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1949-11-28 第6回国会 参議院 経済安定・大蔵・通商産業連合委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十八日(月曜 日)   —————————————   本日の会議に付した事件 ○外国為替及び外国貿易管理法案(内  閣提出・衆議院送付)   —————————————    午前十一時九分開会
  2. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 委員会を開会いたします。連合委員会の第三回になると思います。議題は外国為替及び外国貿易管理法案であります。この際ちよつと御報告申上げますが、一昨日までは予備審査で審査しておつたわけでありますが、昨日衆議院は議決してこちらに廻付されたそうであります。従いまして本付託になつておりますから、その点御報告申上げておきます。一昨日に引続きまして一般質疑を継続したいと思います。質問のある方はどうぞ。
  3. 小畑哲夫

    小畑哲夫君 本法の目的が第一條に「国民経済復興発展とに寄與する」ということでありまして、尚第四十八條の第二項にも、「国民経済の健全な発展」ということが望まれておるのでありますが、この「国民経済の健全な発展」ということについて、通産大臣構想をお伺いしたいと思うのであります。通産大臣は過般シーツ氏と会見した際に、将来の日本経済構想について意見の一致を見た、尚ほのかに聞くところによれば、稻垣通相が非常に面目を施したということを耳にするのでありますが、これはどんな経済機構であるか、具体的に言えばこの法案では、日本農業の将来であるとか、日本鉱工業、或いは機械工業纎維業等がどんな形をとることを以て健な国民経済考えておられるのか、産業間の均衡が非常に破れるというような場合も予想されるのでありますこのような点について一つ大臣の御所見を承わりたい。
  4. 稻垣平太郎

    ○国務大臣稻垣平太郎君) 私がシーツ氏と話をしたことが新聞に書いてあるのですが、新聞には日本産業構想というか、構成について話合つたというように書かれておつたわけであります。併しこれはいろいろの面に亘つてお話をしたのでありますが、中には申上げかねる問題もあり、又お互にこの問題は当分話をしないようにしようじやないかといつたような党もありますので、シーツ氏との話がどうであるということはちよつと私申上げかねるのであります。ただ我々が話合いましたことは、どうしても日本産業、ことに私は主としてそのときには鉱工業の問題について話をいたしたのでありますが、勿論日本産業あり方が大体においてどの道へ行くかということは、私はこの前も何かの機会に申上げたのですが、私は結局プライスフアンクシヨンで行われるのだ、それでおのずから落着くところに落着くという一つの筋と、それからして日本国民生活の上に立ちまして、そうしてここにも言つてあるように、「健全な発展」といいますか、その点から一応の筋を設けなければならん。その企画、筋と、規模と、それからして今のおのずから国際価格の作用するところによつて決まるので、産業あり方を調整して行くということが必要である、かように考えるのであります。そういう意味で、或いは日本の将来は延びて行くべき産業について外資を入れるというような問題についても話を触れたような次第であります。例えば今小畑さんの御質問のような、農業、或いは水産業、或いは又化学工業鉄工業といつたような部門についての細かい考え方全体を話合つたわけではございません。ただ私といたしましては、やはり一応の日本産業あり方については十分検討をいたすべき必要があると思うのであります。而もそのあり方は、先程申しましたように、一方においてプライスフアンクシヨンにおいて、又一方においてはおのずから国民生活全般の上に一つ希望としてその範疇内において、片方は価格の操作によつて決まつて行く、かようなことになつております。
  5. 小畑哲夫

    小畑哲夫君 そこで輸入国民経済について尚大臣にお伺いしたいのですが、実はこの問題は本会議でも質疑をしましたが、ここで詳細にお示し願いたいと思います。本法案によりますと。輸入は自由になるけれども、政令範囲内で承認を受けることになつております。自由になるというと、勢い写真その他不要不急な品物輸入されることもあるだろうし、又国内で生産されております品物競争関係の商品の輸入も当然に起ると思います。一昨日も、輸入が自由になると我が国産業の中には非常に苦境に立つものができるだろうと言つてつたようでありますが、私もこの点を心配するのであります。我が国のような国柄としては、できるだけ輸出入を自由にすることが望ましいのには違いないのでありますが、一挙に国際経済の中に放り出されますと、そこに大きな混乱が起きるのではないか。これについて本法案並びにこれに基く政令としてはどんな用意をしておりますか、これを先ず第一にお伺いしたいと思うのでございますが、私共の通商委員会では曾て通産局の次長からちよつとお伺いしたのでありますけれども、尚この際もう一回お聽きしたいと思うのであります。  第二にかかる対策としていつも考えられることは関税でありますが、現在の関税はどうなつておるのか、重課税については差当り大きな問題はないようでありますが、重課税物価の上昇に伴なつて殆んど無税にまで近いというか、軽くなつてつて、殆んど保護の役割を果していないのではないかと思われるのでありますが、これを訂正する意思はおありか、その訂正ができるとしていつごろに予定されているかというような点であります。  第三に、日本もやがて国際貿易機構に入らなければなりませんが、それは講和会議後になるのか。又国際貿易復興憲章と称せられるものによると、やはり自由貿易を主体として保護関税をできるだけ少なくするようになるのでありますが、我が国として如何なる産業保護を必要とし、且主張されるのでありましようか。  右の三点は本法案によつて我が国国際経済に入つて行く場合、頗る重要な意義を持つと考えますので、通産大臣の懇切なる御指導をお願いいたします。
  6. 稻垣平太郎

