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説明員(
内藤誠夫君)
ユニセフにつきましては、すでに来歴というようなものは御
承知だと思うのでございまして、要するに
国際連合でこの目的を達成いたしますために、
ユニセフという
基金を作
つておるわけでございます。
ユニセフというものは
国際連合国際児童救済基金というものの頭文字を集めたものだということでして、便宜上
ユニセフと申しております。これが約五十万ドルの資金を
日本に割当てたわけでございます。その五十万ドルの中二十五万ドルは
衣料の
原料としての
原綿で与える。それから後の二十五万ドルにつきましては
ミルクを与える、その他にいろいろ技術的な
援助を行う、その他
予備金をその中に含ませる、こういう大体の
計画であるということであります。これにつきまして総
司令部と
ユニセフ当局との協定が成立をいたしまして、それに基きまして、本年の九月から十月にかけまして現品が次々と到着いたしたわけでございます。これにつきましては大体大きく分けますと
二つの
計画が成立つわけで、ありまして、その
一つは
原綿を
中心といたします
衣料関係の
計画であります。それからもう
一つは
ミルクを
中心といたします
栄養関係の
計画でございます。
原綿につきましては九月の十八日に千三百八十二梱の
原綿が神戸港に到着いたしたわけでございます。それでこれを結局
衣料にして
配給をするわけでございますが、事柄を急ぎますために、とにかくその入りました
原綿というものを
引当にいたしまして、現在
公団で所有しておりますところの原反や糸を放出いたしまして、とにかくそれで早く
衣料を作り上げてしまう、その後で
原綿をそれに
引当に補充するという
計画に
なつておるのであります。その千三百八十二梱に当る
原綿をとういうふうに使用いたして行くかと申しますと、とにかく
衣料の
対象といたしましては、
生活保護法の適用を受けておる世帯の満三歳以上満十一歳以下の
児童にこの
衣料を
配給する、こういうことにいたしておるのであります。その
児童につきましては、
男児につきましては
下着一組、これは
メリヤスでございますが
下着一組、それから
男児服、
女児につきましては
下着一組、
女児服一着、これだけのものを
無償で
配給をいたしたい、こういう
計画でございます。
それでこの
計画に
二つの
段階を設けまして、第一
段階は、これは本年内に
配給完了を目途として進めておるのでございまして、取敢ず満三歳、四歳、五歳、六歳、七歳、これだけの
児童に対して、約二十五万人でございますが、これに対しまして
衣料を
配給いたしたい、こう
考えておるのでございます。満三歳、四歳、五歳、六歳、七歳、これだけの者で約二十五万人を
対象といたします。これにつきましては、すでに
公団から
原綿の放出を終りまして、それぞれの工場で
目下加工中でございまして、
只今の
予定を以てしては、
計画通り本年度内に歳末の贈り物といたしまして、それだけの
児童の手許に届き得る見込でございます。尚それ以上満十一歳以下の
児童につきましては第二期
計画として
配給をいたしたいと思
つておりますが、これは
原綿の
数量の
関係がございまして、満十一歳まで全部
配給し得るかどうかは疑問でございまして、低年齢より逐次及ぼし得る限り
配給をする、こういう
方針に
なつておるのでございます。
それから
ミルクの
関係でございますが、これは分けますと三つになるのでありまして、第一番目は
学校給食の
関係であります。
学校給食につきましては、これを主要十二
府県におきまして、約五十五校が選定をされるわけであります。そこの
児童約五万五千人に対してなされるわけでございまして、その総
数量は約六百トン、一年間という
予定に
なつております。これは一日に
ユニセフから提供されました
脱脂粉乳五十グラムを用いまして、それに
日本側でいろいろの
栄養品を加えまして、五百カロリーから六百カロリーにいたすわけでございます。これだけのものを毎日
児童に
無償で
配給をする、こういうわけでございます。
それからもう
一つは、同じく
脱脂粉乳の
保育所に対する
配給でございまして、これも先程申上げましたような
原則で、即ち一日一人五十グラムの
脱脂粉乳を使い、そうしてそれに
日本側でいろいろ
栄養品を加えまして五百カロリーにする。その
対象は十二
府県、三十八
保育所の約五千人の
児童に対して
給食をする、こういうことに
なつておるのでございます。
それから
ミルク関係の第三は、オール
ミルクと言われております全
粉乳でございます。これは国内の十六個所の
保健所を用いまして、その
保健所で約二千人の
乳児に対しまして全
粉乳で
配給をする、こういうことに
なつておるのであります。これもやはり一日一人五十グラムを基準といたしで
考えております。主といたしまして
生活貧困なる
乳児を優先させます。尚これにつきましては、その
保健所管内の
施設等をも含まれることに
なつておるのでございます。この
ミルクにつきましては、その
配給を受けております
児童につきまして一々詳細綿密なる
身体検査を実施いたしまして、又それらの
ミルクの
配給を受けておらない
児童の
健康状態とも比較いたしまして、その詳細を報告するごとに
なつておるのでございます。これらの
衣料品を作りましたり、
配給いたしましたり、それから又
ミルクを
配給いたしましたり、これに
日本のいろいろ
栄養品を加える、こういうのには
相当に
多額の
経費を必要とするのでございますが、これは
ユニセフの
物資の供給の
根本原則によりまして、その
配給には国家におきましても
相当額の
負担をしなければならない、こういう
基本方針が成立
つております。面も
児童には全部一切
無償でなければいけない、その間要する
費用は
中央政府を
中心といたしまして
府県、
市町村がそれぞれ
負担をいたしまして
児童には決して
負担をかけない、こういう
基本原則に
なつておるのであります。このためには
厚生省といたしましても、約一億近い
予算を
予定いたしまして今
準備を進めておるわけでございます。
学校、
保育所、
保健所等につきましても、或いは国或いは
都道府県或いは
市町村等がこれの
負担をいたしまして、
児童に対しては
無償で
配給する、こういう
建前を堅持して行きたいと思うのであります。
これにつきましては非常に
ユニセフ本部におきましても注目を払
つておるようでございまして、又私共といたしましても初めてのことでありますし、まあこれがうまく行われますということは、
児童の
福祉にも直接に貢献をいたしますし、又そういう
国際機関への接近の
一つの
機会という
意味にも解せられますので、でき得る限りその
事務が誤りなく確実に、而も迅速に達成し得ますように努力をいたしておるわけでございます。これにつきましては国民的な
感謝の
意思表示も必要だと思われますので、これが到着の
際等には
学校の
子供、
児童福祉施設の
子供等が迎えまして、それぞれ
相当盛大な歓迎の催しをいたしております。又先般の
国際連合デーその他をも利用いたしまして、ありとあらゆる
機会に国民としての
感謝の
意思を表示することを続けて参りたいと
考えておる次第でございます。誠に簡単でございますが、一応
ユニセフの
全般の
計画につきまして御説明申上げます。