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1949-11-09 第6回国会 参議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月九日(水曜日)    午前十一時一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○住宅営団法廃止する等の法律案  (内閣送付) ○住宅問題に関する件    —————・—————
  2. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 只今より建設委員会を開会いたします。公報に掲げました住宅営団法廃止する等の法律案予備審査に取りかかります。
  3. 益谷秀次

    国務大臣益谷秀次君) 住宅営団廃止する等の法律案について提案理由を御説明いたします。  住宅営団昭和二十一年十二月二十三日閉鎖機関指定せられ、指定と同時に解散して閉鎖機関令規定による清算法人となり本来の機能を停止することになりました。そうしてその清算大蔵大臣監督の下に閉鎖機関整理委員会がこれを担当し現在に至つております。  右の事実に基き住宅営団法は速やかに廃止するのが妥当であるとの見解もありましたが、住宅営団解散と同時に母法廃止することは閉鎖機関住宅営団清算に種々の支障を及ぼすこととなりますので、これが廃止の時期については清算結了見通しの付き次第手続を進めることといたしました。  而して清算業務の進捗に伴い、昭和二十五年度末を以て清算結了見通しもつき、たまたま連合国軍最高司令部経済科学局反トラスト・カルテル課よりの示唆もありましたので、今回住宅営団法廃止する等の法律案を提出することといたした次第であります。以上本法案提案理由簡單に申述べましたが、何とぞよろしく御審議の程お願いいたします。    〔美馬説明員朗読〕    住宅営団法廃止する等の法律  第一條 住宅営団法昭和十六年法律第四十六号)は、昭和二十六年四月一日又は閉鎖機関令昭和二十二年勅令第七十四号)第十九條の四の規定により特殊清算人が同令第一條規定する閉鎖機関として指定されている住宅営団(以下「閉鎖機関住宅営団」という。)につき特殊清算結了の登記をした日のいずれか早い時に、その効力を失う。  第二條 閉鎖機関住宅営団は、閉鎖機関令の定めるところにより清算を行うに必要な範囲以外のいかなる業務も行うことができない。  第三條 この法律施行後は、住宅営団法に基き、住宅営団を設立してはならない。   附 則   この法律は、公布の日から施行する。
  4. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 只今朗読いたしました住宅営団法廃止する等の法律案について御説明申上げます。  この法律提案いたします理由は、只今大臣から御説明申上げました通り住宅営団はすでに閉鎖機関指定されておりまして、現在その清算法人となつているわけでありますが、この法律廃止につきましては、清算事務関係からまだ存置しておつたわけであります。その清算結了見込が今まで立つておりませんので、この廃止手続を控えておつたわけでありますが、大体昭和二十五年度末を以て清算結了見通しも付きましたので、今回ここに提案いたすこととなつた次第であります。この法案は、本文三ケ條附則一項からなつておるのでありまして、第一條におきましては、住宅営団法有効期間について規定いたしております。即ち住宅営団法閉鎖機関整理委員会清算結了予定時期でありますところの昭和二十六年の三月三十一日を最終有効期間とし、それ以前に清算が結了いたしますれば、その必要手続完了次第失効することといたしたわけであります。  第二條におきましては、ポツダム勅令たる閉鎖機関令第八條第一項後段の規定法律の明文を以て再確認いたしたものであります。  第三條は、住宅営団法に基く住宅営団は、現在の閉鎖機関住宅営団以外には住宅営団の存立を認めないという旨一を宣言いたした規定であります。即ち閉鎖機関住宅営団閉鎖機関指定を解除されて、住宅営団として復活すること及び住宅営団法に基いて今後新たに住宅営団を設立するということをも一切禁止しようとするのであります。  最後に、附則は本法案施行期日規定しておりますが、公布の日から即日施行するということにいたした次第であります。  以上簡單でありますが、法案説明を終ります。
  5. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 質疑があつたらば……。私から一つ伺いたいと思います。この住宅営団廃止は当然のことと考えますが、すでにこれは閉鎖機関指定されておるのでありますから、今日まで廃止をすることはできなかつたわけですね、法案の提出が……。
  6. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 今まで昭和二十一年に閉鎖されましてから、この法律をそのままに置いたのはどういうわけか、こういうお尋ねでありますが、これは閉鎖機関住宅営団清算事務に、この住宅営団法がありませんといろいろの不便がありますので、これを存置して置いたわけであります。それで清算事務を一生懸命進めて来ておりましたが、今まで清算結了見通しが付かなかつたわけであります。最近漸くその見通しも付きましたので、この法律廃止するということにいたしたわけであります。
  7. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それから今一つ住宅営団法廃止の結果、住宅営団建設したところの各建設物はどういうふうに将来管理されて、又現在どういうふうに運営されて行つておりますか、それを伺いたい。
  8. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 閉鎖機関住宅営団閉鎖当時に持つておりました建設物並びにその後の処分の状況、見通し等につきましては、お手許に資料を差上げておりますが、御覧下されば分ると思いますが、ざつと申上げます一と、処分開始前に六万三千六百二十七一戸の経営住宅を持つておりました。滅失戸数がそのうち三七十九戸でありまして、差引処分を要するものが、六万三千二百四十八戸でありまして、その後今年の八月二十五日までに処分をいたしましたものが四万五中百七十四戸でありまして、そのうち現在未処分住宅が一万八千七十四戸となつております。そのうち東京都に関しましては七千三百四十九戸を大体東京都に移管するということに内定いたしております。その処分の相手方の内訳を申上げますと、現居住者処分いたしましたものが四万一千三百十戸、それから居住者団体処分いたしましたものが七百九十八戸、それから地元の公共団体処分しましたものが三千六十六戸であります。尚その処分価格につきましては、坪当り鉄筋コンクリートアパートの場合には三千円から六千五百円程度木造住宅の場合には坪当り六百円から一千六百円程度という標準でいたしております。それで未処分のものは一万八千七十四戸あるわけでありますが、東京都の七千三百四十九戸の外神奈川広島山口埼玉千葉宮城山梨などに若干これから処分を要するものが残つておるわけであります。
  9. 堀末治