    國務大臣稻垣平太郎君) 第一点の問題でありますが、これは御承知のように、そこに輸入為替をどう操作すべきかということで、委員会において検討さるべき問題があると思うのであります。この点の品種において大体どういう想定をしておるかということについては、通産局長からお答えいたさせます。  第二点については、関税の問題はこれも御指摘のように非常に重要な問題であり、殊に従来の関税が重課税重量税にといつたようないろいろな問題があると思います。この点は大蔵省においても我々の方と連携を取りながら研究をいたしておるのでありまして、この点については大蔵当局なり或いは通産省の係官からお答えいたさせます。  それから第三点は、この問題は、御承知のよりにまだ講和條約が済んでいないのでありますから、いずれ講和條約が済んだ後に、その問題はおのずから起つてくる問題だと存ずるのであります。  ただ、今回の外国為替及び外国貿易管理法案というものは一つのそれに対する一箇の準備である、かようにお考え願つてよかろうと思うのであります。我々もできるだけこの協定に入り得るように、できれば保護障壁を設けないでやり得る態勢に、国内産業を私は持つて行くことがいろいろな点から申しまして必要であろうと存ずるのであります。ただ先程も私が申上げましたように一方において、国内全体の国民生活に対する観点から、一部どうしても保護的な関税を加えなければならんことも生ずるかと存ずるのでありまするけれども、できるだけ我々としては、我々の産業構成かこれに堪え得るような形に産業合理化なり、或いは産業規模なりが決定されるようにしなければならんとかように考えておるのであります。
  7. 武内龍次

    説明員武内龍次君) この輸入民間貿易輸入になりますと、国内産業が非常に悪い影響を蒙つて疲弊するのではないか、こういうお尋ねであります。輸入民間貿易になりまして自由になるわけでありますから、それは外国為替割当閣僚審議会でいたしますときに、品目等に亘りましてどういうものを入れるかということを決定するわけでございます。その際に、やはり国内相当生産が行われるというようなものは割当が行われない、或いは割当が少くなるというようなことに相成ると思われますが、これはこういうやり方で国内産業保護して行くということがいいか悪いかという問題は当然あると思います。それよりは関税その他によつてそういう保護をするということが、先ず第一に考えられる手段かと思われるのでありまするが、差当りはやはり国内でそういうことも考えて、本当に必要な物資だけに外国為替割当が行われる、殊に重要な産業の根本的な資材につきましては、早い者勝ちでない需要者企業者への割当が行われることになるかと思うのでありまするが、そういうことになりますれば外国為替予算の作り方と相俟ちまして、そう御心配のようなことはないだろうと、こういうふうに考えております。
  8. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それに関連して質問一つ通産大臣お尋ねしたいのでありますが、只今小畑さんから通産大臣に対して、今後の日本経済構成とかあり方について御質問があつたのですが、大体そのプライスフアンクシヨンによつて産業構成なり、そういうものを決めて行く、こういうようなお話であつたのですが、これはまあ非常にこの前の委員会でもお尋ねしたのですが、これ迄の政策の重点で非常に重要な問題だと思うのです。そこでお伺いしたいのですが、プライスフアンクシヨンによつて日本経済の今後をやつて、という場合に為替管理とか為替を集中するとか、それから只今政府委員が御答弁になつたよう重要産業について特に為替をこれを割当てるというような、そういうこの統制的な、計画的なことをやつていたら、それは矛盾するのじやないかと思うのです。プライスフアンクシヨンによつて日本経済が自然に決まつて行くという、こういう考えと、この為替管理というものは矛盾しやしないですか。
  9. 稻垣平太郎

    國務大臣稻垣平太郎君) これは私、さつきも一方でプライスフアンクシヨンによつて、又一方で国民生活規模ということを土台にいたしまして考えるということを言つたのでありまして、私はプライスフアンクシヨンだけで行くということは、お答えいたしておりません。小畑さんにもさように申しております。ただ私は産業日本で成り立つて行くか行かないかということは、要するにプライスフアンクシヨンによつて決まる、それは木村さんも御同感だと思います。ただその場合において国民生活の全体の上に立つて、これはどうしてもこの産業日本で育成するというか、助長というか知りませんが、保つて行かなければならん。こういう面はいわゆる国民全体の上において考えらるべきものでありまして、そういう面におきましては、いろいろとその線に副うて行かなければならん。かように考えております。仮に例を申上げますというと、鉄鋼業日本においてプライスフアンクシヨンの上から保つて行くことが困難かも知れないという面があるのであります。これはどうしても日本機械工業なり、或いはその他の関連において、どうしても或る程度日本鉄鋼業というものを育成しなければならんということが、ここに結論が出て来ると思うのであります。必らずしも私はプライスフアンクシヨン全体で行くということは言つておりません。一方に産業あり方というものは何で決まるかといえば、これはおのずから国際市価に鞘寄せして、これはどうしても堪えられない、産業というものは、立とうとしても立ち得ないものがあると私は思うのであります。ただそれは他の一方では今申上げたようなことによつてこれを抑えて行く面もあり得る。こういうように考えております。
  10. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それだけではどうも疑問がまだ解けないのです。今の御答弁範囲では一応分つたのですが、そうすると自由経済プライスフアンクシヨンというものは一応限界があると思う。それ一本でいけない。限界があるという御答弁だと思うのですが、その場合そういう重要産業以外について、日本経済全般について例えば物価水準その他が上がつたような場合、プライスフアンクシヨンによつて日本経済を調整して行くという場合には、当然為替相場が下がらなければならん。又日本物価が下がつた場合には、為替相場は上げなければならん。ところが為替相場は三百六十円で固定しておる。固定しておる場合に、プライスフアンクシヨンだけで日本経済大勢水準を決めて行く、こういうことは非常におかしいと思うのです。為替相場がそこに或るエラステイシイがあつて日本経済変動に連れて為替相場が動かなければ、私は通産大臣が言われるようなふうに行かないと思う。若し為替相場を動かさないでおいて、そうして海外物価がうんと下がりました場合には、日本経済が堪えられない程産業合理化コスト切下げをやらなければならんと思う。それではこれは非常な矛盾が来ると思う。為替相場をどういうふうに今後お考えになるのですか。為替相場を動かさないでおいて、そうしてプライスフアンクシヨンによつて日本経済を調整しようとすると、日本経済自主性というものがない、堪えられない程合理化をやらなければならんという事態が出て来ると思う。価格だけで調整して行こうとすると、そういう場合に為替相場の地位というものは、これを今後どういうふうにしてもつて行くか。又どういうふうに操作して行くか。これを変えずにこういうふうに固定して行くものか。お伺いいたします。
  11. 稻垣平太郎

