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1949-11-16 第6回国会 参議院 決算委員会第二分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十六日(水曜日)    午後一時三十二分開会   ————————————— 十月二十八日(金曜日)決算委員長に おいて左の通り分科担当委員を選定し た。            中平常太郎君            姫井 伊介君            荒井 八郎君            草葉 隆圓君            西山 龜七君            森田 豊壽君           池田七郎兵衞君            竹中 七郎君            谷口弥三郎君            安部  定君            柏木 庫治君            來馬 琢道君            結城 安次君 十一月十日(木曜日)正副主査互選の 結果左の通り決定した。    主査      中平常太郎君    副主査     來馬 琢道君   —————————————   委員の異動 十一月十五日(火曜日)委員池田七郎 兵衞決算委員辞任につき、その補欠 として尾形六郎兵衞決算委員長にお いて選定した。   —————————————   本日の会議に付した事件昭和二十二年度一般会計歳入歳出決  算及び昭和二十二年度特別会計歳入  歳出決算内閣公団関係を含む)  及び文部省に関する事項)   —————————————
  2. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) それではこれより開会いたします。本日は残つております出資団体二項目でございますが、それが三百八十一号、三百八十二号でございます。それが済みましたら内閣の中の、四十六号に帰りまして審議いたします。説明員といたしまして食糧庁総務部監査課長高橋清君、それから経済安定本部会計課長鎌田庄太郎君が見えております。会計検査院といたしましては池田第一局長小林第二局長が見えております。それで説明員といたしましてこの課長説明して頂くことについて、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) それでは説明して貰うことにいたします。ついては会計検査院の方から、先ず御指摘なつた点につきまして御説明を願います。第三百八十一、第三百八十二この二つを御説明願います。
  4. 池田直

    説明員池田直君) 三百八十一号の価格調整公団関係につきまして御説明申上げます。公団は前にも御説明申上げました通りに、公団経費人件費事務費、これらのものは国からその財源として受入れられます国庫交付金、これから支弁することになつているわけなんであります。ところが価格調整公団の二十二事業年度におきましては、この一般経費から支弁しなければなりません事務費の中に六百五十八万三千六百九十六円、これだけが結局国庫交付金の額を超過しまして出しました関係で、一般経費の方の決算ができないことになりまして、これを仮拂金として計上して次期で処理することにいたしましたような次第でございます。これは申すまでもなく価格調整公団定款の第二十四條の規定に違反しておりますので、会計検査院としてはこれはよろしくないということで、価格調整公団昭和二十二年事業年度決算承認に当りまして、不当事項として指摘いたしました次第でございます。  それから第二の旅費及び消耗品などといたしまして、八十五万八千五百円を昭和二十二事業年度価格調整公団経費から出しておられますが、これは実際は旅費及び消耗品として使用された金ではございませんで、共済組合消費組合職員組合文化部、これらのものの経費に充当するために、補助金として実際は使つておられる金ございます。この内訳を申上げますと、共済組合の分が五十万円、消費組合の分が二十三万八千円、職員組合文化部に対しまする分が十二万五百円、合せまして八十五万八千五百円ということになつておりまして、こうして虚構の証明をいたしまして決算をされましたことは、甚だ遺憾に存ずる次第でございます。これも第一点の点と同様に決算承認に当りまして、不幸事項として指摘いたしました次第でございます。先ず三百八十一号を御説明申上げました。  次に三百八十二の食糧配合公団案件でございますが、第一点の未収入金に関することでございます。千葉県の支局で六十三万四千二百四十四円が二十二事業年度未収入金ということに整理されておりますが、実際未収入金になりました原因を調ベて見ますと、これは千葉支局管下の、成田支所管下酒々井という代位配給所がございまして、その酒々井代位配給所職員の一人が営団当時の営団売上金使い込まれたわけでございまして、その金額が百二十四万七千七百十八円ということになつております。その埋めのために、営団当時の使い込み金額穴埋めといたしまして、公団になりましてからの売上金の中から転用いたしました関係で、今丁度ここに現われておりまする六十三万四千二百四十四円の未収金が出て来たような次第でございまして、公団収入金営団当時穴埋め使用したということは、甚だ遺憾に存じます次第でございまして、食糧配給公団決算承認に当りまして、不当事項として指摘した次第でございます。尚これはその後回収済みになりましたことを附け加えて御説明して置きます。それから第二の藷類局とそれから藷類局地方支局におきまして、国庫交付金財源といたします一般経費予算残額八百九十八万五千三百四十三万円、このうちには剰余金として国に納付すべきことになつておるわけでありますが、これを国へ納付いたしませんで、そのまま留保しておつた次第でございまして、これは決算整理適当でないとこう考える次第でございます。先程申上げましたように、人件費事務費これらのものは国から交付を受けました国庫交付金範囲内において、支弁されるものでございまして、国庫交付金財源、それが受けました額が結局余りましたら、これは国にそつくりそのまま返すという、こういうふうな建前になつておるわけでございます。それを返さないで、そのまま留保しておられたわけで、決算処理に当りまして適当でないという次第でございます。  それから第三の職員給料、その他の諸給與でございますが、家族手当超過勤務手当、その他の給與でございます。これは食糧配給公団定款の第二十六條の規定によりまして、国庫交付金財源とする一般経費、これから支弁しなければならないのに大阪府外五支局では、これらの職員給料等百二十二万円余り事業費から支弁しておられるわけでございまして、これもやはり食糧配給公団昭和二十二事業年度決算が適当でないと、こう考えるのでありまして、同公団決算処理に当りまして、不当事項といたしまして、私共検査院といたしましては、処理いたした次第であります。  簡單でございますが説明といたします。
  5. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 右につきまして、第三百八十一に対する政府当局説明をお伺いいたします。物価庁ですか、経済安定本部ですか。
  6. 鎌田正太郎

