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1949-10-31 第6回国会 参議院 建設委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月三十一日(月曜日)    午前十時五十一分開会   —————————————  委員氏名    委員長     石坂 豊一君    理事      原口忠次郎君    理事      仲子  隆君    理事      島津 忠彦君            岩崎正三郎君            島田 千壽君            堀  末治君            水久保甚作君            石川 一衞君            田方  進君            赤木 正雄君            安部  定君            久松 定武君            北條 秀一君            兼岩 傳一君   —————————————   委員の異動 十月二十五日(火曜日)委員岩傳一 君辞任につき、その補欠として細川嘉 六君を議長において選定した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設事業一般並び国土その他諸計  画に関する調査の件(戦災復興に関  する件)   —————————————
  2. 石坂豊一

    委員長石坂豊君) 只今より建設委員会を開会いたします。  本日は建設事業一般並び国土その他諸計画に関する調査を開始するのでありまするが、それに伴いまして、先ず戰災復興に関する件を議題として、政府から御出席になつている都市局長院建設委から説明を求める亡とにいたしたいと思います。
  3. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) 戰災復興の問題につきまして、前回のこの委員会におきまして一部申上げましたので、或いは重複する嫌いの点もあるかも知れませんが、その点お許し願いまして、大体今回戰災復興の問題につきまして再検討をいたしましたにつきましての、先ず方針、要領並びにその経過、又その結果といつたようなものにつきまして、この機会におきまして御説明を申上げて置きたいと存ずるのでございます。  去る本年の六月下旬に、内閣におきまして戰災復興都市計画の再検討に関しまする基本方針決定をして頂きまして、それに基きまして、これを実施いたしまするところの実施要領というものを確定いたしまして、これを全国の事業実施者並びにこれを監督いたしまするところの各県に、この方針を指示いたしまして、これに基きまして、九月の下旬にこの結論を一応得たのでございます先ず第一番に、この閣議決定を見ました方針につきまして、その方針と並びに実施要領につきまして簡単に触れて見たいと思うのであります。この書類は、実は前回の協議会においてお手許に配付いたしましたので、本日も説明資料を持つて参りたかつたのでございますが、残部がございませんので、この点お許しを願いたいと存ずるのでございます。戦災復興の先ず再検討をいたしますにつきましては、二つの点を一応捉えて見たのであります。一つ都市計画というものと都市計画事業というものと、この二つの問題でございます。御承知の通りに、計画というものになりますというと、一つ計画を設定いたしますると、そこにいろいろ権利、制限が働いて参りまするので、非常に住民に、この計画実施されるまでの間、長期間かかりますると、いろいろと建築制限等の問題につきまして御迷惑をかけておりまするので、先ずこの計画面につきまして、真に交通、防災、保健上必要であるかどうかというものの限度をもう一度一つここで再検討をして見ようじやなかろうかという点でございます。この計画面として取上げました問題は、一つ道路幅員の問題であり、一つ公園緑地の問題であります。  道路の問題につきましては、道路幅員の甚だ大なる街路につきましては、その実現性緊要性というものを勘案いたしまして、そして一つ検討をして見ようというので、大体この範囲に入れましたものは、高速六車線以上を予想して計画されておりまする幹線街路、それから高速車線と緩速車一線を分離するよう計画されておりまするもの、それから美観上植樹帯を設置するよう計画されておるというようなもの等につきまして、幅員の縮小の可否を検討して参じたい。それから防火幣を目的といたしておりまする街路につきましても、その沿線を防火地区又は準防火地区に指定をいたしまして、録第一号その幅員につきまして、原則として三十六メートルを保有せしめたいが、止むを得ずこれを縮小する場合であつても最小限三十メートルを下らないようにして行こう、それから三十メートル以下のものでありましても、いわゆる幅道との総合的考慮の下に縮小を適当といたしまするものは、これも検討まして参る。それから工事施行といたしておりまする路線と、これに関連いたしまする街路幅員につきましては、施行いたしました部分の幅員との調整を考慮して考えて行きたいと、大体こういうようなことを基本方針といたしまして、今回この街路幅員の問題を考えさせて見たのであります。  その次は、公園緑地の問題でありまするが、公園緑地の問題につきましては、当初東京都内等を例にとつて見ますると、相当大きな地域というものをこの緑地に指定いたしましたが、その後いろいろ土地の細目の利用計画といつたようなものが漸次明らかになつて参りましたがために、いつまでも公一園緑地の故を以て、ここに建築の制限を働かせて参るということは非常にそぐはないというような点もございましたので、今回の基本方針といたしましては、主として児童公園であるとか、児童運動場又は普通の運動場というものに重点を置きまして、既定計画というものを変更して参る。或いは又河川とか、水路沿岸沿い等におきまして、公衆衛生或いは消防の防火上どうしても利水を必要といたしまするような地域といつたようなもの或いは市街地で住宅が密集をいたしておりまするところで、特に防火帶を必要といたしまするような地域を選定いたしまして、そこに公園緑地というものを設定して参りたい、こういうような方針で今回臨んで参つたのでございます。以上は、大体この計画面として検討いたさせた問題でございます。  次に、都市計画事業の問題でございまするが、都市計画事業につきましては、何と言いましても、問題は区画整理中心にいたしました事業でございますので、これにつきましては、事業の速かなる終息を図るということを重点に置きまして、この土地区画整理は、罹災区域の中で交通防火上特に憂慮せらるる地域限つてこれを施行して参りたいというので、戰災の比較的僅少であつたような都市であるとか、或いは又事業実施の困難な都市につきましては、事業実施方法等につきましては、別途に考慮いたしまして、できるだけこの戰災復興事業範囲というものを圧縮して参りたい。と申しますのは、一つはできるだけそういう僅少な都市というものは、これを落して行くということ、それから事業実施範囲という、区域というものもできるだけ減少をして参りたい。その代り方におきましては、事業が進捗いたしておりまする都市につきましては、できるだけこれを一つ特別な財源的措置等をも講じまして、急速に一つ終熄を図つて参りたいというような方針の下に考えて見たのでございまするが、それにつきましては、できるだけ一つ土地現状というものに従いまして、現状を尊重いたしまして、できるだけ物件移転を避けるとか、地下埋設物等の費用を節約するとかいうようなことをして参りたい。それから又上下水道等につきましては、できるだけ既存のものの活用に重点を置いて参りたい。それからその範囲等につきましても、区画整理で落しますような範囲につきましても、集団的な燒残りの地区であるとか、或いは又区画整理をいたしましても、土地の価値というものがそれ程増進をして参らない地域であるとか、或いは又住宅が密集いたしておりまして、そうしてこれに手を付けるというと、べら棒に金がかかつて参るような地域とかいうようなところも、できるだけ省いて参ろうじやなかろうかというような大体の方針でやつて参つたのでございまするが、ただ併しながら、すでに事業を始めましてから数年になりまするので、いろと換地の発表も終つたり、或いはすでに事業実施も着手してるというようなところを再検討だからと言つて、根本的に初めからやり直すということになりまするというと、手戻り等の関係が非常に多くなりますので、却つてつまらん費用をかけますので、そういうようなところは原則として一つ既存計画と年いうものを尊重して、これを実施させるようにして行きたいというような、実は根本方針を以ちまして、この計画を進めて参つたのでございます。これ一につきましては、実は建設省の中に事業実施者の代表であるとか、或いは都市計画に対する経験者とかいつたような人達を網羅いたしまして、戰災復興対策協議会というものを設置いたしまして、そこでこの実施要領の御審議を願い、又結果につきましてのいろいろの御審議を実は願つたような次第でございます。で、閣議決定を六月の二十四日に頂きまして、七月の八日に第一回のこの協議会を設置いたしまして、ここで実施要領決定して頂き、七月の十五日に全国の都道府県の主務課長並びに実施いたしまするところの主要なる県の主管課長を招集いたしまして、この政府方針を伝達いたしまして再検討の案を八月の初めから八月一杯かかりまして政府に持参させまして、実は八月の六日から八月一杯一月かかりまして各都市につき、又区画整理地区ごとに細かく再検討をいたしまして、県の御希望なり、又県の再検討いたしまするにつきましての経過なり、事業の進捗の状況なり、県なり或いは市におけるところの経費の状況といつたようなものに亘りまして、具さに検討をいたしまして、後で述べまするような結論を一応得たようなことに相成つたのでございます。先ずその結論を先に申上げまして、それから内容につきましてお話を申上げたいと思うのでございまするが、本日お配りをいたしました戰災復興対策協議会答申書というものが、この当時における協議会決定内容でございまするが、先ず第一番に、事業面の方から申上げて行く方が予算面上重要な問題でございますから、先ずそれから申上げて置きたいと思うのでございますが、本日お配りいたしました答申書の丁度中頃になりますか、いろいろと文字が書いてありますのを開いて参りますると、二十頁に「復興都市計画事業検討総括表」という一覧表がございますが、それを先ず御覧願いたいと思います。  先ず大体どういうような情勢になつておつたかと申しますと、これは大体区画整理の問題、事業実施のいわゆる区画整理の問題でありまするが、戦災復興を行うというので、最初戦災復興院で取上げました都市が百十五都市であつたのでございます。その中で大体三というものが今までいろいろと補助をいたしましたりいたしまして、又焼失面積も非常に少いというところで、大体八、九割程度完成をいたしましたような所は、今回戦災復興事業の補助の対象からこれを除くということで、大体三十都市を今回落したのでございます。