    堀末治君 これは閉鎖機関令によつて指定されて今清算中なものでございますから、こんなことを尋ねるのも無駄かも知れませんが、これは昭和十六年にできた法律なんですね。どういう目的で一体これはできたのですか。
  10. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 住宅営団法昭和十六年に制定されましたが、その当時特に非常な商業の拡充に伴いまして、労務者住宅その他一般庶民住宅が非常に不足しておりまして、こういう階層人達のための住宅供給を民間の企業に委ねるということができないという事情にありましたので、住宅営秘法を制定しまして住宅営団を設立し、專ら労務者その他庶民住宅供給に当つたわけであります。
  11. 堀末治

    堀末治君 それではこの政府事業であるが故に、この閉鎖機関指定されたわけなんですね。
  12. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) これは戰時中のこういう種類の機関は大体閉鎖機関指定されております。その例によつて閉鎖されたものと思います。
  13. 堀末治

    堀末治君 戰時中にできたというところで閉鎖機関にやられたわけですね。
  14. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) さようでございます。
  15. 堀末治

    堀末治君 お尋ねいたしますが、そうすると、今ここに御説明通りに大分片附くには片附いたが、まだ未処分が一万八午七十四戸ありますが、これはどこの手に移るわけですか。この未処分のものは……。
  16. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それでは大蔵省管財局閉鎖機関課の方から説明、願います。堀川事務官
  17. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 簡單に御説明いたします。大体八月二十五日現在で一万八千七十四戸の売残りになつておるわけであります。そのうち東京都に七千三百四十九戸、一億円で今回譲渡することに大体決定を見まして、差引残りの大体一万戸に近い住宅をそれぞれ地方にあります、管轄しています地方公共団体に讓渡する予定でございます。それで大体先程局長の方からお話がありましたように、五百戸以上残つておりますところの宮城神奈川埼玉山梨千葉広島山口、これは今年度中にでき得る限り譲渡する予定になつております。残りが各地方に少々残つておりますが、これは又地方公共団体なり或いは居住者に斡旋して、これをやる予定であります。
  18. 堀末治

    堀末治君 これは凡そ金額にしてどのくらいの大蔵省帳簿価格になつておりますか。
  19. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 大体我々の予定としては五千万円から約七千万円の間くらいで処分いたしたいと思います。
  20. 堀末治

