改正の法律第四十八号によりますと、二百三十円ぐらい汽車賃が上ることになつております。これは二人分しか認められないことになつております。二人分で二百三十円上る、それで千七百三十円の三十円を削つて千七百円とこういうことに四番をしたのであります。問題はこの五番目でありますが、遺族補償、今度未亡人福祉法なんかの問題が暗礁に乗上げておりますのも、今まで折衝に当つてつたのでよく向うの意見等も承つておるのでありますが、先ず第一番に戰争行為によらないところのいわゆる強制労働中において亡くなつたという者、その次に戰時中の戰残者、こういう段階、その次に未亡人、こういうような段階で行くのが私は一つの順序だろうと思う。何としても一番根子であるところの今帰つて来る未復員者の葬祭費というものに対しては、これは一般の政府職員等の災害補償というようなものといわゆる一連の関係がある。こういうふうに考えられて行くことが一番妥当であると思うのであります。そこで大藏省が名案があつて別に災害補償を適用して呉れるということならこれは問題はありませんけれども、どうしてもこの中に入れて行くとするならば、埋葬費は今一万円ではお葬式はどなたがおやりになつても一万円のお葬式はできません。それでなくても他の方面では考えられないところの未復員者の遺族に対して、これをば外の例から言つて今までの金額では到底これはやれるものではありませんから、遺族に対して遺骨引取経費、埋葬費、弔慰金を含めた意味で一時金を一万円支給する。こういうふうに改正をしたわけであります。この予算措置は、一万円やりましたところで、本年度が大体四百万円、二十五年度は約三百万円、こういうような工合の程度の金でありまして、これは予算支出面もそうむずかしい問題ではないわけでございます。  それから六番の、引揚傷病者の療養期間を二年を三年に改める。これは大体前のときに関係方面から、アメリカのいわゆる医療施設その他を引例されまして、大概二年間で治る。こういうようなお話があつたのでありますが、日本の場合は、相当実際にこれを施行後における状況をば見て見ますと、非常に困難である。これはどうしても三年間に改める必要があるというので、ここに第六項に引揚傷病者の療養期間を二年を三年に改める。こういうような工合に訂正案を書いたわけであります。  それから勿論この施行は予算関係との関係から、十一月から施行するということをばここに謳つたのでありますが、大体概略そのようになつたのであります。若しこれで何か御不審な点がありましたら、委員長、私の方から又お答えいたします。
  101. 北條秀一

    ○北條秀一君 私は不審ではありませんが、修正をしたいと思います。それは原案の三ですが、帰郷旅費千円を郷里までの距離に応じ千円乃至三千円に改めるということは、別表で出て来るわけでありますが、本年の打合会の問題として特に我々議員仲間でいろいろ論議がありまして、各人各様の意見を吐いておられるのでありますが、今まで私の考えて来たのは、距離よりも、距離は一番科学的であつて正確なんですが、現状においては日数によつてやるというようにした方が簡單で事務的ではないかというように考えるのであります。日数になりますと、舞鶴を出て東京に二日かかるから、二千円、ところが北海道になりますと、それは三日半になりますから、四千円ということになりまして、日によつて出す、切上げて日にちで計算すると、日数の方は実情に即しているという私は考えです。  五の、遺族に対し、遺骨引取経費、埋葬費の外弔慰金云々の問題があるわけですが、これは従来我々の主張でありまして但しその文章は直さなければならんと思います。一と五との関係において直さなければならんと思いますが、私はこの問題について、この一と五との関係においてですね。これはこの未復員者が抑留地において死亡した場合には、公務死ということに当然なるわけであります。先程の東條主計局次長の話によつて退職手当等を出したらどうかというお考えがあれば、この場合公務死としてこれを扱つて行く方が合理的じやないか、例えて申しますと、俸給月額九百円となると、日額三十円であるから、従つて公務死の場合は、最低千日分を出さなければならないということになるわけであります。そうなりますと、三万円になりますから、その方が筋が通るのではないかという考えです。それで従来の未復員者救與法におきましての埋葬費という考えは、根本的にそういうふうにこの際直して行くべきじやないかというのが私の考えであります。あとは異存はありません。
  102. 草葉隆圓