  7. 中平常太郎

  8. 鎌田正太郎

    説明員鎌田正太郎君) 三百八十一の事項につきましてお答えいたします。仮拂金六百五十八万三千六百九十六円九十六銭につきまして、本件につきましてはお手許に差上げてございます二十二年度歳入歳出決算報告に関し国会に対する説明書、その中で事情は申上げた通りでありますが、二十三年度予算につきまして、交付金制度の実施前の該査定予算超過額を計上いたしまして、前期において三百四十二万八千六百九十六円九十六銭、後期におきまして三百十五万五千円を本拂としてすでに支拂済でございます。  二の経費支出の、共済組合消費組合等に対する補助金についてお答え申上げます。この件につきましては設立当時の悪條件下において、最小限度措置として止むを得ざるものと言い訳がましいことを言えば言えますけれども、併しこれは誠に支出方法等につきましては、すでに説明書においても御説明申上げてあります通り、支拂金を以てその目的以外に流用したものであつて、誠に申訳ないことであります。従いまして、今後かかることのなきよう警戒を與えまして、嚴重なる取締を促しております。これにつきましてもう少し詳しく御説明申上げますと、大体この共済組合消費組合等補助といたしまして、八十五万八千五百円というものを支出いたしておりますが、大体この価格調整公団の大多数というものは、公団の前身でありましたいろいろな統制団体から引継ぎましたもので、又公団そのもの專ら業界を代表する企業体で、而も臨時的な機構である関係上、職員給與とか、福利施設等につきましては、官庁職員と同一に律することは適当ではなく、むしろ一般業界のそれについて考慮する必要がある等の見地から、当事者は苦慮して参つたところでございまして、而して福利施設としては一般に行われております各種物的支給現物支給ということは、当公団としては妥当と認めにくいのでありますが、共済組合或いは消費組合職員文化施設に対する若干の補助のようなものは、設立当時の各種の悪條件におきましては、職員執務意欲事務能率の向上を図るための最小限度措置と考えられた次第でございます。ところが二十二年の十一月になりまして、国庫交付金制度が実施せられましたので、右の補助費を含むところの経費予算案を大蔵省に提出いたしましたが、容易に査定が捗りません。併しながら、組合設立等の準備は、非常に整理が早く整いまして、職員組合の方からも非常に切実な要求が起りまして、一面交付金科目区分旅費事務費のみであつて、別段の財源がなく、従つて交付金範囲内において経費を節約して支出することは、別段差支ないものと考えたものですから十二月一日に支出しました。さうして支出科目については、当時といたしては、はつきりいたしませんので、一時的措置といたしまして、旅費事務費として八十五万八千五百円、内訳を申上げますと、共済組合の分が五十万円、消費組合二十三万八千円、文化施設補助が十二万円、以上のように合計八十五万八千五百円の支出をいたしましたが、これが支出は必要止むを得ず、且つ又一応今申上げましたようなことで、別段支障がないとは考えましたが、その支出方法については非常に遺憾に存じまして、今後かかることのないように嚴重注意をいたす次第でございます。
  9. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 右に対しまして、御質疑がございますれば……、別段御質問ございませんか。  それでは次の三百八十二に対する政府の弁明を説明願います。これは食糧庁高橋課長
  10. 高橋清治郎

    説明員高橋清君) 御説明を申上げます。この御質問の部分はお手許にございます資料の、百三十三頁の三百八十二に、書いてございます。先程会計検査院からも御説明がありましたように、第一番の問題は会計検査を受けました当時に、丁度酒々井という代位配給所職員不正事件がございまして、それに絡みましてこの問題が生じたのでございますが、この問題が生ずると共に、政府は直ちに閉鎖機関処理委員会に対しまして、誤つて拂込みましたものの返還の請求をいたしまして、先程検査院からも御説明がありましたように、昭和二十四年の五月に第一銀行小切手で、全部返還を受けて現在回收になつておりますので、御了承を願いたいと思います。併しながら非常に御迷惑をかけまして、誠に相済まんことだと考えております。  第二の問題でございますが、本件食糧公団発足をいたしまして早々のことでございましたので、いろいろ事務に慣れませんので、こういう不始末な形をとりまして……、俸給その他のものの決定をいたしますと共に、残金の整理をいたしまして、国庫に二十三年度に余つております正当支出でないものを、国庫に返納をいたしましたから御了承を願います。併し、これも同様に、慣れないとは申しましても、使用よろしきを得ないものでありますので、嚴重に通達をいたし、呼びつけてお話をいたしましたので、御了承を願いたいと思います。  第三の問題でございますが、これは食糧公団発足をいたしました当時に、定員等関係がはつきりいたしません。又決りましても非常に僅かでございましたのを、食糧公団がともかく官庁会計になりましたために、いろいろと差繰り等がよく分らなかつたので、こういう疑問を生じたのでございますが、ここにも御回答申しておりますように、荷役だとか、或いはその他の雑役をいたすような人々に事業費で出して参つたのでございますが、これらの問題は定員等関係がございますので、定員改訂を願いまして、それによりまして整理をいたして参りました。今後そういうことのないようにお話合をいたしておりますので、御了承を願いたいと思います。簡單でございますが、御説明申上げます。
  11. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 右につきまして御質疑ありますれば……、御質疑もないようでございます。  それでは次に、会計検査院指摘事項の第四十六、前へ戻りまして一つ残つておりました、四十六を討議します。「予算使用当を得ないもの」という四十六、右につきまして会計検査院の御説明を願います。
  12. 池田直

