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1949-12-01 第6回国会 参議院 厚生・運輸連合委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月一日(木曜日)   —————————————  委員氏名   厚生委員    委員長     塚本 重藏君    理事      今泉 政喜君    理事      谷口弥三郎君    理事      岡元 義人君            中平常太郎君            姫井 伊介君            山下 義信君            草葉 隆圓君            黒川 武雄君            中山 壽彦君            竹中 七郎君            藤森 眞治君            井上なつゑ君            小杉 イ子君            穗積眞六郎君   運輸委員    委員長     板谷 順助君    理事      小泉 秀吉君    理事      飯田精太郎君    理事      丹羽 五郎君            内村 清次君            植竹 春彦君            加藤常太郎君           前之園喜一郎君            高田  寛君            村上 義一君            大隅 憲二君            入交 太藏君            小野  哲君            早川 愼一君            鈴木 清一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○身体障害者福祉法案衆議院提出)   —————————————    午後二時十八分開会    〔塚本重藏委員長席に着く〕
  2. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) ではこれより厚生委員会運輸委員会との連合審査会を開きます。  議題身体障害者福祉法案でありますが、今議題にいたしまする身体障害者福祉法案は、昨日衆議院において可決せられまして、本院送付になりましたものであります。勿論この案は、参議院厚生委員会から提出いたしましたものと、内容は全く同一なものであります。厚生委員会では、すでに提案理由説明等を承つたのでありますが、運輸委員の方には初めてのことでありますから、一応案の内容だけを極めて簡單に提案理由説明として、説明いたしたいと思います。  この法案内容は、第一はこの法律におきましては、身体障害者各人の自発的な更生意欲を促進せられることを根本といたしまして、その更生を助長するために必要な器具、物品等を交付し、更に周到適切な訓練を施して、社会的活動能力を発揮させることを主眼としたものであります。  第二は、本法の対象としましては、兒童福祉法その他の関係法をも考慮いたしまして、十八歳以上のいわゆる労働年令にある者で、盲、聾、唖、肢体不自由の身体障害のため、労働能力の損傷されている者であります。これらの人々に対しまして、すべてを強制して登録せしめるのではなく、本人の自発的な申請に基いて、身体障害者手帳を交付いたしまして、これに基いて適法の取扱をするものであります。  第三は、更生援護行政的体系といたしましては、厚生省に中央身体障害者福祉審議会を、又都道府県地方身体障害者福祉審議会を置きまして、法の執行機関都道府県知事とするものであります。知事の下に数名の身体障害者福祉司を置きまして、実質的にはこの專門家が、個々の身体障害者の指導的な世話をするのでありまして、市町村長知事行政活動に協力するという態勢を採つておるのであります。  第四は福祉処置でありますが、これは一定の手続によりまして、身体障害者手帳を受けた者に対しましては、或いは義肢であるとか、補聽器車椅子等を交付いたしまして、必要な更生訓練施設職業安定所等に紹介し、或いは又万般の更生相談を行うのであります。更に障害の程度が重度の者に対しましては、国有鉄道運賃減額たばこ小売人指定の場合の取扱公共施設内に売店を設置する場合の優先的許可取扱に関すること、更に盲人その他重度障害者製作品は、差当り国及び地方公共団体一定條件の下に購買して、これらの人々福祉増進に資する等であります。尚たばこ小売人指定売店設置や、製品の購買についての特別な規定を置かれましたのは、たとえ義肢を備え訓練を受けましても、障害のために一般人に伍して経済活動をすることが困難な重度の者につきましては、やはり安定した職場を特に備えることが必要であるからであります。  第五は国、都道府県及び市町村においては、これらの者に訓練指導を與え。又は各種の利便を與える施設を設置することができるように規定してあります。尚私人がこれと同じような施設を設置することは、何ら差支がありませんが、この運営等について監督する必要がありますので、届出制を採ることといたしたのであります。  第六にこの法律の施行には、予算とか法的な準備のために、昭和二十五年四月一日から実施することにいたしておるのであります。  大体以上が法案内容の極くあらましであります。先に述べましたように福祉の措置といたしまして重度身体障害者に対しまして、鉄道運賃減額規定を設けております関係から、特にこの点について運輸委員方々の御意見を承りたく、ここに連合審査会を持つに至つた次第であります。何とぞ宜しく御審議の程お願いいたします。
