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1949-11-28 第6回国会 参議院 建設委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十八日(月曜 日)    午前十時五十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件札幌市南四條疎開地跡復興に関す  る請願(第百五十二号)  (右請願に関し証人の証言あり)   —————————————
  2. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それでは本会議都合上ここは御出席になつておりませんけれども、定員揃つておりますからこれより建設委員会開会いたします。本日はかねて公報を以て御通知申上げてある通り請願第百五十二号、札幌市南四條疎開地跡復興に関する請願本件につきまして先の決議に基き、札幌市長札幌市議会議長都市計画北海道地方審議会長証人として御出席を煩わしたのであります。代理の方もお見えになつておりますが、先ずこの御三君がはるばる上京して御出席下さいました御苦労を厚く感謝いたします。ついては委員諸君にお諮りいたしますが、証人田中敏文君は止む得ん事情のために出頭いたしかねるために、北海道計画課長審議会の仕事の担当者であります清水武夫君を証人とすることにいたしたいと思いますが御異存ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それでは清水君を証人とすることに決定いたします。先ず証人の各位に一応御了解を求めておきます。本請願につきましては本委員会において極めて愼重に取扱つておりまするが、併しこれは本事件に限らず、苟くも請願陳情という国民の声は国会として決して軽卒な取扱をしては相成らんのでありまして、新憲法におきまして民主主義政治を如実に行うがためには、国権の最高機関たる国会において先ず民意を正しく取入れ、而して国民が納得行く政治に持つて行かなければならん、そういう見地ですべての件を取扱つておるのであります。殊にこの札幌南四條回路幅員の問題につきましては、多数の関係者から本国会請願が提出されまして、札幌市の都市計画に関する問題として甚だ重要であるばかりでなく、一般としても本件取扱につきましては戰災地の復興その他都市再興等に重大なる関係があるのでありますから、先に請願者陳情も詳細に承わつておきました。又建設省意見も聞いておるのであります。残るところは北海道及び市の当局者意見を残しておつたのであります。その方々を本日お招き申上げて拜聽することにいたしたのであります。この取扱については極めて我々委員の間で公平無私何らの私心なく取扱つておることでありまするが、この点御了承願いたいと思います。  そこで先ず皆さんに来て頂いた要件は、書類として市長等よりも意見が出ております。そうして又請願者よりも種々の方々から陳情が来ておりますが、その間に非常に大きな開きがあるのです。その事実を突き止めなければならんと思いまして、つぶさに皆様の御経験の経過を拜聽した方が如何ということで、今日の証人喚問なつた次第であります。そこで委員諸君に申上げますが、私から一応聞いて尚足らざるところは委員諸君から聞くことにしたいと思いますが、それでよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それでは極めてざつくばらんに極く平かな気持で御証言して頂きたいと思います。
  5. 北條秀一

    北條秀一君 証人が御出席になつたのですから、宣誓の問題についてはつきりとした……
  6. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 宣誓書を廻しました。
  7. 北條秀一

    北條秀一君 特にこの委員会の席上で宣誓をしないで宣誓書に署名ということにするわけですか。
  8. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) そういうふうにして貰つておりますか、それでは宣誓をお願いします。    〔総員起立証人は次のように宣誓を行なつた〕    宣誓書  良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 高田 富與    宣誓書  良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 福島 利雄    宣誓書  良心従つて真事を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 清水 武夫
  9. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 清水証人から先ず伺うことにいたします。本回路拡張地点防空法によつて疎開跡地から生じておる問題と認めておるのでありまするが、先に昭和十一年十一月告示等幅員を見ましても、幅員二十五メートルの都市計画として計画されておるのであります。その後昭和二十年五月防空法によつて四十五メートルの範囲に立退を命ぜられてその地点が拡張されたのであります。そういうふうに経過を見て行きますると、普通の都市計画経過よりは多少特色があるように考えられます。よつて本件都市計画として幅員五十メートルに決定の根拠というものは在来よりかような計画があつたものか、疎開を好機としてやることにしたものかその点を伺いたいと思います。
  10. 清水武夫

    証人清水武夫君) 都市計画として道路幅員を決める場合には、財政的の問題も多分に考慮されるわけでありまして、この南四條線のごときは札幌市でも重要な幹線でありますが、これを大きな幅員を以て改築することは非常に経費のかかることであります。この決定の際には單に交通量のみをさばくというような意味合から行きまして、最小限度の拡幅を考えて二十五メートルとして決定したものであります。札幌市の現況は非常に木造の家屋が多く、一朝有事の際は火災延燒防止という点から言いましても非常な遺憾の点が多いのでありまして、現に大通りというような約六十間幅員道路も中央にありますけれども、その南の方に至つては全く火災延燒を防止すべきはどの幅員道路もない現状なんであつたのであります。たまたま戰争末期におきまして都市防空疎開という問題から、一朝有事の際には避難の道路としても扱い、又交通幹線としては非常な重大な意味を持つこの南四條線を拡幅することによりまして、これらの目的を達することができるというような見地から、この南四條線を四十五メートル程度疎開したわけであります。その後この疎開跡地につきましては本省からの指示もありまして、将来とも交通上のみならず防災の意味からも十分であると思われるこの四十五メートルをそのままにして、これを前の昭和十一年の計画変更して都市計画街路とするというような方針に直したわけであります。そういうようなことで四十五メートルを決定するに至つたのであります。
  11. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) どうぞ委員諸君、私の方は極めて大体の方をお伺いするのですが、あと皆さんからどうぞ。  次にこの都市計画につきましてこの本委員会において感じまするところは、とにかく我が国の現在におきまして、復興すべき戰災都市というものは非常に多く、今大変取扱が減つておりますが非常に多い。而して無疵の都市については、これは第二義的に考えてよろしいとこう考えておるのであります。で、札幌はつまり戰災については少しも障害がなかつた、誠に仕合せであつた。でその際におきましては、地方的にいわゆる自治体としてお考えになることと国家として考えるべきことについては、その間に多少の軽重の差があるという観点からいたしまして、本件を実施するためにはどれだけの経費がかかつて、その予算措置に対しては一切国家の厄介にならないで札幌市だけでそれを運行して行く見込があるか、それを実施するための予算措置がどうなつておるか、その点を市当局から伺つてみたい。
  12. 高田富與

    証人高田富與君) 予算措置は、事業決定に先だちまして三ヶ年計画継続事業として議決を得ております。その後市の予算議決通り事業決定がありましてそれに基いて現に事業施行中であります。ただ今お話の国庫の補助を受ける分につきましては、戰災都再建整備事業として極めて僅少ではありますが現在補助を受けております。将来も私の方としては補助を受けてこの事業を執行するつもりではありまするけれども、その補助の金額についてはそう多くを期待いたしておりません。
  13. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 本件については、請願者と市の方の申請弁明書との間に非常な開きがある。それは疎開跡地関係者に対する措置は、大部分の措置がついているように市長上申が出ておりまするけれども、請願者の言うところによると、当時の九十名の地主のうち承諾しておる者が僅かに四名であるというようなことで、あと施行については今非常な障碍があるように陳述されておるので、その点について現在どうなつております、進捗状態を伺いたい。
  14. 高田富與

    証人高田富與君) 私の方の上申地主に対しての措置が十分にできておるというふうに若し申請いたしておるとしますれば、それは当初承諾の印を貰つた数字によつてなされたものと思いますが、その後いろいろな妨害運動などが起されまして、一旦承諾をいたした者もそれを取消したりなどいたしましたために、現在においては土地収用の裁定を申請いたしておりまする者の数字が十七名に及んでおります。それから買収及び買収不調並びに現在交渉中の関係は、図面に表示して参つておりますが、それを御覧頂けば詳細は分ると存じます。
  15. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 次に伺いたいことは、本件につきましては先に札幌市会におきまして、幅員三十六メートルとする旨の請願採択されておるのであります。それがこの市長上申に見ましても、二十六名対十五名即ち絶対多数を以て採択をされておる。これは二十三年の十一月十六日の開会市会常例会に付議されて採決の結果、二十六対十五であるということが上申されておる。又申請者請願者もその通り申述べておるのであります。それでこれに対する市の取扱としては、市長管理道路でないから請願は無意義のものであるという要旨になつておりまするが、併しその請願というものは、法規によつて勿論市の当局は拘束はしませんけれども、市民の声として相当にこれは考慮に取り入れるものであろうと考えるのであります。それで勿論この道路国家の施設として扱つて行くべきものでありまするけれども、今日の自治体の実際から申しますと、やはり市の公益というものが先立つのでありますから、これらについて相当関心を拂うことは当然のことと思います。この経緯について市の当局措置市民希望を如何にも軽く扱つたような傾きがありますが、その点についてのお考えはどうですか。
  16. 高田富與

    証人高田富與君) この四十五メーター線につきましては、私が建設省に提出いたしました沿革的なる事実を詳細に御覧頂けば分りますように、市議会が四十五メーター幅員にしまして、都市計画路線として使用すべき不用の土地を回収した残りをそのまま残してあつたのであります。その残りのものについては二十一年度以来賃貸借を継続して、賃貸料議決を引続き年々やつて参つております。而もこれが賃貸料変更等関係上当初予算のみならず、年度途中において予算追加更正をもいたしておりますので、その点では恐らく賃貸料についての議決というのは四回か五回ある筈です。これはちよつと正確な数字は覚えておりませんが、それから二十三年度におきましては、先程私が申し述べましたように、四十五メーター線として三ケ年の継続事業として事業を司行すべく、継続年度支出方法議決並びにその年度予算議決をも市議会が二十三年の三月二十七日にいたしておるわけであります。その議決従つて私は事業を執行いたしておるのでありまして、その後に議会請願採択いたしましても、私は先の議決変更するだけの効力はないと思つております。  そこで議会に対しても私はしばしばそのことを御注意申上げて、若しも議会意思本当に四十五メーターを三十六メーターなり三十メーターなりに変更して事業施行せしめるという意向であるならば、先の予算議決なり継続年度年期及び支出方法なりの変更議決をなさるべきではないであろうか、その点についてはここにおいでになつておる我が市の議会議長も公式の席で以てそのことを述べておる筈であります。これは速記録にもその通りつておる筈であります。でありまするから私といたしましては、議会にそれだけ御注意申上げて、議長みずからがさように申しておるのに、請願採択したのでありますから、私としては如何ともいたし方ないので、当初から引続いてやつておりました議会意思通りにいたすのが、市民本当意思を実現するものである。かように信じておりまして、その後におきましても最近においては四十五メーター市道認定をするために諮問をいたしております。  ちよつとその前に申上げますが、二十四年度においても同様この路線事業の執行についての予算変更並びに継続年期及び支出方法議決変更もいたしております。これは買収価格値上り賃金その他の値上り等考慮しての追加更正であります。議会はこれも大体において満場一致を以てその通り四十五メーター事業をそのまま執行することを認めて議決をいたしております。これは二十四年度の途中におきましても、御様追加更正をいたしたと思いますが、これも満場一致を以て議会を通過しておる。これが私は市民本当意思だと信じております。尚又二十四年の十月十日には市道として四十五メーター幅員道路認定すべく市会諮問をいたしましたが、これにつきましても、同様市議会は恐らく満場一致であつたと思いますが、これも市道認定についての諮問決定いたしております。以上の次第で、私は市民本当意思を実現いたすべく努力したつもりでおります。
  17. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) そこで次に伺いたいのは、市の予算関係におきまして非常に無理があるという申立が出ておるのであります。それは市の方の計画によりまして、二十三年度、二十四年度、二十五年度年度に亘りまして、西一丁目より西三丁目に至る面積に対しては坪当り九百円、西四丁目より西十丁目に至る面積に対しては坪当り七百円、二十五年度東一丁目から西四丁目に至るまで坪当り七百円、こうなつておる。ところが一方大蔵省で売立成立したところの表通り価格というものは、坪当り二万七千円で処分されておる。かようなことの権衡から見ると市の予算というものは到底非常な無理があると、こういう申立が出ておる。果してこれはこの通り遂行できるお見込でありましようか、その点を伺いたいと思います。
  18. 高田富與

    証人高田富與君) 当初の予算の九百円とか七百円とかいうこの見積は、国が財産税を徴収いたしまする際に土地の評価をいたしました。これは賃貸価格の七十倍とか九十倍とかいうふうにいたしました。そのときとこの予算を編成したときの物価の開きが財務局及び札幌税務署等の調査によつて八・三三倍になつたわけであります。その八・三三倍の数字がそれなのであります。ところがその後さように八・三三倍では到底土地の取得をいたすことが無理であるということが分りまして、しばしば用地買収費を引上げて予算更正をいたしておるわけで、実際に西一丁目から三丁目で買収いたしましたるところは、坪当り二千数百円であります。
  19. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 只今お話通りここに書いてありまするが、坪当り九百円及び七百円ということは、只今お話でも二千数百円に変つてしまつておる。今後総額八百三十万三千五百三十一円と出ておりますが、これで押逐げることができないとすれば、その財源等については確たる御確信をお持ちになつておりますか。
  20. 高田富與

    証人高田富與君) この土地価格につきましてはいろいろな見方がありますが、この土地価格について不服がありまして買収に応じない人もあるわけであります。そこでこの点については、価格評定について土地収用法の適用を受けまして、価格評定寄査会価格決定して下さると思つて私共おるわけでありますが、この将来の都市建設のためには仮に二千数百円の土地代金が或る程度引上げられましても、私はなさなければならないと考えておりまするし、現在の札幌市の財政状態から見まして少しもさようなことについては懸念を持つておりません。
  21. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 財源の御心配がないとすればそれは非常に結構なお話でありまするが、一般のこの市民意向として請願者から伝えて来ておるところによると、非常な危惧があるから一応お尋ねしたのであります。  次に請願取扱について一応参考として申上げて置きたいのですが、札幌市の方の本通、停車場通は三十六メートルである。中間にある道路は成るたけ風向都合上拡張しなければならないけれども、それについては不燃質家屋を建てて防火の用意をするということもできる。それからこの疎開者戰争犠牲者であるから疎開地一つできるだけ返還すべきものであるという。それから現在の状態は建物の裏面が側面へ出ることになつておるのでは却つて不体裁であるが、三十六メートルとして店舗建設すれば繁華な商店街ができる。その次は南四條線の幅を広くすることはこれに接続する豊平橋も狭く、又豊平條線幅員二十七メートルで釣合がとれない、こういうような理由市会が可決しております。先程のお話もありましたが、二十六対十五というのは一般に見て軽はずみになつて現われた数とは認められないのであります。これについて市会議長もお見えになつておりまするからその点の経過一つ説明を願いたい。
  22. 福島利雄

