運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-10-26 第6回国会 参議院 厚生委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月二十六日(水曜日)    午前十時五十五分開会   —————————————  委員氏名    委員長     塚本 重藏君    理事      今泉 政喜君    理事      谷口弥三郎君    理事      姫井 伊介君            中平常太郎君            山下 義信君            草葉 隆圓君            黒川 武雄君            中山 壽彦君            竹中 七郎君            藤森 眞治君            井上なつゑ君            岡元 義人君            小杉 イ子君            穗積眞六郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事辞任及び補欠選任の件 ○厚生省関係予算に関する件   —————————————
  2. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) これより委員会を開会いたします。  今回姫井君が社会党に入党せられましたについて、議院運営委員会申合せによりまして、理事辞任を申出られたのであります。従いましてこの辞任の取扱いにつきましては、参議院規則の第三十一條第二項によりますと、委員会がその辞任を許可する規定になつております。姫井君の理事辞任を許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。よつて姫井君の理事辞任を許可することにいたします。つきましては、その後任者の選定についてお諮りいたします。選任の方法を如何いたしましようか。
  4. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 理事選任につきましては、選挙その他もありますけれども選挙の煩を省きまして、委員長にその指名を一任したいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 谷口委員の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。それでは岡元義人君を理事にお願いいたします。   —————————————
  7. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) この機会に昭和二十四年度会計補正及び二十五年度会計の骨格につきまして厚生省当局の御説明を聞き、これらの補正並びに来年度予算シヤウプ勧告による厚生行政に対する影響等を聴取したいと思います。
  8. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) 私ごく大雑把なことを申上げまして、政府委員会計課長が参りましてから詳しい数字のことは申上げさせて頂きたい、かように思います。  予算の全体はまだ実は正式に連合軍司令部の方の承認を得ておりませんので、先般御説明のように日本政府としまして閣議で御決定になりました線を御説明申上げることをお許し頂きたいと思います。来年度の予算厚生省所管経費はごく大雑把に申しますと、大体三百三十億ということになつております。去年の予算が二百七十五億でございましたから、差引きいたしますと五十五億円ばかり今年度の方が増しているというふうなことになつております。その内訳を申上げますと、ごく大きく増したものを申上げますと、生活保護費において四十億円ばかり、それから児童福祉法関係において七億円ばかり、これは一般会計関係でございます。公共事業は後で申上げたいと存じますが七億円ばかり、それから結核関係におきまして結核増床計画、それからその外内容の改善というふうな点で大体十二億円ばかり、こんなものがごく大きく増したものでございます。それで後若干減じなければ辻棲が合わないわけでありますが、減じたものは大体行政整理関係で人の費用が減じましたとか、或いは統制関係で若干薬務局或いは大臣官房統制事務をやつておる者が人が減る。それから不用になつ経費というようなもので今年度予算三百三十億というようなことに相成つております。それから公共事業費の方のごく大雑把なことを申上げて見ますと、公共事業関係は実は昨年の公共事業が全体で八億七千余万円というようなことになつておりましたが、本年の公共事業は十八億、約十億円ばかり増したというようなことになつておりまする公共事業ついでに順序が悪いのでございますが申上げさして頂きますと、昨年水道関係等におきましては一億三千八百万円でありましたものが、今年は二億九千万円というようなことになつております。それから国立病院療養所関係増床分を含んでおりまして、二十四年度が九千万円ばかりであつたものが今年約三億円というふうになつております。このうち結核増床計画は大体四千五百床を今年増そうというようなことにいたしまして、三億のうちの一億八千五百万円までのものが結核の四千五百床の増床ということになつております。