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1949-11-10 第6回国会 参議院 厚生委員会社会事業団体及び施設の振興に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十日(木曜日)    午後一時四十一分開会   ————————————— 昭和二十四年十月三十一日(月曜日) 厚生委員長において左の通り小委員を 選定した。            山下 義信君            姫井 伊介君            岡元 義人君            草葉 隆圓君            竹中 七郎君            井上なつゑ君            今泉 政喜君 十一月一日(火曜日)小委員長互選の 結果左の通り決定した。    委員長     山下 義信君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○社会事業団体及び施設の振興に関す  る調査の件   —————————————
  2. 山下義信

    委員長山下義信君) これにより開会いたします。本日は前回懸案なつておりました諸問題につきまして、政府当局との間の質疑を始めることにいたします。
  3. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 この機会厚生省から御出席になつておりまするので、御質問申上げたいと存じますが、従来敗戦後諸外国からいろいろ物資援助、救援を求めておりまして、或いはララ物資なり、ユニセフなりという方面の大変な援助を頂いておりますが、ことにユニセフ関係におきましては困窮、困難な児童万両に対して相当援助を受けでおるのでありますが、これに対して厚生省としてはどういう御計画と、どういう方法とでお進みになつておるか、この点を一つ承わりたいと思います。
  4. 内藤誠夫

    説明員内藤誠夫君) ユニセフにつきましては、すでに来歴というようなものは御承知だと思うのでございまして、要するに国際連合でこの目的を達成いたしますために、ユニセフという基金を作つておるわけでございます。ユニセフというものは国際連合国際児童救済基金というものの頭文字を集めたものだということでして、便宜上ユニセフと申しております。これが約五十万ドルの資金を日本に割当てたわけでございます。その五十万ドルの中二十五万ドルは衣料原料としての原綿で与える。それから後の二十五万ドルにつきましてはミルクを与える、その他にいろいろ技術的な援助を行う、その他予備金をその中に含ませる、こういう大体の計画であるということであります。これにつきまして総司令部ユニセフ当局との協定が成立をいたしまして、それに基きまして、本年の九月から十月にかけまして現品が次々と到着いたしたわけでございます。これにつきましては大体大きく分けますと二つ計画が成立つわけで、ありまして、その一つ原綿中心といたします衣料関係計画であります。それからもう一つミルク中心といたします栄養関係計画でございます。原綿につきましては九月の十八日に千三百八十二梱の原綿が神戸港に到着いたしたわけでございます。それでこれを結局衣料にして配給をするわけでございますが、事柄を急ぎますために、とにかくその入りました原綿というものを引当にいたしまして、現在公団で所有しておりますところの原反や糸を放出いたしまして、とにかくそれで早く衣料を作り上げてしまう、その後で原綿をそれに引当に補充するという計画なつておるのであります。その千三百八十二梱に当る原綿をとういうふうに使用いたして行くかと申しますと、とにかく衣料対象といたしましては、生活保護法の適用を受けておる世帯の満三歳以上満十一歳以下の児童にこの衣料配給する、こういうことにいたしておるのであります。その児童につきましては、男児につきましては下着一組、これはメリヤスでございますが下着一組、それから男児服女児につきましては下着一組、女児服一着、これだけのものを無償配給をいたしたい、こういう計画でございます。  それでこの計画二つ段階を設けまして、第一段階は、これは本年内に配給完了を目途として進めておるのでございまして、取敢ず満三歳、四歳、五歳、六歳、七歳、これだけの児童に対して、約二十五万人でございますが、これに対しまして衣料配給いたしたい、こう考えておるのでございます。満三歳、四歳、五歳、六歳、七歳、これだけの者で約二十五万人を対象といたします。これにつきましては、すでに公団から原綿の放出を終りまして、それぞれの工場で目下加工中でございまして、只今予定を以てしては、計画通り本年度内に歳末の贈り物といたしまして、それだけの児童の手許に届き得る見込でございます。尚それ以上満十一歳以下の児童につきましては第二期計画として配給をいたしたいと思つておりますが、これは原綿数量関係がございまして、満十一歳まで全部配給し得るかどうかは疑問でございまして、低年齢より逐次及ぼし得る限り配給をする、こういう方針なつておるのでございます。  それからミルク関係でございますが、これは分けますと三つになるのでありまして、第一番目は学校給食関係であります。学校給食につきましては、これを主要十二府県におきまして、約五十五校が選定をされるわけであります。そこの児童約五万五千人に対してなされるわけでございまして、その総数量は約六百トン、一年間という予定なつております。これは一日にユニセフから提供されました脱脂粉乳五十グラムを用いまして、それに日本側でいろいろの栄養品を加えまして、五百カロリーから六百カロリーにいたすわけでございます。これだけのものを毎日児童無償配給をする、こういうわけでございます。  それからもう一つは、同じく脱脂粉乳保育所に対する配給でございまして、これも先程申上げましたような原則で、即ち一日一人五十グラムの脱脂粉乳を使い、そうしてそれに日本側でいろいろ栄養品を加えまして五百カロリーにする。その対象は十二府県、三十八保育所の約五千人の児童に対して給食をする、こういうことになつておるのでございます。  それからミルク関係の第三は、オールミルクと言われております全粉乳でございます。これは国内の十六個所の保健所を用いまして、その保健所で約二千人の乳児に対しまして全粉乳配給をする、こういうことになつておるのであります。これもやはり一日一人五十グラムを基準といたしで考えております。主といたしまして生活貧困なる乳児を優先させます。尚これにつきましては、その保健所管内施設等をも含まれることになつておるのでございます。このミルクにつきましては、その配給を受けております児童につきまして一々詳細綿密なる身体検査を実施いたしまして、又それらのミルク配給を受けておらない児童健康状態とも比較いたしまして、その詳細を報告するごとになつておるのでございます。これらの衣料品を作りましたり、配給いたしましたり、それから又ミルク配給いたしましたり、これに日本のいろいろ栄養品を加える、こういうのには相当多額経費を必要とするのでございますが、これはユニセフ物資の供給の根本原則によりまして、その配給には国家におきましても相当額負担をしなければならない、こういう基本方針が成立つております。面も児童には全部一切無償でなければいけない、その間要する費用中央政府中心といたしまして府県市町村がそれぞれ負担をいたしまして児童には決して負担をかけない、こういう基本原則なつておるのであります。このためには厚生省といたしましても、約一億近い予算予定いたしまして今準備を進めておるわけでございます。学校保育所保健所等につきましても、或いは国或いは都道府県或いは市町村等がこれの負担をいたしまして、児童に対しては無償配給する、こういう建前を堅持して行きたいと思うのであります。  これにつきましては非常にユニセフ本部におきましても注目を払つておるようでございまして、又私共といたしましても初めてのことでありますし、まあこれがうまく行われますということは、児童福祉にも直接に貢献をいたしますし、又そういう国際機関への接近の一つ機会という意味にも解せられますので、でき得る限りその事務が誤りなく確実に、而も迅速に達成し得ますように努力をいたしておるわけでございます。これにつきましては国民的な感謝意思表示も必要だと思われますので、これが到着の際等には学校子供児童福祉施設子供等が迎えまして、それぞれ相当盛大な歓迎の催しをいたしております。又先般の国際連合デーその他をも利用いたしまして、ありとあらゆる機会に国民としての感謝意思を表示することを続けて参りたいと考えておる次第でございます。誠に簡単でございますが、一応ユニセフ全般計画につきまして御説明申上げます。
  5. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 文部省厚生省とのこの仕事の分担と申しますか、おやりになつておる点についても一つ伺いたいのですが。
  6. 内藤誠夫