    ○草葉隆圓君 速記を止めて下さい。
  103. 千田正

    委員長千田正君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  104. 千田正

    委員長千田正君) 速記を始めて……。
  105. 草葉隆圓

    ○草葉隆圓君 この内容の個々の問題につきましては、私先程申上げたように、いろいろ意見がありますが、併し大体におきましては、狙うところは引揚げて来る人達に相当な……、成るべく手当を十分にして、そうして国家の財政と睨み合して行けるというのが根本なのです。それでこの一々につきましては、そういう意味においてもおのおのの委員において意見があると存じますが、結局この程度の範囲において大体委員長並びに理事において関係方面と十分お打合せになつて、そのお打合せの結果いろいろ移動がひどくあるときには委員会にお諮り願うということにして、これをここで幾ら細密に検討しましても、余り十分な効果はないのじやないか。大体この線において御交渉願う方が適当じやないか、こう考えます。
  106. 千田正

    委員長千田正君) 只今の草葉委員からの御提案につきまして、皆さんの御意見がございましたならばどうぞ。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  107. 千田正

    委員長千田正君) それでは只今の草葉委員の御意見通り一応この案を原則としまして、委員長及び理事において協議した上で関係方面と折衝しまして、尚皆様にお諮りしてこの問題を決定したいと思います。
  108. 木下源吾

    ○木下源吾君 私は援護庁の人にちよつとお聞きしたいのですが、函館の場合などは大分縮小したのですが、更に今又縮小しなければならんことになつておるのです。これについてお願いしたいのですが、或いはどういうような整理といいますか、後の首切られといいますか、辞めた人がどういうようになるか計画を立てておりますか、後のことを……。
  109. 千田正

    委員長千田正君) ちよつと待つて下さい。この未復員者給與法の問題についてこれでよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  110. 千田正

    委員長千田正君) それでは木下委員の今の御質問に対しまして太宰課長。
  111. 太宰博邦

    説明員(太宰博邦君) 「函館の援護局の機構縮小の件につきましては、この前の委員会で概略申上げた通りで御了承願いたいと存じます。荷機構縮小に伴いまして、いわゆる職を離脱する職員ができるわけでございましてかような人に対しましては、現在非常に就職の方面が困難な時代にぶつかつてはおりますが、我々何とかして後の転換を考えて上げたいと、折角努力をいたしております。さように現在の段階では御了承願いたいと思います。
  112. 木下源吾

    ○木下源吾君 折角努力中と言うが、この年末あたりに整理をされることになつておるのじやないですか。これはどういうことなのですか。
  113. 太宰博邦

    説明員(太宰博邦君) これは御承知通り援護局と申しますのはGHQの指令で動いておりますので、今後指令が出ますうちは存続するわけでございます。指令が出ました後に初めて動き出すのでございます。又現在においても我々情報によつて得ました範囲において努力を継続しております。本格的の動きというものはその指令が出ました後になります。
  114. 木下源吾

    ○木下源吾君 それは指令によつて動かなければならん範囲もあるだろうが、大体仕事の工合から見通しがつくと思うが、私はなぜそういうふうに聞くかというと、そこにぶつかつてからじたばたしたつてしようがないと思う。聞くところによると相当大巾に縮減しなければならん模様であるが、すでに対策とかそういうものをやはり準備して置く方がいいのじやないかと思います。そういうことについては御相談したことはありますか。
  115. 太宰博邦

    説明員(太宰博邦君) 非常に御親切な御注意でありまして有難く存じます。私の方でももうすでに函館現地で打合せを終えまして、可能なものから実現するように鋭意努力をいたしております。
  116. 木下源吾

    ○木下源吾君 退職手当等についての人件費予算がございますか。
  117. 太宰博邦

    説明員(太宰博邦君) これは特別なそういうような措置はまだ現在の段階ではとるまでに至つておりません。
  118. 木下源吾

    ○木下源吾君 要するに金の問題なんですから、なければ補正予算でも準備しなければならんと思うのですが、そういう点については考慮しておりますか。
  119. 太宰博邦

    説明員(太宰博邦君) これは考慮しております。大蔵省当局とも大体こういう情勢だということは逐次話し合いまして、いよいよ若し実現いたしますとすれば、その場合には直ぐ措置がとれるように進めで行くというふうにしております。
  120. 木下源吾

    ○木下源吾君 それを大蔵省一体何の経費から出すのですか。
  121. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 私の方といたしましては、補正予算の流用その他適宜の措置によりまして、措置いたしたい、こういうふうに考えております。
  122. 木下源吾

    ○木下源吾君 その額は流用で間に合いますか。
  123. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 間に合うと思います。
  124. 木下源吾