  3. 村上義一

    村上義一君 板谷委員が本会議において法律案説明をやつております。ので、私から代つてお願いを申上げたいと思うのであります。実はこの身体障害者に対する保護について、非常に当委員会で御熱心に検討せられて、こういう福祉法案が今日国会に現れたということについて、その御努力に対して私共誠に感謝いたしておる次第であります。ただ今も委員長が御指摘になつたように、第五十條の問題に関して意見を率直に一つ申述べることを御許し頂きたいと思います。  実は運輸委員会におきましては、二回二日に亘つてこの法案を拝見して討議を実はしたのであります。その結果この内容につきましては、双手を挙げて賛成する者でありますが、形式についてどうも御賛成できない、是非この附則として現れております第五十條は削除して頂きたいとお願いしたいのであります。その分はこの法律案体系論と言うて宜しいかも知れませんが、形式の問題であります。日本国有鉄道運賃法を改正するのは、運賃法改正法律として是非を検討すべきものであると思うのであります。特に現在の鉄道運賃法の一部改正法律案審議中であります。近く本議会にも上程されようということにも相成つておりますので、それが他の法律国有鉄道運賃を決めて行くということになると、国有鉄道運賃法の改訂は混乱に陷らざるを得ないと思うのであります。一面御承知通り国有鉄道をして能率を発揮せしめ、又合理化せしめ、そうして独立採算制を堅持せよということは、前国会におきまして国民を代表する国会強き意思として発露したことは御承知通りであります。そのために今まで官庁として経営せられましたものを公社経営に切換え、いろいろその他経営根本方法を変更することに相成つたのであります。然るに運賃法以外の法律によつて運賃を変更する、割引するということになりますと、本問題は極めて金額も小さいと思うのでありますが、或いは三千万円と言い、或いは五千万円と言い、大した問題じやないと思うのでありますが、併しこういうことをやつて他の法律でそれぞれ決つて行くということになりますと、国鉄をパブリツク・コーポレーシヨンにした精神は全く没却することになりはしないかということを恐れる次第であります。これを認めて行くとしますと、この問題は小さいですが、追々大きく拡がつて行く。現に今回の国有鉄郎運賃法改正案は、貨物運賃を値上するという問題であることは御承知通りであります。これにつきましても恐らく各党派におきまして、木材でありますとか、或いは石炭であるとか、その他の物資について格段なる御意見がおありであつたことと拜察するのであります。だから或いは農林委員会とか或いは商工委員会とかというようなあらゆる方面、それぞれその関係方面におきましてつまり運賃法以外の法律で独断でそれぞれ決められるということになつて行くと、国会が強く要望している国鉄独立採算制を、国会みずから壊して行くということになつて行くと思うのであります。過去において同じく割引が行われておつたと記憶しておりますが、そうして今日それは廃止されておると思うのですが、例えば教職員割引の問題であるとか、これらについても、私の選挙区等においては、相当教職員組合においてやかましく私に話があります。恐らく皆さんの方でもそうだと思うのであります。例えばこういう問題についても文部省関係委員会の方でも、文部委員会におきましてこういう問題が取上げられておる。これはもう停止するところを知らずということになつてひとり法体系を混乱せしむるというのみならず、国鉄独立採算制を強く要望しておる国会みずからが、これを破壊してしまうということになりはしないかということを深く恐れる次第であります。何とか第五十條は是非御削除を願いたい。さりながらこの趣旨は極めて結構だと思うのであります。幸いにして今の運賃法の第八條国有鉄道の総收入に著しい影響を及ぼさんというような運賃料金割引は、国有鉄道総裁において処理できるということが明記されておるのであります。実は運輸委員会におきまして、運輸大臣意見も聽きましても、又総裁は出張中でありましたために、代つた代理政府委員から聞いたのでありますが、この趣旨は実行します、運賃法の第八條によつて実行するということを言明しておられる。当委員会において直接その言質をお取り下さるか、或いは又本会において言質を明らかにして行こうと、それはお委せいたしますが、とにかく国有鉄道運賃法の第八條によりまして割引の実を挙げる、総裁規定によつて運賃を定めるということにしたい。勿論それの実行については運輸委員会の方でも、微力ながら努力は惜まないつもりであります。是非第五十條は削除して頂きたいというのが、運輸委員会の念願なんであります。而も強い要請なんであります。どうぞ一つこの点を当委員会において、その点お含みの上御審議を願いたいと思います。むしろ意見というよりもお願いを申上げて置く次第であります。
  4. 岡元義人

