○
村上義一君
板谷委員が本
会議において
法律案の
説明をや
つております。ので、私から代
つてお願いを申上げたいと思うのであります。実はこの
身体障害者に対する保護について、非常に当
委員会で御熱心に検討せられて、こういう
福祉法案が今日
国会に現れたということについて、その御
努力に対して私共誠に感謝いたしておる次第であります。ただ今も
委員長が御指摘に
なつたように、第五十條の問題に関して
意見を率直に
一つ申述べることを御許し頂きたいと思います。
実は
運輸委員会におきましては、二回二日に
亘つてこの
法案を拝見して討議を実はしたのであります。その結果この
内容につきましては、双手を挙げて賛成する者でありますが、
形式についてどうも御賛成できない、
是非この
附則として現れております第五十條は削除して頂きたいと
お願いしたいのであります。その分はこの
法律案の
体系論と言うて宜しいかも知れませんが、
形式の問題であります。
日本国有鉄道の
運賃法を改正するのは、
運賃法の
改正法律として
是非を検討すべきものであると思うのであります。特に現在の
鉄道運賃法の一部
改正法律案が
審議中であります。近く本議会にも上程されようということにも相成
つておりますので、それが他の
法律で
国有鉄道の
運賃を決めて行くということになると、
国有鉄道運賃法の改訂は混乱に
陷らざるを得ないと思うのであります。一面御
承知の
通り国有鉄道をして能率を発揮せしめ、又合理化せしめ、そうして
独立採算制を堅持せよということは、前
国会におきまして国民を代表する
国会の
強き意思として発露したことは御
承知の
通りであります。そのために今まで官庁として
経営せられましたものを
公社経営に切換え、いろいろその他
経営の
根本方法を変更することに相成
つたのであります。然るに
運賃法以外の
法律によ
つて運賃を変更する、
割引するということになりますと、本問題は極めて金額も小さいと思うのでありますが、或いは三千万円と言い、或いは五千万円と言い、大した問題じやないと思うのでありますが、併しこういうことをや
つて他の
法律でそれぞれ決
つて行くということになりますと、
国鉄をパブリツク・コーポレーシヨンにした精神は全く没却することになりはしないかということを恐れる次第であります。これを認めて行くとしますと、この問題は小さいですが、追々大きく拡が
つて行く。現に今回の
国有鉄郎運賃法の
改正案は、
貨物運賃を値上するという問題であることは御
承知の
通りであります。これにつきましても恐らく
各党派におきまして、木材でありますとか、或いは石炭であるとか、その他の物資について格段なる御
意見がおありであ
つたことと拜察するのであります。だから或いは
農林委員会とか或いは
商工委員会とかというようなあらゆる
方面、それぞれその
関係の
方面におきましてつまり
運賃法以外の
法律で独断でそれぞれ決められるということにな
つて行くと、
国会が強く
要望している
国鉄の
独立採算制を、
国会みずから壊して行くということにな
つて行くと思うのであります。過去において同じく
割引が行われてお
つたと記憶しておりますが、そうして今日それは廃止されておると思うのですが、例えば
教職員の
割引の問題であるとか、これらについても、私の選挙区等においては、相当
教職員組合においてやかましく私に話があります。恐らく皆さんの方でもそうだと思うのであります。例えばこういう問題についても
文部省関係の
委員会の方でも、
文部委員会におきましてこういう問題が取上げられておる。これはもう停止するところを知らずということにな
つて、
ひとり法の
体系を混乱せしむるというのみならず、
国鉄の
独立採算制を強く
要望しておる
国会みずからが、これを破壊してしまうということになりはしないかということを深く恐れる次第であります。何とか第五十條は
是非御削除を願いたい。さりながらこの
趣旨は極めて結構だと思うのであります。幸いにして今の
運賃法の第
八條に
国有鉄道の総
收入に著しい影響を及ぼさんというような
運賃料金の
割引は、
国有鉄道の
総裁において処理できるということが明記されておるのであります。実は
運輸委員会におきまして、
運輸大臣の
意見も聽きましても、又
総裁は出張中でありましたために、代
つた代理の
政府委員から聞いたのでありますが、この
趣旨は実行します、
運賃法の第
八條によ
つて実行するということを言明しておられる。当
委員会において直接その
言質をお取り下さるか、或いは又本会において
言質を明らかにして行こうと、それはお委せいたしますが、とにかく
国有鉄道運賃法の第
八條によりまして
割引の実を挙げる、
総裁規定によ
つて運賃を定めるということにしたい。勿論それの実行については
運輸委員会の方でも、微力ながら
努力は惜まないつもりであります。
是非第五十條は削除して頂きたいというのが、
運輸委員会の念願なんであります。而も強い要請なんであります。どうぞ
一つこの点を当
委員会において、その点お含みの上御
審議を願いたいと思います。むしろ
意見というよりも
お願いを申上げて置く次第であります。