    ○木下源吾君 もう少しお聞きしたいのですが、今の点はこれは大蔵省もおられますし、援護庁もおられますが、とにかくこういう時期でありますし、非常に職を離るる者は困難であるからして、できるだけ、それを一つ親切に次の就職の機会を與えるとか、若し適当な就職口がない場合において、その間どうやらこうやらやつて行けるというようなことを見て上げなければいかんと思いますが、その点十分留意して貰いたいと思う。  そこで次でありますが、二十五年度予算の内示かこれに出ておりますが、ここに思想昂揚費というりものが出ておりますね、この思想昂揚費というものは一体どういうところにどういうふうにして使うのであるかということをちよつとお聞きしたいのですが……。
  125. 太宰博邦

    説明員(太宰博邦君) これもこの前の委員会で概略申上げたのでありますが、援護思想昂揚費でございまして、これは御承知引揚援護愛の運動に対しまして、政府として若干の補助的な裏付をしたいという、こういう費用がここに載つているわけでございます。御承知通り愛の運動は民間運動として起こつたのでありますが、遺憾ながら今日の段階におきましては、民間運動その他に任しておきますると、結局実を結ばないということが感知せられましたので、政府におきましても若干の援助の手を差延べるということが必要ではないか、かように考えまして、財政当局と相談いたしまして二十三年度に、昨年の十二月からが第一回でございますが、当時は流用で以てこれをし、引続き二十四年度の本年度予算におきましても、この額を認められたわけでございます。来年度におきましても、本年度と同額で済みませんが、同額程度のものをここに一応内部的には認められて計上したわけであります。大体これは中央におきまして全国的に一律的にポスター、パンフレツトを刷つて配るというような方面に向けます費用は、全国大会を開く費用、それから地方の補助費の方面は各府県にこれを分けまして、各府県は府県でそれぞれ若干の府県費をこれにプラスいたしまして、それを以て各府県におきまする愛の運動に対する援助的な裏付に振り当てる、こういうような予算でございます。
  126. 木下源吾

    ○木下源吾君 これに寒冷地手当、石炭手当というのが出ておりますが、これは支給の率といいますか、額はどういう基準になつておるのですか。
  127. 太宰博邦

    説明員(太宰博邦君) これは一般の職員と同じ基準によつて支給されるわけです。
  128. 木下源吾

    ○木下源吾君 石炭手当も同様ですか。石炭の価格を幾らに見ておりますか。
  129. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 一般の問題でございますから、私からお答え申上げます。確か一トン当り二千五百円で積算しておつたかと思います。
  130. 木下源吾

    ○木下源吾君 人事院の勧告は三千三百二十一円二十銭になつているのに、二千五百円というのはどういうわけです。
  131. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 人事院の勧告は確かお説の通りになつてつたかと思いますが、人事院の勧告が出まして以後、御承知通りに石炭配炭公団が廃止になりまして、一般配炭に関する統制が撤廃いたされました次第でございます。その後の各方面の石炭の価格なんかの調査によりますと、特に北海道の現地で燃料炭に当てますものにつきましては、或る程度の値下りをいたしておるというように私共は存じております次第でございます。これは人事院の勧告当時におきましては、恐らく人事院側でも予想いたしておられなかつた事態であろうと想像いたすのでございますが、そういう新たな経済上の措置がとられましたに即応いたしまして、先ずトン当り二千五百円見当でありましたならば、いろいろ御不満があろうが、御辛抱願えるのではなかろうか、かような考え方に基きまして積算ができておる次第であります。
  132. 木下源吾

    ○木下源吾君 この点につきましては、先般私本会議政府質問したときも石炭が値下りになつたようなことを増田長官が答弁しておりますが、これは見当違いです。惡い燃えないようなものが値下りになつて、一般のつまり焚け得るものは上つておるのです。トン二百円も上つておるわけです。今日の物価の趨勢はですね。それから食糧の値上り、運賃、その他の値上りで相当高くなる見通しがあるのに、而も本年度でさえも二千七百円とか言つておるのを、今、明年度二千五百円というのは何かよりどころがこれはあるのですか。
  133. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 明年度の問題でありますから、適確なよりどころがあるか、こういう仰せでありますと、こういうはつきりしたよりどころがございますということは申上げかねまするが、私共といたしましては、本年度の二千七百円、来年度の二千五百円見当で、先ず石炭の一トン当りの購入はできるのではなかろうか、こういう考え方で積算をいたしております。
  134. 木下源吾

