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1949-11-29 第6回国会 参議院 経済安定・大蔵・通商産業連合委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十九日(火曜 日)    午前十一時十六分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○外国為替及び外国貿易管理法案(内  閣提出・衆議院送付)   ―――――――――――――
  2. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは委員会を開会いたします。第四回になりますが、昨日に引続きまして外国為替及び外国貿易管理法案審議に入ります。一般質問を継続するわけでありますが、その前に昨日資料関係要求がありましたのにつきまして、政府の方から発言を求められておりますから、先ず外国為替予算関係資料要求に対しての政府発言許します。
  3. 谷林正敏

    政府委員谷林正敏君) 昨日外国為替関係予算を作るについて、内容の数字その他差支ないものを提出しろという御希望がありましたのですが、それに関しまして、ちよつと御説明かたがた御了解を得ようと思つております。  外国為替予算つまり輸入計画その他でございますが、その輸入計画というものは現在すでにできておりまして、現在私共つまり日本として使つておりますのは、本年の七月から来年の六月に至ります米国の会計年度に合せております。年間輸入計画があるのでございます。これは先般決まりましたアメリカ援助資金というものの中に織込みました、確定いたしました数字でございます。それがございまして、毎月それと見合せて輸入をしておるのでありますが、更に実状に即するために各四半期にはその事前にそのとさの情勢を見まして、その四半期はどの程度のものを輸入するかというようなことを決めてそれを実行いたしたいと思います。今回来年の一月――三月の輸入を計画するに当りましても、勿論それを基礎としてやるのでございますが、更に今回はいろいろな新らしい情勢も加つておりまして、いろいろ考慮する項目もあるのでございまして、先般来約一月以上これは最後の仕上げにかかつております。つまり国内消費量或いは必要な在庫量並びに国内生産量というようなものを一々商品別に調べて参りまして、それを集めまして、この第三四半期それから来年の第四四半期、それから四―六、七―九というような各期に分けまして、その期におきます国内生産量在庫量、それから消費量というようなものから勘案いたしました各輸入必要量というものを出しました。それで実際の必要量というものを出す準備をいたしております。これは明日くらいまでに一応その数字は集まりまして、それを十二月初旬に一応整えまして、それと外国為替管理委員会において計算いたしております一月―三月における外貨使用量というものと見合わして、ここに予算を作ろうと思つておる次第であります。それに前に申しましたつまり年間輸入計画量、それから只今集めております各商品需要量というものをここに発表いたしまして、資料を差上げると御希望に副うわけでありますが、この点は先般来GHQの方ともいろいろ交渉いたしまして、と申しますのは、この数字は外部に発表することを嚴禁されておりますもので、先般来その点を国会発表したいということを懇請しておりますが、まだ向うから返事が参りません。昨日その点を確かめましたところ、尚上の方といろいろ相談をしておるから、まだ回答は與えられないということで、文書によつて質問をして、文書によつて答えて貰うというつもりでありますが、まだ返事を受けておりません、その関係でその数字、並びにあとで集めております数字も御希望に副えないのは非常に遺憾でありますが、そういうふうな事情を御了承の上、尚ポンド切下その他につきましては、後程外国為替管理委員長の方から詳細御説明いたしますから、それによつてその代りにして頂くというようなことで御了承願いたいと思つております。
  4. 波多野鼎

    波多野鼎君 外国為替予算の提出ができないという事情を承りましたが、そうだとすると困ることが起きるのじやないかと思う。それは例の輸入許可について早い者勝ちというような原則をこの法律で決めようとしておる。一体申込んでどうなるか訳が分らんじやないですか。そういう点はどうなるのですか。
  5. 谷林正敏

    政府委員谷林正敏君) 今の御質問でございますが、早い者勝ちのあれを申込んで非常に困るという点は、どういうことでございましようか。
  6. 波多野鼎

    波多野鼎君 申込んでも意味がないのじやないかと言うのです。
  7. 谷林正敏

    政府委員谷林正敏君) それは来年の一月―三月、つまり一月にスタートするまでにははつきりと確保して発表するわけでございます。
  8. 波多野鼎

    波多野鼎君 一月までに発表する。今はできないというわけですか。
  9. 谷林正敏

    政府委員谷林正敏君) そうです。
  10. 和田博雄

    和田博雄君 政府の方で非常に御苦心なさつておることは私の方でもよく分るのですが、併しその大体のラウンド・ナンバーでも向うお話願つて、やはり審議の上で出して頂かないとスムーズに進まないと思うのです。向うでもやはりその点を欠けたままで審議しろと言つたつて、骨格がないのですから、そこのところはもう少し御努力して頂いて、事情は私共も分るのですが、何とかとにかくこの審議期間中に出すということを是非やつて頂いたいと思う。私はそれは強く、大臣がおられんが、安本長官が直接向う行つて向う当局者ととにかく話して貰つて来るべきだと思うのです。これは発表できなくても、若しも祕密会ででも或る程度発表できるならば、この委員会国会審議の上に必要なんですから、その点は一つそういう便法も場合によつては取れると思う。そういう祕密にせいということじやなくて、ただそれが不確定であるというので向うがあれしているのじやないかと思いますから、不確定なことは、将来の予想をするのだから不確定に決つておるのですから、そういう点でどうか一つもう一遍行つて、少くとも今日中乃至は明日朝早くぐらいには出せるように是非やつて頂きたいと、こう思います。
  11. 谷林正敏

    政府委員谷林正敏君) 只今の御質問でございますが、只今使つております基本になります一年間輸入計画、これらに関しましては今向うに交渉しておりますから、その点は御希望に副い得るようになれば、祕密会でも開いて頂きまして、そういうふうにしたいと思います。それからそのあとの一-三の今度の予算に関するものは先程申しましたように今資料を集めております。まだそれが完成しておりませんから、その点は十二月の初句にどうしてもなりますから、御了承願います。
  12. 和田博雄

    和田博雄君 ただこういうふうに私は感じるのです。実は一-三のものが非常に大切なわけでございます。今までのポンド切下があつたりいろいろな海外市場変化があつたわけだから、その変化を織込んでいろいろと新らしい制度でやるということで、先ず一―三がどうなるか、二十四年度の全体の枠が大体前に作られたやつがあるわけです、具体的にそれがどうなるかということが、やはり果してこの制度によつてうまく動いて行く見通しなり何なり見る上に一番参考になる。二十五年度のものについては、これは非常に必要でもありますけれども、やはりそれがないと繋ぎがないという感じが我々はどうしてもする。だからその点もまあ御苦心なさつているとは思うのですけれども、丁度増田君と青木君が来ましたから、その点は一つ政府として資料を是非出すように交渉して貰いたいと思います。
  13. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 今の資料の問題でちよつと政府が相談しておられますから……。
  14. 木内四郎

    木内四郎君 その間に為替管理委員長説明を聽いて置いた方がいいのじやないですか。
  15. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 今の問題に関しまして、今申上げましたように、今の資料について政府の方で相談されておりますが、その間に同じ問題について木内管理委員長から発言を求められておりますから、説明して頂きたいと思います。
  16. 木内信胤