それで八十五都市でございます。最初復興院時代におきまして、一億八千万坪に亘りまして、実は区画整理実施して参るという方針であつたのでございまするが、昨年経済安定本部と打合せをいたしました結果、実は一億坪に減少をいたしたのでございまするが、今回この一億坪の区域面積にきまして、先程申上げましたような方針に基いて再検討をしろということにいたしました結果が、大体一割五分削減いたしまして、八千五百万坪ということに決定をいたしたのでございます。  それからこの一億坪に対しまするところの事業費は、本年度の予算において換算いたして参りますれば、大体五百四十億円という金額を要したのでございまするが、これを今回の再検討によりまして三九%減じまして、三百三十二億という数字を得たのでございます。この外に残事業といたしまして、六十何億というような数字が残つておるのでございまするが、これらの詳細につきましては、この前文のところに詳しく書いてございまするが、大体そういう結論を得たのでございます。面積におきまして一割五分削減をし、事業費におきまして三九%の減を見るということにいたしたのでございます。裏面には、これにつきましての区画整理に伴いますところの街路事業であるとか、或いは河川水路、瓦斯、電気、鉄道軌道公共空地上下水道等につきましての一億坪と、それから今回の八千五百万坪を実施いたしまするにつきましての金額等につきまして、詳細にそこに書いて置いたのでございます。一億坪と仮定いたしまして面積を一割五分減らしましたのは、先程も申しましたように、燒残り地区を除外したということ、それから住宅が立込んでおる地域換地発表の済んでおらないというような地域を除く、或いは経済的価値上昇率というものが非常に少いといつたような土地を除くとかいうようなことにいたしまして、一五%の減を見たのでございます。それから金額におきまして三九%を減少いたしましたのは、設計内容事業内容等検討によりまして節約をいたしましたようなこと、この点は実は清掃地等につきましては、原則としてはこれを削りまして、そうしてこれは別途の失業救済事業によつてこれをやつて行く、或いは宅地整地といつたようなものも、水路の埋戻しであるとか、産地の切崩しといつたような真に止むを得ないようなものに限つて、この宅地の整地を認めて参るといつたようなことによりまして、この経費の節約を図つたのでございます。  それから換地設計の変更によりまして、要移転戸数、それから電柱であるとか、墓地であるとか、地下埋設物といつたようなものの移転減少を図つて参る。できるだけ現況というものを尊重いたしまして、理想的な碁盤目のように住宅を建て並べるというようなことよりも、できるだけ現状というものを尊重して、そうして移転戸数を少くして参る。それから公共空地事業にいたしましても、簡素な整地と設備を最小限度に止めるというような方針にいたしまして、これが削減を図つて参つたのでございます。ただこういたしましても、残事業的なものを多少そこに残したのでございまするが、それには今回のこの基本方針におきましても、五ケ年間で大体の都市計画区画整理の恰好というものを付けてしまおう、あとはまあ多少道路整備事業とかいつたようなものは多少残しても、とにかくこの五ケ年間に区画整理の恰好だけは付けてしまおうという方針で、実は今回の再検討を図りましたので、五ケ年後に残しまするような残事業といたしましては、堅牢建築物の中で道路に余り引つかかつていない、多少道路に引つかかつておりましても、道路交通上支障がないようなものであるとか、或いは戰災燒残りの建物を移転するとか、或いは僅かな拡巾の道路にありますところの建物の移転をするとか、或いは又用地補償費の一部であるとか、或いは区画街路側参溝の工事であるとか、或いは上下水道改良整備といつたようなものにつきましては、これを一部残事業の中に繰入れまして、これを大体六十五億というような数字に押えたのでございます。今回のこの事業をいたしますにつきましては、大体半額の国庫助成という立場で、あとの半額というものにつきましては、地元において持つて頂くということにいたしたのでございます。それにつきましては、主といたしましてこの再検討をいたしまするときにおきましては、この戰災復興の重要なる財源といたしましては、都市計画税という、いわゆる目的税というものを睨みまして検討をいたして参つたのでございますが、その後シヤウプ勧告案が公表せられるところを見まするというと、この都市計画目的税というものが今回削除されましたので、実は私共といたしまして、事業実施いたしまする財政的方面の負担ということにつきましては非常に考慮いたしておる問題場一つであります。ただまあ市当局の全体の予算もいうものは、無理をして取れば従来よりも四百億も増加いたされるというような実情でございまするが、併しこの点は果してこの四百億というものが取れるかどうかということにつきましては、又市庁御当局におきましても相当に帯慮せられる問題でございまするので、あとでこの協議会におきましての附帶決議といたしまして御要望がございますれば、是非ともこの起債を認めて頂きたいという声が市町村として、事業実施者として有力なる意見ということに相成つておるのでございます。  以上は大体実施面の問題でございまするが、計画面につきましては、街路幅員の問題と公園緑地の問題でございまするが、これにつきましては本日お配りいたしましたもののあとの方にあつたと思いまするが、「戰災復興事業検討街路及公園緑地計画比較表」というのがございまするが、各都市ごとにに従来の幅員百メートル以上、八十一メートルから九十九メートル、又は、十八メートル以上のものを検討いたしまして、事業検討前と検討後におきまするこの数字というものを、そこに並べて置いてございまするが、これによりまして相当数減少いたしておるのでございます。又公園緑地の問題につきましても、東京都は大体四〇%くらいを減じ、大阪は一九%ぐらいでありましたか、減じまして、相当先程申上げました方針に基きまして減少をいたして参つたのでございます。この最後の欄を見て頂きますれば、百メートル以上の街路につきましては七五%の減を見、六十一メートルから八十メートルにつきましては五〇%の減を見、それから四十四メートルから六十メートルにつきましては四九%の減、それから三十六メートルから四十三メートルは二〇%、三十メートルから三十五メートルにつきましては七%のプラスなつておりますのは、実は上の方から落つこつて参りましたので、その点だけは多少殖えておるというような現状に相成つておるのでございます。それから二十二メートルから二十九メートルは一四%、十八メートルから二十一メートルにつきましては一一%というものの減を見ております。それから公園緑地につきましては、全国平均いたしまして一六一二%というものの減少を示したのでございます。これは大体私共一ケ月に亘りまして、都市局の全員並びに安定本部のこの計画方面を担当いたしておりまする方々にお入り願いまして、協議会の幹事という名目におきまして検討をいたしました結果が、今申上げましたような数字なつて現われて参つたのでございます。これを実は先月の末の第二回の協議会にかけまして、そうして御検討願つたのでございます。この御検討を願いました結果は、いろの御意見がございましたが、最後にこの案を呑もう。呑むについては実は附帯的な條件を付けようというので付けられましたのが、最後の所に附帯決議として書かれてあるものでございます、これの内容は、今回の再検討をいたしましたものの、この計画は今日の日本の経済情勢等から考えて止むを得ない、市民復興意欲から見れば必ずしも満足のものとは思われないけれども、国家財政現状から見て止むを得ないので承認をする、承認をするからには、これを確実に一つ実施するようにやつて貰いたいということが先ず要点の一つでございます。次には、先程申上げましたように、地方の負担分は今回都市計画税もなくなつたことであるから、又これによつて受けるところの利益というものは、現代の市民のみならず、後世の市民にまでも利益を受けることであるから、その分は一つ起債として十分考えて頂かなければならない、極力起債を優先的に措置せらるるように図つて頂きたいということと、第三には、戰災復興を五ケ年間において始末を付けるというのならば、この実施のやり方といたしましては、できるだけ五ケ年の前期、特に初年度におきまして、この事業重点を置いて予算も多く前期の方において計上をして頂きたいという、この大体三つの希望的條件というものが付せられまして、これが可決されたような実情に相成つて滞るのでございますので、これを実は本年の初めの閣議に提出いたしまして、この協議会からの答申の通りに一応閣議決定として実施を図ろうということの決定を見たような次第でございます一応戦災復興に対しましての、今回の再検討いたしましたにつきましての方針経過並びに結論というものは、こういうところに実は落付いたのでございます。以上が大体戰災復興の問題でございまするが、立ちましたついでに、もう一部お手許に配付いたしました平和文化都市建設協議会での協議会資料というものがございまするが、これにつきまして簡単にお話を申上げて見たいと思うのでございます  これは御承知の通り、去る国会におきまして広島長崎につきましては、広島平和記念都市として、長崎はいわゆる国際文化都市として特別の一つの性格を持つたものに建設をやれということにつきまする法案の成立を見たのでございますこれにつきましては、実は都市局中心になりまして、いろいろと地元関係方面とも協議いたしまして、この案につきましての具体的な措置図つて参つてつたのでございます。これにつきましては、実は衆議院の方から、又参議院の方からもいろいろと現地を視察して頂きました結果、国におきましても一つこれを取上げてやる、一つの行政的な措置を考えたら如何かというお話がございましたので、実は八月でございましたかの閣の申合せ事項といたしまして、建設省平和文化都市建設協議会というものを設置いたしまして、関係当局者、まあ、建設省中心になり、安定本部大蔵省、その他厚生省、文部省、それから運輸省といつたような方面の各機関が集まりまして、これを一つ検討しようということにいたしたのでございます。今回私共予算を要求いたしますにつきましても、あの法律の中に書かれてございまするように、広島につきは平和記念都市建設事業、それから長崎につきましては、国際文化都市建設事業というものは、戰災復興事業プラスそれぞれの平和国際都市としてふさわしいような施設を織込んだものを、それぞれの都市建設事業とするということが書かれてございましたので、戰災復興の仕事と、その外プラス、いわゆるこの両都市の性格にふさわしいといつたようなものを集めまて、この平和文化都市建設事業というので予算項目を別個にいたしまして、戰災復興からはずしまして要求をいたしまして、今回安本並び大蔵省の御承認を得たのでございまするが、ただ実はこの全部が予算の中に入つておるかと申上げますというと、建設省の中で都市局で扱つておりまするものが大体中心で入つておるのであります。外の省の問題は一括して実は入つておらないのでございます。