    ○木下源吾君 実は石炭手当というのは文字に書いたような石炭を買う手当というよりも、寒地における勤務者の燃料の費用ということが私は至当だと思うのです。そこで、その石炭々々といつて、石炭にばかりこだわつているのも石炭なら何でも焚けるのだというような、そういうふうに私は考えて来ておるのじやないかと思うのですが、これはまあ今お説を承りまして、私共又国会予算でいろいろやりますが、できるだけ実情に即したような一つ御配慮を願いたい。こういうように希望を申上げて置きます。
  135. 岡元義人

    岡元義人君 さつき未復員者給與法の方は、まだ済んでないのですが、大体これで骨子はよいということでございますか……。それでは大蔵省に、一応ここで私御質問して回答できないものは、次の委員会で速かに回答して頂きたいと思うのです。というのは、何かというと、予算大蔵省が握つておるのでありますから、一つ東條次長にお伺いして置きますが、お手元にお配りしましたでしようか。
  136. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) お配りしました。
  137. 岡元義人

    岡元義人君 この中で二と四と六、これは大蔵省は問題ないという工合に見ておりますが、先ず一つそれから御返事ができましたら直ぐお返事して頂きたい。それから一と三と五、これは恐らく今日ここで次長の御回答を求めることは無理かと思います。併し我々委員会では、今お聞きの通り、これを骨子として立法化いたすつもりでおりますので、それに伴いまして、大蔵省としても十分一つ検討願わなければならん段階に来ておるわけであります。一、三、五につきましてはできるだけ早く御検討して頂きまして、次の委員会回答して頂きたい。若しこれについての何か御意見がございますならば、今ここで伺つて置いても結構なんです。二、四、六、これは先ず異存はない。この点は一つここで回答して頂きたい。それはなぜかと申しますと、もう我々は、この段階に至るまでもう随分長い段階を経ておりますので、大体今までの交渉経過から見ても、これは私が今言つたのは、あなたの方は今のところ問題ない筈だという考え方を持つておる。回答のできるのは十分潔く回答して頂きたい。お願いします。
  138. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 先程この法律案要項を頂戴いたしました。誠に各方面御苦心の程敬意を表しております。二につきましては、政府提案通りでございますので、勿論結構でございます。あとの問題につきましては、私共いろいろ、非常に重要な問題を含んでおる問題でございますから、よく検討させて頂きたいと思います。大蔵省といたしまして御回答申上げるのを必ず次の委員会にというお言葉でございますが、この点は多少余裕を以てお許し願いたい。私共も誠意を以て研究をいたします。
  139. 岡元義人

    岡元義人君 議員提案で参りますと、勿論次長御承知通りに、関係方面との折衝をいたさねばならないのでありまして、ちよつと委員長速記を止めて頂きたい。
  140. 千田正

    委員長千田正君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  141. 千田正

    委員長千田正君) 速記を取つて下さい。
  142. 木下源吾

    ○木下源吾君 予算編成の場合に今岡元委員の言われたようなことがあなた方の方に何か御考慮又はお話合いがあつたかということ、従つて若しそういう話が出たとすれば、政府の方で、つまり留守家族子弟の育英に関する費用などについて何か話がなかつたかということ、それから未復員者給與ですが、それを全抑留地に拡充適用することはどうかということについてのお話がなかつたか、そういうことを一つ併せてお聞きしたいと思うのです。
  143. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 前段のお尋ねの育英資金について何か特段の処置が講じてあるかどうかというお話でございますが、確か引揚者に対してのみの育英資金というものは、別段予算には計上いたしてございません。ただ二十五年度予算におきまして、確か十五億円見当を一応日本政府といたしましては、大日本育英会から育英資金の貸付金といたしましての貸付けができるように、政府から育英会の方に貸付けをするという金を約十五億程度であつたと思いますが、計上してございますので、所管省でございます文部省の方におきまして、この資金を実情に即して運用して頂くという外なかろうかと存じております。  それから未復員者給與法は旧陸海軍に属するものとしての取扱いの地域をソ連以外に拡げるというようなことが話題に上つたかという御質問であつたかと思いますが、それらのことも話題に上つたように存じております。ただ二十五年度の、只今一応政府といたしまして定めておりまする予算案には、その辺のところは計上しておらないと存じております。
  144. 木下源吾