    証人福島利雄君) 只今委員長からお尋ねのこの本件市会に対する請願の内容でありますが、一応順序といたしまして、この疎開地関係議案がどういう経過を辿つているかということを参考に差上げてありますが、それを御覧願います。即ち二十年の五月四日に防空法によつて疎開を実施せられまして、先月の十月十日の質問に至るまで都合九回、市議会議案としてかかつたのでありますが、この間いろいろ検討されましていずれも理事者の提案は可決若しくは承認をいたしておるのであります。たまたま今お尋ねの二十三年の二月一日に四十五メートルが広過ぎるから三十六メートルに変更して貰いたい、そうして疎開者のために住宅の緩和、或いは営業もできるような措置を講じて貰いたい、かような請願が受理されまして、只今お話のように請願を検討いたしました結果、二十六対十五というので一応採択になつたのであります。  その際私は先程市長が申述べましたように、これは單なる請願であつて、この道路幅員を拡張するという既決の事業変更にはならない。そこで若し請願紹介議員若しくはこの請願採択に賛成した議員が、従来の都市計画関係するところの決議変更せよというこの要請であるならば、これは公益に関する意見とか或いは議決事項変更という案をお出し願つて、そうしてそれが可決せられますると、つまり内閣総理大臣なり、或いは建設大臣なり、知事の方にその趣旨がいわゆる議決として通達されるのでありまするけれども、この程度請願であつては、これが採択なつたから然るべく措置を講ぜられたいというこの趣旨市長に通知するだけのことでありまして、市長がこれに同意せられない限り、これは市長だけでただ聞き置くという措置を免れないことになると考えるのであります。この請願紹介した議員意思、或いは賛成したところの議員意思が強く、この問題が市会に先に議決されておりまするから、それをどうしても政府に要請して変えたいという趣旨であるならば、市長がその案を提案せられる意思がないようであるということは従来の経過からこれはもう明瞭であるのでありまして、尚議員もそういうような発案をする考えもないのであります。勢いその紹介をしたところの議員、若しくはこの請願採択することに賛成したところの議員がみずからこの案を出して、そうして市会開会を要請されなければ、この措置はただ市長に通知をするというだけの措置になるのだ、そこで真意がどこにあるかということを私は公式にも又非公式にも尋ねたのであります。ところがこの請願紹介議員も又これに賛成したところの議員も、そういう措置まで講じなくてもいいのだ、ただ折角疎開した当事者が元通り三十六メーターにして貰いたいという希望があるので、それをこの市会請願として採択すればいいのであつて、これを都市計画変更というところまでやる意思はないのだと、かように非公式にも又公式にも決定したところの問題であるのであります。従つてその三十六メーター採択いたしましたが、さて実際に店舗を建てるとか、或いは住宅にするとかいうことは実際問題としてこれは相当考慮の余地があるわけなんであります。というのは、四十五メーター決つたのでありますが、三十六メーターというと都合メーターの短縮になるわけでありますが、九メーターでは店舗にも住宅にもならないわけです。もうすでに四十五メーター線でもつて建築が大部分行われております。そこで九メーター一杯に建てるわけには行かないのであります。いろいろ建築物法の規定によりまして一間なり一間半なり工事を明けなければならぬ。さよういたしまするとまあせいぜい二間間口か三間間口のものになるのであります。而も延長が相当長いところでありますると、貧弱なマーケットか、まあ分り易く申上げますと鰻の寝床のような細長いものがずつと建つというようなことで利用価値が乏しい。現状から行きまして折角の疎開当事者が自分のところに店屋ができるようにという希望紹介議員が取次いだというだけで、国の方針であり市の方針である四十五メートルの都市計画の線を、強く変えなければならんという意思で闘つたことと私は承知いたしておるわけであります。
  23. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 重ねてお尋ねいたしますが私共は議会生活をいたしておりまする見地から見ましても、又一般に、客観的に考えて見ましても、十六対十五というような一票の差であつたとか、或いは同点数で議長が採決したというようなものとは違う。今御説明のような点があつて請願はどうでもいいのだから請願者意思を汲んで気慰めにやつてやろうというような意思の発表とは我々は解することはできません。況んやその中の請願採択理由というものは非常にうがつた理由が羅列されておる。我々から見ましてもとにかく国会から見ましても、戰争犠牲者に対しては相当同情を拂つており、現在国会において重く取扱つておりまする在外同胞引揚者の問題などにつきましても、特に特別委員会を設けて慎重に取扱つております。又戰災都市に対しましても、歴代の内閣の声明書裏向にそれを謳つているというようなわけで疎開者もやはりこれは戰争犠牲者であります。その方が立退いたあとをいい幸せにして道路を拡張して行くということであつたならば、それは非常に無理であると言わなければならない。飜つて札幌都市計画を見ましても、極く初めの計画は今申しました通り二十五メートルに一遍決定されておる。それから他の道路幅員を見ましても札幌市の本道路が三十六メートルである、新たに五十メートルになつたところもありますけれども、それらは何らの異存もなく行われておるだけの話で、異存のないところは進んでおるからして、異存のあつたところにこれを採択すると、先の異存のないところまでも何かしなければならないというような、理窟でこれを処置すべきものでないと私共考えるのでありますが、併し市の当局意見我我は決してこれを軽く考えておらん、市の公益考えて最善を盡くしておるわけであります。ただこの場合において我々の恐らく関心を拂うべきところは、戰争犠牲者に対しては国民相当同情を持つて処理して行かなければならんということと、それと一つ都市計画にしましても、とにかく敗戰後の今日においては、徒らに雄大なる計画を立てて、あと至つて予算などの伴つて行かぬようなことをしてもいかん。今までのところは相当の穏かな計画を立てて行かなければならないというようなことから合せ考えまして、請願取扱についてはそう冷淡に処置すべきものではないように思うのであります。  又一面道路の性質から考えますと、これは国家の容喙することでございますけれども、併し国家と申しましても長崎のごとく広島のごとく国の法律で以て決めましたものでも、今日は地方において民意を取入れる必要上、地方民意思を、十分投票によつて決定しておるというような時代でありまするので、法によつてつたから、その通り極く以前の仕来りをそのまま実行して行くという時代とは多少変つておる、かように私共は考えておるのであります。その見地からしてかように丁寧に取扱つてお尋ねをしたわけでありますが、只今議長からのお話によりますと、如何にもこの請願決議は何かの情実によつてただ形式的に決議されたもののごとく御弁明であつたが、議長は果してさような考えで将来とも市の円満を期し得るものとお考えになつておりますか。
  24. 福島利雄

    証人福島利雄君) 申上げますが今委員長お話のように、請願は、引揚或いは戰災者というものを温かい気持で生活の安定するように考慮しなければならんということはすべて同感でありまして、札幌市の市議会もその点においては実績が証明いたしておるのであります。十二分の好意と又親切を以てそうして不満のないような生活を続けて頂くことに相当の協力を講じておりまして、その点においてはもうすでに沢山な露店なども特に許されておりまするし、それからいろいろな事業を興しまして、そうして收入を図るというような考慮等を図つておるわけであります。只今南四條の街路が市の使用道路のうち特に広くしたということは、そこに犠牲者が多く出たという御見解でありまして、誠にその通りでありますが、実は札幌市の実情は北の樺太或いは千島等に近いというような関係から、その方面の引揚者が特に北海道希望して沢山に受入をいたしておるのであります。又満洲などにおられて引揚げられた方も気候、風土、或いは生活様式というものが寒地北海道がやはり住みよいというようなことから北海道に入植するために、どうしても札幌市が本州の土地と比軽しまして特に多数の受入をいたしておるということからいたしまして、実は万全の施策を講じて参つておるわけで、そのために人口の増加率なども非常に顯著なものでありまして、最近においては十月一日の調査で二十八万四五千人の人口になつておりますが、非常に住宅が不足をいたしておるのであります。まあ大畧でございますが恐らく四、五千戸不足いたしておるのではないか、そのために或いは遠くから汽車で通勤する者、或いはバスであるとか、或いは自転車というようなもので通勤する者が非常に多いと思います。その数は凡そ三、四万の人を数えておるのであります。つまり札幌市の晝間人口は三十二、三万定著人口が二十八万くらいであります。かような状況になつておるのであります。  尚その外にこれは関係方面の関係もありまして、そのために交通量というものは非常に頻繁になつておるわけであります。今回南四條線はその最も主要な道路になつておりまして、交通量の頻繁なることは恐らく全路線のうち屈指のものであると思うのです。従つて従来の二十五メートルではもうすでに狹隘である、防空法によつて疎開を実施すると否とに拘わらず、今日の札幌市の現状からいたしましてすでに狹隘であつて当然拡張しなければならん、こういうことになつてつたのであります。特に札幌市の実情は半年冬である、積雪量も相当に多いのでその多期間雪を除いて先ず市営の電車を動かさなければなりません。それから冬期間と雖も関係方面の車輛は頻繁にこの路線を往復するわけであります。その外除雪を命ぜられますために、市内からトラツクでもつて豊平川というところへ持つてつて投棄するわけでありますが、そういうような仕事が戰戰の一つの特珠的なものといたしまして、最近における交通量というものは急速度に殖えて参りまして、従つて交通の事故も統計を持つておりませんが頻発いたしておるのであります。一般衆庶の歩行者のごときは全く命がけである。雪が四、五尺もそれ以上も積りますので電車を動かすには路線の雪を排雪しなければならんのであります。そこへ農家の馬橇というものがこれ又沢山に、或いは屎尿の汲取であるとか塵芥の投棄であるとか或いはいろいろな物資の調達のためにやつて来るというようなわけで、この線が一番実は繁華な場所柄になつておるので、従つてこの場合道路を火防の上から行きましても又将来この道路を緊急の避難所とするということを考えましても、この際四十五米に拡張するという必要はもう大多数の者が認めておるわけであります。請願しました方は請願当事者でありまして、その方々のお立場も十分了承し同情も惜まない考えでありますが、併しこの四十五メーター線にするということは札幌を支配するところの輿論であります。これは市が輿論の調査をいたしまして四十五メーターが適切かどうかということにつきましても相当愼重に調査いたしたのであります。市長みずから出向いて座談会等も開きましたがその場合においては、或いは幅員を少しく狹める、そうして引揚者を入れるというような議論が行われたのでありますが、これはその関係者が非常な熱意をもつてそうして真劒にいろいろ論議した結果であると考えますが、併し市がまた別な方法で市民の世論の調査をいたした際においては、四十五メーターの拡張は札幌市の現在並びに将来に徴して必要なことであると、是非これはその完成をしてもらいたいとかような実は輿論になつておるわけであります。市会の空気或いは動向というものもこれが多分に反映いたしておるわけであります。この三十六メーターにしてもらいたいという請願がいろいろな他の事情によつて一つの空気となり三十六メーターの賛成があつたということは、相当当時問題が刺戟的になりまして、都市計画北海道地方委員会においてもいろいろ深刻な議論があつたのであります。  そこでそれが反映いたしまして、折角その請願しておるのであるから一度は聞き入れてやつたらどうかと、併しその措置は飽くまでも市長理事者に任せる、強く都市計画を変えてまでも三十六メーターにしなければならんという意思のなかつたことは、その後のこの問題に関連する議案がでましたときには一、二の人達はそれに反対する意見を述べられましたが、併し採決をする場合においては大多数決定的に四十五メーター案を支持して、そうして原案を可決或いは承認しておることにおいてこれは明らかなのであります実はこれに関連いたしまして先月の市会におきましても、これを最も主張する議員が自分のこの説を強調いたしまして、そうして他の議員が先にこれに賛成して今日又賛成しないということは面白くないということに関連して、会議規則に触れる発言をいたしたために実はその他の問題もあるわけでありますが、市会においていつまでもこれにこだわつて、つまり事業計画に協力しないということはこれは面白くないというので、満場一致で実はその当該議員の方でありますが、その人に反省の勧告をいたしたわけであります。その勧告に応じないという事実、尚十月十日の議会において他の議員がその請願には賛成して、その後協力しないということに対する非難の声を放つたことのために、その当時の市議会がこれを懲罰に附しまして、特別委員会、その後の本会議とも懲罰の最も重い除名の処分を行なつたような事実があるのであります。従いまして私はこの請願を受理し審議を委ねた当初から今日に至るまで終始一貫、市議会はこの都市計画の四十五メーターを支持しておつて、その間多少この刺戟的なことがあつたの請願というものが四十六メーターになつても、併し請願だけでは駄目である、この議決変更をして国の方針を変えるという決議をしなければ駄目だという勧告に対しましては、いやもうこれで十分だとそういうそこまでのその強い主張でないという意思が私はその間において十分に察しられるわけであります。従つて市議会請願採択したいということは一時的な先ず空気でできたこの結果であつて、それが本当の本質的な市会を支配するこの多数の人の意思でないとかように今尚考えておるような次第であります。
  25. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 一応承知いたしました。ただこの請願というのは相当形式的にやつたという御観測でありまするが、我々の知るところによりますと、これは市会の工営承認委員会に付議して、その委員会が数回審議を重ねて更に実地踏査をも行なつて決定した第一次の審査を経ておる問題である、私共はこの問題をさように客観的に見て綺麗なものと見ることはできないからお尋ねをしたのであります。  又この院内の方は北海道の事情等について決して無関心な人ばかりでない、殊に又精通した人もあるのであります。又委員としてこの委員会だけの観察を持つておるわけであります。この憂うるところは非常な財源を要するものであり、一つはこれは国家の法制によつていわゆる都市計画法によつてつておるのでありますけれども、併し今日ではこの法律だけに頼つて万事法で押切り得るものではないのであります。札幌市会は新憲法によつて、普通選挙によつて男女共に権限を行使されてできたものと我々は考える。その市会において二十六対十五で決議されておる以上は、これは市民の声でないということはちよつと成立たない、さような見地で我々は請願取扱を重く見てお尋ねしたわけであります。お話の点だけは伺いましたので、委員の方で御質疑がありますならば……
  26. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 ちよつと清水証人お尋ねしますが、四十五メーターに幅を広げたこの趣旨交通の緩和に重点を置かれるのか、或いは火災その他の防災に重点を置かれるのか、先のお話では主に交通緩和よりも火災に重点を置かれるようなお話のように承わりました。又福島証人お話では交通緩和を非常に力説されましたが、証人はどつちにこれは重点を置かれるのでありますか。
  27. 清水武夫

    証人清水武夫君) 重点といわれますると、これはもう交通緩和と防災という意味と殆んど同等のものであるというように考えるのでありますが、それらを複合しましてこういう幅員を取つたが、それにつきましても本省から或いはその筋の指示もありまして、大体このくらいの幅員は差支ないというような、他の府県の例を見てやつたのであります。国が莫大な費用を投じてこの建築物を拂つた今日、当時としましては都市計画を実現するのにこの上もない機会であるというような見地から、本省にしましてもそういう指示をされたのだろうと思います。目的は防災或いは交通、更には都市の美観ということも考え、いろいろな複合的な意味から四十五メーターにしたわけであります。
  28. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私はもう少し技術方面に立入つてみたいと思う、この方面で今まで火災にお遭いになつたことがありますか。
  29. 清水武夫

    証人清水武夫君) 前に大きなものはありませんが大体七千坪程度火災が一、二度ありましたが、そう大きなものはありません。
  30. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 この辺は民家といいますか、商店といいますか、大体平造りですか、二階建ですか、三階建ですか、大体どういうふうな構造ですか。
  31. 清水武夫

    証人清水武夫君) 大体平家も相当ありますが二階と半々ぐらいだろうと思います。三階というものは殆んどありません。
  32. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 次に北海道殊にこの方面の特殊な台風といいますか、暴風雨は別ですが、普通今までで相当大きな風の速度はどのくらいでありますか。
  33. 清水武夫

    証人清水武夫君) 風の速度は大体二十メーター、最も強いので二十五メーターというところだと思いますが、まあ五月の初の頃の非常に乾燥した時期に二十メーターぐらいの風速は非常に多いのでありす。
  34. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 次に仮に二〇メートル或いは二五メートルの風といたしまして、平家或いは二階建てのとき、先程あなたは防火のことを重点にするとおつしやいましたが、それいついて聞くのですがどれ程の幅員を取つたならばそういうときに災害を免かれるのか、これに対して何かお考えがあるか。それがない以上は四〇メートルにしても五〇メートルにしても一〇〇メートルにしても、技術的な基礎観念がない以上は何の故を以て四十五メートルにするのか、仮に三六メートルにするのか、仮に三六メートルでも防災上にいいといえばよいかも知れない。或いは二十メートルでも四十五メートでも狭いかも知れん。どうしても防災を観点にすれば五十メートルにしなければならないかも知れない。四十五メートルにしたその当時の都市計画審議会か何かで意見はなかつたのでしようか。
  35. 清水武夫

    証人清水武夫君) 火災ばかりのために設ける幅員ならば、実は広ければ広い程安全であることは今更多言を要しないところでありますが、これと交通の問題もあり、更には疎開ということによつて建物を取除かれたという一つの絶好の機会を利用して、それ以上に拡げることは金が非常にかかるということも考えられますし、これを詰めて見たところで幾ばくの建築敷地もできないわけでありまして、そういつたような非常に複雑な問題を考えまして一応四十五メートルということを考えた次第であります。
  36. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 疎開されたその幅はやはり四十五メートルだつたのですか。
  37. 清水武夫

    証人清水武夫君) 相当幅員には凹凸があつたのでありますが、一部必要のないというところは路線の形を整える意味から、一部は返還した筈になつております。一体四十五メートルくらいのところまで疎開した。丁度宅地の切れ目を以て疎開したわけであります。
  38. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 その疎開は無論戰争に対する疎開でありますから火災を非常に考慮したと思いますが、そのときにやはり四十五メートルの疎開をしたのは何か土地関係上、土地の形とか何とか特別に関係があつて四十五メートルにしたのですか。或いは單に漠として四十五メートルとしたのですか、何の観点ですか。
  39. 清水武夫