この点協議会におききましてはいろいろと御希望がございました。やはり別個の予算項目として取扱つて呉れという御希望がございました。本年度は、もうすでに予算要求をいたしました後でございましたので、それが間に合わなかつたので、いろいろと紐付きをして頂きたいというような実は御要望もございました。つきましては、この内容等につきまして簡單に触れて見たいと思うのでございまするが、外の省、外の局の問題につきましては、実はこの協議会の中に小委員会を設けまして検討をしようということになりましたので、その点私から触れる権限はございませんが、都市局に関しまする問題につきましてお話を申上げますれば、先ず第一番目には、広島長崎、いずれも戰災復興の仕事をここに取上げたのでございます。それは今回の再検討によりまするものを取上げたのでございます。それから平和記念施設、又長崎におきましては文化記念施設というものがございまするが、これはいわゆる原爆の中心でありまするところの地域広島につきましては中央公園中島公園でございまするが、それらの公園を整備して参り、それから広島につきましては、そこに記念館というものを設置して参ろうということに相成つておるのでございまするが、取敢えず来年度の予算といたしましては、この原子爆弾によりましてのいろいろの貴重なる資料というものがございまするので、その資料を陳列いたしまするところの資料陳列館といつたようなものを設置して参ろう記念公園と同時にそういうものを一つ設置して参ろうというのが一つでございます。それから排水施設でございまするが、これは両都市美非常に排水の設備が悪いのでございます。殊に広島のごときは大田川のデルタ地帯になつておりますので、この大田川の改修と同時に排水施設の整備をして参らなければならない。それから長崎につきましては、上下水道といつたようなものが非常に大きく浮んでおるのでございます。それから幹線街路の問題でございまするが、これにつきましては、できるだけ一つ既存計画というものを尊重いたしまして、来年度は一部できるならば重要な幹線の所は鋪装替をしようじやなかろうかというような意味において、幹線街路の整備費並びに鋪装費みたいなものを多少組んで置いたのでございます。それからあと都市公共施設でございまするが、これは運動場等の問題でございまするが、これは来年度には一応は上せないということにいたしましたのでございます。あと文教施設以下は各省又他の局の施設になつておりますので、これらにつきましては先程申上げましたように、小委員会を設けまして、そこで実施計画というものを再検討しようということにいたしたのでございます。公共施設以前のところは大体都市局、私の方でいろいろ検討いたしまして、最小限度のものをそこに載せて見たのでございます。実はこの両都市共十五ケ年間の計画というものを最初持つて参られたのでございますが、勿論計画としては相当長期に亘るものはいいと思いまするが、併し事業実施ということになりますと、十五ケ年間といつたようなことでは、計画は持つておられても事業実施面としては余りにも長過ぎるじやなかろうかという意味におきまして、一応五ケ年というものに切りまして計画を出して貰いたいということにいたしました結果が、ここに現われましたような数字、こういうことに相成つておるのでございます。又これについての第一回の協議会におきましては、全体として各省が集まりました結果は、これでいいという結論は出ておらなかつたのであります。実は先程申上げましたように小委員会を設けまして、そこで一つ検討して行こうということに相成りましたのでございます。できるだけ一つこの線に沿つて来年度予算の獲得をして頂き、そうして別個の予算なつていないところは一つ紐付きで考えて頂きたいというような実は要望になつておるのであります。  以上は大体広島長崎の大要の説明でございますが、いろいろ質問に応じましてお答をいたしたいと思います。
  4. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私は内容を詳細に審議しておりませんが、今承わつたところについて一つ御質問したいと思います。戦災復興都市計画事業に挙げられております先ず街路、これは百メートルのものは大分減つております。  それにいつて第一に気が付いた点は平市です。これが三十メートルから三十五メートルまでのものは従来一つ、改訂されたものも一つ、十八メートルから二十一メートルのものは従来なかつた、ここに一つ書いてありますが、先程の説明ならば大体縮小しておる筈でありますが、特に一つ殖えておるのはどういうわけですか。それを承わりたいと思います。それから横浜市でありますが、これは六十一メートルから八十メートル、下つて十八メートルから二十一メートル、これを各大きさのものにつきまして縮小したと申しますか、格下げになつたものは二十あります。最後の十八メートルから二十一メートルになつたものが八つ、差引き十二、相当の路線がなくなつていますが、それで差支えないのですか。そういう説明を大体お願いします。  それからもう一つ都市の数が今度大分減りましたが、これは一々調べれば分かりますが、結局どの都市とどの都市を今後対象とされるかという三十都市の名前、又その面積、どの都市についてはどれ程になさるか、先程承わつた説明では、大体の概念につきまして、我々委員といたしましては、どの都市にどれくらいの事業をなさるか分りませんから、そういうことをもう少し詳しく書類にして手許に頂きたいと思います。
  5. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) はあ。
  6. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 もう一つ承わりたいのは、生産都市と申しますか、同じ戰災を蒙むりましても、今後の復興のために生産を拡充すべき都市もありましようし、又そうでないような都市もありますが、そういう生産拡充の都市でも、その他の復興都市でも同一に考えておられるかどうか、これが今後の日本の生産に重大な問題でありますから、当然我々は同じ戰災を受けても、先ず生産を拡充すべき都市重点中の重点的にやるのが復興に寄與する。そういうふうに考えておりますが、それに対するお考え、又平和文化都市というものが今度新たにできましたが、平和文化都市と復興都市の今後の復興に対する比率、それをどれ程の割合に考えておられるか、それだけの点を伺いたい。
  7. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) この平の問題につきましては、或いはこれは誤謬かも知れませんから、もう一遍帰つて調べさして頂きたいと思います。横浜の問題につきましては、これは横浜東京というものは実は街路は大分縮小して参つたのです。殊に東京は横浜より相当思い切つてやつたつもりでありますが、一応東京横浜という所は、従来一遍震災でやられました関係があつたものですから、震災でやつたような所はできるだけ省くのだという方針を取つたわけであります。これをできるだけ圧縮いたしましたのは、これでも大体最低限度都市計画の需要が充たせるという点からいたしたような次第であります。  それから三十都市の問題につきましては、実は今日三十都市の名前を持つて参りたかつたのでありますが、持つて参りませんでしたので、あとでお届けしたいと思います。大体やりましたところは、罹災面積が非常に僅少であつて、まあ数万坪というような所でありまして、そうして今まで事業をいたしましたのが大体八、九割までは済んだ、大体区画整理あたりも恰好が付いてしまつたというようなところは落して参つたのであります。将来そういう都市をどうして行くのか、又今お話しのように生産都市として発展して参るというような都市をどうして参るかというようなお話しがございましたが、これらにつきましては、実は戰災復興とは別個の形で、重要幹線街路といつたものに補助をして参るということをいたしたのであります。前年度までは生産再建といつた意味で多少の助成をして参つたのであります。大体そういうような方面で、多少はこの街路あたりの整備を図つて参るというような方法を考えて参りたいという工合に考えておる次第であります。  それから戰災都市の中で、生産都市とそうでない都市との復興の状況を如何にするかという問題でございますが、これらにつきましては、実は私共といたしましては先程申上げましたように、生産都市としての考え方につきましては別個の処置を取つて行きたいと思つておるのでございますが、今回の事業の面は、王といたしまして区画参整理の面が非常に多いのであります。住宅中心にいたしましたものが非常に多いのでございますので、この点はし易い所からやると言つては語弊があるかも知れませんが、できるだけ問題の起つておらん所から漸次片付けて行きたい。そうして仕事も大分進捗して、もうちよつと手をかければそれで終るというような所から、漸次締めくくりして行きたいという気持を実は持つておるのであります。併しその中でも特にこの地帶は工場と密接する、工場地帯に附随する、いわゆる住宅地帶であつて工業というものと関連する、この住宅地帶に早急に整備を図つて行かなければならないというような所があれば、その所は今回の区画整理として重点的に処置を図つて行きたいという工合に考えております。  それから最後の平和都市関係は、実は私共といたしましては平和都市、文化都市につきましては、例えば他の都市が五ケ年間で戰災復興の大体の区画整理が終るならば、これを四ケ年間でやるとかいうふうにして、早く一つ区画整理あたりも恰好を付けてしまいたいという実は気持で予算要求いたしたのであります。併しながら今回の予算措置といたしましての問題といたしましては、そういうことに相成つておらないのでございまするが、ただ補助率等は多少考えてもいいというような安本、大蔵省の御意見もございます。その点が多少認められるのではなかろうかと思つております。その外は今申上げましたように記念的なものであるとか、或いは幹線街路を多少他の都市にも及ぼして参るということで、実は進んで行きたいというように考えておるのであります。
  8. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 尚私御希望申したいのは、我々この戰災都市審議を、いたしておりまするが、これは御迷惑か知れませんが、一体各委員に戰災都市をどういうふうに計画するんだか、街路綱の図面を一枚ずつ貰わんと本当にできんと思うのであります。従来も随分やつて来ましたが、ここに大体の図面をお示し下さいましたが、今手に持つておらないのですが、どういう街ができるか、一向に分らない。これでは委員に対しても誠に申訳ないと思います。今直ぐとは申しませんが、或いはこの臨時国会にできなければ、次の常会に間に合うように一つ戰災都市の全貌と申しますか、どういうふうになさるか、その図面を欲しいと思うのであります。それを貰わんと本当の審議ができないのであります。御迷惑か知れませんが、お願いします。
  9. 北條秀一