    政府委員木内信胤君) 一―三から始めまして、外貨予算というものがどういう形のものであるか、雛形でもせめて示せという御註文でありました。数字を当嵌めた雛形というものはまだ作れないのでありますが、それがどんな相貌を呈するであろうかということ、これは実は関係審議会において決まることでありまして、私がここで申上げ得ることではないのでありますが、まあ大体こういうことになるのであろうという意味においてお聽取り願いたいと思うのであります。  これは出発点となります数字、即ち現在の手持外貨、この数字が勿論基礎となるのでありますが、これは実は私共は十一月一日から事務の一部を担当しております関係上、これの数字を見る機会が與えられておりました。その意味で或る程度知つておりますが、これを知つておる範囲で申上げることは実は差控えさして頂きたいと思いますのは、これは司令部からまだこの発表をしてもいいという正式の許しを得てないことが一つ。それからいろいろ数字の中に非常に複雑なものでありますが、疑問の点がありますから、私共にも少し数字意味が分らない点があるというのが一つ、それからこれが例えば何千万あると言いましても、これに対する負債を引いて見なければ本当金額とは言えないのであります。その負債の方がこれ又いろいろ複雑しておりますので、まだ分り得ない点があります。この負債を引き損じて、例えば一億ドルあるのだということを言つた場合に、五千万負債があつたら非常に間違つた印象を国民に與える。こうなります関係上、実はまだ公開の席で申上げてはどうかと思うのであります。殊にこの基礎数字は、いわば日本の国家としての懐の中を示すことでありますから、この懐の中を示すことは場合によつてはいいことでありましようが、場合によつては国際的に国際信用の上から言つても問題もありますので、どういうふうにこれを発表するかは実は政府において最高方針として決定すべきことだと考えます。その意味からも私はここで私が知つているから言えとおつしやられてもこれはどうかと思います。後で若し何でしたら祕密会でも開いて頂きまして申上げてもいいかと思います。それは後のことにいたしまして、基礎数字のことについては状況はそうであります。これが如何に複雑であるかということの一端として申上げますが、ドルポンドに分れておりますが、ドルについては本当現金勘定、これは司令部許可において働いておりますアメリカ銀行勘定があるのでありますが、これは間違いない現金であります。その他に近頃エスクロという妙な取引方法があります。協定の結果一つ勘定に売つたならば勘定にクレジツトを設け、それを勘定に記帳して置いて、それを使う場合にはそれを落すという方法があります。エスクロは一本でありますが、その勘定は七本に分れております。その他例のオープン勘定というもの、相殺してやるものは現在二十四ケ国になつたと思います。オープンアカウントでやつておりますが、それが又例えば朝鮮のごときは五本に分れております。官庁の数においては確か三十本になります。それがドルについての問題であります。ポンドについては三つに分れておりますが、エスクロはございません。オープンアカウントは十四ケ国、本数にして十四本こういうのが状況なんであります。これらを合計したものがドル資金と、こうなるわけであります。そこで先程申しましたような事情によつて、細かい数字は或るべく遠慮さして頂きたいのですが、先ず大体のことを申しますと、我々の知つている範囲でいろいろプラスマイナスを考えて見まして、先ず一月から使える金と思つて考えていいものが八千万ドルは下らないだろうと思つております。併し先程申しました事情によつて余り世間に伝えて欲しくない数字でありますが、大体の感じを得るためにこの数字だけ申上げて置きます。ドルエスクロ勘定はこれも若干一千万ドルに近い取り分であります。オープンアカウントはそのうち三十本というものはこれはアカウント別取り分で、全部取り分であるということは言えないのであります。マイナスとなつているものと、プラスになつているものとがありますが、プラスの方が遥かに数が多く貸す金額も多いのであります。これも数千万ドルに上つております。従つてこれは一見して相当多額なドル資金というものが蓄積されて来たのであります。為替勘定、それが日本の手に渡りまするについて、司令部がどういうふうに配慮して呉れたのかどうか存じませんが、割合に潤沢な資金によつてスタートするという條件に恵まれておるものと考えていいのであります。今度はそれに反しまして、キャッシュ勘定は実はまあマイナスになりつつあると存じます。これは例の六月末に満了いたしました第一年のポンド域との協定において、日本は相当の貸になつてしまつた。貸したままポンド切下になつてしまつたということが一つの問題になつていたのでありますが、その後ポンド域からの輸入が非常に進行しました結果、今は若干マイナスになるのではないか。併しこれはマイナスになりましても、ポンドを扱つて呉れております英系三行がそれぞれ或る程度国際信用を與えるということをすでに承知しておりますから、その條件で実は彼らは日本国に来て仕事をすることが許されておるわけでありますが、それが相当の金額、千五百万ポンドだと思いますかに達します。マイナスになつても当初困ることはないわけであります。ポンドオープンアカウントポンドとお考えになつてもいいと思います。これが外貨予算を組んでスタートするについての出発点となる金の状況であります。  そこで外貨予算というものはどういう立場になるか。その雛型らしきものを申上げますために、その組み方についてどういう考を持つておるかということを申上げますが、第一は年間計画、先程からその発表許して欲しいと司令部に申込んで、まだ許しが得られないために、その数字は遺憾ながら申上げられないと先程政府委員から申上げました年間計画でありますが、これを組むことによりまして、日本が不可欠とする物資の数量及び金額というものが見積られて、それによつてアメリカ援助というものが決定する。こういう段階になるわけであります。ですから、この年間計画援助懇請のためにも実は不可欠のものである。現在はすでに七月から来年の六月に至る年間計画を持つておりますから、大きな基礎というものはそれによつてはつきりしておるわけです。この年間計画に基いて、その遂行のための一、二月予算四半期予算、こういう段取になるわけでありますが、これは年間計画がどうであるからといつて、それに数字的にきちつとその通りやらなければならんという性質のものではない。事、貿易でありますから、輸出が捗るならば輸入年間計画を超過することは一向差支ない。即ち多々ますます弁ずという意味において非常なフレクシビリテイを持つたもので行きたい。こういう行き方で考えるわけであります。そこでその意味から予算を組むのでありますが、これについてはどういうことが原則的に考えられるかと申しますと、ドルと非ドルですね。非ドルと申しましたのは、ドルキャッシュならざるものという意味です。ドルオープンアカウントもさつき申上げました通りでありますが、オープンアカウントであります以上は、ドルの現実に現金が要りませんエスクロポンドオープンアカウントというものは一括して非ドルとまあ説明のために名付けさせて頂きまして、それはドルキャッシュとは違つた原理予算が組まれるであろうということを申上げたいと思います。  第一のドルキャッシュの分でありますが、これは現金でありますから、どうしても輸入というものは輸出に見合わざるを得ないのでありまして、輸出実績というものを見て行かざるを得ません。今八千万ドルの金があるならば、若しこれを食い込んで行つてもいいというのが最高方針であるならば、三月末までにそれが五千万ドル減つてもいいと考えるといたしますれば、月一千万ドルずつ輸出以上に輸入ができることになります。或いはこれに反してドルは成るべく溜める方針がいいのだということになりますれば、一二ケ月の間に何千万ドル輸出が増進されるか知れませんが、それよりも少いものを輸入しろと、こうなりますが、現在持つておる元を食う、食わないは別の問題としますれば、輸出は別にするというのが原則、これは当り前の話でありますが、そういうふうに考えて進む限り、非ドルになりますと、少し違う考え方で進むことができるのでありまして、これはいわゆる輸入先行と申しますか、近頃流行言葉になつておりますが、先ず輸入をしよう。これはローガン氏が説教したお蔭で、はつきり我々も教えられたのでありますが、各国が輸出をしようとばかりあせつても駄目なんだ。先ず輸入をすることによつて相手国もこつちのものを買つて呉れるのだ。こういう観念であります。これがドルでなく、協定国協定貿易をしている国でありますと、大体そういうように、殊にローガン氏考案のスウィング・アカウトというものを持つことになりますと、非常に工合がいいじやないか、工合がいいと申しますのは、協定の中に、例えば日独協定は二千万ドル協定がありますが、仮に三百万ドルまでは振子、スゥイングもいい、つまり三百万ドルに達したら、こつちの輸入、入超三百万ドルに達したら、それ以上ドルで拂う、こう決めるわけであります。そうしますと、三百万ドルになるまではクレジットを貰つたと同じことでありまして、そこまでは安心して輸入できる。そうすると、それ以上向う輸入を急いで呉れなければ、即ちこつちの輸出ができなければ、もつと買えば今度ドルで買うのであります。向うドルが欲しいよりも自分の輸出品がそういうふうに買われて参つて向うに貸しになつてしまうのを損だと考えるのでありましようから、こつちの輸出向う輸入向うは急いで来る。こういう関係になつて、その振子向うに振れるかもしれない、向うに振れたら、ますますこつちは輸出すればいい、輸出が出て出超になつたらますます輸入をすればよい、そういうわけでスウィング、アカウントということはけだし名案だと思う。現在スウィング・アカウントを持つておりますのは三ケ国です。ドイツアルゼンチンフィンランドフィンランドは極く小さいのであります、ドイツは三百万ドルアルゼンチンも三百万ドルでありますが、これは一千万ドルに増額される望みが非常に濃厚であります。その他シャム、オランダにしてもスウィング・アカウントを容れようということに考えられておりまして、全体として各協定には非常に大きくスウィング・アカウントがつくことを期待されております。そうなりますと、輸入先行しても、一向つまり金の要らない輸入ができるわけでありまして、大変工合がよく行くだろう、それか輸入先行をして向うもそれじやたまらないから大いに買おうというので、輸出が出るので、ますますこつちは輸入をするということになりますと、貿易総量というものは非常に多くなる、その意味で先程も申しました年間計画というものを遥かに上廻る数字が期待できるのではないか、その意味においてフレクシビリティーということを考えているわけであります。御承知でありましようが、ドイツローガン氏の功績によつて僅々二年足らずの間に貿易は七倍になつたということであります。  そこで予算の問題に入りますが、ドルと非ドルとはそういうふうに違つた観念予算を考えて行く、その中に今度はいわゆる早い者勝ち、そうでなく予め為替割当許可によつて割当てて行くものと、割当でないものと考えるわけであります。これは何を割当てにすべきか、何を早い者勝にすべきということが問題でありますが、それを然るべき認識の下に決定しましたならば、早い者勝で行くというのはその商品別に出て来る。或る商品、AならAという商品は早い者勝ちで行くんだ。併しながらそのAという商品年間において何百万ドル輸入する予定であるか、或いはこの四半期において或いは一月において何百万ドル、何万ドル輸入する予定であるということは、これは別問題でありまして、早いもの勝か、そうでないかということは割当方式、手順であります。早いもの勝であろうとも、それは無茶苦茶に輸入するのではないので、それはやはり基礎的な予算で決められた範囲で、何万ドルというものが早いもの勝で輸入者割当てられるというだけでありまして、何か早いもの勝という言葉が非常に誤解を生んだように拜聽するのでありますか、そうなると何か非常に輸入総量というものにまでごたごたが起るように思つている方があるのではないかと思いますが、実は輸入総量は決まつている。ただそれを割当てる方式が早いもの勝かどうか、併しいずれにしましても、予算を組む場合には早いもの勝で行くんだ、これはそうでないということを区別させなければなりません。そこで以上のような見地に基いて予算を組むわけでありますが、これは勘定別に行かなければならない、その勘定別と申しますのは、ドルキャッシュであるか、エスクロであるか、オープンアカウントであるか、ポンドであるか、ポンドオープンアカウントであるか、先程申しましたように、オープンアカウントの数が多いのであります。さつき申し落しましたが、大体いわゆるポンド協定というものでなされる貿易が、輸出で見まして、五〇%であり、ドル及びポンドオープンアカウントによつてなされるものが三〇%ぐらいであろう。その残る二〇%がドルキャッシュです。ですからドルキャッシュは少いのでありまして、ポンド及びドルポンドオープンアカウントのものが多い。従つて先程申しました輸入先行というものがアプライされる貿易の方が貿易全体としては多いわけであります。  そこでジヤバならジヤバオープンアカウント一つとりまして、ジヤバから買うべきものは何であり、売るものは何であるか、品目的に余力嚴密たることを要しません。大体において何百万ドル、何百万ドル売れるであろう。そのオープンアカウントは貸越しである。こつちの取り分である。そうするとその一―三につきこの商品をこれだけ買うのがいいだろう、こういうふうに決めるわけであります。オープンアカウント一本につきまして、受入の差違、即ち輸入差違、その差違商品別にずらりと並んで、その商品はこれは早いもの勝ち、これは割当、こういうふうに分れる。その下に貿易外、即ち商品外輸出輸入というものが、これは品目別に分れて立ちましよう。その下にこの法律にあります通常予備費ですか、これはジヤバならジヤバ貿易において不足になる状況、即ち今これを買つて置いたら非常によかつたであろう。乃至予算にはこれだけ組んだけれども、もつと買つた方がいいという事情が発生した場合に使える品目があてがわれておりますから、これで品目的に新らしい品目にあててもいいし、或いは並べてある品目のどこかに加えてもいいのでありますが、この予備費というものは使うつもりの予備費であります。それでそういうふうに輸出輸入と並べて商品別にそれが早いもの勝ちとそうでないものとの印しが付いて、その下に商品外が書いてあつて予備費が並んで、これが食い込むつもりならばこつちに使う方が勝ちます。貯めていくつもりならばこつちが勝ちます。そういうものかできます。そうしてそれが一本のその国に対する予算であります。それをオープンアカウント三十本集めますと、オープンアカウントは全体としてはどういうことになるのだということが分ります。それにエスグロ一本及びキャッシュアカウントというものを加えますと、ドル全体で総バランスが出ます。それに本年と同じことをやりまして、そのポンドドルの総バランスをやりますと、そこに商品別アカウントが出て、そのアカウントというものは大体において基礎的に持つております年間計画というものの四半期になりますから、四分の一になるであろう。但し商品には季節がございますから、一―三に買うよりも四―六に買う方がいいということがあるので、予算年間計画ですから、必ずしもその四分の一ではありませんが、大体において四分の一に相当するものがそこに現れて来る。こういうことがこの予算相貌であります。ですからフレクシビリティということが問題になつて、何か出たらめのような印象を作つておりますが、そういうふうな事情に基きまして、フレクシビリティを考えております。これは大きな年間計画というものにぴつたり合うわけであります。  尚申すまでもありませんが、フレクシビリティに関しては将来のアメリカ援助の受け方にもよりましようし、或いは商業信用というものが、現にポンドに対しては英系三銀行が千五百万ポンドに値する信用を與える用意をしているということがありますが、アメリカの方からもそういう商業信用が得られるかも知れません。イギリスも拡大されるかも知れません。或いは不幸にして引込むかも知れませんが、それらによつて実行予算である四半期予算というものは変つて来る筈であります。尚国家的の借金ができるかできないか、その計画があると申すわけではありませんが、あるかないかは私は存じませんが、仮にそれができるとすれば、それにも影響をされましようし、外資導入というようなことが若しあるならば、それにも影響されるわけであります。いずれもこれは基礎的の計画というものが拡大されるという方面にそのフレクシビリティを期待している。輸出が非常に不首尾であつたらば勿論縮小の方にも変らなければなりませんが、大きな枠、計画性を持つた枠の上において相当自由な貿易が行われるであろう、その運営の一つの要としてこの予算が考えられているということは御了解願えるかと思います。  大体外貨予算というものはどんなものであるか、その雛型を示せという御質問に対しまして雛型ではありませんが、言葉を以て説明させて頂きました。
  17. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 波田野委員の質問につきまして、安本長官
  18. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) 昨日波田野委員から、本日は又和田委員から御要求がございましたことについてでございますが、年間の計画はこれは申上げることができるのでございますが、第四四半期のこの一―三月の計画は只今各方面からその予算を作ります材料を蒐集しておりまするし、又その見通しから申上げましても、どうも今明日というような工合にこれを出しますような準備ができかねます。その点をちよつとお知らせいたします。さよう御了承願いたいと思います。
  19. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 今の問題如何いたしますか、できるだけ尚政府の方で関係当局に対して努力をして頂いて、同時にその間に今の木内委員長説明の中にも祕密会等におきまして、もつと何か言える範囲もあるという話もありましたので、進行過程で適宜そういう方法をとつて尚できる限り説明を願うということにいたしまして、質問の方を継続すると、そういうふうにして進行したら如何かと思います。よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 和田博雄

    和田博雄君 結構だと思いますが、今の木内さんの話で、物の考え方というものが比較的はつきりした、その点は私非常に御苦労だと思います。質問の過程で、この考え方についていろいろ又戻つて来ることもあると思いますから、そのときにできるだけ具体性を持つてお答え願いたいと思います。
  21. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それではさようにして進行いたします。尚もう一つの重要資料で閣僚審議会の政令案につきましてはお手許に届いた筈でありますが、これは改めて御説明を願う必要はなかろうかと思いますが、直ぐに一般質問を継続してよろしうございますか、特に御説明願う必要がありますか。よろしうございますか、このまま進行しまして……    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それではこの修正案につきまして問題がありましたならば、これも質問の中に入れて頂けば結構です。このままで一般質疑を継続したいと思います。昨日の質問の残りがあつたと思いますが、波多野君ありますか。
  23. 波多野鼎

    波多野鼎君 只今木内さんからいろいろ為替予算についてお話を承つて大体の見当は付いたのでありますが、この為替予算というものから考えて行くと、そうすると、昨日あたりから通産大臣も安本長官言つておられたが、自由貿易という考え方じやないということははつきりした。つまり日本再建のために必要な原料或いはその他の物資を輸入し、輸出を殖やし、輸入を殖殖やして行こう、そういう見地からこれは大きな枠で以て計画をやつて行つて、その枠内の煩瑣な手続はやめて行こう、官僚統制という言葉で言われておる煩瑣な手続はやめて行こうというだけの話であつて貿易は大きな計画経済の中の貿易なんであるということは、為替予算説明からはつきりしたと思うのですが、ところが政府の方では常に自由貿易だとか何とかいうことを新聞に出されるものですから、一般の受ける印象は非常に今の為替予算に関する説明から受ける印象とはまるで違つた印象が與えられておると思う。安本長官はその点に関連して昨日も問題になつ日本の再建計画というものを至急お出しになるつもりはないかどうか、貿易というものが非常な重要な一環となつておると思うのです。
  24. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) 只今波田野委員のおつしやいますように、これを我々が過去の、戰前というような時期を考えまして、そうして自由貿易ということを申上げるといたしますれば、戰争真近い頃の漸次管理為替、管理貿易等に入つて来ました経緯を考えて見ますると、これが一体自由貿易かと、こういうふうにおつしやつたのであろうと思います。我々も多少そういうことについては興味を持つてて参つおるものでございますが、今回これが貿易上のもろもろの事務が日本の手に移される、そうして大体民間貿易という一つの方向に変つて来たというような意味が、新聞等で出て参りまする自由貿易というような言葉になつておると自分も了解いたしておるのでありまして、枠が狭かつたものが拡がつたとか、そういうことも勿論私共もそういうふうに大体考えるのでございますが、御承知の通り戦後ともかくも我が国が貿易上におきまして段々日本の自主的な立場ができつつあるということから見て、我々もこの過程において漸次自由貿易への移行過程を辿つておると考えておりまするが、その自由というカテゴリーと申しますか、そういう問題になりますれば、なかなか面倒な問題になるだろうと思いますが、ともかくもおつしやる意味と私の考えも大して違いわないものということは自分も考えておるのでございます。そういう意味で今後段段日本貿易が振興されて参りまするし、我々といたしましては貿易に大きく依存しなければならんという面から考えまして、経済安定本部といたしましても、できるだけ早い機会におきまして、何らかの見通し作業というようなものを完成したいということで折角努力中でございまするが、尚今日のところ十分これを御説明申上げるという段階に達しておりませんので、成るべく早く今明年度乃至は明後年度という程度で、我々の産業におきまして諸條件を整えて、見通し得る限度においてのいわゆる計画と申しますか、見通しと申しまするか、こういうものはできるだけ早く発表いたしたいと存じておる次第でございます。
  25. 波多野鼎