    証人清水武夫君) それは建物の関係も勿論ありますが、建物の関係というのは敷地の関係でありまして敷地の境です。宅地の境界というところで大体押えたわけであります。ところが宅地の境界も截然と通つておらなかつたのでありまして、大体見通しをつけて真直ぐになるような位置で行つておるわけであります。勿論建物とも大いに関係があるわけであります。ですから今日でも多少四十五メートルでも建物の出ておるところも一、二あるのであります。大体においてそういう意味でやつております。
  40. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 そういたしますと四十五メートルということは何だか技術上の確固たる基礎がないように私は思いますが、そういうふうに考えて差支ありませんか。証人はどういうふうにお考えですか。
  41. 清水武夫

    証人清水武夫君) 大体防災の関係につきましては本省でも非常に研究しておられるようでありまして、特に防災と交通の問題もここに繋がつておりますために、人口何万以上というような土地に対しましては、最大の避難道路といいますか、こういう道路は何メートル以上というような大体標準を持つておられるようであります。ここに仙台、川崎、静岡といつたようなところにつきましても計画の最大幅員が五十メーターというふうな線を示しているのに徴しましても、もう無理な幅員じやないのであります。そういうふうに考えております。
  42. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 もう少し質問がありますけれども保留します。
  43. 北條秀一

    北條秀一君 只今四十五メーターの問題につきまして、技術的に確たる基礎がないということを私は考えるのでありますが、これは根本的な問題になつて来ると思うのです。そこでもう一つ遡りまして、清水さんにお伺いしたいのですが、大体疎開をするときに四十五メーターという最初の基礎を作つたんですが、そういう四十五メーターの標準をとられたその理由は、あなたは御承知なんですか。そのときのどうしてもこれは四十五メーターだけ拡げなくちや防空法に基くところの防災はできないと、その四十五メーター撤去された当時の事情を知つておられればこの際述べて頂きたい。
  44. 清水武夫

    証人清水武夫君) その当時の疎開方針としましては、決して防空疎開都市計画に便乘してはいかんというような御指示があつたのでありますが、都市を防護する、市民を護るという見地から行きますと、都市計画の理想とはそう食違いがないものでありまして、当時防空疎開で拡げた幅員というものは、即ち将来への都市計画の一環になるのだというふうに我々も考えているわけであります。本省としましてもそういうような見地から全国に対する疎開跡地について都市計画上必要なものは残す、不必要なものは返せこういうことになつたのであります。その当時はすでのこの幅員の問題につきましてはいろいろ論議されたのでありまするが、結局この審議会におきまして十分な審議を経た結果四十五メーターが妥当なものだということに結論が出たわけでありまして、決して我々だけの独善的な案ではないことを申上げるのであります。
  45. 北條秀一

    北條秀一君 結局この問題は、先程市長議長清水三人の方が言われましたことを聞いておりますと、防空法に基いて昭和二十年に四十五メーターにした、ときに将来都市計画考えて四十五メーターにするという確たる信念があつてつたんじやなしに、結局四十五メーターに前にやつておるからそのままやろうじやないか、こういうふうな便乘をしてこの案を支持されておるというふうな私は印象を受けるのですが、その点についてあなたはどういうふうにお考えになりますか。結局便乘しているんじやないんですか。
  46. 清水武夫

    証人清水武夫君) 便乘したというふうに解釈されるといけないので、これを審議会にかけましてその幅員が妥当であるかどうかということを十分審議したわけでありまして、決して便乘したというのではないのであります。たまたま疎開跡地として建物がなくなつておる、幅員というものを対象にしましたけれども、これは審議会の十分な審議の結果四十五メーターが妥当だということになつたのであります。
  47. 北條秀一

    北條秀一君 それでは清水さんにお伺いしますが、都市計画審議会におかけになりましたのは、二十三年の十二月七日であるというふうに書いてありますが、その審議会決定方針決定した場合の審議会の内容が極めて官僚独善的であつたということが請願に出ておるんですが、而も当然の責任者は出ずに、代理の代理が出てやつてつたということであるのでありますが、簡單に一つ当時の審議会の模様を述べて頂きたいのであります。
  48. 堀末治

    ○堀末治君 私も今の北條さんの質問に足したいと思うのですが、成るべく簡單でなく、これは非常な問題の解決のポイントと思いますからできるだけ詳細に願いたいと思います。  尚お聞きしたいのはそういう審議会速記録がございましようか。
  49. 清水武夫

    証人清水武夫君) 審議会速記録が出ておる筈でありますが……
  50. 堀末治

    ○堀末治君 速記録があれば、今日は御持参がなければ結構ですけれどもできれば分るだけ詳細なお話を願つて、尚できれば今の北條さんの御発言の通り請願書の中には、この審議会がその使命を完全に果しておるかどうかということに我々大きい疑問をもつような部面があるんですから、非常にこれは大切なことだと思いまするからできればその速記録一つ写しを出して頂きたいと私は思いますが如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 清水武夫

    証人清水武夫君) 速記録只今つて来ておりませんが本省の方に渡してあります。それから帰りましてからでも写しを差出すことは差支ないと思います。十分詳しく速記してありますから、出したいと思つております。それで当時は委員会と言つておりましたが、二十三年九月二十五日にこれをかけたのであります。諮問はその前の六月の十五日でありますが、外の問題も合せて審議して頂くためにその間三ケ月ばかり経ちまして九月二十五日に第一回の審議をやられたのであります。審議は札幌ほか根室その他一件ありまして、これを根室その他は内容の関係で先になつたのでありますが、非常に委員出席が惡かつたのであります。従来でも都市計画の問題は非常に軽く考えられておりますのでありまして、委員出席も少かつたのでありますが、このときも非常に遠隔の地から来る人もあつて出席率が惡かつた。それで根室、釧路だつたと思います。がそれを先に審議をしまして、それから最後にこの札幌の問題を審議することになつたのであります。委員の数が非常に少くてともすれば定数を欠くような状態でもあつたものですから、極力その委員の中でも在幌の、而も道庁の部長十四名が委員になつておりますために、道庁の中でできることならば一つ委員を少し集めて、委員の定数を欠けないようにというようなことから、連絡をとりまして成るべく代理でもいいから出席して頂きたいというようなことで、各部へ連絡したのであります。そういつた連絡のために札幌市の問題を議するときには、幾らか集まりまして定数を殆ど欠かない程度の数になつたわけであります。それでその審議の結果札幌市からは、市の議員からこの問題を保留にして貰いたいというような意見が出まして保留したのであります。それから十月、十一月、十二月と三ケ月経ちまして十二月七日に再開したわけであります。で十二月七日に再開しましたが、このときもこの問題について非常に紛糾しまして、更に一日延期しまして十二月八日、三回目の委員会を開いたのであります。このときも非常に紛糾しましてこの解決のためにも尚数日間暇を貰いたいたという申出がありまして、十二月十二日に又委員会を開いたわけであります。それでこの委員会のときも又この幅員問題については相当揉めたのでありますが、結局決をとるというようなことになりまして、決をとつた結果が十八対十三というようなことで原案が可決されたというような経緯であります。その間の内容につては詳しい議事録がございますから後で差上げます。
  52. 北條秀一

    北條秀一君 この十八対十三の点ですが、これは又非常にシリアスな問題でありますが、特にこの十八対十三の内容はどういうのであるか覚えておられたらちよつと知らせて頂きたいのであります。
  53. 清水武夫

    証人清水武夫君) これは無記名でやつたためにどういう人がどういうような意見を持つていたかということは分らないのであります。
  54. 北條秀一

    北條秀一君 それでは、この三十一名の人の中に先程部長が十四名あつたというお話でありますが、これは代理出席者が相当つたというように聞いておりますが、この点は如何でありましよう。
  55. 清水武夫

    証人清水武夫君) この時にはもう前から通知してありまして、できるだけ代理は困るとその前の委員会相当問題になりましたために、委員代理の出席はできるだけ避けて頂いて殆んど代理はなかつた思つております。あつても一、二名くらいだつたと思います。
  56. 北條秀一

    北條秀一君 本件は当初から非常に紛糾を重ねておつた問題だと私は本日の証人皆さんお話で了承するのでありますが、この際今の清水さんのお話と関連いたしまして市長さんと議長さんにお聞きしたいのです。それは市長さんの意見書によりますと、この問題は政府は長期間に亘つて慎重に検討したということを言われております。又議長の先程のお話の中にも国の方針だということを言われておるのでありますが、先般来この請願を我々が審査いたしました際に政府の担当が参りまして、そして責任ある言明は、こうした札幌市の問題は政府は天降り的に決定することなしに、市の方の民主的な意見に基いてそれを中心として政府は決定するのだ、こいうことを言つておるわけです。民主政治のあり方はそうでなくちやならんと考えるのであります。これはその旧憲法時代或いは大日本帝国時代であるならば、政府は一方的に決めてそれを市がはいはいと言つてやるというのが常則であつたかも知れませんが、今日においてはそうでなしに市が市の必要に基いてそれを民主的に決定して、国に申請して国がそれを承認してこれを補助するというのが、当然の民主政治のあり方であります。又政府もそういう方針ははつきりしておるわけです。ところが先程来聞いておりますと、今言いましたように政府がそういうふうに決めたんだから市でも如何ともできないし又市の議会でも如何ともできないというような、こういうふうなことを言われておるのでありますが、市長さんに先ず承わりたいのは、その間に政府は長期間に亘つて慎重に検討した結果、かくすべきであるという意見を政府の方から積極的に出したのかどうか。
  57. 高田富與

    証人高田富與君) 私はさようなことは上申はいたしておらない、私はそう感ずるということを建設省に申したわけであります。ですから私の就任前のことでありまするが、こういう案が札幌では妥当であると信じて政府に対して申出をした。併しこれは別に政府が都市計画というものは決定するものであるからして、一個の事実行為に過ぎないのではないか、こういうことを私は述ベたのであります。それからお言葉を返すようで恐縮ですが、この問題は私は当初から紛糾と申しますが、私から建設省に出しました書面にも明らかでありますように、大体二十一年の二月であつたと思いますが、これこれのところは指定の土地のうち、これこれのところは将来都市計画路線若くは広場にするから、将来も必要になるのでこれは返さない、引続き保管をして後返すなりどうかするということを新聞等にも明らかに発表したわけでありまして、不必要な都市計画外の土地につきましては、それぞれその年の三月三十一日までに大体返しております。そうして必要な土地に対しては先程来申述ベておりまするように、二十一、二十二、二十三年度と、ずつと賃貸料についての予算を市が議決をし、それから二十三年以降は事業執行について議決をいたしておりましてその間少しも何らのいざこざもなくて、この請願が出て参つたのは二十三年の九月の下旬頃であつたと思いますが、それ以後初めて四十五メーターが広すぎるということを言い出されたので私も意外に思つたわけであります。さような事情でありまするので、私が建設省に提出いたしました書面は、私みずから事実の調査をいたしてあります。ですからそれを御覧頂けば都市計画地方委員会決定するまでの経緯は詳細お分り頂けると思う、かように考えておる次第です。
  58. 北條秀一

    北條秀一君 それでは関連して議長さんにお伺いします。議長さんはこの問題が国の方針制あるというふうに考えておられたと思いますが、その点についてあなたの御意見開きたいと思います。
  59. 福島利雄

    証人福島利雄君) 私は国の方針であるということは間違なく信じておりますが、併し国の方針であるからといつて無批判に市議会は盲従するものでない。市議会は与えられた機能によつてその市民の利害福祉を考え又市の将来の発展というものを慎重に考えて、そうしてこの四十五メーターが妥当であるというその判断を以てそうしてこの当初からそれぞれの議案に対して適正な議決を行なつて参つたものと信じております。
  60. 北條秀一

    北條秀一君 はつきりいたしましたが、それでは先程その請願採択されたときに委員会からいろいろそこに詳細なお話がありましたが、結局その議長さんの信念と全く違つて市民をごまかしたということになると思いますがそう思いませんか。
  61. 福島利雄

    証人福島利雄君) その請願が中途に突如として出て来た、そうして議決したということは、先程お聽取りを願つたわけでありますが、実は私の見解からいたしますと、慎重な判断の下に適正に行われた議決でないのではないかと、その真意を考えているわけであります。若しその市会の多数の者が真に三十六メーターに縮小すべきものであるという信念を持つて、それが民主的にその市民に奉仕するものだというその確信に搖がないものがあるとしますれば、その後の問題はやはりそれが反映しなければならないですね、それがその後全然さようなことにならないで、その時だけの一つの現象として三十六メーターという提案が議決された。こういう事実はその当時のいろいろな各般の情勢が刺戟をいたしまして、そこまで徹底した都市計画を変えるというところまでの決意を表明した議決でないと、私はかように考えているわけであります。
  62. 北條秀一

    北條秀一君 市長さんにお伺いしますが、先程議長さんは四十五メートルにするということは、札幌の支配的な世論だということを言われました。ここのあなたの意見書の中にもそれに似たようなことが書いてあります。これを見てみますと、市長本件については非常な確信を持つておられると私は見ておるのです。ところがその中に市長一つの弱音をはいておる。若しこの請願採択されて要するに四十五メートルを三十六メートルにしなければならんという場合に、札幌都市計画というものは根底からゆすぶられるということを言われましたが、その点についてあなたの御意見を伺いたいと思います。
  63. 高田富與

    証人高田富與君) 根底からゆすぶられるというような意味のことを、私が建設省に出した書面に書いてあるかどうか記憶がありませんが、若しさような関係者の運動によつてそれが変更せられるようなことがあれば、他にも五十メートルという線があります。その他にも疎開跡地都市計画路線なり広場にするという計画を持つておりまするので、その関係者も又運動を始めまして次々と収拾し得ないような状態になりはしないかということを懸念して、さようなことを言つたのではないかと今ちよつと想像するだけでありまして、そういうことを当時述べておつたかどうか今はつきり記憶いたしておりません。  尚念のためにちよつとこれは御質問の範囲外になりますが、私は別段請願を軽視するわけでもなんでもない。大体私の方の市議会請願採択につきましても実現可能なものについて十分吟味をいたして採択をし、これは実現が不可能であるということであれば不採択にするなり留保するなり適当な措置をとつて参つておるわけであります。私非常に遺憾に思うのは、この問題ともう一つ請願についてこういうことがあります。これも疎開跡地の問題ですが、疎開跡地に露店を指定してくれという請願がありました。これを議会採択したのです。私はさようなことはなすべきものじやないということを申上げたのですが、これ又うつかり議会採択したのです。そこで議長から私に対してこういう請願採択があるから善処しろという書面を頂きました。私は議長に対して口頭で申上げればよろしいわけですけれども、議長は直ぐお分り願えると思いました。けれども他の議員関係もあるからと思つて書面でこれを申したのです。大体露店というものは道路に指定するものだ、その疎開跡地というのは市が買つたか借りたかした土地で、まだ道路にならない所だからしてそこに露店を指定しろという請願採択は、何ぼ議会で同意しても簡單に聞けない。この請願趣旨は市が買つた土地を貸せという意味か、市の借りた土地を又貸しをしろという意味かということを重ねてお尋ねしたい、こういうことを議長に言つてやりましたところが、この請願を真先になつて一生懸命運動した委員長が私のところに来ての話ですが、議長が、お前達がこんなことをやるものだから市長からこんな皮肉な書面を貰つたといつておられた、どうもこれはしくじつた、こういつて私のところに言つて参つた事実もあるのであります。議会政治の上で、国会とかこういう大きいところの国の政治を左右するところは別といたしまして、地方議会には往々にしてさようなことも稀にはあることもあるじやないかと私はさように考えておるわけであります。これは余計な話ですが、御参考までに。
  64. 北條秀一

    北條秀一君 証人皆さんに特に私の見解を述べて御了解を得ておきたいのですが、今回御承知のように政府は都市計画の遂行について現状に即するような処置をしなければならぬということで、本年六月に通牒を出したことは御承知の通りであります。従いまして全国の都市の戰災復興を中心とした都市計画は非常に大きな問題になつているわけです。従つてそのうちの問題のトツプにこれが来ているわけです。ですからこの問題が非常に全国の各地に繋がつて行くということをよく御認識を願い、單にこれは札幌だけの問題じやないのだということを十分御了解願つて、勿論眞劍に今まで御答弁願つているのですが、午後も眞劍にやつて頂きたいと思います。私はこの際時間が来ましたので一時休憩して頂きたいと思います。
  65. 堀末治