    説明員内藤誠夫君) これは司令部からの覚書等に基きまして、とにかく全体の責任全般的な責任については厚生省が負うということにいたしております。ただ学校給食、これは相当に今尨大事務でございますので、実際問題といたしましては、ミルクの受付は全部厚生省がいたします。全部受付けて学校給食部分文部省へ引渡しまして、その後は相当に大きな責任を持つて文部省処理をして貰う、こういうことにいたしておりますが、併し尚全般の問題については厚生省責任を負う、こういう建前はつきりといたしておるわけでございます。
  7. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 ちよつとお伺いいたしますが、ユニセフの送られましたこの材料は赤ん坊おしめなんかには当てられないのでございましようか、実は赤ん坊おしめが足りないという声は、いつも国会なんかでも出るのでございますけれども、満三歳以上というのはどういうところに根拠があつて決まつたのでございましようか。
  8. 内藤誠夫

    説明員内藤誠夫君) これはとにかく衣料を、相当しつかりとした着物にして配給をしたい、これが向うの少くとも今回の第一次計画に関しまする強い希望でございました。そういたしますと、直接衣料というふうな形にいたしますと、むしろ満三歳以上くらいの児童の方が外にも出ますし、いろいろの意味衣料要求度が強いのではないか、かように考えられますので、一応そういうことにしたわけでございます。
  9. 姫井伊介

    姫井伊介君 ユニセフの五十万ドルの基金の出ました根源は、どういうふうにしてできたのかということが一つ、次には原綿処理でありますが、これは公団製品の振替というお話もありましたが、若し新らしく作るとするならば計画性を持たせられる筈であると思います。よく今までララ物資などの配給におきましても、男の子供の所に女物が行つたりなんかしてなかなかうまく行かない。その辺のことは相当調査されまして計画性を持たして織り又は縫う、着物にするならば縫うわけですが、そういうふうにいたしますかどうかということ、ただいい加減にそれをやつていい加減に配給するという方法をとられるかどうか、更に品質でありますが、相当大量のものが織り又縫われるといつた場合には、随分乱雑な俗に言う粗製濫造とでも申しますか、そういうふうになり易い、又その間に若干の営利というものが考えられまするならば、尚そういうふうになつて来るわけです。従つてこの辺の製品工程並販売……販売じやありません、無償配給と言われたのでありますが、併しその仕事に対しましてはいわゆる工賃というものが払われる筈だと思いますが、それはユニセフの方で全部持たれるかどうか、少し話がこんがらかりましたが、要するに営利性を持たせないで品質の良いものを配給するということにつきましては、どういうふうなお考えがありますかということ、最後にはミルク配給などにつきましての一億円ばかりの経費負担でありますが、これは国、都道府県市町村というお話でありましたが、どんな比率でこれを負担せしむるかということ、以上お尋ねします。
  10. 内藤誠夫