    波多野鼎君 言葉の問題はどうでもいいとして、実態はやはり大きな計画の粋なんだから、政府においては貿易を含めての再建計画というものをはつきりお立てになつて我々に諮られるということが必要だということを繰返し強調して置きます。それから次の問題は、これは吉田首相もしばしば言つておられますが、日本の自立経済の確立ということと、何かこの世界経済の中へ入り込んでしまつて、世界経済の波のまにまに揺られて行くような経済を立てて行くということと、非常に概念を混同していろいろ説明しておられますが、昨日もこの席上で出た言葉でありますけれども、外国経済に日本を鞘よせして行きたいということをしばしば言われておりますが、これは勿論我我が世界経済の中に入るから、いやでも応でも鞘よせしなければならんのに決まつている、それは分つております。併し日本の生産力とその他の国々、特に戰勝国あたりの国々と比べて見て如何に劣つているかということは、改めて説明するまでもない。そういう劣つたままの生産力を以て、いわば日本の市場を世界に向つて開放してしまうということが、鞘よせという意味らしい。そうなりますと、日本の産業というものは非常な圧迫を受ける、同じ條件でならば、外の国と同じ條件に立つていて、生産力が大体そう違わないというところであれば、門戸を開放しましても大きな影響は受けないと思うのでありますが、こんなに違つているときに鞘よせする、即ち門戸を開放するというような政策をとりますと、日本の自立経済というものの確立が非常に困難になつて来るということを恐れるのです。現に農産物の問題なんかでもそれなんですが、食糧の輸入を非常に殖されて来ることは、一面からいうと非常に結構なことでありますが、他面からいうと、日本の農業に対して非常な脅威になつて来る。この両者をどう調節して行くかというところに我々の苦心があると思うんです。政府の側ではこの世界経済に、外国経済に鞘よせするという場合に、関税政策などをどういうふうに考えておられるか、この点を一つお伺いしたいと思います。
  26. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) 多分関税政策の問題について、通産大臣が昨日どなたかにお答えしたと思いますが、勿論関税政策等の問題は御承知の通り講和会議というようなものと関連を持つておりまするので、我々としてはできるだけそういう点についても検討はいたしておりまするが、只今関税政策についてそれではこうする、こうなるんだというようなことはちよつと申上げかねると思います。
  27. 波多野鼎

    波多野鼎君 戰勝国といいますか、まあ特にアメリカでありますが、過剰生産の波に揉まれている、何とかしてその商品のはけ口を見つけたいということは分り切つている。そういう場合に而も日本の生産力がそういう国々に対して非常に劣つているというときに、日本の関税の在り方というものは大体見当が付くと思うんですが、これは講和会議によつて品目別の関税率はどうこうするということは決まるでしようけれども、方針としては決まつている筈だ、その点一つお伺いいたします。
  28. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) この関税政策の問題は、経済安定本部の中にもそういうことに留意はいたしておりますが、主として関税問題は大蔵省との関係がございますので、私のところでは今これこれにするというような意味で申上げるような確信を持つておりません。
  29. 波多野鼎

    波多野鼎君 その問題は別の大臣に聽くことにして、もう一つ聽いて置きたいのは、現在日本ドル闇相場が相当立つているということをしばしば聞くんですが、特にボンドの切下げがあつた以後は、ドルの値段が非常に日本において高くなつた。それまでは大体一ドルが四百円から四百五十円しておつたのが、ポンドの切げがあつて以後五百円、七百円ということになつている。最近では一ドルが千円なんということも言つているという噂を私聞きました。こういつたような実情について政府の側で調査なさつたことがあるかどうか、それを一つお伺いいたします。
  30. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) おつしやる通り私共もそういう声をしばしば聞くのでありますが、まだ私共の所でその実体を突詰めて報告を受けてはおりません。
  31. 波多野鼎

    波多野鼎君 政府の方でもよく御承知の通りに、ポンド切下げられる前におきまして、ポンドについて世界的な闇相場があつて、そうしてポンド切下げはその闇相場に鞘よせするという意味切下げたのだと思います。現在日本においてそういうことがおおつぴらに言われているときに、政府の方でまだ調査もしていないというのではおかしいと思う、何かあると思うんです。知らんというのはおかしい、こういう重大問題、世界が注目している重大問題です。
  32. 青木孝義

    ○国務大臣(青木孝義君) 為替委員会委員長がその点についてお答えをいたします。
  33. 木内信胤

    政府委員木内信胤君) その問題は勿論非常に大事でありますので、注目はしておりますが、現在その問題につきましての私共の考えを一つ申上げて御参考にしたいと思います。ポンドが闇相場に追随したと申しますか、もつと正確に言えば物価差というものに追随した、その物価差を反映した相場もありましようし、或いはそれと全く違う事情に基く闇相場もあつたと思います。例えば香港のごときにおいては、どんな相場が出ましたか詳らかにいたしませんが、随分違つた闇相場も出ております。これは事情の特殊性によつて闇相場いうものがいろいろになると思います。ところで日本の闇相場についてはそれが、例えば五百円である、六百円であるということは、必ずしも物価差を現わすものでもなければ、又円に対する世界の認識を現わすものでもないと私共は考えております。その理由は、現在御承知の通りOSSというものがありまして、在留する外国人のためにドルで物を売つてもいい。エクスポート・バザーというものが開かれまして、高島屋その他で、輸出用の物資であつたものを国内放出した。それはドルで売る、こういうことが現に行われているのでありますが、その結果、これが闇相場を非常に支配するのでありまして、遺憾ながらその購入者というものは必ずしもその購入の権利を認められた在留外国人には限らないのであつて、遺憾ながら彼らの手を経て日本人が物を買つている。これが実は国内の闇相場の問題である。或る商品、Aという商品国内では一ドルにつき千円でも千二百円でも買手が付く、こうなるとそれに引摺られて闇相場は一千円でもいいということになりますので、エクスポート・バザーというものには国内の闇価格、それで飛び付く。その需要を持つた商品の何が出るか、それがどのように行われるか、又取締りがどの程度に嚴格であるかないか、これによつて支配される相場であります。今これが非常に大きなものが出たからと言つて、それは円の国際的認識というふうに考えるべきではない、こう考えるのであります。御参考になると思います。
  34. 波多野鼎

    波多野鼎君 その闇相場の意義は説明を聽かなくても分つているのですが、その闇相場についてどういう調査を政府がしているかということを聽いているわけであります。全然手を付けていないというのですか。これは円の三百六十円レートの問題に関連して非常に重大な問題であるし、特に外国為替及び外国貿易管理の問題にも関連して来るわけなんで、為替予算の問題だつて、この問題が決まらなければ出て来ない。特に円が世界的にいわゆる為替スペキュレイターによつて狙われている、これを攻略しようとかかつている。そういうときに日本政府国内でおおつぴらに言われていることなのです。おおつぴらに言われていることについて何ら方策を講じなければ、何ら調査もしていないということはちよつとおかしい。で政府の方では常に三百六十円を堅持する、堅持するといつておられます。それは一つ方針をしては成り立つと思う。併し堅持するならば、そういう闇相場的なものを撲滅しなければ堅持できない。そこから壞れて行くということを私は言つている。そういうものを撲滅するために調査くらいはあつて然るべきだと思う。それを聞いているのです。
  35. 木内信胤

    政府委員木内信胤君) 先程御質問の、どういう調査があるかという点についてお答えしなかつたのであります。どういう取引が行われているかということについては勿論十分に目を張つて見ているつもりであります。但しそれがどのくらいのスケールであるかということはなかなか数字は掴めないのであつて、その点は遺憾ながら数字的にこれを押え得たという事実はないのでありまして、その点遺憾に思つております。そこで、但し今後それについて放つて置くということではないのでありまして、実はそれらのことを取締らんがためにこそこの為替管理法ができるのでありまして、これが成立いたしますれば、たびたび申上げます通り、これはいわゆる嚴格なる属地主義でありまして、国内における外人の取引に至るまで同じ原理を以て臨むことかできるわけであります。それに一定の制限を課す。一定の報告義務を課すということによつて初めてこの分野は整理されて行くのであつて、私共は一日も早くその過程に入りたいと、こう考えております。それによつて国内において適正にドルの取引ということが制限できます。国内において今ドルがあるから厄介なのでありまして、それがなくなつたら国際的に大きな日本の円を今狙つているとおつしやいましたが、それらのことが行われるということは、日本は為替管理に関しては海外には今円のバランスもありませんし、非常に綺麗な白紙のような恰好でスタートいたします。島国のことでもありますし、非常に取締りはやさしいのであります。この管理法実現のあとは国際的に大きな円の闇市場が出てどうのこうのということは殆んどなくて済むのではないかというふうに考えております。
  36. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 波田野委員よろしうございますか。
  37. 和田博雄

    和田博雄君 ちよつと関連質問で……。どうも木内君にしてはまずいことだと私は思うので、これは円の闇価格が今言つたように、ただ單に国内的に非常に偏つた例外的な評価で決まつておるとあなたはおつしやるが、私はそうではないと思う。この三百六十円に一ドルを決めて、政府はしばしば繰返しているように、国際経済に参加したのだ。輸出入の單一レートができた、でき上つたのだと言つておるが、これは日本の経済力はやはり世界が評価している、その評価している程度はどこに現われているかと言えば、対外価値に出て来ると思うのですよ。そうすれば仮にそれが国際的にどうのこうのと言つて見ても、それはやはり大きな評価の反映だと見ざるを得ない。それで今度の法律ができて初めてそうい場合何ができるのだと、こういうことはこれは法律を作る建前として一応この場だけの答弁としてはそれでいいかも知れませんが、併しこの調査自体を、やはり波多野君が言うように現実にはどうかという調査をやはりやつて置かんと、これから法律ができて分るのだというのでは、私は少しどうかと思いますので、これは何もその点は数字があれば隠す必要も何もないので、現実の事実としてフラットに実はこうだということを率直におつしやられればそれでいいと思いますが、若しもなれば、これはしようがないが、あるなら率直にそういうことは数字をフアクトとしてお出しになつて、私はちつとも構わんと思います。
  38. 木内信胤

    政府委員木内信胤君) 調査のあるなし、調査がないわけではないのです。十分に自信があるものがない。これはお叱りはお叱りとして止むを得ない。承るより外仕方がありません。それから要するに闇相場は国際的評価とおつしやることも、これも勿論それを私は否定はしない。それはその通りでありますが、但しそればかりではないということをさつき申上げたのでありまして、それが千円として出たからといつて、こういう特殊事情で仮に千円出ても、それはひつこむものであるということを申上げた。要するにそれは程度といいますか、いろいろな原因から相場は高くなる。円の国際的評価というものが闇相場が三百六十円以上になることの一つの力であるということも勿論否定するものではないと思います。その点さつきの私の説明が粗漏であつたかも知れません。で将来の円価値というものについては、実は要するに百六十円でも輸出が伸びるかどうかということにかかわつているわけであります。それが輸出が出るなら出るという事実、別にサービスなしで輸出が出るならば、その事実そのものが三百六十円の適正性を説明するものであつて、これは一にかかつて今後の合理化の進展と申しますか、経済政策全般の進展と申しますか、為替管理の見地から見れば、先程も説明の中に出ました輸入先行によつて輸出は大いに伸びるだろうという期待、そのようなことが実現して行くならば、三百六十円は差支えないのだと、人は危惧を、国際的にはこれは無理な相場だと思つた人があつたかも知れないが、実はあれでよかつたのだという事実が出て来ないとは限らない。これは今後の状況次第、こう私は考えております。
  39. 和田博雄

    和田博雄君 これはどうもちよつと論点を外された形になるのですが、これはやはり闇相場についてのことは、事実は一つの事実として要求したいと思います。今の解釈についてはこれは意見でありますので、私又別の考え方を持つておりますが、ここで論争してもしようがありませんから、論争は止めます。事実としてそれは政府に出して貰いたいということを要求して置きます。
  40. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 今のは要求ですね。波田野委員まだあるのですか。
  41. 波多野鼎

    波多野鼎君 私も要求したいのです。その調査を……。
  42. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) そうすると、今の要求でいいのですね。
  43. 波多野鼎

    波多野鼎君 いいのです。外にまだ質問があります。安本長官にもう一つ質問して置きたいのは、この第五十條に関連した問題なんです。この法案五十條には「貨物を輸出する者は、当該貨物の最終仕向国における不公正競争の禁止に関する法令を十分考慮した上で輸出しなければならない。」この條項についていろいろ議論があつたようでありますが、これと第五十三條は必然的に関連していると思うのです。政府側では五十條は單に道徳的な意味のものだと言つておられたようでありますが、五十三條は処罰の規定をはつきりと決めている。道徳的なものに処罰の規定をくつ付けるということはおかしいのであつて、ところが五十條を非常に法的なものであると解釈するならば、外国の法律を云々というこによつて日本人が処罰されるということはおかしいですね。その辺の点について責任ある解釈を一つ出して頂きたい。
  44. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) この解釈について、道徳的な解釈であるという御説明をどなたがなさつたか、私も存じませんが、波田野委員のおつしやるように、五十條の規定は、今一般に言われておるソシヤルダンピングとか、ダンピングというものを制限するものだと思うのであります。五十三條で一年以内の期間を限つて輸出又は輸入を行うことを禁止することができるいうことが書いてあるが、これは確かに解釈としては私もそういう印象を強くいたしますが、これは御承知の通り規定そのものとしては、外国の規定云云とおつしやいますが、仮にダンピングを営むということが日本貿易輸出産業に取つてよろしいかどうか、こういう問題になると思います。御承知の通り過去におきまして、日本がダンピングをやつたというようなことは別といたしまして、今後ともその市場を攪乱するということが、同じ自国の輸出業商社といたしましても、いろいろとこのダンピングによつて日本輸出信用、或いは産業そのものの信用を破壊するというようなことがしばしば起りまして、これは過去の経験がよく物語つておるところだろうと思います。そういう意味でこれは関連的に不公正な競争に関するというような意味がこの五十三條においても援用され、又これについてのそういう解釈が生れて来るのだというふうに自分も考える次第であります。
  45. 波多野鼎