    ○堀末治君 休憩に入ることに対して私は賛成いたしますが、先程市長さんのお話の中でいろいろいわゆる疎開地の跡の処理について一方の陳情者の意見を入れるというと後に又支障が来る、こういう御意見があつたのでありますが、若しも札幌の地図があつて、そうして都市計画をここをこうしてここをこうしてというのがありましたならば、午後で結構ですからそこにでも貼つて、そうして詳しくそこを説明してもう少しいわゆる他の道路とのそういうような関連したところをよく一つ説明願いたいと思います。
  66. 高田富與

    証人高田富與君) 今北條委員さんの御意見にも関連しますが、政府の都市計画変更についての意図は交通量とか或いは災害の防止とか或いはその住民の衛生保健というような観点について再吟味をする、もう一つはまだ事業の執行にかからないものについての再吟味、こういうことに私承知いたしまして、この線についてはすでに事業を執行いたしておるのでありますからこれは再吟味の余地はない、けれども他の線につきましては再吟味をする必要がある、かように考えて、その都市計画施行するためにはどうしても従来の建物を大巾に取壊さなければならぬ必要があります。そういう点などについては、特に政府の方針に基いて再吟味をしなければならないのではないか、かように考えてそれぞれ調査をいたしております。ですから私といたしましては北條委員さんのおつしやる意見に全面的に同意をいたしており、すでにさような趣旨計画の再検討をいたしておる、こういうふうに私は申上げ得るとこう思つております。
  67. 清水武夫

    証人清水武夫君) ちよつと申上げたいのでありますが、先程私の証言の中に速記ということを大分申上げましたけれども、今の速記という観念は私共が職員にやらせておる速記を言つたのでありまして鈍記という意味になるかも知れませんが、そういうものができておりますから速記と言つたのちよつと間違いかも知れませんが、速記録と申上げたのは正式な速記ではなくそういう意味でございますから御訂正願います。
  68. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それではこれを以て暫時休憩いたします。    午後零時二十九分休憩    —————・—————    午後一時四十九分開会
  69. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 午前に引続きまして委員会開会いたします。
  70. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 午前中の証人方々の言つておられることから私考えますのに都市計画のことは、国の意思によつて決まるのだという建前であるにしましても、四十五メーター決定なさつたその場合にどれほど市会意思を尊重なさつたか、或いは市会議員がどれほど関係住民の意向を汲んでいたか、その点がはつきりしないので、国の意思であるからといつて一方的に押して行かれたという疑いが濃厚なんです。市会でこの請願の賛成者が二十六名あつて十五名は反対という、十一票も違つている程に反対の意向が強く出ておりますが、それについても午前中に述べられたことは熱心な反対者の意向もあつて、それをどちらかといえば都合のよいようにあしらつて行くためにそういう決議なつたことのように窺われるのですが、十五反対、二十六賛成ということの奥には相当に初めからこの計画について反対の意向があつたと言わなければならんと思うのです。地方政治においてどうも国を嵩に来て直接の国民意思というものはこういうようにして無視されて決定されていると、それがためにいろいろのごたごたが起るということが今日の問題によく現われていると思うのでありますが、四十五メートルにすることは最も妥当なことだと、市会議長或いは市長が決められたということには何の根拠があつたか、これについては初めから市議会の代表者それから関係住民の間に、どれだけの納得の行く交渉をなさつたのかどうか、その点が疑わしいのでありますが、市長にお伺いしますがどういうことをなさつたのでありますか。
  71. 高田富與

    証人高田富與君) 只今の御質問の前に、先程委員長から御質問頂きました土地買收の状況について、図面で御覧頂けば明瞭いたすように申述べましたが、図面も差上げましたので御覧頂きたいと思いますが、尚数字がはつきりしておりますのでこのことを申上げます。この南四條線で四十五メートルの都市計画路線を作り上げまするために買收を要する地積は八千六百五十七坪十六であります。すでに買收済の面積は五千十九坪十六であります。それから今買收について折衝中のもの並びに手続中のものが千六百八十二坪四十一、買收不調のものが千九百五十五坪五十九、不調のパーセンテージは全所要面積の二二・六%ということになつております。買收さようなことに相成つております。  只今お手許に差上げました図面に色別けで表示いたしております。買收済の箇所、それから買收交渉若しくは手続中のもの、それから買收不調のものというふうに表示いたしております。  それから只今の御質問に対してお答えいたします。四十五メートルに定めた根拠はあすこの図面について御説明申上げます。ここがすでにありまする大通りと称する道路と緑地帯であります。これから南が大体商業地帯で非常に人家の多い地帯であります。そこでこの大通りの南の人家が非常に多い地区の中に相当幅員を持つた道路を持つということが、広場を兼ねた道路を持つということが、私は札幌市の現状並びに将来に鑑みて極めて重要なものだと、全体的に言えばそういう趣旨でこの四十五メートルというものが決められたものだと考えております。この決定は、私の就任前の決定でありまするので、詳細な根拠は私は承知いたしておりませんけれども、私の判断するところによれば一つは人家が非常に稠密いたしておるところでありまするので、その間にこういう広い道路を持つということは災害の防止に先ず必要である、次には市民の衛生、保健の面からいつて必要である、それからその次には重要なる交通路としてこれだけの幅員を持つことが当然必要である、かように考えてなされたものだと私は解釈いたしております。この道路につきましては、ここに六十間以上即ち百メートル以上の幅員を持つ広場がありますが、更にここにその程度のものがあれば尚理想的なのですけれども、そういうような広い道路を作るということはなかなか容易ならんことであります。そこで先程いわゆる便乗云々というお話がありました。私は便乗でもよろしい。戰時中、防空関係でこういう疎開をいたしました。そこでこういう機会でなければそれだけのものを作り上げるということは都市計画ではなかなか困難であります。そこでこれよりもつと広いことは理想的には必要であるけれども、大体四十五メートルで以て疎開をしたのであるからこの機会に四十五メートルで我慢をして四十五メートルの路線を作ろうというのが、私は市民大部分の意思でありこれが又国家意思となつたのだと、こういうふうに解釈いたしておるわけであります。  そこで今度は、市民に対してそれでは市長としてどれだけの計らいをしたかと、こういう御質問でありますが、その点については、私市長に就任する以前に議会がそういう意思決定しておるわけです。賃借料の予算においてさような議決を二回か三回いたしている。でありますから私といたしましてもその方針で行くのが至当であろうと考えたわけであります。先程も申述べましたが、疎開跡地につきましては二十一年の二月中に新聞に公表いたしまして、都市計画上必要な部分は残しまして、残す部分はこれこれであるということを明確に示した。それで都市計画上不必要な部分についてはお返しいたしますからと言つて、その手続をしてその年の三月三十一日までに全部お返しした。そしてその後で賃貸料についての議決を何回かいたしているわけであります。ですからその間何らの異論も私に対して申出た事実がない、その後事実施行のための予算自体の議決についても、二十三年度の当初予算も、満場一致で以て議決された。二十三年の九月の下旬になつて初めて請願が出されてから、いろいろその関係者が猛運動を始めているという事実から言つて、私は市民意思は四十五メートル線を支持するものである、こういうふうに考えざるを得なかつたのである、かように申上げざるを得ないのであります。
  72. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 市会において請願が賛成二十六、反対十五で決まつた、こういう状態は突然起きるものじやなかろうと思う。そういうふうになるまでには札幌市内に四十五メートルの決定に対して、反対の意向があつたものと推測されるんです、突然こういうように行つたとは思えない。そうでありまするから、あなたが先程から市民が賛成しておつたというように言つておられるが、それは市民の内情について立至つて親切に見ておらなかつたということになりはしませんか。
  73. 高田富與

    証人高田富與君) それはお説は一応御尤もではございますが、先程議長からもお話がありましたように一つの勢いというものがそこに醸成されて、そこで突然そういう請願採択されるというような事実もないわけではないと私には観察されるわけです。その以前にも私は市民懇談会というのをやりまして、この一番問題になつた地域は豊水地区というんです。その際にこの三丁目の角の所に店舗を持つておりました小林彌三治という人が四十五メートルという道路は広過ぎないか、こういう質問がありましたが、私はこの本旨としましては現在及び将来に鑑みて別段広過ぎるとは考えておらない、こういう機会に都市計画変更して将来に備えるということは極めて重要なことである、こういうふうにお答えをしたところが、重ねて何か申したいような意向であつたが、他の人々は、そういう問題は決まつていることだからもういいじやないか、後廻しにせいということで、その方の御質問は葬られたように記憶いたしております。この四十五メートルに関する地区というのは、その外に東地区と西創成地区というのがあります。このいずれの懇談会にも、この問題については四十五メートルが広過ぎるとかいうような意見というものは全然ありませんでした。さような事柄も、請願の前でありますが、私といたしましては私の判断は間違つておらない、かように考えているわけであります。
  74. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 今猛運動と言われたが、その内容はどういうことなんですか。
  75. 高田富與

    証人高田富與君) 或いは猛運動ということは一つの語弊があるかも知れませんが、関係者というのはつまり疎開地に深い利害関係を持つている人方が議員のところを訪問して賛成を求める、或いは又都市計画地方委員関係の方面にそれぞれ手分けをして運動するとか、そういうことを意味しております。
  76. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 ともかく市会議員の大多数が請願を受付けなくちやならぬというように動いたのには、市民の間にこの四十五メートル決定に対する反対が前から欝積しておつたものである、それが結局市長の言われる猛運動という形になつて出たものと思われるので、どうも市長市民が全体承認しておつたと言われるけれども、どうもこの道路建設についての十分の納得が市民の間にあるように盡力されていなかつたとどうも考えられてならないのであります。
  77. 高田富與

    証人高田富與君) 私は市民の全体が四十五メートルをどこまでも支持しているというふうには申上げない。大多数の市民がこの四十五メートルにすべきである、こういう考えである、こういうふうに私は判断したのであります。どこの疎開でもどこの都市計画にいたしましても、恐らくは街路を拡張されるがために自己の店舗なり住宅なりが立退かされるということに相成れば勢いこれに反対をして参るのが普通ではないか、かように考えておりまするので、この関係者の間においては殊に半ば以上の反対の意見を持つている者があつたであろうことは、想像に難くないと思うのであります。でも私といたしましては、市民全体の意思を忖度いたしまして都市計画をいたさなければならない、かように考え措置したつもりであります。
  78. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 この点を今更に言つてはなんですが、一旦請願を二十六の賛成を以て通過さしておいて、事柄を更にこの請願趣旨従つて善処するような方法をとられなかつたということは可なり專断ではありませんか。
  79. 高田富與

    証人高田富與君) その点については先程来私何度も申述べている。これは私からも議会に御注意申上げている。議長みずからが議会に対しても御注意申上げている。請願採択したことによつて先の議決変更されることには相成らない。二十三年度においては四十五メートルで以て三ケ年の継続事業として事業を執行すべく議決をいたしている、その議決請願採択変更されるわけには参らない。私といたしましては、請願採択いたしましても如何ようにも処置のしようがありません。当初の議決によつて議決によつてというのは予算議決によつて私といたしましては事業施行するより外ありませんから、その点は篤とお考え頂かなければならんということを申述べました。先程議長が申述べましたように議長は恐らく公開の議場においてそのことを申述べておると思います。議決変更をいたすように若し飽くまでこれを変更しなければならないという議会の御意思であるならば、議会はそうしなければならないということを関係者に対して申述べております。それをいたさないのですから私といたしましては別に專断とも何とも考えておりません。その後も二十四年度予算について同様四十五メーターの既定の計画で以て予算を提出してこれ又殆んど満場一致を以て議決された。その後も四十五メーターで以て市道認定をする場合にも殆んど満場一致でこの認定決定された、その諮問決定された。こういう事実から見ましても、私は議会意思を尊重して今日まで来たつた、かように確信いたしております。
  80. 福島利雄

    証人福島利雄君) ちよつと細川さんのお尋ねに関連して申上げますが、細川さんのお話の中で苟くも市議会請願を多数決で決めた、民意を尊重する上から、それが市会の、つまり住民の意思であり市会の多数決であるなるならば、その線で処置すべさではないか、こういうお話はこれはもう御尤もなんであります。私が考えても確かにその通りでありますが、それは経過表に私がちよつと書いたように、市長が提案したところのこの四十五メーターにするという案につきましては、すべて原案通り議決をし同時に承認されておるわけであります。たまたまこの二十三年の十一月に請願が出まして、そうして四十五メーターを三十六メーターにするということを可決したということは、嚴粛に言つて札幌市議会の私はエラーであると、かように考えるわけであります。そのことはこの表にもありますように、この請願三十六メーターを審議中に丁度九月二十七日の四十五メーターに関する市長提案があつたのであります。これは市長の提案のごとく議決いたしております。その審議の中途においてこれに関する議案が出ておる。その方は何ら反対なしに議決をしている。そうして請願を採用したということで、これは誠に扱いが不明朗であつて、一体どこに重点があるかということが疑われるゆえんであると私は考えるわけであります。このことは先程も触れましたように、大体この都市計画、整備事業を進めるに当つて、国若しくはその委任を受けておるところの道庁の措置が極めて怠慢であつた。殆んどこの事業を今にも仕上げるごとく協力を求めておりながら、一向その事務的にも実施的にも事業を行わなかつたことに私は原因があつたと思う。でそのように放置しておくものであるならば、或いは運動によつてはこれが幅が狹められてそうして我々疎開者はこの元へ戻ることができるのではないか、こういう印象を与えたことは事実なんであります。実はその間において私も建設省の方に参りまして、何故に国庫負担の方の仕事を躊躇しているか、又この手続を何故怠慢にしておるかということを、建設省都市計画の方で私が詰問したところが、その当時は終戰後の混乱時でありまして、この建設省の機構も内務省からして建設院になり更に又省になるといつたようなことからいたしまして、その書類が一年余り全く置き去りになつてつた、書類が紛失しないであるのが不思議なくらいであつたのでありまして、そのためにつまり国の事業を代行するところの市が、矢の催促をしても梨の礫で以てさつぱり要領を得なかつた。これは私は本省の事務怠慢の責任であると思う。その間においてかくのごとく整備事業をなおざりにして置くならば又運動によつては元に戻れるのではないか、こういう印象を強く関係者に植え付けたということに私は原因を発しておると考えるので、それでは最初から何事もなくて中途でこういう運動ができて、而も市会の大多数がこれに同意したということは、これは私は自分のことを申上げるのですが、昭和五年から市会議員に出ておりまして五回であります、丁度当初の計画が出ましたときには副議長でありまして議長補佐の役目でありましたが、二十二年の五月から副議長になつております、こういうのでありまして私は最もよくその事情に通じておるつもりであります。というのは市議会の四分の三を新議員によつて占められることに相成りまして、大体従来の経過とかいうものについては十分にお分りにならない方がある。こういう私は見方をいたしておるわけであります。そうしてこの疎開者が元へ戻れるのではないかという希望一つの運動となりまして、一つの会を拵えましてそうしてそれぞれの負担をいたしましていろいろな運動をやつたわけであります。市会議員に対するところの運動、或いは都市計画委員会に対するところの運動、或いは本省に対するところの運動、それが或いは陳情書となり或いはこの請願を出すというようなことで、その間表面に裏面に、御想像に委せますが相当の日時と相当経費を投じて今日に至つたことは、畢竟この中間において札幌市議会請願採択したということが私は大きな支配的な原因であると思います。併し市会の本質、市会議員本当意思というものはこれは二十三年の九月二十七日の決定及び十二月十二日以降、その後四回に亘つて四十五メートル案を完遂するについての市会議決を求めておつたのでありますが、これはすべて市長提案のごとく原案の可決確定をいたしておるわけであります。従いまして今日この過去を顧みますると、その当時市議会がこの三十六メートルの請願採択したということはこれはミスであつた。大きく反省しなければならない。併しその間に運動に際して運動者が自分の生活擁護の問題であり、大きく言えば全く死活の問題であるということになるのでありまするから、もう血道をあげて、まなじりを決して運動をした、そうしていろいろな変化に応じても更に強力に運動を展開して行くということが、この問題の今二十六対十五というような結果を示したのです。その後段々と冷靜に立帰つて見まするとその議決はその時の空気によつてなされたのであつて本当のところはその後同一の議員によつて構成するところの市会が四十五メートル案をずつと支持して何ら紛糾がないということによつてこれは明らかであると考えるのであります。  さてそれで市議会が四十五メートルという国の意思をそのまま無批判に受け入れたかとこういうことになるのでありまするが、それは市会市会なりの判断によつて、この四十五メートルが適当であるという議決をいたしたのでありますが、そのことは先に申上げましたように、交通緩和の点において、或いは火災火災防止の点において、或いは都市の公園に代るところの逍遙地的なものにいたしましてそうして美観を添えるという点において、又この全国都市のつまり都市計画を実施する実情から行きまして、中以上の都市の広さというものは、五十メートル以上の案を採用いたしておるのであります。殊に大阪においては百メートルの広さを持つておる。このつまり近代都市経営の一つの流れ、動向ということも無視できないのであります。況んや札幌本件道路は明治の四年に実は開拓使の島義勇という判官によつて計画を立てられたのであります。八十年を経過し又市制が布かれて五十年でありますが、その間に日本の十大都市のうちに数えられるような飛躍を遂げた札幌市が、明治初年の人口二千か三千当時のままに主要幹線道路は二十メートル若しくは二十五メートルの狹隘にして置くということは、これは市民のつまり生活の定際面から、又更に札幌が将来の目標を五十万、百万の都市にするという上から言つても、この場合先には成る程方空法の適用を受けて四十五メートルにしたのであるが、その防空法の四十五メートルというのが正しいものであるか、折角それを協力して道路拡張の態勢をとつた以上においては、やはりそれを都市計画の面においても同じ効果があるとするならば、これを更に立派な道路としてそうしてこの市の市民の福祉増進或いは市の将来の発展に備えるということは、これは市会の良識として判断するところであります。そのいわゆる認識が大勢を支配いたしまして、今日においては市会全員が四十五メートルを支持いたしまして、一日も早く整備の完遂することを求めて止まないような状況であり、市民も又世論調査の面において又いろいろな負担等の場合においても、進んで四十五メートルの実現に協力するという大勢になつておるのであります。  ただここに反対として現われておるというのは、いわゆる疎開を余儀なくされたところの当事者と、それをめぐる私は少数者と断じて差支ないと思いますが、その方々の反対のみであつて、私は世論の政治であり民意を尊重するとするならば、多数者の民意を尊重してこそ初めてこの議会の責任が果されると、かように考えて参つておるような次第でございます。釈然としない向もありますが、そういうようなことは私は国会の場合においてもあるのではないかと実は考えるのであります。直截簡明に申上げますと、三十六メートルの請願を多数で採択した、そこを本会議もこれを議決したというのでは、これは全く願みて大きなエラーでありミスであつたと、こういう工合に私は現在の市会の立場が相成つておると申上げたいのであります。
  81. 北條秀一