    國務大臣稻垣平太郎君) これは私も今の木村さんのお話通りプライスフアンクシヨンで行くという場合には、結局為替相場は、いわばそれに伴つて動いて行くということは、これは無論いわゆる自由の見地からいつてこれは当然だと私は思う。あなたのお説にその点については全く御同感であります。但し今日の情勢におきまして、只今我々はこの三百六十円のレートを変えないということを申しておりますので、この今のプライスフアンクシヨンでこの日本産業あり方が決まるという問題と、その問題と、私は別個に考えて一向差支えないと私は思つております。成る程どうしても国際物価がうんと下つて日本品物が売れない。その売れない品物は全部合理化に鞘寄せするといつても、合理化ができないのです。こういう面が起る場合があり得ると思うのです。その場合には日本為替レートを動かさなければならんという面が私は来ると思うのであります。無論そういうことは認められると思う。ただ今の場合におきましては、私いつか本会議でも申上げましたように、為替レートを動かすということ自体が一面において、折角足踏みをしかかつたインフレーシヨンを再発する虞れがある。こういう意味において、そうして尚日本企業が十分今の国際通貨考え合して、尚企業合理化その他の方法によつて十分賄い得るということを考えておりまするが故に、レートはそのまま維持して行きたい。こういうことであります。レートを動かさない、動かすものぢやないという原則に立てば、今お話の御指摘通り矛盾があると思います。その点は十分認めます。これは併し動かすこともあり得ることを考えなければならない。
  12. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ところがですね。その通産大臣の御心配になるようなことが、この法案にあるわけなんです。それはこの提案されたとき、この通貨基金加入する。ブレトン・ウツズ協定加入するということを前提として第二條、第七條を挿入してあるということですね。ブレトン・ウツズ協定に入つたらどうなるかは勿論御存じの通りと思うのです。為替相場の操作するマージンが非常に狭いわけです。非常に入超になつて為替相場が引下げたくても引下げられない。又国際貿易憲章に入れば、そういう場合には入超に困つた赤字の国に対しては、国際金融機構から資金を融通してやつて、そうしてマイナスのポジシヨンをカヴアーしてやるから、為替相場が維持できる。こういうふうになつておるようですが、そういうことが実際可能であるかないか。可能でないのにブレトン・ウツズ協定に入つてしまつた。ところが日本貿易はしよつちゆう入超で、為替相場を変えたくても理事国承認がなければ変えられないと、こういうことになると非常に大きな問題です。御承知と思いますが、ブレトン・ウツズ協定を決めるときに、アメリカのホワイト案イギリスケインズ案が対立したのは問題はそこにあつたと思うのです。ケインズイギリスがあの中に、ホワイト案通りになつてしまつたら、イギリス為替相場変動自主性が崩れるので、ケインズは飽くまでも自由為替を主張しておる。そうして決済としては他の方法によつて決済する。クリアリングによつて決済する。こういうことをケインズは主張したと思うのです。それで妥協によつて大体一割の範囲内において上下に変動し得るというこの程度に妥協したのですが、私はこの法案がそういう非常に重大な内容を持つておる法案であるに拘わらず、そういう案は一体研究されて立案されたものかどうか。それから若しか講和会議に入つて講和会議ができてからブレトン・ウツズ協定に入るというならば、何もこの二條七條なんて今から予定して、私は挿入して置く必要はないと思う。そのときに改めて考える。又そのときにどういう形において日本ブレトン・ウツズ協定に入るか、これは愼重考えなければならん。これはやはり国会あたりに提案して貰つて国民が相当真劍に考えて入らなければ大変なことになると思うのです。その点通産大臣はどういうふうにお考えになりますか。今の為替相場自由変動というものと、通産大臣の言われるように、大体価格作用によつて日本経済産業構成なり、そういうものを決めて行く構想を持つておられるとしたら、この点は矛盾するのですが、この点についてどういうふうにお考えになつているか伺いたい。
  13. 稻垣平太郎

    國務大臣稻垣平太郎君) これはあなたの御指摘のようにブレトン・ウツズ協定に入るという場合には、よほどいろいろの問題が私は起ると思います。それは御指摘通りだと私は思うのであります。この際において我々としてどうするか。或いはこの為替のカバーする資金の問題もありましようし、或いはどの程度一体変動を認めさせるか、今の協定範囲内に入る場合においての、いろいろな点について検討しなければならん問題が沢山あると私は思います。これは御指摘通りだと思う。ただここにこれは別にそれを想定してということではありませんけれども、一応とにかく入り得る体制を整えようということでありまして、これはすぐこのままで入つて行くということではないのでありまして、それの準備として一応この規定を設けて置く、こういうことと御了解を願いたい。
  14. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その入り得る体制というのが、具体的にどういうことを意味されておるのか、それが問題だと思うのです。その具体的にブレトン・ウツズ協定に入る体制、この間安本長官質問しましたら、安本長官は、この法律案自身がそうだと、こういうふうにおつしやるのですが、それは具体的にどういうふうになつておるのか。例えばブレトン・ウツズ協定に入るには金或いはドル出資が必要だと思うのです。それであすこでは為替変動の自由その他が制限されておりますから、それに対してこちらではどういう用意を持つておるか。又日本の今後の通貨制度を一体どういうようにして行くか、そういう用意というものがなければ、これだけで参加体制を作つて行くというふうには言えないと思うのです。これ以外にそういう準備研究がある筈なんですけれども、私は不用意にこんな大きな、非常に大きな法案です。会期が切迫したときに、今後の日本経済構成を決定するようなこんな大きな法案が突如としてこういうふうに出されるということは、我々に取つて非常に迷惑であるし、そのくらいの十分な用意がおありだと思うのですが、そういう十分な用意をお聽きすれば我々納得するわけなんです。具体的にブレトン・ウツズ協定への参加体制を作るということは、どういうふうな形において作られて行くのか。その点お聽きして置きたいのです。
  15. 稻垣平太郎