    ○木下源吾君 もう一つ序でに大蔵関係にお伺いして置きますが、留守遺家族の人に対して特に税金を免除するというようなことについて何かお話がなかつたかどうかということが一つと、序でだからもう三つばかりですから……、もう一つはこれは厚生省関係だと思いますが、いろいろ旅費などを受取るのに、俸給を受取るのに出張旅費が非常にかかるとか言つて皆こぼしておる。特に北海道なぞのように広い所では……。そこでもよりの役場あたりで、町村役場で貰えるように措置が講じられないものかどうかこれをお尋ねいたします。  最後にもう一つは、本年度の職員に対して寒冷地手当、石炭手当を出すつもりでおる、こう言つておりますが、本当のところを、どこに引掛かつてつて、どこを一体隘路を打開すればよいのか、それをお尋ねして、私共又国会でいろいろできるだけのことを御援助申上げたい、こう考えておりますから、率直にお話を願いたい。
  145. 東條猛猪

    政府委員東條猛猪君) 私からは第一の税の問題と、第三の石炭手当、寒冷地手当の問題につきまして御回答申上げます。第二の点は厚生省の方から御回答を願いたいと思います。私実は税のことを十分存じませんので間違つておることを申上げておりましたらお許しを願いたいと思いますが、特に今お話のような免税でありますとか、減税のような途はないのではないかというふうに存じております。ちよつと速記をお止め願います。
  146. 千田正

    委員長千田正君) 速記を止めて下さい。    午後四時二十三分速記中止    —————・—————    午後四時四十二分速記開始
  147. 千田正

    委員長千田正君) 速記を始めて下さい。
  148. 岡元義人

    岡元義人君 特別未帰還者給與法につきましては、今大蔵省は相談に預らなかつたというようなお話でありましたが、すでに第五国会におきまして、関係方面の承認を得た法案が、参議院にはそのまま預つてある形なのです。そこで、あのままではまだ不十分であるという委員意見がありまして、更に修正を要するというので、その修正案が只今処置されまして、立法化するように資料が法制局に送つてあるのであります。大蔵省の方でもこのことをはつきりここで知つておいて頂きたいのと、それから委員長から、非常に期日を急ぎますので、法制局に対して速やかにこの事務的手続を完了するように要請して頂きたい。すでに休会中から我々の方からお届けしてあるのであります。  それからもう一つ只今閣議で決まつたというようなお話でありますが、ざつくばらんに申上げまして、大臣が一々知つておるわけのものでもなし、而も国会の中に特別委員会が衆参両院とも設けられておる。こういう引揚者の処理問題は、特別委員会があるからいろいろな社会問題を今まで起しておらない。この委員会がなかつたならば、六百二十万の街頭行進をやりかねん。併しながら特別委員会というものがあればこそ、ここで一つ防壁になつておる。その特別委員会を設けられておるところの真意を、政府の各事務当局がもう少し私は考えて欲しいと思う。閣僚がいわゆる決定したのじやない。大臣の手元まで出さなかつた。これははつきりしておる。だからもう少し特別委員会の存在を認識して頂いて、速やかに何か手を打つて頂くように、私は東條次長初め政府関係の方に要望いたしますと同時に、委員長に、事は非常に重大でありますから、何とかできるだけ早い機会にもう一回大蔵大臣と長沼次官の出席をば私は要請したいのであります。
  149. 千田正

    委員長千田正君) 承知しました。
  150. 北條秀一

    ○北條秀一君 只今政府に対する非常に強い要望がありましたが、私も全く同様でありまして、私は多少角度は変りますが、この際簡単に要旨だけを皆さんに申上げて置きたいと考えるのであります。  それは引揚同胞対策審議会でありますが、引揚同胞対策審議会はすでに国会において、国会のイニシアチイヴによつて法案が作られ、そうして政府にああいう組織が作られたのでありますが、その組織は今日まで住宅問題初めその他緊急援護、定着援護等についての決議をいたしております。殊に本日同審議会から提出されました九月二日の決議を見ますと、凡そ引揚者問題についての広汎な決議が、即ち政治の方向が示されておるわけであります。而もこの審議会には関係各省の次官は全部出ておるわけです。でありますから十六省の中の九省の関係次官が出ておりまして、ここで決定されたものは、引揚者の定着援護について如何なる政策をとるべきであるかということははつきりと各省次官は責任を以て知つておる筈なんであります。でありますから、当然この決議は次官会議において審議され、決定され更に閣議決定まで持つて行くべき筈だと私は考えるのであります。然るに現在の政府の政治力の弱さといいますか欠陥があると考えますので、次の機会において、我々は引揚同胞審議会の会長であります厚生大臣並びに関係審議会の委員であるところの各省の次官の出席を求めまして、どういうところに自分が決議したものができない原因があるのか、これを一つ十分に説明して貰いたい、と同時に我々からもそれを究明して行きたい、こういうふうに考えるのでありますが、最後にこの点を皆さんに申しあげまして、御賛成を得たいと思います。
  151. 千田正