    北條秀一君 私はこの際これから先の質問を、焦点をはつきりとするために一応基本の方を振返つて見たいと思う。それはこの問題は昭和十一年の十月に、先ず二十五メートル道路にするということを決定して、昭和二十年の五月に防空法に基いて二百六十世帯を疎開させるということを決定し、翌二十一年の四月になりまして内務省の国土計画課長からの通牒で、防空法に基いて強制疎開させられたところの土地は元の所有者及び借地権者に返せという通牒が行つた。ところがその後二十二年の十月に、先程高田市長が言われましたように、市長市議会に対して街路整備費としての予算を出された。ところが二十三年の六月十五日に、ときの芦田内閣は都市計画に基いての通牒を各都道府県に発しまして、そしてその年の二十三年の十一月の十六日に市議会が四十五メートルを三十六メートルにするという請願採択しております。そうして今年の十月の十日に四十五メートルに変更するという市長諮問案に対して市議会が賛成をした、こういう経過を辿つていると思うのです。この経過について考えてみますと、どこにも三十六メートルに道路を拡張するということを市議会決定していないのじやないかということが先ず第一に考えられる。この点について福島議長からいつそういうものを決定したかということを説明して頂きたい。  それから更に市長は四十五メートルにするということは、とつくに市議会意思決定しているのだと言つておられますが、それは街路整備費の予算決定したのでなくて、その予算決定する際にどういう形で、即ち四十五メートルにするのだ、そのためにこれだけの経費が要るのだということをはつきり市議会に述べて、そうして予算を通過されたのか、こういうことを私ははつきりして頂きたいのです。若し二十二年の十月に街道整備費予算において、四十五メートルに拡張するということをはつきりとしておつたとするならば、今年の十月の十日に改めて諮問市議会に発する必要は毛頭ないのではないかと私はそういうように考えます。それで、それじや先程市長が盛んに言つておられますように、昨年の秋になつて、強制疎開せしめられたところの人達が急に騒ぎ出したのだという話でありますが、その事情を、今まで市長が、即ち昨年の六月十五日に芦田内閣の通牒に基いてこれらの土地は、政府が決定した方針だから如何ともいたし方ないというふうに述べておつたところに対して、内閣からはその市長の言明を否定するような通牒が来たのであります。そのことが分つたために関係者一同はこれは今まで市長にごまかされておつた、これは市長が政府の権威をかさに著て俺達をごまかしたのだ、これではいかんというのでそれらが声を大きくして請願運動に出たのだと私はそういうふうにどうしても見ざるを得ない。ところが先程市長民意を十分反映したというふうに言われておりますが、そういう関係からいつて必ずしも私は民意が妥当に反映されていない。市民の懇談会、或いは市民本件に対するところの世論を調査したということを市長し言われるかも知れませんが、これらの市民懇談会、或いは世論調査というものの権威は十分尊びますけれども、ときによるとこういつた懇談会等は、最近よく市中にありますように、いわゆる「さくら」を使うとか、或いは特にそういうことに余り関心のないような所に持つてつて意見を聽くというようなことをやりますと、全く形は確かに民意を反映したというようなことになるのでありましようけれども、実際はそうでないということが言えると思うのです。それで而も市議会は二十三年の十一月十五日に三十六メートルに決定したということは、本年二月十二日に齋藤副議長以下三十六面の議員諸君が書面を以て市長市議会の事務局長、或いは市議会の副議長及び札幌の選挙管理委員会委員長等がそれを確認した書面を建設省に出しているという記事を見まして、私は決してこれは正しい民意を反映しているという市長の言葉を裏書するものではないというふうに考えるのであります。  そこで問題になるのはこれらの請願者昭和二十年の五月に二百六十世帯が疎開させられたのでありますが、その疎開させられた諸君は当然に元の土地に返して呉れるということを十分に期待をしておつた。そこで彼らは民法に基いて借地契約をしてその後二十一年、二十二年を済ましておつた。いつ土地が来るか来るか返した呉れるかというふうに考えておつたところが、先程言いましたようにお上みの方針がこうだからだめだどいうふうに一方に意見が出て来た。ところがその事実は先程申しましたので繰り返しませんが、そうなりますと昭和二十年の五月に疎開して以来今日まで全く札幌市はこれらの私有財産権を極度に侵害しているという事実が、認められなければならんということを私は考えるのです。この点は市長はどういうふうにお考えになるか知りませんが、少くとも三年或いは三年余の間明らかに憲法の二十九條に規定しました財産権を侵害しないという基本人権を蹂躪していることは間違いないのじやないかということが私には言えるのであります。今福島さんが言つておられましたが、いろいろと市民意見はそういうところに輿論があるのだというふうに言われましたけれども、先程来私が申しておりますところによつても明らかに御了解願えると思うのですが、例えていえば暴力というとおかしいですが、或る種の力といいますか、政府がこういう方針だと、議会はこういうふうに街路整備費を取つたじやないか、それから今の請願採択をしたのは一つ市会のエラーだということを言われておりますことは、結局私は極めて非民主的なやり方でないかということを考えるのですが、質問は更にあとに続けることにいたしまして以上申しましたことの中で若し私の見解と違う点がありましたらその点を皆さんから指摘して頂きたい。
  82. 高田富與

    証人高田富與君) 二十二年か三年の芦田内閣の通牒というのは私全然承知いたしておりません。私の知つておりまする限りでは終戰直後二十年の九月五日に疎開跡地の処理についての道庁土木部長からの通牒があり、ついで十月五日に同様土木部長からの通牒を受けている。二月二十一日に又疎開跡地の処理についての通牒を受けております。この二月二十一日の通牒というのは、国土局計画課長からの二月九日付の通牒に基いたものでありまして、この通牒に基いて先程来私が申述べておりまするように、新聞紙に都市計画上必要なところ以外はお返しをする、都市計画上必要な部分はこれこれであるということをはつきりいたして新聞等にも発表して参つたのであります。その後又国土局の計画課長から四月十一日付並に六月二十一日付で疎開跡地について都市計画変更等をする必要があれば速かにその計画を樹立するようにというような趣旨のものがあつて札幌市といたしましてはこの計画変更計画を立てまして本省の方に申し出た、そういう経過なのであります。従つて私といたしましては、芦田内閣の通牒があつたが故に疎開関係者土地が返ることになるのだ、こういう考えを持つていわゆる運動を始めたというふうには解しておりません。尚若しも札幌市の理事者議会に対して賃借料についての予算議決を求める場合に、四十五メートルにすることにしての賃借料の予算であるというふうに明確に示して議決を経ておるならば、諮問第一号として改めて四十五メートルの道路についての認定諮問をする必要がないではないか、こういうお話でございまするが、これは筋が違うわけであります。予算事業の執行についての予算予算であり、市道として認定する場合には道路法に基いて道路管理者である市長議会諮問をして、その諮問決定を経て初めて道路として認定することになりまするから、その道路法に示すところの手続を履んだのが本年の十月十日の諮問第一号なのであります。  それから土地所有機の侵害でないかというお話でありますが、戰争終了後の十二月十八日付を以て疎開跡地はすべて市が賃借をしております。その賃借については市が必要があるまではお借りをするのだ、こういうふうで法律的には期間の定めのない賃貸借契約を締結しておるわけであります。そこでその後に至つて、先程申しました二月七日に残すべきものと返すべきものとを決定いたしまして、三月三十一日までに大体のところは不必要な部分は土地所有者にそれぞれ返還をしておりますから、私は私有財産を聊かも侵害しておるとは考えておりません。今日尚旦市が買收をしない部分については市が賃借権あるものである、賃借権が存在しておる、かように解釈いたしております。
  83. 北條秀一

    北條秀一君 関連してお伺いいたしますが、それは四十五メートルに正式に市議会決定したのは何年の何月ですか。
  84. 高田富與

    証人高田富與君) これは市議会がこれを市道として四十五メートルにするということを、道路認定関係議会意思を表示したのは諮問決定ですから本年十月十日です。併し予算の審議に当つては賃借料の内容というものが審議の対象になり、それから事業の執行についてはそれぞれ土地買收にしろ、或いは又執行すべき疎開跡地事業にしろ、いずれも審議の対象として四十五メートルが表示されなければならんわけでありますが、私は議会のそれぞれの予算議決が、市議会は四十五メートルとする審議をしたものである、かように解釈しておつたわけであります。尚この四十五メートルにつきましては市議会において明らかに四十五メートルということを議員みずからが述べておる部分があります。二十三年度の当初予算においてはなかなかその四十五メートルの路線の執行ということは困難であるから、事業を完全にできるまでの間一時使わしたらよいのではないかという委員会の発言もありました。それから二十三年の八月十二日にはこの本会議において質問が行われております。これはその事業の執行が漸次延びるというと経費の面で市が段々不利益を受ける。それでも尚且四十五メートルで以て工事を進めるつもりかどうか。四十五メートルで工事を進めるということになれば薄野交番と西村病院というのがこの線にかかる建物であります。こういう建物についてはどういうふうにしたらよいかということについて自分達も懸念しておるところがあるが、こういうことはどうかということの公開の席における一般質問でそういうこともあつた。それについて私は四十五メートルというのは本市の既定方針であるからして飽くまでもこれは四十五メートルで以て工事を進めて、この疎開跡地は整理しなければならない、そういう建物についてもそれぞれの手続をとる。できるだけ円滑な措置をとりたいというような趣旨の答弁もいたしておるわけであります。ですから議会といたしましても、この請願採択するずつと以前から四十五メートルということははつきりしておる問題なんです。
  85. 北條秀一

    北條秀一君 重ねて恐縮ですが、この請願採択する前から四十五メートルだというふうに決定するということは議会においてはつきりしておるという確証を示して頂きたいのであります。
  86. 高田富與

    証人高田富與君) 確認というのは私先程来申し述べておりまする賃貸料及び事業執行に関する予算議決であります。それから尚先程申述べました議員一般質問についてはつきりと四十五メートルということを質問しておるのは二十三年の八月十二日の定例市議会であります。鈴木勘太郎という議員が質問をし、この鈴木勘太郎氏ははつきり四十五メートルを堅持して工事を進められるかどうかということを述べ、私は四十五メートルで工事をしなければならないということを申述べております。
  87. 北條秀一

    北條秀一君 高田証人に重ねてお伺いするのですが、予算を通したということはこれは強制疎開道路の上に相当な整理すべきものがあつたと思うのです、練瓦であるとか瓦であるとか。従つて当然街路整備費というものを要求することは市長として当然のことであると思う。ですからその強制疎開された地域が四十五メートルだ、従つてそれに応ずるだけの予算は当然要求する、而もその際に議員の全部がこれは四十五メートルに拡げるということは少しも意識していない。意識しておるということを私はあなたの証言によつて感得できない。その点を私は聞いておる。それをあなたは予算を通した、予算道路を拡げるというのではなくて掃除をする予算である。併しその後は確かに土地を借りておつて賃貸料を拂つてつたとおつしやいますが、賃借料は飽くまで賃借料であつて土地の買收費ではない。その点をもう一度はつきりして頂きたい。
  88. 高田富與

    証人高田富與君) 二十三年度予算におきましては土地買收費というものが見積られておる、三ケ年間継続事業で二十三年度は幾ら幾ら、二十四年度は幾ら、二十五年度は幾らというふうに。それから工事費というものも明らかに示されております。而も坪当り幾らで全体が八千坪なら幾ら、七千坪なら幾らと明らかになつておりますから、二十三年度の当初予算というものは三月二十七日に議決されたのですから、つまりそれは別に疎開跡地の掃除とか簡單なものではなくて、土地を買收して、その買收した土地を明示するということが三ケ年間の継続年金支出——方法の議案決定され二十三年度予算もそれと同様に決定されておるわけであります。
  89. 北條秀一

    北條秀一君 それでは二十三年の十一月二十一日に市長市民に対して市政に関する世論調査をやられて、そのうちでこの四條線は四十五メートルにするがいいかどうかという調査をされております。この調査はすでに決定された方針であるならば、そういうような世論調査をする必要はないと思いますがどういう趣旨でこれをやられたか伺います。
  90. 高田富與

    証人高田富與君) 当時はこの企画をいたします時分には……請願は七月二十二、三日頃議会に提出されまして、先程議長の申されましたように四十五メートルの事業執行に関する追加更正がその数日前に議会において議決しておるわけであります。そしてこの問題については何回か常任委員会開きまして、そして十一月の何日かに請願採択されたところ記憶しております。企画いたしたのは、こういう問題が勃発いたしましたので、これは市民全体の意向がどういうところにあるかということを他の世論調査の序にいたしたわけであります。これは決定したものであるからどうというのでなく、若しも市民の世論が四十五メートルは広過ぎる、三十六メートル、三十メートルにすべきだというような意向であれば、又更に私共として議会と協議いたしまして何らかの措置をとる必要もあろうかと考えたのが、この世論調査をしたゆえんなのであります。
  91. 北條秀一