後国立病院並びに温泉療養所から五百床分を割り出しまして、来年度は約五千床の結核ベッドが殖えるということになつております。経営費で申上げました十二億円ばかり増したというのは実はその中に入つております。それから児童福祉法関係におきまして、これは分科委員会で大変御援助を頂いたのでございますが、児童福祉法関係は三億四千万円ございます。間違いました。先程の申しましたのはこれは社会局関係でございます。一千百六十万円と申しましたのは社会施設、即ち養老院でありますとか、浮浪者収容施設というようなもので、それが六千九百万円であります。これは訂正いたします。約七千万円。児童保護関係でございますが、これは昨年四千万円余りでありましたものが、三億四千三百余万円というふうなことになつております。これは訂正をいたします。失礼でありますが……。浮浪者関係のやつは前年度が一千八百万円ばかりでございます。それが今年六千九百万円ばかりになつておるのであります。保健所関係が一千百六十万円、これは大変、重ねて間違いますが’先程申上げました社会局関係と申しましたのは保健所関係でございます。保健所関係が一千百六十万円が二億四千八百万円。ごちやちやに申上げましたが……。(「分らん分らん」と呼ぶものあり)  初めから申上げます。水道が一億三千八百万円が二億九千万円、国立病院関係療養所関係が九千万円であつたものが三億円になりました。そのうち一億八千五百万円くらいのものが結核増床関係であります。それから保健所が一千百六十万円でありましたものが二億四千八百万円。これは経営費のところで申上げますが、大体今格外保健所と言いまして、保健所にモデルの保健所がありますし、それから段々規模が小さくなつておるのですが、A、B、Cというふうに大体分けておりますが、そのCまでに全部の保健所を来年度にしたいというふうなことで「格外保健所が三百十三ヶ所ばかりあるのをそれを全部格外を除いてC級にまで上げるというのでございます。それでまあ二億四千八百万円というようなもの、それから児童福祉施設関係が、約四千万円でありましたものが三億四千三百万円。それから社会事業施設関係が一千八百万円ばかりでありましたものが六千九百三十万円。そんなことでこれは多いものを拾つたわけで、あと細かい項目が三十数項目ございますが、極く大きいものでこれだけでございます。それで合計いたしまして八億一千余万円でありましたものが十八億円ということになつております。  以下項目別に実は申上げさして頂きますと、社会保障関係調査というものが、社会保障制度審議会がございますが、あの方の審議会の方は内閣に載つておりますけれども、その基礎になりまする基礎調査をいたします経費厚生省の担当の分は厚生省にあるわけでございますが、これが昨年は一千三百万円でありましたものが、今年は三千万円くらいな経費なつております。それから公衆衛生局関係に参りますと、保健所が先程申上げましたように、格外保健所が三百十三ヶ所ありまして、これを全部C級に持つて行つて、今まで非常に不便をいたしております者に応えようというようなのが大きなものだと思います。それから医務局関係になりますと、これは先程申上げましたように、結核関係増床をどうしてもしなければならんどいうようなことで、国立療養所で四千五百床を増します。その外に温泉療養所並びに国立病院の方から五百床出しまして、結核関係で約五千のベッドが殖えるというふうな点が大きな点だろうと思います。  薬務局関係ではストレプトマイシンのことを結核対策に関連して若干申上げたいと思うのでありますが一来年度は先般御承知のように閣議の御決定を得まして、日本でどうしてもストレプトマイシンを製造させなければならんじやないかというふうなことで、日本ストレプトマイシンを作るために政府意思決定をして、予算的な措置、融資方面というところをはつきりやろうと、こういうふうな閣議決定があつたわけでございます。と申しますのは、ストレプトマイシンは御承知のように大分つておりますが、密輸入で入つてつて、それから本年になりましてから五千人分、又極く最近一万人分、計一万五千人分入りました。これが輸入資金で入つて来たわけでございますが、日本の需要は非常に多いわけでございます。お医者さんもおられるのでありますが、多いのでありますからもつと入れて貰いたいというような声があるのでありますが、必ずしも輸入資金の割当の関係が行きません。それから日本のどうしても取敢ず私共が必要だというのを一応のめどを三千キログラムというふうに立てまして、これぐらいをどうしても日本で作ろうじやないかというのが差当り来年度を目標にした生産目標であります。輸入を若干入れてそれぐらいは要るということで、融資方面等も実は昨日生命保険会社などにお願いしたわけでありますが、そういう工合にしまして予算に表しました。実はアメリカでできますストレプトマイシンは非常に安く入るわけでございますが、日本で作りますと、どうしても千二、三百円最低はかかる。アメリカのものは三、四百円ぐらいなところで入るというふうなことで最初の当りはどうしてもプール計算をしなければならんのではないかというふうなことで、国で作りましたもの、輸入関係のものを全部国が一遍買上げる。そうして国立病院に必要なものは国立病院特別会計国立病院に入れます。