    ○北條秀一君 只今赤木委員からお話ありました戰災都市の復興計画について、今回縮小されるに当つて、その経緯を明らかにする資料を作つて呉れという御意見は誠に御尤もでありまして、これは至急にやつて頂きたいと思うのでありますが、つきましては本日御説明のありました内容につきまして、数点について質問いたしますので、要点を一つお答え願いたいのであります。  それから一問一答式に行くことをお許し願いたいと思います。
  10. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) どうぞ……。
  11. 北條秀一

    ○北條秀一君 第一は、私は素人でありますから、質問が当らなければ、当らないで言つて頂けばいいのでありますが、この計画縮小ということは、当初の計画ということが全く無意義であつた、と言いますと少し過ぎるかも知れませんが、当初の計画というものが全く十分な検討を盡していなかつたということになるのか、或いはその後日本の国状が変化したために、当初の計画が遂行できないということになるのか、そのいずれなのか一その点をはつきりして頂きたい。
  12. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) 当初の計画は杜撰であつたということは決してございません。当時は戰災で相当燒野原になつておりましたので、まあ国、地方の財政が許せばやりたいというので、実は相当の理想を持つた計画というものができ上つたのでございます。ただその後における情勢がとにかくこれに伴わない。殊にその中心予算であつたのでございます。殊に今年は経済九原則というものを設定いたされまして、相当都市局方面に対する、戰災復興に対しまする予算削減いたされましたので、そこで一つ検討しようじやないか、その再検討はできるだけ最小限度都市計画を見通す意味において財政の節減を図つて行くという点に重点が置かれましたので、決して当初の計画が杜撰であつたというようなことはございません。
  13. 北條秀一

    ○北條秀一君 成る程理屈はそういうふうに付くのでありますけれども、結局はこの終戦直後立てられた戰災都市復興計画というのは、当時の日本の経済情勢を十分勘案して、そうして終戰後何年かの間には日本はこういうふうに段々経済力が復興して来るとい一つの想定の下に作られたんだと思う。この都市復興計画はところが今日から言いますと、敗戦後今日まで四年になりますが、日本の経済力の復興においては、現吉田内閣は当初の予想以上に日本の経済復興の速度が早いということを盛んに方々で言つているわけ他のですが、そうなると急に今日になつて戰災都市の復興計画縮小するということは全く無意味なものであると思う。予想以上に経済が復興していり。だから予想している以上に都市の復興というものはできる筈だ。それを縮小するというごとき、一体私は今お話がありましたけれども、その趣旨がよく分らない。勿論経済九原則、ドットの均衡総合予算というものがあるかも知れませんけれども、根本は国力がこれだけ予想した以上に復興しているわけですから、ですから当然予想以上復興した国力に応じて戰災都市の復興計画はふくらましてもいいと思うのに、その逆だと思うのです。
  14. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) この点は私から御説明申上げる方がいいのか、もつと高い立場に立たれる方から御説明申し上げるのがいいか知りませんけれども、当初は非常に燒野原であつたという意味におきまして、当初に相当大きな予算が組まれてあるならば、私は五ケ年くらいで或る程度できるのではないかということを、私も実は今から考えられるのであります。と言うのは、この戰災復興におきましての費用は、一番よくかかりますものは区画整理に伴います点になりますと、家屋移転施設移転というものが非常に多い。それが長引けば長引く程この費用が嵩んで参るような形になるので、燒野原であつた場合におきましては、一そういう方面の金というものは非常に縮小されておつたのであります。ところが当初の予算の出し方というものは少かつたために、あとなつて非常に莫大な金がかかつて来たということになつて来た。そうして第二の点のお話では、御尤もだと私は思いますけれども、これは国力が復旧して参つたのだから、そういう方面は出す金というものも多くならなければならんのではないかと、私共の立場としてもそう言いたいところであります。ただ一方におきましては、その後においていろいろ災害が非日常に起つておるというような問題もございまするので、その方面相当金というものがここに削減されておりますので、こういう方面に廻す金というものは段々少くなつて参るという点は、戰災都市復興計画を担当いたしております私共といたしまして嘆遺憾に存じておる次第であります。
  15. 北條秀一

    ○北條秀一君 それではそういう問題につきましては、更に建設大臣なり、その他内閣諸公に私も意見を質問したいと考えておりますが、次に質問したいのは、この区画整理、殊に区画整理縮小されたわけですが、そうなるともう永久に区画整理というものはできないと私は考えるのですが、もう一遍申しますと、今戰災都市復興計画縮小してしまいますと、これから先都市区画整理を他の地域に及ぼしてやろうと思つてもできないと思う。永久に区画整理をするチャンスを失つてしまうということを虞れるのですが、そういう点についてどういう、ふうにお考えになつておりますか。
  16. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) 一応御尤もな御意見だと私は感じます。ただ区画整理の問題につきましては、今回いたしました亡の再検討は、一体五ケ年間で一応の見通しを付けようという範囲検討して参つたのであります。その意味につきましては、実は私共ここでざつくばらんに申上げますけれども、東京都あたりを一つの例に取つて見ますれば、今回この八千五百万坪の中で取上げました面積は大体五百万坪ということに相成つております。仮に東京都というものを私共は戰災復興としてこの区画整理を完全に実施して参りますということになりますれば、恐らく最低限度に見積りましても、千五百万坪は要するのではないかということを考えておりますが、併し五ケ年間で千五百万坪東京都でやれるか、こう言われればちよつと財政状態から考えましても、院ちよつと私はできんと思います。先ず五ケ年間にやり得る限度というものを、この程度に抑えようではないか。あとはやはり国なり、いわゆる地方公共団体の財政力というものが充実して参れば、やはり私はやるべきだという感じを持つております。ただこれにつきましては堅牢建築物等ができますというと、これはなかなか容易できませんので、その点は一つ今後の都市計画の問題といたしましては、堅牢建築物というようなものにつきましては、一つそういうようなところは或る程度抑えて参らなければならないのじやないかというようなことを実は考えておる状態でございます。ましてや焼けた地域であるとかいうようなところになりますれば、それを機会にいたしまして、この区画整理というものは実施して参りたいというように考えておるような状態でございます。
  17. 北條秀一