    波多野鼎君 いや、タンピング云々を承認しろとか是認しろという意味じやないのです。それはよろしくないことは分りきつている。そういう意味じやなくて、最終仕向国がこれは日本のダンピングだと判断するのか、日本国がダンピングと判断するのか、どつちかということなんです。日本国政府がこういうことをやればダンピングになるから止めて置けとそういうことを言つた場合に、それをきかないでやつた場合に制裁を加えるということは当り前だと思う。そうでなくて、五十條を見ていると外の国がダンピングであるかどうかを判断してしまうことになる、そこがおかしいというのです。
  46. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) 只今の五十條と五十三條の問題につきまして簡單に御説明申上げます。実はその五十條におきましてダンピングを是認するというふうな形になつているのでありますが、実際の運用といたしましては非常に今のお説の通りにむずかしいのであります。それで五十三條との関連におきましては非常な愼重な手続をとりまして、輸出の政令におきまして書いておりまするように、先ず現在でもそうでありますが、輸出の申告書におきまして、一応十分考慮して出しておるのだという保証をとつております。併しながら実際問題といたしまして現地の事情が分らないということは現在の盲貿易下において当然あることでございまするので、一応外国のバイヤーから書類を取ることになつておりまして、これで以て行つてもダンピングにならんのだというふうな書面を一応とることにいたしておるような次第なんでありますが、この法律の運用といたしましては、若しも海外からそういうタンピングであるという非難が起つて参りましたときに、書類によりまして照査をいたしまして、確かにそうらしいという判断はこれは日本政府がするわけなんでありまして、判断をした結果確かにダンピングであるといつた場合には直ぐ五十三條で以て輸出の禁止をするのじやございませんで、一応戒告いたすわけであります。その戒告を受けた業者が一年以内に尚且つそういう違反行為をやつているというときになりまして輸出の禁止ということへ引つかかつて来る、こういうふうに非常に実際問題といたしまして、この運用につきましてはお説の通りむずかしいのでありますが、そういう順を追いまして戒告をし、戒告を受けた場合におきましては、その業者が果して戒告通りやつているかやつておらんかというふうなことを考えますために、一応その業者の出す商品につきましては輸出の承認をとつてして行く。尚且つそういう違反行為があつた場合において、初めて輸出の禁止というふうなところへ持つて行くというふうに、非常に愼重な運用をいたすことになつているのであります。
  47. 波多野鼎

    波多野鼎君 ますます分らなくなつて来る。これは私は五十條というのは、「最終仕向国における」という文字があるから問題になるのです。不公正な競争の禁止に関する規定は日本つてある。それを適用すればいいので、「最終仕向国における」云々という言葉があるから問題が複雑になると言うのです。これをお取りになるおつもりはないですか。
  48. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) その一応最終仕向国と申しましたのは、その輸出業者がどこの国に出しておるかという、いわゆる最終仕向国と、その輸出業者が知り得る最終仕向国という意味でありまして、いわば通貨貿易等の場合を予想しているのでありまして、一旦日本人から買つた物が尚再輸出していると、その当該国を最終国とこの法律言つているのじやないのであります。輸出業者が輸出するときに、この商品はどこへ行つているのだということを最終国と、こういう意味であります。
  49. 波多野鼎

    波多野鼎君 要するに私の言いたいのは、これじや相手国の判断によつて日本人が処罰されるということになると言うのです。日本国の判断によつて日本人が処罰されるならちつとも差支えないと思う。相手国の判断によつて処罰される危險性があるということなんです。
  50. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) それは、一にかかりまして今後の運用によるわけでありまして、一応先程いろいろ御説明がありましたような観点からこういう規定を設けられました以上、この運用については愼重にやらなければいかんことでありまして、正当な善意の業者がこの規定によりましてひつかけられるということのないように、一にかかつて運用の問題だと思う。確かに現実問題としてこれを適用します場合に非常に困難があるかと思いますが、先程申しましたように、いろいろ戒告段階において徐々に適用して行くと、こういうふうに考えております。
  51. 波多野鼎

    波多野鼎君 大変むずかしくて分らんからもう少し研究してからもう一遍質問します。
  52. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 板野さん、関連しているのですか。
  53. 板野勝次

    ○板野勝次君 関連しているのもあるし、してないものもあるし……
  54. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 後で又許しますから、関連している分だけ、板野委員。
  55. 板野勝次

    ○板野勝次君 関連している分では、今の点でますます分らなくなつたんですが、運用によると言うのですが、例えば一定の規格があるとかないとか、そういうもう少し具体的な問題について五十條を説明して貰いたいと思うのです。そうしないと運用だけじや何か適当に然るべくということになるので……
  56. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) そういう規格等については別段制限をいたしておる意味でありません。
  57. 板野勝次

    ○板野勝次君 じや、規格についてがなければ、価格についてだけですか。
  58. 松尾泰一郎

    政府委員(松尾泰一郎君) さようでございます。
  59. 藤井丙午

    ○藤井丙午君 先日、五十條の問題につきまして、私稻垣通商産業大臣に質問しましたときに、そのときの御答弁は、これは、尤も今商務官があるわけでなく、貿易上のエージェントがあるわけでないから、外国の事情をいろいろ詳報するのに、いろいろな不便がある。そういう際にこれはどう扱うかということを私は質問をしたのに対してそれは例えば国内物価よりも下廻つた価格で出すとか、或いはレターンとかリべートとかというようなものにそういう非難があつた場合に、これを日本政府で、当該機関で調べて処罰する。その処罰については、只今説明員から説明がありましたように、非常に愼重なる手続をとつてやる、こういうふうな説明があつたわけであります。今波田野委員が言われるのは、これは当然なことなんだが、この法文自体が最終仕向国における不公正な競争の禁止に関する法令、つまり最終仕向国に対する法令を十分考慮してということになるから、法文自体がおかしいのではないか。結局それを判断し裁定するのが向うの法令にあるのではないかというところにこの法文自体の甚だ解釈にむずかしい問題が起つて来るのじやないかということを言つておられると思うのです。その点についての説明をもう少しはつきりして貰つたらいいのではないかと思うのであります。
  60. 谷林正敏

    政府委員谷林正敏君) その点について先程からいろいろ御質議がありまして、答えの方とやや食い違いがある点でいろいろ御質疑があると思うのですが、これは実はどこかはつきりした決まつた一つのものがあつて日本の業者としても非常にやりいい標準があれば、それによるのが一番いいのでありますが、今日本の業者がいろいろ出して、こちらではそれはダンピングでないと思いましても、相手国にいろいろな法律があつてそこで引かかつて、それがダンピングであると言われたときに、その国に関する限りこちらは如何ともし難いわけで、それでこういう最終仕向地、つまり買う方の法律において許されればそれは問題ない。そこで、或る特殊の法律とか或いは特殊の規定があつてそこに引かかつると、これはダンピングとして引かかるから、一応売る方は相手国にそれをそういう工合に売つて差支ないかどうか、これを見る、これは勿論現在非常に不便なことではありますけれども、相手のバイヤーと十分相談して置いて、こちらで値段を決めるときには一応そちらでダンピングその他で差支えないかということを見て置く、そういうことにふだん取決めをして置けば、あとは電信でそれを取決めてもいい、すでに打合せはできておるわけであります。そういう工合に成るべくダンピングの起る率を少くする。而も売つた先で起るのであるから、その国の法律でよければこれは問題なく一応通そうというので、仕向国という條件まで入つておるわけでありまして、こちらの方でいろいろ考えてもこちらの方でいいとしても外国において特殊の法律があつていろいろそこに文句を言われる。その際には今向うに対抗する何がないというふうな理由からこういう規定を盛つたわけであります。
  61. 藤井丙午

    ○藤井丙午君 その説明でそういう方法でやるということだけは分つたわけでありますが、そうしますと、先日通産大臣の御答弁になりましたように、例えば国内物価を割つて、例えばマル公があるならばマル公を割つて輸出したとか、或いは手数料にレターンを取つたとか、リベートしたとか、そういう問題を取締るという條項を、若しそういうことをするとすれば條項が別になくちやならんということになるわけですが、その辺の解釈はどうですか……
  62. 谷林正敏

    政府委員谷林正敏君) この法文の後の方に、不公正取引の取締のできるような條項がありますから、国内の方はその條項によつて抑えて行くことになります。
  63. 和田博雄

    和田博雄君 ちよつと今の点は、政府委員説明に分らん点があるのですが、それならばむしろこの條文がない方が私はいいと思う。何故ならば、こういう條文があれば、とにかく向うで文句を付けてこれはダンピングだと言つたときに、結局罰せられるのは、向うの判断でこちらの輸出業者が罰せられて来る。そういう場合に日本はダンピングはしないのだという好意を示すつもりで法律に書きながら、実際の運営においては惡用されることになる。実際経済関係はそう動くと思う。そうすれば、今の政府説明を聞いておれば、運用とか何とか言つておるのですから、我々も研究するか、政府としてももつと研究されて然るべきでないかと思う。今の説明は少し……。国内価格を割つてどうこうということ、今この條文の盛つておる経済的な意味とは少し違うように今感じましたが、政府としてのその点の基本的な、こういう條文を置いたその趣旨は一体どこにあつたのか、その点を明確にされたらいいのでないか。
  64. 稻垣平太郎

    ○國務大臣(稻垣平太郎君) これは二つの問題があると思うのですが、この前の藤井さんの御質問のときにお答えしたのは、国内的の問題として、例えば出す物を生産費を割つても出すといつたような場合、或いは一般に国内の販売価格があるそれを割つて出すという場合、これは何とか取締るとして、この五十條の規定としては、その仕向国、まあそこへ送り出すというその仕向国に何らか禁止的な規定がある、そういう場合に、その法令に反いて出したというような場合をこう考えておるわけなんです。言え換えれば、まあダンピング……従来日本はダンピングしていかんという問題に対する一つの措置として、向うにそういう法令があつた場合に、それに抵触するようなことのないように我々が考えたいということでございます。
  65. 和田博雄

    和田博雄君 どうも納得行かんのですが、私はむしろそうでなくて、私が解釈すれば、日本輸出について一番考えなければならん点は、ダンピングだ。日本はチーフ・レーバーを基礎にしてダンピングをやるんだという世界的な過去にあつたその非難を、もう一遍繰返すことはできるだけ避けたいという趣旨を、何らかにおいて弁明したいという点にあろうと私は思う。それだからこそ、相手国の判断如何によつて日本人が罰せられる規定になつておる。そうであるとするならば、その点はやはりその趣旨がもつとはつきりと通るように、惡用されないような方法で考えて行かなければ、ならんと私は思う。今の通産大臣の説明では私は納得は行かない。
  66. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 時間が大分……こういう格好なんですが、従いまして会議の進行についてちよつと御相談して頂きたいと思います。よろしうございますか。ちよつと速記を停止して……    〔速記中止〕
  67. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を始めて、それではこの委員会はこのまま一応休憩いたします。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは休憩たいします。    午後零時四十三分休憩    ―――――・―――――    午後二時三十四分開会
  69. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 午前中に引き続きまして、委員会を再開いたします。御報告申上げますが、午前中の委員会の最後のところで、五十條の問題が相当問題になつてつたわけでありますが、この休憩中に通産大臣の方から話がありまして、この間の経緯その他について、でき得れば祕密会でも開いて貰つて説明してもいい、或いは説明申上げたいというお話もあつたわけでありますが、そういうふうに取計らいまして、祕密会で五十條の問題を聽くことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは通産大臣が見えるまで、他の質問が残つてつたと思いますから、質問を願いたいと思います。
  71. 中川以良

    ○中川以良君 本法案は広汎に亘る委任立法でありますので、私共は政府を御信頼申上げて、もはや明後日からは自由貿易も再開することに相成りますので、早くこの審議も打切りたいと考えておりますが、ただ二、三この際に政府側の御意思をはつきりと承わつて置きたいと存ずるのであります。先ず第一にこの法案に対しまするところの政令が五つございますが、四つまでは大体本日まで頂いておりますが、一つのいわゆる為替の受拂いに関しまするところの大蔵省の政令というものはまだ承わつておらないのでありまして、これらがどういうような構想のものであるかという点も、御準備がなければ、大体の今日までのお進みの状態を御説明頂きたいと思います。尚これに伴ないまするところの省令が沢山ございまするが、一体幾つくらいの省令が出るかということも先ず以て明確にして頂きたいと存じます。
  72. 青木孝義

    ○国務大臣(青木孝義君) 政府委員よりお答えいたさせます。
  73. 稻益繁

    政府委員(稻益繁君) お尋ねの点でございますが、大体第四章、第五章の関係の集中とそれから制限並びに禁止、この部分が主として政令が遅れておるわけでございますが、実はこの法律の趣旨が旧管理法の趣旨と大体似たような恰好にできておりまして、非常に包括的にこれを網の目を張つたというような恰好にできております。従いまして、これによつて果してどの程度の具体的な取締り或いはそれの規定を作るかということが実は問題でありまして、私共目下その具体的な内容について司令部の方と折衝いたしておるのでございますが、今日只今までのところでは、まだお手許に差上げる段階に達していないということでございまして、大まかな考えだけを申上げますると、第四章の外国為替等の集中という章に掲げておりますような内容のことは、大体におきまして、当面のところ全面的に外貨資金を集中するという考えでおります。ただ現在国内において特殊な形態で行なわれております連合国人乃至はその他バイヤー方面の為替、そういうものが国内で例外的な扱いで行なわれておりますので、その方の取扱いをどういうふうに具体的にやるかという内容が、実はまだ最終的に決まらないわけであります。従いまして、大体の方向としては全面集中という行き方で参りますが、個々の問題についての政令に具体的に書く段階まで行つておらない、かように御了承願いたいと思います。  それから第五章でございまするが、この方は実は旧管理法におきましても、いろいろな対外支拂、外国への送金その他を包括的に取締つておりますが、これ又大体の考えといたしましては、現在の窮屈な為替資金の状態におきましては相当嚴格な規正が必要ではないか、特に考えの中心といたしましては、為替銀行を通ずる決済という明らかに掴めるものに極力集中いたしまして、その他のものは、弊害のないものは勿論包括的な免除をいたしまして個々のもので資本逃避防止という大眼目から見まして絶対に困るというようなもののみを拾い上げて、許可制或いはその他の制限をして行くというようなやり方で参りたいと、かように考えております。
  74. 中川以良