療養所のものは療養所の金で取りまして、民間に行くものは国から拂下げて行くというふうにするために本年度は六億三千万円ばかりのこれらの買上げの資金予算に組みましたわけであります。  それから社会局関係では何と申しましても生活保護関係でございますが、これは先程も申上げましたように約四十億ばかりの経費を増して今後の来るべき事態に備えたいという点が一番経費の大きな点でございます。これが総額百五十億になります。それからもう一つ、やや特長になるかと思います点は、各市町村でいろいろ民生委員のお世話をするような有給職員が必要であるというようなことで、各市町村に約二千入ばかりの民生委員指導員を置くというふうな経費を計上いたしておるようなわけでございます。  それから児童局関係では、兒童福祉関係の方で十八億ぐらい増しております。新らしいところではユニセフララ物資と共に来年は入るだろうと思いまして、ユニセフの方を若干お願いいたしておるような次第であります。それから保険局関係におきましては御承知のように健康保険並びに国民健康保険事務費を負担するというふうなことが是非必要であるというふうなことと、それから診療費の一割を国で負担をせよというようなことで、社会保障制度審議会勧告なつておつたのでありますが、結論は大変遺憾なことでありますが、これは最後の閣議厚生大臣から御主張になりまして漸く二割だけ増額をするというようなことになりました。健康保険事務費が今まで三割でありましたものが五割、国民健康保険につきましては五割でありましたものが七割というふうなことで、三億五千八百万円でございますか増額したのであります。それから診療費の方は大変遺憾でありますが何ともならないというふうなことで、国会で御審議を願いました予算には手を触れずに出しておるような次第でございます。それから引揚関係におきましては大体来年度は三十六万人の人が帰るであろうというふうなことでそれを基礎にいたしまして経費を弾いておりまして、全体で四十六億五千万円弱でございます。それから公共事業関係引揚住宅関係は五億円ばかり見積つてございます。国立病院の繰入れの問題でございますが、大分特別会計の繰入れはいろいろ問題がありましたが、昨年は二割五分でございましたが、結局二割大分ちよつとの繰入れをしてバランスを合せて行くというふうなことで予算を組んでございます。それからもう一つ申上げたいと思いますのは、児童福祉施設関係の方で先程申上げましたように、社会局関係におきまして六千九百万円、児童福祉施設関係におきまして三億四千三百万円ということを申上げましたが、その他に大蔵省一般会計の中に施設補修関係といたしまして児童福祉関係に一億円ばかり別に予算に載つております。従いまして児童福祉関係の方は四億四千万円という、全体で使い得る金はそれぐらいであります。  それからもう一つ予算に関連して申上げたいと思いますのは、国会におきましても両院で御決議になりました未亡人関係傷痍者関係でございますが、傷痍者の方の関係は、これは予算としましては、公共事業といいますか、大蔵省関係で六千三百余万円というようなものが入つております。これは法律等が準備できれば、それに応じて施設ができるようになつております。  それから未亡人、母子の関係につきましては……。
  9. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  10. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 速記を始めて下さい。
  11. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 事務費総額は……。
  12. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) 今まで事務費総額は七億ですから、それから保険とか年金とか船員を合せまして十億がちよつとずつたかと思います。
  13. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 国民健康保険だけはどのくらいですか。
  14. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) 国民健康保険が、事務費だけが分かれた表を実は持つて来ませんで、多分今まで七億ご承知のように出ておりましたから、それに三億五千万円加えまして、十一億にはならんと思います。十億と十一億の間だと思います。事務費総額補助が十七億になると全額になるわけでございます。それが十億くらいのところで七億のを節約されてしまつたということでございます。十七億になりまして、今まで国民健康保険が五割、それから健康保険が三割ということになつておりますと七億、それを全部やると十七億、それが十億になつたというような大雑把な邑とで恐れ入りますが………。
  15. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 去年七億で今年が十億ですか。
  16. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) まあ大雑把言うとそういうところで、……。
  17. 姫井伊介