    説明員池田直君) 第四十六の「予算使用当を得ないもの」といたしまして掲げてある案件につきまして、御説明申上げます。  本件は、商工省管下商工局石炭増産報奨金といたしまして、昭和二十二年度におきまして支出いたされました案件でございますが、この石炭増産報奨金につきまして、簡單に御説明申上げますれば、丁度昭和二十一年の秋におきまして、閣議決定に基きまして、石炭増産緊急対策を講ぜられまして各炭鉱に対しまして、一定の基準を超えて出炭しました石炭に対しましては、トン当り三十五円乃至六十円、この奨励金を二十一年の十二月から二十二年の三月に亘りまして、増産されました石炭に対しまして、政府の方で奨励金交付されました次第でございます。その金が丁度二十一年度予算で申しますと、予算額が六千二百五十九万円ございました次第でございます。それに対しまして二十一年度におきまして使用いたされました金が、三千二百三十四万円ということになりまして残額の三千二十五万円、これは二十二年度使用するために繰越されたわけでございます。ところが先程申しました、二十一年の十二月から二十二年の三月までに増産されましたために、二十二年度になりまして、これは報告その他がまとまりました関係で、はつきりしましたのでございますが、意外に金が沢山要ることになつたわけでございます。従いまして二十一年度に、石炭増産対策のための報奨金として、予算を積算されました金が、結局足りなかつたことに相成つた次第であります。その足りなかつた金が、丁度ここに書いてありまするところの一千四百二十六万一千円ということになつております。そこでこの足りなかつた分の金の支弁科目でありますが、会計検査院といたしましては、この石炭増産報奨金、二十一年の秋の閣議決定に基きまして実施されました緊急対策によりまするこの報奨金は、ここで費目としまして、価格調整費から出ていることになりますわけでありますが、価格調整費では出すべき金ではない、価格調整費石炭で申しますれば、当時でございますれば日本石炭、その後は配炭公団なつたわけでございまするが、日本石炭なり配炭公団石炭生産業者から買取ります価格と、それから政府が適正と認められます生産費との差額を補填するために、予算に計上されました経費でございまして、ここに掲げておりまする石炭増産報奨金、それを二十二年度価格調整費から支出したのは予算使用として妥当でない、こう考える次第でございます。二十一年の秋の緊急対策によりまして必要としまする石炭増産のための報奨金は、二十二年度に余儀なく生産その他の関係から繰越されて、その金が仮に不足であつたような場合には、たまたま価格調整費予算に二十二年度余裕があるからと言つて、それから使うということは予算当初の積算の目的に合致しませんので、予算使用が適当でない。やはりこの金は必要な経費でありますれば、予備費から、このために特に予備金支出をして報奨金に使うなり、或いは別途追加予算を要求して、この報奨金のための不足経費を賄う。こうするのが予算の執行上当然採るべき筋合いのものである。こう考えまして二十一年の秋の石炭増産のための報奨金を、二十二年度予算価格調整費から出したのは適当でない。こういうふうに考えまして、政府予算使用はよろしきを得ないと御指摘いたしたような次第であります。
  13. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 更に政府物価庁庶務課長より……。
  14. 石渡愼五郎

    説明員石渡愼五郎君) 決算参照昭和二十二年度歳入歳出決算検査報告に関し国会に対する説明書なる文書で一応回答を申上げてございますが、支出経費につきましては御指摘通りでございます。昭和二十二年度内閣所管価格調整費の当初予算百億円は石炭、鉄鋼、肥料及び主要食品等価格調整に必要な経費として計上せられたものであります。石炭増産報奨金価格調整費と相関連すると認めました理由もそこに書いてございますが、当時石炭価格政策上における炭価は原価計算主義を採用し、適正生産費配炭公団石炭買価格との差は補償する方針であつた。その場合に若し政府炭鉱増産対策のために、奨励金交付刺戟的措置を採れば、増産のため原価は当然低位に收まり配炭公団石炭買価格との差は、この措置を採らない場合より少額となる。従つて炭鉱の損失に対して補給する政府補給金はそれだけ減額される。換言すれば石炭増産対策のために奨励金交付することは、本来の価格調整目的に適合するのである。よつて昭和二十一年度商工省において実施した石炭増産報奨金は、前記の目的数量確保のために行なつたのである。昭和二十二年度より、従来客省に計上せられた価格調整目的とする補給金は一括して総理庁所管として、価格調整費として百億円計上せられ、物価庁がその実行に当つたが、当初予算に見込まれた百億円は、当時物価改訂が未だ確定せず、昭和二十二年度としての価格調整費所要額が正確に算出できなかつたので、暫定的に一応の枠として決定したものである。以上の事情によつて、右の百億円の予算から石炭増産奨励金交付したのは価格調整費の運用として妥当と思われるものである。以上が書いてございます。
  15. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 会計検査院指摘に対しまして物価庁の方では、当然な措置である、そういう場合において奨励費を出すことは価格調整費を少くする所以であるから同じ目的に合致する、こういうふうに妥当だと言つておられるのでございます。右につきまして御質疑等がございましたらどうぞ。
  16. 來馬琢道