    説明員内藤誠夫君) お尋ねの第一点でございましたユニセフ財源の問題でございますが、これは政府からの寄附が先ず第一番でございます。アメリカなどは相当多額寄附をいたしておるようでございます。それからもう一つ関係各個人や団体寄附もございます。実は先般新聞で或いは御承知かと思いますが、日本でも人形組合相当立派な人形をこれに寄附いたしまして、それの財源の一助にいたしたいという計画を立てまして、過般その贈呈式を行なつたのでございますが、こういうふうなのも勿論ささやかなものではございますが、その一つの現われでございます。それから又アンラからその事業完了に基きまして引継ぎました財産もあるということでございます。  それから第二番目の配給計画性につきましては、私共はこの衣料を作りますときの基礎資料といたしましては、本年の二月に行われました生活保護法保護を受けておる者の基礎調査がございます。これに男女別年令別の詳細な数字が出ておりますので、これを基礎といたしまして取敢ず衣料品配給いたしたのでございます。又配給につきましては先般全国課長会議を招集いたしまして、その席上において本年十一月現在でもう一度全部その数を各市町村をして調査せしめ、それを基礎といたしまして配給をする、府県には一応二月現在の基礎資料厚生省から配給いたしまして、それを府県から市町村には十一月一日現在の数字配給する。それにつきましていろいろと過不足が生ずるわけでございますが、これにつきましては第二回の配給、即ち高年令者配給の際に調節をやる、こういう方針で行きたいと思いますので、相当にそれぞれの子供の需要に合つたものが行き亘る、かような確信を持つております。  それから第三番目の製造の問題でございますが、これはまあ通産省ともよく相談をいたしまして相当責任のある業者を選定いたしまして、且つ又通産省の厳重な指導監督の下にその製造を行わせる、こういうことになつております。尚この工賃につきましては関係方面からも相当指導をして貰いまして、大体公定価格の四割引乃至三割引程度費用でやつて貰う、こういうことになつておるのでございまして、この工賃は全部日本政府負担する、こういう仕組になつております。それから予算負担の割合でございますが、例えば衣料品につきましては受付けましてからずつと製造をいたしまして、そうして各府県地方事務所まで配給をする費用というものは全部厚生省負担なつております。それからあとの費用、つまり地方事務所から市町村に持つて行き配給する費用、それから又各府県でそれぞれ打合せなどを行う費用、こういうふうな費用府県で持ちます、こういうことになつております。  それから学校給食につきましては、これは結局配給費用が主でございますが、主として都道府県負担をする、それから又各学校毎に一つフアンドをつくりまして、そのフアンド負担をする、こういうことになつております。  それから保育所給食につきましては全体の費用を、要するに保育所まで配給する費用は全部国が持つてそれを調整いたしましてこれを与える、こういう費用につきまして只今予定では、約九円程一日一人かかるのでありますか、これはこれを三分いたしまして、三分の一ずつを国、都道府県及び市町村がそれぞれ負担をする、こういう仕組みなつております。まあ一言で申しますと国が殆んどその大部分負担をいたしまして、地方公共団体等は極く小部分負担で、実際上は労力その他の面においてできるだけ協力態勢を取る、こういう仕組みなつておるわけでございます。
  11. 姫井伊介

    姫井伊介君 この着物の製作ですが、相当大量のものを作らなければならない、まあ時期的にも関係がありますから或いはうまく行かないかも知れませんが、地方にありますいわゆる授産事業と結びつけて、やはり生活困窮者一つ仕事といたしまして若干の原料授産施設に流してそこで仕事をさして、仕事賃收入を図らせるといつたような、そういうことの操作はできないものかどうでしようか。
  12. 内藤誠夫

    説明員内藤誠夫君) その問題につきましては確かに御説のように、授産所を利用するということは社会政策的に考えて見ましても、非常に効果のあることであると考えられますので、私共といたしましても非常にこの問題は研究をしてみたのでございます。併しながら結論といたしましては、これも御説にございましたように時期的の関係等で、非常に実は急がれましてやはりこの際といたしましては、一応專門のメーカーを使うより外仕方がない、こういう結論にいろいろ検討いたしました結果到達いたしましたので、このような方向をとることにいたした次第でございます。
  13. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 もう一つ衣料のことについて伺いますが、どうせ年末に配給になるのでしようから、冬着ができ上ると存ずるのでありますけれども、どういうような生地にお作り上げになりますか。それから保健所の方のミルクと申しますか、これは人工栄養児でございましようか、それとも虚弱児乳児でございましようか、幼児でございましようか、その点についてお伺いいたしたいと思います。
  14. 内藤誠夫

    説明員内藤誠夫君) 生地につきましては、相当に厚手のものを用いておりまして、下着などにつきましてはメリヤス製品でございますし、それから上に着ます学童服女児服につきましても、可なり厚い地でありまして、当然に冬直ぐ使える品物でございます。それから第二番目のお尋ねでございますが、これは対象乳児でございまして、そうして人工栄養児混合栄養児両方に対しまして配給をすることになつております。
  15. 岡元義人

    岡元義人君 葛西次官ちよつとお尋ねしたいのでありますが、その前に事務局ちよつとお聞きして置きたいのは、今お配り願いました資料社会事業団体の数は、まだこれより外にもあるのでありますか。
  16. 木村盛

    ○專門員(木村盛君) あります。
  17. 岡元義人

    岡元義人君 それでは葛西次官お尋ねいたしますが、厚生補導という本当の大きな仕事はやはり社会事業団体の力によらなければならんことが沢山あると思う。そこで厚生省で実際に社会事業団体というものを計画的に考慮されて、認可が与えられておるのか、それとも言うて来たところをただ選択して認可を与えて来られたのか、この一点を一つはつきり教えて頂きたい。それから次に同胞援護会の問題についてお尋ねしたいのですが、同胞援護会葛西次官は非常に関連があるわけですが、この同胞援護会につきまして覚書が出まして、同時に実際の社会事業団体としてその機能を発揮させるために、あの時期において改めた構想の下に発足されることが、最も必要ではないだろうかということが考えられるのでありますが、この辺についてはどのように葛西次官はお考えなつておりますか、その点をはつきり承りたいのと、それから現在の同胞援護会の会長その他の方々は衆議院に籍を置いたり、参議院に籍を置いたり、いろいろあの覚書指令によりまして変つて参つたのでありますが、そういうような一つ名前だけを連ねて、この同胞援護会の今後の事業が飽くまで遂行されていくのか、という点についてどのようなお考えなつておるのか、その点を承わりたいのであります。それからこの同胞援護会についてもう一点先ず承わりたいのは、大蔵省からお見えになつておるようですから、全国における同胞援護会のいわゆる管財との関係施設に対する管財との関係を後程承りたいと思いますが、いろいろな今まで我々が知つておる限りにおきましては、非常に偏在的な施設が、そのまま引揚者の收容所に充てられたり、或いは戦災者その他の收容所に充てられておりますが、この非常に偏在的な関係から相当各県のそういう設備が非常にまちまちになつておる。そういうことに対しまして、厚生省はそういうところを十分に考慮された政策を今まで実施されて来たか……非常に極端に差がありまして、例えば住宅対策、そういうようなものについても、こういう偏在的の施設を考慮に入れ、厚生省は斟酌されて計画を立てられて今日に至つたかということを一つつて置きたいのです。尚まだお聞きしたいことがありますが、一応以上の点について明らかにして頂きたいと思います。
  18. 山下義信