    姫井伊介君 それから民生委員の二千人の費用はどうですか。
  18. 高田正巳

    説明員高田正巳君) この費用は私の方の所管予算でございませんので、費用金額はつきりいたしませんが、人数が確か二千着五十六人程度かと思いますが、それに七万四千円ばかり掛けると大体金額が出ると思います。それの二分の一を補助する。
  19. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) ついでシヤウプ勧告による平衡資金関係のことを……。
  20. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) 私先程委員長の方からお示しがありまして忘れまして大変申訳ございませんが、これは委員長、実は速記を除いて申上げさして頂きたいと思います。
  21. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止
  22. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 速記を始め  て……。
  23. 中平常太郎

    中平常太郎君 今の御説明の中に止活保護法に関する百五十億の予算がやはり平衡資金の中に一応加えられておるということは、以前にも伺いまして大変心配しておる問題でありますが、尚これにつきまして厚生省の方から十分にその然らざるゆえんをその筋とは交渉されつつあるようでありますが、もはや今のところ何かその承認決定があちらに任されておるような恰好になつておると思うのですが、尚これは厚生省の方からずつと引続いて強く反対しておられるのですが。
  24. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) 反対しておられるということは今の閣議におきましては厚生大臣から発言がありまして、この点は留保せざるを得ない、又使い方等についても意見がある、併しまだ予算を決めて向うに送るのであるから、一応送るということはよいがということになつております。その点我々の方としては今の線でやはりこれで行つては……殊に単価計算ができるかどうかという点が平衡交付金に入るかどうかということの基になつておるようでございます。連合軍の最高の方針がこれを日本政府に呑めと言つて来るのだと思います。ですからその点を我々は主張して、生活保護法関係単価計算ができない経費であるということが非常に大きな我々の主張なつておるわけで、それでまあこれは大蔵当局と我々の方とは見解の相違であるということが……、殆んど議論はし盡しておるのです。
  25. 中平常太郎

    中平常太郎君 その閣議におきまして一応取纏める必要があつて留保付吏のままで一緒に入れてある、計上してあると言われるところを見ますと、紙厚生大臣は言われたのでありましようが、他の閣員は全く認識不足であつたと思うのですがね、その点は……。で我々の考えるところでは、意見ちよつと申上げてみますと、この生活保護法というものは国の補助から……、憲法り二十五條から出ておる問題でありますし、又これを行使する場合におきましては高度の政治性が必要である。県、或いは市町村の自治体の考えられるような或る具体的な低いととろの構想の下に生活保護法の金が用いられるということはあり得べからざることだと私は思う。どうしても高い政治性から、いわゆる憲法二十五條から出て来るその気持から、国がみずからこの点は恵まれざる階級に一つの安全弁として本当にサービスをなすべき重要な生活保護であると思うのですから、これがボスに支配され易い市町村に委され、ややもすると市町村で金を貰うということになると、貰う方の気持は、市町村民が国に頭を下げるというよりも市町村長に、ボスに頭を下げて、その金で養つて貰つているような誤解を生ずる。これはあくまで強く平衡資金から除外して貰うことは本当にやつて貰わんと非常な問題だと思う。もつと一つ強く反対して貰いたい。これは閣員が、厚生大臣以外の者はまあ一応入れて置こうというようななまやさしい考えで、平衡資金の中に一応入れるということでは実際認識不足も甚だしい。これはまだ厚生委員会でも問題になりますが、国全体として重要な問題で玉るのでその意味からいえば命取りか玄知れない。
  26. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) お話のように確かにやり方によつてはおかしなことになつてしまうのでありまして、今の憲法なり何なりも十分実は議論に出らのでありますが、経費といたしましても今の百八十億のうち百十億、非常に大きな部分が生活保護に向けており、この点は私共も覚悟を持つてつておりますし、向うさんの方でも相当この点は極めて重要であるというふうなことは十分認識をしている模様でございます。
  27. 中平常太郎