    來馬琢道君 只今の妥当と思われるという御説明は、会計検査院の方では反駁されるのですか。
  17. 池田直

    説明員池田直君) 只今政府の方では、増産奨励金を出しますと結局生産費の低下を来して価格調整本来の目的に副う、従つて二十一年度石炭増産緊急対策のための報奨金を二十二年度価格調整費で出してもちよつとも差支ないというような大体の御趣旨のように拜聽いたしましたが、只今価格調整のための経費、御説明にありましたその予算でございますが、それもやはり昭和二十一年度におきまして価格調整補給金として商工省にあつたような次第でございまして、二十一年度のその価格調整補給金でございますが、これは翌年度に二十一年度から繰越されましたのが二億九千九百万円、これを二十二年度におきましては予算の建て方が変りました関係上、内閣所管価格調整費では、その中でやはり九十六億を二十二年度の元の予算に附加えまして、前年度からの繰越として二億九千九百万円、それだけを合せて価格調整費としてお使いになつているわけでございますが、そうした大体の施策をやつておられる一方には、先程御説明申上げましたように、石炭増産緊急対策といたしまして二十一年の秋に、予算科目から申上げますれば二十一年度歳出臨時部第一款の一般費商工省関係でございますが、その中の第六項でございます。石炭増産対策諸費という項の中の目にございます。本件石炭増産奨励金予算が六千二百五十九万円ございましたわけでございます。それを二十一年度で三千二百三十四円使われまして、翌年度繰越されましたあとの残額、三千二十五万円は、二十二年度におきましては予算の建て方が変りました関係で、商工省所管石炭庁、この中の、部で申しますと産業経済費、それから款で申しますと商工業費、項で申しますと石炭増産対策費、この目で報償費というのがございますが、それに前年度からの繰越三千二十五万円として掲げられまして、これをそつくり使われたわけでございまして、当初から二十一年度、二十二年度を通じまして、予算の建て方がやはり価格調整費本来の予算と、二十一年度石炭増産緊急施策のための補償金関係経費予算とは、当初から取扱を異にしておられますし、本件只今問題になつております千四百万円の金は、もともと二十一年度石炭増産緊急施策のための経費でございまして、二十二年度の大体の石炭関係予算の中から、二十一年度石炭増産のための経費を、余裕があるからと言つて使われるということは、やはり予算編成当初の目的に合致していないと、こう考える次第でございまして、政府の方の御説明は私共納得できない次第でございます。
  18. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 右につきまして御質疑はございませんか。  それでは次に移りまして、文部省に移ります。文部省会計検査院指摘事項の中の第二百五十号でございます。文部省会計課長寺中作雄氏が見えております。それでは会計検査院の御説明を願います。
  19. 小林義男

    説明員小林義男君) 二百五十号は「経費年度区分をみだつたもの」というのでございまして、文部省昭和二十三年二月の東北大学医学部附属医院鳴子分院診療室というのを百二十四万四千円で請負で契約いたしました。そうして二十二年中、二十三年三月三十一日までにはできませんでしたのに、それが完成されたものとして、当時年度末においては出来高は平均四四%でありまして、できませんでしたのに、年度内にできたものとして二十二年度予算から代金支出したのはよろしくないという案件でございます。
  20. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 続いて二百五十一号も、問題も余り大きくありませんし、一緒に付議いたしましてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) それでは二百五十一号を御説明願います。
  22. 小林義男