    堀末治君 それは何ですね。要するに処分価格ですね。帳簿価格はどのくらいになつておりますか。
  21. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 帳簿価格で行きますと約六千万円です。
  22. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 滅失戸数の三一百七十九戸、これは如何なる理由ですか。
  23. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) これは台風で破損したものと、それから火事で焼けた建物であります。
  24. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 台風火事ですね。
  25. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) そうです。
  26. 堀末治

    堀末治君 もう一遍お尋ねします。が、そうすると、これは残つているのは主として木造でございますか、或いは鉄筋もございますか。
  27. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 一万八千戸の中には東京都の分も数字として入つておりますから、鉄筋建物東京都の分だけでございます。それから神奈川に……。
  28. 堀末治

    堀末治君 神奈川ですね。
  29. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 山下アパートと申しますアパートがあります。
  30. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) もう一つ伺いますが、現在営団にどれだけの職員残つておりますか。
  31. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 二十四年の九月では三百六十二名です。現在三百四十六名です。
  32. 堀末治

    堀末治君 九月は……。
  33. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 三百六十二名です。
  34. 堀末治

    堀末治君 現在は……。
  35. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 現在は三百四十六名です。
  36. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) これは主にどこに在勤しておりますか。
  37. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 現在東京に百五十四名、それから次に名古屋に四十二名、それから九州と大阪がそれぞれ三十六名、仙臺が二十三名、広島が三十一名、四國が十七名、静岡が七名、計三百四十六名でございます。
  38. 堀末治

    堀末治君 そうすると、今の職員公務員法規定は受けておるわけですね。
  39. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) これは公務員法適用は受けておりません。これは閉鎖機関住宅営団の資格において……閉鎖機関整理委員会職員公務員法適用は受けておりません。
  40. 堀末治

    堀末治君 尚お尋ねしますが、そうすると、この法律によつてこれが廃止になるというと、この人も又全部整理されるわけですね。
  41. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) そういうわけであります。
  42. 堀末治

    堀末治君 整理されるというと退職手当なんかどつから出るのですか。
  43. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) この法案が出ましても、清算が直ぐ終るわけではありませんから、清算が結了するまでは現在の職務をやつております。この法律によつて住宅営団法廃止されたときには、当然住宅営団清算が結了しておるわけでありますから、そのときはその職を離れる、それで退職金の方は、閉鎖機関整理委員会職員閉鎖機関整理委員会予算で賄うことになつております。
  44. 堀末治

    堀末治君 尚お尋ねいたしますが、この閉鎖機関整理委員会には、予算は国家の予算で取つてあるのですか。
  45. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) それは閉鎖機関予算がございますので、公団とか、復金なんかがございますが、あれと同じように、閉鎖機関整理委員会別個予算を取つております。
  46. 堀末治

    堀末治君 それは普通予算場……。
  47. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 全然別個公団等政府機関に関する予算ですが、そういつた法律で以て各公団並びに政府機関予算を取つております。ですから、国の一般会計とは全然別個のものであります。
  48. 堀末治

    堀末治君 国の一般会計と別というと、その金はどこから出て来るのかな。
  49. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) それは大体閉鎖機関というものは自分資産を持つてつて、それで清算をしておるわけです。ですから、閉鎖機関整理委員会というものが、その各閉鎖機関自分の必要とする経費を割当して、それから徴收して、それから自分経費を賄つております。
  50. 堀末治

    堀末治君 そうすると、今の御説明だというと、あとの残つておるものの処分大蔵省に移管されてしまうということになると……。参
  51. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 大蔵省に移管されると申しますと……。
  52. 堀末治

    堀末治君 大蔵省に移管されますと、それで清算事務が終るわけですか。
  53. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 大蔵省に移管されるわけではないです。
  54. 堀末治

    堀末治君 そうすると、一万八千七十四戸というのは、処分が付くまで清算されないというわけですか。
  55. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 清算が結了できない。
  56. 堀末治