    中平常太郎君 尚これが市町村に委されないというわけは、その一つの規格がきつちりと決定できない、その状態によりましては県の認定により決まるし、又厚生大臣認定によつて増額する施設でありますから、市町村が勝手に一つの小さい予算の枠で国民生活を括ることはできないのですから、そういう点から考えましても、国全体が一つの大切な機関として大きく取扱うべきだと私は思う。この問題はどうかもつとしつかりやつて貰わないといけませんから、この点は私からよく要望して置きます。  もう一つついでに申上げますが、結局国立療養所一般にときどきいわれますが、国立病院のようなふうに特別会計になるというようなことがあるというのですが、この点は第五国会におきましては国立病院特別会計にしたけれども療養所はしないということは明らかに何度も言明を受けているのであります。まだその舌の根の乾かぬうちに早くも療養所特別会計になるのだというふうなことが巷間伝えられているのでありますが、この点はどうでありますか。
  28. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) これははつきり申上げますと特別会計とするという案は持つておりません。予算に入つておりません。それから又予算審議の途中にもそれはそういうふうな極く研究的な意味でそういうことを話したことはございますが、正面切つて療養所関係特別会計にするのだというような議は予算の折衝の途上においても起きておりませんでした。従いまして予算等国立病院特別会計でありますが、療養所関係は何も入つておりません。今まで通りであります。
  29. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 医務局関係のことで伺いたいのでございますが、医務局の中の看護課のことでございますが、昨年の新らしい保健婦助産婦看護婦法によりまして来年から国家試験が行われる筈になつているのでございますが、その国家試験予算だの国家試験を行うのに先生も要るだろうと思いますが、どうも先生方学校工合だのいろいろな工合、それから国家試験をして貰います保健婦助産婦看護婦の再教育お金が要ると思いますが、これはどのくらいの程度お取りになつていらつしやいますか。
  30. 高田正巳

    説明員高田正巳君) 保健婦助産婦看護婦の全体の経費といたしますと、方々にばらばらになつておりますので、ちよつと方々のものを拾わなければ出て参りません。御指摘保健婦助産婦看護婦の再教育その他に使います費用は七百二十万円と、それから甲種看護婦国家試験、今御指摘国家試験に予定されております費用は五百十万円かようなことに相成つております。
  31. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 もう一度ちよつと伺いますが、再教育の七百二十万円の再教育費、これはどういうふうな内訳なつておりましようか、分りませんでしようか。御説明の前に、これをお尋ねしますというのは外でもございませんが、今年の一般看護婦に対する再教育費用厚生省には非常に少うございまして、実は厚生省では再教育は十分にできないからというので、日本助産婦看護婦保健婦協会費用一緒にして共同教育をしようじやないかということでありました。今年は全国八地区で協会厚生省合同主催教育をいたしておりますが、これは考え方によりますと非常にいいようでございますが、考え方によりましては非常ににいろいろな弊害が残ると思うのでございます。できますことならばこうした協会との共同主催といをことでなしに、来年国家試験を控えておりますので、もつと保健婦助産婦看護婦費用を出して頂きたいと思います。この法律ができておりますけれども、法律裏付というものが殆んどございません。昨年からたびたびお願いしておりますけれども、お医者さんでございますと国立学校法によりますと、大学に医学部がございますが、看護婦におきましては六・二・三を通じて三年の教育を受けるということでございますが、国立学校法にも何にも裏付がございませんし、私立の学校はこれは二、三いい学校を公認して行く、それから国立病院には看護学院というものを作つて一応は体裁をつくろつているようではございますが、実際は実に弱いものでございます。私共この頃考えているのでございますが、どういうように来年度の国家試験に対処して行くべきかということを考えておりますが、厚生省でもこの点来年は協会の金を使つて国がやるというような弱体なことはじて頂きたくないのでございます。一つうんと予算をとつて頂きたいと思います。いろいろとお話が出ました憲法によつて団体にはお金がやれないからというので、団体かち取つて構わないじやないかというようにもとられますので、そういうことのないように予算を取つて頂きたいと思います。
  32. 高田正巳