    委員長千田正君) 只今の北條君の御提案ですが……。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  152. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 これは一つ委員会に宛てましての請願と申しましようか陳情でありますが、勅令第四十二号医師国家試験受験回数緩和に関する件でありますが、この三月に満州、朝鮮、台湾、樺太、そうした外地から帰つて来た人に国家試験を行うとありますが、それが二回しか行わない、あと二十七年までに一回行われるのであります。これでは到底外地から帰つて来たお医者さんが満足の生計を営むということはでき得ないということでありますので、こうした各位からの請願がどんどん出て来ると思いますし、又現在も出しおるのですか、それを一つ委員会がお取上げ下さつて、どうかこの回数をもつと増して貰いたい。そうして外地で現に脈をとり、又非常に人を助けたというような点を内地にも及ぼして行きたい。それで国内的にも無医村、医者のない村というものが相当あるのでありますから、そうした点も重々御考慮頂いて、この委員会において是非この緩和に対しての手続、或いはその他に対して一段の御努力を願いたいと思うのであります。
  153. 千田正

    委員長千田正君) 只今淺岡委員の御提案のことは……。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  154. 千田正

    委員長千田正君) 皆さん賛成だと思いますから、一応これは厚生大臣並びにその関係に対しまして要望いたします。
  155. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 有難うごさいました。
  156. 千田正

    委員長千田正君) 先程の木下委員の御質問に対して厚生省の御答弁がなかつたので、引続きまして、木下委員の先程の御質問に対しまして、太宰課長から御答弁を願います。
  157. 太宰博邦

    説明員(太宰博邦君) 未復員者給與、金の未支給給與、これは引揚者が郷里に帰りました後、所在の世話課に出頭して精算いたすのでありますが、これは中には距離の遠い方もおられまして、そういつた方々がわざわざ汽車賃なり高いバス代を拂つて来て、二、三千円の給與金を受取るということは、甚だ私共といたしましてもお気の毒だという気もいたすのでありまして、そういう場合におきましては、送金拂いということもいたしておるりであります。御本人の方で大体遠いというような点からいたしまして、送金拂いをして呉れというようなお話かございますれば十分その意に副いたいと思つておるわけであります。併しながら御承知通り、外地から帰つて来た方々に、まだ外地に抑留になつております残留同胞のことにつきまして、お伺いして状況を究明いたした、これは復員局の方でずつとそういう方針で行つておりますが、引揚げてこられた方々も、事情の許す限り世話課において願いまして、いろいろ彼の地の模様なり消息なりを承わらして頂きたい、かような願いからいたしまして、これは程度の問題でございまするけれども、距離の近い方々は御迷惑でも一日世話課へ出て来て頂きまして、そういう未支給給與の精算をいたすと同時に、かの地の模様なり残留同胞の消息を伝えて頂きたい、まあかように考えておるわけでございます。
  158. 木下源吾

    ○木下源吾君 只今お話のような、世話課で必要なことは出掛けて行つてでも、或いは旅費でもあげてやるように、それがために不平が多いのですから、そういうことを一つ今のお話にあつたように、こういうように送金もできるのだということも最初に上陸したときによく話してやればいいと思うのですが。
  159. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 どうでしようか、今日の委員会を一応閉じて頂きまして、実は引揚の問題に対しまして重大事項がありますので、それを一つ協議いたしたいとおもうのでございますが、特別委員の方だけお残り頂いてその問題を一つ御協議して頂くようなふうにお諮り頂きたいと思いますが。
  160. 千田正

    委員長千田正君) 御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  161. 千田正

    委員長千田正君) それでは本日の特別委員会はこれで閉じまして、次回はいずれ公報を以てお知らせいたします。    午後四時五十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     千田  正君    理事            淺岡 信夫君            紅露 みつ君            岡元 義人君    委員            木下 源吾君            草葉 隆圓君            水久保甚作君            小畑 哲夫君            木内キヤウ君            北條 秀一君            星野 芳樹君   政府委員    大蔵事務官    (主計局次長) 東條 猛猪君   説明員    厚生事務官    (引揚援護庁官    房総務課長)  太宰 博邦君    労働事務官    (職業安定局失    業保険課長)  亀井  光君