    委員長山下義信君) この際委員各位に申上げておきますが、葛西次官は三時前に他に公務がありまして離席されますから、それまでに次官に御質疑がある方はお願いいたします。
  19. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 その前にもう一点だけ、伺いたいと思いますが、ミルクの方は、この給與を各施設で開始して、無理なしにやる方針でおやりになつているのですね、この点を……それから現在開始しておつて給与を始めていないところが相当ありはしないか。
  20. 内藤誠夫

    説明員内藤誠夫君) ミルクにつきましては学校関係には十月中旬からぼつぼつ始まつております。これは一応一年という計画でやつております。その後の問題につきましては、まだ何もユニセフとしては言明いたしておりません。それから、保育所関係につきましてはすでにミルクは、各府県に発送を一昨日あたりから開始いたしました。ただ日本側から副食物を出さなければなりませんので、それの準備完了次第始めたい、こういうわけでございまして、まだ現実には開始されておりません。でやはり、これも学校給食と同様に引続きまして、一ヵ年ということを計画いたしております。それから保健所ミルクにつきましては、大体今月の半ばから開始をいたす予定でございまして、これは只今の八万ポンドの割当によりますと、約九ヶ月間続けて実施し得る数量でございます。只今のところはそういうふうに、一年又は九ヶ月ということを一応の計画期間といたしまして、その間は継続して行い、その後は又いずれユニセフからの各般の連絡を待つて計画を立てる、かようなことになつております。
  21. 姫井伊介

    姫井伊介君 現在の学校給食、並びに今年の四月からですか、今年度から始められました保育所に対する給食、はこれと関係がないのですか、あるのですか、それをちよつとお聞きしたい。ユニセフの……
  22. 内藤誠夫

    説明員内藤誠夫君) これは結局今までの学校給食なり、保育所給食という形では中止されるわけであります。ただ今までそのためにいろいろの物資特配等を行なつておりましたが、それは引続いて行いまして、結局五十五グラムのミルクから五百カロリー乃至六百カロリーを出しますためには、相当数を加えなければなりませんので、それに打ち込む、尚その外に更にいろいろ物資の手当を考える、こういう段取りになつております。
  23. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) 岡元さんの御質問に対しましてお答えいたします。第一にお尋ねになりました社会事業団体計画的に、殊に地域的にやつているか、計画を立てているかというような御質問でございますが、これは理想から申しますれば、御指摘のようにやはり必要なところ最も必要な度合によつて、必要な社会施設が置かるべきであるということから申しますれば、正に計画的に設置するべきものであると考えております。ただ実際問題になりますと、社会的に必要が非常に多いのに拘らず、なかなか財政の面或いは物資の面というようなところで思うように参らないものですから、理想的には参つておらないことは大変遺憾でございます。併し私共が中央におきまして、或いは県庁なら県庁におりまして、地方でいろいろな施設認可したり、或いは助成をいたします場合には十分ではございませんが、かような計画的な考え方から余り近いところに助成するとか、何とかいうようなことだけは戒めてやつているというくらいなことしか、今のところではやつておらないのが現状でございます。率直に申上げますと、そう申上げざるを得ないような状態でございます。  第二の同胞援護会に関する数項のお尋ねでございますが、第一の同胞援護会について指令が出ましたというのは、昭和二十一年の二月の指令をお指しになつてのお話でございますが、あの指令の出ましたときに遡つて申上げますれば、二十年の暮に出ましたあの救済福祉計画を、日本政府が立てよということを命ぜられましたときからの構想といたしましては、政府の方では公的援助公的扶助と申しますか、そういうところを中心にしてあの事態に処して大々的にやつて参る。併しながらこれだけはどうしても痒いところに手が届くといいますか、行き亘らない部分が非常に多い。官の制度でありますというと、いろいろ行き届かないところがあつたり、或いは高低ができたりなぞする。これを私共は補正しようという意味で、公的扶助関係のことをやると同時に、民間の方で大運動を起して、そうして官民一体でこの救済福祉計画を進めて参りたいというふうに考えておりますのが、初め同胞援護会の実は構想であつたわけでございます。併しながら御承知のようにあの指令にはいろいろな含みもあつたでありましようし、その後又御承知のようにいろいろな経緯がございまして、その当初の構想を十分に果たすことが段々できなくなつております。御承知のように当初は、或る程度の国家の援助というようなものもやつて参ろうということであつたのが、そういうふうなことも段々できなくなつて参り、或いは公の機関、殊に同胞援護会のごときは純然たる民間団体にすべきであるというようないろいろな立場から、そういう方面の制約が加わつて参りました。これはいろいろな長い間の経緯で岡元委員も御存じと思いますが、ああいうふうな経緯で段々その構想が後退いたしまして、現在率直に申上げますれば、当初の構想はいずこにありやと言われても止むを得ない状態にあるのが現状でございます。更に又、ちよつと速記を止めて頂きます。
  24. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  25. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を始めて。
  26. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) それから第二に今の同胞援護会というものの役員等が、今のようなものでいいのかどうかというふうな点でございますが、これも御承知のようないろいろな沿革がございまして、ああいうふうになつて参り、殊に現在のようないろいろなむずかしい問題が数重なつているわけでございます。大きな仕事をしようとしてもなかなかできないのが現状じやないかと思う。殊に中央同胞援護会等につきましては、一億数千万円の借金の利子ばかりでも、一年に何百万円払うということで手一杯で、いい人を得ようとしても得られないというのが現状でございます。これも又先程申上げましたように問題の解決と共に、小さくとも堅実に進み得るようにして参りたいというふうに考えておるわけであります。従つて役員等につきまして、今これをどうしようというようなことは、勿論民間の団体でございますので、政府がかれこれ言う筋合のものではございません。私の方から申しましても別にどうこうという意図は只今のところ持つておりません。それから第三に同胞援護会に関連しての施設と、犯罪関係の話ということでありましたが、先ずこの第一に施設が非常に偏在しておるのじやないかと、これはお説の通りでございます。あの当時、終戦後のどさくさのときにいろいろ沢山の問題を控えてこれを処理して参る。併し御承知のような状態でありまして、理想的なところに理想的な施設をして参るということもできません。実は空いておる、或いは元の軍の施設でありますとか、或いは又会社あたりで空いておるものを使うということより、あの当時それよりしようがなかつた。従いまして空いてるものを大蔵省方面には御無理をお願いして、とにかく引揚の方、或いは戦災者の方を入れて貰うというようなことを応急に講じただけでございまして、地域等は偏在をしたり、或いは又それが理想的に行つていないことは私共率直に認めざるを得ないわけでございます。まあそんなふうなわけでございまして、或いはああいうふうな国の財産等につきましては、これを速かに買收するなり、或いはどうするなりというふうな問題が、今起きているわけでございますが、財力のありますもの等につきましては、若干これを購入して貰うという措置の済んだものもございますが、まだ大部分は金が調達できないということで、そのままになつておるような状態でございます。これらも段々整理して参りたいと、こういうふうに考えておるのであります。一応申上げたつもりでありますが、尚不足でございましたら重ねてお答え申上げます。
  27. 岡元義人