    ○中川以良君 そうなりますると、十二月一日からこれが実行に移される場合に、いろいろ難点が伴うのじやないかと思いますが、それまでにそれらの附帶の政令なり或いは省令というものは全部整うのでございましようか、どうですか。
  75. 稻益繁

    政府委員(稻益繁君) 只今申上げました第四章、第五章関係の政令は現在のところでは十二月一日には出すことは不可能だと考えております。
  76. 中川以良

    ○中川以良君 その場合には実行面において支障は伴なわないでありましようか、どうでありましようか。
  77. 稻益繁

    政府委員(稻益繁君) 現在この管理法に規定いたしております程度のことは、御承知の終戰後出ましたポッダム勅令に基きます大蔵省令八十八号で取締をいたしておりまして、これが御承知のように殆んど全面的な禁止乃至は制限という形にできておりますが、これの運用で当面のところを凌いで行くということになるかと思います。
  78. 中川以良

    ○中川以良君 それでは改めて伺いまするが、本法案が通過いたしましたならば、十二月一日からこれを施行いたしますには、当面の問題として何ら支障がないと心得てよろしうございますか。
  79. 稻益繁

    政府委員(稻益繁君) 大体さように御了承願つて差支ないと思います。
  80. 中川以良

    ○中川以良君 それから閣僚審議会の点につきまして、本日政令の案を頂いたのでありまするが、実は一番初めに私も御質問を申上げたいのでありますが、経済安定本部が最高施策をやつておりますが、経済安定本部こそこの問題を取上げてやるべきではないかと考えたのでありまするが、いろいろ内閣の御都合によりましてかような審議会ができたと承つておりまするが、ただこれの運営に関しましては、この案を拜見いたしますると、審議会の議事については必要なる事項は審議会が決めるというようなことに相成つておりまするが、委員長は内閣総理大臣を以て当てられておりまするが、恐らく総理は常にこの委員会には御出席は不可能ではないかと存じます。その場合には一体議事をどういうふうにお進めになるのか、この点を一応安本長官に承つて置きたいと思うのであります。
  81. 青木孝義

    ○国務大臣(青木孝義君) この問題は我々も最初から考えて参つた問題でございます。ただ今回のこのできました閣僚審議会に基いて只今の御質問にお答えいたしますが、これは御承知の通り五名の委員が、大蔵大臣、農林大臣、通産大臣、運輸大臣、経済安定本部総務長官、こういうことになつております。この他にアドバイスするメンバーとして外国為替委員会委員長が入ることになつております。そうしますると、それぞれの所管大臣が自分の方に関係したものを説明されるような場合におきましては、任意にその委員長としての‥‥、委員代理というか、そういう役目を務めるのでありますが、実際には経済安定本部総務長官がそれをやるという形式で進めて参る考えでございます。
  82. 中川以良

    ○中川以良君 殆んど事務的にも経済安定本部の貿易局がお当りになるようで、その点は誠に結構だと考えておりまするか、この閣僚審議会が国会に対する責任を持つた機関でやられるか、或いはこの審議会の上に更に閣議が存置するのか、その辺の点を一つ明確に御説明をして頂きたいと思います。
  83. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) これは内閣に属する一つの機関でございまするが、実際においてはこれは形式的には必ずしも閣議に諮らなければならんというようなことはございますまい。併しながら事実においてはやはりいろいろ関係事項がございまするので、閣議にもかけるという考えでございます。
  84. 中川以良

    ○中川以良君 私共はその点を非常に懸念をするのでありまして、いわゆる屋上屋にならないようにし、その審議会において御審議をなされる事項は飽くまでも国のいわゆる基本的経済政策を基幹としておやりを頂くように、特に私はお願いを申上げて置く次第であります。  それからその次に承りたいことは、本法案に外国銀行が如何ように適用を受けるかという点でありまするが。この点は至つて不明確でありまして、若しも適用を受けないということにいたしますると、無論適用させるわけには行かんと思いまするが、他の手段を以てこれと同じような適用を受ける手段か講ぜらるべきであると存じます。この点を一つ明確に御説明頂きたいと思います。
  85. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) その点につきましては、勿論一般的に申上げれば内国の商社、銀行等と同様に一応の適用を受けると考えます。
  86. 中川以良

    ○中川以良君 それは政府委員から一つ説明頂きたいと思います。具体的に‥‥
  87. 稻益繁

    政府委員(稻益繁君) この法律の第十條に掲げてあります「外国為替業務を営もうとする銀行は、その営もうとする営業所並びに業務の内容を定めて、大蔵大臣の認可を受けなければならない。」とありまするように、この法律におきましては、一応内外を問わず外国為替業務を営もうとするものは大蔵大臣の認可を受けるということに法律上なつております。ただこれによりまして、外国為替銀行が認可の申請をいたして来るということになりますれば、勿論この法律による外国為替銀行と相成るわけでありまして、ただ事実は、現在におきましては外国銀行はすべて司令部のライセンスによりましてその範囲内の業務を営んでいるということになつております。その業務は主として連合国人或いはバイヤーその他の特殊な関係の人々の預金、送金その他の業務を営なんでおるだけでありまして、一般的ないわゆる外国為替業務というものを営んでおらないわけであります。従いまして現在はとにかく外国為替銀行ということでなしに、スキャップのライセンスを受けた銀行として、その範囲内の仕事を営んでおるという現実の状態でございまして、ただ法律としてはこの法律に基く認可申請をいたして参りますれば、ここに言ういわゆる外国為替銀行になる、かように相成るわけであります。
  88. 中川以良

    ○中川以良君 今日の日本の国際的立場から申しまして外国銀行がこの法令に指定されるということは巖密に私は言えないと思いますが、そこにおいて只今説明のごとく英米の銀行はスキヤップを通じまして本法の適用を受けると同じような制約を受けるので、決して普通の外国銀行だけが日本銀行と比べて優位な状態にあるのではないというふうに解釈してよろしうございましようか。
  89. 稻益繁

    政府委員(稻益繁君) 只今のお話の通りだと思います。
  90. 中川以良

    ○中川以良君 次は輸出の承認の問題でありまするが、これは銀行の窓口で以て承認を與えることになつておりまするが、この承認のいわゆる優位順位と申しまするものは、その一日中のもので時間的に順位を決めるのでなくて、全体を操作していわゆる為替の金額と睨み合せて許可をするというふうに承つたのでありまするが、具体的にこれはどういうことに相成りまするのか、一方の政令におきましてもこういう事項は具体的に明示されておりませんので、その点の御説明を願いたいと思います。
  91. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) 只今のお尋ねは輸出の場合ですね。
  92. 中川以良

    ○中川以良君 そうです。
  93. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) 輸出の場合につきましては、特殊な商品それから特殊な決済條件の場合は、通産大臣が許可と申しますか、輸出の承認をするわけでありますが、その他の大部分の場合は、銀行に輸出申請書を提示いたしまして指定條件が確保されておるという確認を得れば、税関におきまして無條件に通過をするということに相成りますので優先という観念は実はないわけでありまして、まあ幾らでもどんどん為替銀行が所定の決済條件に合致しておるということを確認して呉れさえすればいいということになるわけであります。
  94. 中川以良

    ○中川以良君 ちよつと私の御尋ねしたのと多少食い違いがあるようでございますが、私はたとえて申しますると、ここに五百万ドル輸入許可金額がある、これに対して例えば二十社なり三十社なりが銀行につめかけて参りまして、一千万ドルからの輸入を願い出たといつた場合には、一体そのときには朝早くから銀行の窓口に来た者が認められるのかどうかと、こういう意味でございます。そういう場合には具体的にどういうふうに御処置をなさるかということを伺いたいのであります。
  95. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) 只今のお尋ねは輸入の場合についてだと思うのでありますが、輸入の場合におきまして、いわゆる予算範囲内におきまして輸入業者が輸入の申請を為替銀行にして来た場合に、その予算を超過した場合のことかと思いますが、一応この輸入業者も東京のみならず各地に散在をしておりまするので、いわゆる早い者勝と申しましても、その運用については十分考慮いたさなければならんことは申すまでもないことであります。今まで一応関係官庁の打合せのラインを申上げますれば、日本銀行の本支店の窓口にその輸入申請書が……輸入申請書は業者が為替銀行に提示するわけでありますが、その輸入申請書を受けた為替銀行がこういう輸入申請があつたということを先ず日本銀行の本支店に提示することになるわけであります。大体その提出いたしますのは、午前とか午後とかいうふうに切りませんで、大体同じ日附のものを同順位として一応取扱います。それを東京なら東京の本店に集中いたしまして、そこで為替審議会は対外予算範囲内であるか否かを検討いたしまして、若しその商品別、通貨別に予算範囲内に申請書が全部納まれば全部奉認をされますし、若し超過した場合におきましては、或る地域についてはその予算範囲内で納つたが、或る地域のものについては予算よりも超過したという場合も起つて来るのでありますが、その超過した場合におきましては、大体抽籤によりまして順位を決めて行く、従いましてその予算範囲内で、抽籤によりまして一番から何番までか取りまして、最後のところに行きまして若干残額が残つて来ると、そのときの抽籤に当つたものがいわば一部承認ということになるわけであります。その一部承認を受けたものが取引の必要上それを拒む場合には、一週間以内に届出て拒むことができるというような規定を輸入の規定の中に入れることになつております。これを要するに、日本銀行の本支店への窓口に到達する日の順位によつて大体決定する。こういうことにこれは御了承願いたいと思います。
  96. 中川以良

    ○中川以良君 大体分りましたが、輸入の政令の中に、今入れるというお話がありましたが、そういつた詳しい規定はないのでありまするが、それは規則か何かで出るのでありますか。それに対しては為替管理委員会が干渉をするのか、銀行だけでその抽籤をやるのか、その点を明確にして頂きたいと思います。
  97. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) その順位の決め方なり、抽籤の方法につきましては、外国為替管理委員会と所管省との共同省令を以て決めるという予定になつております。
  98. 中川以良

    ○中川以良君 それから輸出の品物に対しましては、午前中問題のございました五十條で一応ダンピングの規定があるのでありまするが、これはいずれ通産大臣からお話があるそうで、この点はそれを承つてから又質問することといたします。ただ私共考えますのに、成る程海外の市場に日本が従来のような、ダンピングをしないというために、日本のいわゆる産業道義の今日の状態を明確にする意味から言いましても、かような條項を加えることは甚だ至当なことであろうと存じまするが、ただ反対に輸入するものに対しまして、仮に外国から非常にダンピングをして、日本の産業を潰そうとされた場合には、今日のこの法令では安いものでしたら幾らでも入る、これは今日の日本の現状から申しまするならば、そういうものが入つて来るのは或いは望ましいかも知れませんけれども、日本の産業を育成助長をして行くという過程におきまして、特に新らしい産業等に対し、今後積極的に設備資金等をもかけまして、長期計画を以て進むというようなものに対しまして、仮に他の外国からそういうものを潰そういうという意思の下にダンピングをして来た場合には、この法令では何らこれを防止するところの制約事項はないのでありまするが、これは恐らく関税その他が考えられると存じまするが、そういうような事態は予想されておらんか、或いはそういうふうな事態が出た場合には、政府としては如何なる態度を以てお臨みになるかという点を一つ伺いたいと思います。
  99. 谷林正敏

    政府委員谷林正敏君) 只今のお尋ねでございますが、これは今お話がありましたように、今の事態におきましては、大体むしろそういう傾向が少なく、高く買わされるということが多いかと思うのでありますが、仮にお尋ねのような場合が海外に起りまして、日本の産業を潰そうというような意図を以ちましてやつて参る場合には、今お話になりましたように関税政策その他で対抗もできるし、或いはこれを広くその国の、ダンピング法に引つかけて、そうしてそれに訴えてこれを止めるということもできるかと思つております。それでいずれの方法によりましても、今この法律でそのことを考えなくても、それは他の方法で抑えることもできるし、又一応この程度ならば、その状態が来る方が今の日本にはいいんじやないかというように考えております。
  100. 中川以良

    ○中川以良君 もう一つお伺いいたしたいのは、五十五條の担保提供の制度でありまするが、これは政令の方に、確か十七條かにございまするが、これも極めて不明確な規定になつておりまして、一体この尺度はどこに置くのか、各物品ごとに変わるのか、或いは時期的に違うのか、或いは相手国によつて異なるのか、こういうような点はどういうふうになるのかということを承りたいと思うのであります。
  101. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) この五十五條の担保についてのお尋ねでございますが、この規定の趣旨はいわゆる投機を目的とする輸入申請が殺到することを防止するということと、それから今一つには輸入申請をして許可を得た者が必ず輸入を実行するということを確保する規定のためにこういう條項が挿入されておるのでありまして、お尋ねの地域によつてこの担保の率を変えるとか、或いは業種別によつて又担保の率を変えるということはなかなかむずかしい問題なんでございますが、政令案の中におきましては、一応閣僚審議会において決定をされることに予定しておるのでありますが、今のところ事務的の運用の方針といたしましては、規定の趣旨がそういうふうでございますので、たとえて申しますと、早い者勝の輸入商品の場合、それから資金の事前割当をする商品の場合によりましては、後者の場合等につきましては、担保の率は、非常に低いものでよいのではなかろうか。早い者勝の場合は或る程度、例えば或いは五%なり一〇%程度の保証を必要とするのではないかというふうに考えておるのでありまして、地域別にその差に率を設けるかどうかということにつきましては、今のところはつきりした考えは持つておらないのでありますが、余りそういう必要もないのではなかろうかというふうに考えております。
  102. 中川以良