    説明員小林義男君) 二百五十一号「予算外工事を施行したもの」、昭和二十一年の十月の東北大学金属材料研究所低温充填室増築という工事を請負わせました。それから二十二年の二月に、これもやはり二十一年度でありますが、法文学部教室増築という工事を請負わしたのでありますが、二十一年度には予算がありませんでした。その代金は二十二年の十月及び十二月になつて八十万八千四百十八円を支出したというのであります。予算がないのに工事をしたという案件でありまして、会計法に違反しておるという問題でございます。
  23. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 右につきまして、文部省の御説明を願います。
  24. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 御説明申上げます。二百五十号の東北大学医学部附属医院鳴子分院診療室新営工事の問題でございますが、契約当時は非常に積雪量が少くて工事は順調に進んでおつたのでありますが、そうして年度内に竣工するという見込があつたのでありますが、その後急に降雪量が増して参りまして、現場の除雪等臨機の処置を講じて極力竣工を督励いたしましたが、本年度は例年に比して非常に温かかつたために雪が融けるのが早くて、その上降雨が非常に多いために工事が遅れまして、そのことは甚だ遺憾でありますので、将来十分注意いたしたいと思います。その工事は結局二十三年の五月二十五日に完成をいたしておりまして、少し年度を外れて完成した次第でございますが、責任者に対しましては十分注意をいたした次第でございます。  それから二百五十一号の問題でございますが、これは東北大学金属材料研究所、それから法文学部教室、これが戰災のために焼失をいたしました。その焼失面積は七千四百坪に亘つた次第であります。何しろ授業のことでございますので、二十二年早々講義を始めなければならないということで非常に急いでおりまして、一方に予算的な措置を講ずるために大蔵省と交渉を続けながら、又事態の緊急なのに鑑みまして、緊急に建物の復旧を急いだ次第であります。そのために予算外工事を施行したというような関係になつたのでありますが、授業を放置することはできないというような差迫つた理由もありましたので、これは非常に遺憾でありますが、その当時といたしましては止むを得なかつたという事情もあるのでありまして、将来十分注意いたしますように、責任者注意処分をいたした次第であります。
  25. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 右二件につきまして御質疑を願います。
  26. 來馬琢道

    來馬琢道君 只今政府の弁明でありますが、こういう場合に合法的に緊急措置をする規定はどこにか設けてあるのでありますか、又それを怠つたのですか、知つていながら犯したのですか。
  27. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) その場合としましては、やはり正式に予算をとつて、緊急に補正予算なり追加予算なりをとりましてやるということが、正しい方法であることは当然なのでございますが、何しろ当時終戰直後でもありまして、それらの措置も順調に進みませんで、非常に関係者といたしましては事態に困窮した次第であります。正当な方法といたしましてはその方法より以外にないと思います。
  28. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 御質疑ございませんか。ちよつと私からお尋ねして見ますが、この二十一年度には予算がなかつた、それで二十二年度予算で拂うという予定の下に前者は二十一年の十月に請負わした、後者は二十二年の二月に工事を請負わしたというのでありますが、そういう場合に請負人の方に前渡金というものが渡されんでもよろしかつたのでございますか、その点はどうなつておりますか、前渡金というようなものを支拂わなければ、請負業者は仕事はできないと思うのでありますが。
  29. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 前渡金というようなものは渡さずにやつておりまして、当時学校の事情を汲んで特に工事をやつて呉れたというような関係になつておると思います。
  30. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 御質疑ございませんか。  ございませんければ次に移ります。第二百五十二「予備費支出当を得ないもの、」これを付議いたします。検査院の御説明を願います。
  31. 小林義男

    説明員小林義男君) 二百五十二号は「予備費支出当を得ないもの」というのでありまして、北海道大学で昭和二十三年の一月に石炭を購入するに必要な経費として、特に予備費使用決定を受けたものが一千十七万円あつたのであります。ところが実際に石炭を購入しましたのが六百五十六万四千七百二十二円というのでありまして、残額の三百五十四万余円はこれを勝手に学校でほしいままに他の費目に流用した、大蔵大臣の承認もその際得ておらない、こういうのと、もう一つ同じような事柄でありますが、北海道第一師範学校外北海道所在の文部省直轄の学校で、やはり予備費の四百六十九万七千円というものを石炭購入のために決定を見たのでありまするが、実際石炭を購入したものは二百十八万余円で、残額を他費目に流用しておるという案件でございます。
  32. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 右につきまして文部省の弁明をお願いします。
  33. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 北海道大学外八校におきまして、只今指摘がありましたような石炭購入費の取扱について、或る程度法規の違反があつたということは、これは誠に遺憾でございます。御指摘のように石炭購入に要する経費でありまするから、これを運搬費、人夫賃等に使用するというためには大蔵大臣に協議をいたしまして、流用の手続をする必要があるのでありますが、何しろ新会計制度が実施せられましてまだ日が浅く、職員の間にその取扱に関する知識が薄くて、その取扱に徹底を欠くところがあつた次第でございまして、これは誠に監督の立場として遺憾でございまして、本件のようなことがないように十分注意をいたして置いた次第であります。
  34. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) これにつきまして御質疑はございませんか。
  35. 西山龜七

    ○西山龜七君 「責任者に対しては注意の処分を行つた」、かように書いてあるのですが、こういうような問題をただ單に注意の処分だけで済まして、将来再びこういうようなことをしないというようなことになりますか、もう一度政府当局の御意見を承つて置きたい。
  36. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 北海道大学その他の学校の責任者には、それぞれ嚴重に法規の取扱について非違のないように注意をいたしておりまして、それだけで済む問題ではないと思いますが、他の学校の関係もあると思いますので、我々といたしましても会計官に対する会計法規の講習、取扱事務の徹底ということについて、相当その後措置を講じておるのでございます。現在はそういうことはないと思いますが、今後共そういうことが絶対にないように十分戒めておるような次第であります。
  37. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) それではちよつと私からもお尋ねいたしますが、この費目の流用につきましては不正はなかつたのでございますか、その点は……。
  38. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 不正は絶対にないつもりでおります。
  39. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 御質疑はございませんか。  ございませんければ次の第二百五十三に移ります。会計検査院説明を願います。
  40. 小林義男