    岡元義人君 今の御説明で、非常に次官は何もかも分つておいでのようですから、突込んでお聞きして置きたいと思いますが、今十分お話の通りにこの施設その他によりますと、施設そのものを中心とした援護というものが、現在僅かに行われておる、而も地方町村の末端におきましては、昔の名残りを止めまして、町村役場の中にあるかなしかの姿をば現在持続して来ておる。こういうふうな社会事業団体に対して、厚生省がこの際これを今後維持して行く、今も東京の中央の話がございましたが、このままで実際維持ということができるのかできないのか、こういうことも十分御検討なすつておられると思いますが、次官の肚を伺いたいのは、今実際社会事業団体というものをば、この委員会が徒らに整理するというのでなくて、強化しようというのが、この委員会の目的であろうと我我考えておるのであります。そういう際に厚生省として実際拔本的に、ここでこの同胞援護会の機構を全面的に考え直して、そして合理的な運営を今後やつて行くというようなお気持を、次官がお持ちになつておられるかどうか、この点一つつて置きたいと思います。
  28. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) 大変むずかしい御質問でございますが、気持を話せというようなことでございますから三…私共としましては最初の構想というものは、やはり官民協力一致というような意味が、正しい意味の官民協力一致であれば、私は是非心持としてはこういうふうなものが得たいとは希望いたします。ただ併しなかなかこの現在の同胞援護会等でそういうふうなことをやつて参る。殊に全国的にというようなことになると、なかなか至難なことではないかというような心持がするわけであります。これはいずれ私共は仮に心持を率直に申上げようと申上げまいと、これはやり得るか、やり得ないかということは現実の力なり、或いは又その努力如何の問題ではありますが、只今のところでは今申上げましたような経緯で非常に苦難の事態になつておるものでございますから、これを今直ちにどうして行こうというような、具体的な方向を私共実は持つておりませんし、同胞援護会の当局からも亦私自身は実は聞いたことはないわけであります。いずれ同胞援護会が小さくなりましても、堅実な歩みを上しますようになりますれば、実力をもつて成るべく当初の目的、寄附行為で決めてある目的に副うように努力するであろう。又そういうふうになりました場合には、私共としましてはできるだけの御援助をして参りたい、こういうふうに考えます。
  29. 岡元義人

    岡元義人君 もう一遍だけ、多小葛西次官の御回答に不満足であるのですが、実は先日社会局長が委員会におきまして同胞援護会をどうこうしようというようなことは、全然考慮していないという、こういう回答があつた。これは誠に怪しからんお話でありまして、その点は今次官が御説明のあつたように、これは非常に重要なる問題です。と申しますのはたとえ小さくなつても維持して行くという御説明が、ございましたが、実際的に我々が考えて見まして、今のような状態で果してやつて行けるかということは、非常に疑問を持たざるを得ない。委員長ちよつと速記を止めて下さい。
  30. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  31. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を始めて。
  32. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) 大変御同情のあるお話でありまして、私も大変感激いたします。私はこの同胞援護会ができた当初から、実は関係いたした者としまして、特に岡元議員の今のお言葉については、非常に感銘深く伺つたわけでございます。ただ何としましても、やはりこの財源の問題に関連がございます。今これを集めるとなりますと、もう只今のところは如何に努力しましても、なかなか容易でないわけでございます。そうなりまして、今の憲法との関係を御指摘がありましたが、そういうものもやはりこの何と言いますか、憲法に抵触しないような一定の法制と言いますか、かようなものを作つてからでなければ、これ又追付かないというようなことにもなるわけでございます。それからこの団体につきましては、実はこの今までの……
  33. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を止めて……    〔速記中止〕
  34. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を始めて……
  35. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) そんなようなわけで、若し財源を得る方法、或いば法的な援助というようなものが可能かどうかというふうな問題になる。そうなりますと、或いはいずれ国会で御審議を願わなければならん、社会事業基本法と申しますか、ああいうものとの関連も考えないと、それがどういう形で出て参りますか、これは随分私は将来とも紆余曲折があつた上でないと、なかなか簡単には行かん問題のような心持がいたしております。従いまして今ここでその問題を、どう割切つて参るかというふうなことは、とても申上げられるような段階ではございませんことは、お許し頂きたいと思います。
  36. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 同胞援護会の問題なり、尚私はこれと関連し、更にこれと又別な意味において、広い意味を持つております授産事業の問題について、いろいろ御質問申上げたいと存じますが、一つ委員長のお取計らいで秘密会にして頂いてお進めを願いたいと、かように思います。
  37. 山下義信