    ○中川以良君 漠然たる規定でなく、何かこれに対する規定が、何か明確な尺度をお示しになる必要があるのではないか、そう申上げますことは今日至るところ資金難であり、殊に設備資金、運転資金等に困つておりまする産業が、この際貿易をするためにこういう金を長く保証の意味で以て置くということは、産業の発展に対しまする大きな阻害になると私は思うのであります。この額が多ければ多い程、大きい影響に相成ると思います。特に一番心配をいたしますことは、金融も今日十分に行つておらない折から、中小企業等が、これによつて非常に迷惑を蒙る、中小企業で非常に立派な技術を持ち、又非常な生産意欲を持つておるものも、こういうようなもののあるために非常に迷惑をしておる。殊に輸入に当りましては、部の為替銀行と特殊関係を持つたもののみが優先的に輸入する、且つ又銀行としても危險性を考えましてそういつたものをできるだけ取るようにする、従つてこういう正しい努力をする中小企業はいつまで経つても直接輸入をみずからするところの機会を失われる。特にインポーターにおきましても、成るたけ大きな、或いは又保証金が十分積めるところ、こういうようなところを一番やはり狙うのでありますから、中小企業の人々は直接輸入する機会を失うというような慮れがあるのでありましてこの点が最も懸念をされるのでありまするが、かような点は政府としてはどういうふうにお考えでございましようか。
  103. 稻垣平太郎

    ○國務大臣(稻垣平太郎君) 今の中川さんの御意見でありましたが、私御尤もと存じております。これについては、実情に即しまして、できるだけ我我としてはこの輸入の何というか、円滑に振興さして行きたい。こういう考え方を持つておりますので、従つて保証の額その他についても十分その辺を考慮いたしまして、運営して行きたい。かように考えております。
  104. 中川以良

    ○中川以良君 それに関連して稻垣大臣にお伺いしたいのでありまするが、中小企業に対する今後の、殊に輸出産業に対するところの資金の点を如何に通産省は斡旋するか、或いは又中小企業に対してどういうふうに御指導になるか、特に見返資金等も中小企業の有力なものに対してはお出しになるお気持があるかどうか、この点を承りたいと思います。
  105. 稻垣平太郎

    ○國務大臣(稻垣平太郎君) 中小企業の金融につきましては、いつぞやも本会議ですか御質問のあつたときにお答えしたと思うのでありますが、これは我々といたしましては、まあ運転資金といたしましては、年末までに二十五億くらいの程度のものが出ると考えておりますが、それから設備資金につきましては、見返資金から復金債の償還を受けた日銀が国債を買上げる、それに関連して設備資金その他の中小企業の融資をする。こういつた形でレッド・テープで持つて行くということを考えておりまして、これは各業者間の中小企業者の設備資金の御希望を今通産省で集めておりますので、この集めました中から我々が見て十分これは御尤もであるというものについては、我我はできるだけ今の形で斡旋をしたいと、かように考えております。その他信用保証協会なりを利用するということ、或いは協同組合法によるところの信用組合を利用する、或いは親会社なり問屋の筋を通じてのトンネル融資をする、こういつたようなことについて我々は斡旋しておるわけであります。ただ問題は、今の最後にお尋ねになりましたようにこれを実際に融資を受けるのに対しまして、この中小企業の中には今お話のように非常に立派な技術を持つておる、日本の産業としてなしてならない部面を持つておるというものもありまするし、又中には全然この受入態勢ができていない企業もあることは御承知の通りであります。そこでそういう意味において、できるだけ工場診断ということをやつておりますので、昨年だけでやつた工場診断の工場は、少し行き過ぎに亘つておると思うのでありますがこの工場診断をいたしまするというと、本当に技術的に粗雑であり、又資材その他も普通の業者と比べまして余計な資材を使つておる、そうして製品が不完全である、こういつた面もありますので、特別に指導班を出しまして工場診断をやりながらやつておる。これはまあ工場自体の希望と、それから県庁とタイアップしまして、我々の方でやつておるようなわけでありまし、こういつたような工場診断と相俟つて、ものによつては協同組合というものと相俟つて、これが殊に輸出工業については中小工業の育成ということに我々は努力いたしておる次第であります。
  106. 中川以良

    ○中川以良君 それから五十五條の第二項に「貨物の輸入の承認を受けた者が当該貨物を輸入しなかつたときは、政令で定めるところにより、前項の保証金、証券その他の担保物を国庫に帰属させることかできる。」とあります。これは不可抗力によつて輸入のできなかつたこと、先方の意思によつて輸入ができなかつたというような場合がいろいろあると存じまするが、この点は何かお考え頂いておつて、これに対する規定か何か、別個に定まることがあるのでありましようか、どうでありましようか。
  107. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) その点は輸入の政令によりまして、正当な理由があつて輸入ができない場合におきましては、その担保は国庫に帰属せしむる必要がないというふうな規定を設ける予定になつております。
  108. 中川以良

    ○中川以良君 輸入の政令と申しますると、この間頂いておるのでありますが、どこにそれが明示してありますか。
  109. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) 実は輸入の政令案の方は尚固まらん点が大分ありますために、本委員会にお配りいたしましたのは政令案要綱をお配りしたことになつておるのでありまして、その点につきましては、関係筋ともいろいろ打合せをいたしたのでありますが、御存じのように輸出は十二月日からということで、非常に前々から準備をされましたので、はつきり政令の恰好に相成つておるのでありますが、輸入の方は一月一日からというので、若干時日に余裕がありますために、細部の点につきましては尚関係筋と打合せ中に属しておりまして、原則的なことにつきましては、大体政府と打合せができましたために、その政令案要綱としてお目にかけて頂いている次第であります。今申上げましたように、大体政令案の中では今申しましたような規定も用意しているわけであります。
  110. 中川以良

    ○中川以良君 よく分りました。頂いているところの政令案要綱には、そういうことがなかつたのでありますが、そういう点を尚御検討して頂いていることで安心いたしましたが、尚これも早く政令をお出し頂くように、特に希望を申上げて置きます。  それから第十七條の通常予備費と十八條の非常予備費との相違について一つ説明を頂きたいと思います。この予備費はいわゆる通貨別に設けられるのかどういう形で設けられるのか、それから何が故にこれが必要であるかというような点を一つ明確にして頂きたいと思います。
  111. 谷林正敏

    政府委員谷林正敏君) 通常予備費、それから非常予備費と両方ございますが、これはお尋ねのように通貨別で設けております。この予備費が入りますのは、昨日もちよつとお話したかと思いますが今度向うから全部日本政府側にこの輸出入というようなものが託されますと、我が国側の官庁だけでこれを全部をやらなければならない。そこで現金に関する限りは輸出輸入と見合つてそこに、バランスがあり、そこに赤字が出たらやり切れないというようなことがありましてその外のいろいろな勘定におきましても、この輸出入の為替予算においては一応のゆとりを置いておかなければならんというので、ここに予備費というのがあるのであります。この通常予備費というものは必ずそこへ出て来るものになつている予備費でありまして、その内容は第十八條に「外国為替予算を作成する場合には、計算若しくは評価の過誤又は予測できない緊急な需要に基く不足を補充するため、通貨別に一定の外国為替使用可能量を非常予備費として設けなければならない。」これが非常予備費でありまして、通常予備費の方は、予め予算を立てるときに、こういう品物がこれこれ入るということを予測できない勘定があるわけであります。例えば当初の裁定の際には、それぞれ非常に細いとか、或いはその品物が或る金額に達しないとかいうようなわけで、予め計算をしている場合にはそれを一つの項目として出し得ないというようなものが、当然その為替を実行している例えば一つ四半期の間には出て来るわけであります。そういうものが出て来た場合に、どこにも入れないというような場合は非常に困るのでありまして、そこにゆとりを置くために通常予備費というものを置く。こういうようなわけでありまして、いずれにいたしましても、予備費は相当大目に見ている。そこで如何なる場合でも金がなくてそこに立往生をするというようなことは絶対に防がなければいかんという趣旨で、こういう項目を設けているわけであります。
  112. 中川以良

    ○中川以良君 一体この予備費は、これが余り細かいことはお尋ねしたくないのでありますが、総類の何%ぐらいを通常見なければならんものか、通常不備費と非常予備費とにつきまして、若しもそういう目安があれば一つそれをお聽かせ頂きたい。
  113. 谷林正敏

    政府委員谷林正敏君) これは全部の予算ができませんうちは、大体どのくらいかというようなことも今申上げられないのであります。当初そういうものを一切含めていわゆる雑費という項目で、これはドイツの例でございますが、やる場合にはやはり約一割ぐらいをそういうのに入れたらというような向うの指示といいますか、一つのサゼクションがあつたのでございますか、今回これを我が国側でやります場合に、通常予備費或いは臨時予備費をどの程度に置くかというようなことは、今比率その他の程度も今後実際に組むに当りまして考慮いたしたいと思つております。
  114. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) よろしうございますか。今その前に先程申しました和田委員、それから藤井委員等から御質問が出ておりますが、五十條の問題で、都合によつて説明しようかというお話がありますが、祕密会を開いてでも今のお話を聽きましようか。よろしうございますか。それじやその問題の説明のために秘密会にいたしますから議員、国務大臣、政府委員及び事務をとる職員以外の方は御退場願います。    午後三時十六分祕密会に移る
  115. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 祕密会に移ります。速記を止めて。    午後三時十七分速記中止    ―――――・―――――    午後三時二十九分速記開始
  116. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を始めて。それではこれで祕密会を解きます。    午後三時三十分祕密会を終る
  117. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 質疑を継続いたします。
  118. 板野勝次

    ○板野勝次君 私は丁度午前中途で来たので、或いはダブるかも知れないのでございますが、為替予算の問題について、先ず最初に伺つて置きたいと思います。為替予算日本経済の決定的な重要な意味を持つわけですが、これが一般予算との関係、総合化というふうなものはどこでおやりになるのかどうか、それを先ず最初にお伺いしたいと思います。
  119. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) 御承知の通り為替予算という予算名がついておりまするが、国の一般予算と、この場合の為替予算というのとは少し性質が違うかと存じます。というのは為替予算と申しましても、これは為替のいわゆる輸出輸入計画でありまして、内容は計画であります。国の一般予算というものは全然関連がないということではございませんけれども、併しながらこの場合においては性質が異つておるというように考えております。
  120. 板野勝次

    ○板野勝次君 そういう総合化はどこでおやりになるか、或いはおやりにならないというわけですか。
  121. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) それはここで本日提出いたしました閣僚審議会におきまして、この計画を審議をいたしまして、そうして決定をいたすわけでございます。
  122. 板野勝次

    ○板野勝次君 そうすると、それはもう閣僚審議会だけで終ると、こういうわけですか。
  123. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) 勿論先程お答え申上げましたように、閣僚審議会はいわゆる内閣の附属機関に属しますので、事実上は閣議に報告をいたす考えでございます。
  124. 板野勝次

    ○板野勝次君 それでは、その調整はやはり内閣においてやるというわけですね。
  125. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) 実際上はそいう形になると存じます。
  126. 板野勝次

    ○板野勝次君 それでは、この閣僚審議会は外国為替予算を作成するということですが、これは国会に対して責任を持つのかどうか。
  127. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) これは、この計画を立てまして、これを閣僚審議会で審議いたしまして決定をいたしますが、併し勿論これは内閣の責任であり、閣僚審議会の責任であると存じます。
  128. 板野勝次

    ○板野勝次君 ですから、国会に対しては責任を持つというわけですね。
  129. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) その通りでございます。
  130. 板野勝次

    ○板野勝次君 それでは今度の国会の補正予算とも関連して、こういつたものが出て来なければならん筈だと思うのですが、この法案とも関連して……私も中途からだからよく分らないのですが……
  131. 谷林正敏

    政府委員谷林正敏君) ちよつと、只今大臣からお答えがありましたが、追加かたがた御説明を申上げます。これは勿論その外貨予算というものが出来た半面において円に関係し、或は政府関係が出たときはそれが政府予算関係するという場面もあるわけでありますが、外貨予算というものは国家の予算とは全然無関係であります。それで国会へ出ております補正予算というものはこれは国の予算の一部であります。そこにはつきりと予算の性質を持つておるのでありまして、この外貨予算の方は先程長官から御説明がありましたように、輸出並びに輸入の計画、それに外貨を裏付けるということでありますから、それに直接の関係はございません。
  132. 板野勝次

    ○板野勝次君 それでは為替予算審議というものは国会でやらないわけですか。
  133. 谷林正敏

    政府委員谷林正敏君) それですからこの審議国会ではやらない、お願いをしないということであります。
  134. 板野勝次

    ○板野勝次君 それでは閣僚審議会が決定して、内閣の責任において、国会には諮らずに單独でやつてしまうというわけですね。
  135. 谷林正敏

    政府委員谷林正敏君) それは国会には諮らずにやりますけれども、後で御要求がありました場合には、その事後報告ということは勿論やります。そのときに御批判があれば、やはりそこに御批判が出ますが、それ以前において実行する場合には国会を待たず実行する。
  136. 板野勝次

    ○板野勝次君 これではどうも理解できないのですが、そういう重要な問題を事前に審議するという審議権が国会にないということになれば、これはもう憲法などというものは問題じやないというわけですね。
  137. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) 政府委員のお答えの、その前にちよつと申上げて置きたいことがございますが、御承知と存じますが、この貿易上の関係は事前に予め決めて置いて、そうしてやることが適切であるというようなものも沢山ございますが、併しながら又こちらで予めその輸出輸入外貨等について決めますことによつて、非常に不利を招くというようなことも、貿易上には起ることもございまするし、又絶えずいろいろなものを取扱つて参りまするに即応するような措置としてこういう方法に出ているわけでございます。
  138. 板野勝次

