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説明員(
東龍太郎君)
只今の第一の
請願百三十号でございますが、蒙疆地区の限地医師に対して予備
試験委員の行う
試験を受ける資格、大変むつかしい名前になりますが、平たく申しますれば古い
制度の開業医師
試験を受ける資格を與えよということ、これは私共の方におきましてもいろいろ
実情を調査いたしました結果、御尤もなことと存じておるのでありますが、これにつきましては法律改正を必要といたしておりますが、衆議院の厚生
委員、大石
委員から議員提出として法律の改正を
要求せられるということに相成
つておりますので、この法律改正ができ上りますならば、この
請願の
趣旨は貫徹されるものと存じております。
それから今のやはり同じく予備
試験委員の行う
試験の回数制限撤廃の問題でありますが、今
お話になりましたようなこれらの人の気の毒な状況に対する認識等につきましては、私も十分人後に落ちないつもりであるのでございます。でこの
制度、かような限地、満州、樺太、朝鮮、その他
引揚医師に対する
試験の
制度につきましては、昨年これが認められますまでの間に
関係方面との
折衝が非常に実は困難を極めたものでございまして、御
承知の通り
医師国家
試験を作るというふうなその根本の原則からして、医師に対してさような例外を設けるというふうなことに対しては、原則的に非常な
反対を受けたのでありますが、とにかくこれは救済をしなければ、
引揚医師に対する救済ということを我々は主眼として考えるので、そのために
日本の医界、医業というものの水準が下がるとか、それを下げようとかというふうな意図を毛頭持
つていないというふうなことで、
関係方面と非常な
折衝をいたしました結果、認められた実は例外的な
制度であるのでありまして、その際にその救済的な
意味における例外を認める條件として、その
制度は一定の年限を限
つて認めること、それから受験の回数を制限すること、その
意味は要するにチヤンスを與えればよろしい。一定の年限の間にチヤンスを與えて、それらの人が皆通過すればそれでよいのだからというふうなことでありまして、その結果この
制度は昨年から五年間を限
つて行われるということと、回数制限をする。その回数の制限ということの條件を付けられましたので、
厚生省といたしましてはどんなに少くても、仏の顔も三度と申しますから、三回のチヤンスを與えるのが
日本としての常識であろうというので、五年間に三回という案を持
つて参りましたところが、
関係方面では、一回でよろしい、チヤンスというものは一回でよろしいという話であ
つたのでありますが、併しこれは例えば運動競技でもスタートで一回のフアウルは許される、二回フアウルすればオミツトされる。一回のチヤンスだけやるのは我々は認められない、飽くまでも仏の顔は三度というので突張
つたのでありますが、結局それじや間の二回というので、現在のように二回に
なつた次第であります。
従つて私共といたしましては昨年それでなきや通らんというのを、とにかくその條件、五年間という年数制限、二回という回数制限で、認めるということを、これは内輪話でありますが、さようなふうででき上つたものでありますが、私共といたしまして今これを三回にする、五回にする、或いは撤廃するということは
ちよつと私共としては言い出しかねる
状態にな
つておることを御了承願いたいのであります。それから今の受験地の問題でありますが、これは仰せの通り成る程見方のよ
つては甚だ心添えのないやり方だと思われますが、
医師国家
試験の予備
試験委員の行う
試験ということにな
つておりますので、予備
試験委員でなければ行えないのであります。ところが予備
試験委員と申しますのが東京のみにあるものでありますので、そのために東京に集めるという形にな
つておるのであります。それともう
一つは、これはここまで申上げてはどうかと存じますが、この
試験につきましては
只今申上げております通り、これは飽くまで救済するということを私共は主体にしております。
従つてその
試験を行な
つて頂きますにも、
試験の公正を破ることはできませんが、最大限に親心を発揮して頂くことが必要なんであります。ただ單に
試験委員に任して、これを適当に
試験して下さいというだけでは私共の親心は通らんと思いますので、その予備
試験を行う予備
試験委員に対しましては、この
制度の成立いたしましたことからすべての事情をよく話しまして、そうしてその
試験委員の考えられる最大限の親心を発揮して頂くというふうにして参
つておるのでありまして、国家
試験と同じように、極めて冷靜に各地の
委員にお任せするということが私共としては、実は却
つて不利な結果を来すというようなこともあ
つて、
只今までや
つて来たわけでありますが、
只今お話にもありましたがね尚そういうような私共の考えをそのまま、而も各地で行えるような私共自信がつきましたならば、でき得る限り受験者の便宜を図ることは私は当然と考えますので、十分考慮はいたすつもりでおります。それから
限地開業医を限
つて、そうして無
試験で開業さしたらという
請願につきましては、これは私共としては今は考えてもおりませず、医師全体についての大きな問題でありますので、これにつきましては私共としては現在は不可能であるというお答えを申上げるより仕方がないと思います。