    國務大臣稻垣平太郎君) 私への関連でお答えいたしますが、これは無論今あなたの御指摘ブレトン・ウツズ協定へ入るということになりますと、いろいろな点において、第一基金の問題それから一体それが我々今の日本としてできるのかできないのか、こういう大きな問題があります。これは或いはクレジツトによつて設定するという問題も考えられましよう。或いはいろいろな考え方もあると私は思います。それからその他いろいろな準備体制が私は必要だと思うのです。ただこれを説明するときに、ブレトン・ウツズ協定へ入る一段階であるという御説明を、私恐らく申上げたと思いますが、これはこのまま入つて行くということではないと私は思うのであります。ただこの中に盛られておりますところの、いわゆる自由貿易だという観点から、私は一応のこれが一つのそれへ入つて行く一段階であると、こういうように御解釈を願つてよろしいかと考えます。
  16. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そのブレトン・ウツズ協定へ入るということが、自由貿易という形になつて行かないということを私は言つておるわけなんです。それは協定へ入れば非常な制限があるのだということなんです。で私はどうしてこういうように御質問するかと申上げますと、私としては、ブレトン・ウツズ協定へ入らない方がいいと思うのです。これは希望ですけれども、入らないで置いて、そういう入らない形において、外国からの借入金その他ができれば、これが私は一番理想だと思うのです。そういう意味においてブレトン・ウツズ協定へ入るか入らないかという問題が一つあると思うのです。そういう今後の貿易、或いは為替、それから外資輸入の問題と関連して、ブレトン・ウツズ協定へ入つた方がいいのか、入らない方が日本のためにいいのか。先ずこれを相当愼重研究する必要があると思う。で止むを得ず入らざるを得ないというならば止むを得ないかも知れませんが、それにしても制限については相当緩和されるような要求、或いは主張を一応すべきであつて、その立案のための準備研究は十分して置かなければならないと思うのです。こういうものは一体できておるのか、私は安本長官にお伺いしたいのです。ブレトン・ウツズ協定に入つた方がよいのか、入らない方がよいのか、その点についてお伺いしたい。
  17. 青木孝義

    國務大臣青木孝義君) 木村さんのお尋ね、誠に御尤もでございますが、今我々がこの法案を作ります目標としているところは、大体において世界の大勢である、国際経済大勢であるという、ブレトン・ウツズ協定とは申しませんけれども、国際通貨基金への加入ということを目標として、それを趣旨としてこの法案が作られておると、こういうふうに申上げたので、ブレトン・ウツズ協定へ直ちに参加するとか、参加できるかできないかというような問題は、まだ相当残されている問題でありまして、今我々が仮りにそれを想定して考えてみましても、あなたの十分御承知通りに、日本が、バランスのとれるところの貿易が手放してできるかどうか、仮り加入いたしましたところで、その基金範囲日本貿易が継続できるかどうかということを、今日木村さん御自身考えになつてみて、一体それがいつできるかと、こういうことであります。これはなかなかタイムの問題もございましようが、我々がこれから考えて参りますには、この国際経済大勢である通貨基金への加入態勢という目標で進んでおるのだと、その一段階であるという考えでこの法案を提出しているのだと、こういうことであります。
  18. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私は、どうも單なる目標だけとは考えないのです。それならば、この條文に第二條、第七條に具体的に規定してあるのですから、その前に、ブレトンウツズ協定へ入つてよいのか惡いのかと、こういう問題が決まらないうちに、とにかくこういう具体的に第二條、第七條がそれを予想して、これを立案されておるという御説明であつたのでありますから、これは單なる目標という意味ではなく、もうそつちの方向へどんどん行くのである。これは今後の單に経済問題だけでなく、私は講和の問題、それから今後の日本が集団保障に行くのか、或いは永世中立に行くのか、そういう大きな今後の日本の、何というのですか、安全保障の問題とも私は関連して来ると思うのです。そういう意味で、單なる目標……。もう目標を決めたらそつちの方へ行つてしまうわけなのですが、この法案は甚だ漠然たるものなんでしようか。
  19. 青木孝義

    國務大臣青木孝義君) この法案は、今おつしやるように、問題は、講和の問題とか、そういう問題が横たわつておりましよう。但し、この法案といたしましては、先ず日本がローガン構想等に基いた、今までの相当嚴格な管理貿易から自由貿易へ移行して行く一つの過程として、取敢ずこういう方法外国取引が行われると、こういうことのためにこの法案ができましたので、勿論これから先講和会議等、それらの問題の解決されますと共に、この法案についても、恐らく多少変えて行かなければならんとか、或いは相当に変えなければならんということが起るかもしれません。併しながら、この段階におきまして、我が国外国貿易の促進を図ると、こういうことの線から考えますれば、やはりこの目標としての、又我々が想定いたしまする通貨基金への加入態勢ということでこの法案ができていると、こういうことは言えると思うのであります。
  20. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 どうもその点はつきりしないのですが、この條文にそういうことを想定して二條七條を設けたことは、講和会議のできる前に、そういうブレトンウツズ協定とか、そういうものに加入する可能性を予定しておられるのではないでしようか。例えばイタリーなんか、講和会議以前にブレトンウツズ協定に参加を許されております。それで、非常に法案の提出を急がれたということ、そうしてこの中にはそういうブレトンウツズ協定を予想させる二つの條文が入つておるということ、そういうところから推して、どうも講和以前に入つて行くことを急がれておるのではないかと、そこで、それにはいろいろ準備もあり、又いろいろな対策もおありになつて、ひそかにそういうことはもう研究されておるのではないかと、こういうふうに考えられるのですが、この点はどうなんでしようか。
  21. 青木孝義