    ○北條秀一君 特にこの区画整理縮小によつていろいろな矛盾が起きると思う。先程から赤木委員からも御指摘があつたが道路縮小した、縮小するのはよいが、すでにもう道路を当初拡げておつて或る部分はうんと拡げちやつた。ところが今度あとは狭めるというようなことになりますと、丁度蛇が蛙を呑んだような恰好になつ道路で太いところと細いところができはしないかという矛盾が起きるのじやないかと考えるのですが、そういう点を一つ説明願いたいということと、もう一つは、この計画縮小によつて人民の負担というのが非常に私は凹凸になつて来ると考える。正直者が馬鹿を見て、移転しろというからどんどん移転した。ところがあとなつ計画が変つて移転しなくてもよいということになる。こういう問題が起きるのじやないか、こういうところが現実に起つておるかどうか知りませんが、起きやしないかという私は懸念がある。その次は、第三の点はこの縮小計画によつて跡始末が大変であろうと思う。計画縮小したことによつて跡始末に相当経費を必要としやしないかということが考えられる。それは全く計画縮小しても、ただもう計画縮小をしつ放していいというわけには行かないと思う。どうしてもその跡始末をしなければならん。それには経費相当かかると思うのです。その経費などについてどういうふうに考えておられるか、これらの今申しました三つの点について伺いたい。
  18. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) 第一の点の、いわゆる町によつて今まで施行済で街路相当、つまり今度の再検討によつて一部が狭くなつたという点、これはまああることは御尤もだと思います。これにつきましては先程まあ実施要領の際におきましても、工事施行済の路線と関連する街路幅員については施行部分との幅員の調整を考慮して検討するという基本方針を示したのであります。と申しますのは、これは実はまあ中心といたしましては車道としての幅員だけは必らず取れ、あとはだからこの三十六メーターのところが一部できておる。片方が二十七メーターになつたという場合におきましては、その二十七メーターというものについては、二十七メーターは必らずそのときには保有しなければならない。三十六メーター全部取れなくても、二十七メーターは必らず取らなければならない。三十六メーターは植樹地帯であるというような点は一応除いても、車道とか、歩道とかいつたようなものは一つ十分取つて交通上支障のないようにして行く。ただ町の通路としては植樹帯ができておらないというところもあると思うのです。それにいたしましても、もうあと少しやれば一角が皆できてしまうというところは、やはり十分考慮いたしましてやつて行くというつもりで今回の再検討を命じたのでございます。それからこの正直者が馬鹿を見るという点のお話、これは実はこの計画実施する場合におきまして、実は私共といたしましては非常に心配した問題でございます。そこですでにまあ事業実施しておるようなところは既存計画を尊重しろ、動かさないという方針に実は行つておるのであります。従いましてまあ非常に多く家屋が移転しておるようなところは、これは実は動かさないということにいたしております。ただ一、二軒動いておつたというようなものは、全体の数量から見れば非常に少ないものが動いておつたというところは私はあるだろうと思います。そういうところは十分にやはり今後補償して上げて、考えて上げなければいけないということを私は実は考えておるような次第でございます。それから再検討してしまつた後で、縮小されたようなところはどうするか、この点につきましては、実は私共といたしましては相当に金のかかるということは考えられると思います。これを縮小するにいたしましても、いわゆるまあ調査をもう一遍やり直す、或いはこれを区画整理組合でやらせるとかいうようなことは必要だと思います。これにつきましては実は予算要求いたしまして、正直に申上げますと、大蔵省に対しまして再検討いたしました結果つきまして、最初は一つ何とか考えて見て呉れと実は予算要求したのでございますが、今回の予算といたしましてはそれは削られたのでございます。つきましては、この戰災復興費用の中で、そういうことで非常にお困りのようなところは何とか面倒を見て上げなければならんのじやないかという工合に私共の気持としては持つておるわけでございます。荷街路路線で整備して行かなければならんというところは、先程申上げましたように、戰災復興の外の枠の重要幹線以外のものの費用で何とか跡始末を付けて行かなければならんのじやないかというふうな工合に考えております。
  19. 北條秀一

    ○北條秀一君 今の話の中で正直者は馬鹿を見たという、この都市計画をすでに実行した僅かな人達に対しては補償することを考えようという話ですが、具体的な補償はできますか。
  20. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) これは金額も恐らく少ないところだろうと思いますから、その家屋の移転といつたようなことになるだろうと思いますが、やりたいと考えでおるような次第でございます。
  21. 北條秀一

    ○北條秀一君 必ずやつて呉れるのならいいんですが、やることを考えるじや困ると思うんです。やるというふうに方針を決めておるかどうか、決まつておればいいんです。
  22. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) それはもうやるべきだと思つております。
  23. 北條秀一

    ○北條秀一君 だから建設省としては、政府としてはやるという方針を決めておるのか、あなた個人がやるというのであつて政府としては実際決めていないのじやないか。今の話では……。
  24. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) 政府と言いますか、これは大臣ということになりましよう。
  25. 北條秀一

    ○北條秀一君 それじやね。補助率の縮小について、先程地方財政の問題とシヤウプ勧告案との関連において話がありましたが、こういうふうな補助率を著しく縮小するのですから、これで以て今度の新らしい八十五の戰災都市の復興計画というものはやつて行けるという見込を立つておられますか。
  26. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) 実は先程申上げましたように、この計画を再検討いたしましたときには、都市計画税というものを大体中心にして必ずやり得るという見通しの下に実はやつたのであります。それが今回なくなつたのでございます。ただまあ全体の枠から考えて見ますれば、府県は大体とんとん、それから市町村が一応枠としては、シヤウプ勧告案におきましては殖やしております。従来都市計画税でやるならばやり得た。併しその都市計画税を含めたものが一般財源の中に入つたから、要は一般財源の方からその方面に、市町村或いは府県の方で探せるということの問題であろうと思います。今まではちやんと他の枠があつたから処置がしやすかつたというわけであろうと思います。今度はなくなつて一般の中に入つたから、それを持つて来るということなので、私共の方からも呼びかけて行かなければならないと思います。ただ先程私が簡単に触れて置きましたが、今日市町村にあります財源というものは、住民税であるとか、或いは不動産税といつたようなものであるので、不動産税といつてもバラックの小さいような住宅には相当大きな期待をかけることはできないのじやないか、その点が私共としては非常に心配である。それは起債の枠というものも市町村は殖やして行かなければないかんという要望が多いということは、先程申上げたような実情でございますが、今までのような金額をそのまま取つて行くということなら、私共それを検討いたしましたときには十分取り得たという確信を持つておつた次第であります。
  27. 北條秀一

    ○北條秀一君 今の問題に関連しまして、この地方事業は進捗しておるのに拘わらず、国庫の補助が非常に遅れるために地方が非常にその負担に苦しんだというような実情があるのですが、これは今後急速度にこれを改善するという見通しが付きましようか。
  28. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) これは実は補助金のやり方というものを四半期ごとに分けておりますので、安本の方針といたしましては、一遍に早急に出してはインフレを助長するというような意味におきまして、四半期ごとに分けておるのであります。私共といたしましては、できるだけ全般の方面にまで多く出して見たいという気持は持つておりますけれども、どうも四分の一とか何とかというように分けられるのですから……これは都市計画だけではないと思いますが、すべての事業がそうだろうと思いますが、更に政府方針として、そういうふうに決めておりますので、これ以上私の方から申上げるということはできないと思います。
  29. 北條秀一