    北條秀一君 その点に関しまして私は先程多少言葉は過ぎたかも知れませんが、或る意味において暴力的だといつたのです。といいますのは政府の方針はそうだし市議会はこういう処置をしておる。市民は文句を言うところがない。すでに決定したものをぐずぐずいつてもしようがないというので可なり強行されておるという印象がどうしても私には消えない。先程細川委員があなたに質問されたのですが、本当市民を十分納得させてないじやないか納得させた政治をやらなければ市長の責任が果せないじやないかということを言われた。どうもすつきりと市民を納得させていないというふうに考えますから。私はこの点について非常に執拗にあなたに聞いておるわけです。でありますから飽くまでもこの点については、私は市長として一般市民に十分に納得させて頂くように特に強く希望したい。今日私の手許に札幌から五通の電報が来ておる。札幌市長は個人の財産を蹂躪しておる、これについて十分糺明して頂きたい。更に札幌市長の欺瞞政策のために疎開地主は土地を取られた、至急公平な詮議をされたいということをいつて来ておるのでありますが、五通現に来ましたがこういう印象を皆持つておるのです。でありますから飽くまでこれは市として私共は公正にすつきりと納得させるという必要が絶対にあるというふうに考えるのであります。そこで私はこれに関連してお聞きしたいことは、市長が三十六メーターにするという請願採択されたのだけれども、それは執行機関としての市長を拘束するのではないかということが市長の書面の中には出ておるのでありますが、その請願採択後今私が言いましたすつきりとした形において市民を納得させるので市長の役目ではないかということを言つたのでありますが、その請願採択市長市議会に対しても何らか具体的な措置をとられたか、この点についてお伺いいたしたいのであります。
  92. 高田富與

    証人高田富與君) 具体的にこの採択後にそういうことは実際いたしておりません。
  93. 北條秀一

    北條秀一君 結局まあ血判書を捺したというようなわけですか。
  94. 高田富與

    証人高田富與君) そうであります。私は予め市議会に御注意申上げた、御注意申上げて請願採択いたしたのであります。市議会が、すでに議決された自分の議決変更する議決をやるべきじやないかということは私は予め御注意申上げた。ですから私としてはその請願採択後にその採択について何らの措置もとつておりません。尚先程お話がありましたがそれは私はこういう不徳な人間ですから私の市民の中にも私を欺瞞政策とか何んとか惡く言う者もあるかも知れないが、私みずからは自分の信ずるところに従つて最も誠実に市政に当つておると考えておりますから、どうぞお含みを頂きたいと思います。
  95. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 私は市長に申しますが、誠実とか何んとかいうことは私はただ言葉の上でのことであつて問題にするわけに行かない。四十五メーターに決めたということがどうもはつきりしないのですが、いろいろの支出の決定をなさるときに四十五メーターということを含んでの決定であつて、正式に議会に四十五メーターにするのはどうかということを諮られたのはずつと後のことであつて、いろいろの支出の決定をなさる場合にはそんなことは正式には問題になつていなかつたのじやないか。
  96. 高田富與

    証人高田富與君) 実はこの四十五メーターということに決定をいたしまして本省の方にそういう申出をしたのは私の就任前のことでありますので、市議会関係についてどういう計らいをいたしたかということについては、私は承知しておらない。私が議会議決がそういうことを含んで予算議決にはその内容として賃借料の予算決定する場合には、疎開地にはどれだけの土地をどれだけの賃料で一体借りるのかということは当然議決の内容をなすものでありますから、私は新聞等の掲載その他からいつて議会市民も十分理解しておつたものだと心得て進んで来たわけであります。
  97. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 市議会議長にお伺いいたしますが、この四十五メートル、幾メートルということを決めたということについてはあなたは一応議長をやつておられた結果、とにかく議会の中におられたときに正式にそういうことを申し出されたのですか。又市長が申されるように、支出の決定をなされるときにそういう含みで支出を決定されたのか、間接的に四十五メートルと設定したのかそれはどつちなんですか。
  98. 福島利雄

    証人福島利雄君) お答えいたしますが、それは疎開のときには二十五メートルだつたのですが、それを四十五メートルに拡張して貰いたい、拡張のつまり申請をしたのは二十一年の九月二日、市長の職権で出しております。市会議決を経ないで市長の職権で当時の内務大臣に宛て申請をしたわけであります。昭和二十一年九月二日です。市長の職権で出しましたがそれは十分当時の議員は了解しておるところであります。と申しますのは、正式に議決はいたしませんが市会の協議会というような非公式な全体会議に諮りまして、そうして相談を受けましてそれを了承いたしまして、その結果市長の職権で内務大臣に四十五メートルの幅員を持つ道路変更して貰いたい、こういう申請をいたしたのであります。それが昭和二十三年の六月十五日付を以て内閣総理大臣から都市計画北海道地方審議会、これは各府県にそれぞれありますが、その議に付されたのでありますが、二十三年十二月十二日付で都市計画北海道地方審議会諮問通り賛成の答申をいたした、こういう経過になつております。そのことが新聞で一般に伝わつておりますし又市の理事者も出ておりますから、関係議員は勿論のこと全部の人がそれを十分了解しておる筈であります。了解してないものは不注意或いは当時欠席とかいうような人は知らんと言えば言えるかも知れませんが、承知しておるところなんです。それから現情がすでに四十五メートルで建物の疎開が行われておるのでもありますから、従つて同所は四十五メートルの幅員を持つ道路になるが、ただ先程も申しましたように、国の手続なり又委任を受けてやるところの道庁の先議措置というものが非常に怠慢であつたことのために、ああいう草つ原にしておいて一体いつできるのかといつたようなことで、非常に市民をして成行に関心を持たせたことは事実であります。又疎開者がああいう工合に放つておくならば俺らに家を建てさせたらいいじやないかという感情を持つことは当然であります。そこでいろいろそういう議が持ち上りまして、市議会請願をしようといつたような経過を辿りまして、この請願が段々先議が延びておることはこの経過表に書いてありますが、なぜ延びたかと申しますと三十六メートルにしてくれという話だつたのですが、事実その請願文が実は国会と違つて市の議会でありますから幾らか不馴れな点もありまして、三十メートル程度にして呉れこういう請願を出したのであります。私はその通り委員会に付託して審議を求めたところ、委員会の答申は三十六メーターということに採択したという答申が私に来たのであります。そこで私はそれは違う、請願人の意思は三十メーター程度という漠としたものではない、従つて三十メーターと決めるならばともかくその願意を逸脱して三十六メーターに決めるということは、それは何も付託した趣旨に副わないのだ、三十メーター採択しなければならない、三十六メーターというような修正といつたことは許されないのだから、結局不採択ではないか、こういうことになつて、実はやり直しをしたわけであります。副議長以下が署名いたしておりますが、最初はそういうことでまあ委員会は私がリードするわけには行きませんから委員会は軽卒にやつてしまつたわけです。私の注意を受けたために尤もだというわけで審議をやり直したわけであります。そうしてこの三十六メーターということになつたわけでありますが、その三十六メーターそのものにも自信がなくてそうして議決変更都市計画変更といつたような決議を、私が結局通るように押進めたのですが、まあそこまでやらなくてもいいだろうというので、それならば市長採択したことを通知するだけで市長限りのこれは取扱いになつて、何もこの趣旨が総理大臣やその道知事の方に行かないがそれでも差支ないかと言うとそれでも結構だと言うので、私は何ら措置を講ずることができなくて、その間にいろいろ先程お話のように中央の方針も変つて参りましたし、それから地方委員会がいろいろ紛糾してそうして道の議会もそれに介入いたしまして、そうして相当波瀾も呼んだわけであります。併し議会の方もやると言つたが、その当時は予算市会問題で持切りだというようなことになつたのであります。併し私は先にも申上げましたが実ははつきり申せばこれは問題がなかつたのでありますが段々延びた、そこで漸次元へ戻ることができるのではないかという希望を持つてそうして運動する、その心境はよく分るのですが、その先に紹介をしてそうして三十六メーター市議会請願に賛成した人も、段々平静に返つて、今日になつて見るとあれはどうも失敗だつた、殊に市会議長の不在中は代理する副議長が一方的に請願人の紹介人になり請願紹介するということは、地方自治法の精神からいつてもそれを支持しなければ紹介にはならない、紹介紹介採択採択というこういう考え方はこれは旧体制であると思う。苟くも請願採択してそれを紹介した以上はその請願人の趣旨を貫徹することに努めなければならない。ところが本件の場合においては議長を代表すべき副議長が先ず請願人の紹介人になつたり、或いはこれを審査するところの委員長以下委員が大部分紹介者になつたということは、これは事案審議の公正を期する上から言つたならば、これはもう局外者として本当に虚心坦懐に第三者的な冷静な立場で扱われなければならん、そこで君がたの紹介そのものがすでに一方的な立場であることを明確にしているものだそれでは公平な審議はできないじやないかということをお話したところが、実はちよつと頼まれてやつたのだ、これからは請願紹介はこりごりだというような話もあるわけなんです。そういうようなわけで私は今日になつて、これは本当に勢いの赴くところばつとやつたのである。併し今の札幌現状からいつて四十五メートルということは協力者が三分の二ある、非協力者が三分の一ある。併し非協力者と雖もその四十五メートル線に沿うてそうして三階建、四階建の家を建てておるのです。本日ここに出席されておる高田君なども又四條の角辻にやつぱり三階建の、木造でありますが森田組の立派なものを建てて、四十五メートル線で建築しておる。その綺麗な建物の前にこうばらばらつとこぎたない露店商的なものがある。これは全く札幌の体面の上からいつて都市の美観の上からいつてもきたないものはさつさと片付けたらいいじやないかということは、市民は勿論のこと道民盡くそういつたような感情になつておるのです。それでは何故こういつたような工合に紛糾したかと申しますと、それはまあそれぞれの專門家が付いておりまして、その手この手と我々の意表に出るような巧妙にして上手な運動がありまするために、実はこの問題がストップがかかる、迅速に行われなければならないのがちよちよいと、卑俗に申しますとどの都市でも町村にも平地に波瀾係というようなものがありまして(笑声)その辺は甚だ上手にやるのです。私はそういつたようなことは市の円満な発達を図るという上からいつて余程反省して貰わなければならないと思います。私はさような点から考えまして、四十五メートルということは全市民の支持だ、僅かに少数の人が淡に期待を持つて、そうして最後的な種々の運動を展開しておられるのではないかというような工合に確信をしております。どうか細川委員もさよう了解して下さい。
  99. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 先程から市会議長お話を聞いておりますけれども、正式に市会で四十五メートルを決定したのかしないのかはつきりしないのだが、二十一年九月二日市長の職権で非公式に建設省に四十五メートルにするということを申請したという話は今先も述べられたけれども、市会でそれが正式にこう決定するということについてはどうなさつたのかはつきりしませんね。
  100. 福島利雄

    証人福島利雄君) 四十五メートルの決定は先だつての十月十日なんです、諮問が出まして、そうしてその四十五メートルということについて、市会が取上げて論議しておるのが。二十三年八月十二日の定例市議会の際に議員が発言いたしまして四十五メートルということははつきり……
  101. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今朝程少しく質疑いたしましたがよんどころない用事が中坐をいたしまして、私の中坐しておる問に他の委員からも御質問があつたかも知れませんが、今朝に引続きまして少しくお伺いしたい。今朝申した通りに四十五メートルということをはつきりお決めになつたところの動機と申しますか、或いは仙台市がメイン・ストリートを四十五メートルにする、或は四十メートルにする、というような話を承わりましたが、併し事実上からして北海道の家の建て方、風向、風速、その他万事事実の点からして何故四十五メートルを必要としたか、四十メートルでよかつたか、或いは五十メートルでよかつたか、ただ外が四十五メートルにしたから北海道のこの所も四十五メートルにしたということは、これでは少しく私は納得し難いと思いますが、何故四十五メートルにしたか、或いは四十三メートルでよかつたかも知れない、或いは四十七メートル必要があつたかも知れません。四十五メートルにされたことについてどの方でも三人の御証人のうち、随行の方があればその方からでも、御意見を聽かせて頂きたい。何故四十五メートルと決定したか、その技術上四十五メートル必要とする理由をどなたか御承知の方があつたら承わりたいと思います。
  102. 高田富與

    証人高田富與君) 先程図面でもつて説明申上げたのですが、札幌を南北に分けて大通りがありまして、これはむしろ防災とか或いは市民の衛生、保健ということを考慮してのものなんです。そこでこれから南の地域は大体商業地帯で人家が非常に稠密の地域です。そこでこの中にできるだけ広い街路、広場のような街路を置くということは、防災の上からいつても、交通の面からいつても、或いは市民の衛生、保健の面からいつても極めて必要である、こう考えられるわけであります。そこでできれば四十五メートルでなくて、私共は五十メートルでも六十メートルでも、もつと広い道路がほしいところなんです、この場所は。ですがさようなことはなかなか、実際ある建物を取りこわして道路を拡築して都市計画をするということは容易でありませんで、防空関係からいたしましてここを疎開され、その疎開された道路が四十五メートルでありまするので、四十五メートルの路線をここで作ることが都市計画上最も適当である、こう考えて決められたものと私は解釈しております。札幌市の風は大体四、五、六月と春の間東南風が非常に強い、で、大体これが火災時期なんですが、そこでこの縦の道路については、ここに五十メートルのものがあつて、五十七メートル余の川が一つ真中にありまして、全体として五十七メートル余あります。東西については衛生とか防災とか交通のことも考えておるものが、南北についてはこうありますから、人家が稠密な部分については一様に皆二十メートルである。ですからこういう広い道路をここに置くということは非常に必要なことなんで、而もこの火災時期というのはこの方向に風が吹いて非常に強いものですから、縦の線よりもこの線の方が必要である、こういうふうに考えられた、私はさように解釈しております。
  103. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 疎開の場合に幅が四十五メートル、だからそれにならつて四十五メートルにした、この意味は分りました。では疎開を四十五メートル幅にした、それについては何か御承知ないでしようか。
  104. 高田富與

    証人高田富與君) 私は承知いたしておりません。その当時の直接の関係者が本市の公園部長をやつておりますのでこの方でしたら或いは分るかも知れませんが、更にもつと広く疎開するのが至当と考えたかも知れませんけれども、土地の境が、南四條線とそれから南三條線の中通りの間の境が、大体十三間ぐらいでもつて一区をなす、二十七間の半分、そこでその十三間の線をとるのが至当だと考えて、大体四十五メートルの線で疎開したのではないかと想像しております。
  105. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 もう一つ、この区域についてこの請願に署名されておられる方が七十九人あるように思いますが、この地域に対して全体の関係者は何人くらいおられるでしようか。
  106. 高田富與

    証人高田富與君) 大体疎開した人の数は、世帯数は二百三十くらいでなかつたかと思います。この路線全体で数えれば分るのですが、人の名前も何も詳細に図面の上に表示したものを私持つておりますので、そのうち家主がどれだけありそれから地主がどれだけあるかということもどこかに書いてあつた筈ですが、今ありませんが教えれば分るわけですが……
  107. 福島利雄

    証人福島利雄君) 建物を疎開して何した人でなく、土地の所有者が七十九名の中には入つておるのです。
  108. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 仮に二百三十人といたしましてそのうちの七十九人が反対で、あとは現在の四十五メートルに賛成だと考えていいのでしようかどうでしようか。どういうふうなお考えでしようか。
  109. 高田富與

    証人高田富與君) そういうふうには参らないのじやないかと思います。或いは七十九名以外の人でも尚三十メートルにして貰つたらよろしい、三十六メートルにして貰つたらよろしいと考えておる人もあるかも知れませんけれども、そう一概にあとの人は全部賛成で七十九名だけが反対だと、こういうふうには判断できないのじやないかと思います。現在のところ先程私が申述べましたように二十三年の九月で土地の賃借権者とか地上権者の権利はなくなりまして、全部が土地所有者の権利ということになることになつたようでありますが、現在のところ土地所有者のうち大体十七八名くらいが反対をいたしておるのでないかと思います。大部分のその余の人は買收に応じ若しくは今買收折衝中に属しておるわけですから、大体今日の場合四十五メートルに反対しておる人は市民の一部分であるということだけは、問違いなく言えると思つております。
  110. 福島利雄

    証人福島利雄君) 土地買收に応じない方は二二%六であります。
  111. 堀末治

    ○堀末治君 ちよつと福島さんにお尋ね申上げますが、先程細川君がお尋ねしたことですが、二十一年の九月二日に市会の懇談会で議長職権として四十五メートルを申請した……
  112. 福島利雄