    國務大臣青木孝義君) お言葉でございますが、今の進行過程といたしまして、又これに随伴いたしまする諸般の事柄につきましては、我々としても今後逐次研究を遂げて参らなければいけませんが、いろいろこれまでの折衝過程といたしましては、この條項の範囲で一応進行させたいと、こういうことでございます。
  22. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それではもう少し具体的な問題についてお伺いしたいのですが、この法案を実施する結果として、外国銀行も為替を扱う、日本の銀行も扱うことになりますが、外国銀行の地位が日本為替銀行の地位に比較して、実際の取引上において非常に強くなるのではないかと、こういうことが危惧されておりますが、この点はどうなんでございましよう。
  23. 青木孝義

    國務大臣青木孝義君) これは恐らくここの項目の中で言えば、大蔵当局が御答弁することであろうと思いますが、私は外国銀行或いは外国商社、そういうものが、例えば金利とか何とかいうものから見れば、相当強い態勢にあると、いわゆる日本の現状から言えば、金利は高いし、又産業面におきましても資本の蓄積が乏しいとか何とかいうような意味から考えますれば、そういつたことも一応考えられると思いまするが、できるだけ国際経済への鞘寄せという点からその調和に努力して参りたいと、こういうことでございます。
  24. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この点木内さんに一つ答弁願いたいのですが……。
  25. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) 外国銀行の方が非常に有利になりはしないかということは、いろいろな機会にいろいろな方から御質問があつたと思います。この法案は例の属地主義によりまして、平等の立場に扱うのであります。即ち法律的に見れば、その間に逕庭はない筈であります。ただ実際上に、やり方によつては彼らの方が有利とするところは、ロンドン、ニユーヨークの安い金利というものを使えるということを有利とするのです。これについては、彼らはその代り円資金がありません。円の資金を取得するために、ロンドンの資金を売るとか、或いは直物で売つて先物で買うとか、そういうようなことによつて資金を作るという手は彼らにあるわけであります。そのときに、ただ資金を売つただけでは彼らとしては円の買持ちということになる。為替のリスクを侵しますから、普通の銀行のやることとしてはそれはやらない筈であります。期近物を売つて先物を買うということで、円資金を調達したいという希望が必ず出て来るだろうと思います。そのときに、期近物と先物とでは金利差を織込んで相場をつけることができます。それで若干の金利を取ることにすれば、彼らのコストというものは、日本資金コストに鞘寄せすることができるのでありまして、これは一に運用にかかつておるのであつて、この法律は、如何ようにもそこは操作できる道があいております。今後それを善処したいと考えております。
  26. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 今のお話で、果してそれになるかどうか、実際の問題について非常に危惧されておるのですが、その問題は一応それとしましてですね、この法律では外貨をドルとポンドの二つにしているわけですね。大蔵大臣が外貨を指定する場合、これはドルとポンドと二つだけなんですか、
  27. 伊原隆

    政府委員(伊原隆君) さようでございます。
  28. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますとですね、例え中国との貿易がだんだん予想されて来る場合、これはどうなりますか。この決済は……。
  29. 伊原隆

    政府委員(伊原隆君) 法律的に申しますと、外貨の改訂は、第八條、この法律の第八條でございますが、「この法律により認められる取引は、大蔵大臣の指定する通貨により行わなければならない。」ということになつておりまして、只今お答え申上げましたのは、差当りドルとポンドとを指定する、こういう考えでございます。今後の発展に備えましては、いろいろの通貨を指定することもでき得ることになつております。
  30. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それから最後に安本長官一つお伺いしたいのですが、外貨予算を作るとき、これに見合の物資需給計画というものが、おありだと思うのですが、それから最近ですね、いろんな経済情勢の変動によつて、最初政府が作られた物資需給計画と大分違つて、最近新聞なんかには、有効需要を基にした生産計画、需給計画というものが、たびたび新聞に出ておりますが、最近のですね、外貨予算を規定するに見合うところの物資需給計画がおありになりましたら出して頂きたいと思うのです。
  31. 青木孝義

    國務大臣青木孝義君) その点につきましては、貿易局長からお答えいたすことにいたします。
  32. 谷林正敏

    政府委員(谷林正敏君) 只今お尋ねの、これを作るに当り需給計画というもの、それから最近の有効需要を勘案した需給計画、これはお尋ね通り勿論これを、この予算を作るに当りましては、国内の需給計画、それから国内の、その外の輸出に対する需要度、それから滯貨その他を考慮に入れて作らなければなりません。それで当然一月一日から輸入は発足することにつきましては、そういうようなすべての計画を樹立いたしまして、それによつてやることは当然であります。まだその方は各省関係者、その他と交渉中並びに資料蒐集中でありまして、まだ分つておりません。
  33. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 有効需要を基にしてですね、いろんな需給計画とか生産計画を立てる場合ですね、これは計画というものは立てられるかどうか、安本長官にお伺いしたいのです。
  34. 青木孝義

    國務大臣青木孝義君) 御承知だと思いまするが、この有効需要の測定ということを経済安定本部の作業として、七、八月頃からやつて参りました。そこでその有効需要の如何というようなことによつて、このデイス・インフレ政策といいますか、日本のデフレというような問題がいろいろ言われておりましたが、どういうこの有効需要の状況であるかということから、いろいろとその有効需要をどうつけていつたらいいかということの検討をいたして参つておるのですが、そういうことが、国際貿易の場合におきましても、相当に有力な要因でありますることは、認めておる次第であります。
  35. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これは今後の日本経済のですね、運営なり、或いはですね、日本経済をどういう水準、或いは方向に持つて行くかという場合に一番重要な点だと私思うのですが、それを政府がやはり有効需要を基にして経済政策を立てて行くということを言つておりますから、この点十分聞いて置きたいと思うのですが、一体有効需要というものは、有効需要を基にして物資の需給計画を立てるということの考えがですね、それで計画なんか立ちつこないと思う。例えば有効需要を起すといつても、財政面から金融面へ起しますので、その金が国民の方に渡つて行く、その金を一体誰がどういうふうに使うかということを一体計画で測定できましようか。私は全く自由経済を計画的にやる、そういう経済を基礎にして、そうして貿易の需給計画を作つて、外貨予算を作れ、こういうことは私は不可能だと思う。若しか無理にやるならば、無理にやればそれが日本経済に今度は撹乱的作用を及ぼして来る。やればやはり国内経済において計画的な態勢を作つてですねこれをやらなければいけない。有効需要を基に計画的に運用して行くということは、私は矛盾しておると思うのですが、これは安本長官はどういうようにお考えですか。
  36. 青木孝義