    岡元義人君 只今村上委員からいろいろお話がありましたのでありますが、一応運輸委員会方々いきさつをば、この際御了承願いたいことがあるのであります。それは先日この身体障害者福祉法案につきましては、参議院が約二年余りも掛かつて漸く今国会にここまで持つて参りました。その一番最後会期も非常に迫つておりますときに、関係方面との折衝に幾度か修正をさせられました。そうして最後において、こういう附則に第五十條が加わるような結果になつたのでありますが、このときにはこういうような会期の延長ということも考えられておりませんので、取敢えず衆議院とも合同審議いたしまして、そうして実際は参議院の方がすべての議決を先にするという折衝が続けられたのでありましたが、いろいろ打合せの結果、実際の実質的な発議は参議院になつておりまして、決議は衆議院の方がこれを優先するというような打合せの下に、この法案審議がなされて参つたのであります。そこでいろいろ今の御趣旨を承りましたので、委員長私共々衆議院の方に参りまして、参議院の方で決議しましたものが、衆議院の本会議で上つて来てから、更に参議院がこれを修正してやるということは、どう考えても非常におかしな結果になりますので、若し何とか今の御要望を解決付けるのには、衆議院において解決付ける以外には途がないということから、民自党周東国会対策委員長や或いは佐藤政調会長等にも連絡申上げまして、そうして衆議院の方で何とかこれを処置して頂きたいということをば、連日折衝に当つたのであります。計らずもこのままの状態において、衆議院の本会議をば上つて来て送付して参つたという形になつてしまつたわけであります。そこで話が又前に返りますけれども、この際参議院におきましてこれをば修正し、衆議院に送り返すということは、先程のいきさつから見まして、非常に困難な状態にあるという、困難というよりむしろこの厚生委員会としては、非常な苦しい場面に今直面しているということが言えるわけなのであります。御要望というのは、私の考といたしましては、いわゆる本来の国有鉄道運賃法によつて改正されるのが至当ということは、十分私達も考えているのであります。この点は今日も問題になりました観光ホテル整備法法案の中にも、地方行政方面に対して、こういう整備法によつて逐次改善されて行くということではなくて、やはり本質的な法律によつて改正されて行くというのが、我々の建前であるということも考えられるのでありますが、それと同じようなことがこれにも言えるのでありまして、この点については私は毛頭御異議はないのであります。恐らく厚生委員方々もさようにお考えになつておると思うのであります。ただ技術的にこういうような結果になつてしまつたのでありまして、できますなら、この身体障害者福祉法は要するに何年来のいわゆる願望が、今将に達成されようとしておるいきさつをば御了承願いまして、最も速やかにこの法案が成立することをば願つておるのでありますから、今ここに述べられました二日の日延べをば考慮いたしまして、そうしてこれを衆議院との間に修正して送り返してやるというようなことも、到底今のところではでき得ないのじやないかという事態に陷つているのであります。できますならば、このままで一応この点はお通し願いまして、そうして次の国会にこちらの方の基本法を改正して頂いて、こちらを削除するというような処置が若し採られるものでありますれば、そのようにお願いしたいと思うのであります。
  5. 中山壽彦

    中山壽彦君 村上委員から縷々お述べになりました御意見は私共一々御尤もと思います。岡元委員からも申されましたように、この法案そのものが、長い間の懸案になつておりまして、殊にこの法案対象になつておる全国の不幸な人々が、一日千秋の思いで、この法案の成立を希望しておる。私共はこの臨時国会にどうしてもこれを成立させたい、こういうことを厚生委員会では連日希望いたしているのであります。双方の御意思はよく分つたようなんでありますが、一つ懇談会にしてよく打解けてお話をして頂きたいと思いますが、如何ですか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  6. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 懇談会にすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) それでは懇談会に移りますので、委員会はこれで散会いたします。    午後二時四十二分散会  出席者は左の通り。   厚生委員    委員長     塚本 重藏君    理事            今泉 政喜君            谷口弥三郎君            岡元 義人君    委員            中平常太郎君            草葉 隆圓君            中山 壽彦君            竹中 七郎君            藤森 眞治君            井上なつゑ君            穗積眞六郎君   運輸委員    委員長     板谷 順助君    理事            小泉 秀吉君            飯田精太郎君    委員            内村 清次君            大隅 憲二君            加藤常太郎君           前之園喜一郎君            高田  寛君            早川 愼一君            村上 義一君   政府委員    厚生事務官    (社会局長)  木村忠二郎君    運輸事務官    (鉄道監督局国    有鉄道部長)  石井 昭正君    運輸事務官    (鉄道監督局国    有鉄道部業務課    長)      下島 留夫君