    ○板野勝次君 この問題は結局……。併し予算審議というも一のと為替予算審議というものとが国内の問題とも関連してやられなければならないし、そうされなければ国の予算を立てるについて、この問題は全然切り離して考えることはできない。だから重要な部分を一緒にして審議するというのならば、全体の貿易計画国内の態勢というふうな見通しが付くけれども、片一方隠されてしまつてつて、一方だけが国会に出て来るというのでは……。私もよく事情を知らないからお尋ねしているのです。
  139. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) この計画を立てますときに、国の経済一般というものとは確に関係を持つておりまするが、併し外国為替管理及び貿易等の関係は、国の予算の一般会計とかいうふうなものとはこれは切離して実行が我我にでき得ると考えられまするし、又やらなければならないもので、これが一般会計予算と間接には大きな関係がありますが、直接には関係はないというふうに解釈をいたしております。
  140. 板野勝次

    ○板野勝次君 それなら何故予算審議というものを国会でやることが不都合なんですか。その不都合な積極的な理由があれば聽かして貰いたいと思います。
  141. 西村久之

    政府委員(西村久之君) お尋ねの、憲法に定めてありまする予算とは予算の趣きを異にいたすのであります。ここで申しておりまする予算というのは見積目標ということに御了解を願いたいと思います。
  142. 板野勝次

    ○板野勝次君 見積目標ではあるけれども、それが実際に行われて来ることなのだから、何故そういうものをつまり審議するということをやつて惡いかということなんです。そのことは今の答弁の中では少しも触れられていない。
  143. 谷林正敏

    政府委員谷林正敏君) 実はこの予算と申しますのは、輸出輸入の両方から勿論できているのでありまして、輸入の方は一応年間の見通し、それから四半期というような一応見通しは付くのであります。それに対して支出する外貨ということも一応のめどは付きます。輸出の方はこれは全く予想でありまして、民間の業者がこれをどの程度できるかというような一月々々にも勿論異つて来るのであります。この予算の編成は、いわゆるこの予算は先程申上げましたように、国内予算とは違うのでありまして、バヂェツトとい言葉を使うので非常に誤解を招くのでありますが、概念を外国為替予算と一応申上げますれば、これは一応毎月の輸出というものを見まして、そこに合うような輸入を考える。或いは先程午前中も政府委員から御説明申上げましたように、或る程度輸入というもの先行さして、そこで輸出を見るといような、多分に普通の予算とは変つた、或いは予想、推量というようなものも入り、殊に刻々と或いはもつと言葉を極端に申上げれば、一週間、二週間ごとくらいな現勢を見てやつて行かなければならない、そういう点で、一一事前に御相談をするという余裕がない。或いはその性質がそれを許さないというものも多分にあることと思いまして、先程の答弁をしたわけであります。
  144. 板野勝次

    ○板野勝次君 それではこれは後から国会に諮るというわけですね。後で国会の承認を求めるとか何とかいうことになるのですか。
  145. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) それは御要求がございまして、どんなふうな計画あるかということの御質問とか、御要求がございますれば、そのときは、答えのできることはお答え申上げたと思いますが、別に国会にかけて審議しなければならないということはないと思います。
  146. 和田博雄

    和田博雄君 今板野君の質問に対して安本長官は、この審議会は国会に対して責任があるとお答えになられたので、責任を帶びるわけですね。その点どちらですか。或いは国会に対して責任があるかないか、それをはつきりしないと非常にこんがらかると思いますが‥‥
  147. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) これは内閣といたしましては、責任がないとは申せない、責任を負うと存じます。
  148. 和田博雄

    和田博雄君 内閣が負うのであつて審議会は負はないのですね。今聞いておるのは、審議会というものの性質です。審議会と内閣の関係ということです。結局は。
  149. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) 審議会は先程もたびたび申上げたと存じますが、これは内閣の附属機関でございまして、審議会も勿論責任を負うのでございます。併し当然その結果として内閣が責任を負うということは、同様に責任を負うと、こういうことでございます。
  150. 和田博雄

    和田博雄君 それではちよつと困るのじやないのですか、内閣も責任を負うし、審議会も責任を負うということになると、インナーキャビネットというような関係になつて、その点ははつきりされて置かないと、ここにちやんと法律の中に閣僚審議会という名目できちんとした審議会がある以上、これは恐らく閣僚懇談会といつたようなものとは性質がはつきり違つた一つ法律で決つた権限と職務とを持つておるものですから、それが内閣に対して一体どういう関係を持つのか、それとも国会に対してはどういう責任を持つか、その点をはつきりしなければいけないと思います。
  151. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) それは閣僚審議会は内閣の一つの機関でございますから、内閣が責任を負います。
  152. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) これは法律上非常に重要な問題ですから、一つ打合せて答弁して頂けませんか。はつきりと打合わせて答弁された方がよいと思います。ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  153. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を始めて。
  154. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) 先程政府の答弁がまちまちであつたというふうな嫌いがありましたので、改めて申上げますが、閣僚審議会は内閣の附属機関であり、又内閣の補助機関というものでございますので、従つて内閣に対する附属機関で、これはいわゆる内閣の仕事を援助するという意味でこの閣僚審議会というものができておりますので、責任はすべて内閣が負う。こういうことでございます。
  155. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 内閣に対して責任を負い、従つて国会に対しては間接の責任にはなるけれども、直接の責任は持つていない、こういうことでございます。
  156. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) そういうことです。
  157. 板野勝次

    ○板野勝次君 前にも重複しておる部分があると思いますけれども、それは御辛抱願いたいと思います。この法案によりますと、やはり輸入先行方式になつておるように思われるので、輸入の義務のみが一方的に課せられておつて、そうして相手国がこちらから輸入することは何ら義務付けられておるようには思われないのですが、相手方というものが果して義務を負うのがどうか。
  158. 稻垣平太郎

    ○國務大臣(稻垣平太郎君) ちよつと御質問意味が分らないのですが、我我の方が輸入を義務付けられてもいないと存ずるのですが、どういう御質問の要旨ですか。
  159. 板野勝次

    ○板野勝次君 私が質問を間違えました。日本の現在の協定貿易によつて来ると、輸入が先行方式になつて来ておつて、そうして輸入義務のみが一方的に課せられておる。そうして輸出の方に対しては何にも相手方は義務付けられていない、こういうふうに思われるわけなんです。その点はどうですか。この法案のことは言い違いであります。
  160. 稻垣平太郎

    ○國務大臣(稻垣平太郎君) それも少しお考え違いだと思うのでございますが、我々が輸入協定をいたしておりまする場合には、相互的に義務付けられております。義務付けられておるというか、相互的に協定いたしておるのであります。例えば最近結ばれました日英協定におきましても、我々の方といたしましては、我々の方というか、両者が同額のおのおの輸入予定、我々の側から言えば輸入が五千五百万ドル輸出が五千五百万ドル、そうしてその内容は大体どういう品物を我々の方は出そうという品物を向うへ申し出しております。向うからもこういう品物を出そうということがおのずから決められておるのでありまして、向うからよく話が出るのですが、伺うからこういうものを押し付けて、こつちから買うものについては向うが自由に選択するというようなことはないのであります。大体品種別に、又金額別に、そうして期間別に、期間別というのは一年間でございますが、それを限つてお互いに相互的な会議の上で協定がされておる、こういうわけです。
  161. 板野勝次

    ○板野勝次君 それではもう一度その為替予算の問題に戻りますが、輸入方式というのは、それじやどういうふうになつておりますか。
  162. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 方式というと、どういうことですか。
  163. 板野勝次

    ○板野勝次君 輸入する場合のどういうふうにして行くかという具体的なこと。
  164. 木内信胤

    政府委員木内信胤君) 為替予算に関連して輸入方式を申上げますが、予算では大きな年間計画というようなものを頭に描いて、この四半期に大体何国からの何国に行くという計画をいたします。そうしますと、何のAという品物をどのくらい輸入したい、こうなると、それを協定国別に考えて見て、どの国から買うのが有利であろうかというふうな国別に割当てる。そうすればその国がオープン・アカゥントでやつておる国ならば、一応資金の心配をすることなしにそのおのずからの輸入計画を立てて、それが例えば一月に百万ドルなら百万ドル輸入するという肚を決めて、それを一週間ごとでもよい、二週間ごとでもよい、或いは月一回であつてもよいのですから、適当にそれを発表をする。そうすればそのうちに前以て為替割当がある輸入物資は先着順でやる。先着順でやつてよいと発表したものはその金額に満つるまで先着順で輸入権を買える。こういうふになります。
  165. 板野勝次

    ○板野勝次君 それでは輸入方式としての年間の一定の例えば物資の数量とか、仕入先きというようなものを三ケ月ごとに決めて行くというわけですね。そうすると最近の三ケ月分について入つて来る品目、そういうようなものを具体的に聞かして貰いたいと思います。どういう品目が入つて来ておるか。これは資料が来ておるのかどうか……
  166. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 今輸入予算だけ出ましたけれども、そうじやなくて昨日、一昨日から至急に計画全般についての年度予算、それから四半期別の見通し全部についての資料をこの委員会でもたびたび要求したわけです。それでもそいつの発表は今のところ関係当局と折衝中であり、了解が得られないのでこの委員会発表することができないというわけで、それならばこのアウトラインでも分らないというと、審議が非常に困難であるということが言われまして、それについて今朝午前中に管理委員長の方からそれのアウトラインの説明があつて、それならば今のところできればこの審議をしておる間に関係当局の方に了承を得るように政府の方は努力して貰つて、できる限り資料を出すように努力すること、併しながら出なくても必要に応じて秘密会その他でできる限りの資料を提出しながら審議をしようということで一応落着いたわけです。
  167. 板野勝次

    ○板野勝次君 こういうものは後から出て来るわけですね。
  168. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 向う関係によつてその点そういうふうになつておりますから、御了解願いたいと思います。
  169. 板野勝次

    ○板野勝次君 少し聞かして貰いたい点があるのです。この法案によりますると、輸入の場合には輸入数量の限度を示すということになつておりますが、それはどういうふうに決めるわけですか。或いはこの前質問が出たかも知れませんけれども……
  170. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) 只今のお尋ねは輸入の限度と申しましても、予算じやない、一輸入業者の輸入し得る限度という問題でございますか。
  171. 板野勝次

    ○板野勝次君 そうです。例えば一品目について一業者が一定期間にどれだけの限度を越えてはならない。その限度は……
  172. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) 先程から御説明がありましたように、大体予算が公表せられますと同時に、それぞれの品目につきまして一人が輸入し得る限度というものも同時に公表されると思います。それは閣僚審議会で一応決定することになつておりますが、只今のところまだはつきりしておりません。大体二〇%、物によりましては生産者が二人、三人というような商品につきましては、或いはもう少し大きな率も決定されるかと思いますが、大体ドイツ等で行われておる限度は二〇%ということになつております。大体そういうふうな目標で考えておりますが、これも発表される予算の期間、それから商品の性質によりまして若干増減するであろうと思います。
  173. 板野勝次

    ○板野勝次君 そうしますと、例えば一つ商品について二〇%を限度として抑えて行くということになりますと、一〇%で抑えられたために全業界を支配して行くというような危險はありませんか。
  174. 稻垣平太郎

    ○國務大臣(稻垣平太郎君) それだから今の政府委員が申上げましたように、生産者が一人か二人の場合は二〇%ぐらいになるが、業者が細かくある場合は二〇%以下になる。この辺は閣議審議会で十分検討した上で決めます。今政府委員の申されました二〇%を越えない程度というのは他の国でやつておる例を申上げたのであります。一人のインポーターが支配するというような形は取りたくないと考えております。
  175. 板野勝次

    ○板野勝次君 外国為替銀行は業者の申請を拒否することができるということになつておりますが、その拒否する條件はどういうふうな基準で拒否することができるか。
  176. 木内信胤

    政府委員木内信胤君) 例えば輸出でありますと、御承知の通りその代金が入らないと資本逃避になりますから、これを拒否するために一定の期間内に代金が全部入るということを條件にします。そういうことを銀行は見て行くわけです。銀行が選り好みするということは法律の建前上できないわけであります。
  177. 板野勝次

    ○板野勝次君 それでは、これははつきりした基準を示すというわけですか。
  178. 木内信胤

    政府委員木内信胤君) 大体法律の規定通り業者が行動しておるかどうか、銀行で見るわけです。
  179. 板野勝次

    ○板野勝次君 次に仕入れ地域を定めるのは閣僚審議会で決めることになつておると思いますが、その輪郭だけでも聞かせて貰うわけには行きませんか。
  180. 稻垣平太郎

    ○國務大臣(稻垣平太郎君) それは御承知のように相当広範囲に亘つております。通商協定をしておるところ、又それ以外のところにおきましても、大体オッファーの来るものを取まとめて、その間こちらの買いたいものとオッファーを照合しまして、地域的数量的に区別する。こういうことになろうと思います。
  181. 板野勝次

    ○板野勝次君 例えば、それは中共とかソ連とかいうような所も仕入地域と考えておられるわけですか。
  182. 稻垣平太郎

    ○國務大臣(稻垣平太郎君) ソ連は御承知の通り終戦後直ぐ支拂協定をいたしておりますか。ソ連との今日までの貿易では大体輸出が七百八十八万ドル輸入が五百八十五万ドルで、二百万ドルの出超であります。約束いたしております。パルプ、マグネサイトは是非送つて貰いたいと申しておるのですが、なかなか送りません。又値段が高いのでございます。それで例えばパルプでありますと、カナダのパルプとそれから向うから来るサルファーサイドパルプとの間に、非常な開きがある。こういうわけで実は入れたくても入れられない現状にあるのでありますが、決してソ連を除外するわけではありません。  それから中共につきましては、只今は我々が占領下にありまするので、占領政策の線に沿うて行かなければなりませんけれども、而しながら香港の取引が今年一月から八月までを通じまして、輸出が二千四百万ドルになつております。輸入は午七百万ドルであります。そういうような形でありまして、これの大部分というものは殆んど中共地区へ参つておると私は承知いたしております。尚その他日本へ来ておりますハイヤーを通じまして、青島なり或いは天津なりこの取引も実際上は行われております。従つてそういうものも考慮に入れる考えでおります。
  183. 板野勝次