    委員長山下義信君) 只今草葉委員の御提案の秘密会に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 山下義信

    委員長山下義信君) それでは大蔵省、厚生省政府当局、並びに国会事務関係以外の方は御退席を願います。   午後二時三十三分秘密会に移る    —————・—————   午後三時三十一分秘密会を終る
  39. 山下義信

    委員長山下義信君) 引続き委員会を開きます。
  40. 姫井伊介

    姫井伊介君 ここに表が出ておりませんから、後日今の調査表を出すというのですが国有財産の建物のうちで生産工業用に転活用されたものが相当あると思いますが、すでにこの売払いの契約をしているので、いろいろの事情によつてその契約金額を納めることができない、又納める見込もないといつたものが、地方を見ますとぼつぼつあるわけです。そういうものが一つと、今一つは大部分処理されて残るものがあるまいと思いますが、或いは何かの関係で若干残るものがあるのじやないか、そういうものを今後処理されます上において、産業用のいろいろな工場だとか、何とかいうふうに転用するということも、これは無論でありますが、従来余り顧みられなかつた社会事業施設用に向けるために、どういうふうな考えを持つておられますか、社会事業施設というものは殆んど消極的なものであつて、何ら生産に寄与しない、言い換えるならば金儲けをして呉れない、財政にプラスにならないというようなことが考えられているとするならば、言うまでもなくこれは大きな間違いだと思うのでおります。物を大事にすると同時に、根本の人が尊重されなければならないし、社会事業施設に入りました者が、必ずしももう再び立ち上ることができないというのではなくしていろいろの関係でそういうふうな施設に寄らなければやつて行けないものが沢山あるので、こういう人達に一月も早く生活力を与えて、生産部面に立ち上がらして行くというところに、人と物との再生産と申しますか、更生と申しますか、そこに大きな狙いがおるのでありまして、この根本的な考えからいたしまして、すでに過去になつたことでありますから、今更仕方がありませんが、将来若干残つたものがありましてもここに一つの枠といつたものを設けると、而もその粋は今まで軽く見られておりました社会事業施設の方に重点を置いて行くというふうにして、なるべくその方に転活用させる。それがためには関係の諸団体などからの希望も聞き、意見も入れるといつたような、一つ寛容な態度においてこの国有建物を活用させるお考えでありますか、どうかということを一応伺つて見ます。
  41. 山下義信

    委員長山下義信君) その点私からも附加して伺いますが、そういう向きにまだ活用のできるようなものが、相当ありますかどうかということを併せて伺います。
  42. 森岡謹一郎

    説明員(森岡謹一郎君) 契約を結びまして金の入らないもの等も、若干あることは事実でございます。これにつきましては、見込のないものについては契約を止めているわけでありまして、新たに相手方を見つけまして処分をするということで進んでいるわけであります。社会事業関係事業に国有財産を重点的に転用するように考えたらどうかという御質問でございますが、私共といたしましても、社会事業については何と申しまするか、でき得る限り優先的に考えたいということにしているわけであります。併しながら国有財産の貸付にいたしましても、売払にいたしましても相手方がこういうものをすべてこういうような目的に使いたいということを持つて来られます。それが諸法規に準じておるものであるならば、その方に適当な価格で売払うということになつておりますので、全国にありまする無処分の財産を、どれだけは社会事業関係に割当てるのであるというようなことを決めるわけにも参らんかと思うのであります。でありまするので、社会事業関係でどういう所にこういう建物がないかというような御申出がありますれば、地方の財務局等に連絡をいたしまして、でき得ます限り御協力申上げたいという考えでおります。
  43. 姫井伊介

    姫井伊介君 今の御答弁、無論当然だと思いますが、とかく社会事業家がそうした方面に非常に疎いので、いつも手遅れ手遅れでやつておるのであります。又地方出先機関の財務関係の方にいたしましても社会事業施設関係におきましては、関心が非常に薄いのだろうと思うのであります。よし地方において申出でましても、例えば条件が合つたといたしましても、同じ条件の下においても、やはり一般の生産工業用といつた方にとかく重点が置かれ易いわけなんであります。そういう関係がありますから何かの機会に、地方に対しましても今の当局のお話になりましたように、社会事業についても十分考慮しろといつたようなことを一応通牒でも十分出しておいて、地方の出先の人の関心を高めるように、お計らいを願いたいと思います。
  44. 森岡謹一郎

    説明員(森岡謹一郎君) お話のようなことも会議その他において伝えたい。又必要とあれば通牒も出して結構かと思うのでありますが、ちよつと付加えておきたいと思いますことは、私共は財産をとにかく早く処分いたしまして、財政収入に充てるということが非常に大きく、我々関係いたしておる者の頭にはあるわけであります。社会事業関係が、殊に引揚者その他を収容しております施設については、なかなか規定の使用料その他の入らないことがあります事情はよく分るのでありますが、又決算方面関係から言いますと非常に私共としては困つておるようなわけであります。社会事業に対しましてでき得る限り御協力いたしたいと思いますが、決まつたものについては私共としては払つて頂くということが是非必要なんでありまして、こういうことが行われますると社会事業に対しても、どんどん地方財務局においても考えるようになるだろうと思うのであります。社会事業に是非向けろということも、そういうような関係からして非常にむずかしくなつておるわけであります。この点も社会事業関係しております人達は是非考えて頂きたいと思うのであります。
  45. 岡元義人