    堀末治君 処分付くまで。
  57. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) そうです。併し法律は二十六年、再来年の三月末まで住宅営団法が有効なんです。ですから、それまでの間に建物処分して清算を結了したい。それまで本年度、来年度の四月までには何とか処分できるじやないかという見通しになつております。そうすると、来年度一ぱいは残り整理事務があるということになります。清算を結了し得るという見込です。
  58. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) そうすると、未処分住宅の一万一千戸程の管理に対して三百四十六名の人がおる、こういうわけですな。
  59. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) そうです。
  60. 堀末治

    堀末治君 そうすると、現在処分しながら経費を賄つておるのですね。
  61. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) そうです。
  62. 堀末治

    堀末治君 赤字になつておるか、黒字になつておるか、それは分らないですか。
  63. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 現在のところ、バランスを見ますと、八月二十五日現在のバランスで行きますと、大体住宅営団の持つております資産その他を現金化して考えて見ますと、八億一千五百万円現在持つております。それに見合いといたしまして負債の方が資本金を入れまして約十億五百万円、差引債務ですが、一億八千九百万円の大体赤字になつております。
  64. 堀末治

    堀末治君 そうすると、お終いにはその欠損は政府尻拭いをしなければならないですか。
  65. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) ただ尻拭いと言いますか……。
  66. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 初め政府出資は一億円でしたね。
  67. 堀末治

    堀末治君 そうすると、消えてしまうわけですね。
  68. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 出資したのは入つて来ないということになります。
  69. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 何か御質問ありませんか。
  70. 堀末治

    堀末治君 もう一遍お尋ねいたしますが、十六年から建てたのだから、建てた代金は大分安いのですね。非常に安いときに建てておる。今において処分して、こんなものは赤字になるだろうか。どのくらい経費をかけておるのか知らんけれども、建坪当りがあのころから見ると、百倍になつておる。あの当時は坪八十円くらいでできたのだが、今は少くともこ万円から三万円になつておるのだから、それを処分してこんなに赤字になるのは、ちよつと俺の算盤じや合わないな。
  71. 堀川正彦

    説明員堀川正彦君) 的確な数字は申上げられませんが、大体終戰後建てた建物が相当大部分を占めておるのじやないかと思われます。それから入つておる方が庶民階級の方が多うございますので、家賃もそう高い家賃も取れない。それで結局相当に高い建築費がかかりますから、それを若しカヴアーする意味で家賃を上げるとなれば相当高額な家賃になる。従つて家賃の方を下げて行かなければならん。家賃を非常に低くしなければならん関係上、外も相当低く落して行つたわけです。
  72. 堀末治

    堀末治君 大体帳簿価格が六千万円で、その売却予定額五千万円とか、七千万円とかになつておるが、ここにちよつと我々のような者から見ると算盤が合わない。このままだというと非常に安い。入つておる人に売るにして見たところが、それでも時価から何割か安くしてやつても、ここらが一億円くらいはどうも埋りそうに思うのですが。終戰後できたのがあるとすれば、ちよつともう一遍お尋ねしますが、終戰後といつても、二十一年十一月二十三日に閉鎖機関指定されておるのだから、二十年の八月の終戰だから、ちよつと一年二、三ケ月の間ですよ、その間にばたばたとそう沢山建てたのですか。
  73. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  74. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 速記を始めて下さい。
  75. 堀末治

    堀末治君 今急に資料を探しておつても何ですが、つまりこれは営団が始まつて以来どれだけの仕事をして、あと何ぼ残つて何ぼというふうに、もう少し計数的に調べてこの次に説明して頂いたらいいと思います。その方がいいようです。急に書類を探してもどうかと思います。私は余りこういうものをほじくる気はないけれども、一億円損するというが、終戰前に建てた住宅処分して今損になるということは、どうも私の常識から思われない。今ちよつと專門員から出た資料を拜見しますと、終戰前までに建てたのが八万六千九百ある、終戰後二十二年三月までに建設したというのが十万ある。これらはどうもちよつと閉鎖機関関係から行くと合わない、十二月に閉鎖機関指定されておつて、そうして三月までにこれを建設したのは、建設途中だつたから或る程度止むを得なかつたのかも知れないけれども、それにして見ても二十二年頃建てたとすれば、まだまだ安いんです。それを最近処分しておつて、今言うように帳簿価格が六千万円で、処分して僅か五千万円から七千万円であるというこの予算も少しおかしい。貧乏竈をやり繰つている政府が、無闇にそんなに安く売る程のこともない。
  76. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) ちよつと皆さんにお諾りいたします。どうも閉鎖機関から、派遣された方もまだ準備が十分整つていないようですから、更に各種の資料を持ち寄つて頂くまで、殊に予備審査でもありますし、今回はこれで一応中止することにいたします。   —————————————
  77. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それから続いて住宅問題について御審議を願うことになつておりますが、何か皆さんでお聞きになることがありますれば、この際願います。何か御質疑がありますれば……。
  78. 堀末治