    証人福島利雄君) 市長の職権です。
  113. 堀末治

    ○堀末治君 市長の職権で、要するに議員との懇談会の結果……
  114. 福島利雄

    証人福島利雄君) いや結果ではないのです。そういう手続をしたということが話されたのです。市長の職権で出してしまつたのですから。
  115. 堀末治

    ○堀末治君 そうするとこれは市会に何ら諮る手続をとらないで市長独断でおやりになつた、こういうわけですか。
  116. 福島利雄

    証人福島利雄君) さようでございます。
  117. 堀末治

    ○堀末治君 そうして二十三年の六月何日かに内閣から云々というお話がありましたが、それは六月何日ですか。
  118. 北條秀一

    北條秀一君 六月十一日……
  119. 堀末治

    ○堀末治君 六月十五日にそれはどういうのでしたか。
  120. 福島利雄

    証人福島利雄君) 六月十五日に内閣総理大臣から都市計画北海道地方委員会諮問になつたのです。
  121. 堀末治

    ○堀末治君 それで二十三年の十二月十二日の小委員会にかかつたというわけですね。そうすると市会が四十五メーターを正式に決議したのはいつですか。
  122. 福島利雄

    証人福島利雄君) 正式に決めたのは先だつての二十四年十月十日……
  123. 堀末治

    ○堀末治君 先にあなたは八月の十二日とおつしやつたがそうではありませんか。
  124. 福島利雄

    証人福島利雄君) いやそれは定例議会の際に議員の鈴木勘太郎氏という人が四十五メーターのことについて発言しておるわけなんですな。
  125. 堀末治

    ○堀末治君 市議会で鈴木君がこれを発言した、このときにはどういう意味で発言なさつたのでありますか。
  126. 福島利雄

    証人福島利雄君) これはやはり議案に上つていてこういう発言をしております。「この幅員は四十五メーターだと思つておりますが四十五メーターを堅持して工事を進められるかどうか。それから薄野交番と西村病院にぶつかりはしませんかこの点を明確にして貰いたい。」こういう質問をしたのであります。それで市長は南四條線については当初の計画通り四十五メーター計画を進めて参るつもりであります、これは建設省から地方都市計画委員会即ち都市計画北海道委員会に対する諮問が道庁に参つておるそうですが、これが決定すれば嫌でも応でも四十五メーターで工事をしなければならんと、この点は当初予算決定されております。
  127. 堀末治

    ○堀末治君 そうするとその当時の市長さんの御答弁は市会が四十五メーターということがはつきり決まらない前の御答弁ではありませんか。
  128. 福島利雄

    証人福島利雄君) 案が出ておるのであります。
  129. 堀末治

    ○堀末治君 案が出ておるけれども、市会で今のあれからいうと、市長の職権によつて申請して六月十五日に内閣から地方委員の方に諮問をして来た。そこでその前はその答弁が出たのは同じ年の十二月十二日の答申がある。その先に四十五メーターということが八月十二日の定例市会において鈴木勘太郎君が発言を求めておる。それに対して当初の計画通り四十五メーターでやるという市長さんの御答弁は、どうも少しそこのところ妥当を欠いておるように私聞えますがね。どうしてもそこで市会で四十五メーターだという決議があつて初めて市長さんにそういう御答弁があつて然るべきだと思いますが、どうもそうでないと思われますがその辺如何ですか。
  130. 高田富與

    証人高田富與君) 私から申します。この道路を四十五メーターにするとかしないとかいうことは、或いはこれは市道道路管理者が認定する場合に初めて市会諮問すべきものであります。四十五メーターにして土地を買收するとか、そういうふうな道路事業施行するというようなことは、市がやる場合には市が議会議決を経て予算を取らなければやれつこはない。そういう議決を二十三年の当初予算において、三ケ年継続事業としてこういうふうに四十五メーターにしてやるということを述べて、四十五メーターにして土地の買收をするし道路もこういうふうに作るのでありますというので、この継続年期及び支出方法の三ケ年継続の案も議決を経、同時に二十三年の事業についても議決を経ておるわけであります。そこで議会意思というものは四十五メーターで私共も事業をするということも決定しておるわけであります。この際それで審議の内容の四十五メーターということが明らかになるわけであります。それですから鈴木勘太郎君が二十二年の八月十二日に先程申しますように一般質問をした場合に、私はこれは当初予算において議決されておりまする通り、四十五メーター事業を飽くまで施行するとこういうことを申しております。四十五メーターで段々物が高くなつたりするし或いは障害物も一部あるようだが、四十五メーターで飽くまでするつもりだと、議会の当初予算でそういう議決をしておるじやありませんか、しておるから私は飽くまで事業施行するとこういう答弁をしておるのであります。その辺どうぞ御了承願います。
  131. 北條秀一

    北條秀一君 先程の二十三年六月十五日芦田総理大臣が都市計画の街路追加変更について通知を出したことは、清水証人も御承知だと思います。その通牒のあつた北海道都市計画地方委員会は、この問題について特に対議をされたことがあるのか。その点をお伺いしたい。  それからもう一つは、北海道都市計画地方委員会は、いま今朝からの我我の審議の経過を顧みますと極めて権威のないものだと私は考えておる。というのは中の構成からして極めて低調的ではないか。いつでも代理者が出てやつておる。そうして結局あつてなきがごとく、結局札幌市長の殆んど意見に基いて極めて一般民意と離れたような措置が行われたという印象を持つのでありますが、そこで先程申しました六月十五日の内閣の通牒が受取られた後、どういう措置をされたかということが一つ。  もう一つは今市長が言つておられますように、街路整備予算決定した。そうして後になつていよいよ道路拡張の施行責任者である市長が拡張するという方針を決めて、そうして市会にかけて諮問第一号を発して、その議決を経たということを言つておられるのですが、私のみならず堀委員にしましても他の委員も、どうもそれは市長の越権ではないか、少し軌道を逸しておるのではないかということを先程から散々言われておるのですが、この点について道庁としてはこの件をどういうふうに考えておられるか、あなたの見解を述べて頂きたい。
  132. 清水武夫

    証人清水武夫君) 都市計画決定については、市町村会の議決を経て内申せよというようなことはないのでありまして、従来とも市町村長は市町村会の懇談会というようなもので折衝しまして、これならば支障ないというような大体の肚を持つて市長の権限において内申をしておるというような事情なんでもあります。必ずしも市町村会の議決を経なければならないということは考えなくてもいいではないかと思います。  尚それから審議会が非常に権限がないものであるとゆうようなことを北條委員はおつしやつておられますけれども、これは委員会構成が委員会官制によつて示されております通りに、各職場からの議員を以て当てられておりまして、この構成内容につきましては我我も多少疑義を持つておりまして、又過般のこの問題の委員会におきましても、余りに官庁側の委員が多過ぎるではないかというような意見も出たのでありまして、このときには知事も本音と折衝しまして何とか善処したいというふうに述べられております通り北海道としましては道庁の部長は当時は十四人であつたのであります。今では警察部長とか、教育関係の学務部長というものは……尚当時は十四人で非常に多過ぎたいという関係もあり、これらの部長が忙しい中に全部が出席して貰うということはなかなか困難であるために、ついつい代理出席をするということになつたのであります。従つて只今北條委員のおつしやつたように低調なものになり勝ちだつたというような欠陥もございます。
  133. 北條秀一

    北條秀一君 今御回答が抜けましたので再度申しますが、六月十五日に内閣総理大臣の通牒によつて札幌市の都市計画街路追加変更の通牒が参つております。これは御承知だと思いますが、その後南四條の問題を北海道都市計画委員会において論議されたことがあるか……
  134. 清水武夫

    証人清水武夫君) その当時は委員会という名前でしたが、委員会としてはありません。これは、六月十五日とおつしやるのは本省から、大臣からの諮問ですね。それが六月十五日、それからその諮問案を審議会にかけたのが第一回が九月二十五日、この間約三ヶ月ばかりありますが、これは先程も申上げた通り、外のいろいろな議案を重ねるやるつもりであつたために、これだけの期間が延びておつたのであります。
  135. 北條秀一

    北條秀一君 福島さんにお伺いしますが、請願についてのあなたのお考えは、極めて私は反省しなくちやならんと考えるのですがね。これだと誠に、言葉は少し強いかも知れませんが、市民を愚弄するようなことになると思うのであります。勿論あなたはその当時議長として欠席されておつたのですからあなたには、直接責任を云々するというわけには行きませんが、そういうわけでありませんが、少くともこれが一つのあなたがエラーであるというふうに考えたならば、当然に私はこれらの市民に対して議長として政治的な責任をはつきりしなくちやいけない、これはこういう事情でこうだということを述べて、そうして市民の納得を得るようにすべきじやないか、そういうことをやられたかどうか。
  136. 福島利雄

    証人福島利雄君) お答えしますが、それは私は軽卒なのはその紹介議員の人だとこう思うであります。市議会請願採択する、その他の市長提案は四十五メールの線で以て賛成するというのですから、それはまあ十分反省しなければならんと思つております。私はその請願の扱いにつきましてそれぞれの議員に、そういう都市計画変更ということであるならば、総理大臣の建設大臣なり道知事にその変更を求めるという議決をしなければ駄目なんだ、併しそのことは市長も提案する意思がないし、又議長としても全然白紙であるからそういう提案の意思はない。従つて、それを主張する君方がそれぞれ所定の議員の署名を得て、そうした市議会開会を要求して、そうしてその人方がつまり議案を出して議決をしたのでなければ効果が乏しいのである。その手紙をとることを私は話合つたのです。ところがそれをやる意思がないのです。そのことは、私は市民の納得するような方法をというものは別にとつておりませんが、私のところへ陳情見えたそれぞれの方には同様のことをお話しまして、それで君方が尚主張を通そうとするならば、君方の決に同意した議員にこういう手続をとるように尚お願いしたらどうかということは、どなたにも差別なく私申上げたのであります。それぞれやはり御相談なり話合があつたと思います。私はそのことを市民の大衆に理解させるとか納得させるという具体的な方法は別にとつておりませんでした。
  137. 北條秀一

    北條秀一君 高田証人にお伺いしますが、先程市長がこの四十五メートル案を実行することについて、市としては財源的にも非常に確信があるということを申されております。ところが南四條のこの一帯の土地では、先般大蔵省が税金の物納の土地として売出したところが、三万円近い額二万七千円と現地から報告が来ております、こういうことを言つておりますが、これは大体裏通りでありまして表通りになると相当な金額を考えなくちやならないということを考えるのですが、そういう点を十分に考慮されて、尚財政的にも財源的にも札幌市長としては十分に関心を持つておられるのか、この点を一つ伺いたいのであります。本年の六月閣議が都市復興再建等に関する基本方針を決めたことは先程御承知の通りでありますが、その基本方針はいうまでもありませんが、曾て決めたところの都市計画を日本の国情に応じてこれを再検討したらいい、即ち予算があるとかないということでなしに、今までやつたやつがどうも国情にそぐはない、そこでもう一度根本から考え直したらどうか、これか閣議が決定した方針であると我々は解釈しておりますが、ところが札幌市の場合は、今市長は非常に財源的にも強い自信を持つておられるわけですが、我々の知り得た範囲内におきましては、二十三年度の十二月現在で札幌市は市債二千三百万円を持つておられ、又街路整備事業費においても二百三十万円の市債を持つておるというわけでありまして、決して私は市長が言われましたように余裕のある市の財政ではないというふうに考えております。その際の南四條の問題をここで実行して行くということになると、市の財政そのものに相当な無理があるのじやないか、これは余計なことかも知れませんが、先程非常に確信を持つて財源は大丈夫だと言われましたので、その点についてもう一度お伺いしたいと思います。こういうふうに考えます。
  138. 高田富與

    証人高田富與君) 何か二万何千円とかで国が競売をしたというのは四十五メートルで表通りになる細長いところでありますために、これはそういうことになつたので、全体の土地価格がさようなことで以て取引されるとは考えられません。後で図面でその点は位置を御説明申上げますが、尚先程申述べますように問題は土地買收の代金であると思います。八千六百五十七坪余のうち五八%約六〇%に近いものはもう買收になるのです。その余の四〇%強のうち不調になつておるものが二二%余に過ぎなのでありますから、今日の札幌市の財政にさようなことが大きな脅威を与えるとは考えておりません。で地方財政が異常に窮迫しておるということは議員の先生方がよく御承知のところでございまして、私共がつねづね陳情してその打開についてのお骨折を願つておるわけであります。これが財政上別に多く懸念をいたしておらないというのは、要するに比較の問題で、他の都市との財政状態等と比較して将来の都市建設のために、この程度経費の負担は決して市民の著しい不利益とも考えられないし、市の財政の面からいつて多く懸命するに足らない、かように申述べた次策なのであります。
  139. 北條秀一

    北條秀一君 買收の具体的な話が出ましたが、今まで一体どの程度で買收されたのか、或いは現に買收せんとしつつあるのはどの程度でこれも又考えておられるのかその点明らかにして頂ければ明らかにして頂きたい。
  140. 高田富與

    証人高田富與君) 大体二千円乃至三千円程度だと気憶しております。坪当り
  141. 北條秀一

    北條秀一君 二千円乃至三千円坪当りの單価で行きますと、今まで南四條の道路計画の拡張が八十九人の人間を最後の残し非常な無理をして行くという印象を私は受けるのでありますが、更に二千円乃至三千円の価格で買うと一方の先程大蔵省の土地であつても大蔵省が売立てる場合土地が二万数千円である或いは三万円近いことになると、一層市民に対して無理を強行するという印象を抱かせると思うのでありますが、この点については市長は何らかの懸念はないと考えておりますか。
  142. 高田富與

    証人高田富與君) 私はこの買收に応じない方については止むを得ず土地收容法の適用について建設省申請をいたしておるわけであります。従いましてそれが土地收容法を適用するということに決定されますれば、北海道において価格の協定についての審査会が開かれまして適正な価格がそこに生み出されると思うのであります。その適正な価格によつて買收することになりますから御懸念に相成るように市民の利益を、著しく侵害するということにも相成らないと私は心得ております。
  143. 北條秀一

    北條秀一君 最後に私は一つお尋ねしたいのですが、私は皆さん証人に来て頂きたい、証言して頂きたいというふうに考えましたのは先程から繰返しておりますように、この計画は民主的に決定されなかつたいわばすつきりした形で市民の納得を得るような措置がされていなかつたということを考えたのが一つの大きな理由であります。従つて皆さんがお出になつて証人として証言してもらう際に、この契約を変え得るものなら変えた方がいいと私は考えております。そこで高田市長にお伺いしたいのでありますが、この現在の計画はまつた計画変更する余地がないというお考えなのかどうか。
  144. 高田富與

    証人高田富與君) 私はこの計画変更する余地はまつたくないと思います。若しこの計画変更する場合において買收不調の二二%の人はとにかくといたしましてその余の六〇%なり七〇%なりの土地所有者のもの、及び四十五メーター線でもつて工事を相当進めておりまするので、新にその道路に面して家も建てられて参つております。そうするとこれを四十五メートル線というふうに国も決定し、而も決定をして土地の買收もし工事の施工も進めておりまする際に、これを変更いたします場合に一体どういうことになりましようか。私はそれこそこれは私の街は混乱に陷るだろうとかように考えまして、この今この三十六メートルとか四十五メートルに決定するとか、しないとか、今までいろいろ一部の混乱がありましたが、それと今度これを変更した場合の混乱は私は到底比較にならないものがあるだろうとかように考えておりまするので、そういう実際の面からも私は到底変更する余地はないものではないかとかように考えておるわけであります。
  145. 堀末治

    ○堀末治君 最後に私これはこういう手続上の問題でございませんが、実際の道路のことで一つお聞きしたいのでありますが、あれはさつき図面にもございましたが、この四十五メートルは西十一丁目まで持つて行くのでありますか。
  146. 高田富與

    証人高田富與君) そうです。
  147. 堀末治

    ○堀末治君 そうすると途中の西創成学校がありますね、あの学校はどういうふうになさるつもりですか。
  148. 高田富與

    証人高田富與君) 現在はあの道路になる部分は屋外運動場で一部に図書館があります。道路のためには速かに私は一部の校舎を鉄筋コンクリートの三階建にいたしまして、校地を縮小してできるだけ早くあれを四十五メートル線に拡築したいとかように考えております。このことは実際の政治面からも是非必要なのでありまして、市は市民土地は勝手にその道路にして買上げる自分のところはそのままにしておるじやないかとこういうような声もなきにしもあらずでありまするから、私は明年度においてあの部分についても道路としての拡築工事をいたしたいとかように考えております。
  149. 堀末治

    ○堀末治君 もう少し道路のことでお尋ねいたしますが、丁度豊平橋に向うところのことですが、あのままで進みますと南側の方も買收する計画になつておりますか。
  150. 高田富與