    説明員小林義男君) 二百五十三号は「予算を超過した物品を購入し又は修理したもの」ということであります。大阪大学で医学部附属医院の用に供する注射針外五品目を購入し、又背張小椅子などを二十三年二月に修理させ、これらの物品はいずれも二月中に完納し、又は修理を終つているのでありましたが、当時予算がありませんでしたので、その支拂を二十三年度経費から支拂つたという案件でございます。
  41. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 右に対しまして主務省の御弁明を願います。
  42. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 大阪大学医学部附属医院で緊急に背張小椅子等の修理及び注射針等の医療器具の購入を必要といたしましたので、これらの修理代、医療器具、薬品等の価格が上つておりましたので、追加予算を要求いたしました、一方非常にその購入を急いでおりましたので、その手続をしたのであります。併し年度末に配付されました追加予算が予定額よりも少額でありまして、止むを得ず二十三年度予算でこれを支弁したという関係になつておるのでありますが、この点につきまして十分注意をいたしまして、こういうようなことのないように注意を行なつておる次第でございます。
  43. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 右につきまして御質疑はございませんか。  では次に二百五十四号「石炭を多量に購入したもの」、これを議題といたします。検査院の御説明を願います。
  44. 小林義男

    説明員小林義男君) 二百五十四号は「石炭を多量に購入したもの」という案件でありまして、大阪大学で昭和二十二年の五月から翌年の三月までの間に、石炭を千百二十五トン購入いたしたのであります。ところが二十一年度石炭使用量は三百十二トンに過ぎなかつたのでありまして、前年度に比べても購入量が多いと思うのでありまするが、二十二年度の実際使つた量を見るというと、百九十四トン使つたわけである。それでその間電熱器を主に使用しておるような状況でありましたので、最初買いました千百二十五トンでは少し買い過ぎであるということであります。
  45. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) これに対しまして文部省の御説明を願います。
  46. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 只今指摘がありましたように石炭の買過ぎがあつたというのでございますが、戰前の冬季一ヶ月間に五千カロリー以上のもので千トン、千五百カロリー乃至三千カロリーのものに換算いたしますと、二千トンに該当をするものでありまして、それが従つて本件石炭の量は、戰前約一ヶ月の使用量でございます。そういう粗惡炭を使用いたしますために、石炭のボイラーを改正する必要がありまして、漸く二十二年度に一基だけを改造いたしましたが、予算関係他の四基は改造することができなかつた、そのために多量の石炭が残つたという関係でございます。又石炭は当時嚴重な統制物資でありまして、非常に必要なときに入手できるというようなものではなくて、買えるときに買つて置かなければ買えないというような関係がありましたので、それだけの使用ができる、こういう見込の下に買つておりました。ところが只今申上げましたような事情でボイラーの改造が間に合わなかつた。そのために残炭を生じたというような関係になつておりますが、将来さようなことのないように十分注意をいたしておる次第でございます。
  47. 來馬琢道

    來馬琢道君 多量に購入したというだけであつて、その処分については徒らに棄ててしまうというようなこともなく、又は使用に不正なることがあつたというようなふうではないのでありますか。
  48. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 勿論残りました石炭年度経過後に、翌年に使うことになるのでありますので、別にその点に不正があつたというわけではないと思います。
  49. 來馬琢道

    來馬琢道君 その粗惡炭を購入した結果、ボイラーを改造する必要があるということだが、そのボイラーを改造したのでありますか。それとも何とかいう方法で改造せずに、いい石炭でも焚いてちやんと使つたのでありますか、その顛末を伺いたい。
  50. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 当時もつといい石炭が手に入れば入れたかつたのでありますが、そういう粗惡炭しか手に入らなかつた。そこで石炭使用についてはボイラーを改造いたしまして使用した次第であります。
  51. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) その他御質疑ございませんか。  それでは次に二百五十五号、「工事の施行に当り措置を得ないもの」これを議題にいたします。先ず検査院の御説明を願います。
  52. 小林義男