    説明員高田正巳君) 御指摘通り決して十分な経費ではございませんでしたが、今の再教育関係だけでは約二百万円程前年度より殖えております。それでやります仕事の内容は、大体は前年の踏襲が多うございます。ただ新らしいものといたしまして保健婦の養成をいたします場合に、それに対して新らしい補助金を出すとか、私はよく記憶いたしておりませんが、五ヶ月講習というのがございますね、あれの補助金なんかも計上されているように私は記憶いたしております。そういうふうなところが新らしい事柄でございまして、あとの幹部或いは学校の養成施設の専任教師、そういうような方々一般看護婦の再教育、そういうような再教育の大きな線は前年の考え方を大体踏襲しております。それが若干期間が延びましたり、回数が充実されましたり、そういう点が前年度との相違であるとかようにお考えを頂いてよろしいと思います。尚全般的に経費が不十分であるということは御指摘通りであるかと私も存ずるのでありますが、今後できるだけ努力をいたしまして予算の獲得に努めたいと存じます。
  33. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 保健婦の五ヶ月講習に補助金を出しておるというお話ですが、お蔭様で保健婦は各府県で五ヶ月講習を始めておるようであります。この委員会でもこれは請願で大変問題になつたことでございますけれども、それから後は厚生省のお努力で保健婦は御承知通り国立公衆衛生院などでは非常に完璧な教育をしております。併し保健婦の母体は看護婦でございます。どうも日本のこれまでのやり方は看護婦に対しまするなんと申しましようか、処遇が非常に悪いのでございます。未だにその弊害が残つておりまして、この基礎をよくしなければ、五ケ月や三ケ月費用を費いやしてやつても結果は余りよくありませんのでございます。私の願つております甲種看護婦というものが抜けております。甲種看護婦学校の教員の養成所をうんと作つて頂きたい。只今のところ学校看護婦の大部分はこ種であります。甲種になつておるのは極く僅かであります。乙種に対しては計画もなにもないように伺うのでございますけれども、乙種の教員に対しましても、教員そのものは甲種も乙種もそう変りはない筈でありますから、うんとそうした学校の教員の養成をして頂かないと、あの法律がさつぱり動かないような気がいたしますので、一つ保健婦に対する緒施設をして頂くことは非常に結構でありますが、その母体である看護婦の方にも力を入れて頂くようお願いいたします。
  34. 藤森眞治

    ○藤森眞治君 保健所のことについてちよつとお尋ねいたしたいのですが、三百いくつかの格外のものをクラスに上げるというお話があつたのですが、大体只今のCクラスの保健所そのものがまだ大分充実されなければならないと思うのです。格外のものを上げるというだけでなく。クラスをもう少し充実する。ここに二つの方法に分けられる必要があるのではないかと思います。殊に保健所は仕事が殖えまして一人では何もできないというような実情でございます。
  35. 高田正巳

    説明員高田正巳君) 御指摘の点は確かに御意見通りでございまして、私共といたしましては御指摘通り全般的にAクラスの保健所は人口十万以上のところに作りたいと思つてつております。なかなか一時に実現できません。今Cクラスと称しておりますのは先ず保健所としてなんとかかんとか任務を遂行できる形というものを大体考えておるわけであります。それ以下のものがございましてもこれはなんともいたし兼ねまするので、先ずそれをAクラスまで持つて行く。理想といたしますAクラスは本年度までは御承知通り四十六で各府県に一ヶ所ございます。これはこの予算のうちに盛込まれております。後七十三ヶ所増すということもこの予算のうちに盛込まれております。これは公共事業に直接関係のない、すでに建物も相当なスペースを持つておりますところだけ人件費その他を増しまして、もう七十三ケ所だけAクラスにいたしたいというので予算のうちに盛つてありますので、御指摘の部面に若干答えられるような態勢になつておるわけであります。
  36. 藤森眞治