    岡元義人君 今森岡課長は、中央では管理局に参りますとよく分るのであります。よく御親切に指導いたして来たのであります。今までは御無理を申上げました。併し今姫井委員がおつしやつたことは非常に大事なことなんですけれども、地方におきましてはまだそれどころじやない。どんどん立退きを強引に要請しておられるのです。非常に因つた問題が沢山起きておりますので、中央に行きますとよくお話が分つて頂ける。併し地方ではあなたの方から出ております通牒が、相当これは決算委員会の方からも突かれましようし、それは無理もないのです。ただ余り目に余るようなひどい処置だけは、あれは相当考慮して頂きたい。相当立退きをばやられておりますところが、我々が現在見て来、又陳情して参つておる箇所も相当あります。矛、そういう点については一つ中央からよく末端まで行届くように一つお願いしたい。尚先程申しました通牒等についても、できますならば少しやつて頂きたい。  それからこれは一応今のと関連した問題でありますが、実際施設の問題は相当真剣に考えないと、その施設に依存して生活しておる、それが却つて一つの社会情勢の中に、大きな何というか悪の巣を作るというような現象さえ見受けられるとこがたまたまできて来ておる。だからどうしても退こうとしない。こういうものに対しては、委員会でも慎重に検討いたしまして、そうして間引きするというような方法から、逐次そういう点をば解決付けて行つて、やらなければいけないのじやないかと思うのです。これはここでまだ…ちよつと委員長速記を止めて下さい。
  46. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  47. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を始めで。
  48. 岡元義人

    岡元義人君 極端に、地方の財務局等の指令に基いて、まだ行先も決まらないというようなときに、土地の返還、建物の返還ということをば要望しておられるところが沢山ありますので、この点は一つ十分御考慮を願うようにお願いをして置きたい。
  49. 山下義信

    委員長山下義信君) 大蔵省、安本、通産省に御質疑はございませんか……委員外議員中平さんが見えています。発言を許可したいと思いますが、差支ございませんか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  50. 山下義信

    委員長山下義信君) では発言を許可いたします。
  51. 中平常太郎

    ○委員外議員(中平常太郎君) 今の国有財産の建物を、社会事業或いは引揚者に対して貸付けるという場合におきましては、ややもすると他の事業者側なり、その土地のいわゆるボス的な方面から、あの家ならやれるとかいうようなことで要求があり、又国有財産の側もこれを早く売つて金にした方がよいというようなことから、立退きの要求があつたりいろいろ面倒なことが起きることが多いのであります。そういうようなまだ立退く先のない者に対しましては、どうしても現在使つておることを大体認めて、立退きなどを言うならば、先ず政府が庶民住宅でも先に建てて、立退く先を構えてやるというのが第一になすべきことでないか。それをしない政府であつたならば、現在入つておるものを退かすということは、絶対考えられない問題だと思います。万一その団体がこれを買うというような場合があつたときには、長年の年賦にするとか、或いは無利息の方法で融資の便を図つてやるとか、適当な方法で買収さすということも考えなければならないと思うのでありますが、ただ無意味に、行先もないのにこれに対して返還を迫るということは、国有財産を持つておられる立場から言いましたら、収入という問題が引つ掛つて来ましようけれども、これは収入以上の、国民に対するサービスであると思いますから、そういうことは、もう料金なんかは考えられまいと思います。そういうことをお考え願いたいと思います。
  52. 森岡謹一郎

    説明員(森岡謹一郎君) 大蔵省といたしましては、住宅の用に供しておりまする建物は大体現に使つておる者に売渡すという方針でやつておりますので、而も現在住まつておる人に対しては格安に売渡すというような方針で参つております。従いまいして、今のお話のように、現に住まつてつて行く先のない人を、強制的に立退きして貰うというような例は、非常に少いのじやないかと思うのでありますが、ただ、一つ施設をまとまつて外の用途に供するという際は、或いは出て頂かなければならないかと思いますが、さような際もでき得る限り移転先等について考慮を払つて、さような上で立退いて頂くということにすべきものであろうと考えます。そういうように地方に対しては指示をいたしたいと考えます。
  53. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 私は前々からこの点をお伺いし、又御計画を願いたいとすら思つてつたのですが、それは従来立退きというような問題をもう一歩進めて来て、随分中には家賃なんかをいわゆる社会事業団体として払い得ない状態のところには、この前法律を申して、国有財産を無料で払下げることができると学校方面にお出しになつた。ああいうふうなものを、社会事業に対しては国有財産をそれぞれのに対しては、無料で出し得るというような一つの法律が出ますとやれるのです。で、確か学校にそういう法律が、この前の前かの国会に出たと思うのですが、そういう点を一歩進めてむしろ積極的に、大蔵省は貴さばかり考えずに、日本の全体の国民生活というものをお考えなつて、或る一部の国有財産、殊に軍事施設の国有財産はそういう方面に積極的に行く方が、むしろ国策的にもよいのではないか。決算に、我々の調べますときに赤字ばかり並べんでも済む、結果においては同じです。かように私考える。こういう点は如何でしようか。
  54. 森岡謹一郎

    説明員(森岡謹一郎君) 只今お話のように、社会事業関係に払下げの際は無料でよろしいという法律が出れば、これはその法律に従うわけでありまするが、今のお話の、学校等に対しまするものは時価の二割引で払下げるということになつておる。これは旧軍用財産に限りまして、法律施行の年から三ケ年を限つて、而もそれは学校の用途と医療施設の用に供する際に公共団体、相手が公共団体という場合の特例でございまして、さようなものが出ますれば、それに従つてやることはよいことになろうと思うのでありますが、国有財産を無料で貸付け、或いは又無料で譲渡するというようなことは、相当いろいろな関連の問題がありまして困難ではないかというように、私共は考えております。
  55. 山下義信