    國務大臣青木孝義君) 御承知通り、我々は従来の統制経済から漸次自由経済への移行過程にあるこういうことであります。併しながら我々野放しに自由経済考えておるわけでは、ございませんので、どうしても統制を必要とするもの、こういうものについては尚統制は継続中でございまするし、又自由価格、マル公価格こういうものを考え、実行価格とを考えながら、有効需要等を勘案して、そうして国の経済と政策の面でこれを働かして行こう、こういうことでありますので、有効需要という問題を考えないで、今日の政策はちよつと立ち難いというふうに今考えておる次第であります。
  37. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 今の問題に関連してですね、まあそれから質問しますが、有効需要を基礎にしてこの貿易計画を立てるわけなんでしようか。大体今の政府のやり方は官公吏の賃金なんかぐつと抑えておる、生活に非常に困難するような状態に放置して置きながら、そうして有効需要とは一体何です。あれは物価なり、生活費の昂騰に応じて官公吏の賃金でも上げて行けば有効需要で行くのですが、無理に抑えてしまう。有効需要というて何が有効需要であるかそこを一つ……。
  38. 青木孝義

    國務大臣青木孝義君) 我々はこの四月以来ドツジ・ラインを嚴守して、そうしてデイス・インフレの線を維持して行くこういう考えでございます。賃金と物価の関係というものを成るべく、この勿論凸凹はありますけれども、維持して行きたい。こういう考え方から、勿論賃金をいくらでも殖やせるならば、それに応じた有効需要が起つて来ることは私共了解いたしておりますが、併しながら賃金と物価の惡循環ということが、インフレーシヨンの最も大きな現象形体として我々は認めて参つたのでありますから、そこで物価と賃金との惡循環を阻止して行くということから、できるだけ物価も騰げないように、従つて賃金も成るべく動かすことのないようにという方針で参つておる次第でございます。
  39. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 だからですよ、有効需要ということじやないのであつて、実は日本の再建計画、これを基礎にして貿易計画を立てるということになるのじやないのですか。
  40. 青木孝義

    國務大臣青木孝義君) 勿論有効需要というのは、日本経済変動におきますところの一つの要因でありますので、それが全部だとは考えておりません。ですからおつしやることは私の方もよく分つております。
  41. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そこで安本長官お尋ねしたいが、日本の再建計画という大きな枠の中において貿易計画を立てなければならない。再建計画から出て来る有効需要というものを測定して計画を立てなければならんのではないか。こう思うのですが、そこでこれは本会議でも我が党の者が質問しましたが、再建計画を相当努力して作つたわけなのですけれども、これをこの間のように本会議での御答弁では、資料が不足であるとか、自由経済に持つて行かなければならないからああいう計画をやるという御答弁でしたが、現在我々が使用し得る日本の統計、それに基いて出た結論が、統制、或いは計画という面に行かなければならんということをその統計が指示するならば、それに政府は従うべきではないか。これを無視して自由経済にどうしても持つて行かなければならん、こういう結論は承認できないというのは、非常におかしいと思うが……。
  42. 青木孝義

    國務大臣青木孝義君) これは経済政策といたしまして自由経済に持つて行くと私は簡單にお答えをしたのでありますが、併しこれも勿論一つの要素でありますが、我々が経済計画を立てて、而もその計画が相当長期に亘る計画の場合におきまして、いろいろ経済的な変化が生じた場合に処して、例えばそういう経済計画が直ちにそのまま発表して適当であるかどうか、こういうことについては十分検討されなければなりませんので、差控えておつた。こう申上げたので、その間には恐らく矛盾がないと自分は考えておる次第でございます。
  43. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 この検討は政府だけでやるべきことではないと私は思う。八千万国民と共に検討すべきだと思う。その材料を政府は出すべきだと思う。そういう意味で我々は要求している。是非お出しになるお考えはございませんか。それも政府だけが秘密に持つて、政府がこそこそ検討しているというのではなく、国会に出して国民と共に検討したらいいと私は思う。それが民主政治のやり方だと私は思う。どう考えますか。
  44. 青木孝義

    國務大臣青木孝義君) それは勿論いつ出すかということも、我々の立場といたしますれば十分検討した上で出すならば出す。今日のところでは尚検討中に属しているということでございます。
  45. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) ちよつと質問の中途ですが、議事の運営上ちよつと御相談申上げたいと思います。十二時ちよつと過ぎましたから、現在質問の中途でありますが、要求されておつた資料で出て来ていない分がまだ大分あります。今日五十九條による不服の申立などに関する政令の要望が出ておりますが、閣僚審議会の整理ももう少し余裕がなければという政府の答弁でありまして、まだ今日には間に合つておりません。  それから先程からの質問者はまだ終了していないわけであります。従いましてこの時間はまだ当分続けて、あと二、三十分間続けてやるという方法、或いは今日の午後でも適当な時間を捉えてやるという方法、或いは明日やるという方法、以上三つがあると思います。この三点、或いはそれ以外の問題につきまして一つ恐れ入りますが、各委員でちよつとここで御相談願いまして、今後の運営を決めたらどうかと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 御異議ないと認めます。それでは五分間休憩……。
  47. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その前に資料をちよつと……。先程外貨予算の基礎になる物資需給計画、それは今作製中であるというお話でありますが、その資料がございましたら……。
  48. 木内四郎