    ○北條秀一君 他の国庫補助の問題もありますけれども、都市計画については、何と言いましても民生安定の基本ですから、慾を言えば住宅の問題、この二つの問題の国庫補助の支出は他の一般原則に従つて四年期別に分けてやるということでなしに、これは早急に年度初めに一括して全部出すくらいな計画を立てるのでなければいかんと私は考えておるのですが、更に明年度においては、本委員会にも政府は働きかけて善処されることを特にこの際希望して置きます。勿論この次大臣が出て来たときに、十分に主張を明らかにするつもりであります。  つきましてはもう一つお聞きしたいのですが、先程のシヤウプ勧告案と平衡資金との問題があるわけですが、結局これらの問題で、地方の都市復興の問題は失業救済の問題とも非常に関連を持つて来ることは当然でありますし、従つて国庫の補助率の問題と同時に、これは地方起債の枠の問題にもなつて来ると考えるのであります。従つて失業救済、或いは復興事業、すべて、が地方起債の枠の中に当初から分にこれを見込んで入れておらなければ、当然仕事はうまく行かないと考えておるのですが、どの程度までそういうふうな地方起債の枠の中に繰込んで行こうと考えておるのですか。特に昭和二十五年度予算案、この点について政府の見解を伺いたいと思います。
  30. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) この政府起債の枠の問題でございますが、実は来、年度予算がどういう工合に……一応政府方針は決まつたのでございまするが、併し連合軍の方面の御意見もありまして、どの程度に査定されるか分りませんが、それが大体決まりますれば、私共といたしましては大体の一つのプランを持ちたいと思つております。毎年各市の方に対しまして、その起債の需要量、必要量、希望量というものを一応取るのでございます。本年度も実は取つたのでございますけれども、原則といたしましては、全額起債ということになれば、半分でございますから、こつちの補助は表のものをそのまま起債の枠として要求することは簡単でございますが、併しその他に市としては単独の事業をやるという場合もございます。殊に上水道といつたようなものは、都市計画事業といたしましても、これは単独で事業をやるという場合が非常に多いのであります。そういうようなもの等も私共の方で実は調べまして各都市に対しまする要望というものを地方庁の方に突き付けておるのでございまするが、来年度の問題は、今申し上げましたように、今年度予算が確定いたしませんというと、ちよつと今その資料は出て来んだろうと思います。本年度といたしましては、大体十一億ぐらいは戰災復興の助成金になつておるのでありまするが、起債の枠といたしましては、その他非戰災都市の分も混ぜまして大体七億ぐらいを実は私共の方としては要求いたしておるのであります。その中で戰災復興が今までの……三次までの地方庁の査定案といたしましては、戰災復興に大体三億、それから非戰災都市等につきましては、その他の都市計画につきましては一応一億四千万円くらいですか、合計四億四千万円くらいになつているように記憶するのでありますが、大体七億程度要するのではないか。大体半分以上というものは起債をいたすのではなかろうかという工合に考えて参つているわけでございます。
  31. 北條秀一

    ○北條秀一君 先程赤木委員広島長崎の両特別都市の問題について質問があつたのでありますが、この前二十四年度予算を編成する際に、私は特に大臣に要請をいたしまして、広島及び長崎の両都市については特別な勘定科目を設ける必要があるということを述べたのでありますが、今回両都市については特別な法律ができ上つたのでありますが、広島長崎都市についての予算上の款項目を新らしく設定をする考えでありますかどうか。
  32. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) 先程申上げましたように、実は全部を入れたいと思つてつたのでございますけれども、取敢えずいわゆる戰災復興のものと平和都市計画のものは一つ別枠として款項目を作りたいということに要求をいたしておりまして、その点は一応今のところ認められているような情勢でございます。ただ厚生施設であるとか、河川とか、港湾とかといつたような分は、これはまだそこまでは入つておらないのでありますが、戰災復興、大体これまでに書いてある都市公共施設以前、これらは大体別枠として規定を見たのでございます。
  33. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 北條君、よろしゆうございますか。
  34. 北條秀一

    ○北條秀一君 もう少し具体的に説明して頂かないと私よく分らないのですが、都市局分等の款項目は別に起すということでありましたが、この説明書の中にはどこにそれが入つておりますか、何ページに…。
  35. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) 二ページにございますけれども、これは皆並べて書きましたけれども、例えば広島の分の協議会の項目といたしまして一覧表ができておりましよう、二枚目のところですが、……戰災復興平和記念施設、排水施設幹線街路都市公共施設とありましよう。それらを大体一括しまして、一応並べております。これは基本的なものですから、それを一応別枠として要求しております。来年度都市公共施設はございませんですが……。
  36. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) ちよつと委員長から二、三聞いて見たいと思います。北條さん、あなたの継続質問は……。
  37. 北條秀一

    ○北條秀一君 打切ります。
  38. 細川嘉六

    細川嘉六君 あなたの質問の前に私ちよつと……戰災都市復興について、平和都市を作るとか、それから各都市道路その他の建設をやるとかいうのですが、その場合に各都市において市民階級が沢山住んでいる。そういう場所にどれ程の考慮が拂われてあるのか。最近偶然私が東京都で見たのですが、戸越のあたりに行つて見ますと、水が出るというともう田圃が海になつている。非常に一般人が困つている。ああいうような方面に、どれ程の注意が拂われているのか。それから住宅の問題にしましても、相当皆が困つているのだが、一般人の生活にとつて可なり重要な点、困つておる点についてどれだけの考慮が拂われておるのか私にははつきり分らないのですが、今日の戰災都市を復興させるには理想案もある筈だが、それは今日の政治ではできないことであるが、先ず差当り一番困つておるところ、庶民が困つておるところ、それについての考慮がどう拂われておるか、私には気になるので質問するのです。
  39. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) 私共といたしましては、お話の点は実は考慮いたしておるのでございます。従来いろいろと不良住宅地ができるとかというようなところは、何とかこの機会において区画整理でやつて行きたいというように考えております。又地盤が非常に低いために、いろいろと排水がうまくないというようなところは、いわゆる排水の問題とか、或いは又ポンプを付けて排水をやらせるといつたような方面にうんと一つ全力を注いで行きたいということにいたしておりますのですが、今までの予算というものは非常に実は僅少でありましたので、なかなか御要望を満すというところまでには行かなかつたと思います。今回まあ東京の例がございましたが、あの地域にまで全般的に及ぼすということはなかなかむずかしかつたのでありますが、ただ大阪あたりにおきましては、港湾地帯が非常に沈下いたしまして非常に困つておつたというので、まあこれは殊に市長が非常な力を注いだものでありますから、いわゆる港湾地帯の場合、港区、それから大正区でございますか、あれが十メーターも海水面から下つておるという状態でございます。これを大阪港の浚渫、拡張と同時に、あの地帶を一つつて行こうと、掘上げましたところの泥を以ちまして、そうして全面的に埋立てをして、そうして区画整理を進めて行こう。こういう計画を進めておるのでございます。これにつきましても今までは戦災復興地域でありましたので、戦災復興の方で僅かばかりのものを出して、おつたのでありますが、来年度一つ特別に取上げまして、港湾地帯の整備ということで、一つ港湾局とタイアップいたしまして……。
  40. 細川嘉六

    細川嘉六君 大阪だけのことでございますか。
  41. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) ええ大阪でございます。そういう工合にして一つずつ問題を解決して行きたいというように考えておるわけでございます。
  42. 細川嘉六

    細川嘉六君 余り時間をとつてどうかと思いますが、私もよくこの問題は呑み込めていないのですが、なけなしの財政ですから、その中でも困つておるところから、これをやるべきであると思うのですが、ただ戰災都市の復興といつて主要なところ、目抜きのところだけを先に片付けられて行くというよりも、現に切実に困つておるところを先ず先きにやらなければならん。財政が不十分ならば、なるだけ尚更なさらなければならんと思うのですが、ただ、今あなたがおつしやつておられるところでは、ただ考えておられるだけで、戰災都市の復興の問題については具体的な案がないのですね。その方面にまで実際に行なつておられることもなければへその成案もないというわけですか。
  43. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) これは具体的にはというのは、東京都の具体的な問題ですか。
  44. 細川嘉六

    細川嘉六君 東京都初めその他の都市
  45. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) その他の都市につきましても、今申上げましたような、そういうような地点につきまして、大規模でやるような所は大規模的な計画一つつております。今申上げましたように、大阪あたりの所は大規模として一つつて行かなければならん。東京以外の都市につきましては、或いはポンプを据付けるとか、いろいろな方法は考えております。その計画はあります。
  46. 細川嘉六