    ○板野勝次君 通産大臣の承認を要する輸出商品品目というようなものは、具体的に今伺えるでしようか。
  184. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) 輸出の承認品目といたしましては、主食糧それから五千カロリー以上の石炭、石油及び石油製品とか鉄鉱、或いはマンガン、タングステン・クローム、モリブデン、ヴァナディゥウムその他の鉄鉱石類及びその製鋼、或いは銑鉄とか鉄くず、非鉄金属の鉱石なりその地金類、それから機械類といたしましては建設用の機械とか道路機械、或いは製鋼用の機械とか、そういう主として重機械類、それから鉄道車輌類、ジーゼルエンジンその他の内燃機関とか、或いは鋼造船とか、或いは発電所施設とか、或いはその他大きなプラン類及び化学製品の中におきましては、重要な化学薬品類、それから油脂、それから肥料、木料、生糸及び絹織物等総計約六十品目くらいを承認品目とされております。
  185. 板野勝次

    ○板野勝次君 新聞によりますと、中共向けの物資を抑えるとか抑えないとかいうふうなことが言われておるんですが、そういう政府の意図があるわけじやないのですか。
  186. 稻垣平太郎

    ○國務大臣(稻垣平太郎君) そういう意図はありません。但し戰略物資につきましては、これは司令部におきまして、差し止めることに相成つております。
  187. 板野勝次

    ○板野勝次君 それは中共向けの物資についてですね。
  188. 稻垣平太郎

    ○國務大臣(稻垣平太郎君) そうでございます。今の御質問についてです。
  189. 板野勝次

    ○板野勝次君 大体戰略物資が出て行くというふうには見えますね。今の輸出計画から見ると……。それではもうちよつと一つ質問さして貰いたいのですが、第四十八條の「特定の種類の貨物を輸出しようとする者又は特定の取引若しくは支拂の方法により貨物を輸出しようとする者は、政令で定めるところにより、通商産業大臣の承認を受ける義務を課せられることがある。」ということがありますが、この「特定の種類の貨物」というのは一体どんなものを指すのか、それから「特定の取引若しくは支拂の方法」というこの支拂の方法とはどういうことを指すのか具体的に……
  190. 藤井丙午

    ○藤井丙午君 議華進行について……
  191. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 今の答弁……
  192. 藤井丙午

    ○藤井丙午君 私の言わんとするのは、今質問を伺つておると……
  193. 板野勝次

    ○板野勝次君 だから予め重複しておるかも知れないということを前提としている。
  194. 藤井丙午

    ○藤井丙午君 というのは、ここは連合委員会で、経済安定委員会の委員の発言を成るべく遠慮して今の通産とか、或いは大蔵とかの委員の発言を優先的にやつて貰うという方針で議事を進められておる。だから経済安定委員会の委員の方はそのために数日来沢山質問があるけれども、それを差控えておる状況です。そこへ持つて来て入れ替り立ち替り欠席しておられる方が同じような質問を繰返し繰返しやられるのでは、時間が限られておるのだから、その点は速記録で調べて頂くなりして、委員長で然るべく取扱いについて善処して頂きたいと思います。
  195. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) はいはい。今の四十八條のお答えを願います。簡單に……
  196. 板野勝次

    ○板野勝次君 今のものが具体的に示されているというならいいんですよ。その特定の貨物が一体どんなものか、それから支拂いの方法が何を指すのかということが具体的に示されている。今後質問するものについて具体的に示されておれば省略していいのです。併し言われていない部分については答弁して頂きたい。
  197. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) 只今品目約六十品目程あるということを申上げたのでありますが、それは特定の品目でございます。それから決済條件については為替委員会の方から……
  198. 奥村竹之助

    政府委員(奥村竹乃助君) 決済方法と申しますのは、輸出貨物の対価か確実に入手されるということが政府として一番の眼目でございますから、例えば現在におきましては撤回不能の信用状、町の銀行の信用状を要するとか、或いは前拂いを要するとか、そういつた一定のスタンダードの決済支拂條件を指定いたしまして、そのスタンダードの決済條件ならば特殊の許可は要らん。自由に銀行の認証で輸出してよろしい。それ以外の條件、例えば無為替で輸出するとか、或いは違つた決済條件輸出する場合には、それは事前に通産大臣の許可を得なければならない。そういう趣旨でございます。
  199. 板野勝次

    ○板野勝次君 違つた決済の條件というのは……
  200. 奥村竹之助

    政府委員(奥村竹乃助君) スタンダードの決済條件と違つた決済條件であります。例えば無為替輸出、或いは撤回不能の信用状のない手形の輸出、そういうものでございます。
  201. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 板野委員にちよつと申上げますが、まだ具体的な細かい質問があれば、あとにして頂いて、先程から内閣委員長の方から委員長質問として話があるのですが、まだ大分あるのですか。
  202. 板野勝次

    ○板野勝次君 そう大してないのです。僕の時間もそう大して取つたわけではないので……
  203. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 問題は何項ぐらいですか。
  204. 板野勝次

    ○板野勝次君 もう三、四です。
  205. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは先に内閣委員長発言をやつて、そのあと運営の相談をしたいと思いますが、よろしうございますか。今の内閣委員長発言は、実は皆さんに御相談いたしますが、内閣委員会との連合委員会でやつてつた設置法案に関するやつでありますけれども、この本法と特に関係がありますので、委員長からの委員長質問として二三だけ御質問したいということですから、特に発言のお許しを願いたい。
  206. 板野勝次

    ○板野勝次君 だから、私も他に用事があるのでちよつとだけ……
  207. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 内閣委員長発言よろしうございますね。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  208. 板野勝次

    ○板野勝次君 ちよつとそれでは今の分だけ閉じらして貰いたい。今の決算條件という中に、例えばバーターというようなものが入つているわけですか。
  209. 松尾泰一郎

    説明員(松尾泰一郎君) バーター、その他委託加工等、そういうものも入つております。
  210. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) よろしうございますね……それでは内閣委員長
  211. 河井彌八

    ○委員外議員(河井彌八君) 外国為替管理委員会の設置法案が性質上から申しますと、内閣委員会の所管に属すべきものであると考えておるのですが、安本の委員会に付託せられたのでありますから、内閣委員の立場として一、二御質疑したいと思います。  この設置法によりまして、職員数でありますが一現行の決まつている定員法で規定されておる通りで職員の数は差支ないのであるかということをお伺いしたい。二十條第二項の職員の中で、会計及び統計に関する専門家は、事務局職員として非常勤の職員とすることができるとありますが、この非常勤の職員というものは、定員法によるところの定員の中に入るものかどうかということをお伺いしたい。非常勤の職員の性質につきましては、この事務の執行上いろいろ疑問のある点でありますから、この点を明らかにして頂きたいと思います。
  212. 大久保太三郎

    政府委員(大久保太三郎君) 只今質問外国為替管理委員会の定員は、定員法の規定によりまして、只今のところ四十四名でございます。ところがこの委員会に御審議を願つております外国為替及び外国貿易管理法の成立いたしました曉におきましては、この法律の規定によりまして委員会の仕事は可なりの程度増加することが見込まれております。それで只今の職員の数を以ちましては到底この増大しました事務の量を賄い切れないものでございますからできますればこの臨時国会におきまして、定員の増加についてお願い申上げたいということを考えたのでございますが、定員法の改正につきましては一切この国会において御審議がないとい、ことでございますので、次の国会におきまして定員法を御改正願いまして約四十三名ばかりの増員をお伺いしたい。こう存じておる次第であります。  尚引続きまして、御質問の、事務局におきます会計及び統計に関する專門家というのでございますが、特に事務局にこういつた專門の職員を数名、数は多くございませんが、極く数名のエキスパートを迎えたいという考えでおるのでございます。こういう專門の方は一般の官庁の方から迎えるということが可なり困難のように存ぜられるのでありますので、こういう種類の職員は非常勤の職員という制度の下に、民間或いは学界方面から迎えたいという考えでございます。そうしてこの非常勤の職員と申しますのは、官制に定められました定員の中には含まれないものでございます。
  213. 河井彌八

    ○委員外議員(河井彌八君) そうしますと、今度の国会には定員法の改正は出せない。この次の国会に定員四十三名ぐらいの増員を法律を以て要求すると、こう解してよろしうございますか。それからもう一つ非常勤の職員は或いは民間から、学界からの特殊な技能のある人を入れるということでありましたが、その人数は凡そ何人ぐらいというお見込みでありますか。その点をお伺いしたいと思います。
  214. 大久保太三郎

    政府委員(大久保太三郎君) 委員会といたしましては、この際定員法の御改正を願つて早急に人を殖やしたいと思いますけれども、先程申上げました方針のように伺いますので、次の国会一つ増員のことをお願いしたいという意向でございます。  それから非常勤の職員と申しますこの人につきましては、大体四、五名くらいを委員会としまして予定いたしている次第であります。
  215. 河井彌八

    ○委員外議員(河井彌八君) 従来外国為替、外国貿易統計はこれは大蔵省が作成して公表していたと思いますが、今後は貿易統計の作成公表はこの委員会が担当することになるのでありますか、どうでありますか、お伺いいたします。  もう一つは更に通商産業省設置法の第八條第三号でありますが、それによりますれば、通商局の事務といたしまして「内外通商事情その他通商に関し調査し、統計を作成し、及び情報を提供すること。」という規定があるのでありますが、貿易統計の所管の問題は、このできまする委員会の権限とどういうふうな関係に、所管がどちらに属することになるかその点をお伺いいたします。
  216. 大久保太三郎

    政府委員(大久保太三郎君) 只今外国為替、或いは外国貿易の統計の作成でございますけれども、それは委員会ではこの十一月一日から司令部の商業勘定その他の経理の委任を受けまして、可なり詳細な統計の資料といたしますものを持つているわけであります。今後この記録をずつと委員会としまして保持いたしておりますので、この貿易の統計の種類の中でも、この資金の面における、統計は可なり正確なものが作成できるというまあ見込みを持つております。又この資料は非常に大切なものでございますので、委員会一つの職務の中にも謳つてあるわけであります。これは資金の面から見た統計は委員会として作つて参ります。その外或いは荷物が税関を通つて出るといつた場合の統計はこれは大蔵省の方で作成されますし、又物の輸出入の面から見ました統計、これは通産当局でやはり従来通り統計を取つて行かれるというふうに考えております。只今申上げましたように、委員会の統計といたしましては、日本外貨資金の受拂の資料から作りますそういう貿易の統計でございます。
  217. 河井彌八

    ○委員外議員(河井彌八君) それから貿易統計を民間に利用させることが必要であると思いますし、その第四條の第一項の第五号ですか、「所掌事務の周知宣伝を行うこと。」などという規定もあるのでありますが、これを民間に貿易統計を利用させるといたしますれば、どんなふうな計画或いは方法に基いてこれを実行せられるのであるか、その点を伺いたい。
  218. 大久保太三郎

    政府委員(大久保太三郎君) 只今委員会はこの三月に発足いたしまして、先程申上げましたような極めて乏しい職員の範囲内で可なり忙しい仕事を続けて参つたものでございますので、委員会で民間にも利用され、大いにその御用に立つようないろいろな報告或いは調査書類はまだ公にすることかできなかつたのでございますが、只今いろいろ研究いたしまして、近い将来に弘報課と申しますか、弘報係、つまり委員会で作成しました統計書類或いは貿易為替に関する調査書類を広く一般公衆に頒布いたしましてその用に供するという仕事も併せ七只今考えておる次第でございます。先程申上げました定員の増加につきましても、その弘報事務に従事する職員も数名予定しておるような次第であります。
  219. 河井彌八

    ○委員外議員(河井彌八君) まだ多少伺いたいことがありますが、この程度に止めて置きます。
  220. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それではちよつと御相談申上げたいと思いますが、大体予定されておりました一般質疑は終了したと思います。まだ二、三の質問の御希望もありますが、でき得れば二、三残つておる御質問その他につきましては、單独の委員会になつてからでも委員外発言でもできると思いますので、尚通産委員長及び大蔵委員長からも、自分の委員会の手持法案が非常に多いから、成るべく早くこの連合委員会を打切つて頂きたいというような再参のお話でもありますので、でき得ればこの連合委員会は打切りたいと思いますが、如何ですか、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  221. 板野勝次

    ○板野勝次君 じや、それはやらして貰えますね、委員外発言で……
  222. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それは安定安員会の方でやつて頂きます。
  223. 板野勝次

    ○板野勝次君 そのときに又、今まで待つてつたんだからということでは、困ると思うのですね。
  224. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それではこの連合委員会はこれで閉会にいたします。    午後四時二十五分散会  出席者は左の通り。   経済安定委員    委員長     佐々木良作君    理事            西川 昌夫君            安達 良助君            帆足  計君    委員            和田 博雄君            川村 松助君            横尾  龍君            藤井 丙午君   大蔵委員    委員長     櫻内 辰郎君    理事            波多野 鼎君            伊藤 保平君            九鬼紋十郎君    委員            森下 政一君            玉屋 喜章君            西川甚五郎君            木内 四郎君            油井賢太郎君            小林米三郎君            木村禧八郎君   通商産業委員    委員長     小畑 哲夫君    理事            玉置吉之丞君    委員            中川 以良君            阿竹齋次郎君            鎌田 逸郎君            板野 勝次君            駒井 藤平君   委員外議員    内閣委員長   河井 彌八君   国務大臣    通商産業大臣  稻垣平太郎君    国 務 大 臣 青木 孝義君   政府委員    外国為替管理委    員会委員長   木内 信胤君    外国為替管理委    員会委員    奥村竹乃助君    外国為替管理委    員会委員   大久保太三郎君    法務府事務官    (法制意見第二    局長)     林  修三君    大蔵事務官    (理財局為替課    長)      稻益  繁君    経済安定政務次    官       西村 久之君    経済安本貿易局    長       谷林 正敏君   説明員    通商産業事務官    (通商局次長) 松尾泰一郎君