    説明員小林義男君) 二百五十五号は「工事の施行に当り措置当を得ないもの」というのでございまして、大阪大学で二十三年の二月に医学部の附属医院の屋根五百八十坪の防水修繕工事を施行したのであります。この屋根は大分傷んでおりまして、在来のモルタルを取り除きまして、防水層の破損箇所を補修した後に、新たに防水層二層を施行する、それはアスフアルトとか燒砂をしますとか、その上に又モルタルをするとかいう工事でありまして、その支拂に当つて請負人の提出した見積内訳書の通り金額を拂つた。ところがその工事にはセメントを使うのでありますが、そのセメントはこの当時の工事としては官がセメントを支給するのを普通とし、或いは支給しなければ割当切符を渡すのでありますが、このときにおいては割当切符を交付しなかつた。請負人持で工事をさせたのでありますが、そこで当時セメントの闇相場というものは相当高かつたのでありますが、その闇値を官に請求するわけにも行きませんので、その闇値の分くらいをモルタルの設計数量を多くする、それから使つた人間の歩掛を、沢山人間を使つたようにして見積書を出した。それに対して代金を支拂つた、こういうのでございます。それをまあ一つ一つに申しますと、セメントの方では大体五十トン程度で足りると思われるのは、六十二トンを積算してある、ですから十トン内外多かつた。それから労務費でありますが、労務費の方は二千七百人余り積算してあるのでありますが、これは非常に多過ぎる、それでこれをいろいろ計算して多過ぎるということで、後で工事の実際使役の実績表を提出して貰つた。それを見ますと、大分手直工事工事が一遍できてから後で手直工事のために四百何人使つておる、こういうことになつておる。ところがその手直というようなものは、工事がうまく行かなかつたから手直ということが起きたので、むしろ請負人の負担になるようなものなので、そういう手直というものが最初の工事代金に含まれておるのは合点が行かない、こういうわけであります。尚こういう工事は、他の丁度当時東京大学が大体似たような工事を、農学部の一号館の屋根でやつておるのでありますが、それに比べても、そのときの歩掛でありますが、坪当り東京大学の方では、農学部の方では〇・六人でよろしい、ところがこの方は坪当り一・五人を必要としておるということになつておるので、人間の見積りが少し多過ぎるのじやないか、結局こういうふうな工事を施行した原因を考えて見ますと、それは文部省本省が資材の伴わない、割当切符のない工事をさせたことに原因があるのでありますが、多少工法の点にも少しうまくない点があつて、若し農学部と同じような工法を採用したならば、もつと安く所期の目的を達し得たであろうに、闇のセメントを多量に請負人持としたために高くなつた、こういうものであります。
  53. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 右につきまして文部省の弁明を願います。
  54. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 大阪大学におきまするところの附属医院産婦人科、外科病棟の屋根の防水層の修理工事の問題でございますが、御指摘の点は、資材割当の切符がないので闇のセメントを使つて相当セメント量を沢山使つておるというような点、それから労務を非常に多く使つておるというような点のようでございますが、これにつきましては、私共としましても切符の割当を極力交渉をいたしましたのであります。非常に緊急施工に迫られておりまして、何しろ産婦人科の病室に雨が漏るというような問題でありますので、一面に切符の取得に狂奔をいたしますと共に、他当適当な請負業者を物色いたしまして、手持資材を持つて来るところへ請負わせるという方法をとりまして、福徳建設株式会社というところが資材を提供してやつて呉れるということで、施工されたような次第でございまして、その際の話合いも決して闇で買うというのではなくしてマル公で手に入れる、マル公で請負うという約束の下に、実施をいたした次第でございます。その労務が非常に多かつたということなのでありますが、施工箇所を従来数回に亘つて部分的に手直をいたしまして、平均よりも約一寸も高い所ができたので修理いたしまして、そのために剥離屑の運搬人夫というような者が非常に多く要つたのであります。尚破損箇所が漏水のことと、弥縫的な修理を施して来ましたために、保存方法が單一でなく、且つ破損の程度も一階まで修理の必要を感じておりましたので、完全防水をしなければならないというような必要がありましたことが一点、それから工事の緊急施行のために担当何回も手直工事をやるという必要がありました。又から干しによる損耗等によりまして、多くのセメント及び労務者を必要としたというような事情があるのでございまして、又あの工事を砂利燒付の方法を廃して押えモルタルの方法にしたということは、この建物がすべて押えモルタルの方法によつてつておりますのと、屋上が患者の唯一の散歩の場所でありましたので、そのために砂利燒付の方法では産婦等のための建物に使う屋根としては不適当でありますので、全部押えモルタルにする必要があつたのであります。  以上のような事情がありまして、他の工事に比してセメントの使用量が上つておりましたが、その間に別に不正があつたということは万ないのでありますが、ただそのために材料費、労務費が非常に張つたということは誠に遺憾でありますので、将来十分注意をいたして置いた次第であります。
  55. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 右に対しまして御質問ありませんか。
  56. 來馬琢道

    來馬琢道君 会計検査院の方では砂利燒付をすればよかつたのに……当時こういうことがあり、又文部省では押えモルタルにしなければならなかつたんだということ、この点について会計検査院の方では、その押えモルタルにすることの必要を認められたのですか。それは東京大学に比べて余計なことをしたというのであります。これを指摘しておられる理由を伺いたい。
  57. 小林義男

    説明員小林義男君) 只今のお尋ねの点でございますが、本件工事が結果においてとにかく非常に高いものになつた、それは何でかというと、主としてセメントの割当切符がないのに、そういうセメントを使うような工事をしたからだということも大きな原因になつているわけであります。そこで会計検査院といたしましては、それならばこういう押えモルタルでない、つまりセメントの要らない工事をしたらいいじやないか、それには砂利燒付という工法がありまして、それはセメントを使わないでその間に砂利、細かい砂利であろうと思うのですが、それを使う。そうすれば非常に工費が安く済む、そうして雨漏りなり何なりの、それらの効果においては変らないのではないか。だから結果東京大学の農学部と同じような方法を採用したらば、ということを考えたわけであります。まあここにも結論としてはどうしても砂利燒付にしろということまでは、強くは言わないわけですが、当時の状況上非常にセメントの入手が困難で、自然法外に高いものになるんだから、そうまで無理して、従来押えモルタルの工事のところだからと言つて、押えモルタルでそのままやらなくてもよさそうなものではないか、というくらいの考えでございます。
  58. 來馬琢道