    ○木内四郎君 昨日私が要求した資料は出せないというお話つたので、僕もそれを了承しましたが、ちよつと違つた形で、裏からそれを出して貰いたいと思うのは、各地域別といいますか、余り細かくでなくてもいいけれども、それに対しての輸出入の計画を一つ出して頂きたいと思います。それがなければ、今日予算などというものは、出て来ていない筈だろうと思ひます。それを一つ安本長官にお願ひいたします。
  49. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 輸出入計画の見通しになりますね。
  50. 青木孝義

    國務大臣青木孝義君) ちよつと申上げますが、四半期のは来月の初旬にできると思つておりますが……、今一生懸命やつておりますですが……。
  51. 木内四郎

    ○木内四郎君 そうすると為替のことは昨日ないというお話つたから、これは仕方がないかも知れんが、併しあれだけの予算をすでに出しておられるから、それがいい加減に当ずつぽうに自分たちが拵えたということを、今自白されたことになると思う。それでは非常に我々としても心許ないのですね。だからもう少し地域的に、どういう国家の再建計画に基いて、どういうものをどの程度に輸出する能力があるか、輸入の可能性があるか、或いは輸出の見通しはどういう地域でどういう品目でと、このくらいのあれがなければ予算を出してはちよつと困りますね。
  52. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 今の可能か、或いは不可能な場合があるということをも含めて懇談して、今の運営上の御相談をしたいと思いますが、よろしゆうございますか、先程休憩と申上げましたが……。
  53. 木内四郎

    ○木内四郎君 ついでだけれども、大体後で多少違つても予算だから仕方がないので、一定の予算内におれたちは六百何億の為替を、この外貨予算を出したというのではちよつと通らないと思います。やはり何か一応の説明だけは出して置いて貰わんと困ります。
  54. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 資料の要求ですが、外国為替予算というのがあるのですが、この予算を四半期分でも何でもいいですから、雛型でもいいから是非出して貰いたいと思います。
  55. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 先程木内さんのと……。
  56. 木内四郎

    ○木内四郎君 それを、昨日要求したけれども出せないと……。
  57. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 どうして出せないのですか。
  58. 木内信胤

    政府委員(木内信胤君) ちよつと御説明いたします。何か外国貿易その他に関する予算で、年間の大きな予算、これは例えば輸出は、四億ドルできるだろうといつたような、私はつきり数字を記憶いたしませんが、そういう大きな見込みというものは、これは必ずしも出鱈目ではない。現状においてはでき得る限りの正確度を盛りながら大きな予想を立てたわけであります。それがこの四月頃には外国貿易特別会計というものの総額として計上されたのであります。それは通産省が輸入者であり、又輸出代金を拂うという関係におきまして、政府の資金で賄われたわけであります。それが今度様子が変りまして、為替会計でやることになりまして、これを貿易会計から為替会計に移すというのが、今度の補正予算として出されたものであります。その関係もこの法案の中に盛られてございます外貨予算とはやや別個の関係であり、大きな見積りの中でこの四半期、なかんずく今出す輸入許可は、これは割当の分と早廻しと二つあります。その今出す輸入許可は通貨別、国別、勘定別というふうにやるというのが外貨予算でありまして、これはやはり輸入許可の出し方の一つの指針である。これはおつしやるような、何といいますか、基礎計画とがつちり組んだその上でなければできないというものではなくて、むしろそれをやりながら成る程この商品には非常に需要者が多い。或いはそういうことが実施して見て分つて来ます。それに従つての御説明があつたと思いますが、四半期と申しますか、先ず一、三の予算を組んで、一月中には二、四の予算を組むというようなことに参りますので、実施の状況を見ながら、これを逐次替えて行くことにしようというふうに行くわけです。これは基礎計画ががつちりできていなければできないというものではなくて、これを今まで、この予算を出すについてまだその予算がないということは、そういう事態でありますからお許し願がえると思います。一、三のものを組みますには十一月に組んで十分に間に合う。こういう関係にあるのであります。
  59. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 だからさつきから問題にするのであつて外国貿易の外貨の割当方策というものを決める場合に、日本経済の再建計画というものがなければ決まらない。出たらめをやつてしまうことになる。そういう出たらめなことでは日本経済の再建はできない。私の言うのは先ず一、三の外貨予算ができるならば、それを手掛りにして私共は民自党内閣が如何なる日本再建計画を持つておるかを知ろうとしておる。これを分かれて別々のものとして出すというそんな無茶なことはない。早い者勝ちだとか何とか言つて予想しさえすれば如何にもうまくやり過ぎた、足りなくなつたら、今度はこちらにやるという、そういう出たらめな政治なんかありつこないと思います。是非これは出して貫いたいと思います。
  60. 木内四郎

    ○木内四郎君 今度は輸出入のバランスを取るようにこれを考えておられるわけでありますが、予想をしておつても輸出ができない場合には、為替がないから輸入ができないというのかどうか。若し輸入ができない場合に、一定のどうしても日本輸入をしなければならないものがある場合には、或いはクレジツトを設定するとか何かやるかどうか、現在一体どれだけの為替資金があつて、どういうものに使う計画であるか。例えばこれをどういうようなふうにクレジツトで補うつもりであるか、そういうことについても計数を出せたら出して貰いたいと思います。
  61. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは只今お話に基きまして一応速記を停止して、そうして御相談をいたしたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) では速記を停止して下さい。    〔速記中止]
  63. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) では速記を始めて下さい。
  64. 木内四郎