    証人高田富與君) これは従来の都市計画施行と同様に、将来建物が改築せられる度ごとに都市計画路線まで引込め改築をして貰う、こういうことにして漸次豊平橋から向いて右側の方を拡げて参る、こういう計画に相成つております。
  151. 堀末治

    ○堀末治君 停車場の道路が大通から北一條からは大分広くなつておりますが、あれから大分狭くなつておるが、これを見ますと、ずつと二條とか三條になりますと疎開で拡がつたためにあれが非常に凸凹になつておりますが、あれに対しては市ではどういうふうに考えておりますか。
  152. 高田富與

    証人高田富與君) 今申したように、従来の都市計画と同様にあれは三十六メートル線に建物の改築ごとに拡げて参る、こういう方針を取つております。尚先程もちよつと図面で申述べましたが、あの南四條線の四十五メーター関係は南北の道路の創成側の五十七メーター余西一丁目路線の五十メーターとは本市にとつてはいろいろ衛生とか、或いは交通とか若くは災害防止とかいうことの上で一貫して重要な道路ということに考えられておるわけでございます。
  153. 北條秀一

    北條秀一君 先程市長変更する余地はないということを言われたのでありますが、午前中に私は申上げましたように、この問題は單に札幌市の南四條線だけの問題のみでなく、実は現在全国の八十五の戰災都市に関連して来るのだろうと、そういう非常な重大なる問題なんだ、更に従つて影響するところは高田市長札幌市のみのことを考えておられるかも知れませんが、我々としては全国の各都市に影響するという点を非常に強く考えるが故に、特にそうした問題の当初にこの問題を取上げたわけでありますが、であるから市長としては札幌市だけの立場のことをお考えになつていいのでありますが、参議院としては他の戰災都市のことを考えなくちやならんためにそこで先程のような話をしたわけなんでありますが、そういう非常に重要な問題でありまして、若しこういうことが他の都市に生ずると、現に兵庫県の明石に同様の問題が生じておるわけですが、そうしますと札幌において若しこの計画を多少とも変更した場合に生ずる混乱、これは札幌市だけの問題でありますが、国会としての立場から行きますと、これに右へならえして他に混乱が起きた場合にはその混乱がより大きいということを私共一応考えるわけであります。でありますから、計画変更できないというのでなしに、更に道路地方計画委員会、或いは上級官庁である建設省、それから札幌市議会等が十分に早急にこれを協議されて、現在起つておるところのこれらの混乱をどう処理するか、成る程市長の方では混乱が生じていないというかも知れませんが、市民の一部分の中には非常に重大な死活問題としての混乱が生じておることは事実なんです。そういう重要な問題を治めて行くのは市議会の責任であり、又市長の責任であると考えますので、そういう処置を私としては極力望みたい、最後にそれについての市長さんの御見解を承わりたい。
  154. 高田富與

    証人高田富與君) 御意見については御尤もであります。私は都市計画の再検討につきましては先程申上げましたように、国の方針がまだ事業の執行着手をいたさないものについては、この従来の計画を再検討する、そうして今申しましたような衛生とか交通とか或いは又災害の防止とかいうようないろいろな面に思いをめぐらして計画変更をなすべきであると、こう私は考えこの方針は尤もだと思つております。そこで私自身といたしましてもこの南四條線についてはすでに事業の執行に昨年から著手をいたしておる、この国の方針のそれには当てはまりませんけれども私もこの点においても考慮をめぐらしたつもりであります。併しこの線については到底変更する余地ないものだと今でも私考えておる。あの図面にありまする大通り線の直ぐ一つ南の、南一條線というのは計画では三十六メーターになつておる、ところがこれは全部家が両側に建て混んでおる、これをこの場合三十六メーターに押し通そうとするのは今言つた政府の方針計画の両検討に該当するものじやないか、こういう考えで今日の場合、私は二十五メーター線で以て建物の改築を認めるように道とも打合せておるような次第なのであります。私は国の今度の決め方が一応正しいと考えておりますので、その線に副つて相当再吟味はいたしておるつもりであります。
  155. 福島利雄

    証人福島利雄君) 先程も申上げましたように私の市議会における請願取扱いが極めて不明瞭であつたという誹りは免れないと実は考えておりますが、併しその結果から見て決して民意を阻んで、そうして一方的な措置をしたとは私は考えていない、手続の点においても、結果的に見ても十分に時代感覚というか、民主的な決定がそこに行われて、そうして意思を表示しておると思う。ただたまたま請願の扱いにおいていろいろなことがありましてそうして又多少他の客観的情勢が刺戟して本質を誤つたような嫌いがあつたことは否定しませんが、その後においてはやはり四十五メーターという今日もうすでに工事が進捗いたしておりまする既存の事実に対しては、どうしてもこれを完成させたいという市民の輿論であることを私は申上げたいと思うのです。私は反対せられる方に納得させるということは大いに努めなければならんのでありますが、それが容易に今日の場合できない、まあいろいろな諸情勢が整理工場を遷延せしめた、今三十六メーターを主張するといつたようなことは一切万事が時期を逸した、いわゆる手遅れの問題であつて、現在の事実から行くと国の方針だからといつて盲従するわけではないが、私は現地の実情そのものが四十五メーター通りであることを立証しておるわけであります。もともと自動車も馬車も電車もない時代の都市計画路線は二十メーターでよかつたが、今日においては札幌は文化都市として市営の電車があり、それから自動車なども他の中小都市よりは非常に多く市街を疾駆しておる、交通量も進駐車の避暑地であるといつたような関係から非常に多いので、従つて今日交通事故というものの非常に激増しておるということは私は道路の非常に狭少であつたということがその一つの原因をなしておると思う。それから最近には大きな火災は止まつておりますが、併し札幌の今日に至つた経過から見ますと、若し札幌に五月中に大きな火をうつしますといつでも大火になる、それ程疾風が土砂を吹きまくる、歩行も行詰るといつたような非常に五月の風が激しいところであります。まあよく瓦も飛ばすといつたような形容も当るわけで、成るべく広い道路を取つて防火線的な役目を果すということも焦眉の急に迫つておると思うのであります。  かような現実からいたしまして、本件に関する反対というものは私は一部少数であると断ずるのでありますが、その反対の声を入れて、そうして今日すでに四十五メーターに大部分が協力しておるところの現在の態勢を若し変えるというようなことになりますれば私は市民が却つて混乱を惹起するであろうことは想像に難くないのでありますが、さようなことに相成りますれば、凡そ都市の進展に伴う都市計画事業というものは絶対に行われない、もうどこの都市でも万人が万人盡く一つの説に賛同するということは、これは容易にできないのでありまして、一部の人が底意はどこにあるか知らんが、或る自己の世界観なり或いは政治的なイデオロギーから反対をする、その一部の反対を容れて大部分の希望するところのものを無視するということになりますれば、私は都市行政の円滑をただに欠くばかりではなく、今後万全に備えるところの都市計画事業といつたものは一つも行われないというようなことになるのではないか。そこが最も愼重を要する点と考えまして、実はこの問題が発生以来私はひそかに胸を痛めたわけなんであります。未だその間において感情を抜きにして冷靜に、公正に各方面との折衝も試みて事態を円満に收拾すべく努力を盡したつもりでありますが、事ここに至つて現情が今日のような状況にあり、尚札幌の将来というものは事実が立証しておるように一年に一万も一万五千も人が殖えて行く、若しこの住宅問題を解決いたしますればもう一気に三十万、三十五万或いは四十万といつたような躍進、発展の度を生じて行くことは事実に徴しても明瞭であります。私はこの四十五メーターということは本当に私の信念で、又今日の市会の判断もこれは当然であり、又急速にこれは実施して、そうして現在発生しておるところの紛糾の事態を早く納めたい。それは国の補助なり、或いは一部反対者に対してでうしてもその協力を得られないという場合においては、これは收用法の発動も止むを得ないのではないか。私は十分に考えても見又話も聞いて、結局結論はそこに到達したわけでございますから、どうかその点特に委員長初め委員各位が御考慮の上、先ず札幌の市政は自慢ではありませんが相当私は円満に円滑に行つておると考えておりまする場合に、若しこの裁断を誤るというようなことになりますれば、誠に私は遺憾なことと考えまするので、その点どうか実地に御調査下されば尚結構であります。私共を抜きにして実地に臨んでそうして実情をお調べになり、又いろいろな面から与論を徴されますれば、誠に私の申上げること以上はよく四十五メーターが正しいというような御判断が私は頂けると実は信じておるような次第でありますから、少し余計なことでありますが申加えまして終ります。    〔北條秀一君発言を求む〕
  156. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 今北條君の発言はお許しいたしますが、その前に本日の証言は、この程度が終りたいと思いますが、ただ一言この場合に委員長が今までの質疑応答について証人の諸君に申上げて置きたいことは、この委員会でこの問題を大きく取扱いますることは、先程北條君が言いましたるごとく、私共は單に札幌のことばかり考えるわけには行かない、日本は敗戰して何等国に下つてしまつたので、札幌だけを理想の都市建設するということは許されない。今建設省が縮め縮めしているがそれでも戰災都市の扱いは八十五に上つている。これは実際の戰火にかかつている都市は百十九もある。それら戰災者は国家の恩典によつて復興することを確信して待つているのでありますけれども手が及ばない。而して今度の拡張ということは、戰災の犠牲者であるところの疎開者という相手方であることを忘れてはならない。先程市長は他の区画整理も一頓挫するといつたが、それらは盡く疎開を原因として拡張しているのではあるまい。これらの両方面から考えまして我々はこれを非常に愼重に考えて言つておるのでありまして、勿論国力が許し又国の財政が許すならば、立派な都市建設をするにしくはないのでありますけれども、方今の世界の都市計画の状況というものは道路ばかり拡げるということになつてはいない。これは縦の方面で高層住宅も建てるとか、或いは道路を舗装して完全に清潔な都市建設する、道路が一度風が吹くと砂つ原になるということではいかん、それで又建物も不燃質物に直して行かなければならん。札幌などについては道路を拡げるについては鋭意なさるけれども、不燃質建物についてはそれは余り注意されておらん。又道路を拡めるけれどもその拡めた道路はどうなつているかというと、我々が行つて見ますとちよつと風が吹くと黄塵万丈の巷を出現する。むしろこの際においてがつちりしたいい都会を現出するということに向けて行かなければならんと、こういう趣旨であるから、今市会議長札幌ばかりを眼中において徒らに大きな線路を設けて行くということをおつしやるけれどもこれは政府の都市計画とき決して一致しておるのではない。その点を委員長としてちよつと申上げます。  そこで北條君の質疑を許しましてそれで閉会しますが、尚いずれも証人諸君は衆議院からも参考尋問をしたいというようなことを申込んで来ておりますから、さようなことで御滞在になりますならば、尚この委員で質問の足らざるところを補いたいと思いますが、議員諸君は如何でございますか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  157. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それでは北條君の質疑を以て本日は閉じたいと思います。
  158. 北條秀一

    北條秀一君 只今福島さんはすでにこの問題は手遅れだというふうに言われたのでありますが、私は言葉尻を捉えるわけではございませんが、先程高田市長防空疎開の事実に便乘してやつたのではないか言われたにの対して、便乘でも結構じやないかと言われたのですが、そういう考え方が、私は先程申上げたように、非常に非民主的であり暴力団であるということを言つたのであります。この本件はそもそも防空のため強制疎開をさせられて土地を立退した連中が、すでに戰争が終つたと同時に返して呉れると思つたのが、どつこいそうは行かん、国の方針がこうなんだからお前たちは幾らやつても駄目だと、こういうようなことを言つて、それからそれへと段々いわゆる御無理御尤ものようなやり方で民意を抑えて来たという経過を辿つて來ておるのじやないか。でありますから今言われました手遅れだ、やつちやつた後は手遅れと決つている。やつちやつた後は手遅れだといつて見ておりますけれども、だからやらないのだというなら別の証人皆さんにははるばる東京までおいで願う必要はない。けれども私共としては重大な民政であるが故に、この問題を手遅れであるというのではなく愼重に考えなければならん。而も私が先程申上げましたように、全国戰災都市に関する問題でありますからもう手遅れだ、やつちやつたものは仕方がないということでなしに、本当にこれらの強制疎開生活困窮者に対してもつともつと親切に、議長として、市長として考えて頂かなければならんというこてを最後に申上げて、市長及び議長から将来に対して十分に、今後に対する考えを必ず持つておられると思いますから、その点についても御意見を私はお聞きしたい、こう考えます。
  159. 高田富與

    証人高田富與君) 私は恐らく、疎開のために著しく不利益を受けたものに対してどういう救済策を持つておるかということだと思うのでありますが、これは大体において現在私の見るところでは、当時の疎開以後今日まで、五年の歳月を経過してそれぞれ落着きを示しておるものと考えております。現在のところでは昨年の九月でありましたか、そういう疎開地に対する権利というものはなくなつた、疎開地に対する権利者というものは地主に限られておると思うのであります。この地主に対しましては、適正な価格を以て土地を買收し、無理のないやり方をすべきものであろうと、かように考えております。尚疎開者でこれがために犠牲者として生活が著しく困窮いたしておる者があるといたしますれば、その方についてはそれぞれの対策を講ずべきことはこれは市政の面で当然のことであろうと存じております。それだけのことは私自身としても考えておりまするし、議会も又考えざるを得ないとかように信じております。
  160. 仲子隆

    ○仲子隆君 議事についてちよつと今の石坂委員長の言葉、或いは他の委員のことを聞いておると、如何にも一方的に変更を要求するような、個人の意見らしいものが聞かれる。併し私達委員会は公正に証人の言葉を聽いてこれから判断すべきものである。今ただ聽いておるというと、今日の日本の都市復興、或いは今の区画整理その他のことが、負けた国だからこうするというふうに押付けるように聽えますが、これは若干私は誤りではないかと思います。併しそれは委員長にしてもそういうつもりはなかつたかも知れない、我我は公正に証人の言葉を聽いて後に判断する。今まだ聽いておる途中判断的なことを言われたのはちよつと間違いじやないかと思います。そういう意味でないと考えてよろしいのでしようか、どうでしようか。
  161. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 一言私の発言についてのお話であります。私は聊か趣旨があります。この委員会は各派からできておりますけれども、一度委員会を開催しますると、既往においても、現在においても、又将来においても、現在において、又将来においても、一切さような党派的な感情などは勿論、党派的な私情を差挿んでいたすことはいたしておりません。ただ私は証人が、つまりこれを力説するために如何にもただ一部の者を抑圧してでもこれを強行しなければならんという意思のようなふうに考えられましたから、一言私は婆心ながら申しただけであります。
  162. 仲子隆

    ○仲子隆君 それは委員の言葉ですか、一委員としての言葉ですか。
  163. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 委員長として申しました、又一委員としてでも。北條君のことは北條君が言われましようが、これは最後の決定は諸君にお諮りして決めるので、私は何ら委員長として自分だけで独裁する意味はない、又できることではないですから、その点については聡明する仲子さんが了解なさることと信じます。
  164. 仲子隆

    ○仲子隆君 ちよとつ今党派ということを言われましたが、そういうことはちつとも言わんことで、あなたの感情的な間違いであろうと思います。
  165. 北條秀一

    北條秀一君 仲子さんからお話がありましたから私一言附加えます。言わんで分つておると思いますが、我々は札幌の南四條の疎開地のことにつきまして請願を受けましたので、その請願は非常に重大な民生問題でありますので、その検討をする過程において今証人の証言を求めておるわけであります。従つて一方の陳情についての意見は十分聞いておりますので、その反対の意見相当突込んで聞いて置なければ私も公正な判断はだきないと考えたものですから、そういうあれで勢い或いは言葉が過ぎたところがあるかも知れませんが、その点は委員において十分御了解願いたいと思います。
  166. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 この問題はもう直接証人とは関係ないことでありますからして、本日はこれにて散会したらどうですか。
  167. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それでは本日の委員会を散会いたします。    午後四時十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     石坂 豊一君    理事      仲子  隆君            島津 忠彦君    委員      岩崎正三郎君            島田 千壽君            堀  末治君            水久保甚作君            赤木 正雄君            久松 定武君            北條 秀一君            細川 嘉六君   証人    都市計画北海道    地方審議会   清水 武夫君    札 幌 市 長 高田 富與君    札幌市議会議長 福島 利雄