    堀末治君 速記録をとる程の問題ではありませんが、大臣如何ですか。この前あつた住宅金融公社ですが、本年も何か新聞にちよつと出ていましたですね。もう一遍是非やるということがあなたの御意向であつたようですが、その後の見通しは如何ですかね。
  79. 益谷秀次

    国務大臣益谷秀次君) これはいろいろ強い御要望もありましたので、本年は予算にも一応最初は政府の出費の融資機関を作るということになつてつたのです。予算緊縮政策のために認められなかつたのです。来年二十五年度予算では一応五十億を政府出資によつて賄うということに一応決定いたしております。今大蔵大臣が主として関係方面と交渉中であります。その他の予算全般については……。速記を止めて下さい。
  80. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 速記を止めて。    〔速記中止
  81. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それでは、速記を始めて下さい。改めてちよつと伺いますが、住宅問題は実に食糧問題と殆んど類を同じうする程、重大なる国民生活に直結する問題でありますから、今において尚三百五十万戸も住宅が足りないということが言われておるので、これに対する建設省の御計画を、この際御発表願つたならば非常に仕合せだと思います。
  82. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 大体いろいろな原因で、推定でございますが、今お話のように住宅不足数が三百五十万戸程あることになるのです。併し政府としまして、このいろいろな財政的な援助をいたしまするためには、予算とも睨み合せて計画を立てなければなりませんから、この三百五十万戸の不足のうち、特に最も住宅困窮度の甚だしい階層はどのくらいあるか、而も資金的に援助をしなければならん、急速に援助をして家を供給しなければならんというものがどのくらいかということを一応計賞して見ますと、大体六十万戸程度という計算が一応出るわけであります。これは計算の仕方によりまして、或いは百万戸とか、八十万戸とか、いろいろな計算出薫り手けれども、最も縮小した場合でも六十万戸程度のものは急速に供給しなければならんということになるわけでありまして、これを基礎にしまして、大体五ケ年計画を立てて来たわけであります。その方法は、一つ只今申上げました庶民住宅国庫補助による庶民住宅、もう一つ長期低利資金貸付という、二つの方法でやつて行く、こういうことにいたしまして、これを五ケ年間に計画をいたしますと、約毎年十二万戸ずつそういう方法で建てて行く、これがためには、政府予算を計上して行かなければならんということになるわけでありまして、その第一年度として、昭和二十五年度の予算を要求したわけでありますが、予算の全体の関係から言いまして、その計画が、只今までのところでは認められませんで、大体その五〇%程度のものを初年度に実施するという、凡そ概略の見通しを得たわけであります。先程お話がありましたように、国庫補助庶民住宅のために、まあ四十億程度のもので、これで大体二万五千戸程度のものができるわけであります。それから貸付方法によりまして、五十億の資金が認められますと、これで大体三万五千戸程度できることになります。併せて六万戸程供給できるということになるわけであります。尚この庶民住宅などの建設につきましては、従来多数のものが木造住宅であつたわけでありますが、来年度の計画におきまして一は、防火ということ、それから耐久力というような点、それから土地の有効利用というような点、それから面この木材資源を非常に使い過ぎておる、山林を過伐しておる、これが水害の原因になつてもおります関係で、できるだけ木材以外の資材に頼ろうというような、いろいろな方針に従いまして、来年度はできるだけコンクリート宏莊アパートメントに移して行こうというふうに考えております。それで庶民住宅予算が、今年度よりも若干殖える見通しでありますけれども、殖えた分は木造コンクリートのものに切替えて行く。建築費が若干高いわけでありますので、戸数の割合に費用が余計かかるわけでありますが、できるだけそういうようにやつで、不燃耐久的なものに切替えて行くということにいたしたいと、こう思つておる次第であります。大体只今考えております点を簡單に申上げました。
  83. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 仲子さん、今あなたが御出席になりましたが、今まで住宅営団法廃止する等の法律案審議、これは予備審査ですが、これについて堀さんの御質疑に対して大蔵省関係の、つまり閉鎖機関でありますから、整理委員会の方の答弁を求めたところが、余り十分の資料がありませんで、もう一応資料を整頓してお聞きすることにして、これを中止しました。それで住宅に関する建設当局の意見を聞いておつたわけなんです。何か御質問ありますれば、発言して頂きたいと思います。
  84. 仲子隆