    委員長山下義信君) 大蔵省、安本、通産省関係質疑はこの程度で終了いたします。次は児童局に対しましての御質疑を願います。
  56. 姫井伊介

    姫井伊介君 物資関係になりますが、社会事業用のいろいろな資材を地方に流されるときに、例えば児童福祉関係でいろいろな衣料とか、或いは紙類とか、鉛筆とか、いろいろなものを流されることがある。申すまでもなく今日の民間社会事業が財政の面において非常に経営に窮迫しておる。そういう時に要らないものが相当流されて、而もそれが割当式に地方ではそれを受入れなければならないといつたように相当強要されるわけです。それはその物の代価支払上においても、無論当局もお困りになるでしようけれども、要らないものを買入れるということはさつき申しましたように、経営難の時に当つて一層の苦痛を感ずるわけなのであります。一例を申しまするというとこの紙類でございますが、このうち保育所方面に流されたものでB本版サイズ入りというのがあるのです。これは一つ施設に対しましても何千円という金を払わなければなりません。それは要らないで済む所もおる、まあ要る所もありますが……。こういうものに対しては将来はやはり希望を聞入れて、それによつて流すとかいうふうにしなければ、単に中央考えてこういうものは困つているだろうからやろうというような親切心は有難いのですが、却つて親切が余り親切に受取ら心ないというようなことになるわけです。殊に又これは少し穿つた話でどうかと思いますけれども、紙類などは段々値が下つて行く。そこでそれを見越しまして地方の商人などが早くこの品ものは片附けなきやならん。品物も少々古びた、色も着いたというときに、こういうように厚生省などに持込みまして、これは普通よりも よりも安くしますというような、徳用品ですからというように……、やはりお役人はその方にはうといですから、これは買入れて地方に流してやろうというようなとで、さつきのような経過になる。こういう関係はありませんかどうかということと、将来おやりになります時にはもう当然分り切つたものならばよろしいのでありますけれども、そうでないものは地方の希望を聞いて、そうして適当の処理をして頂きたいと思うのであります。この方面についてちよつとお尋ねをいたします。
  57. 内藤誠夫

    説明員内藤誠夫君) お尋ねの点につきましても、私共といたしましては従来もでき得る限り一応各府県に、こういう物資があるが、註文はあるかどうかということを御照会いたしまして、府県でも又それぞれの施設に照会をいたしまして、その各施設の希望を府県が取まとめて厚生省の方に言つて来る。それに対して厚生省の方からこれらの品物を流す。こういうふうな基本方針を取つて努力して参つたわけでございまして、只今お尋ねのございました保育所のような問題は、或いはもういろいろと手違いもございまして、結局割当のような形になつたのではないかと考えるのでございますが、従来も努めてそういう無理はいたさないようにして参つたつもりでございますし、今後ますます只今お話ございましたような事情もあると思いますので、その点につきましては十分に注意をいたしまして、とにかくそれぞれの施設の本当に必要とする物のみを斡旋する、こういう方針を強めて参る、かように考えております。
  58. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  59. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記始めて。
  60. 岡元義人

    岡元義人君 これに大体今日社会事業の表をば頂きましたが、まだ厚生省からこれだけではないんだ、案に私は苟くも厚生省社会事業団体に対する資料がどういうわけで出て来ないのか、どうも僕は合点が行かない。事務当局は厚生省を鞭達して頂いて速かに出して頂く。それをば見まして総合的ないわゆる委員会としての意見がまとめられると思いますが、取敢ず課題になりましたところの同胞援護会につきましては、これはまだ検討の余地が相当残されておりますので、資料の提出をば要求いたしますと共に、臨時国会中に少くとも十分に検討されたその結論を以ちまして、今日の葛西次官等の御意見等によりましても、当然これは何らかの形に改組されなければならない段階に到達しておるということが考えられますし、十分審議の上政府に対して、この委員会としての要望をば要請する必要があるかと考えられますので、その点一つ急いで頂きたい。  それからもう一つ、お願いして置きたいのは、衆参両院議員がこの同胞援護会の支部長をしておられる方が相当あります。一応結論を出す前に、この衆参両院議員の方だけ小委員会と、若しできますならば多少の時間を頂いて懇談的に打合せをばして頂くような形を作つて頂きたいと思いますので、委員長からお諮りの上、御決定を願いたいと思います。
  61. 山下義信

    委員長山下義信君) 只今岡元委員の御要望につきましては、資料につきましては政府当局に直ちに注意することにいたします。尚同胞援護会の衆参両院議員との懇談会はできるだけ開催するように努力することにいたします。  この際お諮りいたしますが、先刻の秘密会中に速記に載りました事項につきましては、どの部分を削除いたしますかということを御協議頂かなけばならんわけでございますが、その点は委員長に御一任願われましようか、如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 山下義信

    委員長山下義信君) 御異議、ございませねば、印刷配付をいたしません部分につきましては、委員長において計らうことにいたします。  本日はこれを以て散会いたします。    午後三時五十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     山下 義信君    委員            岡元 義人君            姫井 伊介君            井上なつゑ君            草葉 隆圓君   委員外委員            塚本 重藏君            中平常太郎君   説明員    大蔵事務官    (財局国有財産    第二課長)   森岡謹一郎君    経済安定本部    (生活物資局衣    料課長)    川崎 龍太君    厚生事務次官  葛西 嘉資君    厚生事務次官    (児童局養護課    長)      内藤 誠夫君    厚生事務次官    (社会局物質課    長)      熊崎 正夫君