    ○藤森眞治君 それからもう一つお伺いしたいのは結核病床の増床、これは勿論大変結構だと思うのでありますが、最近精神病の病床が非常に足りないという声が多いのでございますが、これについて何か予算的の措置は取れておるのでありますか。
  37. 高田正巳

    説明員高田正巳君) 国立精神療養所の方の増床予算は入つておりません。だだほんの僅かであつたと存じまするが、公共事業費の方にも精神病の関係は入つておりませんので、結局増床関係は何も予算に盛込まれておらないので……失礼いたしました。五千八百余万円程が公共事業費に、都道府県の結核療養所精神病院、地方病予防施設、この三つを対象にして五千八百万円程入つております。それでその内訳といたしまして、精神関係に三ケ所、八百坪程増築するというのがこの内訳の中に入つておるわけであります。ほんの僅かというところでございます。
  38. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) いろいろと事情をお話願いましたが、ただ遺憾のことは国保、健保その他社会保険関係事務費の全額、医療費の一割国庫負担ということが内閣の社会保障制度審議会の方から強く要望されて、この委員会の意向も大体その線を強く押通したわけでありまして、私共も再三再四関係大臣等に陳情しておつたのでありますが、僅かに事務費の二割増額をするというような報告を聞きまして甚だ遺憾に堪えないのですが、これは一つ今後機会あるごとにこの国の補助を増し豆頂いて、将来社会保障制度ができれば大体全体の半額以上も国庫が負担しなければならないのではないかと考えるのでありますが、一段の努力をお願いしたいと思います。  それからもう一つ一番大事なことは何と言つてシヤウプ勧告による社会局児童局関係に主として重大なる影響をもたらすであろうところのそういう経費平衡資金で賄われるようになるか、或いは場合によつては将来はこれは国の事務ではなく、地方に委譲せられるのではなかろうかというようなことが地方府県、市町村並びに民生委員関係の方の非常な心配をしておるところであります。先日も大阪の方面委員制度を初めて布きました林市蔵元大阪府知事が私に是非会いたい、こういう知らせを受けまして八十幾歳の老人であるから来て頂くことは恐縮でありますので私が訪問したのですが、そのことを非常に心配しておじまして、今お話のような模様の見通しを大体お話しましたところ、非常に喜んでおりましたが、これはただに林市藏氏だけの心配ではなくて、全国二十幾万の民生委員を初めといたしましてこれに関係する多くの人々と社会事業関係のすべての入が、非常な関心を持つておるところであります。まだ本当に心から安心するところまで行つていないという報告を聞いたのでありますが、一層我々も声を大にして当局においても一段の御善処をお願いい冠したいと思います。
  39. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 只今二十五年度の予算につきましていろいろ御説明を聞きましたが、二十四年度今年度の補正予算と申しますか、本年度におきまして実は社会保障制度審議会などにおきましても、社会保険の治療費の一部負担だとか事務費の全額負担だとかいうようなことの勧告が出ておるようでありますが、あの状況はどういうようなことになつておりますか御説明を願えませんでしようか。
  40. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) 実は結論から先に申上げますと、大変申訳ないのですが二十四年度の補正予算にはあの関係は実は予算面では触れておりませんです。ただ谷口委員承知のように十億円ばかり例の国庫余裕金を借入れる措置をいたしましたことと、それからもう一つは、例の保険の標準報酬を一割だけ上げる、それから例の料率を五五%最高限までに上げるというふうなことで、一応まあ数字上は或る程度この十億を借りれば予定通り入ればまあ本年度はとんとんに行ける。そうして丁度八、九、十、というふうなあたりをずつと見ますと大体の傾向が分るのじやないかというふうなことで見ておるわけであります。まだ正確な結論は出ていないのであります。ただ一時大変心配して頂きました例の赤字の問題は一応そういうことで解決ができると、そういうことになりましたものですかも、補正予算の中に若干の保険料の滞納があつてはいかんというようなことで、そういうものを旅費の程度は相当沢山見て参る、料率を取つて滞納なんかしているものはないようにして行くというふうなことの手当だけはいたしております。ただ大きい問題については、実はそういうふうに一応の計算が収支相賄うことに計算上はなるものでございますから、もう少し模様を見ないと問題が進まないというふうな状態であります。
  41. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 只今の十億の借入れとか或いはいわゆる標準報酬ですか、それの一割値上げとか、只今のようなことはこれは主として健康保険政府管掌のものでありまして、国民健康保険につきましては何にも考えておられなかつたために、是非国民健康保険にも何とかして貰いたいという話が出ました場合に、国民健康保険は組合員一人に対して幾らとかいう費用をいわゆる事務費として出そうというような話があつたと思いますが、そういうふうなことは如何になつておるのでございましようか。
  42. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) これは補正予算の面では実は何にも手当をせずに、来年度の予算で、来年の四月から先程申上げましたような事務費の七割で行くということで、実は手当はしてございません。今お述べのように健康保険の方は赤字は少くなりましたが、国保の方の関係は実はまた殆んど手当ができておらんのであります。
  43. 藤森眞治