    細川嘉六君 その計画はある。
  47. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) ええ、その計画はあります。ただ実施につきましては、金の問題がいろいろありますものですから、金を、それぞれ小規模の所は小規模で当然金を出してやるとか、大規模の所は大規模で何とか出してやらなければならん。東京都あたりになりますと、相当広汎に亘りますので、これはいわゆる都市計画として地盛りをして往く方がいいか、或いは防潮堤あたりでやつて行くのでありますが、東京都でやつて行くのがいいか、私共の方だけでなくて、河川局の方で考えているところもあります。
  48. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) よろしゆうございますか……。それではちよつと委員長から承わつて置きます。広島長崎の、これはもうすでに法律となつておるのでありますから、別に扱つて行くことは少しも異存ないことに思いますが、この復興計画の再検討した八十五の中に、広島長崎が除かれておるんですか、中に入つておるんですか。
  49. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) これは入つております。
  50. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 入つておる。そうしますと、その事業費の再検討した中の、三百三十二億ですか、その中にあなた方の計画された二十五ケ年計画の分がやはり包含されておるんですか。
  51. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) はい、さようでございます。
  52. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それと二十五年度戰災復興広島には八億六千五百万円、それから長崎は一億七千万円ですか、これらもやはり一緒になつておるんですね。今年の予算に……。
  53. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) いや、その点はこれから取りましてやつております。それで大体今度取りましたのは広島長崎の分と、大阪の港湾地帶の分、それで三百三十二億の中に皆人づておるんです。これを別個の予算に立てまして、そうすると、それを取つた外のところは大体二百八十数億円という金額なつとおります。それで要求いたしております。
  54. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) もう一つお尋ねいたして置きたいのは、先程北條君からもお話がありましたが、道路幅員なぞ、最初の計画通り実施されるつもりで退いておる人と、そのときはそのときと、無暗に先へ出て、そうして店舗を設けたりしておる、そういうものが今道路幅員を減したために、たまたまその先へ出ておつた奴は仕合せして、後ろに下つた奴は馬鹿を見ておると、こういうことになつておる。そういう実例を我々は沢山見ておるのです。それを北條君が取上げられて、正直者は馬鹿を見るということを言われたんだろうと思いますが、私共はその点について、先程の御説明では一応理解はできるけれどもそれは理屈の上ではそうなるけれども、実際はそれは容易ならん問題である。そういう点について、この幅員減少せられることは非常に考慮して頂かんというと、各都市において非常な違いがあるだろうと思いますけれども、殊に今除かれた都市なぞについては、中にはやはりそういうものがありはしないか、こう思います。ついてはこの三十を除かれて、これはすべて、小都市が除かれておりますが、除かれているのは、ただあなた方の計画の線で除かれておるんですか。
  55. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) これはもうすでに今年除きましてやつております。要望はございます。入れて呉れという要望はございます。併しもう済んでおる所もあるんですから、私共はやはりこれはやらない、戰災復興予算ではやらないということにいたしております。
  56. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 同時に 戰災復興でも、そうして除いて行くんですから、既定計画の非戰災地の中の計画ですね。余り世話焼き過ぎて、除くような計画は立つておりますが、戰災地ですら、こうやつて我慢させるんですから、況んや今までの計画の分は、すでに決まつておるから、その通り実行して行く、国の厄介をなくして行くというような点は、その点も考慮すべきじやないか。
  57. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) ただ、今までの分は、半分は事業実施しておる、この戰災復興にいたしましても、先程申上げましたように、事業実施しておるところは、できるだけ厳重に、今申上げたように、正直者が馬鹿を見るということがありますものですから、それをできるだけやるという方針で実は当つたのです。ただ一軒や二軒とか、少数のものがあるんじやなかろうかという点を実は虞れておるんでございますが、非戰災都市につきましても、戰災都市のやつは大体は今までは手を着けている所が多いと思います。そういうところを又ここでごたごたして行くことは如何かと思います。ただ新たに戰災災都市につきましてやつて行くということにつきましては、余程範囲を拡げて行くよりは、私はもうすでに手を着けたものを何とか早く終熄させるように一つやりたいという気持を持つているのです。余りばら撒き主義的なことはやりたくないという気持は実は持つております。
  58. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 既定計画を変えるということは、これは非常な迷惑を與えるのだから成るべくやりたくはない。我々はやはり初めの通り計画で押して行つた方がいいと思いますけれども、ただ戦災都市について余り費用を切下げてあるというところから、私はさように言うのでありますけれども、もともと我々はそういう方針で、いい加減で止めてしまうという意思は持つていない。ただ戦災都市との比較上、既定の部分はそれでやつて行くということのないようにして行かなければならん。かような考えから申し上げているのですが……、それからもう一つ、積極的に住宅などのできないのは全く区画整理ができないからで、そのために全国を画一的に五ケ年計画にするということは、これはどうだろうか。早くできる所は三年でも四年でもいいだろうし、遅い所は五年や十年、六年、七年かかつたつで差支えない。それを無理に五年の枠に嵌めるということは余りに画一的に囚われているのじやないか、かように考えております。その点一つ……。
  59. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) お話の点は御尤もなんでございまして、私共といたしましても、先程も申上げましたように、事業の早く進むような所は早く一つつてしまいたいという気持を持つております。従いまして恐らく東京とか、大都市あたりにつきましては、本当に先程申上げましたように、五年後にも漸次やつて行かなければならん所が相当にあると思います。ただそうかと言つて、五ケ年間でどの程度できるのだという一つの見通しを付けなければ私はいかんと思う。少くとも現在手の着いている所、又直ぐ今区画整理の発展をするというような所、ここらを一つどの程度に切つて五ケ年間にやつてしまうかという見通しは付けなければいかん。私はその意味におきましても重点的にやつて行きたいと思います。もうあと少しかければいいという所は、来年度ぐらいで何とかやつてつて行きたい。今年八十五になりまするけれども、来年に行つて又或る一定の金を注ぎ込んで、その中から十五なり二十落して行こう、五ケ年後になつたら、あとは大都市ぐらいしか残らん程度という所まで持つて行きたいという気持を実は持つております。
  60. 久松定武

    ○久松定武君 都市計画につきまして常に問題になるのは農地との関係ですが、今以て尚この点につきまして法律的の根拠がなかなかない。常に農地と都市計画において衝突する。そうして都市計画を変えざるを得ないというような場合が往々あります。只今はどういうような方法でこれを解決しておられますか。その点をお伺いしたい。
  61. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) 農地との関係につきましては、自作農創設特別措置法が出まして、相当に各地方において混乱を起したことは御指摘の通りであります。その後私共農林省当局と連合軍関係方面とも十分に打合せを遂げまして、すでにもう知事が除外してしまつたという所は、これはもう問題はございません。自作農から除外いたしましてやつたことは問題ございません。それからこれを自作農として設定をして参るか、或いは農地として設定して参るかというようなものを決めるというような場合におきましては、従来は都市計画として公園なり或いは運動場として決定しておつたのに、あとに自作農が来て、自作農の農地委員会で勝手に決めるというようなことではいけないのじやないか、そこでいわゆる混合委員会と言いますか、除外について両者が集まつて一つ委員会を作りまして、そこでいろいろ議論を戰わして、そうして決めて知事の裁量を仰ぐという方法を取つているのです。今一つは、そういうことによりまして、五ケ年間の保留地というものを一応編み出して、五ケ年間の推移を見る。五ケ年間で農地化するところは農地化して行く、公用地として公用地を取るというように、五ケ年間においてはどうしてもならないというところは自作農の範囲に入れて置くというように、五ケ年保留地を設定するというような方法によりまして処置をいたしておるのであります。漸次なくなつておりますが、荷多少の残津があると思います。
  62. 原口忠次郎

    原口忠次郎君 広島長崎の新予算で組まれたその組み方が、本年度広島長崎予算と比較して増減が非常に沢山殖えるのですか、それとも大した関係がないのですか。
  63. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) この予算要求でありますか、決定したものでありますか。
  64. 原口忠次郎

    原口忠次郎君 要求と言いますか、そういう方面でもよろしいです。
  65. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) 要求はこれは相当に殖えております。御承知通りに十数億になつております。併し今回大蔵省あたりで認めましたような、安本あたりで作成いたしました金額は非常に少くなつております。せいぜい戰災復興と、それから平和公園、それから記念館的なものの一部、それから幹線街路というようなもので非常に僅少なものであります。それで前年度との比較とおつしやいましても、ちよつと比較にはならんだろうと思います。今年の予算が幾ら全体で認められるかということになりますので、ちよつと今御質問になりましても、どういうことになるか、ちよつとまだはつきりした数字が決まらんものですから……尚一般の戰災の復興の費用が今與えられておりまするものを予想して参りますれば、まあ或る程度それは多いということは言えるだろうと思いますけれども、併しこれは先程申上げましたように、戰災復興あたりも、できるだけ外の都市よりも何とか早くやりたいという気持は私共は多分に持つておるのであります。
  66. 原口忠次郎