    來馬琢道君 会計検査院といたしましては、御注意としては結構でありますが、文部省の方の弁明がかくのごとくであるということであれば、東京大学の例を以てかくのごときを指摘されますと、私共は実地調査をしなければならんというようなところへ押しやられるような気がしますが、併し周到なる注意を以て指摘されたということに対しては敬意を表します。何か後から見ると大層会計検査院が爬羅剔抉と言いますか、細かいところを調べて指摘されたように考えるので、ちよつと念を押して置くようなことになりますけれども……。
  59. 小林義男

    説明員小林義男君) 検査院としても技術の点でありますので、現在では技官などという相当の人が職員におりますが、当時はおりませんので、当時といたしましては技術顧問員というのがありまして、これは確か東大の岸田さんという教授と思つておりますが、その方に来て頂きまして、こういうことをやつても、つまり雨漏りなどを防ぐ効果の点はどうかということを鑑定して頂きました。そのときのお答えはよく現場を、只今仰せになりましたと同じことですが、現場を調査の上でなくては詳細の点は判明しないが、大体検査院の趣旨のようなことは、概ね妥当と認めると、こういう返事がありましたのでついでに申上げて置きます。
  60. 來馬琢道

    來馬琢道君 私の質疑に対しまして、細かいところでよく分りました。この点会計検査院指摘の根拠のあることを了解いたしました。有難うございました。
  61. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) それでは次に二百五十六から二百六十七まで、「補助金交付に当り措置当を得ないもの、」これをお願いいたします。
  62. 小林義男

    説明員小林義男君) 二百五十六から二百六十七までは新制中学校の六・三制の実施に伴う新制中学校の建物の補助金案件でございまして、六・三制の新制中学校の整備を急ぐということで、補助金交付する場合には、必ず年度内に完成することを條件としているのであります。ところが実際会計検査院の方で現地を実施に調査いたしますと、この表に出ておりますように、東京都外北海道八府県で、これは工事契約をするのは市町村でありますが、その事業主体である市町村は工事契約さえも締結しておらない。それだのに年度末になつて補助金の全額を交付しておるというのでありまして、会計検査院といたしましては、そういう場合には二十二年度予算から補助金をやらないで、その予算繰越してでもやればいい、そういう案件であります。
  63. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 六・三制の建築費補助は新学制完成のためにあらゆる努力を傾倒いたしまして、又非常に緊急な必要といたしまして大いに督励をした関係がありますので、その間補助金の取扱等について多少思わしからん結果を来したようなところもあつたような次第でありまして、町村の資金であるとか資材であるとか、敷地の決定関係であるとか、或いは降雪、天災等その他各地方々々の特殊事情によりましていろいろ悪條件があつたりいたしまして、工事が非常に遅延を生じた次第でございます。東京都の問題に関しましても、会計検査院の御指摘通り補助超過となつておりますことは、甚だ遺憾でございますが、これは年度内において返納済みでございまして、責任者に対しましては十分注意をいたして置いたような次第でございます。又北海道庁における新制中学校校舎模様替工事の促進の問題でありますが、これも資金、資材等の関係から年度内に完成に至らないものが一部あつたという関係でありまして、大体工事は進んでおる、全然著工していなかつたというわけではないのであります。完成の程度には至つていなかつたというような関係でございますが、その点も十分注意をいたしておるような次第でございます。
  64. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) 右に対しまして御質疑はございませんか。
  65. 來馬琢道

    來馬琢道君 つまらんことを申しまして済みませんが、二百六十六の文部省の方の弁明書の第一行目に、公立学校の建物が被害を受けと書いてありますが、損害を受けたという程度であつて、被害という程ではない、文部省がこういう字を使つちや困りますね。
  66. 寺中作雄

    説明員寺中作雄君) 御注意有難うございました。
  67. 來馬琢道

    來馬琢道君 その外のことはいたし方がないと思います。
  68. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) それでは御質疑も済んだようでありますから、これを以て本日は会議を終りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 中平常太郎

    主査中平常太郎君) それでは文部省の分はあらかた済みましたので、次回には厚生省の分を付議いたします。本日はこれを以て散会いたします。    午後二時五十九分散会  出席者は左の通り。    主査      中平常太郎君    副主査     來馬 琢道君    委員            西山 龜七君            谷口弥三郎君            安部  定君            柏木 庫治君            結城 安次君   分科担当委員委員    決算委員長   奧 主一郎君   説明員    総理府事務官    (経済安定本部    会計課長)   鎌田正太郎君    総理府事務官    (物価庁庶務課    長)      石渡愼五郎君    会計検査院事務    官    (会計検査第一    局長)     池田  直君    会計検査院事務    官    (会計検査第二    局長)     小林 義男君    農林事務官    (食糧庁総務部    監査課長)   高橋  清君    文部事務官    (会計課長)  寺中 作雄君