    ○藤森眞治君 今国民保険の話が出ましたのでちよつとついでに申上伐るのですが、国民保険にこうして来年度に補助が殖えるということは、これは至極結構でございますが、どうも今の国民保険の実情を見ますと、補助は貰うが補助だけ貰つて一方では診療費を拂わないと、そういうようなところに非常に不健全な組合が少からずあるようであります。殊に私は現在も調べておりますが、最近調べたところでも、二十三年、四年とこの両年度に亘つて殆んど組合から支拂をしていないというようなところがございます。殊に或る病院について調べましたところが、国民健康保険の確か四二%を拂つただけで金額において約七十五万円滞つておると、これは二十三年、四年の五月現在でございますがこういうふうな状態で、而も一方には補助金だけを貰つておると、そうして又非常に簡単な診療費や何か作つてお茶を濁しておるというようなところもあるかのように見受けられます。補助金を殖やされるのは非常に結構ですがこれと同時に組合の本体を少し十分に御追加願いたいと思うのです。
  44. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) 分りました。
  45. 姫井伊介

    姫井伊介君 問題は別でありますが、本国会に提出を予想されておる法案はどんなものがございましようか。
  46. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) 只今のところでは臨時国会には厚生省関係では出す予定のものはございません。ただ消費者福祉法の関係は一応案はありますが、これは国会の方からでも御提案を頂くというふうなことに聞いております。
  47. 姫井伊介

    姫井伊介君 社会保障審議会から第二の勧告として出しました生活保護法の改正に関わる問題は、あの線に副うての生活保護法の改正案は用意されておりませんか、どうですか。
  48. 葛西嘉資

    説明員葛西嘉資君) これはまだ実は間に合いませんものですから、殊に平衡交付金の問題と非常に関連がございまして、あの補助関係などが例の一割を五分にするかどうかというような問題、平衡交付金関係があるものですから、或いはあの問題が決まりましてから参ろうかと、通常国会に出すようにしたいというふうに今準備をしております。
  49. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 外に御質問はありませんか……本日はこれを以て散会いたします。    午後零時七分散会  出席者は左の通り。    委員長     塚本 重藏君    理事            谷口弥三郎君            岡元 義人君    委員            中平常太郎君            山下 義信君            草葉 隆圓君            黒川 武雄君            藤森 眞治君            井上なつゑ君            穗積眞六郎君            姫井 伊介君   説明員    厚生事務次官  葛西 嘉資君    厚生事務官    (大臣官房会計    課長)     高田 正巳君