    原口忠次郎君 私の質問しておる趣旨は、広島長崎の特別の法律が出ましたときに私共は大体賛成したのでありますけれども、広島長崎は特殊な関係上、こういう名前が付いておる。併し大体の費用相当に集まつているのです。外国からも非常に資金が来ておる、こういう話を聞いたのです。私が質問しておる趣旨は、長崎広島が特別に取扱われて復興が早くでき、平和都市ができ、文化都市ができるということは結構だと思います。結構だと思いますが、都市計画事業の一般の費用が大体枠が決まつておるのじやないかと思います。そうしますと、特に長崎広島が外の方から予算が増額されるなら心配はないのですが、ここに大体の戰災都市復興事業費が幾らというふうに枠が決まつてしまう、その中から広島長崎だけにこういう法律があるから、特に金を配分して行く、そうして残つた金が全国都市に配分される、その結果は長崎広島は非常に結構なことなんですけれども、外の戰災都市が却つて遅れる結果になるのです。そういうふうな心配がちよつとするのです。そういう点はどうなんですか。
  67. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) その点は先程申上げましたように、実は別枠にしてしまつたのです。
  68. 原口忠次郎

    原口忠次郎君 別枠とおつしやいましても、戰災復興、項目が違つても、例えば公共事業費が幾らというように頭が決まつておる。河川費が幾らか、道路費が幾らか段々取つて来まして、都市に使う費用は全体で幾らと、決まつてしまうと、特に広島長崎という項目があるから取られる。全国都市に、それに使われるべき予算が減つて来るというような傾向があつては私は非常に困るのではないかと、こう思いますので、例えばこの項目を見ましても、同じような、外のこれと同じような項目になつて来て、だから似かこの特殊な予算の立て方をやられないと、外の都市が、それができたために却つて予算縮小される。こういう心配がありはしないかということを、全体論で空漠とした考えですから、そういうことのないように、広島長崎が立派な都市になることは非常に結構だと思います。併しそれがためにこの二つ都市が立派になるために、外の都市に與えらるべき予算が少しでも少くなるということは、私は全国の戰災都市として堪えられないと思います。そういうふうに思うのです。そういう点のないように特に法意をして頂きたいと思います。
  69. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私の先に申しましたことは、今原口委員のおつしやつたのと全く同意見です。この二つ都市は外国から金を出して呉れる。殆んど日本は出さなくてもよい。そういう市長を初め知事さんの要望があつたんですが、ですから一般戰災復興費が特に両都市重点的に行くということは、非常に我々は考え得られないことです。それがために一般都市が今よりも薄くなるということは、これはあり得ないと、こう思いますので、今までの復興費は、或いは外国から資金が来るならば、むしろ長崎広島は今までよりも金は安くてもいい。こつちが出す場合はそういうふうに考えておるのです。その点からして、この新らしく改正された法文に対して各都市にどういう、どうなさるか、その詳しい表を欲しいと思います。尚五ケ年計画ではどうか、五ケ年計画には変りがあるかどうか知りませんが、一応の目安としてこういう案を持つておるとか、そういうふうのことを我々審議上文今後の参考上、各都市に対する、或いは街路河川、水道、ガス、鉄道云々とありますが、この都市の復興はこう、あの都市の復興はこうという具体的な表を欲しいと思います。それを特に要望して置きます。
  70. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それから自分も今のに関連して……この両都市施設に全然原口君と同じ考えを持つておるので、ただその戰災した、私も戰災都市の一員ですが戰災都市としては、広島長崎と同じくらいの考えを持つておる。原子爆弾で焼けた、焼夷弾で焼けた。焼けたものにおいては少しも彼らは差別しておらん。非常にこの都市を、二つ特別に扱われるのは、他の都市にしても政府がもつと戰災復興について熱がなければならん。殊に府県の知事、地方長官あたりどんどん熱が冷めて、焼けた都市に対して別もの扱いにし、これは政府がやるんだ、我々は関係せんでもよい。差当り非常な激務に追われでおるから、その方に……供出の問題であるとか、当面の問題にばかり奔走して、戰災復興に対しては各地とも熱がない。これがために戰災都市の市長は非常に困つておる。この点特に政府も熱を入れられ、戰災復興に対しては、もう少し当時の熱を薄がらせないように、非常に気の毒だと思つて、総理大臣が施政方針の中に折り込んだけれども、この頃になつて見ると実際はそうはなつていない。燒けたものは燒け損になつておる。殊に三十六都市なんか除けものにされておる。その扱いがすでにそうなつておるということを言つても差支えないと思つておる。その点を政府当局においては、当時の事情を頭に入れて、戰災都市において広島長崎におけると同様の熱意を以てやつて頂きたい。それを私は強調したい。それからもう一つは、この戦災都市復興に対しては各官庁はやはり協同して行かなければならない。一例を申上げますと、逓信省は今は電気通信省ですが、電柱の問題などは別々に各庁が働いておるが、ひとり建設省のものだけで行くということのないようにして頂きたいと思います。やはり元の通りに電柱を立てて、そうして以前と同じような状態の都市を再建して行く。こういうような点も、各事序が連絡を取つて建設をして行くというふうに協力されるような方法を取るべきではないかと思うのです。どうかその点について……。
  71. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) 只今委員長から非常に心強い御激励のお言葉を頂きまして、私その事務を担当いたしておりますのですが、誠に感謝に堪えない次第でありまして、今回できたこの案を再検討いたしますにつきましては、誠に悲壯な決意を以て行なつた次第であります。戰災都市八十五都市はできるだけ既存計画というものをやつて行きたい。今日ここに至りましたにつきましては、市御当局関係方面に対しまして、いろいろと手を変え品を変え、そうして努力して今日に至つたものを、更にここに再検討という点を我々は指示しなければならないということになりましたことは、国家の財政の都合上止むを得ないとは申しながら、その局に当りますものといたしましては誠に悲痛な決意と覚悟を以て実は対処いたした次第であります。先程附帯決議にもございますがごとくに、やつた以上は一つ確実に実施するということにつきましては、私共は背水の陣を布いたつもりで今回の予算に当つたつもりであります。幸にいたしまして或る程度の御同情を頂いたのでございますが、併しながら今後我々は、先程委員長にもお願いいたして置いたのでありますが、それだけの費用だけでは十分ではございません。まだはつきりと分つておらない問題は、失業対策の三十億の費用でございますが、私共は公共事業全般に対する大きな失業対策にはなるだろうと思いますが、特に今回の配分等につきましては、やはり農山村方面には相当の金が廻るのじやないかと思います。併し失業者の立場から考えれば、相当都市ということに重点を農かなければならんと思つておりますので、この失業対策の三十億の配分等につきましては、十分に一つ戰災復興方面に強力に働いて頂かなければならないと思つておるのでございますので、これの獲得につきまして特に一つ皆様方の御同情と御支援をお願いしたいということを、この機会にお願い申上げた次第であります。尚この各官庁との連絡の問題でございまするが、今まで私共の至らない点が多々ございますので、只今のお言葉を頂門の一針と考えまして、今後気を付けて行きたいと思つております。
  72. 北條秀一

    ○北條秀一君 今日のプログラムは済んだようでございますが、私今日の予定された議案の中ではありませんが、この際都市局長及び次長にお願いしたいことがあるのです。それは先の第五国会におきまして、我々は屋外広告物法を作つたのでありますが、その後各府県におきましては、広告條例を可なり出しているのです。ところがその條例が我々が狙つておつたところの屋外広告物法の本質を可なり逸脱したものがあるのじやないか、こうした懸念がするのですが、そこで各府県で出したところの広告條例の資料があなたの方に全都集まつている、と思いますから、至急そういうものをこの委員会に提出して頂きたいというお願いなんですが、特に委員長においてさようにお取計らい頂きたいと思います。
  73. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それを決議しておるところのを全部……。
  74. 八嶋三郎

    説明員八嶋三郎君) まだ全部議決しておらないところもあります。議決したところは私の方で取つておりますけれども、まだお配りするまでには……いずれ揃いましたらお手許に差上げることにいたします。
  75. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それではこれで散会いたします。    午後零時四十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     石坂 豊一君    理事            原口忠次郎君            仲子  隆君    委員            赤木 正雄君            安部  定君            久松 定武君            北條 秀一君            細川 嘉六君   説明員    建設事務官    (都市局長)  八嶋 三郎君