    ○木内四郎君 ちよつとあなたのさつき言われたことについて一分間だけ、明らかにして置いた方がいいと思うことは、さつき木村委員からの質問に対して、通産大臣は三百六十円ベースは今日は変えるつもりはない。併し将来輸出入の関係、或いは物価の関係で変えることがあるかも知れんということを言われたが、総理大臣は本会議で施政演説の中で三百六十円というものは円安に決めたのだ、絶対に変える必要はないと言われた。勿論誰が何と言つても今通産大臣が言われたように将来の輸出入の関係、或いは物価の関係で変える必要があり得ると思われると商工大臣が言われたことは、如何にも今日は変えないけれども、年でも越せば変えることがあるかも知れないというように聞こえる虞れがあると思うので、その点そういう意味ですか。
  65. 稻垣平太郎

    國務大臣稻垣平太郎君) 今木村さんの聞かれたのは、原則論として、為替は一体据え置いたらこれは意味をなさないという御議論で、それに対して、無論その通り、理論的には木村さんのお説の通り、その通りでありますということを答えたのです。併しながら今日という言葉はきようという意味ではなくて、或る期間、少くとも我々は変えないことの方が適当であるということを考えるということを申上げたのであります。これは明日、明後日変えるという意味ではなく、年が明けたら変えるという意味でもありません。少くとも私はこの為替が維持できる情勢に日本がある限りにおいては、ということでそういうことを申上げた。例えば尚今日はいわゆる企業合理化その他の方法によつて十分これをカヴアーし得ると今我々は考える。そうして一方において変えることによつて惡い影響が起るから……。これはきようという意味ではないのであつて、理論的には木村さんの言われる通りですが、我々は変える考えはない。こういう気持だということを御了解願いたいと思います。
  66. 木内四郎

    ○木内四郎君 資料に関連して、クレジツトのことに関連して、資金が足りないときにはクレジツトを設定するお考えがあるか、或いは初めからクレジツトを設定するお考えがあるかどうかということです。輸出ができなければ、輸入の方も必要なものがあつても入れないということになるが、そういう考えではないだろうと思う。
  67. 青木孝義

    國務大臣青木孝義君) 輸入したいけれども、どうしても輸入しなければならないというものについて、輸出がないために輸入資金がない、その場合には一体どうするか、こういう御質問であつたと思いますが、それは今のところでは、我々としてはできるだけその調和を図つて行くということでやつて参りますけれども、若しそういうことが起りました場合には又そのときに考えたいと思います。(笑声)
  68. 木内四郎

    ○木内四郎君 ちよつと関連して一言だけですが、そのスタートにおいて、資金の関係からいつて、そういう事態は初めの頃に発生する虞れがあるかどうかというのです。スタートにおいてそういう虞れは初めからないかというのです。
  69. 青木孝義

    國務大臣青木孝義君) 先ずないと存じております。(笑声)
  70. 木内四郎

    ○木内四郎君 それに関連して私はさつき基礎資料を出して頂きたいと言つたのです。
  71. 谷林正敏

    政府委員(谷林正敏君) 今のにちよつと追加して御説明申上げます。これはこの予算を作るときに、そういう事態が一応起らないようにというので、予算の中に予備費……、通常予備費と臨時予備費、こういう二つの項目が入つておりまして、非常に愼重にそういうことがないようにという気持で作るわけであります。それで万一予想に反して非常に輸出が少くなつた。そのために輸入するのが一応できなくなつた場合にはどうするかということは、今から言えますることは、その場合には輸入を減らす以外に方法はないということであります。又そのときになりましてクレジツトその他の問題が起るのは別箇の問題でありまして、それを予想してはそれはなし得ないということを申上げて置きます。
  72. 木内四郎

    ○木内四郎君 今は輸出の方はつかえておる今日の状態において、スタートから故障はないか。日本の円で組んだ予算において予備費があるのはあなたから言われなくても分つておりますけれども、外国為替の操作の上に支障がないか、ないならないであなた方の方からさつき要求した計数を出して頂けばよい。
  73. 谷林正敏

    政府委員(谷林正敏君) ございません。
  74. 西川昌夫

    ○西川昌夫君 宗教団体又は慈善団体等が無償で以て物資をアメリカあたりから持つて来る場合には、この法律の適用はどういうことになりますか。
  75. 武内龍次

    説明員武内龍次君) 只今の御質問は外貨予算のうちに入るかどうかということでございますか。それとも輸入の方針としてそういうものを許すかどうかという御質問でありますか、どちらですか。
  76. 西川昌夫

    ○西川昌夫君 管理法ですから管理内にあるのかないのか、フリー・パスイング……。
  77. 武内龍次

    説明員武内龍次君) それはやはり輸入の許可の中に入りまして、やはり管理の中に入るわけであります。
  78. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それではまだ御質問があると思いますが、明日又継続いたしますから、今日の委員会はこれで散会いたします。明日は十時に開会いたします。  尚予定を申上げて誠に申訳ありませんが、でき得れば明日の午前中に今の連合委員会の継続の質問を終了したいと思いますから、できるだけ御協力願いたいと思います。散会いたします。    午後零時二十二分散会  出席者は左の通り。   経済安定委員    委員長     佐々木良作君    理事            西川 昌夫君            安達 良助君            帆足  計君    委員            和田 博雄君            横尾  龍君            奥 むめお君            藤井 丙午君   大蔵委員    委員長     櫻内 辰郎君    理事            波多野 鼎君            黒田 英雄君            伊藤 保平君            九鬼紋十郎君    委員            木内 四郎君            小宮山常吉君            川上  嘉君            木村禧八郎君            米倉 龍也君   通商産業委員    委員長     小畑 哲夫君    委員            中川 以良君            小杉 繁安君            境野 清雄君            宇都宮 登君            鎌田 逸郎君            駒井 藤平君   国務大臣    通商産業大臣  稻垣平太郎君    国 務 大 臣 青木 孝義君   政府委員    外国為替管理委    員会委員長   木内 信胤君    大蔵事務官    (理財局長)  伊原  隆君    経済安定本部貿    易局長     谷林 正敏君   説明員    通商産業事務官    (通商局長)  武内 龍次君