    仲子隆君 お伺いいたします。住宅は、宅地のないところに住宅の問題が大分考えられておりますが、自分宅地を持つておりながら、都市計画関係から今日まで建築を延期しておる。そのために段々と資材値上り等のために住宅ができなくなつた。今日でも資金を貸りれば建つというものが大分多いのでありますが、住宅に関する建築資金貸付というようなものはどういうふうなことになつておりますか。この問題からお伺いいたします。
  85. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) その問題は大臣から大体御説明申上げたのですが、二十五年度は住宅資金貸付について予算を計上しておりますので、それが最終的に決まりましたならば、そういう人達に対して長期低利資金貸付ける途が開けると思つております。
  86. 仲子隆

    仲子隆君 その貸出の方法というようなもの、或いは地方、つまり県又は市というものに対しての手続とか、方法とかいうようなものは、大体今どういうふうに予測されておるのでありますか。
  87. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) この資金予算が認められますならば、どういうふうに運用するかという点につきましては、まだ研究中であけまして、最終決定しておりませんが、大体構想は直接の窓口は成るべく民間の金融機関、不動産金融会社、その他の民間の機関を利用するようにいたしたいと思つております。そうしてその貸付方法などにつきましては、回收確保ということが非常に大事でありますから、或る程度は厄介な手続きも必要になると思いますが、できるだけ簡單方法でやりたいと思つております。
  88. 仲子隆

    仲子隆君 若し今度の予算が通るとすれば、いつ頃からこれが実施されるか、その予測はございませんか。
  89. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) これは来年度の予算でありますから、来年の四月以降になるわけでありますが、只今までにいろいろ準備を進めて来ておりましたから、予算が認められましたならば、四月以降、余り長くならんうちに実際の仕事ができるようになるのじやないかと思つております。
  90. 石川一衞

    ○石川一衞君 人口が非常に増加しておるのですが、まあ名古屋、神戸あたりでも、人口が増加しておりますが、建設省では住宅に対してどういうふうにこれを見込んで計算しておるのですか。
  91. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 住宅不足の数が三百五十万戸と申上げましたが、この内容は直接戰災で燒かれたり、壞されたりというようなものとか、一海外から引揚による急激な人口増加とか、いろいろな原因がありますが、又一方人口の自然増加というものも終戰後急激に殖えております。それから戰時中相当、十年間ばかり家屋の修繕を殆んどやつておりませんので、非常に老朽家屋が多くなつております。これはまだ具体的な形に現われて来ておりませんが、ここ整のうちに獲たくともう使用に耐えなくなつて、これも亦住宅不足原因になるというような、いろいろな原因があるわけでありますが、そういうものを全部併せますと、三百五上院万戸より更に殖えるかと思いますが、一応そういうものを非常に内輪に取りまして、そうして推定を三百五十万戸と、こうしておるわけであります。人口の自然増加についても或る程度は考えておる、予測いたしております。
  92. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それでは一つ本日の建設委員会はこの程度にしては如何ですか……。それではこれで散会いたします。    午後零時六分散会  出席者は左の通り。    委員長     石坂 豊一君    理事            仲子  隆君            島津 忠彦君    委員            島田 千壽君            堀  末治君            水久保甚作君            石川 一衞君            北條 秀一君   国務大臣    建 設 大 臣 益谷 秀次君   政府委員    建設事務官    (住宅局長)  伊東 五郎君   説明員    大蔵事務官    (管財局閉鎖機    関課勤務)   堀川 正彦君    建設事務官    (住宅局庶務課    長)      美馬 郁夫君